(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005975
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】検査ユニット格納装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/00 511Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106485
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】董 浙广
(72)【発明者】
【氏名】坂田 博史
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022BB09
3F022CC02
3F022DD06
3F022EE05
3F022FF21
3F022KK11
3F022LL12
3F022LL14
3F022LL38
3F022MM01
3F022MM11
3F022MM51
3F022PP06
(57)【要約】
【課題】検査ユニットの保管及び運用を適切に行い易い検査ユニット格納装置の実現。
【解決手段】天井に沿って配置された軌道を走行する天井搬送車によって搬送される検査ユニット5を格納する検査ユニット格納装置1であって、検査ユニット5が格納される格納部12を備えた本体11と、本体11の下部に取り付けられ、本体11を移動自在に支持するキャスタ15と、本体11の上面11aに設けられ、検査ユニット5が載置される載置部18と、を備え、格納部12に、検査ユニット5の位置決め及び下側からの支持を行う第1支持部材30が設けられ、載置部18に、検査ユニット5の位置決め及び下側からの支持を行う第2支持部材40が設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に沿って配置された軌道を走行する天井搬送車によって搬送される検査ユニットを格納する検査ユニット格納装置であって、
前記検査ユニットが格納される格納部を備えた本体と、前記本体の下部に取り付けられ、前記本体を移動自在に支持するキャスタと、前記本体の上面に設けられ、前記検査ユニットが載置される載置部と、を備え、
前記格納部に、前記検査ユニットの位置決め及び下側からの支持を行う第1支持部材が設けられ、
前記載置部に、前記検査ユニットの位置決め及び下側からの支持を行う第2支持部材が設けられている、検査ユニット格納装置。
【請求項2】
前記検査ユニットを格納した状態の前記格納部と前記載置部とが、上下方向視で重複するように配置されている、請求項1に記載の検査ユニット格納装置。
【請求項3】
前記格納部は、前記第1支持部材を支持する支持体と、前記支持体をスライド移動させるスライド機構とを備え、
前記スライド機構は、前記支持体が前記本体の内部に収容された収容状態と、前記支持体が前記本体の外部に突出した突出状態とに、前記支持体を状態変更自在とするように構成されている、請求項2に記載の検査ユニット格納装置。
【請求項4】
前記第1支持部材が防振用の弾性部材であり、又は、前記第1支持部材が防振用の弾性部材を介して前記格納部に支持されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の検査ユニット格納装置。
【請求項5】
前記第2支持部材が防振用の弾性部材であり、又は、前記第2支持部材が防振用の弾性部材を介して前記載置部に支持されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の検査ユニット格納装置。
【請求項6】
前記本体は、前記検査ユニットによる検査を行う場合に用いられる検査補助部材が格納される第2格納部を更に備え、
前記第2格納部に、前記検査補助部材の位置決め及び下側からの支持を行う第3支持部材が設けられ、
前記第2格納部は、前記検査補助部材を格納した状態において、前記格納部及び前記載置部の双方と上下方向視で重複するように配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の検査ユニット格納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に沿って配置された軌道を走行する天井搬送車によって搬送される検査ユニットを格納する検査ユニット格納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2018-104150号公報(特許文献1)には、複数の処理装置との間で物品を搬送する天井搬送車を備えた物品搬送設備が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の物品搬送設備(F)では、天井搬送車(V)が備える移載装置(T)により、天井搬送車(V)と複数の処理装置(P)の各ポート(物品支持部RP)との間で物品(W)の移載動作が行われる。また、特許文献1の物品搬送設備(F)では、各ポートに対して物品(W)の移載が適切に行われるように、学習用支持装置(1)を用いて、移載装置(T)による移載動作の学習が行われる。この学習用支持装置(1)は、基準支持部(40)が水平面に沿う展開姿勢と、基準支持部(40)が上下方向に沿う折り畳み姿勢とに姿勢変更自在に構成されており、物品搬送設備(F)内に設置されている。そして、学習用支持装置(1)を使用しない場合には、展開姿勢から折り畳み姿勢に姿勢変更することで、学習用支持装置(1)の占有スペースを小さくして、その設置スペースを有効活用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の物品搬送設備(F)では、移載装置(T)による移載動作の学習を行う場合、検査ユニット(検査装置I)を、天井搬送車(V)から基準支持部(40)へ移載する動作が行われる。この検査ユニットには、カメラ(IA)や画像処理装置(IB)等の精密機器が内蔵されている。このため、検査ユニットを使用しない場合は、検査ユニットを外部の振動や塵埃等から保護するように保管する必要がある。また、検査ユニットを使用する場合には、検査ユニットが落下等の衝撃により破損しないようにしつつ、学習用支持装置(1)が設置された場所に検査ユニットを運んだり、検査ユニットを天井搬送車(V)に保持させたりする必要がある。このように、作業者等は、使用しない場合には検査ユニットを適切に保管しつつ、使用する場合には検査ユニットを慎重に取り扱いながら作業を行う必要があるが、特許文献1にはこの点について言及されていない。
【0006】
そこで、検査ユニットの保管及び運用を適切に行い易い検査ユニット格納装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る検査ユニット格納装置は、天井に沿って配置された軌道を走行する天井搬送車によって搬送される検査ユニットを格納する検査ユニット格納装置であって、
前記検査ユニットが格納される格納部を備えた本体と、前記本体の下部に取り付けられ、前記本体を移動自在に支持するキャスタと、前記本体の上面に設けられ、前記検査ユニットが載置される載置部と、を備え、
前記格納部に、前記検査ユニットの位置決め及び下側からの支持を行う第1支持部材が設けられ、
前記載置部に、前記検査ユニットの位置決め及び下側からの支持を行う第2支持部材が設けられている。
【0008】
本構成によれば、検査ユニットを使用しない場合には、検査ユニットを格納部に格納しておくことで、検査ユニットを検査ユニット格納装置の本体により保護しつつ保管することができる。検査ユニットを使用する場合には、キャスタを利用して本体を移動することで、検査ユニットを保護しつつ、検査ユニットを使用する位置まで当該検査ユニットを搬送することができる。また、検査ユニットを格納部から取り出して載置部に置くことにより、例えば、天井搬送車により載置部上の検査ユニットを保持させたり、作業者等により検査用のポートに検査ユニットを載せたりする等の作業を安全かつ容易に行うことができる。そして、検査ユニットを使用した後は、作業をした場所で検査ユニットを格納部に格納して保護できるため、例えば、検査ユニットを持ち運ぶ途中で落下させる等のような事態を回避し易くできる。
このように、本構成によれば検査ユニットの保管及び運用を適切に行い易くできる。
【0009】
検査ユニット格納装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】天井搬送車が物品を搬送している状態を示す物品搬送設備の側面図
【
図2】天井搬送車が検査ユニットを搬送している状態を示す物品搬送設備の側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、検査ユニット格納装置1を物品搬送設備2に適用した実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、物品搬送設備2は、物品Wを吊り下げ支持した状態で搬送する天井搬送車4と、物品Wに収容された収容物に対して処理を行う処理装置7と、天井搬送車4によって搬送される検査ユニット5と、検査ユニット5を格納する検査ユニット格納装置1と、を備えている。天井搬送車4は、天井に沿って配置された軌道3を走行して、物品Wを搬送する。軌道3に沿ってレールRが設けられており、天井搬送車4は、レールRに案内されて走行するように構成されている。すなわち、レールRによって、天井搬送車4の軌道3が形成されている。具体的には、
図1及び
図2に示すように、レールRは、天井から吊り下げ支持される状態で天井に固定されている。軌道3に沿って一対のレールRが設けられている。
【0012】
物品搬送設備2には、処理装置7が複数設けられている(
図1及び
図2の例では、そのうちの1つのみを示している)。複数の処理装置7のそれぞれは、ポート7aを備えている。ポート7aには、処理装置7による処理対象の物品Wが搬出入される。そして、天井搬送車4は、軌道3におけるポート7aに対応する位置で停車して、当該ポート7aとの間で物品Wの受け渡しを行う。軌道3(具体的にはレールR)は、各処理装置7のポート7aの真上を天井搬送車4が通るように配置されている。天井搬送車4は、移載先のポート7aの真上で停車して、物品Wを昇降させることで、ポート7aとの間で物品Wを受け渡しできるように構成されている。なお、搬送対象の物品Wとして、半導体基板を収容する容器(FOUP:Front Opening Unified Pod)が用いられている。
【0013】
上述したように、本実施形態では、天井搬送車4は、天井側に設けられたレールRに沿って走行する。具体的には、
図1及び
図2に示すように、天井搬送車4は、レールR上を転動する走行輪44aを備えてレールRに沿って走行する走行部44と、走行部44に吊り下げ状態で支持されてレールRよりも下側に位置する本体部46と、を備えている。本体部46は、物品Wを保持可能な昇降体46bと、昇降体46bを昇降させる昇降機構46cとを備えている。昇降機構46cは、昇降体46bを吊り下げ支持する索状体46aが巻回された巻回体を、正方向又は逆方向に回転させて索状体46aを巻き取り又は繰り出すことで、昇降体46bを走行部44に対して昇降させるように構成されている。具体的には、昇降機構46cは、天井搬送車4の走行時の高さ(本実施形態では、昇降体46bが本体部46のカバー内に位置する高さ)である第1高さと、第1高さよりも低い高さであって昇降体46bと物品Wの移載対象箇所(ポート7a)との間で物品Wを受け渡す高さである第2高さとの間で、昇降体46bを昇降させる。昇降体46bは、ポート7aに物品Wを引き渡す場合は、第2高さにおいて、物品Wの保持を解除する。また、昇降体46bは、ポート7aから物品Wを受け取る場合は、第2高さにおいて、ポート7a上の物品Wを保持する。このようにして、天井搬送車4は、ポート7aとの間で物品Wの受け渡しを行う。
【0014】
図2に示すように、検査ユニット5は、天井に沿って配置された軌道3を走行する天井搬送車4によって搬送される。本実施形態では、天井搬送車4の昇降体46bは、物品Wに代えて検査ユニット5を保持可能に構成されている。そして、検査ユニット5は、昇降体46bに保持された状態で、天井搬送車4により搬送される。ここで「搬送」とは、天井搬送車4が軌道3(ここではレールR)を走行することで昇降体46bに保持された物品Wや検査ユニット5が移動すること以外に、天井搬送車4が停車した状態で、昇降体46bが昇降することで、物品Wや検査ユニット5が上下方向に移動することを含んでいる。以下では、この検査ユニット5について説明する。
【0015】
本実施形態では、検査ユニット5は、天井搬送車4の移載動作に係る検査に用いられる。検査ユニット5を用いた検査の結果は、例えば、天井搬送車4の移載動作の学習に用いられる。検査ユニット5は、物品Wの移載対象箇所(ここでは、ポート7a)に対する昇降体46bの水平方向のずれ量を計測するために用いられる。
図3、
図5、及び
図10に示すように、検査ユニット5は、ユニット本体部5aとユニット本体部5aを下方から支持する足部5bと、後述する第1支持部材30及び第2支持部材40と係合可能な係合部50と、を備えている。ユニット本体部5aには、天井搬送車4の昇降体46bにより保持される被保持部5cが設けられている。また、ユニット本体部5aには、複数の機器Tが内蔵されている。複数の機器Tには、例えば、撮像方向を下向きとする撮像装置、当該撮像装置が撮像した情報の画像処理及び画像を出力する画像処理装置、ポート7aとの距離を計測するレーザ距離センサ、及び天井搬送車4との間で各種情報を送受信するための無線通信機器、バッテリー等が含まれる。図示の例では、検査ユニット5は、複数の足部5bを備えている。そして、複数の足部5bのうちの1つが、係合部50としての機能を果たしている。
【0016】
図2の例では、予めポート7aに検査用プレート6aが載置されている。また、天井搬送車4の昇降体46bは、検査ユニット5を保持している。昇降機構46cは、昇降体46bを、上記第1高さから、第1高さよりも低い高さであって上記第2高さよりも規定距離だけ高い第3高さに下降させる。昇降体46bが第3高さにある状態で、検査ユニット5の撮像装置が検査用プレート6aを上方から撮像する。そして、撮像装置が撮像した情報に基づいて、ポート7aに対する昇降体46bの水平方向のずれ量が計測される。ポート7aには、物品W及び検査用プレート6aを適正支持位置で支持するための複数のピンが設けられており、検査用プレート6aは、これら複数のピンに係合してポート7aに載置される。すなわち、検査用プレート6aがポート7aの適正支持位置に位置する状態で撮像が行われる。従って、ポート7aに対する昇降体46bの水平方向のずれ量が正確に計測される。なお、昇降体46bによる検査ユニット5の保持動作や保持解除動作は、昇降体46bが第2高さにある状態で行われる。
【0017】
上記のように、検査ユニット5を用いたずれ量の計測等を行う場合、作業者等は、検査ユニット5を保管場所から取り出して対象となるポート7aの設置場所に運ぶ作業を行う。この検査ユニット5には、上記のように機器Tとして、撮像装置、画像処理装置、レーザ距離センサ、無線通信機器等の精密機器が内蔵されている。従って、作業者等は、検査ユニット5を落下等による衝撃で破損しないように慎重に扱いつつ上記のような作業を行う必要がある。また、使用した後の検査ユニット5を片付ける(例えば、保管場所に移動させる)作業を行う場合も同様である。従って、例えば、作業者等が検査ユニット5を手に取って持ち運びするような作業を極力減らすことで、作業者等は、検査ユニット5の保管及び運用を行い易くできる。
【0018】
上記の点に鑑みて、本実施形態では、検査ユニット格納装置1が用いられている。以下では、検査ユニット格納装置1について説明する。また、本例では、水平面に沿うと共に検査ユニット5を検査ユニット格納装置1の本体11に対して出し入れする方向を第1方向Xとし、検査ユニット5を本体11の第1格納部12に対して出し入れする側を第1方向第1側X1とし、その反対側を第1方向第2側X2とする。また、上下方向視で第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとする。
【0019】
図3及び
図5に示すように、検査ユニット格納装置1は、検査ユニット5が格納される第1格納部12を備えた本体11と、本体11の下部に取り付けられ、本体11を移動自在に支持するキャスタ15と、本体11の上面11aに設けられ、検査ユニット5が載置される載置部18と、を備えている。これにより、作業者等は、検査ユニット5を第1格納部12に格納して保護した状態で移動させたり、検査ユニット5を載置部18に載置した状態で移動させたりできる。なお、第1格納部12が「格納部」に相当する。
【0020】
本実施形態では、
図3、
図4、
図5、及び
図7に示すように、キャスタ15は、本体11の下部(ここでは下面11b)に複数取り付けられており、本体11を下側から支持している。防振機構15bを備えないキャスタ15を用いることもできるが、本実施形態では、キャスタ15は、床面を転動する車輪15aと防振機構15bとを備えている。車輪15aは、防振機構15bを介して本体11に支持されている。これにより、例えば、検査ユニット格納装置1の移動により振動が生じた場合でも、防振機構15bによりその振動が吸収されるため、本体11に伝わる振動を低減できる。従って、第1格納部12に格納されている検査ユニット5や、載置部18に載置された検査ユニット5に伝わる振動や、第2格納部17に格納されている第1検査補助部材6に伝わる振動等を低減できる。なお、本例では、防振機構15bとしてバネが用いられている。図示の例では、キャスタ15は、下面11bに4つ取り付けられており、本体11を下側から安定的に支持している。
【0021】
また、本実施形態では、
図2から
図4、
図6、及び
図7に示すように、検査ユニット格納装置1は、本体11に取り付けられ、作業者等が把持して本体11を押し引き操作するための操作ハンドル14を更に備えている。操作ハンドル14は、本体11の上部に取り付けられている。また、操作ハンドル14は、本体11において、第1格納部12に検査ユニット5を出し入れする側(後述する扉体16が配置されている側)に設けられている。このため作業者等は、本体11を移動させる場合、扉体16に対向する位置で操作ハンドル14を押し引き操作する。図示の例では、操作ハンドル14は、載置部18を介して本体11に取り付けられている。すなわち、操作ハンドル14は、載置部18の第1方向第1側X1の端部に固定されている。この操作ハンドル14は、作業者等が把持して押し引き操作する棒状の部材を備えている。棒状の部材は、第2方向Yに沿うように配置されている。
【0022】
本実施形態では、
図3、
図5から
図7に示すように、載置部18には、検査ユニット5が載置される載置面18aが形成されている。そして、載置面18aは、検査ユニット5に加えて物品Wを載置可能に構成されている。載置面18aに載置された物品Wは、例えば、検査ユニット5による検査結果に基づく移載動作の学習結果の良否を判定するために用いられる。載置面18aは、水平面に沿う平面状に形成されており、検査ユニット5と物品Wとを第1方向Xに並べて載置させることができる。図示の例では、載置部18は、上方が開口した箱型の形状とされている。そして、載置面18aは、本体11(より詳細には、筐体13の上面部13a)の上面11aに形成されている。なお、載置面18aは、上記本体11とは異なる部材で構成されていても良い。例えば、載置部18は検査ユニット5を載置可能な載置部材を備えており、載置部材の上側を向く面に載置面18aが形成されている構成とすることもできる。この場合、載置部材は、上面11aに設けられると好適である。なお、本実施形態では、本体11は、上面11aよりも上側に、上下方向視で上面11aと重複するような構成を備えていない。そのため、上面11aに形成された載置面18aを移動先又は移動元とする検査ユニット5の移動を行い易い。本実施形態では、天井搬送車4の昇降体46bによる検査ユニット5の保持動作や保持解除動作は、ポート7a(例えば、検査対象のポート7a)において行われる。そのため、載置面18aとポート7aとの間での検査ユニット5の移動は、作業者等により行われる。このような構成とは異なり、天井搬送車4の昇降体46bによる検査ユニット5の保持動作や保持解除動作が、載置面18aにおいて行われる構成とすることもできる。この場合、天井搬送車4が、載置面18aと検査対象のポート7aとの間で検査ユニット5を搬送する。
【0023】
図3及び
図6に示すように、載置部18に、検査ユニット5の位置決め及び下側からの支持を行う第2支持部材40が設けられている。本実施形態では、第2支持部材40は、載置面18aに設けられている。第2支持部材40は、検査ユニット5と係合する第2被係合部41を備えている。そして、検査ユニット5と第2被係合部41とが係合することで、検査ユニット5の載置面18aに対する位置決めが行われる。第2支持部材40は、検査ユニット5の係合部50と第2被係合部41とが係合するように構成されている。従って、第2被係合部41は、検査ユニット5の係合部50に応じた大きさ及び形状に形成されている。第2被係合部41は、係合部50が係合可能な第2凹部41aを有しており、第2凹部41aは、第2支持部材40の表面(ここでは上面)から下方に窪むように形成されている。図示の例では、第2支持部材40は、載置面18aとしての上面11aに設けられている。また、図示の例では、係合部50が第2凹部41aに上方から嵌め込まれることで、検査ユニット5の位置決め及び下側からの支持が行われる。なお、本例では、第2支持部材40は樹脂ブロックであるが、例えば、第2支持部材40は、金属製であっても良い。また、第2支持部材40は、載置部18に複数設けられていても良い。検査ユニット格納装置1に揺れが生じた場合、キャスタ15の防振機構15bにより振動が吸収されるため、本体11及び載置部18に伝わる振動が低減される。よって、第2支持部材40に支持された検査ユニット5に伝わる振動を低減できる。
【0024】
図3及び
図6の例では、第2支持部材40は、載置面18aの第2方向Yの端部に設けられている。また、第2支持部材40は、本体11に対して検査ユニット5や後述する第1検査補助部材6等を出し入れする側(扉体16が配置されている側)から離間して配置されている。すなわち、第2支持部材40は、載置面18aの第1方向Xの中央領域よりも第1方向第2側X2に配置されている。従って、載置面18aにおいて、検査ユニット5が、扉体16がある側から比較的遠い位置に配置され、物品Wが、扉体16に近い側に配置される。このように、図示の例では、検査ユニット5は、載置部18において、物品Wに対して第1方向第2側X2に配置される。そして、後述するように、本実施形態では、載置部18に対して第1方向第2側X2には、作業台9が設けられている。そのため、検査ユニット5が物品Wに対して第1方向第2側X2に配置されるようにすることで、作業台9に近づけて検査ユニット5を載置部18に配置することができ、作業者による作業台9を用いた検査ユニット5に対する作業を行い易くできる。例えば、作業者は、作業台9に配置された装置(パーソナルコンピュータ等)を通信ケーブル等で載置部18上の検査ユニット5に接続して、検査結果の情報を検査ユニット5から取得する。なお、図示の例では、検査ユニット5と物品Wとを、同一平面上に並べて配置する構成としたが、例えば、上下方向に異なる平面上に並べて配置する構成としても良い。また、載置面18aに検査ユニット5や物品Wを複数載置できる構成としても良い。
【0025】
載置部18に検査ユニット5を載置する場合として、例えば次のようなケースが考えられる。作業者が、第1格納部12から取り出した検査ユニット5を一時的に載置部18に載置して、異なる作業を行うことがある。また、特定の処理装置7のポート7aに対する検査が完了し、異なる処理装置7に移動してポート7aに対する検査を続ける場合に、作業者は、検査ユニット5を第1格納部12に戻さずに、載置部18に載置した状態で検査ユニット格納装置1を次の検査場所へ移動させることがある。このように、作業者等による作業の合間や、異なるポート7aに対して継続して検査を行う場合に、載置部18に検査ユニット5を載置することで、作業者等の作業の手間が軽減可能となる。
【0026】
図3から
図5に示すように、本体11は、検査ユニット5や後述する第1検査補助部材6等を外部の振動や塵埃等から保護しつつ保管する役割を果たす。以下では、本体11の具体的な構成について説明する。
【0027】
本実施形態では、
図3及び
図5に示すように、本体11は、第1格納部12に加えて、第2格納部17と第3格納部19と扉体16とを更に備えている。また、本体11は、上面部13aと底面部13bと側面部13cとを備えている。そして、本体11は、上面部13a、底面部13b、及び側面部13cにより前側(ここでは第1方向第1側X1)が開口した箱状の筐体13とされている。本実施形態では、第1格納部12、第2格納部17、及び第3格納部19は、本体11の内部(すなわち、筐体13内)に配置されている。
図3及び
図5の例では、第1格納部12、第2格納部17、及び第3格納部19は、筐体13の内部において上下方向に並ぶように配置されている。そして、これら3つの格納部は、上から順に第3格納部19、第2格納部17、第1格納部12となるように配置されている。以下では、本体11の内部における、これら格納部の配置場所を上から順に上段、中段、下段と表すことがある。なお、本実施形態では、第1格納部12と第2格納部17と第3格納部19との3つの格納部を本体11の内部に配置する構成としているが、このような構成に限定されない。本体11の内部には、第1格納部12のみが配置される構成としてもよいし、第1格納部12と第2格納部17との2つの格納部が配置される構成としてもよい。また、本体11の内部には、少なくとも第1格納部12を含めた、4つ以上の種々の用途に応じた格納部が配置される構成としてもよい。
【0028】
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、扉体16は、第1格納部12と第2格納部17とを開閉するように構成されている。扉体16を閉めた状態(閉状態)にすることで、第1格納部12に格納される検査ユニット5と、第2格納部17に格納される後述の第1検査補助部材6とを本体11の外部から保護できる。扉体16は、閉状態において、第1格納部12と第2格納部17とが配置された領域における本体11の上記開口部分を覆うように配置されている(
図4参照)。図示の例では、扉体16は、側面部13cの第1方向第1側X1(本体11の開口側)の端部に対して上下軸心回りに回転可能に支持されている。具体的には、扉体16は、ヒンジ(不図示)を介して側面部13cに取り付けられている。すなわち、扉体16は、片開きの扉として構成されている。扉体16の表面には、作業者等が扉体16を開閉するための第1把持部16aが取り付けられている。また、本体11は、扉体16を閉状態に固定するためのロック機構20を備えている(
図4参照)。これにより、扉体16が意図せず閉状態から開状態に変化することを回避できる。なお、図示の例では、ロック機構20は、南京錠を備えた構成となっているが、例えば、電磁ロックを備えた構成としても良いし、単に留め金が設けられている構成としても良い。また、扉体16は、いわゆる観音扉として構成されていても良い。
【0029】
本実施形態では、
図3から
図7に示すように、本体11に、第2検査補助部材8を着脱自在に保持する保持部51が設けられている。第2検査補助部材8としては、例えば、第1格納部12、第2格納部17、及び第3格納部19に格納できない大きさの部材や機器等が挙げられる。保持部51は、本体11の側面11c(ここでは側面部13cの表面)に設けられている。
図3から
図7の例では、複数の保持部51が側面部13cに設けられている。そして、第2検査補助部材8として、天井搬送車4の通行規制板8aと、通行規制板8aを持ち上げて一対のレールRに取り付けるための一対の棒状部材8bとが保持部51に保持されている。通行規制板8aは、例えば、特定の処理装置7のポート7aに対する昇降体46bのずれ量を計測する作業を行う場合に、当該作業とは無関係の天井搬送車4が、作業の対象となるポート7aの周辺の軌道3を走行しないようにするための部材である(
図2参照)。軌道3を走行中の天井搬送車4は、前方の通行規制板8aを検出すると、当該通行規制板8aの手前で停車するように構成されている。このように、本体11内に収納できないような部材であっても、側面11cの保持部51で保持できる。従って、検査ユニット5を使用する場合には、第2検査補助部材8を検査ユニット5とまとめて作業場所に移動させることができる。また、検査ユニット5を使用しない場合には、保持部51で保管できる。このため、作業者の作業の手間を軽減することができる。図示の例では、保持部51は、第1保持部51aと第2保持部51bとを備えている。第1保持部51aは、第2検査補助部材8としての通行規制板8aを保持し、第2保持部51bは、第2検査補助部材8としての棒状部材8bを保持するように構成されている。このように、保持部51は、複数種類の第2検査補助部材8を保持できるように構成されていると好適である。
【0030】
本実施形態では、
図2、
図3、
図6、及び
図7に示すように、本体11に、可動式の作業台9が設けられている。また、作業台9は、展開状態で載置部18に隣接する位置に配置された水平面を形成し、格納状態で本体11の側面11cに沿う姿勢となるように構成されている。作業台9は、本体11の背面部13dに取り付けられている。また、作業台9は、折り畳み式に構成されている。作業台9を格納状態から展開状態とすることで、載置部18に対して第1方向第2側X2に、作業者等が作業する場所を作り出すことができる。すなわち、検査ユニット5による検査を行う場合に作業者が各種の作業を行う場所を、検査ユニット格納装置1により容易に作り出すことができる。また、作業台9は、格納状態で本体の側面11cに沿う姿勢となるため、本体11にこのような作業台9を設けても、検査ユニット格納装置1の大型化を抑え易くできる。
【0031】
図2及び
図6に示すように、作業台9は、作業本体部9aと姿勢変更機構9bとを備えている。作業本体部9aは、作業台9の展開状態で水平面に沿う板状部材であり、作業本体部9aの上面に水平面が形成される。姿勢変更機構9bは、展開状態で作業本体部9aを水平に支持すると共に、作業本体部9aと係合するように構成されている。そして、姿勢変更機構9bによる上記支持を解除することで、作業本体部9aは、側面11c(ここでは背面部13dの表面)に沿う姿勢に姿勢変更する。すなわち、作業台9は展開状態から格納状態に状態変化する。なお、作業台9は、着脱自在に本体11に設けられる構成としても良い。
【0032】
本実施形態では、
図3から
図5、
図7、及び
図8に示すように、第3格納部19は、第3支持体19aと、第3支持体19aをスライド移動させる第3スライド機構19bとを備えている。そして、第3スライド機構19bは、第3支持体19aが本体11の内部に収容された収容状態と、第3支持体19aが本体11の外部に突出した突出状態とに、第3支持体19aを状態変更自在とするように構成されている。第3支持体19aは、第1方向Xにスライド自在に構成されている。第3支持体19aは、第3スライド機構19bを介して本体11(ここでは側面部13c)に支持されている。図示の例では、第3格納部19は、引き出し式の格納部である。第3支持体19aは上方が開口した箱型の部材である。そして、第3支持体19aの前板部19cには、第3支持体19aの引き出し操作を行うための第2把持部19dが設けられている。また、第3スライド機構19bは、一対のスライドレールである。なお、第3格納部19には、筆記用具や書類や工具等が格納される。
【0033】
本実施形態では、
図3、
図5及び
図9に示すように、第2格納部17には、検査ユニット5による検査を行う場合に用いられる第1検査補助部材6が格納される。第2格納部17は、複数種類の第1検査補助部材6を格納可能に構成されている。
図9の例では、複数種類の第1検査補助部材6は、検査用プレート6a、天井搬送車4に取り付けられる無線通信機器6b、及び位置決め用調整ブロック6cとされている。なお、第1検査補助部材6は、「検査補助部材」に相当する。
【0034】
図5及び
図9に示すように、第2格納部17は、第1検査補助部材6を下側から支持する第2支持体17aと、第2支持体17aをスライド移動させる第2スライド機構17bとを備えている。そして、第2スライド機構17bは、第2支持体17aが本体11の内部に収容された収容状態と、第2支持体17aが本体11の外部に突出した突出状態とに、第2支持体17aを状態変更自在とするように構成されている。第2支持体17aは、第1方向Xにスライド可能に構成されている。そして、第2支持体17aは、第2スライド機構17bを介して本体11に支持されている。また、第2支持体17aには、第1検査補助部材6を載置して支持する第2支持面71aが形成されている。図示の例では、第2支持体17aは、第2支持部71を備えている。第2支持部71は水平面に沿う板状部材であり、第2支持部71の上面に第2支持面71aが形成されている。また、第2スライド機構17bは、一対のスライドレールであり、第2支持部71の第2方向Yの両外側にそれぞれ配置されている。そして、第2支持体17aは、一対のスライドレールを介して本体11(ここでは第2方向Yに向かい合うそれぞれの側面部13c)に接続されている。
図3及び
図9の例では、第2支持部71の第1方向第1側X1の端部に、作業者等が第2支持体17aを本体11に対して出し入れするための第2取手部72が設けられている。
【0035】
また、本実施形態では、
図3及び
図5に示すように、第2格納部17は、第1検査補助部材6を格納した状態において、第1格納部12及び載置部18の双方と上下方向視で重複するように配置されている。上記のように、第2格納部17は、第2支持体17aの収容状態において、第1格納部12、第3格納部19、及び載置部18と上下方向視で重複する。すなわち、収容状態であれば、第1検査補助部材6を格納しているか否かに拘らず、これらと上下方向視で重複する。図示の例では、第2格納部17は、本体11の内部(ここでは筐体13内)の中段に配置されている。すなわち、第2格納部17は、筐体13内において、第3格納部19よりも下側且つ第1格納部12よりも上側の位置で、これらと上下方向視で重複する。なお、本明細書において「重複する」とは、少なくとも一部で重複することを意味する。
【0036】
本実施形態では、
図5及び
図9に示すように、第2格納部17に、第1検査補助部材6の位置決め及び下側からの支持を行う第3支持部材80が設けられている。第3支持部材80は、第2支持体17aに設けられている。第3支持部材80は、複数種類の第1検査補助部材6の位置決め及び下側からの支持が可能に構成されている。第3支持部材80は、第1検査補助部材6と係合する複数の第3被係合部81を備えている。第3被係合部81は、第1検査補助部材6が係合可能な第3凹部81aを有しており、当該第3凹部81aは、第3支持部材80の表面(ここでは上面)から下方に窪むように形成されている。第3凹部81aは、第2格納部17に格納する第1検査補助部材6の種類に応じた大きさ及び形状で形成されている。第1検査補助部材6(或いは、第1検査補助部材6の係合部)が第3凹部81aに上方から嵌め込まれることで、第1検査補助部材6の位置決めが行われる。
図9の例では、第2支持面71aに第3支持部材80が設けられている。そして、第3支持部材80には、検査用プレート6aの下面に形成された係合部の形状及び大きさに応じた第3凹部81aと、位置決め用調整ブロック6cの形状及び大きさに応じた第3凹部81aとが形成されている。ここでは、第3支持部材80は、樹脂材を用いて成形されている。なお、
図9の例では、第2格納部17には、精密機器は格納されないため、防振機能を備えた部材を設けてはいない。しかし、第2格納部17に格納する第1検査補助部材6の種類によっては、防振機能を備えた部材等を第2支持面71aに設けることもできる。また、第3支持部材80自体を、防振用の弾性部材とすることもできる。
【0037】
図5及び
図9の例では、第2支持面71aに、第4支持部材85が更に設けられている。第4支持部材85は、板状部材で構成されており、第2支持面71aから上方に延在するように配置されている。第4支持部材85の上端には、上方及び第1方向Xに切り欠かれた第4被係合部91としての切欠き部が複数形成されている。そして、第1検査補助部材6としての無線通信機器6bの係合部が第4被係合部91(ここでは切欠き部)に係合することで、第1検査補助部材6の位置決めが行われている。ここでは、第4支持部材85は金属製である。なお、第4支持部材85の形状、大きさ、及び材質等は、第1検査補助部材6の種類、大きさ、及び形状等に応じて適宜変更可能である。例えば、第4支持部材85は、防振機能を備えた弾性部材としても良い。また、第4被係合部91と第1検査補助部材6とが係合する機構についても、第1検査補助部材6の種類、大きさ、及び形状等に応じて適宜変更可能であると好適である。
【0038】
図3、
図5、
図10、
図11に示すように、本実施形態では、第1格納部12は、第1支持部材30を支持する第1支持体21と、第1支持体21をスライド移動させる第1スライド機構25とを備えている。そして、第1スライド機構25は、第1支持体21が本体11の内部に収容された収容状態と、第1支持体21が本体11の外部に突出した突出状態とに、第1支持体21を状態変更自在とするように構成されている。第1スライド機構25が、側面部13cに取り付けられている。そして、第1支持体21は、第1スライド機構25を介して本体11に支持されている。また、第1支持体21には、検査ユニット5を載置して支持する第1支持面22aが形成されている。具体的には、第1支持体21は、第1支持部22と基部23とを備えており、第1支持部22に第1支持面22aが形成されている。第1支持部22は、基部23と上下方向視で重複すると共に、基部23よりも上側に配置される。そして、第1支持部22は、第1連結部材24を介して基部23に支持されている(
図11参照)。図示の例では、第1支持部22及び基部23はそれぞれ板状部材であり、第1支持部22の上面に第1支持面22aが形成されている。また、第1支持部22と基部23とは、複数(ここでは4つ)の第1連結部材24で接続されている。第1スライド機構25は、一対のスライドレールであり、基部23の第2方向Yの両外側にそれぞれ配置されている。そして、第1支持体21は、一対のスライドレールを介して本体11(ここでは第2方向Yに向かい合うそれぞれの側面部13c)に接続されている。なお、第1支持体21が「支持体」に相当し、第1スライド機構25が「スライド機構」に相当する。
【0039】
また、本実施形態では、
図3及び
図5に示すように、検査ユニット5を格納した状態の第1格納部12と載置部18とが、上下方向視で重複するように配置されている。上記のように、第1格納部12は、第1支持体21の収容状態において、第2格納部17、第3格納部19、及び載置部18と上下方向視で重複する。すなわち、収容状態であれば、検査ユニット5を格納しているか否かに拘らず、これらと上下方向視で重複する。図示の例では、第1格納部12は、本体11の内部(ここでは筐体13内)の下段に配置されている。
【0040】
図3、
図5、
図10及び
図11に示すように、第1格納部12に、検査ユニット5の位置決め及び下側からの支持を行う第1支持部材30が設けられている。本実施形態では、第1支持部材30は、第1支持体21に設けられている。第1支持部材30は、検査ユニット5と係合する第1被係合部31を備えている。第1支持部材30は、第1支持部22の第1支持面22aに設けられている。そして、検査ユニット5と第1被係合部31とが係合することで、検査ユニット5の第1支持面22aに対する位置決めが行われる。また、第1支持部材30は、検査ユニット5の係合部50と第1被係合部31とが係合するように構成されている。従って、第1被係合部31は、検査ユニット5の係合部50に応じた大きさ及び形状に形成されている。第1被係合部31は、係合部50が係合可能な第1凹部31aを有しており、第1凹部31aは、第1支持部材30の表面(ここでは上面)から下方に窪むように形成されている。図示の例では、係合部50が第1凹部31aに上方から嵌め込まれることで、検査ユニット5の位置決めが行われる。なお、本実施形態では、第1支持部材30と第2支持部材40とは、同一形状である。また、第1支持部材30と第2支持部材40とは、同一形状であり、同じ大きさとしてもよい。第1格納部12の第1支持部材30と載置部18の第2支持部材40とを共通部品にし易く、その場合には部品種類の数を低減することができる。また、第1支持部材30と第2支持部材40とは同じ材料で成形されている。ここでは、第1支持部材30は、第2支持部材40と同様に樹脂ブロックである。なお、第1支持部材30は、樹脂ブロックではなく、例えば金属製であっても良い。第1支持部材30と第2支持部材40とは、形状が同一であれば、大きさや材料を異ならせてもよい。また、第1支持部材30は、第1支持体21に複数設けられていてもよい。
【0041】
本実施形態では、
図5及び
図11に示すように、第1支持部材30が防振用の弾性部材であり、又は、第1支持部材30が防振用の弾性部材を介して第1格納部12に支持されている。上記のとおり、第1支持部材30は、第1支持部22の第1支持面22aに設けられている。このため、第1支持部22は、第1支持部22と基部23とを接続する第1連結部材24を介して基部23に下側から支持されている。そして、第1連結部材24は、防振用の弾性部材(ここでは防振ゴム)である。このため、例えば、検査ユニット格納装置1の移動により、或いは、検査ユニット格納装置1が他の部材や作業者等に衝突したこと等により、本体11(ここでは筐体13)が振動した場合であっても、発生した振動を第1連結部材24に吸収させることができ、第1支持面22a及び第1支持部材30に支持された検査ユニット5に伝わる振動を低減することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のとおり、キャスタ15の防振機構15bと防振機能を有する第1連結部材24とにより振動が吸収されるため、検査ユニット5に伝わる振動をより低減させ易くできる。また、キャスタ15の防振機構15bと、第1連結部材24を構成する防振用の弾性部材との間で、防振特性を異ならせることで、例えば、振動の低周波成分はキャスタ15に吸収させ、振動の高周波成分は第1連結部材24に吸収させることもできる。
【0043】
図10及び
図11の例では、第1支持部材30は、第1支持面22aの第1方向第1側X1の端部に配置されている。また、第1支持部材30は、第2方向Yの中央領域に配置されている。従って、作業者等は、突出状態の第1支持体21において、上方から検査ユニット5の係合部50と第1支持部材30の第1被係合部31との位置合わせがし易くなり、これにより検査ユニット5を適切に第1支持面22aに載置し易くできる。なお、図示の例では、第1格納部12には、1つの検査ユニット5が格納されているが、複数の検査ユニット5が格納される構成とすることもできる。また、
図10及び
図11の例では、基部23の第1方向第1側X1の端部に、作業者等が第1支持体21を本体11に対して出し入れするための第1取手部26が設けられている。また、基部23の基部上面23aには、第5支持部材95が複数設けられている。第5支持部材95は、検査ユニット5以外の収納物の位置決め及び下側からの支持を行う。ここでは、第5支持部材95により、機器Tとしてのバッテリー(例えば、検査ユニット5用の交換バッテリー)の位置決め及び下側からの支持が行われる。このように、
図10の例では、基部23を利用して検査ユニット5以外の機器Tを保管することができ、第1格納部12における格納場所を有効活用している。
【0044】
〔その他の実施形態〕
次に、検査ユニット格納装置のその他の実施形態について説明する。
【0045】
(1)上記の実施形態では、検査ユニット5は、物品Wの移載対象箇所に対する昇降体46bの水平方向のずれ量を計測する用途で使用される構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、検査ユニット5は、物品Wの移載対象箇所に対する昇降体46bの上下方向のずれ量を計測する用途、言い換えれば、物品Wの移載動作における昇降体46bの目標昇降量を学習するための用途で使用されてもよい。このように、検査ユニット5は、衝撃に弱い精密機器や破損し易い部材等で構成されていれば好適であり、検査ユニット5の構成が上記ずれ量を計測するという用途に限定されることもない。
【0046】
(2)上記の実施形態では、第1支持部材30及び第2支持部材40は、検査ユニット5の係合部50に係合して、検査ユニット5の位置決め及び下側からの支持を行う構成を例として説明したがこれには限定されない。例えば、第1支持部材30及び第2支持部材40のそれぞれを、検査ユニット5が備える複数の足部5bと係合する構成としてもよい。また、第1支持部材30及び第2支持部材40の構成は、検査ユニット5の種類、大きさ、及び形状等に応じて適宜変更できると好適である。
【0047】
(3)上記の実施形態では、検査ユニット5を格納した状態の第1格納部12と載置部18とが、上下方向視で重複するように配置されている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、検査ユニット5を格納した状態の第1格納部12と載置部18とが、上下方向視で重複しない構成としてもよい。
【0048】
(4)上記の実施形態では、第1格納部12は、第1支持体21をスライド移動させる第1スライド機構25を備え、第1スライド機構25は、第1支持体21が本体11の内部に収容された収容状態と、第1支持体21が本体11の外部に突出した突出状態とに、第1支持体21を状態変更自在とする構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第1格納部12は、第1スライド機構25を備えていなくてもよい。この場合、例えば、作業者等が、扉体16を開けて、本体11内の第1格納部12に検査ユニット5を直接出し入れする構成とすることもできる。また、第1格納部12がコンベヤ装置を備えており、当該コンベヤ装置により第1格納部12に対して第1支持体21を出し入れする構成とすることもできる。
【0049】
(5)上記の実施形態では、第1支持部材30が防振用の弾性部材を介して第1格納部12に支持されている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第1支持部材30自体が防振用の弾性部材(例えば、防振ゴム等)であってもよい。これにより、本体11に伝わる振動は第1支持部材30に吸収されるため、第1格納部12において検査ユニット5に伝わる振動を低減できる。また、防振機構を別途設ける必要がないため、本体11を構成する部品数を低減できる。また、第1支持部材30が防振用の弾性部材を備える構成とし、且つ、第1支持部材30が、別の防振用の弾性部材を介して第1格納部12に支持されている構成としてもよい。このようにすることで、第1格納部12において検査ユニット5に伝わる振動をより効果的に低減し易くできる。
【0050】
(6)上記の実施形態では、キャスタ15の防振機構15bにより振動を吸収することで本体11及び載置部18に伝わる振動が低減され、これにより第2支持部材40に支持されている検査ユニット5に伝わる振動が低減される構成を例として説明したが、これには限定されない。この場合、
図12に示すように、第2支持部材40が防振用の弾性部材であり、又は、第2支持部材40が防振用の弾性部材を介して載置部18に支持されていると好適である。第2支持部材40が防振用の弾性部材である場合、検査ユニット格納装置1の揺れにより生じた振動を、キャスタ15の防振機構15bと第2支持部材40との双方で吸収できるため、第2支持部材40に支持された検査ユニット5に伝わる振動をより効果的に低減できる。また、第2支持部材40が防振用の弾性部材を介して載置部18に支持されている場合については、
図12を用いて説明する。
図12の一例では、載置部18は、載置支持体96と第2連結部材98とを備えている。載置支持体96は、本体11(より詳細には、筐体13の上面部13a)の上面11aよりも上側に配置されている。そして、第2連結部材98により、載置支持体96と上面部13aとが連結されている。ここで、載置支持体96は水平面に沿う板状部材であり、載置支持体96の上面に検査ユニット5が載置される載置面18aが形成されている。そして、第2支持部材40は、載置支持体96の載置面18aに設けられている。第2連結部材98は、防振用の弾性部材(ここでは防振ゴム)であり、これにより検査ユニット格納装置1に生じた揺れによる振動を吸収することができる。また、本体11の上面11aにおいて載置支持体96と上下方向視で重複しない領域には、物品Wを載置できると好適である。
【0051】
(7)上記の実施形態では、第1支持部材30と第2支持部材40とが同一形状である構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第1支持部材30の形状と第2支持部材40の形状とを異ならせる構成としてもよい。
【0052】
(8)上記の実施形態では、第2格納部17に、第1検査補助部材6の位置決め及び下側からの支持を行う第3支持部材80が設けられている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第2格納部17に、第3支持部材80を設けなくてもよい。この場合、例えば、第2支持体17aにおいて第1検査補助部材6の位置決めを行えるように、第2支持面71aの形状を第1検査補助部材6(或いは第1検査補助部材6の係合部)の形状に応じて変形することもできる。
【0053】
(9)上記の実施形態では、本体11に、可動式の作業台9が設けられている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、本体11に、可動式の作業台9が設けられていなくてもよい。また、本体11に設けられる作業台9は、可動式でなくてもよい。
【0054】
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0055】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した検査ユニット格納装置の概要について説明する。
【0056】
本開示に係る検査ユニット格納装置は、天井に沿って配置された軌道を走行する天井搬送車によって搬送される検査ユニットを格納する検査ユニット格納装置であって、
前記検査ユニットが格納される格納部を備えた本体と、前記本体の下部に取り付けられ、前記本体を移動自在に支持するキャスタと、前記本体の上面に設けられ、前記検査ユニットが載置される載置部と、を備え、
前記格納部に、前記検査ユニットの位置決め及び下側からの支持を行う第1支持部材が設けられ、
前記載置部に、前記検査ユニットの位置決め及び下側からの支持を行う第2支持部材が設けられている。
【0057】
本構成によれば、検査ユニットを使用しない場合には、検査ユニットを格納部に格納しておくことで、検査ユニットを検査ユニット格納装置の本体により保護しつつ保管することができる。検査ユニットを使用する場合には、キャスタを利用して本体を移動することで、検査ユニットを保護しつつ、検査ユニットを使用する位置まで当該検査ユニットを搬送することができる。また、検査ユニットを格納部から取り出して載置部に置くことにより、例えば、天井搬送車により載置部上の検査ユニットを保持させたり、作業者等により検査用のポートに検査ユニットを載せたりする等の作業を安全かつ容易に行うことができる。そして、検査ユニットを使用した後は、作業をした場所で検査ユニットを格納部に格納して保護できるため、例えば、検査ユニットを持ち運ぶ途中で落下させる等のような事態を回避し易くできる。
このように、本構成によれば検査ユニットの保管及び運用を適切に行い易くできる。
【0058】
ここで、前記検査ユニットを格納した状態の前記格納部と前記載置部とが上下方向視で重複するように配置されていると好適である。
【0059】
本構成によれば、格納部と載置部とが上下方向視で重複しない場合に比べて、検査ユニット格納装置の平面視での小型化を図り易い。
【0060】
また、前記格納部は、前記第1支持部材を支持する支持体と、前記支持体をスライド移動させるスライド機構とを備え、
前記スライド機構は、前記支持体が前記本体の内部に収容された収容状態と、前記支持体が前記本体の外部に突出した突出状態とに、前記支持体を状態変更自在とするように構成されていると好適である。
【0061】
本構成によれば、支持体を突出状態とすることで検査ユニットを第1支持部材に支持させる作業の容易性を高めることができる。そして、支持体を突出状態から収容状態にすることで、第1支持部材に支持された検査ユニットを容易に格納部に格納することができる。また、支持体を収容状態から突出状態とすることで、検査ユニットを格納部から容易に取り出すことができる。このように、格納部に検査ユニットを格納したり、格納部から検査ユニットを取り出したりする作業を、安全かつ容易に行い易くできる。
【0062】
また、前記第1支持部材が防振用の弾性部材であり、又は、前記第1支持部材が防振用の弾性部材を介して前記格納部に支持されていると好適である。
【0063】
本構成によれば、検査ユニット格納装置の移動により、或いは、検査ユニット格納装置が他の部材や作業者等に衝突したこと等により、本体が振動した場合であっても、発生した振動を弾性部材に吸収させることができ、格納部に格納された検査ユニットに伝わる振動を低減することができる。
【0064】
また、前記第2支持部材が防振用の弾性部材であり、又は、前記第2支持部材が防振用の弾性部材を介して前記載置部に支持されていると好適である。
【0065】
本構成によれば、検査ユニット格納装置の移動により、或いは、検査ユニット格納装置が他の部材や作業者等に衝突したこと等により、本体が振動した場合であっても、発生した振動を弾性部材に吸収させることができ、載置部に載置された検査ユニットに伝わる振動を低減することができる。
【0066】
また、前記本体は、前記検査ユニットによる検査を行う場合に用いられる検査補助部材が格納される第2格納部を更に備え、
前記第2格納部に、前記検査補助部材の位置決め及び下側からの支持を行う第3支持部材が設けられ、
前記第2格納部は、前記検査補助部材を格納した状態において、前記格納部及び前記載置部の双方と上下方向視で重複するように配置されていると好適である。
【0067】
本構成によれば、 検査ユニットによる検査を行う場合に用いられる検査補助部材を、検査ユニット格納装置の本体に格納することができる。よって、検査ユニット及び検査補助部材をまとめて本体に保管できる。また、検査を行う場合には、検査ユニットと検査補助部材との双方を本体から取り出すことができる。従って、検査の作業の手間を軽減することができる。
また、第2格納部が、検査補助部材を格納した状態で、格納部及び載置部の双方と上下方向視で重複するように配置されているため、検査ユニット格納装置の平面視での小型化を図り易い。
【0068】
本開示に係る検査ユニット格納装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0069】
1:検査ユニット格納装置
3:軌道
4:天井搬送車
5:検査ユニット
6:第1検査補助部材(検査補助部材)
11:本体
11a:上面
11c:側面
12:第1格納部(格納部)
15:キャスタ
17:第2格納部
18:載置部
21:第1支持体(支持体)
22:第1支持部
25:第1スライド機構(スライド機構)
30:第1支持部材
40:第2支持部材
71:第2支持部
80:第3支持部材