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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059597
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】カテーテル挿入ツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023178691
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】63/417,162
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/436,022
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/482,815
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ティー・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・エム・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ティー・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジェイ・ヘレーラ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビー・カトウ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK57
4C160KK70
(57)【要約】
【課題】送達シースとカテーテルとのカプラを提供すること。
【解決手段】送達シースとカテーテルとのカプラは、円筒形シャフト及び結合部材を含む。円筒形シャフトは、軸に沿って延在し、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されている。円筒形シャフトは、近位端と、遠位端と、軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンとを含む。ルーメンは、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされている。結合部材は、円筒形シャフトに取り付けられ、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されている。結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるときに、ルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達シースとカテーテルとのカプラであって、
(a)軸に沿って延在する円筒形シャフトであって、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されており、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(b)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合部材であって、前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されており、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるときに前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成された、結合部材と、を備える、カプラ。
【請求項2】
前記結合部材は、前記円筒形シャフトに不動的に取り付けられている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項3】
前記結合部材は、前記円筒形シャフトに取り付けられている一方で、前記円筒形シャフトに対して移動可能でもある、請求項1に記載のカプラ。
【請求項4】
前記結合部材は、前記ルーメンの前記軸に沿って前記円筒形シャフトに対して並進するように構成されている、請求項3に記載のカプラ。
【請求項5】
前記円筒形シャフトは、前記カテーテル送達シースの前記挿入ポート内に挿入されるように寸法決めされている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項6】
前記円筒形シャフトの前記近位端又は前記遠位端のうちの1つにおいて、外向きにフレア状の機構を更に備え、前記外向きにフレア状の機構は、前記ルーメンの中に通じる角度付き表面を画定する、請求項1に記載のカプラ。
【請求項7】
前記外向きにフレア状の機構は、前記円筒形シャフトの前記遠位端にあり、前記外向きにフレア状の機構は、前記カテーテル送達シースの前記挿入ポートの中への前記円筒形シャフトの挿入を防止するように構成されている、請求項6に記載のカプラ。
【請求項8】
前記外向きにフレア状の機構は、前記円筒形シャフトの前記近位端にあり、前記外向きにフレア状の機構は、前記カテーテル送達シースの前記挿入ポートの中への前記円筒形シャフトの挿入を制限するように構成されている、請求項6に記載のカプラ。
【請求項9】
前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されたときに、前記結合部材と前記カテーテル送達シースとの間の空間から流体を排出するための通気口を含む、請求項1に記載のカプラ。
【請求項10】
前記結合部材はキャップを含む、請求項1に記載のカプラ。
【請求項11】
前記結合部材は、ねじ式の様式で前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項12】
前記結合部材は、スナップ嵌めの様式で前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項13】
前記結合部材は、バヨネット式の様式で前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項14】
前記ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項15】
前記円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備え、前記挿入ポートは、長手方向軸を規定し、前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの前記長手方向軸と整列させるように構成されている、請求項1に記載のカプラ。
【請求項16】
キットであって、
(a)カテーテル器具であって、
(i)遠位端を有するカテーテルと、
(ii)前記カテーテルの前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記カテーテル及び前記エンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、前記エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含む、カテーテル器具と、
(b)カプラであって、
(i)円筒形シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、前記エンドエフェクタ及び前記カテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(ii)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合部材と、を含む、カプラと、を含む、キット。
【請求項17】
カテーテル送達シースを更に備え、前記カテーテル送達シースは、長手方向軸を規定する挿入ポートを含み、前記結合部材は、前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されており、前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの前記長手方向軸と整列させるように構成されている、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記結合部材は、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つで前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
キットであって、
(a)カテーテル器具であって、
(i)遠位端を有するカテーテルと、
(ii)前記カテーテルの前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記カテーテル及び前記エンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、前記エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含む、カテーテル器具と、
(b)カプラであって、
(i)円筒形シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、前記エンドエフェクタ及び前記カテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(ii)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合するための手段と、を含む、カプラと、を含む、キット。
【請求項20】
前記結合するための手段は、ねじ切り、スナップ嵌め機構、バヨネット嵌め機構、又はねじ切り、スナップ嵌め機構、若しくはバヨネット嵌め機構の機能的等価物を含む、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
方法であって、
カテーテル送達シースにカプラを固定することであって、前記カプラは、
(i)円筒形シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(ii)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合部材と、を含む、固定することを含み、
前記固定することは、前記ルーメンの前記軸を前記カテーテル送達シースの挿入ポートの長手方向軸と整列させることを含む、方法。
【請求項22】
前記固定することは、前記結合部材と前記カテーテル送達シースとの間に、ねじ式係合、スナップ嵌め係合、又はバヨネット式係合のうちの少なくとも1つを提供することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む、請求項1に記載のカプラ。
【請求項24】
前記円錐台形の近位部分は、前記近位端から遠位に延在する、請求項23に記載のカプラ。
【請求項25】
前記円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細となっている、請求項23に記載のカプラ。
【請求項26】
前記ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む、請求項16に記載のキット。
【請求項27】
前記円錐台形の近位部分は、前記近位端から遠位に延在する、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細となっている、請求項26に記載のキット。
【請求項29】
送達シースとカテーテルとのカプラであって、
(a)軸に沿って延在する円筒形シャフトであって、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されており、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされており、円錐台形の近位部分を含む、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(b)前記円筒形シャフトの前記遠位端に取り付けられたキャップであって、前記カテーテル送達シースと選択的に整列されるように構成されており、前記結合部材が前記カテーテル送達シースと選択的に整列されるときに前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成された、キャップと、を備える、カプラ。
【請求項30】
前記キャップは、前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されている、請求項29に記載のカプラ。
【請求項31】
前記キャップは、前記円筒形シャフトの前記遠位端に不動的に取り付けられている、請求項29に記載のカプラ。
【請求項32】
前記キャップは、前記円筒形シャフトの前記遠位端に取り付けられている一方で、前記円筒形シャフトに対して移動可能でもある、請求項29に記載のカプラ。
【請求項33】
前記キャップは、前記ルーメンの前記軸に沿って前記円筒形シャフトに対して並進するように構成されている、請求項32に記載のカプラ。
【請求項34】
前記キャップは、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、締まり嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つで前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、請求項30に記載のカプラ。
【請求項35】
前記ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている、請求項29に記載のカプラ。
【請求項36】
前記円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備え、前記挿入ポートは長手方向軸を規定し、前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースと整列されたときに前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの前記長手方向軸と整列させるように構成されている、請求項29に記載のカプラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によってその全容を本出願に援用するところの、2020年10月18日に出願された米国仮特許出願第63/417,162号、及び2022年12月29日に出願された米国仮特許出願第63/436,022号の優先権及び利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。心臓組織に電気エネルギーを選択的に印加することによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。いくつかのそのようなアブレーション治療は、交流(alternating current、AC)電気エネルギーによる無線周波数(radiofrequency、RF)アブレーション、及び/又はパルスフィールド直流(DC)電気エネルギーによる不可逆電気穿孔(irreversible electroporation、IRE)を含み得る。アブレーションプロセスは、アブレーションされた組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変部又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0003】
一部の処置では、1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを使用して、患者体内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次いで前進させて、心臓内又は心臓に隣接する構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ又は2つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触させて配置し、次いで電気エネルギーで作動させることによって、接触した組織を(例えば、RFエネルギー、IREなどを介して)アブレーションすることができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。一部の他の場合において、単極電極を、接地パッドと併せて、又は患者と接触している他の参照電極と併せて使用することができる。灌注を使用して、アブレーションカテーテルの構成要素から熱を引き出し、組織の治療部位付近に血餅が形成されるのを防ぐことができる。
【0004】
アブレーションカテーテルの例は、2013年1月31日に公開された「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」と題する米国特許出願公開第2013/0030426号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2017年11月2日に公開された「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」と題する米国特許出願公開第2017/0312022号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2018年3月15日に公開された「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」と題する米国特許出願公開第2018/0071017号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2018年3月1日公開に公開された「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題する米国特許出願公開第2018/0056038号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2018年11月20日に発行された「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」と題する米国特許第10,130,422号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2015年2月17日に発行された「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」と題する米国特許第8,956,353号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、及び2017年10月31日に発行された「Electrocardiogram Noise Reduction」と題する米国特許第9,801,585号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
一部のカテーテルアブレーション処置は、電気生理学的(electrophysiology、EP)マッピングを使用してアブレーションの標的とすべき組織領域を特定した後に実行されてもよい。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実行するために使用される同じカテーテル、又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。EPマッピングシステムの例は、1998年4月14日に発行された「Cardiac Electromechanics」と題する米国特許第5,738,096号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、2018年3月6日に発行された「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」と題する米国特許第9,907,480号(その開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、2018年11月20日に発行された「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」と題する米国特許第10,130,422号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び2018年3月1日に公開された「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題される米国特許出願公開第2018/0056038号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0006】
一部のカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実施されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内のカテーテルの位置を、患者内の解剖学的構造の画像に関連させてリアルタイムで視覚的に追跡することが可能になり得る。Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO 3(登録商標)システムを含む一部のシステムは、EPマッピング機能とIGS機能との組み合わせを提供することができる。IGSシステムとともに使用するように構成されているカテーテルの例は、2016年11月1日に発行された「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」と題する米国特許第9,480,416号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、及び本明細書で引用されている様々な他の参考文献に開示されている。
【0007】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、本明細書に記載され、例示され、かつ特許請求される本発明を実施又は使用していないと考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態では、送達シースとカテーテルとのカプラは、円筒形シャフト及び結合部材を備える。円筒形シャフトは、軸に沿って延在し、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されている。円筒形シャフトは、近位端と、遠位端と、軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンと、を含み、ルーメンは、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされている。結合部材は、円筒形シャフトに取り付けられ、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されている。結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるときに、ルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように更に構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、結合部材は、円筒形シャフトに不動的に取り付けられている。
【0010】
いくつかの実施形態では、結合部材は、円筒形シャフトに取り付けられている一方で、円筒形シャフトに対して移動可能でもある。
【0011】
いくつかの実施形態では、結合部材は、ルーメンの軸に沿って円筒形シャフトに対して並進するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、円筒形シャフトは、カテーテル送達シースの挿入ポートに挿入されるように寸法決めされている。
【0013】
いくつかの実施形態では、カプラは、円筒形シャフトの近位端又は遠位端のうちの1つにおいて、外向きにフレア状の機構を更に備える。外向きにフレア状の機構は、ルーメン内につながる角度付き表面を画定する。
【0014】
いくつかの実施形態では、外向きにフレア状の機構は、円筒形シャフトの遠位端に配置され、カテーテル送達シースの挿入ポートの中への円筒形シャフトの挿入を防止するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、外向きにフレア状の機構は、円筒形シャフトの近位端に配置され、カテーテル送達シースの挿入ポートの中への円筒形シャフトの挿入を制限するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されたときに、結合部材とカテーテル送達シースとの間の空間から流体を排出するための通気口を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、結合部材はキャップを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、結合部材は、ねじ式の様式でカテーテル送達シースに係合するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、結合部材は、スナップ嵌めの様式でカテーテル送達シースに係合するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、結合部材は、バヨネット式の様式でカテーテル送達シースに係合するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、カプラは、ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、カプラは、円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備える。挿入ポートは長手方向軸を規定し、結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、ルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、キットは、カテーテル器具及びカプラを含む。カテーテル器具は、遠位端を有するカテーテルと、カテーテルの遠位端にあるエンドエフェクタと、を含む。カテーテル及びエンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む。カプラは、円筒形シャフト及び結合部材を含む。円筒形シャフトは、近位端と、遠位端と、軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンと、を含み、ルーメンは、エンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている。結合部材は円筒形シャフトに取り付けられている。
【0024】
いくつかの実施形態では、キットは、長手方向軸を規定する挿入ポートを含むカテーテル送達シースを更に備え、結合部材は、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように、かつ結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるときにルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、結合部材は、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つでカテーテル送達シースに係合するように構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、キットは、カテーテル器具及びカプラを含む。カテーテル器具は、遠位端を有するカテーテルと、カテーテルの遠位端にあるエンドエフェクタと、を含む。カテーテル及びエンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされ、エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む。カプラは、円筒形シャフトと、結合するための手段とを含む。円筒形シャフトは、近位端と、遠位端と、軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンと、を含み、ルーメンは、エンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている。結合するための手段は、円筒形シャフトに取り付けられている。
【0027】
いくつかの実施形態では、結合するための手段は、ねじ切り(threading)、スナップ嵌め機構、バヨネット嵌め機構、又はねじ切り、スナップ嵌め機構、若しくはバヨネット嵌め機構の機能的等価物を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法は、カテーテル送達シースにカプラを固定することを含み、カプラは、円筒形シャフト及び結合部材を含む。円筒形シャフトは、近位端と、遠位端と、軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンと、を含み、ルーメンは、カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている。結合部材は円筒形シャフトに取り付けられている。固定することは、ルーメンの軸をカテーテル送達シースの挿入ポートの長手方向軸と整列させることを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、固定することは、結合部材とカテーテル送達シースとの間に、ねじ式係合、スナップ嵌め係合、又はバヨネット式係合のうちの少なくとも1つを提供することを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、円錐台形の近位部分は、近位端から遠位に延在する。
【0032】
いくつかの実施形態では、円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細になっている。
【0033】
いくつかの実施形態では、ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、円錐台形の近位部分は、近位端から遠位に延在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細になっている。
【0036】
いくつかの実施形態では、送達シースとカテーテルとのカプラは、円筒形シャフト及びキャップを備える。円筒形シャフトは、軸に沿って延在し、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されている。円筒形シャフトは、近位端と、遠位端と、軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンと、を含み、ルーメンは、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされており、円錐台形の近位部分を含む。キャップは、円筒形シャフトの遠位端に取り付けられ、カテーテル送達シースと選択的に整列されるように構成されており、結合部材がカテーテル送達シースと選択的に整列されるときにルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、キャップは、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、キャップは、円筒形シャフトの遠位端に不動的に取り付けられている。
【0039】
いくつかの実施形態では、キャップは、円筒形シャフトの遠位端に取り付けられている一方で、円筒形シャフトに対して移動可能でもある。
【0040】
いくつかの実施形態では、キャップは、ルーメンの軸に沿って円筒形シャフトに対して並進するように構成されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、キャップは、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、締まり嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つでカテーテル送達シースに係合するように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、カプラは、ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、カプラは、円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備える。挿入ポートは長手方向軸を規定し、結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースと整列されたときに、ルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0044】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図である。
図2】エンドエフェクタが拡張状態にある、図1のカテーテルアセンブリの斜視図である。
図3図1のカテーテルアセンブリとともに使用され得る送達シースの一実施例の斜視図である。
図4A図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配置される挿入部材の実施例の斜視図であり、挿入部材及びカテーテルは、図3の送達シースの近位端内への挿入のために位置付けられている。
図4B図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配置された図4Aの挿入部材の斜視図であり、挿入部材は図3の送達シースの近位端に挿入されており、カテーテルは送達シースの近位端にまだ挿入されていない。
図4C図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配置された図4Aの挿入部材の斜視図であり、挿入部材及びカテーテルは両方とも、図3の送達シースの近位端に挿入されている。
図5図1のカテーテルアセンブリ及び図3の送達シースとともに使用され得る、挿入部材の別の実施例及びハンドルアセンブリの別の実施例の分解斜視図であり、挿入部材は、ねじ山付きキャップの形態の結合部材を含む。
図6A図5のハンドルアセンブリの挿入ポートと結合するために位置付けられた図5の挿入部材の斜視図である。
図6B図5のハンドルアセンブリの挿入ポートの上に挿入部材のキャップを位置付けるために遠位方向に前進された図5の挿入部材の斜視図である。
図6C】キャップのねじ山を図5のハンドルアセンブリの挿入ポートのねじ山とねじ式で係合させて挿入部材を図5のハンドルアセンブリに固定するように回転された図5の挿入部材の斜視図である。
図6D図5のハンドルアセンブリに固定され、図1のカテーテルアセンブリの図3の送達シースへの挿入を誘導する、図5の挿入部材の斜視図である。
図7図1のカテーテルアセンブリ及び図3の送達シースとともに使用され得る、挿入部材アセンブリの実施例及びシースハブの実施例の分解斜視図であり、挿入部材アセンブリは、少なくとも1つのL字形バヨネットスロットを有するキャップの形態の結合部材を含む。
図8A図7のシースハブのサイドポートと結合するために位置付けられた図7の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図8B図7のシースハブの少なくとも挿入ポートの上に挿入部材アセンブリのキャップを位置付けるために遠位方向に前進された図7の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図8C】キャップのL字形バヨネットスロットを図7のシースハブのサイドポートと係合させて挿入部材アセンブリをシースハブに固定するように回転された図7の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図8D図7のシースハブに固定され、図1のカテーテルアセンブリの図3の送達シースへの挿入を阻止する、図7の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図9図1のカテーテルアセンブリ及び図3の送達シースとともに使用され得る、挿入部材アセンブリの別の実施例の分解斜視図であり、挿入部材アセンブリは、少なくとも1つのJ字形バヨネットスロットを有するキャップの形態の結合部材を含む。
図10A図7のシースハブのサイドポートと結合するために位置付けられた図9の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図10B図7のシースハブの少なくとも挿入ポートの上に挿入部材アセンブリのキャップを位置付けるために遠位方向に前進された図9の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図10C】キャップのJ字形バヨネットスロットを図7のシースハブのサイドポートと係合させて挿入部材アセンブリをシースハブに固定するように回転された図9の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図10D図7のシースハブに固定され、図1のカテーテルアセンブリの図3の送達シースへの挿入を阻止する、図9の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図11図9の挿入部材アセンブリとともに使用するための少なくとも1つの傾斜したバヨネットスロットを有するキャップの形態の別の例示的な結合部材の斜視図である。
図12図1のカテーテルアセンブリ及び図3の送達シースとともに使用され得る挿入部材アセンブリの別の実施例の斜視図であり、挿入部材アセンブリは、少なくとも1つのスナップ嵌合スロットを伴う円筒状側壁を有するキャップの形態の結合部材を含む。
図13A図7のシースハブのサイドポートと結合するために位置付けられた図12の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図13B】キャップのスナップ嵌合スロットを図7のシースハブのサイドポートと係合させて挿入部材アセンブリをシースハブに固定するために遠位方向に前進された図12の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図13C図7のシースハブに固定され、図1のカテーテルアセンブリの図3の送達シースへの挿入を阻止する、図12の挿入部材アセンブリの斜視図である。
図14図1のカテーテルアセンブリ及び図3の送達シースとともに使用され得る挿入部材アセンブリの別の実施例の斜視図であり、挿入部材アセンブリは、それぞれのスナップ嵌合スロットを伴う1対の側壁を有するキャップの形態の結合部材を含む。
図15図1のカテーテルアセンブリに統合され得るエンドエフェクタの別の実施例の斜視図であり、エンドエフェクタは、拡張可能バスケット構成を有し、拡張状態で示されている。
図16】中空シャフト内に位置付けられ、非拡張状態にある図15のエンドエフェクタを示す、図3の送達シースの中空シャフトの側断面図である。
図17図3のハンドルアセンブリと、図1のカテーテルアセンブリ及び図15のエンドエフェクタとともに使用され得る挿入部材の別の例との分解斜視図であり、挿入部材は、キャップの形態の結合部材を含む。
図18A図3のハンドルアセンブリの挿入ポートと結合するために位置付けられた図17の挿入部材の斜視図である。
図18B図3のハンドルアセンブリの挿入ポートの上に挿入部材のキャップを位置付けるために遠位方向に前進された図17の挿入部材の斜視図である。
図18C図3のハンドルアセンブリに固定され、図1のカテーテルアセンブリの図3の送達シースへの挿入を誘導する、図17の挿入部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0046】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0047】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素集合を、本明細書に記載のその意図された目的に沿って機能させるのに適した寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザー」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0048】
I.カテーテルシステムの実施例の概要
図1は、上に言及した、EPマッピング又は心臓アブレーションを行うために使用できる心臓カテーテルシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。具体的には、図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、カテーテルアセンブリ(100)の(図2に示されているが、図1には示されていない)カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)は、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内若しくはその近くの組織の電位をマッピングし、かつ/又はこの組織をアブレーションするように患者(PA)内に配置されている。図2に示すように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドルアセンブリ(110)と、ハンドルアセンブリ(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドルアセンブリ(110)に関連付けられた偏向駆動アクチュエータ(114)と、を含む。
【0049】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、電気エネルギー(例えば、RFエネルギー及び/又はパルスフィールドDCエネルギーなど)を標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡し、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、かつ/又は灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。偏向駆動アクチュエータ(114)は、ハンドルアセンブリ(110)のケーシング(112)に対して回転可能であり、それにより、エンドエフェクタ(140)及びカテーテルの遠位部分(120)を、カテーテル(120)の近位部分によって画定される中心長手方向軸(longitudinal axis、LA)から離れて偏向させる。そのような機能性を提供するために、偏向駆動アクチュエータ(114)及びカテーテル(120)と結合され得る様々な好適な構成要素が、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。
【0050】
図2に示すように、カテーテル(120)は、可撓性細長シャフトを含み、エンドエフェクタ(140)は、シャフトから遠位に延在している。カテーテル(120)の近位端は、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)から遠位に延びる。いくつかの変形例では、熱収縮ラップ(図示せず)が、カテーテル(120)の近位端とノズル部材(116)との接合部において、カテーテル(120)の周りに設けられる。カテーテル(120)の遠位端にあるエンドエフェクタ(140)については、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)と結合されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下方に位置決めされ、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0051】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と結合されている。一部の変形形態では、第1のドライバモジュール(14)は、エンドエフェクタ(140)の電極を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。いくつかの他の変形例では、エンドエフェクタ(140)は、EPマッピング信号を提供するように構成された他の電極を含む。更に他の変形例では、エンドエフェクタ(140)は、EPマッピングを提供しない。
【0052】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の電極に電力を供給し、それによって、組織をアブレーションするように更に動作可能である。いくつかの他の変形例では、エンドエフェクタ(140)は、アブレーションを提供するように構成された他の電極を含む。更に他の変形例では、エンドエフェクタ(140)はアブレーションを提供しない。
【0053】
第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)と結合されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を起動して、患者(PA)の心臓(H)の周りに交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0054】
第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)の近くのカテーテル(120)のナビゲーションセンサアセンブリ(図示せず)からの位置指示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、ナビゲーションセンサアセンブリからの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を決定するように動作可能である。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリは、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能な2つ以上のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成される。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術としては、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを挙げることができる。ナビゲーションセンサアセンブリは、カテーテル(120)の遠位端に配置されるものとして示されているが、ナビゲーションセンサアセンブリは、代わりにエンドエフェクタ(140)に位置付けられてもよい。あるいは、カテーテル(120)及びエンドエフェクタ(140)は、ナビゲーションセンサアセンブリを欠いている場合がある。
【0055】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に取得された一組の画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づき得る。ディスプレイ(18)を介して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(140)のナビゲーションセンサアセンブリからの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動すると、ナビゲーションセンサアセンブリからの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサは、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新し、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれてエンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写することができる。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)を用いた電気生理学的(EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で(例えば、専用のEPマッピングカテーテルを使用するなど)検出されるように、異常な導電性組織部位の位置を示すようにディスプレイ(18)を駆動することができる。単なる例として、コンソール(12)のプロセッサは、照明ドット、十字線、又は異常な導電性組織部位のいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0056】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照明ドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又はいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(140)を観察するいかなる光学機器(すなわち、カメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じビューにおいて、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位との関連で、及び患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像との関連で、エンドエフェクタ(140)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0057】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更と結合されている可撓性管を含む。そのような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の開口部(図示せず)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示を鑑みれば当業者に明らかである任意の好適な方法で行うことができる。
【0058】
II.エンドエフェクタの実施例
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、電気エネルギー(例えば、RFエネルギー及び/又はパルスフィールドDCエネルギーなど)を標的組織部位に送達することと、EPマッピング機能を提供することと、エンドエフェクタ(140)に付与される外力を追跡することと、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡することと、灌注流体を放出することと、を行うように構成された様々な構成要素を含む。しかしながら、エンドエフェクタ(140)の変形例は、単なる説明のための例に過ぎないことを理解されたい。限定するものではないが、螺旋構成を有するエンドエフェクタ、バスケット構成を有するエンドエフェクタ、ワイヤフレーム構成を有するエンドエフェクタ、又は任意の他の好適な構成を有するエンドエフェクタを含めて、種々の他の種類のエンドエフェクタが使用されてもよい。
【0059】
図2に示すように、本実施例のエンドエフェクタ(140)は、拡張可能なバルーン(142)と、バルーン(142)の周りで互いから角度的に離間した1組の電極アセンブリ(150)とを含む。バルーン(142)は、非拡張状態(図示せず)と拡張状態(図2)との間で移行するように動作可能である。バルーン(142)は、ポンプ(44)によって圧力をかけられた、流体源(42)からの灌注流体(例えば、生理食塩水)で膨張されて、非拡張状態から拡張状態へと移行することができる。非拡張状態では、バルーン(142)は、以下に説明される送達シース(200)等のシース、又はカテーテル(120)の一体部分であるシース内に嵌合してもよい。拡張状態では、バルーン(142)は、電極アセンブリ(150)の電極を付勢して、組織(例えば、心臓(H)の肺静脈又は心腔の内壁)と接触させるようにサイズ決定及び構成され得る。本実施例では、バルーン(142)は、可撓性でありながらも非伸張性の材料から形成される。
【0060】
本実施例の各電極アセンブリ(150)は、可撓性基板と、フレックス回路として形成され得る電極とを含む。本実施例の電極は、電極と接触している組織をアブレーションするように動作可能である。電極は更に、米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」(2017年11月2日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であってもよい。
【0061】
いくつかの変形例では、電極は、電気エネルギー(例えば、RF又はIREなど)アブレーション機能とEPマッピング機能の両方を提供するように構成される。いくつかの他の変形例では、電極は、同様にEPマッピング機能を提供することなく電気エネルギーアブレーション機能のみを提供するように構成される。更に他の変形例では、電極は、同様に電気エネルギーアブレーション機能を提供することなくEPマッピング機能のみを提供するように構成される。更に別の単なる説明のための例として、エンドエフェクタ(140)は、電気エネルギーアブレーション機能のみを提供するための専用のいくつかの電極(214)と、EPマッピング機能のみを提供するための専用の他の電極とを含んでもよい。電極に関連付けられ得る他の好適な構成及び機能が、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0062】
上記に加えて、エンドエフェクタ(140)、及びカテーテルアセンブリ(100)の他の態様は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月2日公開の米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」及び/又は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2021年10月21日公開の米国特許出願公開第2021/0322094号、発明の名称「Pressure Relief Feature for Irrigated RF Balloon Catheter」の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であり得る。これに代えて、エンドエフェクタ(140)は、任意の他の好適な構成要素、特徴、及び機能を有してもよい。
【0063】
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、任意の他の好適な種類の拡張可能なバルーン構成、任意の好適な種類の拡張可能なバスケット構成、又は任意の他の好適な種類の拡張可能な構成を有してもよい。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(140)は、拡張状態にあるときに螺旋形状を画定するように構成されてもよい。例えば、エンドエフェクタ(140)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2021年3月25日発行の米国特許出願公開第2021/0085386号、発明の名称「Catheter Instrument with Three Pull Wires」の1つ又は2つ以上の教示に従って構成され、動作可能であり得る。いくつかの他の変形例では、エンドエフェクタ(140)は、拡張状態にあるときに広がるように構成されたスパインのそれぞれの対を備える複数のループ部材を含んでもよい。例えば、エンドエフェクタ(140)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2020年11月5日公開の米国特許出願公開第2020/0345262号、発明の名称「Mapping Grid with High Density Electrode Array」の1つ又は2つ以上の教示に従って構成され、動作可能であり得る。代替的に、エンドエフェクタ(140)は、任意のその他の好適な形態をとってもよい。
【0064】
III.送達シースの実施例
いくつかの処置では、医師(PH)は、送達シースを介してカテーテル(120)を患者(PA)に導入することを望む場合がある。いくつかのこのような処置では、送達シースを患者(PA)に挿入し(例えば、患者(PA)の脚又は鼠径部を介して)、次いで、静脈又は動脈に沿って前進させて、心臓(H)内又は心臓(H)付近の位置に到達させ得る。送達シースが患者(PA)内に好適に位置付けられると、医師(PH)は、次いで、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を送達シース内に前進させてもよい。エンドエフェクタ(140)は、挿入部位から患者(PA)内の標的領域への通過中、非拡張状態にあってもよい。エンドエフェクタ(140)が標的構造の近くに好適に位置付けられると、送達シースは、エンドエフェクタ(140)に対して後退されてもよい(あるいはエンドエフェクタ(140)は、送達シースに対して前進されてもよい)。次いで、エンドエフェクタ(140)は、バルーン(142)を膨張させることによって図2に示す状態へと拡張され、電極(214)を標的となる心臓血管構造の組織と接触させ得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、エンドエフェクタ(140)の1つ又は2つ以上の弾性機構は、非拡張状態(図示せず)から拡張状態(図2)へとエンドエフェクタ(140)を付勢し得る。エンドエフェクタ(140)が拡張状態に移ると、医師(PH)は次いで、患者(PA)の心臓(H)内若しくは心臓(H)付近において、EPマッピング、アブレーション、又は任意の他の種類の操作を行うために、カテーテルアセンブリ(100)を操作してもよい。エンドエフェクタ(140)は、次いで、送達シースを通して後退させるために、バルーン(142)を圧縮すること、及び/又は別様にエンドエフェクタ(140)を収縮させることによって、非拡張構成に折り畳まれてもよい。
【0065】
図3は、このような処置で使用され得る送達シース(200)の一例を示す。この例の送達シース(200)は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端(216)から遠位方向に延在する中空シャフト(220)を有するハンドルアセンブリ(210)を含む。ハンドルアセンブリ(210)は、ケーシング(212)を把持するように構成されている。中空シャフト(220)の開放遠位端(240)は、シャフトの長手方向軸(longitudinal axis、LA)から離れる方向に横方向に偏向するように動作可能である。この偏向は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端(216)にある回転ノブ(214)によって制御される。回転ノブ(214)は、長手方向軸(LA)を中心にケーシング(212)に対して回転可能であり、それによって、中空シャフト(220)の開放遠位端(240)の横方向の偏向を駆動する構成要素を作動させる。あくまで一例として、このような作動構成要素は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかとなるように、1つ又は2つ以上のプルワイヤ、バンド、又は任意の他の好適な構造体を備えてもよい。
【0066】
図3に示されるように、管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)の近位端(218)から横方向に延在する。この実施例の管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部(図示せず)と流体連通し、中空内部は、中空シャフト(220)の内部と流体連通している。本実施例の管(202)は、流体源(204)と更に流体連通している。あくまで一例として、流体源(204)は、生理食塩水又は任意の他の好適な流体を含んでもよい。場合によっては、流体源(204)からの流体は、管(202)を通って、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部領域と、中空シャフト(220)の内部とを通って連通し、それによって、管(202)によって画定された流体経路、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部領域、及び中空シャフト(220)の内部に流体を流す。
【0067】
図3に示すように、ハンドルアセンブリ210の近位端218は、挿入ポート250を更に備える。挿入ポート(250)は、以下でより詳細に説明するように、長手方向軸(LA)と位置合わせされ、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を中空シャフト(220)に挿入するためのポートを提供する。いくつかの変形例では、中空シャフト(220)の内部は、エンドエフェクタ(140)が中空シャフト(220)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するようにサイズ決めされる。この実施例の挿入ポート(250)は、開口部(254)を画定する環状突出部(252)を備える。突出部(252)は、近位端(218)においてケーシング(212)から近位に突出する。いくつかの変形例では、突出部(252)は省略される。
【0068】
シール(260)は、開口部(254)内に位置付けられる。あくまで一例として、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかとなるように、シール(260)は、エラストマー膜又は他の種類の構成要素を備えてもよい。本実施例のシール(260)は、シール(260)を通して器具(例えば、以下に説明されるようにカテーテル(120)又は挿入部材(300)など)を挿入するのを容易にするように構成されたスリット構成(262)を更に備える。本実施例では、スリット構成(262)は、「+」記号の形態であるが、任意の他の好適な種類の構成が使用されてもよい。シール(260)を通して何も挿入されていないときに、シール(260)は、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路の部分から挿入ポート(250)を介して流体が漏れることを防止し、かつハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路に挿入ポート(250)を介して空気が入ることを防止する、流体密封シールを提供するように構成されている。器具がシール(260)を通して挿入されるときに、シール(260)は、依然として、ポート(250)の流体密封シールを実質的に維持し、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路から挿入ポート(250)を介して流体が漏れることを防止し、かつ挿入された器具がシール(260)に対して並進することを依然として可能にしながら、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路に挿入ポート(250)を介して空気が入ることを防止する。したがって、器具が挿入ポート(250)内に配置されているかどうかにかかわらず、シール(260)は、流体が挿入ポート(250)を通って漏出することを防止し、かつ、空気が挿入ポート(250)を介して患者(PA)の心臓(H)内に吸引されることを防止することができる。
【0069】
いくつかの変形例では、送達シース(200)は、Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO VIZIGO(登録商標)双方向送達シースのように構成され、動作可能である。
【0070】
IV.フレア状端部を有する円筒状挿入部材の例
いくつかの処置において、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)は、シャフト(220)に入り、それによってシャフト(220)の遠位端(240)から出るために、挿入ポート(250)に直接挿入されてもよい。いくつかのそのような手順では、最初に、剛性円筒状挿入部材が、スリット構成(262)においてシール(260)を通して挿入され、次いでエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)が、円筒状挿入部材の中空内部を通って遠位に前進される。円筒状挿入材は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)のためのシール(260)の初期貫通を提供するのを支援することができ、この支援がなければ、比較的小さい直径のエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)、並びに/又は可撓性の(例えば、拡張可能な)エンドエフェクタ(140)にとって初期貫通はかなり困難であり得る。そのような円筒状挿入部材は、純粋な円筒(例えば、その全長に沿って均一な内径及び外径を有する直管)として付形されてもよい。カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)が円筒状挿入部材の近位端に到達する地点まで遠位に前進され得る。そのような場合、円筒状挿入部材の剛性近位端は、カテーテル(120)の近位端に歪みをもたらし得るが、これは、歪みがカテーテル(120)の構造的完全性を損なう可能性があるため、望ましくない場合がある。同様に、円筒状挿入部材の剛性近位端は、カテーテル(120)の近位端におけるキンクの形成を促進し得る。したがって、挿入部材の近位端におけるカテーテル(120)の歪み又はキンクのリスクを排除するか又は別様に低減する挿入部材の変形例を提供することが望ましい場合がある。
【0071】
円筒形挿入部材が使用されるいくつかの事例において、操作者が、円筒形挿入部材の近位端がシール(260)を完全に通過する地点まで、挿入ポート(250)を通して円筒形挿入部材を不注意に過度に挿入する可能性がある。これは、医師(PH)が、送達シース(200)と一緒に使用することが意図されたカテーテル及び円筒形挿入部材(例えば、10フレンチ)のサイズよりも小さいサイズ(例えば、8フレンチ)を有するカテーテル(120)及び円筒形挿入部材を使用する場合に、特に危険であり得る。円筒形挿入部材の近位端がシール(260)を越えて遠位に通過するいくつかの事例において、ハンドルアセンブリ(210)から円筒形挿入部材を除去することは困難又は不可能であり得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、シール(260)内に押し込まれた挿入部材を有することは、シール(260)が挿入ポート(250)において流体密封シールを提供することを妨げる場合があり、これにより、空気又は他の流体が挿入ポート(250)を通して漏出することとなり得る。最悪の場合のシナリオでは、円筒形挿入部材は、送達シース(200)のシャフト(220)を更に通過し、遠位端(216)から出る可能性があり、その結果、円筒形挿入部材は患者(PA)内に不所望に留置される。したがって、挿入部材がシール(260)又は挿入ポート(250)の他の部分を完全に通過するリスクを排除するかあるいは別様に低減する、挿入部材の変形例を提供することが望ましい場合がある。
【0072】
図4A図4Cは、送達シース(200)の挿入ポート(250)を通してエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を挿入するのを補助するために使用され得る挿入部材(300)の例を示す。この実施例の挿入部材(300)は、円筒形遠位部分(302)と、フレア状近位部分(304)とを含む。遠位部分(302)は、真っ直ぐな円筒状シャフトの形態をなし、フレア近位部分(304)で近位に関して終端しかつ挿入部材(300)の遠位端(310)で遠位に関して終端するルーメン(図示せず)を画定する。近位部分(304)は、ルーメンにつながる円錐台形状を有し、挿入部材(300)の近位端(312)を画定する。したがって、近位部分(304)は、近位から遠位の方向に挿入部材(300)の中心長手方向軸(LA)に向かって内向きに先細になっている。本実施例では、挿入部材(300)は、実質的に剛性である。
【0073】
挿入部材(300)は、図4Aに示すように、エンドエフェクタ(140)が非拡張状態にある間に、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を受容するように構成されている。ルーメンは、カテーテル(120)が挿入部材(300)を通して自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径を密接に補完するように寸法決めされてもよい。いくつかの変形例では、ルーメンは、エンドエフェクタ(140)がルーメン内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされる。近位部分(304)の円錐台形状は、挿入部材(300)の近位端(312)へのエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の挿入を更に支援する導入部を提供し得る。挿入部材(300)の長さは、カテーテル(120)の長さよりも実質的に短くてもよく、その結果、エンドエフェクタ(140)は、挿入部材(300)がカテーテル(120)の周りに配置されている間、挿入部材(300)の遠位端(310)を越えて遠位に突出し得る。
【0074】
挿入部材(300)のある使用例では、挿入部材(300)は、図4Aに示されるように、最初にエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位端の周りに部分的に配置されてもよい。挿入部材(300)と、エンドエフェクタ(140)と、カテーテル(120)との組み合わせは、挿入ポート(250)への挿入のために位置付けられてもよい。したがって、カテーテル(120)の長手方向軸(LA)は、送達シース(200)の長手方向軸(LA)と整列され得る。本実施例のこの段階では、エンドエフェクタ(140)は、挿入部材(300)の遠位端(310)と挿入部材(300)の近位端(312)との間に長手方向に配置される。上述したように、エンドエフェクタ(140)は、この段階でルーメンによって非拡張状態に拘束され得る。
【0075】
次に、医師は、挿入部材(300)と、エンドエフェクタ(140)と、カテーテル(120)との組み合わせを挿入ポート(250)に向かって遠位に前進させて、図4Bに示すように、挿入部材(300)の遠位端(310)がスリット構成(262)においてシール(260)を貫通するようにしてもよい。この実施例では、挿入部材(300)の遠位端(310)は、エンドエフェクタ(140)が挿入部材(300)の遠位端(310)を越えて遠位に前進される前に、シール(260)を通過する。挿入部材(300)の遠位端(310)がシール(260)を通過すると、図4Cに示すように、カテーテル(120)前進され、その結果、エンドエフェクタ(140)は、挿入部材(300)の遠位端(310)を越えて遠位に前進することになる。カテーテル(120)が前進されると、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)は、シャフト(220)の内部を遠位方向に通過する。エンドエフェクタ(140)は、この段階で、シャフト(220)の内部によって非拡張状態に拘束され得る。エンドエフェクタ(140)は、最終的に、エンドエフェクタ(140)がシャフト(220)の遠位端(240)に対して遠位に位置する点に到達する。エンドエフェクタ(140)は、この段階で非拡張状態に拘束されなくなり、そのため、エンドエフェクタ(140)は拡張状態に選択的に移行され得る。処置のいくつかの変形例では、図4Cに示す状態に到達した後、医師(PH)がカテーテル(120)を遠位に前進させ続けると、挿入部材(300)はカテーテル(120)に対して近位に後退する。換言すれば、挿入部材(300)の遠位端(310)は、カテーテル(120)が送達シース(200)内へと遠位に前進される処置の少なくとも一部の間、挿入ポート(250)の近位にあってもよい。
【0076】
いくつかのシナリオでは、カテーテルアセンブリ(100)及び送達シース(200)の通常動作中、エンドエフェクタ(140)がシャフト(220)の遠位端(240)に対して遠位に位置付けられるとき、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)と挿入部材(300)は両方とも、挿入ポート(250)から近位に離間される。したがって、カテーテルアセンブリ(100)、送達シース(200)、及び挿入部材(300)のいくつかの変形例は、挿入部材(300)が挿入ポート(250)に接触する必要なく、またノズル部材(116)が挿入部材(300)に接触する必要なく、エンドエフェクタ(140)がシャフト(220)から遠位に露出され、したがって患者(PA)の心臓(H)内で操作されることを可能にするように構成されてもよい。そのようなシナリオでは、挿入部材(300)は、単に、挿入ポート(250)とハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)との間に長手方向に介在するカテーテル(120)の領域の周りに位置付けられてもよい。
【0077】
ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)が挿入部材(300)に係合する点まで、医師(PH)がカテーテルアセンブリ(100)を遠位に前進させ続ける場合、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)は、最終的に挿入ポート(250)の環状突出部(252)に係合し得る。挿入部材(300)の円筒形遠位部分(302)は、開口部(254)の直径よりも小さい外径を有するが、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)は、開口部(254)の直径よりも大きい外径を有する。したがって、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)は、挿入ポート(250)の環状突出部(252)に係合し、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)と挿入ポート(250)の環状突出部(252)との間のこの相互作用は、挿入部材(300)を停止させ、それによって、挿入部材(300)が挿入ポート(250)の中へ更に遠位に前進することを防止する。
【0078】
前述の例では、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)が挿入ポート(250)の環状突出部(252)に係合するが、他の構成によって、フレア状近位部分(304)とシール(260)との間の係合が提供されてもよい。そのようなシナリオでは、環状突出部(252)は単に存在しなくてもよい。それに代わって、フレア状近位部分(304)は、環状突出部(252)によって画定される開口部は通過するが、シール(260)は通過しないように寸法決めされた外径を有してもよい。いずれの場合も、スリット構成(262)は、挿入部材(300)の円筒形遠位部分(302)がシール(260)を通過することは可能にするが、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)がシール(260)を通過することは防止するように構成され得る。別の単なる例示的な代替形態として、挿入ポート(250)は、環状突出部(252)に係合し、それによって挿入ポート(250)を通じた挿入部材(300)の挿入を阻止する何らかの他の構造を含んでもよい。
【0079】
挿入ポート(250)の中への挿入部材(300)の遠位挿入を阻止することに加えて、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)は、カテーテル(120)が挿入部材(300)の近位端(312)に対して横方向に偏向するより大きな自由度を提供することによって挿入部材(300)の近位端(312)とカテーテル(120)との接合部において発生し得る歪みを、更に排除するか、若しくは別様に低減し得る。
【0080】
上述の処置のいくつかの変形形態では、挿入部材(300)は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)が挿入部材(300)に挿入される前に、挿入ポート(250)に挿入される。換言すれば、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)は、挿入部材(300)が最初に挿入ポート(250)に挿入されるときに、挿入部材(300)から完全に分離され得る。処置のいくつかのそのような変形形態では、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)が挿入部材(300)に挿入される前に、挿入部材(300)のフレア状近位部分(304)が挿入ポート(250)の環状突出部(252)に係合する点まで、挿入部材(300)が最初に挿入ポート(250)に完全に挿入される。
【0081】
V.結合部材を有する挿入デバイスの実施例
いくつかのシナリオでは、カテーテル(120)を挿入部材(300)を通して前進させるときにシール(260)のスリット構成(262)に対してカテーテル(120)の遠位端をセンタリングすること、及び/又はカテーテル(120)を挿入部材(300)を通して前進させるときに、カテーテル(120)の長手方向軸がシール(260)によって規定される平面に対して直交して方向付けられることなどのために、挿入部材(300)の長手方向軸が挿入ポート(250)の長手方向軸と整列し、したがって送達シース(200)の長手方向軸(LA)と整列した状態で、挿入部材(300)のような挿入デバイスをハンドルアセンブリ(210)のようなシースハンドルアセンブリに固定することが望ましい場合がある。ハンドルアセンブリ(210)への挿入部材(300)のそのような固定は、シール(260)に対する所望の位置及び向きでのシール(260)を通したカテーテル(120)の遠位端の挿入を促進し得、それにより、シール(260)を通してカテーテル(120)の遠位端を押すために必要とされる力の量が最小限となり得、シール(260)及び/又はエンドエフェクタ(140)を含むカテーテル(120)の遠位端への損傷が阻止され得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、ハンドルアセンブリ(210)への挿入部材(300)のそのような固定は、医師(PH)又は他の操作者が、挿入部材(300)をハンドルアセンブリ(210)に固定した後に挿入部材(300)を解放することを可能にし、それによって、操作者がハンドルアセンブリ(210)を操作者の一方の手で保持しながら(例えば、その手で挿入部材(300)を同時に保持する必要なく)、カテーテル(120)を操作者の他方の手でシール(260)を通して挿入することを可能にし得る。上記を考慮すると、ハンドルアセンブリ(210)への挿入部材(300)のそのような固定を容易にするために、挿入部材(300)に結合部材を追加することが望ましい場合がある。そのような結合部材が取り得る様々な形態の例が以下により詳細に記載される。
【0082】
以下に記載される例は、カテーテル(120)をシール(260)を通して送達シース(200)内に挿入する状況で提供されるが、本明細書の教示は、他の種類の器具(例えば、拡張器、別の種類の非カテーテル器具など)が送達シース(200)内に挿入される状況などの他の状況に容易に適用され得る。
【0083】
A.ねじ山付き遠位キャップ部分を有する円筒状挿入部材の実施例
図5図6Dは、ハンドルアセンブリ(210)の代わりに送達シース(200)に組み込まれ得るハンドルアセンブリ(400)の別の実施例の近位部分と、ハンドルアセンブリ(400)に選択的に固定され、挿入部材(300)について上述したものと同様の様式で使用され得る挿入部材(402)の実施例とを示す。ハンドルアセンブリ(400)及び挿入部材(402)は、以下に別途記載される場合を除いて、上述のハンドルアセンブリ(210)及び挿入部材(300)とそれぞれ同様である。この実施例のハンドルアセンブリ(400)は、ケーシング(410)によって把持されるように構成されており、近位端(412)と遠位端(図示せず)とを含む。近位端(412)は、長手方向軸(LA)を規定する挿入ポート(414)を有し、開口部(418)を画定しかつ近位端(412)においてケーシング(410)から近位に突出する環状突出部(416)を含む。シール(420)は、開口部(418)内に位置付けられ、器具(例えば、カテーテル(120)など)をシール(420)を通して挿入することを容易にするように構成されたスリット構成(422)を更に備える。本実施例では、スリット構成(422)は、「+」記号の形態であるが、任意の他の好適な種類の構成が使用されてもよい。
【0084】
示されるように、挿入ポート(414)は、以下でより詳細に説明されるように、挿入部材(402)の対応する部分にねじ式で係合するために、環状突出部(416)の略円筒形外側表面から半径方向外向きに延在する螺旋状隆起部(430)の形態のねじ山を更に含む。いくつかの変形例では、隆起部(430)はまた、Biosense Webster,Inc.(Irvine、California)によるHELIOSTAR(商標)バルーンアブレーションカテーテルの拡張器キャップ等のバルーン拡張カテーテルアセンブリ(図示せず)の対応する部分にねじ式で係合するように構成されてもよい。この点に関して、ハンドルアセンブリ(400)は、Biosense Webster,Inc.(Irvine、California)によるGUIDESTAR(商標)導入器シースのハンドルアセンブリと同様に構成されてもよい。
【0085】
本実施例の挿入部材(402)は、近位端(452)と遠位端(454)との間に延在する管(450)を含む。管(450)は、円筒形主要部分(456)と、フレア状遠位部分(458)とを有する。遠位部分(458)が主要部分(456)から管(450)の遠位端(454)へと半径方向外向きに先細になるように、主要部分(456)は真っ直ぐな円筒の形態であり、遠位部分(458)は円錐台形状を有する。主要部分(456)と遠位部分(458)は、管(450)の近位端(452)と遠位端(454)との間で長手方向に延在し、カテーテル(120)が管(450)を通って自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径をぴったりと補完するように寸法決めされたルーメン(460)を集合的に画定する。ルーメン(460)は、エンドエフェクタ(140)がルーメン(460)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされてもよい。本実施例では、管(450)は実質的に剛性である。いくつかの変形形態では、近位端(452)と遠位部分(458)は両方ともフレア状である。いくつかの他の変形形態では、近位端(452)はフレア状であるが、遠位部分(458)はフレア状ではない。
【0086】
本実施例の挿入部材(402)は、管(450)と同軸に配置された遠位キャップ(470)の形態の結合部材を更に含む。キャップ(470)は、遠位部分(458)のわずかに近位の位置など、主要部分(456)と遠位部分(458)との間の境界面で、又はその近くで、管(450)の主要部分(456)に対して半径方向外向きに延在する、概して平坦及び/又はドーム形状の近位端壁(472)と、概して環状の遠位側壁(474)と、を含む。図示の例では、側壁(474)の略円筒形の内側表面と遠位部分(458)の略円錐台形の外側表面との間に、挿入ポート(414)の環状突出部(416)を受容するのに十分な大きさの隙間ギャップを伴って、側壁(474)の略円筒形の内側表面が遠位部分(458)の略円錐台形の外側表面に対向するように、キャップ(470)の側壁(474)が遠位部分(458)の周囲に延在する。
【0087】
本実施例のキャップ(470)は、挿入ポート(414)の隆起部(430)とねじ式で係合するために、側壁(474)の略円筒形の内側表面から半径方向外向きに延在する螺旋溝(480)の形態のねじ山を更に含む。溝(480)は、溝(480)と隆起部(430)との間のねじ式係合を促進するために、隆起部(430)の螺旋経路と同様の螺旋経路に沿って延在してもよい。挿入ポート(414)及びキャップ(470)のねじ山は、互いにねじ式で係合するための任意の好適な形態であってもよく、示される隆起部(430)及び溝(480)の特定の構成に限定されないことが理解されよう。例えば、本変形例では、隆起部(430)が挿入ポート(414)に設けられ、溝(480)がキャップ(470)に設けられているが、いくつかの他の変形例では、隆起部(430)がキャップ(470)に設けられ、溝(480)が挿入ポート(414)に設けられてもよい。
【0088】
隆起部(430)と溝(480)との間のねじ式係合は、挿入部材(402)の長手方向軸、より具体的には、ルーメン(460)の長手方向軸が挿入ポート(414)の長手方向軸(LA)と整列した状態で、挿入部材(402)のハンドルアセンブリ(400)への確実な結合を容易にし得る。このようにして、ルーメン(460)は、シール(420)のスリット構成(422)に対して中心に置かれてもよく、また、挿入部材(402)がハンドルアセンブリ(400)に固定されるときにシール(420)によって規定される平面に対して直交して配向されてもよい。いくつかの変形例では、管(450)の遠位端(454)は、挿入部材(402)がハンドルアセンブリ(400)に固定されたときにシール(420)の近位表面に当接するように構成されてもよい。この点に関して、管(450)の遠位部分(458)のフレア状構成は、遠位端(454)が挿入ポート(414)の環状突出部(416)の開口部(418)の中へと通過することは可能にし得るが、遠位端(454)がシール(420)を通して挿入されることは防止し得る。例えば、送達シース(200)が、例えば約13.5Frから約14Frの間のフレンチスケールのテーテルのサイズを有するカテーテル(120)とともに使用するように構成されている場合、遠位部分(458)は、遠位端(454)が挿入ポート(414)の環状突出部(416)の開口部(418)内に通過することを可能にするように選択された外径を有してもよい。いくつかの他の変形例では、管(450)の遠位部分(458)のフレア状構成は、遠位端(454)が挿入ポート(414)に挿入されることを防止し得る。
【0089】
示されている例では、キャップ(470)の側壁(474)は、溝(480)を隆起部(430)とねじ式で係合させるため、及び/又は溝(480)を隆起部(430)からねじ式で係合解除するために、操作者がハンドルアセンブリ(400)に対してキャップ(470)を回転させるのを支援するように、医師(PH)又は他の操作者によって把持されるように構成された複数の平坦な外側表面(490)を更に含む。本実施例のキャップ(470)はまた、キャップ(470)がハンドルアセンブリ(400)に固定されたときに、キャップ(470)の端壁(472)の遠位表面とハンドルアセンブリ(400)との間の空間からキャップ(470)の外部へ流体(例えば、空気)を排出するために、端壁(472)を通って延在する少なくとも1つの通気孔又はブリーダ孔(492)を含む。
【0090】
挿入部材(402)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)又は金属材料などの任意の好適な半透明(例えば、透明)又は不透明な材料で構成されてもよい。本明細書の教示に鑑みて、挿入部材(402)を形成するために使用され得る様々な好適な材料が、当業者に明らかとなろう。示される実施例では、管(450)とキャップ(470)は、挿入部材(402)を画定するように、単一(例えば、モノリシック)部品として互いに一体的に形成される。この点に関して、挿入部材(402)は、3D印刷、射出成形、インベストメント鋳造、機械加工、及び/又は任意の他の好適な製造技術によって製造されてもよい。他の変形例では、管(450)とキャップ(470)は、別個の部品として互いに別個に個々に形成され、互いに結合されて挿入部材(402)を画定するため、挿入部材(402)はアセンブリと呼ばれ得る。管(450)とキャップ(470)は、同じ材料又は異なる材料で構成され得ることが理解されよう。本実施例の管(450)はキャップ(470)に対して動かないように固定されているが、管(450)は代替的にキャップ(470)に対して移動可能であってもよい。例えば、管(450)は、キャップ(470)に摺動可能に結合されて、図7図14に関連して以下に説明する様式のいずれかと同様の様式などで、キャップ(470)に対する管(450)の長手方向摺動を容易にすることができる。
【0091】
管(450)の遠位部分(458)は本実施例ではフレア状であるが、遠位部分(458)は代替的に円筒形であってもよい。例えば、遠位部分(458)は、主要部分(456)のものと同様の内側寸法及び外側寸法を有する真っ直ぐな円筒形の形態であってもよい。遠位部分(458)のそのような構成は、遠位端(454)が、図4A図4Cに関連して上で説明された様式及び/又は図7図14に関連して以下で説明される様式のうちのいずれかと同様の様式で、シール(420)を通して挿入されることを可能にし得る。いくつかのそのような場合、管(450)は、近位部分が主要部分(456)から管(450)の近位端(452)まで半径方向外向きに先細になるように円錐台形状を有し、主要部分(456)と協働してルーメン(460)を画定するフレア状近位部分(図示せず)を含んでもよい。そのようなフレア状近位部分は、管(450)の近位端(452)へのエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の挿入を補助するための導入部を提供し得る。いくつかの他の変形例では、管(450)は、フレア状遠位部分(458)とそのようなフレア状近位部分の両方を含んでもよい。
【0092】
図示されていないが、挿入部材(402)は、シール部材、リブなどの強化された構造支持機構、外部フィンなどのトルク駆動機構、及び/又は内部フィンなどのカテーテル把持機構のうちの任意の1つ又は2つ以上を含んでもよい。単に一例として、挿入部材(402)は、2021年04月22日公開の米国特許出願公開第2021/0113812号、発明の名称「Flared Insert Member for Use with Catheter Assembly」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。
【0093】
挿入部材(402)の使用例では、挿入部材(402)の長手方向軸(LA)は、図6Aに示されるように、挿入ポート(414)の長手方向軸(LA)と整列されてもよい。次に、医師(PH)は、挿入ポート(414)の環状突出部(416)が、図6Bに示されるように、キャップ(470)の側壁(474)の略円筒形の内側表面と管(450)の遠位部分(458)の略円錐台形の外側表面との間に少なくとも部分的に受容されるように、挿入部材(402)を挿入ポート(414)に向かって遠位に前進させてもよい。次いで、医師(PH)は、図6Cに示されるように、ハンドルアセンブリ(400)に対してキャップ(470)を回転させて、キャップ(470)の溝(480)を挿入ポート(414)の隆起部(430)とねじ式で係合させ、それによって挿入部材(402)をハンドルアセンブリ(400)に固定してもよい。
【0094】
挿入部材(402)が図6Cに示される固定状態にあるとき、ルーメン(460)の長手方向軸は、挿入ポート(414)の長手方向軸(LA)と整列され、その結果、ルーメン(460)は、シール(420)のスリット構成(422)に対して中心に置かれ、シール(420)によって規定される平面に対して直交して方向付けられ、管(450)の遠位端(454)は、シール(420)の近位表面に当接する。ハンドルアセンブリ(400)への挿入部材(402)の固定が、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を挿入部材(402)に挿入する前に行われ得るように、シール(420)は、ハンドルアセンブリ(400)への挿入部材(402)の固定中に貫通されないままであり得ることが理解されるであろう。いったん挿入部材(402)がハンドルアセンブリ(400)に固定されると、カテーテル(120)は、挿入部材(402)のルーメン(460)を通して摺動され、遠位端(454)を越えて遠位に前進されて、スリット構成(422)においてシール(420)を貫通し、それにより、図6Dに示されるように、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)はシャフト(220)の内部を遠位に通過し得るようになる。エンドエフェクタ(140)は最終的に、エンドエフェクタ(140)が拡張状態に選択的に移行され得るように、エンドエフェクタ(140)がシャフト(220)の遠位端(240)に対して遠位に位置する点に到達する。
【0095】
B.L字形バヨネットスロットを有する遠位キャップを備えた挿入部材アセンブリの実施例
図7図8Dは、ハンドルアセンブリ(210)の代わりに送達シース(200)に組み込まれ得る別のハンドルアセンブリ用のシースハブ(500)の例と、シースハブ(500)に選択的に固定され、挿入部材(300)について上述されたものと同様の様式で使用され得る挿入部材アセンブリ(502)の実施例と、を示す。シースハブ(500)は、ハンドルアセンブリ(210)と同様のハンドルアセンブリに組み込まれてもよく、挿入部材アセンブリ(502)は、以下に別途記載される場合を除いて、上述の挿入部材(402)と同様である。特に、シースハブ(500)は、ハンドルアセンブリから垂直に延在してもよく、ハンドルアセンブリのハウジングに対して堅固に固定されてもよく、それによって、送達シースのハンドルアセンブリに対する挿入部材アセンブリ(502)の機械的接地を提供する。この実施例のシースハブ(500)は、ケーシング(410)と同様のケーシング(図示せず)に結合されるように構成され、近位端(512)と遠位端(513)とを含む本体(510)を有する。近位端(512)は、長手方向軸(LA)を規定する挿入ポート(514)を有し、開口部(518)を画定し、近位端(512)において本体(510)から近位に突出する環状突出部(516)を含む。シール(520)は、開口部(518)内に位置付けられ、器具(例えば、カテーテル(120)など)をシール(520)を通して挿入することを容易にするように構成されたスリット構成(522)を更に備える。本実施例では、スリット構成(522)は、「*」記号の形態であるが、任意の他の好適な種類の構成が使用されてもよい。
【0096】
示されるように、シースハブ(500)は、以下でより詳細に説明されるように、挿入部材アセンブリ(502)の対応する部分に係合するために、近位端(512)の近くで本体(510)から半径方向外向きに延在するサイドポート(530)の形態の突出部を更に含む。示される実施例では、シースハブ(500)はまた、サイドポート(530)と近位端(512)との間で本体(510)から半径方向外向きに延在する細長タブ(532)を含む。いくつかの変形例では、サイドポート(530)は、流体源(図示せず)と選択的に流体結合されるように構成されてもよい。そのような流体源は、生理食塩水、蛍光透視法造影剤流体、及び/又は任意の他の好適な種類の流体を含み得る。流体源からの流体は、サイドポート(530)を介して中空シャフト(220)に到達することができ、最終的には、中空シャフト(220)の開放遠位端(240)から排出され得る。あくまで更なる例として、シースハブ(500)は、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO VIZIGO(登録商標)導入器シースのものと同様に構成されてもよい。
【0097】
本実施例の挿入部材アセンブリ(502)は、近位端(552)と遠位端(554)との間に長手方向に延在する管(550)を含む。管(550)は、フレア状近位部分(555)と円筒形主要部分(556)とを有する。近位部分(555)が主要部分(556)から管(550)の近位端(552)へと半径方向外向きに先細になるように、主要部分(556)は真っ直ぐな円筒の形態であり、近位部分(555)は円錐台形状を有する。主要部分(556)と近位部分(555)は、管(550)の近位端(552)と遠位端(554)との間で長手方向に延在し、かつカテーテル(120)が管(550)を通って自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径をぴったりと補完するように寸法決めされたルーメン(560)を集合的に画定する。ルーメン(560)は、エンドエフェクタ(140)がルーメン(560)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされてもよい。本実施例では、管(550)は実質的に剛性である。いくつかの変形例では、管(550)の剛性は、図7の破線(557)によって示されるように、厚くされた側壁を提供することによって強化されてもよい。いくつかの変形形態では、近位端(552)と遠位端(554)は両方ともフレア状である。いくつかの他の変形形態では、遠位端(554)はフレア状であるが、近位端(552)はフレア状ではない。近位端(552)及び/又は遠位端(554)は、破線(557)によって示されるように、管が厚くされた側壁を有する変形形態において、依然として円錐形の導入部/導出部を提供し得る。
【0098】
本実施例の挿入部材アセンブリ(502)は、管(550)と同軸に配置された遠位キャップ(570)の形態の結合部材を更に含む。キャップ(570)は、管(550)の主要部分(556)に対して半径方向外向きに延在する概ね平坦な近位端壁(572)と、概ね円筒形の遠位側壁(574)とを含む。示される実施例では、キャップ(570)は、端壁(572)を通って長手方向に延在し、かつキャップ(570)に対する管(550)の長手方向摺動を容易にするために管(550)の主要部分(556)を摺動可能に受容するように構成された中心穴(576)を含む。例えば、以下でより詳細に説明するように、管(550)は、キャップ(570)が管(550)の遠位端(554)又はその近くにある第1の位置と、キャップ(570)が管(550)の近位部分(555)と係合される第2の位置との間で、キャップ(570)に対して長手方向に摺動するように構成されてもよい。この点に関して、管(550)の主要部分(556)は、そのような長手方向の摺動を可能にするために、中心穴(576)の直径よりも少なくともわずかに小さい外径を有してもよく、一方、管(550)の近位部分(555)は、中心穴(576)の直径よりも大きい外径を有してもよい。いくつかの変形例では、そのような長手方向摺動を可能にしながら、中心穴(576)と管(550)の主要部分(556)との間に流体密封シールを提供するために、それらの間にガスケット(図示せず)が配置されてもよい。それに加えて、あるいはそれに代わって、キー溝(図示せず)は、管(550)の主要部分(556)から半径方向外向きに延在する対応するキー(図示せず)を受容するために、中心穴(576)から半径方向外向きに延在し、管(550)及びキャップ(570)を、そのような長手方向摺動を可能にしながら、挿入部材アセンブリ(502)の長手方向軸を中心とする互いに対する回転に対して固定してもよい。更に他の変形形態では、管(550)は、管(550)がキャップ(570)に対して摺動可能でないように、キャップ(570)に対して堅く固定される。
【0099】
図示の実施例では、側壁(574)の略円筒形の内側表面と主要部分(556)の略円錐台形の外側表面との間に、シースハブ(500)の本体(510)を受容するのに十分な大きさの隙間ギャップを伴って、側壁(574)の略円筒形の内側表面が主要部分(556)の略円筒形の外側表面に対向するように、キャップ(570)の側壁(574)が主要部分(556)のある領域の周囲に延在する。この点に関して、側壁(574)の略円筒形の内側表面は、シースハブ(500)の本体(510)がキャップ(570)の内部に選択的に挿入され、そこから取り外されることを可能にしながら、シースハブ(500)の本体(510)の外径を密接に補完するように寸法決めされ得る。
【0100】
本実施例のキャップ(570)は、シースハブ(500)のサイドポート(530)をバヨネット式で係合させるために、側壁(574)の略円筒形の内側表面から側壁(574)の略円筒形の外側表面まで半径方向外向きに延在する略L字形スロット(580)の形態のバヨネット機構を更に含む。単一のスロット(580)が示されているが、他の変形例は、サイドポート(530)と係合するために特定のスロット(580)が選択されることを可能にすることなどのために、任意の他の好適な数のスロット(580)を含んでもよい。示される例では、スロット(580)は、キャップ(570)の遠位端から近位に延在する直線状の遠位進入路部分(582)と、スロット(580)とサイドポート(530)との間のバヨネット式係合を促進するために、進入路部分(582)から直交して(例えば、約90°で)(例えば、図7の参照枠内で時計回り方向に)延在する閉端近位ロック部分(584)とを含む。例えば、進入路部分(582)は、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)が進入路部分(582)の近位端に到達するまでそれに沿って誘導されるように構成されてもよく、ロック部分(584)は、次いで、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)がロック部分(584)内に十分に捕捉されて、キャップ(570)とシースハブ(500)との間に印加される付随回転力がない場合に、キャップ(570)とシースハブ(500)の互いに対する長手方向移動を阻止する(例えば、シースハブ(570)に対するキャップ(500)の近位並進を阻止する)まで、それに沿って誘導されるように構成されてもよい。
【0101】
シースハブ(500)及びキャップ(570)のバヨネット機構は、バヨネット式の様式で互いに係合するための任意の好適な形態であってもよく、示されるサイドポート(530)及びスロット(580)の特定の構成に限定されないことが理解されよう。例えば、サイドポート(530)は、本変形例ではバヨネット式の様式でスロット(580)に係合するように構成されているが、いくつかの他の変形例では、シースハブ(500)は、本体(510)から半径方向外向きに延在し、バヨネット式の様式でスロット(580)に係合するように構成された別個の突出部を含んでもよい。
【0102】
サイドポート(530)又は任意の他のそのような突出部とスロット(580)との間のバヨネット式係合は、挿入部材アセンブリ(502)の長手方向軸、より具体的には、ルーメン(560)の長手方向軸が、挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列された状態で、シースハブ(500)にキャップ(570)を確実に結合することを容易にし得る。このようにして、ルーメン(560)は、シール(520)のスリット構成(522)に対して中心に置かれてもよく、また、キャップ(570)がシースハブ(500)に固定されるときにシール(520)によって規定される平面に対して直交して方向付けられてもよい。いくつかの変形例では、管(550)の遠位端(554)は、キャップ(570)がシースハブ(500)に固定されるとき、シール(520)を通して挿入されるように構成されてもよい。この点に関して、管(550)の主要部分(556)の円筒形構成は、遠位端(554)がシール(520)を通して挿入されることを可能にし得、管(550)の主要部分(556)のキャップ(570)への摺動可能な結合は、キャップ(570)がシースハブ(500)に固定されたままである間に、シール(520)を通した遠位端(554)のそのような挿入が行われることを可能にし得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、管(550)の近位部分(555)のフレア状構成は、管(550)の近位端(552)へのエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の挿入を補助するための導入部を提供してもよく、かつ/又は近位部分(555)がキャップ(570)の端壁(572)の近位表面に係合することを可能にし、それによって挿入ポート(514)への管(550)の遠位前進を制限してもよい。図示されていないが、キャップ(570)はまた、キャップ(570)がシースハブ(500)に固定されているときに、キャップ(570)の端壁(572)の遠位表面とシースハブ(500)との間の空間からキャップ(570)の外部に流体(例えば、空気)を排出するために、端壁(572)を通って延在する少なくとも1つの通気孔又はブリーダ孔を含んでもよい。
【0103】
挿入部材アセンブリ(502)の管(550)及びキャップ(570)はそれぞれ、ポリマー材料(例えば、プラスチック)又は金属材料などの任意の好適な半透明(例えば、透明)又は不透明な材料から構築されてもよい。本明細書の教示に鑑みて、挿入部材アセンブリ(502)の管(550)及びキャップ(570)を形成するために使用され得る様々な他の好適な材料が当業者に明らかとなるであろう。示される実施例では、管(550)とキャップ(570)は、別個の部品として互いに別個に個々に形成され、中心穴(576)を介して互いに結合されて、挿入部材アセンブリ(502)を画定する。これに関して、管(550)及びキャップ(570)はそれぞれ、3D印刷、射出成形、インベストメント鋳造、機械加工、及び/又は任意の他の好適な製造技術によって製造されてもよい。本実施例の管(550)はキャップ(570)に対して移動可能であるが、管(550)は代替的に、キャップ(570)に対する移動に対して固定されてもよい。例えば、管(550)の遠位端(554)は、図5図6Dに関連して上述したものと同様の様式などで、キャップ(570)がシースハブ(500)に固定されたときに、シール(520)の近位表面に当接するように構成され得る。
【0104】
管(550)の近位部分(555)は本実施例ではフレア状であるが、近位部分(555)は代替的に円筒形であってもよい。例えば、近位部分(555)は、主要部分(556)のものと同様の内側寸法及び外側寸法を有する真っ直ぐな円筒形の形態であってもよい。いくつかのそのような場合、管(550)は、遠位部分が主要部分(556)から管(550)の遠位端(554)まで半径方向外向きに先細になり、主要部分(556)と協働してルーメン(560)を画定するように、円錐台形状を有するフレア状遠位部分(図示せず)を含んでもよい。そのようなフレア状遠位部分は、遠位端(554)が挿入ポート(514)の環状突出部(516)の開口部(518)内に通過することは可能にし得るが、遠位端(554)がシール(520)を通して挿入されることは防止し得る。あるいは、そのようなフレア状遠位部分は、遠位端(554)が挿入ポート(514)に挿入されることを防止し得る。いくつかの他の変形例では、管(550)は、フレア状近位部分(555)とそのようなフレア状遠位部分の両方を含んでもよい。
【0105】
図示されていないが、挿入部材アセンブリ(502)の管(550)は、シール部材、リブなどの強化された構造支持機構、外部フィンなどのトルク駆動機構、及び/又は内部フィンなどのカテーテル把持機構のうちの任意の1つ又は2つ以上を含んでもよい。単に一例として、挿入部材アセンブリ(502)の管(550)は、2021年04月22日公開の米国特許出願公開第2021/0113812号、発明の名称「Flared Insert Member for Use with Catheter Assembly」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。
【0106】
挿入部材アセンブリ(502)の使用例では、図8Aに示されるように、挿入部材アセンブリ(502)の長手方向軸(LA)は、挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列されてもよく、スロット(580)の進入路部分(582)は、サイドポート(530)と整列されてもよい。次に、医師(PH)は、図8Bに示されるように、シースハブ(500)の本体(510)がキャップ(570)の側壁(574)の略円筒形の内側表面と管(550)の主要部分(556)の略円筒形の外側表面との間に少なくとも部分的に受容されるように、またシースハブ(500)のサイドポート(530)がスロット(580)の進入路部分(582)内に少なくとも部分的に受容されるように、挿入部材アセンブリ(502)を挿入ポート(514)に向かって遠位に前進させてもよい。次いで、図8Cに示されるように、医師(PH)は、キャップ(570)をシースハブ(500)に対して回転させて、スロット(580)のロック部分(584)内にサイドポート(530)を捕捉することによって、キャップ(570)のスロット(580)をシースハブ(500)のサイドポート(530)とバヨネット式の様式で係合させ、それによってキャップ(570)をシースハブ(500)に固定することができる。
【0107】
キャップ(570)が図8Cに示される固定状態にあるとき、ルーメン(560)の長手方向軸は、挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列され、その結果、ルーメン(560)は、シール(520)のスリット構成(522)に対して中心に置かれ、シール(520)によって規定される平面に対して直交して方向付けられる。キャップ(570)が最初に固定状態に置かれるとき、管(550)の遠位端(554)は、シール(520)の近位表面に当接するか、又はその近位に位置付けられて、キャップ(570)をシースハブ(500)に固定する間にシール(520)が貫通されないままであることを可能にし、その結果、キャップ(570)のシースハブ(500)への固定は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を挿入部材アセンブリ(502)に挿入する前に行われ得る。キャップ(570)がシースハブ(500)に固定さされると、カテーテル(120)は、挿入部材アセンブリ(502)のルーメン(560)を通して摺動されてもよく、カテーテル(120)及び/又は管(550)は、エンドエフェクタ(140)及び/又は遠位端(554)が、図4A図4Cに関連して上記で説明されたものと同様の様式で、スリット構成(522)においてシール(520)を貫通するように、遠位に前進されてもよい。
【0108】
医師(PH)が、挿入部材アセンブリ(502)にハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)が係合する点まで、カテーテルアセンブリ(100)を遠位に前進させ続ける場合、図8Dに示されるように、管(550)のフレア状近位部分(555)は、最終的にキャップ(570)の端壁(572)に係合し得る。上述のように、管(550)の円筒形主要部分(556)は、中心穴(576)の直径よりも少なくともわずかに小さい外径を有してもよく、一方、管(550)のフレア状近位部分(555)は、中心穴(576)の直径よりも大きい外径を有する。したがって、管(550)のフレア状近位部分(555)は、中心穴(576)の周囲に係合し、管(550)のフレア状近位部分(555)と中心穴(576)の周囲との間のこの相互作用は、管(550)を拘束し、それによって、管(550)が挿入ポート(514)の中へ更に遠位に前進することを防止する。
【0109】
管(550)は、キャップ(570)に対して摺動可能であるように図8C図8Dに示されているが、いくつかの変形形態は、管(550)とキャップ(570)との間に固定された関係を提供してもよく、その結果、管(550)は、全ての変形例においてキャップ(570)に対して必ずしも摺動可能である必要はない。例えば、管(550)とキャップ(570)は、挿入部材アセンブリ(502)を画定するように、単一(例えば、モノリシック)部品として互いに一体的に形成されてもよい。この点に関して、挿入部材アセンブリ(502)は、3D印刷、射出成形、インベストメント鋳造、機械加工、及び/又は任意の他の好適な製造技術によって製造されてもよい。他の変形例では、管(550)とキャップ(570)は、別個の部品として互いに別個に個々に形成され、互いに結合されて挿入部材アセンブリ(502)を形成する。それに代わって、管(550)とキャップ(570)は、互いに任意の他の好適な関係を有してもよく、任意の他の好適な技術を使用して形成及び/又は結合されてもよい。
【0110】
C.J字形バヨネットスロットを有する遠位キャップを備えた挿入部材アセンブリの実施例
図9図10Dは、挿入部材アセンブリ(602)がシースハブ(500)を介して送達シース(200)と選択的に結合され得るように、シースハブ(500)に選択的に固定され、挿入部材(300)について上述したものと同様の様式で使用され得る挿入部材アセンブリ(602)の別の実施例を示す。挿入部材アセンブリ(602)は、以下に別途記載される場合を除いて、上述の挿入部材アセンブリ(502)と同様である。この点に関して、本実施例の挿入部材アセンブリ(602)は、近位端(652)と遠位端(654)との間で長手方向に延在する実質的に剛性の管(650)を含む。いくつかの変形例では、管(650)の剛性は、図9の破線(657)によって示されるように、厚くされた側壁を提供することによって強化されてもよい。管(650)は、フレア状近位部分(655)と円筒形主要部分(656)とを有し、これらは、カテーテル(120)が管(650)を通って自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径を密接に補完するように寸法決めされたルーメン(660)を集合的に画定する。ルーメン(660)は、エンドエフェクタ(140)がルーメン(660)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされてもよい。いくつかの変形形態では、近位端(652)と遠位端(654)は両方ともフレア状である。いくつかの他の変形形態では、遠位端(654)はフレア状であるが、近位端(652)はフレア状ではない。近位端(652)及び/又は遠位端(654)は、破線(657)によって示されるように、管が厚くされた側壁を有する変形形態において、依然として円錐形の導入部/導出部を提供し得る。
【0111】
本実施例の挿入部材アセンブリ(602)は、概ねドーム形状の近位端壁(672)と概ね円筒形の遠位側壁(674)とを有する遠位キャップ(670)の形態の結合部材を更に含む。示される実施例では、キャップ(670)は、端壁(672)を通って長手方向に延在し、キャップ(670)に対する管(650)の長手方向摺動を容易にするために管(650)の主要部分(656)を摺動可能に受容するように構成された中心穴(676)を含む。更に他の変形形態では、管(650)は、管(650)がキャップ(670)に対して摺動可能でないように、キャップ(670)に対して堅く固定される。
【0112】
本実施例のキャップ(670)は、シースハブ(500)のサイドポート(530)をバヨネット式で係合させるために、側壁(674)の略円筒形の内側表面から側壁(674)の略円筒形の外側表面まで半径方向外向きに延在する略J字形スロット(680)の形態のバヨネット機構を更に含む。単一のスロット(680)が示されているが、他の変形例は、サイドポート(530)と係合するために特定のスロット(680)が選択されることを可能にすることなどのために、任意の他の好適な数のスロット(680)を含んでもよい。図示の実施例では、スロット(680)は、キャップ(670)の遠位端から近位に延在する直線状の進入路部分(682)と、進入路部分(682)から近位にかつ斜めに(例えば、図9の参照枠内で時計回り方向に)延在する中間部分(683)と、スロット(680)とサイドポート(530)との間のバヨネット式係合を促進するために中間部分(683)から少なくともわずかに遠位にかつ斜めに(例えば、図9の参照枠内で時計回り方向に)延在する閉端ロック部分(684)とを含む。例えば、進入路部分(682)は、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)が進入路部分(682)の近位端に到達するまでそれに沿って誘導されるように構成されてもよく、中間部分(683)は、次いで、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)が中間部分(683)の近位端に到達するまでそれに沿って誘導されるように構成されてもよく、ロック部分(684)は、次いで、キャップ(670)とシースハブ(500)との間に印加される付随回転力の不在下で、キャップ(670)及びシースハブ(500)の相互に対する長手方向移動を阻止する(例えば、シースハブ(500)に対するキャップ(670)の近位並進を阻止する)ために、サイドポート(530)を受容し、十分に捕捉するように構成されてもよい。サイドポート(530)とスロット(680)との間のバヨネット式係合は、挿入部材アセンブリ(602)の長手方向軸、より具体的には、ルーメン(660)の長手方向軸が挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列された状態で、キャップ(670)のシースハブ(500)への確実な結合を容易にし得る。
【0113】
挿入部材アセンブリ(602)の使用例では、図10Aに示されるように、挿入部材アセンブリ(602)の長手方向軸(LA)は、挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列されてもよく、スロット(680)の進入路部分(682)は、サイドポート(530)と整列されてもよい。次に、医師(PH)は、図10Bに示されるように、シースハブ(500)の本体(510)がキャップ(670)の側壁(674)の略円筒形の内側表面と管(650)の主要部分(656)の略円筒形の外側表面との間に少なくとも部分的に受容されるように、またシースハブ(500)のサイドポート(530)がスロット(680)の進入路部分(682)内に少なくとも部分的に受容されるように、挿入部材アセンブリ(602)を挿入ポート(514)に向かって遠位に前進させてもよい。次いで、医師(PH)は、図10Cに示すように、キャップ(670)をシースハブ(500)に対して回転させて、スロット(680)の中間部分(683)をサイドポート(530)に沿ってねじり、サイドポート(530)をスロット(680)のロック部分(684)内に捕捉することによって、キャップ(670)のスロット(680)をシースハブ(500)のサイドポート(530)とバヨネット式の様式で係合させ、それによってキャップ(670)をシースハブ(500)に固定することができる。
【0114】
キャップ(670)がシースハブ(500)に固定さされると、カテーテル(120)は、挿入部材アセンブリ(602)のルーメン(660)を通して摺動されてもよく、カテーテル(120)及び/又は管(650)は、エンドエフェクタ(140)及び/又は遠位端(654)が、図4A図4Cに関連して上記で説明されたものと同様の様式で、スリット構成(522)においてシール(520)を貫通するように、遠位に前進されてもよい。医師(PH)が、挿入部材アセンブリ(602)にハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)が係合する点まで、カテーテルアセンブリ(100)を遠位に前進させ続ける場合、図10Dに示されるように、管(650)のフレア状近位部分(655)は、最終的にキャップ(670)の端壁(672)に係合し得る。例えば、管(650)のフレア状近位部分(655)と中心穴(676)の周囲との間の相互作用は、管(650)を拘束し、それによって、管(650)が挿入ポート(514)の中へ更に遠位に前進することを防止する。
【0115】
管(650)は、キャップ(670)に対して摺動可能であるように図10C図10Dに示されているが、いくつかの変形形態は、管(650)とキャップ(670)との間に固定された関係を提供してもよく、その結果、管(650)は、全ての変形例においてキャップ(670)に対して必ずしも摺動可能である必要はない。例えば、管(650)とキャップ(670)は、挿入部材アセンブリ(602)を画定するように、単一(例えば、モノリシック)部品として互いに一体的に形成されてもよい。この点に関して、挿入部材アセンブリ(602)は、3D印刷、射出成形、インベストメント鋳造、機械加工、及び/又は任意の他の好適な製造技術によって製造されてもよい。他の変形例では、管(650)とキャップ(670)は、別個の部品として互いに別個に個々に形成され、互いに結合されて挿入部材アセンブリ(602)を画定する。それに代わって、管(650)とキャップ(670)は、互いに任意の他の好適な関係を有してもよく、任意の他の好適な技術を使用して形成及び/又は結合されてもよい。
【0116】
D.挿入部材アセンブリのための傾斜したバヨネットスロットを有する遠位キャップの実施例
図11は、キャップ(770)を組み込む挿入部材アセンブリがシースハブ(500)を介して送達シース(200)と選択的に結合され得るように、キャップ(670)の代わりに挿入部材アセンブリ(602)のような挿入部材アセンブリに組み込まれ得、シースハブ(500)に選択的に固定され得、キャップ(670)について上述されたものと同様の様式で使用され得る、遠位キャップ(770)の形態の結合部材の別の実施例を示す。キャップ(770)は、以下に別途説明される点を除いて、上記に説明されたキャップ(670)と同様である。この点に関して、この実施例のキャップ(770)は、概ねドーム形状の近位端壁(772)と、概ね円筒形の遠位側壁(774)とを含む。図示されていないが、キャップ(770)はまた、端壁(772)を通って長手方向に延在し、キャップ(770)に対する管(650)の長手方向摺動を容易にするために、管(650)の主要部分(656)などの管の一部分を摺動可能に受容するように構成された中心穴を含んでもよい。それに代わって、管(650)のような管がキャップ(770)に対して堅く固定されてもよい。
【0117】
本実施例のキャップ(770)は、シースハブ(500)のサイドポート(530)をバヨネット式の様式で係合させるために、側壁(774)の略円筒形の内側表面から側壁(774)の略円筒形の外側表面まで半径方向外向きに延在する傾斜した略鍵穴形状のスロット(780)の形態のバヨネット機構を更に含む。単一のスロット(780)が示されているが、他の変形例は、サイドポート(530)と係合するために特定のスロット(780)が選択されることを可能にすることなどのために、任意の他の好適な数のスロット(780)を含んでもよい。図示の実施例では、スロット(780)は、キャップ(770)の遠位端から近位にかつ斜めに(例えば、図11の参照枠内で時計回り方向に)延在する傾斜した進入路部分(782)と、スロット(780)とサイドポート(530)との間のバヨネット式係合を促進するために進入路部分(782)から近位に延在する閉端ロック部分(784)と、を含む。例えば、進入路部分(782)は、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)が進入路部分(782)の近位端に到達するまでそれに沿って誘導されるように構成されてもよく、ロック部分(784)は、次いで、キャップ(770)とシースハブ(500)との間に印加される付随回転力の不在下で、キャップ(770)及びシースハブ(500)の相互に対する長手方向移動を阻止する(例えば、シースハブ(500)に対するキャップ(770)の近位並進を阻止する)ために、サイドポート(530)を受容し、十分に捕捉するように構成されてもよい。サイドポート(530)とスロット(780)との間のバヨネット式係合は、キャップ(770)のシースハブ(500)への確実な結合を容易にし得る。いくつかの変形例では、ロック部分(782)は、シースハブ(500)へのキャップ(770)の確実な結合を容易にすることを補助するために、サイドポート(530)とのスナップ嵌め係合を提供するように寸法決め及び構成されてもよい。
【0118】
E.スナップ嵌めスロットを備えた円筒形側壁を有する遠位キャップを備えた挿入部材アセンブリの実施例
図12図13Cは、挿入部材アセンブリ(802)がシースハブ(500)を介して送達シース(200)と選択的に結合され得るように、シースハブ(500)に選択的に固定され、挿入部材(300)について上述したものと同様の様式で使用され得る挿入部材アセンブリ(802)の別の実施例を示す。挿入部材アセンブリ(802)は、以下に別途記載される場合を除いて、上述の挿入部材アセンブリ(502)と同様である。この点に関して、本実施例の挿入部材アセンブリ(802)は、近位端(852)と遠位端(854)との間で長手方向に延在する実質的に剛性の管(850)を含む。いくつかの変形例では、管(850)の剛性は、図12の破線(857)によって示されるように、厚くされた側壁を提供することによって強化されてもよい。管(850)は、フレア状近位部分(855)と円筒形主要部分(856)とを有し、これらは、カテーテル(120)が管(850)を通って自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径を密接に補完するように寸法決めされたルーメン(860)を集合的に画定する。ルーメン(860)は、エンドエフェクタ(140)がルーメン(860)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされてもよい。いくつかの変形形態では、近位端(852)と遠位端(854)は両方ともフレア状である。いくつかの他の変形形態では、遠位端(854)はフレア状であるが、近位端(852)はフレア状ではない。近位端(852)及び/又は遠位端(854)は、破線(857)によって示されるように、管が厚くされた側壁を有する変形形態において、依然として円錐形の導入部/導出部を提供し得る。
【0119】
本実施例の挿入部材アセンブリ(802)は、概ねドーム形状の近位端壁(872)と概ね円筒形の遠位側壁(874)とを有する遠位キャップ(870)の形態の結合部材を更に含む。示される実施例では、キャップ(870)は、端壁(872)を通って長手方向に延在し、キャップ(870)に対する管(850)の長手方向摺動を容易にするために管(850)の主要部分(856)を摺動可能に受容するように構成された中心穴(876)を含む。更に他の変形形態では、管(850)は、管(850)がキャップ(870)に対して摺動可能でないように、キャップ(870)に対して堅く固定される。
【0120】
本実施例のキャップ(870)は、シースハブ(500)のサイドポート(530)にスナップ嵌めの様式で係合するために、側壁(874)を通って半径方向にそれぞれ延在する略鍵穴形状のスロット(880)の形態の一対の横方向に対向するスナップ嵌め機構を更に含む。いずれかのスロット(880)がサイドポート(530)と係合するために選択され得るように、一対のスロット(880)が示されているが、他の変形例は、単一のスロット(880)のみ、又は任意の他の好適な数のスロット(880)を含んでもよい。図示の実施例では、各スロット(880)は、キャップ(870)の遠位端から近位に延在する遠位進入路部分(882)と、進入路部分(882)から近位に延在する中間拡張可能ロック部分(883)と、スロット(880)とサイドポート(530)との間のスナップ嵌め係合を促進するためにロック部分(883)から近位に延在する近位閉端細長部分(884)とを含む。例えば、進入路部分(882)は、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)が進入路部分(882)の近位端に到達するまでそれに沿って誘導されるように構成されてもよく、ロック部分(883)は、次いで、キャップ(670)とシースハブ(500)との間に印加される閾値長手方向力の不在下で、キャップ(670)及びシースハブ(500)の相互に対する長手方向移動を阻止する(例えば、シースハブ(500)に対するキャップ(870)の長手方向移動を阻止する)ために、十分に拡張してサイドポート(530)を受容し、弾性的に十分に収縮してサイドポート(530)を捕捉するように構成されてもよい。細長部分(884)は、ロック部分(883)のそのような拡張を可能にすることを支援するように構成されてもよい。進入路部分(882)は、ロック部分(883)の拡張を補助するために進入路部分(882)がそれに沿って誘導されるときにサイドポート(530)によってカム係合されるように、近位方向に内向きに先細にされるか又は湾曲されてもよい。示される実施例では、キャップ(870)はまた、鍵穴形状のスロット(880)の各々に隣接する細長スロット(890)の対を含み、鍵穴形状のスロット(880)の各々と対応する細長スロット(890)との間の側壁(874)の各部分が、それぞれのロック部分(883)の拡張の間などに、対応する細長スロット(890)の中へと偏向することを可能にする。
【0121】
シースハブ(500)及びキャップ(870)のスナップ嵌め機構は、スナップ嵌めの様式で互いに係合するための任意の好適な形態であってもよく、示されるサイドポート(530)及びスロット(880)の特定の構成に限定されないことが理解されよう。例えば、サイドポート(530)は、本変形例ではスナップ嵌めの様式でスロット(880)に係合するように構成されているが、いくつかの他の変形例では、シースハブ(500)は、本体(510)から半径方向外向きに延在し、スナップ嵌めの様式でスロット(880)に係合するように構成された別個の突出部を含んでもよい。サイドポート(530)又は任意の他のそのような突出部とスロット(880)との間のスナップ嵌め係合は、挿入部材アセンブリ(802)の長手方向軸、より具体的には、ルーメン(860)の長手方向軸が、挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列された状態で、シースハブ(500)にキャップ(870)を確実に結合することを容易にし得る。このようにして、ルーメン(860)は、シール(520)のスリット構成(522)に対して中心に置かれてもよく、また、キャップ(870)がシースハブ(500)に固定されるときにシール(520)によって規定される平面に対して直交して配向されてもよい。
【0122】
挿入部材アセンブリ(802)の使用例では、図13Aに示されるように、挿入部材アセンブリ(802)の長手方向軸(LA)は、挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列されてもよく、いずれかのスロット(880)の進入路部分(882)が、サイドポート(530)と整列されてもよい。次に、医師(PH)は、シースハブ(500)の本体(510)がキャップ(870)の側壁(874)の略円筒形の内側表面と管(850)の主要部分(856)の略円筒形の外側表面との間に少なくとも部分的に受容されるように、かつ、シースハブ(500)のサイドポート(530)がスロット(880)の進入路部分(882)内に少なくとも部分的に受容されるように、挿入部材アセンブリ(802)を挿入ポート(514)に向かって遠位方向に前進させることができ、また、図13Bに示されるように、サイドポート(530)をスロット(880)のロック部分(883)内に捕捉することによって、キャップ(870)のスロット(880)をシースハブ(500)のサイドポート(530)とスナップ嵌めの様式で係合させるために、挿入部材(802)を遠位方向に前進させ続け、それによってキャップ(870)をシースハブ(500)に固定することができる。
【0123】
キャップ(870)がシースハブ(500)に固定さされると、カテーテル(120)は、挿入部材アセンブリ(802)のルーメン(860)を通して摺動されてもよく、カテーテル(120)及び/又は管(850)は、エンドエフェクタ(140)及び/又は遠位端(854)が、図4A図4Cに関連して上記で説明されたものと同様の様式で、スリット構成(522)においてシール(520)を貫通するように、遠位に前進されてもよい。医師(PH)が、挿入部材アセンブリ(802)にハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)が係合する点まで、カテーテルアセンブリ(100)を遠位に前進させ続ける場合、図13Cに示されるように、管(850)のフレア状近位部分(855)は、最終的にキャップ(870)の端壁(872)に係合し得る。例えば、管(850)のフレア状近位部分(855)と中心穴(876)の周囲との間の相互作用は、管(850)を拘束し、それによって、管(850)が挿入ポート(514)の中へ更に遠位に前進することを防止する。
【0124】
管(850)は、キャップ(870)に対して摺動可能であるように図13B図13Cに示されているが、いくつかの変形形態は、管(850)とキャップ(870)との間に固定された関係を提供してもよく、その結果、管(850)は、全ての変形例においてキャップ(870)に対して必ずしも摺動可能である必要はない。例えば、管(850)とキャップ(870)は、挿入部材アセンブリ(802)を画定するように、単一(例えば、モノリシック)部品として互いに一体的に形成されてもよい。この点に関して、挿入部材アセンブリ(802)は、3D印刷、射出成形、インベストメント鋳造、機械加工、及び/又は任意の他の好適な製造技術によって製造されてもよい。他の変形例では、管(850)とキャップ(870)は、別個の部品として互いに別個に個々に形成され、互いに結合されて挿入部材アセンブリ(802)を画定する。それに代わって、管(850)とキャップ(870)は、互いに任意の他の好適な関係を有してもよく、任意の他の好適な技術を使用して形成及び/又は結合されてもよい。
【0125】
F.スナップ嵌めスロットを備えた横方向に対向する側壁を有する遠位キャップを備えた挿入部材アセンブリの実施例
図14は、挿入部材アセンブリ(802)がシースハブ(500)を介して送達シース(200)と選択的に結合され得るように、シースハブ(500)に選択的に固定され、挿入部材(300)について上述したものと同様の様式で使用され得る挿入部材アセンブリ(902)の別の実施例を示す。挿入部材アセンブリ(902)は、以下に別途記載される場合を除いて、上述の挿入部材アセンブリ(802)と同様である。この点に関して、本実施例の挿入部材アセンブリ(902)は、近位端(952)と遠位端(954)との間で長手方向に延在する実質的に剛性の管(950)を含む。いくつかの変形例では、管(950)の剛性は、図14の破線(957)によって示されるように、厚くされた側壁を提供することによって強化されてもよい。管(950)は、フレア状近位部分(955)と円筒形主要部分(956)とを有し、これらは、カテーテル(120)が管(950)を通って自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径を密接に補完するように寸法決めされたルーメン(960)を集合的に画定する。ルーメン(960)は、エンドエフェクタ(140)がルーメン(960)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(140)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされてもよい。いくつかの変形形態では、近位端(952)と遠位端(954)は両方ともフレア状である。いくつかの他の変形形態では、遠位端(954)はフレア状であるが、近位端(952)はフレア状ではない。近位端(952)及び/又は遠位端(954)は、破線(957)によって示されるように、管が厚くされた側壁を有する変形形態において、依然として円錐形の導入部/導出部を提供し得る。
【0126】
本実施例の挿入部材アセンブリ(902)は、略ドーム形状の近位端壁(972)と、一対の横方向に対向する略アーチ形状の遠位側壁(974)と、を有する遠位キャップ(970)の形態の結合部材を更に含む。図示されていないが、キャップ(970)はまた、端壁(972)を通って長手方向に延在し、管(950)の主要部分(956)を摺動可能に受容して、キャップ(970)に対する管(950)の長手方向摺動を容易にするように構成された中心穴(976)を含んでもよい。更に他の変形形態では、管(950)は、管(950)がキャップ(970)に対して摺動可能でないように、キャップ(970)に対して堅く固定される。
【0127】
本実施例のキャップ(970)は、シースハブ(500)のサイドポート(530)にスナップ嵌めの様式で係合するために、対応する側壁(974)を通って半径方向にそれぞれ延在する略鍵穴形状のスロット(980)の形態の一対の横方向に対向するスナップ嵌め機構を更に含む。いずれかのスロット(980)がサイドポート(530)と係合するために選択され得るように、一対のスロット(980)が示されているが、他の変形例は、単一のスロット(980)のみ、又は任意の他の好適な数のスロット(980)を含んでもよい。図示の実施例では、各スロット(980)は、キャップ(970)の遠位端から近位に延在する遠位進入路部分(982)と、進入路部分(982)から近位に延在する中間拡張可能ロック部分(983)と、スロット(980)とサイドポート(530)との間のスナップ嵌め係合を促進するためにロック部分(983)から近位に延在する近位閉端細長部分(984)とを含む。例えば、進入路部分(982)は、サイドポート(530)を受容し、サイドポート(530)が進入路部分(982)の近位端に到達するまでそれに沿って誘導されるように構成されてもよく、ロック部分(983)は、次いで、キャップ(670)とシースハブ(500)との間に印加される閾値長手方向力の不在下で、キャップ(670)及びシースハブ(500)の相互に対する長手方向移動を阻止する(例えば、シースハブ(500)に対するキャップ(970)の近位並進を阻止する)ために、サイドポート(530)を受容するように十分に拡張し、サイドポート(530)を捕捉するように十分に弾性的に収縮するように構成されてもよく、細長部分(984)は、ロック部分(983)のそのような拡張を可能にすることを支援するように構成されてもよい。進入路部分(982)は、ロック部分(983)の拡張を補助するために進入路部分(982)がそれに沿って誘導されるときにサイドポート(530)によってカム係合されるように、近位方向に内向きに先細にされるか又は湾曲されてもよい。示される実施例では、キャップ(970)はまた、サイドポート(530)が対応するスロット(980)のロック部分(983)内に捕捉されるときに、シースハブ(500)のタブ(532)を摺動可能に受容するために、対応するスロット(980)の細長部分(984)に沿ってそれぞれ延在する、一対の横方向に対向する細長チャネル(990)を含む。サイドポート(530)とスロット(980)との間のスナップ嵌め係合は、挿入部材アセンブリ(902)の長手方向軸、より具体的には、ルーメン(960)の長手方向軸が挿入ポート(514)の長手方向軸(LA)と整列された状態で、キャップ(970)のシースハブ(500)への確実な結合を容易にし得る。
【0128】
VI.拡張可能バスケット構成を備えたエンドエフェクタの実施例
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、任意の好適なタイプの拡張可能バスケット構成など、図2に示されるものとは異なる任意の好適な構成を有してもよい。図15図16は、このような拡張可能バスケット構成を有し、エンドエフェクタ(140)の代わりにカテーテル(120)に組み込まれ得るエンドエフェクタ(1040)の別の実施例を示す。エンドエフェクタ(1040)は、下記に述べる点を除き前述のエンドエフェクタ(140)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(1040)は、カテーテル(120)のシャフトなどの可撓性細長シャフトから遠位に延在し、送達シース(200)の中空シャフト(220)などの中空シャフト内に選択的に位置付けられ得る。
【0129】
図15図16に示されるように、本実施例のエンドエフェクタ(1040)は、複数の弾性スパイン(1044)を有する拡張可能バスケットアセンブリ(1042)と、スパイン(1044)に装着された複数の電極(1050)とを含む。バスケットアセンブリ(1042)は、非拡張状態(図16)と拡張状態(図15)との間で移行するように動作可能である。バスケットアセンブリ(1042)は、上述した送達シース(200)又はカテーテル(120)の一体部分であるシースなどのシースから前進されることなどによって、拘束されていないときに拡張状態を弾性的にとるように構成されてもよい。非拡張状態では、バスケットアセンブリ(1042)は、図16に示されるように、送達シース(200)内に嵌合し得る。拡張状態では、バスケットアセンブリ(1042)は、電極(1050)を付勢して組織(例えば、肺静脈又は心臓(H)の心腔の内壁)と接触させるように寸法決め及び構成され得る。
【0130】
示される実施例では、エンドエフェクタ(1040)はまた、カテーテル(120)の可撓性細長シャフトの遠位端から長手方向に延在するステム(1060)を含む。本実施例のステム(1060)は、それぞれの電極(1050)及び/又は電極(1050)が接触する組織(例えば、肺静脈又は心臓(H)の心腔の内壁)に灌注流体を送達するように構成された複数の灌注ポート(1062)を含む。
【0131】
上記に加えて、エンドエフェクタ(1040)及びカテーテルアセンブリ(100)の他の態様は、米国特許出願第17/470751号(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。それに代わって、エンドエフェクタ(1040)は、任意の他の好適な構成要素、特徴、及び機能を有してもよい。
【0132】
VII.拡張可能なバスケットエンドエフェクタとともに使用するための挿入デバイスの実施例
上述したように、図7図9図12、及び図14の破線(557、657、857、957)によって示されるような厚くされた側壁を設けることなどによって、挿入部材の管の剛性を高めることが望ましい場合がある。それに加えて、あるいはそれに代わって、送達シース(200)の挿入ポート(250)を通してエンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)を挿入するのを補助するために使用され得る挿入部材を提供することが望ましい場合がある。図17図18Cは、ハンドルアセンブリ(210)に選択的に固定され、挿入部材(300)について上述されたものと同様の方法で使用され得る挿入部材(1102)の別の実施例を示す。挿入部材(1102)は、以下に別途記載される場合を除いて、上述の挿入部材(402)と同様である。
【0133】
本実施例の挿入部材(1102)は、近位端(1152)と遠位端(1154)との間に延在する管(1150)を含む。管(1150)は、略円筒形の近位部分(1155)と、略円筒形の主要部分(1156)とを有する。近位部分(1155)の内部が主要部分(1156)の内部から管(1150)の近位端(1152)へと半径方向外向きに先細になるように、主要部分(1156)は円筒形内部を有する一方で、近位部分(1155)は円錐台形内部を有する。主要部分(1156)と近位部分(1155)は、管(1150)の近位端(1152)と遠位端(1154)との間で長手方向に延在し、カテーテル(120)が管(1150)を通って自由に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径をぴったりと補完するように寸法決めされたルーメン(1160)を集合的に画定する。ルーメン(1160)は、エンドエフェクタ(1040)がルーメン(1160)内に位置付けられている間、エンドエフェクタ(1040)を非拡張状態に拘束するように寸法決めされてもよい。本実施例では、管(1150)は実質的に剛性である。この点に関して、管(1150)の剛性は、少なくとも近位部分(1155)及び主要部分(1156)の側壁の厚さが低減される(例えば、近位部分(1155)が上記と同様の様式でフレア状にされ得るように)代替的なシナリオと比較して、厚くされた側壁を有することによって強化され得る。示される実施例では、管(1150)の側壁は、ハンドルアセンブリ(210)及び/又はカテーテルアセンブリ(100)に対して管(1150)を操作する操作者を支援するために、医師(PH)又は他の操作者によって把持されるように構成された複数の平坦な外側表面(1159)を含む。
【0134】
本実施例の挿入部材(1102)は、管(1150)と同軸に配置された遠位キャップ(1170)の形態の結合部材を更に含む。キャップ(1170)は、管(1150)の遠位端(1154)又はその付近で管(1150)の主要部分(1156)に対して半径方向外向きに延在する、概して平坦及び/又はドーム形状の近位端壁(1172)と、概して環状の遠位側壁(1174)とを含む。
【0135】
本実施例のキャップ(1170)は、挿入ポート(250)の環状突出部(252)を受容するための、側壁(1174)の略円筒形の内側表面によって画定されたレセプタクル(1180)を更に含む。レセプタクル(1180)は、突出部(252)がレセプタクル(1180)によって受容されることを可能にするために、突出部(252)の断面寸法よりもわずかに小さいか、実質的に等しいか、又は実質的に大きい断面寸法(例えば、直径)を有してもよい。いくつかの変形例では、レセプタクル(1180)の断面寸法は、側壁(1174)の略円筒形の内側表面が突出部(252)の略円筒形の外側表面に摩擦係合することを可能にするように、レセプタクル(1180)の断面寸法に対して寸法決めされてもよい。例えば、レセプタクル(1180)は、側壁(1174)の内側表面と突出部(252)の外側表面との間に締まり嵌めを提供するために、突出部(252)の断面寸法よりもわずかに小さいか又は実質的に等しい断面寸法を有してもよい。
【0136】
側壁(1174)の内側表面と突出部(252)の外側表面との間の摩擦係合は、挿入部材(1102)の長手方向軸、より具体的には、ルーメン(1160)の長手方向軸が挿入ポート(250)の長手方向軸(LA)と整列した状態で、挿入部材(1102)のハンドルアセンブリ(210)への確実な結合を容易にし得る。このようにして、ルーメン(1160)は、シール(260)のスリット構成(262)に対して中心に置かれてもよく、また、挿入部材(1102)がハンドルアセンブリ(210)に固定されるときにシール(260)によって規定される平面に対して直交して配向されてもよい。いくつかの変形例では、管(1150)の近位部分(1155)の円錐台形内部は、管(1150)の近位端(1152)へのエンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)の挿入を補助するための導入部を提供し得る。この点に関して、近位部分(1155)の円錐台形内部は、エンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)の挿入中のエンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)のキンクを阻止するために、実質的に緩やかな(例えば、浅い)先細りを有してもよい。図示されていないが、キャップ(1170)はまた、キャップ(1170)がハンドルアセンブリ(210)に固定されているときに、キャップ(1170)の端壁(1172)の遠位表面とハンドルアセンブリ(210)との間の空間からキャップ(1170)の外部に流体(例えば、空気)を排出するために、端壁(1172)を通って延在する少なくとも1つの通気孔又はブリーダ孔を含んでもよい。
【0137】
挿入部材(1102)は、側壁(1174)の内側表面と突出部(252)の外側表面との間の摩擦係合を介してハンドルアセンブリ(210)にしっかりと結合されるものとして説明されてきたが、挿入部材(1102)は、任意の他の好適な様式でハンドルアセンブリ(210)にしっかりと結合されてもよいことが理解されよう。例えば、キャップ(1170)及び/又はハンドルアセンブリ(210)は、例えば上述した様式のいずれかなど、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、締まり嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つで、キャップ(1170)がハンドルアセンブリ(210)に係合することを可能にするように構成された好適な機構を備えていてもよい。いくつかの他の変形例では、レセプタクル(1180)は、挿入部材(1102)が必ずしもハンドルアセンブリ(210)にしっかりと結合されていなくても、突出部(252)を受容するように構成されてもよい。例えば、レセプタクル(1180)は、突出部(252)がレセプタクル(1180)内に緩く嵌合することを可能にするために、突出部(252)の断面寸法よりも実質的に大きい断面寸法を有してもよい。
【0138】
挿入部材(1102)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)又は金属材料などの任意の好適な半透明(例えば、透明)又は不透明な材料で構成されてもよい。例えば、挿入部材(1102)は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの熱可塑性エラストマーから構成されてもよい。それに加えて、あるいはそれに代わって、挿入部材(1102)は、約63Dのショアデュロメータを有する材料から構成されてもよい。本明細書の教示に鑑みて、挿入部材(1102)を形成するために使用され得る様々な好適な材料が、当業者に明らかとなろう。示される実施例では、管(1150)とキャップ(1170)は、挿入部材(1102)を画定するように、単一(例えば、モノリシック)部品として互いに一体的に形成される。この点に関して、挿入部材(1102)は、3D印刷、射出成形、インベストメント鋳造、機械加工、及び/又は任意の他の好適な製造技術によって製造されてもよい。他の変形例では、管(1150)とキャップ(1170)は、別個の部品として互いに別個に個々に形成され、互いに結合されて挿入部材(1102)を画定するため、挿入部材(1102)はアセンブリと呼ばれ得る。管(1150)とキャップ(1170)は、同じ材料又は異なる材料で構成され得ることが理解されよう。本実施例の管(1150)はキャップ(1170)に対して動かないように固定されているが、管(1150)は代替的にキャップ(1170)に対して移動可能であってもよい。例えば、管(1150)は、キャップ(1170)に摺動可能に結合されて、図7図14に関連して上で説明された様式のいずれかと同様の様式などで、キャップ(1170)に対する管(1150)の長手方向摺動を容易にすることができる。
【0139】
図示されていないが、挿入部材(1102)は、シール部材、リブなどの強化された構造支持機構、外部フィンなどのトルク駆動機構、及び/又は内部フィンなどのカテーテル把持機構のうちの任意の1つ又は2つ以上を含んでもよい。単に一例として、挿入部材(1102)は、2021年04月22日公開の米国特許出願公開第2021/0113812号、発明の名称「Flared Insert Member for Use with Catheter Assembly」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。
【0140】
挿入部材(1102)の使用例では、挿入部材(1102)の長手方向軸(LA)は、図18Aに示されるように、挿入ポート(250)の長手方向軸(LA)と整列されてもよい。次に、医師(PH)は、図18Bに示されるように、挿入ポート(250)の環状突出部(252)がレセプタクル(1180)内に少なくとも部分的に受容されて側壁(1174)の内側表面を突出部(252)の外側表面と摩擦係合させ、それによって挿入部材(1102)をハンドルアセンブリ(210)に固定するようにするために、挿入部材(1102)を挿入ポート(250)に向かって遠位に前進させてもよい。
【0141】
挿入部材(1102)が図18Bに示される固定状態にあるとき、ルーメン(1160)の長手方向軸は、挿入ポート(250)の長手方向軸(LA)と整列され、その結果、ルーメン(1160)は、シール(260)のスリット構成(262)に対して中心に置かれ、シール(260)によって規定される平面に対して直交して方向付けられる。ハンドルアセンブリ(210)への挿入部材(1102)の固定が、エンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)を挿入部材(1102)に挿入する前に行われ得るように、シール(260)は、ハンドルアセンブリ(210)への挿入部材(1102)の固定中に貫通されないままであり得ることが理解されるであろう。挿入部材(1102)がハンドルアセンブリ(210)に固定されると、エンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)の長手方向軸(LA)は、挿入部材(1102)及び挿入ポート(250)の長手方向軸(LA)と整列されてもよく、カテーテル(120)は、図18Cに示されるように、エンドエフェクタ(1040)及びカテーテル(120)がシャフト(220)の内部を遠位に通過し得るように、挿入部材(1102)のルーメン(1160)を通って摺動し、遠位端(1154)を越えて遠位に前進して、スリット構成(262)においてシール(260)を貫通する。エンドエフェクタ(1040)は最終的に、エンドエフェクタ(1040)が拡張状態に弾性的に移行され得るように、エンドエフェクタ(1040)がシャフト(220)の遠位端(240)に対して遠位に位置する点に到達する。カテーテル(120)は、図16に示されるように、シャフト(220)内で折り畳まれてもよく、一方、挿入部材(1102)は、図18Bに示される固定状態にされる。
【0142】
挿入部材(1102)は、エンドエフェクタ(1040)とともに使用するために記載されているが、挿入部材(1102)は、それに加えて、あるいはそれに代わって、上述のエンドエフェクタ(140)などの任意の他の好適なタイプのエンドエフェクタとともに使用されてもよい。
【0143】
VIII.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例0144】
送達シースとカテーテルとのカプラであって、(a)軸に沿って延在する円筒形シャフトであって、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されており、(i)近位端と、(ii)遠位端と、(iii)当該軸に沿って近位端から遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、(b)円筒形シャフトに取り付けられた結合部材であって、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されており、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるときにルーメンの当該軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成された、結合部材と、を備える、カプラ。
【実施例0145】
結合部材は、円筒形シャフトに不動的に取り付けられている、実施例1に記載のカプラ。
【実施例0146】
結合部材は、円筒形シャフトに取り付けられている一方で、円筒形シャフトに対して移動可能でもある、実施例1に記載のカプラ。
【実施例0147】
結合部材は、ルーメンの当該軸に沿って円筒形シャフトに対して並進するように構成されている、実施例3に記載のカプラ。
【実施例0148】
円筒形シャフトは、カテーテル送達シースの挿入ポート内に挿入されるように寸法決めされている、実施例1~4のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0149】
円筒形シャフトの近位端又は遠位端のうちの1つにおいて、外向きにフレア状の機構を更に備え、当該外向きにフレア状の機構は、ルーメンの中に通じる角度付き表面を画定する、実施例1~5のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0150】
外向きにフレア状の機構は、円筒形シャフトの遠位端にあり、カテーテル送達シースの挿入ポートの中への円筒形シャフトの挿入を防止するように構成されている、実施例6に記載のカプラ。
【実施例0151】
外向きにフレア状の機構は、円筒形シャフトの近位端にあり、外向きにフレア状の機構は、カテーテル送達シースの挿入ポートの中への円筒形シャフトの挿入を制限するように構成されている、実施例6に記載のカプラ。
【実施例0152】
結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されたときに、結合部材とカテーテル送達シースとの間の空間から流体を排出するための通気口を含む、実施例1~8のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0153】
結合部材はキャップを含む、実施例1~9のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0154】
結合部材は、ねじ式の様式でカテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施例1~10のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0155】
結合部材は、スナップ嵌めの様式でカテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施例1~10のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0156】
結合部材は、バヨネット式の様式でカテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施例1~10のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0157】
ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、当該カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている、実施例1~13のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0158】
円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備え、挿入ポートは、長手方向軸を規定し、結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、ルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている、実施例1~14のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0159】
キットであって、(a)カテーテル器具であって、(i)遠位端を有するカテーテルと、(ii当)該カテーテルの当該遠位端にあるエンドエフェクタであって、カテーテル及びエンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含むカテーテル器具と、(b)カプラであって、(i)円筒形シャフトであって、(A)近位端と、(B)遠位端と、(C)軸に沿って当該近位端から当該遠位端まで延在するルーメンであって、エンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、(ii)円筒形シャフトに取り付けられた結合部材と、を含む、カプラと、を含むキット。
【実施例0160】
カテーテル送達シースを更に備え、カテーテル送達シースは、長手方向軸を規定する挿入ポートを含み、結合部材は、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されており、結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、ルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている、実施例16に記載のキット。
【実施例0161】
結合部材は、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つでカテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施例17に記載のキット。
【実施例0162】
キットであって、(a)カテーテル器具であって、(i)遠位端を有するカテーテルと、(ii)当該カテーテルの当該遠位端にあるエンドエフェクタであって、カテーテル及びエンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含む、カテーテル器具と、(b)カプラであって、(i)円筒形シャフトであって、(A)近位端と、(B)遠位端と、(C)軸に沿って当該近位端から当該遠位端まで延在するルーメンであって、エンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、(ii)円筒形シャフトに取り付けられた結合するための手段と、を含む、カプラと、を含む、キット。
【実施例0163】
結合するための手段は、ねじ切り、スナップ嵌め機構、バヨネット嵌め機構、又はねじ切り、スナップ嵌め機構、若しくはバヨネット嵌め機構の機能的等価物を含む、実施例19に記載のキット。
【実施例0164】
方法であって、カテーテル送達シースにカプラを固定することであって、カプラは、(i)円筒形シャフトであって、(A)近位端と、(B)遠位端と、(C)軸に沿って当該近位端から当該遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、(ii)当該円筒形シャフトに取り付けられた結合部材と、を含む、固定することを含み、ルーメンの軸をカテーテル送達シースの挿入ポートの長手方向軸と整列させることを含む、方法。
【実施例0165】
固定することは、結合部材とカテーテル送達シースとの間に、ねじ式係合、スナップ嵌め係合、又はバヨネット式係合のうちの少なくとも1つを提供することを含む、実施例21に記載の方法。
【実施例0166】
ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む、実施例1~15のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0167】
円錐台形の近位部分は、近位端から遠位に延在する、実施例23に記載のカプラ。
【実施例0168】
円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細となっている、実施例23~24のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0169】
ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む、実施例16~20のいずれかに記載のキット。
【実施例0170】
円錐台形の近位部分は、近位端から遠位に延在する、実施例26に記載のキット。
【実施例0171】
円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細となっている、実施例26~27のいずれかに記載のキット。
【実施例0172】
送達シースとカテーテルとのカプラであって、(a)軸に沿って延在する円筒形シャフトであって、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されており、(i)近位端と、(ii)遠位端と、(iii)当該軸に沿って当該近位端から当該遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされており、円錐台形の近位部分を含む、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、(b)円筒形シャフトの遠位端に取り付けられたキャップであって、カテーテル送達シースと選択的に整列されるように構成されており、結合部材がカテーテル送達シースと選択的に整列されるときにルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成された、キャップと、を備える、カプラ。
【実施例0173】
キャップは、カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されている、実施例29に記載のカプラ。
【実施例0174】
キャップは、円筒形シャフトの遠位端に不動的に取り付けられている、実施例29~30のいずれかに記載の装置。
【実施例0175】
キャップは、円筒形シャフトの遠位端に取り付けられている一方で、円筒形シャフトに対して移動可能でもある、実施例29~30のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0176】
キャップは、ルーメンの軸に沿って円筒形シャフトに対して並進するように構成されている、実施例32に記載のカプラ。
【実施例0177】
キャップは、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、締まり嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つでカテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施例30~33のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0178】
ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、当該カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている、実施例29~34のいずれかに記載のカプラ。
【実施例0179】
円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備え、挿入ポートは長手方向軸を規定し、結合部材は、結合部材がカテーテル送達シースと整列されたときにルーメンの軸を挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成されている、実施例29~35のいずれかに記載のカプラ。
【0180】
IX.その他
本明細書に記載の器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びガスプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0181】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらに代わって、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0182】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0183】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0184】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適応は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0185】
〔実施の態様〕
(1) 送達シースとカテーテルとのカプラであって、
(a)軸に沿って延在する円筒形シャフトであって、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されており、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(b)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合部材であって、前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されており、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるときに前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成された、結合部材と、を備える、カプラ。
(2) 前記結合部材は、前記円筒形シャフトに不動的に取り付けられている、実施態様1に記載のカプラ。
(3) 前記結合部材は、前記円筒形シャフトに取り付けられている一方で、前記円筒形シャフトに対して移動可能でもある、実施態様1に記載のカプラ。
(4) 前記結合部材は、前記ルーメンの前記軸に沿って前記円筒形シャフトに対して並進するように構成されている、実施態様3に記載のカプラ。
(5) 前記円筒形シャフトは、前記カテーテル送達シースの前記挿入ポート内に挿入されるように寸法決めされている、実施態様1に記載のカプラ。
【0186】
(6) 前記円筒形シャフトの前記近位端又は前記遠位端のうちの1つにおいて、外向きにフレア状の機構を更に備え、前記外向きにフレア状の機構は、前記ルーメンの中に通じる角度付き表面を画定する、実施態様1に記載のカプラ。
(7) 前記外向きにフレア状の機構は、前記円筒形シャフトの前記遠位端にあり、前記外向きにフレア状の機構は、前記カテーテル送達シースの前記挿入ポートの中への前記円筒形シャフトの挿入を防止するように構成されている、実施態様6に記載のカプラ。
(8) 前記外向きにフレア状の機構は、前記円筒形シャフトの前記近位端にあり、前記外向きにフレア状の機構は、前記カテーテル送達シースの前記挿入ポートの中への前記円筒形シャフトの挿入を制限するように構成されている、実施態様6に記載のカプラ。
(9) 前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されたときに、前記結合部材と前記カテーテル送達シースとの間の空間から流体を排出するための通気口を含む、実施態様1に記載のカプラ。
(10) 前記結合部材はキャップを含む、実施態様1に記載のカプラ。
【0187】
(11) 前記結合部材は、ねじ式の様式で前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施態様1に記載のカプラ。
(12) 前記結合部材は、スナップ嵌めの様式で前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施態様1に記載のカプラ。
(13) 前記結合部材は、バヨネット式の様式で前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施態様1に記載のカプラ。
(14) 前記ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている、実施態様1に記載のカプラ。
(15) 前記円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備え、前記挿入ポートは、長手方向軸を規定し、前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの前記長手方向軸と整列させるように構成されている、実施態様1に記載のカプラ。
【0188】
(16) キットであって、
(a)カテーテル器具であって、
(i)遠位端を有するカテーテルと、
(ii)前記カテーテルの前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記カテーテル及び前記エンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、前記エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含む、カテーテル器具と、
(b)カプラであって、
(i)円筒形シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、前記エンドエフェクタ及び前記カテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(ii)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合部材と、を含む、カプラと、を含む、キット。
(17) カテーテル送達シースを更に備え、前記カテーテル送達シースは、長手方向軸を規定する挿入ポートを含み、前記結合部材は、前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されており、前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるとき、前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの前記長手方向軸と整列させるように構成されている、実施態様16に記載のキット。
(18) 前記結合部材は、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つで前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施態様17に記載のキット。
(19) キットであって、
(a)カテーテル器具であって、
(i)遠位端を有するカテーテルと、
(ii)前記カテーテルの前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記カテーテル及び前記エンドエフェクタは、解剖学的構造に嵌合するように寸法決めされており、前記エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含む、カテーテル器具と、
(b)カプラであって、
(i)円筒形シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、前記エンドエフェクタ及び前記カテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(ii)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合するための手段と、を含む、カプラと、を含む、キット。
(20) 前記結合するための手段は、ねじ切り、スナップ嵌め機構、バヨネット嵌め機構、又はねじ切り、スナップ嵌め機構、若しくはバヨネット嵌め機構の機能的等価物を含む、実施態様19に記載のキット。
【0189】
(21) 方法であって、
カテーテル送達シースにカプラを固定することであって、前記カプラは、
(i)円筒形シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するように寸法決めされている、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(ii)前記円筒形シャフトに取り付けられた結合部材と、を含む、固定することを含み、
前記固定することは、前記ルーメンの前記軸を前記カテーテル送達シースの挿入ポートの長手方向軸と整列させることを含む、方法。
(22) 前記固定することは、前記結合部材と前記カテーテル送達シースとの間に、ねじ式係合、スナップ嵌め係合、又はバヨネット式係合のうちの少なくとも1つを提供することを含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む、実施態様1に記載のカプラ。
(24) 前記円錐台形の近位部分は、前記近位端から遠位に延在する、実施態様23に記載のカプラ。
(25) 前記円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細となっている、実施態様23に記載のカプラ。
【0190】
(26) 前記ルーメンは、円錐台形の近位部分を含む、実施態様16に記載のキット。
(27) 前記円錐台形の近位部分は、前記近位端から遠位に延在する、実施態様26に記載のキット。
(28) 前記円錐台形の近位部分は、遠位方向において半径方向内向きに先細となっている、実施態様26に記載のキット。
(29) 送達シースとカテーテルとのカプラであって、
(a)軸に沿って延在する円筒形シャフトであって、カテーテル送達シースの挿入ポートと長手方向に整列されるように構成されており、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記軸に沿って前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメンであって、カテーテルのエンドエフェクタを受容するように寸法決めされており、円錐台形の近位部分を含む、ルーメンと、を含む、円筒形シャフトと、
(b)前記円筒形シャフトの前記遠位端に取り付けられたキャップであって、前記カテーテル送達シースと選択的に整列されるように構成されており、前記結合部材が前記カテーテル送達シースと選択的に整列されるときに前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの長手方向軸と整列させるように構成された、キャップと、を備える、カプラ。
(30) 前記キャップは、前記カテーテル送達シースに選択的に固定されるように構成されている、実施態様29に記載のカプラ。
【0191】
(31) 前記キャップは、前記円筒形シャフトの前記遠位端に不動的に取り付けられている、実施態様29に記載のカプラ。
(32) 前記キャップは、前記円筒形シャフトの前記遠位端に取り付けられている一方で、前記円筒形シャフトに対して移動可能でもある、実施態様29に記載のカプラ。
(33) 前記キャップは、前記ルーメンの前記軸に沿って前記円筒形シャフトに対して並進するように構成されている、実施態様32に記載のカプラ。
(34) 前記キャップは、ねじ式の様式、スナップ嵌めの様式、締まり嵌めの様式、又はバヨネット式の様式のうちの少なくとも1つで前記カテーテル送達シースに係合するように構成されている、実施態様30に記載のカプラ。
(35) 前記ルーメン内に配置されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、解剖学的構造内に嵌合するように構成されている、実施態様29に記載のカプラ。
【0192】
(36) 前記円筒形シャフトと長手方向に整列されるように構成された挿入ポートを有するカテーテル送達シースを更に備え、前記挿入ポートは長手方向軸を規定し、前記結合部材は、前記結合部材が前記カテーテル送達シースと整列されたときに前記ルーメンの前記軸を前記挿入ポートの前記長手方向軸と整列させるように構成されている、実施態様29に記載のカプラ。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
【外国語明細書】