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特開2024-59740クロマトグラフィシステムおよびクロマトグラフィシステム用のカプリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059740
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】クロマトグラフィシステムおよびクロマトグラフィシステム用のカプリング
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/60 20060101AFI20240423BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20240423BHJP
   F16L 37/133 20060101ALI20240423BHJP
   F16L 37/138 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G01N30/60 P
G01N30/26 N
F16L37/133
F16L37/138
【審査請求】有
【請求項の数】55
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022817
(22)【出願日】2024-02-19
(62)【分割の表示】P 2022210487の分割
【原出願日】2018-06-28
(31)【優先権主張番号】1710279.9
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1800901.9
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・ルンドクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・エー・ヨハンソン
(72)【発明者】
【氏名】ティム・フランソワ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】迅速に再連結され得る解除可能な流体カプリングを備える、液体クロマトグラフィシステムを提供する。
【解決手段】流体カプリング100は、流体チューブを受けるための円筒状内部構成要素110、差込口に向かってチューブの外面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分118を備える。更に円筒状内部構成要素をスライド可能に受けるために内部貫通アパーチャ132を有する円筒状カラー130を備える。アパーチャおよび弾性部分が、相補的表面形状部を有し、この相補的表面形状部が、カラーが内部構成要素に取り付けられた第1の位置においては、使用時に弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては、偏向を引き起こさない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオプロセス流体流路を形成するために流体チューブ(30)により流体相互連通可能な複数の流体ハンドリング構成要素(12~18、810、910)を備えるクロマトグラフィシステム(11)であって、前記流体ハンドリング構成要素は、構成要素面から延在する差込口(20、923、923´)を有する1つまたは複数の流体ポートを備え、前記流体ポートは、前記流体チューブ端部が前記差込口(20)を封止的に囲むように前記流体チューブ(30)のそれぞれの端部を受けるためのものであり、前記差込口(20)の前記流体チューブ(30)の前記端部をロックするための前記チューブ端部の外方表面に対して径方向ロッキング力を印加するための解除可能ロッキングクランプ(100)を受けるためのものであり、前記相互連通は、少なくとも10バールに耐える、クロマトグラフィシステム(11)。
【請求項2】
前記相互連通は、少なくとも15バール、20バール、25バール、または30バールに耐える、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項3】
前記解除可能ロッキングクランプ(100)は、
流体チューブ(30)を受けるための円筒状内方構成要素(110)であって、各差込口(20)に向かって前記流体チューブ(30)の外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と、
前記内方構成要素を摺動可能に受けるための内部貫通アパーチャ(132)を有する円筒状カラー要素(130)であって、前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラー要素(130)が前記内方構成要素に取り付けられた第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては、前記偏向を引き起こさない、円筒状カラー要素(130)と
を備え、
前記カプリングは、前記カラー要素(130)が、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラー要素(130)の手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134)またはカラーウィング(334)などの少なくとも1つの突出部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項4】
前記内方構成要素(110)は、少なくとも1つの方向における前記内方構成要素(110)から離れる前記カラー要素(130)の摺動を防止または阻止するように前記カラー要素(130)と協働し得る停止部分(138、114)をさらに備える、請求項3に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項5】
前記カラーは、前記偏向がもたらされる前記第1の位置から前記カラー要素(130)が前記停止部分(138、114)に当接する前記第2の位置へと前記内方構成要素(110)上を摺動可能である、請求項4に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項6】
前記カラーフランジ(134)/ウィングは、前記カラー要素(130)の一端部に形成され、前記停止部分(138、114)は、前記内方構成要素(110)の一端部に形成され、前記カラーフランジ(134)および前記停止部分は、手動操作により前記第2の位置の近傍に移動されることが可能であり、前記カラー要素(130)は、手動操作により前記カラーフランジ(134)が前記停止部分(138、114)から離間される前記第1の位置へとさらに摺動され得る、請求項4に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項7】
前記カラーフランジ(134)および前記フランジが上に形成される前記カラー要素(130)の外方表面は、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有する、請求項3に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項8】
前記内方構成要素(110)の前記弾性偏向可能部分(118)は、使用時に内方に偏向可能である複数の周方向に配置されたフィンガからなる、請求項3に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項9】
前記流体チューブ(30)は、約3~10mmの外径を有する、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項10】
前記流体チューブ(30)は、前記差込口(20)の外径の±10%未満である内径の静止サイズを有する、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項11】
前記差込口(20)は、封止リッジ(22)を備える、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項12】
前記流体チューブ(30)は、3.2mmの内径および4.8mmの外径を有し、前記差込口(20)は、3.25mmのベース直径を有し、前記封止リッジ(22)は、3.45mmの直径を有する、請求項11に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項13】
前記流体チューブ(30)は、実質的に剛性の材料から形成される、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項14】
前記実質的に剛性の材料は、フッ素化エテンプロペン(FEP、Fluorinated EtenPropen)プラスチックからなる、請求項13に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項15】
前記流体ハンドリング構成要素(12~18、810、910)の中の少なくとも2つが、差込口(20)をそれぞれ備え、前記流体チューブ(30)は、前記流体ハンドリング構成要素(12~18、810、910)同士を流体的に相互連通するように前記差込口(20)に対して前記流体チューブ(30)を装着するために、各端部にそれぞれ設けられた解除可能ロッキングクランプ(100)を備える、請求項1に記載のクロマトグラフィシステム(11)。
【請求項16】
クロマトグラフィシステム(11)においてそれぞれの解除可能カプリング(100)に対して前記クロマトグラフィシステム(13)を連結するための少なくとも1つの差込口(20)を備える、クロマトグラフィカラム(13)。
【請求項17】
前記解除可能カプリング(100)は、
流体チューブ(30)を受けるための円筒状内方構成要素(110)であって、それぞれの差込口(20)に向かって前記チューブの外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)と、
前記内方構成要素を摺動可能に受けるための内部貫通アパーチャ(132)を有する円筒状カラー要素(130)であって、前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラー要素(130)が前記内方構成要素に取り付けられた第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては、前記偏向を引き起こさない、円筒状カラー要素(130)と
を備え、
前記カプリングは、前記カラー要素(130)が、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラー要素(130)の手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134)またはカラーウィング(334)などの少なくとも1つの突出部を備えることを特徴とする、請求項16に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項18】
前記内方構成要素(110)は、少なくとも1つの方向における前記内方構成要素(110)から離れる前記カラー要素(130)の摺動を防止または阻止するように前記カラー要素(130)と協働し得る停止部分(138、114)をさらに備える、請求項17に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項19】
前記カラーは、前記偏向がもたらされる前記第1の位置から前記カラー要素(130)が前記停止部分(138、114)に当接する前記第2の位置へと前記内方構成要素(110)上を摺動可能である、請求項18に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項20】
前記カラーフランジ(134)/ウィングは、前記カラー要素(130)の一端部に形成され、前記停止部分(138、114)は、前記内方構成要素(110)の一端部に形成され、前記カラーフランジ(134)および前記停止部分は、手動操作により前記第2の位置の近傍に移動されることが可能であり、前記カラー要素(130)は、手動操作により前記カラーフランジ(134)が前記停止部分(138、114)から離間される前記第1の位置へとさらに摺動され得る、請求項18に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項21】
前記カラーフランジ(134)および前記フランジが上に形成される前記カラー要素(130)の外方表面は、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有する、請求項17に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項22】
前記内方構成要素(110)の前記弾性偏向可能部分(118)は、使用時に内方に偏向可能である複数の周方向に配置されたフィンガからなる、請求項17に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項23】
前記差込口(20)は、封止リッジ(22)を備える、請求項16に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項24】
前記差込口(20)は、3.25mmのベース直径を有し、前記封止リッジ(22)は、3.45mmの直径を有する、請求項16に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項25】
クロマトグラフィシステムにおいて雄パーツに流体チューブを保持するための解除可能カプリング(100)であって、
流体チューブ(30)を受けるための円筒状内方構成要素(110)であって、雄パーツに向かって前記チューブの外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と、
前記内方構成要素を摺動可能に受けるための内部貫通アパーチャ(132)を有する円筒状カラー要素(130)であって、前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラーが前記内方構成要素に取り付けられた第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては、前記偏向を引き起こさない、円筒状カラー要素(130)と
を備え、
前記カプリングは、前記カラーが、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラーの手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134)またはカラーウィング(334)などの少なくとも1つの突出部を備えることを特徴とする、解除可能カプリング(100)。
【請求項26】
前記内方構成要素(110)は、少なくとも1つの方向における前記内方構成要素から離れる前記カラーの摺動を防止または阻止するように前記カラーと協働し得る停止部分(138、114)をさらに備える、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項27】
前記カラーは、前記偏向がもたらされる前記第1の位置から前記カラーが前記停止部分(138、114)に当接する前記第2の位置へと前記内方構成要素上を摺動可能である、請求項26に記載のカプリング(100)。
【請求項28】
前記カラーフランジ/前記ウィングは、前記カラーの一端部に形成され、前記停止部分は、前記内方構成要素の一端部に形成され、前記カラーフランジおよび前記停止部分は、手動操作により前記第2位置の近傍に移動されることが可能であり、前記カラーは、手動操作により前記カラーフランジが前記停止部分から離間される前記第1の位置へとさらに摺動され得る、請求項26に記載のカプリング(100)。
【請求項29】
前記カラーフランジおよび前記フランジが上に形成される前記カラーの外方表面は、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有する、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項30】
前記内方構成要素の前記弾性偏向可能部分は、使用時に前記チューブに向かって内方に偏向可能である複数の周方向に配置されたフィンガ(118)を備える、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項31】
前記フィンガ(118)は、前記円筒状内方構成要素(110)の中間部分(116)から前記円筒状内方構成要素(110)の遠位端部(120)まで延在する、請求項30に記載のカプリング(100)。
【請求項32】
前記フィンガ(118)は、前記遠位端部(120)に向かって外方にフレア状をなす、請求項31に記載のカプリング(100)。
【請求項33】
2つのプラスチック材料成形物から形成される、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項34】
前記円筒状内方構成要素(110)および前記円筒状カラー要素(130)は、透明プラスチックから形成される、請求項33に記載のカプリング(100)。
【請求項35】
前記円筒状カラー要素(330)の遠位端部(340)が、相補的ロッキングピン(27)を受けるための一対のバヨネットタイプ開口(345)を備える、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項36】
前記円筒状カラー要素(430)は、戻り止め(432)を備え、前記戻り止め(432)は、前記円筒状カラー要素(430)がフィンガ(418)に対してねじり動作された場合に前記フィンガ(418)のテーパ状部分(431)として作用し、前記テーパ状部分(431)は、前記円筒状カラー要素(430)がねじり動作された場合に前記円筒状カラー要素(430)中の前記戻り止め(432)により前記円筒状カラー要素(430)に対して内方に付勢されるように、カムとしてそれぞれ作用する、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項37】
前記フィンガ(418)は、戻り止め(432)をそれぞれ内部に載置するための相補的凹部(433)をそれぞれ備える、請求項36に記載のカプリング(100)。
【請求項38】
前記円筒状カラー要素(130)は、複数の貫通アパーチャ(232)を有するロッキングプレート(230)の一部である、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項39】
前記円筒状カラー要素(130)は、可撓性マウントにより前記ロッキングプレート(230)に対して取り付けられる、請求項38に記載のカプリング(100)。
【請求項40】
前記可撓性マウントは、前記円筒状カラー要素(130)が前記マウント(233)の中心点の周囲で回転することを可能にする球形状マウント(233)である、請求項39に記載のカプリング(100)。
【請求項41】
雄パーツに流体チューブを保持するための解除可能カプリングアセンブリ(10)であって、
可撓性流体チューブ(30)と、
前記流体チューブ内に挿入可能な雄パーツ(20)と、
前記流体チューブを覆って嵌着するための円筒状内方構成要素(110)であって、前記雄パーツ上に前記チューブの外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と、
前記内方構成要素上への前記カラーの摺動可能取付けのために内部貫通アパーチャ(132、232)を有する円筒状カラー要素(130、230)と
を備え、
前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラーが前記内方構成要素上に取り付けられる第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、それにより前記内方パーツが前記チューブ上に嵌着された場合に、前記チューブは前記弾性偏向可能部分により前記雄パーツに対して付勢され、第2の位置においては、前記偏向を引き起こさず、それにより前記チューブは前記雄パーツに対してかように付勢されず、またはより弱く付勢され、
前記カプリングは、前記カラーが、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラーの手動操作を可能にするサイズのアパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134、234)を備えることを特徴とする、解除可能カプリングアセンブリ(10)。
【請求項42】
前記弾性偏向可能部分(118)は、複数の弾性偏向可能なかつ周方向に配置されたフィンガからなる、請求項41に記載のカプリング(10)。
【請求項43】
前記フィンガは、前記円筒状内方構成要素(110)の中間部分(116)から前記円筒状内方構成要素(110)の遠位端部(120)まで延在する、請求項42に記載のカプリング(10)。
【請求項44】
前記フィンガ(118)は、前記遠位端部(120)に向かって外方にフレア状をなす、請求項43に記載のカプリング(10)。
【請求項45】
2つのプラスチック材料成形物から形成される、請求項41に記載のカプリング(100)。
【請求項46】
前記円筒状内方構成要素(110)および前記円筒状カラー要素(130)は、透明プラスチックから形成される、請求項45に記載のカプリング(100)。
【請求項47】
前記円筒状カラー要素(330)の遠位端部(340)が、相補的ロッキングピン(27)を受けるための一対のバヨネットタイプ開口(345)を備える、請求項41に記載のカプリング(100)。
【請求項48】
前記円筒状カラー要素(430)は、戻り止め(432)を備え、前記戻り止め(432)は、前記円筒状カラー要素(430)がフィンガ(418)に対してねじり動作された場合に前記フィンガ(418)のテーパ状部分(431)として作用し、前記テーパ状部分(431)は、前記円筒状カラー要素(430)がねじり動作された場合に前記円筒状カラー要素(430)中の前記戻り止め(432)により前記円筒状カラー要素(430)に対して内方に付勢されるように、カムとしてそれぞれ作用する、請求項41に記載のカプリング(100)。
【請求項49】
前記フィンガ(418)は、戻り止め(432)をそれぞれ内部に載置するための相補的凹部(433)をそれぞれ備える、請求項48に記載のカプリング(100)。
【請求項50】
前記円筒状カラー要素(130)は、複数の貫通アパーチャ(232)を有するロッキングプレート(230)の一部である、請求項41に記載のカプリング(100)。
【請求項51】
前記円筒状カラー要素(130)は、可撓性マウントにより前記ロッキングプレート(230)に対して取り付けられる、請求項50に記載のカプリング(100)。
【請求項52】
前記可撓性マウントは、前記円筒状カラー要素(130)が前記マウント(233)の中心点の周囲で回転することを可能にする球形状マウント(233)である、請求項51に記載のカプリング(100)。
【請求項53】
クロマトグラフィ装置(400)において少なくとも1つのモジュール構成要素(51~75)に対して連結するための再構成可能液体相互連通部(580)であって、請求項41に記載のカプリング(100)を備える、再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項54】
前記モジュール構成要素(51~75)は、制御パネル(51)、pHモニタ(52)、出口弁(53,54、56)、導電性モニタ(55)、プレカラム導電性モニタ(57)、プレカラムおよびポストカラム圧力センサを備えるカラム弁ユニット(58)、ボトル(59)、入口弁(60、61、62、63)、システムポンプ(66、67)、システム圧力モニタを備える流量制限器(68)、ミキサーモジュール式構成要素(69)、ミキサー弁(70)、空気センサを備えるエアトラップ弁(71)、エアトラップ(72)、インラインフィルタ用のホルダ(74)、および/またはUVモニタ(75)の中の1つまたは複数からなる、請求項53に記載の再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項55】
実質的に剛性の材料から形成された少なくとも1つのチューブ(30)をさらに備える、請求項53に記載の再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項56】
前記実質的に剛性の材料は、フッ素化エテンプロペン(FEP、Fluorinated EtenPropen)プラスチックからなる、請求項55に記載の再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項57】
第1の流体チューブ(822)の端部を第2の流体チューブの端部に対して連結するための変換器(823、823´、925)であって、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部を受けるための差込口(833、833´、933)を備え、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部は、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部の外部に設けられた解除可能カプリング(100、105、300)により前記差込口(833、833´、933)の周囲で封止可能であり、前記カプリング(100、105、300)は、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部に沿って前記カプリングのカラー要素(130、230、230´、330、430)を摺動移動することにより作動可能な解除可能クランプ固定動作を有する、変換器(823、823´、925)。
【請求項58】
前記解除可能カプリングアセンブリ(10)は、
前記第1の流体チューブ(822)内に挿入可能な雄パーツ(20)と、
前記第1の流体チューブ(822)の前記端部を覆って嵌着するための円筒状内方構成要素(110)であって、前記雄パーツ(20)上に前記第1の流体チューブ(822)の前記端部の外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と
を備え、
前記カラー要素(130、230)は、前記円筒状内方構成要素(110)上への前記カラー要素(130、230)の摺動可能取付けのために内部貫通アパーチャ(132、232)を有し、
前記アパーチャ(132、232)および前記弾性部分(118)は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラー要素(130、230)が前記円筒状内方構成要素(110)上に取り付けられる第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、それにより前記円筒状内方構成要素(110)が前記流体チューブ(822)上に嵌着された場合に、前記流体チューブ(822)は前記弾性偏向可能部分(118)により前記雄パーツ(20)に対して付勢され、第2の位置においては、前記偏向を引き起こさず、それにより前記流体チューブ(822)は前記雄パーツ(20)に対してかように付勢されず、またはより弱く付勢され、
前記カラー要素(130、230)は、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラー要素(130、230)の手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャ(132、232)から離れるように外方に延在するカラーフランジ(134、234)をさらに備える、請求項57に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項59】
前記弾性偏向可能部分(118)は、複数の弾性偏向可能なかつ周方向に配置されたフィンガからなる、請求項58に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項60】
前記フィンガは、前記円筒状内方構成要素(110)の中間部分(116)から前記円筒状内方構成要素(110)の遠位端部(120)まで延在する、請求項59に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項61】
前記フィンガ(118)は、前記遠位端部(120)に向かって外方にフレア状をなす、請求項60に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項62】
2つのプラスチック材料成形物から形成される、請求項58に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項63】
前記円筒状内方構成要素(110)および前記円筒状カラー要素(130)は、透明プラスチックから形成される、請求項62に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項64】
前記第2の流体チューブの前記端部に対して連結されるように構成された、本体(830)およびフランジ(831)か、または本体(930)およびねじ穴(931)を有する部分をさらに備える、請求項57に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項65】
単一材料片から作製される、請求項57に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項66】
前記差込口(833´)は、第1の材料から作製され、前記本体(830)および前記フランジ(831)または前記本体(930)および前記ねじ穴(931)を有する前記部分は、第2の材料から作製される、請求項57に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項67】
前記単一材料片は、プラスチックもしくは金属である、または前記第1の材料は金属であり、前記第2の材料はプラスチックである、請求項65に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項68】
本体(830)、フランジ(831)、および貫通穴(832)を有し、前記差込口(833)は、前記本体(830)と一体化される、請求項57に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項69】
前記フランジ(831)は、トライクランプ(TC、Tri Clamp)カプリングにおいて使用されるように構成される、請求項68に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項70】
本体(920、930)、ねじ部分(921、931)、および貫通穴(922、932)を有し、前記差込口(923、933)は、前記本体(920、930)と一体化される、請求項57に記載の変換器(915、925)。
【請求項71】
前記ねじ部分(921)は、前記本体(920)を把持部分として使用することによりモジュール構成要素のねじ穴に導入されるように構成される、請求項70に記載の変換器(915、925)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフィシステムなどのクロマトグラフィシステム、詳細には、しかし限定するものではないが、種々のクロマトグラフィ処置に関する好都合な再構成および好都合な自動使用を可能にする、汎用性を有する実験室用または「卓上」サイズのシステムと、かかる装置またはシステムに関連付けられるチューブを連結するための再連結可能型流体チューブカプリングとに関する。
【背景技術】
【0002】
再連結可能型流体チューブカプリング、すなわち複数回の取外しおよび交換が可能でありながらしかし依然としてガーデンホースまたはプラスチック配管などの可撓性チューブに対するそれぞれの再連結部にて流体シールをもたらすことが可能なカプリングが知られている。しかし、特に、衛生的なカプリングが必要とされしばしば例えば最大で20バールまたはそれ以上などのはるかにより高い流体圧力で利用されるクロマトグラフィシステムにおいて同設計が採用された場合には、連結容易性および/または衛生性については疑問の余地がある。クロマトグラフィシステムにおいて使用される典型的な配管取付具は、金属ばねおよびOリングを備える複数の構成要素を有し、そのため結果的に行き止まり端部またはOリング溝を有し、これらの行き止まり端部またはOリング溝は、使用時に例えば病原菌などの望ましくない汚染物質に潜伏場所を与えてしまう恐れがある。これらの行き止まり端部および溝は、衛生化することが難しい。さらに、かかるカプリングアセンブリを衛生化するためにガンマ照射が試みられる場合には、金属パーツの使用が問題となる。さらに、速度および連結または連結解除の容易性が求められる場合には、ねじ山または特殊ツールの使用は望ましくない。
【0003】
1つの先行技術のバーブロックチューブカプリング構成が、米国特許第8662542号明細書に示されるが、このカプリングは、組立用の工具を必要とし、容易に解除可能となるようには意図されない。
【0004】
液体クロマトグラフィは、例えば液体試料中のタンパクを分離するなど、分子混合物を分離するための周知の処置である。これらのタンパクは、典型的には流体中に懸濁され、緩衝液と共にクロマトグラフィ分離媒体に通され得る。混合物の様々な試料分子は、クロマトグラフィ媒体をそれぞれ異なる速度にて移動することにより、これらの試料分子が分離される。この分離は、分留ステップにより完了されてもよく、この分留ステップでは、移動相は例えばクロマトグラフィシステムの出口弁などにより種々の容器へと送られ得る。
【0005】
また、クロマトグラフィシステム、特に卓上型実験室用装置においては、使用時に相互連結チューブを備える装置を洗浄し、次いで異なる構成にチューブを再構成して異なる実験に対応するためにチューブ構成体を分解することがしばしば必要となる。したがって、特別な衛生化装置が不都合となり、素早い連結解除および再連結と共に迅速な洗浄が必要とされる。かかる装置の1つが、米国特許第8821718号明細書に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。この装置では、クロマトグラフィシステムの交換可能なモジュール式構成要素が、外部流体導管により相互連結可能であり、改良されたかかる相互連結手段による利益を享受する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8662542号明細書
【特許文献2】米国特許第8821718号明細書
【特許文献3】英国出願第1715399.0号明細書
【特許文献4】国際公開第2007/045491号
【特許文献5】英国出願第1713993号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態の1つの目的は、流体導管の螺動もしくはねじり動作を伴うことなく、またはかような動作を行うための空間を各流体導管の周囲に必要とすることなく、迅速に再連結され得る解除可能な流体カプリングを備えるクロマトグラフィシステム、詳細には液体クロマトグラフィシステムを提供することである。また、本発明の1つの目的は、例えば従来的なバッチクロマトグラフィおよび連続クロマトグラフィにおいて動作可能である、より広範な用途にわたり使用可能である、全体サイズまたは製造コストの大幅な増大がない、ならびに動作が単純であるなどの機能性の上昇の中の1つまたは複数をクロマトグラフィシステムに与えることである。
【0008】
本発明の実施形態の別の目的は、汚染物質が蓄積し得る行き止まり部または他の空間をまったく有さないまたは限定的に有するより容易に洗浄可能なカプリングを提供することである。本発明の実施形態の別の目的は、必要な場合に工具の使用を伴うことなく迅速な連結および解除が可能であるカプリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、添付の請求項に記載のクロマトグラフィシステムが提供される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、添付の他の請求項により定義されるような解除可能カプリングが提供され、このカプリングは、例えば卓上型クロマトグラフィシステムなどのクロマトグラフィシステムにおいてカプリングアセンブリの一部として使用されることが可能であり、モジュール式構成要素が、例えばある特定の実験設定に最もよく適するように支持部の上に再配置されることが可能であり、構成されたモジュール式構成要素は、流体チューブにより相互連結され、チューブは、両端部を有し、各端部は、それぞれのモジュール式構成要素の流体結合のために本発明によるカプリングアセンブリの中の1つを備える。
【0011】
本発明の他の好ましい態様は、添付の従属請求項に挙げられる。
【0012】
以下の詳細な説明を鑑みることにより、本発明のさらなる利点および利益が当業者には容易に明らかになろう。
【0013】
以下、添付の図面を参照として本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】カプリング構成要素の分解図である。
図2】流体連結条件にある図1のカプリングの断面図である。
図3】解除可能条件にある同じカプリングの断面図である。
図4】いずれもが流体シール条件にある図1のカプリングを備えるカプリングアセンブリの断面図である。
図5】解除可能条件へと再構成された、図4のカプリングアセンブリの断面図である。
図6a】上記のカプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図6b】上記のカプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図6c】上記のカプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図7a】カプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図7b】カプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図7c】カプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図7d】カプリングアセンブリの修正形態を示す図である。
図8】複数のカプリングアセンブリを使用するクロマトグラフィシステムを示す図である。
図9】カプリング解除ツールを示す図である。
図10】バヨネットロッキング特徴部を備える本発明の実施形態を示す図である。
図11】バヨネットロッキング特徴部を備える本発明の実施形態を示す図である。
図12】バヨネットロッキング特徴部を備える本発明の実施形態を示す図である。
図13】カプリングの様々な構成要素を示す図である。
図14】カプリングの様々な構成要素を示す図である。
図15】カプリングの様々な構成要素を示す図である。
図16】カプリングの様々な構成要素を示す図である。
図17】クロマトグラフィシステムの立体図である。
図18図17に示すクロマトグラフィシステムの概略図である。
図19図17および図18に示すクロマトグラフィシステムの構成を示す図である。
図20図17および図18に示すクロマトグラフィシステムの構成を示す図である。
図21図17および図18に示すクロマトグラフィシステムの構成を示す図である。
図22】4つのポートを備える先行技術のモジュール式構成要素の第1のバージョンを示す図である。
図23】4つのポートを備えるモジュール式構成要素を示す図である。
図24a】変換器の一変形例を示す断面図である。
図24b】変換器の一変形例を示す断面図である。
図25a】3つのポートを備える先行技術のモジュール式構成要素の第2のバージョンを示す図である。
図25b図25aのモジュール式構成要素のためのねじ式コネクタを示す図である。
図26a】アダプタの断面図である。
図26b】アダプタの断面図である。
図27】代替的な変換器を示す図である。
図28a】チューブが取り付けられた差込口の断面図である。
図28b】チューブが取り付けられた差込口の断面図である。
図29a】代替的な封止リッジ構成の断面図である。
図29b】代替的な封止リッジ構成の断面図である。
図30a】封止構成の一実施形態の断面図である。
図30b】封止構成の一実施形態の断面図である。
図30c】封止構成の一実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規則(GMP、Good Manufacturing Practice)は、バイオプロセス処理のためのガイドラインを提示しており、これに従う場合には清浄度基準が要件となる。有利には、これらの基準は、提案される装置を用いることにより達成がより容易となり、例えば、システム中の流体経路は、少なくとも一構成では有意な滞留部分を有さない連続流路を有し、それにより流体導管を分解する必要性を伴うことなく完全な洗浄を可能にする。提案されるシステムの実施形態は、GMP作業および非GMP作業の両方に適した衛生的な小型クロマトグラフィシステムを提供する。このシステムの機能的に広範な流量範囲および圧力範囲により、クロマトグラフィシステムは、技術バッチの製造および大型化研究と、GMPグレード材料の小規模製造との両方に対して適したものとなる。ポンプの精度が高く流量範囲が大きいことにより、正確な勾配形成が可能となり、それによって広いクロマトグラフィカラムサイズ範囲およびより再現性の高い結果に対応する。
【0016】
実施形態において、モジュール式構造は、種々の使用に対する高い機能性を実現する。インタラクティブ制御ソフトウェアにより、リアルタイムでの変更と、想定外の逸脱の迅速な特定とが可能となる。小型の卓上サイズにより、ラボがスペース上の制約から解放される。このシステムにより、in-situカラムパッケージングが可能となり、すなわち、システムに連結された状態において、およびクロマトグラフィ処理の実施前に流体導管を連結解除する必要性を伴わずに、カラムまたは2つ以上のカラムが使用される場合には各カラムの中のクロマトグラフィ媒体を圧縮することが可能となる。
【0017】
図1は、一実施形態による解除可能カプリング100の一実施形態の分解図を示す。カプリング100は、2つのパーツを、すなわち流体チューブを受けるためのコレット110の形態の円筒状内部構成要素と、コレット110をスライド可能に受けるための内方貫通アパーチャ132を有する円筒状ロッキングカラー130とを備える。使用時には、流体チューブ(図示せず)が、軸Tに沿って、およびチューブの周囲に滑合するサイズのコレット110内の中央ボア112内に延在する。コレット110は、円筒状中間部分116上に形成されたコレットフランジ114と、コレット110の中間部分116から遠位端部120まで延在する複数の弾性偏向可能な周方向に配置されたフィンガ118とを有する。
【0018】
コレット110は、カラー130の貫通アパーチャ132内に滑り嵌めされるものであり、したがってカラー130は、コレット110のフィンガ118を覆っておよびコレット110の中間部分116の周囲に取り付け可能である。カラー130は、フィンガ118を選択的に偏向または弛緩させるためにフィンガ118および中間部分116に沿って操作されることが可能であり、この偏向により、以下でさらに詳細に説明されるようにチューブのグリッピングがなされる。カラー130の操作は、手動による押し引きが可能な、カラーの本体136から延在するカラーの遠位端部に位置するカラーフランジ134により支援される。カラーは、遠位端部140を有する。フィンガ118は、コレットの遠位端部120に向かって外方にフレア状をなし、したがって、アパーチャ132がほぼ一定の内径を有するものである場合に、コレット110のコレットフランジ114から遠位端部120への方向にカラー130をスライドさせることにより、アパーチャ132の内径部がフィンガ118の外面に当接し、このアパーチャ132の内径部がチューブクランプ固定作用をもたらすように内方へと押されることが、理解されよう。
【0019】
図2は、チューブクランプ固定位置に配置された図1のカプリング100を断面で示す。ここでは、カラー130の遠位端部140およびコレット110の遠位端部120は、コレットフランジ114に対するカラーフランジ134の手動位置決めにより整列状態へと操作されている。その位置において、アパーチャ132の内方表面およびフィンガの外面は、相補的な表面を形成し、これらの表面が当接することにより、フィンガ118が軸Tに向かって内方へと偏向されて、コレット内部のチューブ(図示せず)の隣接部分を内方へと付勢して、例えばチューブを圧縮、圧搾、またはクランプ固定する。カプリングの解除は、の方向にカラーおよびそのフランジを操作することにより達成される。
【0020】
図3は、再びカプリング100を、チューブ解除位置に配置された状態において断面で示す。ここでは、カラー130は、コレットの遠位端部に向かう方向Rにスライドされているが、カラー130は、アパーチャ132およびボア112の両方の中のコレットフランジ114および/またはステップ138の一方または両方がストッパを形成することにより、コレットを滑脱させることを防止される。その位置では、フィンガ118は、弛緩され、弾性的に外方に跳ね返ることにより、チューブに対する付勢/圧迫/クランプ作用を停止または緩和する。図3に示す位置は、コレット110に対する方向へのカラー130およびフランジ134の操作により(図2)達成される。
【0021】
図4は、この場合にはコネクタ差込口20の形態である雄パーツを備えるカプリングアセンブリ10の断面を示し、この雄パーツは、押込み嵌め部としてチューブ30の開口端部を越えて可撓性流体チューブ30内部に位置決め可能である、例えばシールリッジ、ビード、またはかえしなどの拡張部22を有する。チューブ30は、差込口20上にチューブ30を圧縮することによって差込口20に保持される。カプリング100は、チューブ30を囲み、差込口20にチューブ30を解除可能に保持するために主に図2に関連して上述される様式で差込口20に対するチューブの解除可能圧迫をもたらす。この図では、フィンガ118は、拡張部22の奥へとチューブ30を圧迫することにより、差込口に対するチューブの保持を支援し、差込口20にチューブを効果的にロックすることが明白である。カプリングアセンブリ10は、モジュール1に流体を供給するまたはモジュール1から流体を除去することが可能であり、本実施形態では、このモジュール1は、容易に洗浄することが可能であり汚染物質に潜伏場所を与えない解除可能な流体カプリングを必要とするクロマトグラフィシステムである。別の実施形態では、モジュール1の流体圧力は、流体チューブ30を介して測定または調節されることが可能であり、そのため流体連通のみが必要とされる。したがって、チューブ30内の流体流は必須条件ではない。
【0022】
図5は、図4と同一の断面図を示すが、この図では、カプリングアセンブリ10は、図3に示すように解除位置にある。使用時に、図4のように位置決めされたカプリング100は、差込口20上において定位置にチューブ30をクランプ固定し、カラーフランジ134の方向に引かれた場合には、チューブに対する圧迫は解除される。この解除により、カラーフランジ134、カラー130、およびコレット110は、図5の方向にチューブに沿って引き抜かれる。上述のように、コレットは、ストッパ(コレットフランジ114および/またはステップ138)を有し、このストッパにより、カラーは、コレットから外れるのを防止され、それによりコレットはフランジ134と共に引き抜かれることが可能となる。この引抜位置で、チューブ30は、容易に差込口20から引き外され得る。差込口20へのチューブ30の連結または再連結は、上述のステップを逆順に行うことによって実施される。すなわち、チューブ30が、差込口20を覆って嵌められ、コレットフランジ114が、とは逆方向に押され、コレットの遠位端部120がモジュール1に対接してしっかりと着座すると、カラーフランジ134は、ホーム位置へと押されて、差込口20にチューブをクランプ固定するようにチューブの外面に対してフィンガ118を偏向させる。
【0023】
カプリング100は、好ましくは2つのみのプラスチック材料成形物から形成される。図面からは、カラー130の外面が平滑であり、すなわちカラーフランジ134が環状本体136から直立する連続環状形成部であり、カラーフランジおよびカラーフランジが上に形成されたカラーの外方方面が、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有することが理解されよう。したがって、使用時にカプリングが汚染される可能性は軽減され、カプリングは容易に洗浄可能となる。さらに、ユーザは、カラー本体136の各側部にそれぞれの指が置かれる状態で2本の指を使用して、カラーフランジの各側部を保持しての方向にカラーフランジを引っ張る(図5)ことが可能となる。また同時に、ユーザは、親指を使用して、前出の2本の指の対向側においてコレットフランジ114に対してこの親指を載置することによりかかる引張力に応対することが可能である。
【0024】
チューブ30が、差込口20を覆って実質的に完全に嵌められるのを確保することが重要である。これを目的として、コレット110およびカラー130は、透明なプラスチックから形成され得る。さらに、差込口は、差込口の色彩が幾分かでも見える場合にチューブが完全には差込口に重畳していないという視覚的な色彩示唆を与えるために、チューブとは異なる色彩のものであることが可能である。図1図5に示す実施形態の1つの修正形態が、図6a、図6b、および図6cに示される。図6aは、外方に延在する例えば弾性アームなどの弾性突出部24を有する修正された差込口20´を示し、図6bは、差込口20´に対して完全にホーム位置に押されたチューブ30を示す。チューブが、差込口において完全にホーム位置にある場合に、アーム24は、内方へと移動し、その場合にのみコレットフィンガ118は、図6cに示すようにチューブ上で押されることが可能となり、カラー130は、上述のようにチューブを定位置にクランプ固定するようにフィンガの上から押し付けられることが可能な状態になる。差込口20´がチューブ30に完全に挿入されない場合には、コレット110は、アーム24を通過しない。
【0025】
図7a、図7b、および図7cは、カプリングアセンブリの修正形態105を断面で示す。この実施形態では、図1のカラー130は、それぞれがコレット110を受ける複数の貫通アパーチャ232を有するロッキングプレート230により置換されている。このロッキングプレートは、以前の図に示したフランジ134の代理の役割を果たす突出部234を備える。貫通アパーチャの中心は、複数の連結部が1つの動作で実現され得るように、モジュール1から突出する複数の雄パーツの中心に整列される。
【0026】
図7aでは、ロッキングプレート230は、コレット110が貫通アパーチャ232内に組み付けられ、コレット110の内部にてチューブ30が差込口20などの雄パーツを覆って予め嵌められている状態で、モジュール1に対して提供されていることが示される。図7bは、図7aに示すものと同一のカプリングアセンブリを示すが、ロッキングプレート230およびコレット110は、コレットが差込口20およびチューブ30の端部に重畳するように、モジュール1の前面に対しての方向に押されている。図7cは、図7aのカプリングアセンブリの別の図を示すが、ここではロッキングプレート230は、図7bにおける方向においてさらに押されている。図7cでは、ロッキングプレートは、上述のような様式でチューブ30の周囲でコレット110のフィンガ118をクランプ固定する役割を果たす。
【0027】
図7dは、カプリングアセンブリのさらに別の修正形態を示し、ロッキングカラー230´はそれぞれ、可撓性マウント、この場合には球形状マウント233によりロッキングプレート231に取り付けられ、この球形状マウント233は、各カラー230´がマウント233の中心点の周囲で回転することを可能にし、それによりモジュール上の雄パーツにおけるある程度のアラインメント誤差または寸法誤差に対する許容度を与える。当然ながら、ロッキングプレートは、同様の許容度を与えるために可撓性材料から形成されることが可能である。2つのカプリングが図7aに示されるが、他の線形アレイまたは2次元アレイのカプリングが、雄パーツ20の構成に合致するように使用されることが可能であり、例えば4つのカプリングのアレイが、図8に示す正方形雄パーツ構成に合致するように使用されることが可能である。これらのカプリングは、同一平面内に位置する必要はない。カプリングは、例えば図7dを参照として説明されるように幾分かの度合いの可撓性が与えられる場合には、ほぼ平行な軸を有する必要はない。使用の容易性を目的として、チューブ30は、一方の端部に単一のカプリング100を有してもよく、対向側の端部ではマニホルドの様式で複数のカプリング105において一体化されてもよい。
【0028】
図8は、支持部80を備えるクロマトグラフィシステム11を示し、この支持部80は、
ポンプ12、
クロマトグラフィカラム13、
様々な弁14、
pHモニタ15、
導電率モニタ16、
ミキサー17、および
UVモニタ18
などの交換可能なモジュールの形態である従来の流体処理モジュール式構成要素を備える。他のモジュールが使用されることが可能である。それらのモジュールは、各端部にカプリング100を有する流体チューブ30を使用して任意の適切な様式で連結されることが可能であり、それらのカプリング100の中の1つのみが便宜上図示される。カプリング100は、カプリングの連結および解除を高速化するために、図7a、図7b、図7c、または図7dに示すタイプの複数のチューブおよびカプリング105によって置換されることが可能である。便宜上、弁14はそれぞれ同一の雄パーツ構成を有し、すなわち同一構成のロッキングプレート230が各弁に対して使用され得る。
【0029】
図9は、モジュール1またはモジュール12~18から離れるように外方へとフランジ134もしくは突出部234を引くために、または指で引くための空間がない場合にフランジ134もしくは突出部234を押すために、フランジ134もしくは突出部234の各側部との係合に適した二股端部210を有する解除ツール200を示す。
【0030】
カプリング300の代替的な一実施形態が、図10図11、および図12に示される。その実施形態では、ロッキングカラー330(図10)が、上述のタイプのフィンガ318を有するコレット310の形態において円筒状内部構成要素を囲み、さらにこれらのフィンガは流体チューブ30を囲む。カプリング300は、液密結合を実現するためにチューブ30がモジュール1から突出する雄パーツ20上に押され、次いでコレットの遠位端部340がモジュール1に隣接するまたは当接するまでコレットがチューブ上でスライドされ、次いでカラーがコレット310のフィンガ318のクランプ固定を開始させるようにモジュールに向かって移動される点において、かなりの度合いにおいて上述のカプリング100および105と同一の様式で動作可能である。その位置が、図11に示される。
【0031】
遠位端部340は、雄パーツ20の周囲においてモジュール1から延出するボス25により支持される相補的ロッキングピン27を受けるための一対のバヨネットタイプ開口を備える点に気付かれよう。この実施形態では、カラー330の最終ロッキング位置は、バヨネット開口345がピン27を受けるように、ボス25を覆うおよびボス25に沿ったカラーの遠位端部340を線形的かつ回転的に操作することにより図12に示す最終ロック位置へとモジュール1に向かってさらに押されるまで実現されない。それにより、フィンガ318は、チューブ30にさらにクランプ固定され、カラー330(およびカプリング300)は、ピン27により定位置に保持された状態でモジュール1に固定される。
【0032】
図10図11、および図12に示す実施形態は、直前に述べたロッキングカラーの実質的に線形的なロッキング動作に依拠し、すなわち幾分かのねじり動作が、カラー330を定位置に固定するためにおよびクランプ力を印加するために利用される。このねじり動作は、上述のフランジではなくカラー330から延在するウィング334の使用によってより容易になり得る。
【0033】
図13図16は、カプリング100、105、または300と共に使用され得る別のコレット410およびカラー430の一部分を詳細に示す。この変形例では、この場合にはフィンガ418であるフィンガのクランピングが、上述の様式でのカラー430のスライド運動のまたは前記スライド運動のいずれかの代替として、コレット410の周囲でカラー430をねじり動作させることによって実施され得る。
【0034】
さらに詳細には、カラー430の内方表面が戻り止め432を有し、この戻り止め432は、カラーがフィンガに対してねじり動作された場合にフィンガ418のテーパ状部分431に対して作用する。周方向ランプ431はそれぞれ、カムとして機能し、このカムは、使用時にカラーがこの例では矢印Rの方向にねじり動作される場合に、それぞれの戻り止めによってチューブ30に向かって内方に押される。それにより、フィンガ418は、使用時に図13および図14に示す位置から図15および図16に示すクランプ固定位置へとチューブ30の周囲で圧迫されて、その位置において戻り止めは、相補的凹部433内に載置された状態になる。ロッキングのために利用されるねじり動作量は、3つまたはそれ以上の周方向に配置されたフィンガが使用される場合には、120度以下、および好ましくは約90度以下である。
【0035】
約3~10mmの外径を有するチューブと共に使用するための上述のカプリング100、105、および300は、15、20、25、30バールまたはそれ以上など、少なくとも10バールまたはそれ以上の内部流体圧力を伴いつつカプリングにてチューブを封止することが可能であることが実験により示されており、さらに詳細に説明されるように、これらのカプリングの実施形態が、30バールでの包括的な漏れ試験により正当に実証されている。前記カプリングは、パーツのねじり動作または螺動の必要性を伴うことなく、ロッキングカラー130またはロッキングプレート230の実質的線形運動のみにより連結可能および解除可能であるチューブの液密連結を雄パーツの周囲に実現する。したがって、これらのカプリング同士は、ねじり動作のためのスペースが回避されるため、従来のねじカプリングに比べて相互により近くに罹患され得る。本明細書では、実質的に線形的であるとは、例えば90度以下、45度未満、30度未満、15度未満、5度未満、またはほぼ無回転など、120度以下の回転を意味する。
【0036】
それぞれが解除可能カプリングにおいて同一の機能性を有する種々の実施形態、すなわち、既説の特徴であるロッキングカラー130、ロッキングプレート230、ロッキングカラー230´、ロッキングカラー330、およびカラー430において、カラー要素を説明した。あるものは非円筒状であり(ロッキングプレート230)、他のものは円筒状に形状設定される。カラー要素は、第1の位置と第2の位置との間におけるカラーの手動操作を可能にするサイズのアパーチャから離れるように外方に延在する、例えばカラーフランジ134またはウィング334などの少なくとも1つの突出部を備える。
【0037】
図1図7に関連して、コレットフランジ114および/またはステップ138などの停止部分を備え得るコレット110として内部構成要素を説明した。コレットフランジ114は、外方に延在し、カプリングの手動操作を支援するサイズを有する。さらに、弾性偏向可能部分は、図1図7に関連して説明される偏向可能フィンガ118、および図13図16に関連して説明されるフィンガ418と同等の用語である。
【0038】
図17は、本発明の一態様によるクロマトグラフィ装置400を示す。この装置は、以下に挙げるような個々のモジュール式構成要素51~75を備えるがそれらに限定されず、これらのモジュール式構成要素の中の少なくとも一部は、装置400の支持部410のアパーチャ付き前方パネル420から取外し可能であり、モジュール式構成要素同士の間に必要とされる液体連通が前方面420のみにおいて実現され得るように、1つのほぼ垂直な平面内においてそのアパーチャ付き前方パネル420上に取り付けられる。実施時に、これらの取外し可能なモジュール式構成要素は、1つのみの基準サイズを有し、必要に応じて異なる処理に適するようにパネル420内に再位置決めされ得る。各モジュール式構成要素は、その物理的位置が例えば支持部410中に位置するまたは遠隔地に位置するコントローラにとってまったく問題にならぬように、シリアルバス通信接続部および電源接続部を有する。それ故に、モジュール式構成要素は、モジュール式であると、したがって再位置決め可能および/または交換可能であるとみなすことが可能とある。
【0039】
図17に示すクロマトグラフィ装置は、以下のモジュール式構成要素を、すなわち
51 制御パネル
52 pHモニタ
53 出口弁1~3、ポート1は廃棄用に使用され得る
54 出口弁4~6
55 導電性モニタ
56 出口弁7~9
57 プレカラム導電性モニタ
58 プレカラムおよびポストカラム圧力センサを備えるカラム弁ユニット
59 ポンプ洗滌溶液用のボトル
60 入口弁A1~A3
61 入口弁A4~A6
62 入口弁B1~B3
63 入口弁B4~B6
64 固定ゴムフィート
65 調節可能フィート
66 システムポンプA
67 システムポンプB
68 システム圧力モニタを備える流量制限器
69 ミキサーモジュール式構成要素
70 ミキサー弁
71 空気センサを備えるエアトラップ弁
72 エアトラップ
73 オン/オフボタン
74 インラインフィルタ用のホルダ(典型的なフィルタカプセルを図示)
75 UVモニタ
【0040】
モジュール式構成要素は、上記に説明するように省かれるまたは再位置決めされることが可能である。いくつかのモジュール式構成要素が他のモジュール式構成要素と置換され得ることが、または省かれたモジュール式構成要素により生じた空間がブランクプレートで充填され得る(例えば図20の76を参照)ことが明らかになろう。2つ以上の同じ参照符号のモジュール式構成要素が、必要に応じて使用されることが可能である。
【0041】
装置の流体操作モジュール式構成要素同士の間における、すなわちモジュール式構成要素51、64、65、および73を除く上記に挙げた全てのモジュール式構成要素、ならびに例えば図17に全てが示されるわけではないが試料入力リザーバ、緩衝流体リザーバ、クロマトグラフカラム、および分画採取装置などの外部モジュール式構成要素の間における流体相互連通は、この場合には可撓性プラスチックチューブの形態である流体導管を介して行われ、この流体導管は、例えば前述のようなカプリングを使用してなど任意の所望の構成において流体操作モジュール式構成要素の対応するポートに対して容易に結合および結合解除され得る。
【0042】
図18は、この場合には2つのクロマトグラフィカラム700および800に連結されたクロマトグラフィ装置400の主要なモジュール式構成要素同士の間における1つの可能な液体相互連通構成を示すが、この装置は、モジュール式構成要素と複数のカラムなどの追加パーツと液体リザーバとの間における任意の実現可能な相互連通を可能にする。再構成可能な液体相互連通は、一点短鎖線580により示される。
【0043】
装置400の中心には、カラム弁ユニット58が位置し、このカラム弁ユニット58は、この場合には2017年9月22日に出願された係属中の英国出願第1715399.0号において開示されるような構造を有し、参照により本明細書に組み込まれる。弁ユニット58は、各方向(図面中における上方および下方)へのカラム700/800の一方または両方内における流れを可能にするための複数の流れ切替えを可能にする。ユーザは、上昇流もしくは下降流を選択することが可能であり、または一方もしくは両方のカラムを迂回することを選択することが可能である。この流れは、廃棄へまたは流路中の次の構成要素へ送られ得る。また、これらのカラムは、直列で連結されることが可能であり、各カラムは、クロマトグラフィ分離媒体を収容するための可変体積チャンバと、それぞれの前記体積を増減するために可動であるアダプタとを備え、カラム弁ユニット58は、各アダプタと流体連通状態にあり、流体圧力変化により各アダプタを個別にまたは一括で移動させて結果的に各体積を変化させ、使用時には各カラム体積内の媒体の圧縮から圧縮または解放を生じさせるように選択的に動作可能である。
【0044】
カラム弁ユニット58は、プレカラム圧力センサおよびポストカラム圧力センサを備え、さらに入力流体を受けるように構成された流体入口510を備える。入力流体は、例えば緩衝組成物中に懸濁する化学試料などであってもよい。カラム弁ユニット58は、弁ユニットから出力流体を提供するように構成された流体出口520をさらに備える。提供される出力流体は、典型的には受領した流体をクロマトグラフィ装置400の1つまたは複数のカラムに通過させた後の結果的な流体であり得る。弁ユニット58は、第1のカラム700に結合されるように構成された第1の対の流体ポート531および532と、第2のカラム800に結合されるように構成された第2の対の流体ポート541および542とをさらに備える。弁ユニット58は、1つまたは複数の制御信号に応答して流体入口510、流体出口520、第1の対の流体ポート531および532、ならびに第2の対の流体ポート541および542の中の選択物間で流体を送るように構成されたカプリング弁アセンブリをさらに備える。
【0045】
さらに、弁は、例えばカラムパッキングとしても知られるカラムの内容物の圧縮を可能にするために、カラム700および800の一部である油圧シリンダ710および810の体積を変更するために使用され得るポート550を有する。そのパッキング処理は、自動化されることが可能である。かかるシステムにより、約25~250mmの間のカラム直径がこのようにしてパック可能となっている。これらのカラムは、プレパックされることが可能であるが、カラム内の圧力の結果として生じる背圧を測定する弁ユニット58内の圧力センサの補助により、および例えば国際公開第2007/045491号に記載されるように既知のプロトコルにしたがって、洗滌および再統合されることが可能であり、国際公開第2007/045491号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
残りのシステム400は、
試料含有液体、緩衝液、および洗滌流体を含む選択可能な液体を提供するのに適した入口弁群AおよびB、60、61、62、ならびに63
を備える。
これらの入口弁は、2つのシステムポンプに供給を行い、ここでは、これらの2つのシステムポンプのそれぞれは、一対のピストンおよび関連付けられる一方向弁を有し、それにより高体積流および高流量分解能で0~600ml/分(最大1200ml/分)の可変流量を実現して、正確な流量の維持を可能にする。かかる精度により、広い範囲のカラム直径に対する良好な結果再現性が可能となる。
これらのポンプは、ポンプ送給される液体がカラム弁ユニット58に送達される前に、システム圧力モニタを備える流量制限器68と、ミキサー弁70と、ミキサーモジュール69とに順次供給を行う。
混入空気は、エアトラップ弁71と、エアトラップベント72とを介して逃げることが可能であり、このエアトラップベント72は、カラム700および800からのエア逃しをさらに有する。エアトラップは、2017年4月5日に出願された係属中の英国出願第1713993号にしたがって構築されてもよく、この出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
液体がカラム弁ユニット58に到達すると、それらの液体は、2017年11月22日に出願された係属中の英国出願第1715399.0号において説明される構成にしたがって送られ得るため、したがって多数のクロマトグラフィモードが、直截的なクロマトグラフィ分離プロセスが1つのみのカラムを使用して実施される単純なバッチワークから、一方が使用可能な状態にあり他方が分離のために使用されている2つまたはそれ以上のカラムが使用され得るより大型の商業的処理をより厳密に模倣する処理に至るまで実施可能となる。
クロマトグラフィカラムからの出力は、ポート520を通り、導電性モニタ55、UV光吸収モニタ75、およびpHモニタ52まで送られ、そこから、3つのモニタからの信号に依拠して適切な貯蔵容器内へと送られ、それにより分離された分画が適切な容器501内に収集される。カラム洗浄物は、廃棄容器500内に収集され得る。
図2の一点長鎖線601は、上述のモジュール式構成要素からコントローラ600におよびその逆方向に信号および電力を運ぶシステムバスを表す。信号の制御およびモニタリングは、通信バスの必要性を伴わずに既知のプロトコルにしたがって無線通信されてもよいことが理解されよう。また、クロマトグラフィシステム400は、表示画面530を備える。コントローラ上で実行されるソフトウェアが、画面530上に複数のアイコンを表示し、使用の容易化のためにユーザ定義のクロマトグラフィ制御方法を表す一連のアイコンを形成するために画面上のアイコンをドラッグおよびドロップする、アイコンのユーザによる操作を可能にする。ユーザ定義のクロマトグラフィ制御方法は、前記カラム弁ユニット58における選択的な弁開口により前記2つまたはそれ以上のクロマトグラフィカラムを使用する連続クロマトグラフィプロセスを含む。
【0047】
図19図20、および図21は、様々な構成のためにチューブに連結されたシステムを示し、図17に参照されるモジュール式構成要素のいくつかのみが、これらの図面においては定位置に留まり、除去されたモジュール式構成要素により生じたアパーチャは、支持部410内への意図しない液体の進入を防止するためにアパーチャを覆う位置に螺入されたブランクプレート526で閉鎖される。
【0048】
図19では、システムが工場内に特注製作された調整済みの環境に適したモジュール式構成要素の構成を有するシステム400´。このシステムは、GMP環境での作業用に送付取付けされ、較正され、性能試験され、適したものである。図20は、モジュール式構成要素が除去された1つのシステム400´´を示し、図521は、図71と同様のおよび典型的なチューブ相互連結部580を示す、さらなるモジュール式構成要素が定位置にあるシステム400´´´を示す。
【0049】
使用時に、モジュール式構成要素は、システムから容易に除去されまたはシステムに対して容易に追加され、各モジュール式構成要素を認識し得るソフトウェアにおいてワンクリック作動でインストールが終了される。このソフトウェアは、包括的かつカスタマイズ可能な動作制御と、プリエンプティブメンテナンスとを実現し得る。上述のモジュール式構成要素に加えて、入出力通信モジュール式構成要素が、アナログおよび/またはデジタル外部センサあるいは自動分画採取デバイスなどの他の装置と連携するために使用され得る。流量範囲および圧力範囲が広いことにより、25~250mm内径のカラムにおいて40倍超のスケーリングが可能となる。この広範囲により、装置はGMP環境への移行を橋渡しするのに適したものとなる。
【0050】
上述のシステムを使用したクロマトグラフィカラムのパッキング(および再パッキング)は、制御パネル51により起動されるコントローラ600により完全に制御可能である。コントローラ600は、パッキングのプロセスおよび進捗の可視化を支援するために表示画面530(図18)を駆動することが可能である。制御ソフトウェアは、アクセス可能なカラムパッキング記録を備える。したがって、カラムパッキング記録は、トレーサビリティおよび品質保証の目的のために、ソフトウェアから定義、生成、および更新され得る。さらに、記録は、カラム性能をモニタリングし、使用、分離性能、およびパッキング間隔に関する統計を提供するために使用され得る。表示画面は、システム機能の概観、動作ステップ中における進捗、および警告をオペレータに対して迅速に与えるプロセス可視化を可能にすることにより、各ステップにおける所望量の情報のみを提供することが可能である。アクティブな流路は、ユーザエラーを最小限に抑えるためにこのプロセス可視化において常に表示される。例えば画面上のアイコンを選択またはドラッグするなど、可視化画面上において適切なプロセスを選択することにより、リアルタイム変更を行うことが可能である。制御グラフィックインターフェースは、カラム弁ユニット58などの特定のセクションに対して与えられる。
【0051】
予めプログラミングされたステップが、使用されるが、それらは追加的なカスタマイズのためにユーザ定義ステップとして修正および保存され得る。
【0052】
上記で説明し示したシステムは、衛生的な環境のために設計される。例えば、支持部410は、その面のエッジ以外においては継手、間隙、または大きな凹状部を有することなく平坦状または湾曲状であり、そのため拭き取りが容易であり、埃および液体が捕捉される可能性が低い。pHモニタ52は、インラインキャリブレーションを有し、カラム弁ユニット58は、インプロセスカラムパッキングを可能にし、そのため動作中においては閉流路が使用されることが可能であり、すなわち1つまたは複数のクロマトグラフィカラムパッキング/再生ステージ中全体にわたり、および分離動作全体にわたり、流路中の中断が必要とされない。
【0053】
図22は、それぞれが先行技術の流体連通部812に連結されるように構成された4つのポート811を備える先行技術のモジュール式構成要素810を示す。ポート811に流体連通部812を固定するために必要とされるカプリング813のサイズにより、これらのカプリングは、それぞれ異なる高さに配置されなければならない。これは、バルク性の高い解決策であり、さらにそれぞれのポート811に対する流体連通部812の取付け/取付け解除を容易にするためにモジュール式構成要素の周囲に空間を設けることが必要となる。
【0054】
図23は、4つのポート821を有するモジュール式構成要素820を示し、これらのポート821はそれぞれ、各ポート821に連結された解除可能カプリング100(図1図6に関連して説明するような)を第1の端部に備えるチューブ822を有する。チューブの中の1つの第2の端部は、ポート821に直接連結されるのには適さない流体連通部の装着を可能にするために、別の解除可能カプリング100で変換器823に連結される。変換器823は、図24aおよび図24bに関連してさらに詳細に説明される。モジュール式構成要素に対する流体連通部を連結する場合に解除可能カプリングを使用すると、ポート同士が相互に対してより近くに位置決めされ得るため、結果としてバルク性のより低い設計が得られる。また、解除可能カプリングは、必要に応じた衛生化、取付け/取外し、および交換がより容易である。
【0055】
図24aは、本体830、フランジ831、嵌通穴832、および本体830と一体化された差込口833を有する変換器823の断面図を示す。変換器823は、この実施形態ではプラスチック、金属等の単一材料片から作製される。フランジ831は、この例ではトライクランプ(TC、Tri Clamp)カプリングにおいて使用されるように構成され、差込口833は、解除可能カプリング100(図示せず)を備えるチューブを受けるように構成される。
【0056】
図24bは、1つの例外を除いて図24aに関連して説明された変換器と同様である代替的な変換器823´の断面図を示す。変換器823´は、2つのパーツを備え、本体830およびフランジ831は、例えばプラスチックなどの単一材料片から作製され、差込口833´は、例えば金属などの別の材料から作製される。
【0057】
図25aは、ポート911としての3つのねじ穴を有する先行技術のモジュール式構成要素910を示す。それぞれがねじコネクタ913を備えるチューブ912が、それぞれのポート911に固定される。図25bは、チューブ912の第1の端部に固定される、およびねじ穴911内に配置される場合にシールを形成するように構成された端部フランジ914と、モジュール式構成要素910にねじコネクタ913を固定する場合に使用されるように設計されたねじ部分915およびグリップ部分916を有する本体とを備える、ねじコネクタ913を示す。モジュール式構成要素910にねじコネクタ913を固定するために空間が必要とされることにより、この設計は、図23に示すように解除可能カプリングが使用される場合に比べてややバルク性が高い。流体チューブが、ねじコネクタを使用してポートに連結される場合に、ねじ穴にねじコネクタを固定すると、流体チューブの意図しない回転(約2~3回転)が生じる。これは、例えば10~30cm長の短い流体チューブを固定する場合には、チューブがよじれ挙動をとるため特に欠点となる。さらに、別個のOリングが、所望の圧力および流体シールを生成するために必要とされる場合がある。
【0058】
解除可能カプリング100により得られる利点からの利益を享受するために、アダプタが、モジュール式構成要素910のねじ穴内に導入されてもよい。
【0059】
図26aは、本体920、ねじ部分921、貫通穴922、および本体920と一体化された差込口923を有するアダプタ915の断面図を示す。アダプタ915は、この実施形態ではプラスチック、金属等の単一材料片から作製される。ねじ部分921は、この例ではグリップ部分としての本体920を使用してモジュール式構成要素のねじ穴内に導入されるように構成され、差込口923は、解除可能カプリング100(図示せず)を備えるチューブを受けるように構成される。
【0060】
図26bは、1つの例外を除いては図26aに関連して説明されるアダプタと同様である代替的なアダプタ915´の断面図を示す。アダプタ915´は、2つのパーツを備え、本体920およびねじ部分921は、例えばプラスチックなどの単一材料片から作製され、差込口923´は、例えば金属などの別の材料から作製される。
【0061】
図27は、本体930、ねじ穴931を有する部分、貫通穴932、および本体930と一体化された差込口933を有する代替的な変換器925の断面図を示す。この変換器925は、この実施形態ではプラスチック、金属等の単一材料片から作製される。ねじ部分931は、この例では図25bに関連して説明されるようにねじコネクタを受けるように構成される。差込口933は、解除可能カプリング100(図示せず)を備えるチューブを受けるように構成される。差込口は、本体およびねじ穴を有する部分と比較して異なる材料で別個に製造され得る点に留意されたい。
【0062】
解除可能カプリングアセンブリ10の1つの利点は、ねじ山を有さない点であり、すなわち衛生化が可能であり、メンテナンスの必要性がより低い点である。パネルの前面から延在する差込口20における単純な拡張部22(すなわち、シールリッジ、かえし、またはビード)は、図25aおよび図25bに示すようなねじ穴内へのアクセスが非常に制限されたコネクタの従来的なねじに比較して衛生化がはるかに容易である。
【0063】
別の利点は、図22に関連して図示されるものとは対照的にフランジが必要とされず、したがって解除可能カプリング100を使用してチューブを連結する前に手動によりチューブを切断することが可能である点である。したがって、チューブの内径の静止サイズは、差込口20の封止リッジ22の外径と同一の範囲内であり、チューブの内径の静止サイズは、好ましくは差込口の外径の±10%未満である。
【0064】
別の利点は、Oリングまたはガスケットが必要ではない点であり、すなわち先行技術の解決策に比較してメンテナンスがより少なく、ロバスト性のより高い解決策である点である。封止は、封止リッジ22との直接的な封止係合状態にあるチューブ材料を使用することにより達成される。しかし、これは、チューブに幾分かの可撓性および変形性を持たせる必要がある。解除可能カプリングは、種々の材料およびパーツ同士の間に最小限の個数の連結部/継手をもたらし、このことが、所要に応じた流体連通部の衛生化の可能性を改善する。別の利点は、解除可能カプリングアセンブリは、例えば低圧用途向けに片手スナップ嵌め部などへの装着が容易となる点である。
【0065】
図24a、図24b、および図27に関連して説明されるように、変換器コネクタは、例えばTCコネクタなどの他のコネクタに対する連結部を提供するために使用されてもよい。図26aおよび図26bに関連して説明されるように、ねじアダプタは、ねじ穴を有する古い装置(図25aを参照)を、チューブを装着する場合に解除可能カプリングを使用するように構成されたコネクタへとアップグレードするために使用され得る。上述のように、差込口20は、ねじタイプコネクタまたはTCコネクタが用意される場合よりも相互により近くに配置され得る。これにより、例えば弁などのモジュール式構成要素においてより短い内部流路が可能となり、それにより解除可能結合アセンブリの使用によって、内部流路を有する流体構成要素のサイズを縮小することができる。さらに、これは、流量能力に対して低フットプリントを有するクロマトグラフィシステム全体に対して影響を与える。
【0066】
図28aおよび図28bは、チューブが取り付けられていないおよびチューブが取り付けられた差込口の断面図を示す。チューブ寸法(内径D1)および差込口寸法(外径D2)は、チューブ30と差込口280の開口端部281との間における適切な封止と、生体物質からの残渣の堆積物が中に捕捉されるおそれのあるポケットの形成回避とをもたらすために重要である点を強調しておく。チューブの弾性率が、開口端部821の近傍に設けられた封止リッジ282を通過するために必要なチューブの変形を可能にする。封止リッジの形状は、以下の重要な側面を有する所望の機能性を達成するために重要となる。
- 衛生化が可能であること。これは、直接封止により、生体物質が捕捉され得るポケットを回避するためにポケットレス構造がもたらされることによる。
- 差込口にチューブを保持するための圧力上限。
【0067】
上述のように、他の重要なパラメータは、以下の通りである。
- 流体チューブの弾性率。
- 流体チューブの内径および差込口の外径。
【0068】
これらの実施形態のいくつかにおいて、封止リッジは、差込口の中心から半径Rおよび高さhを有する円形設計を有する。この半径は、差込口の開口端部まで延在し、通常のオペレータにとって十分な低さの力を利用して差込口へと封止リッジ上をチューブがスライドし得る、およびさらにチューブが封止リッジ上をスライドする場合に圧力下で屈曲しない角度を実現する。この円形セクションは、チューブの内径と同様である半径で起始する。高さは、チューブの弾性率およびコネクタに対する圧力限度値により決定される。
【0069】
封止リッジの他の形状が、図28a、図29a、および図29bに示される。図28bにおける矢印F1~F3は、差込口280上へのチューブ端部30の封着およびロックに関与する力を概略的に示す。一実施形態では、例えば上記のコネクタ100により例示されるように、コレットは、図28bのF2により示されるようなチューブクランプ固定圧力を封止リッジの中間点の差込口側に印加するように配置される。一実施形態では、本質的には、差込口の開口端部の付近のチューブと封止リッジの前方端部との間の流体封止力F1は、主にチューブの弾性により達成される。この封止は、開口端部の近傍に封止リッジを位置決めする場合に、すなわち差込口の開口端部に平坦セクションが存在しない場合に、任意のポケットを伴わずに達成される。
【0070】
封止リッジの中間点の背後に本質的にロッキング圧力F2を印加することにより、本質的に全ての利用可能なクランプ固定力が、封止リッジにチューブを保持するために利用される。圧力限度値は、封止リッジの高さ、クランプ固定力、封止リッジの傾斜、およびチューブと差込口との間の摩擦係数により決定される。しかし、全ての表面が、衛生化可能になるように可能な限り平滑であるべきである。代替的な実施形態では、利用可能なクランプ固定力の一部が、差込口とチューブとの間のシールをさらに固定するために差込口280の端部セクション281にて印加されてもよい。開示される実施形態100では、コレット110のフィンガ118は、封止リッジ282の近傍にのみクランプ固定力を印加し、クランプ固定位置にある場合には差込口の下方端部にてチューブに対して空間を残すように設計される。このようにすることで、クランプ固定力は、種々の構成要素(差込口、チューブ、コレット、およびカラー)における寸法のばらつきにほとんど左右されない。なぜならば、クランプ固定力は、クランプ固定位置の周囲にフィンガ118のばね荷重を伴うからである。開示される実施形態では、利用可能なクランプ固定力は、チューブクランプ固定位置へとコレット110上でカラー130を押す場合にオペレータにより印加される力によって決定され、したがってフィンガ118は、チューブに当接するように変位され、カラー130を押すことによりクランプをロックするために必要とされる力は、ユーザにとって適度な力になるように適合化されると同時に、クランプを解除するために過度に高い解除力が必要となるのを回避すべきである。
【0071】
図28bは、流体チューブ30が封止リッジ282および差込口280の長さ部分を覆って取り付けられた場合の状況を示し、また封止リッジの中間点の差込口側に対して印加されるチューブに対するロッキング圧力を概略的に示す。差込口の開口端部の付近におけるチューブと封止リッジの前方端部との間の流体封止力F1は、チューブの弾性により達成される。この封止は、開口端部の近傍に封止リッジを位置決めする場合に、すなわち差込口の開口端部に平坦セクションが存在しない場合に、いかなるポケットも伴わずに達成される。
【0072】
封止リッジの中間点の背後にロッキング圧力F2を印加することにより、本質的に全ての利用可能なクランプ固定力が、封止リッジにチューブを保持するために利用される。圧力限度値は、封止リッジの高さ、クランプ固定力、封止リッジの傾斜、およびチューブと差込口との間の摩擦係数によって決定される。しかし、全ての表面が、衛生化可能になるように可能な限り平滑であるべきである。さらに、鋭角的な隅部は、生体物質が捕捉され得るポケットを意図せず形成する場合があり、したがって鋭角的な隅部は、衛生化可能になるように可能な限り回避されるべきである。
【0073】
封止圧力限度値を上昇させるために、差込口のベースに(開口端部の逆側)追加的な封止力F3を印加することが望ましい場合がある。一実施形態では、クランプ固定力の少なくとも80%が、封止リッジの中間点の背後に印加される(F2で示される)。一実施形態では、連結部を安定化させるために差込口のベースの位置にまたはその付近に印加される当接またはより低い圧力。
【0074】
クランプ固定力は、上述のように解除可能カプリングを使用して提供されてもよい。上述のような適切なクランプ固定力量を提供する場合には、例えばホースクランプ、偏心カプリングなどの他のタイプのカプリングが可能である。選択されるコネクタの長さは、てこ作用を回避するように差込口の長さに基づき選択されなければならない。
【0075】
図29aおよび図29bは、代替的な封止リッジ構成の断面図を示す。図29aは、不均一な輪郭を備える第1の代替的な封止リッジ292を有する差込口290を示す。封止リッジの後縁291は、封止リッジの中間点から差込口の外面にかけてより急激に落ち込む。これは、連結部の圧力限度値を改善する。さらに、封止リッジ292の前方端部は、参照数字D3により示されるように差込口の開口端部と直線をなす。これは、図28aおよび図28bに関連して説明される差込口に比較して流体チューブ(図示せず)の取付けに必要とされる力を増大させる。
【0076】
図29bは、不均一輪郭を備える第2の代替的な封止リッジ297を有する差込口295を示す。封止リッジの後縁296は、封止リッジの中間点から差込口の外面までの半径r2で湾曲する。封止リッジの中間点から差込口の開口端部までの輪郭は、半径r1で湾曲し、r1はr2よりも大きい。
【0077】
さらに、封止リッジ297の前方端部は、参照数字D4により示されるように差込口の開口端部と直線をなし、D4はこの例ではD3よりも大きく、これは、図29aに関連して説明される差込口に比較して流体チューブ(図示せず)の取付けのために必要とさえる力が、ことを示す。
【0078】
一般的に、本発明は、クロマトグラフィシステムのための新規のコネクタコンセプトに関するものであり、図25aおよび図25bに例示されるような従来のねじ式流体コネクタが、差込口タイプの大幅により好都合なコネクタにより置換され得るものであり、クロマトグラフィシステムにおいて構成要素を相互連結するためのチューブが、差込口に単純に押し込まれ、次いでチューブの外周部に対して径方向クランプ固定力を印加する解除可能クランプによってこの差込口に固定されるものである。既述のように、差込口は、好ましくはこのコネクタコンセプトが必要とされる圧力範囲にて利用可能となるように封止リッジを備える。驚くべきことに、20バールおよびさらには最大で30バール超の液体クロマトグラフィにおける所要範囲を超過する内部圧力にて漏れを生じない流体連結部を実現しつつ、オペレータにとっての使用の容易性を依然として大幅に改善するかかるコネクタを設計することが可能であることが証明されている。これらの実施形態によるクロマトグラフィシステムにおいてポートにチューブを連結するための手順は、差込口上にチューブ端部を押し込むステップと、チューブ端部の周囲に解除可能コネクタクランプを位置決めするステップと、コネクタクランプを作動することによりロッキング力を印加するステップとを単純に伴う。同様に、これらの実施形態によるクロマトグラフィシステムにおいてポートからチューブを連結解除するための手順は、ロッキング力を解除するためにコネクタクランプを作動停止するステップと、任意にはチューブ端部から解除可能コネクタクランプを除去するステップと、差込口からチューブ端部を引き抜き自由にするステップとを単純に伴う。開示される実施形態の1つの主要な利点は、ロッキングクランプを押し適用するステップが、チューブに回転運動を伝達し得るねじり動作を必要とせず、それによりチューブが適用ステップ中に雄パーツに対して回転されない点である。既述のように、これは、チューブがねじり動作を被り、流体流を制限し得るまたはさらにはチューブセグメントを破壊し得るよじれ部を形成するのを防止する。さらに、例えば1~10mmの内径を有するチューブなどのフランジ付きチューブを必要とするコネクタを有する従来のクロマトグラフィシステムに比較して、本システムは、経路の相互連結前に最適な長さへとチューブセグメントを切断するステップを追加することによって、流体経路のカスタマイズを可能にする利点をもたらす。
【0079】
コネクタの漏れ試験。
液体クロマトグラフィ用の所望の圧力範囲に対する漏れ防止連結を実現するために、本コネクタ/クロマトグラフィシステムの実施形態を実証した。一実施形態では、動作のためのクロマトグラフィシステム圧力上限は20バールであり、20バールでの適切な封止を実証するために、コネクタを30バールにて定期的に漏れ試験した。この試験で、漏れを判定する限度は、試験される流路中のコネクタごとに20バールにて1μl/分に設定した。以下の条件下において正常な試験を実施した。
・ 4~40℃の温度範囲にわたる20バールでの漏れ試験
・ 6000回の連結および連結解除の反復、500サイクルごとに30バールでの漏れ試験(2つの異なる寸法に関して実施)
・ 40℃にて12か月間にわたる静的漏れ試験、週1回の30バールでの漏れ試験
・ 1000サイクルの0~20Nの張力引張試験、各サイクルの前後における30バールでの漏れ試験
【0080】
先述のように、驚くべきことに、これは、従来の連結部に比較してかように改善された使用の容易性をもたらしつつ達成可能であることが判明した。
【0081】
上記の漏れ試験に加えて、1.5MPaの背圧で一晩にわたり(約12時間)システム中で2.5Mの(NH4)2SO4の移動相を循環させることによってSalt Creep Testを実施した。その後、コネクタ、弁、および他のモジュールの周囲の塩クリーピングに関して視覚的検査を行う。コネクタおよびクロマトグラフィシステムは、視認可能な塩クリープを伴うことなく試験に合格することが実証された。
【0082】
図30a~図30cは、一実施形態による差込口20と、チューブ30と、コレット110と、コレット110のフィンガ118との間の相互作用を示す。図30aでは、チューブ端部310は差込口の上方に示され、破線は、チューブの内径と差込口要素との間の関係を示す。理解されるように、差込口ベースは、チューブ内径よりも若干幅広であり、封止リッジ22は、大幅により幅広であるがチューブが差込口に押し込まれ得るように円形前縁を有する。図30bでは、チューブ端部は、差込口に押し込まれており(図示される部分を越えて)、コレット110は、チューブ端部の周囲に適用されており、チューブをクランプ固定するためにロック位置にて作動される。コレット110は、図30cにおいてさらに詳細に開示されており、そこではフィンガ118が、差込口20の封止リッジ22の中心の領域にてチューブをクランプ固定するためのクランピングセクション350を備えることが分かる。一実施形態では、チューブ内径は3.2mmである、外径は4.8mmである一方で、差込口ベース直径は3.25であり、封止リッジは3.45であり、この封止リッジは、クランプ10からのロッキング力と共に漏れのない連結部を実現する。このタイプの液体クロマトグラフィシステムにおいて使用されるチューブは、用いられる圧力に適応するために十分な剛性の材料のチューブを一般的に有し、例えばフッ素化エテンプロペン(FEP、Fluorinated EtenPropen)プラスチックから作製され得る。
【0083】
一実施形態によれば、クロマトグラフィシステム11用の構成要素12~18、810、910が開示される。構成要素(モジュール式であり得る)は、1つまたは複数のポートを備え、各ポートが、流体チューブ30、812、912の第1の端部を受けるための差込口20、923、923´を介してアクセス可能である。第1の端部は、チューブ端部の外部の解除可能カプリング100、105、300により差込口の周囲において封止可能であり、カプリングは、流体チューブの端部に沿ってカプリングのカラー要素130、230、230´、330、430のスライド動作により作動可能となる解除可能クランプ固定動作を有する。
【0084】
差込口(20)は、構成要素12~18の一体パーツであってもよい。さらに、差込口923、923´は、構成要素910のポートに連結されるように構成されたアダプタ915、915´上に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、ポートは、ねじ穴911であり、アダプタ915、915´は、対応するねじ部分921、本体920、および差込口923、923´を備える。
【0085】
いくつかの実施形態では、アダプタ915は、単一材料片から作製され、この単一材料片は、プラスチックまたは金属であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、差込口923´は第1の材料から作製され、本体920およびねじ部分921は第2の材料から作製され、第1の材料は金属であってもよく、第2の材料はプラスチックであってもよい。
【0087】
一実施形態によれば、差込口に流体チューブを保持するように構成された解除可能カプリング100が開示される。このカプリングは、
- 流体チューブ30を受けるように構成された円筒状内部構成要素110、310、410であり、前記内部構成要素が、差込口に向かってチューブの外面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分118、418を備える、円筒状内部構成要素110、310、410と、
- 内部構成要素をスライド可能に受けるための内部貫通アパーチャ132を有するカラー要素130であって、アパーチャおよび弾性偏向可能部分が、相補的表面形状部を有し、これらの相補的表面形状部が、内部構成要素に取り付けられたカラー要素の第1の位置においては使用時に前記弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては流体チューブの外面に対する作用を防止する、カラー要素130と
を備える。このカラー要素は、第1の位置と第2の位置との間におけるカラーの手動操作を可能にするサイズのアパーチャから離れるように外方に延在する少なくとも1つの突出部を備える。
【0088】
いくつかの実施形態では、内部構成要素110は、少なくとも1つの方向における内部構成要素から離れるカラー要素のスライドを防止または阻止するようにカラー要素と協働し得る停止部分138、114をさらに備える。
【0089】
いくつかの実施形態では、カラー要素は、偏向がもたらされる第1の位置から、カラー要素が停止部分に当接する第2の位置へと内部構成要素上でスライド可能である。
【0090】
いくつかの実施形態では、カラーフランジ134は、カラー要素の一端部に形成され、停止部分は、内部構成要素の一端部に形成される。カラーフランジ134および停止部分は、手動操作により第2の位置の近傍に移動され、カラー要素は、手動操作によりカラーフランジ134が停止位置から離間される第1の位置へとさらにスライドされ得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、その部分は、外方に延在する、およびカプリングの手動操作を支援するサイズを有するコレットフランジ114である。いくつかの実施形態では、カラーフランジ134は、カラーの本体136から直立する連続環状形状部である。いくつかの実施形態では、カラーフランジ134およびカラーフランジが上に形成されるカラー要素の外面は、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有する。
【0092】
いくつかの実施形態では、内部構成要素110、310、410の弾性偏向可能部分118、418、は、使用時にチューブ向かって内方に偏向可能である複数の周方向に配置されたフィンガを備える。いくつかの実施形態では、カラー要素330は、モジュール1にカプリングを解除可能に固定するために相補的ロッキングピン27と協働するバヨネット開口345をさらに備える。
【0093】
一実施形態によれば、第2の流体チューブの端部に第1の流体チューブ822の端部を連結するための変換器823、823´、925が開示される。この変換器は、第1の流体チューブ822の端部を受けるための差込口833、833´、933を備え、第1の流体チューブの端部は、チューブ端部の外部の解除可能カプリング100、105、300により差込口の周囲に封止可能である。このカプリングは、流体チューブの端部に沿ったカプリングのカラー要素130、230、230´、330、430のスライド移動により作動可能である解除可能クランプ固定動作を有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、変換器823、823´は、第2の流体チューブの端部に連結されるように構成された、本体830およびフランジ831、または本体930およびねじ穴931を有する部分をさらに備える。
【0095】
いくつかの実施形態では、変換器823は、単一材料片から作製され、この単一材料片は、プラスチックまたは金属であってもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、差込口833´は、第1の材料から作製され、本体830およびフランジ831、または本体930およびねじ穴931を有する部分は、第2の材料から作製される。第1の材料は、金属であってもよく、第2の材料は、プラスチックであってもよい。
【0097】
一実施形態によれば、流体チューブ30により流体相互連通が可能である上述のような複数の構成要素12~18、810、910を備えるクロマトグラフィシステム11が開示される。これらの構成要素は、流体チューブ30のそれぞれの端部を受けるための1つまたは複数の差込口20を備え、流体チューブ端部は、上述のような解除可能カプリング100、105、300により差込口の周囲に封止可能であり、カプリングは、流体チューブの端部に沿ってカプリングのカラー要素130、230、230´、330、430のスライド動作により作動可能である解除可能クランプ固定動作を有する。
【0098】
いくつかの実施形態では、スライド動作は、それぞれの構成要素にほぼ向かう動作であり、クランピング動作は、前記構成要素から離れるような動作により解除可能である。
【0099】
いくつかの実施形態では、複数の構成要素12~18は、支持部80上に位置的に再配置可能であるモジュール式構成要素であり、流体チューブ30は、各端部に1つの前記カプリング100、105、300を備える両端部をそれぞれが有する複数の流体チューブ30を備え、これらは、使用時にはそれぞれのモジュール式構成要素間においてほぼ封止された流体流および流体連通をもたらす。
【0100】
いくつかの実施形態では、スライド動作は、線形運動のみであり、または120度以下のねじり動作を伴う実質的に線形の運動である。
【0101】
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィシステムは、複数の構成要素から形成されたクロマトグラフィシステムである。
【0102】
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィシステムは、上述のような変換器をさらに備える。
【0103】
一実施形態によれば、クロマトグラフィ流体流路を形成するために流体チューブ30により流体相互連通可能である複数の流体ハンドリング構成要素を備えるクロマトグラフィシステムが提供される。前記流体ハンドリング構成要素は、構成要素面から延在する差込口を有する1つまたは複数の流体ポートを備え、これらの流体ポートは、流体チューブ端部が差込口を封止的に囲むように流体チューブのそれぞれの端部を受けるための、および差込口に流体チューブ端部をロックするためにチューブ端部の外面に対して径方向ロッキング力を印加するための解除可能ロッキングクランプを受けるためのものであり、相互連結部は、好ましくは15、20、25、または30バールなど、少なくとも10バールの内部圧力にて漏れ防止性を有する。
【0104】
本発明は、上述の実施形態により限定されるものとして見なされるべきではなく、当業者には容易に明らかになるように添付の特許請求の範囲内において変更され得る。
【符号の説明】
【0105】
1 モジュール
10 カプリングアセンブリ、クランプ
11 クロマトグラフィシステム
12 ポンプ、モジュール、構成要素
13 クロマトグラフィカラム、モジュール、構成要素
14 弁、モジュール、構成要素
15 pHモニタ、モジュール、構成要素
16 導電率モニタ、モジュール、構成要素
17 ミキサー、モジュール、構成要素
18 UVモニタ、モジュール、構成要素
20 コネクタ差込口、雄パーツ
22 拡張部、封止リッジ
24 弾性突出部、アーム
25 ボス
27 相補的ロッキングピン
30 チューブ、流体チューブ、チューブ端部
51 制御パネル、モジュール式構成要素
52 pHモニタ、モジュール式構成要素
55 導電性モニタ、モジュール式構成要素
58 カラム弁ユニット、モジュール式構成要素
68 流量制限器、モジュール式構成要素
69 ミキサーモジュール、モジュール式構成要素
70 ミキサー弁、モジュール式構成要素
71 エアトラップ弁、モジュール式構成要素
72 エアトラップベント、モジュール式構成要素
75 UV光吸収モニタ、モジュール式構成要素
80 支持部
100 解除可能カプリング、カプリング、コネクタ
105 カプリング
110 コレット、円筒状内部構成要素
112 中央ボア
114 コレットフランジ、停止部分
116 円筒状中間部分
118 フィンガ、コレットフィンガ、弾性偏向可能部分
120 遠位端部
130 カラー、円筒状ロッキングカラー、カラー要素
132 内部貫通アパーチャ
134 カラーフランジ
136 本体、カラー本体、環状本体
138 ステップ、停止部分
140 遠位端部
200 解除ツール
210 二股端部
230 ロッキングプレート、カラー要素、カラー
230´ ロッキングカラー、カラー要素
231 ロッキングプレート
232 貫通アパーチャ
233 球形状マウント
234 突出部
280 差込口
281 開口端部、端部セクション
282 封止リッジ
290 差込口
291 後縁
292 封止リッジ
295 差込口
296 後縁
297 封止リッジ
300 カプリング
310 コレット、チューブ端部、円筒状内部構成要素
318 フィンガ
330 カラー、ロッキングカラー、カラー要素
334 ウィング
340 遠位端部
345 バヨネット開口
350 クランピングセクション
400 クロマトグラフィ装置、残りのシステム、クロマトグラフィシステム
410 コレット、円筒状内部構成要素、支持部
418 フィンガ、弾性偏向可能部分
420 アパーチャ付き前方パネル、前方面
430 カラー、カラー要素
431 テーパ状部分、周方向傾斜部
432 戻り止め
433 相補的凹部
500 廃棄容器
501 容器
510 流体入口
520 流体出口、ポート
526 ブランクプレート
530 表示画面
531 流体ポート
541 流体ポート
542 流体ポート
550 ポート
580 一点短鎖線、チューブ相互連結部
600 コントローラ
601 一点長鎖線
700 第1のカラム
710 油圧シリンダ
800 第2のカラム
810 モジュール式構成要素、構成要素
811 ポート
812 流体連通部
813 カプリング
820 モジュール式構成要素
821 ポート、開口端部
822 第1の流体チューブ
823 変換器
830 本体
831 フランジ
832 嵌通穴
833 差込口
910 モジュール式構成要素、構成要素
911 ポート、ねじ穴
912 チューブ
913 ねじコネクタ
914 端部フランジ
915 ねじ部分、アダプタ
915´ アダプタ
916 グリップ部分
920 本体
921 ねじ部分
922 貫通穴
923 差込口
925 変換器
930 本体
931 ねじ穴、ねじ部分
932 貫通穴
933 差込口
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図7d
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24a
図24b
図25a
図25b
図26a
図26b
図27
図28a
図28b
図29a
図29b
図30a
図30b
図30c
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの解除可能カプリング(100)に対してクロマトグラフィシステム(13)を連結するための少なくとも1つの差込口(20)を備えているクロマトグラフィカラム(13)において、
前記解除可能カプリング(100)は、
流体チューブ(30)を受けるための円筒状内方構成要素(110)であって、それぞれの差込口(20)に向かって前記チューブの外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)と、
前記内方構成要素を摺動可能に受けるための内部貫通アパーチャ(132)を有する円筒状カラー要素(130)であって、前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラー要素(130)が前記内方構成要素に取り付けられた第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては、前記偏向を引き起こさない、円筒状カラー要素(130)と、
を備え、
前記カプリングは、前記カラー要素(130)が、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラー要素(130)の手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134)またはカラーウィング(334)などの少なくとも1つの突出部を備えていることを特徴とする、クロマトグラフィカラム(13)。
【請求項2】
前記内方構成要素(110)は、少なくとも1つの方向における前記内方構成要素(110)から離れる前記カラー要素(130)の摺動を防止または阻止するように前記カラー要素(130)と協働し得る停止部分(138、114)をさらに備えている、請求項1に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項3】
前記カラーは、前記偏向がもたらされる前記第1の位置から前記カラー要素(130)が前記停止部分(138、114)に当接する前記第2の位置へと前記内方構成要素(110)上を摺動可能である、請求項2に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項4】
前記カラーフランジ(134)/ウィングは、前記カラー要素(130)の一端部に形成され、前記停止部分(138、114)は、前記内方構成要素(110)の一端部に形成され、前記カラーフランジ(134)および前記停止部分は、手動操作により前記第2の位置の近傍に移動されることが可能であり、前記カラー要素(130)は、手動操作により前記カラーフランジ(134)が前記停止部分(138、114)から離間される前記第1の位置へとさらに摺動され得る、請求項2に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項5】
前記カラーフランジ(134)および前記フランジが上に形成される前記カラー要素(130)の外方表面は、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有する、請求項1に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項6】
前記内方構成要素(110)の前記弾性偏向可能部分(118)は、使用時に内方に偏向可能である複数の周方向に配置されたフィンガからなる、請求項1に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項7】
前記差込口(20)は、封止リッジ(22)を備える、請求項1に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項8】
前記差込口(20)は、3.25mmのベース直径を有し、前記封止リッジ(22)は、3.45mmの直径を有する、請求項1に記載のクロマトグラフィカラム(13)。
【請求項9】
クロマトグラフィシステムにおいて雄パーツに流体チューブを保持するための解除可能カプリング(100)であって、
流体チューブ(30)を受けるための円筒状内方構成要素(110)であって、雄パーツに向かって前記チューブの外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と、
前記内方構成要素を摺動可能に受けるための内部貫通アパーチャ(132)を有する円筒状カラー要素(130)であって、前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラーが前記内方構成要素に取り付けられた第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、第2の異なる位置においては、前記偏向を引き起こさない、円筒状カラー要素(130)と
を備え、
前記カプリングは、前記カラーが、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラーの手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134)またはカラーウィング(334)などの少なくとも1つの突出部を備えていることを特徴とする、解除可能カプリング(100)。
【請求項10】
前記内方構成要素(110)は、少なくとも1つの方向における前記内方構成要素から離れる前記カラーの摺動を防止または阻止するように前記カラーと協働し得る停止部分(138、114)をさらに備えている、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項11】
前記カラーは、前記偏向がもたらされる前記第1の位置から前記カラーが前記停止部分(138、114)に当接する前記第2の位置へと前記内方構成要素上を摺動可能である、請求項10に記載のカプリング(100)。
【請求項12】
前記カラーフランジ/前記ウィングは、前記カラーの一端部に形成され、前記停止部分は、前記内方構成要素の一端部に形成され、前記カラーフランジおよび前記停止部分は、手動操作により前記第2位置の近傍に移動されることが可能であり、前記カラーは、手動操作により前記カラーフランジが前記停止部分から離間される前記第1の位置へとさらに摺動され得る、請求項10に記載のカプリング(100)。
【請求項13】
前記カラーフランジおよび前記フランジが上に形成される前記カラーの外方表面は、急激な方向転換を伴わない連続的に湾曲したプロファイルを有している、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項14】
前記内方構成要素の前記弾性偏向可能部分は、使用時に前記チューブに向かって内方に偏向可能である複数の周方向に配置されたフィンガ(118)を備えている、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項15】
前記フィンガ(118)は、前記円筒状内方構成要素(110)の中間部分(116)から前記円筒状内方構成要素(110)の遠位端部(120)まで延在している、請求項14に記載のカプリング(100)。
【請求項16】
前記フィンガ(118)は、前記遠位端部(120)に向かって外方にフレア状をなしている、請求項15に記載のカプリング(100)。
【請求項17】
2つのプラスチック材料成形物から形成されている、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項18】
前記円筒状内方構成要素(110)および前記円筒状カラー要素(130)は、透明プラスチックから形成されている、請求項17に記載のカプリング(100)。
【請求項19】
前記円筒状カラー要素(330)の遠位端部(340)が、相補的ロッキングピン(27)を受けるための一対のバヨネットタイプ開口(345)を備えている、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項20】
前記円筒状カラー要素(430)は、戻り止め(432)を備え、前記戻り止め(432)は、前記円筒状カラー要素(430)がフィンガ(418)に対してねじり動作された場合に前記フィンガ(418)のテーパ状部分(431)として作用し、前記テーパ状部分(431)は、前記円筒状カラー要素(430)がねじり動作された場合に前記円筒状カラー要素(430)中の前記戻り止め(432)により前記円筒状カラー要素(430)に対して内方に付勢されるように、カムとしてそれぞれ作用する、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項21】
前記フィンガ(418)は、戻り止め(432)をそれぞれ内部に載置するための相補的凹部(433)をそれぞれ備えている、請求項20に記載のカプリング(100)。
【請求項22】
前記円筒状カラー要素(130)は、複数の貫通アパーチャ(232)を有するロッキングプレート(230)の一部である、請求項9に記載のカプリング(100)。
【請求項23】
前記円筒状カラー要素(130)は、可撓性マウントにより前記ロッキングプレート(230)に対して取り付けられている、請求項22に記載のカプリング(100)。
【請求項24】
前記可撓性マウントは、前記円筒状カラー要素(130)が前記マウント(233)の中心点の周囲で回転することを可能にする球形状マウント(233)である、請求項23に記載のカプリング(100)。
【請求項25】
雄パーツに流体チューブを保持するための解除可能カプリングアセンブリ(10)であって、
可撓性流体チューブ(30)と、
前記流体チューブ内に挿入可能な雄パーツ(20)と、
前記流体チューブを覆って嵌着するための円筒状内方構成要素(110)であって、前記雄パーツ上に前記チューブの外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と、
前記内方構成要素上への前記カラーの摺動可能取付けのために内部貫通アパーチャ(132、232)を有する円筒状カラー要素(130、230)と
を備え、
前記アパーチャおよび前記弾性部分は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラーが前記内方構成要素上に取り付けられる第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、それにより前記内方パーツが前記チューブ上に嵌着された場合に、前記チューブは前記弾性偏向可能部分により前記雄パーツに対して付勢され、第2の位置においては、前記偏向を引き起こさず、それにより前記チューブは前記雄パーツに対してかように付勢されず、またはより弱く付勢され、
前記カプリングは、前記カラーが、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラーの手動操作を可能にするサイズのアパーチャから離れるように外方に延在するカラーフランジ(134、234)を備えていることを特徴とする、解除可能カプリングアセンブリ(10)。
【請求項26】
前記弾性偏向可能部分(118)は、複数の弾性偏向可能なかつ周方向に配置されたフィンガからなる、請求項25に記載のカプリング(10)。
【請求項27】
前記フィンガは、前記円筒状内方構成要素(110)の中間部分(116)から前記円筒状内方構成要素(110)の遠位端部(120)まで延在している、請求項26に記載のカプリング(10)。
【請求項28】
前記フィンガ(118)は、前記遠位端部(120)に向かって外方にフレア状をなしている、請求項27に記載のカプリング(10)。
【請求項29】
2つのプラスチック材料成形物から形成されている、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項30】
前記円筒状内方構成要素(110)および前記円筒状カラー要素(130)は、透明プラスチックから形成されている、請求項29に記載のカプリング(100)。
【請求項31】
前記円筒状カラー要素(330)の遠位端部(340)が、相補的ロッキングピン(27)を受けるための一対のバヨネットタイプ開口(345)を備えている、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項32】
前記円筒状カラー要素(430)は、戻り止め(432)を備え、前記戻り止め(432)は、前記円筒状カラー要素(430)がフィンガ(418)に対してねじり動作された場合に前記フィンガ(418)のテーパ状部分(431)として作用し、前記テーパ状部分(431)は、前記円筒状カラー要素(430)がねじり動作された場合に前記円筒状カラー要素(430)中の前記戻り止め(432)により前記円筒状カラー要素(430)に対して内方に付勢されるように、カムとしてそれぞれ作用する、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項33】
前記フィンガ(418)は、戻り止め(432)をそれぞれ内部に載置するための相補的凹部(433)をそれぞれ備えている、請求項32に記載のカプリング(100)。
【請求項34】
前記円筒状カラー要素(130)は、複数の貫通アパーチャ(232)を有するロッキングプレート(230)の一部である、請求項25に記載のカプリング(100)。
【請求項35】
前記円筒状カラー要素(130)は、可撓性マウントにより前記ロッキングプレート(230)に対して取り付けられている、請求項34に記載のカプリング(100)。
【請求項36】
前記可撓性マウントは、前記円筒状カラー要素(130)が前記マウント(233)の中心点の周囲で回転することを可能にする球形状マウント(233)である、請求項35に記載のカプリング(100)。
【請求項37】
クロマトグラフィ装置(400)において少なくとも1つのモジュール構成要素(51~75)に対して連結するための再構成可能液体相互連通部(580)であって、請求項25から36のいずれか一項に記載のカプリング(100)を備えている、再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項38】
前記モジュール構成要素(51~75)は、制御パネル(51)、pHモニタ(52)、出口弁(53,54、56)、導電性モニタ(55)、プレカラム導電性モニタ(57)、プレカラムおよびポストカラム圧力センサを備えるカラム弁ユニット(58)、ボトル(59)、入口弁(60、61、62、63)、システムポンプ(66、67)、システム圧力モニタを備える流量制限器(68)、ミキサーモジュール式構成要素(69)、ミキサー弁(70)、空気センサを備えるエアトラップ弁(71)、エアトラップ(72)、インラインフィルタ用のホルダ(74)、および/またはUVモニタ(75)の中の1つまたは複数からなる、請求項37に記載の再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項39】
実質的に剛性の材料から形成された少なくとも1つのチューブ(30)をさらに備えている、請求項37に記載の再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項40】
前記実質的に剛性の材料は、フッ素化エテンプロペン(FEP、Fluorinated EtenPropen)プラスチックからなる、請求項39に記載の再構成可能液体相互連通部(580)。
【請求項41】
第1の流体チューブ(822)の端部を第2の流体チューブの端部に対して連結するための変換器(823、823´、925)であって、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部を受けるための差込口(833、833´、933)を備え、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部は、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部の外部に設けられた解除可能カプリング(100、105、300)により前記差込口(833、833´、933)の周囲で封止可能であり、前記カプリング(100、105、300)は、前記第1の流体チューブ(822)の前記端部に沿って前記カプリングのカラー要素(130、230、230´、330、430)を摺動移動することにより作動可能な解除可能クランプ固定動作を有している、変換器(823、823´、925)。
【請求項42】
前記解除可能カプリングアセンブリ(10)は、
前記第1の流体チューブ(822)内に挿入可能な雄パーツ(20)と、
前記第1の流体チューブ(822)の前記端部を覆って嵌着するための円筒状内方構成要素(110)であって、前記雄パーツ(20)上に前記第1の流体チューブ(822)の前記端部の外方表面を付勢するように構成された弾性偏向可能部分(118)を備える、円筒状内方構成要素(110)と
を備え、
前記カラー要素(130、230)は、前記円筒状内方構成要素(110)上への前記カラー要素(130、230)の摺動可能取付けのために内部貫通アパーチャ(132、232)を有し、
前記アパーチャ(132、232)および前記弾性部分(118)は、相補的表面形状部を有し、前記相補的表面形状部は、前記カラー要素(130、230)が前記円筒状内方構成要素(110)上に取り付けられる第1の位置においては、使用時に前記弾性偏向をもたらし、それにより前記円筒状内方構成要素(110)が前記流体チューブ(822)上に嵌着された場合に、前記流体チューブ(822)は前記弾性偏向可能部分(118)により前記雄パーツ(20)に対して付勢され、第2の位置においては、前記偏向を引き起こさず、それにより前記流体チューブ(822)は前記雄パーツ(20)に対してかように付勢されず、またはより弱く付勢され、
前記カラー要素(130、230)は、前記第1の位置と前記第2の位置との間における前記カラー要素(130、230)の手動操作を可能にするサイズの前記アパーチャ(132、232)から離れるように外方に延在するカラーフランジ(134、234)をさらに備えている、請求項41に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項43】
前記弾性偏向可能部分(118)は、複数の弾性偏向可能なかつ周方向に配置されたフィンガからなる、請求項42に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項44】
前記フィンガは、前記円筒状内方構成要素(110)の中間部分(116)から前記円筒状内方構成要素(110)の遠位端部(120)まで延在している、請求項43に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項45】
前記フィンガ(118)は、前記遠位端部(120)に向かって外方にフレア状をなしている、請求項44に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項46】
2つのプラスチック材料成形物から形成されている、請求項42に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項47】
前記円筒状内方構成要素(110)および前記円筒状カラー要素(130)は、透明プラスチックから形成されている、請求項46に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項48】
前記第2の流体チューブの前記端部に対して連結されるように構成された、本体(830)およびフランジ(831)か、または本体(930)およびねじ穴(931)を有する部分をさらに備えている、請求項41に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項49】
単一材料片から作製されている、請求項41に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項50】
前記差込口(833´)は、第1の材料から作製され、前記本体(830)および前記フランジ(831)または前記本体(930)および前記ねじ穴(931)を有する前記部分は、第2の材料から作製されている、請求項41に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項51】
前記単一材料片は、プラスチックもしくは金属である、または前記第1の材料は金属であり、前記第2の材料はプラスチックである、請求項49に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項52】
本体(830)、フランジ(831)、および貫通穴(832)を有し、前記差込口(833)は、前記本体(830)と一体化されている、請求項41に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項53】
前記フランジ(831)は、トライクランプ(TC、Tri Clamp)カプリングにおいて使用されるように構成されている、請求項52に記載の変換器(823、823´、925)。
【請求項54】
本体(920、930)、ねじ部分(921、931)、および貫通穴(922、932)を有し、前記差込口(923、933)は、前記本体(920、930)と一体化されている、請求項41に記載の変換器(915、925)。
【請求項55】
前記ねじ部分(921)は、前記本体(920)を把持部分として使用することによりモジュール構成要素のねじ穴に導入されるように構成されている、請求項54に記載の変換器(915、925)。
【外国語明細書】