(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059671
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】フィルム状機能材料及びそれの製造方法
(51)【国際特許分類】
D06M 11/83 20060101AFI20240423BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20240423BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20240423BHJP
H01M 4/58 20100101ALI20240423BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20240423BHJP
H01G 9/048 20060101ALI20240423BHJP
H01G 11/66 20130101ALI20240423BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20240423BHJP
D03D 15/275 20210101ALI20240423BHJP
D03D 15/267 20210101ALI20240423BHJP
【FI】
D06M11/83
H01M4/13
H01M4/66 A
H01M4/58
H01M4/62 Z
H01G9/048 G
H01G11/66
D03D1/00 Z
D03D15/275
D03D15/267
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024016865
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2020558678の分割
【原出願日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】102018000272.2
(32)【優先日】2018-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520260441
【氏名又は名称】エルフォリオン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ダンツィガー・マンフレート
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気的エネルギー貯蔵装置に利用される電極として使用するためのフィルム状機能材料、及びこのフィルム状機能材料の製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム状機能材料1において、キャリア全体積を含みそして≦100μmの横断的寸法7を有するキャリア媒体2がその中に配置されており、そして線形キャリア要素3a及び結節形キャリア要素3bからストリップ形状の広がりを構成し、前記線形キャリア要素及び結節形キャリア要素は、キャリア媒体の原材料成分を形成し、そしてキャリア全体積中に行き渡っており、及び前記ストリップ形状の広がりは、その中に存在する互いに接続する部分体積5を有している。前記キャリア要素3は、第一の機能性原材料によりその周りが被覆されるようにコーティングされており、及び前記部分体積によって構成された、キャリア全体積のうちの残りの体積は、少なくとも一つの第二の機能性原材料によって充填されている。
【選択図】
図2D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの所定の機能を満たし、それ故、物理的、化学的、物理化学的及び生物学的用途に使用可能なフィルム状機能材料(1)において、
少なくとも一つの構造原材料から形成されており、キャリア全体積を含みそして≦100μmの横断的寸法(7)を有するフィルム状キャリア媒体(2)がその中に配置されており、
前記フィルム状キャリア媒体(2)は、マトリックスとして見なすことができ、そして線形に形成されたキャリア要素(3a)及び結節形に形成されたキャリア要素(3b)からストリップ形状の広がりを構成し、
前記の線形に形成されたキャリア要素(3a)及び結節形に形成されたキャリア要素(3b)は、キャリア媒体(2)の原材料成分を形成しそしてキャリア全体積中に行き渡っており、及び
前記のストリップ形状の広がりは、その中に存在する互いに接続するキャリア全体積のうちの部分体積(5)を有しており、前記部分体積(5)は、付近に存在するキャリア要素(3)によって画定されている、
フィルム状機能材料(1)であって、
前記の線形に形成されたキャリア要素(3a)及び結節形に形成されたキャリア要素(3b)は、第一の機能を満たす第一の機能性原材料(4)によりその周りが被覆されるようにコーティングされており、及び
前記の互いに接続する部分体積(5)によって構成された、キャリア全体積のうちの残りの体積は、前記第一の機能とは異なる第二の機能を満たす少なくとも一つの第二の機能性原材料(6)によって充填されている、前記フィルム状機能材料(1)。
【請求項2】
少なくとも一つの第二の機能性原材料(6)が、キャリア媒体(2)の上面及び/または下面を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム状機能材料(1)。
【請求項3】
キャリア媒体(2)の線形に形成されたキャリア要素(3a)が、織物を構成する、織り合わされた互いに垂直に走行する縦糸及び横糸であることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルム状機能材料(1)。
【請求項4】
第一の機能性原材料(4)が金属であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載のフィルム状機能材料(1)。
【請求項5】
キャリア媒体(2)が、ガラス繊維布ストリップまたは炭素繊維布ストリップまたはミネラルウール繊維布ストリップまたはポリマー繊維布ストリップまたは金網ストリップであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載のフィルム状機能材料(1)。
【請求項6】
少なくとも一つの第二の機能性原材料(6)が、リチウム/酸化ニッケル、リチウム/酸化マンガン、リチウム/酸化コバルト及びリチウム/リン酸鉄の群からの物質混合物のうちの一つ、場合によっては及び更なる添加剤、好ましくはカーボンブラックを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載のフィルム状機能材料(1)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載のフィルム状機能材料(1)の製造方法であって、次のステップ:
・第一の機能を満たす第一の機能性原材料(4)をキャリア要素(3)上に施与することによって、キャリア媒体(2)のキャリア要素(3)の周りを被覆するステップ、及び
・互い接続された部分体積(5)によって形成された、キャリア全体積のうちの残りの体積を、第一の機能とは異なる第二の機能を満たす少なくとも一つの第二の機能性原材料(6)によって充填するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項8】
キャリア要素(3)の被覆を、キャリア要素(3)の金属被覆によって行うことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
キャリア媒体(2)が布ストリップであることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
キャリア媒体(2)が、ガラス繊維布ストリップまたは炭素繊維布ストリップまたはミネラルウール繊維布ストリップまたは金網ストリップであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
キャリア要素(3)の金属被覆が、真空コーティング装置中での金属の物理気相堆積によって、または溶射によって、または溶融金属浴中でのキャリア媒体(2)の溶融めっきによって行われることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
キャリア要素(3)の金属被覆が、二段階法において化学的金属コーティングによって行われ、ここでキャリア要素(3)の金属被覆が次のステップ:
・シーディングプロセス、及び
・金属コーティングプロセス、
を含むか、
またはキャリア要素(3)の金属被覆が三段階法で行われ、ここでキャリア要素(3)の金属被覆が次のステップ:
・シーディングプロセス、
・金属コーティングプロセス、及び
・金属層強化プロセス、
を含むことを特徴とする、請求項8~10のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの所定の機能を満たし、従って、標的とされる特異的な物理的、化学的、物理化学的、生物学的または他の技術的なもしくは科学的な目的に使用可能な、フィルム状機能材料に関する。
【0002】
本発明の意味におけるフィルム状機能材料は常に複合材料、すなわち三つまたはそれ以上の接続された原材料からなる材料であり、この際、これらの原材料のうちの少なくとも一つは構造原材料であり、そしてこれらの原材料のうちの少なくとも二つは機能性原材料である。この際、これらの機能性原材料は、特に、標的とされる特異的な物理的、化学的、物理化学的、生物学的または他の技術的もしくは科学的用途に重大でかつ特徴的な機能を満たすために役立つものである。フィルム状機能材料は、その全体では、それらを構成する原材料とは異なる特性を有する。それ故、これは、標的とされた機能の実現のために使用でき、詳しくは、その個々の原材料とは異なる方法で使用できる。
【0003】
この際、機能性原材料は、原材料科学の意味では原材料のサブグループである。原材料のうちでは、一般的に、構造原材料と機能性原材料とは区別され、この際、機能性原材料は、構造原材料とは異なり、主にそれらの機械的耐性及びそれから生じる機械的安定性によって特徴付けされるのではなく、特に、部材の特性を変化させるために的確に影響を及ぼし得る、電気的、機械的、磁気的、音響的、光学的または生物学的-化学的特性によって特徴付けられる。機能性原材料では、部材の構造設計ではなく、機能性原材料の特性、使用目的及び応用目的に焦点が当てられるが、機能性原材料も機械的耐性も有することができる。
【0004】
本発明は、特に、電気的エネルギー貯蔵装置に利用される電極として使用するためのフィルム状機能材料、及びこのフィルム状機能材料の製造方法に関する。それにもかかわらず、本発明に基づき、電気的エネルギー貯蔵装置中で電極以外の機能のために使用できる機能材料も実現できる。
【0005】
本発明の説明のためには、フィルム状材料という用語が使用される。フィルム状材料は、通常、フィルムと一致する多くの特性を有する。更に、それらはまた、フィルムと比較して幾つかの顕著な差異も有する。
【背景技術】
【0006】
既知のように、フィルムは、シート形態またはウェブ形態の薄い材料であり、多くの場合にプラスチックまたは金属からなるが、他の原材料からもなり、非常に厚さが薄くそして大きな面積を有する。典型的なフィルム厚は0.4ミリメータ未満の範囲である。フィルムは、一般的には連続ウェブで製造され、ロールにされ、そして後に、しばしば各々の用途に適した断片に切断される。フィルムは、大面積を特色とするものの、これは、x及びyがフィルムの面の寸法をそしてzがフィルムの厚さを特徴付ける場合に、Δx及びΔy>>Δz(Δxはフィルムの長さ、Δyは幅、そしてΔzは厚さを示す)であることを特徴とする三次元の固体物質である。更に別の特徴の一つは、素材としての成分、すなわちフィルムを構成する原材料が、例外なくこの三次元固体物質を巨視的に満たすこと、すなわちこの固形物質内のいかなる箇所でも、他の原材料も、巨視的にフリーの空間も存在しない点にある。フィルムを構成する原材料だけが、当該フィルム固体物質が及ぶ三次元空間を満たす。事実上フィルムのように見え、フィルムのように挙動しそしてフィルムのように使用できるが、上記の特徴を兼ね備えない他の材料は全て、フィルム状材料である。残念ながら、これらの材料も同様にフィルムと称されるケースも多く認められるが、これは厳密に言えば正確ではない。
【0007】
フィルム状材料は、まさにフィルムと同じように、二つの次元に大きな寸法を有しそして第三の次元には比較的小さな寸法を持つシート形態またはウェブ形態の薄い材料である。フィルム状材料も、一般的に、連続ウェブとして製造され、ロールとされ、そして多くの場合に後で適した断片に切断される。フィルムとの相違点は、同様にx、y及びzによって特徴付けられるフィルム状材料の物体であって、ここでx及びyは物体の面の寸法を、そしてzはフィルム状材料の横断的寸法の方向を特徴付けるものであり、前記横断的寸法は、物体の一方の側から物体の反対側への測定できる距離を表し、そしてΔxはフィルム状材料の長さ、Δyは幅、そしてΔzは横断的寸法を示すフィルム状材料の物体が、その寸法内で確かに連続しているが、原材料を空間を満たすようには連続していない、すなわちフィルム状材料を構成する原材料が、この物体が広がる三次元空間を、巨視的に完全には満たしていない点にある。応じて、不連続のまたは互いに繋がった部分体積(フリーの体積とも称される)がこの物体中に行き渡っている。独立部分体積とも称される不連続な部分体積は、或る一定の境界内のフリーの空間である、中空空間または中空体積または空洞である。これらの境界は、フィルム状材料を構成する原材料、境界層または構造によって形成される。
【0008】
フィルム状機能材料は、互いに繋がった原材料の組成物である。フィルム状機能材料では、一つの原材料によってまたはキャリア媒体として形成された構造原材料によって取り囲まれたまたは画定された部分体積には、一つまたは複数の他の原材料が行き渡っているか、またはそれどころか、前記部分体積は、部分体積を画定する一つまたは複数の他の原材料、すなわち例えばキャリア媒体によって完全に満たされている。
【0009】
この理由から、フィルム状機能材料の多様さは相応して大きい。
【0010】
キャリア媒体として形成された構造原材料の例としては、ポリテトラフルロエチレンの特別に加工された形態の一つである、ePTFEとも称される発泡ポリテトラフルオロエチレンを挙げることができる。これはフィルム状材料として形成することができる。加工プロセスの間は、多方向性ePTFEと言う。この製造プロセスによって生じた材料中にはPTFE分子繊維が行き渡っており、そして70パーセントまでが開口した充填可能な部分体積を有する多孔性構造を特徴とする。
【0011】
平坦な形状のテキスタイル形成物、例えば織物、経編物、緯編物、組物、不織布及びフェルトの形の原材料も、フィルム状材料のためのキャリア媒体として機能し得る。全てのテキスタイル製品の主成分は、テキスタイル繊維、すなわち、テキスタイル製造プロセスで加工できる、特に紡糸可能な繊維である。これは、それらの加工性の必要条件として十分な長さ並びに曲げ性及び柔軟性を持つ、線形形状の形成物、すなわち直径に対する長さの比率が1よりも本質的に大きい形成物である。繊維は、その形状により、限られた長さを有する繊維を意味する短繊維、及び連続繊維を意味するフィラメントに区別できる。
【0012】
テキスタイル形成物の特別な形態の一つは、金属ワイヤから構成されるものである。金属ワイヤからなるテキスタイル織物は、金属布またはワイヤ布と称される。金属布は、同様に織機で製造される。
【0013】
電気エネルギー貯蔵装置に使用するためには、電極フィルムは、正極もしくは負極としてまたはアノードフィルムもしくはカソードフィルムとして使用され、これらは、能動的及び非能動的機能を満たす。電極フィルムの場合は、電荷キャリア蓄積は、それの全ての面において能動的機能である。これとは対照的に、非能動的機能は、電荷キャリアの供給及び放出のための電気伝導機能、すなわち、能動的機能を満たす機能性原材料のための接続機能である。既知の電極フィルムの場合は、その機能性原材料は、しばしば、電極フィルムの機械的安定性にも役立つか、または電極フィルムの機械的安定性に本質的に寄与する。
【0014】
電気エネルギー貯蔵装置は、例えば、化学的エネルギーから電気的エネルギーへの自発的な変換に基づいており、それ故、いわゆるガルベニ電池であるか、またはそれらは、化学物質中への電気エネルギーの貯蔵に基づいており、この際、反応パートナーは、例えばレドックスフローバッテリーでは、溶媒中に溶解された形態で存在する。代替的に、電気エネルギー貯蔵装置は、エネルギーが電場中に静的に貯蔵されるという原理に基づくことができる。この原理は、特にコンデンサ、例えば電解コンデンサ、スーパーコンデンサ、例えば二重層コンデンサ、疑似コンデンサまたはハイブリッドコンデンサに使用される。小さな構成体積でエネルギー貯蔵装置のできるだけ高い容量を達成するためには、電極フィルムの厚さはできるだけ薄いのがよい。この際、電極フィルムの機械的安定性を保証するためには、キャリアフィルムまたはテキスタイル立体的平坦形成物の形態の構造原材料が使用される。
【0015】
電極フィルムでは、しばしば、金属フィルムの形態の金属が原材料として使用される。大概の場合は、金属フィルムは、更なる金属被膜または更なる金属コーティングは必要としない、なぜならば、機械的安定性の他、電荷キャリアの搬入及び搬出のための電気伝導機能も金属フィルム自体によって保証され得るからである。これに関連して、安定性という用語は、例えば機械的及び熱的応力、曲げ、伸張、ねじれ、折り曲げ、形状変化などの、材料への機械的及び熱的影響に対する原材料の強度を包含する。
【0016】
この際、金属フィルムのz方向の寸法、すなわち金属フィルム厚は、必要な機械的安定性を満たすことができそして金属フィルムの二次加工性が保証されるという条件に依存する。このような金属フィルムは、必要な機械的安定性を確実にするためには、好きなように薄く作ることはできない。これとは逆に、電気伝導機能を確実にするためには、かなりより薄い金属フィルムでも十分であろう。
【0017】
フィルムの機械的安定性は、電極フィルムの製造プロセスを一般に可能にしなければならない。更に、電極フィルムは、構成アセンブリの全フィルム部品の機能性を保証しなければならない。そのためには、施与される層及び部材との十分に良好な接着が必要である。
【0018】
片面または両面が金属被覆された、フィルムとして形成された誘電性原材料、例えばポリマーフィルムを備えた電極フィルムも既知である。この際、金属被覆は、電荷キャリアの搬入及び搬出が保証されるように形成及び寸法決定する必要がある。これには、自発的に生じる電流密度にも足りる十分な電気伝導性が挙げられる。これらの金属層の厚さは、通常は、1または2マイクロメータ超であり、そして金属コーティングは、化学的に、電気化学的にまたは真空技術によって行われるので、複合体の製造は、純粋な金属フィルムの作成と比べて相応してコスト集約的となる。更に、互いに独立した二つの金属層の間に誘電体が存在することは、両面金属被覆の際に不利である。これらの金属層を互いに接合するためには、すなわち、それらを短絡させるためには、追加的なプロセスステップが必要とされる。
【0019】
電解コンデンサを製造するためには、例えばできるだけ薄い電気伝導性アルミニウムフィルムが使用される。100μm未満のフィルム厚を有する高純度アルミニウムからなる電気伝導性フィルムは、機械的安定性が不十分であるために、従来の、すなわち技術水準に相当する加工プロセスでは、例えば電解コンデンサのためのアノードフィルムの製造のための加工プロセスでは、加工が困難である場合がある。
【0020】
リチウムイオンバッテリーでは、電極の機械的安定性も保証しなければならない正の集電体のためのアルミニウムからなる慣用のフィルムの厚さは、25μmと15μmとの間である。ここでは、約10μmのフィルム厚を有するフィルムを使用すことが目的とされる。電極の機械的安定性も保証しなければならない、銅からなるこれらの負の集電体のためのこれらのバッテリーの慣用のフィルムの厚さは、15μmと10μmとの間である。目的は、約6μmのフィルム厚を有するフィルムを使用することである。この際、大きな問題の一つは、特に電極フィルムの製造プロセスの間の、フィルムの不十分な機械的安定性である。この理由から、フィルムの薄膜化には限界がある。
【0021】
DE102010011413A1(特許文献1)には、金属材料、特にアルミニウムを含みかつ15~45μmの厚さを有するキャリアを備えたカソード電極が開示されている。EP1455404A2(特許文献2)には、金属ワイヤから構成された多孔性キャリア構造を有する電極ユニットが記載されている。
【0022】
金属フィルムの機械的安定性を向上するために、DE102012000508A1(特許文献3)からは、いわゆるGLARE部材の製造方法が知られており、この方法では、アルミニウムからなるシートとプレプレグシートとを交互に積層し、その後、接着またはプレスする。この際、層状化は、それぞれ外側にアルミニウムシートが配置されるように行われる。プレプレグシートとは、ガラス繊維強化したエポキシド樹脂からなる予備硬化したシートのことと理解される。しかし、電気的に良好な伝導性を示すフィルムを必要とする用途のためには、この方法に従い製造される機械的に安定化された金属フィルムは適していない。
【0023】
金属でコーティングされた織物は、衣服での使用のためにも利用される。この際に重要なことは、特に、織物の呼吸活性の特性を得ることである。DE10196402T1(特許文献4)には、金を積層した織物及びそれの製造方法が記載されている。金属コートキャリア要素の間の開口のために、呼吸活性が保証される。
【0024】
DE102013108808B4(特許文献5)からは、炭素-金属複合材料の製造方法、及び半導体素子装置の製造方法が知られている。この際、ストリップ状キャリア要素を備えた炭素繊維織物は金属でコーティングされており、そのため次いで、半導体部品の放熱のために使用できる。半導体部品に固定するためには、金属がコーティングされた炭素原子織物の隙間に軟ろうが導入され、これが、コーティングされた炭素繊維織物を構造的に半導体部品と接合させる。それ故、炭素繊維織物上に施与された第一の金属層は、先ず、部品の放熱に役立ち、そして続いて導入される軟ろうは、主に、冷却するべき部品への構造的な固定の機能を満たす。この際、ストリップ状のキャリア要素は、効果的な放熱を保証するために、全体積の大部分を占める。これに対して、軟ろうは、全体積の僅かな割しか占めないが、これは、半導体部品への冷却体の固定のために十分である。その結果、炭素繊維織物の体積が、冷却体の全体積の大部分を構成するという事実をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】DE102010011413A1
【特許文献2】EP1455404A2
【特許文献3】DE102012000508A1
【特許文献4】DE10196402T1
【特許文献5】DE102013108808B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の課題は、支持基体という意味での構造原材料から形成されたキャリア媒体と、前記キャリア媒体と結合された少なくとも二つの機能性原材料を含む、フィルム状機能材料を提供することにある。この際、構造原材料から形成されたキャリア媒体は、フィルム状機能材料の使用のために十分な機械的安定性を持ちつつ、全フィルム状機能材料の体積に対して僅かな体積しか占めないべきである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前記課題は、独立形式請求項に従う特徴を備えた物及び方法によって解消される。発展形態は、引用形式請求項に記載されている。
【0028】
特に、上記課題は、少なくとも一つの所定の機能を満たし、従って、物理的、化学的、物理化学的、生物学的または他の技術的もしくは科学的な用途に使用可能な、フィルム状機能材料によって解決される。フィルム状機能材料においては、少なくとも一つの構造原材料から形成されており、キャリア全体積を含み、かつ≦100μmの横断的寸法を有するフィルム状媒体が配置され、これは、マトリックスとして、すなわち更なる原材料が埋設される基体として見なすることができる。キャリア媒体は、線形及び結節形に構成されたキャリア要素(以下、簡略して、線形及び結節形キャリア要素と称す)からストリップ形状の広がりを構成し、前記の線形に形成されたキャリア要素及び結節形に形成されたキャリア要素は、キャリア媒体の原材料成分を形成しそしてキャリア全体積中に行き渡っており、及び前記のストリップ形状の広がりは、その中に存在する互いに接続するキャリア全体積の部分体積を有しており、前記部分体積は、付近に存在するキャリア要素によって画定されている。この際、前記の線形及び結節形キャリア要素は、第一の機能を満たす第一の機能性原材料によりその周りが被覆されるようにコーティングされており、そして互いに接続した部分体積によって形成された、キャリア全体積の残りの体積は、第一の機能とは異なる第二の機能を満たす少なくとも一つの第二の機能性原材料で満たされている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
互いに接続した部分体積によって形成された、キャリア全体積の残りの体積を一つ超の第二の機能性原材料で充填する場合、各々の第二の機能性原材料は、第一の機能とは異なる少なくとも一つの機能を満たす。
【0030】
部分体積に導入される第二のまたは更に別の機能性原材料によって、更なる機能を満たし得ることも本発明に属する事項である。更に、部分体積に導入される第二のまたは更なる機能性材料は必ずしも一つだけの機能を満たすのではなく、複数の機能を満たすこともできると常に理解されるべきである。この際、部分体積に導入される機能性原材料の少なくとも一つの能動的または非能動的機能は、キャリア要素の周りを被覆する第一の機能性原材料の能動的または非能動的機能とは異なる。
【0031】
キャリア媒体は、多数の個々のキャリア要素からなり、これらは、線形、すなわち一つの次元では大きいものの、二つの他の次元では小さくあることができ、また結節形として構成することもできる。線形キャリア要素は、本発明の意味では、線形キャリア要素が小さく形成されている二つの次元の寸法がほぼ同じであるキャリア要素である。この際、大きい次元と二つの比較的小さい次元の比率は少なくとも50:1である。この際、二つの比較的小さな次元の寸法間の比率は、1:5以上、かつ5:1以下である。それ故、線形キャリア要素は、ストップ形状のキャリア要素とは異なる。線形キャリア要素間の間隔が少なくとも部分的に大きい場合には、線形キャリア要素の前記の限界を超えることもできる。
【0032】
線形キャリア要素は、少なくとも部分的に大きな間隔を互い間に有し、その結果、線形キャリア要素の表面がある幾何学的平面に基づいたそれらの平面効果は無視できる程度であり、そのため、線形キャリア要素によって画定された部分体積が互いにほぼ完全に区切られるということは起こらない。
【0033】
ここで、大きな間隔とは、個々の線形キャリア要素間の間隔が、線形キャリア要素の二つの比較的小さな次元のうちの大きい方に対する比率で5:1超であることと理解される。この場合、二つの比較的小さな次元の比率は、前記の制限を超えることができる。
【0034】
本発明の意味では、キャリア要素は、それが全ての次元において類似の寸法を有する場合には結節状に形成されており、特に、全ての次元の寸法は、線形キャリア要素の大きな次元に対して小さい。二つ以上の線形キャリア要素が接触する場合には、キャリア媒体は、その接触点において結節状のキャリア要素を有する。
【0035】
キャリア全体積は、本発明の意味では、全てのキャリア要素、それ故、キャリア媒体全体を含む体積を表すものである。
【0036】
ボディは、本発明の意味では、一つの次元のその寸法が、二つの他の次元の寸法と比べて小さい時に、ストリップ形状の広がりを有する。
【0037】
キャリア要素は、第一の機能性原材料でその周りを覆われるようにコーティングされている。キャリア要素の接触点では、コーティングの全ての領域が互いに接続しそしてまとまった層を構成するという条件下ではあるが、周りを覆うコーティングは欠陥を有し得る。
【0038】
キャリア全体積に行き渡るキャリア要素は、部分的に、隣接するキャリア要素間に部分体積が画定されるように互いに間隔を開けて配置されている。画定された部分体積は、開口した互いに接続された自由空間として構成されている。この部分体積は、キャリア要素で充填されておらず、それ故、第一の機能性原材料により周りが覆われるようにコーティングされたキャリア要素間に、充填可能な間隙を形成する。本発明では、この部分体積、すなわち間隙は、少なくとも一種の第二の機能性原材料で充填されている。
【0039】
更に、第一の機能性原材料とは、線形及び結節形キャリア要素がそれらの周りを被覆されるようにコーティングされる機能性原材料のことと常に理解され、そして第二の機能性原材料とは、キャリア要素によって画定された開口した互いに接続したフリーの部分体積中に導入される、すなわちそれらを充填する機能性原材料のことと常に理解されるべきである。この際、第二の機能性原材料は、キャリア要素から画定された開口の互いに接続したフリーの部分体積を、確かに完全に、しかし密にではなく充填する。これは、第二の機能性原材料の内部には、開口でかつ相互に接続していることができる比較的小さな体積、例えば孔の形態の体積だけでなく、追加的に他の第二の機能性原材料も存在し得ることを意味する。
【0040】
本発明のコンセプトでは、キャリア要素は第一の機能性原材料で周りを被覆され、この第一の機能性原材料は、少なくとも一つの能動的または非能動的機能を満たす。この際、コーティングされたフィルム状キャリア媒体のマトリックス形態は維持される。これは、キャリア媒体中の存在する空間の大きな部分、すなわちフリーの互いに接続した部分体積も維持されるが、キャリア要素の周りを覆う第一の機能性原材料の体積の分だけ低減することを意味する。特に、キャリア媒体の内部では、フリーの部分体積の全体積は、第一の機能性原材料によって周りを被覆されたキャリア要素の全体積よりも小さくない。好ましくは、フリーの部分体積の全体積と、第一の機能性原材料によって周りを被覆されたキャリア要素の全体積との比率は、少なくとも2:1または少なくとも5:1、特に好ましくは少なくとも10:1である。
【0041】
有利な設計の一つでは、線形キャリア要素が並行に配置されている場合において、比較的小さい寸法の次元の線形キャリア要素の寸法と、キャリア媒体中での線形キャリア要素の間隔との比率は、少なくとも1:1である。この比率は、好ましくは少なくとも1:2または少なくとも1:3または少なくとも1:5である。
【0042】
フィルム状機能材料の存在する部分体積中には、能動的機能だけでなく、非能動的機能も満たす一つ以上の第二の機能性原材料を導入することができ、そしてフィルム状機能材料の上面及び下面は、第二の機能性原材料と強く付着した状態でコーティングされていることができる。この際、少なくとも一つの第二の機能性原材料は、少なくとも一つの能動的または非能動的機能を満たし、これは、第一の機能性原材料が満たす能動的または非能動的機能とは異なる。
【0043】
電気エネルギー貯蔵装置のための電極としてフィルム状機能材料を使用する場合には特に、第二の機能性原材料または複数の第二の機能性原材料の内部には、開口の孔形状の互いに接続された空間が存在する。
【0044】
すなわち、フィルム状機能材料は、その構成分または原材料が、機能材料の使用にとって特徴的な本来の特異的な機能の他に、意図される用途、例えば電気エネルギーの貯蔵、または触媒作用プロセス、または燃料として役立つことを可能にするために、一つ以上の更なる機能を果たす複合材料である。この理由から、機能性原材料によって能動的及び非能動的機能が満たされることが大概の場合に必要である。
【0045】
ここで、能動的機能とは、機能性原材料が、フィルム状機能材料の目的にまたは使用のための条件に対応する機能、すなわちフィルム状機能材料の使用にとって特徴的な機能を満たすことと理解される。
【0046】
非能動的機能とは、機能材料が、フィルム状材料の目的にまたは使用のための条件に対して能動的な機能を可能とするために必要な機能を満たすことと理解される。この理由から、能動的機能も非能動的機能も非常に重要である。この際、機能性原材料は、能動的または非能動的あることができる一つ以上の機能を満たすことができる。
【0047】
これに関連して、キャリア媒体、またはキャリア媒体を形成する構造原材料は、非能動的機能、すなわちフィルム状機能材料の機械的安定性も満たす。
【0048】
少なくとも一つの第二の機能性原材料が、フィルム状機能材料の上面及び/または下面を強く付着した状態で覆うことが、フィルム状機能材料の用途にとって有利であり得る。
【0049】
キャリア媒体の線形キャリア要素が互いに垂直に走る縦糸及び横糸が互いに織り合わされている織物を形成しているフィルム状機能材料の構成が有利である。縦糸及び横糸は、好ましい態様では複数のフィラメントからなる。代替的に、縦糸及び横糸はモノフィラメントして構成されていることができる。
【0050】
フィルム状機能材料の構成の時には、第一の機能性原材料、すなわちキャリア要素の周りを覆ってコーティングする機能性原材料は金属である。
【0051】
フィルム状機能材料の好ましい形態の一つでは、キャリア媒体は、ガラス繊維布ストリップ、または炭素繊維布ストリップ、またはミネラルウール繊維布ストリップ、またはポリマー繊維布ストリップ、または金網ストリップである。
【0052】
フィルム状機能材料の好ましい形態の一つでは、第二の機能性原材料は、リチウム/酸化ニッケル、リチウム/酸化マンガン、リチウム/酸化コバルト、及びリチウム/リン酸鉄の群からの物質混合物のうちの一つ、場合によっては並びに更に別の添加剤、好ましくはカーボンブラックを含む。
【0053】
上記課題は、フィルム状機能材料を製造するための方法によっても解決される。この方法は次のステップ
・第一の機能を満たす第一の機能性原材料をキャリア要素上に施与することによって、キャリア媒体のキャリア要素の周りを被覆するステップ、及び
・互い接続された部分体積によって形成された、キャリア全体積のうちの残りの体積を、第一の機能とは異なる第二の機能を満たす少なくとも一つの第二の機能性原材料によって充填するステップ、
を含む。
【0054】
この際、キャリア要素の被覆は、キャリア要素の金属被覆によって行うことができる。
【0055】
好ましくは、キャリア媒体のキャリア要素の金属被覆は、真空コーティング装置中での金属の物理的気相堆積によって行われる。この際、真空コーティング装置中での金属の物理的気相堆積は、好ましくは、熱蒸着によって、または電子ビーム物理蒸着によって、またはパルスレーザー蒸着によって、またはアーク蒸着によって、またはスパッタリングによって、またはイオンビームアシスト蒸着によって行われる。
【0056】
熱蒸着は、本発明の意味では、材料が、熱エネルギーの入力によって蒸発または霧化し、そしてその結果としてキャリア媒体のキャリア要素に堆積するプロセスである。キャリア要素ができるだけ完全に、すなわち全ての面がその周りを第一の材料で覆われるようにするために、熱蒸着プロセスの間に複数の異なる、すなわち二つ超の蒸着角度を使用することが有利である。
【0057】
ここで言及される他の堆積方法はいずれも適切に進行し、ここで、これらは、本質的に、第一の材料中へのエネルギーの入力の方法によって異なる。
【0058】
該方法の有利な態様の一つでは、第一の機能性原材料でのキャリア要素の被覆は、溶射によって行われる。この溶射は、好ましくは、溶線式フレーム溶射によって、または粉末式フレーム溶射によって、または高速フレーム溶射によって、または高速溶線式フレーム溶射によって、またはアーク溶線式フレーム溶射によって、またはプラズマ溶射によって、またはコールドガススプレーによって、または溶湯式溶射によって行われる。
【0059】
溶射を使用する場合でも、キャリア媒体のキャリア要素は、全面的に、複数の異なる、すなわち二つ超の溶射角の下に、第一の材料でその周りが完全に被覆される。
【0060】
複数の異なる、すなわち二つ超の蒸着角度または溶射角度下での熱蒸着または溶射の代わりに、第一の機能性原材料でキャリア要素の周りを被覆するための熱蒸着または溶射は、引き続く熱処理と組み合わせて、一つまたは二つの、好ましくは180°ずれた蒸着または溶射角度下に熱蒸着または溶射によって行うことができる。この熱処理では、熱蒸着または溶射によってキャリア媒体のキャリア要素に施与された第一の機能性原材料に、施与された第一の機能性原材料の変形能が、流動し始めかつキャリア要素の周りを被覆するまで増加するように、規定の短時間内にまたは規定の時間間隔で熱を供給する。この際、熱の入力は、第一の機能性原材料がキャリア要素の周りを被覆するが、それから滴下しないような時間間隔で行う必要がある。この方法は、キャリア要素上に施与される第一の材料の横断的寸法が10μmまでとなるように使用できる。
【0061】
好ましくは、熱入力は、1ms~100sの範囲のパルス期間を用いてパルス式に行われ、この際、熱源の温度は、施与される第一の機能性原材料の溶融温度よりも500Kまで高い。それ故、熱入力の作用は、衝撃加熱と見なすことができる。
【0062】
第一の機能性原材料が電気伝導性原材料であり、そしてキャリア要素に施与された機能性原材料層の厚さが1マイクロメータよりも薄い場合には、熱入力はマイクロ波を用いて行うことができる。この際、キャリア要素に施与された電気伝導性の第一の機能性原材料をマイクロ波照射に曝し、この際、このマイクロ波エネルギーは、生じる加熱が、第一の機能性原材料の変形能が、既に述べたように、第一の機能性原材料によるキャリア要素の被覆が行われるように変化するように、決定される。
【0063】
施与された第一の機能性原材料の約1μm厚の層までは、2.45GHzマグネトロンを用いた照射の場合は、放射電力は、0.1~150sの暴露時間で1Ws/cm2~10000Ws/cm2の間の範囲であると言うことができる。熱入力を最適化するために、マイクロ波照射電力は、パルス系列を用いて供給することもできる。この際、パルス幅は、0.01s~数秒の範囲である。
【0064】
第一の機能性原材料が金属の場合には、キャリア媒体のキャリア要素の金属被覆は、二段階の方法において化学的金属コーティングによって行うことができ、ここで、キャリア媒体のキャリア要素の金属被覆は次のステップを含む:
・シーディングプロセス、及び
・金属コーティングプロセス。
【0065】
代替的に、キャリア媒体のキャリア要素の金属被覆は、三段階方法において電気化学的金属層強化によって行うことができ、この場合、キャリア媒体のキャリア要素の金属被覆は次のステップを含む:
・シーディングプロセス、
・金属被覆プロセス、及び
・金属層強化プロセス。
【0066】
更に別の可能な態様の一つでは、キャリア媒体のキャリア要素の金属被覆は、溶融金属浴中でのキャリア媒体の溶融めっきによって行われる。
【0067】
本発明によるフィルム状機能材料の好ましい用途は、電気的エネルギー貯蔵装置における用途のための電極フィルムの形成にある。本来は、電極フィルムという用語はこの関係ではこのように使用してはならない、というのも、本発明の文脈ではこれはフィルム状電極材料であるためである。しかし、電極フィルムという用語は、プラクチスではフィルムについてだけではなく、フィルム状材料にも通例であるため、ここでも使用するべきであるが、本発明による用途は具体的にはフィルム状電極材料であることが常に条件である。
【0068】
電極フィルムは、概念的には、マトリックスとして見なすことができるキャリア媒体であって、それのキャリア要素が第一の電気伝導性機能性原材料、好ましくは金属、例えばアルミニウム、銅、銀、金、真鍮もしくは他の金属または金属合金でその周りが被覆されるようにコーティングされているキャリア媒体を有するフィルム状機能材料からなる。特殊なケースでは、他の電気伝導性機能性原材料、例えば伝導性ポリマーを、キャリア要素の周りを被覆する電気伝導性層の形成のために使用することもできる。キャリア媒体がキャリア要素の周りを被覆ようにコーティングするこの電気伝導性機能性原材料層は、電荷キャリア輸送の機能、すなわち電極フィルム中へのまたはそれからの電荷キャリアの輸送の機能を有し、これは、非能動的であるが、電極フィルムにとってなおも重要な機能である。キャリア媒体の実質的に全てのキャリア要素が互いに接続するために、x-、y-及びz-方向への電荷キャリアの流入及び流出が、それ故、電極フィルムの接点への電流フローも可能である。この際、金属被覆マトリックスとして見なすことができるこの形で金属被覆されたキャリア媒体は、≦100μmである厚さを有する。キャリア媒体としては、特に、≦100μmの横断的寸法を有するテキスタイル三次元平坦形成物が提案される。電極フィルムの形成のためには、金属被覆キャリア要素によって画定された、キャリア媒体中の存在する部分体積中に、少なくとも一つの第二の機能を満たす第二の機能性原材料を導入することが更に必要である。第二の機能性原材料が満たす第二の機能は、エネルギーまたは電荷キャリア貯蔵、すなわち電気的エネルギー貯蔵装置に使用される電極フィルムにとって特徴的な能動的機能である。また、部分体積中に導入される第二の機能性原材料が、上述した特徴的な機能以外の機能を満たすことも可能である。これは、非能動的機能、例えば電気伝導機能であることができる。第二の機能性原材料は、電極フィルムの機械的安定性にも寄与し得る。電極フィルムの上面及び下面は、強く付着した状態で第二の機能性原材料で有利にコーティングすることができる。
【0069】
本発明を用いることで、フィルム状機能材料中に含まれる残りの原材料、すなわち構造原材料及び第一の機能性原材料に対する、電気的エネルギー貯蔵装置での電極フィルムとしての使用にとって特徴的な能動的機能を満たす機能性原材料の比率が大きいフィルム状機能材料が提供される。
【0070】
三次元的な広がりを持つテキスタイル平坦要素の形に形成された構造原材料からなるキャリア媒体は、本発明の意味では、マトリックスとして見なすことができ、これは、テキスタイル原材料、特に糸(Garne、Faeden)の形のテキスタイル原材料から、またはワイヤと称される金属糸の形の金属からなる。何らかのテキスタイル技術に従い製造または加工された全ての原材料がテキスタイル原材料と称される。この場合も、糸は、個々の長いフィラメント、すなわちモノフィラメントからなる。糸のための材料としては、天然繊維の他、例えばガラス繊維、炭素繊維、ミネラルウール繊維、ポリマー繊維またはワイヤも使用することができる。ワイヤは、それ自体はモノフィラメントである。フィラメントは、本発明の意味では繊維またはワイヤも指す。この際、糸及びワイヤは、テキスタイルストリップ、特に個々の縦糸及び横糸を互いに織り合わせた布ストリップに加工することができる。それ故、このようなキャリア媒体は、例えば織物、緯編物または経編物であることができる。
【0071】
織物、緯編物または経編物の本発明による使用のためには、糸密度はできるだけ、まさにキャリア-及び安定性機能に関する技術的加工要求が依然として可能であるように小さくあるべきである。
【0072】
第一の機能性原材料によるキャリア媒体のキャリア要素の被覆は、キャリア媒体の高められた機械的安定性をもたらすことができ、これは、二次加工ステップの実行を容易にし得る。
【0073】
キャリア媒体の加工は、ロール・ツー・ロール法で有利に行うことができる。
【0074】
フィルム状機能材料は、他の用途のためにも構成することができ、この場合、これは、対応する用途に適したそれぞれの他の原材料の複合体である。これらは、二つの更に別の例のみを挙げるとすれば、例えば、触媒でのまたはマイクロ換気機構を備えた加熱可能なプラスチックマットでの使用のために構成できる。
【0075】
本発明の実施形態の更なる詳細、特徴及び利点は、関連する図面を参照した実施例の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】
図1:フィルム状機能材料の横断面の原理的な概略図。
【
図2A】
図2A:最も簡単な構造形態におけるマトリックスの概略図。
【
図2B】
図2B:
図2Aに示されるものよりも無秩序な構造形態におけるマトリックスの概略図。
【
図2C】
図2C:フィルム状機能材料のキャリア媒体としてのマトリックスの一形態としての、延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルム(ePTFE)の走査電子顕微鏡写真。
【
図2D】
図2D:フィルム状機能材料のキャリア媒体の一形態としての単層織物の概略図。
【
図2E】
図2E:フィルム状機能材料のキャリア媒体の一形態としての単層編物の概略図。
【
図2F】
図2F:フィルム状機能材料のキャリア媒体の一形態としてのテキスタイル組物の走査電子顕微鏡写真。
【
図3A】
図3A:ガラス製織物を有するフィルム状機能材料の横断面の原理的な概略図。
【
図3B】
図3B:従来技術による電極フィルムの横断面の原理的な概略図。
【
図3C】
図3C:フィルム状機能材料の横断面の比較的詳細な概略図。
【
図4A】
図4A:キャリア媒体としてのガラス製織物を有するアルミニウム電解コンデンサのアノードフィルムの断面図の概略図。
【
図4B】
図4B:従来技術による機能フィルムの代表品としてのアルミニウム電解コンデンサのアノードフィルムの断面図の走査電子顕微鏡写真。
【
図5A】
図5A:従来技術によるリチウムイオンバッテリー用の慣用の電極の断面図の走査電子顕微鏡写真。
【
図5B】
図5B:キャリア要素がアルミニウムによりその周りが被覆されるようにコーティングされたテキスタイルキャリア媒体を有するリチウムイオンバッテリー用のフィルム状電極の横断面の概略図。
【
図6】
図6:キャリア媒体としての銅メッキされたスチールワイヤ織物を有するリチウムイオンバッテリー用のフィルム状グラファイト電極の横断面の概略図。
【0077】
図1は、フィルム状機能材料1の原理的な構造を横断面で示す。フィルム状機能材料1は、マトリックスの形で形成された、構造材料からなるキャリア媒体2を有し、線形キャリア要素3a及び結節形キャリア要素3bとして形成されているそれのキャリア要素3は、第一の機能を満たす第一の機能性原材料4によってその周りが被覆されるようにコーティングされている。キャリア要素3a、3bによって部分体積5が画定され、これは、第一の機能となる異なる少なくとも一つの第二の機能を満たす第二の機能性原材料6で充填されている。フィルム状機能材料1は、用途に応じて、フィルム状電極材料1として、あるいはフィルム状アノード材料1としてもしくはアノードフィルム1として、またはフィルム状カソード材料としてもしくはカソードフィルム1とも称することができ、この際、フィルム状機能材料1の上面及び/または下面は、第二の機能性原材料6で完全に覆われている。
【0078】
図2Aには、キャリア媒体2の簡単な原理的な実施形態が概略的に示されている。線形キャリア要素3a及び結節状キャリア要素3bは、互いに垂直な面にのみ存在する。キャリア要素3a及び3bは、互いに接続されかつ全ての側面に対して開口したフリーの部分体積5を画定している。キャリア媒体2はフィルム状に形成される、すなわちそれのx及びy方向の寸法は、キャリア媒体2の横断的寸法7と称されるz方向の寸法よりもはるかに大きい。この条件は、たとえ図がこれを必ずしも明確に示していない場合でも、本発明の枠内において常に適用される。キャリア媒体2は、常に二つの異なるタイプのキャリア要素3a及び3bから構成され、これらはキャリア媒体2中に含まれる、構造原材料からなる全ての構造要素を含む。線形キャリア要素3aは、例えばテキスタイル製品中の糸、または延伸ポリマー中のポリマー糸、または線形形成物、分子繊維、紡績繊維、紡織繊維、フィラメントもしくは他の線形形成物である。結節形キャリア要素3bは、例えば、テキスタイル織物中の縦糸及び横糸の交差糸、互いに絡み合った糸、構造原材料の糸状要素の密な集合部、(例えば延伸ポリマー中の)構造原材料の要素の点状の集団、構造原材料の立体的な堆積部または類似物である。キャリア要素3は、部分体積5を開き、これは、互いに接続しており、そして側面に対して、中でもキャリア媒体2の上面及び下面に対して開口している。
図2A中のキャリア媒体2の特別なケースでは、線形キャリア要素3a及び結節状キャリア要素3bは、常に、互いに垂直な平行な面に存在する。
【0079】
この際、キャリア媒体2が三次元的な広がりを持つ時に、キャリア媒体2と称される。従って、全てのキャリア要素3が実質的に一つの面にあるが、これらがもはや二次元の面を表すのではなく、三次元の広がりを持つ場合に、既にキャリア媒体2と称される。
【0080】
図2Bには、
図2Aのキャリア媒体2と比べて、キャリア媒体2の比較的無秩序な配置の概略図が、フィルム状機能材料にとってキャリア媒体2のより典型的な形態の一つとして、示される。この概略図は、規則的な構造を有することがキャリア媒体2にとって必ずしも要求されないことを示すものである。線形キャリア要素3a及び結節状キャリア要素3bの分布は、事実、無秩序なものであることもできる。
図2Bの場合においても、キャリア要素3a及び3bは、互いに接続しておりそして全ての面に対して開口したフリーの部分体積5を開けている。
【0081】
図2Cには、キャリア媒体2としての延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルム、すなわちePTFEの走査電子顕微鏡写真(以下、簡略してREM写真と称する)が上面図として示されている。線形キャリア要素3a及び結節形キャリア要素3bは無秩序である。線形キャリア要素3aは、配向した分子繊維であり、結節形キャリア要素3bは、ポリテトラフルオロエチレン原材料成分の点状の集積部である。配向した分子繊維、すなわち線形キャリア要素3aと結節形キャリア要素3bは、部分体積5を画定している。部分体積5は互いに接続している。
【0082】
図2Dには、テキスタイル織物の形のキャリア媒体2が概略的に示されている。線形キャリア要素3aは、縦糸及び横糸と称される糸またはワイヤである。結節形キャリア要素3bは、縦糸及び横糸が交差する領域である。
図2Dに示されるテキスタイル織物として形成されたこのキャリア媒体2は、全てのキャリア要素3が実質的に一つの平面内にあり、それにもかかわらずキャリア媒体2が三次元的な広がりを持つ場合の一例である。線形キャリア要素3a、すなわち縦糸及び横糸並びにそれらの交差点である結節形キャリア要素3bとの間には、開口の部分体積5が画定される。縦糸と横糸の交差から生じる距離は、キャリア媒体2の横断的寸法7に相当する。
【0083】
図2Eには、キャリア媒体2としてのテキスタイル編物の上面図の概略図が示される。このようなフィルム状テキスタイル形成物は、編み機で網の目を形成することによって糸システムから工業的に製造でき、それらは、編物類に属する。線形キャリア要素3aは、この場合、紡織糸であり、結節形キャリア要素3bは、絡み合った糸から形成される。紡織糸から形成される線形キャリア要素3a、並びに紡織糸のそれらの絡み合い重なり合った部分である結節形キャリア要素3bの間に、開口した部分体積5が画定される。紡織糸の絡み合い重なり合った部分から生じる距離は、キャリア媒体2の横断的寸法7に相当する。
【0084】
図2Fには、キャリア媒体2としての組物の上面図のREM写真が示されている。線形キャリア要素3aは、紡織糸から形成され、結節形キャリア要素3bは、紡織糸の交差または集積から形成される。この例では、線形キャリア要素3a及び結節形キャリア要素3bの分布は統計学的である。複数の交差する紡織糸である結節形キャリア要素3b、及び紡織糸の比較的大きな割合をなす線形キャリア要素3aとの間に開口した部分体積5が画定される。
【0085】
図3Aには、テキスタイルキャリア媒体2からなるフィルム材料1の断面図が概略的に示されている。テキスタイルキャリア媒体2であるテキスタイル織物の線形キャリア要素3aであるテキスタイル縦糸及び横糸、並びにそれらの交差領域である結節形キャリア要素3bは、第一の機能を満たす第一の機能性原材料4によってその周りが被覆されている。部分体積5は、第一の機能とは異なる少なくとも一つの第二の機能を満たす機能性原材料6で満たされている。キャリア媒体2の上面及び下面は、第二の機能性原材料6で覆われている。キャリア媒体2は、ガラス製織物であり、それの原理的な構造は
図2Dに示されている。線形キャリア要素3a上にも、結節形キャリア要素3b上にも、第一の機能を満たす第一の機能性原材料4が施与されている。第一の機能性原材料4は、線形及び結節形キャリア要素3a及び3bの周りを覆っている。D
Aは、キャリア媒体2の横断的寸法7を示し、それのキャリア要素3は、第一の機能性原材料4でその周りが被覆されている。D
VfFMは、上面及び下面が第二の機能性原材料6でコーティングされているフィルム状機能材料1の厚さを表す。
【0086】
図3Bは、
図3Aに示すフィルム状機能材料1との比較として、キャリア媒体2’として金属フィルム2’または金属被覆フィルム、好ましくは金属被覆ポリマーフィルムを備えた従来技術による慣用の電極フィルムの横断面を示す。キャリア媒体2’上には、
図3Aに従うフィルム状機能材料1の部分体積5を満たし並びに上面及び下面を強く付着した状態でコーティングしているのと同じ機能性原材料6が、両面に施与されている。この際、D
TFは、キャリア媒体として機能するだけでなく、電荷搬入及び搬出の機能も満たす金属フィルム2’の厚さに相当する。D
VFは、電極フィルムの厚さに相当する。
図3Bの電極フィルムの厚さD
VFは、第二の機能性原材料6で両面がコーティングされた、
図3Aのフィルム状機能材料1の厚さD
VfFMに相当し、これはD
VfFMと示される。それ故、D
VfFM=D
VFである。
【0087】
図3Cは、
図3Aに示されるフィルム状機能材料1の詳細な概略図を横断面で示す。この際、第二の機能性原材料6は、少なくとも一つの能動的機能及び少なくとも一つの非能動的機能を満たす。第二の機能性原材料6は、内側構造として開孔8を有するが、これは、部分体積5に相当しない。
【0088】
原則的に、本発明によるフィルム状機能材料1は、フィルム状機能材料1の全体積または全質量を基準にして第二の機能性原材料6の大きな体積または質量割合を特徴とする。これは、該フィルム状機能材料1の使用にとって決定的に重要である、というのも、それによって、フィルム状機能材料1の全体積または全質量の大きな割合が、能動的機能を満たす第二の機能性原材料6によって占められるからである。
【0089】
図4Aには、アルミニウム電解コンデンサのためのアノードフィルム1、すなわち電極としての使用におけるフィルム状機能材料1が横断面で示されており、ここで、キャリア媒体2は、
図2Dに示されるようにガラス製織物である。キャリア要素3は、第一の機能性原材料4としてのアルミニウムによって周りが被覆されるようにコーティングされている。層厚は、電極のタイプに応じて、0.2μm~4μmの範囲であることができる。部分体積5中には、第二の機能性原材料6として高多孔性アルミニウムが導入されている。この高多孔性アルミニウムは、キャリア媒体2の上面及び下面にも存在している。
図4Aの右側に示される一断面の拡大図からは、高多孔性アルミニウムが、高多孔性アルミニウム本体9と、この高多孔性アルミニウム本体9の表面上に形成した酸化アルミニウム層10と、開口の孔8からなることが分かる。第二の機能性原材料6中の開口の孔8は、電気エネルギー貯蔵装置の電極としてのフィルム状機能材料1の用途では、電解質を取り込むのに役立つ。酸化アルミニウム層10は、高多孔性アルミニウム本体9の表面上に陽極酸化によって生成されたものであり、これは、アルミニウム電解コンデンサの誘電層となる。高多孔性アルミニウム本体は、非能動的機能、すなわち電荷キャリア搬入及び搬出を満たす。酸化アルミニウム層10は、電荷キャリア蓄積の能動的機能、すなわち、アルミニウム電解コンデンサのためのアノードフィルム1としてのフィルム状機能材料1の用途の特徴的な機能としての電荷キャリア蓄積を満たす。開口の孔8は、電解質で満たされている。この意味で、これらは、電解質のための容量を提供することで、非能動的の機能を満たす。部分体積5中での高多孔性アルミニウムの導入並びにキャリア媒体2の上面及び下面への施与は、好ましくは真空技術的コーティング法によって行われる。
【0090】
キャリア要素3の周りを被覆する第一の機能性原材料4としてのアルミニウムの量は、電気伝導性の要求に十分となり得る寸法を有する必要がある。一般的には、0.2μmと4μmとの間の厚さを有するアルミニウム層がこれに相当する。この要求を保証するためには、例えば、キャリア媒体2として、それぞれ1cmあたり22の縦糸及び横糸を有するガラス製織物が使用される。この織物は平坦化される。圧縮することによって、幅の寸法が180μmであり、そして糸の高さが15.5μmの縦糸及び横糸が生じる。アルミニウム層の形の第一の機能性原材料4が周りを被覆するようにこれらの糸に施与されており、これは、優れた電気伝導特性を特徴とする。それ故、キャリア媒体は、第一の機能性原材料4で、すなわちアルミニウムで金属被覆されており、この際、縦糸及び横糸の周りを被覆するようにこれらに施与されたアルミニウムの層厚は、平均して約2.5μmである。それ故、金属被覆キャリア媒体2の横断的寸法7は、36μmとなる。金属被覆キャリア媒体2の部分体積5中には、すなわちガラス製織物の目の空間中には、第二の機能性原材料6として高多孔性アルミニウムが堆積された。フィルム状機能材料1の上面及び下面には、同様に、それぞれ32μmの層厚の高多孔性アルミニウムを堆積した。アノードフィルム1の全厚は100μmである。
【0091】
第一の機能性原材料4としてのアルミニウムで金属被覆されたキャリア媒体2は、アノードフィルム1のベース面積の1平方センチメータに基づいて0.00156cm3の体積を占める。ベース面積の1平方センチメータに基づいたアノードフィルム1の全体積は0.01cm3である。それ故、キャリア媒体2及び第一の機能性原材料の体積割合は約15.6%であり、第二の機能性原材料6、すなわち高多孔性アルミニウムの体積割合は約84.4%である。
【0092】
これとは対照的に、慣用のアノードフィルム1’では、キャリア媒体2’は、アノードフィルム1’の全体積に対してかなりより大きな割合を占める。従来技術によるこのような慣用のアノードフィルム1’の可能な実施形態の一つは、
図4Bに断面図で示されている。このアノードフィルム1’は、電気化学的エッチングにより高純度のアルミニウムフィルムから製造されたものであり、内側の部分は未加工のまま残っている。この部分は、アノードフィルム1’のキャリア媒体2’である。厚さが100μmである慣用のアノードフィルム1’では、
図4BのREM写真に示されるように、電気化学的にエッチングされていないキャリア媒体2’の厚さは約28.6μmであり、そして電気化学的にエッチングされた領域の厚さは約71.4μmであり、これは一方の面あたり約35.7μmのこの領域の厚さに相当する。いわゆる成形プロセス、電気化学的または陽極酸化の後に、アノードフィルム1’が形成される。キャリア媒体2’はキャリア機能を果たし、また同時に電荷キャリアの供給及び排出も担う。電気化学的にエッチングされた領域は、実際のコンデンサ機能、すなわち電荷キャリアの蓄積を果たす。キャリア媒体2’と、実際のコンデンサ機能を果たす層との間の厚さD
TFの比率はおおよそ1:2と1/2、すなわち1:2.5であると判断できる。
【0093】
慣用のアノードフィルム1’のキャリア媒体2’は、1平方センチメータに基づいて0.00286cm3の体積を占める。これは、従来技術による慣用のアノードフィルム1’の全体積の約28.6%に相当する。コンデンサ機能を果たす慣用のアノードフィルム1’の領域は、ベース面積の1平方センチメータに基づいて0.0032cm3の体積を占める。これは、全体積の約71.4%に相当する。これに対して、本発明による解決策では、全体積の84.4%が、コンデンサ機能を果たすために、すなわち電荷キャリアの蓄積のために利用できる。
【0094】
アルミニウム電解コンデンサのためのアノードフィルム1の場合には、例えば、縦糸及び横糸の数を更に減らすか、または直径が5μmのフィラメントを有する糸の代わりに、直径が4μmのフィラメントを有する糸を使用することによって、第二の機能性原材料6のコンデンサ機能を果たすために利用できる体積の割合は、更に94%まで高めることができる。
【0095】
図5Aには、従来技術によるリチウムイオン電池のカソード1’のREM写真が横断面で示されている。ここでカソードという用語は、常に、電池の放電の意味で理解されるべきである。この電極は、いわゆるリチウム-金属酸化物電極に属する。このような慣用のカソード1’は、非能動的機能を満たす機能性原材料として、本質的に難電気伝導性の活性材料、例えばリチウムと酸化ニッケル、リチウムと酸化マンガン、リチウムと酸化コバルト、またはリチウムとリン酸鉄、並びに一連の添加剤からなる。この際、電気伝導性を生じさせるための重要な添加剤の一つはカーボンブラックである。ここでアルミニウムフィルムがキャリア媒体2’として役立つ。
【0096】
ここには示していないリチウム-イオンバッテリーのアノードはグラファイトからなり、それ故、グラファイト電極としても称される。集電体とも称されるカソードのためのキャリア媒体2’はアルミニウムフィルム2’であり、そして示していないアノードのためには銅フィルムである。
図5Aに示した用途においても、キャリア媒体2’は、厚さ30μmのアルミニウムフィルムである。このようなアルミニウムフィルムの使用は、従来技術として見なすことができる。更に、キャリア媒体2’が、厚さ15μmのアルミニウムフィルムである方策が従来技術に存在する。キャリア媒体2’としての10μm厚のアルミニウムフィルムの使用が目的とされる。カソードフィルムの全厚は約194μmである。
【0097】
図5Bには、リチウムイオン電池のカソード1としてのフィルム状機能材料1の用途が横断面で概略的に示されている。フィルム状機能材料1は、キャリア媒体2としての三次元的なテキスタイル平坦形成物を、それぞれ1cmあたり18本の縦糸及び18本の横糸を有するガラス製織物の形で有している。線形キャリア要素3aである縦糸及び横糸は、直径が約35μmのおおよそ円形の断面を有する。縦糸及び横糸が交差する領域は、結節形キャリア要素3bを構成する。キャリア要素3a及び3bには、それらの周りを被覆するように第一の機能性原材料4としてのアルミニウムが施与されている。施与されるアルミニウムの層厚は約7μmである。金属被覆されたキャリア媒体2の部分体積5、すなわち縦糸と横糸との間の目の空間5は、第二の機能性原材料6で充填される。フィルム状機能材料1の上面及び下面は、追加的に、厚さが55μmの第二の機能性原材料6でそれぞれコーティングされる。第二の機能性原材料6は、リチウム鉄ホスフェート、伝導性カーボンブラック、溶剤、バインダー及び添加剤の混合物からなる。新規のカソード1をカレンダー加工した。この際、カレンダー加工とは、フィルム状機能材料1を、複数の相次いで配置された加熱及び研磨されたロールの間の間隙に次々に通し、それによってフィルム状機能材料1、すなわちカソード1の圧密化及び強化を引き起こすことを意味する。カソード1の厚さD
VfFMは、このプロセスの後に194μmであり、それによって、従来技術からの
図5Aに示す解決策との比較が容易に可能となる。
【0098】
図5Aに示される従来技術によるカソード1’のアルミニウムフィルムの形のキャリア媒体2’は、1平方センチメータに基づいて0.003cm
3の体積を有する。これは、カソード1’の全体積の約15.5%に相当する。キャリア媒体2’の両面に施与された第二の機能性原材料6は、ベース面積の1平方センチメータに基づいて0.0164cm
3の体積を占める。これは、全体積の約84.5%に相当する。
【0099】
キャリア媒体2’として15μm厚のアルミニウムフィルムを使用する場合は、第二の機能性原材料6の体積は、約0.018cm3となる。これは、カソード1’の全体積の約92.3%に相当するであろう。キャリア媒体2’として10μm厚のアルミニウムフィルムを使用する場合は、第二の機能性原材料6の体積は、約0.0184cm3となる。これは、カソード1’の全体積の約94.85%に相当するであろう。
【0100】
フィルム状機能材料の使用下にカソード1の
図5Bに示す解決策では、キャリア要素3が第一の機能性原材料4により周りを被覆されるようにコーティングされているキャリア媒体2の体積は、カソード1の全体積の約4.7%を占める。それ故、第二の機能材料6の体積の割合は、カソード1の全体積の約95.3%である。これとは対照的に、
図5Aに示される従来技術による解決策では、これまでは技術的に実現できなかったキャリア媒体2’としての10μm厚のアルミニウムフィルムを使用した場合でも、カソード1’の全体積の第二の機能性原材料6の可能な割合は最大でもわずか94.85%である。
【0101】
図6には、フィルム状機能材料の使用下でのリチウムイオン電池のアノード1が断面図として概略的に示されている。アノード1は、それぞれ1センチメータあたり20本の縦糸及び20本の横糸を有するキャリア媒体2としてのスチールワイヤ製織物を有する。従って、縦糸及び横糸はモノフィラメントであり、そして約15μmの直径を有する。キャリア要素3(線形キャリア要素3aとしてのワイヤ及び結節形キャリア要素3bとしてのそれらの交差点)には、第一の機能性原材料4として、厚さが約4μmの密な銅層がそれらの周りを被覆するように施与されている。キャリア要素3によって画定された部分体積5は、第二の機能性原材料6で充填されている。フィルム状機能材料1の上面及び下面は、厚さが75μmの第二の機能性原材料6でそれぞれコーティングされている。第二の機能性原材料は開口の孔を持つグラファイトである。アノード1は、従来技術でも通例のようにカレンダー加工した。アノード1の厚さD
VfFMはカレンダー加工後に188μmである。
【0102】
図6に示したアノード1と比較可能な、従来技術によるリチウムイオンバッテリー用アノードは、銅フィルム上に強く付着した状態に施与したグラファイトからなる。15μm厚の銅フィルムを使用した場合には、これは、1平方センチメータに基づいて0.0015cm
3の体積を占める。これは、アノードの全体積の約8.0%に相当する。銅フィルム上に強く付着した状態に施与したグラファイト、すなわち第二の機能性原材料6は、アノードベース面積の1平方センチメータに基づいて0.0173cm
3の体積を占める。これは、アノードの全体積の約92.0%に相当する。6μm厚の銅フィルムを使用した場合には、これは、アノードベース面積の1平方センチメータに基づいて0.0006cm
3の体積を占める。これは、アノードの全体積の約3.2%に相当する。銅フィルム上に強く付着した状態に施与したグラファイト、すなわち第二の機能性原材料6は、アノードベース面積の1平方センチメータに基づいて0.0182cm
3の体積を占める。これは、アノードの全体積の約96.8%に相当する。
【0103】
これとは対照的に、
図6に示した解決策では、キャリア要素3が約4μm厚の密な銅層によりその周りを被覆するようにコーティングされているキャリア媒体2は、アノードベース面積の1平方センチメータに基づいて約0.0002cm
3の体積を占め、これは、アノードの全体積の約1.1%になる。第二の機能性原材料6、すなわちグラファイトは、アノードベース面積1平方センチメータに基づいて約0.0186cm
3の体積を占める。それ故、アノード1の全体積中の第二の機能性原材料6の割合は98.9%である。
【0104】
フィルム状機能材料の使用下での本発明によるカソード1またはアノード1の製造は、以下のように行うことができる:
キャリア媒体2としては、テキスタイル織物が使用される。キャリア要素3、すなわち線形キャリア要素3aとしての縦糸及び横糸と、結節形キャリア要素3bとしての縦糸及び横糸の交差領域は、第一の機能性原材料4としての、使用目的に相応して電気伝導性の金属、例えばアルミニウムまたは銅により強く付着した状態に周りを被覆するようにコーティングされている。層厚は1μmと4μmとの間である。本発明の関係においては、キャリア媒体2は、フィルム状機能材料1の機械的安定性に役立ち、そして第一の機能性原材料4は、電荷キャリアの送入及び送出の非能動的機能を満たす。それにもかかわらず、第一の機能性原材料4は、フィルム状機能材料1の機械的安定性の向上にも寄与し得る。第一の機能性原材料4によるキャリア要素3のコーティングは、真空技術的PVD法もしくは溶射法を用いて(この際、方法の実行に応じて、場合よっては、熱的後処理を既に記載したように行うことができる)、記載した化学的及び電気化学的方法によって、または溶融金属浴中でのキャリア媒体の溶融めっき(この場合、金属の溶融温度は、テキスタイル織物の破壊を招くであろう温度未満である必要がある)によって実現することができる。その後、第一の機能性原材料4により周りが被覆されるようにコーティングされたキャリア要素3によって画定される部分体積5を、第二の機能性原材料6で充填する。そうしてフィルム状機能材料1が生じ、これは、次いで、従来技術から既知の方法を用いてカソード1またはアノード1に更に加工される。
【0105】
カソード1またはアノード1の製造のためには、フィルム状機能材料1の上面及び下面を第二の機能性原材料6でコーティングする。第二の機能性原材料6は、例えば、従来技術から既知のコーティング組成物(スラリーと称される)である。第二の機能性原材料は、能動的機能として電荷キャリア蓄積を満たし、そして非能動的機能として、第二の機能性原材料6中の蓄積位置への電荷キャリアの搬入及び搬出を満たす。更に、これは機械的安定性化にも寄与し得る。コーティング組成物は、構成分の混合も行うことができるタンク中に入れ、そして塗布装置、すなわち塗布工具によって、フィルム状機能材料1の両面に塗布される。
【0106】
コーティングの後のプロセス、例えば乾燥は従来技術に相応して行うことができる。
【0107】
本発明によるフィルム状機能材料1のためのキャリア媒体2として適したテキスタイル織物は、必ずしも縦糸及び横糸の高い密度を特色とするべきではなく、線形キャリア要素3aとしての縦糸及び横糸並びに結節形キャリア要素3bとしてのそれらの交差点によって、十分に大きな部分体積5が開かれているべきであるが、ただし、テキスタイル織物の機械的安定性がキャリア機能のために十分に高いことが条件である。
【0108】
これは、キャリア媒体2として適したテキスタイル織物が、必ずしも、格別小さい横断的寸法7をまたは格別小さい目の幅を特色する必要はないことを意味する。
【0109】
しかし、キャリア媒体2のための縦糸及び横糸の糸を構成するフィラメントの直径をできるだけ小さくし、それによって、フィルム状機能材料1の全体積に対するキャリア媒体2の体積割合を、当然ながらテキスタイル織物の機械的安定性がキャリア機能のために十分に高いことを条件として、十分に小さく保つことは多くの場合に意味がある。
【0110】
以下には、アルミニウム電解コンデンサのためのアノードフィルムを記載する:
アノードフィルムは100μmの厚さを有する。キャリア媒体2はガラス製織物(EC5 5.5 1×0 5 5.5 1×0)である。このガラス製織物は、1cmあたり22本の縦糸及び22本の横糸の糸密度を有する。縦糸及び横糸は、それぞれ、5μmの直径を有するフィラメントからなり、この際、糸幅は160μm、糸高さは17.5μmである。縦糸及び横糸上には、第一の機能性原材料4として2.5μm厚のアルミニウム層が施与される。この金属被覆ガラス製織物は、以下の幾何学的な大きさを特徴とする。・金属被覆織物の横断的寸法7は0.004cm、すなわち40μmである。
・金属被覆ガラス製織物の目は、約0.031×0.31cmの大きさを有する。
・金属被覆ガラス製織物は、ガラス製織物ベース面積1cm2を基準にして約0.004cm3の体積である。
・フィルム状機能材料1の体積の約38.36%は金属被覆ガラス製織物によって占められ、線形及び結節形キャリア要素によって画定される開口の互いに接続した部分体積5の合計は、該フィルム状機能材料1のこの体積の61.64%である。
【0111】
部分体積5は、第二の機能性原材料6としての高多孔性アルミニウムによって充填されている。そうして、フィルム状機能材料1が生じる。アノードフィルムを形成するためには、このフィルム状機能材料1の上面及び下面も同様に高多孔性アルミニウムでコーティングされる。こうして完成したアノードフィルム1は、以下の幾何学的な大きさを特徴とする。
・フィルム状機能材料1の上面及び下面に施与された高多孔性アルミニウム、すなわち第二の機能性原材料の体積の合計は、アノードフィルムベース面積の1平方センチメータを基準にして0.006cm3である。
・電解コンデンサにとって特徴的な電荷キャリア蓄積の機能を満たす高多孔性アルミニウム、すなわち第二の機能性原材料の全体積は、アノードフィルムベース面積1平方センチメータに基づいて0.0085cm3である。
・高多孔性アルミニウムは、アノードフィルムの全体積の85%を占める。
【0112】
アルミニウム電解コンデンサのための他のアノードフィルムでは、キャリア媒体2として、直径が5μmの約102本のフィラメントからなりそして糸密度が1cmあたり15本から20本の糸である、縦糸及び横糸を有するガラス製織物が使用される。糸断面を圧縮し、そして二軸伸張して糸の屈曲を伸ばすことによって、横断的寸法7の顕著な低減が達成される。それは、25μm~35μmの間であることができ、ここで、目の大きさは、325μm~550μm×325μm~550μmの範囲内である。このアノードフィルムでは、金属被覆ガラス製織物である金属被覆キャリア媒体2によって占められるフィルム状機能材料1の体積の割合は、13.5%にまで減少することができる。
【0113】
アルミニウム電解コンデンサのための更に別のアノードフィルムでは、キャリア媒体2として、直径が4μmの約51本のフィラメントからなりそして糸密度が1cmあたり20本から25本の糸である、縦糸及び横糸を有するガラス製織物が使用される。糸断面を圧縮し、そして二軸伸張して糸の屈曲を伸ばすことによって、横断的寸法7の顕著な低減が達成される。それは、10μm~18μmの間であり、ここで、目の大きさは、300μm~425μm×300μm~425μmの範囲内である。このアノードフィルムでは、金属被覆ガラス製織物である金属被覆キャリア媒体2によって占められるフィルム状機能材料1の体積の割合は、5.5%にまで減少することができる。
【0114】
以下には、リチウムイオンバッテリーのための正極または負極を記載する:
キャリア媒体2としては、直径が5μmの約102本のフィラメントからなり、そしてその糸密度が1cmあたり12~18本の間の糸である、縦糸及び横糸を有するテキスタイル織物が使用される。キャリア媒体2の横断的寸法7は最大100μmであることができる。目の大きさは、400μm~725μm×400μm×725μmの範囲内であることができる。キャリア媒体2のキャリア要素3、すなわち線形キャリア要素3aとしての縦糸及び横糸並びに結節形キャリア要素3bとしての縦糸及び横糸の交差領域は、第一の機能性原材料4としての、使用目的である正極または負極に相応する電気伝導性の金属、すなわちアルミニウムまたは銅によってその周りが被覆されるように強く付着した状態でコーティングされる。金属被覆キャリア要素3によって占められる体積の割合は、キャリア媒体2によって画定された全体積の約6%である。
【0115】
直径が4μmの51本のフィラメントからなり、そしてほぼ円形の断面を有する糸を用いて、テキスタイル織物からなりそして糸密度が1cmあたり17~22本の間の糸のキャリア媒体2を形成でき、これは、65μmまでの横断的寸法7を有する。目の大きさは、425μm~600μm×425μm×600μmの範囲内である。この際、金属被覆キャリア要素3によって占められる体積の割合は、キャリア媒体2によって画定される全体積の約3%である。
【符号の説明】
【0116】
1 フィルム状機能材料、フィルム状アノード材料またはアノードフィルム、フィルム状カソード材料またはカソードフィルム
1’ 従来技術よる慣用の電極フィルム、従来技術によるアノードまたはカソード、従来技術によるフィルム状機能材料、従来技術による電解コンデンサのためのアノードフィルム
2 キャリア媒体
2’ 従来技術におけるキャリア媒体;従来技術における金属キャリアフィルム、金属被覆ポリマーフィルム、アルミニウムフィルム
3 キャリア要素
3a 線形キャリア要素
3b 結節形キャリア要素
4 第一の機能材料、第一の機能性原材料
5 部分体積、織物の目の空間
6 第二の機能材料;第二の機能性原材料
7 キャリア媒体2の横断的寸法
8 開口の孔
9 アルミニウム本体
10 酸化アルミニウム層
DA キャリア媒体2の横断的寸法
DVfFM コーティングされたフィルム状機能材料1の厚さ
DTF キャリアフィルム2’の厚さ
DVF 電極フィルムの厚さ
【外国語明細書】