(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005954
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240110BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240110BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240110BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/42 F
B41J29/38 203
G03G21/00 388
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106452
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】中山 瑠偉
(72)【発明者】
【氏名】市川 修也
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ06
2C061HJ07
2C061HN04
2C061HN15
2H270KA58
2H270KA60
2H270LA56
2H270MF14
2H270NA01
2H270NB15
2H270NB22
2H270NB23
2H270NC01
2H270NC06
2H270NC13
2H270QA14
2H270QA46
2H270QB13
2H270QB24
2H270QB26
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブと、印刷後保存アイコン68と、を表示部34Aに表示させ、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて、表示部34Aに表示した印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブの選択と、印刷後保存アイコン68が示す機能の選択と、を実行し、選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する印刷処理の実行後、ジョブ保持印刷が選択されていた場合、印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、印刷処理の実行後、ジョブ削除印刷が選択されていた場合、印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する保持/削除処理と、を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、
表示部と、
画像をシートに印刷する印刷部と、
印刷ジョブが記憶される記憶部と、
制御部と、を備え、
前記印刷ジョブに基づく画像を前記印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した前記印刷ジョブを前記記憶部に保持するジョブ保持印刷と、前記印刷ジョブに基づく画像を前記印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した前記印刷ジョブを前記記憶部から削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された印刷ジョブと、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択操作子と、を前記表示部に表示させる表示処理と、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて、前記表示処理により前記表示部に表示した印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブの選択と、前記選択操作子が示す機能の選択と、を実行する選択処理と、
前記選択処理により選択された印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷する印刷処理と、
前記印刷処理の実行後、前記選択処理により前記ジョブ保持印刷が選択されていた場合、前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記印刷処理の実行後、前記選択処理により前記ジョブ削除印刷が選択されていた場合、前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する保持/削除処理と、
を実行する、
印刷装置。
【請求項2】
前記選択操作子は、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、
前記制御部は、
前記選択アイコンにより前記ジョブ保持印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記選択アイコンにより前記ジョブ削除印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記受付部を有するタッチパネルであって、
前記制御部は、
前記表示処理において、更に印刷ボタンを表示させ、
前記選択アイコンにより前記ジョブ保持印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷ボタンが操作されると前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記選択アイコンにより前記ジョブ削除印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷ボタンが操作されると前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記受付部を有するタッチパネルであって、
前記選択操作子は、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、
前記制御部は、
前記表示処理において、前記選択アイコンにより前記ジョブ保持印刷が選択されている状態では、前記表示部にジョブ保持印刷ボタンを表示させ、前記選択アイコンにより前記ジョブ削除印刷が選択されている状態では、前記表示部にジョブ削除印刷ボタンを表示させ、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記ジョブ保持印刷ボタンが操作されると前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記ジョブ削除印刷ボタンが操作されると前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記受付部を有するタッチパネルであって、
前記選択操作子は、前記ジョブ保持印刷を示すジョブ保持印刷ボタンと前記ジョブ削除印刷を示すジョブ削除印刷ボタンとにより構成され、
前記制御部は、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記ジョブ保持印刷ボタンが操作されると前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記ジョブ削除印刷ボタンが操作されると前記印刷処理を実行し、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記選択操作子は、前記表示部に表示された印刷ジョブ毎に設けられた、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能なチェックボックスであり、
前記制御部は、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷処理を実行し、
前記チェックボックスによって前記ジョブ保持印刷が選択された印刷ジョブについては、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記チェックボックスによって前記ジョブ削除印刷が選択された印刷ジョブについては、前記印刷処理の実行後、前記保持/削除処理により前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記記憶部には、印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報がその印刷ジョブと関連付けられて記憶されており、
前記制御部は、
前記印刷装置にログインする入力操作を、前記受付部を介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理、
を更に実行し、
前記表示処理では、前記記憶部に記憶された印刷ジョブの中から、前記認証処理により認証されたユーザの前記ユーザ識別情報と関連付けられて記憶されている印刷ジョブを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷ジョブには認証情報が含まれ、
前記制御部は、
前記認証情報を入力する入力操作を前記受付部から受け付けた場合、前記表示処理では、前記記憶部に記憶された印刷ジョブの中から、前記受け付けた認証情報に一致する認証情報が含まれている印刷ジョブを前記表示部に表示する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記選択処理により前記受け付けた認証情報に一致する認証情報が含まれている印刷ジョブが選択されているときに、前記選択処理により前記ジョブ保持印刷が選択された場合、前記保持/削除処理により、前記印刷処理の終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持するとともに、その印刷ジョブが前記ジョブ保持印刷の選択された印刷ジョブであることを示す情報をその印刷ジョブと関連付けて前記記憶部に記憶する、
請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記選択処理により選択された印刷ジョブが、前記ジョブ保持印刷の選択された印刷ジョブであることを示す情報と関連付けられている場合、前記選択処理では、前記選択操作子を前記ジョブ保持印刷が選択された状態に設定する、
請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記記憶部は、不揮発性メモリと揮発性メモリを含み、
前記制御部は、
前記表示処理において、前記選択操作子を、前記印刷ジョブが前記不揮発性メモリに記憶されているときに前記表示部に表示させ、前記印刷ジョブが前記揮発性メモリに記憶されているときには前記表示部に表示させない、
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、認証情報が付与された印刷データを印刷データ格納部に格納し、ユーザからのパスワードの入力を受け付け、パスワードが一致する印刷データがあれば、その印刷データを印刷するようにした印刷装置が記載されている。そして、この印刷装置では、パスワードの入力後かつ印刷前に、印刷データを印刷後に印刷データ格納部に保存しておくか、又は、印刷後に印刷データ格納部から全ての印刷データを削除するかをユーザが選択可能な選択画面を表示し、パスワードが一致する印刷データを印刷後も印刷データ格納部に保存するか否かをユーザが選択できるようにもなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の印刷装置では、印刷データを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを印刷データ毎に選択できなかった。
【0005】
本願は、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の印刷装置は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、表示部と、画像をシートに印刷する印刷部と、印刷ジョブが記憶される記憶部と、制御部と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部に保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部から削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能であって、制御部は、記憶部に記憶された印刷ジョブと、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択操作子と、を表示部に表示させる表示処理と、受付部から受け付けられた入力操作に応じて、表示処理により表示部に表示した印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブの選択と、選択操作子が示す機能の選択と、を実行する選択処理と、選択処理により選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部を用いてシートに印刷する印刷処理と、印刷処理の実行後、選択処理によりジョブ保持印刷が選択されていた場合、印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、印刷処理の実行後、選択処理によりジョブ削除印刷が選択されていた場合、印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部から削除する保持/削除処理と、を実行する、ことを特徴とする。
【0007】
これにより、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるので、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる。
【0008】
また、選択操作子は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、制御部は、選択アイコンによりジョブ保持印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷処理を実行し、印刷処理の実
行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、選択アイコンによりジョブ削除印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0009】
これにより、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるので、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる。
【0010】
また、表示部は、受付部を有するタッチパネルであって、制御部は、表示処理において、更に印刷ボタンを表示させ、選択アイコンによりジョブ保持印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷ボタンが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、選択アイコンによりジョブ削除印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷ボタンが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0011】
これにより、印刷ボタンが操作される前の、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるので、印刷ボタンが操作される前の、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる。
【0012】
また、表示部は、受付部を有するタッチパネルであって、選択操作子は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、制御部は、表示処理において、選択アイコンによりジョブ保持印刷が選択されている状態では、表示部にジョブ保持印刷ボタンを表示させ、選択アイコンによりジョブ削除印刷が選択されている状態では、表示部にジョブ削除印刷ボタンを表示させ、受付部から受け付けられた入力操作に応じてジョブ保持印刷ボタンが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、受付部から受け付けられた入力操作に応じてジョブ削除印刷ボタンが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0013】
これにより、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるとともに、ジョブ保持印刷が選択されたときにはジョブ保持印刷ボタンが表示され、ジョブ削除印刷が選択されたときにはジョブ削除印刷ボタンが表示される。したがって、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となるとともに、ユーザは、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれが選択されているかを目で確認しながら印刷指示をすることが可能となる。
【0014】
また、表示部は、受付部を有するタッチパネルであって、選択操作子は、ジョブ保持印刷を示すジョブ保持印刷ボタンとジョブ削除印刷を示すジョブ削除印刷ボタンとにより構成され、制御部は、受付部から受け付けられた入力操作に応じてジョブ保持印刷ボタンが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、受付部から受け付けられた入力操作に応じてジョブ削除印刷ボタンが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0015】
これにより、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷ボタンとジョブ削除
印刷ボタンとが表示され、いずれかの印刷ボタンを操作することにより、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができる。したがって、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となるとともに、ユーザは、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを積極的に指定して印刷指示をすることが可能となる。
【0016】
また、選択操作子は、表示部に表示された印刷ジョブ毎に設けられた、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能なチェックボックスであり、制御部は、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷処理を実行し、チェックボックスによってジョブ保持印刷が選択された印刷ジョブについては、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、チェックボックスによってジョブ削除印刷が選択された印刷ジョブについては、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0017】
これにより、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能なチェックボックスを印刷ジョブ毎に設けるようにしたので、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを印刷ジョブ毎に選択することが可能となる。
【0018】
また、記憶部には、印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報がその印刷ジョブと関連付けられて記憶されており、制御部は、印刷装置にログインする入力操作を、受付部を介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理、を更に実行し、表示処理では、記憶部に記憶された印刷ジョブの中から、認証処理により認証されたユーザのユーザ識別情報と関連付けられて記憶されている印刷ジョブを表示部に表示させる、ことを特徴とする。
【0019】
これにより、記憶部に複数のユーザの印刷ジョブが記憶されている場合、各ユーザは自分自身のユーザ識別情報と関連付けられて記憶されている印刷ジョブのみを表示部に表示できるので、面倒な印刷ジョブの検索操作を省略することができ、ユーザの操作性を向上させることが可能となる。
【0020】
また、印刷ジョブには認証情報が含まれ、制御部は、認証情報を入力する入力操作を受付部から受け付けた場合、表示処理では、記憶部に記憶された印刷ジョブの中から、受け付けた認証情報に一致する認証情報が含まれている印刷ジョブを表示部に表示する、ことを特徴とする。
【0021】
これにより、Secure Print処理においても、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるので、Secure Print処理においても、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる。
【0022】
また、制御部は、選択処理により受け付けた認証情報に一致する認証情報が含まれている印刷ジョブが選択されているときに、選択処理によりジョブ保持印刷が選択された場合、保持/削除処理により、印刷処理の終了した印刷ジョブを記憶部へ保持するとともに、その印刷ジョブがジョブ保持印刷の選択された印刷ジョブであることを示す情報をその印刷ジョブと関連付けて記憶部に記憶する、ことを特徴とする。
【0023】
これにより、各印刷ジョブにジョブ保持印刷が選択されたジョブであるか否かの情報を関連付けて記憶部に記憶することができる。
【0024】
また、制御部は、選択処理により選択された印刷ジョブが、ジョブ保持印刷の選択され
た印刷ジョブであることを示す情報と関連付けられている場合、選択処理では、選択操作子をジョブ保持印刷が選択された状態に設定する、ことを特徴とする。
【0025】
これにより、ジョブ保持印刷が選択されたジョブであるときには、選択操作子は、ユーザの指定操作を経なくても自動的にジョブ保持印刷が選択された状態に設定されるので、ユーザの手間を省くことが可能となる。
【0026】
また、記憶部は、不揮発性メモリと揮発性メモリを含み、制御部は、表示処理において、選択操作子を、印刷ジョブが不揮発性メモリに記憶されているときに表示部に表示させ、印刷ジョブが揮発性メモリに記憶されているときには表示部に表示させない、ことを特徴とする。
【0027】
これにより、揮発性メモリに記憶されている印刷ジョブについては、ジョブ保持印刷を指定できないので、ジョブ保持印刷が指定された印刷ジョブが消去されたときの誤動作を事前に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願の第1実施形態に係る複合機の外観を示す図である。
【
図2】
図1の複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】印刷ジョブを記憶部に記憶する処理に関するフローチャートである。
【
図4】印刷ジョブを印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図4に含まれる蓄積印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図5の蓄積印刷処理に含まれるストレージ保存時印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】待機画面の一例(A)とジョブ選択画面の一例(B)とジョブ選択画面の他の一例(C)を示す図である。
【
図8】本願の第2実施形態に係る複合機におけるストレージ保存時印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】ジョブ選択画面の一例(A)とジョブ選択画面の他の一例(B)を示す図である。
【
図10】本願の第3実施形態に係る複合機におけるストレージ保存時印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】ジョブ選択画面の一例(A)とジョブ選択画面の他の一例(B)を示す図である。
【
図12】本願の第4実施形態に係る複合機におけるストレージ保存時印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図12に含まれる前回ジョブ保持印刷のジョブ表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】ジョブ管理情報の一例(A)とジョブ管理情報の他の一例(B)を示す図である。
【
図15】本願の第5実施形態に係る複合機における印刷ジョブの選択からその印刷までの流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図15に含まれるSecure Print処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】待機画面の一例(A)とSecure Print画面の一例(B)とSecure Print画面の他の一例(C)を示す図である。
【
図18】本願の第6実施形態に係る複合機におけるSecure Print処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本願の第1実施形態に係る複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)1
の外観を示す斜視図である。複合機1は、印刷装置の一例であり、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、及びファックス機能等を有する。なお、複合機としては、これら全ての機能を備えた複合機に限られるものではなく、例えば、ファックス機能を備えていない複合機であってもよい。以下、
図1の矢印で示されるように、複合機1の上下方向、前後方向、及び左右方向を定義する。
【0031】
複合機1は、印刷部2と、画像読取部3と、操作パネル33と、タッチパネル34とを備える。印刷部2は、電子写真方式のプリント機能を有する。印刷部2の印刷方式は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式であってもよい。印刷部2の筐体20は、給紙トレイ21と排紙トレイ22とを有する。給紙トレイ21には、普通紙などのシートを複数枚収容することができる。印刷部2は、給紙トレイ21から給紙されたシートに画像を印刷し、排紙トレイ22に排紙する。なお、給紙トレイ21に収容されるシートは、普通紙に限られず、厚紙などであってもよい。
【0032】
画像読取部3は、スキャン機能を有する。画像読取部3は、筐体30と、原稿搬送部31と、原稿カバー32とを備える。原稿搬送部31は、複数の原稿を積載可能な原稿トレイ31Aを備える。原稿カバー32は、筐体30の載置台に対して回動自在に設けられている。
【0033】
操作パネル33及びタッチパネル34は、複合機1の前面に設けられている。操作パネル33には、タッチパネル34と、キャンセルキー35A、ホームキー35B、戻りキー35C及び電源キー35Dなどを有する。
【0034】
図2は、複合機1の電気的構成を示すブロック図である。複合機1は、印刷部2と、画像読取部3と、ASIC11と、RAM13と、ROM14と、不揮発性メモリ15と、ネットワークI/F16と、USBI/F19と、を備える。
【0035】
ASIC11には、CPU12が搭載されている。CPU12は、制御部の一例であり、複合機1の各部に対する全般的な制御を行う。なお、ASIC11を、制御部として用いてもよい。ROM14には、複合機1を制御するためのプログラム43が記憶されている。CPU12は、RAM13を作業領域として用いてプログラム43を実行する。不揮発性メモリ15は、NVRAM等からなり、複合機1の各種処理の設定、各種処理に用いるデータが記憶されている。
【0036】
ネットワークI/F16は、通信部の一例である。複合機1は、ネットワークI/F16を介して、LANに接続し、PC18と通信する。PC18は、外部装置の一例であって、管理者を含む複合機1のユーザが操作する情報端末である。ネットワークI/F16は、LAN以外のネットワークに接続してもよい。外部装置は、パソコン以外の情報端末であってもよく、例えば、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。また、複合機1は、USBI/F19を介して、複合機1の外部からUSBストレージ19Aが接続されている。
【0037】
タッチパネル34は、表示部34Aと、受付部34Bとを有する。タッチパネル34の表示部34Aは、表示部の一例であり、液晶ディスプレイ等からなる。表示部34Aには、複合機1の操作画面等が表示される。受付部34Bは、ユーザのタッチ操作を受け付け、ユーザにより押下された位置を検出する。なお、受付部34Bを有さない液晶ディスプレイを表示部として用いてもよい。物理キー35は、受付部の一例であって、ユーザの入
力操作を受け付ける。
【0038】
USBストレージ19Aは、記憶部の一例であり、印刷ジョブが記憶される。印刷ジョブには、少なくとも画像データ42が含まれ、ユーザ識別情報及びジョブ名が付加され得る。USBストレージ19Aには、ジョブ管理情報41が記憶されており、ユーザ識別情報及びジョブ名が付加されていた印刷ジョブについて、それらの情報が記憶される。なお、RAM13を記憶部として使用してもよく、RAM13にジョブ管理情報41と印刷ジョブの画像データ42とを記憶するようにしてもよい。
【0039】
図3は、印刷ジョブをUSBストレージ19A及びRAM13を含む記憶部に記憶する処理に関するフローチャートである。以降、各処理の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0040】
CPU12は、ネットワークI/F16を介してPC18から印刷ジョブを受信すると(S200:YES)、受信した印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されているか否かを判定する(S201)。S201において、CPU12は、印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されている場合(S201:YES)は、S202の処理に進み、印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されていない場合(S201:NO)は、S206の処理に進む。
【0041】
S202において、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されている蓄積印刷設定45がオンになっているか否かを判定する。蓄積印刷設定45は、後に詳述する蓄積印刷処理の実行可否に関する設定であって、蓄積印刷設定45がオンのとき蓄積印刷処理を実行することができる。S202において、CPU12は、蓄積印刷設定45がオンになっている場合(S202:YES)、S203の処理に進み、蓄積印刷設定45がオフになっている場合(S202:NO)、S206の処理に進む。
【0042】
S203において、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されているジョブの保存先設定44が示す保存先を判定する。ジョブの保存先設定44は、受信した印刷ジョブの保存先を、RAMとストレージのいずれにするかを設定できる。S203の判定において、ジョブの保存先設定44が示す保存先がRAMである場合(S203:RAM)、CPU12は、PC18から受信した印刷ジョブをRAM13に記憶する。具体的には、CPU12は、印刷ジョブの画像データ42をRAM13に記憶する。さらにCPU12は、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名及びユーザ識別情報をジョブ管理情報41に追加し、追加後のジョブ管理情報41をRAM13に記憶させる。その後、CPU12は、
図3の処理を終了する。
【0043】
一方、S203の判定において、ジョブの保存先設定44が示す保存先がストレージである場合(S203:ストレージ)、CPU12は、PC18から受信した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに記憶する。具体的には、CPU12は、印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aに記憶する。さらにCPU12は、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名及びユーザ識別情報をジョブ管理情報41に追加し、追加後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。その後、CPU12は、
図3の処理を終了する。
【0044】
S201において印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されていないと判定された場合(S201:NO)、又は、S202において蓄積印刷設定45がオフになっていると判定された場合(S202:NO)、CPU12は、S206の処理を行う。S206において、CPU12は、印刷部2を制御してPC18から受信した印刷ジョブの画像データ42をシートへ印刷する。その後、CPU12は、
図3の処理を終了する。
【0045】
次に、
図4~
図7を参照して、蓄積印刷処理の流れについて説明する。PC18から複合機1へ印刷ジョブを送信したユーザが複合機1のホームキー35B等を操作すると、
図7(A)に示すような待機画面90がタッチパネル34の表示部34Aに表示される。待機画面90には、ファックスボタン51と、コピーボタン52と、スキャンボタン53と、蓄積印刷ボタン54と、設定ボタン55と、ユーザ認証ボタン56とが含まれる。
【0046】
ユーザ認証ボタン56は、ユーザが複合機1にログイン又はログアウトする際に使用される。ユーザ認証ボタン56が押下されると、CPU12は、
図4に示す処理を開始する。
図4のS300において、CPU12は、認証処理を実行する。CPU12は、タッチパネル34の表示部34Aにログイン画面を表示し、物理キー35等を用いたユーザの識別情報とパスワードの入力を受け付ける。ユーザが自身の識別情報とパスワードとを入力すると、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶された認証DB46に予め記憶されている情報と照合する。ユーザが入力した情報と、認証DB46に予め記憶されている情報とが一致する場合、そのユーザは複合機1にログインすることができる。ユーザが複合機1へログインすると(S301:YES)、CPU12は、S302の処理に進む。
【0047】
S302において、CPU12は、ログインしたユーザの印刷ジョブがRAM13又はUSBストレージ19Aに保存されているか否か判定する。CPU12は、RAM13又はUSBストレージ19Aのジョブ管理情報41に記憶されている印刷ジョブの中から、ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブを探索する。CPU12は、探索の結果、ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブが存在していた場合(S302:YES)は、S303の処理に進む。S303において、CPU12は、蓄積印刷処理を行う。蓄積印刷処理については、
図5及び
図6を用いて後述する。
【0048】
ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブがジョブ管理情報41の中に存在しなかった場合(S302:NO)、又は、S303の処理が完了した場合、CPU12は、S304の処理に進む。S304において、CPU12は、待機画面90をタッチパネル34の表示部34Aに表示し、S305の処理に進む。
【0049】
S305において、CPU12は、蓄積印刷ボタン54が押下されたか否かを判定する。CPU12は、蓄積印刷ボタン54が押下された場合(S305:YES)は、上記S302の処理に戻り、蓄積印刷ボタン54が押下されていない場合(S305:NO)は、S306の処理に進む。
【0050】
S306において、CPU12は、ログインしていたユーザがログアウトするか否かを判定する。CPU12は、ユーザが所定の操作を行い複合機1からログアウトした場合(S306:YES)は、
図4の処理を終了し、ユーザがログアウトするための所定の操作を行わなかった場合(S306:NO)は、上記S305の処理に戻る。
【0051】
図4のS303において実行する蓄積印刷処理について、
図5及び
図6を参照して説明する。CPU12は、
図5に示す処理を開始すると、S400において、ジョブ管理情報41の中からログインしたユーザの印刷ジョブに関する情報を取得し、そのユーザの印刷ジョブを全て含む印刷ジョブリストを作成する。今、ジョブ管理情報41が、例えば
図14(A)に示すものであるとする。但し、
図14(A)のジョブ管理情報は、本願の第4実施形態で用いるものであるため、「前回ジョブ保持印刷のフラグ」が含まれている。このため、本実施形態におけるジョブ管理情報41は、「前回ジョブ保持印刷のフラグ」の項目を除いたもの、つまり、ジョブ名の項目とユーザ識別情報の項目とを含むものである。このとき、ログインしたユーザが「UserA」である場合、CPU12は、印刷ジョ
ブ6を除いた、印刷ジョブ1~5を含む印刷ジョブリストを生成する。CPU12は、印刷ジョブリストを作成すると、S401の処理に進む。
【0052】
S401において、CPU12は、印刷ジョブの保存先がRAM13であったか、USBストレージ19Aであったかを判定する。この判定において、印刷ジョブの保存先がRAM13であった場合(S401:RAM)、CPU12は、S402の処理に進む。一方、印刷ジョブの保存先がUSBストレージ19Aであった場合(S401:ストレージ)、CPU12は、S403の処理に進む。
【0053】
S402において、CPU12は、RAM保存時印刷処理を行う。その後、CPU12は、
図5の処理を終了する。一方、S403において、CPU12は、ストレージ保存時印刷処理を行う。ストレージ保存時印刷処理については、
図6を用いて後述する。ストレージ保存時印刷処理が終了すると、CPU12は、
図5の処理を終了する。
【0054】
まず、ストレージ保存時印刷処理について、
図6を参照して説明した後、RAM保存時印刷処理について説明する。CPU12は、
図6に示す処理を開始すると、S500において、タッチパネル34の表示部34Aに印刷ジョブリストと印刷ボタンと削除ボタンと全選択ボタンと印刷後保存アイコンとを含むジョブ選択画面を表示する。
図7(B)は、表示部34Aに表示されたジョブ選択画面91の一例を示している。ジョブ選択画面91には、削除ボタン61、全選択(SELECT ALL)ボタン62、印刷ボタン63、印刷後保存アイコン68、チェックボックス66A~66E、ならびにスクロールボタン64及び65が表示されている。また、印刷後保存アイコン68には、チェックボックス68Aも表示されている。ジョブ選択画面91の左側には上記S400において作成した印刷ジョブリストが表示されている。
【0055】
CPU12は、ジョブ選択画面91を表示すると、S501において、印刷ジョブリストの中から任意の印刷ジョブ、全選択ボタン62及び印刷後保存アイコン68のチェックボックス68Aのオン/オフに対するユーザの指定を受け付ける。CPU12は、タッチパネル34の受付部34B又は物理キー35を介して、ユーザが削除又は印刷したい印刷ジョブの選択を受け付ける。ユーザが削除又は印刷を希望する印刷ジョブをジョブ選択画面91に表示された印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から選んで押下すると、選択された各印刷ジョブの左横に位置するチェックボックス66A~66Eにチェックマークが表示される。ユーザが全選択ボタン62を押下した場合は、ジョブ選択画面91に表示されたすべての印刷ジョブのチェックボックス66A~66Eにチェックマークが表示される。ユーザが削除ボタン61又は印刷ボタン63を押下すると、印刷ジョブの選択が確定する。また、印刷後保存アイコン68は、印刷が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保存するジョブ保持印刷と、印刷が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能にするアイコンである。ユーザが印刷後保存アイコン68を指定する度にチェックボックス68Aへのチェックマークの表示(オン)と非表示(オフ)がトグルで繰り返される。そして、チェックボックス68Aへチェックマークが表示されている状態がジョブ保持印刷を選択している状態を示し、チェックボックス68Aへチェックマークが表示されていない状態がジョブ削除印刷を選択している状態を示している。
【0056】
続くS502において、CPU12は、印刷ボタン63による指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったかを判定する。印刷ボタン63は、ユーザが選択した印刷ジョブについて、画像データ42の印刷を指示するためのボタンである。削除ボタン61は、印刷ジョブの削除を指示するためのボタンである。CPU12は、ジョブ選択画面91において、印刷ボタン63による指示入力があった場合(S502:印刷ボタン)は、S503の処理に進む。
【0057】
S503において、CPU12は、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、ユーザがジョブ選択画面91で指定した印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。CPU12は、ジョブ選択画面91で指定されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、S504の処理に進む。
【0058】
S504において、CPU12は、印刷後保存アイコン68のチェックボックス68Aがオン指定されているか否か、つまり印刷後保存アイコン68がジョブ保持印刷を指定しているか否かを判定する。この判定において、印刷後保存アイコン68がジョブ保持印刷を指定している場合(S504:YES)、つまり、チェックボックス68Aにチェックマークが表示されている場合、CPU12は、
図6の処理を終了する。これにより、指定された印刷ジョブは、印刷後もUSBストレージ19Aに保存されたままとなる。
【0059】
一方、S504の判定において、印刷後保存アイコン68がジョブ削除印刷を指定している場合(S504:NO)、つまりチェックボックス68Aにチェックマークが表示されていない場合、CPU12は、S505の処理に進む。
【0060】
S505において、CPU12は、ジョブ選択画面91において指定された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するとともに、ジョブ管理情報41からそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。これにより、指定された印刷ジョブは、印刷後にUSBストレージ19Aから削除される。CPU12は、ジョブ管理情報41の更新を終えると、
図6の処理を終了する。
【0061】
上記S502において、CPU12は、削除ボタン61による指示入力があった場合(S502:削除ボタン)は、上記S505の処理に進む。これにより、ジョブ選択画面91で指定されたすべての印刷ジョブは、印刷されずにUSBストレージ19Aから削除される。
【0062】
上記S402において、CPU12が行うRAM保存時印刷処理は、上述したストレージ保存時印刷処理を一部変更することにより実現される。具体的には、まずCPU12は、上記S500において表示するジョブ選択画面から印刷後保存アイコンを除いたジョブ選択画面を表示する。
図7(C)は、表示部34Aに表示されたジョブ選択画面91Aの一例を示している。ジョブ選択画面91Aは、
図7(B)のジョブ選択画面91に対して、印刷後保存アイコン68が表示されない点のみが異なっている。次にCPU12は、上記S501の処理から印刷後保存アイコン68を除いた処理、つまり、印刷ジョブリストの中から任意の印刷ジョブ及び全選択ボタン62に対するユーザの指定を受け付ける。そして、CPU12は、上記S502~S505から上記S504の判定処理を除いた処理を実行する。以上の処理により、RAM保存時印刷処理が実現される。
【0063】
このようにRAM保存時印刷処理において、ジョブ選択画面91Aに印刷後保存アイコン68を表示しないようにしたのは、印刷後保存アイコン68によりジョブ保持印刷の機能が選択されないようにするためである。つまり、RAM13に保存された印刷ジョブに対してジョブ保持印刷が指定されると、複合機1の電源が落とされた場合等、RAM13に保存された印刷ジョブが消去されたときに対応できないので、RAM13に保存された印刷ジョブに対して印刷処理をするときには、印刷後保存アイコン68を表示しないようにして、最初からジョブ保持印刷を選択できないようにしている。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部34Bと、表示部34Aと、画像をシートに印刷する印刷部2と、印刷ジョブが記憶され
るUSBストレージ19Aと、CPU12と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能である。
【0065】
そして、CPU12は、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブと、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする印刷後保存アイコン68と、を表示部34Aに表示させる表示処理と、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて、表示処理により表示部34Aに表示した印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブの選択と、印刷後保存アイコン68が示す機能の選択と、を実行する選択処理と、選択処理により選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する印刷処理と、印刷処理の実行後、選択処理によりジョブ保持印刷が選択されていた場合、印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、印刷処理の実行後、選択処理によりジョブ削除印刷が選択されていた場合、印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する保持/削除処理と、を実行する。
【0066】
このように、本実施形態の複合機1では、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるので、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる。
【0067】
ちなみに、本実施形態において、複合機1は、「印刷装置」の一例である。USBストレージ19Aは、「記憶部」の一例である。CPU12は、「制御部」の一例である。印刷後保存アイコン68は、「選択操作子」の一例である。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本願の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、ジョブ選択画面91に表示される印刷ボタン63の表示文言を、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの選択に応じて変更する点が異なっている。本実施形態は、上記第1実施形態で説明したストレージ保存時印刷処理の一部を変更するだけで実現できるので、変更する部分を中心に説明し、それ以外の部分の説明は適宜省略する。また、本実施形態のハードウェアは、上記
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0069】
図8は、本実施形態のCPU12が実行するストレージ保存時印刷処理の流れを示している。
図8中、
図6と同様の処理には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。CPU12は、
図8に示す処理を開始すると、上記S500及びS501と同様の処理を実行した後、S510において、上記S504と同様にして、印刷後保存アイコン68のチェックボックス68Aがオン指定されているか否か、つまり印刷後保存アイコン68がジョブ保持印刷を指定しているか否かを判定する。この判定において、印刷後保存アイコン68がジョブ削除印刷を指定している場合(S510:NO)、つまりチェックボックス68Aにチェックマークが表示されていない場合、CPU12は、S511の処理に進む。
【0070】
S511において、CPU12は、印刷ボタンの文言を「ジョブ削除印刷」と表示する。
図9(A)は、このときに表示部34Aに表示されたジョブ選択画面91Bの一例を示している。ジョブ選択画面91Bには、印刷ボタン63に代えて、ジョブ削除印刷ボタン63Aが表示されている。
【0071】
続くS512において、CPU12は、印刷ボタン(この場合、ジョブ削除印刷ボタン63A)による指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったか、あるい
は指示入力がないかを判定する。ジョブ削除印刷ボタン63Aは、ユーザが選択した印刷ジョブについて、画像データ42の印刷を行った後、印刷に用いた印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除することを指示するためのボタンである。CPU12は、ジョブ選択画面91Bにおいて、ジョブ削除印刷ボタン63Aによる指示入力があった場合(S513:印刷ボタン)は、S513の処理に進む。
【0072】
S513において、CPU12は、上記S503と同様にして、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、ユーザがジョブ選択画面91Bで指定した印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。CPU12は、ジョブ選択画面91Bで指定されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、S514の処理に進む。
【0073】
S514において、CPU12は、ジョブ選択画面91Bで指定された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。CPU12は、ジョブ選択画面91Bで指定された印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aから削除するとともに、ジョブ管理情報41からそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。CPU12は、ジョブ管理情報41の更新を終えると、
図8の処理を終了する。
【0074】
S512において、CPU12は、削除ボタン61による指示入力があった場合(S512:削除ボタン)は、上記S514の処理に進む。また、S512において、CPU12は、指示入力がなかった場合(S512:指示入力なし)は、上記S510の処理に戻る。
【0075】
一方、S510において、印刷後保存アイコン68がジョブ保持印刷を指定している場合(S510:YES)、つまり、チェックボックス68Aにチェックマークが表示されている場合、CPU12は、S515の処理に進む。
【0076】
S515において、CPU12は、印刷ボタンの文言を「ジョブ保持印刷」と表示する。
図9(B)は、このときに表示部34Aに表示されたジョブ選択画面91Cの一例を示している。ジョブ選択画面91Cには、ジョブ保持印刷ボタン63Bが表示されている。
【0077】
続くS516において、CPU12は、印刷ボタン(この場合、ジョブ保持印刷ボタン63B)による指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったか、あるいは指示入力がないかを判定する。ジョブ保持印刷ボタン63Bは、ユーザが選択した印刷ジョブについて、画像データ42の印刷を行った後、印刷に用いた印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保存することを指示するためのボタンである。CPU12は、ジョブ選択画面91Cにおいて、ジョブ保持印刷ボタン63Bによる指示入力があった場合(S516:印刷ボタン)は、S517の処理に進む。
【0078】
S517において、CPU12は、上記S503と同様にして、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、ユーザがジョブ選択画面91Cで選択した印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。CPU12は、ジョブ選択画面91Cで指定されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、
図8の処理を終了する。
【0079】
S516において、CPU12は、削除ボタン61による指示入力があった場合(S516:削除ボタン)は、上記S514の処理に進む。また、S516において、CPU12は、指示入力がなかった場合(S516:指示入力なし)は、上記S510の処理に戻る。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部
34Bと、表示部34Aと、画像をシートに印刷する印刷部2と、印刷ジョブが記憶されるUSBストレージ19Aと、CPU12と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能である。
【0081】
そして、表示部34Aは、受付部34Bを有するタッチパネル34であって、印刷後保存アイコン68は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンである。さらに、CPU12は、表示処理において、印刷後保存アイコン68によりジョブ保持印刷が選択されている状態では、表示部34Aにジョブ保持印刷ボタン63Bを表示させ、印刷後保存アイコン68によりジョブ削除印刷が選択されている状態では、表示部34Aにジョブ削除印刷ボタン63Aを表示させ、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じてジョブ保持印刷ボタン63Bが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じてジョブ削除印刷ボタン63Aが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0082】
このように、本実施形態の複合機1では、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるとともに、ジョブ保持印刷が選択されたときにはジョブ保持印刷ボタン63Bが表示され、ジョブ削除印刷が選択されたときにはジョブ削除印刷ボタン63Aが表示される。これにより、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となるとともに、ユーザは、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれが選択されているかを目で確認しながら印刷指示をすることが可能となる。
【0083】
(第3実施形態)
次に、本願の第3実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、ジョブ選択画面91に表示される印刷後保存アイコン68と印刷ボタン63に代えて、ジョブ削除印刷ボタン63Aとジョブ保持印刷ボタン63Bを表示するようにした点が異なっている。本実施形態は、上記第1実施形態で説明したストレージ保存時印刷処理の一部を変更するだけで実現できるので、変更する部分を中心に説明し、それ以外の部分の説明は適宜省略する。また、本実施形態のハードウェアは、上記
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0084】
図10は、本実施形態のCPU12が実行するストレージ保存時印刷処理の流れを示している。CPU12は、
図10に示す処理を開始すると、S520において、タッチパネル34の表示部34Aに印刷ジョブリストとジョブ保持印刷ボタンとジョブ削除印刷ボタンと削除ボタンと全選択ボタンを含むジョブ選択画面を表示する。
図11(A)は、表示部34Aに表示されたジョブ選択画面91Dの一例を示している。ジョブ選択画面91Dは、
図7(B)のジョブ選択画面91に対して、印刷後保存アイコン68と印刷ボタン63に代えて、ジョブ削除印刷ボタン63Aとジョブ保持印刷ボタン63Bを表示するようにした点のみが異なっている。
【0085】
CPU12は、ジョブ選択画面91Dを表示すると、S521において、印刷ジョブリストの中から任意の印刷ジョブ及び全選択ボタン62に対するユーザの指定を受け付ける。
【0086】
続くS522において、CPU12は、ジョブ保持印刷ボタン63Bによる指示入力が
あったか、ジョブ削除印刷ボタン63Aによる指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったかを判定する。CPU12は、ジョブ選択画面91Dにおいて、ジョブ保持印刷ボタン63Bによる指示入力があった場合(S522:ジョブ保持印刷ボタン)は、S523の処理に進む。
【0087】
S523において、CPU12は、上記S503と同様にして、印刷処理を実行する。CPU12は、ジョブ選択画面91Dで指定されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、
図10の処理を終了する。
【0088】
一方、CPU12は、ジョブ選択画面91Dにおいて、ジョブ削除印刷ボタン63Aによる指示入力があった場合(S522:ジョブ削除印刷ボタン)は、S524の処理に進む。
【0089】
S524において、CPU12は、上記S523と同様にして、印刷処理を実行する。そして、S525において、CPU12は、上記S505と同様にして、ジョブ選択画面91Dで指定された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。CPU12は、ジョブ選択画面91Dで指定された印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aから削除するとともに、ジョブ管理情報41からそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。CPU12は、ジョブ管理情報41の更新を終えると、
図10の処理を終了する。
【0090】
また、CPU12は、ジョブ選択画面91Dにおいて、削除ボタン61による指示入力があった場合(S522:削除ボタン)は、S525の処理に進む。
【0091】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部34Bと、表示部34Aと、画像をシートに印刷する印刷部2と、印刷ジョブが記憶されるUSBストレージ19Aと、CPU12と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能である。
【0092】
そして、表示部34Aは、受付部34Bを有するタッチパネル34であって、印刷ボタンは、ジョブ保持印刷を示すジョブ保持印刷ボタン63Bとジョブ削除印刷を示すジョブ削除印刷ボタン63Aとにより構成され、CPU12は、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じてジョブ保持印刷ボタン63Bが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じてジョブ削除印刷ボタン63Aが操作されると印刷処理を実行し、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0093】
このように、本実施形態の複合機1では、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷ボタン63Bとジョブ削除印刷ボタン63Aとが表示され、いずれかの印刷ボタン63B,63Aを操作することにより、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができる。これにより、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となるとともに、ユーザは、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを積極的に指定して印刷指示をすることが可能となる。
【0094】
(第4実施形態)
次に、本願の第4実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し
て、ジョブ選択画面91に表示される印刷後保存アイコン68に代えて、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブ毎にジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択できるようにした点が異なっている。本実施形態は、上記第1実施形態で説明したストレージ保存時印刷処理の一部を変更するだけで実現できるので、変更する部分を中心に説明し、それ以外の部分の説明は適宜省略する。また、本実施形態のハードウェアは、上記
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0095】
図12は、本実施形態のCPU12が実行するストレージ保存時印刷処理の流れを示している。CPU12は、
図12に示す処理を開始すると、S530において、タッチパネル34の表示部34Aに印刷ジョブリストと印刷ボタンと削除ボタンと全選択ボタンと印刷後保存選択チェックボックスを含むジョブ選択画面を表示する。
図11(B)は、表示部34Aに表示されたジョブ選択画面91Eの一例を示している。ジョブ選択画面91Eは、
図7(B)のジョブ選択画面91に対して、印刷後保存アイコン68に代えて、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブ毎に、印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eを表示するようにした点のみが異なっている。
【0096】
続くS531では、CPU12は、前回ジョブ保持印刷の印刷ジョブ表示処理を行う。前回ジョブ保持印刷の印刷ジョブ表示処理は、
図13を用いて後述する。
【0097】
続くS532では、CPU12は、印刷ジョブリストの中から任意の印刷ジョブ、全選択ボタン62及び印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eのオン/オフに対するユーザの指定を受け付ける。印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eは、印刷ジョブリストに表示された印刷ジョブ毎に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とするチェックボックスである。ユーザが印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eを指定する度に、印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eへのチェックマークの表示と非表示がトグルで繰り返される。そして、印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eにチェックマークが表示されている状態がジョブ保持印刷を選択している状態を示し、印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eにチェックマークが表示されていない状態がジョブ削除印刷を選択している状態を示している。
【0098】
続くS533において、CPU12は、印刷ボタン63による指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったかを判定する。CPU12は、ジョブ選択画面91Eにおいて、印刷ボタン63による指示入力があった場合(S533:印刷ボタン)は、S534の処理に進む。
【0099】
S534では、印刷ジョブリストから指定された印刷ジョブのうち、N番目の選択ジョブの印刷処理を実行する。ここで、“N”は、印刷ジョブリストから指定された印刷ジョブのそれぞれを特定するためのカウンタNのカウント値である。Nの値は、例えば、初期値“1”から、印刷ジョブリストから指定された印刷ジョブの数まで変動する。
【0100】
S534の印刷処理が終了すると、S535において、CPU12は、N番目の選択ジョブに対応する印刷後保存選択チェックボックスにチェックマークが表示されているか否かを判定する。この判定において、チェックマークが表示されていない場合(S535:NO)、つまりジョブ削除印刷が選択されている場合、CPU12は、S536の処理に進む。
【0101】
S536において、CPU12は、N番目の選択ジョブをUSBストレージ19Aから削除するとともに、ジョブ管理情報41からその印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。CPU12は、ジョブ管理情報41の更新を終えると、S537の処理に進む。
【0102】
一方、上記S535の判定において、チェックマークが表示されている場合(S535:YES)、つまりジョブ保持印刷が選択されている場合、CPU12は、S538の処理に進む。
【0103】
S538において、CPU12は、N番目の選択ジョブの前回ジョブ保持印刷のフラグをオンにし、ジョブ管理情報41を更新する。そして、CPU12は、S537の処理に進む。
図14は、ジョブ管理情報41の一例を示している。
図14のジョブ管理情報41には、受信した印刷ジョブに含まれるジョブ名とユーザ識別情報に加え、前回ジョブ保持印刷のフラグも含まれている。前回ジョブ保持印刷のフラグは、対応する印刷ジョブが前回ジョブ保持印刷が指定されたジョブであるときにオンにセットされる。なお、前回ジョブ保持印刷のフラグの初期値は、オフである。
【0104】
S537では、印刷ジョブリストから指定された印刷ジョブの全ジョブに対して上記S534の印刷処理を終了したか否かを判定する。この判定において、印刷処理を行う印刷ジョブが残っている場合(S537:NO)、CPU12は、上記S534の処理に戻る。このとき、カウンタNを“1”だけインクリメントする。一方、この判定において、印刷処理を行う印刷ジョブが残っていない場合(S537:YES)、CPU12は、
図12の処理を終了する。
【0105】
一方、CPU12は、ジョブ選択画面91Eにおいて、削除ボタン61による指示入力があった場合(S533:削除ボタン)は、S539の処理に進む。S539では、CPU12は、上記S505と同様にして、ジョブ選択画面91Eから選択された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するとともに、ジョブ管理情報41からそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。CPU12は、ジョブ管理情報41の更新を終えると、
図12の処理を終了する。
【0106】
CPU12は、上記
図13に示す処理を開始すると、S600において、カウンタNをN=0にリセットする。カウンタNは、
図12を用いて上述したカウンタNと同様に、印刷ジョブリストに表示された印刷ジョブのそれぞれを特定するために使用されるものであるが、
図12を用いて上述したカウンタNが、印刷ジョブリストに表示されている印刷ジョブから更に指定されたものを特定するために使用されるのに対して、このカウンタNは、印刷ジョブリストに表示された全ての印刷ジョブのそれぞれを特定するために使用される点が異なっている。
【0107】
続くS601では、CPU12は、カウンタNを“1”だけインクリメントする。そして、S602において、CPU12は、カウンタNが示すN番目の印刷ジョブは、前回ジョブ保持印刷のジョブであるか否かを判定する。CPU12は、本実施形態では、この判定を、
図14に示すジョブ管理情報41に含まれる前回ジョブ保持印刷のフラグに基づいて行う。つまり、CPU12は、N番目の印刷ジョブに対応する前回ジョブ保持印刷のフラグがオンの場合、その印刷ジョブは前回ジョブ保持印刷のジョブであると判定し、N番目の印刷ジョブに対応する前回ジョブ保持印刷のフラグがオフの場合、その印刷ジョブは前回ジョブ保持印刷のジョブでないと判定する。なお、
図14(A)に示すジョブ管理情報41は、各印刷ジョブを受信したときの初期状態のものであり、
図14(B)に示すジョブ管理情報41は、印刷ジョブ1と印刷ジョブ3について1回以上ジョブ保持印刷を指定したものである。
【0108】
上記S602の判定において、N番目の印刷ジョブが前回ジョブ保持印刷のジョブである場合(S602:YES)、CPU12は、S603において、印刷ジョブリスト中、
N番目の印刷ジョブに対応する印刷後保存選択チェックボックスのチェックマークを表示する。そして、CPU12は、S604の処理に進む。一方、S602の判定において、N番目の印刷ジョブが前回ジョブ保持印刷のジョブでない場合(S602:NO)、CPU12は、S604の処理に進む。
【0109】
S604では、印刷ジョブリストに表示されている全ての印刷ジョブについての上記S602の判定を終了したか否かを判定する。この判定において、上記S602の判定をすべき印刷ジョブが残っている場合(S604:NO)、CPU12は、上記S601の処理に戻す。一方、この判定において、上記S602の判定をすべき印刷ジョブが残っていない場合(S604:YES)、CPU12は、
図13の処理を終了する。
【0110】
このように前回ジョブ保持印刷の印刷ジョブ表示処理を実行すると、USBストレージ19Aに保存されている印刷ジョブのうち、前回ジョブ保持印刷が指定されたものについては、ユーザの指定操作を経なくても、ジョブ選択画面91Eの印刷ジョブリストに表示された印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eのうち、対応するチェックボックスにチェックマークが表示されることになる。これにより、ユーザの手間を省くことが可能となる。
【0111】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部34Bと、表示部34Aと、画像をシートに印刷する印刷部2と、印刷ジョブが記憶されるUSBストレージ19Aと、CPU12と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能である。
【0112】
そして、表示部34Aには、印刷ジョブ毎に設けられた、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能な印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eが設けられ、CPU12は、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて印刷処理を実行し、印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eによってジョブ保持印刷が選択された印刷ジョブについては、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eによってジョブ削除印刷が選択された印刷ジョブについては、印刷処理の実行後、保持/削除処理により印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0113】
このように、本実施形態の複合機1では、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能な印刷後保存選択チェックボックス69A~69Eを印刷ジョブ毎に設けるようにしたので、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを印刷ジョブ毎に選択することが可能となる。
【0114】
(第5実施形態)
次に、本願の第5実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1~第4実施形態に対して、印刷に用いる印刷ジョブの構成が異なっている。具体的には、上記第1~第4実施形態で用いた印刷ジョブは、
図2に示すように、ユーザ識別情報と画像データを含むものであるのに対して、本実施形態で用いる印刷ジョブは、さらにジョブパスワードを含むものである点が異なっている。以下、ジョブパスワードを含む印刷ジョブを、ジョブパスワードを含まない印刷ジョブと区別するために、パスワード付き印刷ジョブと言うこともある。なお、本実施形態でも、ハードウェアとしては、上記
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0115】
図15は、本実施形態のCPU12が実行する、パスワード付き印刷ジョブの選択からその印刷までの流れを示している。なお、パスワード付き印刷ジョブは、
図15の処理が開始される前に、例えば、前記PC18から受信して、USBストレージ19Aに保存されているとする。また、
図15の処理が開始される前には、上記表示部34Aに、例えば、
図17(A)に示す待機画面90Aが表示されているとする。
【0116】
CPU12は、
図15に示す処理を開始すると、S700において、待機画面90A上のSecure Printボタン57が押下されるまで待機し(S700:NO)、Secure Printボタン57が押下されると(S700:YES)、S701の処理に進む。S701において、CPU12は、表示部34Aにユーザ名を表示する。パスワード付き印刷ジョブがUSBストレージ19Aに格納されるときも、上記
図3のS205と同様に、USBストレージ19A内のジョブ管理情報41が更新されるので、CPU12は、ジョブ管理情報41に基づいて、USBストレージ19Aに保存されているパスワード付き印刷ジョブを送信したユーザ名を表示することができる。
【0117】
そして、S702において、CPU12は、ユーザが表示部34Aに表示されたユーザ名からいずれかのユーザ名を選択するまで待機し(S702:NO)、ユーザがいずれかのユーザ名を選択すると(S702:YES)、S703において、CPU12は、表示部34AにPIN入力画面を表示する。なお、本実施形態では、パスワード付き印刷ジョブに含まれるジョブパスワードは、PIN(Personal Identification Number)とするが、他の形式のパスワードであってもよい。
【0118】
ユーザがPINを入力すると、S704において、CPU12は、選択ユーザの印刷ジョブのうち、入力されたPINに一致するものがあるか否か判定する。この判定において、一致するものがなければ(S704:NO)、CPU12は、上記S703の処理に戻って、新たなPINの入力を待つ。一方、この判定において、一致するものがあれば(S704:YES)、S705において、CPU12は、一致したジョブをすべて表示部34Aに表示する。
【0119】
そして、S706において、CPU12は、ユーザがいずれかのジョブを選択するまで待機し(S706:NO)、ユーザがいずれかのジョブを選択すると(S706:YES)、S707において、CPU12は、Secure Print処理を行う。
【0120】
図16は、Secure Print処理の詳細な流れを示している。CPU12は、
図16に示す処理を開始すると、S800において、タッチパネル34の表示部34Aに印刷ボタンと削除ボタンと印刷後保存アイコンとを含むジョブ選択画面を表示する。
図17(B)は、表示部34Aに表示されたSecure Print画面92の一例を示している。Secure Print画面92には、削除ボタン71、印刷ボタン73及び印刷後保存アイコン72が表示されている。また、印刷後保存アイコン72には、チェックボックス72Aも表示されている。Secure Print画面92の左上側には上記S705において表示した印刷ジョブが表示されている。
【0121】
CPU12は、Secure Print画面92を表示すると、S801において、印刷後保存アイコン72に対するユーザの指定を受け付ける。CPU12は、タッチパネル34の受付部34B又は物理キー35を介して、ユーザが削除又は印刷したい印刷ジョブの選択を受け付ける。印刷後保存アイコン72は、印刷が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保存するジョブ保持印刷と、印刷が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能にするアイコンである。ユーザが印刷後保存アイコン72をタッチする度にチェックボックス72Aへのチェックマーク
の表示と非表示がトグルで繰り返される。そして、チェックボックス72Aへチェックマークが表示されている状態がジョブ保持印刷を選択している状態を示し、チェックボックス72Aへチェックマークが表示されていない状態がジョブ削除印刷を選択している状態を示している。
【0122】
続くS802において、CPU12は、印刷ボタン73による指示入力があったか、削除ボタン71による指示入力があったかを判定する。印刷ボタン73は、ユーザが選択した印刷ジョブについて、画像データ42の印刷を指示するためのボタンである。削除ボタン61は、印刷ジョブの削除を指示するためのボタンである。CPU12は、Secure Print画面92において、印刷ボタン73による指示入力があった場合(S802:印刷ボタン)は、S803の処理に進む。
【0123】
S803において、CPU12は、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、ユーザがSecure Print画面92で選択した印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。CPU12は、Secure Print画面92で選択されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、S804の処理に進む。
【0124】
S804において、CPU12は、印刷後保存アイコン72がジョブ保持印刷を指定しているか否かを判定する。この判定において、印刷後保存アイコン72がジョブ保持印刷を指定している場合(S804:YES)、つまり、チェックボックス72Aにチェックマークが表示されている場合、CPU12は、
図16の処理を終了する。一方、この判定において、印刷後保存アイコン72がジョブ削除印刷を指定している場合(S704:NO)、つまりチェックボックス72Aにチェックマークが表示されていない場合、CPU12は、S805の処理に進む。
【0125】
S805において、CPU12は、Secure Print画面92から選択された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。そして、CPU12は、
図16の処理を終了する。
【0126】
S802において、CPU12は、削除ボタン71による指示入力があった場合(S802:削除ボタン)は、上記S805の処理に進む。
【0127】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部34Bと、表示部34Aと、画像をシートに印刷する印刷部2と、印刷ジョブが記憶されるUSBストレージ19Aと、CPU12と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能である。
【0128】
そして、印刷ジョブにはPINが含まれ、CPU12は、PINを入力する入力操作を受付部34Bから受け付けた場合、表示処理では、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブの中から、受け付けたPINに一致するPINが含まれている印刷ジョブを表示部34Aに表示する。ちなみに、PINは、「認証情報」の一例である。
【0129】
このように、本実施形態の複合機1では、Secure Print処理においても、印刷ジョブを選択して印刷する際に、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかを選択することができるので、Secure Print処理においても、印刷ジョブを選択して印刷する際に、印刷後に保存するか否かを選択することが可能となる。
【0130】
(第6実施形態)
次に、本願の第6実施形態について説明する。本実施形態は、上記第5実施形態に、上記第4実施形態の前回ジョブ保持印刷のジョブ表示処理で実現する機能を追加したものであり、上記第5実施形態に対して、Secure Print処理の一部が異なるのみである。したがって、ハードウェアとしては、上記
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0131】
図18は、本実施形態のCPU12が実行するSecure Print処理の流れを示している。
図18中、
図16と同様の処理には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。CPU12は、
図18に示す処理を開始すると、S900において、選択された印刷ジョブは、ジョブ保持印刷のジョブであるか否かを判定する。本実施形態では、印刷ジョブを、ジョブ保持印刷のジョブとジョブ削除印刷のジョブとを区別できるようになっている。この区別は、上記
図14を用いて説明した前回ジョブ保持印刷のフラグと同様のフラグ、例えば、ジョブ保持印刷のフラグをジョブ管理情報41内に定義して行うようにすればよい。このようにジョブ保持印刷のフラグを定義すると、CPU12は、S900の判定を、ジョブ保持印刷のフラグがオンであるか、オフであるかに基づいて行うことができる。
【0132】
S900の判定において、選択されたジョブがジョブ保持印刷のジョブである場合(S900:YES)、CPU12は、S901の処理に進む。一方、この判定において、選択されたジョブがジョブ保持印刷のジョブでない場合(S900:NO)、CPU12は、S800の処理に進む。
【0133】
S901では、CPU12は、印刷後保存アイコン72のチェックボックス72Aにチェックマークを表示する。その後、CPU12は、S800の処理に進む。
図17(C)は、印刷後保存アイコン72のチェックボックス72Aにチェックマークが表示されたときのSecure Print画面92Aの一例を示している。
【0134】
S800~S805の処理は、
図16のS800~S805の処理と同様であるため、その説明は省略する。但し、S804の判定において、印刷後保存アイコン72がジョブ保持印刷を指定している場合(S804:YES)、つまり、チェックボックス72Aにチェックマークが表示されている場合、S902において、CPU12は、印刷を実行した印刷ジョブをジョブ保持印刷のジョブにする。つまり、この印刷ジョブに対応するジョブ保持印刷のフラグをオンにセットする。
【0135】
このように、本実施形態の複合機1では、CPU12は、選択処理により受け付けた認証情報に一致する認証情報が含まれている印刷ジョブが選択されているときに、選択処理によりジョブ保持印刷が選択された場合、保持/削除処理により、印刷処理の終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持するとともに、その印刷ジョブがジョブ保持印刷の選択された印刷ジョブであることを示す情報をその印刷ジョブと関連付けてUSBストレージ19Aに記憶する。
【0136】
これにより、各印刷ジョブにジョブ保持印刷が選択されたジョブであるか否かの情報を関連付けてUSBストレージ19Aに記憶することができる。
【0137】
また、CPU12は、選択処理により選択された印刷ジョブが、ジョブ保持印刷の選択された印刷ジョブであることを示す情報と関連付けられている場合、選択処理では、印刷後保存アイコン72をジョブ保持印刷が選択された状態に設定する。
【0138】
これにより、USBストレージ19Aに保存されている印刷ジョブのうち、ジョブ保持印刷のジョブであるものについては、ユーザの指定操作を経なくても、Secure Print画面
92に表示された印刷後保存アイコン72のチェックボックス72Aにチェックマークが表示されることになるので、ユーザの手間を省くことが可能となる。
【0139】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0140】
(1)上記各実施形態では、印刷装置の一例として複合機1を挙げたが、印刷装置としては、複合機1に限らず、単体のプリンタであってもよい。
【0141】
(2)上記各実施形態では、制御部の一例として、1つのCPU12を用いているが、これに限らず、複数のCPUからなるものを用いてもよいし、複数のコアからなるCPUを含むものでもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…複合機、2…印刷部、3…画像読取部、11…ASIC、12…CPU、13…RAM、14…ROM、15…不揮発性メモリ、16…ネットワークI/F、18…PC、19…USBI/F、19A…USBストレージ、34…タッチパネル、34A…表示部、34B…受付部、35…物理キー、41…ジョブ管理情報、42…画像データ、43…プログラム、44…ジョブの保存先設定、45…蓄積印刷設定、46…認証DB、54…蓄積印刷ボタン、56…ユーザ認証ボタン、57…Secure Printボタン、63…印刷ボタン、63A…ジョブ削除印刷ボタン、63B…ジョブ保持印刷ボタン、69A~69E…印刷後保存選択チェックボックス、90…待機画面、91…ジョブ選択画面、92…Secure Print画面。