(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059591
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】振動及び3Dプリンティングを用いたラビリンスシーリング装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
F01D 11/02 20060101AFI20240423BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20240423BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20240423BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20240423BHJP
F16J 15/447 20060101ALI20240423BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240423BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240423BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20240423BHJP
B22F 12/13 20210101ALI20240423BHJP
B22F 12/60 20210101ALI20240423BHJP
B23P 15/00 20060101ALI20240423BHJP
B23P 23/04 20060101ALI20240423BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20240423BHJP
B23K 26/21 20140101ALN20240423BHJP
【FI】
F01D11/02
F01D25/00 X
F02C7/00 D
F02C7/28 B
F16J15/447
B33Y10/00
B33Y80/00
B22F10/25
B22F12/13
B22F12/60
B23P15/00 Z
B23P23/04
B23K26/34
B23K26/21 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178547
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0133895
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520054415
【氏名又は名称】ターボ パワーテク カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヒョン キ
(72)【発明者】
【氏名】チョン,テク ホ
【テーマコード(参考)】
3G202
3J042
4E168
4K018
【Fターム(参考)】
3G202KK06
3G202KK17
3G202KK25
3J042AA04
3J042CA05
3J042CA10
3J042DA02
4E168BA35
4E168BA81
4E168JB04
4K018AA09
4K018BA04
4K018CA05
4K018CA44
4K018EA51
4K018KA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組織の微細化と共に融着不良の減少及び接合力の向上を期待できるタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ラビリンスシーリング装置300の製造方法は、タービンのダイヤフラムとタービンローターとの間に装着されるラビリンスシーリング装置300を製造する方法である。ラビリンスシーリング装置300は、リング状の胴体310と、リング状の胴体310の一面に突出するラビリンス部320とを含む。リング状の胴体310は遠心鋳造又はリングミルで製造し、ラビリンス部320は、3Dプリンティングによって製造することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンのダイヤフラム200とタービンローター100との間に装着されるラビリンスシーリング装置300の製造方法であって、
前記ラビリンスシーリング装置300は、リング状の胴体310と、前記胴体310の一面に突出するラビリンス部320とを含み、前記胴体310は遠心鋳造又はリングミルで製造し、前記ラビリンス部320は、3Dプリンティングによって製造することを特徴とする、ラビリンスシーリング装置の製造方法。
【請求項2】
前記胴体310と前記ラビリンス部320は、レーザクラッディングを通した積層時に、前記胴体310又は積層粉末に超音波振動を加えて積層することを特徴とする、請求項1に記載のラビリンスシーリング装置の製造方法。
【請求項3】
前記超音波振動の周波数は、2KHz~100MHzの間であることを特徴とする、請求項2に記載のラビリンスシーリング装置の製造方法。
【請求項4】
前記胴体310と前記ラビリンス部320は、レーザクラッディングを通した積層時に、前記胴体310又は積層粉末に遠赤外線を加えることができることを特徴とする、請求項3に記載のラビリンスシーリング装置の製造方法。
【請求項5】
前記遠赤外線の波長は、10~1000μmの間であり、母材である前記胴体310の温度を25~900℃内に保持しながらレーザクラッディングを通した積層を行うことを特徴とする、請求項4に記載のラビリンスシーリング装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法に関し、より詳細には、タービンのダイヤフラムとタービンローターとの間に装着されるラビリンスシーリング装置を製造することにおいて、胴体は、リングミル又は遠心鋳造で製造し、突出部であるラビリンス部は、3Dプリンティングを用いて積層時に超音波振動によって胴体にラビリンス部を積層して製造することを特徴とする振動及び3Dプリンティングを用いたラビリンスシーリング装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タービンは、流体の流れからエネルギーを抽出して運動エネルギーに切り替える回転式機械装置である。水蒸気を使用する蒸気タービン(steam turbine)、可燃性ガスを使用するガスタービン(gas turbine)などの作動原理、構造に応じて様々な種類がある。
【0003】
一般に、発電用タービンを用いて電力を生産することにおいて、ボイラから生成された高温高圧の蒸気がタービンストップ弁(stop valve)及びコントロール弁(control valve)を経由してタービンケーシング内に流入され、ケーシング内に流入した蒸気は、ダイヤフラム(diaphragm)を経てタービンローターに組み立てられた回転翼(Moving Blade)を回転させることで、タービンローターによって発電機が回転しながら電力が取得される。
【0004】
ここで、ダイヤフラムは、流入した蒸気又はガスが最適な蒸気方向を有する蒸気の流れ(Steam Flow)になるように誘導し、タービンローター(Turbine Rotor)に組み立てられた回転翼を回転させる役割を果たす。
【0005】
このようなタービンでタービンローターのような回転体及びタービンローターを外部で取り囲んでいるダイヤフラムのような固定体間のシーリング部で発生する蒸気の漏れはタービンの効率を低下させ、燃料コストを増加させるという主な要因であるため、蒸気の漏れを減らすためのシーリング装置の設計技術は極めて重要である。
【0006】
ここで、蒸気又はガスタービンのような高温及び高圧タービンに使用されるステンレス素材のシーリング装置は、蒸気やガスの漏れを防止して発電機のエネルギー生産効率を上昇させ、流体による回転体の振動防止に重要な役割を果たす。
【0007】
ここで、タービンローターのような回転体がダイヤフラムのような固定体内で回転するとき、相互間の摩擦を最小化してタービンローターの回転を円滑に誘導しながらもガスの漏れを防止するために、非接触式シーリング装置をタービンローターとダイヤフラムとの間に装着して使用している。
【0008】
代表的な非接触式シーリング装置として、ラビリンスシーリング装置が挙げられる。
【0009】
ラビリンスシーリング装置は、リング状の胴体と前記胴体の一面に突出したトゥース(Tooth)が形成されているもので、ラビリンスとタービンローターとの間に渦流を形成させることにより気密が保持されると同時に、複雑に突出している形態のトゥースとタービンローターとの間に接触されないことから、タービンローターの回転も容易にするものである。
【0010】
ラビリンスシーリング装置の従来技術について、本出願が2014年04月08日付で出願し、第10-1442739号(登録日付2014年09月15日)に登録された韓国の登録特許公報において、タービンのケーシングとケーシングの内側で回転する回転体との間に漏れる流体の流れを密封するよう前記ケーシングに備えられたシーリング部と、前記シーリング部に備えられ、前記回転体の外周を取り囲むように配置されている複数のブリストルを含むブラシ部と、前記回転体の外周に沿って流動される前記流体の流れを遮断するように前記ブラシ部の前方側に予め設定されている間隔に離隔配置されるショック防止部と、前記ブラシ部の後方側を支持するように備えられ、前記流体の流入方向から流出方向に行くほど前記ケーシング側に上向き傾斜するように備えられた複数のガイドホールが貫通形成されるブリストルプレートを含み、前記ショック防止部は、前記ブラシ部に対向する後方面に沿って上向きの流体が絞られるよう後方側に突設された複数の絞り突起と、前記ショック防止部の上下方向に多段配置された前記各絞り突起との間を連結する絞り溝部を含み、前記各ガイドホールは、前記ブリストルプレートの上下方向及び円周方向に沿って配置され、前記ブリストルプレートの最上部側に形成された前記ガイドホールの流体流入口は、前記ショック防止部の最上部側に形成された前記絞り突起の配置の高さ以上の高さに配置されることを特徴とするブラシシーリング装置が登録公開されている。
【0011】
更なる従来技術として、本出願人が2014年05月29日付で出願して第10-1449473号(登録日付2014年10月02日)に登録された韓国登録特許公報において、タービンのケーシングと前記ケーシングの内側で回転する回転体との間で流出される流体の流れをシーリングするように、前記ケーシングの内周に備えられたシーリング部に備えられるタービン用ブラシシーリング装置であって、前記回転体の外周に沿って流動される前記流体の一部をシーリングするように、前記シーリング部の下側に延びるショック防止部と、前記ショック防止部の後面に配置される深部材と、前記深部材の後面によって前方面が加圧されるように配置され、前記回転体の外周を取り囲むように配置された複数のブリストルを含むブラシ部と、前記ブラシ部の後方側を支持するように備えられるブリストルプレートと、前記ショック防止部に結合され、前記深部材を加圧する加圧調整手段を含み、前記深部材は、前記加圧調整手段によって加圧される高硬度の金属材質で備えられた加圧層と、前記加圧層によって加圧されて前記ブラシ部と接触する低硬度の金属材質で備えられた弾性層を含むことを特徴とするタービン用ブラシシーリング装置が登録公開されている。
【0012】
しかし、従来におけるラビリンスシーリング装置は、遠心鋳造又はリングミルによってリング状の胴体を形成した後、ラビリンスのトゥースを加工ツールで削って作る過程において、素材の無駄使いが発生することで生産原価が高まるという短所があり、また、トゥースの形態を製造することが容易ではなく、製造期間が長くなるというなど、生産性が良くないという短所があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-0876603号(登録日2008年12月23日)
【特許文献2】韓国登録特許公報第10-1442739号(登録日2014年09月15日)
【特許文献3】韓国登録特許公報第10-1449473号(登録日2014年10月02日)
【特許文献4】韓国登録特許公報第10-1546385号(登録日2015年08月17日)
【特許文献5】韓国登録特許公報第10-1950924号(登録日2019年02月15日)
【特許文献6】韓国登録特許公報第10-2293186号(登録日2021年08月18日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した問題を解決するために案出されたもので、リング状の胴体を製造した後、前記リング状の胴体に突出するラビリンス部は3Dプリンティングにより製造することで、素材及び加工コストを削減して生産性を向上させることができ、また、胴体にラビリンス部の積層時に振動及び遠赤外線加熱を介して接合することで、組織の微細化と共に融着不良の減少及び接合力の向上を期待できるタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法は、タービンローターのような回転体がダイヤフラムのような固定体内で回転するとき、相互間の摩擦を最小化してタービンローターの回転を円滑に誘導しながらもガスの漏れを防止するために、タービンのダイヤフラムとタービンローターとの間に装着されているラビリンスシーリング装置の製造方法において、前記ラビリンスシーリング装置は、リング状の胴体と、前記リング状の胴体の一面に突出するラビリンス部で形成され、前記リング状の胴体は、遠心鋳造又はリングミルで製造し、前記ラビリンス部は3Dプリンティングによって製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上述したように本発明における3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法は、遠心鋳造又はリングミルによってリング状の胴体を製造した後、前記リング状の胴体に突出するラビリンス部(又は、トゥース)は3Dプリンティングで製造することによって、素材及び加工コストを削減して生産性を向上させることができ、また、ラビリンス部を3Dプリンティングで製造するために使用環境に応じてラビリンス部の形態を様々に製造できるなどの著しい効果があり、特に、胴体にラビリンス部を積層するとき振動及び遠赤外線加熱を介して積層することで、組織の微細化と共に融着不良の減少と接合力の向上などの著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】タービンにシーリング装置が装着された状態を示す断面図である。
【
図3】本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法によるラビリンスシーリング装置の断面概要図である。
【
図4】本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法によるラビリンスシーリング装置がタービンに装着された状態を示す一部分の拡大詳細断面図である。
【
図5】本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法の更なる実施に係るラビリンスシーリング装置の断面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法は、タービンローター100のような回転体がダイヤフラム200のような固定体内で回転するとき、相互間の摩擦を最小化してタービンローター100の回転を円滑に誘導しながらもガスの漏れを防止するために、タービンのダイヤフラム200とタービンローター100との間に装着されるラビリンスシーリング装置の製造方法において、前記ラビリンスシーリング装置300は、リング状の胴体310と、前記リング状の胴体310の一面に突出するラビリンス部320からなり、前記リング状の胴体310は遠心鋳造又はリングミルで製造し、前記ラビリンス部320は、3Dプリンティングによって製造することを特徴とする。
【0019】
前記リング状の胴体310及びラビリンス部320は、レーザクラッディングを通した積層時にリング状の胴体310又は積層粉末に超音波振動を加えて積層することを特徴とする。
【0020】
そして、前記超音波振動は、2KHz~100MHzの間にすることを特徴とする。
【0021】
また、前記リング状の胴体310及びラビリンス部320は、レーザクラッディングを通した積層時にリング状の胴体310又は積層粉末に遠赤外線を加えることができることを特徴とする。
【0022】
また、前記遠赤外線の波長は、10~1000μmの間で行って母材であるリング状の胴体310の温度を25~900℃内に保持しながらレーザクラッディングを通した積層を行うことを特徴とする。
【0023】
以下、本発明の3Dプリンティングを用いたラビリンスシーリング装置の製造方法を添付した図面を参照して詳細に説明すれば、次の通りである。
【0024】
図1は、タービンにシーリング装置が装着された状態を示す断面図であり
図2は、
図1に示す一部分の拡大詳細概要図である。
【0025】
図1~
図2に示すように、従来におけるラビリンス型シーリング装置5は、ケーシングに装着されているダイアフラム3の外部リングと内部リングに設けられている。ここで、前記ラビリンス型シーリング装置5は、タービンの非接触式の環状密封装置で幅広く使われており、鋭いトゥース6でタービン内で流れる流体に絞り作用(Throttling Process)を発生させて漏れ流量を低減させる。即ち、前記トゥース6を流体の流れ方向に沿って順に配列し、前記流体が絞りと拡大を繰り返す過程で発生する圧力降下の効果を介して前記流体の漏れ流量を低減させる。
【0026】
より詳細内容については、従来技術に記述されている本出願が2014年04月08日付で出願し、第10-1442739号(登録日2014年09月15日)で登録された韓国登録特許公報を参照する。
【0027】
しかし、従来におけるトゥース6が形成されているラビリンス形態のシーリング装置は、遠心鋳造によってリング状の胴体を形成した後、ラビリンスを切削ツールで削って作る過程で素材の無駄遣いが激しく、また、ラビリンスの形態を製造することが容易ではなく製造期間が長くなるなど、生産性が良くないという短所があった。
【0028】
図3は、本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法によるラビリンスシーリング装置の断面概要図、
図4は、本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法によるラビリンスシーリング装置がタービンに装着された状態を示す一部分の拡大詳細断面図である。
【0029】
図3~
図4に示すように、本発明のラビリンスシーリング装置300は、タービンローター100のような回転体がダイヤフラム200のような固定体内で回転するとき、相互間の摩擦を最小化してタービンローター100の回転を円滑に誘導しながらもガスの漏れを防止するために、タービンのダイヤフラム200とタービンローター100との間に装着されるラビリンスシーリング装置300を3Dプリンティングを用いて製造する方法に関する。
【0030】
一般に、ラビリンスシーリング装置300は、リング状の胴体310と、前記リング状の胴体310の一面に突出するラビリンス部320からなっている。本発明のラビリンスシーリング装置300は、リング状の胴体310は遠心鋳造又はリングミルで製造し、ラビリンス部320は3Dプリンティングによって製造する。
【0031】
ここで、リング状の胴体310とラビリンス部320は一体に製造されず、それぞれ別途の方法で製造されるもので、レーザクラッディングのような積層方式により相互間の巧みな締結又は接合は必須的に行わなければならない。ここで、本出願人は、前記リング状の胴体310及びラビリンス部320は、レーザクラッディングを通した積層時にリング状の胴体310又は積層粉末に超音波振動を加えて接合した。超音波振動は2KHz~100MHzの間で行う。
【0032】
より詳細に、最適な超音波を積層部に伝達するために、積層部から0.5~2000mm以内に離隔した箇所に振動子(図示せず)を取り付けて母材であるリング状の胴体310に振動を与えながらレーザクラッディングを通した積層を行う。即ち、振動子は、溶接される地点から0.5~2000mm以内に離隔したリング状の胴体310の表面に接触させるようにする。
【0033】
上述したように、超音波振動と同時にレーザクラッディングを介して積層する場合の長所は、積層部に気孔率を0.01%以下に減少させると同時に、結晶粒の大きさを既存のレーザクラッディングよりも50%以下に小さくするために、機械的な特性(硬度、強度、摩耗、疲労、クリープ)が増加する長所がある。
【0034】
そして、前記リング状の胴体310とラビリンス部320のより巧みな接合関係をなすために、リング状の胴体310又は積層粉末に遠赤外線を加えてもよい。溶融温度が高いインコネル超耐熱素材の場合、凝固速度を調整するために遠赤外線ヒーター波長は10~1000ミクロン(μm)を用いて母材の温度を25~900℃内に保持しながらレーザクラッディング積層を行うようにする。
【0035】
一方、本発明におけるリング状の胴体310はステンレス材で製造され、ラビリンス部320はステンレス材質とは異なる異種の材質で製造されてもよい。
【0036】
本発明において、ラビリンス部320を次のような方法で製造することで、ラビリンス部320を3Dプリンティングによって更に便利に製造すると共に、製造されたラビリンス部320をリング状の胴体310に巧みに接合してもよい。
【0037】
リング状の胴体310の形状は
図3に示された形状に限定されず、胴体310に対応するダイヤフラム200の形状に応じて様々な形状に製造され得る。
【0038】
図5は、本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法の更なる実施に係るラビリンスシーリング装置の断面概要図である。
図5に示すように、更なる実施に係る本発明のラビリンス部320は、板材形状のベース321と、前記ベース321の一面に突出するトゥース部322で製造する。前記トゥース部322の形状もブラス形態に製造したり、複数の薄い板材の形状など様々な形状に変形して製造してもよい。
【0039】
このように製造されたラビリンス部320は、リング状の胴体310にラビリンス部320のベース321が接触した後、レーザクラッディングのような積層又は接合方式で積層又は接合することで、ラビリンス部320とリング状の胴体310は巧みな結合関係を有することができる。
【0040】
特に、本発明のラビリンス部320のベース321をリング状の胴体310と同じ材質で製造することで、本発明のラビリンス部320とリング状の胴体310は巧みな結合関係を有することができる。
【0041】
前記トゥース部322は、タービンローター100の材質や形状又はタービンローター100の性能による仕様に合わせて、ベース321とは異なる異種材質のうちの1つを選択して製造してもよい。
【0042】
一方、前記ラビリンス部320と胴体310のより巧みな結合関係を有するために、前記ベース321と胴体310の互いに接触している一面のいずれか1つの面には突出部(図示せず)を形成し、他方の一面には、前記突出部に対応する溝部(図示せず)を形成して組立ブロックのように組み立て、レーザクラッディングの方式で積層又は接合して結合することもできる。
【0043】
本発明のラビリンス部320の胴体310及びラビリンス部320の詳細な構成としてのベース321及びトゥース部322は本明細書発明の権利範囲に属する範囲内で様々な形状に変形又は製造可能である。
【0044】
即ち、本発明において、ラビリンスシーリング装置300は、リング状の胴体310を遠心鋳造又はリングミルによって製造し、前記リング状の胴体310の表面に3Dプリンティングによりラビリンス部320を積層したり、ラビリンス部320を別途に3Dプリンティングにより製造した後、前記リング状の胴体310に接合できる。ここで、積層又は接合の方式でレーザクラッディングを使用するようにする。
【0045】
上述したように本発明の3Dプリンティングを利用したタービンのラビリンスシーリング装置の製造方法は、遠心鋳造又はリングミルによってリング状の胴体を製造した後、前記リング状の胴体に突出するラビリンス部(又は、トゥース)は3Dプリンティングで製造することで素材及び加工コストを削減し、生産性を向上させることができ、また、ラビリンス部を3Dプリンティングで製造することに使用環境に応じてラビリンス部の形態を様々に製造できるなどの著しい効果があり、特に、胴体にラビリンス部を積層時に振動及び遠赤外線加熱を介して積層することで、組織の微細化と共に融着不良の減少及び接合力の向上などという著しい効果がある。
【符号の説明】
【0046】
100:タービンローター
200:ダイヤフラム
300:ラビリンスシーリング装置
310:ラビリンス胴体
320:ラビリンス部
321:ベース
322:トゥース部
1:ローター部
2、20:ケーシング
3:ダイヤフラム
5:ラビリンス型シーリング装置
6:トゥース