(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005969
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シート切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/24 20060101AFI20240110BHJP
B26D 1/20 20060101ALI20240110BHJP
B26D 5/00 20060101ALI20240110BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240110BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B26D7/24
B26D1/20 A
B26D5/00 Z
B26D7/06 Z
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106478
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】荒井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏明
(72)【発明者】
【氏名】谷口 慶充
【テーマコード(参考)】
2C058
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
2C058AB04
2C058AB16
2C058AB22
2C058AB23
2C058AC07
2C058AD01
2C058AE04
2C058AE08
2C058AF51
2C058LB10
2C058LC04
2C058LC10
2C058LC15
2C058LC18
3C021HA07
3C027SS02
3C027SS03
3C027SS06
(57)【要約】
【課題】乗り上げの予兆を検知して当該現象を未然に防止する。
【解決手段】プリンタの制御部は、先ず、回転刃52を移動させるための動力を付与する移動モータの最大PWM値を70%として、第1目標位置に向けて回転刃52を切断方向に移動させる。制御部は、当該切断処理の実行中に回転刃52の移動状態の異常(乗り上げの予兆)が検知されると、乗り上げが生じる前に回転刃52の移動を停止させる。その後制御部は、当該停止時の第1停止位置よりも切断方向の上流側に回転刃52を移動させ、移動モータの最大PWM値を100%として、第1目標位置よりも切断方向の上流側かつ第1停止位置よりも切断方向の下流側の第2目標位置に向けて回転刃52を切断方向に移動させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送されるシートの一方の面に当接可能な第1刃と、当該シートの他方の面に当接可能な第2刃と、前記第1刃を切断方向に移動させる移動機構とを有し、前記第1刃及び前記第2刃が協働してシートを前記切断方向に切断可能な切断部と、
前記移動機構により移動される前記第1刃の移動状態に応じた信号を出力する信号出力部と、
制御部と、を備え、
前記移動機構は、前記第1刃を移動させるための動力を付与するアクチュエータを有しており、
前記制御部は、
前記アクチュエータの出力値を第1出力値として、第1目標位置に向けて前記第1刃を前記切断方向に移動させる第1切断処理と、
前記第1切断処理の実行中に、前記信号出力部から出力された前記信号に基づいて、前記移動状態に異常があるか否かを判定する第1判定処理と、
前記第1判定処理において前記移動状態に異常があると判定された場合、前記アクチュエータの出力を停止させることにより、前記第1目標位置よりも前記切断方向の上流側の第1停止位置に前記第1刃を停止させる第1停止処理と、
前記第1停止処理の後、前記第1刃を前記切断方向の上流側に移動させる第1復帰処理と、
前記第1復帰処理の後、前記アクチュエータの出力値を前記第1出力値よりも大きい第2出力値として、前記第1停止位置よりも前記切断方向の上流側の位置から、前記第1目標位置よりも前記切断方向の上流側かつ前記第1停止位置よりも前記切断方向の下流側の第2目標位置に向けて前記第1刃を前記切断方向に移動させる第2切断処理と、
を実行可能であることを特徴とするシート切断装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2切断処理の後、前記第1刃を前記切断方向の上流側に移動させる第2復帰処理を実行し、
前記第2復帰処理の後、前記第1切断処理を再度実行することを特徴とする請求項1に記載のシート切断装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1復帰処理の後、前記第2切断処理の前に、
前記アクチュエータの出力値を前記第1出力値よりも小さい第3出力値として、前記第1停止位置よりも前記切断方向の上流側の位置から、前記第1停止位置よりも前記切断方向の下流側の第3目標位置に向けて前記第1刃を前記切断方向に移動させる第3切断処理と、
前記第3切断処理の実行中に、前記信号出力部から出力された前記信号に基づいて、前記移動状態に異常があるか否かを判定する第2判定処理と、
前記第2判定処理において前記移動状態に異常があると判定された場合、前記アクチュエータの出力を停止させることにより、前記第3目標位置よりも前記切断方向の上流側の第2停止位置に前記第1刃を停止させる第2停止処理と、
前記第2停止処理の後、前記第1刃を前記第2停止位置よりも前記切断方向の上流側に移動させる第3復帰処理と、
を実行可能であり、
前記第2停止位置は、前記第1停止位置よりも前記切断方向の下流側、かつ、前記第2目標位置よりも前記切断方向の上流側にあることを特徴とする請求項1に記載のシート切断装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2切断処理の実行中に、前記第1刃が前記第2目標位置よりも前記切断方向の上流側の位置で停止したか否かを判定する第3判定処理を実行し、
前記第3判定処理において前記第1刃が前記第2目標位置よりも前記切断方向の上流側の位置で停止したと判定された場合、前記第1刃を前記切断方向の上流側に移動させる第4復帰処理を実行し、
前記第4復帰処理の後、前記第2切断処理を再度実行することを特徴とする請求項3に記載のシート切断装置。
【請求項5】
シートを搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送されるシートの一方の面に当接可能な第1刃と、当該シートの他方の面に当接可能な第2刃と、前記第1刃を切断方向に移動させる移動機構とを有し、前記第1刃及び前記第2刃が協働してシートを前記切断方向に切断可能な切断部と、
前記移動機構により移動される前記第1刃が前記第2刃に乗り上げる予兆を示す信号である予兆信号を出力する信号出力部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記予兆信号を検知した場合に前記第1刃を停止させる第1停止処理を実行可能であることを特徴とするシート切断装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1停止処理の後、前記第1刃を前記切断方向の上流側に移動させる第1復帰処理と、
前記第1復帰処理の後、前記第1停止処理で前記第1刃が停止された第1停止位置よりも前記切断方向の上流側の位置から、前記第1刃を前記切断方向に移動させる第2切断処理と、
を実行可能であることを特徴とする請求項5に記載のシート切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを切断可能な切断部を有するシート切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、可動刃を固定刃に対して移動させて記録紙(シート)を切断する際に、可動刃を移動させるカッターモータの電流の変動を検出することにより記録紙が可動刃と固定刃との間に存在するか否かを判定し、記録紙が両刃間にないと判定した場合に、記録紙が両刃間まで搬送できず紙詰まりが生じていると判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術においては、紙詰まりが生じているかを判定することはできるが、可動刃が固定刃に乗り上げる現象(以下、「乗り上げ」という。)の予兆を検知して当該現象を未然に防止することはできない。乗り上げは、記録紙の厚みが大きいこと、記録紙の重送等により、可動刃に負荷がかかることで生じ得る。乗り上げが生じてしまうと、記録紙を切断することができない。
【0005】
本発明の目的は、乗り上げの予兆を検知して当該現象を未然に防止することが可能なシート切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点によると、シートを搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるシートの一方の面に当接可能な第1刃と、当該シートの他方の面に当接可能な第2刃と、前記第1刃を切断方向に移動させる移動機構とを有し、前記第1刃及び前記第2刃が協働してシートを前記切断方向に切断可能な切断部と、前記移動機構により移動される前記第1刃の移動状態に応じた信号を出力する信号出力部と、制御部と、を備え、前記移動機構は、前記第1刃を移動させるための動力を付与するアクチュエータを有しており、前記制御部は、前記アクチュエータの出力値を第1出力値として、第1目標位置に向けて前記第1刃を前記切断方向に移動させる第1切断処理と、前記第1切断処理の実行中に、前記信号出力部から出力された前記信号に基づいて、前記移動状態に異常があるか否かを判定する第1判定処理と、前記第1判定処理において前記移動状態に異常があると判定された場合、前記アクチュエータの出力を停止させることにより、前記第1目標位置よりも前記切断方向の上流側の第1停止位置に前記第1刃を停止させる第1停止処理と、前記第1停止処理の後、前記第1刃を前記切断方向の上流側に移動させる第1復帰処理と、前記第1復帰処理の後、前記アクチュエータの出力値を前記第1出力値よりも大きい第2出力値として、前記第1停止位置よりも前記切断方向の上流側の位置から、前記第1目標位置よりも前記切断方向の上流側かつ前記第1停止位置よりも前記切断方向の下流側の第2目標位置に向けて前記第1刃を前記切断方向に移動させる第2切断処理と、を実行可能であることを特徴とするシート切断装置が提供される。
【0007】
本発明の第2観点によると、シートを搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるシートの一方の面に当接可能な第1刃と、当該シートの他方の面に当接可能な第2刃と、前記第1刃を切断方向に移動させる移動機構とを有し、前記第1刃及び前記第2刃が協働してシートを前記切断方向に切断可能な切断部と、前記移動機構により移動される前記第1刃が前記第2刃に乗り上げる予兆を示す信号である予兆信号を出力する信号出力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記予兆信号を検知した場合に前記第1刃を停止させる第1停止処理を実行可能であることを特徴とするシート切断装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乗り上げの予兆を検知して当該現象を未然に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成を示す側面図である。
【
図2】
図1に示すプリンタの制御部のブロック図である。
【
図4】
図1に示す切断部の概略平面図であり、(a)は回転刃及びキャリッジが待機位置に配置されている状況を示す図であり、(b)は回転刃及びキャリッジが終了位置に配置されている状況を示す図である。
【
図5】
図3の部分拡大図であり、(a)は正常な状態を示す図であり、(b)は乗り上げが生じた状態を示す図である。
【
図6】
図1に示すプリンタの制御部が実行するプログラムを示すフローチャートである。
【
図7】回転刃の移動状態に異常が生じた場合の処理を示す切断部の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態に係るプリンタ1について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、プリンタ1が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向が定義され、筐体11の開口13が設けられている側を手前側(正面又は前方)、開口14が設けられている側を奥側(背面又は後方)として前後方向が定義され、プリンタ1を手前側から見て左右方向が定義される。
【0011】
プリンタ1は、
図1に示すように、給送カセット2、搬送部3、切断部5、ヘッド6、排出トレイ7、制御部8、筐体11、カバー15、電流値出力回路16(
図2参照)及びエンコーダ17(
図2参照)等を有する。
【0012】
給送カセット2は、筐体11内においてヘッド6の下方に配置されている。排出トレイ7は、筐体11内においてヘッド6の前方であって、給送カセット2の上方に配置されている。給送カセット2及び排出トレイ7は、筐体11の前面に設けられた開口13を通じて筐体11の内部へ前後方向に沿って挿入可能である。また、筐体11に装着された給送カセット2は、開口13を通じて前後方向に沿って脱抜可能である。また、筐体11に装着された排出トレイ7は、開口13を通じて前方に引き出すことが可能である。
【0013】
給送カセット2は、ロール体R及びカット紙Kpのいずれかの用紙(本発明の「シート」)Pを選択的に収容する。ロール体Rは、円筒状の巻き芯(紙管)Rcの外周面に長尺のロール紙Rpがロール状に巻回されたものである。給送カセット2は、
図1に示すように、上方に開口した箱形状を有するトレイ21と、ロール体Rの下側部分の外周面を支持しつつ当該ロール体Rを回転可能に支持する支持部22と、を有する。カット紙Kpは、支持部22よりも後方側のトレイ21の底面21b1上、又は、支持部22を取り外した底面21b1全体に配置される。
【0014】
支持部22は、支持台23及び3つのローラ24~26を有する。ロール体Rは、その軸方向が左右方向(
図1の紙面に垂直な方向)と平行となる姿勢で支持部22に支持される。支持台23は、トレイ21の底部21bに着脱可能に設けられている。支持台23は、左右方向に沿って延びている。ローラ24~26は、いずれもその軸方向が左右方向と平行となる姿勢で支持台23に回転可能に支持されている。
【0015】
支持台23は、水平面23aと、水平面23aを前後方向に挟む位置に配置された2つの傾斜面23b,23cとを有する。ローラ24は、傾斜面23bの後方側部分に配置され、ローラ25よりも前方に配置されている。ローラ25は、傾斜面23cの前方側部分に配置され、ローラ26は、傾斜面23cの後方側部分に配置されている。ローラ24、25は、ロール体Rの下側部分の外周面と接触した状態でロール体Rを下方から支持する。
【0016】
カバー15は、筐体11の背面に設けられた開口14に配置されている。カバー15の下端部は、筐体11に支持された軸15aに回動自在に支持されている。軸15aは、左右方向(
図1の紙面に垂直な方向)に延びている。カバー15は、軸15aを中心に回動することで、閉位置(
図1中実線で示す位置)と開位置(
図1中破線で示す位置)とを取り得る。閉位置にあるカバー15は、筐体11内に設けられた図示しないガイドとの間で搬送部3による用紙Pの搬送経路Wを形成する。そして、カバー15が開位置にあることで、搬送経路Wの一部が開放される。
【0017】
搬送部3は、給送部31、3つの搬送ローラ対32~34及び搬送モータ35M(
図2参照)を有している。給送部31は、給送カセット2に収容されている用紙Pを後方に向かって給送カセット2から送り出す。
【0018】
給送部31は、給送カセット2の上方に配置されており、給送ローラ31a、アーム31b及び給送モータ31M(
図2参照)を有する。給送ローラ31aは、アーム31bの先端に軸支されている。アーム31bは、支軸31cに回動自在に支持されている。アーム31bは、バネ等により給送ローラ31aがトレイ21の底面21b1に接触する方向に付勢されている。また、アーム31bは、トレイ21を着脱する際に上方へ退避可能に構成されている。給送ローラ31aは、給送モータ31Mから動力が付与されることで回転する。制御部8の制御により給送モータ31Mが駆動されると給送ローラ31aが回転し、トレイ21内に収容された用紙Pが後方に向かって送り出される。
【0019】
3つの搬送ローラ対32~34は、給送部31によって給送された用紙Pを、左右方向と直交する搬送方向に沿って筐体11内で搬送する。3つの搬送ローラ対32~34は、搬送方向の上流側からこの順で配置されている。搬送ローラ対32は、給送部31によって給送カセット2から送り出された用紙Pを搬送する。搬送ローラ対32によって搬送される用紙Pは、先ず一方の面が後方を向き他方の面が前方を向く姿勢で上方に向かって送られ、切断部5を通過した後に前方に向かって送られる。搬送ローラ対33は、搬送ローラ対32によって搬送された用紙Pを受け取ってヘッド6に送る。搬送ローラ対34は、搬送ローラ対33によって搬送された用紙Pを受け取って排出する。搬送ローラ対33,34によって搬送される用紙Pは、前方に向かって送られる。
【0020】
各搬送ローラ対32~34は、搬送モータ35Mから動力が付与されることで回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラと、で構成されている。制御部8の制御により搬送モータ35Mが駆動されると、搬送ローラ対32~34の駆動ローラ及び従動ローラが用紙Pをニップした状態で回転し、用紙Pが搬送方向に搬送される。
【0021】
ヘッド6は、搬送ローラ対33と搬送ローラ対34との間に配置されている。ヘッド6は、下面に形成された複数のノズル(図示略)とドライバIC6a(
図2参照)とを含む。ヘッド6は、制御部8の制御によりドライバIC6a(
図2参照)が駆動されると、インクカートリッジ(図示略)から供給されたインクをノズルから吐出し、搬送ローラ対33によって搬送された用紙Pに対して画像を形成する。画像が形成された用紙Pは、搬送ローラ対34によって前方(
図1中左方)に向かって搬送される。なお、ヘッド6は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式ヘッド、及び、左右方向(主走査方向)に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式ヘッドのいずれの方式のヘッドでもよい。
【0022】
排出トレイ7は、搬送ローラ対34によって前方に搬送された用紙Pを受容する。排出トレイ7に収容される用紙Pは、切断部5で後端が形成されかつヘッド6で画像が形成されたロール紙Rp、及び/又は、ヘッド6で画像が形成されたカット紙Kpである。
【0023】
切断部5は、
図1に示すように、搬送方向において搬送ローラ対32,33間であって、搬送ローラ対32の上方に配置されている。切断部5は、固定刃51、回転刃52及び移動機構53(
図4参照)を有しており、固定刃51とカバー15との間の経路Wx(搬送経路Wの一部)を通過するロール紙Rpを固定刃51と回転刃52とが協働して左から右に向かう方向(本発明の「切断方向」)に切断する。本実施形態において、切断方向は、搬送方向と直交し、ロール紙Rpの幅方向に沿った方向である。
【0024】
固定刃(本発明の「第2刃」)51は、
図3に示すように、垂直部51aと、水平部51bとを有し、L字断面形状に形成されている。固定刃51は、筐体11に固定されている。垂直部51aは、水平部51bの後端部から上方に立設されている。また、固定刃51は、
図4に示すように、左右方向に長尺に延在している。より詳細には、固定刃51は、ロール紙Rpの幅(左右方向の長さ)よりも長く形成されている。固定刃51の垂直部51aは、経路Wxを通過するロール紙Rpの前方を向く面(本発明の「他方の面」)と当接可能に配置されている。
【0025】
回転刃(本発明の「第1刃」)52は、カバー15が閉位置(
図1において実線で示す位置)にあるとき、カバー15の前方を向く面に形成された溝15b内に位置する。回転刃52は、左右方向に沿って移動可能な後述のキャリッジ54(
図4参照)に搭載されている。回転刃52は、
図3に示すように、円盤状であり、上下方向に延びる軸52aを中心に回転可能となるようにキャリッジ54に支持されている。また、回転刃52は、経路Wxを通過するロール紙Rpの後方を向く面(本発明の「一方の面」)と当接可能に配置されている。
【0026】
回転刃52は、正常な状態では、
図3及び
図5(a)に示すように、その前方端部が固定刃51の垂直部51aの上端面と接触可能に配置されている。しかしながら、回転刃52は、用紙Pの厚みが大きいこと、用紙Pの重送等により、回転刃52に負荷がかかることで、
図5(b)に示すように、固定刃51に乗り上げることがある。当該現象(乗り上げ)が生じると、回転刃52の前方端部は固定刃51の垂直部51aの上端面と接触せず、この状態で回転刃52が切断方向に移動されても、用紙Pを切断することができない。乗り上げが生じた回転刃52をユーザが正常な状態(
図5(a)参照)に復帰させることは困難である。また、乗り上げが生じた場合に印刷動作が中止されるとユーザにとって不便である。そこで本実施形態では、乗り上げの予兆を検知して当該現象を未然に防止するため、制御部8が後述のプログラム(
図6参照)を実行する。
【0027】
移動機構53は、
図4に示すように、キャリッジ54と、ベルト55と、一対のプーリ56,57と、ガイドレール58(
図3参照)と、移動モータ(本発明の「アクチュエータ」)53M(
図2参照)とを有する。ガイドレール58は、
図3に示すように、その全体が閉位置にあるカバー15の溝15bに配置されている。また、ガイドレール58は、左右方向に沿って長尺に形成されており、キャリッジ54を左右方向に移動可能に支持する。
【0028】
キャリッジ54は、
図4に示すように、回転刃52を回転可能に支持しており、ベルト55に固定されている。一対のプーリ56,57は、左右方向において、経路Wxを挟むようにして互いに離隔して配置されている。プーリ56は、移動モータ53Mによって動力が付与される駆動プーリである。ベルト55は、エンドレスの環状ベルトであり、一対のプーリ56,57に架け渡されている。プーリ57は、プーリ56が回転することで走行するベルト55によって回転する従動プーリである。
【0029】
キャリッジ54は、
図4(a)に示すように、通常、固定刃51の左側端部の待機位置に配置されている。このとき、回転刃52も待機位置に配置されている。そして、ロール紙Rpを切断する際に、制御部8の制御により移動モータ53Mが正回転駆動されることで、ベルト55が走行し、キャリッジ54と共に回転刃52が右方に移動する。このとき、回転刃52は、固定刃51との摩擦により回転する。これにより、固定刃51と回転刃52とが協働して、経路Wxのロール紙Rpを切断方向に切断する。このようにして、ロール紙Rpの後端が形成される。右方に移動したキャリッジ54及び回転刃52は、
図4(b)に示すように、移動モータ53Mの駆動が停止されることで、固定刃51の右方端部の終了位置で停止される。この後、移動モータ53Mが逆回転駆動されることで、キャリッジ54と共に回転刃52が左方に移動し、
図4(a)に示す待機位置に戻される。
【0030】
移動モータ53Mからプーリ56に動力を伝達する部分には、エンコーダ17(
図2参照)が設けられている。エンコーダ17(本発明の「信号出力部」)は、回転刃52の位置及びその移動速度を示す信号(回転刃52の移動状態に応じた信号であり、本発明の「信号」)を出力する。エンコーダ17は、ロータリーエンコーダ、リニアエンコーダ等であってよい。
【0031】
次に、
図2を参照しつつ、プリンタ1全体の制御を司る制御部8について説明する。制御部8は、バスによって互いに接続された、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82及びRAM(Random Access Memory)83、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)84、フラッシュメモリ85等を含む。そして、これらが協働して、ドライバIC6a、給送モータ31M、搬送モータ35M、移動モータ53M等の動作を制御する。なお、制御部8には、エンコーダ17から回転刃52の移動速度を示す信号が入力される。
【0032】
なお、制御部8は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC84のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC84とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御部8は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御部8は、1つのASIC84が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC84が処理を分担して行うものであってもよい。
【0033】
続いて、
図6を参照し、制御部8が実行するプログラムについて説明する。
【0034】
制御部8は、先ず、外部機器(パーソナルコンピュータ)等からロール紙印刷を実行するためのロール画像形成信号を受信したか否かを判定する(S1)。ロール画像形成信号を受信していないと判定された場合(S1:NO)、制御部8は、S1の処理を繰り返す。
【0035】
ロール画像形成信号を受信したと判定された場合(S1:YES)、制御部8は、ロール紙印刷を開始させる(S2)。具体的には、制御部8は、S2において、搬送部3により給送カセット2からロール紙Rpを搬送方向に搬送させ、搬送部3によって搬送されたロール紙Rpにヘッド6により画像を形成させる。
【0036】
S2の後、制御部8は、ロール紙Rpの切断箇所が切断部5の切断位置(固定刃51の垂直部51aの上端面)に搬送されたか否かを判定する(S3)。ロール紙Rpの切断箇所は、制御部8が受信したロール画像形成信号に基づいて導出される。ロール紙Rpの切断箇所が切断位置に搬送されていないと判定された場合(S3:NO)、制御部8は、ロール紙印刷を継続させ(S4)、処理をS3に戻す。
【0037】
ロール紙Rpの切断箇所が切断位置に搬送されたと判定された場合(S3:YES)、制御部8は、ロール紙印刷を一旦停止させ、n=0とし(S5)、さらにm=0とし(S6)、その後ロール紙Rpの切断を開始させる(S7:第1切断処理)。具体的には、制御部8は、S7において、移動モータ53Mを正回転駆動させ、キャリッジ54と共に回転刃52を待機位置から終了位置に向かって移動させる。このとき制御部8は、移動モータ53Mの最大PWM値(本発明の「出力値」)を70%(本発明の「第1出力値」)として、終了位置(本発明の「第1目標位置」)に向けて回転刃52を切断方向に移動させる(
図7(a)参照)。
【0038】
S7の後、制御部8は、第1切断処理の実行中に、エンコーダ17から出力された信号に基づいて、回転刃52の移動速度が第1閾値未満であるか否か(即ち、回転刃52の移動状態に異常があるか否か)を判定する(S8:第1判定処理)。
【0039】
回転刃52の移動速度が第1閾値未満でないと判定された場合(S8:NO)、制御部8は、エンコーダ17から出力された信号に基づいて、回転刃52が終了位置に到達したか否かを判定する(S9)。回転刃52が終了位置に到達していないと判定された場合(S9:NO)、制御部8は、処理をS8に戻す。
【0040】
回転刃52が終了位置に到達したと判定された場合(S9:YES)、制御部8は、移動モータ53MのPWM値を0にすること(即ち、移動モータ53Mの出力を停止させること)により、回転刃52を終了位置で停止させ、ロール紙Rpの切断を終了させる(S10)。S10の後、制御部8は、切断されることによって後端が形成されたロール紙Rpに対して、一旦停止していたロール紙印刷を再開し、画像が形成されたロール紙Rpを排出する(S11)。S11の後、制御部8は、当該プログラムを終了する。
【0041】
回転刃52の移動速度が第1閾値未満である(即ち、回転刃52の移動状態に異常がある)と判定された場合(S8:YES)、制御部8は、移動モータ53MのPWM値を0%にすること(即ち、移動モータ53Mの出力を停止させること)により、回転刃52を第1停止位置で停止させる(S12:第1停止処理)。「第1停止位置」は、終了位置(第1目標位置)よりも切断方向の上流側にある。また、移動モータ53MのPWM値が0%にされると回転刃52が反力によって切断方向の上流側に若干移動するため、「第1停止位置」は、回転刃52の移動速度が第1閾値未満である(即ち、回転刃52の移動状態に異常がある)ことが検知された「異常検知位置」よりも切断方向の上流側となる(
図7(a)参照)。
【0042】
なお、回転刃52の移動速度が第1閾値未満である(即ち、回転刃52の移動状態に異常がある)と判定されたときの、エンコーダ17から出力された信号は、回転刃52が固定刃51に乗り上げる予兆を示す信号である「予兆信号」に該当する。
【0043】
S12の後、制御部8は、n=n+1とし(S13)、nが上限回数A(Aは自然数であり、例えばA=30)を超えているか否かを判定する(S14)。
【0044】
nが上限回数Aを超えていると判定された場合(S14:YES)、制御部8は、プリンタ1に設けられたディスプレイやスピーカ(図示略)等によりエラー報知を行い(S15)、当該プログラムを終了する。
【0045】
nが上限回数Aを超えていないと判定された場合(S14:NO)、制御部8は、m=0か否かを判定する(S16)。m≠0と判定された場合(S16:NO)、制御部8は、処理をS21に進める。
【0046】
m=0と判定された場合(S16:YES)、制御部8は、移動モータ53Mを逆回転駆動させ、回転刃52を切断方向の上流側に移動させる(S17:第1復帰処理)。このとき制御部8は、回転刃52を、第1停止位置よりも切断方向の上流側かつ待機位置よりも切断方向の下流側の位置に停止させる(
図7(b)参照)。
【0047】
S17の後、制御部8は、
図7(c)に示すように、移動モータ53Mの最大PWM値(本発明の「出力値」)を55%(本発明の「第3出力値」)として、第1停止位置よりも切断方向の下流側にある「第3目標位置」に向けて、回転刃52を切断方向に移動させる(S18:第3切断処理)。
【0048】
S18の後、制御部8は、第3切断処理の実行中に、エンコーダ17から出力された信号に基づいて、回転刃52の移動速度が第2閾値未満であるか否か(即ち、回転刃52の移動状態に異常があるか否か)を判定する(S19:第2判定処理)。「第2閾値」は、S8の「第1閾値」と同じでもよいし異なってもよい。回転刃52の移動速度が第2閾値未満でないと判定された場合(S19:NO)、制御部8は、S1の処理を繰り返す。
【0049】
回転刃52の移動速度が第2閾値未満である(即ち、回転刃52の移動状態に異常がある)と判定された場合(S19:YES)、制御部8は、移動モータ53MのPWM値を0%にすること(即ち、移動モータ53Mの出力を停止させること)により、回転刃52を第2停止位置で停止させる(S20:第2停止処理)。「第2停止位置」は、
図7(c)に示すように、第3目標位置よりも切断方向の上流側、かつ、第1停止位置よりも切断方向の下流側にある。
【0050】
S20の後、制御部8は、移動モータ53Mを逆回転駆動させ、回転刃52を切断方向の上流側に移動させる(S21:第3復帰処理)。このとき制御部8は、回転刃52を、第2停止位置よりも切断方向の上流側かつ待機位置よりも切断方向の下流側の位置に停止させる(
図7(d)参照)。
【0051】
S21の後、制御部8は、
図7(e)に示すように、移動モータ53Mの最大PWM値(本発明の「出力値」)を100%(本発明の「第2出力値」)として、
図7(a)の第1停止位置よりも切断方向の上流側の位置から、「第2目標位置」に向けて、回転刃52を切断方向に移動させる(S22:第2切断処理)。「第2目標位置」は、「第1目標位置」よりも切断方向の上流側かつ「第1停止位置」よりも切断方向の下流側にある。また、「第2目標位置」は、「第2停止位置」よりも切断方向の下流側にある。
【0052】
S22の後、制御部8は、第2切断処理の実行中に、エンコーダ17から出力された信号に基づいて、回転刃52が第2停止位置(第2目標位置よりも切断方向の上流側の位置)で停止したか否かを判定する(S23:第3判定処理)。
【0053】
回転刃52が第2停止位置で停止したと判定された場合(S23:YES)、制御部8は、m=m+1とし(S24)、mが上限回数B(BはAよりも小さい自然数であり、例えばB=5)を超えているか否かを判定する(S25)。なお、A>Bとしているのは、回転刃52が第2停止位置で停止する要因が、用紙Pではなく、プリンタ1(固定刃51の傷、切断部5への異物の混入等)にある可能性を考慮し、復帰処理や切断処理を繰り返し行うことで故障が悪化するのを抑制するためである。
【0054】
mが上限回数Bを超えていると判定された場合(S25:YES)、制御部8は、プリンタ1に設けられたディスプレイやスピーカ(図示略)等によりエラー報知を行い(S15)、当該プログラムを終了する。
【0055】
mが上限回数Bを超えていないと判定された場合(S25:NO)、制御部8は、処理をS13に戻す。この場合、制御部8は、S21(第4復帰処理)及びS22(第2切断処理)を再度実行する。
【0056】
回転刃52が第2停止位置で停止していないと判定された場合(S23:NO)、制御部8は、移動モータ53Mを逆回転駆動させ、回転刃52を切断方向の上流側に移動させる(S26:第2復帰処理)。このとき制御部8は、回転刃52を、第1停止位置よりも切断方向の上流側かつ待機位置よりも切断方向の下流側の位置に停止させる(
図7(f)参照)。
【0057】
S26の後、制御部8は、処理をS6に戻す。この場合、制御部は、S7(第1切断処理)を再度実行する(
図7(g)参照)。
【0058】
以上に述べたように、本実施形態によると、S7(第1切断処理)において、
図7(a)に示すように、移動モータ53Mの最大PWM値(本発明の「出力値」)を比較的小さい70%(本発明の「第1出力値」)とすることで、回転刃52の移動状態の異常(乗り上げの予兆)を検知し易い。S7(第1切断処理)の実行中に回転刃52の移動状態の異常(乗り上げの予兆)が検知された場合、乗り上げが生じる前に回転刃52の移動を停止させる(S12:第1停止処理)。そして、当該停止後のS17(第1復帰処理)において、
図7(b)に示すように、第1停止位置よりも切断方向の上流側に回転刃52を移動させる。これにより、乗り上げが生じる傾向にあった回転刃52の姿勢が変化し、回転刃52を正常な位置に復帰させることができる。その後、正常な位置に復帰した回転刃52によって、
図7(e)に示すように、移動モータ53Mの最大PWM値(本発明の「出力値」)を100%(本発明の「第2出力値」)として、
図7(a)の第1停止位置よりも切断方向の上流側の位置から、「第2目標位置」に向けて、回転刃52を切断方向に移動させる(S22:第2切断処理)。つまり、回転刃52の移動状態の異常が検知された場合、移動モータ53Mの出力値を70%から100%に変更(即ち、出力制限を緩和)して切断処理を行う。このように出力制限を緩和することで、S22(第2切断処理)において、第1停止位置よりも切断方向の下流側の位置まで、ロール紙Rpを切断することができる。また、「第2目標位置」を「第1目標位置」よりも切断方向の上流側とすることで、S22(第2切断処理)において乗り上げが生じ難い。このような制御により、乗り上げの予兆を検知して当該現象を未然に防止することが可能である。
【0059】
S22(第2切断処理)の後、回転刃52を切断方向の上流側に移動させ(S26:第2復帰処理)、その後S7(第1切断処理)を再度実行する(
図7(e)~(g)参照)。これにより、ロール紙Rpを幅方向に切断することができる。
【0060】
S17(第1復帰処理)の後、S22(第2切断処理)の前に、S18(第3切断処理)、S19(第2判定処理)、S20(第2停止処理)及びS21(第3復帰処理)を実行する(
図7(c),(d)参照)。S18(第3切断処理)では、移動モータ53MのPWM値を第1出力値(70%)よりもさらに小さい第3出力値(55%)とすることで、S20(第2停止処理)で回転刃52が反力により移動することが抑制され、切断終端位置を精確に判断できる。そして、当該位置(第2停止位置)よりも切断方向の下流側に第2目標位置を設定してS20(第2切断処理)を行うことで、第2停止位置よりも切断方向の下流側までロール紙Rpを切断することができる。
【0061】
S22(第2切断処理)の実行中に回転刃52が第2停止位置(第2目標位置よりも切断方向の上流側の位置)で停止したと判定された場合(S23:YES)、回転刃52を切断方向の上流側に移動させ(S21:第4復帰処理)、その後S22(第2切断処理)を再度実行する。これにより、S22(第2切断処理)において、第1停止位置よりも切断方向の下流側の位置まで、ロール紙Rpを切断することができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0063】
例えば、上述の実施形態の固定刃51に代えて回転刃52と共に左右方向に移動可能な回転刃を設けてもよい。また、固定刃51と回転刃52との前後方向の位置を入れ替えてもよい(つまり、固定刃51が回転刃52よりも後方に配置されてもよい)。第1刃は、回転しない刃であってもよい。
【0064】
切断部は、上述の実施形態ではヘッドよりも搬送方向の上流側に位置するが、ヘッドよりも搬送方向の下流側に位置してもよい。
【0065】
切断部は、上述の実施形態ではロール紙Rpを切断するが、カット紙Kpを切断してもよい。また、上述の実施形態では、プリンタがロール体R及びカット紙Kpのいずれかを選択的に収容するが、プリンタがロール体R及びカット紙Kpの一方を収容し、切断部が当該一方を切断してよい。
【0066】
移動機構は、上述の実施形態では第1刃(回転刃52)のみを移動させるが、第1刃及び第2刃の両方を移動させてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、第1刃(回転刃52)の移動速度に基づいて第1刃(回転刃52)の移動状態に異常があるか否かが判定されるが、これに限定されない。例えば、アクチュエータの負荷(例えば、移動モータ53Mの電流値)に基づいて第1刃(回転刃52)の移動状態に異常があるか否かが判定されてもよい。
【0068】
切断方向は、シートに沿った方向に限定されず、シートと直交する方向であってもよい。
【0069】
第3目標位置は、上述の実施形態では第1目標位置よりも切断方向の上流側にあるが、第1目標位置と同じでもよい。
【0070】
上述の実施形態において、S17(第1復帰処理)の後、S18~S21を実行せず、S22(第2切断処理)を実行してもよい。つまり、第3切断処理、第2判定処理及び第3復帰処理を省略してもよい。
【0071】
シートは、用紙に限定されず、布、プラスチックフィルム等であってもよい。
【0072】
本発明は、インクジェットプリンタのみならず、レーザで感光体を露光することにより静電潜像が形成されるレーザ式の画像形成部や、LEDで感光体を露光することにより静電潜像が形成されるLED式の画像形成部を備える電子写真プリンタに適用することもできる。また、本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。さらに、本発明において、画像形成部は必須要素ではなく省略可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 プリンタ(シート切断装置)
3 搬送部
5 切断部
8 制御部
17 エンコーダ(信号出力部)
51 固定刃(第2刃)
52 回転刃(第1刃)
53 移動機構
53M 移動モータ(アクチュエータ)
R 用紙(シート)