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▶ 鎌足 徹の特許一覧

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  • 特開-蓄光ゴルフクラブグリップ 図1
  • 特開-蓄光ゴルフクラブグリップ 図2
  • 特開-蓄光ゴルフクラブグリップ 図3
  • 特開-蓄光ゴルフクラブグリップ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059563
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】蓄光ゴルフクラブグリップ
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/14 20150101AFI20240423BHJP
   A63B 60/08 20150101ALI20240423BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240423BHJP
【FI】
A63B53/14 Z
A63B60/08
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023139527
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】63/402,591
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504191084
【氏名又は名称】鎌足 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】鎌足 徹
(57)【要約】
【課題】ゴルフクラブを暗闇で視認可能にすることを課題とする。
【解決手段】上端及び下端を有するクラブシャフトと、上記シャフトの下端にあるクラブヘッドと、上記シャフトの上端にあるグリップとを備えたゴルフクラブであって、上記グリップの材料は、発光する性質を有する燐光顔料を含むことを特徴とするゴルフクラブを提供する。ゴルフクラブのシャフトが挿入される一端に開口を有する筒状を備えたゴルフクラブグリップであって、上記グリップの材料は、発光する性質を有する燐光顔料を含むことを特徴とするゴルフクラブグリップを提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端及び下端を有するクラブシャフトと、前記シャフトの下端にあるクラブヘッドと、前記シャフトの上端にあるグリップとを備えたゴルフクラブであって、
前記グリップの材料は、発光する性質を有する燐光顔料を含むことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項2】
請求項1において、
前記グリップがテクスチャード加工された表面を有することを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項3】
請求項1において、
前記グリップが位置合わせマークをさらに含むことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項4】
ゴルフクラブのシャフトが挿入される一端に開口を有する筒状を備えたゴルフクラブグリップであって、
前記グリップの材料は、発光する性質を有する燐光顔料を含むことを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項5】
請求項4において、
前記グリップがテクスチャード加工された表面を有することを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項6】
請求項4において、
前記筒状を閉じるエンドキャップをさらに含むことを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項7】
請求項4において、
位置合わせマークをさらに含むことを特徴とするゴルフクラブグリップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2022年8月31日を出願日とする米国仮出願63/402,591の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の実施形態は、一般に、スポーツ用品に関する。とりわけ、本発明の実施形態は、蓄光グリップを有するゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフは、世界で最も広く行われているスポーツの一つであり、人気は高まり続けている。数エーカーにわたるコースでプレーされることが多く、プレーには数時間かかるが、日中にゴルフをプレーできる時間は限られている。コースでは、日が明るくなり視界が暗くなる最後の瞬間まで、ゴルファーが薄暮のラウンドをプレーすることがよくある。一方、夜間のゴルフは、蓄光ゴルフボールを使用するコースで普及してきた。もっとゴルフをという需要をさらに満たすために、屋内ゴルフ練習場及びシミュレーターの人気も高まっている。上述の全ての理由により、蓄光グリップを有するゴルクラブへのニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄光するゴルフクラブグリップにより、暗闇でゴルフクラブを視認することができる。本発明は、安全性を向上させ、クラブの紛失を防ぎ、教材となり、暗闇であらゆる点において高められた楽しみを提供する。燐光は、紫外線によるエネルギーの吸収の結果として、材料/物質が放射発光する現象であり、その後一定期間にわたって可視光の形で続いて再発光するものである。燐光材料は、人工的に調整され、適切な波長の光によって活性化されると発光する性質を有する燐光顔料を含む。
【0005】
上端及び下端を有するクラブシャフトと、上記シャフトの下端にあるクラブヘッドと、上記シャフトの上端にあるグリップとを備えたゴルフクラブであって、上記グリップの材料は、発光する性質を有する燐光顔料を含むことを特徴とするゴルフクラブを提供する。ゴルフクラブのシャフトが挿入される一端に開口を有する筒状を備えたゴルフクラブグリップであって、上記グリップの材料は、発光する性質を有する燐光顔料を含むことを特徴とするゴルフクラブグリップを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
詳細な説明と関連して用いられた添付図面は、本開示の効果や態様をより明確にするものである。
【0007】
図1は、ゴルフクラブの図面である。
【0008】
図2は、ゴルフクラブグリップに用いられるテクスチャード加工された材料の図面である。
【0009】
図3は、蓄光ゴルフクラブグリップのイメージ図である。
【0010】
図4は、燐光顔料の特性と結果を示すチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付図面に示され、本明細書中で述べる本実施形態について、詳細に説明する。以下、本開示の発明を説明するため、同様の符号を付した図例を参照しながら、本実施形態を説明する。上記にかかわらず、これにより範囲が限定されることは意図しておらず、実施形態が関連する当業者であれば通常思いつくものであるとして、例示された発明における変更及びさらなる変更態様、及び例示された原則のさらなる応用は予期されるものと解される。
【0012】
蓄光するゴルフクラブグリップ、及び蓄光するグリップを有するゴルフクラブを提供する。蓄光するゴルフクラブグリップ、及び蓄光するグリップを有するゴルフクラブの製造方法を提供する。グリップは、ゴルファーが(多くの場合、金属製の)ゴルフクラブを握る、ゴルフクラブの必須部分である。ゴルフクラブには、ウッド、アイアン、ウェッジ、ユーティリティ、及びパターを含む、様々な形状や型式があるが、これらに限定されない。本発明の開示は、グリップを有するそのようなすべてのゴルフクラブのタイプに適用可能であり、限定を意図するものではない。
【0013】
本発明の主な利点は、暗闇の中において、ゴルフクラブを視認可能にすることである。これにより、夜が訪れる薄暮のゴルフラウンドの終わりや、夜間にプレーされる全ラウンドを通じて、ゴルフクラブの視認が可能となる。ゴルフの夜間のラウンドでは、コースでは蓄光ボールが使用される。したがって、蓄光クラブを使用することは、さらなる利点を提供し、夜間のプレーヤーにとって視認しやすくなるだろう。プレーヤーは、グリーン周りの芝生に彼らのクラブを置くことが多く、あるいはそれ以外の時でも、蓄光クラブを用いることで、紛失クラブの可能性を低減させるであろう。さらに、ゴルファーの手元にある蓄光クラブは、暗闇での上記ゴルファーの存在を他のゴルファーに認識させ、上記ゴルファーにゴルフボールが当たることを避けるのに役立ち、夜間のゴルフコースで著しく安全な利点を提供する。
【0014】
蓄光ゴルフクラブは、TopGolf(登録商標)と同様に、屋内ゴルフ練習場及びシミュレーションの場所、あるいは、しばしば照明量の少ない、主に夜間の社交やパーティーの環境でも使用することが可能である。本開示の発明の蓄光する特徴は、そのようなゴルフ会場の雰囲気と楽しみを高める。
【0015】
蓄光ゴルフクラブグリップは、ゴルファーが上記クラブを正しく握るように、教材としても役立つ。ゴルファーが上記クラブを握る際、ゴルファーの指を通した上記クラブの視認により、ゴルファーがクラブを正しく握っているかどうかが明らかになる。蓄光グリップにより、ゴルファーの指を通したグリップの視認能力が著しく向上された。
【0016】
燐光は、紫外線によるエネルギーの吸収の結果として、材料/物質が放射発光する現象であり、その後一定期間にわたって可視光の形で続いて再発光するものである。燐光材料は、励起後も長時間発光し続ける特性を有するため、様々な商業的用途に用いられてきた。したがって、光源がない場合でも、上記材料は蓄光し続ける。燐光材料は、人工的に調整され、適切な波長の光によって活性化されると発光する性質を有する燐光顔料を含む。
【0017】
好ましい実施形態においては、上記ゴルフグリップは、主に熱可塑性エラストマーからなるが、他のゴム状またはプラスチック状の材料も考えられうる。熱可塑性エラストマーは、ゴムの弾性をある程度維持しつつ、プラスチックの強度及び硬性を有し、プラスチック及びゴムの両方の利点を有する。燐光材料は、製造途中に上記熱可塑性エラストマーへと含有させることができ、これにより上記熱可塑性エラストマーに蓄光特性が与えられる。上記燐光材料を全体的に含有させることにより、上記グリップの摩耗は、上記クラブの蓄光する能力に影響を与えない。あるいは、蓄光する光が透明カバーを通過し、視認可能とし、使用者が実際には蓄光表面に触れないように、蓄光要素を囲むため透明カバーを利用してもよい。本開示のゴルフグリップは、射出成形、押し出し加工、または熱成型により形成可能である。好ましい実施形態においては、上記グリップを製造するために、横型射出成形機が使用される。
【0018】
図1に示すように、ゴルフクラブ100は、上端及び下端を有するクラブシャフト105と、上記シャフトの下端にあるクラブヘッド110と、上記シャフトの上端にあるグリップ115とを備える。上記シャフトの一端には、ゴルフグラブヘッドがあり、上記ゴルフクラブヘッドは、連結または他の同様の手段により、斜めに上記シャフトに接続されている。
【0019】
図2は、ゴルファーが上記ゴルフクラブを握ることを可能にする上記ゴルフクラブの質感を示している。好ましい実施形態における上記熱可塑性エラストマーの使用により、ゴルファーの使用に望ましい必要なグリップの質感を維持しつつ、蓄光する特徴の生成が可能となる。
【0020】
図3は、本開示の教示によるゴルフクラブグリップ300を示している。上記グリップは、中空筒305となるように形成される。ゴルフクラブの上記シャフトは、取り付けのためにゴルフクラブの上記シャフトに篏合するように作られた上記筒の一端310に、挿入される。上記筒形状のゴルフグリップの内側にある接着剤が、上記グリップを上記クラブシャフトへと固定する。上記筒が閉じられた端部315の一方とともに形成されなかった場合、上記ゴルフグリップは上記筒を閉じるエンドキャップをさらに備えることができる。
【0021】
ゴルフクラブグリップは、所望の蓄光結果を実現するため、異なる燐光体を用いて、ゴルファーにいくつかの選択肢を提供し、蓄光する特徴を有する様々な色とすることも可能である。上記のようなゴルフクラブグリップは、日中は光を蓄え、夜間に放射する。別の実施形態では、燐光顔料を含有させた熱可塑性エラストマーと、含有させていない熱可塑性エラストマーとの組み合わせを用いてもよい。デザインは、上記グリップの形成中に上記材料を構成することにより作り出してもよく、装飾的(ストライプ)あるいは便利なデザイン(ゴルファーが手を正しく配置するのに役立つ位置合わせマーク)であってもよく、これにより、上記グリップの一部が蓄光し、一部は蓄光しない。
【0022】
図4は、好ましい実施形態の燐光顔料の特性と結果のチャート図である。図に示すように、上記燐光顔料をD65標準光源、200ルクスで20分間励起する場合、輝度は、10分後に174mcd/m以上、20分後には91mcd/m以上、また60分後には28mcd/m以上である必要がある。上記燐光顔料をD65標準光源、200ルクスで20分間励起したところ、輝度は、10分後に226mcd/m、20分後には121.9mcd/m、また60分後には39.3mcd/mであると測定された。上記燐光顔料をXe1000ルクスで5分間励起する場合、輝度は、10分後に239mcd/m以上、また60分後には37mcd/m以上である必要がある。上記燐光顔料をXe1000ルクスで5分間励起したところ、輝度は、10分後に307.1mcd/m、また60分後には46.1mcd/mであると測定された。粒子サイズの分布は、D50(サンプル中の材料の総体積の50%が含まれる)で30±5μmに等しく、D90(サンプル中の材料の総体積の90%が含まれる)で61.5μm以下である必要がある。粒子サイズの分布は、D50(サンプル中の材料の総体積の50%が含まれる)で26.2μmに等しく、D90(サンプル中の材料の総体積の90%が含まれる)で61.5μmに等しいと分かった。
【0023】
上述の説明には、本発明の実施形態が含まれており、これにより範囲の制限は意図されていない。さらに、本発明の主旨や範囲から逸脱することなく、本発明において、様々な修正および変形がなされうることは、当業者に明らかであろう。

図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】