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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059529
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】自動荷下ろしシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/24 20060101AFI20240423BHJP
   B60P 1/00 20060101ALI20240423BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240423BHJP
【FI】
B65G67/24
B60P1/00 Z
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184366
(22)【出願日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2022166913
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3F076
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F076AA01
3F076CA02
3F076CA07
3F076DA27
3F076DB06
3F076DB09
3F076FA02
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動荷下ろしシステムが提供される。
【解決手段】自動荷下ろしシステムは、荷物を搭載する階層1A~1Cを有し、最下層1Aの床3Aの一部に開口4Aが形成され、最下層1A以外の層1B、1Cの床3B、3Cに複数の開閉扉が形成された第1のスペース1と前記第1のスペース1の下方にある第2のスペース2とを有する自動運転車両10、荷物を配送先に配送するための配送用ロボット15、情報処理装置14、および最下層1Aに設置され、前記荷物を前記開口4Aに移動させる第一移動装置を備え、前記情報処理装置14は、前記開閉扉を開放して前記荷物を前記開閉扉から落下させ、かつ、前記開口4Aから落下させ、前記配送用ロボット15に受け取らせるよう前記開閉扉及び前記第一移動装置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搭載する少なくとも2つの階層を有し、少なくとも最下層の床の一部に開口が形成され、最下層以外の層の床に複数の開閉扉が形成された第1のスペースと、前記第1のスペースの下方にある第2のスペースとを有する自動運転車両、
荷物を配送先に配送するための配送用ロボット、
情報処理装置、
および前記第1のスペースの最下層に設置された、前記荷物を前記開口に移動させる第一移動装置を備え、
前記第2のスペースの前記開口の下方における前記最下層から落下する荷物を受け取り可能な所定位置に前記配送用ロボットが停留され、
前記情報処理装置は、前記開閉扉を開放して前記荷物を前記開閉扉から落下し、かつ、前記開口に移動して前記開口から落下し、前記落下する荷物を前記配送用ロボットに受け取らせるよう前記開閉扉及び前記第一移動装置を制御する自動荷下ろしシステム。
【請求項2】
前記自動運転車両は、下端部が回動可能に取り付けられ、前記第2のスペースを外部に解放するための扉を有し、前記扉は、前記扉が開くと前記配送用ロボットが前記自動運転車両に出入りするためのスロープとして機能する請求項1に記載の自動荷下ろしシステム。
【請求項3】
前記配送用ロボットは、前記荷物を配送し、前記荷物の配送後、前記第2のスペースの前記所定位置に戻る請求項1または2に記載の自動荷下ろしシステム。
【請求項4】
前記第一移動装置は、前記最下層の床上にある荷物を前記開口の近傍に移動させる転動式の第1のバーと、
前記開口の近傍に移動された前記荷物を前記開口に向けて押すことにより、前記荷物を前記開口から前記第2のスペースに落下させる第2のバーとを備える請求項1または2に記載の自動荷下ろしシステム。
【請求項5】
前記第1のスペースの最下層以外の層に設置された、前記荷物を前記開閉扉の上方に移動させる第二移動装置を備え、前記情報処理装置は、前記第二移動装置をさらに制御する、請求項4に記載の自動荷下ろしシステム。
【請求項6】
前記第二移動装置は、前記最下層以外の層の床上にある荷物を前記開閉扉の上方へ移動させる前記第1のバーであり、
前記開閉扉は、ヒンジを中心に回動して前記荷物を滑動させるスロープとして機能する、請求項5に記載の自動荷下ろしシステム。
【請求項7】
前記第2のスペースに前記自動運転車両の駆動装置が設置されている請求項1または2に記載の自動荷下ろしシステム。
【請求項8】
コンピュータを前記自動荷下ろしシステムの前記情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動荷下ろしシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転機能を有する車両について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-035198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転機能を有する車両により荷物を配送する場合、車両から荷物を下ろす作業および荷物を届け先にまで配送する作業は人が行う必要があるため、人件費を要する。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、上記の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、自動荷下ろしシステムが提供される。前記自動荷下ろしシステムは、荷物を搭載する少なくとも2つの階層を有し、少なくとも最下層の床の一部に開口が形成され、最下層以外の層の床に複数の開閉扉が形成された第1のスペースと、前記第1のスペースの下方にある第2のスペースとを有する自動運転車両、
荷物を配送先に配送するための配送用ロボット、
情報処理装置、
および前記第1のスペースの最下層に設置された、前記荷物を前記開口に移動させる移動装置を備え、
前記第2のスペースの前記開口の下方における前記最下層から落下する荷物を受け取り可能な所定位置に前記配送用ロボットが停留され、
前記情報処理装置は、前記開閉扉を開放して前記荷物を前記開閉扉から落下し、かつ、前記開口に移動して前記開口から落下し、前記落下する荷物を前記配送用ロボットに受け取らせるよう前記開閉扉及び前記第一移動装置を制御する。
【0007】
本発明による自動荷下ろしシステムに置いては、前記自動運転車両は、下端部が回動可能に取り付けられ、前記第2のスペースを外部に解放するための扉を有し、前記扉は、前記扉が開くと前記配送用ロボットが前記自動運転車両に出入りするためのスロープとして機能するものであってもよい。
【0008】
前記配送用ロボットは、前記荷物を配送し、前記荷物の配送後、前記第2のスペースの前記所定位置に戻るものであってもよい。
【0009】
前記第一移動装置は、前記最下層の床上にある荷物を前記開口の近傍に移動させる転動式の第1のバーと、
前記開口の近傍に移動された前記荷物を前記開口に向けて押すことにより、前記荷物を前記開口から前記第2のスペースに落下させる第2のバーとを備えるものであってもよい。
【0010】
前記自動荷下ろしシステムは、前記第1のスペースの最下層以外の層に設置された、前記荷物を前記開閉扉の上方に移動させる第二移動装置を備え、前記情報処理装置は、前記第二移動装置をさらに制御するものであってもよい。
【0011】
前記第二移動装置は、前記最下層以外の層の床上にある荷物を前記開閉扉の上方へ移動させる前記第1のバーであり、前記開閉扉は、ヒンジを中心に回動して前記荷物を滑動させるスロープとして機能するものであってもよい。
【0012】
前記第2のスペースに前記自動運転車両の駆動装置が設置されていてもよい。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両の一部断面側面図である。
図2】本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両の斜視図である。
図3】最下層に配置された移動装置の構成を示す斜視図である。
図4】最下層に配置された移動装置の構成を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両の斜視図である。
図6】情報処理装置の機能構成の一例を概略的に示す図である。
図7】情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。
図8】情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
図9】(A)は駆動装置の概念を示す部分拡大斜視図であり、(B)は変形例に係る駆動装置の概念を示す部分拡大斜視図である。
図10】(A)は第1のバーに凸状部を形成した変形例を示す正面図であり、(B)は荷物が凸状部に押圧されて移動した状態を示す正面図である。
図11】(A)は第1のバーに凸状部及び板状部を形成した変形例を示す正面図であり、(B)は平面図である。
図12】(A)は荷物が凸状部に押圧されて移動した状態を示す正面図であり、(B)は平面図である。
図13】(A)は荷物が板状部に押圧されて移動した状態を示す正面図であり、(B)は平面図である。
図14】(A)は第1のバーに別の凸状部を形成した変形例を示す正面図であり、(B)は断面図である。
図15】(A)は第1のバーに凸状部の高さを変えた状態を示す正面図であり、(B)は断面図である。
図16】(A)は最下層以外の層に移動装置及び駆動装置を設けた例を示す斜視図であり、(B)は最下層以外の層の開口の位置を変更した例を示す斜視図であり、(C)は最下層以外の層の開口の位置をさらに変更した例を示す斜視図である。
図17】(A)は最下層以外の層の開口に代えて開閉扉を設けた例を示す斜視図であり、(B)は開口扉を開放して開口を形成した状態を示す部分拡大断面図である。
図18】(A)は開閉扉に板状の延長部材を形成した例を示す部分拡大断面図であり、(B)は延長部材を延長した状態を示す部分拡大断面図である。
図19】は開口扉をスライド式とした変形例を示す部分拡大断面図である。
図20】は開口扉を床の略全面に亘って形成した変形例を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両10は、例えばLevel6の自動運転車両である。従来の非自動運転の車両ではステアリングホイールが備え付けられているが、Level6の自動運転車両ではステアリングホイールを必要とせず、車内の空間を広く設計することが可能となる。Level6とは自動運転を表すレベルであり、完全自動運転を表すLevel5よりもさらに上のレベルに相当する。Level5は完全自動運転を表すものの、それは人が運転するのと同等のレベルであり、それでも未だ事故等が発生する確率はある。Level6とは、Level5よりも上のレベルを表すものであり、Level5よりも事故が発生する確率が低いレベルに相当する。Level6は例えばナノ秒レベルでの制御によって実現される。
【0018】
本実施形態に係る自動運転車両10は、荷物を搭載する少なくとも1つの階層を有する第1のスペース1、および第1のスペース1の下方にある第2のスペース2を有する。
【0019】
本実施形態に係る自動運転車両は、例えば全長が4m、高さが1.8m、幅が1.9mであり、第2のスペース2の高さが80cmであるが、これに限定されるものではない。
【0020】
本実施形態において、第1のスペース1は3つの階層1A~1Cを有し、それぞれの階層1A~1Cの床3A~3Cの1つの隅部に開口4A~4Cが形成されている。開口4A~4Cは、自動運転車両10に搭載される荷物が通過可能なサイズを有する。開口4Cは階層1Cから階層1Bへ荷物を移動させるために使用され、開口4Bは階層1Bから階層1Aに荷物を移動させために使用される。なお、第1のスペース1は3階層に限定されるものではなく、1つまたは2つの階層あるいは4以上の階層を有するものであってもよい。
【0021】
第1のスペース1の最下層1Aには、荷物Pを開口4Aに移動させるための移動装置20が設置されている。移動装置20は、第1のバー21および第2のバー22を備える。第1のバー21は円筒形状を有し、自動運転車両10の略全幅方向に延在して最下層1Aの床3A上に配置されている。そして第1のバー21は、図3,4に示すように駆動装置23により最下層1Aの床3A上を転動することにより矢印A方向に移動し、最下層1Aの床3A上にある荷物Pを開口4Aの近傍に移動する。
【0022】
第2のバー22も円筒形状を有し、第1のバー21と略平行に最下層1Aの床3A上に配置されている。そして第2のバー22は、駆動装置24によりその長軸方向に往復移動され、開口4Aの近傍に移動された荷物Pを開口4Aに向けて矢印B方向に押すことにより、荷物Pを開口4Aから第2のスペース2に落下させる。
【0023】
第2のスペース2には、荷物Pを配送先に配送するための配送用ロボット15が所定位置に停留されている。所定位置は、開口4Aから落下する荷物Pを受け取り可能な位置である。また、第2のスペース2には、自動運転車両10を駆動するための駆動装置12および情報処理装置14が配置されている。駆動装置12は、バッテリ、モータおよび自動運転を制御するための制御装置等を含む。情報処理装置14については後述する。
【0024】
また、自動運転車両10の一側面には、第2のスペース2を外部に解放するための扉5が、その下端部が回動可能に取り付けられている。なお、扉5は配送用ロボット15が停留されている所定位置に取り付けられている。そして、図5に示すように扉5が開くと、扉5の上端部が地面に接触し、これにより扉5は配送用ロボット15が自動運転車両10に出入りするためのスロープとして機能する。
【0025】
配送用ロボット15は四足歩行するロボットであり、背面に荷物Pを載置するための載置部16を有する。配送用ロボット15は荷物Pを受け取ると、受け取った荷物Pの配送先に荷物Pを配送し、その後自動で自動運転車両10まで戻り、扉5によるスロープを上って所定位置に停留する。
【0026】
本実施形態に係る自動荷下ろしシステムは、第2のスペース2に配置された情報処理装置14によりその駆動が制御される。
【0027】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置の一例の概略図である。情報処理装置14は、自動運転車両10に搭載されるセンサ18と接続されている。
【0028】
センサ18は、自動運転車両10における第1のスペース1内にある荷物Pの位置を表す位置情報、および第2のスペース2にある扉5の開閉状態を表す情報等を取得する。センサ18としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、センサ18としては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0029】
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。情報取得部140は、センサ18によって検知された荷物Pの位置情報を取得する。
【0030】
制御部142は、情報取得部140が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、移動装置20の第1のバー21および第2のバー22の動作等を制御する。
【0031】
例えば、制御部142は、以下の各処理を実行する。
【0032】
(1)最下層1Aの床にある荷物Pを開口4Aの近傍に移動させるように、駆動装置23を駆動して第1のバー21を転動させる。
【0033】
(2)駆動装置24を駆動して第2のバー22を荷物Pに向けて移動することにより、開口4Aの近傍に移動した荷物Pを開口4Aに向けて押して、荷物Pを開口4Aから落下させる。
【0034】
(3)荷物Pが落下したことを検知して、駆動装置23,24を駆動して、第1のバー21および第2のバー22を初期位置に戻す。
【0035】
(4)配送用ロボット15が荷物Pを受け取ったことを検知して扉5を開く。
【0036】
(5)配送用ロボット15が戻ったことを検知して扉5を閉じる。
【0037】
図7は、情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。情報処理装置14は、例えば、最下層1Aの床にある荷物Pを開口4Aから第2のスペース2に落下させる場合、図7に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0038】
ステップS100において、情報取得部140は、センサ18によって検知された荷物Pの位置情報を取得する。
【0039】
ステップS102において、制御部142は、ステップS100で取得された荷物Pの位置情報とAIとを用いて、駆動装置23を駆動することにより第1のバー21によって荷物Pを開口4Aの近傍に移動させる。
【0040】
ステップS104において、制御部142は、駆動装置24を駆動することにより第2のバー22によって荷物Pを開口4Aに向けて押して、荷物Pを開口4Aから落下させる。
【0041】
配送用ロボット15は、落下された荷物Pが載置されると、扉5が解放されることにより設置されるスロープを降りて荷物Pを配送先に届け、その後自動運転車両10に戻ってくる。
【0042】
本実施形態によれば、第1のスペース1の最下層1Aにある荷物Pは、移動装置20により開口4Aに移動され、開口4Aから落下されて配送用ロボット15に載置される。そして、配送用ロボット15は荷物Pを配送先に届け、その後、自動運転車両10に戻ってくる。このため、荷物Pの車両からの荷下ろしを自動で行うことができ、かつ荷物Pの配送を自動で行うことができる。したがって、作業のための人件費を節約できる。
【0043】
また、第2のスペース2に扉5を設け、扉5を配送用ロボット15が自動運転車両10に出入りするためのスロープとして機能させるようにした。このため、自動運転車両10の防犯対策に加えて、配送用ロボット15の出入りを容易に行うことができる。
【0044】
図9(A)に二点鎖線で示す駆動装置23は、階層1Aの壁体内部に収容された移動装置であり、情報処理装置14によって制御されて、自動運転車両10の車両前後方向である矢印Aに示す方向に沿って移動する。駆動装置23は、自動運転車両10の両側の壁体内部に収容されており、それぞれの駆動装置23は、連動して移動する。
【0045】
駆動装置23には、第1のバー21の端部が挿入されている。第1のバー21の端部は駆動装置23に対して非固定であり、第1のバー21は軸回転が可能である。これにより、駆動装置23の移動に伴って、第1のバー21が矢印Aで示す方向に回転しながら移動、すなわち「転動」する。
【0046】
(駆動装置及び第1のバーの第一変形例)
本発明の駆動装置は、図9(B)に示す駆動装置25のような構成としてもよい。駆動装置25は、駆動装置23と同様に、階層1Aにおける自動運転車両10の壁体内部に収容された移動装置であり、矢印Aに示す方向に沿って移動する。また、駆動装置25も、情報処理装置14によって制御される。
【0047】
駆動装置25は、ギア25Aを内蔵している。このギア25Aは、第1のバー21の端部に固定されたギア25Bと噛み合っている。ギア25Aの回転に伴って、第1のバー21は矢印Bで示す方向に回転する。「矢印Bで示す方向」とは、第1のバー21の中心軸を回転軸とする回転方向である。また、駆動装置25の移動に伴って、第1のバー21が、矢印Aで示す方向に移動する。
【0048】
このように、駆動装置25によると、第1のバー21の矢印Bで示す方向の回転と、矢印Aで示す方向の移動とを、別々に制御できる。このように、本発明における「転動式の第1のバー」とは、回転と移動とが別々に実施される態様の第1のバーを含む。
【0049】
また、駆動装置25を用いる場合、図9(B)に示すように、第1のバー21には、第1のバー21の中心軸に沿って螺旋状の凸状部30を形成するとよい。第1のバー21に凸状部30を形成する第一変形例では、図10(A)に示すように、第1のバー21は、駆動装置25に保持された状態で、床3Aから離れて配置される。一方、凸状部30は床3Aから離れて配置してもよく接して配置してもよい。
【0050】
凸状部30は、第1のバー21の径方向に突出する部材である。より具体的には、凸状部30は、第1のバー21の軸方向に沿って、周方向における突出方向が変化する、螺旋構造の部材である。
【0051】
駆動装置25によって、第1のバー21を矢印Bで示す方向に回転させると、図10(B)に示すように、荷物Pが凸状部30に押圧されて矢印Cで示す方向へ移動する。矢印Cで示す方向は、自動運転車両10の車幅方向に沿う方向である。第1のバー21の回転方向を変えれば、自動運転車両10の車幅方向において荷物Pが動く方向を変えることができる。
【0052】
このように、第1のバー21に凸状部30を設けることで、荷物Pを、第2のバー22(図3参照)によって押圧可能な位置(自動運転車両10の車幅方向における位置)まで移動させることができる。
【0053】
その後、駆動装置25によって、第1のバー21を矢印Aで示す方向に移動させれば、荷物Pが第1のバー21に押圧されて移動する。これにより、荷物Pを、図3に示す第2のバー22によって押圧可能な位置(自動運転車両10の前後方向における位置)まで移動させることができる。
【0054】
(駆動装置及び第1のバーの第二変形例)
第1のバー21に螺旋状の凸状部30を形成する場合、この凸状部30の一部に、さらに図11(A)に示す板状部32を形成してもよい。板状部32は、面内方向が第1のバー21の中心軸の軸方向及び第1のバー21の径方向に沿う板部材である。
【0055】
板状部32を形成する部分は、図11(B)に示すように、第2のバー22によって荷物Pを開口4Aに向けて押圧可能な位置(自動運転車両10の車幅方向における位置)が好ましい。
【0056】
この構成によると、図12(A)、(B)に示すように、駆動装置25によって、第1のバー21を矢印Bで示す方向に回転させると、荷物Pが凸状部30に押圧されて矢印Cで示す方向へ移動する。
【0057】
これにより、荷物Pを、板状部32の前方(すなわち、板状部32からみて第2のバー22側)まで移動させることができる。
【0058】
その後、駆動装置25によって、図13(A)、(B)に示すように、第1のバー21を矢印Aで示す方向に移動させれば、荷物Pが板状部32に押圧されて移動する。これにより、荷物Pを、第2のバー22によって押圧可能な位置(自動運転車両10の前後方向における位置)まで移動させることができる。
【0059】
なお、床3Aにおいて、第1のバー21が移動する際に板状部32が通過する部分は、他の部分より荷物P(例えば段ボール箱)との摩擦抵抗を少なく形成してもよい。摩擦抵抗を少なくするためには、例えば床3Aにすべり板34を配置する。
【0060】
すべり板34は、平滑性を高めるためにフッ素加工したパネルや、荷物Pとの接触面積を小さくするために車両前後方向に沿うリブ状の突起が並んだ凹凸パネルなどで形成できる。パネルは、樹脂や金属などを用いて形成できる。
【0061】
このようなすべり板34を設けることで、荷物Pを移動させるために必要な駆動装置25の出力を抑制することができる。なお、このすべり板34は、上述した第一変形例や後述する第三変形例においても適用できる。
【0062】
ここで、第二変形例においては、板状部32によって荷物Pを押圧できる。このため、荷物Pを第1のバー21で押圧する第一変形例(図10参照)と比較して、第1のバー21を高い位置に配置できる。
【0063】
これにより、図13(A)、(B)に示すように、第1のバー21を移動させる際に、板状部32と干渉しない部分にある荷物Pを残置したまま、板状部32と干渉する位置にある荷物Pのみを移動できる。
【0064】
このように、凸状部30及び板状部32を設けることで、開口4Bに対して奥側の荷物Pを、手前側の荷物Pに先行して荷下ろしできる。
【0065】
(駆動装置及び第1のバーの第三変形例)
第1のバー21は、図14(B)に示す外周部材21A、2本の軸部材21B及び連結部材21Cを備えて形成し、外周部材21Aと一体的に螺旋状の凸状部50を形成してもよい。
【0066】
2本の軸部材21Bのそれぞれは、一端が駆動装置27に固定され、他端がもう一方の軸部材21Bの他端と連結部材21Cによって連結されている。連結部材21Cは、その両端が、2本の軸部材21Bの他端に形成された挿入穴21BHに挿入されている。
【0067】
連結部材21Cが挿入穴21BHに挿入された状態で、挿入穴21BHの穴底と連結部材21Cの端部との間には隙間が形成されている。
【0068】
2本の軸部材21Bは、それぞれ図15(B)に矢印Dで示すように、互いに接近するように、軸方向に沿って移動可能とされている。接近後、離間させることもできる。2本の軸部材21Bは、駆動装置27の制御によって移動する。これにより、第1のバー21の長さが変わる。
【0069】
外周部材21Aは、図14(A)、(B)に示すように、軸部材21Bの外周面を覆う筒状の部材であり、高摩擦ゴム等の摩擦係数が高い部材で形成され、外周面に凸状部50が一体的に形成されている。
【0070】
図14(B)に示す外周部材21Aと軸部材21Bとは、例えば接着によって固定されている。より具体的には、軸部材21Bの軸方向において、挿入穴21BHが形成されていない外周面に、外周部材21Aの内周面が接着されている。一方、軸部材21Bの軸方向において、挿入穴21BHが形成されている外周面には、外周部材21Aの内周面は接着されていない。この接着長さは、適宜調整できる。
【0071】
これにより、2本の軸部材21Bを接近させると、図15(B)に示すように、外周部材21Aにおいて軸部材21Bに接着されていない部分が拡径し、図15(A)に矢印Fで示すように、凸状部50の高さが増す。「高さが増す」とは、第1のバー21の中心軸からの突出高さが増すことを指す。
【0072】
なお、この際、高さが増した凸状部50の下方に荷物Pがある場合、高さが増した凸状部50が荷物Pを下方に押圧すると共に、荷物Pから凸状部50が受ける反力によって、第1のバー21が矢印Eに示すように上方に移動する。
【0073】
駆動装置27は、凸状部50が荷物Pから受ける反力を検知して、凸状部50が所定の押圧力で荷物Pを押圧できる高さに、第1のバー21を保持することができる。
【0074】
この構成によると、図14(A)、(B)に示すように、駆動装置27によって、第1のバー21を矢印Bで示す方向に回転させると、荷物Pが凸状部50の摩擦力により、凸状部50に伴って矢印Cで示す方向へ移動する。
【0075】
これにより、荷物Pを、第2のバー22(図3参照)によって押圧可能な位置(自動運転車両10の車幅方向における位置)まで移動させることができる。
【0076】
その後、駆動装置27によって、矢印Dで示すように、軸部材21Bを接近させると、矢印Fで示すように、凸状部50の高さが増す。また、矢印Eで示すように、第1のバー21の高さが高くなる。
【0077】
そして、第1のバー21を矢印Aで示す方向に移動させれば、荷物Pが、荷物Pと接している凸状部50(高さが高い凸状部50)の摩擦力により、凸状部50に伴って移動する。これにより、荷物Pを、第2のバー22によって押圧可能な位置(自動運転車両10の前後方向における位置)まで移動させることができる。
【0078】
なお、この際、第1のバー21の高さが高くなっているので、高さが高い凸状部50によって移動する荷物P以外の荷物Pを残置することができる。
【0079】
以上の説明においては、移動装置20、駆動装置23、24が第1のスペース1の最下層1Aに設置されているものとして説明した。同様に、第一~第三変形例に示された駆動装置25、27、凸状部30を備えた第1のバー21、凸状部30及び板状部32を備えた第1のバー21、凸状部50を備えた第1のバー21も、最下層1Aに設置されているものとして説明した。
【0080】
ただし、これらの移動装置20、駆動装置23、24、25、27、凸状部30を備えた第1のバー21、凸状部30及び板状部32を備えた第1のバー21、凸状部50を備えた第1のバー21は、第1のスペース1の階層1B及び階層1Cにも設置することができる。例えば図16(A)には、移動装置20、駆動装置23及び24を備えた階層1Bが示されている。
【0081】
(床の第一変形例)
階層1B及び階層1Cを形成する床3B及び3Cは、次のように構成してもよい。
【0082】
まず、上記の実施例においては、それぞれの階層1B、1Cの床3B、3Cの1つの隅部に開口4B、4Cが形成されている。開口4B、4Cは、開口4Aと平面視で「重なる」位置に形成されている。
【0083】
しかしながら、開口4Bは、必ずしも開口4Aと平面視で重なる位置に設ける必要はない。例えば開口4Bは、図16(B)に示すように、床3Bの中央部分に設けてもよい。開口4Bを床3Bの中央部分に設ける場合は、第1のバー21及び駆動装置23を、開口4Bの両側に設けると好適である。「両側」とは、自動運転車両10前後方向の前側及び後ろ側を示す。
【0084】
また、開口4Bは、図16(C)に示すように、床3Bの奥に設けてもよい。「奥」とは階層1Aの開口4Aからみて奥であることを示している。また、図16(C)に示す開口4Bが形成された隅部は、開口4Aと重ならない隅部である。
【0085】
また、図示は省略するが、階層1Cの床3Cに形成する開口4Cについても、開口4Bと同様に、任意の場所に形成できる。さらに、開口4Bと開口4Cとは、平面視で重なる位置に形成してもよく、異なる位置に形成してもよい。
【0086】
開口4Bと開口4Cとを平面視で異なる位置に形成すると、開口4Cから落下させた荷物Pを、一旦、床3Bに着床させ、階層1Bの第1のバー21及び第2のバー22によって開口4Bまで移動させることができる。これにより、開口4Cから落下させた荷物Pを、床3Aに着床させる場合などと比較して、荷物Pの落下高さを低くできる。
【0087】
なお、開口4B、4Cの位置を開口4Aの位置と平面視で異なる実施形態においても、上述した駆動装置25及び第1のバー21の第一~第三変形例を適用することができる。
【0088】
(床の第二変形例)
階層1B及び階層1Cを形成する床3B及び3Cは、次のように構成してもよい。
【0089】
上記の実施例においては、それぞれの階層1B、1Cの床3B、3Cに開口4B、4Cが形成されている。この変形例においては、開口4B、4Cを、複数の開閉扉によって形成し、開口4B、4Cの位置を可変としてもよい。
【0090】
例えば図17(A)には、階層1Bの床3Bに、複数の開閉扉40を形成した状態が示されている。開閉扉40は、自動運転車両10幅方向及び前後方向のそれぞれにおいて、複数設けられている。
【0091】
また、開閉扉40は、床3Bの幅方向に連続して設けられている。そして、開閉扉40は、床3Bの幅方向の略全域(例えば幅寸法の80%以上)に亘って設けられている。
【0092】
各開閉扉40の開閉は、情報処理装置14によって制御される。情報処理装置14の制御によって、開閉扉40は、平常時は閉鎖されている。また、情報処理装置14の制御によって、1枚の開閉扉40のみが開放した状態や、複数の開閉扉40が同時に開放した状態とすることができる。
【0093】
例えば床3Bの幅方向において隣接する開閉扉40を開放すれば、1つの開閉扉40を開放する場合と比較して、図17(B)に示す開口4Bの大きさを大きくすることができる。
【0094】
図17(B)に示すように、開閉扉40は、床3Bに設けられたヒンジHを中心に回動して荷物Pを移動させるスロープとして機能させることができる。開閉扉40が開くスピードを緩慢にするために、開閉扉40と床3Bとは、ダンパー42などで連結してもよい。
【0095】
開閉扉40が設けられた階層1Bでは、第1のバー21及び駆動装置23を設け、第2のバー22及び駆動装置24を省略する。駆動装置23に代えて駆動装置25、27を設けてもよいし、第1のバー21には凸状部30、板状部32又は凸状部50などを適宜設けてもよい。
【0096】
この変形例においては、第1のバー21及び駆動装置23が、荷物Pを開閉扉40の上方へ移動させる。開閉扉40は、床3Bの前後方向に複数形成されているため、荷物Pを下層へ落下させる際、第1のバー21によって荷物Pを床3Bの前後方向に動かす距離を短くできる。
【0097】
また、開閉扉40は、床3Bの幅方向に複数形成されているため、仮に第1のバー21によって押圧されて移動した荷物Pが床3Bの幅方向に複数個並んでいる場合でも、所望の荷物Pだけを下階の床3Aへ落下させやすい。
【0098】
さらに、開閉扉40が複数形成されていることにより、床3Bの荷物Pは、下階の床3Aにおいて荷物Pがある場所を避けて落下させることができる。
【0099】
また、荷物Pの大きさが1枚の開閉扉40より大きい場合でも、隣接する複数の開閉扉40を開放することで、当該荷物Pを下階の床3Aへ落下させることができる。
【0100】
なお、図18(A)、(B)に示すように、開閉扉40には、下層の床3Aへ向かって伸びる板状の延長部材44を設けてもよい。延長部材44を設けることで、スロープの長さが長くなる。これにより、荷物Pを下階の床3Aへ送りやすい。
【0101】
また、開閉扉の機構は、必ずしもヒンジHを用いた回転式の開閉機構としなくてもよい。例えば図19に示す開閉扉46のように、床3Bに挿入可能なスライド式の開閉機構としてもよい。このようなスライド式の開閉機構とすれば、開閉扉の回転軌跡をなくせるので、床3Bと下階の床3Aとの間隔Lを狭くして荷物Pの輸送量を確保し易い。
【0102】
また、図20に示すように、第1のバー21及び駆動装置23を省略することもできる。この場合、複数の開閉扉40を床3Bの略全面に亘って配置する。あるいは、全ての荷物Pを開閉扉40の情報に置くことによっても、第1のバー21及び駆動装置23を省略できる。
【0103】
図8は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0104】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0105】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0106】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0107】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0108】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0109】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0110】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0111】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本発明の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0112】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0113】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0114】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0115】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0116】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0117】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0118】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0119】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0120】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0121】
1 第1のスペース、2 第2のスペース、4A~4C 開口、5 扉、10 自動運転車両、12 駆動装置、14 情報処理装置、15 配送用ロボット、18 センサ、20 移動装置(第一移動装置、第二移動装置)、21 第1のバー、22 第2のバー、23,24 駆動装置、40,46 開閉扉、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図20