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2024-59745プレバイオティック組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059745
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】プレバイオティック組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/125 20160101AFI20240423BHJP
   A23L 27/30 20160101ALI20240423BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240423BHJP
【FI】
A23L33/125
A23L27/30 A
A23L5/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】35
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022912
(22)【出願日】2024-02-19
(62)【分割の表示】P 2020553570の分割
【原出願日】2019-04-04
(31)【優先権主張番号】1805577.2
(32)【優先日】2018-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】516128485
【氏名又は名称】オプティバイオティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】オハラ ステファン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス オズワルド
(72)【発明者】
【氏名】コリダ ソフィア
(57)【要約】      (修正有)
【課題】苦み及び/又は望ましくない後味が少なく高められた甘味値を有する非消化性オリゴ糖を提供することが本発明の目的である。ヒト又は動物の腸で消化されず、それゆえマイクロバイオームの多様性を改善することができる低カロリー機能性原料として使用することができる、より甘味で天然由来の繊維(ファイバー)を提供することが本発明のさらなる目的である。
【解決手段】1以上の単糖単位を組み込むように、かつ未変性オリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性された非消化性のプレバイオティックオリゴ糖を提供する。前記オリゴ糖が合成の間に変性されたものであることが好ましく、前記オリゴ糖が、二糖前駆体又はオリゴ糖前駆体及び異なる単糖を使用して合成されたものであることが好ましい。この非消化性のプレバイオティックオリゴ糖の使用及び製造方法も記載される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の異なる単糖単位を組み込むように、かつ未変性オリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性された非消化性オリゴ糖を含むプレバイオティック。
【請求項2】
前記オリゴ糖が合成の間に変性されたものである請求項1に記載のプレバイオティック。
【請求項3】
前記オリゴ糖が、二糖前駆体又はオリゴ糖前駆体及び異なる単糖を使用して合成されたものである請求項2に記載のプレバイオティック。
【請求項4】
前記オリゴ糖がその中に2以上の単糖単位を含有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項5】
前記オリゴ糖が、以下の、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、α-ガラクトオリゴ糖及びβ-グルコオリゴ糖のうちの1以上から選択される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項6】
前記オリゴ糖が、フラクトオリゴ糖(FOS)又はガラクトオリゴ糖(GOS)から選択される請求項5に記載のプレバイオティック。
【請求項7】
前記オリゴ糖がガラクトオリゴ糖(GOS)である請求項6に記載のプレバイオティック。
【請求項8】
前記オリゴ糖が、合成の間に、単糖単位受容体の存在下でガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼを使用することにより、変性されたものである請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項9】
前記オリゴ糖が、単糖受容体の存在下でβ-ガラクトシダーゼを使用してフルクトシル化されたものである請求項8に記載のプレバイオティック。
【請求項10】
前記単糖受容体がフルクトースであり、前記オリゴ糖がフルクトシル化により変性されたものである請求項9に記載のプレバイオティック。
【請求項11】
前記β-ガラクトシダーゼがアスペルギルス属に由来する請求項8から請求項10のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項12】
前記アスペルギルスが、以下の種、アスペルギルス・オフィシナリス;アスペルギルス・アキュリータス;アスペルギルス・アワモリ;アスペルギルス・カーボナリウス;アスペルギルス・セルロサエ;アスペルギルス・オリゼ;アスペルギルス・フラバス;アスペルギルス・ヤポニカス;アスペルギルス・ニデュランス;又はアスペルギルス・ニガーのうちの1以上から選択される請求項11に記載のプレバイオティック。
【請求項13】
前記オリゴ糖が顆粒又は粉末の形態にある請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項14】
前記オリゴ糖が、食料品、フードサプリメント若しくはカロリー制限の惣菜へ組み込まれるためのもの、又は甘味料としてのものである請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項15】
同じタイプの未変性のプレバイオティックオリゴ糖と組み合わせた請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のプレバイオティック。
【請求項16】
前記組み合わせが、未変性のプレバイオティックオリゴ糖に対して約95%までの変性プレバイオティックオリゴ糖を含む請求項15に記載のプレバイオティック。
【請求項17】
前記組み合わせが、未変性のプレバイオティックオリゴ糖に対して約90%までの変性プレバイオティックオリゴ糖を含む請求項16に記載のプレバイオティック。
【請求項18】
前記組み合わせが、未変性オリゴ糖に対して約50%までの%変性オリゴ糖を含む請求項17に記載のプレバイオティック。
【請求項19】
同じタイプの非消化性のプレバイオティックオリゴ糖の組み合わせであって、前記組み合わせが変性オリゴ糖及び未変性オリゴ糖を含み、前記変性オリゴ糖が、1以上の単糖単位を組み込むように、かつ前記未変性オリゴ糖よりも高い甘味値を有するように、合成の間に変性されたものである組み合わせ。
【請求項20】
前記変性オリゴ糖が、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のプレバイオティックオリゴ糖を含む請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項21】
前記オリゴ糖が顆粒又は粉末の形態にある請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項22】
前記プレバイオティックオリゴ糖が、食料品、フードサプリメント若しくはカロリー制限の惣菜への組み込みのためのもの、又は甘味料としてのものである請求項19又は請求項20に記載の組み合わせ。
【請求項23】
非消化性オリゴ糖の甘味を高める方法であって、1以上の単糖単位を組み込むように、合成の間に前記オリゴ糖の少なくとも一部分を変性する工程を備える方法。
【請求項24】
前記オリゴ糖が、1以上の単糖単位を組み込むように変性される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記オリゴ糖が、以下の、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、α-ガラクトオリゴ糖及びβ-グルコオリゴ糖のうちの1以上から選択される請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記オリゴ糖が、フラクトオリゴ糖(FOS)又はガラクトオリゴ糖(GOS)から選択される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記オリゴ糖がガラクトオリゴ糖(GOS)である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記オリゴ糖が、合成の間に、単糖単位受容体の存在下でガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼを使用することにより、変性されたものである請求項23から請求項27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記オリゴ糖が、単糖受容体の存在下でβ-ガラクトシダーゼを使用してフルクトシル化されたものである請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記β-ガラクトシダーゼが、アスペルギルス属に由来する請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記単糖受容体がフルクトースであり、前記オリゴ糖がフルクトシル化により変性されたものである請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
1以上の単糖単位を組み込むように変性されたオリゴ糖の割合が約95%以下である請求項23から請求項31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
1以上の単糖単位を組み込むように変性されたオリゴ糖の割合が約90%以下である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
1以上の単糖単位を組み込むように変性されたオリゴ糖の割合が約80%以下である請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記方法が、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載のオリゴ糖又は請求項19から請求項22のいずれか一項に記載の組み合わせを製造するために使用される請求項23から請求項34のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食料品用の機能性食品原料として及び惣菜製品における組み込み材料として具体的な用途を有するか、又は単独で甘味を加えるために使用されることが可能な甘味の非消化性オリゴ糖に関する。
【背景技術】
【0002】
プレバイオティクスは、乳酸桿菌又はビフィズス菌等の健康への恩恵をもたらす宿主微生物によって選択的に利用される基質であり、食品部門へのはるかに増加した応用を見出している。プレバイオティクスは、健康の改善に寄与する結腸細菌によって選択的に代謝される非消化性の食物原料であることができる。従って、プレバイオティクスを使用することは、常在性の腸内細菌環境内の有益な変化を促進することができ、その変化は、プロバイオティクスの生存性を助けることができる。プレバイオティクスは、腸内細菌集団に対して全体的な効果を有し、腸で選択的に代謝されないペクチン、セルロース類、キシラン等の多くの食物繊維とは明確に異なる。プレバイオティックとしての分類基準は、それが胃液酸性度、哺乳類の酵素による加水分解及び上部消化管における吸収に抵抗する必要があり、腸管微生物叢によって発酵されるための適切な量で結腸に到達して健康及び健全性と関連する腸内細菌の増殖及び/又は活性を選択的に刺激する必要があるということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高められた甘味値を有する非消化性オリゴ糖を提供することが本発明の目的である。特に、苦み及び/又は望ましくない後味が少なく高められた甘味値を有する非消化性オリゴ糖を提供することが本発明の目的である。ヒト又は動物の腸で消化されず、それゆえマイクロバイオームの多様性を改善することができる低カロリー機能性原料として使用することができる、より甘味で天然由来の繊維(ファイバー)を提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、1以上の単糖単位を組み込むように、かつ未変性オリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性された非消化性オリゴ糖が提供される。
【0005】
本発明の関連する態様によれば、1以上の単糖単位を組み込むように、かつ未変性オリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性された合成の非消化性オリゴ糖が提供される。
【0006】
本発明のさらに関連する態様によれば、1以上の単糖単位を組み込むように、かつ未変性のプレバイオティックオリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性された非消化性オリゴ糖を含むプレバイオティックが提供される。
【0007】
本発明のなおさらに関連する態様によれば、1以上の単糖単位を組み込むように、かつ未変性のプレバイオティックオリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性された合成の非消化性プレバイオティックオリゴ糖を含むプレバイオティック組成物が提供される。
【0008】
本発明の関連する態様では、本発明は、プレバイオティックであってもよいしなくてもよい(プレバイオティックとして使用されてもよいし使用されなくてもよい)非消化性オリゴ糖を提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、甘味について実施例1の試料の間で有意に異なると判明した重要な特性を示す棒グラフである(棒は平均値を表し、エラーバーは±半LSDに広がる)。
図2図2は、異味について実施例1の試料の間で有意に異なると判明した重要な特性を示す棒グラフである(棒は平均値を表し、エラーバーは±半LSDに広がる)。
図3図3は、甘い後味について実施例1の試料の間で有意に異なると判明した重要な特性を示す棒グラフである(棒は平均値を表し、エラーバーは±半LSDに広がる)。
図4図4は、実施例1で使用したスクロース標品の甘味についての用量反応曲線を示すプロット図である。
図5A図5Aは、実施例1で試験したOPTI-GOS-Yの二糖画分のトリメチルシリルオキシムのガスクロマトグラフィープロファイルを示す。
図5B図5Bは、実施例1で試験したOPTI-GOS-Yの三糖画分のトリメチルシリルオキシムのガスクロマトグラフィープロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用語「合成(の)」及び「合成された」は、天然には存在しないか又は天然では生成されない産物を意味すると意図されている。この用語は、もちろん、天然由来の前駆組成物及び天然由来の酵素等の天然物を使用して「人が造った」産物を包含する。
【0011】
すべての関連する態様のオリゴ糖は、合成の間に変性されてもよい。好ましくは、上記オリゴ糖は、二糖前駆体又はオリゴ糖前駆体及び異なる単糖を使用して合成される。
【0012】
本発明者らは、驚くべきことに、非消化性オリゴ糖の合成の間に、異なる単糖を組み込むことにより、その異なる単糖は、見かけ上オリゴ糖の他の機能面を損なうことなく、オリゴ糖の甘味を向上させることができるということを見出した。
【0013】
用語「変性する」、「変性」又は「変性された」は、オリゴ糖の機能面を実質的に変質させることなく、部分的又は微細な変化をオリゴ糖の全体構造に加えることを意味することが意図されている。これらの用語は、合成の間に部分的又は微細な変化を加えることも包含することを意図されているが、合成後に加えられる変化を包含することもできよう。
【0014】
すべての関連する態様のオリゴ糖は、以下のもののうちの1以上から選択されてもよい:イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、α-ガラクトオリゴ糖及びβ-グルコオリゴ糖。好ましくは、上記オリゴ糖は、フラクトオリゴ糖(FOS)又はガラクトオリゴ糖(GOS)から選択される。最も好ましくは、上記オリゴ糖はガラクトオリゴ糖(GOS)である。
【0015】
すべての関連する態様のオリゴ糖は、合成の間に、異なる単糖単位受容体の存在下でガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼを使用して変性されたものである。上記オリゴ糖は、単糖受容体の存在下でβ-ガラクトシダーゼを使用してフルクトシル化されたものであってもよい。好ましくは、この単糖受容体はフルクトースであり、オリゴ糖はフルクトシル化により変性されたものである。
【0016】
上記β-ガラクトシダーゼがいくつかの異なる種に由来してもよいということは当業者には明らかであろう。しかしながら、上記β-ガラクトシダーゼがアスペルギルス属(Aspergillus)由来であることが好ましい。アスペルギルス属の種は、以下のもののうちの1以上から選択されてもよい:アスペルギルス・オフィシナリス(Aspergillus officinalis);アスペルギルス・アキュリータス(Aspergillus aculeatus);アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori);アスペルギルス・カーボナリウス(Aspergillus carbonarius);アスペルギルス・セルロサエ(Aspergillus cellulosae);ニホンコウジカビ(アスペルギルス・オリゼ、Aspergillus oryzae);黄色コウジ菌(アスペルギルス・フラバス、Aspergillus flavus);アスペルギルス・ヤポニカス(Aspergillus japonicas);アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulansl);又はクロコウジカビ(アスペルギルス・ニガー、Aspergillus niger)。
【0017】
上記オリゴ糖は、プレバイオティックとしての使用等、いくつかの用途のために使用されてもよい。上記オリゴ糖は、食料品、フードサプリメント又はカロリー制限の惣菜製品へ組み込むためのものであってもよい。上記オリゴ糖は、食料品の中のバルク砂糖含有量の一部、大部分又はすべてを置き換えるために使用されてもよいし、又はそれ自体で甘味料として使用されてもよい。有利なことに、本発明の発明者らは、上記オリゴ糖は、クリーンな風味プロファイル、繊維と分類されてもよい低グリセミック指数を有し、腸内マイクロバイオームの多様性及び健康によい細菌の増強を維持する助けとなることを見出した。このオリゴ糖は、顆粒又は粉末の形態にあってもよい。
【0018】
用語「食料品」は、ヒト又は動物によって安全に摂取されることが可能なあらゆる材料を意味することが意図されており、例としては、食品、飲料、シリアル、ベーカリー製品、パン粉をまぶし衣付きの製品(揚げ物)、乳製品、菓子類、スナック菓子、及び粗粉が挙げられるが、これらに限定されない。この用語は、調理又は摂食される前に再構成を必要とする製品を包含する。この用語は、任意の食品/栄養補助食品又は医薬(ビタミン錠剤又は抗生物質液等)も包含する。
【0019】
オリゴ糖が、そのオリゴ糖を他の原料を他の原料とブレンド又は混合することにより製品に組み込まれてもよいことは当業者には明らかであろう。あるいは、上記オリゴ糖が、製品をコーティングするために使用されてもよい。
【0020】
上記オリゴ糖は、同じタイプの未変性オリゴ糖と共に存在してもよいし、又は同じタイプの未変性オリゴ糖と組み合わせて使用されてもよい。合成の間に、非常に高い収率で、上記変性オリゴ糖は、オリゴ糖の約99%までを占めてもよい。上記組み合わせは、未変性オリゴ糖に対して約95%までの変性オリゴ糖、又は未変性オリゴ糖に対して約90%までの変性オリゴ糖、又は未変性オリゴ糖に対して約80%までの変性オリゴ糖を含んでもよい。
【0021】
本発明の関連する第2の態様によれば、同じタイプの非消化性オリゴ糖の組み合わせであって、当該組み合わせは、変性オリゴ糖及び未変性オリゴ糖を含み、上記変性オリゴ糖は、1以上の単糖単位を組み込むように、かつ未変性オリゴ糖よりも高い甘味値を有するように変性されている組み合わせが提供される。
【0022】
当該組み合わせの変性オリゴ糖は、第1の態様を参照して本明細書中にこれまで記載された非消化性オリゴ糖を含んでもよい。
【0023】
上記オリゴ糖は、プレバイオティックとしての使用のため、又は食料品、フードサプリメント又はカロリー制限の惣菜製品への組み込みのためのものであってもよい。
【0024】
本発明の第3の関連する態様によれば、非消化性オリゴ糖の甘味を高める方法であって、1以上の単糖単位を組み込むようにそのオリゴ糖の少なくとも一部分を変性する工程を備える方法が提供される。
【0025】
当該方法では、上記オリゴ糖は、好ましくは2以上の単糖単位をそれに組み込むように変性される。
【0026】
当該方法では、上記オリゴ糖は、以下のもののうちの1以上から選択されてもよい:イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、α-ガラクトオリゴ糖及びβ-グルコオリゴ糖。好ましくは、上記オリゴ糖は、フラクトオリゴ糖(FOS)又はガラクトオリゴ糖(GOS)から選択される。最も好ましくは、このオリゴ糖はガラクトオリゴ糖(GOS)である。
【0027】
上記オリゴ糖は、合成の間に、単糖単位受容体の存在下でガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼを使用して変性されたものであってもよい。このオリゴ糖は、単糖受容体の存在下でβ-ガラクトシダーゼを使用してフルクトシル化されたものであってもよい。
【0028】
上述のように、このβ-ガラクトシダーゼは、アスペルギルス属由来であってもよい。このβ-ガラクトシダーゼは、以下のアスペルギルス属の種のうちの1以上に由来してもよい:アスペルギルス・オフィシナリス;アスペルギルス・アキュリータス;アスペルギルス・アワモリ;アスペルギルス・カーボナリウス;アスペルギルス・セルロサエ;ニホンコウジカビ(アスペルギルス・オリゼ);黄色コウジ菌(アスペルギルス・フラバス);アスペルギルス・ヤポニカス;アスペルギルス・ニデュランス;又はクロコウジカビ(アスペルギルス・ニガー)。
【0029】
上記単糖受容体はフルクトースであってもよく、上記オリゴ糖はフルクトシル化により変性されたものである。しかしながら、異なる酵素及び単糖受容体を使用してある範囲の新規な甘味の非消化性オリゴ糖を生成できるということは明らかであろう。
【0030】
当該方法では、変性オリゴ糖は、同じタイプの未変性オリゴ糖を用いて生成されてもよい。生成の間、変性オリゴ糖の収率は約99%以下であってもよい。しかしながら、収率は、合成条件に応じてより低くなる可能性があり、約95%以下、約90%以下、又は約80%以下であってもよい。
【0031】
本明細書にこれまでに記載されたオリゴ糖のすべては、有利なことに、ヒト又は動物の腸で消化されず、それゆえノンカロリーの、又は実質的にノンカロリーの機能性原料として使用することができる、甘味の天然の健康によい繊維を形成することが示された。これらの甘味の繊維は、マイクロバイオームの多様性をも改善しつつスクロースに類似した甘味を有するがカロリーを有さないか、又は実質的に有さない製品としての有望なバルク砂糖代用品として開発された。
【0032】
上記オリゴ糖は、驚くべきことに、異味(例えば苦味、酸味、かび臭さ、塩味等)が少ないという長所とともにすべての他の試料よりも有意に甘いということが見い出された。
【0033】
本発明者らは、実験を通して、当該プレバイオティック組成物が、広い範囲の食品における有望なバルク砂糖代用品としての、腸内マイクロバイオーム機能性を有する天然の、低カロリーの、甘味の健康によい繊維を提供することを示した。
【0034】
本発明の第4の態様によれば、本明細書中にこれまで記載されたプレバイオティック組成物の、低カロリー又はノンカロリーの甘味のプレバイオティックとしての使用が提供される。当該使用は、食料品の砂糖又はスクロースの含有量のすべて又は一部分を置き換えるためのバルク砂糖代用品原料としてであってもよい。当該組成物が、ある範囲の食料品、フードサプリメント又はカロリー制限の惣菜製品に組み込まれてもよいことは当業者には明らかであろう。
【0035】
本発明の関連する第5の態様によれば、非消化性オリゴ糖の甘味を高める方法であって、1以上の単糖単位を組み込むように、合成の間に、そのオリゴ糖の少なくとも一部分を変性する工程を備える方法が提供される。
【0036】
変性非消化性オリゴ糖の製造方法は、異なる単糖単位を有する非消化性オリゴ糖の酵素による生成が可能になる好適な条件下で、二糖前駆体、ガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼ及び単糖受容体を一緒に混合する工程を備えてもよい。
【0037】
この製造方法では、非消化性オリゴ糖前駆体は、どの非消化性オリゴ糖が生成されることになるかにほぼ依存する。例えば、GOSが生成されることになる場合は、非消化性オリゴ糖前駆体はラクトースを含んでもよい。選ばれるガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼも、生成されることになる非消化性オリゴ糖にほぼ依存する。例えば、GOSが生成されることになる場合は、上記ガラクトシダーゼ又はグリコシダーゼはβ-ガラクトシダーゼであってよい。単糖受容体はいくつかの受容体を含んでもよく、例えば、生成されるべきGOSがフルクトシル化されたGOSである場合には、フルクトースが選ばれてよい。他の非消化性オリゴ糖前駆体、β-グルコシダーゼ及びデキストラスクラーゼ等の他のグリコシダーゼが用いられてもよいことは当業者には明らかであろう。未変性の同じタイプの非消化性オリゴ糖よりも甘い値を有する新規な変性非消化性オリゴ糖を生成するために、スクロース、ラフィノース、ラクチュロース等の他の供与体及び他の単糖受容体が使用されてもよいことも明らかであろう。
【0038】
本発明のいくつかの態様に関して列挙されたオリゴ糖のいくつかの特徴は、同じく記載された組み合わせ及び方法に関して互換的であろうということことは当業者には明らかであろう。
【0039】
本発明の実施形態は、例としてのみ、これより記載される。
【実施例0040】
実施例1 - オリゴ糖の官能プロファイリング
これらの実験の目的は、いくつかのオリゴ糖の甘味及び何らかの異味の強度を決定することであった。
【0041】
試料の調製
以下の市販の製品及び実験的な製品が、Optibiotix Health Ltd(オプティバイオティックス・ヘルス)、ヨーク、英国によって、University of Reading(レディング大学)、Department of Food and Nutritional Sciences(食料・栄養科学科)のSensory Science Centre(感覚科学センター)に供給された:GOS1;GOS2;GOS3;GOS4;OPTI-GOS-Y;ラクチュロース由来のGOS;ラクトース及びラクチュロース。
【0042】
すべての試料は、微生物学的クリアランス試験を受けた。
【0043】
すべての材料を常温で保存した。スクロースは白グラニュー糖(Sainsburys Plc(セインズベリー)、ロンドン、英国)として購入した。水は、Harrogate Spaミネラルウォーター(Harrogate Water Brands(ハロゲイト・ウォーター・ブランド)、ハロゲイト(Harrogate)、英国)であった。
【0044】
すべてのオリゴ糖は、ミネラルウォーター中の5%w/v溶液として調製した。重量は小数点以下3桁まで正確であり、試料はメスフラスコの中で調製した。すべての試料は、水によく分散し容易に可溶化された。スクロース試料は、0.5%w/v、1.0%w/v、2.0%w/v及び2.6%w/vで調製した。
【0045】
官能プロファイリング方法
Sensory Science Centre(感覚科学センター)の訓練を受けた官能パネルを、上記試料の官能プロファイリングのために採用した。6か月~9年の経験を持つ11人のパネリストが存在した。QDA(定量的記述分析)プロファイリングアプローチを採用した。このパネルは、試料セットの開始時に再訓練を受けた。この再訓練は、スクロース標品位置の新しい濃度に対して甘味をパネリストが信頼性高くスコア付けすることができることを確保することに絞り込んだ。
【0046】
評点付けは、隔離された官能評価ブースで、不定式の線尺度(0~100のスケール)を使用して、二重に独立に実施した。しかしながら、甘味についての区別を向上させるために、4つのスクロース試料を標品として使用した。パネルが合意したところによる、これらの試料の各々についての平均値を下記表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
各スコア付け会議の開始時に、パネルは強さが大きくなる順に上記4つの基準試料を味わい、線尺度上のこれらのレベルの甘味の位置決めに自身を再び慣れさせた。基準試料(10mL)は、透明なポリスチレンカップ(30mL)に入れて出された。次いでパネルは、暖かい濾過した水道水及び低塩のクラッカー(Carr’s water crackers)で口直しをし、その後で試料試食会を開始し、各試料スコア付け会議の間に再び同様に口直しをした。
【0049】
無作為の3文字コードで標識した試料を、偏りのない提示順序で継続単一製品式に(シークエンシャルモナディック法により)提示し、1回の会あたり4つの試料を試食した。部屋の空調を23℃に設定して、試料を23~24℃(室温)で出した。
【0050】
パネルは、下記表2に示すように、オリゴ糖試料を規定するために16個の特性を使用した。
【0051】
【表2】
【0052】
パネリストに、5mLの各試料を試食のために与えた。5mLを、プラスチックのシリンジによって透明の試食用カップ(30mL)へと計り取った。パネリストは、試料を慎重に少しずつ飲み、舌の上へと試料を流してから飲み込むことを確実に行った。パネリストは試料の半分を自分の口へと少しずつ運び、最初の6つの特性をスコア付けし、後半の半分は、以下の6つの特性をスコア付けするためのものであった。後作用は30秒の時間遅延後にスコア付けした。
【0053】
データ解析
パネリストをランダム効果として扱い、試料を固定効果として扱い、主効果を評価者相互作用(assessor interaction)によって試料に対して検定する混合モデルANOVAを使用してデータを解析した。フィッシャーのLSDを使用して多重対比較を実施し、有意差を5%のαリスク(p≦0.05)で宣言した。データ解析は、Senpaqソフトウェア(Qi Statistics(キューアイ・スタティクス)、レディング、英国)を使用して実施した。
【0054】
官能プロファイリング結果
ランク付けした11個の特性のうちで、8つは、(上記の表2に示すとおり)試料間で有意に異なった。最も実質的な差は、甘味、異味の強度及び甘い後味(図1~3を参照)にあった。OPTI-GOS-Y(フルクトース誘導のガラクトオリゴ糖、CIAL(CSIC UAM)マドリードにおいて合成、5%w/v)は、すべての他の試料よりも有意に甘かった。OPTI-GOS-Yは、2%スクロース(w/v)標品に等価である76の平均甘味を有していた。最も甘くない試料は、ラクチュロース由来のGOS1、GOS2及びGOS(CIAL(CSIC-UAM)マドリードによって合成)であった。
【0055】
最も強い異味を有する試料はラクチュロース由来のGOSであり、異味は、表2に示すように、苦味、段ボール味/かび臭さ、酸味/酸敗臭及び金属味に起因していた。OPTI-GOS-Y試料は、有意により低い全体的な異味の強度を有しており、この試料における異味は異なる風味に起因しており、実質的に及び有意に高かった唯一の他の特性は綿菓子味であった。
【0056】
スクロース標品は盲検的には評点付けしなかったが、平均の甘味値試料を4つのスクロース標品の甘味値と比較することは有用である。図4は、スクロース標品の甘味についての用量反応曲線を示す。使用した濃度の範囲内で、関係は線形であり、一次回帰式は以下のとおりであった。
甘味=15.5(スクロース)-22.5(R=0.99)
【0057】
この回帰式を使用して、試料の甘味値を等価スクロース(ES)濃度に変換した。これは、平均の甘味評点、及び値±標準偏差について行った。相対甘味(RS)値を算出するために、以下の式を使用した。
RS=1/(5/ES)×100
【0058】
ES及びRSの値は、下記表3に与えられている。
【0059】
【表3】
【0060】
5%オリゴ糖は、すべて0.9%~2%スクロースに(平均で)等価であり、18~40の相対甘味値を導いた。これらの値は、ラクトースについて利用できる文献とは完全には一致しなかった(文献RS 15、算出RS 18~38)。しかしながら、官能パネルはわずか0.5mLの試料で評点付けしていたことに留意する必要がある。
【0061】
結論として、甘味の有意差が、本研究で試験したオリゴ糖について判明した。すべてのオリゴ糖をミネラルウォーター中、5%w/vで調製し、甘味について0.5%w/v、1.0%w/v、2.0%w/v及び2.6%w/vのスクロースの基準によって固定された決められたスケールにそって評点付けした。5%w/vオリゴ糖試料の甘味は、0.9~2%スクロースの範囲にあった。フルクトース誘導のガラクトオリゴ糖は、すべての他の試料よりも有意に甘く、かつ綿菓子味以外の評点付けしたすべての異味においては低かった。
【0062】
OPTI-GOS-Y(GOSとフルクトシル化GOSとの混合)の最適化
この実験は、プレバイオティックとして、GOS(およそ30%)及びフルクトシル化GOS(およそ5%)の混合物を製造することについての可能性のある収率及び好ましい酵素を調べることを目的とした。調べた3種の市販の酵素は、アスペルギルス属を含むある範囲の微生物種に由来するβ-ガラクトシダーゼであった。使用した基質は、ある範囲の比のラクトース及びフルクトースであった。精製は酵母発酵を使用して実施し、乾燥プロセスは凍結乾燥及びロータリーエバポレーターを使用した。
【0063】
図5Aは二糖画分を示し、図5Bは三糖画分を示す。
【0064】
最良の結果は、アスペルギルス属由来のβ-ガラクトシダーゼを用いて得られ、アスペルギルス属由来のβ-ガラクトシダーゼは、より高い収率を示した。これは、プレバイオティック甘味料としてのフルクトシル化されたGOSの最初の報告であると考えられる。甘味値は、他の市販のGOS(その製品は、スクロース(100)と比べて75の甘味値を有する)と比べて高い。
【0065】
代謝活性に対するOPTI-GOSの影響
ヒトの腸内マイクロバイオームの代謝活性に対するOpti-GOS(1%w/v)の影響を、pH及び温度を制御したバッチ式培養液において調べた。有機酸の濃度に対するopti-GOSの影響を、短鎖フラクトオリゴ糖(FUJIFILM Wako Chemicals(富士フイルム和光純薬)、ドイツ)、及び炭水化物陰性対照と比較した。Opti-GOSの合成のために使用した同じ酵素の活性により生成したガラクトオリゴ糖も試験した。
【0066】
新しく排便された糞便試料を、本研究の前に6か月間抗生物質を、そして本研究の前に6週間プレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを摂取しなかった胃腸障害を患っていない5人の健康な成人から得た。
【0067】
無菌の発酵槽(20mL作業容積、Soham scientific(ソーアム・サイエンティフィック)、イーリー(Ely)、英国)に、ペプトン水(Oxoid(オクソイド)、ベージングストーク(Basingstoke)、英国) 2gL-1;酵母エキス(Oxoid、Basingstoke、英国) 2gL-1;NaCl 0.1gL-1;KHPO 0.04gL-1;KHPO 0.04gL-1;MgSO.7HO 0.01gL-1;CaCl.6HO 0.01gL-1;NaHCO 2gL-1;ヘミン 0.05gL-1;システイン.HCl 0.5gL-1;胆汁酸塩 0.5gL-1、ビタミンK1 10μL;Tween 80 2mL(Sigma Aldrich(シグマアルドリッチ))からなる予め還元(脱酸素)した無菌基礎培地を充填し、無酸素のNを注入して、嫌気性条件を確立して維持した。マグネチックスターラーを使用して撹拌を行った。試験する炭水化物(1%w/v)を指定された容器に加え、その直後に、1人の提供者由来の糞便スラリー(嫌気性リン酸緩衝生理食塩水中で調製した10% v/v)を用いて接種した。1人の提供者に対するすべての試験を並行して実施した。発酵温度を循環水槽によって37℃に維持した。自動pH制御装置(Fermac 260;Electrolab(エレクトロラボ)、英国)が、必要に応じて0.5M NaOH及び0.5M HClを添加することにより、培養液のpHを6.7~6.9の範囲内に維持した。発酵を24時間実行し、0時間、5時間、10時間及び24時間で試料を有機酸分析のために抜き取った。
【0068】
有機酸(OA)濃度は、Richardsonら(1989)によって記載された方法に基づいて、2-エチル酪酸を内部標準として使用して、水素炎イオン化検出器(GC-FID)を備えるガスクロマトグラフィーによって決定した。水素炎イオン化検出器(FID)及び0.25μmコーティング(架橋(5%-フェニル)-メチルポリシロキサン、Hewlett Packard(ヒューレットパッカード)、英国)を備えるHP-5MSカラム(30m×0.25mm)を備えるガスクロマトグラフ分析器(Agilent(アジレント)/HP 6890)をSCFA測定のために使用した。ヘリウムを、1.7mL/分の流量(ヘッド圧力133KPa)でキャリアガスとして使用した。オーブンの初期温度を63℃に設定し、次いで190℃まで15℃/分の温度勾配が続き、この温度でオーブンを3分間保持した。100:1のスプリット比を使用した。クロマトグラムにおけるOAの出現を、それぞれの市販のOA標品(乳酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸)(Sigma-Aldrich(シグマアルドリッチ)、英国)の保持時間に基づいて確認した。
【0069】
Opti-GOSは、5時間の発酵からのベースラインと比べて有意により高い酢酸のレベルを媒介することが判明した。酢酸濃度は、どの時間点においても陰性対照と比べて有意に高く、プレバイオティック陽性対照及びGOSの酢酸濃度と同等であった(下記表4に示すとおり)。
【0070】
プロピオン酸濃度は、10時間及び24時間の発酵において陰性対照と比べて有意に高く、GOS及び陽性対照によって観察されたレベルと同等であった。
【0071】
同様に、酪酸は、発酵の5時間から増加し、陰性対照と比べて有意に高く、プレバイオティック対照及びGOSのパターンと同様のパターンを示した。
【0072】
乳酸は、発酵の5時間及び10時間で、陰性対照と比べて有意に高いレベルで有意に増加し、プレバイオティック対照及びGOSと同様のパターンに従った。乳酸は発酵中間体であり、これは、腸内マイクロバイオームの他のメンバーによる交差摂取を通して迅速に利用される。乳酸は、生成速度が利用速度と比べて大きいとき、培養液中に蓄積し、それはオリゴ糖の糖分解の間に観察される迅速な腸内マイクロバイオーム発酵速度の特徴である。これは、opti-GOSが、FOS及びGOS等の他のプレバイオティックオリゴ糖について十分に確立された挙動に従って迅速に発酵されることを示す。
【0073】
全体として、opti-GOSを発酵させたときの腸内マイクロバイオームの代謝活性は、発酵反応速度論及び特定の有機酸産生の両方の点で、プレバイオティック陽性対照(FOS)及びGOSの代謝活性と同様であった。Opti-GOSは、市販のプレバイオティクスと同様に振舞い、ヒトの腸内マイクロバイオームの代謝活性に対する影響は、オリゴ糖の糖分解には特徴的である。それらはすべて、酢酸を有意に増加させただけでなく、コレステロール産生、食欲調節、密着結合完全性及び免疫調節において重要な役割を有する有機酸であるプロピオン酸及び酪酸も有意に増加させた。
【0074】
【表4】
【0075】
上記の実施形態は、特許請求の範囲によって与えられる保護範囲を限定することを意図しておらず、本発明が実施されてもよい方法の例を記載することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【外国語明細書】