(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059650
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ポリエーテル誘導体、使用およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 65/34 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
C08G65/34
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014848
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2020546382の分割
【原出願日】2019-03-07
(31)【優先権主張番号】62/639,784
(32)【優先日】2018-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517257629
【氏名又は名称】ピー2・サイエンス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】P2 Science, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・フォリー
(72)【発明者】
【氏名】タニア・サラム
(72)【発明者】
【氏名】アナム・イクラム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】出発物質としてシトロネロール、ゲラニオール、リナロール、シトロネル酸、リモネン、ジヒドロミルセン、ミルセノール、アジピン酸、プロパンジオール、エチレングリコール、グリセロール、1,9-ノナンジオールおよび1,6-ヘキサンジオールなどを使用したポリエーテルコポリマーを提供する。
【解決手段】モノマー単位の組み合わせから形成されるコポリマーであって、モノマー単位が少なくとも一つのgem-ジメチル基で置換された少なくとも一つのC3-14アルコキシ単位およびC1-14アルコキシ、C5-16アルキル、ポリエトキシおよびカルボニル-C2-13カルボニルオキシからなる群から選択される少なくとも一つの他のモノマー単位を含む、コポリマー。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー単位の組み合わせから形成されるコポリマーであって、モノマー単位が少なくとも一つのgem-ジメチル基で置換された少なくとも一つのC3-14アルコキシ単位およびC1-14アルコキシ、C5-16アルキル、ポリエトキシおよびカルボニル-C2-13カルボニルオキシからなる群から選択される少なくとも一つの他のモノマー単位を含む、コポリマー。
【請求項2】
コポリマー少なくとも一つの単位Xおよび少なくとも一つの単位Yを含み、ここで、単位Xが式
【化1】
を有し、単位YがY1、Y2、Y3およびY4
【化2】
〔式中、R、R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して場合により置換されているC
1-C
12アルキル、C
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシ(例えば、C
1-C
12アルキルまたはC
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシであり、各々場合によりさらにC
1-C
12アルキルまたはアリールまたはヒドロキシ)で置換されている。〕
の構造を有するかまたはその塩であるが;
ただし、コポリマーが基Xおよび基Y1しか含まないならば、基Xの置換基Rは基Y1の置換基R
1と同じではない、
請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
少なくとも一つの単位YがY1である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項4】
少なくとも一つの単位YがY2である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項5】
少なくとも一つの単位YがY3である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項6】
少なくとも一つの単位YがY4である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項7】
R、R1、R2、R3およびR4の何れか1以上が場合により置換されている直鎖状C1-C12アルキルまたは場合により置換されている分岐C1-C12アルキルである、請求項1~6の何れかに記載のコポリマー。
【請求項8】
R、R1、R2、R3およびR4の何れか1以上が3-メチルペンチル、直鎖状ヘキシル、直鎖状ノナニル、直鎖状プロピルまたはエチルである、請求項7に記載のコポリマー。
【請求項9】
R、R1、R2、R3およびR4の何れか1以上がC2-12アルケニル、所望により1~4二重結合を有するC2-12アルケニルである、請求項1~8の何れかに記載のコポリマー。
【請求項10】
1以上のR、R1、R2、R3およびR4が3-メチル-2-ペンチレン(すなわち、CH2CH2C(CH3)=CHCH2)または3-メチル-3-ビニルプロピル(すなわち、CH2CH2C(CH3)CH=CH2)である、請求項7に記載のコポリマー。
【請求項11】
コポリマーが
a. Y1であって、ここで、R
1が3-メチルペンチル(すなわち、CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2)である、例えば、Y1が
【化3】
であるもの;
b. Y1であって、ここで、R
1が直鎖状ヘキシルである、例えば、Y1が
【化4】
であるもの;
c. Y1であって、ここで、R
1が3-メチル-2-ペンチレン(すなわち、CH
2CH
2C(CH
3)=CHCH
2)である、例えば、Y1が
【化5】
であるもの;
d. Y1であって、ここで、R
1が3-メチル-3-ビニルプロピル(すなわち、CH
2CH
2C(CH
3)CH=CH
2)である、例えば、Y1が
【化6】
であるまたはY1が
【化7】
であるもの;
e. Y2であって、ここで、R
2がエチルであるもの;
f. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状プロピルであるもの;
g. Y2であって、ここで、R
2がイソプロピル(すなわち、CH
3CHCH
2)であるもの;
h. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ヘキシルであるもの;
i. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ノナニルであるもの;
j. Y2であって、ここで、R
2が式(OCH
2CH
2)
nのポリエトキシであって、nが3であるもの;
k. Y2であって、ここで、R
2が2-ヒドロキシプロピルであるもの;
l. Y3であって、ここで、R
3がエチルであるもの;
m. Y3であって、ここで、R
3が直鎖状プロピルであるもの;
n. Y3であって、ここで、R
3が直鎖状ヘキシルであるもの;
o. Y3であって、ここで、R
3が直鎖状ヘプチルであるもの;
p. Y4であって、ここで、R
4がエチル(すなわち、CH
2CH
2)である、例えば、Y4が
【化8】
であるもの;
q. Y4であって、ここで、R
4がエチル(すなわち、CH
2CH
2)である、例えば、Y4が
【化9】
であるもの;
またはこれらの組み合わせから選択される1以上のY単位を含む、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項12】
コポリマーが、
【化10】
である1以上の単位Xを、
Y2であって、ここで、R
2がエチルであるもの;
Y2であって、ここで、R
2が直鎖状プロピルであるもの;
Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ノナニルであるもの;および
Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ヘキシルであるもの;
またはこれらの組み合わせ
から選択される1以上の単位Yと組み合わせて含む、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項13】
コポリマーが任意の順番で1~20単位Xおよび1~20単位Yを含む直鎖状ポリマーであり、所望により1~20単位Xの全てが同じである(すなわち1~20単位Xの基Rが同じである)およびさらに所望により1~20単位Yの全てが同じである(例えば、1~20Y基の全てが同じR1基を有する式Y1であるまたは1~20Y基の全てが同じR2基を有する式Y2であるまたは1~20Y基の全てが同じR3基を有する式Y3であるまたは1~20Y基の全てが同じR4基を有する式Y4である)、請求項1~12の何れかに記載のコポリマー。
【請求項14】
X単位およびY単位がブロック形式で編制される、例えば、ここで、ポリマーが一連のモノマー単位(X)n(Y)mを含み、ここで、nおよびmは各々1~20の整数である、請求項13に記載のコポリマー。
【請求項15】
コポリマーがZ、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5
【化11】
から選択される少なくとも一つの末端単位Zで終わる、請求項1~14の何れかに記載のコポリマー。
【請求項16】
末端単位Z、Z1、Z2、Z3および/またはZ4の置換基R、R1、R2、R3および/またはR4が、適用できる場合はコポリマーの対応する単位X、Y1、Y2、Y3および/またはY4の該基と同じである、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項17】
コポリマーが式Y
【化12】
〔式中、AおよびBは各々独立してZ、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5から選択される末端基であり、nおよびmは各々独立して1~20の整数であり、ここで、n単位Xおよびm単位Yが任意の順で直鎖状配列に配置される。〕
を有する、請求項1~16の何れかに記載のコポリマー。
【請求項18】
請求項1~16の何れかに記載のコポリマーの架橋多量体(例えば、二量体)であって、ここで、架橋二量体が構造W-O-C(O)-R6-C(O)-O-WまたはW-O-C(O)-O-Wを有し、ここで、置換基Wが少なくとも一つの末端ヒドロキシ基を含むコポリマーのラジカルフラグメントであり、例えば、ここで、コポリマーは少なくとも(a)末端基がモノマー単位X、Y1、Y2、Y3またはY4のO原子に結合しているとき、R5がHである末端基Z5または(b)末端基がモノマー単位X、Y1、Y2、Y3またはY4の非O原子に結合しているとき、R5がOHである末端基Z5または(c)末端基Z2またはZ3であって、R5がHであり;R6が結合または場合により置換されているC1-22アルキル、場合により置換されているC2-22アルケニルまたは場合により置換されているアリールである;そして、フラグメントWが第二の末端ヒドロキシ基を有するならば(すなわち、構造HO-W-OH)、架橋多量体が構造がHO-W-O-C(O)-R6-C(O)-[O-WO-C(O)-R6-C(O)]p-O-W-OHまたはHO-W-O-C(O)-[O-WO-C(O)]p-O-W-OHであって、ここで、pが0~100(例えば、0~10または0~5または0~3)の整数であるように架橋単位およびコポリマー単位の反復パターンを有し得ることが理解される、架橋多量体。
【請求項19】
請求項1~18の何れかに記載のコポリマーまたはその塩を含む香料、香水、石鹸、昆虫忌避剤、殺虫剤、洗剤、家庭用清掃剤、消臭スプレー、ルームスプレー、ポマンダー、ロウソク、化粧品、化粧水、プレおよび/またはアフターシェーブローション、タルカムパウダー、ヘアケア製品、ボディデオドラント、制汗剤、シャンプー、ペットリター、局所肌ケア剤、ペンキまたは塗料、滑沢剤、可塑性、消泡剤、液圧組成物、抗微生物剤、農作物ケア製品または石油増量回収法組成物または溶媒または溶媒混合物(例えば、エステル、アルカン、芳香族、アルコールまたはエーテル溶媒)に溶解もしくは懸濁した請求項1~18の何れかに記載のコポリマーまたはその塩を含む、溶液または懸濁液。
【請求項20】
香料、香水、石鹸、昆虫忌避剤、殺虫剤、ロウソク、化粧または滑沢剤組成物である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
発熱体を含む容器中に保管または収容され、発熱体の発動が組成物の加熱、化合物の熱分解および揮発物の放出をもたらす、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
請求項19に記載の組成物において使用するための、請求項1~18に記載のコポリマーまたはその塩。
【請求項23】
請求項1~18の何れかに記載のコポリマーまたはその塩の製造方法であって、(1)リアクターに式A
【化13】
の化合物および式A1、A2、A3またはA4
【化14】
〔式中、R、R
1、R
2、R
3および/またはR
4の各々は場合により置換されているC
1-C
12アルキル、C
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシ(例えば、C
1-C
12アルキルまたはC
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシ、各々場合によりさらにC
1-C
12アルキルまたはアリールまたはヒドロキシ)で置換されている。〕
の化合物の少なくとも一つを入れ;
そして(2)該化合物を固形イオン交換樹脂に曝し、それにより式Aの化合物と式A1、A2、A3および/またはA4の化合物の共重合を誘発して、請求項1~18の何れかに記載のコポリマー(ここで、R
5が存在するならば、R
5はHである)を産生させ;
そして(3)コポリマー、例えば、同じまたは実質的に同じモノマー組成を有する関連コポリマーの群を単離および/または(例えば、蒸留により)する
工程を含む、方法。
【請求項24】
固形交換樹脂が樹脂結合酸触媒、例えば、カルボン酸またはスルホン酸部分で官能化した樹脂である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
式Aのモノマーが酸触媒により重合化され、続いて何らかの非重合化モノマーが蒸留およびリサイクルされる、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
さらにコポリマー(ここで、コポリマーは少なくとも一つの基R5を有し、ここで、R5がHである)と、R5をアルキルエステルまたはアリールエステル部分に変換するのに適当な反応材を反応させる工程を含む、例えば、該アルキルエステルのR5がメチルであり、反応が適当な反応材としてケテンを使用する、請求項23~25の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本発明は、あるポリエーテルコポリマーおよびそのポリエーテル誘導体ならびにその製造および使用方法に関する。例えば、その出発物質はシトロネロール、ゲラニオール、リナロール、シトロネル酸、リモネン、ジヒドロミルセン、ミルセノール、アジピン酸、プロパンジオール、エチレングリコール、グリセロール、1,9-ノナンジオールおよび1,6-ヘキサンジオールなどの種を含み得る。
【背景技術】
【0002】
背景
液体ポリマーは、化粧品およびパーソナルケア製品への応用に重要な有用性を有し、表示装置、レオロジー、トライボロジーおよび薬物送達に重要な役割を有している。例えば、それらは、滑沢剤、皮膚軟化剤または皮膚治癒およびUV保護のための保護的バリアとして使用され得る。理想的なことに、これらの物質は簡単な方法で製造され、機能修飾のための誘導体化が容易であり、さらに加えて安全かつ持続可能な原材料から製造することが可能である。
【0003】
モノテルペノイドアルコール、例えばシトロネロール、プレノールおよびイソプレノールは天然物であり、商業的にも大量入手が可能である。しかしながら、これらの分子は、重合化および官能化するには十分利用されていない官能基の組み合わせ、イソブチレン基およびアルコールを有する。一級アルコールは、高度に置換されたアルケンへの求核的付加を容易に受け、エーテル類を産生する。さらに、一級アルコールは、カルボン酸およびカルボン酸誘導体との求核的付加反応を容易に受けて、エステル類を産生する。その結果、モノテルペノイドアルコール、ジオールおよびジカルボン酸誘導体の間には多様な共重合の可能性が存在する。
【0004】
このタイプの化学はポリマー化学でほとんど無視されてきた。この一つの理由は、エーテル化重合が平衡反応であり、容易に豊富なイソブチレンアルコールが常に利用され得るとは限らないことによる可能性がある。しかしながら、近年、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、ミルセノール、リモネンおよびネロールの生産が急速に増え、最大生産経路の一つが、プレノールおよびイソプレノールを中間体としても使用しており、そのため利用可能性が大きく増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のとおり、重合反応の平衡性が、所望のエーテル類の大規模生産を困難なものとしている可能性がある。これらの化合物の効率的生産を可能とする戦略および方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
ポリマー科学の驚くべき進歩において、PCT/US2015/047397(対応米国特許US2017/0283553)およびPCT/US2015/016371(対応米国特許US2017/0057940)(これら各々の内容を引用により本明細書に包含させる)は、新規ポリエーテル組成物の製造にこのような官能性を利用する方法を教示している。これらのポリエーテルは、液体ポリマーテクノロジーの進歩を表し、商業的応用分野に多くの望ましい利益がもたらされている。さらに、米国仮出願番号62/539,129および62/617,924(現在PCT/US2018/44657、WO2019/028053として公開)(その内容を引用により本明細書に包含させる)は、官能性および有用性を高めるために、このようなポリエーテルポリマーをどのようにさらに誘導体化するかを教示する。しかしながら、前記特許出願は、1種を超える反復モノマー単位を含むポリエーテルポリマーを開示していない(すなわち、これらの出願はホモポリマーおよびその誘導体を開示するのみである)。
【0007】
本発明は、本出願人自身の前記特許出願の上になされたものであり、1以上のヒドロキシアルケン、ジエン、ジオールおよびジカルボン酸(またはジカルボン酸誘導体)から誘導される新規コポリマー化合物ならびにそのための誘導体化戦略およびその製造方法を開示するものである。なおさらなる態様において、本発明は、例えば、香料および害虫駆除における使用のために、これらのポリエーテルポリマーに含まれるモノマーの制御された放出方法も教示する。
【0008】
一般に、本発明は、モノマー単位の組み合わせから形成されるコポリマー(すなわち、ヘテロポリマー)であって、ここで、モノマー単位が少なくとも一つのgem-ジメチル基で置換された少なくとも一つのC3-14アルコキシ単位ならびにC1-14アルコキシ、C5-16アルキルおよびカルボニル-C2-13カルボニルオキシからなる群から選択される少なくとも一つの他のモノマー単位を含むものである、コポリマーを提供する。
【0009】
本発明のある実施態様において、コポリマーは少なくとも一つの単位Xおよび少なくとも一つの単位Yを含み、ここで、単位Xは式
【化1】
を有し、単位YはY1、Y2、Y3およびY4
【化2】
から選択される式を有し;
ここで、R、R
1、R
2、R
3およびR
4は下に定義するとおりである。
【0010】
ある実施態様において、コポリマーはZ、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5
【化3】
から選択される少なくとも一つの末端単位Zで終わる。
【0011】
本発明のコポリマーは、式A、A1、A2、A3および/またはA4
【化4】
を有する1以上の出発物質から製造される。
【0012】
例えば、ある実施態様において、本発明のコポリマーは、式Y
【化5】
〔XおよびYは上に定義するとおりであり、AおよびBは各々独立してZ、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5から選択される末端基であり、nおよびmは各々独立して1~20の整数である。〕
による一般構造を有するコポリマーである。故に、式Yは、1~20の基Xおよび1~20の基Yを有する直鎖状ポリマーであり、該基Xおよび基Yは何らかの直線的配列で接続され、ここで、直鎖状ポリマーは一端が基A、他端が基Bで終わる。
【0013】
さらなる態様において、本発明は、該化合物の製造方法および該化合物の使用方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】シトロネロールおよび1,6-ヘキサンジオールの共重合からの生成物の精製後に、実施例1により得たプロトン-NMRスペクトルを示す。
【0015】
【
図2】シトロネロールおよびトリエチレングリコールの共重合から得た粗製生成物の、実施例2により得たプロトン-NMRスペクトルを示す。
【0016】
【
図3】シトロネロールおよびグリセロールの共重合から得た粗製生成物の、実施例2により得たプロトン-NMRスペクトルを示す。
【0017】
【
図4】シトロネロールおよびリナロールの共重合から得た粗製生成物の、実施例2により得たプロトン-NMRスペクトルを示す。
【0018】
【
図5】シトロネロールおよびエチレングリコールの共重合から得た粗製生成物の、実施例2により得たプロトン-NMRスペクトルを示す。
【0019】
【
図6】シトロネロールおよび1,3-プロパンジオールの共重合から得た粗製生成物の、実施例2により得たプロトン-NMRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な記載
理論に拘束されることを意図しないが、イソブチレン基は、酸触媒機構を介して、アルコールとエーテルを形成できる。この化学は、有機合成でエーテル結合を製造するために、他の例で使用されている。
【0021】
この反応の平衡性は、大規模でのこれらエーテルの製造を困難とする可能性がある。しかしながら、本発明者らは、モノマーリサイクル、適切な触媒選択および高度に集約された反応条件を用いて、これらの分子を多様な応用分野で使用するために十分な重合度を達成し得ることを発見した。さらに、これら低分量ポリマーを、さらに誘導体化して、はるかに大きい分子量とし、新規官能性を達成した。
【0022】
本発明の目的で、用語「シトロネロール」は、オレフィン位置での両異性体を含むことを意図する。同様に、用語「プレノール」を使用するとき、これは同様にイソプレノール異性体を含むことを意図する。
【0023】
これらのエーテルを製造する方法がPCT/US2015/047397(US2017/0283553)に記載されているが、本出願人は、これらのポリエーテルを、さらに高い重合度で、短時間で、Amberlyst(登録商標)などの樹脂結合酸触媒を使用して、ニートな無溶媒条件下に製造できることを発見した。ある態様において、これらの重合を室温以下で、好ましくは僅かに高温、30~110℃またはさらに好ましくは40~90℃(例えば、約50℃)で実施できる。さらに、なお他の態様において、これらの重合をバッチリアクター、セミバッチリアクターまたはさらにより好ましくは米国特許仮出願62/384,939(関連US2018/0064108として出願)およびPCT/US2017/50808(WO2018/049252として出願)(各々の内容を引用により本明細書に包含させる)に記載のタイプの連続充填床タイプリアクターで実施できる。
【0024】
理論に拘束されないが、ポリエーテルの形成は、酸性条件下平衡で起こり得る。それ故に、脱重合が起こり得ることに備えて、後の誘導体化中にこれらの物質を酸性条件に曝すのは好ましくない。
【0025】
しかしながら、本出願人は、塩基性条件下のエステル交換反応が、広範な新規かつ有用な組成物の製造を達成できることを発見した。さらに、アルカリウィリアムソン型エーテル化が、有機ハライドでも達成できる。これらの方法により製造できる官能性は、これらのポリエーテルの親水性、疎水性および/または粘性を修飾し得る。さらに、UV保護、抗酸化、抗老化、皮膚美白化、抗微生物および/または他の生物活性などの新規機能も同様に導入され得る。
【0026】
ここに開示する化合物の固有の利益は、次の特性の1以上に由来する:化合物は短鎖ポリマーである;化合物は可逆性重合反応を使用して製造される;ポリマーは生分解性および生体適合性である;そしてポリマーを、全て天然成分から合成し得る。これらは、これら化合物が使用され得る商業的応用の多くで重要な利益である。ここに開示する化合物は、化粧品および医薬組成物などの多くの製品における皮膚軟化剤または界面活性剤(例えば、オクチルドデカノール)、ポリマーおよびシリコーンの代替品または代用品および農作物ケア製品におけるアジュバントならびに増進回収法、水力破砕および油田応用における滑沢剤または溶媒として、適している。ここに開示する化合物は、外観、好気、粘性、屈折率および/または表面張力などの物理的特徴が改善され得る。中程度分量(例えば、20,000ダルトン未満または15,000ダルトン未満または10,000ダルトン未満または100~10,000ダルトンまたは100~5,000ダルトンまたは100~3,000ダルトンまたは100~1,500ダルトン)の短ポリマーとしてのこれら化合物の性質。
【0027】
本発明の化合物の重合の可逆性は隣接酸素原子および三級炭素原子を有するポリマーの性質に由来する。その結果、O-C結合の開裂が促進される条件下で、得られた三級カルボカチオンは、異常に安定である。これは、出発物質のアルコールおよびアルケン官能基を再生する隣接水素原子の容易な引き抜きに至る。このような脱重合は、緩和に酸性の条件(例えば、ルイス酸またはブレンステッド酸)または熱的条件または酵素的条件(天然に存在する細菌にみられる酵素によるような)により促進され得る。
【0028】
この脱重合性は生分解に至る。この性質はまた本化合物を含む組成物の形成も可能とし、ここで、ポリマーの脱重合がモノマーであるポリマー構成成分(例えばシトロネロール)または短縮ポリマー構成成分(例えば、大きなポリマーの脱重合によるシトロネロール二量体の放出)のゆっくりした放出を可能とするよう制御され得る。本発明は、コポリマー1(およびそれ以降の化合物)を含む固体および/または液体組成物を包含し、ここで、製品は、緩和に制御されたポリマーの脱重合と、それによって生成したモノマーおよび/または短縮オリゴマーの組成物からの放出および拡散を提供する(例えば、組成物表面での気化による)。このような製品は、このような脱重合を加速する成分(例えばルイス酸またはブレンステッド酸または酵素)を含んでよくまたはこのような組成物は、熱的脱重合を促進するために発熱体を含むデバイスと組合せ得る。この方法で製造したモノマーおよび/または短縮オリゴマー(例えば、シトロネロールまたはシトロネロールの二量体もしくは三量体)は、それ自体、いろいろな理由で、例えば、香料、昆虫忌避剤、抗酸化剤、抗微生物剤または活性医薬成分(例えば、組成物が医薬組成物であるとき)として、有益である。
【0029】
ここに開示する化合物は、コンシーラー、プライマーおよび/または保湿剤などの化粧品組成物におけるシリコーン、鉱油および/またはパラフィンの代替品として、好適である。
【0030】
第一の態様において、本発明は、モノマー単位の組み合わせから形成されるコポリマー(すなわち、ヘテロポリマー)であって、ここで、モノマー単位が少なくとも一つのgem-ジメチル基で置換された少なくとも一つのC3-14アルコキシ単位ならびにC1-14アルコキシ、C5-16アルキル、ポリエトキシおよびカルボニル-C2-13カルボニルオキシからなる群から選択される少なくとも一つの他のモノマー単位を含む、コポリマーを提供する。
【0031】
第一の態様の実施態様において、本発明は、さらにコポリマー(コポリマー1)を提供し、ここで、コポリマー少なくとも一つの単位Xおよび少なくとも一つの単位Yを含み、ここで、単位Xは式
【化6】
を有し、ここで、単位YはY1、Y2、Y3およびY4
【化7】
〔式中、R、R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して場合により置換されているC
1-C
12アルキル、C
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシ(例えば、C
1-C
12アルキルまたはC
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシであり、各々場合によりさらにC
1-C
12アルキルまたはアリールまたはヒドロキシ)で置換されている。〕
から選択される式を有するかまたはその塩であり;
ただし、コポリマーが基Xおよび基Y1しか含まないならば、基Xの置換基Rは基Y1の置換基R
1と同じではない。
【0032】
第一の態様のさらなる実施態様において、本発明は以下の何れかを提供する。
1.1 少なくとも一つの単位YがY1である、コポリマー1。
1.2 少なくとも一つの単位YがY2である、コポリマー1。
1.3 少なくとも一つの単位YがY3である、コポリマー1。
1.4 少なくとも一つの単位YがY4である、コポリマー1。
1.5 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が場合により置換されている直鎖状C
1-C
12アルキルまたは場合により置換されている分岐C
1-C
12アルキルである、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.6 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が非置換直鎖状C
1-C
12アルキル(例えば、CH
2、CH
2CH
2またはCH
2(CH
2)
7CH
2)または非置換分岐C
3-C
12アルキル(例えば、CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.7 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が非置換直鎖状C
1-C
12アルキル(例えば、CH
2、CH
2CH
2またはCH
2(CH
2)
7CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.8 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が非置換分岐C
3-C
12アルキル(例えば、CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.9 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上がCH
2である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.10 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が非置換分岐または直鎖状C
6アルキルである、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.11 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が3-メチルペンチル(すなわち、CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.12 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が直鎖状ヘキシル(すなわち、CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2)または直鎖状ノナニル(すなわち、CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.13 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が直鎖状ブチル(すなわち、CH
2CH
2CH
2CH
2)および/または直鎖状プロピル(すなわち、CH
2CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4のいずれか。
1.14 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上がエチル(すなわち、CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.15 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上がC
2-12アルケニル(例えば、1~4個の二重結合を有するC
2-12アルケニル)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.16 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上がC
2-6アルケニル(例えば、1~2個の二重結合を有するC
2-6アルケニル)であり、ここで、アルケニルが直鎖状または分岐である、コポリマー1.15。
1.17 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が1個の二重結合を有するC
6アルケニル、例えば、直鎖状ヘキシレンまたはメチル置換ペンチレンである、コポリマー1.15または1.16。
1.18 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が3-メチル-2-ペンチレン(すなわち、CH
2CH
2C(CH
3)=CHCH
2)または3-メチル-3-ビニルプロピル(すなわち、CH
2CH
2C(CH
3)CH=CH
2)である、コポリマー1.17。
1.19 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が直鎖状ノナニル(すなわち、CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.20 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上がヒドロキシ置換C
1-12アルキル(例えば、2-ヒドロキシプロピル、すなわち、CH
2CH(OH)CH
2)である、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.21 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上が飽和炭素原子の代わりに少なくとも一つの酸素原子を含む非置換直鎖状C
1-C
12アルキルまたは非置換分岐C
3-C
12アルキルである、コポリマー1または1.1~1.4の何れか。
1.22 R、R
1、R
2、R
3およびR
4の何れか1以上がポリエトキシ、例えば、(OCH
2CH
2)
nであり、ここで、nは1~5、例えば、nは2、3または4である、コポリマー1.21。
1.23 コポリマーが
a. Y1であって、ここで、R
1が3-メチルペンチル(すなわち、CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2)である、例えば、Y1が
【化8】
であるもの;
b. Y1であって、ここで、R
1が直鎖状ヘキシルである、例えば、Y1が
【化9】
であるもの;
c. Y1であって、ここで、R
1が3-メチル-2-ペンチレン(すなわち、CH
2CH
2C(CH
3)=CHCH
2)である、例えば、Y1が
【化10】
であるもの;
d. Y1であって、ここで、R
1が3-メチル-3-ビニルプロピル(すなわち、CH
2CH
2C(CH
3)CH=CH
2)である、例えば、Y1が
【化11】
であるまたはY1が
【化12】
であるもの;
e. Y2であって、ここで、R
2がエチルであるもの;
f. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状プロピルであるもの;
g. Y2であって、ここで、R
2がイソプロピル(すなわち、CH
3CHCH
2)であるもの;
h. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ヘキシルであるもの;
i. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ノナニルであるもの;
j. Y2であって、ここで、R
2が式(OCH
2CH
2)
nのポリエトキシであって、nが3であるもの;
k. Y2であって、ここで、R
2が2-ヒドロキシプロピルであるもの;
l. Y3であって、ここで、R
3がエチルであるもの;
m. Y3であって、ここで、R
3が直鎖状プロピルであるもの;
n. Y3であって、ここで、R
3が直鎖状ヘキシルであるもの;
o. Y3であって、ここで、R
3が直鎖状ヘプチルであるもの;
p. Y4であって、ここで、R
4がエチル(すなわち、CH
2CH
2)である、例えば、Y4が
【化13】
であるもの;
q. Y4であって、ここで、R
4がエチル(すなわち、CH
2CH
2)、例えば、Y4が
【化14】
であるもの;
またはこれらの組み合わせから選択される1以上のY単位を含む、例えば、コポリマー1または1.1~1.22の何れか。
1.24 コポリマーが
【化15】
である1以上の単位Xを含む、コポリマー1または1.1~1.23の何れか。
1.25 コポリマーが
【化16】
である1以上の単位Xを、
a. Y2であって、ここで、R
2がエチルであるもの;
b. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状プロピルであるもの;
c. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ノナニルであるもの;および
d. Y2であって、ここで、R
2が直鎖状ヘキシルであるもの;
またはこれらの組み合わせ
から選択される1以上の単位Yと組み合わせて含む、コポリマー1または1.1~1.24の何れか。
1.26 コポリマーが何れかの順番で1~20単位Xおよび1~20単位Yを含む直鎖状ポリマーである、コポリマー1または1.1~1.25のいずれか。
1.27 1~20単位Xの全てが同じであり(すなわち1~20単位Xの基Rが同じである)、コポリマー1.26。
1.28 基Rが各々非置換分岐または直鎖状C
6アルキルである、コポリマー1.27。
1.29 基Rが各々CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2である、コポリマー1.28。
1.30 単位Xが
【化17】
である、コポリマー1.29。
1.31 1~20単位Yの全てが同じである(例えば、1~20Y基の全てが同じR
1基を有する式Y1であるまたは1~20Y基の全てが同じR
2基を有する式Y2であるまたは1~20Y基の全てが同じR
3基を有する式Y3であるまたは1~20Y基の全てが同じR
4基を有する式Y4である)、コポリマー1.26~1.30の何れか。
1.32 X単位およびY単位がブロック形式で編成され、例えば、ここで、ポリマーが一連のモノマー単位(X)n(Y)mを含み、ここで、nおよびmは各々1~20の整数である、コポリマー1.31。
1.33 1~20単位Yの全てが2つの異なる式のものである、例えば、単位Yの全てが単位Y2および単位Y3の組み合わせであり、所望によりY2単位の全てが同じR
2置換基を有し、Y3単位の全てが同じR
3置換基を有する、コポポリマー1.26~1.30の何れか。
1.34 XおよびY単位がブロック形式で編成される、コポリマー1.33。
1.35 ポリマーが一連のモノマー単位(X)n(Y3-Y2)mを含み、ここで、nおよびmは、各々、Y単位のブロックが交互の単位Y3およびY2からなるように1~25である、コポリマー1.34。
1.36 R
2およびR
3がいずれも直鎖状ヘキシルである、コポリマー1.35。
1.37 コポリマーがZ、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5
【化18】
から選択される少なくとも一つの末端単位Zで終わるコポリマー1または1.1~1.36の何れか。
1.38 末端単位Z、Z1、Z2、Z3および/またはZ4の置換基R、R
1、R
2、R
3および/またはR
4が、適用できる場合はコポリマーの対応する単位X、Y1、Y2、Y3および/またはY4の該基と同じである、コポリマー1.37。
1.39 コポリマーが1以上の末端単位Z2、Z3および/またはZ5で終わり、ここで、R
5がH、OH、C
1-20アルキル(例えば、低級アルキル(例えば、C
1-6アルキル)またはC
1-12アルキル)、アリール(例えば、フェニル)、アリールC
1-
2アルキル(例えば、ベンジル)、OC
1-20アルキル(例えば、低級アルキル(例えば、OC
1-6アルキル)またはOC
1-12アルキル)、O-アリール(例えば、フェノキシ)、O-アリールC
1-
2アルキル(例えば、ベンジルオキシ)、所望により不飽和アシル(例えば、C(O)-C
1-20アルキル)、所望により不飽和アシルオキシ(例えば、OC(O)-C
1-20アルキル、場合により置換されているアリールアシル(例えば、C(O)-アリール)または場合により置換されているアリールアシルオキシ(例えば、O-C(O)-アリール)である、コポリマー1.37。
1.40 R
5がHまたはOHである、コポリマー1.39。
1.41 R
5がアルキル(例えば、低級アルキル(例えば、C
1-6)またはC
1-12)またはO-アルキルである、例えば、R
5が
【化19】
であり、ここで、Rは上に定義したとおりである(すなわち、場合により置換されているC
1-C
12アルキル、例えば、所望によりC
1-C
12アルキルまたはアリールでさらに置換されているおよびそのさらなる実施態様である)、コポリマー1.39。
1.42 R
5がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-オクチルまたはn-デシル;またはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、n-オクチルオキシまたはn-デシルオキシから選択される、コポリマー1.39。
1.43 R
5がアリールC
1-2アルキル(例えば、ベンジルまたはフェネチル)またはO-アリールC
1-2アルキル(例えば、ベンジルオキシまたはフェネチルオキシ)である、コポリマー1.39。
1.44 R
5がアリール(例えば、フェニル)またはO-アリール(例えば、フェノキシ)である、コポリマー1.39。
1.45 R
5が所望により不飽和アシル(例えば、C(O)-C
1-20アルキルまたはC(O)-C
1-6アルキル)または所望により不飽和アシルオキシ(例えば、OC(O)-C
1-20アルキルまたはOC(O)-C
1-6アルキル)である、コポリマー1.39。
1.46 R
5がC(O)-C
1-6アルキルまたはOC(O)-C
1-6アルキル、所望によりR
5がC(O)-C
1-5アルキル、C(O)-C
1-4アルキル、C(O)-C
1-3アルキル、C(O)-C
1-2アルキル、OC(O)-C
1-5アルキル、OC(O)-C
1-4アルキル、OC(O)-C
1-3アルキルまたはOC(O)-C
1-2アルキルである、コポリマー1.39。
1.47 R
5がC(O)-C
1-6アルキルまたはOC(O)-C
1-6アルキルであり、該C
1-6アルキルがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルまたはn-ヘキシルから選択される、コポリマー1.39。
1.48 R
5が所望により不飽和C(O)-C
7-20アルキルまたはOC(O)-C
7-20アルキル、所望によりR
5が所望により不飽和C(O)-C
10-20アルキル、C(O)-C
12-20アルキル、C(O)-C
14-20アルキルまたはC(O)-C
16-18アルキル、C(O)-C
17アルキル、OC(O)-C
10-20アルキル、OC(O)-C
12-20アルキル、OC(O)-C
14-20アルキルまたはOC(O)-C
16-18アルキルまたはOC(O)-C
17アルキルである、コポリマー1.39。
1.49 R
5が一不飽和C(O)-C
7-20アルキルまたはOC(O)-C
7-20アルキル、所望によりR
5が一不飽和C(O)-C
10-20アルキル、C(O)-C
12-20アルキル、C(O)-C
14-20アルキル、C(O)-C
16-18アルキル、C(O)-C
17アルキル(例えば、オレアイル)、OC(O)-C
10-20アルキル、OC(O)-C
12-20アルキル、OC(O)-C
14-20アルキル、OC(O)-C
16-18アルキルまたはOC(O)-C
17アルキル(例えば、オレアイルオキシ)である、コポリマー1.39。
1.50 R
5が飽和C(O)-C
7-20アルキルまたはOC(O)-C
7-20アルキル、所望によりR
5が飽和C(O)-C
10-20アルキル、C(O)-C
12-20アルキル、C(O)-C
14-20アルキル、C(O)-C
16-18アルキル、C(O)-C
17アルキル、OC(O)-C
10-20アルキル、OC(O)-C
12-20アルキル、OC(O)-C
14-20アルキル、OC(O)-C
16-18アルキルまたはOC(O)-C
17アルキルである、コポリマー1.39。
1.51 R
5置換基が脂肪アシル鎖または脂肪アシルオキシ鎖である、コポリマー1.39。
1.52 R
5がアリールアシル(例えば、C(O)-アリール)またはアリールアシルオキシ(例えば、O-C(O)-アリール)、例えば、ベンゾイルまたはベンジルオキシである、コポリマー1.39。
1.53 R
5置換基がさらにカチオン性またはアニオン性部分を含む(例えば、R
5がアルキル、アリール、アルキルエステルまたはアリールエステルであり、該アルキルまたはアリールがカチオン性(例えば、四級アンモニウム)またはアニオン性(例えば、カルボン酸またはスルホン酸)部分で置換されている)、コポリマー1.39。
1.54 R
5がポリエーテル部分である、例えば、R
5置換基がポリエチレングリコール鎖を含む、コポリマー1.39。
1.55 R
5がここに記載する抗老化部分、UV吸収部分、抗酸化剤部分、疎水性(親油性)部分または親水性部分を含む、コポリマー1.39。
1.56 コポリマーが式Y
【化20】
〔式中、AおよびBは各々独立してZ、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5から選択される末端基であり、nおよびmは各々独立して1~20の整数であり、ここで、n単位Xおよびm単位Yが任意の順で直鎖状配列に配置される。〕
を有する、コポリマー1または1.1~1.55の何れか。
1.57 架橋二量体が構造W-O-C(O)-R
6-C(O)-O-WまたはW-O-C(O)-O-Wを有し、ここで、置換基Wが少なくとも一つの末端ヒドロキシ基を含むコポリマー1または1.1~1.56の何れかのラジカルフラグメントであり、例えば、コポリマーは少なくとも(a)末端基がモノマー単位X、Y1、Y2、Y3またはY4のO原子に結合しているとき、R
5がHである末端基Z5または(b)末端基がモノマー単位X、Y1、Y2、Y3またはY4の非O原子に結合しているとき、R
5がOHである末端基Z5または(c)末端基Z2またはZ3を有しており、ここで、R
5がHであり;R
6が結合または場合により置換されているC
1-22アルキル、場合により置換されているC
2-22アルケニルまたは場合により置換されているアリールであり;かつフラグメントWが第二の末端ヒドロキシ基を有するならば(すなわち、構造HO-W-OH)、架橋多量体が構造がHO-W-O-C(O)-R
6-C(O)-[O-WO-C(O)-R
6-C(O)]p-O-W-OHまたはHO-W-O-C(O)-[O-WO-C(O)]p-O-W-OHであって、ここで、pが0~100(例えば、0~10または0~5または0~3)の整数であるように架橋単位およびコポリマー単位の反復パターンを有し得ることが理解される、コポリマー1または1.1~1.56の何れかの架橋多量体(例えば、二量体)。
1.58 架橋多量体が、二量体W-O-C(O)-R
6-C(O)-O-Wまたは多量体HO-W-O-C(O)-R
6-C(O)-[O-WO-C(O)-R
6-C(O)]p-O-W-OHを形成するように、1個の末端ヒドロキシ基(すなわち、W-OH)または2個の末端ヒドロキシ基(すなわち、HO-W-OH)を含むコポリマー1または1.1~1.56の何れかと、式X-C(O)-R
6-C(O)-X(式中、Xは脱離基(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、イミダゾリル)であるかまたはXはOHである)の反応性薬剤の反応により形成される、架橋多量体(例えば、二量体)1.57。
1.59 架橋多量体が、二量体W-O-C(O)-O-Wまたは多量体HO-W-O-C(O)-[O-WO-C(O)]p-O-W-OHを形成するように1個の末端ヒドロキシ基(すなわち、W-OH)または2個の末端ヒドロキシ基(すなわち、HO-W-OH)を含むコポリマー1または1.1~1.56の何れかと、式X-C(O)-X(式中、Xは脱離基(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、イミダゾリル)である)の反応性薬剤の反応により形成される、架橋多量体(例えば、二量体)1.57。
1.60 多量体が構造W-O-C(O)-R
6-C(O)-O-WまたはHO-W-O-C(O)-R
6-C(O)-[O-WO-C(O)-R
6-C(O)]p-O-W-OHを有する、架橋多量体(例えば、二量体)1.57または1.58。
1.61 R
6が非置換C
1-22アルキル、例えば、直鎖状非置換C
1-22アルキルまたは分岐非置換C
1-22アルキルである、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.62 R
6が非置換C
1-16アルキル、例えば、直鎖状非置換C
1-16アルキルまたは分岐非置換C
1-16アルキルである、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.63 R
6が非置換C
1-10アルキル、例えば、直鎖状非置換C
1-10アルキルまたは分岐非置換C
1-10アルキルである、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.64 R
6が非置換C
1-6アルキル、例えば、直鎖状非置換C
1-6アルキルまたは分岐非置換C
1-6アルキルである、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.65 R
6がメチレン(-CH
2-)、エチレン(-CH
2CH
2-)、プロピレン(-CH
2CH
2CH
2-または-CH
2CH(CH
3)-)、ブチレン(例えば、-CH
2CH
2CH
2CH
2-または-CH
2CH(CH
3)CH
2-または-CH(CH
3)CH
2CH
2-)から選択される、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.66 R
6が非置換C
2-22アルケニル、例えば、直鎖状非置換C
2-22アルケニルまたは分岐非置換C
2-22アルケニルであり、所望により該アルケニルの何れかが一不飽和である、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.67 R
6が非置換C
2-16アルケニル、例えば、直鎖状非置換C
2-16アルケニルまたは分岐非置換C
2-16アルケニルであり、所望により該アルケニルの何れかが一不飽和である、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.68 R
6が非置換C
2-10アルケニル、例えば、直鎖状非置換C
2-10アルケニルまたは分岐非置換C
2-10アルケニルであり、所望により該アルケニルの何れかが一不飽和である、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.69 R
6が非置換C
2-6アルケニル、例えば、直鎖状非置換C
2-6アルケニルまたは分岐非置換C
2-6アルケニルであり、所望により該アルケニルの何れかが一不飽和である、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.70 R
6がエチレン(-CH=CH-)、プロピレン(-CH=CHCH
2-または-CH
2C(=CH
2)-)、ブチレン(例えば、-CH=CHCH
2CH
2-または-CH
2CH=CHCH
2-または-CH
2CH(=CH
2)CH
2-)から選択される、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.71 R
6がアリール、例えば、置換または非置換フェニルである、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.72 R
6が結合である、架橋多量体(例えば、二量体)1.60。
1.73 多量体が構造W-O-C(O)-O-WまたはHO-W-O-C(O)-[O-WO-C(O)]p-O-W-OHを有する、架橋多量体(例えば、二量体)1.57または1.59。
【0033】
任意の結合を有する置換基(例えば、基Y1、Y4、Z、Z1およびZ4)において、ここに示すこのような構造の全て各各任意の結合がある基および各任意の結合がない基の両者を具現化し、全ての化学的に許容されるこれらの組み合わせであることは、理解される。例えば、基Z、Z1およびZ4は、それぞれ少なくとも次の構造を含む。
【化21】
【化22】
【化23】
類似構造もモノマー単位Y1およびY4および出発物質種A、A1およびA4に包含される。
【0034】
ある実施態様において、モノマー単位Y1およびY4、Z、Z1およびZ4ならびに出発物質種A、A1およびA4に存在する任意の結合は、さらに伸長して、適宜結合した原子間の分子内環を形成する。例えば、モノマー単位Y1およびY4は、少なくとも次の構造を含む。
【化24】
【0035】
第二の態様において、本発明は、組成物(組成物1)であって、コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその何れかの塩またはその何れかの混合物を、少なくとも一つの適当な溶媒、担体または添加物と共に含む組成物を提供する。第二の態様のさらなる実施態様において、本発明は次の組成物を提供する。
1.1 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、香料組成物。
1.2 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、香水組成物。
1.3 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、石鹸組成物。
1.4 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、防虫剤組成物。
1.5 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、殺虫剤組成物。
1.6 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、洗剤組成物。
1.7 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、家庭用洗浄剤組成物。
1.8 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、消臭スプレー組成物。
1.9 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ルームスプレー組成物。
1.10 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ポマンダー組成物。
1.11 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ロウソク組成物。
1.12 組成物がさらにパラフィン蝋および/または蜜蝋基剤を含む、組成物1.11。
1.13 パラフィン蝋および/または蜜蝋基剤内に分散され、それに包埋された適当な芯を有する、コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物からなる、組成物1.12。
1.14 例えば、リップスティック、リップクリーム、リップグロス、アイシャドウ、リキッドハイライター(例えば、チーク用)、皮膚軟膏、皮膚ローションまたは皮膚香膏などの、コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む化粧組成物。
1.15 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、化粧水組成物。
1.16 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、プレおよび/またはアフターシェーブローション組成物。
1.17 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、タルカムパウダー組成物。
1.18 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ヘアケア製品組成物、例えば、ヘアスタイリング製品(例えば、ヘアスプレー、髪用ジェルまたはヘアドライクリーム、ムース)または毛髪洗浄製品(例えば、シャンプーまたはコンディショナー)。
1.19 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ボディデオドラント組成物。
1.20 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、制汗組成物。
1.21 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、シャンプー組成物。
1.22 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ペットリター組成物。
1.23 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、局所適用肌ケア組成物であって、所望によりここで、肌ケア適用が、肌保湿剤;皮膚浸透増強剤;皮膚保護剤;皮膚無痛化剤;皮膚治癒剤;紫外線光吸収剤または散乱剤;捕捉剤;抗アクネ剤;抗アンドロゲン剤;脱毛剤;サリチル酸などの角質溶解剤/角層剥離剤/スクラブ剤;D-パンテノールなどのパンテノール保湿剤;ヒアルロン酸およびデンプングラフトナトリウムポリアクリレートなどの可溶性またはコロイド状-可溶性保湿剤;および日焼け止め剤であるもの。
1.24 肌ケア適用が皮膚保護剤である、組成物1.23。
1.25 肌ケア適用が皮膚無痛化剤または皮膚保湿剤(例えば、保湿ローション中)である、組成物1.23。
1.26 肌ケア適用が日焼け止め剤である、組成物1.23。
1.27 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、ペンキまたは塗装組成物。
1.28 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、滑沢剤組成物。
1.29 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、可塑性組成物。
1.30 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、消泡組成物。
1.31 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、液圧組成物。
1.32 コポリマー1または1.1以降の何れかまたはその塩またはその何れかの混合物を含む、抗微生物組成物。
1.33 コポリマー1または1.1以降の何れかを含む、農作物ケア製品であって、例えば、該化合物が農作物ケア製品中のアジュバントであるもの。
1.34 コポリマー1または1.1以降の何れかを含む、石油増量回収法、水力破砕および/または他の油田応用のための製品であって、例えば、該化合物が該製品中の滑沢剤または溶媒であるもの。
1.35 溶媒または溶媒混合物、例えば、エステル、アルカン、芳香族、アルコールまたはエーテル溶媒に溶解または懸濁した、コポリマー1または1.1以降の何れかを含む、またはそれからなる組成物。
1.36 溶媒または溶媒混合物、例えば、エステル、アルカン、芳香族、アルコールまたはエーテル溶媒中の、コポリマー1または1.1以降の何れかの溶液または懸濁液。
1.37 溶媒がC1-4エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル)、C4-18エステル、C3-10アルカン(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン)、C10-18アルカン(直鎖状または分岐)、C2-10アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、C2-10エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン)およびC6-12芳香族(例えば、トルエン、キシレン)から選択される、組成物1.35または1.36。
1.38 先の組成物の何れかを含む製品であって、該組成物は発熱体を含む容器中に保管または収容され、該発熱体の作動が組成物の加熱、化合物の熱分解および揮発物の放出をもたらす、製品。
【0036】
他の実施態様において、本発明は、組成物1または1.1~1.38の何れかにおいて使用するための、コポリマー1または1.1~1.73の何れかを提供する。
【0037】
第三の態様において、本発明は、コポリマー1または1.1以降の何れかを製造する方法を提供し、ここで、該方法は、(1)リアクターに、式A
【化25】
の化合物および式A1、A2、A3またはA4
【化26】
〔式中、R、R
1、R
2、R
3および/またはR
4の各々は場合により置換されているC
1-C
12アルキル、C
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシ(例えば、C
1-C
12アルキルまたはC
2-C
12アルケニルまたはポリエトキシ、各々場合によりさらにC
1-C
12アルキルまたはアリールまたはヒドロキシ)で置換されている。〕
の化合物の少なくとも一つを仕込み;
そして(2)該化合物を固形イオン交換樹脂に接触させ、それにより式Aの化合物と式A1、A2、A3および/またはA4の化合物の共重合を誘発させて、コポリマー1または1.1~1.56の何れかのコポリマー(ここで、R
5が存在するならば、R
5はHである)を産生し;
そして(3)コポリマー1、例えば、同一または実質的に同一のモノマー組成を有する関連コポリマー1の群を単離および/または精製(例えば、蒸留により)する
工程を含む。
【0038】
第三の態様のさらなる実施態様において、本発明は次のものを提供する。
1.1 重合が高温(例えば、30~120℃)でイオン交換樹脂上で起こる、方法1。
1.2 重合が40~90℃でイオン交換樹脂上で起こる、方法1.1。
1.3 重合が約50℃でイオン交換樹脂上で起こる、方法1.2。
1.4 固形交換樹脂が樹脂結合酸触媒、例えば、カルボン酸またはスルホン酸部分で官能化した樹脂である、方法1または1.1~1.4の何れか。
1.5 重合がバッチリアクターで起こる、先の方法の何れかの方法。
1.6 重合が連続充填床リアクターで起こる、先の何れかの方法。
1.7 式Aのモノマーが酸触媒により重合化され、続いて何れかの非重合化モノマーが蒸留およびリサイクルされる、先の何れかの方法。
1.8 樹脂結合酸触媒がSilicycleプロパンスルホン酸、モンモリロナイトまたはAmberlyst(登録商標)(例えば、巨大網状または多孔質樹脂またはスルホン酸基またはカルボン酸基に共有結合したシリカ)から選択される、先の何れかの方法。
1.9 触媒がAmberlyst(登録商標)である、1.7の方法。
1.10 コポリマー1が分別蒸留により精製される、先の何れかの方法。
1.11 さらにコポリマー1(式中、コポリマーは少なくとも一つの末端ヒドロキシ基(例えば、基R5、ここで、R5は、コポリマーへの基R5の連結性によりHまたはOHである)を含む)と、末端ヒドロキシ基をアルキルエステルまたはアリールエステル部分に変換するのに適当な反応材(例えば、コポリマー1.41~1.55またはその実施態様を産生するため)の反応の工程を含み、例えば、アルキルエステルがメチルエステルであり、反応が適当な反応材としてケテンを使用する、先の何れかの方法。
1.12 エステル化が官能化エステルを使用するアルカリエステル交換反応である、方法1.11。
1.13 さらにコポリマー1(式中、コポリマーは少なくとも一つの末端ヒドロキシ基(例えば、基R5、ここで、R5は、コポリマーへの基R5の連結性によりHまたはOHである)を含む)と末端ヒドロキシ基をアルキルエーテルまたはアリールエーテル部分に変換するのに適当な反応材(例えば、化合物1.41~1.55またはその実施態様を産生するため)の反応の工程を含む、方法1または1.1~1.10の何れかの方法。
1.14 エーテル化が適当なアルキルハライドおよび塩基を使用するウィリアムソン型エーテル化反応である、方法1.13。
1.15 さらにコポリマー1(式中、コポリマーは少なくとも一つの末端ヒドロキシ基(例えば、基R5、ここで、R5は、コポリマーへの基R5の連結性によりHまたはOHである)を含む)と、コポリマーを化合物1.57~1.73の何れかの架橋二量体に変換するのに適当な反応材との反応工程を含む、方法1または1.1~1.14の何れかの方法。
1.16 架橋二量体が式W-O-C(O)-O-Wを有し、適当な反応材がホスゲンである、方法1.15。
1.17 架橋二量体が式W-O-C(O)-R6-C(O)-O-Wを有し、適当な反応材が式HO-C(O)-R6-C(O)-OHの二酸である、方法1.15。
1.18 架橋二量体が式W-O-C(O)-R6-C(O)-O-Wを有し、適当な反応材が式XO-C(O)-R6-C(O)-OXの反応性ジアシル種(式中、Xは脱離基(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニルまたはエタンスルホニル)、アリールスルホニル(例えば、ベンゼンスルホニルまたはトルエンスルホニル)、イミダゾリルである)、方法1.15。
【0039】
他の実施態様において、本発明は、方法1または方法1.1~1.18の何れかにより製造されたコポリマーを提供する。
【0040】
コポリマー1または1.1以降の何れかの製造に使用するのに適当なまたは方法1または方法1.1~1.18の何れかにおける使用に適当なモノマー種の例は、非環状モノテルペノイドアルコール(例えばシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、リナロール、コリアンドロール、ミルセノールおよびジヒドロミルセノール;環状モノテルペノイドアルコール(例えばイソプレゴールおよびメントール)、非環状モノテルペン(例えばジヒドロミルセン);アルカンジオール(例えば1,9-ノナンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-プロピレングリコール、1,2-プロピレングリコール、グリセロールおよびエチレングリコール);ポリエチレングリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコール);およびジカルボン酸(例えばアゼライン酸、アジピン酸およびコハク酸)を含むが、これらに限定されない。コポリマー1または1.1以降の形成に参加し得るまたは方法1または1.1~1.18における使用に適当なさらなる反応種は、ジエン(例えば1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、2,6-オクタジエンおよびリモネン)およびアルケン酸(例えばシトロネル酸)を含む。
【0041】
特定の実施態様において、コポリマー1を、(1)シトロネロールモノマーおよび(2)1,6-ヘキサンジオール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、リモネン(例えば、d-リモネン)、グリセロール、ジヒドロミルセン、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,9-ノナンジオールおよびエチレングリコールから選択される1以上のモノマーの組み合わせを使用して、方法1または1.1~1.18の何れかにより製造し得る。さらなる実施態様において、コポリマー1を、(1)シトロネロールモノマーおよび(2)1,6-ヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,9-ノナンジオールおよびエチレングリコールから選択される1以上のモノマーとの組み合わせを使用して、方法1または1.1~1.18の何れかにより製造し得る。
【0042】
ある実施態様において、UV吸収部分は、共役芳香族エステル、共役芳香族エーテルおよび共役オレフィンを含むが、これらに限定されない。具体例は、ケイ皮酸、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸、サリチル酸誘導体、ジメチルアミノ安息香酸、パラ-アミノ安息香酸、安息香酸、3,3-ジフェニルシアノアクリレート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエートおよびメトキシケイ皮酸を含むが、これらに限定されない。
【0043】
ある実施態様において、抗老化および/または抗酸化剤部分は、ヒアルロン酸、アスコルビン酸、アゼライン酸、カルノシン、グリコール酸、ニコチン酸、フェノール酸、フェノールエーテル、ベンゾフェノン、亜硫酸、スルホン、スルホン酸およびリン酸を含むが、これらに限定されない。
【0044】
ある実施態様において、疎水性部分は、アセテート、プロピオネート、直鎖または分枝鎖脂肪酸、直鎖または分枝鎖アルキル鎖、有機シリコーン、フルオロアルカンおよびグラフェン誘導体を含む。親水性部分は、スルホン酸、エトキシレート、ポリグリセロール、ポリプロピレングリコール、炭水化物およびカルボン酸および他のポリオールを含む。
【0045】
例えば、方法1(およびそれ以降の方法)により製造されるような、コポリマー1以降は、抗微生物化合物、医薬化合物、皮膚治癒化合物および冷却剤、抗炎症剤および/または加温剤などのセンシエント分子などの他の生物学的活性分子に結合(例えば、エステル化またはエーテル化)される。
【0046】
例えば、方法1(およびそれ以降の方法)により製造されるコポリマー1(およびそれ以降の化合物)は、多くの適用に使用される。それらは、化粧製品、ペンキまたは塗装料、パーソナルケア製品、家庭用品、例えば、洗浄剤製品、電子機器、滑沢剤、プラスチック、消泡剤、石油増量油およびガス回収(水力破砕および他の油田応用を含む)、医薬適用、農作物ケア製品および液圧組成物に使用され得る。ここに開示する化合物は、これら種々の適用における界面活性剤、ポリマー、シリコーンおよび溶媒の代替品または代用品として適する。これらの物質、特に低分子量分子は、有利に昆虫忌避剤としても使用され得る。例えば、方法1以降の方法で製造された、コポリマー1(それ以降の化合物)を、殺虫剤、昆虫忌避剤および生物活性成分と併用するか包含させ得る。
【0047】
第四の態様において、本発明は、組成物(例えば、組成物1(およびそれ以降のもの)、例えば、香料組成物、香水、石鹸、昆虫忌避剤および殺虫剤、洗剤、家庭用洗浄剤、消臭スプレー、ルームスプレー、ポマンダー、ロウソク、化粧、化粧水、プレおよび/またはアフターシェーブローション、タルカムパウダー、ヘアケア製品、ボディデオドラント、制汗剤、シャンプー、肌ケア適用、医薬、抗微生物、ペットリター、農作物ケア製品または油田、水力破砕または石油増量回収法)における、例えば、方法1(およびそれ以降の方法)により製造された、コポリマー1以降を使用する方法を提供する。
【0048】
故に、本発明は、コポリマー1または1.1~1.73の何れかを使用する方法(方法2)、組成物1または組成物1.1~1.38の何れかの製造方法を提供する。
【0049】
第四の態様のさらなる実施態様において、方法2は次の何れかを提供し得る。
2.1 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが香料組成物で使用される、方法2の方法。
2.2 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが香水で使用される、方法2の方法。
2.3 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが石鹸で使用される、方法2の方法。
2.4 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが昆虫忌避剤で使用される、方法2の方法。
2.5 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが殺虫剤で使用される、方法2の方法。
2.6 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが洗剤で使用される、方法2の方法。
2.7 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが家庭用清掃剤で使用される、方法2の方法。
2.8 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが消臭スプレーで使用される、方法2の方法。
2.9 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがルームスプレーで使用される、方法2の方法。
2.10 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがポマンダーで使用される、方法2の方法。
2.11 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがロウソクで使用される、方法2の方法。
2.12 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが化粧品で使用される、方法2の方法。
2.13 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが化粧水で使用される、方法2の方法。
2.14 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがプレおよび/またはアフターシェーブローションで使用される、方法2の方法。
2.15 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがタルカムパウダーで使用される、方法2の方法。
2.16 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがヘアケア製品で使用される、方法2の方法。
2.17 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがボディデオドラントで使用される、方法2の方法。
2.18 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが制汗剤で使用される、方法2の方法。
2.19 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがシャンプーで使用される、方法2の方法。
2.20 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがペットリターで使用される、方法2の方法。
2.21 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが肌ケアにおける局所適用で使用される、方法2の方法であって、ここで、肌ケア応用が肌保湿剤;皮膚浸透増強剤;皮膚保護剤;皮膚無痛化剤;皮膚治癒剤;紫外線光吸収剤または散乱剤;紫外線捕捉剤;抗アクネ剤;抗アンドロゲン剤;脱毛剤;サリチル酸などの角質溶解剤/角層剥離剤/スクラブ剤;D-パンテノールなどのパンテノール保湿剤;ヒアルロン酸およびデンプングラフトナトリウムポリアクリレートなどの可溶性またはコロイド状-可溶性保湿剤;および日焼け止め剤から選択され得るもの。
2.22 肌ケア適用が皮膚保護剤である、方法2.21の方法。
2.23 肌ケア適用が皮膚無痛化剤である、方法2.21の方法。
2.24 肌ケア適用が日焼け止め剤である、方法2.21の方法。
2.25 コポリマー1または1.1~1.73の何れかがペンキまたは塗装料で使用される、方法2の方法。
2.26 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが滑沢剤で使用される、方法2の方法。
2.27 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが可塑性で使用される、方法2の方法。
2.28 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが医薬で使用される、方法2の方法。
2.29 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが農作物ケア製品で使用される、方法2の方法であって、該化合物が農作物ケア製品中のアジュバントであるもの。
2.30 コポリマー1または1.1~1.73の何れかが石油増量回収法、水力破砕および/または他の油田応用のための製品で使用される、方法2の方法であって、例えば、該化合物が該施品中の滑沢剤または溶媒であるもの。
【0050】
ここに記載するこれらの物質のさらなる利益は、完全に生分解性および生体適合性であることが期待されることである。
【0051】
これらのポリエーテルの評価中、シトロネロールベースのポリマーについて、モノマーに戻る脱重合が、約180℃で自然に起こることが、驚くべきことに観察された。この熱的脱重合性質または類似の酵素および/または、酸触媒脱重合性質は、経時的に制御された形式で、シトロネロールモノマーを送達するのに有利に使用される。
【0052】
ある態様において、熱的脱重合を使用して、モノマーを制御放出で空気中に放出する。ある態様において、本発明は、例えば、方法1(それ以降)により製造されるコポリマー1(それ以降)の化合物の、例えば、ロウソクまたは匂い制御および/または蚊制御用熱的ディスペンサー、有益な匂いを促進するために経時的に放出される脱重合化モノマー成分を有する低pH工業用洗浄剤および長期間新鮮な匂いとなるように経時的にポリマーを消化する酵素を使用する洗濯用洗剤における使用を意図する。
【0053】
他の態様において、香料組成物は、例えば、方法1以降により製造された、コポリマー1(それ以降)の化合物を含み、本出願の香料組成物は、香水、石鹸、昆虫忌避剤および殺虫剤、洗剤、家庭用洗浄剤、消臭スプレー剤、ルームスプレー、ポマンダー、ロウソク、化粧品、化粧水、プレおよび/またはアフターシェーブローション、タルカムパウダー、ヘアケア製品、ボディデオドラント、制汗剤、シャンプー、コロン、シャワージェル、ヘアスプレーおよびペットリターから選択される。
【0054】
他の態様において、例えば、方法1(およびそれ以降の方法)により製造されるコポリマー1(およびそれ以降化合物)は、抗真菌組成物に使用され得る。ある態様において、抗真菌組成物は例えば、方法1以降により製造したコポリマー1(およびそれ以降の化合物)のポリエーテルおよび少なくとも一つの、脂肪族または芳香族アルデヒド、脂肪族または芳香族アルコール、アセタールおよびエステルからなる群から選択される上記香料成分の存在下、相乗効果を示し、それにより、活性成分の含量を、各々単独で使用する場合より低量まで減少することを可能とするすタイプの化合物を含む。
【0055】
他の態様において、例えば、方法1(それ以降)により製造されるコポリマー1(それ以降)の化合物を、肌ケア適用における局所適用に使用し得る。例えば、肌ケア適用は肌保湿剤;皮膚浸透増強剤;皮膚保護剤;皮膚無痛化剤;皮膚治癒剤;紫外線光吸収剤または散乱剤;捕捉剤;抗アクネ剤;抗アンドロゲン剤;脱毛剤;サリチル酸などの角質溶解剤/角層剥離剤/スクラブ剤;D-パンテノールなどのパンテノール保湿剤;ヒアルロン酸およびデンプングラフトナトリウムポリアクリレートなどの可溶性またはコロイド状-可溶性保湿剤;および日焼け止め剤から選択され得る。
【0056】
他の態様において、方法1以降により製造されたコポリマー1(およびそれ以降の化合物)のポリエーテルを、送達系、例えば、上記芳香性化合物の長期の一定放出が望ましい何らかの香料送達系に使用し得る。例えば、ここに記載する香料送達系を、例えば、機能性香料、使用時日光に晒されるまたはその後日光に晒される他の物品に使用される製品に使用し得る。
【0057】
さらなる実施態様、本発明は、例えば、液体および固形の消臭スプレーを、本発明の送達系と共に含む、送達系4.0を提供する。なおさらなる例は、窓および家庭用清掃剤、汎用清掃剤および家具用つや出剤を送達する送達系を含む。表面は、このような清掃剤で清潔化される。さらなる例において、洗剤および衣類用柔軟剤を含む送達系も本発明の送達系を含み、衣類は、このような洗剤または柔軟剤で洗濯または処理される。
【0058】
なお他の態様において、例えば、方法1以降の方法により製造された、コポリマー1(およびそれ以降の化合物)のポリエーテルは、薬物送達系に使用され得る。
【0059】
ある実施態様において、送達系4.0は、次の送達系の何れかを含み得る:
4.1 コポリマー1または1.1~1.73の何れかまたはその何れかの塩もしくはそれらの混合物を含む、薬物送達系。
4.2 コポリマー1または1.1~1.73の何れかまたはその何れかの塩もしくはそれらの混合物を含む、香料送達系。
4.3 コポリマー1または1.1~1.73の何れかまたはその何れかの塩もしくはそれらの混合物を含む、洗剤送達系。
4.4 コポリマー1または1.1~1.73の何れかまたはその何れかの塩もしくはそれらの混合物を含む、家庭用清掃剤送達系。
【0060】
本発明の1以上の実施態様の詳細を、下記に示す。特に断らない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に利用されるのと同じ意味を有する。矛盾があるならば、本明細書が支配する。
【0061】
特に断らない限り、ここで使用する用語は、特定の実施態様を述べる目的のみであり、これを限定する意図はないことが理解される。本明細書および添付する特許請求の範囲において、下記定義を有するとして記載される、いくつかの用語を示す。
【0062】
ここで使用する単数表現は、文脈に明らかに反しない限り、複数を含む。故に、例えば、「反応材」の記載は、一つの反応材だけでなく、2以上の種々の反応材の組み合わせまたは混合物を含み、「置換基」の記載は1置換基ならびに2以上の置換基などである。
【0063】
ここで使用する用語「例えば」、「など」または「含む」は、一般的対象をより明確にする例示を紹介することを意図する。これらの例は、本開示の理解の補助としてのみ提供され、いかなる形式でも限定を意図しない。さらに、ここで使用する用語「し得る」、「任意の」、「任意に」または「任意にし得る」は、その前に記載された状況が起こる場合および起こらない場合を含むように、起きても起きなくてもよいことを意図する。例えば、用語「所望により存在する」は、その物が存在してもしなくてもよいことを意味し、故に、この記載は、そのものが存在する場合およびその物が存在しない場合を含む。
【0064】
ここで使用する「式を有する」または「構造を有する」は、限定を意図せず、用語「含む」が一般的に使用されるのと同じ方法で使用される。
【0065】
本出願の式のいくつかにおいて、1以上のキラル中心がキラル炭素の横に付されたアスタリスクにより示される。他の式において、キラル中心は特定されていない場合でも、キラル異性体がこれらの式に包含される。
【0066】
本発明の化合物のいくつかは互変異性形態で存在でき、これもまた本発明の範囲内に入ることが意図される。
【0067】
「互変異性体」は、構造が原子配置において顕著に異なるが、容易かつ急速な平衡で存在する化合物をいう。本発明の化合物は、種々の互変異性体として記載し得ることは理解される。化合物が互変異性形態を有するならば、全互変異性形態が本発明の範囲内に入ることを意図し、化合物の命名はいかなる互変異性形態も除外しないことは理解される。さらに、一つの互変異性体が記載され得るとしても、本発明は、該化合物の全互変異性体を含む。
【0068】
ここで使用する用語「塩」は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩および酒石酸塩を含む酸付加塩;アルカリ金属カチオン、例えばNa+、K+、Li+、アルカリ土類金属塩、例えばMg2+またはCa2+または有機アミン塩または有機ホスホニウム塩を含み得る。
【0069】
ここで使用する用語「アルキル」は、1~22炭素原子を有する、必ずしもではないが、典型的に、1~約12炭素原子を有する、単価または二価、分岐または非分岐飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、オクチルなどをいう。用語アルキルはまたシクロアルキル基も含み得る。故に、例えば、用語C
6アルキルはシクロヘキシル基を含む。例えば、ある実施態様において、R、R
1、R
2、R
3またはR
4は、例えば、
【化27】
から選択される、シクロヘキサン環を含むC
6-12アルキル基であり得る。
【0070】
ここで使用する用語「アルケニル」は、必ずしもではないが、典型的に、2~約12炭素原子および1~10炭素-炭素二重結合を含む、一価または二価、分岐または非分岐、不飽和炭化水素基、例えば、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、オクチレンなどをいう。
【0071】
ここで使用する用語「アルキニル」は、必ずしもではないが、典型的に、2~約12炭素原子および1~8炭素-炭素三重結合を含む、一価または二価、分岐または非分岐、不飽和炭化水素基、例えば、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチンなどをいう。
【0072】
ここで使用する用語「アリール」は、例えば、2融合環および10炭素原子(すなわち、ナフタレン)を有する芳香族炭化水素を含む、5~6炭素原子の少なくとも一つの芳香環を含む、芳香族炭化水素部分をいう。
【0073】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」などにおける「置換」は、アルキル、アルケニル、アルキニルまたは他の部分において、炭素原子に結合した少なくとも一つの水素原子が1以上の非水素置換基、例えば、官能基で置換されることを意味する。
【0074】
例えば、Ca~Cb炭素原子のアルキル部分を引用して使用するときの用語「分岐」および「直鎖」(または「非分岐」)は、該アルキル部分を規定する炭素原子に適用される。例えば、C4アルキル部分について、その分岐実施態様はイソブチを含みル、その非分岐実施態様はn-ブチルである。しかしながら、イソブチルはまたC1アルキル(メチル)により置換された直鎖状C3アルキル部分(プロピル)自体としても、明確化される。
【0075】
官能基の例は、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1-C24アルコキシ、C2-C24アルケニルオキシ、C2-C24アルキニルオキシ、C5-C20アリールオキシ、アシル(C2-C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC6-C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C2-C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C6-C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、ハロカルボニル(-CO)-Xであって、ここで、Xはハロである)、C2-C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C6-C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO-)、カルバモイル(-(CO)-NH2)、一置換C1-C24アルキルカルバモイル(-(CO)-NH(C1-C24アルキル))、二置換アルキルカルバモイル(-(CO)-N(C1-C24アルキル)2)、一置換アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH2)、カルボアミド(-NH-(CO)-NH2)、シアノ(-C≡N)、イソシアノ(-N+≡C-)、シアナト(-O-C≡N)、イソシアナト(-O-N+≡C-)、イソチオシアナト(-S-C≡N)、アジド(-N=N+=N-)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH2)、モノ-およびジ-(C1-C24アルキル)置換アミノ、モノ-およびジ-(C5-C20アリール)置換アミノ、C2-C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C5-C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、イミノ(-CR=NH、ここで、R=水素、C1-C24アルキル、C5-C20アリール、C6-C20アルカリール、C6-C20アラルキルなど)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)、ここで、R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)、ここで、R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO2)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO2-OH)、スルホナト(-SO2-O-)、C1-C24アルキルスルファニル(-S-アルキル;別名「アルキルチオ」)、アリールスルファニル(-S-アリール;別名「アリールチオ」)、C1-C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C5-C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C1-C24アルキルスルホニル(-SO2-アルキル)、C5-C20アリールスルホニル(-SO2-アリール)、ホスホノ(-P(O)(OH)2)、ホスホナト(-P(O)(O-)2)、ホスフィナト(-P(O)(O-))、ホスホ(-PO2)、ホスフィノ(-PH2)、モノ-およびジ-(C1-C24アルキル)置換ホスフィノ、モノ-およびジ-(C5-C20アリール)置換ホスフィノ;およびヒドロカルビル部分、例えばC1-C24アルキル(C1-C18アルキルを含む、さらにC1-C12アルキルを含むおよびさらにC1-C6アルキルを含む)、C2-C24アルケニル(C2-C18アルケニルを含む、さらにC2-C12アルケニルを含むおよびさらにC2-C6アルケニルを含む)、C2-C24アルキニル(C2-C18アルキニルを含む、さらにC2-C12アルキニルを含むおよびさらにC2-C6アルキニルを含む)、C5-C30アリール(C5-C20アリールを含むおよびさらにC5-C12アリールを含む)およびC6-C30アラルキル(C6-C20アラルキルを含むおよびさらにC6-C12アラルキルを含む)を含むが、これらに限定されない。さらに、前記官能基は、その特定の基で許容されるならば、上に具体的に挙げたような1以上のさらなる官能基または1以上のヒドロカルビル部分でさらに置換され得る。例えば、アルキルまたはアルケニル基は分岐であり得る。例えば、「置換基」はアルキル基、例えば、メチル基である。
【0076】
ここで使用する用語「香料組成物」は、所望の匂いを製品に付与するための、適当な溶媒に溶解されたまたは粉末状基材と混合された、例えば、所望により補助的物質を含む、方法1以降および方法2以降のポリエーテル化合物を含む香料成分の混合物を意味する。
【0077】
コポリマー1以降、方法1以降および方法2以降のポリエーテル化合物を、例えば、香水、石鹸、防虫剤および殺虫剤、洗剤、家庭用洗浄剤、消臭スプレー剤、ルームスプレー、ポマンダー、ロウソク、化粧品、化粧水、プレおよび/またはアフターシェーブローション、タルカムパウダー、ヘアケア製品、ボディデオドラント、制汗剤、シャンプー、コロン、シャワージェル、ヘアスプレーおよびペットリターと共に使用し得る。
【0078】
香料組成物の製造に本発明の化合物と組み合わせて使用し得る香料および成分および香料成分混合物は、抽出物、動物製品およびエッセンシャルオイル、アブソリュート、レジノイド、樹脂およびコンクリートを含む天然産物ならびに、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、エステル、アセタール、フェノール、エーテル、ラクトン、フランケタール、ニトリル、酸ならびに飽和化合物および不飽和化合物両者および脂肪族炭素環式およびヘテロ環式化合物を含む炭化水素ならびに動物製品を含むが、これらに限定されない合成香料物質を含むが、これらに限定されない。
【0079】
ここで使用する「シトロネロールポリマー」および「プレノールポリマー」は、シトロネロールおよびプレノールおよびポリマーの全ての誘導体および環状形態を含むことを意図する。
【0080】
本明細書において、化合物の構造式は、ある場合には簡便さのために特定の異性体を示すが、本発明は、全異性体、例えば、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などを含む。さらに、式により合わされる化合物について、結晶多形が存在するかもしれないが、あらゆる結晶形態、結晶形態混合物またはその無水物もしくは水和物は本発明の範囲内に包含される。
【0081】
ここで使用する全パーセンテージは、特に断らない限り、体積による。
【0082】
ここで使用する全比率は、特に断らない限り、モル濃度による。
【実施例0083】
実施例1. シトロネロール/1,6-ヘキサンジオールコポリマーの合成
500gのシトロネロールおよび94.5gの1,6-ヘキサンジオール(0.25当量)を、50℃で徹底的に混合する。混合物を、Amberlystイオン交換樹脂を満たした6ft、1/4インチチューブに、2mL/分流速でポンプ輸送する。反応を50℃で進める。粗製生成物をチューブの端で集め、核磁気共鳴スペクトロスコピー(NMR)およびガスクロマトグラフィー(GC)を反応のモニターに使用する。反応が完了したと考えられた後、粗製生成物をヘキサンで希釈し、水相のpHが約8になるまで、飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。次いで、有機相を集め、濃縮し、何れかのモノマーを除去するために、蒸留用に調製する。未反応モノマーを、容器温度83~165℃で、0.7~2.85mBar圧力で留去する。反応物の総収率は、56.4%の粘性、無色透明、無臭流体である。
【0084】
得られた生成物は次の物理的性質を有する
密度(g/ml):0.915
屈折率(@20C):1.465
表面張力(cP@21C):598
【0085】
1H-NMRによる生成物の分析により、アルコール取り込みおよび/またはオレフィンエーテル化の程度の特徴づけが可能である。特徴的なエーテルメチレンピークは、3.5~4.0ppmの対応するアルコール性メチレンピークと比較し、CDCl3溶媒中、3.0~3.5ppm範囲にシフトする。シトロネロールモノマーおよびポリマー生成物のジメチルエーテルモチーフと関連する特徴的なメチルピークは、1.0~1.5ppm範囲に現れる。
【0086】
図1は、精製した生成物の
1H NMRスペクトルを示す。スペクトルは、存在するイソプレニル部分の高度な減少により示される、OH基により優勢にキャッピングされたコポリマー系(オレフィンプロトンおよび対応するイソプレニルメチルプロトン両者)および3.5~3.7ppmのヒドロキシ-メチレンプロトンの優勢な存在と一致する。さらに、3.2~3.4ppmのエーテル-メチレンプロトンおよびエーテルに隣接する対応するメチル基により示されるエーテル結合に関する顕著な内在性オリゴマー化があることを示す。
【0087】
理論に拘束されないが、NMRスペクトルは、下記のようなコポリマー構造に一致する。
【化28】
【0088】
この実施例で得た生成物は、艶があり、光沢がある塗膜形成要素であり、これを溶媒および皮膚軟化剤として使用できる。ポリマーの物理的および化学的性質は、皮膚軟化剤オクチルドデカノールに類似し、オクチルドデカノールの代替品として使用できることが示唆される。
【0089】
実施例2:他のシトロネロールコポリマーの合成
実施例1に記載のものに類似する合成および分析法を使用して、次のモノマーの組み合わせ由来のコポリマーを得る:(1)シトロネロールおよびリナロール;(2)シトロネロールおよびゲラニオール;(3)シトロネロールおよびネロール;(4)シトロネロールおよびd-リモネン;(5)シトロネロールおよびグリセロール;(6)シトロネロールおよびジヒドロミルセン;(7)シトロネロールおよびトリエチレングリコール;(8)シトロネロールおよび1,3-プロパンジオール;(9)シトロネロールおよび1,2-プロパンジオール;(10)シトロネロールおよびエチレングリコール。未反応モノマー種除去前の、これら生成物の大雑把な
1H NMRスペクトルを
図2~6に示す。
【0090】
図2:シトロネロールおよびトリエチレングリコールの共重合は、所望のコポリマー生成物の特徴的なピークの全てを有する粗製混合物をもたらす。新たに形成されたエーテル結合に隣接するメチル基および3~3.5ppmのエーテル-メチレンプロトンの存在を示し、所望の重合が起こったことを示す。
【0091】
図3:シトロネロールおよびグリセロールの共重合は、所望のコポリマー生成物の特徴的なピークの全てを有する粗製混合物をもたらす。新たに形成されたエーテル結合に隣接するメチル基および3~3.5ppmのエーテル-メチレンプロトンの存在を示し、所望の重合が起こったことを示す。
【0092】
図4:シトロネロールおよびリナロールの共重合は、所望のコポリマー生成物の特徴的なピークの全てを有する粗製混合物をもたらす。新たに形成されたエーテル結合に隣接するメチル基および3~3.5ppmのエーテル-メチレンプロトンの存在を示し、所望の重合が起こったことを示す。
【0093】
図5:シトロネロールおよびエチレングリコールの共重合は、所望のコポリマー生成物の特徴的なピークの全てを有する粗製混合物をもたらす。新たに形成されたエーテル結合に隣接するメチル基および3~3.5ppmのエーテル-メチレンプロトンの存在を示し、所望の重合が起こったことを示す。
【0094】
図6:シトロネロールおよびトリエチレングリコールの共重合は、所望のコポリマー生成物の特徴的なピークの全てを有する粗製混合物をもたらす。新たに形成されたエーテル結合に隣接するメチル基および3~3.5ppmのエーテル-メチレンプロトンの存在を示し、所望の重合が起こったことを示す。
【0095】
反応条件を、多数の種々のコポリマー生成物を得るために、モノマーのモル比を調節するおよび/または2つを超える異なるモノマーを取り込むために、修飾し得る。
【0096】
実施例3:化粧用皮膚製品
実施例1で得たシトロネロール/1,6-ヘキサンジオールコポリマーを使用して、下表に示す化粧皮膚製品を得る。
【表1】
【0097】
皮膚製品を次の方法を使用して製造する。
(A)150mLガラスビーカー中、実施例1のコポリマーをトリグリセリドブレンド、トリグリセリド、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびステアリン酸マグネシウムと合わせる。
(B)ビーカーをホットプレートで70~75℃(±5℃)に、連続撹拌しながら加熱する。
(C)二酸化チタンおよび酸化鉄を、所望の色を得るのに必要な比率で、乳鉢と乳棒を使用して、共に粉砕して、粉末を得る。
(D)工程(C)の色素粉末を工程(B)の混合物に加え、均一になるまで撹拌する。
(E)撹拌混合物を約30~40℃に冷却し、次いで、ビタミンおよび香料を加えて、その後穏やかに混合する。
(F)混合物を、15ml球形ガラス容器に注加し、冷やすために約4℃の冷蔵庫に保存する。
得られた製品はり、pHが5.0~5.5の均一な、濃い桃色の半固体である。これを、艶と、光沢の効果を備えて、滑らかに肌に適用できる。肌の過乾燥をもたらさない。
【0098】
この製品は安全であり、口紅およびチークの着色剤として有効であることが判明する。