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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059452
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】表示灯及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20240423BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240423BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240423BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20240423BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240423BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
H01L33/00 J
F21S43/14
B60Q1/50 Z
F21W103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167134
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アハマド ワフィク
(72)【発明者】
【氏名】久米田 誠之
【テーマコード(参考)】
3K339
5F241
【Fターム(参考)】
3K339AA31
3K339BA22
3K339BA23
3K339BA28
3K339BA30
3K339CA21
3K339DA01
3K339DA05
3K339EA06
3K339EA09
3K339HA04
3K339JA02
3K339JA21
3K339JA26
3K339KA07
3K339KA11
3K339KA39
5F241BB12
5F241BC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示灯の点灯パターンのバリエーションを確保しつつ更なる低コスト化を図る。
【解決手段】表示灯1は、第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子3を含む発光素子群が配置された点灯表示部2を含む。点灯表示部2の主面が第1態様で区画されて形成された第1点灯領域P1a~P1cが異なるタイミングで点灯又は消灯して第1点灯パターンが生じる。点灯表示部2の主面が第2態様で区画されて形成された第2点灯領域P2a~P2cが異なるタイミングで点灯又は消灯して第2点灯パターンが生じる。表示灯1は、更に、第1点灯領域P1a~P1cに対応して第1点灯回路を形成するべく、及び第2点灯領域P2a~P2cに対応して第2点灯回路を形成するべく構成された配線部と、第1点灯回路を駆動し、及び点灯表示部2を第2点灯回路を駆動する駆動部を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子を含む発光素子群が配置された点灯表示部にして、当該点灯表示部の主面が第1態様で区画されて形成された複数の第1点灯領域が異なるタイミングで点灯又は消灯して前記第1点灯パターンが生じ、当該点灯表示部の主面が第2態様で区画されて形成された複数の第2点灯領域が異なるタイミングで点灯又は消灯して前記第2点灯パターンが生じる点灯表示部と、
前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて前記複数の第1点灯領域に対応して複数の第1点灯回路を形成するべく、及び前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて前記複数の第2点灯領域に対応して複数の第2点灯回路を形成するべく構成された配線部と、
前記点灯表示部を前記第1点灯パターンで点灯させるために前記複数の第1点灯回路を駆動し、及び前記点灯表示部を前記第2点灯パターンで点灯させるために前記複数の第2点灯回路を駆動する駆動部を備える表示灯。
【請求項2】
前記配線部は、複数の固定配線を含み、各固定配線が、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの両方において同時に点灯すべき前記発光素子同士をスイッチ無しで接続することを特徴とする請求項1に記載の表示灯。
【請求項3】
前記配線部は、複数のスイッチを更に含み、
前記複数のスイッチの各スイッチは、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの間で当該スイッチにスイッチ無しで直列に接続された1以上の前記発光素子の接続先を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の表示灯。
【請求項4】
前記複数のスイッチには、前記複数の固定配線に含まれる1以上の固定配線によって直列に接続された2以上の前記発光素子を、前記複数の固定配線に含まれる別の1以上の固定配線によって直列に接続された2以上の前記発光素子に接続する1以上のスイッチが含まれることを特徴とする請求項3に記載の表示灯。
【請求項5】
前記複数の第1点灯回路は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して別の1つの前記発光素子に接続された少なくとも一つの第1点灯回路、又は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して2以上の前記発光素子が直列に接続された別の直列回路に接続された少なくとも一つの第1点灯回路を含み、
前記複数の第2点灯回路は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して別の1つの前記発光素子に接続された少なくとも一つの第2点灯回路、又は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して2以上の前記発光素子が直列に接続された別の直列回路に接続された少なくとも一つの第2点灯回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示灯。
【請求項6】
前記駆動部は、その波形の少なくとも一部にランプ波形を含む駆動電流を生成する第1駆動部と、矩形波として駆動電流を生成する第2駆動部を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示灯。
【請求項7】
前記複数の第1点灯回路が形成される時に前記複数の第1点灯回路のうち同一の点灯回路に対して前記第1駆動部と前記第2駆動部を選択的に接続し、かつ前記複数の第2点灯回路が形成される時に前記複数の第2点灯回路のうち同一の点灯回路に対して前記第1駆動部と前記第2駆動部を選択的に接続するスイッチを更に備えることを特徴とする請求項6に記載の表示灯。
【請求項8】
前記配線部は、前記複数の第1点灯回路のうち2以上の前記第1点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを含み、及び/又は、前記複数の第2点灯回路のうち2以上の前記第2点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを含むことを特徴とする請求項6に記載の表示灯。
【請求項9】
前記配線部は、前記複数の第1点灯回路のうち2以上の前記第1点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを含み、及び/又は、前記複数の第2点灯回路のうち2以上の前記第2点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示灯。
【請求項10】
前記複数の第1点灯領域は、前記点灯表示部の主面の中心に関して同心状に形成される、及び/又は、前記複数の第2点灯領域の各第2点灯領域は、前記点灯表示部の主面を横切る同一の方向に沿って形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示灯。
【請求項11】
前記表示灯は、車両用表示灯であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示灯。
【請求項12】
少なくとも第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子を含む発光素子群が配置された点灯表示部を有する表示灯の制御方法であって、
前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて、前記第1点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第1態様で区画されて形成された複数の第1点灯領域に対応して複数の第1点灯回路を形成する工程と、
前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて、前記第2点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第2態様で区画されて形成された複数の第2点灯領域に対応して複数の第2点灯回路を形成する工程を含む、表示灯の制御方法。
【請求項13】
前記複数の第1点灯回路が形成される時に前記複数の第1点灯回路のうち同一の点灯回路に対して、その波形の少なくとも一部にランプ波形を含む駆動電流と矩形波の駆動電流をこの順又はこれとは逆の順で連続的に供給する工程、及び/又は、前記複数の第2点灯回路が形成される時に前記複数の第2点灯回路のうち同一の点灯回路に対して、その波形の少なくとも一部にランプ波形を含む駆動電流と矩形波の駆動電流をこの順又はこれとは逆の順で連続的に供給する工程を更に含む、請求項12に記載の表示灯の制御方法。
【請求項14】
前記複数の第1点灯回路が形成される時に前記複数の第1点灯回路のうち2以上の前記第1点灯回路を直列接続させる工程、及び/又は、前記複数の第2点灯回路が形成される時に前記複数の第2点灯回路のうち2以上の前記第2点灯回路を直列接続させる工程を更に含む、請求項12又は13に記載の表示灯の制御方法。
【請求項15】
少なくとも第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子が配置された点灯表示部を備える表示灯にして、
当該表示灯は、前記第1点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第1態様で区画されて形成された複数の第1点灯領域に対応して複数の第1点灯回路が形成された第1状態と、前記第2点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第2態様で区画されて形成された複数の第2点灯領域に対応して複数の第2点灯回路が形成された第2状態の間で前記複数の発光素子の接続状態を切り替え可能である、表示灯。
【請求項16】
複数の固定配線と複数のスイッチを含み、
前記複数の固定配線の各固定配線は、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの両方において同時に点灯すべき前記発光素子同士をスイッチ無しで接続し、
前記複数のスイッチの各スイッチは、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの間で当該スイッチにスイッチ無しで直列に接続された1以上の前記発光素子の接続先を切り替えることを特徴とする請求項15に記載の表示灯。
【請求項17】
前記複数のスイッチは、前記複数の第1点灯回路のうち2以上の前記第1点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチ、及び/又は、前記複数の第2点灯回路のうち2以上の前記第2点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを更に含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の表示灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示灯及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子がマトリクス配置された車両用ランプが開示されている。特許文献2には、LEDパッケージ毎にドライバチップを設けることが開示されている。特許文献3には、隣接するLEDを配線パターンで接続して配線回路を形成し、光色が異なる配線回路が交差せずに交互に配置することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-136140号公報
【特許文献2】特開2020-111313号公報
【特許文献3】特開2020-95848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点灯パターンのバリエーションを確保しつつ表示灯の更なる低コスト化を図ることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る表示灯は、少なくとも第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子を含む発光素子群が配置された点灯表示部にして、当該点灯表示部の主面が第1態様で区画されて形成された複数の第1点灯領域が異なるタイミングで点灯又は消灯して前記第1点灯パターンが生じ、当該点灯表示部の主面が第2態様で区画されて形成された複数の第2点灯領域が異なるタイミングで点灯又は消灯して前記第2点灯パターンが生じる点灯表示部と、前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて前記複数の第1点灯領域に対応して複数の第1点灯回路を形成するべく、及び前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて前記複数の第2点灯領域に対応して複数の第2点灯回路を形成するべく構成された配線部と、前記点灯表示部を前記第1点灯パターンで点灯させるために前記複数の第1点灯回路を駆動し、及び前記点灯表示部を前記第2点灯パターンで点灯させるために前記複数の第2点灯回路を駆動する駆動部を含む。
【0006】
本開示の別態様に係る表示灯は、少なくとも第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子が配置された点灯表示部を備える表示灯にして、当該表示灯は、前記第1点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第1態様で区画されて形成された複数の第1点灯領域に対応して複数の第1点灯回路が形成された第1状態と、前記第2点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第2態様で区画されて形成された複数の第2点灯領域に対応して複数の第2点灯回路が形成された第2状態の間で前記複数の発光素子の接続状態を切り替え可能である。
【0007】
本開示の別態様に係る表示灯の制御方法は、少なくとも第1及び第2点灯パターンで点灯可能であると共に複数の発光素子を含む発光素子群が配置された点灯表示部を有する表示灯の制御方法であって、前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて、前記第1点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第1態様で区画されて形成された複数の第1点灯領域に対応して複数の第1点灯回路を形成する工程と、前記発光素子群における前記発光素子の接続制御に基づいて、前記第2点灯パターンでの点灯のために前記点灯表示部の主面が第2態様で区画されて形成された複数の第2点灯領域に対応して複数の第2点灯回路を形成する工程を含む。
【0008】
上述の各態様に対して以下の特徴を単独又は任意の組み合わせとして適用することができる。尚、表示灯は、車両用表示灯であり得る。
【0009】
前記配線部は、複数の固定配線を含み、各固定配線が、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの両方において同時に点灯すべき前記発光素子同士をスイッチ無しで接続する。
【0010】
前記配線部は、複数のスイッチを更に含み、前記複数のスイッチの各スイッチは、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの間で当該スイッチにスイッチ無しで直列に接続された1以上の前記発光素子の接続先を切り替える。
【0011】
前記複数のスイッチには、前記複数の固定配線に含まれる1以上の固定配線によって直列に接続された2以上の前記発光素子を、前記複数の固定配線に含まれる別の1以上の固定配線によって直列に接続された2以上の前記発光素子に接続する1以上のスイッチが含まれる。
【0012】
前記複数の第1点灯回路は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して別の1つの前記発光素子に接続された少なくとも一つの第1点灯回路、又は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して2以上の前記発光素子が直列に接続された別の直列回路に接続された少なくとも一つの第1点灯回路を含み、前記複数の第2点灯回路は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して別の1つの前記発光素子に接続された少なくとも一つの第2点灯回路、又は、2以上の前記発光素子が直列に接続された直列回路が少なくとも一つのスイッチを介して2以上の前記発光素子が直列に接続された別の直列回路に接続された少なくとも一つの第2点灯回路を含む。
【0013】
前記駆動部は、その波形の少なくとも一部にランプ波形を含む駆動電流を生成する第1駆動部と、矩形波として駆動電流を生成する第2駆動部を含む。
【0014】
前記複数の第1点灯回路が形成される時に前記複数の第1点灯回路のうち同一の点灯回路に対して前記第1駆動部と前記第2駆動部を選択的に接続し、かつ前記複数の第2点灯回路が形成される時に前記複数の第2点灯回路のうち同一の点灯回路に対して前記第1駆動部と前記第2駆動部を選択的に接続するスイッチを更に含む。
【0015】
前記配線部は、前記複数の第1点灯回路のうち2以上の前記第1点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを含み、及び/又は、前記複数の第2点灯回路のうち2以上の前記第2点灯回路を直列接続させる1以上のスイッチを含む。
【0016】
前記複数の第1点灯領域は、前記点灯表示部の主面の中心に関して同心状に形成される、及び/又は、前記複数の第2点灯領域の各第2点灯領域は、前記点灯表示部の主面を横切る同一の方向に沿って形成される。
【0017】
表示灯は、複数の固定配線と複数のスイッチを含み、前記複数の固定配線の各固定配線は、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの両方において同時に点灯すべき前記発光素子同士をスイッチ無しで接続し、前記複数のスイッチの各スイッチは、前記第1点灯パターンと前記第2点灯パターンの間で当該スイッチにスイッチ無しで直列に接続された1以上の前記発光素子の接続先を切り替える。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一態様によれば、点灯パターンのバリエーションを確保しつつ表示灯の更なる低コスト化を図ることが促進される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の一態様に係る表示灯の点灯表示部の概略的な正面模式図である。
図2】本開示の一態様に係る表示灯の回路図である。
図3】発光素子群における発光素子の接続制御に基づいて複数の第1点灯回路が形成された状態を示す回路図である。
図4】発光素子群における発光素子の接続制御に基づいて複数の第2点灯回路が形成された状態を示す回路図である。
図5】第1点灯パターンでの表示灯の点灯動作を示すタイムチャートである。
図6】第2点灯パターンでの表示灯の点灯動作を示すタイムチャートである。
図7】本開示の別態様に係る表示灯の部分回路図であり、第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図8】本開示の別態様に係る表示灯の部分回路図であり、第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図9】発光素子群における発光素子の接続制御に基づいて複数の第1点灯回路が形成された状態を示す回路図である。なお、第1点灯回路同士も直列接続される。
図10】発光素子群における発光素子の接続制御に基づいて複数の第2点灯回路が形成された状態を示す回路図である。なお、第2点灯回路同士も直列接続される。
図11】第1及び第2点灯パターンでの表示灯の点灯動作を示すタイムチャートである。
図12】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図13】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図14】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図15】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図16】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図17】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図18】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図19】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図20】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図21】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図22】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図23】第1点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図24】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図25】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図26】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図27】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図28】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図29】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図30】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図31】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図32】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図33】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図34】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図35】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図36】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
図37】第2点灯パターンでの点灯のためのスイッチング状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の非限定の実施形態及び特徴について説明する。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び/又は各特徴を組み合わせることができ、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている。各特徴は、本明細書に開示された表示灯のみに有効であるものではなく、本明細書に開示されていない他の様々な表示灯にも通用する普遍的な特徴として理解される。
【0021】
図1に示す表示灯1は、典型的には車両に搭載され、自車両と周囲の歩行者或いは運転車とのコミュニケーションのために用いられるが、他の用途にも利用可能である。図1に示すように、表示灯1は、複数の発光素子3を含む発光素子群が配置された点灯表示部2を有する。発光素子3は、LED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)といった半導体発光素子であり得る。典型的には、発光素子3は、点灯表示部2の主面において2次元状、例えば、マトリクス状に配置される。勿論、他の配置(例えば、ランダム配置)も採用可能である。複数の発光素子3に対して共通の光学素子(例えば、アウターレンズ)を配置することができる。この代替として、複数の発光素子3の個々の発光素子に対して個別に光学素子(例えば、レンズ)を割り当てることもできる。点灯表示部2の主面は、好適には平坦面であるが、これに限らず、凸又は凹状に反った面であっても良い。点灯表示部2の主面は、発光素子3が実装された実装基板の実装面であり得る。
【0022】
点灯表示部2の主面を第1態様で区画して複数の第1点灯領域P1a,P1b,P1cが形成される。複数の第1点灯領域P1a,P1b,P1cは、点灯表示部2の主面の中心に関して同心状に形成される。点灯表示部2の主面を第2態様で区画して複数の第2点灯領域P2a,P2b,P2cが形成される。各第2点灯領域P2a,P2b,P2cは、点灯表示部2の主面を横切る同一の方向(右斜め下方向)に沿って形成される。
【0023】
第1点灯パターンは、第1点灯領域P1a,P1b,P1cが異なるタイミングで点灯又は消灯して生じる。例えば、第1点灯領域P1a,P1b,P1cは、この順で点灯(即ち、点灯開始)する。第1点灯領域P1a,P1b,P1cは、これとは反対の順(即ち、P1c,P1b,P1a)で消灯(即ち、点灯終了)する。このようにして、表示灯1及び点灯表示部2は、第1点灯パターンで点灯する。同様に、第2点灯パターンは、第2点灯領域P2a,P2b,P2cが異なるタイミングで点灯又は消灯して生じる。第2点灯領域P2a,P2b,P2cは、第1点灯領域P1a,P1b,P1cと同様のタイミングで点灯又は消灯し得る。このようにして、表示灯1及び点灯表示部2は、第2点灯パターンで点灯する。尚、他の点灯順及び消灯順を採用することも可能である。点灯領域を同時に点灯させて異なるタイミングで消灯させることや、異なるタイミングで点灯させて同時に消灯させることも可能である。また、点灯領域の個数は、3つに限らない。異なる点灯パターン間で点灯領域の個数が同一である必要もない。
【0024】
説明の便宜上、点灯表示部2の個々の発光素子3に対して識別符合を図1に示す如く付与する。例えば、点灯表示部2の左上角に位置する発光素子3に対して識別符合1.1が付与されている。最初の数字は、行番号に対応し、最後の数字が、列番号に対応する。他の発光素子3に付与された識別符合は、この定義に照らして理解される。
【0025】
図2に示すように、表示灯1は、上述の点灯表示部2に加えて、配線部9、駆動部4、及び制御部5を含むことができる。配線部9は、スイッチSW1~SW9と、個々の固定配線が実線で描かれた配線パターンを有する。スイッチSW1~SW9の各々のスイッチは、第1点灯パターンと第2点灯パターンの間で当該スイッチに別のスイッチを介することなく直列に接続された1以上の発光素子の接続先を切り替える。駆動部4は、3つの駆動部41,42,43を有する。制御部5は、タイミングコントローラー51とスイッチングコントローラー52を有する。便宜上、タイミングコントローラー51と駆動部41の接続と、スイッチングコントローラー52とスイッチSW1~SW9の接続の図示を省略する。
【0026】
配線部9は、発光素子3の接続を変更するために設けられ、かつその目的のために構成される。具体的には、配線部9は、発光素子群における発光素子3の接続制御に基づいて第1点灯領域P1a,P1b,P1cに対応して第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cを形成する(図3参照)。配線部9は、発光素子群における発光素子3の接続制御に基づいて第2点灯領域P2a,P2b,P2cに対応して第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cを形成する(図4参照)。
【0027】
図3に示すように、第1点灯回路Q1aは、ただ一つの発光素子3.3を含む。第1点灯回路Q1bは、発光素子2.2、直列回路(発光素子2.3、発光素子2.4、及び発光素子3.4)、発光素子4.4、及び直列回路(発光素子3.2、発光素子4.2、及び発光素子4.3)がスイッチを介して直列に接続された直列回路である。第1点灯回路Q1cは、直列回路(発光素子1.1、発光素子1.2、及び発光素子1.3)、直列回路(発光素子1.4、発光素子1.5、及び発光素子2.5)、直列回路(発光素子3.5、発光素子4.5、発光素子5.5、発光素子5.4、及び発光素子5.3)、直列回路(発光素子5.2、発光素子5.1、及び発光素子4.1)、直列回路(発光素子2.1、及び発光素子3.1)がスイッチを介して直列に接続された直列回路である。第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cについても、上述と同様、一つの発光素子と1以上の直列回路の直列接続によって形成される。
【0028】
発光素子3の接続制御は、様々な方法によって実現可能である。図示例の場合、配線部9は、複数のスイッチ(例えば、図示のスイッチSW1~SW9)を含み、これにより迅速な接続制御が可能になる。スイッチは、電気的にオンオフ制御可能なスイッチであって、典型的には、半導体スイッチ(例えば、電界効果型トランジスター、バイポーラースイッチ)であるが、これに限られない。別例では、配線部9が、第1配線パターンを有する第1配線基板と、第2配線パターンを有する第2配線基板を含む。第1配線基板と第2配線基板の交換に基づいて発光素子3の接続制御を行うこともできる。このように配線部9においてスイッチを省略する形態も想定されている。
【0029】
駆動部4は、第1点灯パターンで点灯表示部2を点灯させるために第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cを駆動し(即ち、駆動電流を供給し)、及び第2点灯パターンで前記点灯表示部を点灯させるために第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cを駆動する(即ち、駆動電流を供給する)。第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cと第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cの間で駆動部4が共用可能であり、これに伴って表示灯1のコスト低減が促進される。
【0030】
必ずしもこの限りではないが、駆動部4は、合計3つの第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cに個別に駆動電流を供給し、かつ合計3つの第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cに個別に駆動電流を供給する合計3つの駆動部41~43を有する。第1点灯回路Q1aと第2点灯回路Q2aの間で駆動部41を共用することができ、駆動部の個数減に基づいて表示灯1のコスト低減を促進することができる。他の第1点灯回路Q1b,Q1c、他の第2点灯回路Q2b,Q2c、及び他の駆動部42,43についても同様の説明が当てはまる。
【0031】
タイミングコントローラー51は、駆動部4(例えば、駆動部41~43)のオンオフを制御し、換言すれば、駆動電流の供給開始タイミングと停止タイミングを制御する。例えば、表示灯1が搭載された車両のECU(Electronic Control Unit)から点灯指令を受信すると、タイミングコントローラー51は、駆動部41~43を駆動する。
【0032】
スイッチングコントローラー52は、配線部9に含まれるスイッチSW1~SW9をオン状態とオフ状態の間で切り替える。例えば、表示灯1が搭載された車両のECU(Electronic Control Unit)から点灯パターン切換信号を受信するものとする。点灯パターン切換信号が第1点灯パターンでの点灯を指示する場合、スイッチングコントローラー52は、スイッチSW1~SW9を(第1点灯パターンに対応して第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cを形成する)第1スイッチング状態とする。他方、点灯パターン切換信号が第2点灯パターンでの点灯を指示する場合、スイッチSW1~SW9を(第2点灯パターンに対応して第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cを形成する)第2スイッチング状態とする。尚、図2に示したスイッチング状態は、第1スイッチング状態に等しい。第2スイッチング状態は、図示したものとは反対の接続状態に等しい。
【0033】
配線部9のスイッチと発光素子3の接続関係については図示の通りである。念のため説明すると、スイッチSW1は、そこに直列に接続された発光素子3.3をグランド端子と直列回路(発光素子2.3、発光素子2.4、発光素子3.4)の一方に選択的に接続する。スイッチSW2は、発光素子4.4を直列回路(発光素子4.3、発光素子4.2、発光素子3.2)と直列回路(発光素子3.5、発光素子4.5、発光素子5.5、発光素子5.4、発光素子5.3)の一方に選択的に接続する。スイッチSW3は、直列回路(発光素子1.1、発光素子1.2、発光素子1.3)を発光素子2.2と直列回路(発光素子1.4、発光素子1.5、発光素子2.5)の一方に選択的に接続する。スイッチSW4は、直列回路(発光素子4.3、発光素子4.2、発光素子3.2)を発光素子2.2と直列回路(発光素子5.2、発光素子5.1、発光素子4.1)の一方に選択的に接続する。スイッチSW5は、発光素子2.2を直列回路(発光素子2.3、発光素子2.4、発光素子3.4)と直列回路(発光素子3.1、発光素子2.1)の一方に選択的に接続する。スイッチSW6は、直列回路(発光素子2.3、発光素子2.4、発光素子3.4)をグランド端子と直列回路(発光素子4.3、発光素子4.2、発光素子3.2)の一方に選択的に接続する。スイッチSW7は、直列回路(発光素子1.4、発光素子1.5、発光素子2.5)をグランド端子と直列回路(発光素子3.5、発光素子4.5、発光素子5.5、発光素子5.4、発光素子5.3)の一方に選択的に接続する。スイッチSW8は、直列回路(発光素子3.5、発光素子4.5、発光素子5.5、発光素子5.4、発光素子5.3)をグランド端子と直列回路(発光素子5.2、発光素子5.1、発光素子4.1)の一方に選択的に接続する。スイッチSW9は、直列回路(発光素子5.2、発光素子5.1、発光素子4.1)を直列回路(発光素子3.1、発光素子2.1)と直列回路(発光素子1.4、発光素子1.5、発光素子2.5)の一方に選択的に接続する。
【0034】
直列回路(発光素子4.3、発光素子4.2、発光素子3.2)から見てスイッチSW2とスイッチSW6が並列に接続されている。発光素子2.2から見てスイッチSW3とスイッチSW4が並列に接続されている。直列回路(発光素子2.3、発光素子2.4、発光素子3.4)から見てスイッチSW1とスイッチSW5が並列に接続されている。直列回路(発光素子1.4、発光素子1.5、発光素子2.5)から見てスイッチSW3とスイッチSW9が並列に接続されている。直列回路(発光素子3.5、発光素子4.5、発光素子5.5、発光素子5.4、発光素子5.3)から見てスイッチSW2とスイッチSW7が並列に接続されている。直列回路(発光素子5.2、発光素子5.1、発光素子4.1)から見てスイッチSW4とスイッチSW8が並列に接続されている。直列回路(発光素子3.1、発光素子2.1)から見てスイッチSW5とスイッチSW9が並列に接続されている。
【0035】
上述の説明から分かるように、本実施形態においては、配線部9は、発光素子3の接続制御に基づいて複数の第1点灯領域P1a,P1b,P1cに対応して複数の第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cを形成するべく、及び発光素子3の接続制御に基づいて複数の第2点灯領域P2a,P2b,P2cに対応して複数の第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cを形成するべく構成される。これによって点灯表示部2の共通の発光素子3を用いて異なる点灯パターンを表示することが可能になる。また、異なる点灯パターンのために駆動部4を共用することができる。このようにして点灯パターンのバリエーションを確保しつつ表示灯1の更なる低コスト化を図ることが促進される。
【0036】
発光素子3の識別符合を参照して説明する。図1及び図2に示すように、発光素子1.1、発光素子1.2、及び発光素子1.3が(配線部9の)固定配線81によって直列に接続されている。第1点灯パターンと第2点灯パターンの間で一緒に点灯する発光素子同士を直列接続することにより回路構成を簡素化することができる。発光素子1.4、発光素子1.5、及び発光素子2.5が固定配線81によって直列に接続されている。他の発光素子についても図1及び図2に図示のように固定配線により直列接続される。尚、発光素子の中には他の発光素子に固定配線81を介して直列に接続されないものもある(例えば、発光素子2.2、発光素子3.3及び発光素子4.4)。このように(他の発光素子に固定配線を介して直列に接続されない)単独の発光素子を残すことにより点灯パターンの設計自由度を高めることができる。固定配線81は、予め設定した個別の点灯パターンに応じて形成(例えば、パターニング)される。念のため述べれば、固定配線81は、スイッチを含まない配線として定義される。固定配線81は、表面配線に限らず、基板貫通ビア配線も包含し得る。
【0037】
幾つかの場合、ある固定配線よって直列接続された2以上の発光素子(例えば、発光素子1.1、発光素子1.2、発光素子1.3)は、別の固定配線によって直列接続された2以上の発光素子(例えば、発光素子1.4、発光素子1.5、発光素子2.5)にスイッチ(例えば、スイッチSW3)を介して接続される。これにより配線部9の回路構成が更に簡素化される。
【0038】
図5を参照して第1点灯パターンで点灯表示部2が点灯することについて説明する。スイッチSW1~SW9の接続状態は、図2に示す如く設定されており、この結果、図3に示すように複数の第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cが形成されている。時刻t1において、駆動部41が駆動電流の供給を開始して第1点灯回路Q1aが点灯を開始する。時刻t2において、駆動部42が駆動電流の供給を開始して第1点灯回路Q1bが点灯を開始する。時刻t3において、駆動部43が駆動電流の供給を開始して第1点灯回路Q1cが点灯を開始する。いずれの駆動部41~43についても、駆動電流は、上りランプ波、矩形波、及び下りランプ波がこの順で結合した駆動波形を有する。上りランプ波は、時間と共に電流が増加する電流波形を持つ。下りランプ波は、時間と共に電流が減少する電流波形を持つ。このようにして第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cの明るさを徐々に増し、その点灯パターンの見やすさを高めることができる。第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cの消灯の順番は、点灯順とは反対であり、図5に示すとおりである(詳細説明は省略する)。
【0039】
図6を参照して第2点灯パターンで点灯表示部2が点灯することについて説明する。スイッチSW1~SW9の接続状態は、上述のように図2に示したものとは反対に設定されており、この結果、図4に示すように第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cが形成されている。時刻t1において、駆動部43が駆動電流の供給を開始して第2点灯回路Q2aが点灯を開始する。時刻t2において、駆動部41が駆動電流の供給を開始して第2点灯回路Q2bが点灯を開始する。時刻t3において、駆動部42が駆動電流の供給を開始して第2点灯回路Q2cが点灯を開始する。このようにして第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cの明るさを徐々に増し、その点灯パターンの見やすさを高めることができる。第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cの消灯の順番は、点灯順とは反対であり、図6に示すとおりである(詳細説明は省略する)。
【0040】
図7乃至図37を参照して更なる実施形態について説明する。まず図7を参照すると、駆動部4は、その波形の少なくとも一部にランプ波形を含む駆動電流を生成する第1駆動部61と、矩形波として駆動電流を生成する第2駆動部62を含む。更には、配線部9は、第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cが形成される時に第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cのうち同一の点灯回路に対して第1駆動部61と第2駆動部62を選択的に接続するスイッチSWa,SWbを含む。尚、スイッチSWa,SWbは、第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cが形成される時に第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cのうち同一の点灯回路に対して第1駆動部61と第2駆動部62を選択的に接続する。このような場合、駆動電流が単純な矩形波ではない第1駆動部61を点灯回路の間(又は点灯パターンの間)で共用することができる。この特徴のみを抽出して図1及び図2に示した実施例に適用可能である。
【0041】
図8から分かるように、配線部9は、第1点灯回路Q1a,Q1b,Q1cのうち2以上の第1点灯回路(例えば、Q1aとQ1b、又は、Q1aとQ1bとQ1c)を直列接続させる1以上のスイッチSW1,SW2を含み、及び/又は、第2点灯回路Q2a,Q2b,Q2cのうち2以上の第2点灯回路(例えば、Q2aとQ2b、又は、Q2aとQ2bとQ2c)を直列接続させる1以上のスイッチSW3,SW4を含むことができる。第1点灯パターンの点灯のための第1点灯回路を直列に接続することによりこれらの点灯回路のために共通の駆動部(駆動回路)を用いることができる。同様、第2点灯パターンの点灯のための第2点灯回路を直列に接続することによりこれらの点灯回路のために共通の駆動部(駆動回路)を用いることができる。これにより駆動部の構成を簡素化し表示灯1のコスト低減を図ることができる。この特徴のみを抽出して図1及び図2に示した実施例に適用可能である。
【0042】
図7を参照すると、第1駆動部61は、スイッチSWaの入力端子に接続される。第2駆動部62は、スイッチSWbの入力端子に接続される。スイッチSWaは、5つの出力端子として、フローティング端子と、接続端子TR21~TR24を有する。スイッチSWbは、3つの出力端子として、フローティング端子と、接続端子TR11,TR12を有する。接続端子TR11と接続端子TR21は、発光素子3.3のアノード端子に接続される。接続端子TR12と接続端子TR22は、発光素子1.1のアノード端子に接続される。接続端子TR23は、発光素子2.2のアノード端子に接続される。接続端子TR24は、発光素子3.5のアノード端子に接続される。
【0043】
スイッチSW1~SW10と発光素子3の接続関係は、図8に示すとおりであり、詳細な説明は省略する。但し、図9及び図10に示すように、図3及び図4の場合とは異なる順番で発光素子3が接続されて第1点灯回路Q1bと第2点灯回路Q2cが形成されていることである。また、上述のように第1点灯回路同士の直列接続のためにスイッチSW1,SW2の接続関係が設定されており、かつ第2点灯回路同士の直列接続のためにスイッチSW3,SW4の接続関係が設定されていることである。
【0044】
図11のタイムチャートを参照して点灯表示部2が第1点灯パターンで点灯する場合について説明する。時刻t1の時、スイッチSWa及びSWbは、図7に示す状態にある。また、スイッチSW1~SW10は、図8に示す状態にある。第1駆動部61は、上りランプ波形の駆動電流を第1点灯回路Q1a(発光素子3.3)に供給開始する。第1点灯回路Q1aの光度及び/又は輝度が緩慢に増加する。時刻t2の時、第1駆動部61の出力電流は一定となり、第1点灯回路Q1aの光度又は輝度も一定になる。
【0045】
時刻t3の時、スイッチSWa及びSWbは、図12に示す状態に切り替えられる。また、スイッチSW1~SW10は、図13に示すように図8に示した状態と同一である。第1点灯回路Q1aからみて第1駆動部61から第2駆動部62に駆動電流の供給源が切り替えられる。第2駆動部62は、矩形波として駆動電流を第1点灯回路Q1a(発光素子3.3)に供給する。尚、時刻t3の時、第1駆動部61の出力電流はゼロになる。
【0046】
時刻t4の時、第1駆動部61は、ランプ波形の駆動電流を第1点灯回路Q1bに供給開始する。第1点灯回路Q1bの光度及び/又は輝度が緩慢に増加する。第1点灯回路Q1aの光度又は輝度は一定のままである。時刻t5の後、第1駆動部61の出力電流は一定となり、第1点灯回路Q1bの光度及び/又は輝度も一定になる。
【0047】
時刻t6の時、スイッチSWa及びSWbは、図14に示す状態に切り替えられる。また、スイッチSW1~SW10は、図15に示す状態に切り替えられる。第2駆動部62から第1点灯回路Q1a及びQ1bの直列回路に駆動電流が供給される。
【0048】
時刻t7の時、第1駆動部61は、ランプ波形の駆動電流を第1点灯回路Q1cに供給開始する。第1点灯回路Q1cの光度及び/又は輝度が緩慢に増加する。第1点灯回路Q1a及びQ1bの光度又は輝度は一定のままである。時刻t8の後、第1駆動部61の出力電流は一定となり、第1点灯回路Q1cの光度及び/又は輝度も一定になる。
【0049】
時刻t9の時、スイッチSWa及びSWbは、図16に示す状態に切り替えられる。また、スイッチSW1~SW10は、図17に示す状態に切り替えられる。スイッチSW2図15から図17に示す状態に切り替えられ、第1点灯回路Q1a及びQ1b及びQ1cの直列回路が形成される。第2駆動部62から第1点灯回路Q1a及びQ1b及びQ1cの直列回路に駆動電流が供給される。
【0050】
時刻t10以降、第1駆動部61は、いままでの駆動電流の波形と幾何学的に対称な関係にある波形の駆動電流を出力し、端的には、その出力電流の波形が矩形波と下りランプ波の組み合わせから成る。尚、下りランプ波形は、時間と共に電流が減少する電流波形を意味する。
【0051】
時刻t10の時、スイッチSWa及びSWbは、図18に示す状態に切り替えられる。また、スイッチSW1~SW10は、図19に示す状態に切り替えられる。スイッチSW2図17から図19に示す状態に切り替えられ、第1点灯回路Q1cが第1点灯回路Q1a及びQ1bの直列回路から切り離される。第1駆動部61は、矩形波形の駆動電流を第1点灯回路Q1cに供給開始する。第2駆動部62は、引き続き、第1点灯回路Q1aと第1点灯回路Q1bの直列回路に駆動電流を供給する。時刻t11以降、下りランプ波の駆動電流が第1点灯回路Q1cに供給されて第1点灯回路Q1cが徐々に減光する。時刻t12の時、第1駆動部61の駆動電流がゼロになり、第1点灯回路Q1cが消灯する。
【0052】
時刻t13の時、スイッチSWa及びSWbは、図20に示す状態に切り替えられる。また、スイッチSW1~SW10は、図21に示す状態に切り替えられる。スイッチSW1図19から図21に示す状態に切り替えられ、第1点灯回路Q1a及び第1点灯回路Q1bの直列接続が解除される。第1駆動部61は、矩形波形の駆動電流を第1点灯回路Q1bに供給開始する。第2駆動部62は、引き続き、第1点灯回路Q1aに駆動電流を供給する。時刻t14以降、下りランプ波の駆動電流が第1点灯回路Q1bに供給されて第1点灯回路Q1bが徐々に減光する。時刻t15の時、第1駆動部61の駆動電流がゼロになり、第1点灯回路Q1bが消灯する。
【0053】
時刻t16の時、スイッチSWa及びSWbは、図22に示す状態に切り替えられる。また、スイッチSW1~SW10は、図23に示す状態に切り替えられる。第1駆動部61は、矩形波形の駆動電流を第1点灯回路Q1aに供給開始する。第2駆動部62は、フローティング状態に切り替えられる。時刻t17以降、下りランプ波の駆動電流が第1点灯回路Q1aに供給されて第1点灯回路Q1aが徐々に減光する。時刻t18の時、第1駆動部61の駆動電流がゼロになり、第1点灯回路Q1aが消灯する。
【0054】
図24乃至図37は、第2点灯パターンのためのスイッチング制御を示す図である。端的には、図24及び図25は、図7及び図8に対応する。図26及び図27は、図12及び図13に対応する。図28及び図29は、図14及び図15に対応する。図30及び図31は、図16及び図17に対応する。図32及び図33は、図18及び図19に対応する。図34及び図35は、図20及び図21に対応する。図36及び図37は、図22及び図23に対応する。これらの対応関係から第2点灯パターンのためのスイッチSWa,SWb,SW1~SW10のスイッチング制御も理解可能であり、重複説明は省略する。尚、第2点灯回路の直列接続のためにスイッチSW3,SW4がスイッチング制御される点に留意されたい。
【0055】
上述の教示を踏まえ、当業者は、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。点灯回路同士の直列接続によって第2駆動部から見て負荷が変動することになる。この点に関して、第2駆動部は、定電流回路を含むことができ、これにより一定の駆動電流を点灯回路の直列回路に流すことができる。スイッチSWa,SWbは、2入力多出力の単スイッチと見なすこともできる。
【符号の説明】
【0056】
1 :表示灯
2 :点灯表示部
3 :発光素子
4 :駆動部

9 :配線部

61 :第1駆動部
62 :第2駆動部

81 :固定配線

P1a :第1点灯領域
P2a :第2点灯領域

Q1a :第1点灯回路
Q1b :第1点灯回路
Q1c :第1点灯回路
Q2a :第2点灯回路
Q2b :第2点灯回路
Q2c :第2点灯回路
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11
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