(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059468
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】遊星式回転-直動運動変換装置
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
F16H25/20 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167152
(22)【出願日】2022-10-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】721012405
【氏名又は名称】國松 博
(72)【発明者】
【氏名】國松 博
(72)【発明者】
【氏名】國松 貴之
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB23
3J062BA12
3J062BA16
3J062BA35
3J062CD03
3J062CD45
3J062CD58
(57)【要約】
【課題】
本発明の主要な課題は、微細な直動を簡便な構成で実現することと、直動変換効率の高い遊星式回転-直動運動変換装置を提供することである。
【解決手段】
本開示による遊星式回転-直動運動変換装置は、従来技術と比較すると歯丈が高く、粗いピッチの螺旋溝が選定される。
歯形の形状選定と組み合わせによって遊星軸の螺旋溝が異なった基準径で、太陽軸及びリング軸の螺旋溝と係合し、走行軸と遊星軸の軸線位置不動を崩す螺旋溝諸元の採択によって、微細直動を生み出している。
走行軸と遊星軸との係合伝動、公転軸と遊星軸との係合伝動には、滑りを強要する仕組みはなく、効率よく直動に変換する遊星式回転-直動運動変換装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な回転軸線を有する太陽軸(1)、遊星軸(2)、リング軸(3)を有し、
公転軸(3または1)、走行軸(1または3)何れかの役目に振分けられる前記太陽軸(1)と前記リング軸(3)、及び前記遊星軸(2)は、それぞれが互いに協働して遊星式回転-直動運動変換機構を構成し、
前記公転軸(3または1)と前記遊星軸(2)とに、単一の螺旋溝(3tまたは1t、2t)と平歯車(8、7)とが併設され、それぞれが係合する前記螺旋溝(3tまたは1t、2t)の基準径比とそれぞれが噛合する前記平歯車(8、7)の歯数比とは同一であり、
前記走行軸(1または3)に螺旋溝(1tまたは3t)が設けられ、係合する前記遊星軸(2)の前記螺旋溝(2t)の基準径(9)と、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する前記遊星軸(2)の前記螺旋溝(2t)の基準径(10)とに差異があり、
前記差異の大きさに応じて公転軸(3または1)に対する走行軸(1または3)の移動量が異なる遊星式回転-直動運動変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊星式回転-直動運動変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転を直動に変換する回転-直動運動変換装置であって、転動体を介在させた高効率な回転―直動運動変換装置としては、ボールネジ式と遊星式の回転-直動運動変換装置が知られている。ボールネジ式は回転-直動、及び直動-回転の双方向運動変換に優れている。他方遊星式は、回転を微細直動への運動変換に長けていて、変換された微細直動は、増幅され強大な軸線荷重を生み出すことが出来る。
特許文献1、2に開示された遊星式回転-直動運動変換装置の如く、課せられた制約の範囲で、微細な直動運動を提供できる諸元を見出して、開示したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-196757
【特許文献2】特開2007-051684
【特許文献3】特開2007-056952
【特許文献4】特開平08-338461
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊星式回転-直動運動変換装置は、微細な直動運動を得ることを主眼とする機械要素だが、構造的には太陽軸とリング軸の間に転動体である遊星軸を介在させ、太陽軸またはリング軸の一方の回転を他方の直動に運動変換させる装置であって、使い勝手から、遊星軸を太陽軸またはリング軸の一方に対して、軸線位置が不動であることを求められる。
具体例で説明すると、走行軸である太陽軸に回転を与えると想定すれば、螺旋溝を施した遊星軸は、自転によってリング軸の螺旋溝を手繰って軸線に移動するが、他方でリング軸の多条螺旋溝には、遊星軸の公転を利用して、遊星軸を引き戻す捩じりを螺旋溝に施すことによって、遊星軸の自転直動を公転直動で相殺されて、遊星軸の軸線移動を不動とすることが出来る。この軸線位置不動の条件他を満たすために、3軸各々の螺旋溝諸元の選定にはさまざまな制約が課せられている。
遊星式回転-直動運動変換装置の主たる役割は、特許文献1及び2でも開示されているように、直動変換の微細化であって、微細化を妨げる制約こそが最大の障壁であり、打ち破るべき課題である。
【0005】
特許文献3によれば、2系列の遊星歯車機構を併設して、微細直動を提供する遊星式回転-直動運動変換機構が知られている。螺旋溝による遊星式回転-直動運動変換機構に平歯車による遊星歯車機構を加えることによって、太陽軸またはリング軸の内の一方と遊星軸の軸線不動の状態を崩して直動運動を発生させている。明細書段落0134の説明によると、螺旋溝と平歯車の諸元設定は、遊星軸に対して太陽軸、リング軸共に軸線位置不動の状態である。
段落0135では太陽軸平歯車の歯数を置換して、太陽軸に対し遊星軸が直動する諸元が与えられている。言い換えれば、直動を発生させる軸と遊星軸との螺旋溝係合に滑りが発生することを容認する構成であり、摩擦抵抗や効率低下を引き起こす要因である。
【0006】
特許文献4に開示された如く、遊星軸には太陽軸と係合する螺旋溝とリング軸に係合する環状溝とが同一領域に併設されており、係合溝強度を低下させる欠点がある。また僅かな違いに設定された係合溝を、同じ領域に施すことは難しく、係合溝諸元は制限される。
【0007】
説明において、遊星軸に対して、太陽軸またはリング軸の一方を、軸線位置不動に設定するが、この軸を公転軸と表す。他方の軸は軸線に移動することによって、回転運動が直動運動に変換されるが、この軸を走行軸と表現する。
また螺旋溝の係合する直径の呼称は、単なるネジ溝なら「有効径」、螺条歯車や平歯車なら「基準円直径」と呼称するが、以下の説明に於いては「基準円直径」を略して、「基準径」を総称として使用するものとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術における遊星式回転-直動運動変換装置は、遊星軸の係合溝が同じ基準径で太陽軸の係合溝及びリング軸の係合溝と係合しているために様々な制限を受ける原因となっている。
本発明によれば、互いに平行な軸線を有する太陽軸と遊星軸とが、それぞれの螺旋溝により係合し、互いに平行な軸線を有する遊星軸とリング軸とが、それぞれの螺旋溝により係合することにより、回転運動と直動運動との間で運動形態を変換する、遊星式回転-直動運動変換装置において、
前記太陽軸の前記螺旋溝の基準径と接する前記遊星軸の前記螺旋溝の基準径と、前記リング軸の前記螺旋溝の基準径と接する前記遊星軸の前記螺旋溝の基準径とが異なる遊星式回転-直動運動変換装置によって達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、太陽軸と遊星軸との回転比、リング軸と遊星軸との回転比は個別に設定されることが特徴である。これによって走行軸と遊星軸の回転比と条数比に差の大きさに応じて自在に直動運動量を調整することができる。
特許文献1及び2ほどの制限を受けず、より微細で且つ求める直動変換を得ることが出来る。従来技術では直動を微細にするために、細目の螺旋溝が使われる例が見られるが微細直動によって増幅される強大な軸線荷重に見合う螺旋溝ピッチを適応しても、微細な直動を得ることができる。
本願発明では、それぞれの軸の係合回転は、基準径比に準じて回転伝動する構成であるので、特許文献3で起きる不必要な滑りが発生しない構成である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】遊星式回転-直動運動変換装置の一例を示した断面図である。
【
図2】
図1に示す遊星式回転-直動運動変換装置の太陽軸に設けた螺旋溝と遊星軸の螺旋溝の係合部を拡大した断面図である。
【
図3】
図1に示す遊星式回転-直動運動変換装置のリング軸に設けた螺旋溝と遊星軸の螺旋溝の係合部を拡大した断面図である。
【0011】
〔従来技術の原理原則〕
遊星式回転-直動運動変換装置による直動運動変換は、太陽軸、リング軸及び遊星軸の各々の係合溝の種類や諸元の組み合わせで決まるが、公転軸は、遊星軸に対して軸線位置を不動にすることが原則であり、このことが、諸元選定に様々な制約を与えている。
【0012】
以下の説明に使用する螺旋溝の諸元を表1に定義する。
【0013】
【0014】
代表的な従来技術は、走行軸、遊星軸及び公転軸に螺旋溝を施した構成である。
原理原則と制約は下記の通りである。
1) 各螺旋溝の基準径は、|d1-d2|=2dpの関係にある。
2) 遊星軸に対し、公転軸の螺旋溝の基準径は倍数である。
螺旋溝の条数は整数値なので、公転軸と遊星軸とは、整数倍となる。
遊星軸と公転軸とは、軸線位置を不動にするために、遊星軸が自転によって軸線に移動する自転直動を、遊星軸が公転によって軸線に移動する、公転直動により相殺する必要がある。
数式では Z2/Zp=d2/dp=n(nは整数値)
3) 遊星軸に対し、走行軸の係合溝の基準径は倍数である。
1)、2)項から走行軸の螺旋溝の基準径は、d1=(2±n)dpで表される。
4) 遊星軸個数は、太陽軸とリング軸の螺旋溝条数の合算値の約数である。
5) 太陽軸またはリング軸1回転当たりの直動運動量(直動変換率)は、次式で表される。
走行軸駆動 =d1/(d1+d2)・(d1/dp・Zp±Z1)・P または
公転軸駆動 =d2/(d1+d2)・(d1/dp・Zp±Z1)・Pで表される。
【0015】
〔本願発明の原理原則〕
遊星式回転-直動運動変換装置は、太陽軸、遊星軸、遊星軸に設けた螺旋溝によって回転を伝動し回転運動を直動運動に変換するがその原理原則によると、太陽軸と遊星軸及びリング軸と遊星軸それぞれの回転比と条数比が同じであると全ての軸は、軸線方向の位置が不変であり、単なる回転伝動機構でしかない。
この状態から太陽軸またはリング軸の何れか一方と遊星軸の回転比または条数比を崩して不等にすると直動変換を発生させることができる。
特許文献1、2は微細直動を得るために、螺旋溝の諸元を採択し、螺旋溝ピッチは細目を選んでいる。
本願発明では逆に粗い溝ピッチを選んでいて、歯丈の高さを利用して太陽軸螺旋溝と接する遊星軸螺旋溝の基準径とリング軸螺旋溝と接する遊星軸螺旋溝の基準径に差を設けている。また螺旋溝の歯丈を高くすることによって、高精度で自在な歯形に成形することを可能にしている。基準径を変える方法として、例えば螺旋溝をインボリュート歯形などの曲面歯形と圧力角の異なる台形歯形、或いは歯先が屈折する歯形との係合などによって、実現できる。
本願発明は、遊星軸の係合溝が異なった基準径で、太陽軸及びリング軸の係合溝と係合することによって、直動変換率を調整することができることである。
また特許文献3の遊星式回転-直動運動変換装置によれば、走行軸と遊星軸との螺旋溝は、滑りを生ずる構成であるが、本願発明では、原則として滑りが発生しない構成である。
【0016】
【0017】
本願発明の原理原則と制約を以下に示す。
走行軸と遊星軸との係合点は、基準径d1と dp1であり、
公転軸と遊星軸との係合点は、基準径d2とdp2である。
1) 各螺旋溝の諸元は、次の関係にある。
・d2/dp2は整数値であり、d1/dp1の非整値である。
・d2/dp2=Z2/Zp である。
・|d1-d2|=dp1+dp2である。
2) 直動変換率は、次式で表される。
走行軸駆動 =d1・dp2/(d1・dp2+d2・dp1)・(d1/dp1・Zp±Z1)・P
公転軸駆動 =d2・dp1/(d1・dp2+d2・dp1)・(d1/dp1・Zp±Z1)・P
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明の原理に基づく遊星式回転-直動運動変換装置の一例を
図1に示す。
【0019】
【0020】
表3の〇印は、螺旋溝の係合による回転伝動を示す。
☆印は平歯車の噛合による回転伝動を示す。
図1の「螺旋溝諸元と係合関係」を示す表3の見方を説明する。
・列と行の交点にある〇印は、係合関係にある軸を示している。
・〇印列の上方向は、遊星軸(2)を表し、螺旋溝(2t)の諸元
(即ち、溝形式・条数、基準径比、総数)が順に記載されている。
・〇印行の左方向は、上段の太陽軸(1)の螺旋溝(1t)及び下段のリング軸(3)螺旋溝(3t)の溝形式・条数、基準径(比)、総数)が順に記載されている。
・☆印列の上方向は、遊星軸(2)の平歯車(7)の基準径比・歯数比が示され、
行の左方向は、リング軸(3)の平歯車(8)の基準径比・歯数比が順に記載されている。
図1、
図2、
図3と表3によって具体例で説明する。
1) 上段の〇印をなぞると、太陽軸(1)は2条の螺旋溝(1t)が設けられていて、遊星軸(2)の螺旋溝(2t)と基準径(9)で係合している。
図2は太陽軸(1)の螺旋溝(1t)と遊星軸(2)の螺旋溝(2t)の係合を示した断面であって、互いがインボリュ-ト歯形様の曲面によって遊星軸(2)に備える係合溝(2t)の基準径(9)で係合している。
2) 下段の〇印をなぞると、リング軸(3)は4条の螺旋溝(3t)が設けられていて、遊星軸(2)に備える螺旋溝(2t)の基準径(10)で係合している。
図3はリング軸(3)の螺旋溝(3t)と遊星軸(2)の螺旋溝(2t)の係合を示した断面である。リング軸(3)の螺旋溝(3t)の歯形は圧力角の選定によって、遊星軸(2)の螺旋溝(2t)の基準径(10)は、太陽軸(1)との基準径(9)より歯先に移っている。
3) リング軸(3)の螺旋溝(3t)の条数とリング軸(3)と遊星軸(2)の回転比が同じであって、遊星軸(2)とリング軸(3)とが軸線位置不動に設定されている。
4) このようにして、太陽軸(1)に回転運動を加えると、運動変換されてリング軸(3)が直動運動する。遊星軸(2)螺旋溝(2t)に対する太陽軸(1)螺旋溝(1t)の基準径比が、太陽軸(1)螺旋溝(1t)の条数に近いほど直動は微細になり、遠ざかると粗くなる。
5) 太陽軸(1)と遊星軸(2)の螺旋溝の基準径比《25/11》を採択した時の、直動運動変換率は、螺旋溝ピッチが《1》において僅か《≒0.1》である。
直動変換が微細であるので、ピッチ《3》を採用しても直動変換は《≒0.3》である。
本願発明の特徴は、螺旋溝歯形に細工を加えて3軸の係合接点を自在に設定することであり、歯丈が高い螺旋溝を選定することによって、加工性や加工精度を高めている。各々の螺旋溝の接点を移す方法には、圧力角の異なる台形歯やインボリュ-ト歯形や曲面或いは遊星軸(2)歯形を屈折させた歯形、円形など多様な組み合わせの中から選ぶことができる。
6)☆印をなぞるとリング軸(3)及び遊星軸(2)には、回転伝動を補完する平歯車(8、7)で設けられていて、回転伝動の補完によって遊星軸(2)とリング軸(3)とは軸線位置の不動が担保され、螺旋溝の基準径の誤差によって軸線位置が移動することを防止している。尚遊星軸の平歯車(7)の基準径は、螺旋軸(2t)の基準径(10)と同径に設定されている。
遊星軸(2)の両端は、平歯車(7)が併設されている。リング軸(3)の両端には平歯車(8)が設けられ、螺旋溝(3t)部分を避けて歯切りされている。
尚 平歯車(7,8)ははすば歯車やサイクロイド歯形或いは、凹凸が絡む確動形の回転伝動手段で置き換えが可能である。
7) 遊星軸(2)は、軸部(5)が保持器(4)に嵌合し、保持器(4)によって、太陽軸(1)の円周に分配されている。止輪(6)は保持器(4)がリング軸(3)から外れることを防止している。
【符号の説明】
【0021】
1太陽軸 1t 太陽軸の螺旋溝 2 遊星軸 2t遊星軸の螺旋溝
2t1 遊星軸の螺旋溝 2t2 遊星軸の螺旋溝
3 リング軸 3tリング軸の螺旋溝 4保持器 5遊星軸々部 6止輪
7遊星軸の平歯車 8公転軸の平歯車 9 基準径 10 基準径
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な回転軸線を有する太陽軸(1)、遊星軸(2)、リング軸(3)を有し、
公転軸(3または1)、走行軸(1または3)何れかの役目に振分けられる前記太陽軸(1)と前記リング軸(3)、及び前記遊星軸(2)は、それぞれ互いに協働して遊星式回転-直動運動変換機構を構成し、
前記公転軸(3または1)に平歯車(8)及び螺旋溝(3tまたは1t)、
前記遊星軸(2)に平歯車(7)及び螺旋溝(2t)、
前記走行軸(1または3)に螺旋溝(1tまたは3t)が設けられ、
前記公転軸(3または1)と前記遊星軸(2)との回転伝動手段が、
それぞれの前記平歯車(8、7)による噛合であり、
前記走行軸(1または3)と前記遊星軸(2)との回転伝動手段が、
それぞれの前記螺旋溝(1tまたは3t、2t)による係合であり、
前記遊星軸(2)の前記螺旋溝(2t)に与えられる基準径は前記平歯車(7)の基準径と差異があり、
前記差異の大きさに応じて公転軸(3または1)に対する走行軸(1または3)の移動量が異なり、
前記遊星軸(2)に設ける前記螺旋溝(2t)は、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する基準径(10)と前記走行軸(1または3)の前記螺旋溝(1tまたは3t)と係合する基準径(9)に差異があり、
前記遊星軸(2)の前記平歯車(7)の基準径は、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する前記遊星軸(2)に設ける前記螺旋軸(2t)の前記基準径(10)と同径である、遊星式回転-直動運動変換装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な回転軸線を有する太陽軸(1)、遊星軸(2)、リング軸(3)を有し、
公転軸(3または1)、走行軸(1または3)何れかの役目に振分けられる前記太 陽軸(1)と前記リング軸(3)、及び前記遊星軸(2)は、それぞれ互いに協働して遊星式回転-直動運動変換機構を構成し、
前記公転軸(3または1)に平歯車(8)及び螺旋溝(3tまたは1t)、
前記遊星軸(2)に平歯車(7)及び螺旋溝(2t)、
前記走行軸(1または3)に螺旋溝(1tまたは3t)が設けられ、
前記公転軸(3または1)と前記遊星軸(2)との回転伝動手段が、
それぞれの前記平歯車(8、7)による噛合であり、
前記走行軸(1または3)と前記遊星軸(2)との回転伝動手段が、
それぞれの前記螺旋溝(1tまたは3t、2t)による係合であり、
前記遊星軸(2)に設ける前記螺旋溝(2t)は、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する第1基準径(10)と前記走行軸(1または3)の前記螺旋溝(1tまたは3t)と係合する第2基準径(9)に差異があり、
前記遊星軸(2)の前記平歯車(7)の基準径は、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する前記遊星軸(2)に設ける前記螺旋軸(2t)の前記第1基準径(10)と同径であり、
前記遊星軸(2)の前記螺旋溝(2t)に与えられる前記第2基準径(9)は前記遊星軸(2)の前記平歯車(7)の前記基準径と差異があり、
前記差異の大きさに応じて公転軸(3または1)に対する走行軸(1または3)の移動量が異なり、
前記公転軸(3または1)に設けられる平歯車(8)は、前記公転軸(3または1)に設けられる螺旋溝(3tまたは1t)を挟む2つの部位に分割して配置され、
前記遊星軸(2)に設けられる平歯車(7)は、前記遊星軸(2)に設けられる螺旋溝(2t)を挟む2つの部位に分割して配置される、
遊星式回転-直動運動変換装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な回転軸線を有する太陽軸(1)、遊星軸(2)、リング軸(3)を有し、
公転軸(3または1)、走行軸(1または3)何れかの役目に振分けられる前記太陽軸(1)と前記リング軸(3)、及び前記遊星軸(2)は、それぞれ互いに協働して遊星式回転-直動運動変換機構を構成し、
前記公転軸(3または1)に平歯車(8)及び螺旋溝(3tまたは1t)、
前記遊星軸(2)に平歯車(7)及び螺旋溝(2t)、
前記走行軸(1または3)に螺旋溝(1tまたは3t)が設けられ、
前記公転軸(3または1)と前記遊星軸(2)との回転伝動手段が、
それぞれの前記平歯車(8、7)による噛合であり、
前記走行軸(1または3)と前記遊星軸(2)との回転伝動手段が、
それぞれの前記螺旋溝(1tまたは3t、2t)による係合であり、
前記遊星軸(2)に設ける前記螺旋溝(2t)は、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する第1基準径(10)と前記走行軸(1または3)の前記螺旋溝(1tまたは3t)と係合する第2基準径(9)の異なる2つの基準径を有しており、
前記遊星軸(2)の前記平歯車(7)の基準径は、前記公転軸(3または1)の前記螺旋溝(3tまたは1t)と係合する前記遊星軸(2)に設ける前記螺旋軸(2t)の前記第1基準径(10)と同径であり、
前記遊星軸(2)の前記螺旋溝(2t)に与えられる前記第2基準径(9)は前記遊星軸(2)の前記平歯車(7)の前記基準径と差異があり、
前記差異の大きさに応じて公転軸(3または1)に対する走行軸(1または3)の移動量が異なり、
前記公転軸(3または1)に設けられる平歯車(8)は、前記公転軸(3または1)に設けられる螺旋溝(3tまたは1t)を挟む2つの部位に分割して配置され、
前記遊星軸(2)に設けられる平歯車(7)は、前記遊星軸(2)に設けられる螺旋溝(2t)を挟む2つの部位に分割して配置される、
遊星式回転-直動運動変換装置。