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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059645
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】プレス装置における方法
(51)【国際特許分類】
   B30B 5/02 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B30B5/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014130
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2021541450の分割
【原出願日】2019-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】510161026
【氏名又は名称】キンタス・テクノロジーズ・エービー
【氏名又は名称原語表記】Quintus Technologies AB
【住所又は居所原語表記】Quintusvagen 2, 721 66 Vasteras, Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペル・ブルストレーム
(72)【発明者】
【氏名】エミル・ホルムストレーム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的高い柔軟性でHIPにおける冷却レートを制御するためのプレス装置における方法を提供する。
【解決手段】プレス装置(100)の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器(1,16,17)を備え、圧力容器(1,16,17)は、その中に処理領域(18)を含み、処理領域(18)は、少なくとも1つの物品(5)を収容するように配置される。プレス装置(100)は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置(100)中の別の領域から処理領域(18)に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)を備え、圧力容器(1,16,17)中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)の圧力媒体供給レートが調整される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス装置(100)における方法(200;300)であって、前記プレス装置は、前記プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器(1,16,17)を備え、前記圧力容器は、その中に処理領域(18)を含み、前記処理領域は、少なくとも1つの物品(5)を収容するように配置され、前記プレス装置は、前記少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が前記処理領域に出入りすることができるように配置され、前記プレス装置は、前記冷却段階中に圧力媒体を前記プレス装置中の別の領域から前記処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)を更に備え、前記別の領域中の前記圧力媒体の温度は、前記冷却段階の少なくとも一部中の前記処理領域中の前記圧力媒体の温度よりも低く、そのため、前記冷却段階中の圧力媒体の前記別の領域から前記処理領域への移送によって、前記処理領域中の前記圧力媒体の温度は低下し、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、その少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能であり、前記方法は、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得すること(201;301)と、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整すること(202;302)と
を備える、方法。
【請求項2】
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定すること(203)と、ここにおいて、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値の関数である、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の差を決定すること(204)と、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、同時刻における又は同じ時間期間内でのその中の異なる領域又は位置における前記圧力容器中の温度を示す少なくとも2つの値間の差によって少なくとも部分的に定義される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器又は前記プレス装置中のコンポーネント上又は中の異なる位置間の温度勾配によって少なくとも部分的に定義される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを制御するためのものであり、前記方法は、前記冷却段階中に、
複数の時刻において前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得すること(303)と、
前記取得された値に基づいて、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートを決定すること(304)と、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定された冷却のレートとの間の差を決定すること(305)と、
前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートと前記選択された値との間の差が減少するように、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得すること
を更に備え、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に更に基づく、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の時刻において感知された前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値の前記取得と、前記取得された値に基づく前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートの前記決定と、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての前記選択された値と前記決定された冷却のレートとの間の差の前記決定と、前記差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整とは、繰り返し実行される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、
前記差に基づいて前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを計算することと、 前記計算された冷却のレートに基づいて前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することと
を備える、請求項5~7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧縮器を備え、前記少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を前記少なくとも1つの圧縮器によって前記冷却段階中に前記別の領域から前記処理領域に移送することができるように配置される、請求項5~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つのピストン圧縮器を備え、前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を備え、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づいて前記少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の前記時間遅延を調整することを備える、請求項5~9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
複数の時刻における前記処理領域内の少なくとも1つの温度を示す値の前記取得は、複数の時刻において前記処理領域内の少なくとも1つの温度を感知することを備える、請求項5~10のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つのピストン圧縮器を備え、前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長を備え、前記方法は、前記冷却段階中に、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての前記選択された値と前記決定されたレートとの間の前記差が予め定義されたレート範囲内である場合、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の前記ピストンストローク長を第1のピストンストローク長から第2のピストンストローク長まで現在のピストンストローク長の選択された画分だけ減少させること、ここにおいて、前記第2のピストンストローク長は、前記第1のピストンストローク長よりも小さい、
を更に備える、請求項5~11のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の圧縮器速度を備え、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づいて前記少なくとも1つのピストン圧縮器の前記圧縮器速度を調整することを備え、
前記方法は、
前記少なくとも1つの圧縮器の前記圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度範囲内であるという条件で、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の前記ピストンストローク長を前記第1のピストンストローク長に向かって又は前記第1のピストンストローク長まで戻すように増大させることを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、比例積分(PI)コントローラを使用して実行される、請求項5~13のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
プレス装置(100)であって、
前記プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器(1,16,17)と、前記圧力容器は、その中に処理領域(18)を含み、ここにおいて、前記処理領域は、少なくとも1つの物品(5)を収容するように配置され、前記プレス装置は、前記少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が前記処理領域に出入りすることができるように配置される、
前記冷却段階中に圧力媒体を前記プレス装置中の別の領域から前記処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)と、ここにおいて、別の領域中の前記圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の前記処理領域中の前記圧力媒体の温度よりも低く、そのため、前記冷却段階中の圧力媒体の前記別の領域から前記処理領域への移送によって、前記処理領域中の前記圧力媒体の温度は低下し、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、その少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を感知するように構成された少なくとも1つのセンサ(4)と、
その動作を制御するために、前記少なくとも1つのセンサに通信可能に結合され、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスに通信可能に結合された少なくとも1つの制御及び処理モジュール(6)と
を備え、前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、 前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、プレス装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定することと、ここにおいて、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値の関数である、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の差を決定することと、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、請求項15に記載のプレス装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサは、前記圧力容器の前記別の領域中の少なくとも1つの温度を感知するように構成され、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記取得された少なくとも1つの値は、前記圧力容器の前記別の領域中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を備える、請求項15又は16に記載のプレス装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記少なくとも1つのセンサから複数の時刻において前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することと、
前記取得された値に基づいて、前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを決定することと、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定された冷却のレートとの間の差を決定することと、
前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートと前記選択された値との間の差が減少するように、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、請求項15に記載のプレス装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、
前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に更に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することと
を行うように構成される、請求項18に記載のプレス装置。
【請求項20】
前記圧力容器内に配置された炉室(18)と、前記炉室は、断熱ケーシング(3)によって少なくとも部分的に囲まれ、圧力媒体が前記炉室に出入りすることができるように配置され、ここにおいて、前記処理領域は、前記炉室の内部によって備えられるか又はそれによって構成される、
前記炉室と流体連通状態にあり、前記圧力容器内に外部冷却ループを形成するように配置された複数の圧力媒体誘導路(10、11)と
を更に備え、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、前記冷却段階中に圧力媒体を前記外部冷却ループから前記炉室に移送するように構成され、前記プレス装置中の前記別の領域は、前記外部冷却ループの少なくとも一部を備える、
請求項15~19のうちのいずれか一項に記載のプレス装置。
【請求項21】
前記圧力容器は、圧力シリンダ(1)と端部閉鎖部(17)とを備え、前記断熱ケーシングは、断熱部分(7)と前記断熱部分を少なくとも部分的に囲むハウジング(2)とを備え、前記外部冷却ループの一部は、前記ハウジングの少なくとも一部分と前記断熱部分との間にそれぞれ形成され、前記炉室を出た後に前記端部閉鎖部に向かって前記圧力媒体を誘導するように配置された少なくとも1つの第1の圧力媒体誘導路(11)を備え、前記外部冷却ループの別の一部は、前記炉室を出た前記圧力媒体を前記圧力シリンダの壁の内面に近接して誘導するように配置された少なくとも1つの第2の圧力媒体誘導路(10)を備え、
前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、前記冷却段階中に圧力媒体を前記外部冷却ループの前記別の部分から前記炉室に移送するように構成され、前記プレス装置中の前記別の領域は、前記外部冷却ループの前記別の部分の少なくとも一部を備える、
請求項20に記載のプレス装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧縮器(30)を備え、前記少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を前記少なくとも1つの圧縮器によって前記冷却段階中に前記別の領域から前記処理領域に移送することができるように配置される、請求項15~21のうちのいずれか一項に記載のプレス装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、前記少なくとも1つの圧縮器(30)と流体連通状態にある少なくとも1つの流れ発生器(29)を備え、前記少なくとも1つの流れ発生器は、前記圧力容器内に配置され、前記少なくとも1つの流れ発生器の上流側において前記別の領域から圧力媒体を受け取り、前記少なくとも1つの流れ発生器の下流側において圧力媒体の流れを排出するように構成される、請求項22に記載のプレス装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの流れ発生器は、前記少なくとも1つの流れ発生器の前記上流側において前記少なくとも1つの圧縮器から圧力媒体を受け取り、前記少なくとも1つの圧縮器から受け取られた前記圧力媒体と前記別の領域から受け取られた前記圧力媒体とを混合して、圧力媒体混合物を取得するように更に構成され、前記少なくとも1つの流れ発生器の前記下流側において排出された圧力媒体の前記流れは、前記圧力媒体混合物を備えるか、又はそれによって構成される、請求項23に記載のプレス装置。
【請求項25】
請求項15~24のうちのいずれか一項に記載のプレス装置(100)と連携して使用するための制御及び処理モジュール(6)であって、前記制御及び処理モジュールは、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(30)の動作を制御するために、前記プレス装置の前記少なくとも1つのセンサ(4)に通信可能に結合され、前記プレス装置の前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスに通信可能に結合され、前記制御及び処理モジュールは、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、 前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、制御及び処理モジュール。
【請求項26】
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定することと、ここにおいて、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値の関数である、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の差を決定することと、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、請求項25に記載の制御及び処理モジュール。
【請求項27】
前記プレス装置の前記少なくとも1つのセンサから複数の時刻において前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することと、
前記取得された値に基づいて、前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを決定することと、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差を決定することと、
前記差に基づいて、前記プレス装置の前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートと前記選択された値との間の差が減少するように、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと を行うように構成される、請求項25に記載の制御及び処理モジュール。
【請求項28】
請求項25~27のうちのいずれか一項に記載の制御及び処理モジュール(6)中で実行されると、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の方法(200;300)を実行するように構成される、コンピュータプログラム製品。
【請求項29】
請求項25~27のうちのいずれか一項に記載の制御及び処理モジュール(6)中で実行されると、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の方法(200;300)を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品が記憶された、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に高圧技術の分野に関し、特に圧力処理に関する。特に、本発明は、例えばプレス装置における冷却レートを制御するためのプレス装置における方法に関し、プレス装置は、例えば熱間等方圧プレス(HIP:hot isostatic pressing)などの熱間プレスによる少なくとも1つの物品の処理のために構成される。本方法によって、制御された様式での処理された物品の冷却が容易又は可能にされ得る。
【背景技術】
【0002】
熱間等方圧プレス(HIP)は、例えば、鋳造物(例えば、タービンブレード)の耐用年数及び強度(例えば、それらの疲労強度)を実質的に増大させるために、鋳造物における気孔率を低減又は更には除去するために使用され得る。HIPは、加えて、粉末を圧縮することによる製品の製造において使用されて得、その製品は、完全に又は実質的に完全に高密度であること、及び無孔又は実質的に無孔の外面を有すること、等を望まれるか又は必要とされる。
【0003】
HIPによる圧力処理を受けることになる物品は、断熱圧力容器の装填区画又は装填室中に位置付けられ得る。処理サイクルは、物品を装填すること、物品を処理すること、及び物品を取り出すことを備え得る。いくつかの物品は、同時に処理され得る。処理サイクルは、プレス段階、加熱段階、及び冷却段階などのいくつかの部分、即ち段階に分割され得る。物品を圧力容器中に装填した後、それは、次いで密閉され得、その後に、圧力媒体(例えば、アルゴン含有ガスなどの不活性ガスを備える)の圧力容器及びその装填区画への導入が続く。次いで、圧力媒体の圧力及び温度が上昇され、そのため、物品は、選択された時間期間中に上昇された圧力及び上昇された温度に曝される。次に物品の温度の上昇を引き起こし得る、圧力媒体の温度の上昇は、圧力容器の炉室中に配置された加熱要素又は炉によって提供される。圧力、温度、及び処理時間は、例えば、処理される物品の所望の又は必要とされる材料特性、特定の応用分野、及び処理される物品の必要とされる品質に依存し得る。HIPにおける圧力は、例えば、800バール~2000バールなど、200バール~5000バールの範囲中にあり得る。HIPにおける温度は、例えば、800℃~2000℃など、300℃~3000℃の範囲中にあり得る。
【0004】
物品の圧力処理が終了すると、物品は、圧力容器から取り除かれる、即ち取り出される前に冷却される必要があり得る。物品の冷却の特性-例えばそのレート-は、処理される物品の冶金学的特性に影響を及ぼし得る。一般に、物品を均質な方法で冷却することが可能であり、且つまた、可能であれば冷却レートを制御することが可能であることが望まれる。HIPを受ける物品の冷却に必要とされる時間期間を低減するための努力が成されてきた。例えば、冷却段階中に、制御された方法で、(例えば、装填区画内の温度が均一な方法で低減されるように)装填区画内でのいかなる大きな温度変化も引き起こすことなく、圧力媒体(及びそれによって物品)の温度を急速に低下させ、選択された時間期間中に温度の変動がないか又は小さい変動のみで、選択された時間期間中に温度をある特定の温度レベルに又はある特定の温度範囲内に維持することを必要とされ得るか又は望まれ得る。物品の冷却中に装填区画内でのいかなる大きい温度変化も有さないことによって、その冷却中に物品の異なる部分内に温度変化がないか、又は非常に小さい温度変化しかないことがある。それによって、処理される物品中の内部応力が低減され得る。
【発明の概要】
【0005】
HIPにおける冷却レートを増大させるための努力が成されてきたが、本発明者らは、冷却レートを異なる要件又は状況に適合させることが可能であるように、比較的高い柔軟性でHIPにおける冷却レートを制御することが可能であることが有利であり、それは、例えば、その冷却中の処理される物品の異なる部分内の温度変化を低減又は除去することを更に容易にし得、それは、処理される物品中の内部応力を低減するのに有益であり得ることを認識した。
【0006】
上記に鑑みて、本発明の関心は、HIP用のプレス装置などのプレス装置における方法を提供することであり、その方法は、HIP用のプレス装置などのプレス装置における冷却レートを制御するために使用され得、その方法は、冷却レートを異なる要件又は状況に適合させることが可能であるように、比較的高い柔軟性でプレス装置における冷却レートを制御することを容易又は可能にし得る。
【0007】
この関心及び他の関心のうちの少なくとも1つに対処するために、独立請求項に記載のプレス装置における方法とプレス装置とが提供される。好ましい実施形態が、従属請求項によって規定されている。
【0008】
第1の態様によると、プレス装置における方法が提供される。プレス装置は、プレス装置の使用中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器を備える。圧力容器は、その中に処理領域を含む。処理領域は、少なくとも1つの物品を収容するように配置される。プレス装置は、少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が処理領域に出入りすることができるように配置される。プレス装置は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置中の別の領域から処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスを備え、ここにおいて、別の領域中の圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の処理領域中の圧力媒体の温度よりも低く、そのため、冷却段階中の圧力媒体の別の領域から処理領域への移送によって、処理領域中の圧力媒体の温度は低下する。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である。本方法は、冷却段階中に、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することを備える。冷却段階中に、及び圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータが調整され、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整する。
【0009】
このことから、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて調整され得る。それによって、処理領域中の圧力媒体の冷却の程度若しくは度合い、即ち処理領域中の圧力媒体の冷却のレートは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に依存し得る。少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートの調整において圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を考慮することによって、処理領域中の圧力媒体の冷却の度合い若しくは程度、即ち処理領域中の圧力媒体の冷却のレートは、冷却レートを異なる要件又は状況に適合させることが可能であるように、比較的高い柔軟性で制御され得る。
【0010】
圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値が決定され得る。圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の関数であり得る。圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差が決定され得る。圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータが調整され得、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整する。ことによると、時間に対する圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差の変化は、例えば、2つ以上の異なる時刻における又は2つ以上の異なる時間期間中の圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差の決定によって決定され得る。例えば、時間に対する圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差の第1又は第2の導関数が決定され得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータは、時間に対する圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差の変化に基づいて(例えば、時間に対する圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差の第1又は第2の導関数に基づいて)調整され得る。
【0011】
圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づく圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値の決定と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差(又は時間に対する差の変化)の決定と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差(又は時間に対する差の変化)に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整とは、例えば、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値が、例えばある時間期間にわたってその選択された値を上回らないように、繰り返し実行され得る。それ故に、本方法は、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータが、例えばある時間期間にわたってその選択された値を上回らないことを容易にする又は保証するための制御ループ機構を備え得るか、又は構成し得る。
【0012】
処理領域は、例えば、プレス装置中に備えられ得る炉室によって少なくとも部分的に画定され得る。例えば、処理領域は、プレス装置中に備えられ得る炉室の内部によって備えられ得るか又はそれによって構成され得る。炉室は、圧力容器内に配置され得る。炉室は、断熱ケーシングによって少なくとも部分的に囲まれ、圧力媒体が炉室に出入りすることができるように配置され得、ここにおいて、述べられたように、処理領域は、炉室の内部によって備えられるか又はそれによって構成され得る。
【0013】
上述した別の領域は、例えば、処理領域とは異なり、且つことによると処理領域から離れた圧力容器内の領域によって画定され得る。上述した別の領域は、必ずしも圧力容器内の領域でなければならないわけではなく、例えば圧力容器の外側に配置された圧力媒体源によって画定された領域など、圧力容器の外側のプレス装置中の領域であり得る。
【0014】
プレス装置は、炉室と流体連通状態にあり、圧力容器内に外部冷却ループを形成するように配置された複数の圧力媒体誘導路を備え得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、冷却段階中に圧力媒体を外部冷却ループから炉室に(又はその中の処理領域に)移送するように構成され得る。プレス装置中の上述した別の領域は、外部冷却ループの少なくとも一部を備え得る。
【0015】
圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、例えば上述した外部冷却ループ中など、プレス装置中の上述した別の領域中の温度を備え得る。例えば、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、炉室を出た圧力媒体を圧力容器の壁の内面に近接して誘導するように配置された圧力媒体誘導路中の温度、ことによると圧力容器の壁の内面の温度を備え得る。予め定義された温度関連パラメータの選択された値は、その場合、例えば、圧力容器の壁の内面の最大許容温度とすることができる。このことから、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、例えば、圧力容器の壁の内面の最大許容温度を上回らないように、例えば連続的又は断続的に制御され得る。
【0016】
圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、プレス装置中の上述した別の領域中の異なる温度など、いくつかの異なる温度を備え得る。温度(複数可)は、圧力容器内の温度(複数可)であり得るが、これは、前述でも示したように、必要とされない。例えば、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、同時刻における又は同じ時間期間内でのその中の異なる領域又は位置における圧力容器中の温度を示す少なくとも2つの値間の差によって少なくとも部分的に定義され得る。例えば、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、コンポーネント上又は中の異なる位置間の温度勾配など、圧力容器又はプレス装置中の1つのコンポーネント(又はいくつかのコンポーネント)上又は中の異なる位置における温度を示す少なくとも2つの値間の差によって少なくとも部分的に定義され得る。このことから、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、例えば、圧力容器又はプレス装置中のコンポーネント上又は中の異なる位置間の温度勾配によって少なくとも部分的に定義され得る。コンポーネントは、圧力容器又はプレス装置中に固定的に配置又は取り外し可能に配置され得る(即ち、取り外すことができるように配置され得る)。代替として又は加えて、コンポーネントは、プレス装置中で処理されることになる1つ以上の物品の一部若しくは一部分であり得るか、又はそれらによって構成され得る。例えば、コンポーネント上又は中の異なる位置は、コンポーネント内の位置及びコンポーネントの外面上の位置を備え得る。コンポーネント上又は中の異なる位置における温度は、1つの温度センサ又はことによるといくつかの温度センサによって感知され得、それらの各々は、例えば異なる位置のうちの1つにおける温度を感知するように構成され得る。予め定義された温度関連パラメータの選択された値は、その場合、例えば100℃又は約100℃など、例えば50℃~300℃の範囲内とすることができる。予め定義された温度関連パラメータの選択された値は、例えば、コンポーネントの材料特性に依存する温度範囲内の温度であり得る。
【0017】
本方法は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを制御するためのものであり得る。本方法は、複数の時刻において取得された処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することを備え得る。取得された値に基づいて、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートが決定され得る。処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差が決定され得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータは、差に基づいて調整され得、それによって、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートと選択された値との間の差が減少するように、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整する。ことによると、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートと選択された値との間の差は、ごく僅かになり得るか、又は0にさえなり得るか、又は実質的に0になり得る。複数の時刻において感知された処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値の取得と、取得された値に基づく処理領域中の圧力媒体の冷却のレートの決定と、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差の決定と、差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整とは、冷却段階中に実行され得る。
【0018】
複数の時刻において感知された処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値の取得と、取得された値に基づく処理領域中の圧力媒体の冷却のレートの決定と、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差の決定と、差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整とは、例えば、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを制御して、例えばある時間期間にわたって、選択された若しくは予め定義されたレート範囲内に又は選択された若しくは予め定義されたレートで処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを保持するように、繰り返し実行され得る。それ故に、本方法は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを予め定義されたレート範囲内にあるように又は選択されたレートで制御するための制御ループ機構を備え得るか、又は構成し得る。処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての設定点と呼ばれ得る。予め定義されたレート範囲は、制御可能な冷却レート範囲と呼ばれ得る。制御可能な冷却レート範囲についての上限(即ち上端点)は、処理領域中の圧力媒体についての最大達成可能冷却能力(例えば、時間単位当たりの処理領域中の圧力媒体の熱エネルギーの損失)に基づいて決定され得、最大達成可能冷却能力は、処理領域を画定し得る炉室の構成などのプレス装置の構成に依存し得る。制御可能な冷却レート範囲についての下限(即ち下端点)は、処理領域中の圧力媒体についての最小利用可能冷却能力によって決定され得、最小利用可能冷却能力は、処理領域中の圧力媒体についての「自然な」冷却レートによって決定され得、即ち、処理領域中の圧力媒体の能動的冷却が実行されないとき、特に少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスが冷却段階中に動作されないときである。いくつかの状況では、制御可能な冷却レート範囲についての下限よりも低い冷却レートを瞬間的に又は何らかの時間期間中に取得するように、プレス装置中の冷却レートを制御することが望まれ得る。そのような場合、熱エネルギーは、冷却段階中に圧力容器、例えば処理領域に制御可能に導入され得る。冷却段階中に圧力容器中に熱エネルギーを制御可能に導入することによって、冷却レートは減少し得る。そのような熱エネルギーは、例えば、炉室中の炉、即ちヒータ又は加熱要素を操作することによって導入され得る。
【0019】
処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整によって、経時的な処理領域中の圧力媒体の選択された冷却のレートが達成され得、処理領域中の圧力媒体の温度対時間は、選択された関係に従い得るか、又は実質的に従い得る。例えば、処理領域中の圧力媒体の温度対時間の間の線形又は実質的に線形の関係が達成され得る。それによって、第1の態様による方法は、冷却レートを異なる要件に適合させることが可能であるように、比較的高い柔軟性でプレス装置中の冷却レートを制御することを容易又は可能にし得る。これは、例えば、その冷却中に処理される物品の異なる部分内の温度変化を低減又は除去することを更に容易にし得、それは、処理される物品中の内部応力を低減するのに有益であり得る。
【0020】
処理領域中の少なくとも1つの温度とは異なる圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値が取得され得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、処理領域中の少なくとも1つの温度とは異なる圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に更に基づき得る。
【0021】
処理サイクルは、プレス装置中に少なくとも1つの物品を装填することと、少なくとも1つの物品を処理することと、プレス装置から少なくとも1つの物品を取り出すこととを備え得る。処理サイクルは、冷却段階に加えて、冷却段階に先行し得るプレス段階及び/又は加熱段階(それらは、ことによると1つの段階に組み合わされ得る)などの他の部分、即ち段階を備える。
【0022】
プレス装置は、例えば熱間等方圧プレス(HIP)などの熱間プレスによる少なくとも1つの物品の処理のために構成され得る。圧力容器は、圧力シリンダ及び端部閉鎖部を備え得る。断熱ケーシングは、断熱部分と、断熱部分を少なくとも部分的に囲むハウジングとを備え得る。外部冷却ループの一部は、少なくとも1つの第1の圧力媒体誘導路を備え得、少なくとも1つの第1の圧力媒体誘導路は、ハウジングの少なくとも一部分と断熱部分との間にそれぞれ形成され得、炉室を出た後に端部閉鎖部に向かって圧力媒体を誘導するように配置され得る。外部冷却ループの別の部分は、炉室を出た圧力媒体を圧力シリンダの壁の内面に近接して誘導するように配置された少なくとも1つの第2の圧力媒体誘導路を備え得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、冷却段階中に圧力媒体を外部冷却ループの別の部分から炉室に(又はその中の処理領域に)移送するように構成され得る。プレス装置中の上述した別の領域は、外部冷却ループの別の部分の少なくとも一部を備え得る。
【0023】
処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、例えば、差に基づいて処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを計算することを備え得る。計算された冷却のレートに基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータが調整され得る。
【0024】
少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、例えば少なくとも1つの圧縮器を備え得る。少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を少なくとも1つの圧縮器によって冷却段階中に別の領域から処理領域に移送することができるように配置され得る。
【0025】
少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、圧力媒体の流れを発生させるための少なくとも1つのエジェクタ及び/又は別の若しくは他のタイプの流れ発生器を備え得る。少なくとも1つのエジェクタ及び/又は別の若しくは他のタイプの流れ発生器は、圧力容器内に配置され得、圧力容器の外側に配置され得る少なくとも1つの圧縮器(又は少なくとも1つの圧力媒体供給デバイス)と少なくとも1つの圧力媒体誘導路(例えばチューブ又はパイプを備える)によって接続され得る。少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも2つのエジェクタ及び/又は別の若しくは他のタイプの流れ発生器を備え得、第1のエジェクタ(流れ発生器)は、第2のエジェクタ(流れ発生器)によって発生させられた流れを受け取るように第2のエジェクタ(流れ発生器)に対して配置され得、それらは故に、段階的に配置され得る。2つ以上の段階が存在し得る。第1のエジェクタ(流れ発生器)は、第2のエジェクタ(流れ発生器)と位置合わせされ得る。少なくとも1つのエジェクタ(流れ発生器)が、圧力容器の外側に配置された推進ガス(若しくは圧力媒体)システム、又は圧力媒体源に接続され得る。
【0026】
少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータを備え得、少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータは、少なくとも1つの圧縮器と圧力容器との中間に位置付けられ得、ことによると、少なくとも1つの圧縮器と少なくとも1つのエジェクタ(及び/又は別の若しくは他のタイプの流れ発生器)との中間に位置付けられ得る。圧力媒体アキュムレータは、少なくとも1つの圧縮器によって排出される任意の圧力媒体の少なくとも一部分が圧力媒体アキュムレータを介して圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタに搬送されるように、少なくとも1つの圧縮器と圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタとの間の圧力媒体についての流路中の中間位置に配置され得る。例えば、少なくとも1つの圧縮器と圧力容器との間に少なくとも1つの圧力媒体誘導路が存在し得、圧力媒体アキュムレータは、例えば、少なくとも1つの圧力媒体誘導路中に配置され得るか、又はその一部若しくは一部分であり得る。少なくとも1つの圧力媒体誘導路は、例えばチューブ又はパイプを備え得る。少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータは、少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータの少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータの少なくとも1つの出口と流体連通状態にある少なくとも1つの内部空間又は空洞をそれぞれ備え得る。少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータは、少なくとも1つの内部空間内の少なくとも1つの入口を介して受け取られた圧力媒体を連続的又は断続的に蓄積するように構成され得、蓄積された量の圧力媒体は、圧力媒体アキュムレータが少なくとも1つの入口を介して圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタに圧力媒体の流れを排出するように、少なくとも1つの出口を介して少なくとも1つの内部空間から連続的又は断続的に排出される。少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータが少なくとも1つの圧縮器と圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタとの間の中間に位置付けられることによって、少なくとも1つの圧縮器が圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタに直接接続され、少なくとも1つの圧縮器によって排出された圧力媒体が少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータを通過することなく圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタ中に直接供給される場合と比較して、圧力容器又は少なくとも1つのエジェクタへの圧力媒体のより安定した-又はより均一な-流れを達成することを容易又は可能にされ得る。本出願の文脈では、少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータによって受け取られた圧力媒体の、少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータの少なくとも1つの内部空間又は空洞中への連続的又は継続的な蓄積によって、少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータによって受け取られた圧力媒体が、例えば少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータのブラダ、ピストン及び/又は(弾性)ダイヤフラムベースのデバイスによって少なくとも1つの内部空間又は空洞中に瞬間的に貯蔵されることを意図され、圧力媒体のその瞬間的な貯蔵は、例えば少なくとも1つの圧縮器から排出された増大する量の圧力媒体が少なくとも1つの圧力媒体アキュムレータによって受け取られる間、連続的又は継続的に実行される。
【0027】
少なくとも1つの圧縮器は、例えば少なくとも1つのピストン圧縮器を備え得る。このことから、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、例えば少なくとも1つのピストン圧縮器を備え得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータは、例えば、少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を備え得る。処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延の調整を備え得る。連続するピストンストローク間の制御された時間遅延は、原則として、下限として0又は実質的に0から任意の実現可能な上限までの範囲中に設定され得る。少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を増大させることによって、より少量の比較的低温の圧力媒体が、処理領域に移送され得る。逆に、少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を減少させることによって、より大量の比較的低温の圧力媒体が、処理領域に移送され得る。このことから、少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を調整することによって、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートが制御され得る。連続するピストンストローク間の時間遅延の調整は、故に、経時的な処理領域中の圧力媒体の選択された冷却のレートを達成することを容易にし得、処理領域中の圧力媒体の温度対時間は、例えば線形関係などの選択された関係に従い得るか、又は実質的に従い得る。
【0028】
圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の取得及び/又は複数の時刻における処理領域内の少なくとも1つの温度を示す値の取得は、複数の時刻において処理領域内の少なくとも1つの温度を感知することを備え得る。圧力容器又はことによるとプレス装置中の他の場所中の温度のこの感知及び任意の他の感知は、例えば温度計、熱電対、及び/又は温度を感知するのに適した別のタイプの温度センサ若しくはデバイスによって行われ得る。代替として又は加えて、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の取得及び/又は複数の時刻における処理領域内の少なくとも1つの温度の値の取得は、例えばプレス装置中に含まれ得るコンポーネント又は要素から値(複数可)を受信することを備える。以下で更に説明するように、本方法は、例えば制御及び処理ユニットにおいて実施され得、その場合、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の取得、及び/又は複数の時刻における処理領域内の少なくとも1つの温度の値の取得は、前述で説明したように、制御及び処理ユニットが、例えば温度計、熱電対、及び/又は温度を感知するのに適した別のタイプの温度センサ若しくはデバイスから値(複数可)を受信することを備え得る。
【0029】
複数の時刻において圧力容器中の少なくとも1つの温度及び/又は処理領域内の少なくとも1つの温度を感知することは、例えば、圧力容器又は処理領域内にそれぞれ配置され得る少なくとも1つのセンサによって実行され得る。しかしながら、代替として又は加えて、少なくとも1つのセンサは、処理領域中ではなく圧力容器内の他の場所中に配置することができる。例えば、そのような場合、少なくとも1つのセンサは、ことによると、処理領域の近傍における少なくとも1つの温度を感知するように構成することができ、それに基づいて、ことによると複数の時刻における処理領域中の少なくとも1つの温度を導出することができる。例えば、少なくとも1つのセンサは、処理領域の近傍におけるプレス装置の一部又は一部分の熱膨張を感知するように構成することができ、感知された熱膨張に基づいて、ことによると複数の時刻における処理領域中の少なくとも1つの温度を導出することができる。
【0030】
本発明の1つ以上の実施形態に従って、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つのピストン圧縮器を備え得る。少なくとも1つの動作パラメータは、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長を備え得る。少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差が冷却段階中に予め定義されたレート範囲内にある場合に、現在のピストンストローク長の選択された画分だけ減少され得る。予め定義されたレート範囲は、例えば、前述で説明した制御可能な冷却レート範囲、又は制御可能な冷却レート範囲内の部分範囲であり得る。処理領域中の圧力媒体の冷却のレートが予め定義されたレート範囲内にある場合、現在のピストンストローク長の選択された画分だけの減少は、ピストンストローク長が変化しない場合と比較して、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク当たりの処理領域中の圧力媒体のより小さい温度低下を達成し得る。ピストンストローク長が減少した場合、少なくとも1つのピストン圧縮器は、例えば、その目的のために別の方法では、用いられ得るピストン位置リミットスイッチの代わりにタイマに基づいてピストンの方向を切り替え得る。ピストンストローク長の減少は、例えば、少なくとも1つのピストン圧縮器がピストンストローク長全体の1/4、1/2又は3/4を用いるようなものであり得る。このようにしてピストンストローク長を減少させることは、経時的な処理領域中の圧力媒体の選択された冷却のレートを達成することを(更に)容易にし得、処理領域中の圧力媒体の温度対時間は、例えば線形関係などの選択された関係に従い得るか、又は実質的に従い得る。このようにしてピストンストローク長を減少させることは、連続するピストンストローク間の時間遅延がピストンストローク長全体を使用することと比較して低減され得るので、ピストンストローク長が変化しない場合と比較して、少なくとも1つのピストン圧縮器のより安定した動作条件を許容するか又は可能にし得る。
【0031】
処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差が冷却段階中に予め定義されたレート範囲内である場合、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長は、第1のピストンストローク長から第2のピストンストローク長まで現在のピストンストローク長の選択された画分だけ減少され得、ここにおいて、第2のピストンストローク長は、第1のピストンストローク長よりも小さい。
【0032】
少なくとも1つの動作パラメータは、代替として又は加えて、少なくとも1つのピストン圧縮器の圧縮器速度を備え得る。例えば、可変ポンプ、例えば周波数制御ポンプを含むか又はそれによって構成されるピストン圧縮器について、その圧縮器速度を調整することが可能である。
【0033】
本出願の文脈では、少なくとも1つのピストン圧縮器の圧縮器速度とは、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンの速度、即ち少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンの往復運動の速度、又は少なくとも1つのピストン圧縮器の高圧段のデューティサイクルに2を乗算したものを意味し得る(ピストン圧縮器の各高圧ストロークについて、高圧ストロークと同じ長さを有する低圧ストロークが存在する)。
【0034】
処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つのピストン圧縮器の圧縮器速度を調整することを備え得る。
【0035】
前述で述べたように、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差が冷却段階中に予め定義されたレート範囲内にある場合に、現在のピストンストローク長の選択された画分だけ減少され得る。少なくとも1つの圧縮器の圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度範囲内であるという条件で(例えば、少なくとも1つの圧縮器の圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度を上回る場合)、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長が、第1のピストンストローク長に向かって又は第1のピストンストローク長まで戻すように増大され得る。このことから、例えば上記で説明した方法でピストンストローク長を減少させた後に、少なくとも1つの圧縮器の圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度範囲内にある場合、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長は、第1ピストンストローク長まで、又は第2ピストンストローク長と第1ピストンストローク長との間のピストンストローク長まで再び増大され得る。
【0036】
予め定義された圧縮器速度範囲は、例えば、少なくとも1つのピストン圧縮器の「公称」又は正常又は最大圧縮器速度の例えば40%~100%の間、例えば90%又は約90%~100%の間であり得る。
【0037】
少なくとも1つの圧縮器の圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度範囲内にあるという条件で(例えば、少なくとも1つの圧縮器の圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度を上回る場合)、少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長を第1のピストンストローク長に向かって又は第1のピストンストローク長まで戻すように増大させることによって、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートと処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値(例えば、設定点)との間の比較的小さい差を達成することを容易にされ得る。更に、少なくとも1つのピストン圧縮器は、動作時に常にフルスピードで動作しないことがあるので、少なくとも1つのピストン圧縮器及びことによるとまたそれに接続された任意のデバイス(複数可)の寿命を増大することも容易であり得る。
【0038】
前述で説明したような連続するピストンストローク間の時間遅延の調整と、ピストンストローク長の調整と、少なくとも1つのピストン圧縮器の圧縮器速度の調整とのうちの1つ以上は、組み合わせて、ことによると少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの任意の他の動作パラメータの調整と組み合わせて適用され得る。
【0039】
処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、例えば、比例積分(PI)コントローラを使用して実行され得る。処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づいて少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整を実行するためのPIコントローラなどのコントローラを用いることは、経時的な処理領域中の圧力媒体の選択された冷却のレートを達成することを容易にし得、処理領域中の圧力媒体の温度対時間は、例えば、線形関係などの選択された関係に一致し得るか、又は実質的に一致し得る。PIコントローラは、利得パラメータ及び積分時間パラメータを有し得る。使用されることになる利得パラメータ及び積分時間パラメータの値は、当該技術分野で知られているような方法でPIコントローラを調整することによって決定され得る。
【0040】
PIコントローラ以外の別の又は他のタイプのコントローラが使用され得る。例えば、PIコントローラを使用する代わりに又はそれに加えて、比例積分微分(PID)コントローラが、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整のために用いられ得る。
【0041】
PIコントローラ又はPIDコントローラなどのコントローラの使用は必要とされず、その使用はオプションであることが理解されるべきである。例えば、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、例えば当該技術分野で知られているような別の又は多のタイプのコントローラを使用して実行され得る。
【0042】
第2の態様によると、プレス装置が提供される。プレス装置は、プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器を備える。圧力容器は、その中に処理領域を含む。処理領域は、少なくとも1つの物品を収容するように配置される。プレス装置は、少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が処理領域に出入りすることができるように配置される。プレス装置は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置中の別の領域から処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスを備え、ここにおいて、別の領域中の圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の処理領域中の圧力媒体の温度よりも低く、そのため、冷却段階中の圧力媒体の別の領域から処理領域への移送によって、処理領域中の圧力媒体の温度は低下する。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である。プレス装置は、少なくとも1つのセンサを備え、少なくとも1つのセンサは、例えば圧力容器内に配置され得る。少なくとも1つのセンサは、複数の時刻において圧力容器中の少なくとも1つの温度を感知するように構成される。プレス装置は、少なくとも1つの制御及び処理モジュールを備える。少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、少なくとも1つのセンサに通信可能に結合される。少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、その動作を制御するために、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスに通信可能に結合される。少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、冷却段階中に、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得するように構成される。少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、冷却段階中に、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整するように構成される。
【0043】
少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、冷却段階中に、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定するように構成され得る。圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の関数であり得る。少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、冷却段階中に、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差を決定することと、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整することとを行うように構成され得る。
【0044】
少なくとも1つのセンサは、圧力容器の別の領域中の少なくとも1つの温度を感知するように構成され得、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す取得された少なくとも1つの値は、圧力容器の別の領域中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を備える。
【0045】
少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、冷却段階中に、少なくとも1つのセンサから複数の時刻において処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することと、取得された値に基づいて、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを決定することとを行うように構成され得る。少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差を決定することと、差に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートと選択された値との間の差が減少するように、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整することとを行うように構成され得る。
【0046】
少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、冷却段階中に、処理領域中の少なくとも1つの温度とは異なる圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、処理領域中の少なくとも1つの温度とは異なる圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に更に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整することとを行うように構成され得る。
【0047】
プレス装置は、圧力容器内に配置された炉室を備え得る。炉室は、断熱ケーシングによって少なくとも部分的に囲まれ、圧力媒体が炉室に出入りすることができるように配置され得、ここにおいて、処理領域は、炉室の内部によって備えられるか又はそれによって構成され得る。プレス装置は、炉室と流体連通状態にあり、圧力容器内に外部冷却ループを形成するように配置された複数の圧力媒体誘導路を備え得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、冷却段階中に圧力媒体を外部冷却ループから炉室に(又はその中の処理領域に)移送するように構成され得る。プレス装置中の上述した別の領域は、外部冷却ループの少なくとも一部を備え得る。
【0048】
外部冷却ループ中の圧力媒体の通過中、圧力媒体から、例えば圧力容器の壁又は圧力容器の端部閉鎖部に近接して位置し得る圧力容器の他の部分又は一部分への熱伝達が起こり得、それを介して、圧力媒体から圧力容器の外側への熱伝達が起こり得る。このことから、外部冷却ループ中の圧力媒体の温度は、処理領域中の圧力媒体の温度よりも低くあり得る。
【0049】
前述で述べたように、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、例えば少なくとも1つの圧縮器を備え得る。少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を少なくとも1つの圧縮器によって冷却段階中に別の領域から炉室、即ち処理領域に移送することができるように配置され得る。
【0050】
圧力容器は、圧力シリンダ及び端部閉鎖部を備え得る。断熱ケーシングは、断熱部分と、断熱部分を少なくとも部分的に囲むハウジングとを備え得る。外部冷却ループの一部は、少なくとも1つの第1の圧力媒体誘導路を備え得、少なくとも1つの第1の圧力媒体誘導路は、ハウジングの少なくとも一部分と断熱部分との間にそれぞれ形成され得、炉室を出た後に端部閉鎖部に向かって圧力媒体を誘導するように配置され得る。外部冷却ループの別の部分は、炉室を出た圧力媒体を圧力シリンダの壁の内面に近接して誘導するように配置された少なくとも1つの第2の圧力媒体誘導路を備え得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、冷却段階中に圧力媒体を外部冷却ループの別の部分から炉室に(又はその中の処理領域に)移送するように構成され得る。プレス装置中の上述した別の領域は、外部冷却ループの別の部分の少なくとも一部を備え得る。
【0051】
圧力シリンダの壁の内面に近接して圧力媒体を誘導することによって、圧力媒体から圧力容器(又は圧力シリンダ)の外側への熱伝達は、圧力シリンダの壁を介して起こり得る。それによって、外部冷却ループの他の部分中などの外部冷却ループ中の圧力媒体の温度は、処理領域中の圧力媒体の温度よりも低くあり得る。
【0052】
圧力シリンダの壁の内面に近接して誘導される圧力媒体から圧力シリンダの外側への熱伝達を増大させるために、圧力容器(又は圧力シリンダ)の外壁の外面は、チャネル、導管、又はチューブ、等を設けられ得、それらのチャネル、導管、又はチューブは、例えば、圧力容器の外壁の外面と接続状態にあるように配置され得、圧力容器の軸方向に平行に延びるように配置され得る。圧力容器の壁の冷却用の冷却剤が、チャネル、導管、又はチューブ中に提供され得、それによって、圧力容器の壁は、圧力容器の動作中に高まる有害な熱から壁を保護するために冷却され得る。チャネル、導管、又はチューブ中の冷却剤は、例えば水を備え得るが、別の又は他のタイプの冷却剤が可能である。
【0053】
前述で述べたように、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧縮器を備え得る。少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を少なくとも1つの圧縮器によって冷却段階中に別の領域から処理領域に移送することができるように配置され得る。少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧縮器と流体連通状態にある少なくとも1つの流れ発生器を備え得る。少なくとも1つの流れ発生器は、圧力容器内に配置され得る。少なくとも1つの流れ発生器は、少なくとも1つの流れ発生器の上流側において前記別の領域から圧力媒体を受け取り、少なくとも1つの流れ発生器の下流側において圧力媒体の流れを排出するように構成され得る。
【0054】
少なくとも1つの流れ発生器は、少なくとも1つの流れ発生器の上流側において少なくとも1つの圧縮器から圧力媒体を受け取り、少なくとも1つの圧縮器から受け取られた圧力媒体と前記別の領域から受け取られた圧力媒体とを混合して、圧力媒体混合物を取得するように構成され得る。少なくとも1つの流れ発生器の下流側において排出される圧力媒体の流れは、圧力媒体混合物を備え得るか、それによって構成され得る。
【0055】
第3の態様によると、第2の態様によるプレス装置と連携して使用するための制御及び処理モジュールが提供される。制御及び処理モジュールは、プレス装置の少なくともセンサと通信可能に結合される。制御及び処理モジュールは、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの動作を制御するために、プレス装置の少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスと通信可能に結合される。制御及び処理モジュールは、プレス装置の少なくとも1つのセンサから複数の時刻において処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得するように構成され得る。制御及び処理モジュールは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得するように構成される。制御及び処理モジュールは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整するように構成される。
【0056】
制御及び処理モジュールは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定するように構成され得る。圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の関数であり得る。制御及び処理モジュールは、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差を決定するように構成され得る。制御及び処理モジュールは、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整するように構成され得る。
【0057】
制御及び処理モジュールは、取得された値に基づいて、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを決定するように構成され得る。制御及び処理モジュールは、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定されたレートとの間の差を決定することと、差に基づいて、プレス装置の少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートと選択された値との間の差が減少するように、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整することとを行うように構成され得る。
【0058】
少なくとも1つの制御及び処理モジュールと、少なくともセンサと、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスとの間の通信可能な結合は、それぞれ、例えば、当該技術分野で知られているような任意の適切なワイヤード及び/又はワイヤレス通信手段又は技法によって実現又は実装され得る。
【0059】
第4の態様によると、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、第3の態様による制御及び処理モジュール中で実行されるときに、第1の態様による方法を実行するように構成される。
【0060】
第5の態様によると、コンピュータプログラム製品が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラム製品は、第3の態様による制御及び処理モジュール中で実行されるときに、第1の態様による方法を実行するように構成される。
【0061】
コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくはフロッピー(登録商標)ディスク、又は、例えば不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリ、磁気テープ、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリデバイス、ジップドライブ、等などのメモリなどの、しかしそれらに限定されない、任意の他の適したタイプのコンピュータ可読手段若しくはコンピュータ可読(デジタル)記憶媒体を含み得る。
【0062】
制御及び処理モジュールは、代替として、制御及び/若しくは処理モジュール、又は制御及び処理回路、又は制御及び/若しくは処理回路と呼ばれ得る。制御及び処理モジュールは、例えば、任意の適した中央処理ユニット(CPU)、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、等、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るか、又はそれらによって構成され得る。制御及び処理モジュールは、オプションとして、例えばメモリの形態でコンピュータプログラム製品中に記憶されたソフトウェア命令を実行することが可能であり得る。メモリは、例えば、読み書きメモリ(RAM)と読み出し専用メモリ(ROM)との任意の組み合わせであり得る。メモリは、例えば、磁気メモリ、光学メモリ、ソリッドステートメモリ若しくは遠隔搭載メモリ、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる永続的記憶装置を備え得る。
【0063】
本発明の更なる目的及び利点を、例証的な実施形態によって以下で説明する。本発明は、特許請求の範囲に記載された特徴の全ての可能な組み合わせに関連することに留意されたい。本発明の更なる特徴、及び利点は、本明細書の添付の特許請求の範囲及び説明を検討すると明らかになるであろう。当業者は、本発明の異なる特徴を、本明細書に説明する実施形態以外の実施形態を作り出すために組み合わせることができることを認識する。
【0064】
本発明の例証的な実施形態を、添付の図面を参照して以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明の実施形態による、プレス装置の概略的な、部分的に断面の、側面図である。
図2】本発明の実施形態による方法の概略的なフローチャートである。
図3】本発明の実施形態による方法の概略的なフローチャートである。 図面は概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、一般に、本発明の実施形態を説明するために必要な部分のみを示しており、他の部分は省略され得るか、又は単に示唆され得る。
【発明を実施するための形態】
【0066】
ここから、本発明の例証的な実施形態を例示する添付の図面を参照して、本発明を以下で説明する。本発明は、しかしながら、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される本発明の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が当業者に本発明の範囲を伝えるように例として提供される。
【0067】
図1は、本発明の実施形態による、プレス装置100の概略的な、部分的に断面の、側面図である。プレス装置100は、プレスによる、例えば熱間等方圧プレス(HIP)などの熱間プレスによる少なくとも1つの物品の処理のために構成される。
【0068】
プレス装置100は、圧力容器を備え、圧力容器は、圧力シリンダ1と、上端閉鎖部17と、底端閉鎖部16とを備える。参照番号1、16、及び17によって以下で総称される圧力容器は、図1に例示していない追加の部品、コンポーネント、又は要素を備え得ることが理解されるべきである。圧力容器1、16、17は、プレス装置100の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置される。
【0069】
図1に例示する本発明の実施形態によると、圧力容器1、16、17は、炉室18を備える。炉室18は、例えば処理サイクルのプレス段階中の圧力容器中の圧力媒体の加熱のための炉、即ちヒータ又は加熱要素を備え得る。炉は、参照番号36によって図1に概略的に示す。図1に例示する本発明の実施形態に従って、炉36は、炉室18の下部に配置され得る。代替として又は加えて、炉36は、炉室18の内側面、即ち側面に近接して配置することができる。炉室18に関連した、例えば炉室18内の、炉36の異なる構成及び配置が可能であることが理解されるべきである。炉室18に関連した、例えば炉室18内のその配置に関する炉36の任意の実装は、本明細書に説明する本発明の実施形態のうちのどの1つにおいても使用され得る。本出願の文脈では、「炉」という用語は、加熱を提供するための要素又は手段を指し、「炉室」という用語は、炉及びことによると装填区画及び任意の物品が位置するエリア又は領域を指す。図1に例示するように、炉室18は、圧力容器1、16、17の内部空間全体を占有しないことがあり、炉室18の周りに圧力容器1、16、17の内部の中間空間10を残し得る。中間空間10は、圧力媒体誘導路10を形成する。プレス装置100の動作中、中間空間10中の温度は、炉室18中の温度よりも低くあり得るが、中間空間10及び炉室18は、等しい又は実質的に等しい圧力が掛かり得る。
【0070】
圧力容器1、16、17は、その中に処理領域を含む。処理領域は、例えば、炉室18によって少なくとも部分的に画定され得る。例えば、処理領域は、炉室18の内部によって備えられ得るか又はそれによって構成され得る。以下では、図1に例示する本発明の実施形態に従って、処理領域は、参照番号18によって参照され得るが、代替として又は加えて、別の処理領域が用いられ得ることが理解されるべきである。
【0071】
処理領域18は、少なくとも1つの物品5を収容するように配置される。図1に例示する本発明の実施形態に従って、炉室18は、少なくとも1つの物品5を収容するように配置された装填区画19を含む。
【0072】
圧力容器1、16、17の外壁の外面は、チャネル、導管、又はチューブ、等を設けられ得(図1には図示せず)、そのチャネル、導管、又はチューブは、例えば、圧力容器1、16、17の外壁の外面と接続状態にあるように配置され得、圧力容器1、16、17の軸方向に平行に延びるように配置され得る。圧力容器1、16、17の壁の冷却用の冷却剤が、チャネル、導管、又はチューブ中に提供され得、それによって、圧力容器1、16、17の壁は、圧力容器1、16、17の動作中に高まる有害な熱から壁を保護するために冷却され得る。チャネル、導管、又はチューブ中の冷却剤は、例えば水を備え得るが、別の又は他のタイプの冷却剤が可能である。圧力容器1、16、17の外壁の外面上に設けられたチャネル、導管、又はチューブ中の冷却剤の例証的な流れは、圧力容器1、16、17の外側の矢印によって図1に示す。
【0073】
圧力シリンダ1の外壁の外面上、及びことによると前述で説明したような冷却剤用の任意のチャネル、導管、及び/又はチューブ、等の上に、プレストレス手段が設けられ得る。プレストレス手段(図1には図示せず)は、例えば、圧力シリンダ1の外壁の外面、及びことによるとまた、その上に設けられ得る冷却剤用の任意のチャネル、導管、及び/又はチューブ、等の周りに、1つ以上の帯を、好ましくはいくつかの層で形成するように、複数回巻かれたワイヤ(例えば、鋼鉄製)の形態で設けられ得る。プレストレス手段は、圧力シリンダ1に対して半径方向の圧縮力を及ぼすように配置され得る。
【0074】
図1に明示的に示していないが、圧力容器1、16、17は、開閉することができるように配置され得、そのため、圧力容器1、16、17内の任意の物品が、挿入又は取り除かれ得る。開閉することができるような圧力容器1、16、17の配置は、当該技術分野で知られているように、いくつかの異なる方法で実現され得る。図1には明示的に示していないが、上端閉鎖部17及び底端閉鎖部16のうちの一方又は両方は、開閉することができるように配置され得る。
【0075】
プレス装置100は、少なくとも1つの物品5に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が処理領域に出入りすることができるように配置される。図1に例示する本発明の実施形態に従って、炉室18は、断熱ケーシング3によって囲まれ、圧力媒体が炉室18に出入りすることができるように配置される。
【0076】
図1に例示する本発明の実施形態に更に従って、断熱ケーシング3は、断熱部分7と、断熱部分7を部分的に囲むハウジング2と、底部断熱部分8とを備える。断熱ケーシング3の要素の全てが断熱される又は断熱するように配置されるわけではないことがある。例えば、ハウジング2は、必ずしも断熱される又は断熱するように配置されないことがある。炉室18を取り囲む断熱ケーシング3は、プレス装置100が少なくとも1つの物品5に受けさせるように構成され得る処理サイクルの加熱段階中にエネルギーを節約する可能性が高い。断熱ケーシング3はまた、より整然とした形で対流が起こることを容易にし得るか又は保証し得る。本発明の例示した実施形態における炉室18の垂直に細長い形状のために、断熱ケーシング3は、監視及び制御が困難であり得る水平温度勾配の形成を防止し得る。
【0077】
圧力容器1、16、17又はプレス装置100中で使用される圧力媒体は、例えば、圧力容器1、16、17中で処理されることになる物品(複数可)に対して比較的低い化学的親和性を有し得る液体又は気体媒体を備え得るか、又はそれによって構成され得る。圧力媒体は、例えばガス、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを備え得る。
【0078】
図1に示すように、圧力媒体は、装填区画19の上部から出て、後に装填区画19の壁と断熱部分7の壁との間の圧力媒体誘導路12中に誘導され得、その後、圧力媒体は、断熱部分7とハウジング2との間の開口部14を通って圧力媒体誘導路11中に入り得る。断熱部分7とハウジング2との間の開口部14は、ことによると、バルブ又は任意の他のタイプの調整可能なスロットル又は圧力媒体流量制限手段を設けられ得る。
【0079】
断熱部分7とハウジング2との間の開口部14を通って圧力媒体誘導路11中に入る圧力媒体は、圧力媒体誘導路11中に上端閉鎖部17に向かって誘導され、そこで、図1に例示するように、ハウジング2中の開口部13、例えば、ハウジング2中の中央開口部13を通って圧力媒体誘導路11及び断熱ケーシング3から出得る。
【0080】
上端閉鎖部17の内面と圧力媒体誘導路10とによって部分的に画成された空間によって画成された圧力媒体誘導路は、ハウジング2中の開口部13を出た圧力媒体を、圧力媒体が炉室18中に再び入る前に、上端閉鎖部17に近接して、及び圧力容器1、16、17の壁の内面(例えば、図1に例示するようにそれぞれ圧力シリンダ1の壁)に近接して、誘導するように配置される。それによって、外部冷却ループが、少なくとも圧力媒体誘導路10及び圧力媒体誘導路11によって形成され得る。外部冷却ループの一部では、圧力媒体は、上端閉鎖部17の内面及び圧力シリンダ1の壁の内面に近接して誘導される。上端閉鎖部17の内面及び圧力シリンダ1の壁の内面に近接してその通過中に圧力媒体から伝達され得る熱エネルギーの量は、次のうちの少なくとも1つに依存し得る:圧力媒体の速度、上端閉鎖部17の内面及び圧力シリンダ1の壁の内面との(直接的)接触を有する圧力媒体の量、圧力媒体と上端閉鎖部17の内面及び圧力シリンダ1の壁の内面との間の相対温度差、上端閉鎖部17の厚さ及び圧力シリンダ1の厚さ、並びに(圧力シリンダ1の外側の矢印によって図1に示す)圧力シリンダ1の壁の外面上に設けられたチャネル、導管、又はチューブ中の冷却剤の任意の流れの温度。
【0081】
圧力媒体誘導路10中を炉室18に向かって戻るように誘導される圧力媒体は、炉室18-又は底部断熱部分8-と底端閉鎖部16との間の空間26に入る。炉室18は、圧力媒体が空間26から炉室18に入り、炉室18から空間26中に出ることができるように配置され得る。例えば、図1に例示する本発明の実施形態に従って、炉室18は、底部断熱部分8中に、圧力媒体が炉室18中に流入又はそれから流出することを可能にする開口部を設けられ得る。図1に例示するように、プレス装置100は、炉室18内での圧力媒体の循環用のファン35又は同様のものを備え得る。図1に例示する本発明の実施形態に従って、ファン35は、例えば、圧力媒体が装填区画19中に流入又はそれから流出することを可能にする、底部断熱部分8の上方の装填区画19中の開口部に配置され得る。
【0082】
図1に例示するように、底部断熱部分8と底端閉鎖部16との間の空間26から底部断熱部分8を通じて延在し得る圧力媒体導管28(例えば、移送パイプを備える)が設けられ得、そのため、空間26中に入る圧力媒体誘導路10からの圧力媒体を、圧力媒体導管28を介して炉室18中に誘導することができる。ことによると、圧力媒体導管28の出口が装填区画19内に位置するように、圧力媒体導管28は、ことによるとファン35を越えて装填区画19中に延在することができる。圧力媒体導管28には、ことによると、1つ以上の開口部(図1には図示せず)を設けることができ、1つ以上の開口部は、ことによると、圧力媒体導管28への圧力媒体の流れを可能にする、例えばバルブなどの1つ以上の調整可能なスロットルを含み得る。圧力媒体誘導路10中に誘導された後に底部断熱部分8と底端閉鎖部16との間の空間26中に入る圧力媒体は、圧力媒体導管28を介して炉室18に向かって及びその中に誘導され得る。
【0083】
プレス装置100は、制御可能な圧力媒体供給デバイスを備え、制御可能な圧力媒体供給デバイスは、図1に要素50によって概略的に示す。圧力媒体供給デバイス50は、例えば少なくとも1つの圧縮器30を備え得るが、代替として又は加えて、圧縮器以外の、制御可能な圧力媒体の供給又は搬送を容易にするための別の又は他のタイプのデバイスが用いられ得ることが理解されるべきである。プレス装置は、1つよりも多くの制御可能な圧力媒体供給デバイス(例えば、1つよりも多くの圧縮器)を備え得ることが理解されるべきである。
【0084】
圧力媒体供給デバイス50(例えば、圧縮器30)は、圧力媒体の加圧流を排出するように構成され得る。圧力媒体供給デバイス50は、-圧縮器に加えて又はその代替として-、少なくとも1つの圧力媒体源(例えば、圧力媒体のタンク又はリザーバを備える)を備え得る。
【0085】
圧力媒体供給デバイス50は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置100中の別の領域から処理領域18に移送するように構成され得、ここにおいて、別の領域中の圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の処理領域18中の圧力媒体の温度よりも低く、そのため、冷却段階中の圧力媒体の別の領域から処理領域18への移送によって、処理領域18中の圧力媒体の温度は低下する。圧力媒体供給デバイス50は、例えば、上述したように、圧縮器30を備え得、圧縮器30は、圧力媒体を圧縮器30によって冷却段階中に別の領域から処理領域18に移送することができるように配置され得る。
【0086】
少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス50は、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス50又は圧縮器30の少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である。例えば、圧縮器30は、ピストン圧縮器(又はいくつかのピストン圧縮器)を備え得る。このことから、圧力媒体供給デバイス50は、例えば少なくとも1つのピストン圧縮器を備え得る。制御可能な圧力媒体供給デバイス50又は圧縮器30の少なくとも1つの動作パラメータは、例えば、ピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を備え得る。代替として又は加えて、少なくとも1つの動作パラメータは、ピストン圧縮器の圧縮器速度を備え得る。例えば、可変ポンプ、例えば周波数制御ポンプを含むか又はそれによって構成されるピストン圧縮器について、その圧縮器速度を調整することが可能である。しかしながら、制御可能な圧力媒体供給デバイス50又は圧縮器30の少なくとも1つの動作パラメータは、ピストン圧縮器の少なくとも1つの動作パラメータであることに限定されず、少なくとも1つの動作パラメータは、故に、一例によるものであることが理解されるべきである。
【0087】
上述した別の領域は、例えば、処理領域18とは異なり、且つことによると処理領域18から離れた圧力容器1、16、17内の領域によって画定され得る。前述で述べたように、外部冷却ループが、少なくとも圧力媒体誘導路10及び圧力媒体誘導路11によって形成され得る。プレス装置100中の上述した別の領域は、例えば外部冷却ループの少なくとも一部を備え得る。
【0088】
例えば、圧力媒体誘導路11中の圧力媒体を圧力シリンダ1の壁の内面に近接して誘導することによって、圧力媒体から圧力容器1、16、17(又は圧力シリンダ1)の外側への熱伝達は、圧力シリンダ1の壁を介して起こり得る。それによって、外部冷却ループ中の圧力媒体の温度は、処理領域18中の圧力媒体の温度よりも低くあり得る。圧力シリンダ1の壁の内面に近接して誘導される圧力媒体から圧力シリンダ1の外側への熱伝達を増大させるために、圧力容器1、16、17(又は圧力シリンダ)の外壁の外面は、上述したように、冷却剤用のチャネル、導管、又はチューブ、等を設けられ得(図1には図示せず)、それによって、圧力容器1、16、17の壁は、圧力容器1、16、17の動作中に高まる有害な熱から壁を保護するために冷却され得る。チャネル、導管、又はチューブ中の冷却剤は、例えば水を備え得るが、別の又は他のタイプの冷却剤が可能である。
【0089】
上記で説明したような上述した別の領域の配置は一例によるものであり、変形形態が可能であることが理解されるべきである。例えば、上述した別の領域は、必ずしも圧力容器1、16、17内の領域でなければならないわけではなく、代替として又は加えて、例えば、圧力容器1、16、17の外側に配置され得る圧力媒体源(例えば、圧力媒体のタンク又はリザーバを備える)によって画定された領域など、圧力容器1、16、17の外側のプレス装置100中の領域とすることができ、その圧力媒体源は、圧力媒体供給デバイス50又は圧縮器30中に備えられ得るか、又はそれに接続され得る。
【0090】
図1に例示する本発明の実施形態に従って、制御可能な圧力媒体供給デバイス50は、流れ発生器29を更に備え、流れ発生器29は、例えば、圧力媒体の流れを発生させるための少なくとも1つのエジェクタ及び/又は別の若しくは他のタイプの流れ発生器(例えば1つ以上のファン若しくはポンプ若しくは同様のもの)を備え得る。図1に例示するように、流れ発生器29は、圧力容器1、16、17内に配置され得る。その場合、及び、図1に例示するように、圧縮器30が圧力容器1、16、17の外側に配置されるとき、流れ発生器29は、圧力シリンダ1又は圧力容器1、16、17の端部閉鎖部16、17のうちのいずれかを通じて延在し得る1つ以上の圧力媒体導管を介して圧縮器30に接続され得る。
【0091】
流れ発生器29は、圧縮器30と流体連通状態にある。流れ発生器29は、流れ発生器29の上流側において上述した別の領域から圧力媒体を受け取り、流れ発生器29の下流側において圧力媒体の流れを排出するように構成され得る。
【0092】
図1に例示する本発明の実施形態に従って、圧力容器1、16、17の端部閉鎖部16を通じて延在する圧力媒体導管33が設けられる。更に、プレス装置100は、圧力媒体誘導路31及び32を備え、圧力媒体誘導路32は、圧力媒体導管33と流体連通状態にある(例えば、それに接続される)。流れ発生器29は、圧力媒体誘導路31及び32並びに圧力媒体導管33を介して圧縮器30に接続される。図1に例示するように、圧力媒体誘導路31及び32並びに圧力媒体導管33は、制御可能な圧力媒体供給デバイス50中に備えられると考えられ得る。圧力媒体誘導路31及び32並びに圧力媒体導管33のうちのどの1つも、例えばチューブ又はパイプを備え得る。
【0093】
図1に例示する本発明の実施形態に更に従って、制御可能な圧力媒体供給デバイス50は、加えて、しかしオプションとして、圧力媒体アキュムレータ40を備え、圧力媒体アキュムレータ40は、図1に例示するように、圧縮器30と圧力容器1、16、17との中間に位置付けられ得、ことによると圧縮器30と流れ発生器29との中間に位置付けられ得る。圧力媒体誘導路31及び32は、圧縮器30と圧力媒体アキュムレータ40との間、及び圧力媒体アキュムレータ40と圧力容器1、16、17との間の圧力媒体の通過をそれぞれ可能にするように構成される。このことから、圧力容器1、16、17及び圧縮器30は、圧力媒体誘導路31及び32並びに圧力媒体アキュムレータ40によって互いに流体連通状態にある。圧力媒体導管33は、圧力媒体アキュムレータ40から排出された圧力媒体流を受け取るために圧力媒体アキュムレータ40と流体連通状態にある入口と、圧力媒体アキュムレータ40から排出された圧力媒体流が流れ発生器29中に投入されるように流れ発生器29と流体連通状態にある出口とを有する。前述で述べたように、圧力媒体アキュムレータ40は、オプションである。圧力媒体誘導路31及び32並びに圧力媒体アキュムレータ40は、例えば、圧力媒体導管33と圧縮器30とを相互接続する圧力媒体誘導路と置き換えられ得るか、又は圧力媒体導管33は、圧縮器30まで延在し得、それと接続され得る。
【0094】
圧力媒体アキュムレータ40は、圧縮器30によって排出された圧力媒体の流れを受け取るために圧縮器30と流体連通状態にある入口41と、圧力容器1、16、17に圧力媒体の流れを排出するために圧力容器1、16、17と流体連通状態にある出口42とを備える。圧力媒体アキュムレータ40は、1つよりも多くの入口及び/又は1つよりも多くの出口を備えることができる。圧力媒体アキュムレータ40は、例えば少なくとも1つのタンク又はリザーバを備え得る。圧力媒体アキュムレータ40は、入口41及び出口42とそれぞれ流体連通状態にある内部空間43を備える。圧力媒体アキュムレータ40は、ことによると互いに相互接続され得るいくつかの内部空間をことによると備えることができる。各内部空間は、内部空間に対応し得る少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口とそれぞれ流体連通状態にあることができる。このことから、各内部空間は、それに関連付けられた(ことによると専用の)それぞれの入口(複数可)及び出口(複数可)を有することができる。圧力媒体アキュムレータ40は、圧力媒体アキュムレータ40の内部空間43内の入口41を介して受け取られた圧力媒体を連続的又は断続的に蓄積するように構成され得、蓄積された量の圧力媒体は、圧力媒体アキュムレータ40が入口41を介して圧力容器1、16、17に圧力媒体の流れを排出するように、出口42を介して内部空間43から連続的又は断続的に排出され得る。
【0095】
図1に例示する本発明の実施形態に従って、制御可能な圧力媒体供給デバイス50は、加えて、しかしオプションとして、図1に例示するように、例えば1つ以上のバルブの形態の圧力媒体流量調整手段45を備え、圧力媒体流量調整手段45は、圧力媒体誘導路32中の、圧力媒体アキュムレータ40と圧力容器1、16、17との中間に位置付けられ得る。図1に更に例示するように、圧力媒体流量調整手段45は、圧力媒体アキュムレータ40と流体連通状態にある入口と、圧力容器1、16、17と流体連通状態にある出口とを有し得る。圧力媒体流量調整手段45は、圧力媒体アキュムレータ40から圧力容器1、16、17への圧力媒体の流れを制御するように構成され得る。
【0096】
流れ発生器29は、流れ発生器29の上流側において圧縮器30から圧力媒体を受け取り、圧縮器30から受け取られた圧力媒体と上述した別の領域から受け取られた圧力媒体とを混合して、圧力媒体混合物を取得するように構成され得る。流れ発生器29の下流側において排出される圧力媒体の流れは、圧力媒体混合物を備え得るか、又はそれによって構成され得る。
【0097】
制御可能な圧力媒体供給デバイス50が冷却段階中に圧力媒体をそれから処理領域18に移送し得る上述した別の領域は、例えば、図1に例示する空間26によって少なくとも部分的に画定され得、その空間26は、外部冷却ループの一部を形成し得る。
【0098】
例えば、前述で述べたように、圧力媒体誘導路10中に誘導された後に底部断熱部分8と底端閉鎖部16との間の空間26中に入る圧力媒体は、圧力媒体導管28を介して炉室、即ち処理領域18に向かって及びその中に誘導され得る。圧力媒体導管28を介した圧力媒体のこの移送は、流れ発生器29から排出された圧力媒体流と合流(例えば混合)され得る。それによって、制御可能な圧力媒体供給デバイス50は、冷却段階中に圧力媒体を、例えば、圧力シリンダ1の壁の内面に近接して圧力媒体誘導路11中に誘導された後に圧力媒体の温度が比較的低い空間26から、及びことによるとまた、例えば圧縮器30に接続され得る任意の圧力媒体源から処理領域18に移送するように構成され得る。流れ発生器29は、それによって、圧力媒体の混合物を排出又は放出し得、混合物は、空間26からの圧力媒体と、例えば、任意の外部に配置された圧力媒体源から圧力媒体導管33を介して圧力容器1、16、17に供給された圧力媒体とを備える。空間26からの圧力媒体は、外部に配置された圧力媒体源から圧力容器1、16、17に供給された圧力媒体によって流れ発生器29(の入口)中に引き込まれ得る。流れ発生器29によって排出又は放出される圧力媒体の混合物は、圧力媒体導管28を介して炉室、即ち処理領域18に向かって及びその中に誘導され得る。
【0099】
上述した外部に配置された圧力媒体源は、必要とされず、省略され得る。代替として又は加えて、及び別の例によると、流れ発生器29は、流れ発生器29の上流側において圧縮器30から移送された圧力媒体を受け取るように構成され得、圧縮器30は、例えば、圧縮器30と圧力容器1、16、17との間の1つ以上の圧力媒体導管34を介して圧力容器1、16、17と流体連通状態にあり得、その圧力媒体導管(複数可)34は、圧力容器1、16、17を通じて(例えば、図1に例示するように、底端閉鎖部16を通じて)延在し得、図1に示すように、空間26内の入口と圧縮器30に接続された出口とを有し得る。それによって、流れ発生器29は、圧力媒体の混合物を排出又は放出し得、その混合物は、圧縮器30から圧力媒体導管33を介して圧力容器1、16、17に供給された圧力媒体によって流れ発生器29(の入口)中に引き込まれた空間26からの圧力媒体と、圧縮器30から圧力媒体導管33を介して圧力容器1、16、17に供給された圧力媒体とを備える。
【0100】
圧力媒体導管(複数可)34並びに/又は圧力媒体導管33及び圧力媒体誘導路31及び32のうちのいずれかは、例えばチューブ又はパイプを備え得る。
【0101】
プレス装置100は、参照番号4によって図1に概略的に示す少なくとも1つのセンサを備え、少なくとも1つのセンサは、複数の時刻において圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を感知するように構成される。図1には1つのセンサ4しか例示していないが、プレス装置100は、1つよりも多くのセンサを備え得ることが理解されるべきである。各センサは、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を、ことによるとその中の異なるロケーションで、及び複数の時刻において感知するように構成され得る。図1に例示するように、センサ4(又はプレス装置100中に配置され得るいくつかのセンサのうちの1つ)は、例えば処理領域18内に配置され得、処理領域18は、図1に例示する実施形態に従って、炉室18の内部によって画定される。センサ4は、複数の時刻において処理領域18中の少なくとも1つの温度を感知するように構成され得る。しかしながら、代替として又は加えて、センサ4及び/又は設けられ得る任意の他のセンサは、処理領域18中ではなく、代わりに、例えば圧力容器1、16、17内の他の場所中に配置することができることが理解されるべきである。例えば、そのような場合、センサ4及び/又は設けられ得る任意の他のセンサは、ことによると、処理領域18の近傍における少なくとも1つの温度を感知し、それに基づいて、ことによると複数の時刻における処理領域18中の少なくとも1つの温度を導出するように構成することができる。
【0102】
プレス装置100は、参照番号6によって図1に概略的に示す少なくとも1つの制御及び処理モジュールを備える。図1には1つの制御及び処理モジュール6しか例示していないが、プレス装置100は、1つよりも多くの制御及び処理モジュールを備え得ることが理解されるべきである。制御及び処理モジュール6は、センサ4(又はプレス装置100中に配置され得るいくつかのセンサの各々若しくはいずれか)と通信可能に結合される。少なくとも1つの制御及び処理モジュール6は、その動作を制御するために、制御可能な圧力媒体供給デバイス50に(例えば、圧縮器30に)通信可能に結合される。制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得するように構成される。制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、制御可能な圧力媒体供給デバイス50の少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、圧力媒体供給デバイス50の圧力媒体供給レートを調整するように構成される。
【0103】
センサ4が処理領域18中に配置される図1に例示する本発明の実施形態に従って、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値は、処理領域18中の1つ以上のロケーションにおける少なくとも1つの温度であり得るか、又はそれに基づき得る。
【0104】
制御及び処理モジュール6と、センサ4と、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス50との間の通信可能な結合は、それぞれ、例えば、当該技術分野で知られているような任意の適切なワイヤード及び/又はワイヤレス通信手段又は技法によって実現又は実装され得る(図1には図示せず)。
【0105】
制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値から導出された量に基づいて、制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成され得る。例えば、制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定するように構成され得、ここにおいて、圧力容器1、16、17の予め定義された温度関連パラメータは、圧力容器1、16、17中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の関数である。制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、圧力容器1、16、17の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器1、16、17の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差を決定するように構成され得る。制御及び処理モジュール6は、圧力容器1、16、17の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器1、16、17の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差に基づく制御可能な圧力媒体供給デバイス50の少なくとも1つの動作パラメータの調整を実行するように構成され得る。制御可能な圧力媒体供給デバイス50の少なくとも1つの動作パラメータの調節によって、圧力媒体供給デバイス50の圧力媒体供給レートが調整される。
【0106】
代替として又は加えて、制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、センサ4から複数の時刻において処理領域18中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することと、取得された値に基づいて、処理領域18中の圧力媒体の冷却のレートを決定することとを行うように構成され得る。制御及び処理モジュール6は、冷却段階中に、処理領域18中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差を決定することと、差に基づいて、制御可能な圧力媒体供給デバイス50の少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、処理領域18中の圧力媒体の冷却のレートと選択された値との間の差が減少するように、圧力媒体供給デバイス50の圧力媒体供給レートを調整することとを行うように構成され得る。複数の時刻において感知された処理領域18中の少なくとも1つの温度を示す値の取得と、取得された値に基づく処理領域18中の圧力媒体の冷却のレートの決定と、処理領域18中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差の決定と、差に基づく制御可能な圧力媒体供給デバイス50の少なくとも1つの動作パラメータの調整とは、繰り返し実行され得る。このことから、制御及び処理モジュール6は、処理領域18中の圧力媒体の冷却のレートを予め定義されたレート範囲内にあるように又は選択されたレートで制御するための制御ループ機構を実行するように構成され得る。
【0107】
図2は、本発明の実施形態による方法200の概略的なフローチャートである。方法200は、プレス装置における方法であり、プレス装置は、プレス装置の使用中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器を備える。圧力容器は、その中に処理領域を含む。処理領域は、少なくとも1つの物品を収容するように配置される。プレス装置は、少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が処理領域に出入りすることができるように配置される。プレス装置は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置中の別の領域から処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスを備え、ここにおいて、別の領域中の圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の処理領域中の圧力媒体の温度よりも低く、そのため、冷却段階中の圧力媒体の別の領域から処理領域への移送によって、処理領域中の圧力媒体の温度は低下する。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である。
【0108】
図2に例示する本発明の実施形態に従って、本方法は、4つのステップ201、203、204、及び202を備える。ステップ202は、ステップ201の直後に後続し得、ステップ203及び204は、オプションであり、省略され得る。例示するステップ201、202、203及び204の全ては、冷却段階中に実行され得る。
【0109】
方法200は、201において、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することを備える。
【0110】
202において、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータが調整され得、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整する。
【0111】
圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値は、例えば、圧力容器中、例えば処理領域中の1つ以上のロケーションにおいて感知され得る少なくとも1つの温度であり得るか、又はそれに基づき得る。
【0112】
図2に例示する本発明の実施形態に従って、202における少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、201において取得された圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値から導出された量に基づき得る。方法200は、オプションとして、203において、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定することを備え得、ここにおいて、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の関数である。方法200は、オプションとして、204において、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差を決定することを更に備え得る。ステップ203及び204が方法200において実行される場合、202における少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの選択された値と圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの決定された値との間の差に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整することを備え得る。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調節によって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートが調整される。
【0113】
図3は、本発明の実施形態による方法300の概略的なフローチャートである。図2に例示する方法200と同じように、方法300は、プレス装置における方法であり、プレス装置は、プレス装置の使用中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器を備える。圧力容器は、その中に処理領域を含む。処理領域は、少なくとも1つの物品を収容するように配置される。プレス装置は、少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が処理領域に出入りすることができるように配置される。プレス装置は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置中の別の領域から処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスを備え、ここにおいて、別の領域中の圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の処理領域中の圧力媒体の温度よりも低く、そのため、冷却段階中の圧力媒体の別の領域から処理領域への移送によって、処理領域中の圧力媒体の温度は低下する。少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である。
【0114】
方法300は、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを制御するためのものである。図3に例示する本発明の実施形態に従って、本方法は、4つのステップ301、304、305、及び302を備える。ステップ301は、ことによるとステップ303を備え得る。ステップ302は、ステップ301の直後に後続し得、ステップ304及び305は、オプションであり、省略され得る。また、ステップ303は省略され得る。例示するステップ301、302、303、204及び305の全ては、冷却段階中に実行され得る。
【0115】
方法300は、301において、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することを備える。
【0116】
302において、圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータが調整され、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整する。
【0117】
図3に例示する本発明の実施形態に従って、301における圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値の取得は、303において、複数の時刻において処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することを備える。
【0118】
図3に例示する本発明の実施形態に更に従って、方法300は、304において、取得された値に基づいて、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートを決定することと、305において、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と、決定された冷却のレートとの間の差を決定することとを更に備える。
【0119】
図3に例示する本発明の実施形態に更に従って、302における少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整は、304において取得された差に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、処理領域中の圧力媒体の冷却のレートと選択された値との間の差が減少するように、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートを調整することを備える。
【0120】
ステップ302の排出からステップ301の投入まで伸びる矢印によって図3に示すように、303における複数の時刻において感知された処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値の取得と、304における取得された値に基づく処理領域中の圧力媒体の冷却のレートの決定と、305における処理領域中の圧力媒体の冷却のレートについての選択された値と決定された冷却のレートとの間の差の決定と、302における差に基づく少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータの調整とは、繰り返し実行され得る。
【0121】
結論として、プレス装置における方法を開示する。プレス装置は、プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器を備え、圧力容器は、その中に処理領域を含み、処理領域は、少なくとも1つの物品を収容するように配置される。プレス装置は、圧力媒体が処理領域に出入りすることができるように配置される。プレス装置は、冷却段階中に圧力媒体をプレス装置中の別の領域から処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスを備え、別の領域中の圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の処理領域中の圧力媒体の温度よりも低い。圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値が取得される。圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値に基づいて、少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの少なくとも1つの動作パラメータが調整され、それによって、少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの圧力媒体供給レートが調整される。
【0122】
本発明は、添付の図面及び前述の説明において例示したが、そのような例示は、例示的又は例証的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は、開示した実施形態に限定されない。開示した実施形態に対する他の変形形態は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解及び達成することができる。添付の特許請求の範囲では、「備える」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス装置(100)における方法(200;300)であって、前記プレス装置は、前記プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器(1,16,17)を備え、前記圧力容器は、その中に処理領域(18)を含み、前記処理領域は、少なくとも1つの物品(5)を収容するように配置され、前記プレス装置は、前記少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が前記処理領域に出入りすることができるように配置され、前記プレス装置は、前記冷却段階中に圧力媒体を前記プレス装置中の別の領域から前記処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)を更に備え、前記別の領域中の前記圧力媒体の温度は、前記冷却段階の少なくとも一部中の前記処理領域中の前記圧力媒体の温度よりも低く、そのため、前記冷却段階中の圧力媒体の前記別の領域から前記処理領域への移送によって、前記処理領域中の前記圧力媒体の温度は低下し、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、その少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能であり、前記方法は、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得すること(201;301)と、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整すること(202;302)と
を備える、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
本発明は、添付の図面及び前述の説明において例示したが、そのような例示は、例示的又は例証的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は、開示した実施形態に限定されない。開示した実施形態に対する他の変形形態は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解及び達成することができる。添付の特許請求の範囲では、「備える」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] プレス装置(100)における方法(200;300)であって、前記プレス装置は、前記プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器(1,16,17)を備え、前記圧力容器は、その中に処理領域(18)を含み、前記処理領域は、少なくとも1つの物品(5)を収容するように配置され、前記プレス装置は、前記少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が前記処理領域に出入りすることができるように配置され、前記プレス装置は、前記冷却段階中に圧力媒体を前記プレス装置中の別の領域から前記処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)を更に備え、前記別の領域中の前記圧力媒体の温度は、前記冷却段階の少なくとも一部中の前記処理領域中の前記圧力媒体の温度よりも低く、そのため、前記冷却段階中の圧力媒体の前記別の領域から前記処理領域への移送によって、前記処理領域中の前記圧力媒体の温度は低下し、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、その少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能であり、前記方法は、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得すること(201;301)と、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整すること(202;302)と
を備える、方法。
[2] 前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定すること(203)と、ここにおいて、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値の関数である、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の差を決定すること(204)と、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を更に備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、同時刻における又は同じ時間期間内でのその中の異なる領域又は位置における前記圧力容器中の温度を示す少なくとも2つの値間の差によって少なくとも部分的に定義される、[2]に記載の方法。
[4] 前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器又は前記プレス装置中のコンポーネント上又は中の異なる位置間の温度勾配によって少なくとも部分的に定義される、[2]又は[3]に記載の方法。
[5] 前記方法は、前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを制御するためのものであり、前記方法は、前記冷却段階中に、
複数の時刻において前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得すること(303)と、
前記取得された値に基づいて、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートを決定すること(304)と、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定された冷却のレートとの間の差を決定すること(305)と、
前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートと前記選択された値との間の差が減少するように、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を備える、[1]に記載の方法。
[6] 前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得すること
を更に備え、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に更に基づく、
[5]に記載の方法。
[7] 複数の時刻において感知された前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値の前記取得と、前記取得された値に基づく前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートの前記決定と、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての前記選択された値と前記決定された冷却のレートとの間の差の前記決定と、前記差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整とは、繰り返し実行される、[5]又は[6]に記載の方法。
[8] 前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、
前記差に基づいて前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを計算することと、 前記計算された冷却のレートに基づいて前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することと
を備える、[5]~[7]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[9] 前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧縮器を備え、前記少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を前記少なくとも1つの圧縮器によって前記冷却段階中に前記別の領域から前記処理領域に移送することができるように配置される、[5]~[8]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[10] 前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つのピストン圧縮器を備え、前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の時間遅延を備え、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づいて前記少なくとも1つのピストン圧縮器の連続するピストンストローク間の前記時間遅延を調整することを備える、[5]~[9]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[11] 複数の時刻における前記処理領域内の少なくとも1つの温度を示す値の前記取得は、複数の時刻において前記処理領域内の少なくとも1つの温度を感知することを備える、[5]~[10]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[12] 前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つのピストン圧縮器を備え、前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記少なくとも1つのピストン圧縮器のピストンストローク長を備え、前記方法は、前記冷却段階中に、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての前記選択された値と前記決定されたレートとの間の前記差が予め定義されたレート範囲内である場合、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の前記ピストンストローク長を第1のピストンストローク長から第2のピストンストローク長まで現在のピストンストローク長の選択された画分だけ減少させること、ここにおいて、前記第2のピストンストローク長は、前記第1のピストンストローク長よりも小さい、
を更に備える、[5]~[11]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[13] 前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の圧縮器速度を備え、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づいて前記少なくとも1つのピストン圧縮器の前記圧縮器速度を調整することを備え、
前記方法は、
前記少なくとも1つの圧縮器の前記圧縮器速度が予め定義された圧縮器速度範囲内であるという条件で、前記少なくとも1つのピストン圧縮器の前記ピストンストローク長を前記第1のピストンストローク長に向かって又は前記第1のピストンストローク長まで戻すように増大させることを更に備える、[12]に記載の方法。
[14] 前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差に基づく前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータの前記調整は、比例積分(PI)コントローラを使用して実行される、[5]~[13]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[15] プレス装置(100)であって、
前記プレス装置の使用中にその中に圧力媒体を保持するように配置された圧力容器(1,16,17)と、前記圧力容器は、その中に処理領域(18)を含み、ここにおいて、前記処理領域は、少なくとも1つの物品(5)を収容するように配置され、前記プレス装置は、前記少なくとも1つの物品に冷却段階を含む処理サイクルを受けさせるように構成され、圧力媒体が前記処理領域に出入りすることができるように配置される、
前記冷却段階中に圧力媒体を前記プレス装置中の別の領域から前記処理領域に移送するように構成された少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(50;30,31,40,32,33,29)と、ここにおいて、別の領域中の前記圧力媒体の温度は、冷却段階の少なくとも一部中の前記処理領域中の前記圧力媒体の温度よりも低く、そのため、前記冷却段階中の圧力媒体の前記別の領域から前記処理領域への移送によって、前記処理領域中の前記圧力媒体の温度は低下し、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、その少なくとも1つの動作パラメータの制御によって少なくとも圧力媒体供給レートに関して制御可能である、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を感知するように構成された少なくとも1つのセンサ(4)と、
その動作を制御するために、前記少なくとも1つのセンサに通信可能に結合され、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスに通信可能に結合された少なくとも1つの制御及び処理モジュール(6)と
を備え、前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、 前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、プレス装置。
[16] 前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定することと、ここにおいて、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値の関数である、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の差を決定することと、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、[15]に記載のプレス装置。
[17] 前記少なくとも1つのセンサは、前記圧力容器の前記別の領域中の少なくとも1つの温度を感知するように構成され、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記取得された少なくとも1つの値は、前記圧力容器の前記別の領域中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を備える、[15]又は[16]に記載のプレス装置。
[18] 前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記少なくとも1つのセンサから複数の時刻において前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することと、
前記取得された値に基づいて、前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを決定することと、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定された冷却のレートとの間の差を決定することと、
前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートと前記選択された値との間の差が減少するように、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、[15]に記載のプレス装置。
[19] 前記少なくとも1つの制御及び処理モジュールは、前記冷却段階中に、
前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、
前記処理領域中の前記少なくとも1つの温度とは異なる前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に更に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することと
を行うように構成される、[18]に記載のプレス装置。
[20] 前記圧力容器内に配置された炉室(18)と、前記炉室は、断熱ケーシング(3)によって少なくとも部分的に囲まれ、圧力媒体が前記炉室に出入りすることができるように配置され、ここにおいて、前記処理領域は、前記炉室の内部によって備えられるか又はそれによって構成される、
前記炉室と流体連通状態にあり、前記圧力容器内に外部冷却ループを形成するように配置された複数の圧力媒体誘導路(10、11)と
を更に備え、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、前記冷却段階中に圧力媒体を前記外部冷却ループから前記炉室に移送するように構成され、前記プレス装置中の前記別の領域は、前記外部冷却ループの少なくとも一部を備える、
[15]~[19]のうちのいずれか一項に記載のプレス装置。
[21] 前記圧力容器は、圧力シリンダ(1)と端部閉鎖部(17)とを備え、前記断熱ケーシングは、断熱部分(7)と前記断熱部分を少なくとも部分的に囲むハウジング(2)とを備え、前記外部冷却ループの一部は、前記ハウジングの少なくとも一部分と前記断熱部分との間にそれぞれ形成され、前記炉室を出た後に前記端部閉鎖部に向かって前記圧力媒体を誘導するように配置された少なくとも1つの第1の圧力媒体誘導路(11)を備え、前記外部冷却ループの別の一部は、前記炉室を出た前記圧力媒体を前記圧力シリンダの壁の内面に近接して誘導するように配置された少なくとも1つの第2の圧力媒体誘導路(10)を備え、
前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスは、前記冷却段階中に圧力媒体を前記外部冷却ループの前記別の部分から前記炉室に移送するように構成され、前記プレス装置中の前記別の領域は、前記外部冷却ループの前記別の部分の少なくとも一部を備える、
[20]に記載のプレス装置。
[22] 前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、少なくとも1つの圧縮器(30)を備え、前記少なくとも1つの圧縮器は、圧力媒体を前記少なくとも1つの圧縮器によって前記冷却段階中に前記別の領域から前記処理領域に移送することができるように配置される、[15]~[21]のうちのいずれか一項に記載のプレス装置。
[23] 前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスは、前記少なくとも1つの圧縮器(30)と流体連通状態にある少なくとも1つの流れ発生器(29)を備え、前記少なくとも1つの流れ発生器は、前記圧力容器内に配置され、前記少なくとも1つの流れ発生器の上流側において前記別の領域から圧力媒体を受け取り、前記少なくとも1つの流れ発生器の下流側において圧力媒体の流れを排出するように構成される、[22]に記載のプレス装置。
[24] 前記少なくとも1つの流れ発生器は、前記少なくとも1つの流れ発生器の前記上流側において前記少なくとも1つの圧縮器から圧力媒体を受け取り、前記少なくとも1つの圧縮器から受け取られた前記圧力媒体と前記別の領域から受け取られた前記圧力媒体とを混合して、圧力媒体混合物を取得するように更に構成され、前記少なくとも1つの流れ発生器の前記下流側において排出された圧力媒体の前記流れは、前記圧力媒体混合物を備えるか、又はそれによって構成される、[23]に記載のプレス装置。
[25] [15]~[24]のうちのいずれか一項に記載のプレス装置(100)と連携して使用するための制御及び処理モジュール(6)であって、前記制御及び処理モジュールは、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイス(30)の動作を制御するために、前記プレス装置の前記少なくとも1つのセンサ(4)に通信可能に結合され、前記プレス装置の前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスに通信可能に結合され、前記制御及び処理モジュールは、
前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す少なくとも1つの値を取得することと、 前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、制御及び処理モジュール。
[26] 前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値に基づいて、前記圧力容器の予め定義された温度関連パラメータの値を決定することと、ここにおいて、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータは、前記圧力容器中の少なくとも1つの温度を示す前記少なくとも1つの値の関数である、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の差を決定することと、
前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記選択された値と、前記圧力容器の前記予め定義された温度関連パラメータの前記決定された値との間の前記差に基づいて、前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと
を行うように構成される、[25]に記載の制御及び処理モジュール。
[27] 前記プレス装置の前記少なくとも1つのセンサから複数の時刻において前記処理領域中の少なくとも1つの温度を示す値を取得することと、
前記取得された値に基づいて、前記処理領域中の前記圧力媒体の冷却のレートを決定することと、
前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートについての選択された値と前記決定されたレートとの間の差を決定することと、
前記差に基づいて、前記プレス装置の前記少なくとも1つの制御可能な圧力媒体供給デバイスの前記少なくとも1つの動作パラメータを調整し、それによって、前記処理領域中の前記圧力媒体の前記冷却のレートと前記選択された値との間の差が減少するように、前記少なくとも1つの圧力媒体供給デバイスの前記圧力媒体供給レートを調整することと を行うように構成される、[25]に記載の制御及び処理モジュール。
[28] [25]~[27]のうちのいずれか一項に記載の制御及び処理モジュール(6)中で実行されると、[1]~[14]のうちのいずれか一項に記載の方法(200;300)を実行するように構成される、コンピュータプログラム製品。
[29] [25]~[27]のうちのいずれか一項に記載の制御及び処理モジュール(6)中で実行されると、[1]~[14]のうちのいずれか一項に記載の方法(200;300)を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品が記憶された、コンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】