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▶ 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059538
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ポリエステル複合板構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/21 20190101AFI20240423BHJP
   B29C 48/15 20190101ALI20240423BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20240423BHJP
   B29C 48/49 20190101ALI20240423BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20240423BHJP
   B29K 67/00 20060101ALN20240423BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
B29C48/21
B29C48/15
B29C48/305
B29C48/49
B32B27/36
B29K67:00
B29L9:00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023003429
(22)【出願日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】111139347
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲テ▼超
(72)【発明者】
【氏名】曹 俊哲
(72)【発明者】
【氏名】鄭 文瑞
(72)【発明者】
【氏名】劉 岳欣
【テーマコード(参考)】
4F100
4F207
【Fターム(参考)】
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100EH20
4F100EJ91B
4F100JA04
4F100JL16A
4F207AA24
4F207AA50
4F207AG01
4F207AG03
4F207AR06
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA17
4F207KB11
4F207KB26
4F207KL65
4F207KL84
4F207KM15
4F207KW41
(57)【要約】
【課題】ポリエステル複合板構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本製造方法は、多層押出装置を用いてポリエステル層を板に押し出すことと、押出工程中にホイールを用いて熱によってポリエステルフィルムをラミネートすることとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル複合板構造の製造方法であって、
多層押出装置を用いてポリエステル層を板に押し出すことと、押出工程中にホイールを用いた熱によってポリエステルフィルムをラミネートすることとを含む、ポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項2】
前記多層押出装置の溶融温度は、250℃~290℃である、請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項3】
前記ポリエステル層は、再生ポリエステル樹脂層、機能性ポリエステル層または保護ポリエステル層を備える、請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項4】
前記ホイールを用いて熱によって前記ポリエステルフィルムをラミネートするためのラミネート温度は、80℃~180℃である、請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法を用いて製造された、ポリエステル複合板構造。
【請求項6】
厚さは、0.6mm~10mmである、請求項5に記載のポリエステル複合板構造。
【請求項7】
1~5層のポリエステル層および1~2層のポリエステルフィルムを備える、請求項5に記載のポリエステル複合板構造。
【請求項8】
前記ポリエステル層は、再生ポリエステル樹脂層、機能性ポリエステル層または保護ポリエステル層を備える、請求項5に記載のポリエステル複合板構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合板構造およびその製造方法に関し、特に、ポリエステル複合板構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの既存のプラスチック複合板は、異種積層法(PVCのABSへの接着)または異種押出法(PMMA/ABS)によって製造され、これらは、環境に優しくなく、リサイクルできない製品である。既存の製造方法では、異種積層のために接着剤を塗布または含浸させる必要があり、製造工程において溶剤の揮発および積層物の加熱が生じる。そのため、これは、エネルギーを消費し炭素を排出する製品である。
【0003】
上記に基づき、環境保護、省エネルギーおよび炭素削減のための現在の需要を満たす、複合板の製造方法の開発は、現在の重要な研究課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ポリエステル複合板構造およびその製造方法を提供する。本複合板構造は、接着および熱プレスの工程なしに、単一の材料で製造される。したがって、これは、現在の環境保護、省エネルギーおよび炭素削減の需要を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のポリエステル複合板構造の製造方法は、多層押出装置を用いてポリエステル層を板に押し出すことと、押出工程中にホイールを用いて熱によってポリエステルフィルムをラミネートすることとを含む。
【0006】
本開示の一実施形態では、多層押出装置の溶融温度は、250℃~290℃である。
【0007】
本開示の一実施形態では、ポリエステル層は、再生ポリエステル樹脂層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.3mm~6.0mmの厚さであり、主に複合板の支持体を提供する)、機能性ポリエステル層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.12mm~4.0mmの厚さであり、主に複合板の色、パターンなどの機能特性を提供する)または保護ポリエステル層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.06mm~1.0mmの厚さであり、主に複合板の耐引っかき性、耐溶剤性などの保護機能を有する)を含む。
【0008】
本開示の一実施形態では、ホイールを用いて熱によってポリエステルフィルムをラミネートするためのラミネート温度は、80℃~180℃である。
【0009】
本開示のポリエステル複合板構造は、上記の製造方法によって製造される。
【0010】
本開示の一実施形態では、厚さは、0.6mm~10mmである。
【0011】
本開示の一実施形態では、これは、1~5層のポリエステル層および1~2層のポリエステルフィルム(一般的な透明PETフィルムまたは印刷PETフィルム、あるいはPC類、PBT類、PBAT類などの一般的な熱可塑性ポリエステルフィルムおよびその他のフィルムであり得、12μm~250μmの厚さであり、主に装飾模様、抗菌性および抗カビ性、耐摩耗性および耐引っかき特性などの付加機能を複合板に提供する)を含む。
【0012】
本開示の一実施形態では、ポリエステル層は、再生ポリエステル樹脂層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.3mm~6.0mmの厚さであり、主に複合板の支持体を提供する)、機能性ポリエステル層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.12mm~4.0mmの厚さであり、主に複合板の色、パターンなどの機能特性を提供する)または保護ポリエステル層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.06mm~1.0mmの厚さであり、主に複合板の耐引っかき性、耐溶剤性などの保護機能を有する)を含む。
【発明の効果】
【0013】
上記に基づき、本開示は、ポリエステル複合板構造およびその製造方法を提供する。複合板構造は、単一の材料を用いて製造される。ポリエステルフィルムは、接着剤の塗布や熱プレスなしで、装置(ホイール)の有する温度を介して、複合板と強固に形成され、装飾模様、抗菌性および抗カビ性、耐摩耗性および耐引っかき特性などを有する。したがって、現在の環境保護、省エネルギーおよび炭素削減の需要を満たす。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記において、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本実施形態は、例示的であり、本開示は、これに限定されない。
【0015】
本明細書で使用される「ある値から別の値」によって表される範囲は、範囲内のすべての値を明細書に記載することを回避する一般的な表現である。したがって、特定の数値範囲の記載は、その数値範囲内の任意の数値、ならびに任意の数値およびより小さい数値範囲が本明細書に記載されているかのように、その数値範囲内の任意の数値によって囲まれたより小さい数値範囲を含む。
【0016】
本開示は、ポリエステル複合板構造およびその製造方法を提供する。本製造方法は、多層押出装置を用いてポリエステル層を板に押し出すことと、押出工程中にホイールを用いて熱によってポリエステルフィルムをラミネートすることとを含む。
【0017】
本実施形態では、多層押出装置の溶融温度は、例えば、250℃~290℃であり、上層、中間層または下層のそれぞれの製造には、2台または3台の多層押出装置が用いられ得る。ポリエステル層は、再生ポリエステル樹脂層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.3mm~6.0mmの厚さであり、主に複合板の支持体を提供する)、機能性ポリエステル層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.12mm~4.0mmの厚さであり、主に複合板の色、パターンなどの機能特性を提供する)または保護ポリエステル層(PETまたはPC、PBT、PBATなどの一般的な熱可塑性ポリエステルであり得、0.06mm~1.0mmの厚さであり、主に複合板の耐引っかき性、耐溶剤性などの保護機能を有する)を含み得る。ホイールを用いた熱によってポリエステルフィルムをラミネートするためのラミネート温度は、80℃~180℃である。例えば、ホイールは、3つのローラーを含み得るが、本開示は、これに限定されない。本開示の製造方法によって製造されるポリエステル複合板構造は、例えば、0.6mm~10mmの厚みを有し、1~5層のポリエステル層および1~2層のポリエステルフィルムを含み得る。
【0018】
要約すると、本開示は、ポリエステル複合板構造およびその製造方法を提供する。複合板構造は、単一の材料を用いて製造される。ポリエステルフィルムは、接着剤の塗布や熱プレスなしで、装置(ホイール)の有する温度を介して、複合板と強固に形成され、装飾模様、抗菌性および抗カビ性、耐摩耗性および耐引っかき特性などを有する。したがって、現在の環境保護、省エネルギーおよび炭素削減の需要を満たす。加えて、再生ポリエステル樹脂層は、板に押し出すために使用され得、低炭素型グリーン製品のトレンドにも合致する。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本開示の実施形態によるポリエステル複合板構造およびその製造方法は、低炭素化の流れに対応することを目的として、環境保護、省エネルギーおよび炭素削減に関連する産業に適用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1層のポリエステル層および少なくとも1層のポリエステルフィルムからなるポリエステル複合板構造の製造方法であって、
多層押出装置を用いて、前記ポリエステル層を板に押し出すこと(但し、前記ポリエステル層を金属基体上に押し出す場合を除く。)と、押出工程中にホイールを用いた熱によって前記ポリエステルフィルムを前記ポリエステル層にラミネートすることとを含む、ポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項2】
前記多層押出装置の溶融温度は、250℃~290℃である、請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項3】
前記ポリエステル層は、再生ポリエステル樹脂層、機能性ポリエステル層または保護ポリエステル層を備える、請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法。
【請求項4】
前記ホイールを用いて熱によって前記ポリエステルフィルムをラミネートするためのラミネート温度は、80℃~180℃である、請求項1に記載のポリエステル複合板構造の製造方法。
【外国語明細書】