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特開2024-59447情報処理システム、画像読み取り装置、画像形成装置、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059447
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、画像読み取り装置、画像形成装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240423BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H04N1/04 106Z
H04N1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167123
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】林 学
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA05
5C072EA05
5C072EA08
5C072FB23
5C072LA02
5C072LA12
5C072RA02
5C072RA04
5C072RA10
5C072UA11
(57)【要約】
【課題】読み取りが済んだ原稿の検出が行われない構成に比べ、ユーザが原稿の読み取りを行う際の作業性を向上させる。
【解決手段】情報処理システムは、1または複数のプロセッサを備え、1または複数のプロセッサは、原稿Gが置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に撮影装置が得る、原稿台の映像である原稿台映像70を取得し、原稿台映像70に、撮影装置による撮影が済んだ原稿Gが含まれる場合に、撮影が済んだ原稿Gを検出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備える情報処理システムであり、
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、
前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影済み原稿が検出された場合、当該撮影済みの原稿が残っていることをユーザに認識させるための処理が行われるようにする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影済み原稿が残っていることをユーザに認識させるための前記処理として、前記原稿台に置かれた当該撮影済み原稿が当該原稿台上に残っていることをユーザに知らせるための表示が表示部に行われるようにする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っている状態にて新たな原稿が当該原稿台上に置かれた場合、当該撮影済み原稿と当該新たな原稿とをユーザが識別可能な表示が表示部に行われるようにする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、
前記識別可能な表示として、前記撮影済み原稿について行われる表示の表示態様と、前記新たな原稿について行われる表示の表示態様とが異なるようになる表示が行われるようにする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像から当該原稿が写っている部分である原稿画像が取得されるようにし、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っている状態にて前記撮影画像が得られた場合、当該撮影済み原稿についての前記原稿画像が取得されないようにする、
請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ当該撮影済み原稿を検出した場合、前記撮影装置による前記原稿台の新たな撮影が行われないようにする、
請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っており且つ当該原稿台上に新たな原稿が置かれている状態にて前記撮影装置による当該原稿台の撮影が行われて新たな撮影画像が取得された場合、当該新たな撮影画像のうちの、当該撮影済み原稿が写っている部分について行われる処理と、当該新たな撮影画像のうちの、当該新たな原稿が写っている部分について行われる処理とが異なるものになるようにする、
請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像に含まれる像の位置と、当該原稿が置かれた当該原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る前記原稿台映像に含まれる像の位置とに基づき、前記撮影済み原稿の検出処理を行う、
請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影画像に含まれる像の位置と、前記原稿台映像に含まれる像の位置とが一致する場合、前記撮影済み原稿を検出する、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像に含まれる画像と、当該原稿が置かれた当該原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る前記原稿台映像に含まれる画像とに基づき、前記撮影済み原稿の検出処理を行う、
請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影画像に含まれる画像と、前記原稿台映像に含まれる画像とが一致する場合、前記撮影済み原稿を検出する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
原稿が置かれる原稿台を撮影装置で撮影して当該原稿の画像の読み取りを行う装置と、
前記装置についての情報を処理する1または複数のプロセッサと、
を備え、
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、
前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、
画像読み取り装置。
【請求項14】
原稿が置かれる原稿台を撮影装置で撮影して当該原稿の画像の読み取りを行う装置と、
前記装置についての情報を処理する1または複数のプロセッサと、
記録材への画像の形成を行う画像形成部と、
を備え、
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、
前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、
画像形成装置。
【請求項15】
コンピュータに、
原稿が置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得する機能と、
前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、画像読み取り装置、画像形成装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿載置台の予め定められた複数の領域内にそれぞれ載置された複数の原稿の一面を一括で読み取って複数の第1画像データを生成した後、複数の原稿の裏表の面を反転して複数の領域内にそれぞれ再載置された複数の原稿の反対面を一括で読み取って複数の第2画像データを生成した場合、第1および第2画像データを領域ごとに裏表の画像データとして関連付ける処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-004298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原稿を読み取る装置では、読み取りの対象となる原稿が原稿台に置かれたうえで、原稿の読み取りが行われることがある。
ここで、原稿を読み取る装置では、原稿の読み取りの後、既に読み取りが行われたこの原稿の除去が行われず、この原稿が再度読み取られる事態が生じ得る。また、原稿の表裏に画像が形成されている場合には、原稿の1回目の読み取りの後、ユーザによる原稿の表裏の反転がなされないまま、2回目の読み取りが行われる事態も生じ得る。このことは原稿台に名刺やレシートなどの小さな原稿を複数同時に置くことで、より発生しやすくなる。
本発明の目的は、読み取りが済んだ原稿の検出が行われない構成に比べ、ユーザが原稿の読み取りを行う際の作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、1または複数のプロセッサを備える情報処理システムであり、前記1または複数のプロセッサは、原稿が置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記撮影済み原稿が検出された場合、当該撮影済みの原稿が残っていることをユーザに認識させるための処理が行われるようにする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記撮影済み原稿が残っていることをユーザに認識させるための前記処理として、前記原稿台に置かれた当該撮影済み原稿が当該原稿台上に残っていることをユーザに知らせるための表示が表示部に行われるようにする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っている状態にて新たな原稿が当該原稿台上に置かれた場合、当該撮影済み原稿と当該新たな原稿とをユーザが識別可能な表示が表示部に行われるようにする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記識別可能な表示として、前記撮影済み原稿について行われる表示の表示態様と、前記新たな原稿について行われる表示の表示態様とが異なるようになる表示が行われるようにする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像から当該原稿が写っている部分である原稿画像が取得されるようにし、前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っている状態にて前記撮影画像が得られた場合、当該撮影済み原稿についての前記原稿画像が取得されないようにする、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ当該撮影済み原稿を検出した場合、前記撮影装置による前記原稿台の新たな撮影が行われないようにする、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っており且つ当該原稿台上に新たな原稿が置かれている状態にて前記撮影装置による当該原稿台の撮影が行われて新たな撮影画像が取得された場合、当該新たな撮影画像のうちの、当該撮影済み原稿が写っている部分について行われる処理と、当該新たな撮影画像のうちの、当該新たな原稿が写っている部分について行われる処理とが異なるものになるようにする、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像に含まれる像の位置と、当該原稿が置かれた当該原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る前記原稿台映像に含まれる像の位置とに基づき、前記撮影済み原稿の検出処理を行う、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記撮影画像に含まれる像の位置と、前記原稿台映像に含まれる像の位置とが一致する場合、前記撮影済み原稿を検出する、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像に含まれる画像と、当該原稿が置かれた当該原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る前記原稿台映像に含まれる画像とに基づき、前記撮影済み原稿の検出処理を行う、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項12に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記撮影画像に含まれる画像と、前記原稿台映像に含まれる画像とが一致する場合、前記撮影済み原稿を検出する、請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載の発明は、原稿が置かれる原稿台を撮影装置で撮影して当該原稿の画像の読み取りを行う装置と、前記装置についての情報を処理する1または複数のプロセッサと、を備え、前記1または複数のプロセッサは、原稿が置かれた原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、画像読み取り装置である。
請求項14に記載の発明は、原稿が置かれる原稿台を撮影装置で撮影して当該原稿の画像の読み取りを行う装置と、前記装置についての情報を処理する1または複数のプロセッサと、記録材への画像の形成を行う画像形成部と、を備え、前記1または複数のプロセッサは、原稿が置かれた原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、画像形成装置である。
請求項15に記載の発明は、コンピュータに、原稿が置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得する機能と、前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1,13,14,15の発明によれば、読み取りが済んだ原稿の検出が行われない構成に比べ、ユーザが原稿の読み取りを行う際の作業性を向上させることができる。
請求項2,3の発明によれば、読み取りが済んだ原稿が原稿台に残っていることをユーザに知らせることができる。
請求項4の発明によれば、単に原稿残りを通知する構成に比べ、原稿の読み取りを行おうとするユーザの作業性を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、単に原稿残りを通知する構成に比べ、原稿の読み取りを行おうとするユーザの作業性を向上させることができる。
請求項6の発明によれば、読み取りが済んでいる原稿についての原稿画像が二重に取得されることを防ぐことができる。
請求項7の発明によれば、読み取りが済んだ原稿が再度撮影されることを防ぐことができる。
請求項8の発明によれば、撮影画像に含まれる原稿について行われる処理を、読み取りが済んだ原稿であるか否かに応じて異ならせることができる。
請求項9の発明によれば、読み取りが済んだ原稿を、撮影画像に含まれる画像および原稿台映像に含まれる画像に基づいて検出する構成に比べて、読み取りが済んだ原稿の検出処理を簡略化することができる。
請求項10の発明によれば、撮影画像に含まれる像の位置と原稿台映像に含まれる像の位置とが一致する場合に、読み取りが済んだ原稿を検出することができる。
請求項11の発明によれば、撮影画像に含まれる画像と、原稿台映像に含まれる画像とに基づき、読み取りが済んだ原稿の検出処理を行うことができる。
請求項12の発明によれば、撮影画像に含まれる画像と原稿台映像に含まれる画像とが一致する場合に、読み取りが済んだ原稿を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像読み取り装置の全体構成を示した図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を説明する図である。
図3】(A),(B)は、表示装置の表示の一例を示した図である。
図4】(A),(B)は、表示装置の表示の他の例を示した図である。
図5】(A),(B)は、表示装置の表示の他の例を示した図である。
図6】(A),(B)は、表示装置の表示の他の例を示した図である。
図7】(A),(B)は、表示装置の表示の他の例を示した図である。
図8】処理が実行される際の処理の詳細を示したフローチャートである。
図9】表示装置の表示の他の例を示した図である。
図10】処理が実行される際の処理の詳細を示したフローチャートである。
図11】(A),(B)は、表示装置の表示の他の例を示した図である。
図12】(A),(B),(C)は、表示装置の表示の他の例を示した図である。
図13】画像形成装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、画像読み取り装置1の全体構成を示した図である。
本実施形態の画像読み取り装置1は、いわゆる書画カメラである。
画像読み取り装置1には、画像の読み取りの対象となる原稿Gが置かれこの原稿Gを下方から支持する原稿台3と、原稿台3に置かれた原稿Gの撮影を行う撮影装置の一例としてのカメラ5と、ユーザへの情報の表示を行う表示装置7とが設けられている。
画像読み取り装置1は、原稿Gが置かれた原稿台3の撮影を行ってこの原稿Gの読み取りを行う装置である。
【0009】
さらに、画像読み取り装置1には、原稿Gの撮影に関する情報の処理を行う情報処理装置100が設けられている。情報処理装置100は、不図示の通信回線を介して、カメラ5、表示装置7に接続されている。情報処理装置100は、後述するように、原稿Gの読み取りに関する各種の決定を行う。
カメラ5は、原稿台3の上部に配置され、また、原稿台3との間に間隙を有した状態で配置される。カメラ5は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を備え、下方に位置する原稿台3の撮影を行う。本実施形態では、カメラ5の画角内に原稿台3が収まっており、カメラ5は、原稿台3の全体を撮影する。
【0010】
表示装置7は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにより構成され、画像読み取り装置1を操作するユーザに通知される情報の表示を行う。
本実施形態では、表示装置7は、いわゆるタッチパネルにより構成され、表示装置7は、情報の表示のみならず、ユーザの操作を受け付ける。
【0011】
原稿台3は、矩形状に形成され、4つの側辺31を有する。本実施形態では、4つの側辺31として、手前側側辺311、奥側側辺312、右側側辺313、左側側辺314が設けられている。
ユーザが画像読み取り装置1の操作を行う場合は、手前側側辺311の前に、このユーザが位置する形となる。言い換えると、本実施形態では、手前側側辺311を挟み、奥側側辺312が位置する側とは反対側に、ユーザが位置する形となる。
【0012】
本実施形態では、情報処理装置100は、原稿台3に原稿Gが置かれた状態にてユーザからの指示を受け付けると、カメラ5を作動させ、原稿Gが置かれたこの原稿台3の撮影を行う。これにより、原稿Gについての静止画像である撮影画像が取得される。そして、この撮影画像から、原稿Gを読み取っている部分である原稿画像を抽出して取得する取得処理を行う。
原稿画像を抽出して取得する取得処理では、例えば、撮影画像に含まれる矩形状の画像を検出する。そして、この矩形状の画像を、原稿画像として取得する。
【0013】
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成を説明する図である。
情報処理装置100には、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、プログラムなどの情報が記録される2次記憶部12と、外部装置との間における情報の送受信を行う通信部13とを有する。
2次記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0014】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。本実施形態では、このCPU11aが、以下で説明する各処理を実行する。
また、演算処理部11は、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cを備える。
また、演算処理部11は、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部13等の各部を制御するインターフェース部11eを備える。
【0015】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。
本実施形態では、演算処理部11が、2次記憶部12やROM11cに記憶されたプログラムを読み込むことによって、以下で説明する各処理が実行される。
演算処理部11と、2次記憶部12と、通信部13とは、バスや信号線を通じて接続されている。
【0016】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、情報処理装置100へ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、情報処理装置100へ提供してもよい。
【0017】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0018】
画像読み取り装置1にて実行される処理を、図3(A),(B)を用いて説明する。
図3(A),(B)は、表示装置7の表示の一例を示した図である。
本実施形態では、画像読み取り装置1(図1参照)の電源が投入されると、カメラ5(図1参照)による映像の取得が開始され、カメラ5によって取得されるこの映像が、表示装置7に表示されるようになる。
【0019】
図3(A)に示す表示例では、表示装置7に、カメラ5によって原稿台3の全体が撮影されることにより得られた、原稿台3についての映像である原稿台映像70が表示されている。この原稿台映像70は、動画となっている。言い換えると、この原稿台映像70は、原稿台3をリアルタイムに撮影することにより得られた映像となっている。
原稿台3(図1参照)に原稿G(図1参照)が置かれると、図3(A)に示すように、原稿台映像70として、原稿Gの載っている状態にある原稿台3についての映像が表示される。
表示装置7には、対応画像71が表示されている。この対応画像71は、原稿台映像70のうちの、原稿台3に置かれている原稿Gに対応する画像である。
【0020】
また、本実施形態では、図3(A)に示すように、ユーザからの指示を受け付ける画像であるボタン画像として、スキャンボタン80と、終了ボタン90とが、表示装置7に表示される。
スキャンボタン80は、静止画像である撮影画像(後述)の取得の指示をユーザから受け付けるためのボタン画像である。言い換えると、スキャンボタン80は、静止画による原稿台3の撮影の指示をユーザから受け付けるためのボタン画像である。
終了ボタン90は、カメラ5による原稿台3の撮影の終了の指示をユーザから受け付けるためのボタン画像である。言い換えると、終了ボタン90は、静止画による原稿台3の撮影を行わずに原稿台3の撮影を終了する指示をユーザから受け付けるためのボタン画像である。
【0021】
画像読み取り装置1における原稿Gの読み取りにあたっては、まず、原稿台3の上に原稿Gが置かれる。この際、本実施形態では、図3(A)に示すように、カメラ5が得る原稿台映像70が、表示装置7に表示される。
次いで、ユーザによるスキャンボタン80に対する操作が行われて、カメラ5による撮影が行われる。これにより、原稿Gが置かれた原稿台3を撮影することにより得られる撮影画像が取得される。
そして、本実施形態では、この撮影画像から、原稿Gを読み取っている部分である原稿画像を抽出して取得する取得処理を行う。
【0022】
本実施形態では、カメラ5によって原稿台3の全体が撮影され、撮影画像には、原稿Gの画像のみならず、原稿台3についての画像も含まれる。
本実施形態では、上記の通り、この撮影画像から、原稿Gを読み取っている部分である原稿画像を抽出して取得する取得処理を行う。
ここで、撮影され原稿画像の取得が済んだ原稿G(以下「撮影が済んだ原稿G」という。)は、撮影済み原稿の一例である。言い換えると、読み取りが済んだ原稿Gは、撮影済み原稿の一例である。
【0023】
本実施形態では、撮影画像が取得された後も、カメラ5による撮影が継続され、原稿台映像70が順次取得される。
そして、本実施形態では、取得されたこの原稿台映像70に、既に読み取りが済んだ上記の原稿Gが継続して存在する場合、この原稿Gの検出を行う。
なお、ユーザによる終了ボタン90に対する操作が行われた場合、カメラ5による撮影は終了される。これにより、既に読み取りが済んだ原稿Gの検出が終了される。
【0024】
図3(B)では、原稿Gの読み取りが終了してから時間が経過した後における原稿台映像70を表示している。
本実施形態では、原稿台映像70に、図3(B)に示すように、読み取りが済んだ原稿Gの画像が含まれる場合に、この原稿Gを検出する。
本実施形態では、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3にそのまま置かれている場合、原稿台映像70から、この原稿Gに対応する対応画像71が検出される。
【0025】
さらに、本実施形態では、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3にそのまま置かれている場合、原稿Gが原稿台3に残っていることをユーザに認識させるための処理が行われる。
具体的には、図3(B)の符号7Aで示すように、「前回原稿が残っています」という表示が行われる。
言い換えると、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3にそのまま置かれている場合、この原稿Gが原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われる。
なお、その他に、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3上にそのまま置かれている場合、図3(B)の符号7Bで示すように、この原稿Gに対応する対応画像71に、他の画像が付されるようにしてもよい。また、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3上にそのまま置かれている場合、絵、音、光等を用いて通知してもよい。
【0026】
また、その他に、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3上にそのまま置かれている場合、カメラ5による新たな撮影が行われないようにしてもよい。
具体的には、例えば、図3(B)に示すように、ユーザから撮影の指示を受け付けるためのスキャンボタン80(図3(A)参照)を非表示とすることで、ユーザがカメラ5に対する指示を行えないようにして、カメラ5による新たな撮影が行われないようにしてもよい。
本実施形態では、静止画像である撮影画像の取得の指示を、スキャンボタン80を介して受け付けるが、例えば、このスキャンボタン80が表示されないようにすることで、カメラ5による新たな撮影が行われないようにしてもよい。
【0027】
スキャンボタン80に対する操作を介して、ユーザから撮影の指示を受け付けると、スキャンボタン80は、一旦非表示となる。言い換えると、原稿Gについてカメラ5による撮影を行うと、スキャンボタン80は、この原稿Gが原稿台3から除去されるまで、非表示となる。
【0028】
また、その他に、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3にそのまま置かれている場合、スキャンボタン80を介してユーザからの撮影の指示を一応受け付けるものの、カメラ5による新たな撮影が行われないようにしてもよい。
具体的には、例えば、ユーザからの撮影の指示を一応受け付けるが、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3から除去されるまでは、この指示に基づく撮影を保留するようにしてもよい。そして、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3から除去されたら、この指示に基づく撮影が行われるようにしてもよい。
【0029】
また、その他に、撮影が済んだ原稿Gが原稿台3上にそのまま置かれている状態にてカメラ5による新たな撮影が行われるようにするが、この撮影により得られる撮影画像からの原稿画像の取得が行われないようにしてもよい。
【0030】
本実施形態では、CPU11aは、原稿台映像70に基づき、撮影が済んだ原稿Gの検出を行う。言い換えると、CPU11aは、原稿台映像70に基づき、原稿台3に残っている原稿Gの検出を行う。
図3(A),(B)にて示した例では、原稿台3(図1参照)を撮影した原稿台映像70に、撮影が済んだ原稿Gに対応する対応画像71が含まれる場合に、この原稿Gを検出する。
CPU11aは、静止画として得られた撮影画像に含まれる原稿画像と、リアルタイムに得られる原稿台映像70に含まれる対応画像71とに基づき、原稿台3に残っている原稿Gを検出する。
【0031】
具体的には、CPU11aは、静止画として得られた撮影画像に含まれる原稿画像の位置と、リアルタイムに得られる原稿台映像70に含まれる対応画像71の位置とが一致する場合に、撮影が済んだ原稿Gを検出する。言い換えると、この場合、CPU11aは、原稿台3に残っている原稿Gを検出する。
【0032】
本実施形態では、撮影済みの原稿Gが原稿台3上に残っている場合、リアルタイムに得られる原稿台映像70に、この原稿Gに起因する、矩形状の像が含まれることになる。
また、本実施形態では、静止画像として得られた撮影画像にも、原稿Gに起因する、矩形状の像が含まれることになる。
CPU11aは、原稿台映像70に含まれるこの矩形状の像の位置と、撮影画像に含まれる矩形状の像の位置とが一致する場合に、原稿Gが残っていると判断し、撮影が済んだ原稿Gを検出する。
【0033】
なお、像の位置についての情報の取得にあたっては、例えば、像が有する4つの角部の各々の位置を取得するようにする。そして、撮影画像に含まれる矩形状の像が有する4つの角部の各々の位置と、原稿台映像70に含まれる矩形状の像が有する4つの角部の各々の位置とが一致する場合に、原稿台3に原稿Gが残っていると判断する。
また、像の位置についての情報の取得にあたっては、その他に、例えば、矩形状の像の中心部の位置を取得するようにする。そして、この場合、撮影画像に含まれる矩形状の像の中心部の位置と、原稿台映像70に含まれる矩形状の像の中心部の位置とが一致する場合に、原稿台3に原稿Gが残っていると判断する。
【0034】
その他、CPU11aは、例えば、静止画像である撮影画像に含まれる画像と、原稿台映像70に含まれる画像とが一致する場合に、原稿台3に原稿Gが残っていると判断する。
この場合、原稿Gの撮影後に、この原稿Gが原稿台3上にて移動した場合であっても、原稿台3に原稿Gが残っているとの判断を行える。
【0035】
また、その他、CPU11aは、例えば、原稿台映像70のみに基づき、撮影が済んだ原稿Gを検出してもよい。言い換えると、CPU11aは、原稿台映像70のみに基づき、原稿台3に残っている原稿Gを検出してもよい。
この処理を行う場合、CPU11aは、撮影画像が取得された後の原稿台映像70を基に、原稿台3に置かれた原稿Gが、原稿台3の周縁を超えて原稿台3の外側へ移動したか否かを判断する。
【0036】
具体的には、CPU11aは、カメラ5による撮影が行われてから、原稿Gに相当する画像が原稿台映像70に継続して存在する場合、撮影が済んだ原稿Gが、原稿台3の周縁を超えて原稿台3の外側へ移動していないと判断する。
この場合、CPU11aは、原稿台3に原稿Gが残っていると判断する。
【0037】
また、CPU11aは、撮影が済んだ原稿Gの検出において、上記にて説明した処理を組み合わせて、原稿台3に残っている原稿Gの検出を行ってもよい。
具体的には、CPU11aは、例えば、撮影画像に含まれる矩形状の像の位置およびこの矩形状の像に形成されている画像と、原稿台映像70に含まれる矩形状の像の位置およびこの矩形状の像に形成されている画像とに基づき、原稿台3に残っている原稿Gの検出を行ってもよい。
この場合、CPU11aは、例えば、撮影画像に含まれる矩形状の像の位置およびこの矩形状の像に形成されている画像と、原稿台映像70に含まれる矩形状の像の位置およびこの矩形状の像に形成されている画像が一致する場合に、原稿台3に残っている原稿Gの検出を行う。
【0038】
図4,5(表示装置7の他の表示例を示した図)は、ユーザが、原稿を取り替えて読み取りを行う場合に実行される処理を説明する図である。
この処理例では、原稿G1,G2の撮影が行われた後、原稿G3,G4の撮影を行う場合を例とする。
図4(A)は撮影画像を取得する前の状態、図4(B)は撮影画像を取得した後の状態を示した図である。
図5(A)は図4(B)から撮影が済んだ原稿G1を取り除き、新たな原稿G3が原稿台3に置かれた状態、図5(B)は図5(A)から撮影が済んだ原稿G2を取り除き、新たな原稿G4が原稿台3に置かれた状態を示した図である。
【0039】
この処理例では、まず、ユーザによって、原稿G1,G2が原稿台3(図1参照)に置かれ、これにより、原稿台映像70が、図4(A)に示す状態となる。原稿台映像70には、原稿G1,G2の各々に対応する対応画像711,712が含まれる。
【0040】
図4(A)に示す表示例では、対応画像711,712に加えて、符号7Cで示すように、対応画像71(711,712)の各々を囲む画像が表示される。
符号7Cで示す、この囲む画像は、原稿G1,G2についての原稿画像が撮影画像から抽出されて取得されていないことを、ユーザに知らせるための画像である。
本実施形態では、上記の通り、原稿台3の全体を撮影することにより得られた撮影画像から、原稿画像が抽出されて取得される。
符号7Cで示す、囲む画像は、原稿G1,G2についての原稿画像が撮影画像から抽出されて取得されていないことを示す画像となっている。
なお、符号7Cで示す画像は、対応画像71を囲む形態に限らず、矢印等の画像や、ポップアップ等のテキストメッセージを含む画像であってもよい。
【0041】
その後、この処理例では、原稿G1,G2の撮影が行われる。
具体的には、ユーザによるスキャンボタン80の選択が行われることで、原稿G1,G2が置かれた原稿台3の撮影が行われる。
その後、この処理例でも、撮影が済んだ原稿G1,G2が、原稿台映像70から検出される。そして、図4(B)の符号7Aで示すように、原稿G1,G2が原稿台3に残っていることを示す表示が行われる。
【0042】
図4(B)に示す表示例では、原稿台映像70に加えて、符号7Aで示すように、「前回原稿が残っています」という表示が行われている。
言い換えると、図4(B)に示す表示例では、撮影が済んだ原稿G1,G2が原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われている。
なお、絵、音、光等を用いて、撮影が済んだ原稿G1,G2が原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われてもよい。
【0043】
また、図4(B)に示す表示例では、符号7Bで示すように、対応画像71(711,712)の各々を囲む画像が表示されている。
符号7Bで示す、この囲む画像は、原稿G1,G2に対応する原稿画像が、撮影画像から既に抽出されて取得されていることを、ユーザに知らせるための画像である。
本実施形態では、原稿G1,G2の撮影が行われると、原稿画像の取得処理が開始されるが、この取得処理により原稿画像が取得された状態となると、符号7Bで示す、囲む画像が表示される。
なお、上記と同様、原稿画像が取得されていることをユーザに知らせるための画像は、囲む画像に限らず、矢印等の画像や、ポップアップ等のテキストメッセージを含む画像であってもよい。
【0044】
また、図4(B)に示す表示例では、新たな撮影の指示をユーザから受け付けるスキャンボタン80(図4(A)参照)を非表示とすることで、カメラ5による新たな撮影が行われないようにしている。
なお、その他に、スキャンボタン80の表示を維持し、さらに、スキャンボタン80に対するユーザからの指示を受け付けるようにしてもよい。ただし、この場合は、上記の通り、原稿G1,G2が原稿台3から除去されるまでは、カメラ5による新たな撮影が保留されるようにする。
【0045】
図4(B)の表示例では、原稿G1,G2の各々に対応する対応画像71を含む原稿台映像70が表示されている。
その後、この処理例では、ユーザが、原稿G1の除去を行って、新たな原稿G3を原稿台3に置く。
この場合、図5(A)に示すように、新たな原稿G3に対応する対応画像713を含む原稿台映像70が表示される。
【0046】
図5(A)に示す表示例では、撮影が済んだ原稿G2に対応する対応画像712と、新たな原稿G3に対応する対応画像713とが、原稿台映像70に含まれている。
この場合、撮影が済んだ原稿G2が依然として原稿台3に残っていることになるため、図5(A)の符号7Aで示すように、「前回原稿が残っています」という表示が行われる。
言い換えると、撮影が済んだ原稿G2が、原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われる。
なお、絵、音、光等を用いて、撮影が済んだ原稿G2が、原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われてもよい。
【0047】
また、図5(A)の表示例では、撮影が済んだ原稿G2と新たな原稿G3との識別を可能にする表示が行われている。
図5(A)の表示例では、撮影が済んだ原稿G2について行われる表示と、新たな原稿G3について行われる表示との間で、表示態様が異なっている。これにより、ユーザは、撮影が済んだ原稿G2と新たな原稿G3との識別を行える。
図5(A)の表示例では、撮影が済んだ原稿G2に対応する対応画像712に対して、符号7Bで示す破線の画像が付され、新たな原稿G3に対応する対応画像713に対して、符号7Cで示す実線の画像が付されている。
【0048】
なお、その他に、例えば、撮影が済んだ原稿G2について行われる表示を点滅させ、新たな原稿G3について行われる表示は点滅させないようにしてもよい。
また、その他、例えば、撮影が済んだ原稿G2について行われる表示の色と、新たな原稿G3について行われる表示の色とを異ならせてもよい。
また、その他、例えば、撮影が済んだ原稿G2について行われる表示が行われるようにし、新たな原稿G3については、このような表示が行われないようにしてもよい。
【0049】
また、図5(A)に示す表示例では、上記と同様、新たな撮影の指示をユーザから受け付けるスキャンボタン80(図4(A)参照)を非表示とすることで、カメラ5によるこの新たな撮影が行われないようにしている。
その後、この処理例では、ユーザが、原稿G2の除去を行い、この原稿G2に替えて、新たな原稿G4を原稿台3に置く。
この場合、図5(B)に示すように、新たな原稿G3,G4の各々に対応する対応画像713,714を含む原稿台映像70が表示される。
【0050】
図5(B)に示す表示例では、新たな原稿G3,G4の各々に対応する対応画像713,714に対して、符号7Cで示す画像が表示されている。
この符号7Cで示す画像は、上記と同様、原稿G3,G4についての原稿画像が撮影画像から抽出されて取得されていないことを、ユーザに知らせるための画像である。
【0051】
図5(B)に示す状態では、原稿台3に置かれた新たな原稿G3,G4の撮影が済んでいないため、「前回原稿が残っています」という表示は行われていない。
新たな原稿G3,G4の撮影が済んでいない状態では、図5(B)に示すように、スキャンボタン80が表示される。これにより、新たな撮影の指示をユーザから受け付けて、カメラ5による新たな撮影を行えるようになる。
【0052】
図5(A)に示す状態では、撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に残っていたため、スキャンボタン80が表示されずに、新たな撮影の指示をユーザから受け付けることができなかった。
図5(B)に示す状態では、撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に残っていないため、スキャンボタン80が表示され、ユーザが、新たな撮影の指示を行えるようになる。
これにより、新たな原稿G3,G4の撮影を行える。
【0053】
図6,7(表示装置7の他の表示例を示した図)は、ユーザが、原稿の表裏を入れ替えて読み取りを行う場合に実行される処理を説明する図である。
この処理例では、表裏の両方に画像が形成されている原稿G1,G2の撮影を行う場合を例とする。
図6(A)は原稿G1,G2の表面G1a,G2aについての撮影画像を取得する前の状態、図6(B)は原稿G1,G2の表面G1a,G2aについての撮影画像を取得した後の状態を示した図である。
図7(A)は、撮影が済んだ原稿G1の表裏の入れ替えを行った状態、図7(B)は撮影が済んだ原稿G2の表裏の入れ替えを行った状態を示した図である。
【0054】
この処理例では、まず、図6(A)に示すように、表面G1a,G2aをカメラ5(図1参照)に向けた状態で原稿台3(図1参照)に置かれた原稿G1,G2の映像を含む原稿台映像70が表示装置7に表示される。
原稿台映像70には、表面G1a,G2aをカメラ5に向けた状態で原稿台3に置かれた原稿G1,G2の各々に対応する対応画像711a,712aが含まれる。
【0055】
図6(A)に示す表示例では、上記と同様、対応画像711a,712aに加えて、符号7Cで示すように、対応画像71(711a,712a)の各々を囲む画像が表示される。
符号7Cで示す、囲む画像は、原稿G1,G2の表面G1a,G2aについての原稿画像が、撮影画像から抽出されて取得されていないことを、ユーザに知らせるための画像である。
【0056】
その後、この処理例では、ユーザによるスキャンボタン80の選択が行われる。これにより、原稿G1,G2の表面G1a,G2aについての撮影が行われることにより得られる撮影画像が取得される。
そして、この撮影画像から、原稿G1,G2の表面G1a,G2aについての原稿画像が抽出されて取得される。
【0057】
その後、この処理例でも、上記と同様の処理によって、撮影が済んだ原稿G1,G2が、原稿台映像70から検出される。
これにより、この処理例でも、図6(B)に示すように、原稿G1,G2が原稿台3の上に置かれたままの状態にあることを示す情報が、表示装置7に表示される。
【0058】
この処理例でも、図6(B)の符号7Aで示すように、原稿G1,G2が原稿台3の上に置かれたままの状態を示す情報として、「前回原稿が残っています」という情報が表示される。
また、図6(B)に示す表示例では、上記と同様、新たな撮影の指示をユーザから受け付けるためのスキャンボタン80(図6(A)参照)を非表示とすることで、カメラ5による新たな撮影が行われないようにしている。
【0059】
また、この処理例でも、図6(B)の符号7Bで示すように、対応画像71(711,712)の各々を囲む画像が表示される。
符号7Bで示す画像は、上記と同様、原稿G1,G2の表面G1a,G2aに対応する原稿画像が、撮影画像から既に抽出されて取得されていることをユーザに知らせるための画像である。
【0060】
その後、この処理例では、ユーザが、撮影が済んだ原稿G1,G2のうちの原稿G1の表裏の入れ替えを行って、原稿G1の裏面G1bをカメラ5(図1参照)に向ける。
これにより、図7(A)に示すように、裏面G1bをカメラ5に向けた状態で置かれた原稿G1に対応する対応画像711bを含む原稿台映像70が表示される。
【0061】
図7(A)に示す表示例では、撮影が済んだ原稿G2の表面G2aに対応する対応画像712aと、原稿G1の裏面G1bに対応する対応画像711bとが、原稿台映像70に含まれている。
この場合、撮影が済んだ原稿として、表面G2aをカメラ5に向けた状態で置かれた原稿G2が、原稿台映像70から検出される。
そして、この場合も、図7(A)の符号7Aで示すように、「前回原稿が残っています」という表示が行われ、一方の面についての撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われる。
【0062】
また、この処理例でも、裏面G1bをカメラ5に向けた状態で置かれた原稿G1と、表面G2aをカメラ5に向けた状態で置かれた原稿G2との識別を可能にする表示が行われている。
具体的には、図7(A)に示す表示例では、裏面G1bをカメラ5に向けた状態で置かれた原稿G1に対応する対応画像711bに対して、符号7Cで示す実線の画像が付され、表面G2aをカメラ5に向けた状態で置かれた原稿G2に対応する対応画像712aに対して、符号7Bで示す破線の画像が付されている。
【0063】
その後、この処理例では、ユーザが、撮影が済んだ原稿G2の表裏の入れ替えを行って、原稿G2の裏面G2bをカメラ5(図1参照)に向ける。
この場合、図7(B)に示すように、原稿G2の裏面G2bに対応する対応画像712bを含む原稿台映像70が表示される。
【0064】
図7(B)に示す状態では、原稿台3に置かれた原稿G1,G2の裏面G1b,G2bの撮影が済んでいないため、「前回原稿が残っています」という表示が行われない。
原稿G1,G2の裏面G1b,G2bの撮影が済んでいない状態では、図7(B)に示すように、スキャンボタン80が表示される。これにより、新たな撮影の指示をユーザから受け付けて、カメラ5による新たな撮影を行えるようになる。
【0065】
図7(A)に示す状態では、撮影が済んだ表面G2aがカメラ5に向いた状態の原稿G2が原稿台3に残っていたため、スキャンボタン80が表示されずに、新たな撮影の指示をユーザから受け付けることができなかった。
図7(B)に示す状態では、撮影が済んだ表面G2aではなく、裏面G2bがカメラ5に向いた状態で原稿G2が置かれているため、スキャンボタン80が表示され、ユーザが、新たな撮影の指示を行えるようになる。
これにより、原稿G1,G2の裏面G1b,G2bの撮影を行える。
【0066】
図8は、上述した処理の流れを示したフローチャートである。
本実施形態では、まず、CPU11aは、撮影条件の設定を受け付ける(ステップS101)。具体的には、例えば、ユーザによって画像読み取り装置1(図1参照)の電源が投入され、表示装置7に対する操作が行われることにより、CPU11aは、撮影条件の設定を受け付ける。
そして、CPU11aは、カメラ5を作動させて、原稿台3を撮影することにより得られる原稿台映像70の取得を開始する(ステップS102)。これにより、表示装置7には、現在の原稿台3の全体の状態を示す動画である原稿台映像70が表示される。
【0067】
次いで、この処理例では、ユーザが、撮影が済んでいない原稿を原稿台3に置き、静止画像である撮影画像の取得を受け付けるためのスキャンボタン80に対して操作を行う。
CPU11aは、ユーザの指示に基づき、原稿が置かれた原稿台3の撮影を行う(ステップS103)。これにより、原稿が置かれた原稿台3を撮影することにより得られる撮影画像が取得される。
【0068】
その後、CPU11aは、撮影画像から、原稿を読み取っている部分である原稿画像を抽出して取得する(ステップS104)。
そして、CPU11aは、原稿画像についての情報を、2次記憶部12へ保存する(ステップS105)。具体的には、CPU11aは、撮影画像から抽出して取得した、原稿画像の位置についての情報と、原稿画像自体とを、2次記憶部12へ保存する。
【0069】
次いで、本実施形態では、CPU11aが、原稿の検出処理を行う(ステップS106)。具体的には、CPU11aは、カメラ5が得る原稿台映像70を解析して、原稿台3に、撮影が済んだ原稿が残っているか否かを判断する。
【0070】
ここで、CPU11aは、例えば、原稿台映像70に含まれる対応画像71の位置と、上記の原稿台3の撮影により得られた撮影画像に含まれる原稿画像の位置とが一致する場合、原稿台3に原稿が残っていると判断し、撮影が済んだ原稿を検出する。
その他、CPU11aは、例えば、原稿台映像70に含まれる対応画像71に形成されている画像と、撮影画像に含まれる原稿画像に形成されている画像とが一致する場合に、原稿台3に原稿が残っていると判断し、撮影が済んだ原稿を検出するようにしてもよい。
【0071】
CPU11aは、撮影が済んだ原稿を検出した場合(ステップS106でYES)、撮影が済んだ原稿が原稿台3に残っている旨をユーザに通知する通知処理を行う(ステップS107)。
これにより、表示装置7では、図3(B),図4(B),図6(B)の符号7Aで示した情報や符号7Bで示した画像が表示される。
また、CPU11aは、撮影が済んだ原稿を検出した場合、新たな撮影の指示をユーザから受け付けるスキャンボタン80を非表示とする。
CPU11aは、撮影が済んだ原稿の除去や、撮影が済んだ原稿の表裏の入れ替えがユーザにより行われるまで、上記の通知処理を行い、また、スキャンボタン80を非表示としておく処理を行う。
【0072】
一方、CPU11aは、撮影が済んだ原稿が検出しない場合(ステップS106でNO)、スキャンボタン80を介して受け付けたユーザの指示に基づき、原稿台3について新たな撮影を行う(ステップS108)。具体的には、CPU11aは、ユーザの指示に基づき、新たな原稿が置かれた原稿台3について新たな撮影を行う。これにより、原稿台3が新たに撮影されることにより得られる新たな撮影画像が取得される。
その後、CPU11aは、新たな撮影画像から、新たな原稿を読み取っている部分である新たな原稿画像を抽出して取得する(ステップS109)。
そして、CPU11aは、上記と同様、この新たな原稿画像についての情報を、2次記憶部12へ保存する(ステップS110)。
【0073】
次いで、CPU11aが、カメラ5による原稿台3の撮影を終了するか否かを判断する(ステップS111)。
具体的には、例えば、カメラ5による原稿台3の撮影の終了を受け付けるための終了ボタン90に対してユーザが操作を行った場合にはカメラ5による原稿台3の撮影を終了すると判断され、終了ボタン90に対してユーザが操作を行っていない場合にはカメラ5による原稿台3の撮影を継続すると判断される。
その他、例えば、新たな撮影画像が取得されてからスキャンボタン80に対してユーザの操作が行われない状態にて、予め定められた時間が経過した場合にはカメラ5による原稿台3の撮影を終了すると判断され、予め定められた時間内である場合にはカメラ5による原稿台3の撮影を継続すると判断される。
【0074】
CPU11aは、カメラ5による原稿台3の撮影を継続する場合(ステップS111でNO)、S106以降の処理を、カメラ5による原稿台3の撮影が終了されるまで繰り返す。
ステップS111にて、CPU11aは、カメラ5による原稿台3の撮影を終了する場合(ステップS111でYES)、処理を終了する。
【0075】
図9(表示装置7の他の表示例を示した図)は、上記の処理とは異なる他の処理を説明する図である。
図9に示す表示例では、撮影が済んだ原稿G2に対応する対応画像712と、新たな原稿G3に対応する対応画像713とが、原稿台映像70に含まれている。
この処理例でも、上記と同様の処理によって、撮影が済んだ原稿G2が、原稿台映像70から検出される。
具体的には、CPU11aは、2次記憶部12に保存されている原稿G2の原稿画像の位置と、リアルタイムに得られる原稿台映像70に含まれる対応画像712の位置とが一致する場合に、原稿台3に残っている原稿G2を検出する。
【0076】
ここで、上記では説明を省略したが、「位置が一致する」とは、完全一致に限らない。
本実施形態では、CPU11aは、2次記憶部12に保存されている原稿画像の位置と、リアルタイムに得られる原稿台映像70に含まれる対応画像712の位置とが異なっていても、異なる程度が予め定められた閾値よりも小さい場合には、原稿画像の位置と対応画像712の位置とが一致すると判断する。
カメラ5による読み取りに誤差が生じたり、原稿がわずかながら動く事態が生じたりすることが想定され、本実施形態では、この場合、位置が一致すると判断する。
【0077】
図9に示す処理例について説明する。
図9に示す処理例でも、上記と同様、撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われる。
一方、この処理例では、上記の処理とは異なり、新たな撮影の指示をユーザから受け付けるためのスキャンボタン80が表示装置7に表示されている。
【0078】
図9に示す処理では、撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に残っていても、スキャンボタン80が表示され、ユーザが、新たな撮影の指示を行えるようになっている。
これにより、この場合、撮影が済んだ原稿G2の除去が行われなくても、撮影が済んだ原稿G2とともに新たな原稿G3の撮影を行える。
【0079】
撮影が済んだ原稿G2とともに新たな原稿G3の撮影を行える場合、撮影が済んだ原稿G2と新たな原稿G3とが置かれた原稿台3を撮影することにより得られる撮影画像が取得されることになる。
この場合、撮影画像には、撮影が済んだ原稿G2を読み取っている部分である原稿画像と、新たな原稿G3を読み取っている部分である新たな原稿画像とが含まれることになる。
【0080】
図9にて説明するこの処理例では、新たな原稿G3については、撮影画像から、この新たな原稿G3の原稿画像を抽出して取得する。さらに、この場合、原稿G3の原稿画像の位置についての情報や、原稿G3についての原稿画像自体が、2次記憶部12に保存される。
原稿G2については、原稿G2の原稿画像の位置のみを抽出して取得する。そして、原稿G2の原稿画像の位置についての情報が、2次記憶部12に保存される。
本実施形態では、上記の通り、原稿画像の位置に基づき、撮影が済んだ原稿が原稿台3に残っているか否かを判断するため、この判断に用いられる、原稿画像の位置についての情報を保存するようにする。
【0081】
ここで、本実施形態では、原稿G2の原稿画像の位置についての情報については、複数回、2次記憶部12に保存されることになる。
具体的には、本実施形態では、原稿G2が最初に置かれた状態にて1回目の撮影が行われた場合と、原稿G2についての撮影画像が既に取得されている状態にて行われる2回目の撮影が行われた場合のそれぞれにおいて、原稿G2の原稿画像の位置についての情報が取得されて保存されることになる。
【0082】
ここで、原稿G2の原稿画像の位置についての情報は、1回目の撮影により得られた情報を継続して利用することも可能であるが、本実施形態では、原稿G2の撮影が行われる度に、この位置についての情報を更新する。
原稿G2については、撮影の度にわずかながら動くことが想定され、撮影の度に、原稿の位置が変化することも想定される。
この場合に、原稿台3に置かれている原稿G2の位置が、過去の原稿画像の位置に一致しているか否かの判断を、1回目の撮影により得られた原稿画像の位置を基準に行うと、原稿台3に置かれている原稿G2が、過去の原稿画像に対応する原稿とは別の原稿であると判断されやすくなる。
【0083】
本実施形態では、原稿G2の撮影を複数回繰り返していった場合に、原稿G2の位置が次第にずれ、位置ずれが大きくなるおそれがある。この場合に、1回目の撮影により得られた原稿画像の位置を基準とすると、この基準に対するずれが大きくなり、原稿台3に置かれている原稿G2が、過去の原稿画像に対応する原稿とは別の原稿であると判断されやすくなる。
これに対し、原稿G2の撮影が行われる度に、原稿G2の原稿画像の位置についての情報を更新すると、原稿台3に置かれている原稿G2が別の原稿であると判断されにくくなる。
これにより、撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に載っているにも関わらず、原稿G2とは異なる別の原稿であると判断され、撮影が済んだ原稿G2が原稿台3に残っていることが検出されない事態が生じにくくなる。
【0084】
さらに、他の処理例を説明する。
上記では、原稿が置かれた原稿台3の撮影が、ユーザによるスキャンボタン80の選択に基づいて行われる場合を一例に説明した。
これに限らず、予め定められた条件を満たす場合に、自動で、原稿が置かれた原稿台3の撮影が行われるようにしてもよい。
【0085】
例えば、原稿台3に置かれている原稿が予め定められた時間以上静止している場合に、この原稿が置かれた原稿台3の自動撮影が行われるようにしてもよい。
また、自動撮影が行われる場合において、撮影が済んだ原稿が原稿台3にそのまま置かれている場合には、原稿台3の自動撮影が行われないようにしてもよい。
上記では、撮影が済んだ原稿が原稿台3にそのまま置かれている場合、スキャンボタン80が表示されないようにすることで、新たな撮影が行われないようにした。自動撮影の場合、自動で、新たな撮影が行われないようにする。
【0086】
また、その他に、自動撮影を行うにあたり、例えば、撮影が済んだ原稿と、撮影が済んでいない原稿とが原稿台3に載っている場合には、自動撮影が行われるようにしてもよい。言い換えると、撮影が済んだ原稿が原稿台3に残っていても、撮影が済んでいない原稿が原稿台3に載っている場合には、自動撮影が行われるようにしてもよい。
【0087】
撮影が済んだ原稿が原稿台3に載っていても、自動撮影が行われるようにする場合、撮影が済んでいない原稿については、撮影画像から、この撮影が済んでいない原稿の原稿画像を抽出して取得する。
また、この場合、撮影が済んでいない原稿に対応する原稿画像の位置についての情報や、撮影が済んでいない原稿についての原稿画像自体が、2次記憶部12に保存される。
また、撮影が済んだ原稿については、位置のみを抽出して取得する。そして、撮影が済んだ原稿の原稿画像の位置についての情報が、2次記憶部12に保存される。
【0088】
なお、撮影が済んだ原稿が原稿台に残っている状態で、自動で、原稿台3の撮影が行われる場合にも、上記と同様、撮影が済んだ原稿が原稿台3に残っていることをユーザに知らせる通知が行われることが好ましい。
また、撮影が済んだ原稿が原稿台3に載っていても、自動撮影が行われる場合、撮影が済んだ原稿についての原稿画像が、2次記憶部12に保存されないことをユーザに知らせる通知も行われるようにしてもよい。
【0089】
図10は、撮影が済んだ原稿が原稿台3に載っていても、自動撮影が行われる場合の処理の流れを示したフローチャートである。
なお、図10では、原稿台3に原稿が一切置かれていない状況からの処理の流れを示している。
【0090】
この処理例でも、まず、CPU11aは、撮影条件の設定を受け付け(ステップS201)、原稿台映像70の取得を開始する(ステップS202)。これにより、表示装置7には、原稿台映像70が表示される。
【0091】
次いで、この処理例では、ユーザが、撮影が済んでいない原稿を原稿台3に置く。
そして、原稿台3の状態が自動撮影の条件を満たすと、自動で、原稿が置かれた原稿台3の撮影が行われる(ステップS203)。
具体的には、CPU11aは、原稿台3に、原稿が置かれ静止している場合に、自動撮影の条件を満たすと判断し、原稿台3の1回目の撮影が行われるようにする。これにより、原稿が置かれた原稿台3を撮影することにより得られる撮影画像が取得される。
その後、CPU11aは、上記と同様、撮影画像から、原稿画像を抽出して取得し(ステップS204)、1回目の撮影により得られる原稿画像についての情報を、2次記憶部12へ保存する(ステップS205)。
【0092】
次いで、この処理例では、ユーザが、撮影が済んだ原稿を除去せずに、新たな原稿を原稿台3に置く場合を想定する。
この場合、撮影が済んだ原稿が残っていることになるため、CPU11aは、この撮影が済んだ原稿の検出処理を行う(ステップS206)。
なお、本明細書では、以下、撮影が済んだ原稿であって除去されない上記の原稿を、「残留原稿」と称し、上記の新たな原稿を、「新原稿」と称する。
【0093】
そして、CPU11aは、残留原稿が原稿台3に残っている旨をユーザに通知する通知処理を行うとともに(ステップS207)、自動撮影の条件を満たした原稿台3について、自動で新たな撮影を行う(ステップS208)。
CPU11aは、例えば、残留原稿と新原稿とが静止している場合、残留原稿が原稿台3に残っていることを示す表示を表示装置7に行ったうえで、新たな自動撮影を行う。言い換えると、自動で、2回目の撮影を行う。
これにより、残留原稿と新原稿とが置かれた原稿台3を撮影することにより得られる新たな撮影画像が取得される。
【0094】
その後、CPU11aは、上記の残留原稿を読み取っている部分である原稿画像の位置を、2回目の撮影により得られた新たな撮影画像から抽出して取得する(ステップS209)。
また、CPU11aは、2回目の撮影により得られた新たな撮影画像から、上記の新原稿を読み取っている部分である原稿画像を抽出して取得する(ステップS210)。
【0095】
そして、CPU11aは、残留原稿の原稿画像の位置についての情報と、新原稿の原稿画像についての情報とを、2次記憶部12へ保存する(ステップS211)。具体的には、CPU11aは、残留原稿の原稿画像の位置についての情報と、新原稿の原稿画像の位置についての情報と、新原稿の原稿画像自体とを、2次記憶部12へ保存する。
これにより、2次記憶部12に保存されている原稿画像についての情報のうちの、残留原稿の原稿画像の位置についての情報が更新される。
また、新原稿の原稿画像については、新原稿の原稿画像の位置についての情報が登録される。
【0096】
次いで、CPU11aが、カメラ5による原稿台3の撮影を終了するか否かを判断する(ステップS212)。
CPU11aは、カメラ5による原稿台3の撮影を継続する場合(ステップS212でNO)、S206以降の処理を、カメラ5による原稿台3の撮影が終了されるまで繰り返す。
ステップS212にて、CPU11aは、カメラ5による原稿台3の撮影を終了する場合(ステップS212でYES)、処理を終了する。
【0097】
さらに、他の処理例を説明する。
図11,12(表示装置7の他の表示例を示した図)は、一度に2枚より多い原稿の読み取りを行う際の処理を説明する図である。
この処理例では、原稿G1,G2,G3の撮影が行われた後、原稿G4,G5,G6の撮影を行う場合を例とする。
【0098】
この処理例では、まず、ユーザによって原稿G1,G2,G3が原稿台3(図1参照)に置かれ、原稿台映像70が、図11(A)に示す状態となる。
その後、この処理例では、原稿G1,G2,G3の撮影が行われる。
そして、この処理例でも、上記と同様の処理によって、図11(B)に示すように、撮影が済んだ原稿G1,G2,G3が、原稿台映像70から検出される。これにより、撮影が済んだ原稿が残っていることをユーザに知らせる通知が行われ、スキャンボタン80が非表示となる。
【0099】
次いで、ユーザが、撮影が済んだ原稿G1,G2,G3と、新たな原稿G4,G5,G6との入れ替えを順次行う。
図12(A),(B)に示す状態では、原稿の入れ替えが完了しておらず、撮影が済んだ原稿G2,G3が原稿台3に残っているため、撮影が済んだ原稿が残っていることをユーザに知らせる通知が維持される。
図12(C)に示す状態では、原稿の入れ替えが完了したため、スキャンボタン80が表示され、ユーザが、新たな撮影の指示を行えるようになる。
これにより、新たな原稿G4,G5,G6の撮影を行える。
【0100】
図13は、画像形成装置400を示した図である。
図13に示すように、画像形成装置400の一部として、上記の画像読み取り装置1を設けてもよい。
この画像形成装置400では、この画像形成装置400の上部に、上記にて説明した画像読み取り装置1が設けられている。
この画像読み取り装置1には、上記と同様、原稿Gを下方から支持する原稿台3と、原稿台3に置かれた原稿Gの撮影を行うカメラ5と、ユーザへの情報の表示を行う表示装置7とが設けられている。さらに、画像形成装置400には、原稿Gの撮影に関する情報の処理を行う情報処理装置100が設けられている。
【0101】
また、画像形成装置400には、この画像形成装置400の内部に、用紙などの記録材への画像の形成を行う画像形成部410が設けられている。
画像形成部410は、記録材収容部(不図示)などから供給された記録材に対して、インクジェット方式や電子写真方式などを用い、画像の形成を行う。
より具体的には、画像形成部410は、画像読み取り装置1により得られた撮影画像や、画像形成装置400の外部からこの画像形成装置400へ送信された画像データに基づき、インクジェット方式や電子写真方式などを用い、記録材への画像の形成を行う。
画像が形成された記録材は、用紙積載部420へ搬送されて、この用紙積載部420に積載される。
【0102】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備える情報処理システムであり、
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得し、
前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影済み原稿が検出された場合、当該撮影済みの原稿が残っていることをユーザに認識させるための処理が行われるようにする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影済み原稿が残っていることをユーザに認識させるための前記処理として、前記原稿台に置かれた当該撮影済み原稿が当該原稿台上に残っていることをユーザに知らせるための表示が表示部に行われるようにする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っている状態にて新たな原稿が当該原稿台上に置かれた場合、当該撮影済み原稿と当該新たな原稿とをユーザが識別可能な表示が表示部に行われるようにする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記識別可能な表示として、前記撮影済み原稿について行われる表示の表示態様と、前記新たな原稿について行われる表示の表示態様とが異なるようになる表示が行われるようにする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像から当該原稿が写っている部分である原稿画像が取得されるようにし、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っている状態にて前記撮影画像が得られた場合、当該撮影済み原稿についての前記原稿画像が取得されないようにする、
(((1)))乃至(((5)))の何れかに記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ当該撮影済み原稿を検出した場合、前記撮影装置による前記原稿台の新たな撮影が行われないようにする、
(((1)))乃至(((5)))の何れかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記原稿台映像に前記撮影済み原稿が含まれ前記原稿台上に当該撮影済み原稿が残っており且つ当該原稿台上に新たな原稿が置かれている状態にて前記撮影装置による当該原稿台の撮影が行われて新たな撮影画像が取得された場合、当該新たな撮影画像のうちの、当該撮影済み原稿が写っている部分について行われる処理と、当該新たな撮影画像のうちの、当該新たな原稿が写っている部分について行われる処理とが異なるものになるようにする、
(((1)))乃至(((5)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像に含まれる像の位置と、当該原稿が置かれた当該原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る前記原稿台映像に含まれる像の位置とに基づき、前記撮影済み原稿の検出処理を行う、
(((1)))乃至(((8)))の何れかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影画像に含まれる像の位置と、前記原稿台映像に含まれる像の位置とが一致する場合、前記撮影済み原稿を検出する、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記1または複数のプロセッサは、
原稿が置かれた前記原稿台を前記撮影装置が撮影することにより得られた撮影画像に含まれる画像と、当該原稿が置かれた当該原稿台を前記撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る前記原稿台映像に含まれる画像とに基づき、前記撮影済み原稿の検出処理を行う、
(((1)))乃至(((10)))の何れかに記載の情報処理システム。
(((12)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記撮影画像に含まれる画像と、前記原稿台映像に含まれる画像とが一致する場合、前記撮影済み原稿を検出する、
(((11)))に記載の情報処理システム。
(((13)))
原稿が置かれる原稿台を撮影装置で撮影して当該原稿の画像の読み取りを行う装置と、当該装置についての情報を処理する情報処理システムとを備え、当該情報処理システムが(((1)))乃至(((12)))の何れかに記載の情報処理システムを含んで構成された画像読み取り装置。
(((14)))
原稿が置かれる原稿台を撮影装置で撮影して当該原稿の読み取りを行う装置と、当該装置についての情報を処理する情報処理システムと、記録材への画像の形成を行う画像形成部とを備え、当該情報処理システムが(((1)))乃至(((12)))の何れかに記載の情報処理システムを含んで構成された画像形成装置。
(((15)))
コンピュータに、
原稿が置かれた原稿台を撮影装置が撮影した後に当該撮影装置が得る、当該原稿台の映像である原稿台映像を取得する機能と、
前記原稿台映像に、前記撮影装置による撮影が済んだ原稿である撮影済み原稿が含まれる場合に、当該撮影済み原稿を検出する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0103】
(((1))),(((13))),(((14))),(((15)))の発明によれば、読み取りが済んだ原稿の検出が行われない構成に比べ、ユーザが原稿の読み取りを行う際の作業性を向上させることができる。
(((2))),(((3)))の発明によれば、読み取りが済んだ原稿が原稿台に残っていることをユーザに知らせることができる。
(((4)))の発明によれば、単に原稿残りを通知する構成に比べ、原稿の読み取りを行おうとするユーザの作業性を向上させることができる。
(((5)))の発明によれば、単に原稿残りを通知する構成に比べ、原稿の読み取りを行おうとするユーザの作業性を向上させることができる。
(((6)))の発明によれば、読み取りが済んでいる原稿についての原稿画像が取得されることを防ぐことができる。
(((7)))の発明によれば、読み取りが済んだ原稿が再度撮影されることを防ぐことができる。
(((8)))の発明によれば、撮影画像に含まれる原稿について行われる処理を、読み取りが済んだ原稿であるか否かに応じて異ならせることができる。
(((9)))の発明によれば、読み取りが済んだ原稿を、撮影画像に含まれる画像および原稿台映像に含まれる画像に基づいて検出する構成に比べて、読み取りが済んだ原稿の検出処理を簡略化することができる。
(((10)))の発明によれば、撮影画像に含まれる像の位置と原稿台映像に含まれる像の位置とが一致する場合に、読み取りが済んだ原稿を検出することができる。
(((11)))の発明によれば、撮影画像に含まれる画像と、原稿台映像に含まれる画像とに基づき、読み取りが済んだ原稿の検出処理を行うことができる。
(((12)))の発明によれば、撮影画像に含まれる画像と原稿台映像に含まれる画像とが一致する場合に、読み取りが済んだ原稿を検出することができる。
【符号の説明】
【0104】
1…画像読み取り装置、3…原稿台、7…表示装置、11a…CPU、12…2次記憶部、31…側辺、70…原稿台映像、71…対応画像、100…情報理装置、400…画像形成装置、410…画像形成部、G…原稿
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13