(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059569
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】振動モータ及びそれを備える触覚デバイス
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20240423BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240423BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20240423BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B06B1/04 S
G06F3/01 560
G06F3/03 400F
G06F3/041 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023153997
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2022166753
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 順
(72)【発明者】
【氏名】光畑 遼一
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 俊隆
(72)【発明者】
【氏名】関井 洋一
【テーマコード(参考)】
5D107
5E555
【Fターム(参考)】
5D107AA16
5D107BB08
5D107CC09
5E555AA08
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC04
5E555CA14
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コイルが通電していない状態において可動部の振動を低減可能な振動モータとそれを備える触覚デバイスを提供する。
【解決手段】振動モータ10は、静止部1と、可動部2と、を有する。可動部は、静止部に対して中心軸方向に振動可能である。静止部は、コイルと、ハウジング12と、を有する。コイルは、可動部の径方向外側に配置される。ハウジングは、可動部とコイルとを収容する。可動部は、マグネットを含むコア部を有する。ハウジングは、周壁部120と、磁性部123と、を有する。周壁部は、コイルの径方向外側に配置され、軸方向に延びる。磁性部は、周壁部の一部に配置され、磁性体から成る。磁性部は、周壁部の少なくとも一部に配置され、磁性体から成る。磁性部は、少なくとも一部がコイルと径方向に対向して周方向に延びる。周壁部は、磁性部と軸方向に隣接して周方向に延びる貫通孔121A,121B,122A,122Bを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止部と、
前記静止部に対して中心軸方向に振動可能である可動部と、
を有し、
前記静止部は、
前記可動部の径方向外側に配置されるコイルと、
前記可動部と前記コイルとを収容するハウジングと、
を有し、
前記可動部は、マグネットを含むコア部を有し、
前記ハウジングは、
前記コイルの径方向外側に配置され、軸方向に延びる周壁部と、
前記周壁部の少なくとも一部に配置され、磁性体から成る磁性部と、を有し、
前記磁性部は、少なくとも一部が前記コイルと径方向に対向して周方向に延び、
前記周壁部は、前記磁性部と軸方向に隣接して周方向に延びる貫通孔を有する、振動モータ。
【請求項2】
前記磁性部の内周面の表面積は、前記周壁部の内周面の表面積の半分以下である、請求項1に記載の振動モータ。
【請求項3】
前記磁性部の軸方向の長さは、前記周壁部の軸方向の長さの半分以下であり、
前記磁性部は、少なくとも一部が前記周壁部の軸方向の中央部と径方向に重なる、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項4】
前記磁性部の軸方向の長さは、前記コア部の軸方向の長さの半分以上である、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項5】
前記磁性部の軸方向の長さは、前記コイルの軸方向の長さと略同一である、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項6】
前記周壁部は、樹脂成形品であり、
前記磁性部は、前記周壁部と一体化している、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項7】
前記磁性部は、磁性体のステンレスから成る、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記磁性部の軸方向の両側に配置され、前記磁性部を挟んで軸方向に垂直な面に対して面対称に形成される、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項9】
前記周壁部は、
前記貫通孔を覆うカバー部をさらに有する、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項10】
前記周壁部は、磁性金属板から成り、
磁性金属板の前記周壁部により、前記貫通孔に隣接した前記磁性部が形成される、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項11】
前記周壁部は、
前記貫通孔と周方向に隣り合って配置され、前記周壁部の軸方向一方側の外端から軸方向の他方側又は前記周壁部の軸方向他方側の外端から軸方向の一方側に切り欠いて形成される切欠貫通孔と、
前記切欠貫通孔の軸方向の内端から軸方向に突出して切り欠いて形成される引出孔と、を有する請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項12】
前記周壁部は、
少なくとも一部が前記コイルと径方向に対向して配置され、径方向に貫通するコイル露出孔を有する、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項13】
前記コイル露出孔の軸方向の幅は、前記コイルの軸方向の長さよりも小さい、請求項12に記載の振動モータ。
【請求項14】
前記可動部は、前記コア部を軸方向の両側から挟んで保持するホルダを有し、
前記ホルダは、
前記コア部と軸方向に対向する板状のホルダ板部と、
前記ホルダ板部の外周縁から軸方向に突出し、前記コア部の軸方向の端部を囲むホルダ壁部と、を有し、
前記ホルダ壁部は、軸方向から視て直線状に延びる直線部を有する、請求項1又は請求項2に記載の振動モータ。
【請求項15】
前記ホルダは、
外周面上の軸方向の内端から外端に跨って径方向内側に凹むホルダ外側凹部を有し、
前記ホルダ外側凹部は、前記直線部上に配置されている、請求項14に記載の振動モータ。
【請求項16】
前記ホルダは、
前記ホルダ外側凹部に沿って配置され、前記ホルダ壁部の内周面が径方向外側に凹んで形成される第1ホルダ内側凹部と、
前記ホルダ外側凹部に沿って配置され、前記ホルダ板部の内面が軸方向外側に凹んで形成される第2ホルダ内側凹部と、を有する、請求項15に記載の振動モータ。
【請求項17】
前記可動部は、前記コア部を軸方向の両側から挟んで保持するホルダを有し、
前記ホルダは、
前記コア部と軸方向に対向する板状のホルダ板部と、
前記ホルダ板部の外周縁から軸方向に突出し、前記コア部の軸方向の端部を囲むホルダ壁部と、を有し、
前記ホルダは、
外周面上の軸方向内端から外端に跨って前記ホルダ壁部の径方向に貫通するホルダ外側凹部を有し、
前記ホルダ外側凹部は、前記切欠貫通孔と径方向に対向する、請求項11に記載の振動モータ。
【請求項18】
請求項1又は請求項2に記載の振動モータと、
軸方向に延びて前記振動モータを収容する筒状の筐体と、を有する、触覚デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モータ及びそれを備える触覚デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の振動モータは、静止部と、可動部と、を有する。可動部は、静止部に対して中心軸方向に振動可能である。静止部は、ハウジングと、コイルと、を有する。可動部は、磁石(マグネット)を有する。ハウジングは、可動部とコイルとを収容する。コイルは、可動部の径方向外側を囲む。コイルを通電して磁界を発生させることにより、可動部は振動する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に開示された振動モータは、コイルが通電していない状態において、外部からの衝撃があった場合に、可動部が振動する可能性があった。なお、外部からの衝撃とは、例えば、人間が触覚デバイスを持って書く動作をしたときに受ける衝撃等である。外部からの衝撃によって振動モータ内の可動部が揺れた場合に、振動が触覚デバイスに伝わり、触覚デバイスの触覚に違和感が発生する可能性があった。
【0005】
本発明は、コイルが通電していない状態において可動部の振動を低減可能な振動モータとそれを備える触覚デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な振動モータは、静止部と、可動部と、を有する。可動部は、静止部に対して中心軸方向に振動可能である。静止部は、コイルと、ハウジングと、を有する。コイルは、可動部の径方向外側に配置される。ハウジングは、可動部とコイルとを収容する。可動部は、マグネットを含むコア部を有する。ハウジングは、周壁部と、磁性部と、を有する。周壁部は、コイルの径方向外側に配置され、軸方向に延びる。磁性部は、周壁部の少なくとも一部に配置され、磁性体から成る。磁性部は、少なくとも一部がコイルと径方向に対向して周方向に延びる。周壁部は、磁性部と軸方向に隣接して周方向に延びる貫通孔を有する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、コイルが通電していない状態において可動部の振動を低減可能な振動モータ及びそれを備える触覚デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動モータを搭載するタッチペンを模式的に示す説明図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係るタッチペンの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る振動モータの斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る振動モータの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る振動モータを中心軸に沿って切断した斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る振動モータを中心軸に直交する方向に切断した斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係る振動モータの斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3実施形態に係る振動モータの斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第4実施形態に係る可動部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本書では、振動モータ10の中心軸Jが延びる「軸方向」をX方向として示す。図面において、X方向の矢印側が「軸方向X一方側」、反対側が「軸方向X他方側」を示す。
【0010】
また、図面において、中心軸Jに直交する第1方向をY方向として示す。図面において、Y方向の矢印側が「第1方向Y一方側」、反対側が「第1方向Y他方側」を示す。また、図面において、中心軸J及び第1方向Yに直交する第2方向をZ方向として示す。Z方向の矢印側が「第2方向Z一方側」、反対側が「第2方向Z他方側」を示す。
【0011】
また、中心軸Jに直交する方向を「径方向」と称する。また、中心軸J周りの方向を「周方向」と称する。なお、上記各方向は、振動モータ10を機器に組み込んだときの方向を限定しない。
【0012】
<第1実施形態>
<1.接触デバイスの全体構成>
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る振動モータ10を搭載するタッチペン(触覚デバイス)40を示す模式図である。
図2は、タッチペン40の斜視図である。なお、
図2では、便宜上、振動モータ10および基板20は、透過して図示している。
【0013】
タッチペン40は、スマートフォン等のタッチパネルに接触させて操作する装置である。タッチペン40は、筐体30と、基板20と、振動モータ10と、を有する。また、タッチペン40は、筐体30の軸方向一方側の先端部にペン先端部(不図示)が取り付けられる。
【0014】
筐体30は、軸方向に延びる円筒状である。振動モータ10は、基板20に実装される。振動モータ10及び基板20は、筐体30内部に収容される。すなわち、タッチペン(触覚デバイス)40は、振動モータ10と、軸方向に延びて振動モータ10を収容する筒状の筐体30と、を有する。
【0015】
基板20は、例えば、FPC(フレキシブルプリント基板)であり、振動モータ10と電気的に接続される。振動モータ10の振動により、例えば、ユーザは、タッチペン40で紙などの上に文字等を記入している感覚が与えられる。
【0016】
<2.振動モータの全体構成>
図3は、振動モータ10の斜視図である。
図4は、振動モータ10の分解斜視図である。
図5は、振動モータ10を中心軸J方向に沿って切断した斜視図である。
図6は、振動モータ10を中心軸J方向に直交する方向に切断した斜視図である。
【0017】
振動モータ10は、静止部1と、可動部2と、弾性部材3A、3Bと、を有する。可動部2は、弾性部材3A、3Bを介して静止部1に接続されており、可動部2は、静止部1に対して中心軸J方向に振動可能である。
【0018】
<3.静止部>
静止部1は、コイル11と、ハウジング12と、を有する。コイル11は、後述する可動部2に含まれるコア部21の径方向外方において、中心軸J周りに導線(不図示)が巻かれて形成されている。すなわち、静止部1は、可動部2の径方向外側に配置されるコイル11を有する。
【0019】
ハウジング12は、円筒状に形成され、内部に可動部2とコイル11とを収容する。ハウジング12は、周壁部120と、磁性部123と、蓋部13A、13Bと、を有する。周壁部120は、コイル11の径方向外側に配置され、軸方向に延びる。
【0020】
また、本実施形態では、ハウジング12が、コイル11を径方向外側から囲む筒状に形成されているが、ハウジング12は、例えば直方体の箱状に形成されてもよい。このとき、コイル11は、可動部2を囲って形成されなくてもよい。例えば、可動部2を挟んで箱状のハウジング12の対向する内面に一対のコイル11をそれぞれ配置してもよい。これにより、タッチペン40の形状にハウジング12の形状を適宜合わせることができる。従って、タッチペン40を小型化できる。なお、本実施形態では、振動モータ10をタッチペン40に搭載しているが、振動モータ10をタッチペン40以外の実機に搭載する場合に、実機を小型化できる。
【0021】
本実施形態では、周壁部120は、筒状であり、樹脂成形品から成る。周壁部120を樹脂で形成することによりハウジング12を軽量化できる。また、コイル11で発生する磁力と周壁部120との干渉を低減できる。周壁部120は、中心軸Jに直交する断面視において、楕円状に形成されている。
【0022】
なお、周壁部120は、ハウジング12の形状により決まり、筒状でなくてもよく、箱状でもよい。また、周壁部120は、中心軸Jに直交する断面視において、楕円状でなくてもよい。周壁部120は、中心軸Jに直交する断面視において、例えば、四角形状でもよい。
【0023】
本実施形態では、周壁部120は、円弧部120Aと平板部120Bとで構成される。円弧部120Aは、軸方向から見て円弧状に湾曲して形成され、平板部120Bは、平板状に形成されている。平板部120Bは、軸方向から視て直線状であり、円弧部120Aは、径方向外側に凸に湾曲している。
【0024】
一対の円弧部120Aは、第1方向Yの両端が平板部120Bとそれぞれ連結し、筒状体を形成している。円弧部120A及び平板部120Bは、一対ずつ設けられ、第1方向Yにおいて円弧部120A同士が対向する。また、平板部120B同士は、第2方向Zにおいて対向する。平板部120B上には基板20が配置される。また、円弧部120A上には磁性部123が配置される。
【0025】
磁性部123は、周壁部120の一部に配置される。また、磁性部123は、磁性体から成る。周壁部120及び磁性部123の構成については、後で詳細に説明する。
【0026】
コイル11は、周壁部120の内周面に治具を利用して固定される。コイル11とハウジング12とは、例えば、接着剤を介して接着される。これにより、コイル11に電流を流した場合に発生する熱が、ハウジング12へ伝達して放熱される。なお、コイル11と周壁部120との固定方法は接着剤に限定されない。また、コイル11の少なくとも一部は、ハウジング12の軸方向Xの中央部と径方向に重なる。また、コイル11の少なくとも一部は、後述するコア部21の軸方向Xの中央部と径方向に重なる。これにより、コイル11で発生する磁力が後述する可動部2のコア部21に対して安定して作用する。
【0027】
蓋部13A、13Bは、開口するハウジング12の軸方向Xの両端面を軸方向X外側からそれぞれ覆う。蓋部13A、13Bは、周壁部120の開口部周縁にそれぞれレーザー溶接で固定されている。なお、蓋部13A、13Bと周壁部120との固定方法はレーザー溶接に限定されない。蓋部13A、13Bは、ハウジング12の内部に塵埃等の異物が侵入することを防止できる。本実施形態では、蓋部13Aは、弾性部材3Aの軸方向X一方側に配置され、弾性部材3Aに固定される。また、蓋部13Bは、弾性部材3Bの軸方向X他方側に配置され、弾性部材3Bに固定される。
【0028】
<3.可動部>
可動部2は、フェライトやネオジウム等の磁性部材から成るコア部21と、ホルダ22A、22Bと、を有する。コア部21は、中心軸J方向に延びて円柱状に形成されている。
【0029】
コア部21は、マグネット21A、21Bと、コア磁性体21Cと、を有する(
図5参照)。コア部21は、一つの磁性部材を着磁してマグネット21A、21B及びコア磁性体21Cの3層に区画している。マグネット21A、21Bは、コア磁性体21Cを挟んで軸方向Xに並ぶ。例えば、マグネット21Aは、軸方向X一方側がS極であり、軸方向X他方側がN極である。また、マグネット21Bは、軸方向X一方側がN極であり、軸方向X他方側がS極である。これにより、マグネット21A、21Bは、N極同士がコア磁性体21Cを挟んで軸方向Xに対向する。なお、マグネット21A、21Bは、S極同士がコア磁性体21Cを挟んで軸方向Xに対向してもよい。また、本実施形態では、コア部21は、一つの磁性部材を着磁して構成されているが、複数のマグネットを軸方向Xに連結してコア部21を構成してもよい。このとき、マグネットは接着材を介して連結できる。
【0030】
コア部21は、中心軸Jに直交する断面視において、楕円状に形成されている。コア部21の外周面とコイル11の内周面との間には隙間Sが形成されている(
図5、
図6参照)。隙間Sは、周方向の全域において、略同一幅で形成されている。これにより、コイル11とコア部21との間で作用する磁力が周方向に均一になり、コア部21の振動が安定する。なお、コア部21の形状は、周壁部120及びコイル11の形状に応じて変更可能であり、例えば、中心軸Jに直交する断面視において、四角形状に形成してもよい。
【0031】
ホルダ22A、22Bは、コア部21を軸方向Xの両側から挟んで保持する。ホルダ22A、22Bは、ウェイト(おもり)としても機能し、例えば金属により構成される。当該金属の一例は、タングステン合金である。ホルダ22A、22Bの軸方向X内端は、コイル11よりも軸方向X外側に配置される。これにより、ホルダ22A、22Bとコイル11とは、振動しても接触しない。
【0032】
ホルダ22A、22Bは、板状のホルダ板部222と、ホルダ壁部223と、を有する。ホルダ板部222は、コア部21と軸方向Xに対向する。ホルダ壁部223は、ホルダ板部222の外周縁から軸方向Xに突出し、コア部21の軸方向Xの端部を囲む。これにより、ホルダ22Aは、軸方向X一方側に凹む凹部221Aを有する。コア部21の軸方向X一方側の端部は、凹部221A内に配置される。ホルダ22Bは、軸方向X他方側に凹む凹部221Bを有する。コア部21の軸方向X他方側の端部は、凹部221B内に配置される。ホルダ22A、22Bは、凹部221A、221B内で接着剤を介してコア部21と固定されてもよいし、圧入により固定されてもよい。
【0033】
コア部21が凹部221A、221B内に接着剤を介して固定される場合に、凹部221A、221Bの内周面に接着剤を凹部221A、221Bの外部に逃がす溝を設けてもよい。また、コア部21が凹部221A、221B内に圧入される場合に、凹部221A、221Bの内周面から突出し、圧入時に潰れるリブを設けてもよい。これにより、ホルダ22A、22Bとコア部21とをより強固に固定できる。
【0034】
<4.弾性部材>
弾性部材3A、3Bは、本実施形態では、軸方向Xに弾性を有する板バネである。弾性部材3Aは、軸方向X一方側の端部が蓋部13Aに固定され、軸方向X他方側の端部がホルダ22Aに固定される。弾性部材3Bは、軸方向X他方側の端部が蓋部13Bに固定され、軸方向X一方側の端部がホルダ22Bに固定される。これにより、可動部2は、ハウジング12に対して軸方向Xに振動可能に支持される。なお、弾性部材3A、3Bは、板バネ以外にコイルバネやゲルでもよい。
【0035】
振動モータ10は、基板20を介してコイル11に電流を供給することにより、コイル11に磁力が発生する。このとき、コイル11の磁力線と、コア部21で発生する磁力線とが相互作用する。コイル11への電流供給を制御することにより、弾性部材3A、3Bを介してコア部21が軸方向Xに振動する。
【0036】
<5.周壁部及び磁性部>
本実施形態では、磁性部123は、円弧状に湾曲する金属板から成り、各円弧部120Aに1箇所ずつ配置される。磁性部123は、磁性体のステンレスから成り、周壁部120にインサート成形される。インサート成形により、磁性部123は、周壁部120と一体化し、周壁部120に強固に固定される。また、磁性部123に磁性体であるステンレスを用いることにより、周壁部120の強度を向上させるとともに、製造コストを下げることができる。なお、ステンレスとしてSUS430が好適に用いられる。
【0037】
磁性部123は、ステンレス以外に例えば、鉄やニッケル、コバルト等の磁性金属により形成してもよい。また、磁性部123を、円弧部120A及び平板部120Bに跨って配置してもよい。また、磁性部123を、環状に形成してもよい。
【0038】
本実施形態では、磁性部123が周壁部120の内周面から露出する。これにより、磁性部123が周壁部120を構成する樹脂により覆われた場合と比較してコア部21と磁性部123との間で作用する磁力の低下を抑制できる。
【0039】
磁性部123は、少なくとも一部がコイル11と径方向に対向して周方向に延びる。マグネット21A、21Bを含むコア部21は、磁性部123との間で径方向外側に引き寄せられる。これにより、コイル11が通電していない状態で、コア部21が、振動することを低減できる。また、磁性部123は、周壁部120の一部に配置されており、周壁部120全体が磁性材で形成された場合と比較してコイル11で発生する磁力と磁性部123との干渉を低減できる。これにより、振動モータ10の駆動効率の低下を抑制し、消費電力を抑制できる。
【0040】
磁性部123の内周面の表面積は、周壁部120の内周面の表面積の半分以下である。また、磁性部123の軸方向Xの長さは、周壁部120の軸方向Xの長さの半分以下である。磁性部123の表面積を小さくして磁性部123の軸方向Xの長さを短くすることにより、コイル11で発生する磁力と磁性部123との干渉をより低減できる。また、磁性部123とコア部21との間で作用する径方向の磁力が低減される。従って、振動モータ10の駆動効率の低下をより抑制できる。
【0041】
また、磁性部123の少なくとも一部は、周壁部120の軸方向Xの中央部と径方向に重なる。これにより、コア部21は、中心軸Jに対して傾くことを抑えられ、径方向外側に引き寄せられる。従って、コイル11が通電していない状態で、コア部21が、振動することをより低減できる。
【0042】
また、磁性部123の軸方向Xの長さは、コア部21の軸方向Xの長さの半分以上である。これにより、コイル11で発生する磁力と磁性部123との干渉を低減しながら、コア部21と磁性部123との間で一定の磁力が作用する。したがって、コイル11が通電していない状態で、コア部21が、振動することを低減できる。
【0043】
また、磁性部123の軸方向Xの長さは、コイル11の軸方向Xの長さと略同一である。これにより、コイル11で発生する磁力と磁性部123との干渉を低減しながら、コア部21と磁性部123との間で一定の磁力が作用する。
【0044】
周壁部120は、貫通孔121A、121Bと、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bと、コイル露出孔124を有する。貫通孔121Aは、磁性部123と軸方向X一方側に隣接して周方向に延びる。貫通孔121Bは、磁性部123と軸方向X他方側に隣接して周方向に延びる。貫通孔121A、121Bを設けることにより、磁性部123を配置する領域を確保しながら周壁部120を軽量化できる。
【0045】
また、貫通孔121A、121Bは、磁性部123の軸方向Xの両側に配置され、磁性部123を挟んで軸方向Xに垂直な面に対して面対称に形成されている。これにより、周壁部120が、コア部21の軸方向Xの振動に対して安定する。
【0046】
貫通孔121A、121Bは、周壁部120の周方向に複数配置される。本実施形態では、貫通孔121A、121Bは周方向に2箇所ずつ配置される。なお、貫通孔121A、121Bは周方向に1箇所ずつ配置されていてもよいし、3箇所以上配置されていてもよい。
【0047】
貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bは、周壁部120の軸方向Xの外端から軸方向Xに切り欠いて形成されている。具体的には、貫通孔(切欠貫通孔)122Aは、周壁部120の軸方向X一方側の端縁から軸方向X他方側に切り欠いて形成されている。また、貫通孔122Aは、周方向に並ぶ貫通孔121Aの各間に、2箇所配置されている。貫通孔(切欠貫通孔)122Bは、周壁部120の軸方向X他方側の端縁から軸方向X一方側に切り欠いて形成されている。また、貫通孔122Bは、周方向に並ぶ貫通孔121Bの各間に、2箇所配置されている。貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bを設けることにより、周壁部120をより軽量化できる。なお、貫通孔122A、122Bを設けることにより、磁性部123の周方向の幅が狭まる。このとき、コイル11で発生する磁力と磁性部123との干渉を低減できる。これにより、振動モータ10の駆動効率の低下を抑制し、消費電力を抑制できる。
【0048】
なお、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bは周方向に1箇所ずつ配置されていてもよいし、3箇所以上配置されていてもよい。また、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bの一方のみを設けてもよい。貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bの面積を減らすことにより、磁性部123を配置する領域をより広く確保できる。一方、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bの面積を増やすことにより、周壁部120をより軽量化できる。
【0049】
コイル露出孔124は、少なくとも一部がコイル11と径方向に対向して配置され、周壁部120を径方向に貫通する。本実施形態では、磁性部123は、磁性貫通孔123aを有する(
図3参照)。磁性貫通孔123aは、コイル露出孔124と径方向に対向して配置され、径方向に貫通する。これにより、コイル11は、コイル露出孔124及び磁性貫通孔123aを介して周壁部120の外側に露出する。
【0050】
コイル11が、ハウジング12の内部に挿入された後に、接着剤(不図示)が、コイル露出孔124及び磁性貫通孔123aを介してハウジング12の外部から注入される。これにより。コイル11は、接着剤を介してハウジング12に固定される。従って、コイル露出孔124及び磁性貫通孔123aを形成することにより、コイル11をハウジング12の内部に容易に固定できる。
【0051】
なお、コイル露出孔124の軸方向の幅は、コイル11の軸方向Xの長さよりも小さいことが好ましい。コイル露出孔124を小さく形成することにより、磁性部123の領域を広げることができる。これにより、磁性部123の領域を広く確保することで、コイル11が通電していない状態で、コア部21が、振動することをより低減できる。
【0052】
コイル11に接続される引出線(不図示)は、貫通孔(切欠貫通孔)122Bを介して周壁部120の外部に引出される。引出された引出線は、基板20に接続される。これにより、短い引出線によりコイル11を基板20に接続させることができる。なお、引出線(不図示)は、貫通孔(切欠貫通孔)122Aを介して周壁部120の外部に引出されてもよい。
【0053】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、振動モータ10の斜視図である。説明の便宜上、前述の
図1~
図6に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第2実施形態ではカバー部128が設けられている点が第1実施形態とは異なる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0054】
カバー部128は、貫通孔121A、121Bを覆う。すなわち、ハウジング12は、貫通孔121A、121Bを覆うカバー部128を有する。カバー部128は、貫通孔121A、121Bに充填される樹脂又は、貫通孔121A、121Bを覆うシート材により形成される。カバー部128は、ハウジング12の内部に塵埃等の異物が侵入することを防止できる。また、周壁部120の強度を向上できる。なお、カバー部128は、貫通孔121A、121Bの一部を覆ってもよい。また、カバー部128は、貫通孔122A、122Bを覆ってもよい。
【0055】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は、振動モータ10の斜視図である。説明の便宜上、前述の
図1~
図6に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第3実施形態では周壁部120全体が磁性金属板から成り、磁性金属板の周壁部120により、貫通孔121A、121Bに隣接した磁性部120が形成される。また、周壁部120は、引出孔125A、125Bを有する。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0056】
周壁部120は、例えば、磁性金属板を中心軸Jの周りに屈曲させて形成される。このとき、貫通孔121A、121B、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122B、コイル露出孔124及び引出孔125A、125Bは、磁性金属板を屈曲させる前にプレス成形して形成される。貫通孔121A、121Bを設けることにより、磁性部123は、周壁部120の一部を構成し、周壁部の一部に配置されることになる。この構成によると、周壁部120と磁性部123とが一体となり、周壁部120の製造コストを下げることができる。
【0057】
また、周壁部120全体に磁性部123が形成され、磁性部123の領域を広く確保することができる。これにより、コイル11が通電していない状態で、コア部21が、振動することをより低減できる。なお、周壁部120に貫通孔121A、121B、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122B、コイル露出孔124又は引出孔125A、125Bを形成することにより、磁性部123の領域は狭まる。このとき、コイル11で発生する磁力と磁性部123との干渉を低減できる。これにより、振動モータ10の駆動効率の低下を抑制し、消費電力を抑制できる。
【0058】
引出孔125A、125Bは、貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bの軸方向Xの内端から軸方向に突出して切り欠いて形成される。具体的には、引出孔125Aは、貫通孔(切欠貫通孔)122Aの軸方向X他方側の端縁から軸方向X他方側に貫通孔(切欠貫通孔)122Aよりも幅を狭く切り欠いて形成されている。また、引出孔125Bは、貫通孔(切欠貫通孔)122Bの軸方向X一方側の端縁から軸方向X一方側に貫通孔(切欠貫通孔)122Bよりも幅を狭く切り欠いて形成されている。引出孔125A、125Bを形成することにより、引出孔125A、125Bの一方を介してコイル11に接続される引出線(不図示)を周壁部120の外部に容易に引き出すことができる。なお、引出線は、引出孔125A、125Bのいずれから引き出されてもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、引出孔125A、125Bは、それぞれ径方向に対向して1対ずつ設けられているが、いずれか1カ所のみでもよい。
【0060】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図9は、可動部2の分解斜視図である。説明の便宜上、前述の
図1~
図6に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第4実施形態ではホルダ22A、22Bの形状が第1実施形態とは異なる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0061】
ホルダ22A、22Bのホルダ壁部223は、直線部226と、曲線部227と、を有する。直線部226は、軸方向Xから見て直線状に延びて平板状に形成されている。曲線部227は、軸方向Xから見て径方向外側に凸に円弧状に形成されている。直線部226及び曲線部227は、それぞれ径方向に対向して配置されている。
【0062】
また、ホルダ22A、22Bは、ホルダ外側凹部224及びホルダ内側凹部225a、225bを有する。ホルダ外側凹部224は、ホルダ22A、22Bの外周面上の軸方向Xの内端から外端に跨って径方向内側に凹む。また、ホルダ外側凹部224は、直線部226上に配置されている。本実施形態では、ホルダ外側凹部224は、径方向に対向して一対配置されているが、1箇所のみに設けてもよい。
【0063】
また、ホルダ外側凹部224は、切欠貫通孔122A、122Bと径方向に対向する。これにより、可動部2が中心軸J方向に振動する際に、コイル11に接続される引出線とホルダ22A、22Bとが接触することを防止できる。
【0064】
ホルダ22A、22Bは、コア部21と固定する際に、ホルダ壁部223を径方向外側から治具(不図示)で挟持する。このとき、ホルダ壁部223に直線部226を設けることにより、治具とホルダ壁部223との間に形成される隙間を減らしてホルダ22A、22Bを安定して挟持できる。従って、可動部2の組立て作業性が向上する。また、ホルダ22A、22Bに対するコア部21の位置精度を向上できる。
【0065】
また、ホルダ外側凹部224を形成することにより、治具に形成された突起部(不図示)をホルダ外側凹部224の内部に配置できる。これにより、治具でホルダ22A、22Bをより安定して挟持できる。
【0066】
ホルダ内側凹部(第1ホルダ内側凹部)225a及びホルダ内側凹部(第2ホルダ内側凹部)225bは、ホルダ外側凹部224の周縁に沿って配置される。ホルダ内側凹部(第1ホルダ内側凹部)225aは、ホルダ壁部223の内周面が径方向外側に凹んで形成される。ホルダ内側凹部(第2ホルダ内側凹部)225bは、ホルダ板部222の内面(軸方向Xの内側端面)が軸方向外側に凹んで形成される。
【0067】
ホルダ22A、22Bが、接着剤を介してコア部21と固定される場合に、接着剤がホルダ内側凹部(第1ホルダ内側凹部)225a及びホルダ内側凹部(第2ホルダ内側凹部)225bの内部に溜まる。これにより、接着剤が、ホルダ22A、22Bの外部に流出することを抑制できる。なお、本実施形態では、ホルダ外側凹部224は、ホルダ壁部223を径方向に貫通して形成されているが、貫通しなくてもよい。これにより、接着剤が、ホルダ22A、22Bの外部に流出することを防止できる。
【0068】
<6.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0069】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、磁性部123をインサート成形により周壁部120と一体化させて形成したが、樹脂成形された周壁部120の内周面に磁性金属シートを貼着してもよい。このとき、周壁部120は、樹脂成形品であり、磁性部123は、周壁部120の内周面上に配置されて周壁部120とは別部材から成る。
【0070】
また、磁性部123は、周壁部120の内周面に貼着された磁性金属シートから成る。これにより、磁性部123が、後付け可能になり、ハウジング12の製造コストを削減できる。また、磁性金属シートを薄型化してハウジング12を軽量化できる。なお、磁性金属シートには、磁性体のステンレスの金属シートが好適に用いられる。
【0071】
また、予め成形された周壁部120の内周面に磁性粒体を含む樹脂層を塗布してもよい。このとき、磁性部123は、周壁部120の内周面に積層された磁性粒体から成る。これにより、磁性部123が、後付け可能になり、ハウジング12の製造コストを削減できる。また、ハウジング12を軽量化できる。なお、磁性粒体には、ステンレス粒子が好適に用いられる。また、周壁部120が樹脂成型品の場合、貫通孔121A、121Bを設けなくてもよい。
【0072】
また、周壁部120は、樹脂以外の材料により形成されてもよい。例えば、非磁性の金属を用いることができ、銅、アルミニイウム、ステンレス(SUS304)等が具体的に挙げられる。また、その他の実施形態として、周壁部120を磁性体の金属で形成し、磁性部123を除く周壁部120の一部表面を非磁性の金属でメッキ処理してもよい。これにより、磁性部123を除く周壁部120とコイル11との間で作用する径方向の磁力が低減される。従って、振動モータ10の駆動効率の低下をより抑制できる。
【0073】
また、第4実施形態のホルダ22A、22Bを、第2実施形態又は第3実施形態のホルダ22A、22Bに用いてもよい。
【0074】
また、貫通孔121A、121Bは、平行に延びているが平行に延びなくてもよい。また、貫通孔121A、121Bは、磁性部123を挟んで軸方向に垂直な面に対して面対称に形成されていなくてもよい。具体的には、貫通孔121A、121Bが周方向にずれて配置されてもよい。また、貫通孔121A、121Bを貫通孔(切欠貫通孔)122A、122Bと連通させてもよい。
【0075】
また、第1実施形態では、触覚デバイスとしてタッチペン40を例示したが、タッチペン40には限定されない。
【0076】
(7.付記)
以上のように、本開示の一態様に係る振動モータ(10)は、静止部(1)と、前記静止部に対して中心軸方向に振動可能である可動部(2)と、を有する。前記静止部は、前記可動部の径方向外側に配置されるコイル(11)と、前記可動部と前記コイルとを収容するハウジング(12)と、を有する、前記可動部は、マグネット21A、21Bを含むコア部21を有する。前記ハウジングは、前記コイルの径方向外側に配置され、軸方向に延びる周壁部(120)と、前記周壁部の少なくとも一部に配置され、磁性体から成る磁性部123と、を有する。前記磁性部は、少なくとも一部が前記コイルと径方向に対向して周方向に延びる。前記周壁部は、前記磁性部と軸方向に隣接して周方向に延びる貫通孔(121A、121B)を有する(第1の構成)。
【0077】
また、上記第1の構成において、前記磁性部の内周面の表面積は、前記周壁部の内周面の表面積の半分以下である、構成としてもよい(第2の構成)。
【0078】
また、上記第1又は第2の構成において、前記磁性部の軸方向の長さは、前記周壁部の軸方向の長さの半分以下であり、前記磁性部は、少なくとも一部が前記周壁部の軸方向の中央部と径方向に重なる、構成としてもよい(第3の構成)。
【0079】
また、上記第1から第3のいずれか構成において、前記磁性部の軸方向の長さは、前記コア部の軸方向の長さの半分以上である、構成としてもよい(第4の構成)。
【0080】
また、上記第1から第4のいずれか構成において、前記磁性部の軸方向の長さは、前記コイルの軸方向の長さと略同一である、構成としてもよい(第5の構成)。
【0081】
また、上記第1から第5のいずれか構成において、前記周壁部は、樹脂成形品であり、前記磁性部は、前記周壁部と一体化している、構成としてもよい(第6の構成)。
【0082】
また、上記第1から第6のいずれか構成において、前記磁性部は、磁性体のステンレスから成る、構成としてもよい(第7の構成)。
【0083】
また、上記第1から第7のいずれか構成において、前記貫通孔は、前記磁性部の軸方向の両側に配置され、前記磁性部を挟んで軸方向に垂直な面に対して面対称に形成される、構成としてもよい(第8の構成)。
【0084】
また、上記第1から第8のいずれか構成において、前記ハウジングは、前記貫通孔を覆うカバー部をさらに有する、構成としてもよい(第9の構成)。
【0085】
また、上記第1~第9のいずれかの構成において、磁性金属板の前記周壁部により、前記貫通孔に隣接した前記磁性部が形成される、構成としてもよい(第10の構成)。
【0086】
また、上記第1~第10のいずれかの構成において、前記周壁部は、前記貫通孔と周方向に隣り合って配置され、前記周壁部の軸方向の外端から軸方向に切り欠いて形成される切欠貫通孔(122A、122B)と、前記切欠貫通孔の軸方向の内端から軸方向に突出して切り欠いて形成される引出孔(125A、125B)と、を有する、構成としてもよい(第11の構成)。
【0087】
また、上記第1~第11のいずれかの構成において、前記周壁部は、少なくとも一部が前記コイルと径方向に対向して配置され、径方向に貫通するコイル露出孔(124)を有する、構成としてもよい(第12の構成)。
【0088】
また、上記第12の構成において、前記コイル露出孔の軸方向の幅は、前記コイルの軸方向の長さよりも小さい、構成としてもよい(第13の構成)。
【0089】
また、上記第1~第13のいずれかの構成において、前記可動部は、前記コア部を軸方向の両側から挟んで保持するホルダ(22A、22B)を有し、前記ホルダは、前記コア部と軸方向に対向する板状のホルダ板部(222)と、前記ホルダ板部の外周縁から軸方向に突出し、前記コア部の軸方向の端部を囲むホルダ壁部(223)と、を有し、前記ホルダ壁部は、軸方向から視て直線状に延びる直線部(226)を有する、構成としてもよい(第14の構成)。
【0090】
また、上記第14の構成において、前記ホルダは、外周面上の軸方向の内端から外端に跨って径方向内側に凹むホルダ外側凹部(224)を有し、前記ホルダ外側凹部は、前記直線部上に配置されている、構成としてもよい(第15の構成)。
【0091】
また、上記第15の構成において、前記ホルダは、前記ホルダ外側凹部に沿って配置され、前記ホルダ壁部の内周面が径方向外側に凹んで形成される第1ホルダ内側凹部(225a)と、前記ホルダ外側凹部に沿って配置され、前記ホルダ板部の内面が軸方向外側に凹んで形成される第2ホルダ内側凹部(225b)と、を有する、構成としてもよい(第16の構成)。
【0092】
また、上記第11の構成において、前記可動部は、前記コア部を軸方向の両側から挟んで保持するホルダ(22A、22B)を有し、前記ホルダは、前記コア部と軸方向に対向する板状のホルダ板部(222)と、前記ホルダ板部の外周縁から軸方向に突出し、前記コア部の軸方向の端部を囲むホルダ壁部(223)と、を有し、前記ホルダは、外周面上の軸方向内端から外端に跨って前記ホルダ壁部の径方向に貫通するホルダ外側凹部(224)を有し、前記ホルダ外側凹部は、前記切欠貫通孔と径方向に対向する、構成としてもよい(第17の構成)。
【0093】
また、本開示の一態様に係る触覚デバイス(10)は、上記第1から第17のいずれかの構成の振動モータ(10)と、軸方向に延びて前記振動モータを収容する筒状の筐体(40)と、を有する(第18の構成)。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、例えば、タッチペンなどの各種機器に搭載される振動モータに利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 静止部
2 可動部
3A、3B 弾性部材
10 振動モータ
11 コイル
12 ハウジング
13A、13B 蓋部
20 基板
21 コア部
21A、21B マグネット
21C コア磁性体
22A、22B ホルダ
30 筐体
40 タッチペン(触覚デバイス)
120 周壁部
120A 円弧部
120B 平板部
121A、121B 貫通孔
122A、122B 貫通孔(切欠貫通孔)
123 磁性部
123a 磁性貫通孔
124 コイル露出孔
125A、125B 引出孔
128 カバー部
221A、221B 凹部
222 ホルダ板部
223 ホルダ壁部
224 ホルダ外側凹部
225a ホルダ内側凹部(第1ホルダ内側凹部)
225b ホルダ外側凹部(第2ホルダ内側凹部)
226 直線部
227 曲線部
J 中心軸
S 隙間
X 軸方向
Y 第1方向
Z 第2方向