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特開2024-596965.8~8.5のpIを有する少なくとも1つの基礎インスリンならびにカルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を含むpH7の注射溶液
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059696
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】5.8~8.5のpIを有する少なくとも1つの基礎インスリンならびにカルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を含むpH7の注射溶液
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/28 20060101AFI20240423BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240423BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61K38/28
A61K9/08
A61K47/34
A61P3/10
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024019588
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2020531052の分割
【原出願日】2018-12-07
(31)【優先権主張番号】1761807
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1855934
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】62/606,138
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508090088
【氏名又は名称】アドシア
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ユー-ピン
(72)【発明者】
【氏名】ガイスラー,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ノエル,ロメイン
(72)【発明者】
【氏名】シヤルベ,リシャール
(72)【発明者】
【氏名】ローレント,ニコラス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】等電点(pI)が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを可溶化しながら、注射後のその基礎プロファイルを保持するのに好適な、また、インスリン系医薬品に対する標準物理安定性要求を満たすのに好適な注射水溶液の形態の組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも下記を含む、6.0~8.0のpHを有する、注射水溶液の形態の物理的に安定な組成物に関する: a)等電点(pI)が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、ならびにb)カルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
pHが6.0~8.0で構成され、少なくとも下記を含む、注射水溶液の形態の組成物:
-等電点pIが5.8~8.5で構成される基礎インスリン;
-カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルHyを有するコポリアミノ酸であって、前記コポリアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸単位から構成され、前記疎水性ラジカルHyは下記式Xによる、コポリアミノ酸:
【化1】
式中、
-GpRは式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化2】
-同一か、または異なるGpGおよびGpHは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され;
【化3】
-GpAは、式VIIIによるラジカルから選択され
【化4】
式中、A’は、式VIII’、VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され
【化5】
-GpLは、式XIIによるラジカルから選択され
【化6】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化7】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合a’=1、2または3であり;
-a’は、1、2、または3に等しい整数であり
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-lは、0または1に等しい整数であり、l=0の場合l’=1であり、l=1の場合l’=2であり;
-rは、0、1、または2に等しい整数であり、
-s’は、0または1に等しい整数であり、
-eが0とは異なる場合、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-a=0場合、l=0であり;
-A、A、AおよびAは同一か、または異なり、任意で、飽和、不飽和または芳香環に由来するラジカルにより置換され、1~8個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Bは、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルであり;
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
・前記疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
・前記疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
・前記疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
・前記疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
・前記疎水性ラジカル-Hyが少なくとも5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基を有する1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり;
-式Xによる疎水性ラジカル(複数可)-Hyは、下記により前記PLGに結合され:
・前記疎水性ラジカル-Hyのカルボニルと前記PLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、前記PLGが有するアミン官能基と前記疎水性ラジカル-Hyの前記前駆体-Hy’が有する酸官能基の反応に由来するアミド官能基が形成される)、および
・前記疎水性ラジカル-Hyの窒素原子と前記PLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、前記疎水性-Hyラジカルの前記前駆体-Hy’のアミン官能基と前記PLGが有する酸官能基の反応に由来するアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-PLG鎖についてのグルタミン酸またはアスパラギン酸単位における重合度DPは5~250で構成され;
-遊離カルボン酸官能基はNaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【請求項2】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、下記式XXXa’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物:
【化8】
式中、
-Dは、独立して、-CH-基(アスパラギン酸単位)または-CH-CH-基(グルタミン酸単位)のいずれかを表し、
-Hyは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは式VIIによるラジカルであり、
-Rは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=0またはr=1であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、または、H、C2~C10の直鎖アシル基、C4~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびピログルタミン酸からなる群より選択されるラジカルであり、
-Rは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性グルタミン酸であり、r=1であり、GpRは式VIIによるラジカルであり、または-NR’R’’ラジカルであり、R’およびR’’は同一か、または異なり、H、C2~C10の直鎖もしくは分枝もしくは環状アルキル、ベンジルからなる群より選択され、前記R’およびR’’アルキルは一緒に1つ以上のカーボネート、飽和、不飽和および/または芳香環(複数可)を形成することができ、および/または、O、NおよびSから構成される群より選択されるヘテロ原子を含むことができ;
-Xは、アルカリカチオンを含む群から選択されるカチオン性エンティティを表し;
-n+mは、コポリアミノ酸の重合度DP、すなわち、コポリアミノ酸鎖あたりのモノマ単位の平均数を表し、5≦n+m≦250である。
【請求項3】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、下記式XXXaによる、式XXXa’(式中、R=R’およびR=R’)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とする、前記請求項に記載の組成物:
【化9】
式中、
-m、n、X、DおよびHyは上記で与えられる定義を有し、
-R’は、H、C2~C10の直鎖アシル基、C4~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびピログルタミン酸からなる群より選択されるラジカルであり、
-Rは、ラジカル-NR’R’’であり、R’およびR’1’は、同一か、または異なり、H、C2~C10の直鎖もしくは分枝もしくは環状アルキル、ベンジルにより構成される群から選択され、前記R’およびR’’アルキルは一緒に1つ以上のカーボネート、飽和、不飽和および/または芳香環(複数可)を形成することができ、およびO、NおよびSから構成される群より選択されるヘテロ原子を含むことができる。
【請求項4】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、下記式XXXbによる、式XXXa’(式中、n=0)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物:
【化10】
式中、m、X、D、RおよびRは上記で与えられる定義を有し、少なくともRまたはRは式Xによる疎水性ラジカルである。
【請求項5】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、式XXXbによる、XXXa’(式中、n=0)のコポリアミノ酸から選択され、RまたはRは式Xによる疎水性ラジカルであることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、式XXXbによるコポリアミノ酸から選択され、Rは、式Xによる疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは、式VIIによることを特徴とする、請求項4および5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
は、C~C10の直鎖アシル基、C~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびピログルタミン酸からなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
は、C~C10の直鎖アシル基またはC~C10の分枝アシル基からなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする、前記請求項に記載の組成物。
【請求項9】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、式XXXa’、XXXaまたはXXXbによるコポリアミノ酸から選択され、前記コポリアミノ酸は、D基が-CH-基(アスパラギン酸単位)であるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有する前記コポリアミノ酸は、式XXXa’、XXXaまたはXXXbによるコポリアミノ酸から選択され、前記コポリアミノ酸は、D基がCH-CH-基(グルタミン酸単位)であるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
等電点が5.8~8.5で構成される前記基礎インスリンは、インスリングラルギンであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
40~500U/mLの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい60mg/mLであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい40mg/mLであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい20mg/mLであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい10mg/mLであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルHyを有するコポリアミノ酸であって、前記コポリアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸単位から構成され、前記疎水性ラジカルHyは、下記で規定される式Xによる疎水性ラジカルから選択される、コポリアミノ酸:
【化11】
式中、
GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化12】
-同一か、または異なるGpGおよびGpHは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され;
【化13】
-GpAは、式VIIIによるラジカルから選択され
【化14】
式中、A’は、式VIII’、VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され
【化15】
-GpLは、式XIIによるラジカルから選択され
【化16】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化17】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合2または3であり;
-a’は、1、2、または3に等しい整数であり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-lは、0または1に等しい整数であり、l=0の場合l’=1であり、l=1の場合l’=2であり;
-rは、0、1または2に等しい整数であり;
-s’は、0または1に等しい整数であり;
-eが0とは異なる場合、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-a=0の場合、l=0であり;
-A、A、AおよびAは同一か、または異なり、1~8個の炭素原子を含み、任意で、飽和、不飽和または芳香環由来のラジカルにより置換された、直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Bは、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカル、または、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝の一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
-前記疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基(複数可)を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む二価、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基を有する1~12個の炭素原子を含む二価、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり、
-式Xによる疎水性ラジカル(複数可)-Hyは、下記により前記PLGに結合され:
・前記疎水性ラジカル-Hyのカルボニルと前記PLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、前記PLGが有するアミン官能基と前記疎水性ラジカル-Hyの前記前駆体-Hy’が有する酸官能基の反応に由来するアミド官能基が形成される)、および
・前記疎水性ラジカル-Hyの窒素原子と前記PLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、前記疎水性ラジカル-Hyの前記前駆体-Hy’のアミン官能基と前記PLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは、0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-PLG鎖についてのグルタミン酸またはアスパラギン酸単位における重合度DPは、5~250で構成され;
-遊離カルボン酸官能基は、NaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【請求項18】
下記で規定される式X’による疎水性ラジカル-Hyの前駆体Hy’:
【化18】
式中、
GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化19】
-同一か、または異なるGpGおよびGpHは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され;
【化20】
-GpAは、式VIIIによるラジカルから選択され
【化21】
式中、A’は、式VIII’、VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され
【化22】
-GpLは、式XIIによるラジカルから選択され
【化23】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化24】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合、2または3であり;
-a’は、1、2、または3に等しい整数であり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり、gまたはhの少なくとも1つは0とは異なり;
-lは、0または1に等しい整数であり、l=0の場合l’=1であり、l=1の場合l’=2であり;
-rは、0、1または2に等しい整数であり;
-s’は、0または1に等しい整数であり;
-eが0とは異なる場合、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-a=0の場合、l=0であり;
-A、A、AおよびAは同一か、または異なり、1~8個の炭素原子を含み、任意で、飽和、不飽和または芳香環由来のラジカルにより置換された直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Bは、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカル、または、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝の一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
-前記疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
-前記疎水性ラジカル-Hyが5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の二価直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基(複数可)を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む二価、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基(複数可)を有する1~12個の炭素原子を含む二価、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり、
-式Xによる疎水性ラジカル(複数可)-Hyは、下記により前記PLGに結合され:
・前記疎水性ラジカル-Hyのカルボニルと前記PLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、前記PLGが有するアミン官能基と前記疎水性ラジカル-Hyの前記前駆体-Hy’が有する酸官能基の反応に由来するアミド官能基が形成される)、および
・前記疎水性ラジカル-Hyの窒素原子と前記PLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、前記疎水性ラジカル-Hyの前記前駆体-Hy’のアミン官能基と前記PLGが有する酸官能基の反応に由来するアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-遊離カルボン酸官能基は、NaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【請求項19】
組成物の物理化学的安定性を改善するための、アニオン、カチオンおよび/または双性イオンの群から選択されるイオン種の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は糖尿病を治療するためのインスリン注射療法に関する。
【0002】
本発明は注射水溶液の形態の物理的に安定な組成物に関し、そのpHは6.0~8.0で構成され、その等電点(pI)が5.8~8.5で構成される少なくとも1つの基礎インスリン、ならびにカルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を含む。
【背景技術】
【0003】
インスリン療法、またはインスリン注射による糖尿病治療は、近年、特に、ヒトインスリンと比べて、患者においてより良好な血糖補正を伴い、膵臓の生理的活性の改善されたシミュレーションを可能にする、新規インスリンの開発のために、顕著な進歩を見せている。
【0004】
患者においてII型糖尿病が診断されると、治療は漸進的に実行される。最初、患者はメトホルミンなどの経口抗糖尿病薬(OAD)を摂取する。OAD単独では、もはや、血液中のグルコースレベルを制御するのに十分ではなくなると、患者特異性に依って、治療の変更が行われなければならず、異なる治療併用が実行され得る。例えば、患者は、OADに加えて、インスリングラルギン型基礎インスリンまたはインスリンデテミルを用いて、次いで、疾患の進展によって、基礎インスリンおよび食事インスリンを用いて、治療することができる。
【0005】
さらに、今日、後者が血液中のグルコースレベルを制御することができなくなると、OADによる治療から、基礎インスリン/食事インスリン治療への移行をするために、GLP-1 RA類似体の注射が推奨される。
【0006】
GLP-1 RA、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストはインスリン分泌性ペプチドまたはインクレチンであり、血糖が高すぎる時、例えば、食後にインスリンの分泌を刺激する消化管ホルモン(または胃腸ホルモン)のファミリーに属する。
【0007】
消化管ホルモン(胃腸ホルモン)は満腹ホルモンとも呼ばれる。特定的には、それらはGLP-1 RA(グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト)およびGIP(グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド)、オキシントモジュリン(プログルカゴンの誘導体)、ペプチドYY、アミリン、コレシストキニン、膵臓ポリペプチド(PP)、グレリンおよびエンテロスタチン(それらは、ペプチドまたはタンパク構造体である)を含む。それらはまた、グルコースおよび脂肪酸に応じてインスリンの分泌を刺激し、よって、そのようなものとして、糖尿病の治療のための可能性のある候補となる。
【0008】
これらの中で、GLP-1 RAが、今日までで、薬物の開発において最良の結果を与えたものである。それらは、II型糖尿病に冒された患者が、彼らの血糖のより良好な制御を維持しながら、体重を落とすのを可能にすることができた。
【0009】
よって、GLP-1 RA類似体または誘導体が、特にそれらの安定性を改善するために開発されてきた。
【0010】
他方、その1日のインスリン必要量を満たすために、糖尿病患者は現在のところ、概略的に、補完作用を有する2つの型のインスリンを利用する:食事インスリン(またはいわゆる速効型インスリン)および基礎インスリン(またはいわゆる遅効型インスリン)。
【0011】
食事インスリンは、食事および間食中に提供されたグルコースの迅速管理(代謝および/または貯蔵)を可能にする。患者は、各食物摂取前に、または1日に約2~3回注射で、食事インスリンを自分に注射しなければならない。最も広く使用される食事インスリンは下記である:組換えヒトインスリン、NovoLog(登録商標)(NOVO NORDISKインスリンアスパルト)、ヒューマログ(登録商標)(ELI LILLYインスリンアスパルト)およびアピドラ(登録商標)(SANOFIインスリングルリジン)。
【0012】
基礎インスリンは、食物摂取の期間外での患者の血糖ホメオスタシスの維持を確保する。本質的に、それらは内因性グルコース(肝臓グルコース)の産生をブロックするように作用する。基礎インスリンの1日用量は一般に、1日の総インスリン必要量の40-50%に対応する。使用される基礎インスリンによって、この用量は1または2回の注射で分配され、1日の過程にわたって規則的に配分される。最も一般的に使用される基礎インスリンは、レベミル(登録商標)(NOVO NORDISKインスリンデテミル)およびランタス(登録商標)(SANOFIインスリングラルギン)である。
【0013】
完璧にするために、NPH(中間型インスリンについてのインスリンNPH;Humiline NPH(登録商標)、インスラタード(登録商標))が最も古い基礎インスリンであることに注意すべきである。この製剤は、カチオン性タンパク質、プロタミンによるヒトインスリン(中性pHでアニオン性)の沈殿に由来する。このプロセスで形成された微結晶は水性懸濁液中に分散され、皮下注射後、徐々に溶解する。この徐々の溶解は、延長されたインスリン放出を確保する。しかしながら、この放出は、経時的に一定のインスリン濃度を確保しない。放出プロファイルは釣り鐘型であり、12~16時間しか続かない。そのため、1日2回注射される。このNPH基礎インスリンは、現代基礎インスリン、レベミル(登録商標)およびランタス(登録商標)よりもずっと有効でない。NPHは中間型基礎インスリンである。
【0014】
NPHの原理は、速効作用および中間作用の両方を提供する「プレミックス」と呼ばれる製品を含む速効型インスリン類似体の出現と共に進化した。Novolog Mix(登録商標)(NOVO NORDISK)およびヒューマログMix(登録商標)(ELI LILLY)は、速効型インスリン類似体、Novolog(登録商標)およびヒューマログ(登録商標)(部分的にプロタミンと複合体形成されている)を含む製剤である。よって、これらの製剤は、その作用が中間型と言われるインスリン類似体微結晶、および、その作用が速効型である可溶性のままのインスリンの一部を含む。これらの製剤は、速効型インスリンの利点を提供するが、それらはまた、NPHの不利益、すなわち12~16時間の制限された作用持続期間、および「釣り鐘」曲線で放出されるインスリンを有する。しかしながら、これらの製品により、患者は、中間型基礎インスリンを、速効型食事インスリンと共に注射することができる。しかしながら、多くの患者は注射の回数を低減させることについて関心を持っている。
【0015】
現在のところ市場で販売されている基礎インスリンは、延長された作用を得ることを可能にする技術的解決策に従い分類することができ、現在のところ、2つのアプローチが使用される。
【0016】
最初に、インスリンデテミルのそれは、アルブミンへのインビボでの結合である。それは、インビボで、このインスリンをアルブミンと結合するのを可能にする、B29位で結合された脂肪酸側鎖(テトラデカノイル)を含む、pH7で可溶性の類似体である。その延長された作用は、主に、皮下注射後の、アルブミンに対するこの親和性による。
【0017】
しかしながら、その薬物動態プロファイルは丸1日続くようにすることはできず、そのため、それは、1日2回の注射で最も頻繁に使用される。
【0018】
pH7で可溶性の別のインスリンはインスリンデグルデクであり、トレシーバ(登録商標)という名で市販される。それはまた、インスリンに付着された脂肪酸側鎖を含む(ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu)。
【0019】
第2に、インスリングラルギンのそれは、生理的pHでの沈殿である。インスリングラルギンは、2つのアルギニン残基によるヒトインスリンのB鎖のC末端部分の伸長により、アスパラギン残基A21のグリシン残基による置換により得られるヒトインスリンの類似体である(US5,656,722号)。2つのアルギニン残基の付加は、生理的pHに対してインスリングラルギンのpI(等電点)を調整し、ヒトインスリンに対するこの類似体を生理的媒体中で不溶性にするように設計された。
【0020】
加えて、A21の置換は、インスリングラルギンを酸性pHで安定にし、よって、それを酸性pHにて注射溶液の形態で製剤化することができるように設計された。皮下注射時に、酸性pH(pH4-4.5)から生理的pH(中性pH)へのインスリングラルギンの移行は、皮下でのその沈殿を引き起こす。インスリングラルギンの微小粒子の遅い再溶解は緩徐な延長された作用を確保する。
【0021】
インスリングラルギンの血糖低下効果は24時間の期間にわたり準一定であり、このため、ほとんどの患者は1日1回注射するだけですむ。
【0022】
インスリングラルギンは、今日、最も広く使用される基礎インスリンと考えられる。
【0023】
しかしながら、インスリングラルギン型の、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン製剤の必然的に酸性pHは現実問題となる可能性があり、というのも、インスリングラルギン製剤のこの酸性pHは時として、患者において注射時に痛みを引き起こし、とりわけ、他のタンパク質と、特に食事インスリンとの製剤化を防止するからである(後者は酸性pHで安定でないから)。酸性pHで、食事インスリンを製剤化することができないことは、食事インスリンが、これらの条件において、A21位で二次脱アミド反応を受けるという事実に関連し、これにより注射用薬物に適用可能な安定性要求を満たすことができなくなる。
【0024】
現在のところ、出願WO2013/021143A1号、WO2013/104861A1号、WO2014/124994A1号およびWO2014/124993A1号において、等電点が5.8~8.5で構成されるこれらのインスリングラルギン型基礎インスリンを、中性pHで、可溶化することは可能であったが、一方、pHとは関係なく、インビトロ媒体(容器)とインビボ媒体(皮下)の間の溶解度差が維持されることが証明された。
【0025】
出願WO2013/104861A1号は、特に、注射水溶液の形態の組成物を記載し、そのpHは6.0~8.0で構成され、少なくとも下記を含む:a)等電点(pI)が5.8~8.5で構成される1つの基礎インスリン、およびb)カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸。
【0026】
先行技術のこれらの組成物は、医薬製剤に適用可能な仕様を満たすのに十分安定ではないという重要な不利益を有する。
【0027】
この特許出願の実験部分の実施例において、特にWO2013/104861A1号において記載される組成物は、時間と共に不満足な安定性を有するようになることが証明されている。
【0028】
そのため、等電点(pI)が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを可溶性にしながら、注射後のその基礎プロファイルを保存するが、インスリン系医薬品に対する標準物理的安定性条件を満足させることもできる解決策を見いだすことが必要である。
【0029】
驚いたことに、出願人は、本発明によるカルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、WO2013/104861A1号で記載される要求を満たすだけでなく、使用される賦形剤の数を増加させる必要なく、前記組成物に改善された物理的安定性を提供することができる溶液の形態の組成物を得ることを可能にすることを見いだした。
【0030】
決してこれまで得られていないこれらの性能はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンが組成物中で食事インスリンおよび/または消化管ホルモンと関連付けられる場合に維持される。
【0031】
よって、驚いたことに、先行技術より低い[Hy]/[基礎インスリン]比で、インスリングラルギン溶液の可溶化および安定化を得ることが可能になるという点で、インスリングラルギンに対する本発明によるコポリアミノ酸の親和性は増加し;加えて、これらの結果は、実験パートにおいて証明されるインスリングラルギンの沈殿する傾向を変化させることなく、さらにはこれを改善して、得られる。
【0032】
親和性のこの改善はまた、長期治療との関連で、前記賦形剤への曝露のレベルを制限することを可能にする。
【0033】
本発明によるカルボキシレート電荷および疎水性ラジカルHyを有するコポリアミノ酸は加水分解に対して優れた抵抗性を示す。これは特に、加速条件下、例えば、塩基性pH(pH12)での加水分解試験により確認され得る。
【0034】
加えて、例えば、フェントン酸化型の強制酸化試験により、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルHyを有するコポリアミノ酸は酸化に対して良好な抵抗性を示すことが示される。
【発明の概要】
【0035】
よって、発明は、pHが6.0~8.0で構成され、少なくとも下記を含む、注射水溶液の形態の物理的に安定な組成物に関する:
a)等電点(pI)が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、ならびに
b)カルボキシレート電荷および式Xによる少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸。
【0036】
1つの実施形態では、発明は、pHが6.0~8.0で構成され、少なくとも下記を含む、注射水溶液の形態の組成物に関し:
a)等電点pIが5.8~8.5で構成される基礎インスリン、ならびに
b)カルボキシレート電荷および疎水性ラジカル-Hyを有するコポリアミノ酸であって、前記コポリアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸単位から構成され、前記疎水性ラジカルHyは下記式Xによる、コポリアミノ酸:
【化1】
式中、
-GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化2】
-同一か、または異なるGpGおよびGpHは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され;
【化3】
-GpAは、式VIIIによるラジカルから選択され
【化4】
式中、A’は式VIII’、VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され
【化5】
-GpLは、式XIIによるラジカルから選択され
【化6】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化7】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合a’=1、2または3であり;
-a’は、1、2、または3に等しい整数であり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-lは、0または1に等しい整数であり、l=0の場合l’=1であり、l=1の場合l’=2であり;
-rは、0、1、または2に等しい整数であり、
-s’は、0または1に等しい整数であり、
-eが0とは異なる場合、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-a=0場合、l=0であり;
-A、A、AおよびAは同一か、または異なり、任意で、飽和、不飽和または芳香環に由来するラジカルにより置換され、1~8個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、
-Bは、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルであり;
-Cは、任意で環状部分を含む直鎖もしくは分枝一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
・疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
・疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
・疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
・疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
・疎水性ラジカル-Hyが5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基を有する1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、または4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり
-式Xによる疎水性ラジカル(複数可)-Hyは、下記によりPLGに結合され:
・疎水性ラジカル-HyのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、PLGが有するアミン官能基と疎水性ラジカルHyの前駆体-Hy’が有する酸官能基の間の反応から得られるアミド官能基が形成される)、および
・疎水性ラジカル-Hyの窒素原子とPLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、疎水性ラジカル-Hyの前駆体-Hy’のアミン官能基とPLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-PLG鎖についてのグルタミン酸またはアスパラギン酸単位における重合度DPは5~250で構成され;
-遊離カルボン酸官能基はNaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【0037】
発明はまた、安定な、注射組成物の調製のための方法に関する。
【0038】
本発明による組成物のpHは6.0~8.0、好ましくは6.6~7.8、さらにいっそう好ましくは、6.8~7.6で構成される。
【0039】
カルボキシレート電荷および疎水性Hyラジカルを有する前記コポリアミノ酸は6.0~8.0のpHの水溶液中、25℃の温度で、100mg/ml未満の濃度にて可溶性である。
【0040】
カルボキシレート電荷および疎水性Hyラジカルを有する前記コポリアミノ酸は6.0~8.0のpHの水溶液中、25℃の温度で、60mg/ml未満の濃度にて可溶性である。
【0041】
コポリアミノ酸はグルタミン酸および/またはアスパラギン酸単位の鎖における統計学的コポリアミノ酸である。
【0042】
「アルキルラジカル」により、ヘテロ原子を含まない直鎖もしくは分枝の炭素を含む鎖が意味される。
【0043】
式においては、は、表される様々な要素の付着部位を示す。
【0044】
「物理的に安定な組成物」により、欧州、米国および国際薬局方において記載される目視検査判断基準を満たす組成物、すなわち、透明であり、視認可能な粒子を含まないが、無色でもある組成物が意味される。
【0045】
「注射水溶液」により、溶媒は水であり、欧州およびUS薬局方条件を満たす溶液が意味される。
【0046】
本発明による注射水溶液の形態の組成物は透明溶液である。「透明溶液」により、注射溶液に関して、米国および欧州薬局方において記載される判断基準を満たす組成物が意味される。US薬局方では、溶液はパート<1151>で、注射<1>を参照して規定される(USP35により<788>を参照して、USP35により<788>において、ならびに、USP38により<787>、<788>および<790>USP38(2014年8月1に開始)において明記される)。欧州薬局方では、注射溶液は、セクション2.9.19および2.9.20で提供される判断基準を満たさなければならない。
【0047】
「コポリアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸単位で構成され」により、グルタミン酸またはアスパラギン酸単位の非環状直鎖が互いにペプチド結合により結合され、前記鎖は、一端のカルボン酸に対応するC末端、および鎖の他端のアミンに対応するN末端部分を提示することが意味される。
【0048】
「可溶性」により、25℃の蒸留水中での100mg/ml未満の濃度の、粒子を含まない透明溶液の調製を可能にするのに好適であることが意味される。
【0049】
ラジカルHy、GpR、GpG、GpH、GpA、GpLおよびGpCは各々独立して、1つの残基と別の残基とで同一かまたは異なる。
【0050】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Hyが15~100個の炭素原子を含むことを特徴とする。
【0051】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Hyが30~70個の炭素原子を含むことを特徴とする。
【0052】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Hyが40~60個の炭素原子を含むことを特徴とする。
【0053】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Hyが20~30個の炭素原子を含むことを特徴とする。
【0054】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Hyが30個を超える炭素原子を含むことを特徴とする。
【0055】
式においては、は、疎水性ラジカルのPLGへの付着部位、または異なるGpR、GpG、GpH、GpA、GpLおよびGpC間の付着部位を示し、アミド官能基が形成される。
【0056】
Hyラジカルは、アミド官能基を介してPLGに付着される。
【0057】
1つの実施形態では、r=0であり、式Xによる疎水性ラジカルは、疎水性ラジカルのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合により、PLGに結合され、よって、PLG前駆体が有するアミン官能基と疎水性ラジカルの前駆体Hy’が有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される。
【0058】
1つの実施形態では、r=1または2であり、式Xによる疎水性ラジカルは、下記により、PLGに結合される:
・疎水性ラジカルの窒素原子とPLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、疎水性ラジカルの前駆体-Hy’のアミン官能基とPLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
・疎水性ラジカルのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、疎水性ラジカルHyの前駆体Hy’のアミン官能基とPLGのアミン官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)。
【0059】
1つの実施形態では、GpAが式VIIIcによるラジカルであり、r=1である場合:
-GpCは直接、または間接的に、Nα1およびNα2に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nβ1に結合され、あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα1およびNβ1に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nα2に結合され、あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα2およびNβ1に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nα1に結合される。
【0060】
1つの実施形態では、GpAが式VIIIcによるラジカルであり、r=0である場合:
-GpCは直接、または間接的に、Nα1およびNα2に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nβ1に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα1およびNβ1に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nα2に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα2およびNβ1に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nα1に結合される。
【0061】
1つの実施形態では、GpAが式VIIIdによるラジカルであり、r=1である場合、
-GpCは直接、または間接的に、Nα1、Nα2およびNβ1に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nβ2に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα1、Nα2およびNβ2に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nβ1に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα1、Nβ1およびNβ2に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nα2に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα2、Nβ1およびNβ2に結合され、PLGは直接、または間接的に、GpRを介して、Nα1に結合される。
【0062】
1つの実施形態では、GpAが式VIIIdによるラジカルであり、r=0である場合、
-GpCは直接、または間接的に、Nα1、Nα2およびNβ1に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nβ2に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα1、Nα2およびNβ2に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nβ1に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα1、Nβ1およびNβ2に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nα2に結合され;あるいは
-GpCは直接、または間接的に、Nα2、Nβ1およびNβ2に結合され、PLGは直接、または間接的に、Nα1に結合される。
【0063】
1つの実施形態では、r=2である場合、PLGに結合されるGpR基は式VIIによるGpRから選択される。
【0064】
1つの実施形態では、r=2である場合、PLGに結合されるGpR基は式VIIによるGpRから選択され、第2のGpRは式VII’’によるGpRから選択される。
【0065】
1つの実施形態では、r=2である場合、PLGに結合されるGpRは式VII’’によるGpRから選択される。
【0066】
1つの実施形態では、r=2である場合、PLGに結合されるGpR基は式VII’’によるGpRから選択され、第2のGpRは式VIIによるGpRから選択される。
【0067】
1つの実施形態では、a=0である。
【0068】
1つの実施形態では、h=1およびg=0である。
【0069】
1つの実施形態では、h=0およびg=1である。
【0070】
1つの実施形態では、r=0、g=1およびh=0である。
【0071】
1つの実施形態では、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なる。
【0072】
1つの実施形態では、gおよびhの少なくとも1つは1に等しい。
【0073】
1つの実施形態では、gおよびhの少なくとも1つは1に等しい。
【0074】
1つの実施形態では、a=1およびl=1である。
【0075】
1つの実施形態では、l=0である場合、gまたはhの少なくとも1つは0に等しい。
【0076】
1つの実施形態では、l=1である場合、gまたはhの少なくとも1つは0に等しい。
【0077】
1つの実施形態では、g+h≧2である。
【0078】
1つの実施形態では、gは2以上である(g≧2)。
【0079】
1つの実施形態では、hは2以上である(h≧2)。
【0080】
1つの実施形態では、g+h≧2であり、aおよびlは0に等しい(a=l=0)。
【0081】
1つの実施形態では、g+h≧2であり、bは0に等しい(b=0)。
【0082】
1つの実施形態では、gまたはhは2以上であり(g≧2)、bは0に等しい。
【0083】
1つの実施形態では、g+h≧2であり、bは0に等しく(b=0)、eは1に等しい(e=1)。
【0084】
1つの実施形態では、gまたはhは2以上であり(g≧2)、bは0に等しく(b=0)、eは1に等しい(e=1)。
【0085】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xc’による、式X(式中、r=2)によるラジカルから選択され:
【化8】
式中、GpRは、式VIIによるラジカルであり、
【化9】
式中、GpR、GpG、GpA、GpL、GpH、GpC、R、a、a’、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0086】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xc’による、式X(式中、r=2)によるラジカルから選択され:
【化10】
式中、GpRは、式VII’’によるラジカルであり、
【化11】
式中、GpR、GpG、GpA、GpL、GpH、GpC、R、a、a’、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0087】
1つの実施形態では、g=h=0、a=1であり、GpAは、式VIIIによるラジカルであり、s’=1であり、A’は、式VIII’またはVIII’’により、l=1である。
【0088】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xc’による、式X(式中、r=2)によるラジカルから選択され:
【化12】
式中、GpRは、式VIIによるラジカルであり、
【化13】
式中、GpR、GpG、GpA、GpL、GpH、GpC、R、a、a’、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0089】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xc’による、式X(式中、r=2)によるラジカルから選択され:
【化14】
式中、GpRは、式VII’’によるラジカルであり、
【化15】
式中、GpR、GpG、GpA、GpL、GpH、GpC、R、a、a’、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0090】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xb’による、式X(式中、l=0)によるラジカルから選択され
【化16】
式中、
-GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化17】
-GpGは、式XI、XII’によるラジカルから選択され:
【化18】
-GpAは、式VIIIaにより表される、式VIII(式中、s’=1)、または式VIIIbにより表される式VIII(式中、[sic]s’=0)によるラジカルから選択され、
【化19】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化20】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合a’=1またはa’=2であり;
-a’は、1または2に等しい整数であり、
・a’が1に等しい場合、aは0または1に等しく、GpAは式VIIIbによるラジカルであり、
・a’が2に等しい場合、aは1に等しく、GpAは式VIIIaによるラジカルであり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり、gまたはhの少なくとも1つは0とは異なり;
-rは、0、1、または2に等しい整数であり、
-s’は、0または1に等しい整数であり;
-Aは、任意で、飽和、不飽和または芳香環由来のラジカルにより置換され、1~6個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Bは、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルであり;
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
・疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
・疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
・疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
・疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
・疎水性ラジカル-Hyが少なくとも5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基を有する1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、または4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり:
-式Xによる疎水性Hyラジカル(複数可)は、下記によりPLGに結合され:
・疎水性ラジカルのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、PLGが有するアミン官能基と疎水性ラジカルの前駆体が有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、および
・疎水性ラジカルの窒素原子とPLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、疎水性ラジカルの前駆体-Hy’のアミン官能基とPLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-遊離カルボン酸官能基はNaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【0091】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは下記で規定される式Xによるラジカルから選択され、式中、l=0であり、
-GpAは、式VIIIにおけるラジカルから選択され、式中、s’=1であり、A’は式VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され、
-下記で規定される式Xb’によるものであり:
【化21】
式中、
-GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化22】
-GpGは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され:
【化23】
-GpAは、式VIIIcまたはVIIIdによるラジカルから選択され:
【化24】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化25】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合a’=2または3であり;
-a’は、2または3に等しい整数であり、
・a’が1に等しい場合、aは0に等しく、
・a’が2または3に等しい場合、aは1に等しく、GpAは式VIIIcまたはVIIIdによるラジカルであり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり、gまたはhの少なくとも1つは0とは異なり;
-rは、0、1、または2に等しい整数であり、
-s’は、1に等しい整数であり;
-A、A、Aは同一か、または異なり、任意で、飽和、不飽和または芳香環由来のラジカルにより置換され、1~6個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、
-Bは、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルであり;
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
・疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
・疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
・疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
・疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
・疎水性ラジカル-Hyが5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-式Xによる疎水性Hyラジカル(複数可)は、下記によりPLGに結合され:
・疎水性ラジカルのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、PLGが有するアミン官能基と疎水性ラジカルの前駆体-Hy’が有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、および
・疎水性ラジカルの窒素原子とPLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、疎水性ラジカルの前駆体-Hy’のアミン官能基とPLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
-Gは、1~8個の炭素原子の分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基を有する1~12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、二価アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり:
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは、0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-遊離カルボン酸官能基は、NaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【0092】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xaによる、式X(式中、a=1およびa’=1)によるラジカルから選択され:
【化26】
式中、GpAは、式VIIIによるラジカルであり、およびA’は、式VIII’によるラジカルから選択され、s’=0であり、GpAは、式VIIIbによるラジカルであり
【化27】
GpR、GpG、GpL、GpL、GpC、A、r、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0093】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xbによる、式X(式中、a=1)によるラジカルから選択され:
【化28】
式中、GpAは、式VIIIによるラジカルであり、A’は、式VIII’によるラジカルから選択され、s’=1であり、GpAは、式VIIIaによるラジカルであり
【化29】
GpR、GpG、GpL、GpH、GpC、A、a’、r、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0094】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される、式X(式中、a=1)によるラジカルから選択され:
【化30】
式中、GpAは、式VIIIによるラジカルであり、Aは、式VIII’のラジカルから選択され、s’=1であり、GpAは、式VIIIcによるラジカルであり
【化31】
GpR、GpG、GpL、GpH、GpC、A、A、r、g、h、a’、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0095】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される、式X(式中、a=1)によるラジカルから選択され:
【化32】
式中、GpAは、式VIIIによるラジカルであり、Aは、式VIII’’’によるラジカルから選択され、s’=1であり、GpAは、式VIIIdによるラジカルであり
【化33】
GpR、GpG、GpL、GpH、GpC、A、A、A、a’、r、g、h、lおよびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0096】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、前記疎水性ラジカルが、下記式Xeにより表される、式X(式中、GpAは、式VIIIbによるラジカルであり、a’=1およびl=0)による疎水性ラジカルから選択されることを特徴とし:
【化34】
GpR、GpG、GpA、GpH、GpC、r、g、h、およびaは、上記で与えられる定義を有する。
【0097】
1つの実施形態では、r=0であり、GpAは式VIIIaおよびVIIIbによるラジカルから選択される。
【0098】
1つの実施形態では、r=0であり、GpAは式VIIIaおよびVIIIbによるラジカルから選択される。
【0099】
1つの実施形態では、r=0であり、GpAは式VIIIaおよびVIIIbによるラジカルから選択され、h=0である。
【0100】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xcによる、式X(式中、r=1)によるラジカルから選択され:
【化35】
式中、GpRは、式VIIによるラジカルであり
【化36】
GpG、GpA、GpL、GpH、GpC、R、a、a’、g、h、l、a’およびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0101】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xcによる、式X(式中、r=1)によるラジカルから選択され:
【化37】
式中、GpRは、式VII’によるラジカルであり
【化38】
GpG、GpA、GpL、GpH、GpC、R、a、a’、g、h、l、a’およびl’は、上記で与えられる定義を有する。
【0102】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xcによる、式X(式中、r=1)によるラジカルから選択され:
【化39】
式中、GpRは式VII’’によるラジカルである。
【化40】
【0103】
1つの実施形態では、r=1であり、GpRは式VII’およびVII’’によるラジカルから選択され、h=0である。
【0104】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、h=0である。
【0105】
・ 1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、h=1である。
【0106】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、GpAは式VIIIaまたはVIIIbによるラジカルから選択され、h=0である。
【0107】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、GpAは式VIIIaまたはVIIIbによるラジカルから選択され、h=1である。
【0108】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、GpAは式VIIIaによるラジカルであり、h=0である。
【0109】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、GpAは式VIIIaによるラジカルであり、h=1である。
【0110】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、GpAは式VIIIbによるラジカルであり、h=0である。
【0111】
1つの実施形態では、r=1、g=0であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、GpAは式VIIIbによるラジカルであり、h=1である。
【0112】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xによるラジカルから選択され:
【化41】
式中、GpCは、式IXによるラジカルであり、e=0であり、GpCは式IXaによるラジカルである。
【化42】
【0113】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは下記で規定される式Xによるラジカルから選択され:
【化43】
式中、GpCは、式IXによるラジカルであり、e=1、b=0であり、GpCは式IXdによるラジカルである。
【化44】
【0114】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは下記で規定される式Xによるラジカルから選択され:
【化45】
式中、GpCは、式IXによるラジカルであり、e=1であり、GpCは式IXbによるラジカルである。
【化46】
【0115】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの疎水性ラジカル-Hyは、下記で規定される式Xdによる、式X(式中、r、g、a、l、hは0に等しい)によるラジカルから選択され:
【化47】
式中、GpCは、式IXによるラジカルであり、e=0、b=0であり、GpCは式IXcによるラジカルである。
【化48】
【0116】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、前記疎水性ラジカルが、下記式Xfにより表される、式X(式中、a’=2およびa=1およびl=0)による疎水性ラジカルから選択されることを特徴とし:
【化49】
GpR、GpG、GpA、GpH、GpC、r、gおよびhは、上記で与えられる定義を有する。
【0117】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、前記疎水性ラジカルが、下記式Xgにより表される、式X(式中、h=0、l=0およびl’=1)による疎水性ラジカルから選択されることを特徴とし:
【化50】
GpR、GpG、GpA、GpC、r、g、a、およびa’は、上記で与えられる定義を有する。
【0118】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、前記疎水性ラジカルが、下記式Xhにより表される、式X(式中、h=0、a’=1)による疎水性ラジカルから選択されることを特徴とし:
【化51】
GpR、GpG、GpA、GpC、r、aおよびgは、上記で与えられる定義を有する。
【0119】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、前記疎水性ラジカルが、下記式Xiにより表される、式X(式中、h=0、a’=2およびa=1)による疎水性ラジカルから選択されることを特徴とし:
【化52】
GpR、GpG、GpA、GpC、rおよびgは、上記で与えられる定義を有する。
【0120】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、2~12個の炭素原子を含む二価直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0121】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、2~6個の炭素原子を含む二価直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0122】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、2~6個の炭素原子を含む二価直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0123】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、2~4個の炭素原子を含む二価直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0124】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、2~4個の炭素原子を含む二価、直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0125】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが2個の炭素原子を含む二価アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0126】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、1~11個の炭素原子を含む二価、直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0127】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、1~6個の炭素原子を含む二価、直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0128】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが2~5個の炭素原子を含み、1つ以上のアミド官能基(-CONH2)を有する二価アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0129】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが2~5個の炭素原子を含み、1つ以上のアミド官能基(-CONH2)を有する二価、直鎖アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0130】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが下記式により表されるラジカルからなる群より選択されるラジカルであるラジカルであることを特徴とする:
【化53】
【0131】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが式X1によるラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0132】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが式X2によるラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0133】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、アミド官能基(-CONH)に関してδまたはε位において(または4もしくは5位において)、炭素が有するアミド官能基を介してコポリアミノ酸に結合されるラジカルであることを特徴とする。
【0134】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換直鎖エーテルまたはポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0135】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rがエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0136】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが4~6個の炭素原子を含むエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0137】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが6個の炭素原子を含む二価アルキルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0138】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが式
【化54】
により表されるエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0139】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rがポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0140】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが6~10個の炭素原子および2~3個の酸素原子を含む直鎖ポリエーテルまたはポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0141】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、下記式により表されるラジカルからなる群より選択されるポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする:
【化55】
【0142】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが式X3によるラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0143】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが式X4によるラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0144】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、下記式X5およびX6により表されるラジカルからなる群より選択されるポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする:
【0145】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、式X5によるポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【0146】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Rが、式X6によるポリエーテルラジカルであるラジカルであることを特徴とする。
【化56】
【0147】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpGおよび/またはGpHが式XI’によるラジカルであることを特徴とし、Gは、下記式Zにより表される6個の炭素原子を含むアルキルラジカルである:
【化57】
【0148】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpGおよび/またはGpHが式XIによるラジカルであることを特徴とし、Gは、下記式Zにより表される4個の炭素原子を含むアルキルラジカルである:
【化58】
【0149】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpGおよび/またはGpHが式XIによるラジカルであることを特徴とし、Gは、-(CH-CH(COOH)-により表される、4個の炭素原子を含むアルキルラジカルである。
【0150】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpGおよび/またはGpHが式XIによるラジカルであることを特徴とし、Gは、-CH((CHCOOH)-により表される、4個の炭素原子を含むアルキルラジカルである。
【0151】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpGおよび/またはGpHが式XIによるラジカルであることを特徴とし、Gは、-CH-CH-(COOH)により表される3個の炭素原子を含むアルキルラジカルである。
【0152】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpGおよび/またはGpHが式XIによるラジカルであることを特徴とし、Gは、-CH(CH)COOH)-により表される3個の炭素原子を含むアルキルラジカルである。
【0153】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、GpAsourceが式VIIIによるラジカルであることを特徴とし、A、AまたはAは下記式により表されるラジカルからなる群より選択される:
【化59】
【0154】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、式IXによるラジカルGpCが下記で表される式IXe、IXfまたはIXgによるラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化60】
【0155】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xd、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、式IXによるラジカルGpCが、式IXe、IXfまたはIXgによるラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とし、bは0に等しく、それぞれ、下記式IXh、IXi、およびIXjに対応する:
【化61】
【0156】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、ラジカルGpCが式IXまたはIXe(式中、b=0)に対応し、式IXhに対応するラジカルであることを特徴とする。
【0157】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、直鎖アルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0158】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、分枝アルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0159】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが19~14個の炭素原子を含むアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0160】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが下記式により表されるラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化62】
【0161】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、15~16個の炭素原子を含むアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0162】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが下記式により表されるラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化63】
【0163】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが下記式により表されるラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化64】
【0164】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、17~25個の炭素原子を含むアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0165】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、17~18個の炭素原子を含むアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0166】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、下記式により表されるアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化65】
【0167】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、18~25個の炭素原子を含むアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0168】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、Cxが、下記式により表されるアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化66】
【0169】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、式IXによるラジカルGpCは、Cxが14~15個の炭素原子を含むアルキルラジカルからなる群より選択されるラジカルから構成される群より選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0170】
1つの実施形態では、組成物は、式X、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、XhおよびXiによる疎水性ラジカルは、式IXによるラジカルGpCは、Cxが下記式により表されるラジカルからなる群より選択されるラジカルから構成される群より選択されるラジカルであることを特徴とする:
【化67】
【0171】
1つの実施形態では、a’=1の場合、xは11~25で構成される(11≦x≦25)。特に、xが15~16で構成される(x=15または16)場合、r=1であり、Rはエーテルまたはポリエーテルラジカルであり、xが17を超える(x≧17)場合、r=1であり、Rはエーテルまたはポリエーテルラジカルである。
【0172】
1つの実施形態では、a’=2の場合、xは9~15で構成される(9≦x≦15)。
【0173】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は式XXXbによるコポリアミノ酸から選択され、疎水性ラジカル-Hyは、式X、Xc’、Xa、Xb’、Xc、Xe、XgおよびXhによる疎水性ラジカルの群から選択され、a’=1およびl’=1であり、GpCは式IXeによるラジカルである。
【0174】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は式XXXbによるコポリアミノ酸から選択され、疎水性ラジカル-Hyは、式X、Xc’、Xa、Xb’、Xc、Xe、XgおよびXhによる疎水性ラジカルの群から選択され、a’=1およびl’=1であり、GpCは、式IXによるラジカルであり、e=0である。
【0175】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は式XXXbによるコポリアミノ酸から選択され、疎水性ラジカル-Hyは、式X、Xc’、Xa、Xb’、Xc、Xf、XgおよびXiによる疎水性ラジカルの群から選択され、a’=2またはl’=2であり、GpCは式IXeによるラジカルである。
【0176】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は式XXXbによるコポリアミノ酸から選択され、疎水性ラジカル-Hyは、式X、Xc’、Xa、Xb’、Xc、Xf、XgおよびXiによる疎水性ラジカルの群から選択され、a’=2およびl’=2であり、GpCは、式IXによるラジカルであり、e=0である。
【0177】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、疎水性ラジカル-Hyは、式X、Xc’、Xa、Xb’、Xc、Xe、XgおよびXhによる疎水性ラジカルの群から選択され、a’=1およびl’=1であり、GpCは式IXeによるラジカルである。
【0178】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は、式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、疎水性ラジカル-Hyは式X、Xc’、Xa、Xb、Xc、Xf、XgおよびXiによる疎水性ラジカルの群から選択され、a’=2およびl’=2であり、GpCは式IXeによるラジカルである。
【0179】
1つの実施形態では、疎水性ラジカルHyは、式Xによる疎水性ラジカルの群から選択され、hは2以上であり、GpCは式IXeによる。
【0180】
1つの実施形態では、疎水性ラジカルHyは式Xによる疎水性部の群から選択され、gは2以上であり、a、lおよびhは0に等しく、GpCは式IXeによる。
【0181】
1つの実施形態では、組成物は、疎水性ラジカルが、式X、Xc’、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xe、XgおよびXhによる疎水性ラジカル由来であることを特徴とし、a’=1およびl’=1であり、Cxは直鎖アルキルラジカルからなる群より選択される。
【0182】
1つの実施形態では、組成物は、疎水性ラジカルが、式X、Xc’、Xa、Xb、Xb’、Xc、Xf、XgおよびXiによる疎水性ラジカルから選択されることを特徴とし、a’=2またはl’=2であり、Cxは直鎖アルキルラジカルからなる群より選択される。
【0183】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル-Hyは、式Xによる疎水性ラジカルの群から選択され、GpRは式VIIによるラジカルであり、GpHはXI由来のラジカルであり、GpCは式IXにより、e=1、b=0およびx=13である。
【0184】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は、実施例B1において記載される、下記で表される式による、その端部の1つで修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムである。
【化68】
【0185】
1つの実施形態では、コポリアミノ酸は、実施例B18において記載される、下記で表される式による、その端部の1つで修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムである。
【化69】
【0186】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mが0.007~0.3で構成されることを特徴とする。
【0187】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mが0.01~0.3で構成されることを特徴とする。
【0188】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mが0.02~0.2で構成されることを特徴とする。
【0189】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.007~0.15で構成されることを特徴とする。
【0190】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.01~0.1で構成されることを特徴とする。
【0191】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.02~0.08で構成されることを特徴とする。
【0192】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは9~10個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.03~0.15で構成されることを特徴とする。
【0193】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは11~12個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.015~0.1で構成されることを特徴とする。
【0194】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは11~12個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.02~0.08で構成されることを特徴とする。
【0195】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは13~15個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.01~0.1で構成されることを特徴とする。
【0196】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは13~15個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.01~0.06で構成されることを特徴とする。
【0197】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.007~0.3で構成されることを特徴とする。
【0198】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.01~0.3で構成されることを特徴とする。
【0199】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.015~0.2で構成されることを特徴とする。
【0200】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは11~14個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.1~0.2で構成されることを特徴とする。
【0201】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは15~16個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.04~0.15で構成されることを特徴とする。
【0202】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは17~18個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.02~0.06で構成されることを特徴とする。
【0203】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは19~25個の原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.01~0.06で構成されることを特徴とする。
【0204】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、疎水性ラジカルが、式Xに対応し、ラジカルCxは19~25個の炭素原子を含み、疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは0.01~0.05で構成されることを特徴とする。
【0205】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は下記式XXXa’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし:
【化70】
式中、
-Dは、独立して、-CH-基(アスパラギン酸単位)または-CH-CH-基(グルタミン酸単位)のいずれかを表し、
-Hyは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは、式VIIによるラジカルであり、
-Rは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=0またはr=1であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、または、H、C2~C10の直鎖アシル基、C4~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびピログルタミン酸からなる群より選択されるラジカルであり、
-Rは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは式VIIによるラジカルであり、またはラジカル-NR’R’’であり、R’およびR’’は同一か、または異なり、H、C2~C10の直鎖もしくは分枝もしくは環状アルキル、ベンジルにより構成される群から選択され、前記アルキルR’およびR’’は一緒に1つ以上の飽和、不飽和および/または芳香族カーボネート環を形成することができ、および/またはO、NおよびSから構成される群より選択されるヘテロ原子を含むことができ;
-Xは、アルカリカチオンを含む群から選択されるカチオン性エンティティを表し;
-n+mは、コポリアミノ酸の重合度DP、すなわち、コポリアミノ酸鎖あたりのモノマ単位の平均数を表し、5≦n+m≦250である。
【0206】
コポリアミノ酸が1つ以上のアスパラギン酸単位(複数可)を含む場合、後者は構造再配列を受ける可能性がある。
【0207】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸がアスパラギン酸単位を含む場合、コポリアミノ酸はまた、式XXXIおよび/またはXXXI’によるモノマ単位を含み得ることを特徴とする。
【化71】
【0208】
我々は、カルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸、式XXXaによるコポリアミノ酸を「統計学的にグラフトされたコポリアミノ酸」と呼ぶ。
【0209】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、下記式XXXaによる、式XXXa’(式中、R=R’およびR=R’)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし:
【化72】
式中、
-m、n、X、DおよびHyは上記で与えられる定義を有し、
-R’は、H、C2~C10の直鎖アシル基、C4~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびピログルタミン酸からなる群より選択されるラジカルであり、
-Rは-NR’R’’ラジカルであり、R’およびR’’は、同一か、または異なり、H、C2~C10の直鎖もしくは分枝もしくは環状アルキル、ベンジルにより構成される群から選択され、前記R’およびR’’アルキルは、任意で一緒に、1つ以上のカーボネート、飽和、不飽和および/または芳香環を形成し、任意でO、NおよびSから構成される群より選択されるヘテロ原子を含む。
【0210】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、Hyは式Xによるラジカルであることを特徴とする。
【0211】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、Hyは式Xによるラジカルであり、r=1であることを特徴とする。
【0212】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、Hyは式Xによるラジカルであり、r=1であり、GpCについては、b=0であることを特徴とする。
【0213】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、Hyは式Xによるラジカルであり、GpCは、式IXによるラジカルであることを特徴とする。
【0214】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は式XXXaによるコポリアミノ酸から選択され、Hyは式Xによるラジカルであり、GpCは、式IXによるラジカルであり、r=1であることを特徴とする。
【0215】
我々は、カルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸、式XXXbによるコポリアミノ酸を、「規定されるグラフトされたコポリアミノ酸」と呼ぶ。
【0216】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、下記式XXXbによる、式XXXa’(式中、n=0)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし:
【化73】
式中、m、X、D、RおよびRは上記で与えられる定義を有し、少なくともRまたはRは式Xによる疎水性ラジカルである。
【0217】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXbによる、式XXXa’(式中、n=0)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、RまたはRは式Xによる疎水性ラジカルである。
【0218】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXb’による、式XXXb(式中、R1=R’1)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし:
【化74】
式中、m、X、D、R’およびRは上記で与えられる定義を有し、Rは式Xによる疎水性ラジカルである。
【0219】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXb’’による、式XXXb(式中、R2=R’2)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし:
【化75】
式中、m、X、D、RおよびR’は上記で与えられる定義を有し、Rは式Xによる疎水性ラジカルである。
【0220】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXbまたはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、Rは式Xによるラジカルであり、GpRは式VII’による。
【0221】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は式XXXbまたはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、Rは式Xによるラジカルであり、GpRは式VII’’による。
【0222】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXbまたはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、Rは式Xによる疎水性ラジカルであり、GpRは式VII’により、GpCは式IXによる。
【0223】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXbまたはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、Rは式Xによる疎水性ラジカルであり、GpRは式VII’により、GpCは式IXによる。
【0224】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXbまたはXXXb’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、Rは式Xによる疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは式VIIによる。
【0225】
1つの実施形態では、組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、下記式XXXによる、式XXXa’(式中、RまたはRの少なくとも1つは以上で規定される疎水性ラジカルである)によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし:
【化76】
式中、
-Dは、独立して、-CH-基(アスパラギン酸単位)または-CH-CH-基(グルタミン酸単位)のいずれかを表し、
-Hyは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは式VIIによるラジカルであり、
-Rは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=0またはr=1であり、GpRは式VII’によるラジカルであり、または、H、C2~C10の直鎖アシル基、C4~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびピログルタミン酸からなる群より選択されるラジカルであり、
-Rは、式Xによる疎水性ラジカルから選択される疎水性ラジカルであり、r=1であり、GpRは、式VIIによるラジカルであり、または-NR’R’’ラジカルであり、R’およびR’’は同一か、または異なり、H、C2~C10の直鎖もしくは分枝もしくは環状アルキル、ベンジルにより構成される群から選択され、前記R’およびR’’アルキルは、任意で一緒に、1つ以上のカーボネート、飽和、不飽和および/または芳香環を形成し、任意でO、NおよびSから構成される群より選択されるヘテロ原子を含み、
-RまたはRの少なくとも1つは以上で規定される疎水性ラジカルであり、
-Xは、Hまたは金属カチオンを含む群から選択されるカチオン性エンティティを表し;
-n+mはコポリアミノ酸の重合度DP、すなわち、コポリアミノ酸鎖あたりのモノマ単位の平均数を表し、5≦n+m≦250である。
【0226】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXX、XXXa、XXXa’、XXXb、XXXb’またはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、D基は-CH-基(アスパラギン酸単位)である。
【0227】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXX、XXXa、XXXa’、XXXb、XXXb’またはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、D基は-CH-CH-基(グルタミン酸単位)である。
【0228】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Rは、C~C10の直鎖アシル基、C~C10の分枝アシル基、ベンジル、末端「アミノ酸」単位およびポリグルタミン酸により構成される群から選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0229】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、Rは、C~C10の直鎖アシル基、またはC~C10の分枝アシル基により構成される群から選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0230】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXa、XXXb、XXXb’またはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とし、D基は-CH-基(アスパラギン酸単位)である。
【0231】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸は、式XXXa、XXXb、XXXb’またはXXXb’’によるコポリアミノ酸から選択され、コポリアミノ酸は、D基が-CH-CH-基(グルタミン酸単位)であるコポリアミノ酸から選択されることを特徴とする。
【0232】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが10~200で構成されることを特徴とする。
【0233】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが15~150で構成されることを特徴とする。
【0234】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが15~100で構成されることを特徴とする。
【0235】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが15~80で構成されることを特徴とする。
【0236】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが15~65で構成されることを特徴とする。
【0237】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが20~60で構成されることを特徴とする。
【0238】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが20~50で構成されることを特徴とする。
【0239】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、n+mが20~40で構成されることを特徴とする。
【0240】
発明はまた、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカル-Hyを有するコポリアミノ酸に関し、前記コポリアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸単位で構成され、前記疎水性ラジカルHyは下記で規定される式Xによるラジカルから選択され:
【化77】
式中、
GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化78】
-同一か、または異なるGpGおよびGpHは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され;
【化79】
-GpAは、式VIIIによるラジカルから選択され
【化80】
式中、A’は、式VIII’、VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され
【化81】
-GpLは、式XIIによるラジカルから選択され
【化82】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化83】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合a’=1、2または3であり;
-a’は、1、2、または3に等しい整数であり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-lは、0または1に等しい整数であり、l=0の場合l’=1であり、l=1の場合l’=2であり;
-rは、0、1または2に等しい整数であり;
-s’は、0または1に等しい整数であり;
-eが0とは異なる場合、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-a=0の場合、l=0であり;
-A、A、AおよびAは同一か、または異なり、1~8個の炭素原子を含み、任意で、飽和、不飽和または芳香環由来のラジカルにより置換された直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Bは、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換のエーテルまたはポリエーテル、または、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝の一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
-疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
-疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
-疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
-疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
-疎水性ラジカル-Hyが少なくとも5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基(複数可)を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む二価、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基を有する1~12個の炭素原子を含む二価、直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり、
-式Xによる疎水性ラジカル(複数可)-Hyは、下記によりPLGに結合され:
・疎水性ラジカル-HyのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、PLGが有するアミン官能基と疎水性ラジカル-Hyの前駆体-Hy’が有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、および
・疎水性ラジカル-Hyの窒素原子とPLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、疎水性ラジカル-Hyの前駆体-Hy’のアミン官能基とPLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは、0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-PLG鎖についてのグルタミン酸またはアスパラギン酸単位における重合度DPは、5~250であり;
-遊離カルボン酸官能基は、NaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【0241】
発明はまた、下記で規定される式X’による疎水性ラジカル-Hyの前駆体Hy’に関し:
【化84】
式中、
GpRは、式VII、VII’またはVII’によるラジカルから選択され:
【化85】
-同一か、または異なるGpGおよびGpHは、式XIまたはXI’によるラジカルから選択され;
【化86】
-GpAは、式VIIIによるラジカルから選択され
【化87】
式中、A’は式VIII’、VIII’’またはVIII’’’によるラジカルから選択され
【化88】
-GpLは、式XIIによるラジカルから選択され
【化89】
-GpCは、式IXによるラジカルであり:
【化90】
は、アミド官能基により結合される異なる基の付着部位を示し;
-aは、0または1に等しい整数であり、a=0の場合a’=1であり、a=1の場合a’=1、2または3であり;
-a’は、1、2、または3に等しい整数であり;
-bは、0または1に等しい整数であり;
-cは、0または1に等しい整数であり、cが0に等しい場合、dは1または2に等しく;
-dは、0、1、または2に等しい整数であり;
-eは、0または1に等しい整数であり;
-gは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり;
-hは、0、1、2、3、4、5または6に等しい整数であり、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-lは、0または1に等しい整数であり、l=0の場合l’=1であり、l=1の場合l’=2であり;
-rは、0、1または2に等しい整数であり;
-s’は、0または1に等しい整数であり;
-eが0とは異なる場合、g、hまたはlの少なくとも1つは0とは異なり;
-a=0の場合、l=0であり;
-A、A、AおよびAは同一か、または異なり、1~8個の炭素原子を含み、任意で、飽和、不飽和または芳香環由来のラジカルにより置換された直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり;
-Bは、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換のエーテルもしくはポリエーテルラジカル、または、任意で芳香族核を含み、1~9個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、
-Cは、任意で環状部分を含む、直鎖もしくは分枝の一価アルキルラジカルであり、xは炭素原子の数を示し:
-疎水性ラジカル-Hyが1-GpCを有する場合、9≦x≦25であり、
-疎水性ラジカル-Hyが2-GpCを有する場合、9≦x≦15であり、
-疎水性ラジカル-Hyが3-GpCを有する場合、7≦x≦13であり、
-疎水性ラジカル-Hyが4-GpCを有する場合、7≦x≦11であり、
-疎水性ラジカル-Hyが少なくとも5-GpCを有する場合、6≦x≦11であり、
-Gは、1~8個の炭素原子の二価直鎖もしくは分枝アルキルラジカルであり、前記アルキルラジカルは1つ以上の遊離カルボン酸官能基(複数可)を有し、
-Rは、1~12個の炭素原子を含む二価直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、1つ以上の-CONH官能基(複数可)を有する1~12個の炭素原子を含む二価直鎖もしくは分枝アルキルラジカル、または、4~14個の炭素原子および1~5個の酸素原子を含む非置換エーテルもしくはポリエーテルラジカルからなる群より選択されるラジカルであり、
-式Xによる疎水性ラジカル(複数可)-Hyは、下記によりPLGに結合され:
・疎水性ラジカル-HyのカルボニルとPLGが有する窒素原子の間の共有結合(よって、PLGが有するアミン官能基と疎水性ラジカル-Hyの前駆体-Hy’が有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、および
・疎水性ラジカル-Hyの窒素原子とPLGが有するカルボニルの間の共有結合(よって、疎水性ラジカル-Hyの前駆体-Hy’のアミン官能基とPLGが有する酸官能基の反応から得られるアミド官能基が形成される)、
-疎水性ラジカルの数とグルタミン酸またはアスパラギン酸単位の数の間の比Mは、0<M≦0.5であり;
-コポリアミノ酸が複数の疎水性ラジカルを有する場合、それらは同一か、または異なり、
-遊離カルボン酸官能基は、NaおよびKからなる群より選択されるアルカリ金属塩の形態である。
【0242】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0243】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体またはアスパラギン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の開環重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0244】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、ジャーナルAdv. Polym. Sci. 2006, 202, 1-18 (Deming, T.J.)の論文に記載される、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体またはアスパラギン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0245】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0246】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、ポリグルタミン酸メチルN-カルボキシ無水物(GluOMe-NCA)、ポリグルタミン酸ベンジルN-カルボキシ無水物(GluOBzl-NCA)およびポリ-t-ブチルグルタメートN-カルボキシ無水物(GluOtBu-NCA)からなる群より選択される、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0247】
1つの実施形態では、グルタミン酸N-カルボキシ無水物誘導体は、ポリ-LメチルグルタメートN-カルボキシ無水物(L-GluOMe-NCA)である。
【0248】
1つの実施形態では、グルタミン酸N-カルボキシ無水物誘導体は、ポリ-LベンジルグルタメートN-カルボキシ無水物(L-GluOBzl-NCA)である。
【0249】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、刊行物Nature 1997, 390, 386-389 (Deming, T. J.)に記載されるように、開始剤として遷移金属の有機金属化合物を使用することにより、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体またはアスパラギン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0250】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、フランス特許FR2,801,226号(Touraud, F.,その他)およびこの特許により引用される参考文献において記載されるように、開始剤としてアンモニアまたは一級アミンを使用することにより、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体またはアスパラギン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0251】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、開始剤として、刊行物J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 14114-14115(Lu H.;その他の人)に記載されるように、ヘキサメチルジシラザン、または、刊行物J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 12562-12563(Lu H.;その他の人)に記載されるように、シリル化アミンを使用することにより、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体またはアスパラギン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0252】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、グルタミン酸N-カルボキシ無水物の誘導体またはアスパラギン酸N-カルボキシ無水物の誘導体の重合により得られるポリアミノ酸を合成するためのプロセス(これにより、コポリアミノ酸が誘導される)は、エステル官能基加水分解工程を含むことを特徴とする。
【0253】
1つの実施形態では、このエステル基の加水分解工程は、酸性媒体中での加水分解または塩基性媒体中での加水分解から構成することができ、または水素化により実施され得る。
【0254】
1つの実施形態では、このエステル基加水分解工程は、酸性媒体中での加水分解である。
【0255】
1つの実施形態では、このエステル基加水分解工程は水素化により実施される。
【0256】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、より高い分子量のポリアミノ酸の脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0257】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、より高い分子量のポリアミノ酸の酵素脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0258】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、より高い分子量のポリアミノ酸の化学脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0259】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、より高い分子量のポリアミノ酸の酵素および化学脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0260】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、ポリグルタミン酸ナトリウムおよびポリアスパラギン酸ナトリウムからなる群より選択されるより高い分子量のポリアミノ酸の脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0261】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、より高い分子量のポリグルタミン酸ナトリウムの脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0262】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、より高い分子量のポリアスパラギン酸ナトリウムの脱重合により得られたポリアミノ酸に由来することを特徴とする。
【0263】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、本技術分野に精通した者によく知られたアミド結合形成プロセスを使用することにより、疎水基をポリ-L-グルタミン酸またはポリ-L-アスパラギン酸上にグラフトさせることにより得られることを特徴とする。
【0264】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、ペプチド合成のために使用されるアミド結合形成プロセスを使用することにより、疎水基をポリ-L-グルタミン酸またはポリ-L-アスパラギン酸上にグラフトさせることにより得られることを特徴とする。
【0265】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、コポリアミノ酸が、フランス特許FR2,840,614号(Chan,Y.P.;その他の人)において記載されるように、疎水基をポリ-L-グルタミン酸またはポリ-L-アスパラギン酸上にグラフトさせることにより得られることを特徴とする。
【0266】
以後、インスリンのために使用される単位は薬局方により推奨されるものであり、そのmg/ml等量は下記表で提供される:
【表1】
【0267】
5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリンにより、pH7で不溶性のインスリンが意味され、その作用持続期間は、標準糖尿病モデルにおいて8~24時間またはそれ以上で構成される。
【0268】
等電点が5.8~8.5で構成されるこれらの基礎インスリンは組換えインスリンであり、その一次構造が、主にアルギニンまたはリジンなどの塩基性アミノ酸を導入することにより改変されている。それらは、例えば、下記特許、特許出願または公開において記載される:WO2003/053339号、WO2004/096854号、US5,656,722号およびUS6,100,376号(その内容は参照により組み込まれる)。
【0269】
1つの実施形態では、5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリンはインスリングラルギンである。インスリングラルギンは、SANOFIにより、ブランドランタス(登録商標)(100U/ml)またはToujeo(登録商標)(300U/ml)で市販される。
【0270】
1つの実施形態では、5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリンはバイオシミラーインスリングラルギンである。
【0271】
バイオシミラーインスリングラルギンは、ELI LILLYによりブランドAbasaglar(登録商標)またはBasaglar(登録商標)で市販されている。
【0272】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40~500U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0273】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0274】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、75U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0275】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、合計、100U/ml(または約3.6mg/mL)の、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0276】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、150U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0277】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、合計、200U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0278】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、225U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0279】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、250U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0280】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、300U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0281】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、400U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0282】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、500U/mlの、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む。
【0283】
1つの実施形態では、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンとコポリアミノ酸の間の質量比、またはコポリアミノ酸/基礎インスリンは0.2~8で構成される。
【0284】
1つの実施形態では、質量比は0.2~6で構成される。
【0285】
1つの実施形態では、質量比は0.2~5で構成される。
【0286】
1つの実施形態では、質量比は0.2~4で構成される。
【0287】
1つの実施形態では、質量比は0.2~3で構成される。
【0288】
1つの実施形態では、質量比は0.2~2で構成される。
【0289】
1つの実施形態では、質量比は0.2~1で構成される。
【0290】
1つの実施形態では、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい60mg/mlである。
【0291】
1つの実施形態では、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい40mg/mlである。
【0292】
1つの実施形態では、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい20mg/mlである。
【0293】
1つの実施形態では、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい10mg/mlである。
【0294】
1つの実施形態では、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい5mg/mlである。
【0295】
1つの実施形態では、カルボキシレート電荷および疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の濃度はせいぜい2.5mg/mlである。
【0296】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、食事インスリンを含む。食事インスリンはpH7で可溶性である。
【0297】
食事インスリンはいわゆる速効型または「レギュラー」インスリンを意味する。
【0298】
いわゆる速効型食事インスリンは、食事中のタンパク質および糖の摂取に引き起こされる必要性に対応しなければならないインスリンであり;それらは30分未満に作用しなければならない。
【0299】
1つの実施形態では、いわゆる「レギュラー」食事インスリンはヒトインスリンである。
【0300】
1つの実施形態では、食事インスリンは、欧州薬局方および米国薬局方において記載される組換えヒトインスリンである。
【0301】
ヒトインスリンは、例えば、ブランドヒューマリン(登録商標)(ELI LILLY)およびノボリン(登録商標)(NOVO NORDISK)で市販される。
【0302】
いわゆる速効性食事インスリンは、組換えにより得られたインスリンであり、その一次構造が、それらの作用持続期間を減少させるように改変されている。
【0303】
1つの実施形態では、いわゆる速効性食事インスリンは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))、インスリングルリジン(アピドラ(登録商標))およびインスリンアスパルト(NovoLog(登録商標))を含む群から選択される。
【0304】
1つの実施形態では、食事インスリンはインスリンリスプロである。
【0305】
1つの実施形態では、食事インスリンはインスリングルリジンである。
【0306】
1つの実施形態では、食事インスリンはインスリンアスパルトである。
【0307】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、60~800U/mlのインスリンを含む。
【0308】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、100~500U/mlのインスリンを含む。
【0309】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、800U/mlのインスリンを含む。
【0310】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、700U/mlのインスリンを含む。
【0311】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、600U/mlのインスリンを含む。
【0312】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、500U/mlのインスリンを含む。
【0313】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、400U/mlのインスリンを含む。
【0314】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、300U/mlのインスリンを含む。
【0315】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、266U/mlのインスリンを含む。
【0316】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、200U/mlのインスリンを含む。
【0317】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、食事インスリンと等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの組み合わせを用いて、合計、100U/mlのインスリンを含む。
【0318】
5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリンと食事インスリンの間の比率は、例えば、60~800U/mLを含む以上で記載される製剤に対して、パーセンテージで、25/75、30/70、40/60、50/50、60/40、63/37、70/30、75/25、80/20、83/17、90/10である。しかしながら、任意の他の比率も達成され得る。
【0319】
1つの実施形態では、5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリン、および食事インスリンはそれぞれ、下記濃度(U/mlで表す)75/25、150/50、200/66または300/100で存在する。
【0320】
1つの実施形態では、5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリン、および食事インスリンはそれぞれ、下記濃度(U/mlで表す)75/25で存在する。
【0321】
1つの実施形態では、5.8~8.5の等電点を有する基礎インスリン、および食事インスリンはそれぞれ、下記濃度(U/mlで表す)150/50で存在する。
【0322】
疎水性ラジカル対基礎インスリンの比は、期待される性能、すなわち、6.0~8.0のpHでの基礎インスリンの可溶化、基礎インスリンの沈殿および本発明による組成物の安定性を得るための、それらの個々のモル濃度の比:[Hy]/[基礎インスリン](mol/mol)として規定される。
【0323】
疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]の測定される最低値は、可溶化が得られる最低効果であるので、基礎インスリンが可溶化される値であり;この可溶化は基礎インスリンが6.0~8.0のpHで可溶化される場合にのみ観察可能な他の技術効果全ての条件である。
【0324】
本発明による組成物では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は、可溶化限界により決定される最低値よりも大きくてもよい。
【0325】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦3である。
【0326】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦2である。
【0327】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦1.75である。
【0328】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦1.5である。
【0329】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦1.25である。
【0330】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦1.00である。
【0331】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦0.75である。
【0332】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦0.5である。
【0333】
1つの実施形態では、疎水性ラジカル対基礎インスリン比[Hy]/[基礎インスリン]は≦0.25である。
【0334】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、消化管ホルモンを含む。
【0335】
「消化管ホルモン」により、下記からなる群より選択されるホルモンが意味される:GLP-1 RA(グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト)およびGIP(グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド)、オキシントモジュリン(プログルカゴンの誘導体)、YYペプチド、アミリン、コレシストキニン、膵臓ペプチド(PP)、グレリンおよびエンテロスタチン、それらの類似体または誘導体および/またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0336】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、下記からなる群より選択されるGLP-1 RAの類似体または誘導体である:エキセナチドまたはバイエッタ(登録商標)(ASTRA-ZENECA)、リラグルチドまたはビクトーザ(登録商標)(NOVO NORDISK)、リキシセナチドまたはLyxumia(登録商標)(SANOFI)、アルビグルチドまたはTanzeum(登録商標)(GSK)あるいはデュラグルチドまたはトルリシティ(登録商標)(ELI LILLY&CO)、それらの類似体または誘導体および/またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0337】
1つの実施形態では、消化管ホルモンはプラムリンチドまたはSymlin(登録商標)(ASTRA-ZENECA)である。
【0338】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、エキセナチドまたはバイエッタ(登録商標)、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0339】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、リラグルチドまたはビクトーザ(登録商標)、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0340】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、リキシセナチドまたはLyxumia(登録商標)、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0341】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、アルビグルチドまたはTanzeum(登録商標)、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0342】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、デュラグルチドまたはトルリシティ(登録商標)、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0343】
1つの実施形態では、消化管ホルモンは、プラムリンチドまたはSymlin(登録商標)、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0344】
「類似体」により、ペプチドまたはタンパク質に関して使用される場合、1つ以上の構成アミノ酸残基が他のアミノ酸残基により置換された、および/または1つ以上の構成アミノ酸残基が除去された、および/または1つ以上の構成アミノ酸残基が付加されたペプチドまたはタンパク質が意味される。類似体のこの定義について認められている相同性のパーセンテージは50%である。
【0345】
「誘導体」により、ペプチドまたはタンパク質に関して使用される場合、基準ペプチドもしくはタンパク質または類似体に存在しない置換基により化学修飾されたペプチドもしくはタンパク質、または類似体、すなわち、置換基を導入するために、共有結合を生成することにより修飾されたペプチドまたはタンパク質が意味される。
【0346】
1つの実施形態では、置換基は、脂肪鎖からなる群において選択される。
【0347】
1つの実施形態では、消化管ホルモンの濃度は0.01~100mg/mLで構成される。
【0348】
1つの実施形態では、エキセナチド、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩の濃度は0.04~0.5mg/mLで構成される。
【0349】
1つの実施形態では、リラグルチド、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩の濃度は1~10mg/mLで構成される。
【0350】
1つの実施形態では、リキシセナチド、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩の濃度は0.01~1mg/mLで構成される。
【0351】
1つの実施形態では、アルビグルチド、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩の濃度は5~100mg/mLで構成される。
【0352】
1つの実施形態では、デュラグルチド、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩の濃度は0.1~10mg/mLで構成される。
【0353】
1つの実施形態では、プラムリンチド、その類似体または誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩の濃度は0.1~5mg/mLで構成される。
【0354】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの市販溶液、およびGLP-1 RA、GLP-1 RAの類似体または誘導体の市販溶液を、10/90~90/10の体積比で混合することにより製造される。
【0355】
1つの実施形態では、本発明による組成物は基礎インスリンの1日用量および消化管ホルモンの1日用量を含む。
【0356】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40~500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.05~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0357】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40~500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0358】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40~500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0359】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40~500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0360】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40~500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0361】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0362】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0363】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0364】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0365】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、500U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0366】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、400U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0367】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、400U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0368】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、400U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0369】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、400U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0370】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、400U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0371】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、300U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0372】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、300U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0373】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、300U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0374】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、300U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0375】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、300U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0376】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、225U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0377】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、225U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0378】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、225U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0379】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、225U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0380】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、225U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0381】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、200U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0382】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、200U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0383】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、200U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0384】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、200U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0385】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、200U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0386】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、100U/ml(または約3.6mg/mL)の等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0387】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、100U/ml(または約3.6mg/mL)の等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0388】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、100U/ml(または約3.6mg/mL)の等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0389】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、100U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0390】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、100U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0391】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.04~0.5mg/mLのエキセナチドを含む。
【0392】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、1~10mg/mLのリラグルチドを含む。
【0393】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.01~1mg/mLのリキシセナチドを含む。
【0394】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、5~100mg/mLのアルビグルチドを含む。
【0395】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、40U/mlの等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および、0.1~10mg/mLのデュラグルチドを含む。
【0396】
発明はまた、イオン種をさらに含む組成物に関し、前記イオン種は、組成物の安定性を改善することができる。
【0397】
発明はまた、組成物の物理化学的安定性を改善するための、アニオン、カチオンおよびまたは双性イオンの群から選択されるイオン種の使用に関する。
【0398】
1つの実施形態では、イオン種は10個未満の炭素原子を含む。
【0399】
前記イオン種は、アニオン、カチオンおよび/または双性イオンの群から選択される。双性イオンにより、2つの隣接しない原子上で少なくとも1つの正電荷および少なくとも1つの負電荷を有する種が意味される。
【0400】
前記イオン種は、単独で、または混合物中で、好ましくは混合物中で使用される。
【0401】
1つの実施形態では、アニオンは有機アニオンから選択される。
【0402】
1つの実施形態では、イオン性有機アニオンは10個未満の炭素原子を含む。
【0403】
1つの実施形態では、有機アニオンは酢酸、クエン酸およびコハク酸からなる群より選択される。
【0404】
1つの実施形態では、アニオンは無機物源のアニオンから選択される。
【0405】
1つの実施形態では、無機物源のアニオンは、硫酸、リン酸およびハロゲン化物、特に塩化物からなる群より選択される。
【0406】
1つの実施形態では、カチオンは有機カチオンから選択される。
【0407】
1つの実施形態では、有機カチオンは10個未満の炭素原子を含む。
【0408】
1つの実施形態では、有機カチオンはアンモニウムからなる群より選択され、例えば、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3であり、アミンはアンモニウムの形態である。
【0409】
1つの実施形態では、カチオンは無機物源のカチオンから選択される。
【0410】
1つの実施形態では、無機物源のカチオンは亜鉛、特にZn2+ならびにアルカリ金属、特に、Na+およびK+からなる群より選択される、
【0411】
1つの実施形態では、双性イオンは有機物源の双性イオンから選択される。
【0412】
1つの実施形態では、有機物源の双性イオンはアミノ酸から選択される。
【0413】
1つの実施形態では、アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシンおよびロイシンからなる群における脂肪族アミノ酸から選択される。
【0414】
1つの実施形態では、アミノ酸はプロリンからなる群における環状アミノ酸から選択される。
【0415】
1つの実施形態では、アミノ酸は、システイン、セリン、スレオニン、およびメチオニンからなる群におけるヒドロキシル化または硫黄含有アミノ酸から選択される。
【0416】
1つの実施形態では、アミノ酸は、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンからなる群における芳香族アミノ酸から選択される。
【0417】
1つの実施形態では、アミノ酸は、アスパラギンおよびグルタミンからなる群における、側鎖のカルボキシル官能基がアミド化されているアミノ酸から選択される。
【0418】
1つの実施形態では、有機物源の双性イオンは無電荷側鎖を有するアミノ酸からなる群より選択される。
【0419】
1つの実施形態では、有機物源の双性イオンはアミノ二酸または酸性アミノ酸からなる群より選択される。
【0420】
1つの実施形態では、アミノ二酸は、グルタミン酸およびアスパラギン酸(任意で、塩の形態)からなる群より選択される。
【0421】
1つの実施形態では、有機物源の双性イオンは、塩基性またはいわゆる「カチオン性」アミノ酸からなる群より選択される。
【0422】
1つの実施形態では、いわゆる「カチオン性」アミノ酸はアルギニン、ヒスチジンおよびリジン、特に、アルギニンおよびリジンから選択される。
【0423】
特に、双性イオンは、等電点でおよび/または6.0~8.0で構成されるpHで、正電荷と同じ数の負電荷を含み、よって、ゼロ全体電荷となる。
【0424】
前記イオン種は組成物中に塩形態で導入される。これらの塩の導入は、組成物中でのそれらの溶解前に固体形態で、または、溶液の形態、特に、濃縮溶液で実施され得る。
【0425】
例えば、無機物源のカチオンは塩化ナトリウム、塩化亜鉛、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、などから選択される塩の形態で添加される。
【0426】
例として、有機物源のアニオンはクエン酸ナトリウムもしくはカリウム、酢酸ナトリウムから選択される塩の形態で添加される。
【0427】
例えば、アミノ酸は、アルギニン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩から選択される塩の形態で、または、例えば、ヒスチジン、アルギニンなどの非塩化形態で添加される。
【0428】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は10mM以上である。
【0429】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は20mM以上である。
【0430】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は30mM以上である。
【0431】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は50mM以上である。
【0432】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は75mM以上である。
【0433】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は100mM以上である。
【0434】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は200mM以上である。
【0435】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は300mM以上である。
【0436】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は500mM以上である。
【0437】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は600mM以上である。
【0438】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は700mM以上である。
【0439】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は800mM以上である。
【0440】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は900mM以上である。
【0441】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は1000mM以下である。
【0442】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は1500mM以下である。
【0443】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は1200mM以下である。
【0444】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は1000mM以下である。
【0445】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は900mM以下である。
【0446】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は800mM以下である。
【0447】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は700mM以下である。
【0448】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は600mM以下である。
【0449】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は500mM以下である。
【0450】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は400mM以下である。
【0451】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は300mM以下である。
【0452】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は200mM以下である。
【0453】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は100mM以下である。
【0454】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~1000mMで構成される。
【0455】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~1000mMで構成される。
【0456】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~1000mMで構成される。
【0457】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~1000mMで構成される。
【0458】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~1000mMで構成される。
【0459】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~1000mMで構成される。
【0460】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~1000mMで構成される。
【0461】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~1000mMで構成される。
【0462】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、400~1000mMで構成される。
【0463】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、500~1000mMで構成される。
【0464】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、600~1000mMで構成される。
【0465】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~900mMで構成される。
【0466】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~900mMで構成される。
【0467】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~900mMで構成される。
【0468】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~900mMで構成される。
【0469】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~900mMで構成される。
【0470】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~900mMで構成される。
【0471】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~900mMで構成される。
【0472】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~900mMで構成される。
【0473】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、400~900mMで構成される。
【0474】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、500~900mMで構成される。
【0475】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、600~900mMで構成される。
【0476】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~900mMで構成される。
【0477】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~800mMで構成される。
【0478】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~800mMで構成される。
【0479】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~800mMで構成される。
【0480】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~800mMで構成される。
【0481】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~800mMで構成される。
【0482】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~800mMで構成される。
【0483】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~800mMで構成される。
【0484】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、400~800mMで構成される。
【0485】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、500~800mMで構成される。
【0486】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、600~800mMで構成される。
【0487】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~700mMで構成される。
【0488】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~700mMで構成される。
【0489】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~700mMで構成される。
【0490】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~700mMで構成される。
【0491】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~700mMで構成される。
【0492】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~700mMで構成される。
【0493】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~700mMで構成される。
【0494】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~700mMで構成される。
【0495】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、400~700mMで構成される。
【0496】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、500~700mMで構成される。
【0497】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、600~700mMで構成される。
【0498】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~600mMで構成される。
【0499】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~600mMで構成される。
【0500】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~600mMで構成される。
【0501】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~600mMで構成される。
【0502】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~600mMで構成される。
【0503】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~600mMで構成される。
【0504】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~600mMで構成される。
【0505】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~600mMで構成される。
【0506】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、40~600mMで構成される。
【0507】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、500~600mMで構成される。
【0508】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~500mMで構成される。
【0509】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~500mMで構成される。
【0510】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~500mMで構成される。
【0511】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~500mMで構成される。
【0512】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~500mMで構成される。
【0513】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~500mMで構成される。
【0514】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~500mMで構成される。
【0515】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~500mMで構成される。
【0516】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、400~500mMで構成される。
【0517】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~400mMで構成される。
【0518】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~400mMで構成される。
【0519】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~400mMで構成される。
【0520】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~400mMで構成される。
【0521】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~400mMで構成される。
【0522】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~400mMで構成される。
【0523】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~400mMで構成される。
【0524】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、300~400mMで構成される。
【0525】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~300mMで構成される。
【0526】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~300mMで構成される。
【0527】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~300mMで構成される。
【0528】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~300mMで構成される。
【0529】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~300mMで構成される。
【0530】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~300mMで構成される。
【0531】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、200~300mMで構成される。
【0532】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~200mMで構成される。
【0533】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~200mMで構成される。
【0534】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~200mMで構成される。
【0535】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~200mMで構成される。
【0536】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~200mMで構成される。
【0537】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、100~200mMで構成される。
【0538】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~100mMで構成される。
【0539】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~100mMで構成される。
【0540】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~100mMで構成される。
【0541】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~100mMで構成される。
【0542】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、75~100mMで構成される。
【0543】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~75mMで構成される。
【0544】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~75mMで構成される。
【0545】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~75mMで構成される。
【0546】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、50~75mMで構成される。
【0547】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、10~50mMで構成される。
【0548】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、20~50mMで構成される。
【0549】
1つの実施形態では、組成物中のイオン種の総モル濃度は、30~50mMで構成される。
【0550】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~400mMの濃度で存在する。
【0551】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~300mMの濃度で存在する。
【0552】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~200mMの濃度で存在する。
【0553】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~100mMの濃度で存在する。
【0554】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~75mMの濃度で存在する。
【0555】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~50mMの濃度で存在する。
【0556】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~25mMの濃度で存在する。
【0557】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~20mMの濃度で存在する。
【0558】
1つの実施形態では、前記イオン種は5~10mMの濃度で存在する。
【0559】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~400mMの濃度で存在する。
【0560】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~300mMの濃度で存在する。
【0561】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~200mMの濃度で存在する。
【0562】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~100mMの濃度で存在する。
【0563】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~75mMの濃度で存在する。
【0564】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~50mMの濃度で存在する。
【0565】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~25mMの濃度で存在する。
【0566】
1つの実施形態では、前記イオン種は10~20mMの濃度で存在する。
【0567】
1つの実施形態では、前記イオン種は20~300mMの濃度で存在する。
【0568】
1つの実施形態では、前記イオン種は20~200mMの濃度で存在する。
【0569】
1つの実施形態では、前記イオン種は20~100mMの濃度で存在する。
【0570】
1つの実施形態では、前記イオン種は20~75mMの濃度で存在する。
【0571】
1つの実施形態では、前記イオン種は20~50mMの濃度で存在する。
【0572】
1つの実施形態では、前記イオン種は20~25mMの濃度で存在する。
【0573】
1つの実施形態では、前記イオン種は50~300mMの濃度で存在する。
【0574】
1つの実施形態では、前記イオン種は50~200mMの濃度で存在する。
【0575】
1つの実施形態では、前記イオン種は50~100mMの濃度で存在する。
【0576】
1つの実施形態では、前記イオン種は50~75mMの濃度で存在する。
【0577】
無機物源のカチオン、特に、Zn2+に関しては、組成物中のそのモル濃度は、0.25~20mM、特に、0.25~10mMまたは0.25~5mMであってもよい。
【0578】
1つの実施形態では、組成物は、亜鉛を含む。
【0579】
1つの実施形態では、組成物は、0.2~2mMの亜鉛を含む。
【0580】
1つの実施形態では、組成物は、NaClを含む。
【0581】
1つの実施形態では、NaClは2~25mMの濃度で存在する。
【0582】
1つの実施形態では、NaClは2.5~20mMの濃度で存在する。
【0583】
1つの実施形態では、NaClは4~15mMの濃度で存在する。
【0584】
1つの実施形態では、NaClは5~10mMの濃度で存在する。
【0585】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、緩衝液を含む。
【0586】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、0~100mMの濃度の緩衝液を含む。
【0587】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、15~50mMの濃度の緩衝液を含む。
【0588】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、リン酸緩衝液、Tris(トリスヒドロキシメチル)アミノメタンおよびクエン酸ナトリウムからなる群より選択される緩衝液を含む。
【0589】
1つの実施形態では、緩衝液はリン酸ナトリウムである。
【0590】
1つの実施形態では、緩衝液はTris(トリスヒドロキシメチル)アミノメタンである。
【0591】
1つの実施形態では、緩衝液はクエン酸ナトリウムである。
【0592】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、0~5000μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0593】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、0~4000μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0594】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、0~3000μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0595】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、0~2000μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0596】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、0~1000μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0597】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、50~600μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0598】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、100~500μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0599】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、200~500μMの濃度の亜鉛塩を含む。
【0600】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、保存剤を含む。
【0601】
1つの実施形態では、保存剤は、m-クレゾールおよびフェノール(単独または混合物中)からなる群より選択される。
【0602】
1つの実施形態では、保存剤の濃度は10~50mMで構成される。
【0603】
1つの実施形態では、保存剤の濃度は10~40mMで構成される。
【0604】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、界面活性剤をさらに含む。
【0605】
1つの実施形態では、界面活性剤はプロピレングリコールおよびポリソルベートからなる群より選択される。
【0606】
本発明による組成物は、等張化剤などの添加物をさらに含み得る。
【0607】
1つの実施形態では、等張化剤は、グリセリン、塩化ナトリウム、マンニトールおよびグリシンからなる群より選択される。
【0608】
本発明による組成物は、薬局方に従い、通例濃度で使用されるインスリンと適合する全ての賦形剤をさらに含み得る。
【0609】
発明はまた、乾燥および/または凍結乾燥により得られることを特徴とする本発明による医薬製剤に関する。
【0610】
局所および全身放出の場合、考えられる投与経路は静脈内、皮下、皮内または筋肉内である。
【0611】
経皮、経口、経鼻、腟内、眼内、経口および肺投与経路もまた考えられる。
【0612】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、1日1回投与されることを特徴とする。
【0613】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、1日2回投与されることを特徴とする。
【0614】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、1日2回投与されることを特徴とする。
【0615】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、食事インスリンを含むことを特徴とする。
【0616】
1つの実施形態では、少なくとも1つの食事インスリンをさらに含む本発明による組成物は、1日1回投与されることを特徴とする。
【0617】
1つの実施形態では、少なくとも1つの食事インスリンをさらに含む本発明による組成物は、少なくとも1日2回投与されることを特徴とする。
【0618】
1つの実施形態では、少なくとも1つの食事インスリンをさらに含む本発明による組成物は、1日2回投与されることを特徴とする。
【0619】
1つの実施形態では、本発明による組成物はまた、消化管ホルモンを含むことを特徴とする。
【0620】
1つの実施形態では、少なくとも1つの消化管ホルモンをさらに含む本発明による組成物は、1日1回投与されることを特徴とする。
【0621】
1つの実施形態では、少なくとも1つの消化管ホルモンをさらに含む本発明による組成物は、少なくとも1日2回投与されることを特徴とする。
【0622】
1つの実施形態では、少なくとも1つの消化管ホルモンをさらに含む本発明による組成物は、1日2回投与されることを特徴とする。
【0623】
1つの実施形態では、本発明による組成物は、消化管ホルモンがGLP-1 RAであることを特徴とする。
【0624】
1つの実施形態では、GLP-1 RAをさらに含む本発明による組成物は、1日1回投与されることを特徴とする。
【0625】
1つの実施形態では、少なくとも1つのGLP-1 RAをさらに含む本発明による組成物は少なくとも1日2回投与される。
【0626】
1つの実施形態では、少なくとも1つのGLP-1 RAをさらに含む本発明による組成物は、1日2回投与されることを特徴とする。
【0627】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む、6.0~8.0のpHの、単一用量製剤に関する。
【0628】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および1つの食事インスリンを含む、6.0~8.0のpHの、単一用量製剤に関する。
【0629】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および以上で規定される消化管ホルモンを含む、6.0~8.0のpHの、単一用量製剤に関する。
【0630】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、食事インスリンおよび以上で規定される消化管ホルモンを含む、6.0~8.0のpHの、単一用量製剤に関する。
【0631】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む、6.6~7.8のpHの、単一用量製剤に関する。
【0632】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および1つの食事インスリンを含む、6.6~7.8のpHの、単一用量製剤に関する。
【0633】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および以上で規定される消化管ホルモンを含む、6.6~7.8のpHの、単一用量製剤に関する。
【0634】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、食事インスリンおよび以上で規定される消化管ホルモンを含む、6.6~7.8のpHの、単一用量製剤に関する。
【0635】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンを含む、6.6~7.6のpHの、単一用量製剤に関する。
【0636】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および食事インスリンを含む、6.6~7.6のpHの、単一用量製剤に関する。
【0637】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、および以上で規定される消化管ホルモンを含む、6.6~7.6のpHの、単一用量製剤に関する。
【0638】
発明はまた、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリン、食事インスリンおよび以上で規定される消化管ホルモンを含む、6.6~7.6のpHの、単一用量製剤に関する。
【0639】
1つの実施形態では、単一用量製剤は、以上で規定されるコポリアミノ酸をさらに含む。
【0640】
1つの実施形態では、製剤は注射溶液の形態である。
【0641】
1つの実施形態では、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンはインスリングラルギンである。
【0642】
1つの実施形態では、GLP-1 RA、GLP-1 RAの類似体または誘導体は、エキセナチド(バイエッタ(登録商標))、リラグルチド(ビクトーザ(登録商標))、リキシセナチド(Lyxumia(登録商標))、アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(登録商標))またはそれらの誘導体の1つを含む群から選択される。
【0643】
1つの実施形態では、消化管ホルモンはエキセナチドである。
【0644】
1つの実施形態では、消化管ホルモンはリラグルチドである。
【0645】
1つの実施形態では、消化管ホルモンはリキシセナチドである。
【0646】
1つの実施形態では、消化管ホルモンはアルビグルチドである。
【0647】
1つの実施形態では、消化管ホルモンはデュラグルチドである。
【0648】
本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸による、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの6.0~8.0のpHでの可溶化は、裸眼で、溶液の外観の変化により、簡単に観察し、モニタすることができる。
【0649】
本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸による、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの6.6~7.8のpHでの可溶化は、裸眼で、溶液の外観の変化により、簡単に観察し、モニタすることができる。
【0650】
さらに、かつ、同様に重要なことには、出願人は、本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸の存在下、6.0~8.0のpHで可溶化された等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンは、単独であろうと、または食事インスリンもしくは消化管ホルモンと組み合わせてであろうと、その遅効型インスリン作用を保存することを確認することができた。
【0651】
出願人はまた、本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸、ならびに、等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの存在下、6.0~8.0のpHで混合された食事インスリンはその速効放出インスリン作用を保存することを確認することができた。
【0652】
等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの水溶液、ならびに、水溶液または凍結乾燥形態の、本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を、単に混合することにより、本発明による組成物を調製することが便宜的に可能である。必要なら、調製物のpHは6.0~8.0のpHに調整される。
【0653】
等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの水溶液、および、食事インスリンの溶液、ならびに、水溶液または凍結乾燥形態の、本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を、単に混合することにより、本発明による組成物を調製することが便宜的に可能である。必要なら、調製物のpHは6.0~8.0のpHに調整される。
【0654】
等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの水溶液、および、GLP-1 RA、GLP-1 RAの類似体または誘導体の溶液、ならびに、水溶液または凍結乾燥形態の、本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を、単に混合することにより、本発明による組成物を調製することが便宜的に可能である。必要なら、調製物のpHは6.0~8.0のpHに調整される。
【0655】
等電点が5.8~8.5で構成される基礎インスリンの水溶液、および、食事インスリンの溶液、および、GLP-1 RAまたはGLP-1 RAの類似体もしくは誘導体の溶液、ならびに、水溶液または凍結乾燥形態の、本発明によるカルボキシレート電荷および少なくとも1つの疎水性ラジカルを有するコポリアミノ酸を、単に混合することにより、本発明による組成物を調製することが便宜的に可能である。必要なら、調製物のpHは6.0~8.0のpHに調整される。
【0656】
1つの実施形態では、基礎インスリンおよびコポリアミノ酸の混合物は、水溶液または凍結乾燥形態の食事インスリンと混合する前に、限外濾過により濃縮される。
【0657】
必要なら、混合物の組成は、グリセリン、m-クレゾール、塩化亜鉛およびポリソルベート(Tween(登録商標))などの賦形剤を用いて、これらの賦形剤の濃縮溶液の混合物への添加により調整される。必要なら、調製物のpHは6.0~8.0のpHに調整される。
【0658】
パートA-ラジカル-Hyを得るのを可能にする中間疎水性化合物Hyの合成
【化91】
実施例A1:分子A1
分子1:Fmoc-Lys(Fmoc)-OHと2-Cl-トリチルクロライド樹脂の間の反応により得られる生成物
室温の、Fmoc-Lys(Fmoc)-OH(7.32g、12.40mmol)を含むジクロロメタン(60mL)の懸濁液に、DIPEA(4.32mL、24.80mmol)を添加する。完全に可溶化した後(10分)、得られた溶液を、固体媒体上でのペプチド合成のために適合された反応器内で、前にジクロロメタンで洗浄した2-Cl-トリチルクロライド樹脂(100-200メッシュ、1%DVB、1.24mmol/g)(4.00g、4.96mmol)上に注ぐ。2時間室温で攪拌した後、HPLCグレードメタノール(0.8mL/g樹脂、3.2mL)を添加し、媒体を室温で15分間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×60mL)、DMF(2×60mL)、ジクロロメタン(2×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびジクロロメタン(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0659】
分子2:分子1と80:20DMF/ピペリジン混合物の間の反応により得られる生成物
前にDMFで洗浄した分子1を80:20DMF/ピペリジン混合物(60mL)で処理する。30分間、室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、DMF(3×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびジクロロメタン(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0660】
分子3:分子2とFmoc-Glu(OtBu)-OHの間の反応により得られる生成物
DIPEA(8.64mL、49.60mmol)を、Fmoc-Glu(OtBu)-OH(10.55g、24.80mmol)および1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、9.43g、24.80mmol)を含む1:1DMF/ジクロロメタン混合物(60mL)の懸濁液に添加する。完全に可溶化した後、得られた溶液を分子2上に注ぐ。2時間室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、DMF(3×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびジクロロメタン(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0661】
分子4:分子3と50:50DMF/モルホリン混合物の間の反応により得られる生成物
前にDMFで洗浄した分子3を50:50DMF/モルホリン混合物(60mL)で処理する。1時間15分間、室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、DMF(3×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびジクロロメタン(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0662】
分子5:分子4と分子11の間の反応により得られる生成物
分子3のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子4および分子11(8.07g、24.80mmol)を含むDMF(60mL)に適用して、分子5を得る。
【0663】
分子6:分子5と80:20ジクロロメタン/1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)混合物の間の反応により得られる生成物
分子5を80:20ジクロロメタン/1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)混合物(60mL)で処理する。20分間室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、ジクロロメタン(2×60mL)で洗浄する。溶媒を減圧下で蒸発させる。次いで、2回の同時蒸発を、ジクロロメタン(60mL)、次いで、ジイソプロピルエーテル(60mL)を用いて、残渣に対して実施する。生成物を、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(ジクロロメタン、メタノール)により精製する。分子6の白色固体を得る。
収率:2.92g(6工程で52%)
RMN H(CDOD、ppm):0.90(6H);1.22-2.47(88H);3.13-3.25(2H);3.45-3.76(4H);4.24-4.55(5H)。
LC/MS(ESI+):1131.9(計算([M+H]):1131.8)。
【0664】
分子7:分子6とN-Bocエチレンジアミンの間の反応により得られる生成物
室温の、分子6(2.82g、2.49mmol)を含むMe-THF(20mL)の溶液に、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、496mg、3.24mmol)およびN-Bocエチレンジアミン(BocEDA、440mg、2.74mmol)を連続して添加する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド(EDC、621mg、3.24mmol)を添加する。反応媒体を15分間0℃で、次いで、18時間室温で攪拌する。有機相をジクロロメタン(30mL)で希釈し、飽和NHCl水溶液(2×20mL)、飽和NaHCO水溶液(2×20mL)、および飽和NaCl水溶液(2×20mL)で洗浄する。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子7の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:2.47g(78%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(6H);1.09-1.77(77H);1.84-2.49(20H);2.99-3.83(10H);4.16-4.25(1H);4.27-4.47(4H);5,68(0.1H);5.95-6.08(0.9H);6.91-7.14(2H);7.43-7.57(1H);7.68-7.78(1H);8.22-8.35(1H)。
LC/MS(ESI+):1273.9(計算([M+H]):1273.9)。
【0665】
分子A1
室温の、分子7(2.47g、1.94mmol)を含むジクロロメタン(20mL)の溶液に、4N HClのジオキサン溶液(7.27mL)を添加し、次いで、媒体を16時間室温で攪拌する。減圧下での濃縮、同時蒸発およびジイソプロピルエーテルでの洗浄後、HCI塩の形態の分子A1の白色固体を得る。この固体を水(100mL)中で可溶化させ、次いで、pHを、1N NaOH水溶液を添加することにより、7に調整する。溶液を凍結乾燥させ、次いで、凍結乾燥物をトルエン中での同時蒸発により乾燥させる。分子A1の白色固体を得る。
収率:1.64g(80%)
RMN H(DO、ppm):0.90(6H);1.15-2.59(70H);3.06-3.86(10H);4.19-4.43(5H)。
LC/MS(ESI+):1061.8(計算([M+H]):1061.8)。
【0666】
実施例A2:分子A2
分子8:ミリスチン酸とL-グルタミン酸メチルの間のカップリングにより得られる生成物
0℃の、ミリスチン酸(35.0g、153.26mmol)を含むテトラヒドロフラン(THF、315mL)の溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、17.81g、154g).79mmol)およびN,N-ジシクロヘキシルカルボキシジイミド(DCC、31.94g、154.79mmol)を連続して添加する。媒体を48時間攪拌しながら、温度を室温まで上昇させ、焼結濾過し、次いで、L-グルタミン酸メチル(24.95g、154.79mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、99.0g、766.28mmol)を含む水溶液(30mL)に添加する。反応混合物を20℃で48時間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮する。水(200mL)を添加し、得られた混合物を、酢酸エチル(AcOEt、100mL)、次いで、5% NaCO水溶液(50mL)の連続添加により処理する。次いで、水相を再びAcOEt(100mL)中で洗浄し、10%HCl水溶液を添加することにより酸性化し、生成物をジクロロメタン(DCM、3×150mL)で抽出する。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子8の白色固体を得る。
収率:47.11g(84%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(3H);1.07-1.66(22H);2.02-2.11(1H);2.18-2.36(3H);2.39-2.47(1H);2.50-2.58(1H);3.69(3H);4.54-4.59(1H);6.62(1H);8.26(1H)。
LC/MS(ESI+):372.2(計算([M+H]):372.3)。
【0667】
分子9:分子8とL-グルタミン酸メチルの間のカップリングにより得られる生成物
分子8の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子8(35.0g、94.21mmol)およびL-グルタミン酸メチル(15.33g、95.15mmol)に適用して、分子9の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:24.0g(49%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.06-1.51(22H);1.70-1.94(3H);1.96-2.15(3H);2.29-2.40(4H);3.58(3H);3.58(3H);4.16-4.22(1H);4.25-4.32(1H);7.93(1H);8.16(1H);12.66(1H)。
LC/MS(ESI+):515.3(計算([M+H]):515.3)。
分子10:分子9とN-Bocエチレンジアミンの間のカップリングにより得られる生成物
【0668】
0℃の、分子9(24.0g、46.63mmol)を含むDCM(285mL)の懸濁液に、HOBt(714mg、46.66mmol)、BocEDA(8.97g、55.96mmol)を含むDCM溶液(25mL)、次いで、EDC(9.83g、51.30mmol)を連続して添加する。反応媒体を1時間0℃で、次いで、18時間室温で攪拌する。有機相を飽和NaHCO水溶液(2×300mL)、1N HCl水溶液(2×300mL)、および飽和NaCl水溶液(500mL)で洗浄する。メタノール(40ml)を添加し、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子10の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:27.15g(89%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(3H);1.07-1.68(22H);-1.42(9H);1.97-2.18(4H);2.22-2.31(2H);2.35-2.55(4H);3.19-3.29(2H);3.30-3.38(2H);3.66(3H);3.68(3H);4.34-4.41(1H);4.42-4.48(1H);5.54(1H);6.99-7.18(2H);7.56(1H)。
LC/MS(ESI+):657.4(計算([M+H]):657.4)。
【0669】
分子A2
0℃の、分子10(27.15g、41.33mmol)を含むDCM/メタノール(410mL)の混合物の溶液に、4N HClのジオキサン溶液(51.7mL)を添加し、次いで、媒体を2時間0℃で、次いで、16時間室温で攪拌する。減圧下での濃縮およびメタノール中での同時蒸発(2×150mL)後、アセトニトリル中での再結晶後に塩化物塩の形態の分子A2の白色固体を得る。
収率:23.2g(95%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.05-1.52(22H);1.71-1.85(2H);1.87-2.03(2H);2.07-2.18(2H);2.24-2.37(4H);2,84(2H);3.24-3.38(2H);3.58(3H);3.58(3H);4.17-4.24(2H);7.95-8.08(1H);8.14(1H)。
LC/MS(ESI+):557.3(計算([M+H]):557.4)。
【0670】
実施例A3:分子A3
分子11:ミリストイルクロリドとL-プロリンの間のカップリングにより得られる生成物
0℃の、L-プロリン(300.40g、2.61mol)を含む2Nナトリウム水溶液(1.63L)の溶液に、1時間にわたり、ジクロロメタン(DCM、1.63L)に溶解されたミリストイルクロリド(322g、1.30mol)を徐々に添加する。この添加の終わりに、反応媒体を20℃まで3時間にわたり上昇させ、次いで、さらに2時間攪拌する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、37% HCl水溶液(215mL)を15分にわたり添加する。反応媒体を1時間、0℃から20℃まで攪拌する。有機相を分離し、10% HCl水溶液(3×430mL)、飽和NaCl水溶液(430mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、コットンに通して濾過し、次いで、減圧下で濃縮する。残渣を50℃のヘプタン(1.31L)中で可溶化し、次いで、溶液を漸進的に室温に戻す。ガラス棒で結晶化を開始させた後、媒体を再び40℃まで30分間加熱し、次いで、4時間にわたり室温に戻す。白色固体を、焼結濾過後に得、ヘプタン(2×350mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させる。
収率:410g(97%)
RMN H(CDCl、ppm):0.88(3H);1.28(20H);1.70(2H);1.90-2.10(3H);2.36(2H);2.51(1H);3.47(1H);3.56(1H);4.61(1H)。
LC/MS(ESI):326.4;651.7(計算([M+H]):326.3;([2M+H]):651.6)。
【0671】
分子12:分子11とL-グルタミン酸メチルの間のカップリングにより得られる生成物
分子8の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子11(30.0g、92.17mmol)およびL-グルタミン酸メチル(15.60g、96.78mmol)に適用して、分子12の白色固体を、還流アセトン中での可溶化、室温までの冷却および焼結濾過後に得る。濾液を蒸発させ、残渣を上記のようにアセトン中で沈殿させ、この操作を3回繰り返す。
収率:15.5g(36%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.07-1.37(20H);1.40-1.50(2H);1.71-2.27(8H);2.30-2.40(2H);3.28-3.54(2H);3.58(1.3H);-3.59(1.7H);4.14-4.28(1H);4,28-4,37(1H);8.06(0.55H);8.33(0.45H);12.64(1H)。
LC/MS(ESI+):469.2(計算([M+H]):469.3)。
【0672】
分子13:分子12とN-Bocエチレンジアミンの間のカップリングにより得られる生成物
分子10の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子12(15.5g、33.05mmol)およびBocEDA(5.83g、36.36mmol)に適用して、分子13の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:19.8g(83%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.07-1.55(22H);1.37(9H);1.69-2.19(7H);2.22-2.36(3H);2.91-3.17(4H);3.28-3.60(5H);4.11-4,18(0.7H);4.20-4.28(1H);4.38-4.42(0.3H);6.74(1H);7.64(0.7H);7.87(0.7H);7.98(0.3H);8.22(0.3H)。
LC/MS(ESI+):611.4(計算([M+H]):611.4)。
【0673】
分子A3
分子A2の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子13(16.8g、27.50mmol)に適用して、塩酸塩の形態の分子A3の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:13.5g(90%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.08-1.52(22H);1.70-2.37(10H);2.80-2.90(2H);3.22-3.62(4H);3.57(3H);4.15-4.28(1.75H);4.41-4.44(0.25H);7.81-8.13(4.5H);8.24-8.29(0.25H);8.33-8.39(0.25H)。
LC/MS(ESI+):511.3(計算([M+H]):511.4)。
【0674】
実施例A4:分子A4
分子14:ラウロイルクロリドとL-プロリンの間のカップリングにより得られる生成物
分子11の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、ラウロイルクロリド(27.42g、685.67mmol)およびL-プロリン(60.0g、247.27mmol)に適用して、分子14の白色固体を得る。
収率:78.35g(96%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(3H);1.26(16H);1.70(2H);1.90-2.10(3H);2.35(2H);2.49(1H);3.48(1H);3.56(1H);4.60(1H)。
LC/MS(ESI+):298.1(計算([M+H]):298.2)。
【0675】
分子15:分子14とL-グルタミン酸メチルの間のカップリングにより得られる生成物
分子8の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子14(34.64g、116.46mmol)およびL-グルタミン酸メチル(19.14g、118.79mmol)に適用して、分子15の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:37.28g(73%)
RMN H(CDCl、ppm):0.85(3H);1.08-1.42(16H);1.54-1.06(2H);1.80-2.47(10H);3.42-3.80(2H);3.65(2.55H);3.67(0.45H);4.37-4.40(0.15);4.51-4.58(0.85H);4.58-4.67(1H);7.26(0.15H);7.65(0.85H);8.06(1H)。
LC/MS(ESI+):441.1(計算([M+H]):441.3)。
【0676】
分子16:分子15とN-Bocエチレンジアミンの間のカップリングにより得られる生成物
分子10の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子15(37.30g、84.66mmol)およびBocEDA(14.92g、93.13mmol)に適用して、分子16の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:43.10g(87%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.08-1.53(18H);1.37(9H);1.70-2.36(10H);2.91-3.60(9H);4.11-4.18(0.7H);4.21-4.28(1H);4.38-4.42(0.3H);6.38(0.1H);6.74(0.9H);7.65(0.7H);7.87(0.7H);7.99(0.3H);8.22(0.3H)。
LC/MS(ESI+):583.4(計算([M+H]):583.4)。
【0677】
分子A4
分子A2の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子16(43.10g、73.96mmol)に適用して、塩酸塩の形態の分子A4の白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:31.90g(83%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.05-1.37(16H);1.39-1.52(2H);1.70-2.37(10H);2.29-2.91(2H);3.20-3.62(7H);4.16-4.29(1.7H);4.42-4.46(0.3H);7.86-8.18(4.6H);8.32(0.3H);8.40(0.3H)。
LC/MS(ESI+):483.2(計算([M+H]):483.3)。
【0678】
実施例A5:分子A5
分子17:1-アミノ-4、7,10-トリオキサ-13-トリデカンアミンと炭酸tert-ブチルフェニルの間の反応により得られる生成物
80℃の1-アミノ-4,7,10-トリオキサ-13-トリデカンアミン(112.29g、509.71mmol)を含むエタノール(510mL)の溶液に、炭酸tert-ブチルフェニル(49.50g、254.86mmol)を、一滴ずつ添加する。反応媒体を80℃で3時間30分の間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮する。残渣を水(250mL)中で可溶化し、pHを、37% HCl溶液を用いて2.3に調整し、混合物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、2×150mL)で抽出する。水相を、2N NaOH溶液を添加することにより、pH12.6まで塩基性化し、DCM(3×250mL)で抽出する。有機相を1N NaOH水溶液(1×100mL)、飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子17の黄色油を得る。
収率:54.4g(67%)
RMN H(CDCl、ppm):1.40-1.58(11H);1.73-1.81(4H);2.80-2.84(2H);3.20-3.70(14H);5.11(1H)。
LC/MS(ESI+):321.2(計算([M+H]):321.2)。
【0679】
分子18:分子12と分子17の間のカップリングにより得られる生成物
分子10の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子12(20.46g、43.66mmol)および分子17(16.79g、52.39mmol)に適用して、分子18の白色ワックスをフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM、メタノール)による精製、残渣のDCM(300mL)中での可溶化、有機相の、NaHCO水溶液(2×150mL)、10% HCl水溶液(2×150mL)、飽和NaCl水溶液(2×150mL)を用いた洗浄、NaSO上での乾燥および減圧下での濃縮後に得る。
収率:30.15g(90%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.09-1.52(31H);1.55-1,67(4H);1.69-2.36(10H);2.91-2.98(2H);3.02-3.17(2H);3.28-3.61(17H);4.12-4.17(0.7H);4.20-4.28(1H);4.39-4.42(0.3H);6.37(0.1H);6.71(0.9H);7.59(0.7H);7.85(0.7H);7.94(0.3H);8.21(0.3H)。
LC/MS(ESI+):771.4(計算([M+H]):771.5)。
【0680】
分子A5
分子A2の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子18(30.0g、38.91mmol)に適用して塩酸塩の形態の分子A5の白色固体を、残渣の水(500mL)中での可溶化および凍結乾燥後に得る。
収率:25.2g(91%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.85(3H);1.06-1.37(20H);1.39-1.52(2H);1.58-1.66(2H);1.70-2.37(12H);2.78-2.85(2H);3.01-3.15(2H);3.31-3.62(17H);4.11-4.17(0.7H);4.19-4.27(1H);4.41-4.44(0.3H);7.63-7.71(0.7H);7.90-8.24(4H);8.28-8.35(0.3H)。
LC/MS(ESI+):671.4(計算([M+H]):671.5)。
【0681】
実施例A7:分子A7
分子21:分子11とL-リジンの間のカップリングにより得られる生成物
分子8の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子11(133.00g、408.61mmol)およびL-リジン(31.36g、214.52mmol)に適用して、分子21の白色固体を、アセトン中での2回の結晶化後に得る。
収率106.50g(68%)
RMN H(DMSO-d、ppm):0.85(6H);1.26(40H);1.35-1.50(6H);1.50-2.10(10H);2.10-2.25(4H);3.01(2H);3.31-3.55(4H);4.10-4.40(3H);7.68(0.6H);7.97(1H);8.27(0.4H);12.50(1H)。
LC/MS(ESI):761.8;(計算([M+H]):762.1)。
【0682】
分子22:分子21とN-Boc-メチルL-リジネート(lysinate)の間のカップリングにより得られる生成物
分子10の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子21(43.00g、56.50mmol)を含むTHFの溶液およびN-Boc-メチルL-リジネート(lysinate)塩酸塩(20.12g、67.79mmol)に適用して、分子22の透明な固体を得、さらに精製せずに使用する。
収率:55.80g(98%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.86(6H);1.08-2.03(64H);1.37(9H);2.07-2.30(4H);2.84-3.09(4H);3.29-3.57(4H);3.58-3.65(3H);4.14-4.43(4H);6.40(0.1H);6.74(0.9H);7.69(0.6H);7.82(0.6H);7.95-8.06(1H);8.11-8.20(0.4H);8.26(0.4H)。
LC/MS(ESI):1003.8(計算([M+H]):1003.8)。
【0683】
分子23:分子23の鹸化により得られる生成物
0℃の、分子22(55.80g、55.61mmol)を含む1:1THF/水混合物(370mL)の溶液を、LiOH(2.00g、83.41mmol)を含む水溶液(185mL)を徐々に添加して処理する。0℃での16時間の攪拌後、媒体を減圧下で濃縮し、残渣を水(500mL)に再溶解させる。DCM(500mL)を添加し、不均一混合物を10℃まで冷却し、10% HCl水溶液を添加してpH1まで酸性化する。水相をDCM(2×300mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液(2×300mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子23の白色固体を、アセトン中での結晶化後に得る。
収率:46.10g(84%)
RMN H(ピリジン-d6、ppm):0.85(6H);1.05-2.03(67H);2.07-2.61(10H);3.12-3.93(8H);4.54-4.93(2H);4.98-5.16(2H);7.35-7.45(1H);8.34-8.63(1H);8.94-9.41(2H)。
LC/MS(ESI):989.8(計算([M+H]):989.8)。
【0684】
分子A7
0℃の、分子23(12.00g、12.13mmol)を含むジクロロメタン(40mL)の溶液に、4N HClのジオキサン溶液(15.20mL)を添加し、次いで、媒体を15時間0℃で、5時間室温で攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCM(120mL)および2N NaOH(60mL)の混合物中で可溶化する。相の分離後、有機相を2N NaOH溶液(60mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮させる。
収率:10.90g(98%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.86(6H);1.05-2.27(70H);2.45-2.52(2H);2.90-3.58(6H);3.67-3.76(1H);4.02-4.10(0.6H);4.11-4.17(0.4H);4.20-4.26(0.6H);4.30-4.39(1H);4.42-4.46(0.4H);7.29-7.42(1H);7.71-7.80(0.6H);7.97-8.05(0.6H);8.10-8.24(0.4H);8.33-8.45(0.4H)。
LC/MS(ESI):887.7(計算([M-H]):887.7)。
【0685】
実施例A5a:分子A5a
分子3a:Fmoc-Lys(Fmoc)-OHと2-Cl-トリチルクロライド樹脂の間の反応により得られる生成物
室温の、Fmoc-Lys(Fmoc)-OH(7.32g、12.40mmol)を含むDCM(60mL)の懸濁液に、DIPEA(4.32mL、24.80mmol)を添加する。完全に可溶化した後(10分)、得られた溶液を、固体媒体上でのペプチド合成のために使用される反応器内の、前にDCMで洗浄した2-Cl-トリチルクロライド樹脂(100-200メッシュ、1%DVB、1.24mmol/g)(4.00g、4.96mmol)上に注ぐ。2時間室温で攪拌した後、HPLCグレードメタノール(0.8mL/g樹脂、3.2mL)を添加し、媒体を室温で15分間攪拌する。樹脂を濾過し、DCM(3×60mL)、DMF(2×60mL)、DCM(2×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびDCM(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0686】
分子4a:分子3aと80:20DMF/ピペリジン混合物の間の反応により得られる生成物
前にDMFで洗浄した分子3aを80:20DMF/ピペリジン混合物(60mL)で処理する。30分間、室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、DMF(3×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびDCM(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0687】
分子5a:分子4aと8-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル-アミノ)-3,6-ジオキサオクタン酸(Fmoc-O2Oc-OH)の間の反応により得られる生成物
Fmoc-O2Oc-OH(9.56g、24.80mmol)および1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、9.43g、24.80mmol)を含む1:1DMF/DCM混合物(60mL)の懸濁液に、DIPEA(8.64mL、49.60mmol)を添加する。完全に可溶化した後、得られた溶液を分子4a上に注ぐ。2時間室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、DMF(3×60mL)、イソプロパノール(1×60mL)およびジクロロメタン(3×60mL)で連続して洗浄する。
【0688】
分子6a:分子5aと80:20DMF/ピペリジン混合物の間の反応により得られる生成物
分子4aのために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子5aに適用して、分子6aを得る。
【0689】
分子7a:分子6aとラウリン酸の間の反応により得られる生成物
分子5aのために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子6aおよびラウリン酸(4.97g、24.80mmol)を含むDMF(60mL)に適用して、分子7aを得る。
【0690】
分子8a:分子7aと80:20ジクロロメタン/1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)混合物の間の反応により得られる生成物
分子7aを80:20ジクロロメタン/1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)混合物(60mL)で処理する。20分間室温で攪拌した後、樹脂を濾過し、ジクロロメタン(2×60mL)で洗浄する。溶媒を低圧下で蒸発させる。次いで、2回の同時蒸発を、残渣について、ジクロロメタン(60mL)、次いで、ジイソプロピルエーテル(60mL)を用いて実施する。分子8aの白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:2.63g(6工程で66%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(6H);1.09-1.66(40H);1.77-1.98(2H);2.13-2.29(4H);3.24-3.75(18H);3.95-4.07(4H);4.65-4.70(1H);6.23-6.37(1H);6.39-6.62(1H);6.74-6.91(1H);7.38-7.54(1H)。
LC/MS(ESI):801.6(計算([M+H]):801.6)。
【0691】
分子9a:分子8aとN-Bocエチレンジアミンの間の反応により得られる生成物
室温の、分子8a(2.63g、3.29mmol)を含むクロロホルム(20mL)の溶液に、HOBt(654mg、4.27mmol)およびBocEDA(580mg、3.62mmol)を連続して添加する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、EDC(819mg、4.27mmol)を添加する。反応媒体を15分間0℃で、次いで、18時間室温で攪拌する。有機相を、飽和NHCl水溶液(2×10mL)、飽和NaHCO水溶液(2×10mL)、および飽和NaCl水溶液(2×10mL)で洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子9aの白色固体を、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン、メタノール)による精製後に得る。
収率:2.37g(76%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(6H);1.08-1.47(34H);1.43(9H);1.48-1.70(7H);1.78-1.87(1H);2.14-2.25(4H);3.16-3,71(22H);3.92-4.04(4H);4.47-4.52(1H);5.33(1H);6.10(1H);6.65-7.01(1H);7.11-7.30(2H);7.47-7.63(1H)。
【0692】
分子A5a
室温の、分子9a(2.37g、2.51mmol)を含むジクロロメタン(50mL)の溶液に、4NのHClのジオキサン溶液(6.3mL)を添加し、次いで、媒体を、2時間室温で攪拌する。減圧下での濃縮後、残渣をジクロロメタン(50mL)中で可溶化し、次いで、1N NaOH水溶液(2×12.5mL)および飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子A5aの白色固体を、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:1.57g(74%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(6H);1.08-1.43(34H);1.48-1.71(7H);1.74-1.93(3H);2.14-2.25(4H);2.79-2.86(2H);3.17-3.71(20H);3.93-4.05(4H);4.47-4.54(1H);6.08-6.29(1H);6.84-7.01(1H);7.15-7.32(2H);7.50-7.64(1H)。
LC/MS(ESI):843.6(計算([M+H]):843.7)。
【0693】
実施例A6a:分子A6a
分子10a:レチノイン酸の水素化により得られる生成物
10%パラジウム/炭素(1.9g)の存在下の、レチノイン酸(19.0g、63.24mmol)を含むメタノール(450mL)の溶液を水素雰囲気(1atm)下に室温で一晩置く。反応媒体を焼結濾過し、次いで、濾液を減圧下で濃縮する。分子10aの無色油を得る。
収率:19.50g(99%)
RMN H(CDCl、ppm):0.45-2.01(35H);2.10-2.17(1H);2.33-2.38(1H);11.14(1H)。
LC/MS(ESI):309.3(計算([M-H]):309.3)。
【0694】
分子11a:Boc-1-アミノ-4、7,10-トリオキサ-13-トリデカンアミン(BocTOTA)と分子10aの間のカップリングにより得られる生成物
分子9aの調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子10a(19.3g、62.15mmol)およびBocTOTA(23.9g、74.58mmol)に適用して、分子11aの橙色油を得る。
収率:37.05g(97%)
RMN H(CDCl、ppm):0.43-1.71(49H);2.13-2.17(1H);3.17-3.24(2H);3.32-3.39(2H);3.51-3.66(12H);4.77(0.1H);4.94(0.9H);6.13(0.9H);6.29(0.1H)。
LC/MS(ESI):613.5(計算([M+H]):613.5)。
【0695】
分子A6a
分子A5の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子11a(34.9g、56.94mmol)に適用して分子A6aの橙色油を得る。
収率:28.5g(97%)
RMN H(CDCl、ppm):0.41-1.96(42H);2.13(1H);2.78(2H);3.31-3.36(2H);3.53(4H);3.55-3.58(4H);3.60-3.63(4H);6.43(1H)。
LC/MS(ESI):513.5(計算([M+H]):513.5)。
【0696】
実施例A8:分子A8
分子15a:デカン酸とL-ロイシンの間の反応により得られる生成物
分子8の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、デカン酸(8.77g、50.94mmol)およびL-ロイシン(7.00g、53.36mmol)に適用して、分子15aの白色固体を得る。
収率:9.17g(66%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.82-0.89(9H);1.18-1.65(17H);2.04-2.14(2H);4.19-4.23(1H);7.98(1H);12.40(1H)。
LC/MS(ESI):286.2(計算([M+H]):286.2)。
【0697】
分子16a:分子15aとL-リジンメチルエステルの間の反応により得られる生成物
分子15a(9.16g、32.11mmol)を含むTHF(160mL)の溶液に、トリエチルアミン(8.12g、80.27mmol)および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)を連続して添加し、媒体を30分間室温で攪拌する。L-リジンメチルエステル二塩酸塩(3.93g、16.86mmol)を反応媒体に添加し、3時間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮する。残渣をAcOEt(200mL)で希釈し、有機相を濾過し、1N HCl水溶液、次いで、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子16aの白色固体を、残渣のアセトニトリル中でのトリチュレーション後に得る。
収率:7.33g(66%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.80-0.91(18H);1.06-1.72(38H);2.03-2.16(4H);2.91-3.07(2H);3.60(1.15H);3.61(1.85H);4.13-4.28(2H);4.33-4.44(1H);7.79-7.92(3H);8.13-8.26(1H)。
LC/MS(ESI)695.7(計算([M+H]):695.6)。
【0698】
分子17a:分子16aの鹸化により得られる生成物
分子16a(7.33g、10.55mmol)を含むTHF/メタノール/水の混合物(105mL)の溶液に、0℃の、LiOH(505.13mg、21.09mmol)を添加し、次いで、媒体を20時間、室温で攪拌し、減圧下で濃縮させる。水相を1N HCl溶液で1のpHまで酸性化し、形成された固体を濾過し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、分子17aの白色固体を得る。
収率:7.09g(99%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.80-0.89(18H);1.18-1.73(40H);2.03-2.16(4H);2.91-3.05(2H);4.03-4.13(1H);4.21-4.27(1H);4.31-4.40(1H);7.79-8.02(4H)。
LC/MS(ESI):681.7(計算([M+H]):681.6)。
【0699】
分子18a:分子17aとN-Bocエチレンジアミンの間の反応により得られる生成物
分子16aの調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子17a(7.09g、10.41mmol)およびN-Bocエチレンジアミン(1.83g、11.45mmol)に適用して、分子18aの白色固体を、アセトニトリル中でのトリチュレーション後に得る。
収率:6.64g(77%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.80-0.91(18H);1.15-1.73(49H);2.03-2.18(4H);2.92-3.13(6H);4.05-4.30(3H);6.71-6.83(1H);7.69-8.23(5H)。
LC/MS(ESI):824.0(計算([M+H]):823.7)。
【0700】
分子A8
分子A5aの調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子18a(3.00g、3.64mmol)に適用して、塩基性洗浄なしで、塩酸塩の形態の分子A8のベージュ固体をメタノール中での残渣の4回の同時蒸発後に得る。
収率:2.66g(96%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.80-0.91(18H);1.15-1.76(40H);2.03-2.19(4H);1.78-2.89(2H);2.91-3.07(2H);3.22-3.37(2H);4.08-4.14(1H);4.17-4.28(2H);7.81-8.36(8H)。
LC/MS(ESI):723.7(計算([M+H]):723.6)。
【0701】
実施例A9:分子A9
分子19a:13-メチルテトラデカン酸
マグネシウム削りくず(5.50g、226.3mmol)を、アルゴン下の乾燥三つ口フラスコ中に導入する。マグネシウムを無水THF(25mL)で覆い、数滴の1-ブロモ-2-メチルプロパンを室温で添加し、反応を開始させる。発熱および媒体のわずかな濁りを観察した後、THF(60mL)中で希釈した1-ブロモ-2-メチルプロパン(28.42g、207mmol)の残りを、1時間中一滴ずつ添加し、その間、媒体温度は65~70℃で安定なままである。次いで、反応媒体を2時間、加熱還流させる。
【0702】
アルゴン下、三つ口フラスコにおいて、0℃で前に蒸留されたN-メチルピロリドン(NMP)に溶解されたCuCl(280mg、2.83mmol)の溶液に、THF(60mL)に溶解された11-ブロモウンデカン酸(25g、94.27mmol)の溶液を、一滴ずつ添加する。次いで、THF(50mL)中で希釈したわずかに温かい有機マグネシウムの溶液を、この溶液に一滴ずつ添加し、溶液の温度を25℃未満で維持する。次いで、混合物を室温で16時間攪拌する。媒体を0℃まで冷却し、1N HCl水溶液をpH1まで徐々に添加することにより(300mL)反応を中止させ、媒体をヘキサン(100mL)および酢酸エチル(2×75mL)により抽出する。有機相を1N HCl水溶液(100mL)、水(100mL)で洗浄し、およびNaSOで乾燥させた後、溶液を濾過し、真空で濃縮し、褐色固体を得る。フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン、酢酸エチル)による精製後、白色固体を得る。
収率:18.1g(79%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(6H);1.11-1.18(2H);1.20-1.38(16H);1.51(1H);1.63(2H);2.35(2H)。
【0703】
分子20:分子19aとL-ロイシンの間の反応により得られる生成物
室温の、分子19a(18.05g、74.46mmol)を含むTHF(745mL)の溶液に、DCC(14.63g、70.92mmol)およびNHS(8.16g、70.92mmol)を連続して添加する。40時間、室温で攪拌した後、媒体を0℃まで20分間冷却し、焼結濾過する。L-ロイシン(9.77g、74.46mmol)、DIPEA(86mL)および水(150mL)を濾液に添加する。20時間、室温で攪拌した後、媒体を飽和NaHCO水溶液(200mL)中で希釈する。水相を酢酸エチル(2×200mL)で洗浄し、2N HCl水溶液でpH1まで酸性化する。沈殿物を濾過し、水で完全にすすぎ、50℃で真空乾燥させる。固体を3回、ペンタン中でトリチュレートさせ、超音波処理し、次いで、濾過し、白色固体を得る。
収率:18.8g(75%)
RMN H(CDCl、ppm):0.86(6H);0.96(6H);1.12-1.18(2H);1.20-1.78(22H);2.24(2H);4.58-4.63(1H);5.89(1H)。
LC/MS(ESI):356.2;(計算([M+H]):356.6)。
【0704】
分子21a:分子20とBoc-トリ(エチレングリコール)ジアミンの間の反応により得られる生成物
室温の、分子20(16.7g、46.97mmol)を含むTHF(235mL)の溶液に、DIPEA(20.3)およびTBTUを添加する。20分間攪拌した後、Boc-トリ(エチレングリコール)ジアミン(14g、56.36mmol)を添加する。室温で5時間攪拌した後、混合物を真空下で濃縮させる。残渣を酢酸エチル(500mL)に再溶解させ、飽和NaHCO水溶液(3×200mL)、1N HCl水溶液(3×200mL)、および飽和NaCl水溶液(3×200mL)で洗浄する。NaSO上での乾燥、濾過および真空下での濃縮後に、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン、酢酸エチル、メタノール)により精製し、無色油を得る。
収率:23.5g(85%)
RMN H(CDCl、ppm):0.86(6H);0.93(6H);1.10-1.17(2H);1.19-1.08(31H);2.18(2H);3.23-3.65(12H);4.41-4,56(1H);5.12-5.47(1H);5.99-6.11(0.75H);6.48-6.65(1H);7.30-7.40(0.25H)。
【0705】
分子A9
分子A5aの調製において使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子21a(23.46g、40.04mmol)に適用して、塩基性洗浄なしで、真空下での濃縮後に得られた残渣をアセトニトリル/アセトン混合物中でトリチュレートする。上清を除去し、ペースト状残渣を真空乾燥させる。次いで、残渣をアセトン(150mL)中でトリチュレートし、塩酸塩の形態の分子A9の白色固体を濾過し、アセトン中ですすぎ、次いで、真空下で乾燥させる。
収率:13.0g(64%)
RMN H(DMSO-d6、ppm):0.79-0.90(12H);1.09-1.61(24H);2.03-2.17(2H);2.92-2.98(2H);3.15-3.23(2H);3,40(2H);3.50-3.58(4H);3.61(2H);4.30-4.23(1H);7.88-8.14(5H)。
LC/MS(ESI):486.4;(計算([M-Cl]):486.8)。
【0706】
実施例A10:分子A10
分子22a:塩化オクタノイルとL-プロリンの間の反応により得られる生成物
分子11の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、塩化オクタノイル(150.0g、0.922mol)およびL-プロリン(212.3g、1.844mol)に適用して、分子22aの無色油を、有機相の10% HCl溶液(3×300mL)、NaCl水溶液(300mL)による洗浄、NaSO上での乾燥、コットンを用いた濾過、減圧下での濃縮後に得、次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM、MeOH)により精製する。
収率:134g(60%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(3H);1.10-1.52(8H);1.57-1.74(2H);1.79-2.52(6H);3.37-3.67(2H);4.37-4,42(0.07H);4.53-5.63(0.93H);9.83(1H)。
LC/MS(ESI):242.1(計算([M+H]):242.2)。
【0707】
分子23a:分子22aとL-リジンの間のカップリングにより得られる生成物
5℃未満の温度まで冷却させた、分子22a(132g、0.547mol)を含むTHF(924mL)の溶液に、NHS(66.1g、0.574mol)およびDCC(118.5g、0.574mol)を連続して添加する。21時間攪拌した後、沈殿物を沈殿により除去し、濾液を、30分にわたり、15℃のL-リジン(41.98g、0.287mol)を含む脱イオン水(82mL)およびDIPEA(476mL、2.735mol)の混合物の溶液に添加する。室温で23時間攪拌した後、反応媒体を減圧下で濃縮し、油状混合物を得、これを水(1.3L)中で希釈する。水相を2回、AcOEt(2×0.5L)で洗浄し、10℃未満の温度まで冷却し、6N HCl溶液(120mL)を添加して酸性化しpH1に到達させ、次いで、3回、DCM(3×0.6L)で抽出する。有機相を再び合わせ、飽和NaCl溶液(0.6L)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮する。得られた泡を還流アセトン(240mL)中で2時間再溶解させる。10℃で一晩の後、ペンタン(240mL)を一滴ずつ添加する。1時間攪拌した後、沈殿物を真空濾過により回収し、ペンタンおよびアセトンの1:1混合物(150mL)で洗浄し、次いで、真空乾燥させる。
収率:83.9g(52%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(6H);1.06-1.78(25H);1.80-2.41(13H);2.80-3.72(6H);4.30-4.39(0.15H);4.46-4.70(2.85H);7.84(1H);7.93(1H)。
LC/MS(ESI):593.5(計算([M+H]):593.4)。
【0708】
分子24:分子23aとL-リジンメチルエステルの間のカップリングにより得られる生成物
分子23a(76.26g、0.129mol)に、HOPO(3.57g、32.1mmol)、LysOMe二塩酸塩(15,0g、64.3mmol)およびEDC(34.53g、0.18moL)を連続して添加し、次いで、前に5℃まで冷却したDMF(600mL)を添加する。溶解後、トリエチルアミン(43.9mL、0.315mol)を、一滴ずつ添加し、その間、添加終了後もう2時間温度を5℃未満で維持する。室温で一晩の後、反応媒体を水/氷(2kg)およびDCM(0.5L)の混合物中に注ぎ入れる。15分間攪拌した後、相を分離する。水相を2回、DCM(2×0.4L)で抽出する。有機相を再び合わせ、1N HCl溶液(0.5L)、次いで、飽和NaCl溶液(0.5L)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM、MeOH)により精製する。
収率:56.7g(67%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(12H);1.10-2.40(82H);2.86-3.72(17H);4.16-4.60(7H);6.83-8.01(6H)。
【0709】
分子A10
分子24(4.0g、3.05mmol)を含むエチレンジアミン(30mL)の溶液を、50℃まで一晩中加熱する。次いで、反応媒体をメチル-テトラヒドロフランで希釈し、次いで、有機相を4回、飽和NaCl溶液(4×30mL)、次いで、2回、水(2×50mL)で洗浄し、その後、Na2SO4上で乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮する。残渣を30分間、還流アセトニトリル中で可溶化し、次いで、溶液を、一晩撹拌しながら、室温まで冷却する。次いで、白色沈殿物を真空濾過により回収し、冷アセトニトリル(2×20mL)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させる。
収率:3.0g(74%)
RMN H(CDCl、ppm):0.87(12H);1.09-2.37(84H);2.74-4.56(25H);6.85-8.00(7H)。
LC/MS(ESI):1338.0(計算([M+H]):1338.0)。
【0710】
実施例A11:分子A11
分子A11を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(40.0g、1.16mmol/g)における固相ペプチド合成(SPPS)の従来の方法により得る。
【0711】
第1のアミノ酸Fmoc-Lys(Fmoc)-OH(1.5当量)のグラフティングを、DCM(10V)中、DIPEA(3.0当量)の存在下で実施する。反応しなかった部位を反応の終わりにメタノール(0.8mL/g樹脂)でキャップする。
【0712】
保護アミノ酸Fmoc-Glu(OtBu)-OH(2.5当量)、Fmoc-Pro-OH(2.5当量)およびミリスチン酸(2.5当量)のカップリングを、DMF(10V)中、HATU(2.5当量)およびDIPEA(3.7当量)の存在下で実施する。
【0713】
Fmoc保護基を、80:20DMF/ピペリジン溶液(10V)を用いて除去する。
生成物を樹脂から、80:20DCM/HFIP溶液(10V)を使用して切断する。
減圧下での濃縮後、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ジクロロメタン、メタノール)により精製する。
収率56.5g(65%)
RMN H(CDOD、ppm):0.90(6H);1.22-2.53(140H);3.12-3.25(2H);3.43-3.80(4H);4.17-4.54(9H)。
LC/MS(ESI+):1894.5(計算([M+Na]):1894.2)。
【0714】
実施例A12:分子A12
分子25:ファルネソールの水素化により得られる生成物
アルゴン下の、ファルネソール(60.00g、269.82mmol)を含むTHF(1200mL)の溶液に、酸化白金(PtO、613mg、2.70mmol)を添加し、媒体を1atmの二水素下に置き、次いで、6時間室温で攪拌する。セライトによる濾過およびTHF中でのすすぎ後、分子25の黒色油を減圧下での濃縮後に得る。この化合物をさらに精製せずに使用する。
収率61.60g(100%)
RMN H(CDCl、ppm):0.85(3H);0.87(6H);0.90(3H);1.01-1.43(15H);1.47-1.66(3H);3.62-3.76(2H)。
【0715】
分子26:分子25の酸化により得られる生成物
分子25(61.60g、269.68mmol)を含むジクロロエタン/水混合物(1350mL/1080mL)の溶液に、テトラメチルアンモニウムブロミド(46.95g、145.63mmol)、酢酸(416mL、7.28moL)、次いで、KMnO(127.85g、809.04mmol)を少量ずつ、連続して添加し、その間、温度を11~13℃で維持する。次いで、反応媒体を4時間30分間、還流することにより攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、37% HCl溶液(50mL)により、pH1まで酸性化する。NaSO(186.94g)を漸進的に添加し、その間、温度を0~10℃で維持し、媒体を完全に無色になるまで攪拌する。媒体をpH1まで、37% HCl溶液により酸性化し、次いで、水(500mL)およびDCM(500mL)を添加する。相を分離し、水相をDCM(2×500mL)で抽出する。有機相を合わせ、10% HCl水溶液(400mL)、水(2×400mL)、飽和NaCl水溶液(400mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。分子26の黄色油をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン、AcOEt)による精製後に得る。
収率54.79g(84%)
RMN H(CDCl、ppm):0.85(3H);0.87(6H);0.97(3H);1.03-1.43(13H);1.52(1H);1.91-2.01(1H);2.11-2.18(1H);2.32-2.39(1H)。
LC/MS(ESI-):241.3(計算([M-H]):241.2)。
【0716】
分子27:分子26とL-プロリネート(prolinate)の間のカップリングにより得られる生成物
0℃の、分子26(54.70g、225.66mmol)を含むDCM(1500mL)の溶液に、HOBt(3.46g、22.57mmol)、DIPEA(117.92mL、676.97mmol)、メチルL-プロリネート塩酸塩(56.06g、338.49mmol)、続いてEDC(64.89g、338.49mmol)を連続して添加する。反応混合物を0℃で1時間、次いで、室温で18時間攪拌する。次いで、媒体をDCM(1000mL)で希釈し、次いで、飽和NaHCO水溶液(2×1L)、1N HCl水溶液(2×1000mL)および飽和NaCl水溶液(2×1000mL)で洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させ、これにより、分子27の黄色油を得、これをさらに精製せずに使用する。
収率77.15g(97%)
RMN H(DMSO-d、ppm):0.79-0.89(12H);0.981.43(13H);1.51(1H);1.70-2.32(7H);3.33-3,42(0.4H);3.46-3.57(1.6H);3.59(2.4H);3.67(0.6H);4.23-4.32(0.8H);4.53-4.62(0.2H)。
LC/MS(ESI+):354.2(計算([M+H]):354.3)。
【0717】
分子28:分子27の鹸化により得られる生成物
分子27(77.15g、218.22mmol)を含む1:1THF/MeOH混合物(1454mL)の溶液に、0℃の、LiOH(7.84g、327.33mmol)の水溶液(727mL)を、一滴ずつ添加する。反応混合物を0℃で18時間、次いで、室温で5時間攪拌する。有機溶媒を減圧下で蒸発させる。水(500mL)、10% HCl水溶液(200mL)およびDCM(800mL)を添加し、相を分離する。水相をDCM(2×1L)で抽出する。有機相を再び合わせ、水(500mL)、NaCl飽和水溶液(500mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させ、これにより、分子28の黄色油を得、これをさらに精製せずに使用する。
収率71.72g(97%)
RMN H(DMSO-d、ppm):0.73-0.95(12H);0.95-1.42(13H);1.51(1H);1.65-2.32(7H);3.24-3.64(2H);4.13-4,28(0.8H);4.37-4.50(0.2H);12.44(1H)。
LC/MS(ESI+):340.2(計算([M+H]):340.3)。
【0718】
分子A12
分子A12を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(34.5g、1.16mmol/g)において、従来の固相ペプチド合成(SPPS)法により得る。
【0719】
エチレンジアミン(10.0当量)のグラフティングをDCM(10V)中、DIPEA(10.0当量)の存在下で実施する。反応しなかった部位を反応の終わりにメタノール(0.8mL/g樹脂)でキャップする。
【0720】
保護アミノ酸Fmoc-Lys(Fmoc)-OH(1.5当量)、Fmoc-Glu(OMe)-OH(3.0当量)および分子28(3.0当量)のカップリングを1:1DCM/DMF混合物(10V)中、HATU(酸に対して1.0当量)およびDIPEA(酸に対して2.0当量)の存在下で実施する。
【0721】
Fmoc保護基を、80:20DMF/ピペリジンの溶液(10V)(リジンとのカップリング後)または50%モルホリンを含むDMF溶液(グルタミン酸のカップリング後)を用いて除去する。
【0722】
生成物を樹脂から、50:50DCM/TFA溶液(10V)を用いて切断する。蒸発後、残渣をMeTHF(450mL)中で可溶化し、有機相をNaHCO水溶液(3×450mL)および飽和NaCl水溶液(200mL)で洗浄する。Na2SO4上での乾燥後、有機相を濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ジクロロメタンメタノール、NH4OH)により精製する。
収率:13.95g(7工程にわたり全体で31%)。
RMN H(DMSO-d、ppm):0.73-0.91(24H);0.96-2.41(56H);2.72(2H);2.89-3.10(2H);3.15-3.26(2H);3.26-3.51(4H);3.57(3H);3.58(3H);3.99-4.50(5H);6.07(2H);7.59-8.39(5H)。
LC/MS(ESI+):1118.2(計算([M+H]):1117.8)。
【0723】
実施例A13:分子A13
分子29:N-Boc-エチレンジアミンにより開始されるγ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物の重合により得られる生成物
反応器内で、γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(39.44g、149.82mmol)を25℃のDMF(81mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、-10℃まで冷却し、次いで、BocEDA(6.00g、37.45mmol)を含むDMF(7mL)の溶液を迅速に導入する。反応媒体を0℃で3時間攪拌し、次いで、HClの1,4-ジオキサン溶液(3.33M、11.8mL、39.29mmol)を添加する。反応媒体を室温で攪拌し、次いで、氷浴により冷却させたMeOH/IPE溶液(125mL/495mL)上に流す。65時間室温で攪拌した後、沈殿物を焼結濾過し、IPE(2×90mL)で洗浄し、30℃にて、減圧下で乾燥させる。
収率:21.71g(54%)
DP(RMN Hを使用して推定):4.9
塩酸塩としての分子29の計算した平均モル質量は1270.9g/molである。
RMN H(DMSO-d6、ppm):1.35(9H);1.72-2.09(9.8H);2.23-2.60(9.8H);2.86-3.19(4H);3.85(1H);4.14-4.52(3.9H);4.86-5.23(9.8H);6.33-6.85(1H);7.09-7.55(24.5H);7.88-8.42(6.9H);8.67(1H)。
【0724】
分子30:ミリストイルクロリドと分子29の間のカップリングにより得られる生成物
塩酸塩としての分子29(12.46g、9.80mmol)のDCM(115mL)中での可溶化後、溶液を0℃まで冷却する。次いで、トリエチルアミン(2.35g、23.24mmol)、およびミリストイルクロリド(3.16g、12.79mmol)を含むDCM(16mL)の溶液を連続して添加する。反応媒体を0℃で4時間、次いで、温度で2時間攪拌し、その後、IPE(920mL)上に流す。14時間室温で攪拌した後、沈殿物を濾過し、EtOH(2×145mL、次いで、100mL)で洗浄し、30℃にて、減圧下で乾燥させる。
収率:9.77g(69%)
DP(RMN Hを使用して推定):5.1
分子30の計算した平均モル質量は1488.7g/molである。
RMN H(CDCl、ppm):0.87(3H);1.07-1.51(29H);1.51-1.64(2H);1.80-2.75(22.4H);2.98-3,73(4H);3.84-4.50(5.1H);4.86-5.32(10.2H);5.71-6.47(1H);6.72-8.38(31.6H)。
【0725】
分子A13
0℃の、分子30(4.70g、3.16mmol)を含むDCM(31mL)の溶液に、TFA(31mL)を添加する。反応混合物を0℃で2時間攪拌し、次いで、減圧下、室温で濃縮する。残渣を、DCM(100mL)に再溶解させ、次いで、減圧下、室温で乾燥濃縮する。残渣をDCM(100mL)中で可溶化し、pH=10.4の炭酸塩緩衝水溶液(326mL、次いで、2×200mL)、次いで、HCl水溶液(0.1N、2×200mL)で洗浄する。有機溶液をNaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで、40℃にて減圧下で乾燥濃縮させる。
収率:3.96g(88%)
DP(RMN Hを使用して推定):5.2
塩酸塩の形態の分子A13の計算した平均モル質量は、1446.9g/molである。
RMN H(TFA-d、ppm):0.91(3H);1.17-1.47(20H);1.60-1.74(2H);1.99-2.78(22.8H);3.41-4.05(4H);4.62-4.83(5.2H);5.05-5.35(10.4H);6.99-8.02(26H)。
【0726】
実施例A14:分子A14
分子31:分子14とBoc-エチレンジアミンの間の反応により得られる生成物
分子10の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子14(12.00g、40.35mmol)およびBocEDA(7.76g、48.42mmol)に適用して、分子31の無色油を得、さらに精製せずに使用する。
収率:17.40g(94%)
RMN H(CDCl、ppm):0.86(3H);1.111.68(18H);1.41(9H);1.80-2.38(6H);3.06-3.35(4H);3.37-3.49(1H);3.51-3,73(1H);4.26-4.31(0.1H);4.45-4.52(0.9H);4.91-5.19(1H);6.97(1H);7.23(0.9H)。
LC/MS(ESI+):440.4(計算([M+H]):440.3)。
【0727】
分子A14
分子A2の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、DCM溶液中の分子31(8.85g、20.13mmol)に適用した後、分子A14の白色固体を、塩基性洗浄、減圧下での濃縮、次いで、アセトニトリル中での再結晶後に得る。
収率:6.53g(96%)
RMN H(DMSO、ppm):0.85(3H);1.07-1.56(20H);1.68-2.03(4H);2.09-2.29(2H);2.50-2.58(2H);2.96-3.11(2H);3.21-3.59(2H);4.17-4.21(0.65H);4.25-4.29(0.35H);7.68(0.65H);8.00(0.35H)
LC/MS(ESI):340.3(計算([M+H]):340.3)。
.3)。
【0728】
分子A15
分子A15を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(16.0g、1.16mmol/g)における、従来の固相ペプチド合成方(SPPS)により得る。
【0729】
エチレンジアミン(20.0当量)のグラフティングをDCM(10V)中で実施する。反応しなかった部位を反応の終わりにメタノール(0.8mL/g樹脂)でキャップする。
【0730】
保護Fmoc-Lys(Fmoc)-OHアミノ酸(3.0当量)、Fmoc-Glu(OBn)-OH(4.0当量)および分子11(3.0当量)のカップリングを、DMF(10V)中(Lysおよび分子11のカップリング)、または1:1DCM/DMFの混合物(10V)中(Gluカップリング)、HATU(酸に対して1.0当量)およびDIPEA(酸に対して1.5当量)の存在下で実施する。
【0731】
Fmoc保護基を、80:20DMF/ピペリジン溶液(10V)(リジンとのカップリング後)または1% DBUのDMF溶液(グルタミン酸とのカップリング後)を用いて除去する。
【0732】
生成物を樹脂から50:50DCM/TFA溶液(10V)を使用して切断する。蒸発後、残渣を酢酸エチル(400mL)中で可溶化し、有機相をpH10の炭酸塩緩衝水溶液(1M)(2×400mL)および飽和NaCl水溶液(400mL)で洗浄する。NaSO上での乾燥後、有機相を濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ジクロロメタンメタノール、NHOH)、続いてアセトニトリル中での再結晶により精製する。
収率:16.20g(7工程にわたり全体で70%)。
RMN H(DMSO-d、ppm):0.85(6H);1.11-2.57(72H);2.50-5.57(2H);2.90-3.08(4H);3.36-3.61(4H);4.06-4.43(5H);5.08(4H);7.27-7.40(10H);7.51-8.31(5H)。
LC/MS(ESI+):1242.0(計算([M+H]):1241.9)。
【0733】
実施例A16:分子A16
分子32:SPPSにより得られる生成物
分子32を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(50.0g、1.14mmol/g)における、従来の固相ペプチド合成(SPPS)により得る。
【0734】
第1のFmoc-Glu(OtBu)-OHアミノ酸(1.3当量)のグラフティングを、DCM(10V)中、DIPEA(2.6当量)の存在下で実施する。反応しなかった部位を反応の終わりにメタノール(0.8mL/g樹脂)でキャップする。
【0735】
保護Fmoc-Glu(OtBu)-OHアミノ酸(1.3当量)、および分子11(3.0当量)のカップリングを、DMF(10V)中、HATU(酸に対して1.0当量)およびDIPEA(酸に対して1.5当量)の存在下で実施する。
【0736】
Fmoc保護基を、80:20DMF/ピペリジン溶液(10V)を用いて除去する。
【0737】
生成物を樹脂から、80:20DCM/HFIP溶液(10V)を使用して切断する。
減圧下での濃縮後、残渣をジイソプロピルエーテル中でのトリチュレーションにより精製する。
収率:35.78g(90%)
RMN H(CDCl、ppm):0.88(3H);1.19-1.35(20H);1.43(9H);1.44(9H);1.55-1.67(2H);1.90-2.46(14H);3.46-3.54(1H);3.63-3.71(1H);4.33-4.40(1H);4.43-4.52(2H);7.35(0.05H);7.40(0.05H);7.63(0.95H);7.94(0.95H)。
LC/MS(ESI+):696.4(計算([M+H]):696.5)。
【0738】
分子33:分子32とN-CBzエチレンジアミンの間の反応により得られる生成物
分子7の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子32(30.0g、43.11mmol)およびN-CBzエチレンジアミン塩酸塩(CBzEDA・HCl、11.93g、51.73mmol)に、DIPEA(15.0mL、86.22mmol)の存在下で適用して、分子33のベージュ固体を得る。それを、追加の精製なしで使用する。
収率:37.6g(100%)
RMN H(CDCl、ppm):0.88(3H);1.19-1.34(20H);1.42(9H);1.44(9H);1.52-2.54(16H);3.16-3.70(6H);4.08-4.15(1H);4.19-4.25(1H);4.43-4.53(1H);5.00(1H);5.08(1H);6.56(1H);7.00(1H);7.24-7.37(5H);7.59(1H);8,41(1H)。
LC/MS(ESI+):872.5(計算([M+H]):872.6)。
【0739】
分子A16
分子33(37.6g、43.11mmol)を含むメタノール(376mL)の溶液に、Pd/Al(3,76g)をアルゴン雰囲気下で添加する。混合物を水素雰囲気(7bar)下に置き、室温で72時間攪拌する。焼結P4上、次いで、Omnipore 0.2μm PTFE親水性メンブレン上での触媒の濾過後、濾液を減圧下で蒸発させ、粘着性油の形態の分子A16を得る。
収率:31.06g(98%)
RMN H(CDCl、ppm):0.88(3H);1.19-1.35(20H);1.43(9H);1.46(9H);1.56-1.67(2H);1.92-2.12(6H);2.24-2.54(8H);2.71(2H);2.90(2H);3.22-3.32(1H);3.42-3.51(1H);3.55-3.64(1H);3.73-3.81(1H);4.13-4.21(1H);4.26-4.33(1H);4.39-4.48(1H);7.10(1H);7.71(1H);8.45(1H)。
LC/MS(ESI+):738.5(計算([M+H]):738.5)。
【0740】
分子A17
分子A17を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(64.66g、1.16mmol/g)における従来の固相ペプチド合成(SPPS)により得る。
【0741】
エチレンジアミン(10.0当量)のグラフティングをDCM(10V)中、DIPEA(10.0当量)の存在下で実施する。反応しなかった部位を反応の終わりにメタノール(0.8mL/g樹脂)でキャップする。
【0742】
保護Fmoc-Glu(OMe)-OHアミノ酸(1.5当量)および分子28(1.5当量)のカップリングを、グルタミン酸のカップリングのために1:1DCM/DMF混合物(10V)中、または分子28のカップリングのためにDMF(10V)中、HATU(酸に対して1.0当量)およびDIPEA(酸に対して2.0当量)の存在下で実施する。
【0743】
Fmoc保護基を、50:50DMF/モルホリン溶液(10V)を用いて除去する。
【0744】
生成物を樹脂から50:50DCM/TFA溶液(10V)を使用して切断する。蒸発後、残渣をMeTHF(500mL)中で可溶化し、有機相を5% NaCO水溶液(3×250mL)で洗浄し、次いで、水相を、MeTHF(1×150mL)を用いて抽出する。有機相を再び合わせ、NaSO上で乾燥させ、濾過する。HClのMeOH溶液(1.25M)を添加し、次いで、媒体を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲル(ジクロロメタン、メタノール)上で精製し、分子A17の塩酸塩を淡褐色固体の形態で得る。
収率:12.48g(5工程にわたり全体で30%)。
RMN H(DMSO-d、ppm):0.76-0.90(12H);0.97-1.41(13H);1.45-1.55(1H);1.68-2.40(11H);2.77-2.92(2H);3.20-3.64(4H);3.57(3H);4.15-4.49(2H);7.90-8.48(5H)。
LC/MS(ESI+):525.5(計算([M+H]):525.4)。
【0745】
実施例A18:分子A18
分子34:フィトールの水素化により得られる生成物
フィトール(260.00g、878.78mmol)を含むエタノール(1.25L)の溶液に、アルゴン下、水中の50%ラネーニッケル(30.75g、175.36mmol)を添加する。媒体を1barの水素下に置き、次いで、8日間、室温で攪拌する。セライト/シリカ/セライトのパッド上での、エタノール中ですすぎながらの濾過後、分子34の無色油を減圧下での濃縮後に得る。
収率:261.40g(quant.)
RMN H(CDCl、ppm):0.84(6H);0.86(6H);0.89(3H);1.00-1.46(22H);1.46-1.68(3H);3.61-3.73(2H)。
【0746】
分子35:分子34の酸化により得られる生成物
分子26の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子34(29.00g、97.13mmol)に適用して分子35の黄色油を得る。
収率:28.70g(94%)
RMN H(CDCl、ppm):0.84(6H);0.86(6H);0.97(3H);1.00-1.41(20H);1.52(1H);1.96(1H);2.14(1H);2.35(1H);11.31(1H)。
LC/MS(ESI):311.1(計算([M-H]):311.3)。
【0747】
分子36:分子35とL-プロリネート(prolinate)の間のカップリングにより得られる生成物
分子27の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子35(18.00g、57.59mmol))およびL-プロピオン酸メチル塩酸塩(14.31g、86.39mmol)に適用して、分子36の黄色油を得る。
収率:23.20g(95%)
RMN H(DMSO-d、ppm):0.78-0.89(15H);0.97-1.43(20H);1.43-1.56(1H);1.70-1.96(4H);1.96-2.32(3H);3.33-3.56(2H);3.59(0.6H);3.67(2.4H);4.27(0.8H);4.57(0.2H)。
LC/MS(ESI):424.4(計算([M+H]):424.4)。
【0748】
分子37:分子36の鹸化により得られる生成物
分子28の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子36(21.05g、49.68mmol)に適用して分子37の黄色油を得る。
収率:20.40g(99%)
RMN H(DMSO-d、ppm):0.77-0.91(15H);0.97-1.43(20H);1.43-1.56(1H);1.67-1.96(4H);1.96-2.29(3H);3.26-3.56(2H);4.20(0.8H);4.41(0.2H)。
LC/MS(ESI):410.3(計算([M+H]):410.4)。
【0749】
分子A18
分子A18を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(26.72g、1.16mmol/g)における従来の固相ペプチド合成(SPPS)により得る。
【0750】
分子A17の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン(TOTA、68.30g、310.0mmol)、Fmoc-Glu(OMe)-OH(23.77mmol、62.00mmol)および分子37(19.04g、46.50mmol)に適用して、塩酸塩の形態の分子A18の黄色油を得る。
収率:5.53g(5工程にわたり全体で23%)。
RMN H(DMSO-d、ppm):0.76-0.89(15H);0.97-2.38(36H);2.77-2.87(2H);3.00-3.17(3H);3.32-3.54(13H);3.57(3H);4.09-4.18(0.75H);4.20-4.29(1H);4.39-4.47(0.25H);7.63-8.36(5H)。
LC/MS(ESI+):755.7(計算([M+H]):755.6)。
【0751】
実施例A19:分子A19
分子A19を、SPPS工程中に、分子11の代わりに分子14を使用して、分子A16と同じように合成する。
全体収率(3工程):32.6g(81%)
RMN H(CDCl、ppm):0.88(3H);1.201.35(16H);1.43(9H);1.46(9H);1.56-1.68(2H);1.93-2.11(6H);2.24-2.55(10H);2.85(2H);3.19-3.29(1H);3.38-3.48(1H);3.55-3.64(1H);3.74-3.82(1H);4.14-4.21(1H);4.25-4.32(1H);4.41-4.50(1H);7.03(1H);7.69(1H);8.42(1H)。
LC/MS(ESI):710.4(計算([M+H]):710.5)。
【0752】
実施例A20:分子A20
分子A20を、2-クロロトリチルクロライド(CTC)樹脂(40.00g、1.16mmol/g)における従来の固相ペプチド合成(SPPS)により得る。
【0753】
エチレンジアミン(20.0当量)のグラフティングをDCM(10V)中で実施する。反応しなかった部位を反応の終わりにメタノール(0.8mL/g樹脂)でキャップする。
【0754】
保護Fmoc-Lys(Fmoc)-OHアミノ酸(1.5当量)、Fmoc-Glu(OtBu)-OH(2.5当量)および分子11(2.5当量)のカップリングをDMF(10V)中、HATU(酸に対して1.0当量)およびDIPEA(酸に対して1.5当量)の存在下で実施する。
【0755】
Fmoc保護基を、80:20DMF/ピペリジン溶液(10V)を用いて除去する。
【0756】
生成物を樹脂から50:50DCM/TFA溶液(10V)を使用して切断する。蒸発後、残渣を水(600mL)中で可溶化し、溶液のpHを5N NaOH溶液を添加することにより7に調整し、次いで、生成物を凍結乾燥する。凍結乾燥物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン、メタノール、NHOH)により精製し、白色固体の形態の分子A20を得る。
収率:24.6g(7工程で全体で50%)。
RMN H(MeOD-d4、ppm):0.90(6H);1.18-2.45(68H);2.45-2.60(2H);3.05-3.11(2H);3.11-3.19(1H);3.23-3.33(1H);3.43-3.66(4H);3.82-3.94(2H);4.10-4.51(5H)。
LC/MS(ESI+):1061.9(計算([M+H]):1061.8)。
【0757】
パートB-疎水性コポリアミノ酸の合成
i)式XXXa、XXXbおよびXXXb’、XXXb’’によるコポリアミノ酸
【化92】
コポリアミノ酸B1:その端部の1つで分子A1により修飾され、2800g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(8.95g、34mmol)を、前にオーブン乾燥させた受理フラスコにおいて無水DMF(34mL)中で可溶化させる。混合物を4℃まで冷却し、次いで、分子A1(1.64g、1.55mmol)を含むクロロホルム(6.6mL)の溶液を迅速に導入する。混合物を4℃から室温まで、68時間攪拌し、次いで、65℃まで2時間加熱する。溶媒の半分を減圧下で蒸留し、次いで、反応媒体を室温まで冷却し、一滴ずつ、ジイソプロピルエーテル(300mL)に、撹拌しながら注ぎ入れる。白色沈殿物を濾過により回収し、ジイソプロピルエーテル(5×50mL)で洗浄し、次いで、減圧下30℃で乾燥させ、白色固体を得る。固体(7.9g)をTFA(30mL)中で希釈し、次いで、33% 臭化水素酸(HBr)の酢酸溶液(21mL、120mmol)を、一滴ずつ、0℃で添加する。溶液を2時間室温で攪拌し、次いで、1:1(v/v)ジイソプロピルエーテル/水の混合物(360mL)上に、撹拌しながら、一滴ずつ、滴下する。2時間攪拌した後、不均一混合物を一晩放置する。白色沈殿物を濾過により回収し、IPE(2×30mL)、次いで、水(2×30mL)で連続して洗浄する。得られた固体を水(200mL)中で可溶化し、1Nソーダ水溶液を添加することにより、pHを7に調整する。水(65mL)を添加する。混合物を0.45μmフィルタに通して濾過し、次いで、0.9%NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで精製する。次いで、コポリアミノ酸溶液を約理論25g/Lまで濃縮し、pHを7に調整し、水溶液を0.2μmに通して濾過する。この溶液を水およびアセトンで希釈し、30%アセトン質量を含む12g/L溶液を得、次いで、それを活性炭フィルタ(3M R53SLP)に通して濾過する。アセトンを蒸留し(40℃、100mbar)、溶液を0.9%NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで精製する。次いで、コポリアミノ酸溶液を濃縮し、pHを7に調整する。水溶液を0.2μmに通して濾過し、4℃で保存する。
乾燥抽出物:17.8mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):26
RMN Hにより:i=0.038
コポリアミノ酸B1の計算した平均モル質量は4994g/molである。
有機HPLC-SEC(較正):Mn=2800g/mol
【0758】
コポリアミノ酸B2:分子A2(エステルは鹸化されている)により修飾され、5200g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B2-1:ヘキシルアミンにより開始される、γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物の重合由来のポリ-L-グルタミン酸
ジャケット付き反応器において、γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(500g、1.90mol)を無水DMF(1100mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、ヘキシルアミン(6.27mL、47.5mmol)を迅速に導入する。混合物を0℃で5時間、0℃から20℃まで7時間、次いで、20℃で7時間攪拌する。次いで、反応媒体を65℃まで2時間加熱し、55℃まで冷却し、メタノール(3300mL)を1時間30分にわたり、導入する。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、18時間攪拌する。白色沈殿物を濾過により回収し、ジイソプロピルエーテル(2×800mL)で洗浄し、次いで、減圧下30℃で乾燥させ、ポリ(γ-ベンジル-L-グルタミン酸)(PBLG)を得る。
【0759】
PBLG(180g)を含むN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、450mL)の溶液に、Pd/Al(36g)をアルゴン雰囲気下で添加する。混合物を水素雰囲気(10bar)下に置き、60℃で24時間攪拌する。室温までの冷却および焼結P4上での触媒の濾過、次いで、0.2μm Omnipore親水性PTFEメンブレンに通す濾過後、pH2の水溶液(2700mL)を、一滴ずつ、DMAc溶液上に、45分の期間にわたって撹拌しながら注ぐ。18時間攪拌した後、白色沈殿物を濾過により回収し、水(4×225mL)で洗浄し、次いで、減圧下30℃で乾燥させる。
【0760】
コポリアミノ酸B2
コポリアミノ酸B2-1(15.0g)を40℃のDMF(230mL)中で可溶化させ、次いで、N-メチルモルホリン(NMM、11.57g、114.4mmol)を添加する。同時に、塩酸塩の形態の分子A2(10.17g、17.2mmol)をDMF(250mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(2.39mL、17.2mmol)を添加し、次いで、混合物を撹拌しながら、完全に溶解するまで、わずかに加熱する。25℃まで冷却させたコポリアミノ酸溶液に、分子A2の溶液、2-ヒドロキシピリジンのN-オキシド(HOPO、3.81g、34.3mmoL)、次いで、EDC(6,58g、34,3mmol)を連続して添加する。反応媒体を25℃で2時間攪拌し、0.2mm織フィルタに通して濾過し、2.6Lの、15質量% NaClおよびHCl(pH2)を含む水上に、撹拌しながら、一滴ずつ、滴下する。添加の終わりに、pHを1N HCl溶液を用いて2に再調整し、懸濁液を一晩放置する。沈殿物を濾過により収集し、次いで、2×100mLの水ですすぐ。得られた白色固体を1.2Lの水中で、1N NaOH水溶液をpH7まで、撹拌しながら、徐々に添加することにより可溶化させ、次いで、溶液を0.45μmフィルタに通して濾過する。エタノール(30質量%)を添加し、次いで、溶液を、活性炭フィルタ(3M R53SLP)に通して濾過する。10N NaOH溶液を、撹拌しながら、pH13まで徐々に添加し、次いで、混合物を2時間攪拌する。37% HCl溶液を添加することによりpH7まで中和した後、得られた透明溶液を0.9% NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで、精製する。次いで、コポリアミノ酸溶液を濃縮し、pHを7に調整する。水溶液を0.2μmに通して濾過し、4℃で保存する。
乾燥抽出物:22.6mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B2の計算した平均モル質量は9301g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=5200g/mol。
【0761】
コポリアミノ酸B3:分子A3(エステルは鹸化されている)により修飾され、4900g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B2-1(12.0g)を40℃のDMF(92mL)中で可溶化させ、次いで、N-メチルモルホリン(NMM、9.25g、91.5mmol)を添加する。同時に、塩酸塩の形態の分子A3(7.51g、13.7mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、2.39mL、13.7mmol)を含むDMF(27mL)の溶液を調製する。25℃まで冷却させたコポリアミノ酸溶液に、分子A3の溶液、2-ヒドロキシピリジンのN-オキシド(HOPO、3.05g、27.4mmol)を連続して添加する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、EDC(5.26g、27.4mmol)を添加する。0℃で5分後、反応媒体を25℃で2時間攪拌し、0.2mm織フィルタに通して濾過し、15質量% NaClおよびHCl(pH2)を含む950Lの水上に、撹拌しながら、一滴ずつ、滴下する。この添加の終わりに、1N HCl溶液を用いて、pHを2に再調整し、懸濁液を一晩放置する。沈殿物を濾過により収集し、次いで、3×100mLの水ですすぐ。得られた白色固体を1Lの水中で、1N NaOH水溶液をpH7まで、撹拌しながら徐々に添加することにより、可溶化させる。可溶化が完了するとすぐに、10N NaOH溶液を添加することにより、pHをpH12に2時間にわたり、次いで、pH13に1時間わたり調整する。37% HCl溶液を添加することにより、pH7まで中和した後、この溶液を水およびエタノールで希釈し、30質量%エタノールを含む12g/L溶液を得、次いで、それを活性炭フィルタ(3M R53SLP)に通して濾過する。得られた溶液を0.45μmフィルタに通して濾過し、次いで、0.9% NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで精製する。次いで、コポリアミノ酸溶液を濃縮し、pHを7に調整する。水溶液を0.2μmに通して濾過し、4℃で保存する。
乾燥抽出物:20.6mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B3の計算した平均モル質量は8977g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=4900g/mol。
【0762】
コポリアミノ酸B4:分子A4(エステルは鹸化されている)により修飾され、4700g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A4の塩酸塩(7.12g、13.7mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(12.0g)に適用して、分子A4(エステルは鹸化されている)により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:19.4mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B4の計算した平均モル質量は8809g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=4700g/mol。
【0763】
コポリアミノ酸B5:分子A5(エステルは鹸化されている)により修飾され、5400g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A5の塩酸塩(9.71g、13.7mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(12.0g)に適用して、分子A5(エステルは鹸化されている)により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:20.8mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B5の計算した平均モル質量は9939g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=5400g/mol。
【0764】
コポリアミノ酸B7:その端部の1つで分子A7により修飾された、2500g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B1の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A7(2.50g、2.74mmol)およびy-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(15.89g、60.4mmol)に適用して、その端部の1つで分子A7により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:20.3mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):26
RMN Hにより:i=0.038
コポリアミノ酸B7の計算した平均モル質量は3893g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=2500g/mol
【0765】
コポリアミノ酸B13:その端部の1つで分子A11(エステルは脱保護されている)により修飾され、3000g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
ジャケット付き反応器において、γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(24.50g、93.05mmol)を無水DMF(55mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、ヘキシルアミン(0.56mL、4.23mmol)を迅速に導入する。混合物を0℃で48時間攪拌し、次いで、連続して、分子A11(9.51g、5.08mmol)を含むDMF(50mL)の溶液、HOPO(564mg、5.08mmol)およびEDC(973mg、5.08mmol)を添加する。反応媒体を0℃で1時間、0℃~20℃で2時間、次いで、20℃で16時間攪拌する。次いで、この溶液を、1:1HO/MeOH混合物(10V)上に、室温で、撹拌しながら注ぐ。4時間攪拌した後、白色沈殿物を濾過により回収し、ジイソプロピルエーテル(2×100mL)、水(2×100mL)および1:1HO/MeOH混合物(2×100mL)で洗浄する。
【0766】
得られた固体をTFA(220mL)中で可溶化させ、室温で2時間30分攪拌する。次いで、この溶液を水(10V)に、室温で、撹拌しながら注ぎ入れる。2時間30分の攪拌の後、白色沈殿物を濾過により回収し、水(2×200mL)で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させる。
【0767】
得られた固体をN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、210mL)中で可溶化させ、次いで、Pd/Al(2.1g)をアルゴン雰囲気下で添加する。混合物を水素雰囲気(6bar)下に置き、60℃で24時間攪拌する。室温までの冷却、および焼結P4上での、次いで、Omnipore 0.2μm PTFE親水性メンブレンに通す触媒の濾過後、15% NaClを含むpH2の水溶液(6V)を、一滴ずつ、DMAc溶液上に、45分の期間にわたって、撹拌しながら注ぐ。18時間の攪拌の後、白色沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させる。得られた固体を水(600mL)中で、1Nソーダ水溶液を添加することにより、pHを7に調整することにより可溶化させる。次いで、pHをpH12に調整し、溶液を1時間攪拌する。pH7まで中和した後、溶液を0.2μmに通して濾過し、エタノールで希釈して、30質量%のエタノールを含む溶液を得、次いで、活性炭フィルタ(3M R53SLP)に通して濾過する。得られた溶液を0.45μmフィルタに通して濾過し、0.9% NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで精製する(3M R53SLP)。次いで、コポリアミノ酸溶液を濃縮し、pHを7に調整する。水溶液を0.2μmに通して濾過し、4℃で保存する。
乾燥抽出物:23.5mg/g
DP(RMN Hにより推定)=24、よって、i=0.042
コポリアミノ酸B13の計算した平均モル質量は5377g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=3000g/mol。
【0768】
コポリアミノ酸B14:その端部の1つで分子A12(エステルは脱保護されている)により修飾され、3300g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B14-1:その端部の1つで分子A12により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ベンジル
γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(50.00g、189.39mmol)を、前にオーブン乾燥させた受理フラスコにおいて、無水DMF(65mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、分子A12(9.65g、8.63mmol)を含むDMF(50mL)の溶液を迅速に導入する。混合物を0℃から室温まで2時間攪拌し、次いで、65℃まで2時間加熱する。反応媒体を室温まで冷却し、一滴ずつ、ジイソプロピルエーテル(1.8L)に、撹拌しながら注ぎ入れる。白色沈殿物を濾過により回収し、2回、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、次いで、30℃で真空乾燥させ、白色固体を得る。
コポリアミノ酸B14
【0769】
コポリアミノ酸B14-1を(DMAc、250mL)中で可溶化させ、次いで、Pd/Al(5.0g)をアルゴン雰囲気において添加する。混合物を水素雰囲気(10bar)に置き、60℃で24時間攪拌する。室温までの冷却、および、焼結触媒濾過P4、次いで、Omnipore 0.2μm PTFE親水性メンブレンによる濾過後、pH2の水溶液(6V)を、45分の期間にわたって、撹拌しながら、DMAc溶液上に、一滴ずつ流す。18時間の攪拌の後、白色沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させる。得られた固体を、水(1.25L)中で、1Nソーダ水溶液を添加することにより、pHを7に調整して、可溶化させる。次いで、pHをpH13に調整し、溶液を3時間攪拌する。pH7に中和した後、溶液を0.2μmにより濾過し、エタノールで希釈し、30質量%のエタノールを含む溶液を得、次いで、活性炭フィルタ(3M R53SLP)に通して濾過する。得られた溶液を0.45μmフィルタにより濾過し、次いで、0.9% NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで(3M R53SLP)精製する。次いで、コポリアミノ酸溶液を濃縮し、pHを7に調整する。水溶液を0.2μmに通して濾過し、4℃で保存する。
乾燥抽出物:25.7mg/g
DP(RMN Hにより推定)=24、よって、i=0.042
コポリアミノ酸B14の計算した平均モル質量は4720g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=3300g/mol。
【0770】
コポリアミノ酸B15:分子A13(エステルは脱保護されている)により修飾され、4400g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A13の塩酸塩(3.39g、2.34mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(2.04g)に、30質量%のエタノールを含む水混合物中でのpH13での5時間の鹸化工程と共に、適用して、分子A13(エステルが脱保護されている)により修飾されポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:15.7mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B15の計算した平均モル質量は12207g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=4400g/mol。
【0771】
コポリアミノ酸B17:その端部の1つで分子A15(エステルが脱保護されている)により修飾され、1000g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B14の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A15(10.85g、8.74mmol)およびγ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(23.00g、87.37g)に、pH12で2時間の鹸化工程と共に、適用して、その端部の1つで分子A15(エステルは脱保護されている)により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:23.9mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):10
RMN Hにより:i=0.1
コポリアミノ酸B17の計算した平均モル質量は2576g/molである。
水性HPLC-SEC(PEG較正):Mn=1000g/mol。
【0772】
コポリアミノ酸B18:分子A16(エステルは脱保護されている)により修飾され、5000g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A16(31.06g、42.08mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(36.80g)に適用して、ベージュ固体を、酸沈殿工程後に得る。この固体をTFA(100g/L)中で希釈し、混合物を室温で3時間攪拌する。次いで、溶液を、水(3V)上に、撹拌しながら、一滴ずつ、注ぐ。16時間攪拌した後、沈殿物を濾過により回収し、次いで、水で洗浄する。得られた固体を、10Nソーダ水溶液を添加することによりpHを7に調整して、水中で可溶化させる。可溶化が完了するとすぐに、1N NaOH溶液を添加することにより、pHをpH12に1時間調整する。1N HCl溶液を添加することにより、pH7まで中和した後、コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセス(炭素濾過および限外濾過)により、生成物を精製する。脱保護されたエステルを有する、分子A16により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:28.2mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B18の計算した平均モル質量は9884g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=5000g/mol。
【0773】
コポリアミノ酸B19:分子A17(エステルが脱保護されている)により修飾され、4900g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A17の塩酸塩(7.35g、13.09mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(11.45g)に、30質量%のエタノールを含む水混合物におけるpH13で3時間の鹸化工程と共に、適用して、分子A17(エステルが脱保護されている)により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:25.7mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B19の計算した平均モル質量は9062g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=4900g/mol。
【0774】
コポリアミノ酸B20:分子A18(エステルが脱保護されている)により修飾され、5800g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B3の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A18の塩酸塩(5.43g、6.86mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(6.00g)に、30質量%のエタノールを含む水混合物におけるpH13での3時間の鹸化工程と共に、適用して、分子A18(エステルが脱保護されている)により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:22.0mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B20の計算した平均モル質量は10444g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=5800g/mol。
【0775】
コポリアミノ酸B21:分子A19(エステルは脱保護されている)により修飾され、5000g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B18の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A19(32.64g、45.97mmol)およびコポリアミノ酸B2-1(40.20g)に適用して、分子A19(エステルが脱保護されている)により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:26.2mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):40
RMN Hにより:i=0.15
コポリアミノ酸B21の計算した平均モル質量は9716g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=5000g/mol。
【0776】
コポリアミノ酸B22:その端部の1つで分子A20により修飾され、1900g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B14の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A20(13.28g、12.51mmol)を含むCHCl(53mL)およびy-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(72.46g,275.2mmol)を含むDMF(270mL)に、pH12で、1時間30分の鹸化工程と共に、適用して、その端部の1つで分子A20により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:27.3mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):20
RMN Hにより:i=0.05
コポリアミノ酸B22の計算した平均モル質量は4087g/molである。
水性HPLC-SEC(PEG較正):Mn=1900g/mol。
【0777】
ii)式XXXa、XXXbおよびXXXb’、XXXb’’によるコポリアミノ酸
【化93】
コポリアミノ酸B7’:その端部の1つで分子A5aにより修飾され、2600g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B7’-1:その端部の1つで分子A5aにより修飾されたポリ-L-ベンジルグルタミン酸
γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(10.1g、38.4mmol)を前にオーブン乾燥させた受理フラスコにおいて、無水DMF(19mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、分子A5a(1.47g、1.74mmol)を含むクロロホルムの溶液(3.7mL)を迅速に導入する。混合物を0℃から室温まで2時間攪拌し、次いで、65℃まで2時間加熱する。反応媒体を室温まで冷却し、ジイソプロピルエーテル(0.29mL)に、撹拌しながら、一滴ずつ、注ぎ入れる。白色沈殿物を濾過により回収し、2回、ジイソプロピルエーテル(5×50mL)で洗浄し、次いで、30℃で真空乾燥させ、白色固体を得る。
【0778】
コポリアミノ酸B7’
コポリアミノ酸B7’-1(8.33g、33.0mmol)をトリフルオロ酢酸(trifluoracetic acid)(TFA、132mL)中で希釈し、次いで、溶液を4℃まで冷却する。次いで、33%HBrの酢酸溶液(92.5mL、0.528mol)を、一滴ずつ添加する。混合物を室温で2時間攪拌し、次いで、ジイソプロピルエーテルおよび水の1:1(v/v)混合物(0.8L)上に、撹拌しながら一滴ずつ注ぐ。2時間攪拌した後、不均一混合物を一晩放置する。白色沈殿物を濾過により回収し、IPE(2×66mL)で、次いで、水(2×66mL)で洗浄する。次いで、得られた固体を水(690mL)中で、1Nソーダ水溶液を添加することによりpHを7に調整しながら、可溶化させる。可溶化後、理論的濃度を、水(310mL)を添加することにより理論20g/Lに調整し、溶液を0.45μmフィルタに通して濾過し、次いで、0.9%NaCl溶液、次いで、水に対して限外濾過により、透過物の伝導度測定法が50μS/cm未満となるまで精製する。得られた溶液を0.2μmフィルタに通して濾過し、2-8℃で保存する。
乾燥抽出物:17.3mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):24
RMN Hにより:i=0.042
コポリアミノ酸B7’の計算した平均モル質量は4430g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=2600g/mol。
【0779】
実施例B8:コポリアミノ酸B8-その端部の1つで分子A6aにより修飾され、2400g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B8-1:その端部の1つで分子A6により修飾されたポリ-L-ベンジルグルタミン酸
γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(19.0g、72.2mmol)を前にオーブン乾燥させた受理フラスコにおいて無水DMF(19mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、分子A6a(1.68g、3.28mmol)を含むクロロホルムの溶液(3.7mL)を迅速に導入する。混合物を0℃から室温まで2時間攪拌し、次いで、65℃まで2時間加熱する。反応媒体を室温まで冷却し、ジイソプロピルエーテル(0.29L)に撹拌しながら、一滴ずつ、注ぎ入れる。白色沈殿物を濾過により回収し、2回、ジイソプロピルエーテル(5×50mL)で洗浄し、次いで、30℃で真空乾燥させ、白色固体を得る。
【0780】
コポリアミノ酸B8
コポリアミノ酸B7’の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、コポリアミノ酸B8-1(14.6g、61.5mmol)に適用して、その端部の1つで分子A6aにより修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:21.3mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):23
RMN Hにより:i=0.043
コポリアミノ酸B8の計算した平均モル質量は3948g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=2400g/mol。
【0781】
コポリアミノ酸B10:その端部の1つで分子A8により修飾され、3100g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B10-1:その端部の1つで分子A8により修飾されたポリ-L-ベンジルグルタミン酸
適切な容器において、分子A8の塩酸塩(2.308g、3.04mmol)、クロロホルム(120mL)、モレキュラーシーブ4A(1.5g)、ならびにAmberlite IRN 150イオンの交換樹脂(1.5g)を連続して導入する。1時間のコイル攪拌後、媒体を濾過し、樹脂をクロロホルムですすぐ。混合物を蒸発させ、次いで、トルエンと同時蒸発させる。残渣を無水DMF(40mL)中で可溶化し、重合反応において直接使用する。
【0782】
γ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(20.0g、76.0mmol)を前にオーブン乾燥させた受理フラスコにおいて無水DMF(19mL)中で可溶化させる。次いで、混合物を完全に溶解するまで攪拌し、0℃まで冷却し、次いで、前に調製した分子A8を含むクロロホルムの溶液(3.7mL)を迅速に導入する。混合物を0℃から室温まで2時間攪拌し、次いで、65℃まで2時間加熱する。次いで、反応媒体を室温まで冷却し、ジイソプロピルエーテル(0.29mL)に撹拌しながら、一滴ずつ、注ぎ入れる。白色沈殿物を濾過により回収し、2回、ジイソプロピルエーテル(5×50mL)で洗浄し、次いで、30℃で真空乾燥させ、白色固体を得る。
【0783】
コポリアミノ酸B10
コポリアミノ酸B7’の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、コポリアミノ酸B10-1(15.2g、60.8g)に適用して、その端部の1つで分子A8により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:34.1mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):31
RMN Hにより:i=0.032
コポリアミノ酸B10の計算した平均モル質量は5367g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=3100g/mol。
【0784】
実施例B11:コポリアミノ酸B11-その端部の1つで分子A9により修飾され、3000g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B11-1:その端部の1つで分子A9により修飾されたポリ-L-ベンジルグルタミン酸
好適な容器において、分子A9の塩酸塩(2.023g、3.87mmol)、クロロホルム(120mL)、モレキュラーシーブ4A(1.5g)、ならびにAmberlite IRN 150イオンの交換樹脂(1.5g)を連続して導入する。1時間のコイル攪拌後、媒体を濾過し、樹脂をクロロホルムですすぐ。混合物を蒸発させ、次いで、トルエンと同時蒸発させる。残渣を無水DMF(40mL)中で可溶化し、重合反応において直接使用する。
【0785】
コポリアミノ酸B8-1の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、前に調製した分子A9の溶液、およびγ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(25.5g、96.8mmol)に適用して、コポリアミノ酸B11-1を得る。
【0786】
コポリアミノ酸B11
コポリアミノ酸B7’の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、コポリアミノ酸B11-1(18.4g、77.3g)に適用して、その端部の1つで分子A9により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:28.0mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):29
RMN Hにより:i=0.034
コポリアミノ酸B11の計算した平均モル質量は4828g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=3000g/mol。
【0787】
コポリアミノ酸B12:その端部の1つで分子A10により修飾され、2700g/molの数平均モル質量(Mn)を有するポリ-L-グルタミン酸ナトリウム
コポリアミノ酸B12-1:その端部の1つで分子A10により修飾されたポリ-L-ベンジルグルタミン酸
コポリアミノ酸B10-1の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、分子A10の溶液(3.0g、2.24mmol)、およびγ-ベンジル-L-グルタミン酸N-カルボキシ無水物(12.99g、49.3mmol)に適用して、コポリアミノ酸B12-1を得る。
【0788】
コポリアミノ酸B12
コポリアミノ酸B7’の調製のために使用されるものと同様のプロセスを使用して、コポリアミノ酸B12-1(13.2g、48.0mmol)に適用して、その端部の1つで分子A10により修飾されたポリ-L-グルタミン酸ナトリウムを得る。
乾燥抽出物:13.2mg/g
DP(RMN Hを使用して推定):24
RMN Hにより:i=0.042
コポリアミノ酸B12の計算した平均モル質量は4924g/molである。
有機HPLC-SEC(PEG較正):Mn=2700g/mol。
【0789】
パートCE-コポリアミノ酸反例
【化94】
コポリアミノ酸CE1およびCE2は、特許出願WO2017211916号において記載されるプロセスを用いて合成される。
【0790】
パートC-組成物
実施例C1:100U/mLでの速効型インスリン類似体溶液(ヒューマログ(登録商標))
この溶液は、ELI LILLYによりヒューマログ(登録商標)という名で販売されるインスリンリスプロの市販溶液である。この生成物は速効型インスリン類似体である。ヒューマログ(登録商標)中の賦形剤は、メタ-クレゾール(3.15mg/mL)、グリセロール(16mg/mL)、リン酸二ナトリウム(1.88mg/mL)、酸化亜鉛(0.0197mgの亜鉛イオン/mLを有するため)、水酸化ナトリウムおよび塩酸(pHを調整するため(pH7-7.8))および水である。
【0791】
実施例C2:100-600U/mLでの速効型インスリン類似体リスプロ溶液
これは、Gan&Leeにより生成されるインスリンリスプロ粉末を使用して調製されたインスリンの溶液である。この製品は速効型インスリン類似体である。使用される賦形剤は、m-クレゾール、グリセロール、酸化亜鉛、水酸化ナトリウムおよび塩酸(pHの調整のため(pH7-7.8))および水である。亜鉛濃度は100UI/mLのインスリンにつき300μMである。他の賦形剤の濃度は最終製剤において所望の濃度を得るためにリスプロの濃度の関数として変動する。
【0792】
実施例C3:100U/mLでの長時間作用型インスリン類似体溶液(ランタス(登録商標))
この溶液は、ランタス(登録商標)という名でSANOFIにより販売される、インスリングラルギンの市販溶液である。この製品は長時間作用型インスリン類似体である。ランタス(登録商標)中の賦形剤は、塩化亜鉛(30μg/mL)、m-クレゾール(2.7mg/mL)、グリセロール(20mg/mL)ポリソルベート20(16μM)、水酸化ナトリウムおよび塩酸(pHを調整するため(pH4))および水である。
【0793】
実施例C4:100-400U/mLでのインスリングラルギンの溶液
これは、Gan&Leeにより生成されるインスリングラルギン粉末を使用して調製されるインスリングラルギンの溶液である。この製品は長時間作用型インスリン類似体である。使用される賦形剤は、塩化亜鉛、m-クレゾール、グリセロール、水酸化ナトリウムおよび塩酸(pHの調整のため(pH4))および水である。亜鉛濃度は100UI/mLのインスリンにつき460μMである。他の賦形剤の濃度は、最終製剤において所望の濃度を得るためにグラルギンの濃度の関数として変動する。
【0794】
パートCA-インスリングラルギンを含む組成物
CA1の調製プロセス:液体形態(溶液)のインスリングラルギンおよび液体形態(溶液)のコポリアミノ酸を使用するプロセスによる、pH7.1でのコポリアミノ/インスリングラルギン50U/mLの希釈組成物の調製
pH7.1のコポリアミノ酸の親溶液に、メタ-クレゾールおよびグリセリンの濃縮溶液を添加し、濃度C親コポリアミノ酸/賦形剤(mg/mL)のコポリアミノ酸の溶液を得る。添加する賦形剤の量を、pH7.1のコポリアミノ酸/インスリングラルギン50U/mLの組成物中で、35mMのメタ-クレゾールおよび184mMのグリセリンの濃度が得られるように調整する。
【0795】
滅菌容器内で、C3またはC4で記載される100U/mLの濃度のインスリングラルギンの溶液の体積Vインスリングラルギンを、pH7.1の希釈コポリアミノ酸組成物C希釈コポリアミノ酸(mg/mL)/インスリングラルギン50U/mLが得られるように、C親コポリアミノ酸/賦形剤(mg/mL)の濃度のコポリアミノ酸の溶液の体積V親コポリアミノ酸/賦形剤に添加する。濁りが現れる。濃NaOHを添加することによりpHを7.1に調整し、溶液を、完全に可溶化するまで、40℃で2時間静的条件下に置く。この視覚的に透明な溶液を4℃に置く。
【0796】
調製プロセスCA2:希釈組成物の濃縮プロセスによる、コポリアミノ酸を用いた、pH7.1の濃コポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物の調製
実施例CA1に記載されるpH7.1のコポリアミノ/インスリングラルギン50U/mLの組成物を、再生セルロースの3kDaメンブレン(Milliporeにより販売されるAmicon(登録商標)Ultra-15)による限外濾過により濃縮する。この限外濾過工程の終わりに、残余分は透明であり、組成物中のインスリングラルギンの濃度を逆相クロマトグラフィー(RP-HPLC)により決定する。次いで、組成物中のインスリングラルギンの濃度を、35mMの最終m-クレゾール濃度、52μMのTween20および300mOsm/kgのモル浸透圧濃度を得るために、賦形剤m-クレゾール/グリセリン/Tween20の溶液中での希釈により、所望の値に調整する。pHを測定し、NaOHおよび濃HClを添加することによりpH7.1に調整する。pH7.1のこの溶液は、視覚的に透明であり、インスリングラルギンの濃度Cインスリングラルギン(U/mL)およびCコポリアミノ酸(mg/mL)=C希釈コポリアミノ酸(mg/mL)×Cinsuグラルギン(U/mL)/50(U/mL)のコポリアミノ酸の濃度を有する。
【0797】
調製プロセスCA3:液体形態(溶液)のインスリングラルギンおよび液体形態(溶液)のコポリアミノ酸を使用するプロセスによる、pH7.1のコポリアミノ/インスリングラルギンの濃縮組成物の調製
pH7.1のコポリアミノ酸の親溶液に、実施例C4に記載される賦形剤を含む、220-400UI/mLのグラルギンの溶液を添加する。グラルギン溶液中の賦形剤の濃度を、pH7.1のコポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物中で35mMのメタ-クレゾール濃度および184mMのグリセリンが得られるように調整する。濁りが現れる。濃NaOHを添加することによりpHを7.1に調整し、溶液を完全に可溶化するまで、40℃のオーブン内で2時間静止下に置く。この視覚的に透明な溶液を、一体積のポリソルベート20の濃縮溶液を添加して、52μMの最終濃度を得た後、4℃に置く。
【0798】
調製プロセスCA3a:液体形態(溶液)のインスリングラルギンおよび液体形態(溶液)のコポリアミノ酸を使用するプロセスによる、pH7.1のコポリアミノ/インスリングラルギンの組成物の調製
【0799】
pH7.0-7.5のコポリアミノ酸の親溶液に、実施例C4に記載される賦形剤を含む、100-220U/mLのグラルギンの溶液を添加する。グラルギン溶液中の賦形剤の濃度を、コポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物中で35mMのメタ-クレゾール濃度および230mMのグリセリンが得られるように調整する。濁りが現れる。濃NaOHを添加することによりpHを7.5に調整し、溶液を完全に可溶化するまで、40℃のオーブン内で2時間静止下に置く。得られた溶液は視覚的に透明である。
【0800】
調製プロセスCA3b:液体形態(溶液)のインスリングラルギンおよび液体形態(溶液)のコポリアミノ酸を使用するプロセスによる、pH7.1のコポリアミノ/インスリングラルギンの組成物の調製
pH7.0-7.5のコポリアミノ酸の親溶液に、塩化ナトリウムの溶液、および、実施例C4に記載される100-220U/mLのグラルギンの溶液を、この順序で添加する。グラルギン溶液中の賦形剤の濃度を、pH7.1のコポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物中で35mMのm-クレゾール濃度および230mMのグリセリンが得られるように調整する。濁りが現れる。濃NaOHを添加することによりpHを7.5に調整し、溶液を完全に可溶化するまで、40℃のオーブン内で2時間静止下に置く。得られた溶液は視覚的に透明である。
【0801】
調製プロセスCA2、CA3またはCA3aおよびCA3bにより、コポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物を、例えば、100U/mL~300U/mLのインスリングラルギン濃度を用いて調製した。
【0802】
実施例CA4:pH7.1のコポリアミノ酸/インスリングラルギン200U/mL組成物の調製
コポリアミノ酸/インスリングラルギン200U/mL組成物を、Cインスリングラルギン=200U/mLのインスリングラルギン濃度およびCコポリアミノ酸のコポリアミノ酸濃度(mg/mL)が得られるように、CA2およびCA3に記載されるプロセスにより調製する。
【0803】
これらの組成物は表1および1aに提示される。
【表2】
【表3】
【0804】
コポリアミノ酸は、中性pHでインスリングラルギンを可溶化し、透明溶液を得ることを可能にする。
【0805】
調製プロセスCA5:pH7.1でインスリングラルギン50U/mLを可溶化するための最低濃度の決定のためのプロトコル
7-7.5pHのコポリアミノ酸の親溶液に、濃縮m-クレゾールおよびグリセリン溶液を添加する。添加する賦形剤の量を、コポリアミノ酸/インスリングラルギン50U/mL組成物中で、35mMのメタ-クレゾール濃度および184mMのグリセリン濃度が得られるように調整する。
【0806】
3mLバイアルにおいて、実施例C3またはC4において記載される、0.5mLの、100U/mLの濃度のインスリングラルギン溶液を、コポリアミノ酸/m-クレゾール/グリセリン50U/mL組成物が得られるように、0.5mLの体積の、コポリアミノ酸/m-クレゾール/グリセリンの溶液に添加する。濁りが現れる。濃NaOHを添加することによりpHを7.1に調整し、溶液を40℃のオーブン内で一晩静止下に置く。この操作を様々な濃度のコポリアミノ酸に対して実施する。40℃で一晩の後、試料を視覚的に検査し、173°の角度で、ゼータサイザー(Malvern)を用いる静的光散乱測定に供する。インスリングラルギンの可溶化を可能にするコポリアミノ酸の最低濃度は、pH7.1のコポリアミノ酸/インスリングラルギン混合物が視覚的に透明であり、1000kcps(数千の光子/秒)以下の散乱強度を有する最も低い濃度として規定される。
【0807】
コポリアミノ酸の最低濃度が下記表1bに提示される。
【表4】
【0808】
コポリアミノ酸B22、B7およびB13は、0.88mg/mL以下の質量濃度で、かつ、0.64以下の疎水性/インスリングラルギンモル比で、インスリングラルギンを可溶化することを可能にする。
【表5】
【0809】
コポリアミノ酸B2、B3、B9、B15、B18、B19およびB21は、1.25mg/mL以下の質量濃度で、かつ、0.42以下のコポリアミノ酸/インスリングラルギンモル比で、インスリングラルギンを可溶化することを可能にする。
【0810】
調製プロセスCA6:pH7.1で50U/mLのインスリングラルギンを可溶化するための最低濃度の決定
調製プロセスは、調製プロセスCA5に従い、1つの違いを有する:pH7-7.5のコポリアミノ酸の親溶液に、m-クレゾールおよびグリセリンの溶液に加えて、最終組成物の標的を達成するために、塩化ナトリウムの濃縮溶液を添加する。結果を、下記表1dに記載する。
【表6】
【0811】
塩の添加は、コポリアミノ酸B22の濃度をグラルギンの可溶化閾値まで低下させることができる。
【0812】
パートCB-インスリングラルギンおよびインスリンリスプロを含む組成物
調製プロセスCB1:希釈コポリアミノ酸/インスリングラルギン43(U/mL)/インスリンリスプロ13.5(U/mL)組成物の調製
実施例CA1に記載されるpH7.1の、体積Vコポリアミノ酸/希釈インスリングラルギンの希釈コポリアミノ酸/インスリングラルギン50U/mLに、一体積Vインスリンリスプロのインスリンリスプロ100U/mL溶液および水を添加し、コポリアミノ酸/インスリングラルギン43(U/mL)/インスリンリスプロ13,5(U/mL)組成物を得る。
【0813】
調製プロセスCB2:pH7.1の濃コポリアミノ酸インスリングラルギン/インスリンリスプロの調製
実施例CB1で記載される、濃コポリアミノ酸/インスリングラルギン43(U/mL)/インスリンリスプロ13.5組成物を、再生セルロースの3kDaメンブレン(Milliporeにより販売されるAmicon(登録商標)Ultra-15)を用いた限外濾過により濃縮する。この限外濾過工程の終わりに、残余分は透明であり、組成物中のインスリングラルギンの濃度を逆相クロマトグラフィー(RP-HPLC)により決定する。次いで、組成物中のインスリングラルギンおよびインスリンリスプロの濃度を賦形剤m-クレゾール/グリセリン/Tween20の溶液中での希釈により所望の値に調整し、35mMの最終m-クレゾール濃度、52μMのTweenおよび300mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を得る。pHを測定し、必要なら、濃NaOHおよびHClを添加することにより、pH7.1に調整する。視覚的に透明なpH7.1のこの溶液は、インスリングラルギン濃度Cインスリングラルギン(U/mL)およびインスリンリスプロ濃度Cインスリンリスプロ=Cインスリングラルギン×0.33およびコポリアミノ酸濃度Cコポリアミノ酸(mg/mL)=C希釈コポリアミノ酸(mg/mL)×Cインスリングラルギン(U/mL)/50(U/mL)を有する。
CB3の調製プロセス:pH7.1の濃コポリアミノ酸インスリングラルギン酸/インスリンリスプロの調製
【0814】
実施例CA3に記載される、pH7.1の体積V濃縮コポリアミノ酸/インスリングラルギンのコポリアミノ酸/インスリングラルギンの濃縮組成物に、実施例C2に記載される体積Vインスリンリスプロのリスプロ溶液を添加する。一体積のポリソルベート20溶液を添加し、52μMの最終濃度を得る。視覚的に透明な、pH7.1の得られた溶液は、インスリングラルギン濃度Cインスリングラルギン(U/mL)、インスリンリスプロ濃度Cインスリンリスプロ=Cインスリングラルギン×0.33およびコポリアミノ酸濃度Cコポリアミノ酸(mg/mL)=C希釈コポリアミノ酸(mg/mL)×Cインスリングラルギン(U/mL)/50(U/mL)を有する。m-クレゾールの濃度は35mMであり、グリセリンの濃度は230mMである。
【0815】
CB4の調製プロセス:pH7.2の希釈コポリアミノ酸/インスリングラルギン75U/mL/インスリンリスプロ25(U/mL)の調製
実施例CA3aまたはCA3bに記載される、pH7.2の、ある体積の濃コポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物に、実施例C2に記載されるある体積のリスプロ溶液を添加する。亜鉛濃度を、ZnClの濃縮溶液を添加することにより、0.5mMに調整する。pHを塩酸の濃縮溶液を添加することにより、7.2に調整する。得られた溶液は、視覚的に透明であり、75U/mLのインスリングラルギン濃度および25U/mLのインスリンリスプロ濃度を有する。m-クレゾールの濃度は35mMであり、グリセリンの濃度は230mMである。
【0816】
調製プロセスCB5:pH7.2のコポリアミノ酸/インスリングラルギン150U/mL/インスリンリスプロ50U/mL組成物の調製
実施例CA4またはCA5に記載される、ある体積の濃コポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物に、実施例C2に記載されるある体積のリスプロ溶液を添加する。亜鉛濃度を、ZnClの濃縮溶液を添加することにより、1mMに調整する。pHを塩酸の濃縮溶液を添加することにより、7.2に調整する。得られた溶液は、視覚的に透明であり、150U/mLのインスリングラルギン濃度および50U/mLのインスリンリスプロ濃度を有する。m-クレゾールの濃度は35mMであり、グリセリンの濃度は230mMである。
【0817】
実施例CB2およびCB3:pH7.1のコポリアミノ酸/インスリングラルギン200U/mL/インスリンリスプロ66U/mL組成物の調製
コポリアミノ酸/インスリングラルギン200U/mL/インスリンリスプロ66U/mL組成物を、CB2およびCB3に記載されるプロセスにより調製し、インスリングラルギン濃度Cインスリングラルギン=200U/mL、インスリンリスプロ濃度Cインスリンリスプロ=66U/mLおよびコポリアミノ酸濃度Cコポリアミノ酸(mg/mL)を得る。
【0818】
これらの組成物は表2および2aに提示される。
【表7】
【表8】
【0819】
実施例CB4およびCB5:pH7.2の濃縮コポリアミノ酸/インスリングラルギン酸/インスリンリスプロ組成物の調製
コポリアミノ酸/インスリングラルギン75U/mL/インスリンリスプロ25U/mLの組成物およびコポリアミノ酸/インスリングラルギン150U/mL/インスリンリスプロ50U/mLの組成物を、実施例CB4およびCB5に記載されるプロセスにより調製する。
【表9】
【0820】
コポリアミノ酸は、インスリンリスプロの存在下、中性pHで、インスリングラルギンを可溶化し、透明溶液に導くことを可能にする。
【0821】
パートCD-結果
上記で調製した組成物の研究による、本発明による組成物の物理的安定性の証明
実施例CD1:25℃での動的加速安定性
1mLのコポリアミノ酸/インスリングラルギン組成物またはコポリアミノ酸/インスリングラルギン/食事インスリン組成物を充填した3mLバイアルをオービタルシェーカー上に垂直に置く。シェーカーを25℃のオーブンに入れ、バイアルを250rpmで振盪させる。視認可能な粒子または濁りの出現を検出するために、バイアルを毎日/毎週視覚的に検査する。この検査は、欧州薬局方の推奨により実施し(EP2.9.20):バイアルを少なくとも2000Luxにより照射し、白色バックグラウンドおよび黒色バックグラウンドの前で観察する。安定性の日数は、少なくとも2つのバイアルが視認可能な粒子を示す、または濁った時に対応する。
【0822】
コポリアミノ酸B4を用いた加速安定性の結果を表3に示す。
【表10】
【0823】
コポリアミノ酸B4は、インスリンリスプロの存在下、中性pHで、インスリングラルギンを可溶化し、良好な物理的安定性を有する組成物に導くことを可能にする。
【0824】
実施例CD2:30℃での静的加速安定性
1mLのコポリアミノ酸/インスリングラルギン/食事インスリン組成物を充填した、少なくとも5つの3mLカートリッジを静的条件下30℃のオーブンに入れる。カートリッジを隔月に、視認可能な粒子または濁りの出現を検出するために、視覚的に検査する。この検査は、欧州薬局方の推奨により実施し(EP2.9.20):カートリッジを少なくとも2000Luxにより照射し、白色バックグラウンドおよび黒色バックグラウンドの前で観察する。安定性の週数は、参照標準と比べて、カートリッジの大半が視認可能な粒子を示す、または濁った時に対応する。
【0825】
静的条件下での加速安定性結果は下記表4に提示される。
【表11】
【0826】
実施例CD3:コポリアミノ酸/インスリングラルギン75U/mL/インスリンリスプロ25U/mL組成物のアルブミンとの混合後のインスリングラルギンの沈殿
この試験は、生理的pHおよびイオン強度で、アルブミンを含む模擬生理的媒体での注入後のインスリングラルギンの沈殿を強調する。これらの条件は、皮下注射中の組成物の挙動を模倣するのを可能にする。100μLの、コポリアミノ酸/インスリングラルギン75U/mL/インスリンリスプロ25U/mL組成物に、100μLの、pH7.4のリン酸緩衝液中の20mg/mLウシアルブミン溶液を添加する。組成物と混合した後、NaClおよびリン酸の含量が、それぞれ140mMおよび10mMとなるように、リン酸緩衝液(PBSまたはリン酸緩衝生理食塩水)を濃縮する。この媒体中でのグラルギンの沈殿を、30分間の混合物の450nmでの吸光度測定により、室温(20-25℃)でモニタする。吸光度測定を、マルチウェルプレートのUV-可視リーダーを使用して実施する。
【0827】
吸光度は、プラトーに到達するまで増加する。グラルギン沈殿時間は、測定される吸光度がプラトーの値の80%以上となるのに必要とされる時間として規定される。以上で記載される組成物を用いて得られた沈殿時間は表5で示される。
【表12】
【0828】
本発明のコポリアミノ酸/インスリングラルギン/インスリンリスプロ組成物は、皮下媒体をシミュレートする媒体との混合後、グラルギンの急速沈殿につながる。
【0829】
パートD:薬物動態
D1:インスリングラルギンおよびインスリンリスプロ製剤の薬物動態についての測定プロトコル
研究をイヌにおいて、コポリアミノ酸B22/インスリングラルギン組成物(150U/mL)/インスリンリスプロ(50U/mL)の投与後のインスリンの薬物動態を評価する目的で実施した。
【0830】
インスリングラルギン(インスリングラルギンおよびその主代謝産物M1の血中濃度の合計)およびインスリンリスプロの薬物動態プロファイルを、この組成物について得た。
【0831】
約17.5時間絶食させた10匹の動物に、0.68U/kg用量のインスリンを皮下注射した。血液試料を投与後16時間中、インスリンの薬物動態を追跡するためにとった。グラルギン、グラルギン-M1およびリスプロのレベルを特定の生物分析法を用いて決定した。
【0832】
下記は決定した薬物動態パラメータである:
-それぞれ、投与後0~1時間、0~2時間および10~16時間の時間の関数としての、インスリングラルギン濃度(およびその代謝産物、M1)の曲線下面積に対応するAUC0-1h、AUC0-2h、AUC10-16h
-それぞれ、投与後0~0.5時間、0~1時間および8~16時間の時間の関数としての、インスリンリスプロの濃度についての曲線下面積に対応するAUC0-30min、AUC0-1h、AUC8-16h
-被検体から得た、時間0~最終測定時間の曲線下面積に対応するAUClast
【0833】
下記表6はインスリングラルギンおよびインスリンリスプロについての様々な薬物動態パラメータを与える。
【表13】
【0834】
得られた結果により、一方では、製剤のグラルギン成分は急速に吸収される(AUC0-1h~AUC0-2h)が、その基本的な性質を保存し、観察期間の最後の部分の著しい適用範囲を有する(AUC10-16h)ことが示される。
【0835】
他方、リスプロ成分は急速に吸収され(AUC0-30min~AUC0-1h)、その食事特性を維持する。実際、8時間後にはもうリスプロは観察されなかった(AUC8-16h)。
【外国語明細書】