(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059578
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】超音波溶着システム
(51)【国際特許分類】
B29C 65/08 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B29C65/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023172140
(22)【出願日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】102022000021480
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】509349004
【氏名又は名称】ジーディーエム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】GDM S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Battindarno, 91, I-40133 Bologna(IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ピアントニ,マテオ
(72)【発明者】
【氏名】ザヴァロニ アレサンドロ
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AA03
4F211AA21
4F211AA24
4F211AA29
4F211AG01
4F211AH54
4F211AH63
4F211AP06
4F211AP20
4F211AR07
4F211TA01
4F211TC08
4F211TJ11
4F211TN22
4F211TW23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】溶着面の不整列を検出できる超音波溶着システム、そうした溶着システムを備える物品生産ライン、および溶着方法を提供する。
【解決手段】溶着システム1は、支持構造体20と、上記支持構造体上に設置されたN個の溶着装置30と、プロセッサとを備える。N個の溶着装置の各々は、各ソノトロード32に動作可能に関連付けられた制御部材36を備え、当該制御部材は、ソノトロードを、ノミナル超音波振動周波数で振動させソノトロードの振動周波数の電流値を検出するように構成されている。N個の溶着装置の各々は、各対の溶着ヘッド31の可動溶着ヘッド上に設置された振動センサ38を備える。プロセッサは、各対の溶着ヘッド31に対して、各制御部材と協働し、かつ各振動センサと協働することによって、ソノトロード溶着面32’とアンビル溶着面34’の整列状況を監視するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子材料から作られるストリップ(2)上に溶着部を作るための超音波溶着システム(1)であって、支持構造体(20)と、前記支持構造体(20)上に設置されたN個の溶着装置(30)であって、整数Nは少なくとも1に等しい、前記溶着装置と、プロセッサ(40)とを備え、
-前記N個の溶着装置(30)は各々、ソノトロード溶着面(32’)を備えるソノトロード(32)およびアンビル溶着面(34’)を備えるアンビル(34)から作られる一対の溶着ヘッド(31)を備え、
-前記N個の溶着装置(30)の各々で、各対の溶着ヘッド(31)の前記2つの溶着ヘッド(32、34)の一方の可動溶着ヘッドは、前記対(31)の他方の溶着ヘッド(32)に対して、非動作位置と溶着位置の間で可動であり、逆も同様であり、
・前記非動作位置では、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)は離間し、
・前記溶着位置では、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)は、互いと接して、前記ストリップ(2)と係合し整列状況にあり、
-前記N個の溶着装置(30)の各々は、前記各ソノトロード(32)に動作可能に関連付けられた制御部材(36)を備え、前記制御部材(36)は、前記ソノトロード(32)をノミナル超音波振動周波数で振動させ前記ソノトロード(32)の前記振動周波数の電流値を検出するように構成され、
-前記プロセッサ(40)は、各対の溶着ヘッド(31)に対して、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)の前記整列状況を監視するように構成され、
前記溶着システム(1)は、以下の特徴:
-前記プロセッサ(40)が、前記N個の溶着装置(30)の各々の前記制御部材(36)に動作可能に接続され、各対の溶着ヘッド(31)に対して、前記可動溶着ヘッドが前記溶着位置にとどまっている間、前記制御部材(36)によって検出された前記ソノトロード(32)の前記振動周波数の前記電流値が前記ノミナル超音波振動に関する各許容範囲外である場合、前記整列状況に対して不整列の存在を判定するように構成される;および
-前記N個の溶着装置(30)の各々が、前記各対の溶着ヘッド(31)の前記可動溶着ヘッド上に設置され前記プロセッサ(40)に動作可能に接続されている振動センサ(38)を備え、前記プロセッサ(40)が、前記可動溶着ヘッドの、前記非動作位置と前記溶着位置の間の移動中に前記振動センサ(38)によって検出された振動が各許容可能範囲外の値を有する場合、前記整列状況に対する不整列の存在を判定するように構成される、のうちの少なくとも1つを備える、前記超音波溶着システム。
【請求項2】
各対の溶着ヘッド(31)の前記可動溶着ヘッドが、前記アンビル(34)である、請求項1に記載の溶着システム(1)。
【請求項3】
前記振動センサ(38)が、加速度計である、先行請求項のいずれか1項に記載の溶着システム(1)。
【請求項4】
前記整列状況で、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)が、互いと平行であり、かつ/または、それらに垂直な同じ整列軸(V)に対して整列されている、先行請求項のいずれか1項に記載の溶着システム(1)。
【請求項5】
前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)が、実質的に平面である、先行請求項のいずれかに記載の溶着システム(1)。
【請求項6】
前記支持構造体(20)が、その回転軸(A)の周りを回転可能であり、前記N個の溶着装置(30)が、前記支持構造体(20)によって回転可能に移送されるように、前記支持構造体(20)上に設置された、先行請求項のいずれか1項に記載の溶着システム(1)。
【請求項7】
前記プロセッサ(40)が、前記振動センサ(38)によって検出された前記振動が、前記可動溶着ヘッドの、前記非動作位置と前記溶着位置の間の最終移動ステップ中に前記各許容範囲外の値を有する場合、前記不整列の存在を判定するように構成されており、前記最終ステップは、好ましくは、平行移動を用いて行われる、先行請求項のいずれか1項に記載の溶着システム(1)。
【請求項8】
前記N個の溶着装置(30)が各々、前記非動作位置と前記溶着位置の間の前記各可動溶着ヘッドの移動機構(33)を備える、先行請求項のいずれか1項に記載の溶着システム(1)。
【請求項9】
前記N個の溶着装置(30)の各々で、前記移動機構(33)が、前記各溶着ヘッドを、第1の回転移動にしたがってかつ第2の平行移動にしたがって移動させるように構成された、請求項8に記載の溶着システム(1)。
【請求項10】
高分子材料から作られる物品の生産ライン(50)であって、
-先行請求項のいずれか1項に記載の超音波溶着システム(1)と、
-高分子材料から作られる前記ストリップ(2)を前記溶着システム(1)に供給するようになされた供給システム(52)と、
-前記溶着システム(1)の上流かつ/または下流の少なくとも1つの切断デバイス(54)とを備える、前記生産ライン。
【請求項11】
高分子材料から作られるストリップ(2)上に溶着部を作る超音波溶着方法であって、
-ソノトロード溶着面(32’)を備えるソノトロード(32)およびアンビル溶着面(34’)を備えるアンビル(34)から作られる一対の溶着ヘッド(31)を提供することと、
-前記ストリップ(2)を、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)の間に供給することと、
-前記対の溶着ヘッド(31)の一方の可動溶着ヘッドを、前記対の溶着ヘッド(31)の他方の溶着ヘッドに対して、非動作位置と溶着位置の間で移動させ、逆も同様であることであって、
・前記非動作位置で、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)は、離間し、
・前記溶着位置で、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)は、互いと接して、前記ストリップ(2)と係合し整列状況にある、前記移動させることと、
-前記可動溶着ヘッドが前記溶着位置にあるとき、前記ソノトロード(32)をノミナル超音波振動周波数で振動させることと、
-以下のステップ:
・前記可動溶着ヘッドが前記溶着位置にあるとき、前記ソノトロード超音波振動周波数(32)の電流値を検出し、前記検出されたソノトロードの振動周波数の前記電流値が前記ノミナル超音波振動に対して各許容範囲外にある場合、前記整列状況に対して不整列の存在を判定するステップ;および
・前記非動作位置と前記溶着位置の間の前記可動溶着ヘッドの移動中、前記可動溶着ヘッドの振動を検出し、検出された前記振動が各許容範囲外の値を有する場合、前記整列状況に対する不整列の存在を判定するステップのうちの少なくとも1つによって、前記ソノトロード溶着面(32’)と前記アンビル溶着面(34’)の整列状況を確認することとを含む、前記方法。
【請求項12】
不整列の存在が判定されると、警報信号を生成することを含む、請求項11に記載の溶着方法。
【請求項13】
不整列が判定されると、前記不整列を修正するために採用される修正アクションを規定することを含む、請求項11または12に記載の溶着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、超音波溶着システム、そうした溶着システムを備える物品生産ライン、および溶着方法に関する。
【0002】
特に、発明は、高分子材料から作られるストリップ上に、その前進中に、溶着部を作る超音波溶着システムに関する。
【0003】
例えば、本発明のシステムは、ストリップが前進させられる方向に対して横方向に、特定の溶着ピッチにしたがって、連続ストリップを溶着するのに用いることができる。
【0004】
そうしたシステムは、例えば、吸収性衛生物品またはおむつの生産ラインで溶着部を作るのに、特に、パンツタイプおむつのサイドバンドの溶着部を作るのに用いることができる。
【0005】
さらなる例によれば、本発明のシステムは、チョコレートまたは菓子などの食品および菓子物品;飲料のボトルおよびカートン;固体、液体または半固体の食品を含有するパウチ;たばこ産業の物品;化粧品産業の物品;医薬品産業の物品;パーソナル&ホームケア産業の物品を作るために連続ストリップを溶着するのに用いることができる。
【0006】
例えば、本発明のシステムは、フローパックタイプ製品の包装機械において溶着部を作るのに用いることができる。
【0007】
これらのフローパックタイプ機械は、連続包装フィルムを、包装対象の一連の製品を囲む管状形状に折り畳むように構成されている。これらの包装機械では、包装フィルムは、フィルムの長手方向の縁を接合、通常は重ね合わせ、それらを一体に溶着することによって、包装対象の製品の周りで管状形状に閉じられる。このように形成された管状包装フィルム上に、複数の横方向溶着部が、1つの製品と次の製品の間に、各製品(または製品群)を他の製品から切り離すようなやり方で作られる。横方向切断部が、個々の製品パッケージを得るために、横方向溶着部において作られる。
【0008】
WO2020/165749は、それ自体の回転軸の周りを回転する部材、回転部材によって支持される、吸収性物品の連続ストリップの1つ以上の支持要素、および回転部材によって支持される連続ストリップの複数の溶着ユニットを備える、吸収性物品を溶着する回転デバイスを記載する。各溶着ユニットは、非動作位置と動作位置を切り替えるように構成されている。各溶着ユニットは、各溶着末端部、および溶着末端部に対して可動である各コントラスト要素を備える。各溶着ユニットは、コントラスト部材が溶着末端部から角度的に離れている初期位置から、溶着末端部の面とコントラスト部材の面が平行し同じ整列軸に沿って整列されている最終位置まで、溶着末端部に対するコントラスト部材の相対的回転を制御するように構成された第1の各移動手段を備える。
【0009】
出願人は、高品質の均一な溶着部を確保するには、2つの溶着ヘッドの溶着面がそれらの間に介在するストリップに溶着のために接する動作位置において、これらの溶着面が、互いと平行しかつそれらに垂直な同じ整列軸に沿って整列されている整列状況にあることが重要ということに留意した。しかしながら、溶着デバイスの特定の構成要素の不正確な設定または摩耗の問題により、整列状況に対して不整列が生じ得るという状況が存在する。これらの不整列は、質的に許容できない欠陥のある(例えば、不均一な)溶着部をもたらし得る。
【0010】
したがって、出願人は、特に、信頼性、精密性および品質の観点から、改良された溶着システムを提供する必要性を把握している。
【0011】
各々が、ソノトロードおよびアンビルから作られそれらの一方が他方に対して可動である2つの溶着ヘッドを備える溶着装置を有する超音波溶着デバイスに関して行われたいくつかの実験および研究から、出願人は、驚くべきことに、2つの溶着ヘッドの2つの溶着面の不整列という状況が、可動溶着ヘッドの、その非動作位置(2つの溶着ヘッドが互いから離間している)から溶着位置(2つの溶着ヘッドが互いと接し、溶着対象の連続ストリップと係合する)までの移動中に、その機械的振動の変動を生じさせることを発見した。出願人はまた、不整列状況は、デバイスが設定されるノミナル値と比較して、ソノトロードの溶着周波数に変動を生じさせることも発見した。
【0012】
したがって、出願人は、上述の必要性は、溶着装置の2つの溶着ヘッドの2つの溶着面の不整列が、可動溶着ヘッドの、非動作位置から溶着位置までのその移動中の機械的振動を監視することによってかつ/または溶着位置におけるソノトロードの溶着周波数を監視することによって検出される超音波溶着システムによって満たすことができることを発見した。
【0013】
したがって、本発明は、その第1の態様において、超音波溶着システムに関する。
【0014】
好ましくは、溶着システムは、高分子材料から作られるストリップ上に溶着を行うようになされている。
【0015】
好ましくは、溶着システムは、支持構造体を備える。
【0016】
好ましくは、溶着システムは、当該支持構造体上に設置されたN個の溶着装置を備え、整数Nは、少なくとも1と等しい。
【0017】
好ましくは、溶着システムは、プロセッサを備える。
【0018】
好ましくは、N個の溶着装置は各々、ソノトロード溶着面を備えるソノトロードおよびアンビル溶着面を備えるアンビルから作られる一対の溶着ヘッドを備える。
【0019】
好ましくは、N個の溶着装置の各々で、各対の溶着ヘッドの2つの溶着ヘッド間における一方の可動溶着ヘッドは、非動作位置と溶着位置の間で、対の他方の溶着ヘッドに対して可動であり、逆も同様である。
【0020】
好ましくは、非動作位置で、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面は離間している。
【0021】
好ましくは、溶着位置で、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面は、互いと接して、ストリップと係合し整列状況にある。
【0022】
好ましくは、N個の溶着装置の各々は、各ソノトロードに動作可能に関連付けられた制御部材を備え、当該制御部材は、ソノトロードをノミナル超音波振動周波数で振動させかつソノトロードの振動周波数の電流値を検出するように構成されている。
【0023】
好ましくは、プロセッサは、各対の溶着ヘッドに対して、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面の整列状況を監視するように構成されている。
【0024】
好ましくは、プロセッサは、N個の溶着装置の各々の制御部材に動作可能に接続され、各対の溶着ヘッドに対して、可動溶着ヘッドが溶着位置にとどまっている間、制御部材によって検出されるソノトロードの振動周波数の電流値が、ノミナル超音波振動に対して各許容可能範囲外にある場合、整列状況に対して不整列の存在を判定するように構成されている。
【0025】
代替としてまたは追加的に、N個の溶着装置の各々は、各対の溶着ヘッドの可動溶着ヘッド上に設置されプロセッサに動作可能に接続されている振動センサを備え、プロセッサは、可動溶着ヘッドの、非動作位置と溶着位置の間の移動中に振動センサによって検出される振動が、各許容範囲外の値を有する場合、整列状況に対して不整列の存在を判定するように構成されている。
【0026】
本発明は、第2の態様において、高分子材料から作られる物品の生産ラインに関する。
【0027】
好ましくは、ラインは、発明の第1の態様による超音波溶着システムを備える。
【0028】
好ましくは、ラインは、高分子材料から作られるストリップを当該溶着システムに送出する送出システムを備える。
【0029】
好ましくは、ラインは、溶着システムの上流にかつ/または下流に少なくとも1つの切断デバイスを含む。
【0030】
本発明は、さらなる態様において、高分子材料から作られるストリップ上に溶着部を作る超音波溶着方法に関する。
【0031】
好ましくは、ソノトロード溶着面を備えるソノトロードおよびアンビル溶着面を備えるアンビルから作られる一対の溶着ヘッドが提供される。
【0032】
好ましくは、当該ストリップを、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面の間に送出することが提供される。
【0033】
好ましくは、一対の溶着ヘッドの一方の可動溶着ヘッドを、一対の溶着ヘッドの他方の溶着ヘッドに対して非動作位置と溶着位置の間で移動させることが提供され、逆も同様である。
【0034】
好ましくは、非動作位置では、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面は、離間している。
【0035】
好ましくは、溶着位置では、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面は、互いと接して、ストリップと係合し整列状況にある。
【0036】
好ましくは、可動溶着ヘッドが溶着位置にあるとき、ソノトロードをノミナル超音波振動周波数で振動させることが提供される。
【0037】
好ましくは、以下のステップの少なくとも1つによってソノトロード溶着面とアンビル溶着面の整列状況を確認することが提供される。
・可動溶着ヘッドが溶着位置にあるときソノトロード超音波振動周波数の電流値を検出し、検出されたソノトロード振動周波数の電流値が、ノミナル超音波振動に対して各許容範囲外にある場合、整列状況に対して不整列の存在を判定するステップ、および
・可動溶着ヘッドの非動作位置と溶着位置の間での移動中、可動溶着ヘッドの振動を検出し、検出された振動が、各許容範囲外の値を有する場合、整列状況に対して不整列の存在を判定するステップ。
【0038】
本発明は、有利には、可動溶着ヘッドの機械振動をその非動作位置から溶着位置までの移動中に監視することによって、かつ/または、可動溶着ヘッドが溶着位置にあるときソノトロードの溶着周波数を監視することによって、超音波溶着システムの2つの溶着ヘッドの2つの溶着面の不整列の検出を可能とする。
【0039】
移動溶着ヘッドの機械振動は、市場において低コストで容易に利用可能である、加速度計などの振動センサで監視することができるということ、そして、ソノトロードの溶着周波数は、ソノトロードの振動をノミナル超音波振動周波数へと調節するため、いずれにしても超音波溶着デバイスに既に通常存在するソノトロード制御ユニットを利用して監視することができることを鑑みると、発明は、有利に、簡単で費用効率高く、不整列の検出を行うことを可能とする。
【0040】
出願人はさらに、発明が有利に、不整列の存在および潜在的な欠陥のある溶着部を迅速に報告することができるかつ/または検出された不整列を修正し欠陥のある溶着部の生産を停止するために溶着システムに対して即時のアクションをとることができるように、溶着欠陥を生じさせ得る任意の不整列に関するリアルタイムな情報を可能とすることができることに留意する。
【0041】
加えて、出願人は、溶着欠陥-目に見えない-は、機械視覚技術(すなわち、画像処理技術)を用いて直接検出可能というわけではないことに留意する。これらの欠陥は、検出されるには、生産ライン外の実験室で行われる先進的かつコストのかかる検査デバイスまたはチェックを必要とするものであり、それらは通常、溶着部が不具合がでるまで耐えることが可能な最大張力を、従来の張力テストを用いて機械的に測定することによって、溶着部の強度をテストするようにサンプル製品に対して行われる。
【0042】
そうした解決策と比べて、発明は、有利に、先進的かつ高価な検査デバイスの使用を必要とせずかつサンプル製品に対する従来の張力テストを用いての物品への機械的かつ手動の干渉を必要とせず、非可視の溶着欠陥のオンラインでの自動化された検出を可能とする。
【0043】
全体として、このことは、超音波溶着システムを、特に信頼性、精密さ、および品質の観点から改良するという上記目的を達成する。
【0044】
「ストリップ」は、生産中の物品を形成するための単一の連続するもしくは別個のストリップ状要素の、または、生産ライン内の関連生産プロセスの任意の段階における半完成ストリップ状物品のいずれかの形状の原材料を示すのに用いられる。物品は、吸収性衛生物品、食品のための容器または包装、たばこ産業、化粧品産業または医薬品産業の物品であり得、高分子材料から作られる1つ以上のストリップ状要素を備え得る。
【0045】
溶着面を指す「実質的に平坦」という用語は、完全に平坦な面、または、溶着対象領域の材料厚さの差異を補償するための少なくとも1つのステップ/レベル差を有するほぼ平坦な面、または、溶着対象のストリップの材料厚さの差異を補償するため互いから独立して適合し得る互いから離れたいくつかの平坦な面によって画定される面のいずれかを示すのに用いられる。
【0046】
「高分子材料」は、天然または合成高分子から作られる材料を指す。
【0047】
「半径の」および「半径方向に」という用語は、溶着システムの回転構造体の回転軸と交差しその回転軸に垂直な面に含まれる方向に配置される/測定されるまたは延在する参照/測定/サイズを示すのに用いられる。
【0048】
本発明は、上記で論じた態様において、以下に記載される好ましい特徴の少なくとも1つを有し得る。これらの特性は、したがって、それ以外のことが明記されない限り、個別にまたは互いと組み合わされて存在し得る。
【0049】
高分子材料は、綿、セルロース、および派生物などの天然高分子材料、または、例えばポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ乳酸)、ポリアミド、アクリル、ポリエーテル、および例として挙げられた材料のうちの2つ以上のコポリマーなどの合成高分子材料であり得る。
【0050】
好ましくは、各対の溶着ヘッドの可動溶着ヘッドは、アンビルである。代替実施形態では、各対の溶着ヘッドの可動溶着ヘッドは、ソノトロードである。
【0051】
好ましい実施形態では、振動センサは、加速度計である。
【0052】
好ましくは、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面は、実質的に平坦である。
【0053】
整列状況は、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面が互いに平行しかつ/またはそれらに垂直な同じ整列軸に対して整列されている状況として規定される。不整列は、ソノトロード溶着面とアンビル溶着面が互いに平行ではなくかつ/またはそれらに垂直な同じ整列軸に対して整列されていないとき生じる。
【0054】
一実施形態では、支持構造体は、それ自体の回転軸周りを回転している。好ましくは、N個の溶着装置は、当該回転支持構造体上に、それらが当該支持構造体によって回転しながら移送されるように設置される。
【0055】
一実施形態では、プロセッサは、非動作位置と溶着位置の間での可動溶着ヘッドの移動最終ステップ中に、振動センサによって検出された振動が、各許容範囲外の値を有する場合、当該不整列の存在を判定するように構成されている。
【0056】
好ましくは、この最終ステップでは、可動溶着ヘッドの溶着面は、一対の溶着ヘッドの他方の溶着ヘッドの溶着面と接する(ストリップは、2つの面の間に介在する状態で)。
【0057】
好ましくは、当該最終ステップは、平行移動を用いて行われる。
【0058】
好ましくは、N個の溶着装置は各々、各可動溶着ヘッドを非動作位置と溶着位置の間で移動させる機構を含む。
【0059】
実施形態では、N個の溶着装置の各々で、移動機構は、各溶着ヘッドを、第1の回転移動にしたがってかつ第2の平行移動にしたがって移動させるように構成されている。第1の移動は、好ましくは、可動溶着ヘッドの、非動作位置と溶着位置の間での第1の移動ステップを行うようになされている。第2の移動は、好ましくは、可動溶着ヘッドの、非動作位置と溶着位置の間での最終移動ステップを行うようになされている。
【0060】
実施形態では、移動機構は、非動作位置に対応する開構成と、溶着位置に対応する閉構成の間で可動である把持機構を備える。
【0061】
実施形態では、N個の溶着装置は、支持構造体から径方向に突出する。
【0062】
N>1のとき、N個の溶着装置は、好ましくは、回転軸の周りで角度方向に離間し、好ましくは、それらは、互いから等間隔に離間する。
【0063】
好ましくは、N個の溶着装置は、当該支持構造体が当該回転軸周りを回転中、閉ループ軌跡を周期的にたどる。
【0064】
好ましくは、当該閉軌跡は、ストリップの前進軌跡を少なくとも部分的に画定する。
【0065】
N個の溶着装置は、例えば閉軌跡の延長部を変化させるように、回転軸に対して、回転軸に向かってかつそれから離れるように、径方向に可動であり得る。
【0066】
実施形態では、N>1のとき、デバイスは、N個の溶着装置の間に介在する連続ストリップの複数の支持要素を備える。
【0067】
好ましい実施形態では、各対の溶着ヘッドでは、ソノトロードは、アンビルに対して径方向内側位置にある。
【0068】
好ましい実施形態では、各対の溶着ヘッドでは、ソノトロードは、支持構造体に対して径方向内方を向いており、アンビルは、支持構造体に対して径方向外方を向いている。
【0069】
生産ラインは好ましくは、生産ラインに沿って処理中の物品にそれぞれの生産動作を行うように構成された生産デバイスを備える。
【0070】
好ましくは、生産ラインは、生産ラインに沿って処理中の物品を支持かつ移動させるようになされた移送部材を備える。
【0071】
好ましくは、移送部材は、処理中の物品を、移送部材の支持面上の適切な位置に保持するように構成された保持デバイスと関連付けられる。
【0072】
好ましくは、不整列と判定されると、警報信号が生成されるだろう。
【0073】
好ましくは、不整列の存在が判定されると、不整列を修正するためにとられる修正アクションが規定される。
【0074】
本説明のさらなる特徴および利点は、示唆的かつ非限定的な例として提供される添付図面を参照して、その好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】本発明の実施形態による超音波溶着システムの概略図である。
【
図2】可動溶着ヘッドが非動作位置にある、
図1の溶着システムの一対の溶着ヘッドのソノトロード溶着面およびアンビル溶着面の概略図である。
【
図3】可動溶着ヘッドが溶着位置にある、
図1の溶着システムの一対の溶着ヘッドのソノトロード溶着面およびアンビル溶着面の概略図である。
【
図4】
図1の超音波溶着システムの実施形態の例の正面概略図である。
【
図5】
図4の溶着システムによって溶着することができる吸収性衛生物品の連続ストリップ2の概略平面図である。
【
図6】発明の実施形態による物品を生産するラインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1は、高分子材料から作られるストリップ2上に溶着を行うようになされた、本発明の実施形態による超音波溶着システム1を概略的に示す。
【0077】
システム1は、支持構造体20と、プロセッサ40と、当該支持構造体20上に設置されたN個の溶着装置30であって、Nは少なくとも1に等しい整数である溶着装置30とを備える。例示を簡潔にするために、N=1である状況を
図1に示す。
【0078】
N個の溶着装置30は各々、ソノトロード溶着面32’を備えるソノトロード32およびアンビル溶着面34’を備えるアンビル34から作られる一対の溶着ヘッド31を備える。
【0079】
示された実施形態では、ソノトロード32は、平坦なソノトロード溶着面32’を有し、アンビル34は、平坦なアンビル溶着面34’を有し、それらの両方は、溶着対象のストリップ2と係合する。
【0080】
ソノトロード溶着面32’は、好ましくは、溶着対象の領域においてストリップ2上に刻まれる特有の溶着パターンを有する。
【0081】
示された実施形態では、アンビル34は、非動作位置と溶着位置の間をソノトロード32に対して可動であり、逆も同様である可動溶着ヘッドを画定する。
【0082】
図2に概略的に示すように、非動作位置では、平坦なソノトロード溶着面32’と平坦なアンビル溶着面34’は、溶着対象のストリップ2の両側に互いと対向して配置される。
【0083】
図3に概略的に示すように、溶着位置では、平坦なソノトロード溶着面32’と平坦なアンビル溶着面34’は、互いと接して、ストリップ2と係合し整列状況にある。
【0084】
整列状況では、平坦なソノトロード溶着面32’と平坦なアンビル溶着面34’は、互いと平行し、それらに垂直な共通の整列軸Vに対して整列されている。特に、示された実施形態では、整列軸Vは、2つの面32’、34’の中心線と一致する。
【0085】
N個の溶着装置30の各々は、非動作位置と溶着位置の間でのアンビル34の移動機構33(
図1に概略的にのみ図示される)を備え、逆も同様である。
【0086】
例えば、移動機構33は、整列軸Vに平行な方向に沿う平行移動にしたがって、または第1の回転移動にしたがってかつ第2の平行移動にしたがって、または把持機構を用いる回転移動にしたがって、アンビル34を移動させるように構成され得る。
【0087】
回転移動の存在下、非動作位置で、平坦なソノトロード溶着面32’と平坦なアンビル溶着面34’は、離間していることに加えて、傾斜し得る(図示されていない状況)。
【0088】
平行移動の存在下、非動作位置で、平坦なソノトロード溶着面32’と平坦なアンビル溶着面34’は、離間するだけでなく、互いと平行でもある(
図2~3に示された状況)。
【0089】
N個の溶着装置30の各々は、各ソノトロード32に動作可能に関連付けられた制御部材36を備える。
【0090】
制御部材36は、アンビル34が溶着位置にあるときソノトロード32をノミナル超音波振動周波数で振動させて、ストリップ2上の溶着部がアンビル34とソノトロード32の間で押されるようにするよう構成されている。
【0091】
ノミナル超音波振動周波数は、10~50kHz、好ましくは25~35KHzから構成され得る。
【0092】
制御部材36はまた、ノミナル超音波振動周波数からのずれを検出できるように、ソノトロード32の振動周波数の電流値を監視する。
【0093】
制御部材36は、ソノトロードおよびアンビルを備える超音波溶着デバイスで便利に用いられるタイプのものである。
【0094】
発明によれば、N個の溶着装置の各々はまた、アンビル34上に設置された振動センサ38を備える。
【0095】
振動センサ38は、例えば、加速度計である。
【0096】
加速度計は、一軸、二軸、または三軸であり得る。
【0097】
例えば、振動センサ38は、当技術分野で知られるタイプの低インピーダンス加速度計である。
【0098】
プロセッサ40は、振動センサ38および制御部材36に動作可能に接続されて、各対の溶着ヘッド31に対して、ソノトロード溶着面32’とアンビル溶着面34’の整列状況を監視する。
【0099】
特に、プロセッサ40は、各対の溶着ヘッド31に対して、以下の場合、整列状況に対して不整列の存在を検出するように構成されている。
-アンビル34が溶着位置にある間、制御部材36によって検出されたソノトロード32の振動周波数の電流値が、ノミナル超音波振動周波数に対して各許容範囲外にある、かつ/または、
-アンビル34の、非動作位置と溶着位置の間の移動中に振動センサ38によって検出された振動が、各許容範囲外の値を有する。
【0100】
不整列の存在(すなわち、ソノトロード溶着面32’とアンビル溶着面34’の非平行および/または整列軸Vに対する非整列)が、ソノトロード32のノミナル超音波振動周波数分の10分のいくつかほどの振動を生成するということを、出願人によって実行された実験および研究が示した。振動周波数の変動は、ノミナル振動周波数の少なくとも10分の2である。
【0101】
さらに、そうした不整列の存在は、アンビル34の、非動作位置から溶着位置までの移動中、所定の基準値に対して10分のいくつかほどのアンビル34の振動の変動を引き起こす。振動周波数の変動は、所定の基準値の少なくとも10分の2である。この基準値は、整列状況におけるアンビル34の(または全体としての可動ヘッドの)ノミナル振動値を表す。
【0102】
特に、不整列の場合、アンビル34の異常振動(ノミナル振動値に対して)は、非動作位置から、アンビル溶着面34’がソノトロード溶着面32’と接する溶着位置までのその移動の最終部分で検出することができることが分かった。
【0103】
不整列の存在が検出されると、プロセッサ40は、以下のアクション:警報信号の生成;欠陥のある溶着部が作られている可能性があるとの警告信号の生成;溶着システム1の自動的な停止;不整列を修正するのに行われる修正アクションの、適切なアルゴリズムを用いての規定;行われる修正アクションの信号送信;オペレータに修正アクションを実行するように案内する一連の段階的指示の表示(例えば、示されていないがディスプレイを用いて)のうちの少なくとも1つを行うように構成されている。
【0104】
物品生産ライン内で、プロセッサ40はまた、現在生産中の物品を破棄するかつ/または生産ライン1を自動的に停止する必要性に関する警告信号を生成することもできる。
【0105】
ストリップ2は、連続的なまたは個別のストリップ状の要素であり得る。さらに、ストリップ2は、生産ライン内の関連生産プロセスの任意の段階で、高分子材料物品または半製品高分子材料物品を形成するための単一の開始要素(原料)であり得る。物品は、吸収性衛生物品または食品用の容器もしくは包装物などの高分子材料から作られる他のタイプの物品であり得る。
【0106】
例えば、フローパックタイプ包装機械において、ストリップ2は、複数の横方向溶着部が1つの製品と次の製品の間に、各製品(または製品群)を他の製品から切り離すために作られる、包装対象の一連の製品を囲む管状包装フィルムを備え得る。
【0107】
図5に示す例では、溶着対象のストリップ2は、吸収性衛生物品の連続ストリップ、特に、パンツタイプおむつ、いわゆる「トレーニングパンツ」の連続ストリップ2である。
【0108】
連続ストリップ2は、吸収パッドの中心線で折り畳まれた一連の吸収性物品3として提示される。
【0109】
連続ストリップ2は、一般的な長手方向のL字状延長部を有する。
【0110】
この場合、溶着システム1は、吸収性衛生物品の連続ストリップ2を、長手方向延長方向「L」に対して横方向「T」に溶着するように構成されている。
【0111】
特に、
図5を参照すると、溶着システム1は、それぞれの溶着領域4において連続ストリップ2の横方向「T」に複数の溶着部を作るために用いることができ、溶着領域は各々、それぞれの吸収性物品3の重なる弾性バンドの横方向溶着部を画定することが意図されている。
【0112】
これらの溶着領域4は、エンドユーザの臀部において吸収性物品3の弾性バンドを密閉することが必要とされる。
【0113】
例示されていない他の実施形態では、ストリップ2は、一体に溶着されなければならない吸収性衛生物品の基本要素から構成され得る。そうした基本要素は、吸収性衛生物品の内面および外面をそれぞれ画定することが意図される、透過性材料の第1のシートと、不透過性材料の第2のシートと、第1のシートと第2のシートの間に介在する吸収性パッドから構成される第3の要素とを備え得る。代替としてまたは追加として、ストリップ2は、吸収性衛生物品の形成のための追加要素を備え得、それらは、数および形状にばらつきがあり得、好ましくは、前方かつ/または後方フラップ、取得および分配層または強化層または、第1のシートと第2のシートの間で吸収性衛生物品に通常提供される他の個別要素を備える。
【0114】
図4は、連続ストリップ2用の溶着システム1を例として記述し、支持構造体20は、それ自体の回転軸Aの周りを回転しており、N個の溶着装置30(N=10)は、当該支持構造体20上に、それによって回転可能に移送されるように設置される。
【0115】
例示を簡潔にするために、プロセッサ40の存在は、概略的に示される。
【0116】
N個の溶着装置30は、支持構造体20の回転軸Aに対して互いから角度的に等しく離間する。
【0117】
回転軸A周りのN個の溶着装置30の周囲配置ピッチは、ストリップ2上に作られる予定の溶着部のピッチに対応する。例えば、
図5の例では、回転軸A周りのN個の溶着装置30の周囲配置ピッチは、吸収性物品3の連続ストリップの溶着領域4のピッチに対応する。
【0118】
N個の溶着装置30の各々では、ソノトロード溶着面32’は、連続ストリップ2の各部に対する接触支持面を画定する。
【0119】
N個の溶着装置30の各々では、ソノトロード32は、支持構造体20に対して径方向内方に配置され、アンビル34は、支持構造体20に対して径方向外方に配置される。
【0120】
N個の溶着装置30の各々では、各アンビル34の非動作位置において、アンビル溶着面34’は、ソノトロード溶着面32’から相対的に遠く離間して配置され、ソノトロード溶着面32’は、連続ストリップ2の関係する部分を引き寄せて回転させることによってそれと接する。
【0121】
N個の溶着装置30の各々では、各アンビル34の溶着位置において、アンビル溶着面34’とソノトロード溶着面32’は、それらの間に介在する連続ストリップ2の各部と接して、溶着部を作る。
【0122】
図4の実施形態では、溶着システム1はまた、連続ストリップ2を支持する複数の要素9を備える。
【0123】
連続ストリップ2を支持する要素9は、支持構造体20によって支持され、したがって、回転軸Aの周りを回転する。
【0124】
N個の溶着装置30および支持要素9は、互いから角度的に離間して配置される。
【0125】
言い換えると、各溶着装置30は、各対の支持要素9の間に介在する。
【0126】
各支持要素9は、連続ストリップ2の保持面12を有する。
【0127】
各支持要素9の保持面12は、好ましくは曲面である。
【0128】
代替として、各支持要素9の保持面12は、平面であり得る。
【0129】
好ましくは、支持要素9は、連続ストリップ2を吸引によって保持するように構成されている。かくして、保持面12は、吸引用の穴のパターン(図示せず)を有し得る。
【0130】
溶着システム1は、溶着対象の連続ストリップ2の供給ステーション10および溶着された連続ストリップ2の排出ステーション11を備える。
【0131】
連続ストリップ2は、自体の軸13aの周りを回転しているローラ13、好ましくは吸引タイプのローラを用いて供給ステーション10を通して供給され、それによって、溶着対象の連続ストリップ2は、支持要素9の保持面12の周りで滑ることなく包装される。
【0132】
溶着された連続ストリップ2は、自体の軸14aの周りを回転しているローラ14、好ましくは吸引タイプのローラにより排出ステーション11を通して供給される。
【0133】
ローラ13の回転軸13aおよびローラ14の回転軸14aは平行する。支持構造体20の回転軸Aは、回転軸13a、14aと平行する。
【0134】
図6に概略的に示すように、溶着システム1は、高分子材料から作られる物品の生産ライン50内で用いられて、高分子材料から作られる連続ストリップ2上に溶着を行い得る。
【0135】
超音波溶着システム1に加えて、生産ライン50は、連続ストリップ2を溶着システム1に供給するための供給システム52および溶着システム1の下流における少なくとも1つの切断デバイス54を備え得る。
【0136】
例として、
図6は、溶着システム1の下流における単一の切断デバイス54を示し、この切断デバイス54は、連続ストリップ2を溶着後に切断し、例えば、連続ストリップ2上に切断部または脆弱ラインを作るように構成され、それにより、生産プロセスにより処理中の接合された物品が、順次、切り離されまたは個々の物品に容易に切り離し可能となされ得る。
【0137】
例えば、
図5の連続ストリップ2の場合、切断デバイス54は、連続ストリップ2の各溶着された領域4で、特に各々の中心線で作用することによって、各吸収品物3を他の品物から切り離すようになされている。
【0138】
溶着システム1の上流で、生産ライン50はまた、出発物質または個別のストリップ状要素を、ストリップ2を形成するようになされた生産デバイス(図示せず)に供給するようになされた供給デバイス(図示せず)を含み得る。
【0139】
代替としてまたは追加的に、生産ライン50は、個別の要素の生産のためまたは個別の要素の形成のため当該出発物質を切断するように構成された、溶着システム1の上流における少なくとも1つの切断デバイス(図示せず)を備え得る。
【0140】
以下では、溶着システム1がN個の溶着装置30のうちの1つにおいてストリップ2上にどのように溶着部を作るかを記載する。
【0141】
まず、アンビル34(可動溶着ヘッドを表す例示された実施形態において)は、非動作位置に、すなわちソノトロード32から離間して配置される。
【0142】
ストリップ2は、ソノトロード溶着面32’の上に配置される。
【0143】
アンビル34は次いで、溶着位置に移動され、そこで、アンビル溶着面34’は、溶着対象のストリップ2をソノトロード溶着面32’に押し付ける。
【0144】
アンビル34の、非動作位置と溶着位置の間を移動中、アンビル34の振動が検出される。
【0145】
アンビル34が溶着位置にあるとき、ソノトロード32はノミナル超音波振動周波数で振動され、ソノトロードの超音波振動周波数の電流値が監視される。
【0146】
ソノトロード溶着面32’とアンビル溶着面34’の整列状況が監視され、上記で詳細を説明したように、以下の2つの状況のうちの少なくとも1つが生じた場合、不整列が検出される。
-ソノトロード32の振動周波数の電流値が、ノミナル超音波振動に関する各許容可能範囲外にある。
-アンビル34’のその非動作位置と溶着位置の間の移動中の測定された振動が、各許容可能範囲外の値を有する。
【外国語明細書】