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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059592
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】自動車用密閉固定窓モジュール
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/10 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B60J1/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023178550
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】17/968,726
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519331327
【氏名又は名称】ハッチンソン シーリング システムズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲレック,アンドレ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、固定窓モジュールの美観を高める解決策を提供する。
【解決手段】自動車用密閉固定窓モジュールは、固定窓ガラス14と、可動窓ガラス12によって支えられるガイド手段を受容するように構成された縦溝を画定し、固定窓ガラス内装表面と面する外壁を有する、第1分割ポスト形材と、前記第1分割ポスト形材を前記固定窓ガラスに固定するオーバーモールド材とを含み、前記オーバーモールド材は、前記分割ポスト外壁と前記固定窓ガラス内装表面との間で延在する第1オーバーモールド処理部分と、前記側壁と前記内装表面との間で延在する第2オーバーモールド処理部分とを含み、前記第1オーバーモールド処理部分は、前記第1オーバーモールド処理部分の主要部分に沿って一定の第1厚さを有し、前記第2オーバーモールド処理部分は、前記第2部分の主要部分に沿って一定の第2厚さを有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用密閉固定窓モジュールであって、
外装表面と、内装表面と、前記外装表面と前記内装表面との間で延在する周縁部とを有する、固定窓ガラスと、
前記周縁部の少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの分割ポストであって、前記分割ポストは、断面がU字形であり、外壁と、内壁と、前記外壁と前記内壁とを接続する側壁とを有する第1縦断形材を含み、前記第1形材は、可動窓ガラスによって支えられるガイド手段を受容するように構成された縦溝を画定し、前記外壁は前記内装表面に面している、少なくとも1つの分割ポストと、
前記第1形材を前記固定窓ガラスに固定するオーバーモールド材とを含み、前記オーバーモールド材は、前記外壁と前記内装表面との間で延在する第1部分と、前記側壁と前記内装表面との間で延在する第2部分とを含み、前記第1部分及び前記第2部分は、互いに接続されており、前記第1部分は、前記第1部分の主要部分に沿って一定の第1厚さE1を有し、前記第2部分は、側壁と前記内装表面との間で延在し、前記内装表面に対して傾斜している主要部分を含む外面を有し、
前記第2部分は、前記第2部分の主要部分に沿って一定の第2厚さE2を有する、密閉固定窓モジュール。
【請求項2】
前記側壁は、前記内装表面に平行な第1表面と、前記内装表面に対して傾斜した第2表面とを含む歯を備え、前記第1部分は、前記第1表面と前記内装表面との間で延在し、前記第2部分は、前記第2表面と前記内装表面との間で延在する、請求項1に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項3】
前記第1表面は平面であり、前記第2表面は平面、凹面又は凸面である、請求項2に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項4】
前記第2表面は、主として前記外側表面に平行であるか、又はこの第2表面が凹面又は凸面である場合に一定のずれを提供する、請求項2に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項5】
前記第1表面及び第2表面は、断面がV字形である、請求項2に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項6】
前記歯は、角度が20°~85°、好ましくは50°~70°を含む先端部を有する、請求項2に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項7】
前記オーバーモールド材はV字形である、請求項1に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項8】
0,8.E1≦E2≦1,2.E1であり、E1及びE2はそれぞれ、前記第1厚さ及び第2厚さである、請求項1に記載の密閉固定窓モジュール(10)。
【請求項9】
前記外壁は、前記側壁と対向する長手方向端を含み、前記長手方向端は、前記外壁に対して垂直であり、且つ、前記周縁部に当接する突出脚を含む、請求項1に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項10】
前記突出脚は、前記可動窓ガラスの周縁部に当接するように構成された第1シーリングリップを備える、請求項9に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項11】
前記長手方向端及び/又は前記外壁は、前記内装面に当接し、前記オーバーモールド材と接触する突出リップを備える、請求項9に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項12】
一方の前記固定窓ガラスと、他方の前記突出脚及び前記リップとの間に空所が画定される、請求項11に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項13】
前記第1形材は、外向きに延在し、前記周縁部に面する脚を含む、埋め込み金属レールを備える、請求項1に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項14】
前記オーバーモールド材は、前記第1部分に接続し、前記脚と前記周縁部との間に介在する第3部分も、更に含む、請求項13に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項15】
前記オーバーモールド材は、前記第1部分に接続する第3部分も、更に含み、前記第3部分は、前記第1部分に対して垂直に、前記周縁部上で延在している、請求項1に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項16】
前記第3部分は、前記固定窓ガラスの前記外装表面と同一平面上にある端を含む、請求項15に記載の密閉固定窓モジュール。
【請求項17】
自動車であって、請求項1に記載の少なくとも1つの密閉固定窓モジュールを含む、自動車。
【請求項18】
ドアフレームと、可動窓ガラスと、前記密閉固定窓モジュールとを備えるドアを含み、前記可動窓ガラスは、外装表面と、内装表面と、前記外装表面と内装表面との間で延在する周縁部とを有し、前記密閉固定窓モジュール、及び前記可動窓ガラスの前記外装表面は、実質的に同一平面上にある、請求項17に記載の自動車。
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【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般に、自動車用密閉固定窓モジュール、並びにかかる自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの自動車では、ドアアセンブリは、可動窓ガラスを支える第1の、例えば、前方窓開口部と、固定、又は定置窓ガラスを支える第2の、例えば、後方開口部とを、備えるように設計されている。当然のことながら、前方窓ガラスは固定され、後方窓ガラスは移動可能であってもよい。従来設計の固定窓は、窓パネル、隣接する可動窓のトラックとして機能するポスト、並びに、様々な構成の成形体、又はトリムピース、あるいは分割ポスト、最も具体的には、インターロッキングチャンネル等を使用して窓モジュールアセンブリへと機械的に取り付けることができる押出成形ヘッダ/Bピラー・トリム・ピースを含む、個別の要素から組み立てることができる。
【0003】
幾つかの先行技術の設計における分割ポストは、既製の弾力性のあるバンドの性質を持つ物品を含む。このような設計では、窓はトリムバンドのチャネルに挿入され、弾性的に窓ガラスに係合するが、しっかりと係合しないことが多い。従来の設計は、水漏れ、車外からの騒音(風切り音)又は車内からの騒音、よく見られる装着感、及び仕上げの問題等、個々の構成部品から組み立てられていることによる、多くの欠陥を抱えている。さらに、個々の構成部品が複数の供給業者によって製造されている場合は特に、こうしたモジュールの組み立ては困難であることが多い。
【0004】
射出成形技術を使って窓周辺をポリマーで封入することにより、窓ガラスを囲むトリム又はポストの一部を製造するオーバーモールディング工程を使用することにより、従来の設計の問題点の幾つかが克服される。本質的には、窓ガラスは、窓ガラスの縁で円周トリムを生成するように構成されている型穴に配置される。型穴には、分割ポスト形材、及びヘッダ形材も配置される。場合によっては、追加のマージンシール押出加工体を型穴に追加することができる。接着を促進し、成形物品に遮水シールを形成するために、射出成形トリムが接着する窓ガラスの縁を洗浄し、下塗り処理をする。次に金型を閉じ、材料を注入して窓ガラスの縁を密閉し、所望のトリム形状を形成する。
【0005】
図1は、自動車の隣接する窓ガラス1、2の断面図である。窓ガラス1は固定され、窓ガラス2は可動である。固定窓ガラス1は、外装表面1aと、内装表面1bと、外装表面1aと内装表面1bとの間で延在する周縁部1cとを有する。分割ポスト3が周縁部1cに沿って延在し、そこにオーバーモールド材4によって固定されている。
【0006】
分割ポスト3は、断面がU字形であり、外壁3aと、内壁3bと、外壁3aと内壁3bとを接続する側壁3cとを有する。分割ポスト3は、可動窓ガラス2の一部を受容するように構成された縦溝5を画定する。分割ポスト3の側壁3cは、固定窓ガラス1の周縁部1cに当接し、オーバーモールド材4は、側壁3cと外装表面1aとの間に延在する第1部分4aと、側壁3cと内装表面1bとの間で延在する第2部分4bとを含む。
【0007】
この構成により、内装表面1bと内壁3bとの間に小さなずれOが生じると共に、固定窓ガラス1の両側に限られた量のオーバーモールド材が必要となる。したがって、ヒケによる外観上の問題のリスクは下がる。
【0008】
窓モジュールの外観は、顧客、つまり、自動車のユーザにとって非常に重要である。窓モジュールの外観を向上させる解決策は、自動車の外側に位置し、ユーザから見える仕上げパネルを窓ガラスの外周に設けることである。仕上げパネルは、例えば、窓モジュールに固定される装飾的な金属構成部品である。
【0009】
また、定置窓ガラスの外側を隣接する可動窓ガラスの外側と面一にすることで、窓モジュールの美観を高めることも分かっている。
【0010】
図2は、自動車の隣接する面一の窓ガラス1、2の断面図である。分割ポスト3が周縁部1cに沿って延在し、内装表面1bにオーバーモールド材4によって固定されている。
【0011】
分割ポスト3は、可動窓ガラス2によって支えられるガイド手段6を受容するように構成された縦溝5を画定する。分割ポスト3の外壁3aは内装表面1bに面し、そこにオーバーモールド材4によって固定されている。
【0012】
オーバーモールド材4は、外壁3aと内装表面1bとの間に延在する第1部分4aと、側壁3cと内装表面1bとの間に延在する第2部分4bとを含む。図2は、第1部分4aが一定の厚さE1を有することを示している(厚さE1は、内装表面1b及び/又は外壁3aに対して垂直な方向D1で測定される)。一方、第2部分4bは、一定ではなく、変化するより大きな厚さE2を有する(厚さE2は、側壁3cに対して垂直な方向D2で測定される)。第2部分4bの厚さE2は、内壁3bに近接する反対側の端よりも、内装表面1bに近接する方の端の方が厚い。
【0013】
オーバーモールド材4は、側壁3cと内装表面1bとの間で延在し、内装表面1bに対して傾斜した主要部分4c1を含む、外面4cを備える。実現上の理由により、オーバーモールディング工程中に主要部分4c1を内装表面1bに対して垂直にすることは不可能である。
【0014】
このような面一構成では、内装表面1bと内壁3bとの間に大きなずれOが生じ、このずれOを埋めるために多量のオーバーモールド材4が必要となる。そのため、ヒケによる外観上の問題が生じる恐れが高まる。実際には、脱型後、オーバーモールド材4は冷えて固まる。多量のオーバーモールド材は、外面4cのヒケや表面欠陥の形成を助長する。この外面4cは自動車のユーザから見える可能性があるため、こうしたヒケや表面欠陥が問題となる。
【0015】
本発明は、面一構成で使用することができ、上述したオーバーモールド材の外観上の問題を回避する、少なくとも1つの密閉固定窓モジュールを提供する。
【発明の概要】
【0016】
本発明によると、自動車用密閉固定窓モジュールが提供されており、このモジュールは、外装表面と、内装表面と、外装表面と内装表面との間で延在する周縁部とを有する、固定窓ガラスと、周縁部の少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの分割ポストであって、分割ポストは、断面がU字形であり、外壁と、内壁と、外壁と内壁とを接続する側壁とを有する第1縦断形材を含み、第1形材は、可動窓ガラスによって支えられるガイド手段を受容するように構成された縦溝を画定し、外壁は内装表面に面している、少なくとも1つの分割ポストと、第1形材を固定窓ガラスに固定するオーバーモールド材とを含み、オーバーモールド材は、外壁と内装表面との間で延在する第1部分と、側壁と内装表面との間で延在する第2部分とを含み、第1部分及び第2部分は、互いに接続されており、第1部分は、第1部分の主要部分に沿って一定の第1厚さを有し、第2部分は、側壁と内装表面との間で延在し、内装表面に対して傾斜している主要部分を含む外面を有し、第2部分は、第2部分の主要部分に沿って一定の第2厚さを有する。
【0017】
本明細書において、「内側(inner)」、「内部(inside)」、「内装(interior)」等の語は、自動車の内部を意味する。「外側(outer)」、「外部(outside)」、「外装(exterior)」等の語は、自動車の外部を指す。そして、車両の外側には外側要素が配置される。第1の外側要素、外側部分、又は外面は、自動車のユーザによって視認され得るか、又は前記第1外側要素を覆う、第2の外側要素、外側部分、又は外面によって隠され得る。
【0018】
本明細書において、「整列している(aligned)」及び「実質的に整列している(substantially aligned)」とは、2つの要素が厳密に整列しているか、あるいは0~5mm、好ましくは、0~3mm、より好ましくは、0~1mmの範囲で整列していることを意味する。
【0019】
本発明は、固定窓モジュールの美観を高める解決策を提供する。この目的は、オーバーモールド材の厚みをできるだけ一定に保つことで達成される。オーバーモールド材の第2部分は、固定窓ガラスの内装表面に対して垂直な方向に沿って、この第2部分の主要部分に沿って一定である。オーバーモールド材の第1部分と第2部分の厚さは同じであってもよい。厚さを一定にすることで、全ての成形部位が同じ速度で冷却され、「ヒケ」等の外観不良を防ぐことができる。
【0020】
本発明に係る密閉固定窓モジュールは、互いから独立して、又は互いに組み合わせて、以下の1つ以上の特徴を含むことができる。
-側壁は、内装表面に平行な第1表面と、内装表面に対して傾斜した第2表面とを含む歯を備え、第1部分は、第1表面と内装表面との間で延在し、第2部分は、第2表面と内装表面との間で延在し、
-第1形材は押出成形され、
-歯は、第1形材と共押出成形され、
-第1表面は平面であり、第2表面は平面又は曲面であり、
-第2表面は凹面又は凸面であり、
-第2表面は、主として外側表面に平行であるか、又はこの第2表面が凹面又は凸面である場合に一定のずれを提供し、
-第1表面及び第2表面は、断面がV字形であり、
-歯は、角度が20°~85°、好ましくは50°~70°からなる先端部を有し、
-オーバーモールド材はV字形であり、
-オーバーモールド材は、内装表面上で延在する突出リブを含み、
-外壁は、側壁と対向する長手方向端を含み、長手方向端は、外壁に対して垂直であり、且つ、周縁部に当接する突出脚を備え、
-突出脚は、可動窓ガラスの周縁部に当接するように構成された第1シーリングリップを備え、
-長手方向端及び/又は外壁は、内装面に当接し、オーバーモールド材と接触する突出リップを備え、突出リップは、固定窓ガラスと第1形材との間の型閉鎖として使用されるので都合がよく、
-一方の固定窓ガラスと、他方の突出脚及びリップとの間に空所が画定され、
-0,8.E1≦E2≦1,2.E1、好ましくは、0,9.E1≦E2≦1,1.E1、更に好ましくは、E1=E2;E1及びE2はそれぞれ、第1厚さ及び第2厚さであり、
-第1形材は、外向きに延在し、周縁部に面する脚を含む、埋め込み金属レールを備えており、
-第1部分と第2部分の厚さは、第1形材の長さの主要部分に沿って一定であり、
-第1部分の厚さは、固定窓ガラスの内装表面に対して垂直な方向で測定され、この方向は、前記外壁に垂直でも良く、あるいは前記外壁の表面に垂直でも良く、
-第2部分の厚さは、前記側壁に、又は前記側壁の表面に対して垂直な方向で測定され、
-第1部分の厚さは、第1形材を断面で見た際に実質的に一定であり、
-第2部分の厚さは、第1形材を断面で見た際に実質的に一定であり、
-オーバーモールド材は、第1形材に沿って周縁部を覆わず、
-第1形材の外壁は、内装表面に貼付され、
-外壁は断面がL字形であり、互いに直交する第1部と第2部とを含み、第1部は、内装表面から隔置され、側壁と第2部との間で延在し、第2部は、内装表面に直接貼付され、
-第1部は、オーバーモールド材で充填される内装表面との空間を画定し、
-オーバーモールド材は、少なくとも外壁と、側壁及び内装表面との間に延在しており、
-内壁は、ガイド手段と可動窓ガラスの内装表面に面しており、
-内壁は、ガイド手段と密封接触するように構成された第2シーリングリップを備えており、
-内壁は、可動窓ガラスと密封接触するように構成された第3シーリングリップを備え、
-外壁は、縦溝の内側に減摩層でコーティングされており、
-側壁は、縦溝の内側に減摩層でコーティングされており、
-内壁は、縦溝の内側に減摩層でコーティングされており、
-モジュールは、断面がU字形で、2つの側壁の間に接続する外壁を有する第2縦断形材も更に含み、第2形材は、自動車の金属フランジを受容するように構成された縦溝を画定し、
-第2形材の外壁は、内装表面と平行であり、そこにオーバーモールド材によって固定され、第2形材の側壁の一方は、固定窓ガラスに垂直な平面において、周縁部の一部と実質的に整列しており、第2形材の側壁の他方は、垂直に延在し、内装表面に面しており、
-第2形材の外壁は、内装表面から隔置されており、
-モジュールは、第1縦断形材と第2縦断形材との間を接続する第3縦断形材も、更に含み、
-モジュールは、固定窓ガラスの周縁部の少なくとも上部に沿って延在し、形材に隣接する第3縦断形材も、更に含み、
-第3縦断形材は、第1U字形部分と第2U字形部分とを含み、第1U字形部分は、自動車の金属フランジを受容するように構成され、第2U字形部分は、可動窓ガラスを摺動させて受容するように構成され、
-第1U字形部分と第2U字形部分はそれぞれ、互いに直交する2つの縦溝を画定し、
-オーバーモールド材は、第1部分に接続し、脚と周縁部との間に介在する第3部分も、更に含み、
-オーバーモールド材は、第1部分に接続する第3部分も、更に含み、第3部分は、第1部分に対して垂直に、周縁部上で延在しており、
-第3部分は、固定窓ガラスの外装表面と同一平面上にある端を含み、
-歯の(共押出成形された)材料は、第1縦断形材の(共押出成形された)材料とは異なり、
-突出リップの(共押出成形された)材料は、第1縦断形材の(共押出成形された)材料とは異なり、
-突出脚の(共押出成形された)材料は、第1縦断形材の(共押出成形された)材料とは異なり、
-歯、及び/又は突出脚、及び/又は突出リップの材料(複数)は、第1縦断形材の材料、とりわけ、この第1縦断形材の被覆材料よりも柔らかいか、つまり硬度が低い。
【0021】
本発明は、上記で定義された少なくとも1つの密閉固定窓モジュールを含む、自動車も更に提案する。
【0022】
この自動車は、ドアフレームと、可動窓ガラスと、前記密閉固定窓モジュールとを含むドアを含むことができ、前記可動窓ガラスは、外装表面と、内装表面と、前記外装表面と内装表面との間で延在する周縁部とを有し、前記密閉固定窓モジュール、及び前記可動窓ガラスの前記外装表面は、実質的に同一平面上にある。
【0023】
非限定的な例として提供される以下の説明を読み、以下添付の図面を参照すれば、本発明はより深く理解され、さらに、本発明の他の詳細、特徴、並びに利点がより明確に明らかになることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】分割ポストを支える固定窓ガラスと、分割ポストの溝に誘導される可動窓ガラスとを含む、隣接する窓ガラスの断面図である。
図2】分割ポストを支える固定窓ガラスと、分割ポストの溝に誘導されるガイド手段を支える可動窓ガラスとを含む、隣接する面一の窓ガラスの断面図である。
図3】密閉固定窓モジュールの断片的な側面図である。
図4図3の線A1-A1に沿った断面図である。
図5図3の線A2-A2に沿った断面図である。
図6図3の線C-Cに沿った断面図である。
図7図3の線B-Bに沿った断面図である。
図8図1及び図7と同様の断面図であり、本発明に係る密閉固定窓モジュールの第1実施形態を示す図である。
図9a図8の詳細の拡大図である。
図9b図8の別の詳細の拡大図である。
図10a図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10b図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10c図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10d図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10e図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10f図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10g図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10h図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
図10i図8の図に対応し、本発明の更なる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1及び図2はすでに説明したとおりで、従来技術を示している。
図3は、自動車用の密閉固定窓モジュール10の一例を示す。
自動車ドアは、可動窓ガラス12に隣接可能な密閉固定窓モジュール10を備えたドアフレームを含む。図1の例では、車両の後方ドアが示されており、この場合、窓ガラス12は前方窓ガラスであり、モジュール10は後方モジュールである。別の構成としては、前方ドアに設置され、その場合、可動窓ガラス12はモジュール10から後方に配置される。
【0026】
モジュール10は、最大4つの端部又は4つの縁に沿って成形された、少なくとも1つの固定窓ガラス14を含む。この成形体、又は各成形体は密閉体16を形成する。
【0027】
各窓ガラス12、14は、自動車の外側に位置するように意図された外装表面12a、14aと、自動車の内側に位置するように意図された内装表面12b、14bと、前記外装表面と内装表面との間で延在する周縁部12c、14cとを有する(図4及び図6参照)。
【0028】
各窓ガラス12、14は、実質的に平らでよい。したがって、その表面12a、14a、12b、14bは、実質的に平坦でよい。当然のことながら、窓ガラス12、14とその表面は、想定されるモジュール設計に従って、僅かに湾曲している場合がある。図4図6で見られるように、周縁部12c、14cは、断面凸形状を有していてもよい。
【0029】
図示の例において、各窓ガラス12、14は多角形状であり、4つの長手方向縁を含む。したがって、各周縁部12c、14cは、上縁12ca、14ca、前縁12cb、14cb、下縁12cc、14cc、並びに後縁12cd、14cdを含む(図3参照)。さらに、ドアはアップリケ13も含んでいてもよく、可動窓ガラス12は定置窓ガラス14とアップリケ13との間に位置している。窓ガラス12の外装表面12aは、窓ガラス14の外装表面14a及びアップリケ13の外装表面13aと面一であれば都合が良い。
【0030】
図4は、可動窓ガラスの上縁12caにおける断面図である。図5は、固定窓ガラスの上縁14caにおける断面図である。図6は、固定窓ガラスの後縁14cdにおける断面図である。図7は、固定窓ガラスの前縁14cbと可動窓ガラス12の後縁12cdにおける断面図である。
【0031】
これらの図は、密閉体16が窓ガラス14の縁14ca、14cb、14cdに沿って延在していることを示している。ガラス縁14caと14cbに隣接するガラスの車内側は密閉されている。ガラス縁14cdと14ccの密閉は任意である。
【0032】
したがって、図示の例では、密閉体16は、窓ガラス14の少なくとも2つの縁に沿って延在しているが、以下に詳述するように、必ずしもこれらの縁を覆わなくてもよい。密閉体16は、それぞれが窓ガラス14の長手方向縁の一部に沿って延在するセグメント、又は形材、あるいは分割ポストを含むことができる。分割ポストの各形材は長さと幅を有し、その長さは幅よりも大きく、窓ガラス14の長手方向縁の前記部分に沿って延在している。
【0033】
図4は、「第3」形材18と呼ばれる縦断形材を示している。この第3形材18は、前記縁14caと12caに沿って延在している。図4で示す形材18の一部は、縁12caに沿って延在するものであり、オーバーモールドされていない。
【0034】
可動ガラス縁12cbを誘導するために、モジュール10の一部となるよう、実質的に垂直な形材(図示せず)が形材18に成形される。
【0035】
図4で示す第3形材18は、断面が第1U字形部分及び第2U字形部分18a、18bを有する。
第1U字形部分18aは、内側に配向され、自動車の金属フランジ26を受容するように構成された縦溝24を画定する。図示の例では、金属フランジは、重ね合わされて溝26に挿入される2枚の実質的に水平なパネルを含む。第1部分18aは、その間に溝26を画定する2つの側壁18ab、18acを接続する外壁18aaを含む。
【0036】
第2U字形部分18bは、窓ガラス12、14と平行な面内で下方に配向され、可動窓ガラス12の上部を摺動可能に受容するように構成された縦溝28を画定する。第2部分18bは、内壁18baと、図示のように前記側壁18acと一体化され得る側壁によって接続された外壁18bbとを含む。第2部分18bの壁は、前記溝28を画定する。
【0037】
両部分18a、18bは、窓ガラス12及び/又は車両の部品と協働するように意図されたシーリングリップを含む。
【0038】
さらに、第3形材18は、この形材18に沿って延在し、両部分18a、18bに固定される伸長装飾構成部品30も含むことができる。この構成部品30は、装飾的外装面30aと内装面30bとを含む。この構成部品30は、面30a、30b、並びに内面30bから内側に延在する長手方向フック30cを含む、実質的に平坦な部分を含む。フック30cは、構成部品30を形材18へと機械的に固定するために使用される。構成部品30は、外壁18aa、18bbの少なくとも一部を覆うように意図されており、これらの外壁は共に、スナップフィットによりフック30cを受容するように意図された溝を備えている。
【0039】
図5も、やはり第3形材18を示し、特に縁14caに沿って延在するその一部はオーバーモールドされている。
形材18のこの部分は、これが内壁18baを含まない点、並びにオーバーモールド材50によって固定窓ガラス12に固定されるという点で、図2の部分とは異なる。
【0040】
このオーバーモールド材50は、外壁18bbの内面、側壁18acの下向き面、並びに縁14caと固定窓ガラス14の表面14a、14bの一部にも延在している。このオーバーモールド材50は、車両の部品に当接するように意図されたリップや脚を有していてもよい。
図6は、「第2」形材20と呼ばれる縦断形材を示している。この第2形材20は、縁14cdに沿って延在し、オーバーモールドされている。
【0041】
図6に示す第2形材20は、断面がU字形であり、内側に配向され、自動車の金属フランジ34を受容するように構成された縦溝32を画定する。図示の例では、金属フランジ34は、重ね合わされて溝32に挿入される2枚の実質的に垂直なパネルを含む。
【0042】
第2形材20は、外壁20aと、外壁20aによって接続された2つの側壁20b、20cとを含む。通常、外壁20aは固定窓ガラス14の内装表面14bと平行であり、そこにオーバーモールド材36によって固定されている。図示の例では、外壁20aは内装表面14bに面し、そこから隔置されている。この空間Sはオーバーモールド材36で充填されている。
【0043】
側壁20bは、固定窓ガラス14に対して垂直な平面P1において、周縁部14cの一部(図示の例では、後縁14cd)と実質的に整列している。側壁20cは、内装表面14bに対して垂直に延在し、この内装表面に面している。
【0044】
図示の例では、オーバーモールド材36はさらに、側壁20cと前縁14cdにわたって延在している。側壁20bには、かかるオーバーモールド材36は含まれていない。オーバーモールド材36は、後縁14cdの前方においてV字形状(角度が90°より小さい)であり、外装表面14aと整列した第1平面表面36aと、第1平面36aと形材20との間で延在し、平面P1に対して傾斜した第2平面表面36bとを画定する。
【0045】
第2形材20は、車両の部品と協働するように意図されたシーリングリップ、又は固定リップを含む。
【0046】
図7は、「第1」形材22と呼ばれ、分割ポストとしても知られる別の縦断形材を示している。この第1形材22は、縁12cd、14cbに沿って実質的に垂直に延在し、オーバーモールドされている。
【0047】
図7に示す第1形材22は、断面がU字形であり、内側に配向され、可動窓ガラス12に固定されるガイド手段40を受容するように構成された縦溝38を画定する。
第1形材22は、外壁22aと、側壁22cによって共に接続し、その間に溝を画定する内壁22bとを含む。外壁22aは固定窓ガラス14の内装表面14bと平行であり、そこにオーバーモールド材42によって固定されている。図示の例では、外壁22aは内装表面14bに面し、断面がL字形をしている。外壁22aは、互いに垂直な第1部22aa及び第2部22abを含み、第1部22aaは、内装表面14bから隔置され、側壁22cと第2部22abとの間で延在する。第2部22abは、内装表面14b上に直接貼付される。第1部22abは、オーバーモールド材42で充填される内装表面14bとの空間Sを画定する。
【0048】
さらに、オーバーモールド材42は、側壁22cの少なくとも一部にわたって延在している。図示の例では、オーバーモールド材42は、第1形材22に沿った周縁部14cb、つまり、前縁14cbを覆っていない。
【0049】
外壁22aは、固定窓ガラス14に対して垂直な平面P2において前縁14cbと実質的に整列している側壁22cと対向する長手方向縁22a1を有する。
この長手方向縁22a1は、両縁14cb、12cdに当接するように構成された第1シーリングリップ44を備えている。シーリングリップ44は、縁14cbと12cdの間に延在する唯一の部材である。シーリングリップ44は湾曲しており(凹状、又は凸状)、内側に向いた溝を画定している。リップ44は、平面P2内で延在し、長手方向縁22a1に固定される長手方向接続縁44aを含み、さらに、窓ガラス12の後縁12cdに当接する反対側の長手方向密封縁44bを含む。両縁44a、44bの間で延在するシーリングリップ44の長手方向部は、外装表面14a、12aと実質的に整列する外装表面44cを有する。
【0050】
第1形材22の内壁22bに関しては、これは平面P2を横断し、ガイド手段40に面するように構成され、好ましくは、図示のように、可動窓ガラス12の内装表面12bにも面するように構成される。
【0051】
内壁22bは、ガイド手段40と密封接触するように構成された第2シーリングリップ46を備える。別の例では、第1シーリングリップと第3シーリングリップのみを設けてもよい(その場合、ガイド手段40には、シーリングは施されない)。
【0052】
ガイド手段40は、例えば、接着、又はオーバーモールディングによって、窓ガラス12の内装表面12b上に固定され、さらに、平面P2を横断し、摺動用に溝38内で受容されるガイド脚40aを含む単一の長手方向部品で形成されてもよい。この図で見られるように、溝38の表面は、ガイド手段40、とりわけ、その脚40aと摺動することで協働するのに適した減摩層でコーティングすることができる。したがって、図で見られるように、壁22a、22b、22cは、溝38の内側に減摩層でコーティングされていてもよい。
【0053】
図4図7で見られるように、各形材18、20、22は、少なくとも1つのU字形金属レールをポリマー被覆に埋め込むか、あるいは密閉して含むことができる。このレールは、内装分岐及び外装分岐を含み、これらは側方分岐で共に接続されている。各形材とそのポリマー被覆は、共押出成形によって製造することができる。シーリングリップは、例えば、EPDM又は熱可塑性プラスチック等の弾性変形可能材料で製造可能である。こうしたリップは、形材18、20、22が相互接続ゾーンで共に接続される工程で、オーバーモールディングによって得られる。当然のことながら、各形材は金属レールを含まず、したがって、ポリマー材料のみを含むこともあり得る。各形材は、材料剛性が必要な部分にはポリプロピレンを使用し、リップはより柔らかい材料を使用することができる。形材は、オーバーモールド材36、42、50によるオーバーモールディングによって、固定窓ガラス14に固定される。定置ガラスの縁14ccも、通常は密閉されている。
【0054】
図8は、図2及び図7と同様の図であり、本発明に係る第1実施形態を示す。
本発明は、図3図6に関連して上述した密閉窓モジュールと同様の密閉固定窓モジュールに関する。したがって、図3図6を参照して述べた上記の説明は、本請求項に係る発明に適用され、上記実施形態の図7の説明は、本発明の第1実施形態を示す図8の以下の説明に置き換えることができる。
図3図7に関連して使用された参照番号は、図8において同じ要素を指定するために使用される。
窓ガラス12と14は、上記で開示したものと同様である。ガイド手段40も同様である。
図8の(第1)形材122又は分割ポストは、縁12cd、14cbに沿って延在し、オーバーモールドされている。
図7に示す形材122は、断面がU字形であり、内側に配向され、可動窓ガラス12に固定されるガイド手段40を受容するように構成された縦溝38を画定する。
形材122は、外壁22aと、側壁22cによって共に接続し、その間に溝38を画定する内壁22bとを含む。外壁22aは固定窓ガラス14の内装表面14bと平行であり、そこにオーバーモールド材142によって固定されている。
【0055】
この図で見られるように、溝38の表面は、ガイド手段40、とりわけ、その脚40aと摺動することで協働するのに適した減摩層F1でコーティングすることができる。したがって、図で見られるように、壁22a、22b、22cは、溝38の内側に減摩層F1でコーティングされていてもよい。
外壁22aは内装表面14bに面し、断面がL字形をしている、表面22a1を有する。外壁22aは、互いに垂直な第1部22aa及び第2部22abを含み、第1部22aaは、内装表面14bから隔置され、側壁22cと第2部22abとの間で延在する。第2部22abは、縁14c、14cbの付近の内装表面14b上に直接貼付される。
【0056】
第2部22abは、外壁22aに対して実質的に垂直な方向に外側に延在する突出脚160を備える。突出脚160は、両周縁部12cb,14cb間の隙間に介在し、周縁部14cbに当接している。突出脚160は、縁12cbに当接するように構成された第1シーリングリップ44を備えている。第1シーリングリップ44は、外装表面14a、12aと実質的に整列する外装表面44cを有する。
【0057】
突出脚160は、形材122の主材(又はポリマー被覆)と同じ材料で作られている。好ましくは、第1シーリングリップ44は、より柔軟な材料で作られている。
外壁22a、とりわけ、その第1部22aaは、オーバーモールド材142、とりわけ、このオーバーモールド材142の第1部分142aで充填される内装表面14bとの空間Sを画定する。
【0058】
さらに、オーバーモールド材142は、側壁22cの少なくとも一部にわたって延在しており、側壁22cと内装表面14bとの間で延在する第2部分142bを含む。図示の例では、オーバーモールド材142は、周縁部14cbを覆っていない。
第1形材22の内壁22bに関しては、これは外壁22aよりも長く、ガイド手段40に面するように構成され、好ましくは、図示のように、可動窓ガラス12の内装表面12bにも面するように構成される。
【0059】
内壁22bは、ガイド手段40と密封接触するように構成された第2シーリングリップ46と、可動窓ガラス12の内装表面12bと密封接触するように構成された第3シーリングリップ48とを、備える。
シーリングリップ44、46、48は、減摩層F1でコーティングされてもよい。
別の例では、第1シーリングリップと第3シーリングリップのみを設けてもよい(その場合、ガイド手段40には、シーリングは施されない)。
【0060】
形材122は、少なくとも1つのU字形金属レールをポリマー被覆に埋め込むか、あるいは密閉して含むことができる。このレールは、外壁22bへと延在する第1分岐と、内壁22aへと延在する第2分岐と、側壁22cへと延在する接続分岐とを含むことができる。
【0061】
形材122とそのポリマー被覆は、共押出成形によって製造することができる。シーリングリップは、例えば、EPDM又は熱可塑性プラスチック等の弾性変形可能材料で製造可能である。こうしたリップは、オーバーモールディング、又は共押出成形によって実現することができる。当然のことながら、形材122は金属レールを含まず、したがって、ポリマー材料のみを含むこともあり得る。形材122のポリマー材料又は被覆材料は、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性プラスチック又はエラストマ熱可塑性プラスチックでもよい。オーバーモールド材は、例えば、熱可塑性プラスチック、エラストマ熱可塑性プラスチック、EPDM、SEBS等から製造されている。
【0062】
図8で見られるように、オーバーモールド材142の第1部分142aは、この第1部分の主要部分に沿って一定の第1厚さE1を有する。この第1部分142Aの厚さE1は、固定窓ガラス14の内装表面14Bに対して垂直であり、さらに、外壁22aに対しても垂直な方向で測定される。
【0063】
オーバーモールド材142の第2部分142bは、第2部分の主要部分に沿って一定の第2厚さE2を有する。この第2部分142bの厚さE2は、側壁22cに対して垂直な方向で測定される。
【0064】
第2部分142bは、側壁22cと内装表面14bとの間で延在し、内装表面14bに対して傾斜した主要部分を含む、外面142b1を備える。
【0065】
図示の例において、オーバーモールド材142はV字形であり、両部分142a、142bがその間に接続し、先端部142cを形成している。オーバーモールド材142は、その先端部142cに突出リブ166を含み、この突出リブ166は内装表面14b(図9a)上で延在している。
【0066】
図示の例において、オーバーモールド材の形状は、その側壁22cに歯168又はフィン(シャークフィン等)を含む、形材122の形状によって得られる。
歯168は、内装表面14bに平行で、外壁22aの表面22a1と整列した第1表面168aと、内装表面14bに対して傾斜した第2表面168bとを含む。歯168の機能は、第2表面168bと外面142b1との間に一定のずれを生成することである。したがって、表面168bの形状と位置は、外面142b1の形状と位置に応じて変化する。第2部分142bの厚さE2は、この第2表面168bに対して垂直な方向で測定することができる。
【0067】
第1部分142aが第1表面168aと内装表面14bとの間で延在し、さらに、第2部分142bが第2表面168bと内装表面14bとの間で延在するよう、歯168は、オーバーモールド材に完全に埋め込まれていることが好ましい。図示の例では、第1表面168aは平面であり、第2表面168bも平面である。この第2表面168bは、E2が確実に一定になるよう、外面142b1と平行であることが好ましい。したがって、図示の例では、第1表面168a及び第2表面168bは、断面がV字形である。第1表面168a及び第2表面168bは、角度αを形成するか、又は20°~85°、好ましくは、50°~70°からなる角度を有する先端部を形成する。つまり、歯168は、20°~85°、好ましくは、50°~70°からなる角度αを画定する。
【0068】
図10a~図10eは、本発明の更なる実施形態を示す。
外壁22aの第2部22abが、外部に延在し、窓ガラス14の内装表面14bに当接する突出リップ162で置き換えられている点で、図10aの実施形態は図8の実施形態と異なる。
【0069】
突出リップ162及び突出脚160は、形材122の主材と同じ材料で作られてもよい。第1シーリングリップ44はより柔らかい材料で作られている。
オーバーモールド材142は周縁部14cbを覆わない。これは、窓ガラス14に当接し、オーバーモールド材142がリップ162を通過して縁14cbまで達するのを防止する、突出リップ162の存在によるものである。
【0070】
この図で見られるように、突出リップ162及び脚160は、窓ガラス14と共に、空の、つまり、オーバーモールド材142で充填されていない空間S´を画定することができる。
歯168がより大きな角度α、約70°~85°を画定するという点で、図10bの実施形態は図8の実施形態とは異なる。オーバーモールド材142のV字形状の角度も同様である。
歯168が約20°~40°の小さな角度αを画定するという点で、図10cの実施形態は図8の実施形態とは異なる。オーバーモールド材142のV字形状の角度も同様である。
歯168の第2表面168bが湾曲しており、とりわけ、凹面であるという点で、図10dの実施形態は図8の実施形態とは異なる。オーバーモールド材142の第2部分142bは、この第2表面168bの形状に適合し、湾曲形状を有する。同様に、厚さE2をできるだけ一定にするよう、オーバーモールド材142の外面142b1は湾曲して、凹んでいる。
歯168の第2表面168bが湾曲しており、とりわけ、凸面であるという点で、図10eの実施形態は図8の実施形態とは異なる。オーバーモールド材142の第2部分142bは、この第2表面168bの形状に適合し、湾曲形状を有する。同様に、厚さE2をできるだけ一定にするよう、オーバーモールド材142の外面142b1は湾曲して、凸状になっている。
【0071】
ポリマー被覆に埋め込まれた、又は密閉された金属レールが、接続分岐と対向する縁に脚170を含むという点で、図10fの実施形態が図8の実施形態とは異なる。この脚170は外側に延在し、縁12cdと縁14cbの間に介在している。
【0072】
オーバーモールド材142が第3部分142cを含み、第1部分142aが第3部分142cと第2部分142bとの間で延在しているという点で、図10gの実施形態は図8の実施形態とは異なる。
【0073】
第3部分142cは、固定窓ガラス14の周縁部14cb上で延在している。第3部分142cは、第1部分142aに対して垂直であり、第2部分142bと対向する第1部分142aの端から外側に延在する。図示の例において、第3部分142cは、周縁部14cbを完全に覆っている。
【0074】
したがって、形材122は窓ガラス14と直接接触しない。その外壁22bは内装表面14bから離れており、オーバーモールド材142によってそこから隔置されている。
形材122の第1シーリングリップ44は、縁12cdに当接するように構成されている。第3部分142cとシーリングリップ44は共に、縁14cbと縁12cdの間に位置している。
【0075】
図示のように、第3部分142cは、窓ガラス12、14の外装表面と同一平面上にある端を含んでもよい。
形材122の内壁22aの外装表面上の減摩層が、共押出成形熱可塑性材料及び/又はセル状又は発泡材料F2に置き換えられているという点で、図10gの実施形態は更に異なる。この材料は、ドアをバタンと閉める際のガタつき音/打音による騒音を防止するために使用される。材料F2は、例えば、ショアA硬度が約25~60、及び/又は摩擦係数が約0.6未満である。上述した実施形態はすべて、減摩層F1の1つの代わりとして、かかる材料を溝38に設けてもよい。
【0076】
図10hで示す別の実施形態では、図10gの第3部分142cは、先の実施形態(図8図10g)のいずれかの脚160と組み合わせてもよく、したがって、窓ガラス14の周縁部14cbとこの脚160との間で介在させることができる。
一般に、密閉を行うために使用する金型を簡素化できるので、第3部分142cがあると都合がよい。さらに、縁14cb、14ca間の接続領域における成形時の密閉性が向上する(図3参照)。
【0077】
図10iで示す別の実施形態では、歯168は、形材122の主要(共押出成形、又は被覆)材料とは異なる材料で作られている。例えば、形材122の主材は、歯168の材料よりも硬い。主材は、例えばPPである。歯168の材料は、ショアA硬度が70~95、例えば、約85でよい。歯168の材料は、例えば、TPEである。
突出脚160及び突出リップ162は、形材122の主材とは異なる材料で作ることもできる。脚160、リップ162、及び歯168の材料は同じであってもよい。
歯168及び/又は突出脚160及び/又は突出リップ162が異なる材料で作られていても、それらは形材122と共押出成形で作られることが好ましい。例えば、突出脚160に柔らかい材料を使用すると、成形作業が向上する。
【0078】
第2部分142bは、歯168上で延在し、形材122に連結された端を有する。この部分142bは、この端まで一定の厚さE2を有する。
図10iの実施形態では、形材122の金属レールの双方の分岐は直線状であるが、図10a~10hの実施形態では、金属レールの外装分岐はわずかに傾斜しており、内側に突出する側方分岐とは反対側の端を有する。
【0079】
全ての実施形態において、窓モジュールの美観は、固定窓ガラス12及び可動窓ガラス14の外側表面12a、14aを面一にすることで向上できる。したがって、窓ガラス12、14の外装表面12a、14aは、実質的に同一平面とすることができる。また、こうした表面12a、14aは、外装表面44c(図8図10f参照)、及び/又は脚160の端(図8図10f)、及び/又はオーバーモールディング材142の第3部分142cの端(図10g及び図10h)と面一であってもよい。
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図10g
図10h
図10i
【外国語明細書】