(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059634
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】折りたたみ型ディスプレイ及び携帯端末機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240423BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240423BHJP
G02B 1/14 20150101ALI20240423BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240423BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20240423BHJP
C09D 133/00 20060101ALI20240423BHJP
C09D 167/00 20060101ALI20240423BHJP
C09D 175/04 20060101ALI20240423BHJP
C09D 171/00 20060101ALI20240423BHJP
C09D 179/08 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G02B1/14
H10K77/10
C09D5/00 D
C09D133/00
C09D167/00
C09D175/04
C09D171/00
C09D179/08 A
C09D179/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024013191
(22)【出願日】2024-01-31
(62)【分割の表示】P 2019524290の分割
【原出願日】2019-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2018089320
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本郷 有記
(72)【発明者】
【氏名】小川 真由
(72)【発明者】
【氏名】恵島 明紀
(57)【要約】
【課題】量産性に優れており、繰り返し折り曲げた後に折りたたみ部分で表示される画像に乱れを生じるおそれがない折りたたみ型ディスプレイと、そのような折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器を提供すること。
【解決手段】表面の少なくとも一部にハードコートフィルムが配されてなる折りたたみ型ディスプレイであって、前記ハードコートフィルムは、極限粘度が0.65~1.0dl/gのポリエステルフィルムを基材フィルムとし、前記基材フィルムの少なくとも折りたたみ型ディスプレイの表面側に厚みが0.5~3.0μmのポリイミド系樹脂の硬化層、及びハードコート層を順に有する折りたたみ型ディスプレイ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ELモジュールとハードコートフィルムを備え、表面の少なくとも一部に前記ハードコートフィルムが配されてなる折りたたみ型ディスプレイであって、
前記ハードコートフィルムは、有機ELモジュールの上部に配置され、
前記ハードコートフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィルムとし、前記基材フィルムの少なくとも折りたたみ型ディスプレイの表面側に、易接着層、硬化層、及びハードコート層を順に有し、
易接着層は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、又はポリエーテル樹脂のいずれかを含み、
硬化層は、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂のいずれかを含み、
ハードコート層は、ウレタンアクリレート系樹脂を含み、
折りたたんだ際の屈曲半径が5mm以下であり、
ハードコート層が屈曲の外側を向くよう、屈曲半径3mm、1回/秒の速度で5万回屈曲させる無負荷U字伸縮試験において、屈曲終了後、屈曲内側を下にして平面に水平に置いた際、
浮き上がり最大高さ5mm未満である、又は変形しない、
折りたたみ型ディスプレイ。
【請求項2】
ハードコートフィルムの全光線透過率は、85%以上であり、
ハードコートフィルムのヘイズは、3%以下であり、
ハードコート層の厚みが1~40μmであり、
基材フィルムの厚みが10~75μmであり、基材フィルムの極限粘度が0.65~0.80dl/gであり、
硬化層の厚みが1.0~2.0μである請求項1に記載の折りたたみ型ディスプレイ。
【請求項3】
折りたたみ型ディスプレイの折りたたみ部分を介して連続した単一のハードコートフィルムが配されている請求項1又は2に記載の折りたたみ型ディスプレイ。
【請求項4】
JIS K5600-5-4:1999に準拠して750g荷重で測定したハードコート層の鉛筆硬度が2H以上である請求項1~3のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイを有する携帯端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折りたたみ型ディスプレイ及び携帯端末機器に関し、繰り返し折りたたんでも、表面に位置しているフィルムの変形による画像の乱れの起こり難く、フィルム表面が高硬度の折りたたみ型ディスプレイ及び携帯端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末機器の薄膜軽量化が進み、スマートフォンに代表される携帯端末機器が広く普及している。携帯端末機器には様々な機能が求められている反面、利便性もとめられている。そのため普及している携帯端末機器は、簡単な操作は片手ででき、さらに衣服のポケットなどに収納することが前提であるため6インチ程度の小さな画面サイズとする必要がある。
【0003】
一方、7インチ~10インチの画面サイズであるタブレット端末では、映像コンテンツや音楽のみならず、ビジネス用途、描画用途、読書などが想定され、機能性の高さを有している。しかし、片手での操作はできず、携帯性も劣り、利便性に課題を有する。
【0004】
これらを達成するため、複数のディスプレイをつなぎ合わせることでコンパクトにする手法が提案されているが、ベゼルの部分が残るため、映像が切れたものとなり、視認性の低下が問題となり普及していない。
【0005】
そこで近年、フレキシブルディスプレイ、折りたたみ型ディスプレイを組み込んだ携帯端末が提案されている。この方式であれば、画像が途切れることなく、大画面のディスプレイを搭載した携帯端末機器として利便性よく携帯できる。
【0006】
ここで、従来の折りたたみ構造を有しないディスプレイや携帯端末機器については、そのディスプレイの表面はガラスなど可撓性を有しない素材で保護することができたが、折りたたみ型ディスプレイにおいて、折りたたみ部分を介して一面のディスプレイとする場合には、可撓性があり、かつ、表面を保護できるハードコートフィルムなどを使用する必要がある。しかしながら、折りたたみ型ディスプレイでは、一定の折りたたみ部分に当たる箇所が繰り返し折り曲げられるため、当該箇所のフィルムが経時的に変形し、ディスプレイに表示される画像を歪める等の問題があった。
【0007】
また、折り込み部と非折り込み部の厚さを異ならせる手法も提案されているが、フィルム厚を薄い部分は耐屈曲性は向上するものの、鉛筆硬度が低下してしまう問題があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような従来のディスプレイが有する課題を解決しようとするものであって、量産性に優れており、繰り返し折りたたんだ後に折りたたみ部分で表示される画像に乱れを生じるおそれがなく、硬度が高い折りたたみ型ディスプレイと、そのような折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. 表面の少なくとも一部にハードコートフィルムが配されてなる折りたたみ型ディスプレイであって、前記ハードコートフィルムは極限粘度が0.65~1.0dl/gのポリエステルフィルムを基材フィルムとし、前記基材フィルムの少なくとも折りたたみ型ディスプレイの表面側に、厚みが0.5~3.0μmのポリイミド系樹脂の硬化層、及びハードコート層を順に有する折りたたみ型ディスプレイ。
2. 基材フィルムであるポリエステルフィルムの厚みが10~75μmである上記第1に記載の折りたたみ型ディスプレイ。
3. ハードコート層の厚みが1~40μmである上記第1又は第2に記載の折りたたみ型ディスプレイ。
4. 折りたたみ型ディスプレイの折りたたみ部分を介して連続した単一のハードコートフィルムが配されている上記第1~第3のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。5. ポリエステルフィルムが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである上記第1~第4のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。
6. JIS K5600-5-4:1999に準拠して750g荷重で測定したハードコート層の鉛筆硬度が
2H以上である上記第1~第5のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。
7. 折りたたんだ際の屈曲半径が5mm以下である上記第1~第6のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。
8. 上記第1~第7のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイを有する携帯端末機器。
【発明の効果】
【0011】
本発明の折りたたみ型ディスプレイは、量産性を維持しながら、表面に位置しているハードコートフィルムが繰り返し折りたたんだ後の変形を起こさず、高硬度のディスプレイの折りたたみ部分での画像の乱れを生じないものである。前記のような折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器は、美しい画像を提供し、高硬度であるため傷にも強く、機能性に富み、携帯性等の利便性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明における折りたたんだ際の屈曲半径の測定箇所を示すための模式図である。
【
図2】本発明におけるハードコートフィルムの一態様の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(ディスプレイ)
本発明で言うディスプレイとは、表示装置を全般に指すものであり、ディスプレイの種類としては、LCD、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LED、FEDなどあるが、折曲げ可能な構造であるLCDや、有機EL、無機ELが好ましい。特に層構成を少なくすることができる有機EL、無機ELが特に好ましく、色域の広い有機ELがさらに好ましい。
【0014】
(折りたたみ型ディスプレイ)
折りたたみ型ディスプレイは、連続した1枚のディスプレイが、携帯時は2つ折り又は3つ折り以上にすることでサイズを半減又は更に低減させ、携帯性を向上させた構造となっていることが好ましい。また同時に薄型、軽量化されているものが望ましい。そのため、折りたたみ型ディスプレイの屈曲半径は5mm以下が好ましく、3mm以下がさらに好ましい。屈曲半径が5mm以下であれば、折りたたんだ状態での薄型化が可能となる。屈曲半径は小さいほど良いと言えるが、0.1mm以上で構わず、0.5mm以上であっても構わない。1mm以上であっても、折りたたみ構造を有しない従来のディスプレイに対比して実用性は十分良好である。折りたたんだ際の屈曲半径とは、
図1の模式図の符号11の箇所を測定するもので、折りたたんだ際の折りたたみ部分の内側の半径を意味している。
【0015】
(有機EL)
有機ELディスプレイの一般的な構成は、電極/電子輸送層/発光層/ホール輸送層/透明電極からなる有機EL層、画質を向上させるための位相差板、偏光板からなる。
【0016】
(タッチパネルを有する携帯端末機器)
タッチパネルを有する携帯端末機器に例えば有機ELディスプレイを用いた場合、有機ELディスプレイの上部、もしくは有機EL層/位相差板間にタッチパネルモジュールを配置する。この際、上部から衝撃が加わると、有機EL、タッチパネルの回路が断線するおそれがあるため、表面を保護するフィルムが配されていることが好ましい。折りたたみ型ディスプレイの表面の少なくとも一部は、その表面を保護するフィルムとしてハードコートフィルムが配されていることが好ましく、これは主に折りたたみ型ディスプレイの画像表示部分の表面を含んでいることが好ましい。ハードコート層は、ディスプレイの外表面側に位置していることが好ましい。
【0017】
なお、折りたたみ型ディスプレイの画像表示部分は、折りたたんだ時の内側に位置していてもよいし、外側に位置していてもよい。言いかえれば、本発明の折りたたみ型ディスプレイの表面を保護するフィルムであるハードコートフィルムは、折りたたみ型ディスプレイの折りたたんだ内側表面に位置していてもよいし、外側表面に位置していてもよい。
【0018】
本発明において、折りたたみ型ディスプレイの表面の少なくとも一部に配されるハードコートフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の側に、ポリイミド系樹脂の硬化層、及び、ハードコート層が順に積層されていることが好ましい。
【0019】
ハードコートフィルムを構成する基材フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルムなど光透過性が高く、ヘイズが低いフィルムであれば使用することができるが、その中でも耐衝撃性が高く、十分な鉛筆硬度を有するポリイミドフィルム、ポリエステルフィルムが好ましく、安価で製造できるポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0020】
図2に、本発明におけるハードコートフィルムの一態様の断面模式図を示す。ハードコートフィルムは、基材フィルムとしてのポリエステルフィルム(符号21)上に、ポリイミド樹脂の硬化層(符号22)及びハードコート層(符号23)が前記の順に積層されていることが好ましい。そして、ハードコートフィルムは、折りたたみ型ディスプレイの表面に位置しており、ハードコート層は、折りたた型ディスプレイの外表面に位置するように配されていることが好ましい。図示しないが、ハードコート層(符号23)の表面は、通常、折りたたみ型ディスプレイの表面と一致していると言える。
【0021】
本発明において、ハードコートフィルムの基材フィルムであるポリエステルフィルムは、1以上のポリエステル樹脂からなる単層構成のフィルムでもよいし、2種類以上のポリエステルを使用する場合、多層構造フィルムでも良いし、繰り返し構造の超多層積層フィルムでもよい。
【0022】
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、またはこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体からなるポリエステルフィルムが挙げられる。なかでも、力学的性質、耐熱性、透明性、価格などの点から、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
【0023】
基材フィルムにポリエステルの共重合体を用いる場合、ポリエステルのジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能カルボン酸が挙げられる。また、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪酸グリコール;p-キシレングリコールなどの芳香族グリコール;1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール;平均分子量が150~20,000のポリエチレングリコールが挙げられる。好ましい共重合体の共重合成分の質量比率は20質量%未満である。20質量%未満の場合には、フィルム強度、透明性、耐熱性が保持されて好ましい。
【0024】
また、ポリエステルフィルムの製造において、少なくとも1種類以上の樹脂ペレットの極限粘度は、0.65~1.0dl/gの範囲が好ましい。極限粘度が0.65dl/g以上であると、得られたフィルムを繰り返し折り曲げた後に変形が発生しづらく、画質を低下させるおそれがないため好ましい。一方、極限粘度が1.00dl/g以下であると、溶融流体の濾圧上昇が大きくなり過ぎることなく、フィルム製造を安定的に操業し易く好ましい。
【0025】
フィルムが単層構成、積層構成であることに関わらず、フィルムの極限粘度は、0.65dl/g以上であることが好ましい。さらに好ましくは0.68dl/g以上である。0.65dl/g以上あれば、十分に耐屈曲性の効果が得られる。一方、極限粘度が1.00dl/g以下であるフィルは、操業性よく製造でき好ましい。
【0026】
ポリエステルフィルムの厚みは、10~75μmであることが好ましく、25~75μmであることがさらに好ましい。厚みが10μm以上であると鉛筆硬度向上効果が得られ易く好ましい。一方、厚みが75μm以下であると軽量化に有利である他、可撓性、加工性やハンドリング性などに優れるため好ましい。
【0027】
本発明におけるポリエステルフィルムの表面は、平滑であっても凹凸を有していても良いが、ディスプレイの表面カバー用途に用いられることから、凹凸由来の光学特性低下は好ましくない。ヘイズとしては、3%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が最も好ましい。ヘイズが3%以下であれば、画像の視認性を向上させることができる。ヘイズの下限は小さいほどよいが、0.1%以上でも構わず、0.3%以上でも構わない。
【0028】
前記のようにヘイズを低下させる目的からはあまりフィルム表面の凹凸は大きくない方がよいが、ハンドリング製の観点から程度な滑り性を与えるために、凹凸を形成する方法としては、表層のポリエステル樹脂層にフィラーを配合したり、フィラー入りのコート層を製膜途中でコーティングすることで形成することができる。
【0029】
ポリエステルフィルムに粒子を配合する方法としては、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、またはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階で、エチレングリコールなどに分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行うことができる。
【0030】
なかでも、ポリエステル原料の一部となるモノマー液中に凝集体無機粒子を均質分散させた後、濾過したものを、エステル化反応前、エステル化反応中またはエステル化反応後のポリエステル原料の残部に添加する方法が好ましい。この方法によると、モノマー液が低粘度であるので、粒子の均質分散やスラリーの高精度な濾過が容易に行えると共に、原料の残部に添加する際に、粒子の分散性が良好で、新たな凝集体も発生しにくい。かかる観点より、特に、エステル化反応前の低温状態の原料の残部に添加することが好ましい。
【0031】
また、予め粒子を含有するポリエステルを得た後、そのペレットと粒子を含有しないペレットとを混練押出しなどする方法(マスターバッチ法)により、さらにフィルム表面の突起数を少なくすることができる。
【0032】
また、ポリエステルフィルムは、光線透過性が満足できる範囲内で、各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤が挙げられる。
【0033】
ポリエステルフィルムの全光線透過率は、85%以上が好ましく、87%以上がさらに好ましい。85%以上の透過率があれば、視認性を十分に確保することができる。ポリエステルフィルムの全光線透過率は高いほどよいと言えるが、99%以下でも構わず、97%以下でも構わない。
【0034】
本発明のポリエステルフィルムの表面に、ポリイミド系樹脂の硬化層などを形成する樹脂との密着性を向上させるための処理を行うことができる。
【0035】
表面処理による方法としては、例えば、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が挙げられ、特に限定なく使用できる。
【0036】
また、
図2においては図示していないが、ポリエステルフィルム上に易接着層が積層されていることも好ましく、易接着層などの接着向上層により、密着性を向上させることもできる。易接着層としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂など特に限定なく使用でき、一般的なコーティング手法、好ましくはいわゆるインラインコート処方により形成できる。
【0037】
上述のポリエステルフィルムは、例えば、ポリエステル原料の一部となるモノマー液中に無機粒子を均質分散させて濾過した後、ポリエステル原料の残部に添加してポリエステルの重合を行う重合工程と、そのポリエステルをフィルターを介してシート状に溶融押し出し、これを冷却後、延伸して、基材フィルムを形成するフィルム形成工程を経て、製造することができる。
【0038】
次に、ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す場合がある)のペレットを基材フィルムの原料とした例について詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。また、単層構成、多層構成など層数を限定するものではない。
【0039】
PETのペレットを所定の割合で混合、乾燥した後、公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化させて、未延伸フィルムを形成する。単層の場合は1台の押し出し機でよいが、多層構成のフィルムを製造する場合には、2台以上の押出機、2層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例えば、角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、各最外層を構成する複数のフィルム層を積層し、口金から2層以上のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを形成することができる。
【0040】
この場合、溶融押出しの際、溶融樹脂が約280℃程度に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行うことが好ましい。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定されないが、ステンレス焼結体の濾材は、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物および高融点有機物の除去性能に優れるため好ましい。
【0041】
さらに、濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、20μm以下が好ましく、特に15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μmを超えると、20μm以上の大きさの異物が十分除去できない。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μm以下の濾材を用いて溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより、生産性が低下する場合があるが、粗大粒子による突起の少ないフィルムを得る上で好ましい。
【0042】
具体的には、例えば、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化させて、未延伸PETシートを形成する。得られた未延伸シートを80~120℃に加熱したロールで長手方向に2.5~5.0倍延伸して、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、80~180℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後、幅方向に2.5~5.0倍に延伸する。引き続き、160~240℃の熱処理ゾーンに導き、1~60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向または長手方向に1~12%の弛緩処理を施してもよい。
【0043】
(ポリイミド系樹脂の硬化層)
折りたたみ型ディスプレイの表面に位置させてディスプレイを保護するポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム/ハードコート層の層間にポリイミド系樹脂の硬化層を有していることが好ましい。ポリイミド系樹脂は、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂を含み、反応性官能基を有している樹脂が好ましい。反応性官能基を有していることで、架橋構造を形成し塗膜の弾性率が向上し、鉛筆硬度を向上させる効果を奏するため好ましい。
【0044】
ポリイミド樹脂は、その溶液としても入手でき、例えば、日立化成社製「ポリアミック酸型ポリイミド樹脂-HCIシリ-ズ」や、三菱瓦斯化学社製「ネオプリム(登録商標)」などが挙げられる。ポリアミドイミド樹脂溶液としては、例えば、東洋紡社製「バイロマックス(登録商標)」や、日立化成社製「ポリアミドイミド樹脂-HPCシリ-ズ」などが挙げられる。
【0045】
(架橋剤)
ポリイミド系樹脂を硬化させるために架橋剤を併用することも好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤など特に限定なく使用できる。
【0046】
(添加剤)
また、ハードコート層との密着性を向上させるための密着向上材料や、耐光性を向上させるための紫外線吸収剤などの添加剤の他、フィラーなども添加することができる。
【0047】
(膜厚)
ポリイミド系樹脂の硬化層の膜厚としては、0.5~3μmが好ましい。厚みが0.5μm以上であれば、鉛筆硬度を向上させる効果が顕著になり好ましい。また厚みが3μm以下であると、耐屈曲性を低下させることなく、鉛筆硬度を向上効果が顕著であるので好ましい。
【0048】
(塗布方法)
ポリイミド系樹脂の硬化層の塗布方法としては、マイヤーバー、グラビアコート、ダイコーター、ナイフコーターなど特に限定なく使用でき、粘度、膜厚に応じて適宜選択できる。
【0049】
(硬化条件)
ポリアミドイミド層の硬化方法としては、紫外線、電子線などのエネルギー線や、熱による硬化方法など、架橋剤に適合した方法で使用できる。熱による硬化の場合、150℃以下が好ましく、130℃以下が特に好ましい。
【0050】
(ハードコート層)
折りたたみ型ディスプレイの表面に位置させてディスプレイを保護するポリエステルフィルムは、その表面にハードコート層を有していることが好ましい。ハードコート層を形成する樹脂としては、(メタ)アクリレート系、シロキサン系、無機ハイブリッド系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ系など特に限定なく使用できる。また、2種類以上の材料を混合して用いることもできるし、無機フィラーや有機フィラーなどの粒子を添加することもできる。
【0051】
(膜厚)
ハードコート層の膜厚としては、1~40μmが好ましい。厚みが1μm以上であると、良好な鉛筆硬度が得られて好ましい。また厚みが40μm以下であると、ハードコートの硬化収縮によるカールを抑制し、フィルムのハンドリング性を向上させることができる。
【0052】
(塗布方法)
ハードコート層の塗布方法としては、マイヤーバー、グラビアコート、ダイコーター、ナイフコーターなど特に限定なく使用でき、粘度、膜厚に応じて適宜選択できる。
【0053】
(硬化条件)
ハードコート層の硬化方法としては、紫外線、電子線などのエネルギー線や、熱による硬化方法など使用できるが、フィルムへのダメージを軽減させるため、紫外線や電子線などが好ましい。
【0054】
(鉛筆硬度)
ハードコートフィルムのハードコート層の鉛筆硬度としては、2H以上が好ましく、3H以上が更に好ましい。2H以上の鉛筆硬度があれば、容易に傷がつくことはなく、視認性を低下させない。一般にハードコート層の鉛筆硬度は高い方が好ましいが10H以下で構わず、8H以下でも構わず、6H以下でも実用上は問題なく使用できる。
【0055】
(ハードコート層の種類)
本発明におけるハードコート層は、上述のような表面の鉛筆硬度を高めてディスプレイの保護をする目的に使用できるものであれば、他の機能が付加されたものであってもよい。例えば、上記のような一定の鉛筆硬度を有する防眩層、防眩性反射防止層、反射防止層、低反射層および帯電防止層などの機能性が付加されたハードコート層も本発明おいては好ましく適用される。
【0056】
本発明におけるハードコートフィルムのヘイズとしては、ポリエステルフィルムと同様に3%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が最も好ましい。ヘイズが3%以下であれば、画像の視認性を向上させることができる。ヘイズの下限は小さいほどよいが、0.1%以上でも構わず、0.3%以上でも構わない。
【0057】
本発明におけるハードコートフィルムの全光線透過率は、ポリエステルフィルムと同様に85%以上が好ましく、87%以上がさらに好ましい。85%以上の透過率があれば、視認性を十分に確保することができる。全光線透過率は高いほどよいと言えるが、99%以下でも構わず、97%以下でも構わない。
【実施例0058】
次に、本発明の効果を実施例および比較例を用いて説明する。まず、本発明で使用した特性値の評価方法を下記に示す。
【0059】
(1)極限粘度
フィルムまたはポリエステル樹脂を粉砕して乾燥した後、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に溶解した。この溶液に遠心分離処理を施して無機粒子を取り除いた後に、ウベローデ粘度計を用いて、30℃で0.4(g/dl)の濃度の溶液の流下時間及び溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用い、Hugginsの定数が0.38であると仮定して極限粘度を算出した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの該当するポリエステル層を削り取ることで、各層単体の極限粘度を評価した。
【0060】
(2)耐屈曲性
幅方向50mm×流れ方向100mmの大きさのサンプルを用意する。無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器社製、DLDMLH-FS)を用いて、屈曲半径3mmを設定し、1回/秒の速度で、5万回屈曲させた。その際、サンプルは長辺側両端部10mmの位置を固定して、屈曲する部位は50mm×80mmとした。屈曲処理終了後、サンプルの屈曲内側を下にして平面に置き、目視検査を行った。以下の各実施例、比較例においてはハードコートフィルムの耐屈曲性を評価した。ハードコート層が屈曲の外側に向くように屈曲させて評価した。
◎ :サンプルの変形を確認できない。
○ :サンプルの変形があるが、水平に置いた際、浮き上がり最大高さが5mm未満。
× :サンプルに折跡があるか、水平に置いた際、浮き上がり最大高さが5mm以上。
【0061】
(3)鉛筆硬度
JIS K 5600-5-4:1999に準拠し、荷重750g、速度0.5mm/sでハードコートフィルムのハードコート層を測定した。
【0062】
(4)全光線透過率、ヘイズ
ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH5000)を用いてハードコートフィルムを測定
した。
【0063】
(5)ポリエステルフィルムの厚み
フィルムの任意の3箇所より5cm角サンプル3枚を切り取った。電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用い、一枚あたり各5点(計15点)測定し、平均値をポリエステルフィルムの厚みとした。
【0064】
(6)ポリイミド系樹脂の硬化層の厚み、及びハードコート層の厚み
ハードコートフィルムの任意の3ヶ所より切片を切り出した。切片1枚当たり1辺の端面表面をミクロトームにて均質にした。この端面をデジタルマイクロスコープRH-2000((株)ハイロックス製)にて600倍に拡大して観察し、1端面あたり各5点(計15点)のポリイミド系樹脂の硬化層の厚み、及びハードコート層の厚みを測定し、各々の平均値を算出した。
【0065】
(ポリイミド系樹脂塗布液1の調製)
ポリアミドイミド樹脂溶液(東洋紡社製、バイロマックス(登録商標)HR-15ET、固形分濃度25%)100重量部、架橋剤(三菱ガス化学社製、製品名:テトラッドX、固形分濃度:100重量%)2.5重量部を混合し、トルエン/MEK=1/1の溶媒で希釈して、濃度15%の塗布液1を調製した。
【0066】
(ハードコート塗布液2の調製)
ウレタンアクリレート系ハードコート剤(荒川化学工業社製、ビームセット(登録商標)577、固形分濃度100%)95重量部、光ラジカル重合開始剤(IGMResi
ns社製、製品名:Omnirad907、固形分濃度:100重量%)5重量部、レベリング剤(ビックケミージャパン社製、BYK307、固形分濃度100%)0.1重量部を混合し、トルエン/MEK=1/1の溶媒で希釈して、濃度40%の塗布液1を調製した。
【0067】
(ポリエチレンテレフタレートペレット(a)の調製)
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用い、TPAを2トン/hrとし、EGをTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間で、255℃で反応させた。次いで、上記第1エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるEGを生成ポリマー(生成PET)に対し8質量%供給し、さらに、生成PETに対してMg原子が65ppmとなる量の酢酸マグネシウムを含むEG溶液と、生成PETに対してP原子が20ppmのとなる量のTMPAを含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1.5時間で、260℃で反応させた。次いで、上記第2エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、さらに生成PETに対してP原子が20ppmとなる量のTMPAを含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間0.5時間で、260℃で反応させた。上記第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、さらに、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度5μm粒子90%カット)で濾過し、極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(a)を得た。
【0068】
(ポリエチレンテレフタレートペレット(b)の調製)
ポリエチレンテレフタレートペレット(a)を、回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、極限粘度0.67dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(b)を作成した。
【0069】
(ポリエチレンテレフタレートペレット(c)の調製)
ポリエチレンテレフタレートペレット(a)を、回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、極限粘度0.75dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(c)を作成した。
【0070】
(ポリエチレンテレフタレートペレット(d)の調製)
ポリエチレンテレフタレートペレット(a)を、回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、極限粘度0.83dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(d)を作成した。
【0071】
上記のポリエチレンテレフタレートマスターペレット(a)を180℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機に、ポリエチレンテレフタレートのペレット(a)を押
出機にそれぞれ供給し、285℃で融解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに接触させ冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムを長手方向に85℃で3.4倍に延伸した。この一軸延伸フィルムをテンターを用いて幅方向に95℃で4.2倍延伸し、220℃にて5秒間熱処理し、表1のNo.1のポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。上記と若干の条件調整を行った他はほぼ同様の工程に、ポリエチレンテレフタレートマスターペレット(b)~(d)を供給し、表1のNo.2~5のポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
【0072】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートフィルムNo.3の一方の面にマイヤーバーを用いて、ポリイミド系樹脂塗布液1を乾燥後の膜厚が2.0μmになるように塗布し、120℃で1分間乾燥させて、ポリイミド系樹脂の硬化層を得た。次いで、ポリイミド系樹脂の硬化層の上に、マイヤーバーを用いてハードコート塗布液2を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布し、80℃で30秒乾燥後、紫外線を照射し(積算光量200mJ/cm2)、ハードコートフィルムを得た。
【0073】
(実施例2~5、比較例1~3)
実施例1と同様の方法にて、表2中の条件でハードコートフィルムを作成した。
【0074】
作成したフィルムを、25μm厚の粘着層を介して有機ELモジュールに貼合し、
図1における屈曲半径の相当する半径が3mmの全体の中央部で二つ折りにできるスマートフォンタイプの折りたたみ型ディスプレイを作成した。ハードコートフィルムは折りたたみ部分を介して連続した1枚のディスプレイの表面に配され、ハードコート層をそのディスプレイの表面に位置するように配されている。各実施例のハードコートフィルムを用いたものは、中央部で二つ折りに折りたたんで携帯できるスマートフォンとして動作及び視認性を満足するものであった。一方、比較例2、3のハードコートフィルムを使用した折りたたみ型ディスプレイは、使用頻度が増えるに従って、ディスプレイの折りたたみ部で画像の歪を生じてきたように感じ、あまり好ましいものではなかった。また、比較例1は、ハードコートフィルムの鉛筆硬度の点でやや不満足なものであった。
【0075】
【0076】
本発明によれば、量産性を維持しながら、表面の高い鉛筆硬度を有し、繰り返し折りたたんだ後の表面ハードコートフィルムの変形が起こりづらく、経時的な画像の乱れを生じ難い折りたたみ型ディスプレイとそのような折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器の提供が可能となった。