(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059677
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ロボットの物体取り扱いシステム、デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017380
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2022000386の分割
【原出願日】2015-06-24
(31)【優先権主張番号】1411254.4
(32)【優先日】2014-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1506364.7
(32)【優先日】2015-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】スバーカー・リンボ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジョン・イングラム-テッド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大量のより小さなアイテムのために本来設計されたシステム内で、少量のより大きな製品のための解決策を一体化する方法を提供する。
【解決手段】動作のためのロボットの物体取り扱いシステムと、ロボットの荷積み取り扱いデバイス(30、50a)とを説明している。物体取り扱いシステムは、格子のような構造上で動作可能な多数のロボットの荷積み取り扱いデバイス(30、50a)を備え、構造は、積み重ねられた容器のヒブ(hive)の上に配置されている平行なトラックのセットを備える。容器は、システムによってピッキングされることになる在庫アイテムを含んでいる。単一の格子スペースサイズの複数の容器を、または、複数の格子スペースの単一の容器を運ぶことができる荷積み取り扱いデバイス(30、50a)は、格子上で動作可能であり、コンピュータ化された注文ピッキングユーティリティの制御のもと、容器を取り出して搬送する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積み重ねられたコンテナの上に格子を形成している、2つの実質的に垂直なレールのセットを具備している物体取り扱いシステムにおいて、スタックの一部分は、前記スタックの残りにおける前記コンテナよりも、より大きな断面エリアの容器を備え、前記取り扱いシステムは、前記積み重ねられたコンテナの上の格子上で動作している複数のロボットの荷積み取り扱いデバイスをさらに備え、どの時点においても、動いている1セットのホイールのみが前記格子に係合されているとき、それによって、前記レールに係合されている前記セットのホイールのみを駆動することによって、前記レールに沿った前記荷積み取り扱いデバイスの、前記格子上の任意のポイントに対する移動を可能にするように、前記荷積み取り扱いデバイスは、ホイール上に据え付けられているボディを備え、第1のセットのホイールは、前記第1のセットのレールのうちの少なくとも2つのレールに係合するように構成されており、第2のセットのホイールは、前記第2のセットのレールのうちの少なくとも2つのレールに係合するように構成されており、前記第1のセットのホイールは、前記第2のセットのホイールに関して、独立して移動可能であり駆動可能であり、前記格子上で動作可能な少なくとも1つのロボットの取り扱いデバイスは、大きなコンテナを備えている前記スタックの前記一部分内から、コンテナを持ち上げて、移動させるためのサイズとされている物体取り扱いシステム。
【請求項2】
前記荷積み取り扱いデバイスは、複数の高さのコンテナを持ち上げて搬送することができるボディを備える請求項1記載の物体取り扱いシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの荷積み取り扱いデバイスは、おおよそ1×2、2×2、2×3、または、3×3の格子スペースにわたるボディを備え、前記格子スペースは、実質的に垂直なレールのセットのスペースによって規定されている請求項1または2記載の物体取り扱いシステム。
【請求項4】
前記コンテナは、前記荷積み取り扱いデバイスによって搬送されるとき、前記荷積み取り扱いデバイスの前記ボディの空洞内に位置付けられる任意の先行する請求項記載の物体取り扱いシステム。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれか1つにおいて説明しているような物体取り扱いシステムにおける使用のためのロボット荷積み取り扱いデバイス。
【請求項6】
空洞を有するボディを具備しているロボットの荷積み取り扱いデバイスにおいて、前記ボディは、前記ボディの垂直な側面上に据え付けられている2つのホイールのセットをさらに備え、ホイールの各セットは、ホイールの他のセットに関して、独立して格納式であり駆動可能であり、前記ボディ中の前記空洞は、物体取り扱いシステムからのコンテナを受け入れるためのサイズとされており、前記物体取り扱いシステムは、コンテナの複数のスタックの上に配置されている格子を備え、前記ボディ中の前記空洞は、前記物体取り扱いシステムにおける格子スペースの整数によって規定されている断面エリアのコンテナを受け入れるためのサイズとされているロボットの荷積み取り扱いデバイス。
【請求項7】
付随する図面の
図6ないし
図13を参照して上で説明しているようなロボットの荷積み取り扱いデバイスまたは物体ピッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ロボットの物体取り扱いシステム、デバイスおよび方法に関連する。さらに特に、しかし排他的にではなく、これは、このようなシステムにおいて取り扱われ得るさまざまなアイテムに渡る、ロボットの物体取り扱いシステムおよび方法における使用のための、ロボットのデバイスの範囲に関連する。
【0002】
本願は、2015年4月15日付けで提出された英国特許出願番号GB1506364.7、および、2014年6月25日付けで提出された英国特許出願番号GB1411254.4からの優先権を主張している。これらの特許出願両方の内容が、参照によってここに組み込まれている。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの商用および工業用のアクティビティは、広大な数の異なる製品の保管および取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管および取り出しのための、1つの既知のタイプのシステムは、列で配置されているスタックにおいて、保管容器またはコンテナを重ねて配置することを伴っている。列の間の通路に対する必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定のスペースにおいて保管することができるように、保管容器またはコンテナは上からアクセスされる。
【0004】
列で積み重ねられているコンテナを取り扱う方法は、よく知られている。いくつかのこのようなシステムにおいて、例えば、米国特許第2、701、065号、Bertelにおいて説明されているように、必要とされる場合に特定のコンテナへのアクセスを依然として提供しながらも、このようなコンテナを保管することに関係付けられている保管量を低減させるために、列で配置されているコンテナの自立型のスタックを備えている。所定のコンテナへのアクセスは、所定のコンテナを積み重ねてスタックから取り外すのに使用できる比較的複雑な巻き上げるメカニズムを提供することによって可能になる。しかしながら、多くの状況において、このようなシステムのコストは非実用的であり、これらは、主に大きな出荷コンテナの保管および取り扱い用に商用化されている。
【0005】
自立型のコンテナのスタックを使用して、特定のコンテナを取り出して保管するためのメカニズムを提供することの概念はさらに、例えば、EP0767113B、Cimcorpにおいて説明されているように発展してきた。この文書は、コンテナのスタックのあたりに下げられ、スタックにおける任意のレベルでコンテナをつかむことができるように構成されている矩形チューブの形態におけるロボットの荷積みハンドラを使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り外すためのメカニズムを開示している。この方法で、いくつかのコンテナをスタックから一度に持ち上げることができる。移動可能なチューブを使用して、1つのスタックの一番上から別のスタックの一番上まで、いくつかのスタックを移動させるか、または、スタックから外部ロケーションへ、および、逆もまた同じように、コンテナを移動させることができる。単一のスタック中のコンテナのすべてが同一の製品を含んでいる(単一の製品スタックとして知られている)場合、このようなシステムは、特に有用であることがある。
【0006】
‘113において説明されているシステムにおいて、最も高いコンテナのスタックを単一の動作で抜き取ることができるように、チューブの高さは、最大のコンテナのスタックの高さと少なくとも同じくらい高くなければならない。したがって、倉庫のような閉じられたスペースにおいて使用するとき、スタックの最大の高さは、荷積みハンドラのチューブに対応する必要性によって制限される。
【0007】
EP1037828B1(Autostore)は、その内容が参照によってここに組み込まれており、コンテナのスタックがフレーム構造内で配置されているシステムを説明している。このタイプのシステムは、付随する図面の
図1ないし
図4において概略的に図示されている。ロボットの荷積み取り扱いデバイスは、スタックの最上表面上のトラックのシステムで、スタックのあちこちを制御可能に移動することができる。
【0008】
ロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態は、ノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容が、参照によってここに組み込まれている。
図3(a)および
図3(b)は、それぞれ、後方および正面からの荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図であり、
図3(c)は、容器を持ち上げる荷積み取り扱いデバイスの概略的な正面斜視図である。
【0009】
荷積み取り扱いデバイスのさらなる発展は、参照によってここに組み込まれている2014年7月24日に提出された英国特許出願番号GB1413155.1において説明されており、ここにおいて、各ロボットの荷積みハンドラは、1つの格子スペースのみをカバーしており、したがって、荷積みハンドラのより高い密度と、したがって、所定のサイズシステムのより高いスループットとを可能にしている。
【0010】
先行技術システムの1つの著しい不利益は、これらが1つの特定のフットプリントのコンテナのみしか使用できないことである。さらに、コンテナの高さは、ロボットの荷積みハンドラの設計によって制約されることが多い。これは、典型的に、コンテナの内部に収まるアイテムに対するこのようなシステムの使用を制約している。典型的なアプリケーションにおいて、これは、ビジネスにおける総量の1~10%が、異なる取り扱い方法を、典型的に手動を必要としていることを意味している。これは、システムにおいて追加される複雑性、低い生産性、および、スペースの非効率的な使用を意味している。本発明では、大量のより小さなアイテムのために本来設計されたシステム内で、少量のより大きな製品のための解決策を一体化する方法を提供することによって、これらの問題を取り扱う。
【0011】
典型的な小売または小包取り扱いの状況において、上記で説明しているシステムは、製品または小包のすべてではないが、ほとんどを取り扱うことができる。ほとんどの製品に対して、おおよそ600×400×350mm(l×w×h)の標準的なコンテナを使用することが理想的である。そのサイズのコンテナは、すべての製品の90~99%を典型的に収容し、さらに、必要性が生じるとき、手動で取り扱うのに十分な小ささであるからである。そのサイズのコンテナはまた、所定のサイズの建物において非常に広大な数のコンテナを提供するのに十分小さいので、したがって、非常に大多数の異なる製品の取り扱いを促進する。先行技術システムのいくつかのインスタンスにおいて、通常の高さのコンテナと、より低いコンテナとの混合を使用することも可能である。これの目的は、所定のサイズシステムにおけるコンテナの数を増加させることであり、これは、ある条件のもとで有利であることがある。
【0012】
発明にしたがうと、複数の積み重ねられたコンテナの上に格子を形成している、2つの実質的に垂直なレールのセットを具備している物体取り扱いシステムにおいて、スタックの一部分は、スタックの残りにおけるコンテナよりも、より大きな断面エリアの容器を備え、取り扱いシステムは、積み重ねられたコンテナの上の格子上で動作している複数のロボットの荷積み取り扱いデバイスをさらに備え、どの時点においても、動いている1セットのホイールのみが格子に係合されているとき、それによって、レールに係合されているセットのホイールのみを駆動することによって、レールに沿った荷積み取り扱いデバイスの、格子上の任意のポイントに対する移動を可能にするように、荷積み取り扱いデバイスは、ホイール上に据え付けられているボディを備え、第1のセットのホイールは、第1のセットのレールのうちの少なくとも2つのレールに係合するように構成されており、第2のセットのホイールは、第2のセットのレールのうちの少なくとも2つのレールに係合するように構成されており、第1のセットのホイールは、第2のセットのホイールに関して、独立して移動可能であり駆動可能であり、格子上で動作可能な少なくとも1つのロボットの取り扱いデバイスは、大きなコンテナを備えているスタックの一部分内から、コンテナを持ち上げて、移動させるためのサイズとされている物体取り扱いシステムが提供されている。
【0013】
発明にしたがうと、空洞を有するボディを具備しているロボットの荷積み取り扱いデバイスにおいて、ボディは、ボディの垂直な側面上に据え付けられている2つのホイールのセットをさらに備え、ホイールの各セットは、ホイールの他のセットに関して、独立して格納式であり駆動可能であり、ボディ中の空洞は、物体取り扱いシステムからのコンテナを受け入れるためのサイズとされており、物体取り扱いシステムは、コンテナの複数のスタックの上に配置されている格子を備え、ボディ中の空洞は、物体取り扱いシステムにおける格子スペースの整数によって規定されている断面エリアのコンテナを受け入れるためのサイズとされているロボットの荷積み取り扱いデバイスがさらに提供されている。
【0014】
この方法において、コンテナの高さは、もはやロボットの荷積みハンドラの次元によって制約されない。例えば600×400×800mmの、より高いコンテナを用いて、通常のコンテナ中に収まらないだろうアイテムの多くを取り扱うことが可能となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
付随する図表式の図面を参照して、発明をここで説明しよう。
【
図1】
図1は、既知の保管システムにおける、複数の容器のスタックを収納するためのフレーム構造の概略的な斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のフレーム構造の一部の概略的な平面図である。
【
図3a】
図3(a)は、
図1および
図2のフレーム構造における使用のためのロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態の、それぞれ後方および正面からの概略的な斜視図である。
【
図3b】
図3(b)は、
図1および
図2のフレーム構造における使用のためのロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態の、それぞれ後方および正面からの概略的な斜視図である。
【
図3c】
図3(c)は、容器を持ち上げる使用における、既知の荷積みハンドラデバイスの概略的な斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1および
図2のフレーム構造上に取り付けられている、
図3(a)、
図3(b)および
図3(c)において示されているタイプの複数の荷積みハンドラデバイスを備えている既知の保管システムの概略的な斜視図である。
【
図5】
図5は、変化する次元の容器を含んでいる
図1および
図2のフレーム構造上に取り付けられている、
図3(a)、
図3(b)および
図3(c)において示されているタイプの複数の荷積み取り扱いデバイスを備えている既知の保管システムの概略的な斜視図である。
【
図6】
図6aは、通常の容器の概略的な斜視表現であり、
図6bは、発明の1つの形態の荷積みハンドラによる移動のための、より大きなサイズの貨物を運ぶことができる、異なる次元のより高い容器の概略的な斜視表現である。
【
図7】
図7は、
図6bにおいて示しているような容器を搬送することができる発明の1つの形態にしたがった、荷積み取り扱いデバイスの概略的な表示である。
【
図8】
図8は、格子上で動作可能な
図7において示しているような荷積み取り扱いデバイスと、通常のサイズの荷積み取り扱いデバイスとの混合の概略的な表現であり、スタックは、通常の次元と高い次元の容器を含んでいる。
【
図9】
図9は、
図1および
図2において示しているような、格子上での動作における、発明の第2の形態の荷積み取り扱いデバイスの概略的な表現であり、荷積み取り扱いデバイスの第2の形態は、すべての次元において、(比較のためにも示している)通常の荷積み取り扱いデバイスよりも大きい。
【
図10】
図10は、発明のさらなる形態にしたがった、荷積み取り扱いデバイスによる取り出しのために、スタックにおいて保管することが可能であるだろう、通常の容器に対して異なる次元の大きなコンテナの選択の概略的な表現である。
【
図11】
図11は、発明の第3の実施形態にしたがった、大きなコンテナを持ち上げる大きな荷積み取り扱いデバイスの概略的な表現である。
【
図12】
図12は、異なる高さの大きな容器のスタックから大きな容器を持ち上げる、発明の1つの形態にしたがった、大きな荷積み取り扱いデバイスの概略的な表現である。
【
図13】
図13は、通常のサイズの容器および荷積み取り扱いデバイスのみを含んでいるエリアおよびステーションとともに、大きな容器のためのエリアと大きな容器のためのいくつかのステーションとを有する格子システムの概略的な表現である。
【詳細な説明】
【0016】
図1および
図2において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、重ねて積み重ねられている。スタック12は、倉庫または製造環境において格子フレーム構造14中で配置されている。
図1は、フレーム構造14の概略的な斜視図であり、
図2は、フレーム構造14内で配置されている容器10の単一のスタック12を示しているトップダウン図である。各容器10は、典型的に、(示されていない)複数の製品アイテムを保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであるかもしれず、または、アプリケーションに依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
【0017】
フレーム構造14は、水平の部材18、20をサポートしている複数の直立の部材16を備えている。直立の部材16によってサポートされている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造されている。容器10は、フレーム構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられているので、フレーム構造14は、容器10のスタック12の水平移動に対してガードし、容器10の垂直の移動を誘導する。
【0018】
フレーム構造14の一番上のレベルは、スタック12の一番上に渡る格子パターン22で配置されているレール22を含んでいる。さらに、
図3および
図4を参照すると、レール22は、複数のロボットの荷積み取り扱いデバイス30をサポートしている。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の一番上に渡って、第1の方向(X)における荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導し、平行なレール22の第2のセット22bは、第1のセット22aに対して直角に配置され、第1の方向に対して直角な第2の方向(Y)において、荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導する。この方法において、レール22は、X-Y平面における、2次元での荷積み取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
【0019】
各荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12の上で、フレーム構造14のレール22上で、X方向およびY方向に移動するように配置されている乗物32を備えている。乗物32の正面のホイール34の対と、乗物32の背面のホイール34の対とからなる、ホイール34の第1のセットは、レール22の第1のセット22aの2つの隣接レールに係合するように配置されている。同様に、乗物32の各側面のホイール36の対からなる、ホイール36の第2のセットは、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように配置されている。ホイール34、36の各セットを、持ち上げて、下げることができるので、ホイール34の第1のセット、または、ホイール36の第2のセットいずれかが、どの時点においても、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合される。
【0020】
ホイール34の第1のセットがレール22aの第1のセットに係合され、ホイール36の第2のセットがレール22から完全に持ち上げられているとき、乗物32中に収納されている駆動メカニズム(示されていない)を介して、荷積み取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。Y方向に荷積み取り扱いデバイス30を移動させるために、ホイール34の第1のセットは、レール22から完全に持ち上げられて、ホイール36の第2のセットは、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動メカニズムを使用して、ホイール36の第2のセットを駆動して、Y方向における移動を達成することができる。
【0021】
この方法で、1つ以上のロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、中央ピッキングシステム(示されていない)の制御のもと、フレーム構造14上で、スタック12の一番上の表面をあちこち移動することができる。各ロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、必要とされる製品にアクセスするために、スタックから1つ以上の容器またはコンテナを持ち上げる手段とともに提供される。
【0022】
この方法で、どの時点においても、格子とスタックにおける複数のロケーションから、複数の製品にアクセスすることができる。
【0023】
上記の説明から、そして、図面を参照して、ホイールによって運ばれる荷積み取り扱いデバイス30の一部分は、スタック上の格子システムの1つの格子スペースを覆っていることに着目されたい。
【0024】
図4は、上記で説明している典型的な保管システムを示しており、システムは、スタック12上でアクティブな複数の荷積み取り扱いデバイス30を有している。
【0025】
発明の第1の実施形態においては、より高いロボットの荷積みハンドラが使用される。高いロボットの荷積みハンドラデバイス50を、
図6ないし
図8を参照してここで説明しよう。
図1ないし
図5を参照して説明している荷積み取り扱いデバイスに対して共通するすべてのアイテムは、同一の参照番号を担持するだろう。
【0026】
これらのより高い荷積み取り扱いデバイスは、
図6において示しているものと同様の容器を運ぶためのサイズとされている。
図7は、高い容器を持ち上げる高い荷積み取り扱いデバイスを示している。スタックの一番上に容器を持ち上げる際、容器は、荷積み取り扱いデバイスのボディ内に位置している。デバイスのホイールの部分が、積み重ねられた容器上のトラックシステムの1つの格子スペースを占有しているという点で、荷積み取り扱いデバイス50は、通常の荷積み取り扱いデバイスと同じ次元を維持している。この方法で、スタックは、異なる高さの容器を含むことができる。高い荷積み取り扱いデバイスは、必要に応じて、および、必要とされるとき、高い容器を取り外すために格子スペースに移動される。通常の高さのデバイスは、必要に応じて、通常の高さの容器を取り外し続けることができる。
【0027】
図8は、多数の通常のサイズの荷積み取り扱いデバイスと一緒にスタックの上の格子上で動作可能な、多数の高い荷積み取り扱いデバイスを示している。スタックは異なる高さの容器を含んでいることに着目されたい。しかしながら、すべての容器は、単一の格子スペースのフットプリントを有するスタックにおけるポジションを占有している。
【0028】
これらのより高い荷積みハンドラは、通常のロボットの荷積みハンドラに比較して劣る機械的安定性を有するかもしれないが、これは、加速度およびスピードが十分に低減されている場合、許容可能であることが正しく認識されるだろう。
【0029】
より大きなアイテムに対して、本発明のまた別の実施形態は、1つより多くの格子スペースにまたがるロボットの荷積みハンドラでの解決策を提供する。これは、例えば、2×1、1×2、2×2、2×3、または、4×2、2×4、または、3×3の格子スペースを表している、2つ、4つ、6つ、8つまたは9つの格子スペースであることがある。以下の例において、2×2のスペースのフットプリントを有する荷積み取り扱いデバイスの、ほんのケースを説明しよう。しかしながら、説明しているより大きな荷積み取り扱いデバイスは、任意の数の格子スペースを占有するかもしれないことが正しく認識されるだろう。通常のロボット荷積みハンドラと、より大きなロボット荷積みハンドラとの両方のために一体化されたシステムを最大限に使用するために、これらの大きな荷積み取り扱いデバイス50aは、
図9中で示しているように、通常の荷積みハンドラのように、同一の格子構造上で移動するように設計されるだろう。
【0030】
大きな荷積み取り扱いデバイスは、ホイール34、36の複数のセットとともに提供されてもよい。
【0031】
図9において見られるように、より大きな2×2の格子スペースのフットプリントの荷積み取り扱いデバイスは、他の通常の単一の格子スペースのフットプリント荷積み取り扱いデバイスとともに、格子上で動作可能であることができる。2×2の荷積み取り扱いデバイス50aが、乗物50aの対抗する平行側面との多数の対からなる、ホイール34の第1のセットとともに提供されている。ホイール34は、レール22の第1のセット22aの3つの隣接するレールに係合するように配置されている。
【0032】
同様に、ホイール36の対の第2のセットが提供されており、このセットは、乗物の対抗する側面のホイール36の対からなり、これらの対抗する側面は、乗物の対抗する側面の第1のセットに対して実質的に直角である。ホイール36は、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように配置されている。
【0033】
ホイール34、36の各セットを、持ち上げて、下げることができるので、ホイール34の第1のセット、または、ホイール36の第2のセットいずれかは、どの時点においても、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合される。
【0034】
図9において示しているように、大きな荷積み取り扱いデバイスは、通常の荷積み取り扱いデバイスのように、同一の格子上で動作できる。しかしながら、
図9においては、デバイスは、単一の格子スペースサイズの複数のコンテナを持ち上げるだろう。
【0035】
図11において示されているように、使用において、単一の格子スペースに位置付けられている通常のコンテナが600×400mmであり、スタック間のスペースが100mmであるとすれば、大きな荷積み取り扱いデバイスは、おおよそ1300×900mmのコンテナを持ち上げることができる。これらの2×2の格子スペースのコンテナは、その後、異なるサイズの製品に対応するために、異なる高さになることがある。例えば、
図10において示しているように、これらの大きなコンテナの高さは、300、500および1000mmであることがある。
【0036】
図10において示されている、より大きな2×2の格子スペースの容器は、より小さな1×1の格子スペース容器とともにスタックにおいて積み重ねることができない。逆に言えば、通常の1×1の格子スペースの荷積み取り扱いデバイスは、大きなコンテナのスタックの上のスペースを通過することができない。本発明のこの実施形態にしたがった典型的なシステムは、通常のコンテナおよび通常のロボットの荷積みハンドラ専用の設備のひとまとめを有することになるだろう。より大きなコンテナのために設計されている、ピッキング/パッキングおよび発送中の貨物のための少数のワークステーション、および、大きなコンテナ専用の、保管スペースと上で関係付けられている格子との比較的小さなセクションがあるだろう。この配置は、
図12および
図13において示されている。
【0037】
使用において、大きなロボットの荷積み取り扱いデバイスは、通常のようにスタックの上の格子上で動作するが、スタックが、より大きなフットプリントと複数の高さの容器をもっぱら含んでいるロケーションにおいて、スタックから大きな容器を持ち上げるのみである。
【0038】
容器をスタックの上の格子から完全に持ち上げるために、荷積み取り扱いデバイスは、より大きな容器を、スタックから、荷積み取り扱いデバイスのボディ内の空洞中に持ち上げる。
【0039】
上で説明しているロボットの荷積み取り扱いデバイスは、ほんの発明の実施形態であることが正しく認識されるだろう。複数の高さの可能性を有するエリアにおいて、任意の複数の格子スペースの容器を運ぶことができる荷積み取り扱いデバイスを考慮してもよい。
【0040】
上で説明しているピッキングシステムは、オンライン小売のために考案されているもののような注文ピッキングシステムに関連していてもよく、または、小包取り扱いおよび仕分けシステムのようなシステムに関連していてもよい。発明は、積み重ねられた構造におけるコンテナ中にアイテムが保管されている任意のシステムに適用され、ロボットの取り扱いデバイスによってアクセスされてもよいことが、正しく認識されるだろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセットのレールおよび前記第1のセットのレールに対して実質的に垂直な第2のセットのレールを備える物体取り扱いシステムであって、前記第1および第2のセットのレールは、複数の積み重ねられたコンテナの上に格子を形成し、前記複数の積み重ねられたコンテナの一部分は、スタックの残りにおける前記コンテナよりも、より大きな断面エリアのコンテナを備え、
前記第1および第2のセットのレールは、前記積み重ねられたコンテナの上の前記格子上で動作している複数のロボット荷積み取り扱いデバイスをサポートするように構成され、
前記第1および第2のセットのレールは、前記複数の積み重ねられたコンテナが前記複数のロボット荷積み取り扱いデバイスによって取り出されることができる開口部を規定し、前記開口部の一部分は、より大きな断面エリアの前記コンテナが取り出されることができる、より大きな断面エリアの開口部を含む、物体取り扱いシステム。
【請求項2】
前記第1および第2のセットのレールは、格子スペースを規定し、スタックの第1の部分は、単一の格子スペースサイズのコンテナを備え、スタックの第2の部分は、前記物体取り扱いシステムにおける格子スペースの整数によって規定されている断面エリアのコンテナを備える、請求項1に記載の物体取り扱いシステム。
【請求項3】
スタックの前記第1の部分の上の前記格子スペースは、1×1の格子ユニットサイズを有し、前記格子スペースは、コンテナの前記スタックの上の実質的に垂直な前記第1および第2のセットのレールのスペースによって規定され、スタックの前記第2の部分の上の前記格子スペースは、1×2、2×2、2×3、または、3×3の格子ユニットにわたる、請求項2に記載の物体取り扱いシステム。
【請求項4】
前記第1のセットのレールのうちの少なくとも一部分は、前記複数のロボット荷積み取り扱いデバイスのうちの少なくとも1つの第1のセットのホイールに係合するように構成され、前記第2のセットのレールのうちの少なくとも一部分は、前記複数のロボット荷積み取り扱いデバイスのうちの前記少なくとも1つの第2のセットのホールに係合するように構成される、請求項1に記載の物体取り扱いシステム。
【請求項5】
前記第1および第2のセットのレールのうちの少なくとも一部分は、第1のサイズのコンテナを取り出すために構成された第1のロボット荷積み取り扱いデバイスおよび第2のサイズのコンテナを取り出すための第2のロボット荷積み取り扱いデバイスをサポートするように構成される、請求項1に記載の物体取り扱いシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
上で説明しているピッキングシステムは、オンライン小売のために考案されているもののような注文ピッキングシステムに関連していてもよく、または、小包取り扱いおよび仕分けシステムのようなシステムに関連していてもよい。発明は、積み重ねられた構造におけるコンテナ中にアイテムが保管されている任意のシステムに適用され、ロボットの取り扱いデバイスによってアクセスされてもよいことが、正しく認識されるだろう。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
複数の積み重ねられたコンテナの上に格子を形成している、2つの実質的に垂直なレールのセットを具備している物体取り扱いシステムにおいて、スタックの一部分は、前記スタックの残りにおける前記コンテナよりも、より大きな断面エリアの容器を備え、前記取り扱いシステムは、前記積み重ねられたコンテナの上の格子上で動作している複数のロボットの荷積み取り扱いデバイスをさらに備え、どの時点においても、動いている1セットのホイールのみが前記格子に係合されているとき、それによって、前記レールに係合されている前記セットのホイールのみを駆動することによって、前記レールに沿った前記荷積み取り扱いデバイスの、前記格子上の任意のポイントに対する移動を可能にするように、前記荷積み取り扱いデバイスは、ホイール上に据え付けられているボディを備え、第1のセットのホイールは、前記第1のセットのレールのうちの少なくとも2つのレールに係合するように構成されており、第2のセットのホイールは、前記第2のセットのレールのうちの少なくとも2つのレールに係合するように構成されており、前記第1のセットのホイールは、前記第2のセットのホイールに関して、独立して移動可能であり駆動可能であり、前記格子上で動作可能な少なくとも1つのロボットの取り扱いデバイスは、大きなコンテナを備えている前記スタックの前記一部分内から、コンテナを持ち上げて、移動させるためのサイズとされている物体取り扱いシステム。
[C2]
前記荷積み取り扱いデバイスは、複数の高さのコンテナを持ち上げて搬送することができるボディを備えるC1記載の物体取り扱いシステム。
[C3]
前記少なくとも1つの荷積み取り扱いデバイスは、おおよそ1×2、2×2、2×3、または、3×3の格子スペースにわたるボディを備え、前記格子スペースは、実質的に垂直なレールのセットのスペースによって規定されているC1または2記載の物体取り扱いシステム。
[C4]
前記コンテナは、前記荷積み取り扱いデバイスによって搬送されるとき、前記荷積み取り扱いデバイスの前記ボディの空洞内に位置付けられる任意の先行するC記載の物体取り扱いシステム。
[C5]
C1ないし4のうちのいずれか1つにおいて説明しているような物体取り扱いシステムにおける使用のためのロボット荷積み取り扱いデバイス。
[C6]
空洞を有するボディを具備しているロボットの荷積み取り扱いデバイスにおいて、前記ボディは、前記ボディの垂直な側面上に据え付けられている2つのホイールのセットをさらに備え、ホイールの各セットは、ホイールの他のセットに関して、独立して格納式であり駆動可能であり、前記ボディ中の前記空洞は、物体取り扱いシステムからのコンテナを受け入れるためのサイズとされており、前記物体取り扱いシステムは、コンテナの複数のスタックの上に配置されている格子を備え、前記ボディ中の前記空洞は、前記物体取り扱いシステムにおける格子スペースの整数によって規定されている断面エリアのコンテナを受け入れるためのサイズとされているロボットの荷積み取り扱いデバイス。
[C7]
付随する図面の図6ないし図13を参照して上で説明しているようなロボットの荷積み取り扱いデバイスまたは物体ピッキングシステム。
【外国語明細書】