(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059561
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】基材の厚さおよび表面の粗さを低減するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
H01L21/302 105B
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134395
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】2215394.4
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】512221197
【氏名又は名称】エスピーティーエス テクノロジーズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンフォード ローランド
(72)【発明者】
【氏名】マシュー マイケル デイ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BA20
5F004BB22
5F004BB23
5F004DB01
(57)【要約】
【課題】薄化プロセスから入ってくる不均一性を示す基板の表面に対するRSTおよび厚さ変動の精密な制御を提供する。
【解決手段】装置は、プラズマチャンバと、プラズマ生成装置と、プラズマチャンバ内に配置された基板支持体と、プラズマチャンバ内にガス又はガス混合物を導入するための1つのガス入口と、プラズマの分布を制御するように構成されているプラズマ制御構造と、コントローラとを備え、コントローラは、ガスまたはガス混合物からプラズマチャンバ内にプラズマを生成し、基板の測定された厚さの変動と、測定された平均基板厚さと、基板の厚さの目標変動と、目標平均基板厚さとを受け取り、測定された厚さの変動および測定された平均基板厚さに基づき、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを提供する、エッチングルーチンを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を薄くし表面粗さを低減するための装置であって、
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバ内のプラズマを維持するためのプラズマ生成装置と、
前記基板を支持するために前記プラズマチャンバ内に配置された基板支持体と、
前記プラズマチャンバ内にガス又はガス混合物を導入するための少なくとも1つのガス入口と、
プラズマチャンバ内のプラズマの分布を制御するように構成されている少なくとも1つのプラズマ制御構造と、
コントローラと、
を備え、前記コントローラは、
前記ガスまたは前記ガス混合物から前記プラズマチャンバ内にプラズマを生成し、
前記基板の測定された厚さの変動と、測定された平均基板厚さと、前記基板の厚さの目標変動と、目標平均基板厚さとを受け取り、
前記測定された厚さの変動および前記測定された平均基板厚さに基づいて、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを提供する、生成されたエッチングルーチンを生成し、
前記生成されたエッチングルーチンに基づいて、前記生成されたエッチングルーチンに従って前記プラズマチャンバ内の前記少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御する、
ように構成される、装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記プラズマチャンバ内の前記プラズマの分布を制御するために、前記少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、配向、または構成のうちの少なくとも1つを制御するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプラズマ制御構造は、少なくとも1つの環状リング構造を含む、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの環状リング構造は、前記基板支持体に垂直な軸に沿って移動可能である、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの環状リング構造が均一性リングを含む、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの環状リング構造は、ウェハエッジ保護(WEP)構造を含む、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記基板支持体が静電チャック(ESC)を含む、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記プラズマ生成装置は誘導結合プラズマ生成装置である、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
基板を薄くし表面粗さを低減する方法であって、
前記基板の厚さにおける変動および平均基板厚さを測定して、測定された基板の厚さにおける変動および測定された平均基板厚さを提供するステップと、
基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを定義するステップと、
生成されたエッチングルーチンを生成するステップであって、基板に対し生成されたエッチングプロファイルをエッチングして、前記基板の厚さの目標変動および前記目標平均基板厚さを達成する、ステップと、
前記基板をプラズマエッチング装置のプラズマチャンバに装填し、前記基板を基板支持体上に配置するステップと、
少なくとも1つのガス入口を通して前記プラズマチャンバ内にガスまたはガス混合物を導入するステップと、
プラズマ生成装置を用いて前記ガスまたは前記ガス混合物から前記プラズマチャンバ内にプラズマを生成するステップと、
コントローラを使用して前記プラズマチャンバ内のプラズマを制御して、前記生成されたエッチングルーチンに従って前記基板をエッチングさせ、平滑化された基板を生成するステップと、
を含み、
前記コントローラを使用して前記プラズマチャンバ内の前記プラズマを制御するステップは、前記基板の厚さの目標変動及び前記目標平均基板厚さを達成するために、前記生成されたエッチングルーチンに従って前記プラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御するコントローラを含み、前記少なくとも1つのプラズマ制御構造は、前記プラズマチャンバ内の前記プラズマの分布を制御するように構成される、方法。
【請求項10】
前記プラズマチャンバ内の前記プラズマを制御するステップは、前記少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、配向、および構成のうちの少なくとも1つを制御することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プラズマチャンバ内で生成された前記プラズマによってエッチングされる前記基板の部分は、マスク層によって覆われない、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプラズマ制御構造は、少なくとも1つの環状リング構造を含む、請求項9~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの環状リング構造は、前記基板支持体に垂直な軸に沿って移動可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの環状リング構造が均一性リングを含む、請求項12または請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの環状リング構造は、ウェハエッジ保護(WEP)構造を含む、請求項12~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記基板が半導体基板である、請求項9~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記測定された基板の厚さの変動は、前記基板の表面プロファイルの2次元表示または前記基板の表面プロファイルの3次元表示を含む、請求項9~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記基板を前記プラズマチャンバ内に装填するステップは、前記基板の厚さの変動および平均基板厚さを測定するステップと、前記基板の厚さの目標変動および前記目標基板厚さを定義するステップと、前記生成されたエッチングルーチンを生成するステップとの前に行われる、請求項9から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記生成されたエッチングルーチンを生成するステップは、前記生成されたエッチングプロファイルを生成するために少なくとも2つの所定のエッチングルーチンを組み合わせることを含み、前記少なくとも2つの所定のエッチングルーチンの各々は、基板に対しそれぞれの所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成される、請求項9~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも2つの所定のエッチングルーチンの各々は、前記それぞれの所定のエッチングプロファイルを達成するために実施されるエッチングパラメータのそれぞれのセットに関連付けられる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記エッチングパラメータのセットは、
前記プラズマエッチング中の前記プラズマチャンバ内の圧力、及び/又は
前記プラズマエッチング中に少なくとも1つのガス入口を通る前記ガスまたは前記ガス混合物の流量、及び/又は
前記プラズマエッチング中に前記プラズマ生成装置に供給される電力、及び/又は
前記プラズマエッチング中に基板支持体に供給される電力
のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも2つの所定のエッチングルーチンが、基板に対し第1の所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成された第1の所定のエッチングルーチンと、基板に対し第2の所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成された第2の所定のエッチングルーチンとを含み、前記生成されたエッチングルーチンは、前記生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットが第1の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第1のセットと第2の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第2のセットとの組み合わせであるように、前記第1の所定のエッチングルーチンと前記第2の所定のエッチングルーチンとの組み合わせを含む、請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記生成されたエッチングルーチンは、前記第1の所定のエッチングルーチンを第1の持続時間にわたって実行し、続いて前記第2の所定のエッチングルーチンを第2の持続時間にわたって実行することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記生成されたエッチングプロファイルを生成するステップは、第1の持続時間および第2の持続時間のそれぞれの値について、前記生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの予測変動及び/又は前記生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さを決定することを含み、前記生成されたエッチングプロファイルに続く前記基板の厚さの変動に対応する第1の持続時間及び第2の持続時間のそれぞれの値、及び/又は前記生成されたエッチングプロファイルに続く前記基板の厚さの目標変動に最も近い生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さ、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く目標平均基板厚さを選択する、請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記生成されたエッチングルーチンは、前記第1の所定のエッチングルーチンと前記第2の所定のエッチングルーチンとの間の真空破壊を含む、請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項26】
基板の厚さを低減する方法であって、
a.基板と研削表面との間の相対移動によって前記基板を研削し、前記基板から材料を除去するステップ、及び/又は
b.化学機械研磨(CMP)によって前記基板から材料を除去するステップであって、前記CMPが、前記基板を研磨パッドおよびCMP組成物と接触させるステップと、前記研磨パッドと前記基板との間の前記基板と接触するCMP組成物の部分を維持しながら前記研磨パッドと前記基板との間に相対運動を生じさせるステップを含む、ステップと、
を含み、
請求項8~25のいずれかに記載の方法を実施することによって、前記基板の表面粗さを低減するステップ
をさらに含む、方法。
【請求項27】
前記基板を研削するステップと、前記CMPによって前記基板から材料を除去するステップと、請求項8~25のいずれかに記載の方法との連続ステップを含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を薄くし表面粗さを低減する装置及び方法に関する。本発明はまた、基板を薄くする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古典的な2次元「ムーアの法則」スケーリングの技術的および経済的課題は、高度な技術ノード、例えば5nm未満のノードについて増加している。結果として、改善されたシステム性能を提供するためにダイが集積パッケージ内でともに取り付けられる3次元異種集積スキームに、より大きな考慮がなされている。多くの事例では、これらの3Dスキームは、異種パッケージへの統合を促進するために、ダイの厚さが低減される、または典型的には、約775μmの元のウェハ厚さから100μm未満の厚さに薄くされることを必要とする。例えば、5μm未満の平均基板厚さは、3Dヘテロ集積スキームのために考慮されている。半導体の薄化は確立された技術であるが、ダイの厚さのそのような低減は、これらの集積スキームを商業的に実現可能にするために対処されなければならない新たな課題を提示する。
【0003】
デバイス製造後の半導体ウェハの従来の薄化は、典型的には、2つの主要なプロセスによって達成される。第1に、半導体ウェハの厚さは、不要な半導体材料のバルクを除去するために半導体ウェハの裏面(すなわち、デバイスを形成するために処理されないウェハの側面)を研削することによって低減される。第2に、次いで、半導体ウェハを化学機械研磨(CMP)に供して、数ミクロンの材料を除去し、研削されたウェハの表面粗さを低減し、または研削されたウェハを平滑化する。これらの薄化方法の後には、潜在的に、ウェハ内の応力を緩和するためのウェットエッチング及び/又はプラズマエッチングステップが続く。これらのステップのそれぞれは、典型的には、より少量の材料を除去し、低減された表面粗さを伴う、より平滑かつ/またはより均一の表面を達成する。ウェハにわたる厚さの変動、またはウェハの最も厚い点と最も薄い点との間の差は、総厚さ変動(TTV)に関してしばしば定義され、一方、平均(または平均)ウェハ厚さは、残留シリコン厚さ(RST)として特定される。しかしながら、TTVは、サブステートの最も顕著な又は最も厚い点と基板の最も凹んだ又は最も薄い点との間の差によって決定される。したがって、TTVは、厚さ変動の極値のみを反映することができ、基板全体にわたる厚さの変動の分布または広がりを反映しない。低いTTV値は、基板全体にわたる厚さの低い変動に対応すると予想されるが、高いTTV値は、全体としての基板の厚さ変動の例示ではない。例えば、基板は、基板表面の大きな山部および谷部を通してなど、基板の厚さに著しい局所的変動を有する部分を有することができ、基板の残りの部分は極めて均一である。このような基板は高いTTV値を有するが、これは基板全体にわたる厚さの変動の分布を表さない。
【0004】
ダイ・ツー・ウェハ(D2W)およびウェハ・ツー・ウェハ(W2W)アタッチメントのための融合またはハイブリッドボンディングスキームでは、低いTTVおよび非常に低い欠陥を有する非常に均一な表面が必要とされる。例えば、サブ500nmの相互接続が裏面電力供給に必要とされる場合、サブミクロン直径貫通シリコンビア(TSV)が必要とされることが予想される。これは、最終的なウェハ厚さが約1μmに低減されたときにTSVの実用的なアスペクト比を維持するために、薄化された基板の最終的なRSTおよびTTVに実用的な制限を課す。
【0005】
従来の薄化プロセスは、これらの新しい用途のニーズを満たすために改良を必要とする。例えば、CMPを施したウェハのTTVが7μm、厚さが30μmであるが、RSTが5μmのウェハでは目標TTVが1μmであるとすると、基板の相対的な厚さ均一性や厚さの大幅な変化が要求される。現在、基板の相対的な厚さの均一性におけるこのような変化は、単独で又は組み合わせて研削及びCMPによっては達成できない。したがって、これらの低い目標TTVおよびRST値を達成することができる基板の表面の表面粗さを低減するためのプロセスが必要とされている。
【0006】
研削およびCMPツールからのTTVおよびRSTの不均一性の変動性もまた、これらのシステム内の消耗品が経時的に変化し、したがって、これらの薄化方法に供される基板の結果として生じるプロファイルが経時的に変化するため、実用的な考慮事項である。したがって、任意の後続の平滑化ステップは、これらの変動を考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、必要とされるのは、薄化プロセスから入ってくる不均一性を示す基板の表面に対するRSTおよび厚さ変動の精密な制御を提供できる平滑化プロセスで、これは、目標平均基板厚さに対して許容可能であろうものよりも実質的に大きいものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、その実施形態の少なくともいくつかにおいて、上記の問題、要望およびニーズの少なくともいくつかに対処しようとするものである。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、基板を薄くし表面粗さを低減するための装置が提供される:
プラズマチャンバ;
プラズマチャンバ内のプラズマを維持するためのプラズマ生成装置;
基板を支持するためにプラズマチャンバ内に配置された基板支持体;
プラズマチャンバ内にガス又はガス混合物を導入するための少なくとも1つのガス入口;
プラズマチャンバ内のプラズマの分布を制御するように構成されている少なくとも1つのプラズマ制御構造;
コントローラ。
コントローラは、
・ガスまたはガス混合物からプラズマチャンバ内にプラズマを生成し、
・基板の厚さの測定された変動と、測定された平均基板厚さと、基板の厚さの目標変動と、目標平均基板厚さとを受け取り、
・測定された厚さの変動および測定された平均基板厚さに基づいて、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを提供する、生成されたエッチングルーチンを生成し、
・生成されたエッチングルーチンに基づいて、生成されたエッチングルーチンに従ってプラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御する。
【0011】
本発明者らは、可動環状リング(典型的には均一性リングと呼ばれる)などの少なくとも1つのプラズマ制御構造を使用してプラズマ分布を制御することが、最も頻繁に調整されたエッチングパラメータのいずれかからプラズマチャンバ内で生成されるプラズマの半径方向分布に最も顕著な影響を及ぼすことを見出した。これは、プラズマチャンバ内でプラズマが生成される間に、生成されたエッチングルーチンに従ってプラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御するように構成されたコントローラが、基板の既存の厚さ変動を考慮し、平均基板厚さおよび基板厚さ変動の正確な制御を提供することができる、基板のエッチングに対する前例のないレベルの制御を提供することができることを意味する。
【0012】
コントローラは、プラズマチャンバ内のプラズマの分布を制御するために、少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、向き、または構成のうちの少なくとも1つを制御するように構成することができる。
【0013】
少なくとも1つのプラズマ制御構造は、少なくとも1つの環状リング構造を含むことができる。少なくとも1つの環状リング構造は、基板支持体に垂直な軸に沿って移動可能であり得る。少なくとも1つの環状リング構造は均一性リングを含むことができる。環状リング構造は、ウェハエッジ保護(WEP)構造を含むことができる。少なくとも1つの環状リング構造は、1つ以上の均一リングとWEP構造との組み合わせを含むことができる。
【0014】
基板支持体は、導電性構造を含むことができる。基板支持体は、誘電体静電チャック(ESC)を備えることができる。あるいは、基板支持体は金属プラテンを含むことができる。基板支持体は、適切な電源からのRFバイアス電力を有するRF電気信号が供給されるように構成される。RFバイアス電力は、2~20MHz、好ましくは13.56MHzの周波数を有することができる。
【0015】
プラズマ生成装置は、誘導結合プラズマ生成装置とすることができる。コントローラは、少なくとも1つのガス入口、プラズマ生成装置、基板支持体、および電源のうちの少なくとも1つの動作を制御するように構成することができる。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、基板を薄くし表面粗さを低減する方法であって、以下のステップを含む方法が提供される:
・基板の厚さにおける変動および平均基板厚さを測定して、基板の厚さにおける測定された変動および測定された平均基板厚さを提供するステップと、
・基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを定義するステップと、
・生成されたエッチングルーチンを生成するステップであって、生成されたエッチングルーチンは、基板に対し生成されたエッチングプロファイルをエッチングして、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを達成するように構成される、ステップと、
・基板をプラズマエッチング装置のプラズマチャンバに装填し、基板を基板支持体上に配置するステップと、
・少なくとも1つのガス入口を通してプラズマチャンバ内にガスまたはガス混合物を導入するステップと、
・プラズマ生成装置を用いてガス又はガス混合物からプラズマチャンバ内にプラズマを生成するステップと、
・コントローラを使用してプラズマチャンバ内のプラズマを制御して、生成されたエッチングルーチンに従って基板をエッチングさせ、平滑化された基板を生成するステップ。
【0017】
コントローラを使用してプラズマチャンバ内のプラズマを制御するステップは、基板の厚さの目標変動及び目標平均基板厚さを達成するために、生成されたエッチングルーチンに従ってプラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御するコントローラを含み、少なくとも1つのプラズマ制御構造は、プラズマチャンバ内のプラズマの分布を制御するように構成される。
【0018】
本発明者らは、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さだけでなく、プラズマエッチングに先立つ基板の厚さの既存の変動も考慮した生成エッチングルーチンを生成し、生成されたエッチングルーチンに従ってプラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御することによって、本発明を得た。基板は、最終的な平均基板厚さおよび均一性にわたって高い精度を提供しながら、既知の方法よりもエッチングされた基板の均一性を著しく増加させる方法でエッチングすることができる。
【0019】
プラズマチャンバ内で生成されたプラズマによってエッチングされる基板の部分は、好ましくはマスク層によって覆われないか、またはそうでなければマスクされない。好ましくは、プラズマチャンバ内で生成されたプラズマによってエッチングされる基板の部分は、基板の表面上にいかなる堆積層または堆積物も含まず、基板の部分の表面に形成されたいかなる特徴も有さない。
【0020】
プラズマチャンバ内のプラズマを制御するステップは、少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、配向、および構成のうちの少なくとも1つを制御するステップを含むことができる。少なくとも1つのプラズマ制御構造は、少なくとも1つの環状リング構造を含むことができる。少なくとも1つの環状リング構造は、基板支持体に垂直な軸に沿って移動可能であり得る。コントローラを使用してプラズマチャンバ内のプラズマを制御するステップ中に、コントローラは、基板支持体に垂直な軸に沿って移動するように少なくとも1つの環状リング構造を制御することができる。
【0021】
少なくとも1つの環状リング構造は均一性リングを含むことができる。少なくとも1つの環状リング構造は、ウェハエッジ保護(WEP)構造を含むことができる。基板は半導体基板とすることができる。半導体基板は、シリコン、炭化ケイ素または化合物半導体基板であり得る。シリコン基板はシリコンウェハとすることができる。
【0022】
基板の厚さの測定された変動は、基板の表面プロファイルの2次元表示または基板の表面プロファイルの3次元表示を含むことができる。基板の厚さの測定された変動は、基板の表面プロファイルの二次元表示を含むことができる。基板の厚さの測定された変動は、基板の表面プロファイルの三次元表現を含むことができる。
【0023】
基板をプラズマチャンバ内に装填するステップは、基板の厚さの変動および平均基板厚さを測定するステップと、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを定義するステップと、生成されたエッチングルーチンを生成するステップとの前に実行することができる。あるいは、基板をチャンバ内に装填するステップは、基板の厚さの変動および平均基板厚さを測定するステップと、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを定義するステップと、生成されたエッチングルーチンを生成するステップとのうちのいずれか1つの後に実行することができる。
【0024】
生成されたエッチングルーチンを生成するステップは、生成されたエッチングプロファイルを生成するために少なくとも2つの所定のエッチングルーチンを組み合わせることを含むことができ、少なくとも2つの所定のエッチングルーチンの各々は、基板に対しそれぞれの所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成される。少なくとも2つの所定のエッチングルーチンの各々は、それぞれの所定のエッチングプロファイルを達成するために実施されるエッチングパラメータのそれぞれのセットに関連付けることができる。エッチングパラメータの各セットは、チャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、向き、および構成のうちの少なくとも1つを含むことができる。エッチングパラメータのセットは、以下のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる:
・プラズマエッチング中のチャンバ内の圧力;及び/又は
・プラズマエッチング中に少なくとも1つのガス入口を通るガスまたはガス混合物の流量;及び/又は
・プラズマエッチング中にプラズマ生成装置に供給される電力;及び/又は
・プラズマエッチング中に基板支持体に供給される電力。
【0025】
エッチングパラメータのセットは、基板の温度をさらに含むことができる。エッチングパラメータのセットは、プラズマ生成装置及び/又は基板支持体に供給される電力の周波数をさらに含むことができる。
【0026】
少なくとも2つの所定のエッチングルーチンは、基板に対し第1の所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成された第1の所定のエッチングルーチンと、基板に対し第2の所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成された第2の所定のエッチングルーチンとを含むことができる。そして、生成されたエッチングルーチンは、生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットが第1の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第1のセットと第2の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第2のセットとの組み合わせであるように、第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの組み合わせを含む。少なくとも2つの所定のエッチングルーチンは、2つ以上の所定のエッチングルーチンを含むことができ、例えば、少なくとも2つの所定のエッチングルーチンは、第1の所定のエッチングルーチン、第2の所定のエッチングルーチン、及び第3の所定のエッチングルーチンを含むことができる。生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットは、それぞれの所定のエッチングルーチンのそれぞれに関連するエッチングパラメータのそれぞれのセットのそれぞれの組み合わせである。言い換えれば、上記実施形態では、生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットは、第1の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第1のセットと、第2の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第2のセットと、第3の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第3のセットとの組み合わせである。
【0027】
生成されたエッチングルーチンが第1のエッチングルーチン及び第2のエッチングルーチンを含む実施形態では、生成されたエッチングルーチンは、第1の所定のエッチングルーチンを第1の持続時間にわたって実行し、続いて第2の所定のエッチングルーチンを第2の持続時間にわたって実行することを含むことができる。生成されたエッチングルーチンが2つより多いエッチングルーチンを含む実施形態では、生成されたエッチングルーチンは、それぞれの持続時間にわたってそれぞれの所定のエッチングルーチンを実行することを含むことができる。第1の所定のエッチングルーチン及び第2の所定のエッチングルーチンを含むそれぞれの所定のエッチングルーチンは、順次実行することができる。第2の所定のエッチングルーチンは、チャンバ内の真空条件を中断することなく、第1の所定のエッチングルーチンの直後に実行することができる。あるいは、生成されたエッチングルーチンは、第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの間の真空破壊を含むことができる。
【0028】
生成されたエッチングプロファイルを生成するステップは、第1の持続時間および第2の持続時間のそれぞれの値について、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの予測変動及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さを決定するステップを含むことができる。そして、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの変動に対応する第1の持続時間及び第2の持続時間のそれぞれの値、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの目標変動に最も近い生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さ、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く目標平均基板厚さを選択する。第1の持続時間および第2の持続時間は、比率として表され得る。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、基板の厚さを低減する方法であって、以下のステップのうちの少なくとも1つを含む方法が提供される:
a.基板と研削表面との間の相対移動によって基板を研削し、基板から材料を除去するステップと、及び/又は
b.化学機械研磨(CMP)によって基板から材料を除去するステップであって、CMPが、基板を研磨パッドおよびCMP組成物と接触させるステップと、パッドと基板との間の基板と接触するCMP組成物の部分を維持しながら研磨パッドと基板との間に相対運動を生じさせるステップとを含む、ステップと、
を含み、本発明の第2の態様の方法を実施することによって基板の表面粗さを低減するステップをさらに含む。
【0030】
方法は、基板を研削するステップと、CMPによって基板から材料を除去するステップと、本発明の第2の態様による方法との連続ステップを含むことができる。
【0031】
以上、本発明を説明したが、本発明は、上記または以下の説明、図面または特許請求の範囲に記載の特徴の任意の発明的組み合わせにまで及ぶ。例えば、本発明の一態様に関連して開示された任意の特徴は、本発明の他の態様のいずれかに関連して開示された任意の特徴と組み合わせることができる。
【0032】
本明細書において「備える(comprising)」または「含む(including)」および同様の用語に言及するときはいつでも、本発明はまた、「からなる(consisting)」および「本質的にからなる(consisting essentially)」などのより限定的な用語を含むと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の第2の態様による方法のステップのフローチャートである。
【
図2A】本発明の第1の態様による例示的な装置の一部の表現を示す。
【
図2B】本発明の第1の態様による例示的な装置の一部の表現を示す。
【
図3】CMP後の例示的なシリコンウェハの表面プロファイルのプロットを示す。
【
図4A】第1の所定のエッチングルーチンの第1の所定のエッチングプロファイルのプロットを示す。
【
図4B】
図3に示すウェハの表面プロファイルに対して第1の所定のエッチングルーチンを実行した後のシミュレーションされた表面プロファイルのプロットを示す。
【
図5A】第2の所定のエッチングルーチンの第2の所定のエッチングプロファイルのプロットを示す。
【
図5B】
図3に示されるウェハの表面プロファイルに対して第2の所定のエッチングルーチンを実行した後のシミュレーションされた表面プロファイルのプロットを示す。
【
図6】第1の所定のエッチングルーチン及び第2の所定のエッチングルーチンのそれぞれに対して同じ時間量(1:1比)で第1の所定のエッチングルーチン及び第2の所定のエッチングルーチンを実行した後の
図3に示す表面プロファイルのシミュレーションされた表面プロファイルを示す。
【
図7】第2の所定のエッチングルーチンの持続時間に対する第1の所定のエッチングルーチンの持続時間の比の関数としての
図3に示す表面プロファイルの投影TTVのプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明では、例は、SPTS Technologies Limited(Newport,South Wales,UK)から市販されている誘導結合プラズマ(ICP)ベースのSPTS Rapier(RTM)XEプラズマエッチングツール上で実施された。しかし、本発明の方法は、代替のプラズマエッチングツール、好ましくは他のICPベースのエッチングツールで実施することができる。実施例は300mmシリコンウェハを使用しているが、本発明の方法は、異なる基板材料および幾何学形状に適用されてもよい。
【0035】
異なる図及び/又は実施形態において同じ参照番号が使用されている場合、それが関連する特徴は、実質的に同一の特徴に対応する。
【0036】
本発明の例示的な実施形態による基板を薄くし表面粗さを低減する方法を
図1のフローチャートに示す。この実施形態の方法は、研削及び/又は化学機械研磨(CMP)などの基板の厚さを低減するための事前処理を受けた基板に関連して説明される。しかしながら、例示的な実施形態の方法は、基板の厚さを減らすための事前の処理を有していない基板にも等しく適用され得る。典型的な実施形態の方法を用いて処理される基板の部分は、通常は基板の裏面であるので、典型的には、基板の表面に形成されたいかなる特徴、または基板の表面に形成されたマスク層などのいかなる層も有しない。典型的には、エッチングされる基板材料は、プラズマへの曝露時に異なる様式でエッチングされるであろう微細構造の有意な変動を示さないという点で、「均質」である。しかしながら、本発明の例示的な実施形態の方法は、「異種」基板材料に等しく適用され得るが、プラズマエッチング後の基板の予想される表面プロファイルと得られる実際の表面プロファイルとの間により大きい変動があることが予想される。
【0037】
本発明の例示的な実施形態の方法は、プラズマチャンバと、プラズマチャンバ内で基板を支持するための基板支持体と、ガスまたはガス混合物をプラズマチャンバ内に導入するための少なくとも1つのガス入口と、プラズマチャンバ内でプラズマを生成するためのプラズマ生成デバイスと、コントローラと、プラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造とを備えるプラズマエッチング装置内で実行され得る。
【0038】
測定ステップ101において、基板の厚さの変動および平均基板厚さを測定して、基板の厚さの測定された変動および測定された平均基板厚さを提供する。厚さの変動は、典型的には、少なくとも基板の半径にわたるライン走査として測定される。これは、基板がその厚さの変化において半径方向の対称性を示すと予想される場合に充分である可能性が高い。しかしながら、ライン走査は、基板のより大きな部分にわたって実行されてもよい。例えば、基板の直径にわたってライン走査を行うことができる。これは、基板が厚さの変化において半径方向対称性を示さないと予想される場合に特に有用である。厚さの変動のより正確な測定を提供するために、基板の複数のセクションにわたって複数のライン走査を実行することもできる。測定の方法はまた、ライン走査に限定されず、光学干渉法等の当技術分野で公知の他の方法によって行われてもよい。測定ステップ101は、コントローラによって制御される測定装置によってプラズマエッチング装置内で実行されてもよく、測定された基板の厚さの変化および測定された平均基板厚さは、プラズマエッチング装置のコントローラのメモリに記憶されてもよい。しかし、測定ステップ101は、測定された基板の厚さの変動および測定された平均基板厚さを得ることができる任意の装置によって実行されてもよい。
【0039】
測定された厚さの変動の例を
図3に示す。厚さの変動は、300mmウェハの直径にわたって一連の測定、この場合103回の測定を行うことによって測定される。
図3から明らかなように、測定ステップ101における基板の測定は、厚さの変動、すなわち基板の表面の局所的な変化だけでなく、測定されたセクションにわたる基板の全体的な厚さを測定することもできる。これは、平均基板厚さの決定を可能にし、基板の厚さを有意に低減しようと試みるとき、または基板を薄くしようと試みるとき、ならびに基板の厚さまたは表面粗さの変動を低減しようと試みるときに特に有用である。また、
図3から明らかなように、厚さの変動の測定は、TTV値によって包含される厚さの全体的な変動だけでなく、基板全体にわたる厚さの変動の分布にも限定されない。
【0040】
図3に示す例示的な実施形態では、基板は研削プロセスおよびCMPプロセスの両方に供されており、その結果、基板の中心における基板の平均厚さ(すなわち、半径方向距離の絶対値が小さい)が有意に減少し、基板の周辺部における基板の平均厚さ(すなわち、半径方向距離の絶対値が大きい)があまり有意に減少しない。研削およびCMPプロセスはまた、基板の直径にわたって基板の厚さに著しい変動をもたらす。
【0041】
基板の厚さの変動および平均基板厚さが測定されると、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さが、定義ステップ102において定義される。基板の厚さの目標変動は、いくつかの形態で表すことができる。厚さの目標変動は、総厚さ変動(TTV)として表すことができ、低いTTV値は、基板にわたる厚さの低い変動に対応するであろうと予想される。しかしながら、厚さの目標変動は、基板の厚さの変動の分布の表現として表すこともできる。この分布は、基板の表面プロファイルの2次元表現又は3次元表現として示すことができる。同様に、目標平均基板厚さは、いくつかの形態で表され得るが、典型的には、シリコンウェハの製造では、目標平均基板厚さは、残留シリコン厚さ(RST)として表される。
図3に示す例示的な実施形態では、基板のTTVは2.8μmであり、RSTは26μmである。本実施形態では、目標RSTは2.00μmであり、目標TTVは2.00μmである。したがって、基板の表面粗さの低減(すなわち、TTV値の低減)に加えて、基板の平均厚さの低減(すなわち、RSTの低減)も必要とされる。
【0042】
基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さは、基板の表面の全体にわたって適用され得る。あるいは、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さは、基板の表面のサブセクションに適用することができる。例えば、例示的実施形態では、標的RSTおよび標的TTVは、基板の大部分に適用されるが、縁排除領域としても知られる、基板の周辺にわずかに厚い領域を有することが望ましい。半導体ウェハのエッジ除外領域は、典型的には、デバイス製造中に使用されない。これは、粒子制御が接合ダイの成功に重要であり、ウェハの縁部が粒子状物質の重大な源となり得るため、融合ハイブリッド接合で使用するためのウェハを製造する場合に特に当てはまる。同じ原理は、ウェハのエッジがプラズマに曝されず、したがってエッチングされないので、ウェハがWEP構造を使用する装置内でエッチングされる場合に当てはまり得る。例示的な実施形態では、ウェハの外周の周りに約2mmの半径方向距離の縁部除外領域が望ましい。この縁部除外領域における平均基板厚さ、および場合によっては厚さの変動は、基板の残りの部分にわたってのものよりも大きくなり得る。したがって、基板の表面全体に対するRSTおよびTTVの値は、このエッジ除外領域を含まない基板の表面に対するRSTおよびTTVの値よりも高い。したがって、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さは、基板の全体に対して、エッジ除外領域を含まない基板の領域に対して、またはエッジ除外領域自体に対してさえも定義され得る。
【0043】
一実施形態では、定義するステップ102は、プラズマエッチング装置内で実行されてもよく、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さは、コントローラのメモリに記憶されてもよい。
【0044】
生成ステップ103では、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを達成するために、生成されたエッチングルーチンが生成される。生成されたエッチングルーチンは、厚さの目標変動および目標平均基板厚さを達成するであろう、基板に対し生成されたエッチングプロファイルをエッチングするように構成される。言い換えれば、生成されたエッチングルーチンは、プラズマエッチング装置で実施されるとき、基板が厚さの目標変動および目標平均基板厚さを有するように基板をエッチングするように構成される。これは、生成されたエッチングプロファイル、またはプラズマエッチング装置内の条件下での基板の表面を横切る基板材料の予測除去の尺度によって達成される。この生成されたエッチングプロファイルは、生成されたエッチングルーチンの一部としてプラズマエッチング装置内の条件を注意深く制御することによって達成され、生成されたエッチングルーチンは、ターゲット平均基板厚さおよび厚さのターゲット変動に合致するように除去されるべきより多くの基板材料を必要とする領域において基板の優先的プラズマエッチングを引き起こし、ターゲット平均基板に合致するように除去されるべきより少ない基板材料を必要とする領域において基板のプラズマエッチングの阻害を引き起こす。その結果、生成されたエッチングルーチンに従ってエッチングした後、基板は、平均基板厚さと、本方法の定義ステップ102において設定された目標値とほぼ同じ厚さの変動とを有するプロファイルを有することになる。
【0045】
生成されたエッチングルーチンは、少なくとも1つの所定のエッチングルーチンを含むことができ、少なくとも1つの所定のエッチングルーチンの各々は、基板に対し所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成される。所定のエッチングプロファイルは、以前のプラズマエッチングから得られた実験データから決定することができる。これらの以前のプラズマエッチングは、好ましくは、所定のエッチングプロファイルの効果の最も正確な図を得るために標準化された開始パラメータを有する、処理される基板と同様の基板上で実行される。例えば、所定のエッチングプロファイルは、典型的には均一な厚さおよび約1μm以下の小さいTTVを有する、薄化されていないシリコンウェハをプラズマエッチングすることによって得られ得る。プラズマエッチングは、エッチングされた表面を生成するために、チャンバ圧力、印加されるRF電力、ガス混合物組成、およびガス流量などの特定のエッチングパラメータを使用して、特定の期間にわたって実行され得る。次いで、エッチングされた表面のプロファイルを、これらのエッチング条件下でのシリコンウェハの所定のエッチングプロファイルとして使用することができる。
【0046】
少なくとも1つの所定のエッチングルーチンの各々に関連するエッチングパラメータのセットは、プラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、配向、および構成のうちの少なくとも1つを含むことができる。少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置は、当技術分野で知られている任意の方法で、例えば、基板支持体またはプラズマチャンバ全体に対して少なくとも1つのプラズマ制御構造を昇降させることによって調整することができる。少なくとも1つのプラズマ制御構造の配向は、例えば、少なくとも1つのプラズマ制御構造を軸の周りに回転させることによって、当技術分野で知られている任意の方法で調整することができる。少なくとも1つのプラズマ制御構造の構成は、当技術分野で公知の任意の方法で、例えば、プラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造の伸長または後退によって、あるいは寸法を変更することによって調整することができる。少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、配向または構成の変化は、位置、配向または構成を制御する任意の既知の手段によってもたらすことができる。例えば、少なくとも1つのプラズマ制御構造は、少なくとも1つのアクチュエータ上に搭載されてもよく、少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置は、アクチュエータを伸長または後退させることによって、コントローラによって調節されることができる。
【0047】
少なくとも1つの所定のエッチングルーチンは、データベースまたはデータを照合する他の手段に記憶することができる。いったん生成されると、生成されたエッチングルーチンはまた、データベースまたはデータを照合する他の手段内に記憶されてもよく、それにより、生成されたエッチングルーチンは、後続のウェハ処理のための所定のエッチングルーチンとして使用されることができる。生成ステップ103は、プラズマエッチング装置内で実行されてもよく、生成されたエッチングルーチンおよび関連するエッチングパラメータのセットは、コントローラ内のメモリに記憶されてもよい。代替として、生成されたエッチングルーチンは、別個の装置内で生成され、後続のプラズマエッチングステップにおける基板のエッチングの制御のためにコントローラのメモリに導入されてもよい。生成ステップ103がプラズマエッチング装置において実行される場合、コントローラは、データベースまたは少なくとも1つの所定のエッチングルーチンが記憶されたデータを照合する他の手段を記憶するように構成されたメモリを備えてもよい。代替として、データベースまたは少なくとも1つの所定のエッチングルーチンを含むデータを照合する他の手段は、別個の記憶媒体に記憶され、後続のプラズマエッチングステップにおける基板のエッチングの制御のためにコントローラのメモリに導入されてもよい。
【0048】
生成されたエッチングルーチンを生成するステップは、生成されたエッチングプロファイルを生成するために少なくとも2つの所定のエッチングルーチンを組み合わせることを含むことができる。少なくとも2つの所定のエッチングルーチンの各々は、基板に対しそれぞれの所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成され、生成されたエッチングプロファイルは、それぞれの所定のエッチングプロファイルの組み合わせの結果である。少なくとも2つの所定のエッチングルーチンの各々は、それぞれの所定のエッチングプロファイルを達成するために実施されるエッチングパラメータのそれぞれのセットに関連付けられる。エッチングパラメータの各セットは、プラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造の位置、配向、および構成のうちの少なくとも1つを含むことができる。エッチングパラメータのセットは、プラズマエッチング中のプラズマチャンバ内の圧力、プラズマエッチング中の少なくとも1つのガス入口を通るガスまたはガス混合物の流量、プラズマエッチング中にプラズマ生成装置に供給される電力、プラズマエッチング中に基板支持体に供給される電力を含み、基板の温度、プラズマ生成装置及び/又は基板支持体に供給される電力の周波数のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0049】
一実施形態では、少なくとも2つの所定のエッチングルーチンは、基板に対し第1の所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成された第1の所定のエッチングルーチンと、基板に対し第2の所定のエッチングプロファイルをエッチングするように構成された第2の所定のエッチングルーチンとを含む。そして、生成されたエッチングルーチンは、生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットが第1の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第1のセットと第2の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第2のセットとの組み合わせであるように、第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの組み合わせを含む。
【0050】
第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの組み合わせは、生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットが、第1の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第1のセットの値と、第2の所定のエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータの第2のセットの値との間の補間であるように、2つのルーチンの同時の組み合わせとすることができる。例えば、プラズマ制御構造が環状リングである実施形態では、エッチングパラメータの第1のセットは、基板支持体の1cm上方に位置決めされる環状リングを含み、エッチングパラメータの第2のセットは、基板支持体の5cm上方に位置決めされる環状リングを含む。生成されたエッチングルーチンに関連するエッチングパラメータのセットは、環状リングが基板支持体の1cmから5cm上に配置されることを含むことができる
【0051】
あるいは、生成されたエッチングルーチンにおける第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの組み合わせは、第1の所定のエッチングルーチンを第1の持続時間にわたって実行した後、第2の所定のエッチングルーチンを第2の持続時間にわたって実行することを含み得る。第1の所定のエッチングルーチンは、第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの間にチャンバ内の真空条件の中断がないように、第2の所定のエッチングルーチンの直前の第1の持続時間にわたって実行されてもよい。あるいは、第1の所定のエッチングルーチンと第2の所定のエッチングルーチンとの間に真空破壊が存在してもよい。
【0052】
図3に示すプロファイルを有するウェハに関する例示的な実施形態では、対応する第1の所定のエッチングプロファイル(「Aプロファイル」)を有する第1の所定のエッチングルーチン(「Aルーチン」)と、対応する第2の所定のエッチングプロファイル(「Bプロファイル」)を有する第2の所定のエッチングルーチン(「Bルーチン」)とを選択して、生成されたエッチングルーチンを生成した。Aルーチンでは、プラズマ制御構造は環状リングであり、環状リングは「上昇」位置にあるように構成され、環状リングは基板支持体の表面の上方に位置する。Aプロファイルは
図4Aに示されており、
図4Bに示されているAルーチンを実行した後のウェハのシミュレートされた表面プロファイルの対応するプロットが示されている。予想される最終平均厚さは2.04μmであり、基板全体に対する予想TTVは2.04μmであり、基板の両端における2mmエッジ除外領域に対する予想TTVは4.75μmである。
図4Aに見られるように、Aプロファイルは、基板の周辺部における基板材料のより大きな除去を示し、これは、
図4Bにおけるシミュレートされた表面プロファイルの周辺部における基板の周辺部の厚さの対応する、より大きな減少を引き起こす。実際、
図4Bにおいて、基板材料除去の予測される速度は、周辺部における基板厚さが負であると予測されるほど大きい。実際的には、これは、基板材料の完全な除去、および基板の半径の対応する減少に対応する。これはまた、2mmエッジ除外領域におけるより高いTTV値によって示される基板の厚さの予測される変動に寄与する。
【0053】
Bプロファイルは
図5Aに示されており、
図5Bに示されているBルーチンを実行した後のウェハのシミュレートされた表面プロファイルの対応するプロットが示されている。Bルーチンでは、プラズマ制御構造は環状リングであり、環状リングは「下降」位置にあるように構成され、環状リングは基板支持体の表面上に位置する。予想される最終平均厚さは1.95μmであり、基板全体に対する予想TTVは1.95μmであり、基板の両端における2mmエッジ除外領域に対する予想TTVは5.86μmである。
図5Aに見られるように、Bプロファイルは、基板の周縁部における基板材料の除去の減少を示し、これは、
図5Bにおけるシミュレートされた表面プロファイルの周縁部における基板の周縁部の厚さの対応する、より小さい減少を引き起こす。
【0054】
したがって、生成されたエッチングプロファイルは、
図4Aと
図5Aに示されているプロファイルの間のAプロファイルとBプロファイルの組み合わせを含み、
図4Bに示されているプロファイルと
図5Bに示されているプロファイルの間のウェハの表面プロファイルを生成すると予測される。
【0055】
一実施形態では、生成されたエッチングプロファイルを生成するステップ103は、第1の持続時間および第2の持続時間のそれぞれの値について、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの予測変動及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さを決定することを含む。そして、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの変動に対応する第1の持続時間及び第2の持続時間のそれぞれの値、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの目標変動に最も近い生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さ、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く目標平均基板厚さを選択する。好ましくは、生成されたエッチングプロファイルを生成するステップ103は、第1の持続時間および第2の持続時間のそれぞれの値について、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの予測変動と、生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さとを決定することを含む。そして、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの変動に対応する第1の持続時間および第2の持続時間のそれぞれの値、ならびに生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの目標変動および生成されたエッチングプロファイルに続く目標平均基板厚さに最も近い生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さを選択する。第1の持続時間および第2の持続時間は、持続時間比として表すことができる。そして、選択プロセスは、持続時間比の複数の値について、エッチングプロファイルに続く基板の厚さの予測変動および予測平均基板厚さを決定することと、基板の厚さのターゲット変動および決定ステップで設定されたターゲット平均基板厚さに最も密接に一致する、基板の厚さの予測変動およびエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さに対応する持続時間比を選択することとを含むことができる。
【0056】
例えば、
図3に示すプロファイルを有するウェハに関する例示的な実施形態では、
図4Aおよび
図4Bに対応するAルーチンと
図5Aおよび
図5Bに対応するBルーチンとの1:1の比が、
図6に示すような基板の表面プロファイルを生成すると予測される。これは、基板が第1の持続時間にわたってAルーチンの下でエッチングされ、続いて第2の持続時間にわたってBルーチンの下でエッチングされることに対応し、第1の持続時間と第2の持続時間とは等しい。予測表面プロファイルは、2.00μmの予測平均基材厚さおよび2.15μmの予測TTVを有する。これは目標平均基板厚さに適合するが、予測TTVは2.00μmの目標TTVよりも大きい。
【0057】
第1の所定のプロファイルおよび第2の所定のプロファイルの異なる持続時間比に対する一連の予測TTV値が
図7に示されている。
図7から分かるように、最低TTV値は、4:5の持続時間比で得られ、すなわち、第2の持続時間は、第1の持続時間よりも1.25倍長い。このシナリオでは、予測される平均基板厚さは2.00μmであり、予測されるTTVは2.08μmである。これは、基板厚さの目標変動により近く、したがって、4:5の持続時間比は、1:1の持続時間比より優先して選択されるであろう。
【0058】
生成ステップ103がプラズマエッチング装置において実行される場合、コントローラは、第1の持続時間および第2の持続時間のそれぞれの値について、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの予測変動及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く基板の予測平均厚さを決定するように構成された計算ユニットを備えてもよい。そして、生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの変動に対応する第1の持続時間及び第2の持続時間のそれぞれの値、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く基板の厚さの目標変動に最も近い生成されたエッチングプロファイルに続く予測平均基板厚さ、及び/又は生成されたエッチングプロファイルに続く目標平均基板厚さを選択する。
【0059】
生成ステップ103の後、基板は、プラズマエッチング装置のプラズマチャンバ内に装填され、装填ステップ104において基板支持体上に配置される。しかしながら、測定ステップ101、定義ステップ102または生成ステップ103の少なくとも1つがプラズマエッチング装置において実行される場合、ロードステップ104は、測定ステップ101、定義ステップ102または生成ステップ103のいずれかの前に実行されてもよい。好ましい実施形態では、装填ステップ104は、測定ステップ101、定義ステップ102および生成ステップ103のすべてに先立って実行され、測定ステップ101、定義ステップ102および生成ステップ103の各々は、プラズマエッチング装置内で実行される。基板の厚さが1μmのオーダーまで著しく薄くなり得ると仮定すると、基板は、好ましくは、基板の取り扱いを容易にするために、キャリアウェハ又は他のキャリア、例えばシリコン又はガラスで形成されたキャリアウェハに取り付けられる。基板は、基板を固定するために、接着剤によってキャリアウェハまたは他のキャリアに接着されてもよい。
【0060】
測定ステップ101、定義ステップ102、生成ステップ103、および装填ステップ104が実施されると、それらが実施される順序にかかわらず、ガスまたはガス混合物が、ガス導入ステップ105において少なくとも1つのガス入口を通してプラズマチャンバに導入される。次いで、導入されたガスまたはガス混合物は、生成ステップ106においてプラズマ生成装置によって点火される。
【0061】
プラズマが生成されると、コントローラは、制御ステップ107において、プラズマチャンバ内のプラズマを制御して、生成されたエッチングルーチンに従って基板をエッチングさせ、平滑化された基板を生成する。制御ステップ107において、コントローラは、基板の厚さの目標変動及び目標平均基板厚さを達成するために、生成されたエッチングルーチンに従ってプラズマチャンバ内の少なくとも1つのプラズマ制御構造を制御し、少なくとも1つのプラズマ制御構造は、プラズマチャンバ内のプラズマの分布を制御するように構成される。プラズマ制御構造は、基板上のプラズマのエッチングプロファイルを変更するように生成されたプラズマと相互作用する、プラズマチャンバ内の少なくとも部分的な任意の物理的構成要素であってもよい。例えば、プラズマ制御構造は、基板支持体に垂直な軸に沿って移動可能であり得る均一性リング及び/又はWEP構造を備え得る少なくとも1つの環状リング構造を備え得る。この場合、制御ステップ107は、生成されたエッチングルーチンに従って基板支持体に垂直な軸に沿って少なくとも1つの環状リング構造を移動させることを含むことができる。例示的な実施形態では、コントローラは、生成されたエッチングプロファイルを実行しながら、AプロファイルおよびBプロファイルに対応する「上昇」位置と「下降」位置との間で環状リングを移動させるように構成される。少なくとも1つのプラズマ制御構造は、主に、プラズマ分布を制御するためにその位置、配向、または構成を変更することができるプラズマ制御構造として本明細書で説明されているが、少なくとも1つのプラズマ制御構造は、この実施形態に限定されない。例えば、少なくとも1つのプラズマ制御構造は、プラズマチャンバ内の静的導電性グリッド、またはバイアス電圧によって活性化されるプラズマチャンバ内の固定リングなど、プラズマチャンバ内に磁場及び/又は電場を課すように構成された構成要素を備えることができる。電磁石、またはプラズマ源とウェハ表面との間のプラズマ分布を制御可能に変化させることが知られている任意の他の構成要素。これらのプラズマ制御構造の各々は、個々に又は組み合わせて存在して、基板の厚さの目標変動及び目標平均基板厚さを達成するために生成されたエッチングルーチンに従ってプラズマ分布の制御を可能にすることができる。
【0062】
制御ステップ107の間、基板の平均厚さおよび厚さの変動は、既知の測定技術を使用して監視することができる。例えば、近赤外線(NIR)干渉計を使用して、エッチングプロセス中またはエッチングプロセスの終了時に基板の平均厚さおよび厚さの変動を測定して、プロセスが予想通りに実行中であることを確認することができる。
【0063】
生成されたエッチングプロファイルが実行され、目標平均基板厚さおよび基板厚さの目標変動が達成されると、プラズマエッチングプロセスが停止され、次いで、平滑化され薄くされた基板がプラズマエッチング装置から除去され得る(ステップ108)。
【0064】
本発明の第2の態様の方法は、高度の表面粗さを有する基板から開始するときでさえ、基板の表面プロファイルに対してはるかに高い制御度を提供し、均一な基板表面を提供することができる。この制御は、基板の初期表面を考慮に入れた調整された生成されたエッチングプロファイルの生成と、プラズマの挙動に影響を及ぼす少なくとも1つのプラズマ制御構造の制御によるプラズマ内のエッチング環境の精密な制御とによって提供され、したがって、結果として得られるエッチングプロファイルが提供される。
【0065】
本発明の第2の態様の方法は、それ自体で、さもなければ未処理の基板上で実施されてもよく、または本発明の第3の態様に記載されるように、基板の厚さを減少させる全体的な方法の一部として実施されてもよい。本発明の第3の態様において、本発明の第2の態様の方法は、基板と研削表面との間の相対移動によって基板を研削して基板から材料を除去すること、及び/又はCMPによって基板から材料を除去することのうちの少なくとも1つの後に行われてもよい。CMPは、基板を研磨パッドおよびCMP組成物と接触させることと、パッドと基板との間でCMP組成物の一部分を基板と接触させて維持しながら研磨パッドと基板との間に相対運動を引き起こすこととを含む。一実施形態では、研削およびCMPの両方が、本発明の第2の態様の方法の前に基板上で行われてもよい。本発明の第3の態様において、本発明の第2の態様の方法は、研削及び/又はCMPステップ中に導入された粗さ、ならびに最初に存在していた表面粗さを目標値まで低減し、平均基板厚さを目標値まで低減するために使用される。これは、基板の表面プロファイルに対するはるかに大きな制御度を提供し、高度の表面粗さを有する基板から開始するときでさえ、均一な基板表面を提供することができる。
【0066】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態によるプラズマエッチング装置の下側プラズマチャンバアセンブリ7の断面を示す。プラズマエッチング装置は、プラズマチャンバと、ガスまたはガス混合物をプラズマチャンバに導入するための少なくとも1つのガス入口と、プラズマ生成装置、この場合は二重同心ICPプラズマ源とを備える。動作中、薄化される基板1、すなわちウェハは、スロット2を通して装填され、この実施形態では静電チャック(ESC)である基板支持体3上に配置される。プラズマチャンバは、開口部4を通して排気される。プラズマ制御構造5は、プラズマチャンバ内に配置される。この実施形態では、プラズマ制御構造は、均一性リングとして知られることもある環状リングを含む環状リング構造である。環状リング5は、ウェハ1の周囲に配置され、ESCの表面から自動的に昇降させることができる。環状リング5は、ウェハ1を取り囲み、ESCに垂直な軸に沿って移動可能である。デュアル同心ICPプラズマ源(図示せず)は、セラミックインターフェースプレート6の上方に配置される。
図2Aでは、環状リング5はESC上に配置されている。
図2Bには、環状リング5の最大移動が示されており、環状リング5はインターフェースプレート6に近接している。環状リング5の位置の調整は、コントローラ(図示せず)によって制御されるアクチュエータによって提供される。コントローラは、生成されたエッチングルーチンに従って基板のプラズマエッチング中に環状リング5の位置を制御するように構成される。生成されたエッチングルーチンを生成するために、コントローラは、基板の厚さの測定された変動、測定された平均基板厚さを受信するように構成される。基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さは、これらのデータから生成されたエッチングルーチンを生成し、これは、厚さの測定された変動および測定された平均基板厚さに基づいて、基板の厚さの目標変動および目標平均基板厚さを提供する。生成されたエッチングルーチンは、本発明の例示的な方法に関して上述した方法で生成することができる。
【0067】
コントローラはまた、当技術分野で知られている方法で、少なくとも1つのガス入口、二重同心ICPプラズマ源、およびESCを制御するように構成される。RF電力を有するRF電気信号は、電源(図示せず)によって基板支持体に供給することができる。このRF電気信号は、コントローラによって制御することもできる。
【0068】
ウェハ1がプラズマチャンバ内に装填され、コントローラが生成されたエッチングルーチンを生成または受信すると、ガスまたはガス混合物が少なくとも1つのガス入口を通してプラズマチャンバ内に導入され、ガスまたはガス混合物から二重同心ICP源によってプラズマが生成され、生成されたエッチングルーチンに従ってウェハをエッチングする。
【0069】
いくつかのエッチング用途は、基板のエッジ領域を過酷なプラズマエッチング条件から保護するために、均一性リングの代わりに、または均一性リングに加えて、WEP構造を必要とする。WEP構造は、基板に接触することなく基板のエッジ領域を覆い、エッジ領域をプラズマから遮蔽する。例えば、WEP構造は、約297mm(すなわち、300mmウェハの直径より3mm小さい)の内径を有することができる。この例では、WEP構造は、ウェハの周囲の約1.5mm幅のエッジ領域をカバーする。WEP構造はまた、ESCに垂直な軸に沿って移動可能であり得、WEP構造の位置の調整は、コントローラによって制御されるアクチュエータによって提供され得る。
【0070】
環状リング構造は、セラミック材料などの誘電材料から作製することができる。一実施形態では、環状リング構造は、WEP構造の上部に積層された均一性リングを備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、環状リング構造は、均一リングまたはWEP構造であり得る。環状リング構造は、基板のエッジ領域を覆うことができ、基板のエッジ領域をエッチングプロセス中のプラズマ条件から保護するように、基板のエッジ領域から離間することができる。
【0071】
環状リング構造は、プラズマエッチングプロセス中にプラズマに面する(典型的にはプラズマに露出される)前側表面を有することができる。図示の実施形態では、前側表面は、プラズマエッチングプロセス中にプラズマに面する環状リング5の表面である。前面は、任意の特定の形状で形成することができる。環状リング構造はまた、プラズマエッチングプロセス中にプラズマから離れる方を向く裏側表面を含むことができる。
図2Aの実施形態では、環状リング5の裏面は、ウェハ1を支持するESC3の表面と部分的に接触している。
【符号の説明】
【0072】
1 基板(ウェハ)、2 スロット、3 基板支持体(静電チャック(ESC))、4 開口部、5 プラズマ制御構造(環状リング)。