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特開2024-59751層状構造を有する低可燃性接着剤組成物
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  • 特開-層状構造を有する低可燃性接着剤組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059751
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】層状構造を有する低可燃性接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/30 20180101AFI20240423BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240423BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240423BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
C09J7/30
C09J201/00
B32B27/00 M
B32B27/18 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024023310
(22)【出願日】2024-02-20
(62)【分割の表示】P 2020543426の分割
【原出願日】2018-10-31
(31)【優先権主張番号】62/580,140
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ピュン,ユーミ
(72)【発明者】
【氏名】近藤 紳介
(72)【発明者】
【氏名】古沢 正明
(72)【発明者】
【氏名】服部 和幸
(72)【発明者】
【氏名】ロリモー,リン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ドン-ウェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好な粘着タック及び剥離を維持しながら、可燃性又は引火性を低下させたフィルム構造体を提供する。
【解決手段】フィルム層と、少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、難燃添加剤を有さない第2の接着剤層と、をこの順で含む、低可燃性フィルム構造体であって、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚が、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、前記難燃性の接着剤層の総厚が、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚の32%~85%であり、前記フィルム層が、200ミクロン以下の厚さを有する、フィルム構造体とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
第2の接着剤層と
を含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚が、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、
前記難燃性の接着剤層の総厚が、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚の32%~85%である、フィルム構造体。
【請求項2】
前記フィルム層が、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、エチレンメタクリレートコポリマー、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、シリコーン、及びポリオレフィンフィルムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項3】
前記フィルムが、グラフィックフィルムであり、インク層が前記フィルム層上に堆積されている、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項4】
前記フィルム層が、200ミクロン以下の厚さを有する、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項5】
前記フィルム層が、125~145ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項6】
前記第1の接着剤層が、前記フィルム層に隣接している、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項7】
第3の接着剤層を更に含み、前記第3の接着剤層が、難燃添加剤を有さず、前記第3の接着剤層が、前記フィルム層と前記第1の接着剤層との間に配置されている、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項8】
前記第1の接着剤層が、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項9】
前記第2の接着剤層が、アクリル接着剤を含む、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項10】
180剥離接着力試験下で、20N以上の剥離接着力を有する、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項11】
燃焼性試験下で、8MJ/m以下の総放熱量を有する、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項12】
8KW/(m2*s)以下の火災成長率(FIGRA)を有する、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項13】
前記難燃添加剤が、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO)難燃剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項14】
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
第2の接着剤層と
を含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層の総厚が、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚の32%~85%であり、前記フィルムが、180剥離接着力試験下で、20N以上の剥離接着力を有する、フィルム構造体。
【請求項15】
第3の接着剤層を更に含み、前記第3の接着剤層が、難燃添加剤を有さず、前記第3の接着剤層が、前記フィルム層と前記第1の接着剤層との間に配置されている、請求項14に記載のフィルム構造体。
【請求項16】
前記第1の接着剤層が、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない、請求項14に記載のフィルム構造体。
【請求項17】
前記難燃添加剤が、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO)難燃剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項18】
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
第2の接着剤層と
を含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚が、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、前記フィルムが、燃焼性試験下で、8MJ/m以下の総放熱量を有し、前記フィルム構造体が、8KW/(m2*s)以下の火災成長率(FIGRA)を有する、フィルム構造体。
【請求項19】
第3の接着剤層を更に含み、前記第3の接着剤層が、難燃添加剤を有さず、前記第3の接着剤層が、前記フィルム層と前記第1の接着剤層との間に配置されている、請求項18に記載のフィルム構造体。
【請求項20】
前記第1の接着剤層が、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない、請求項18に記載のフィルム構造体。
【請求項21】
前記難燃添加剤が、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO)難燃剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のフィルム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも1つの接着剤層が難燃添加剤を含む、層状接着剤構造を有するフィルム物品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの国は、ホテル、学校、病院、若しくはレストラン等の建物の内部若しくは外部等の表面、あるいは、列車、トラクタートレーラー、又は個人用車両若しくは航空機等の車両に適用されるフィルム製品に対して、低可燃性又は低引火性の要件を有する。このような要件は、スパーク又は点火の事象における爆発又は延焼の可能性を減少させることによって、その領域内の個人に対する安全性を高める助けとなり得る。
【0003】
同時に、多くの顧客は、フィルムが、よく耐え、所望の期間、所望の表面に接着し続け、望むときに取り外すことができることを確保するために、フィルムの購入時に粘着タック及び剥離の要件も有する。
【0004】
低可燃性及び低引火性の要件と、接着要件との両方を同時に満たす製品を作製することは困難であり得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、良好な粘着タック及び剥離を維持しながら、フィルム構造体の可燃性又は引火性を低下させる方法を提供する。本開示は、種々の管轄又は顧客によって設けられた火災成長率(Fire Growth Rate、FIGRA)要件及び総放熱量(Total Heat Release、THR)要件を満たすように十分に薄いフィルムを構築するための解決策を提供する。一部の管轄では、許容可能な接着特性を維持しながらFIGRA及びTHRを満たすことは非常に困難な場合がある。フィルムが薄かったとしても、本開示の層状接着剤構造は、フィルムが接着要件も満たすことを可能にする。
【0006】
一例では、本開示は、低可燃性フィルム構造体を含む。フィルム構造体は、フィルム層と、少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、第2の接着剤層と、を含む。接着剤層の総厚は、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、難燃性の接着剤層の総厚は、接着剤全体の厚さの32%~85%である。
【0007】
別の例では、本開示は、低可燃性フィルム構造体を含む。フィルム構造体は、フィルム層と、少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、第2の接着剤層と、を含む。難燃性の接着剤層の総厚は、接着剤全体の厚さの32%~85%であり、フィルムは、180剥離接着力試験下で、20N以上の剥離接着力を有する。
【0008】
別の例では、本開示は、低可燃性フィルム構造体を含む。フィルム構造体は、フィルム層と、少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、第2の接着剤層と、を含む。接着剤層の総厚は、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、フィルムは、燃焼性試験下で、8MJ/m以下の総放熱量を有し、フィルム構造体は、8KW/(m2*s)以下の火災成長率(FIGRA)を有する。
【0009】
一部の例では、フィルム層は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、エチレンメタクリレートコポリマー、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、シリコーン、及びポリオレフィンフィルムのうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
一部の例では、フィルムはグラフィックフィルムであり、インク層はフィルム層上に堆積されている。
【0011】
一部の例では、フィルム層は、200ミクロン以下の厚さを有する。
【0012】
一部の例では、フィルム層は、125~145ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0013】
一部の例では、第1の接着剤層は、フィルム層に隣接している。
【0014】
一部の例では、フィルム構造体は、第3の接着剤層を更に含み、この第3の接着剤層は、難燃添加剤を有さず、この第3の接着剤層は、フィルム層と第1の接着剤層との間に配置されている。
【0015】
一部の例では、第1の接着剤層は、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない。
【0016】
一部の例では、第2の接着剤層は、アクリル接着剤を含む。
【0017】
一部の例では、フィルム構造体は、180剥離接着力試験下で、20N以上の剥離接着力を有する。
【0018】
一部の例では、フィルム構造体は、燃焼性試験下で、8MJ/m以下の総放熱量を有する。
【0019】
一部の例では、フィルム構造体は、8KW/(m2*s)以下の火災成長率(FIGRA)を有する。
【0020】
一部の例では、難燃添加剤は、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO)難燃剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
一部の例では、フィルム構造体は、第3の接着剤層を更に含み、この第3の接着剤層は、難燃添加剤を有さず、この第3の接着剤層は、フィルム層と第1の接着剤層との間に配置されている。
【0022】
一部の例では、第1の接着剤層は、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない。
【0023】
一部の例では、難燃添加剤は、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO)難燃剤のうちの少なくとも1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
添付の図面と共に以下の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解され得る。
図1】2つの接着剤層を有するフィルム構造体を示す図である。
図2】3つの接着剤層を有するフィルム構造体を示す図である。
図3】ライナーを有するフィルム構造体を示す図である。
【0025】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に示され説明される実施形態を利用してよく、構造的変更を行ってもよい。これらの図は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図面で使用されている同様の番号は同様の構成要素を示す。しかし、所与の図中のある構成要素を示す数字の使用は、同じ数字を付した別の図中の構成要素を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、基材108に適用された2つの接着剤層104、106を有するフィルム構造体100を示す。フィルム102は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、エチレンメタクリレートコポリマー、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、シリコーン、及びポリオレフィンフィルム、又はこれらの任意の組み合わせを含むフィルム等の任意の好適なフィルムであってもよい。フィルム102は、カレンダー加工又はケースであってもよく、本明細書(実施例を含む)で検討される材料のいずれかで作製されてもよい。フィルム102の厚さは変動し得る。例えば、それは、例えば約20μm~300μmの範囲であってもよい。フィルム102の厚さは、約20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、225μm、250μm、275μm、及び300μm、又は前述の値のいずれかの間の任意の範囲であってもよい。特定のフィルムの最大厚さは、フィルム中のポリマーの相対的可燃性を含む様々な要因によって決まる。
【0027】
フィルム102は、グラフィックフィルムであってもよい。これは、様々なインク及び方法で印刷された色、パターン、テクスチャ、又は画像を有してもよい。一部の例では、フィルム102は、透明又は半透明であってもよい。フィルム102は、様々な不透明度及び多種多様の色を有し得る。一部の例では、フィルム102は、耐摩耗性、容易な洗浄、又は損傷からの表面保護を含む機能をもたらす機能性フィルムであってもよい。
【0028】
接着剤層104は、フィルム層102と接着剤層106との間に配置され、フィルム層102及び接着剤層106のそれぞれに隣接する。一部の例では、フィルム層102と接着剤層104との間にプライマーを加えて、2層間の接着を増大させてもよい。プライマー層を使用してフィルム層102及び接着剤層104を結合させた場合、フィルム層102及び接着剤層104は、隣接していると考えられる。接着剤層104は、接着剤及び難燃添加剤105を含む。接着剤層に使用され得る接着剤のいくつかの例としては、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂(これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない)、並びにこれらの組み合わせがある。接着剤層104は、接着剤層102と同じ接着剤であってもよく、又は異なる接着剤であってもよい。接着剤の種類の選択に寄与する要因は、フィルム層によく接着させるための接着剤、又は互いによく接着させるための接着剤層に対する要望を含む。好適な難燃剤のいくつかの例としては、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO)難燃剤が挙げられる。難燃添加剤105は、例えば30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%の量で添加されてもよい。接着剤層104の総厚は、約8μm、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲であってもよい。接着剤層106の総厚は、約3μm、5μm、6μm、8μm、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲であってもよい。接着剤層104及び106を組み合わせた厚さは、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、若しくは150μmの範囲、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲であってもよい。
【0029】
接着剤層106は、いかなる相当量の難燃剤も含まない。接着剤層106は、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂(これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない)、並びにこれらの組み合わせを含んでもよい。難燃添加剤は、接着性を低下させる効果を有し得る。しかしながら、これは、燃焼性要件を満たすために非常に重要であり得る。難燃添加剤を有する接着剤層(接着剤層104)、及び難燃添加剤を含まない接着剤層(層106)を含むことによって、本開示は、燃焼性基準を満たし、剥離及び粘着性の両方を含む必要な接着性能を保持することができる。
【0030】
図1に示すように、フィルム構造体100は、基材108に適用される。基材108は、図1の水平基板として示されているが、基材108は、水平、垂直、任意の角度、又は曲面であってもよい。基材108は、例えば、建物の内壁若しくは外壁又は構造体であってもよい。基材108は、トラクタートレーラー又は列車又は航空機等の車両であってもよい。一部の例では、フィルム構造体100と基材108との間の接着を増大させるために、プライマーを使用してもよい。
【0031】
図2は、3つの接着剤層を有するフィルム構造体200を示す。図2中、フィルム層202は、図1中のフィルム層102と同じ材料で作製されていてもよい。接着剤層203は、フィルム層202に隣接し、接着剤層204にも隣接している。接着剤層206は、接着剤層204の反対側に隣接し、フィルム構造体200が適用され得る基材208に接する。この場合、接着剤層204は、図1の接着剤層104と同じ材料で作製されていてもよい。接着剤層203及び206は、接着剤層106と同じ材料で作製されていてもよい。難燃添加剤205は、難燃添加剤105と同じ材料のものであってもよい。接着剤層204の厚さ範囲は、8μm、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲であってもよい。接着剤層203は、3μm、5μm、6μm、8μm、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、及び75μm、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲の厚さ範囲であってもよい。接着剤層206は、3μm、5μm、6μm、8μm、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、及び75μm、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲の厚さ範囲であってもよい。3つ全ての接着剤層の総厚の範囲は、14μm、17μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、又は150μm、175μm、200μm、225μm、又はこれらの厚さのいずれかの間の任意の範囲であってもよい。
【0032】
図3は、ライナー307を有するフィルム構造体300を示す。フィルム層302、接着剤層304、及び接着剤層306を有するフィルム構造体は、図1のフィルム構造体と非常に類似しているが、例外として、図3は、接着ライナー307に隣接するライナーを示す。フィルム構造体300は、典型的には、ライナーに取り付けられて販売されており、フィルム構造体300を基材に適用する前に、顧客がライナーを取り外すことを可能にしている。ライナー307は、剥離コーティングを有してもよい。一部の例では、ライナー307は、接着剤層306中にポストを作製し、フィルム構造体300を基材に適用する間の配置を容易にするためにフィルム構造体の摺動性の向上を可能にするような構造を有してもよい。ライナー307はまた、接着剤層306中にチャネルを形成する隆起部を有してもよく、それにより、そうでなければ設置中に捕捉される可能性がある気泡を、容易に放出させる。
【実施例0033】
基材への良好な接着性も維持しながら良好な低可燃性をもたらす層状感圧接着剤を用いて、フィルム物品の実施例を調製した。
【0034】
これらの実施例は、単に例示目的のみのものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。本明細書の実施例及び他の箇所における全ての部、百分率、比等は、別途指示がない限り、重量に基づくものである。以下の略語:mm=ミリメートル、μm=マイクロメートル、mm/分=ミリメートル/分、N/in=1インチ当たりのニュートン、g=グラム、kg=キログラム、kgf=キログラム重、phr=百分率、MJ/m=1平方メートル当たりのメガジュール、kW/m=1平方メートル当たりのキロワットを本明細書で使用する。
【0035】
【表1】
【0036】
試験方法
燃焼性試験
機器:ISO5660-1に準拠したコーン熱量計。
基材:American Gypsum(ダラス,TX)製の、厚さ12.5mmの不燃性プラスターボード。
サンプル調製:接着促進のために、1平方メートル当たり10gの固形分でPRIMERを用いて、プラスターボードをプライマーでコーティングし、室温で乾燥させた。ポリエステル剥離ライナーをフィルム物品の接着面から剥がし、気泡を除去するための平坦なプラスチックスキージを用いてフィルム物品をプライム型プラスターボードに接着した。
燃焼性許容基準:THR=20分間にわたって測定した、8MJ/m以下の総放熱量である。FIGRA=火災成長率は、8KW/(m2*s)以下である。FIGRAは、ピーク熱放出率(KW/(m))をピークまでの時間で除算したものである。
【0037】
180剥離接着力試験
機器:株式会社エー・アンド・デイ(日本)製のテンシロンRTGシリーズ引張試験機。
基材:MSC Industrial Supply(メルヴィル,NY)製のボンデ鋼板。
温度:20℃、室温。
エージング時間:フィルムを基材に積層してから48時間後に剥離を行った。
サンプル調製:25mm×150mmのフィルム物品サンプルを、1kgの重り付きローラーで基材に積層した。積層前にイソプロピルアルコールで拭き取ることにより、基材を洗浄した。
試験:エージング後、サンプルを、300mm/分の速度で、基材から180度の角度で剥離した。3つのサンプルを試験し、各条件について平均した。結果をN/inで報告する。
剥離接着力許容基準:20N/in以上である。
【0038】
ループタック接着力試験
機器:株式会社エー・アンド・デイ(日本)製のテンシロンRTGシリーズ引張試験機。
基材:ビニルフィルム、フィルム2。
温度:5℃
サンプル調製:幅25mm×長さ150mmのフィルム物品サンプルを湾曲させて、ループの外側の接着剤でループ(端部が重なり合わない)にした。
試験:30mm長のフィルムが基材に接着されるまで、サンプルを1000mm/分の速度で基材に接触させた。次いで、サンプルを、100mm/分の速度で基材から直ちに剥離した。3つのサンプルを試験し、各条件について平均した。結果をN/inで報告する。
ループタック許容基準:15N/in以上である。
【0039】
プローブタック接着力試験
機器:テスター産業株式会社(日本)製のチャンバを有するTE-6002プローブタック試験機
チャンバ温度:5℃。
サンプル調製:フィルム物品の露出した接着面を試験した。
試験:機器の取扱説明書に従って、低温粘着性を測定した。3つのサンプルを、各実施例で試験し、結果を平均した。結果をkgfで報告する。
プローブタック許容基準:2.5kgf以上である。
【0040】
実施例1:二層接着剤
カレンダー加工されたPVCフィルムを、2つの層状接着剤で積層し、合わせた接着剤層を合計38μmとした。フィルムと外側接着剤層との間の接着剤層である内側接着剤層は、表1に記載されるように、異なる割合の難燃性充填剤で配合された。外側接着剤層は、難燃性充填剤を含まなかった。片方は難燃性充填剤を含まない比較例(CE1-1)であり、他方は接着剤全体にわたって難燃性充填剤を含む比較例(CE1-2)である、比較例を作製した。
【0041】
CLを2.17phrでアクリル接着剤RESINに添加して、各接着剤層を配合した。各接着剤層を、ノッチバーコーターを使用してLINER上に手でコーティングし、次いで65℃で2分間乾燥させ、後続して95℃で2分間乾燥させた。
【0042】
その後、各接着剤層を、ゴムニップローラー間で接着試験用のFILM1又は燃焼性試験用のFILM2に積層し、各LINERを取り外した。燃焼性試験用、180度剥離接着力試験用、及びループタック試験用サンプルを、試験方法に示すとおりに調製した。結果を表1に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例E1-1は、19μmの、難燃剤を有する、65.5%充填された内層接着剤と、19μmの非充填外層接着剤とを有する。E1-1は、総放熱基準、180剥離接着力試験、及びループタック接着力試験に合格した。
【0045】
実施例E1-2は、30μmの、難燃剤を有する、41.0%充填された内層接着剤と、8μmの非充填外層接着剤とを有する。E1-2は、総放熱基準、180剥離接着力試験、及びループタック接着力試験に合格した。
【0046】
比較例CE1-1は、38μmの非充填接着剤の標準的な単層を有する。CE1-1は、総放熱基準に不合格であった。しかしながら、CE1-1は、180剥離接着力試験、及びループタック接着力試験に合格した。
【0047】
比較例CE1-2は、38μmの、難燃剤を有する、32.8%充填された接着剤の単層を有する。CE1-2は、総放熱基準及び180剥離接着力試験に合格した。しかしながら、CE1-2は、ループタック接着力試験に不合格であった。
【0048】
実施例2:種々の難燃性充填剤
接着剤層を有するカレンダー加工されたPVCフィルム物品サンプルを、以下の変更を加えて、実施例1に記載のように調製した。様々な難燃剤、並びに表2に記載するように、より薄い接着剤層を使用した。燃焼性試験、180度剥離接着力、及びプローブタック用サンプルを、試験方法に示すとおりに調製した。結果を表2に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
実施例E2-1からE2-6は、種々の異なる難燃剤を有する、12~30μmの、50%充填された内層接着剤と、8~26μmの非充填外層接着剤とを有する。E2-1からE2-6のそれぞれは、燃焼性試験におけるTHR及びFIGRAの両方の基準、180剥離接着力試験、及びループタック接着力試験に合格した。
【0051】
実施例3:三層接着剤
接着剤層を有するカレンダー加工されたPVCフィルム物品サンプルを、実施例1に記載のように調製した。表3に示すように、実施例3は、25ミクロンの高度に65%充填された中間層接着剤と、6.5μmの追加の非充填内層接着剤と、6.5μmの非充填外層接着剤とからなる三層の接着剤を有していた。非充填及び充填接着剤層は、合計して三層接着剤の総厚38μmになる厚さを有する。燃焼性試験、180度剥離接着力、及びプローブタック用サンプルを、試験方法に示すとおりに調製した。結果を表3に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
三層の接着剤を有する実施例E3は、燃焼性試験のTHR及びFIGRA基準、180剥離接着力試験、及びループタック接着力試験に合格した。
【0054】
実施例4:様々な厚さの接着剤層
接着剤層を有するカレンダー加工されたPVCフィルム物品サンプルを、以下の変更を加えて、実施例1に記載のように調製した。表4に記載の様々な接着剤層の厚さを使用した。表4に示すように、比較例(CE4-1、2)を作製した。燃焼性試験及び180度剥離接着力用サンプルを、試験方法に示すとおりに調製した。結果を表4に示す。
【0055】
【表5】
【0056】
実施例E4-1、E4-2、及びE4-3は、12~30μmの、難燃剤を有する、50%充填された内層接着剤と、6.5~8μmの非充填外層接着剤とを有し、接着剤厚さの合計は18.5~44.5μmの範囲である。E4-1、E4-2、及びE403のそれぞれは、燃焼性試験のTHR基準及び180剥離接着力試験に合格した。
【0057】
比較例CE4-1は、6.5μmの、難燃剤を有する、50%充填された内層接着剤と、38μmの非充填外層接着剤とを有する。CE4-1は、燃焼性試験のTHR基準に不合格であったが、180剥離接着力試験に合格した。
【0058】
比較例CE4-2は、8μmの、難燃剤を有する、50%充填された内層接着剤と、2μmの非充填外層接着剤とを有する。CE4-2は、180剥離接着力試験に不合格であったが、燃焼性試験のTHR基準を合格した。
【0059】
実施例5:様々なフィルム材料層
接着剤層を有するフィルム物品サンプルを、以下の変更を加えて、実施例1に記載のように調製した。表5に記載の様々なフィルム材料を使用した。燃焼性試験用サンプルを、試験方法に示すとおりに調製した。結果を表5に示す。
【0060】
【表6】
【0061】
実施例E5-1からE5-7は、7種の異なる典型的なフィルム材料を有し、30~34μmの、難燃剤を有する、50%充填された内層接着剤と、3~8μmの非充填外層接着剤とを有する。E5-1からE5-7のそれぞれは、燃焼性試験のFIGRA及びTHR基準を合格した。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
実施例E5-1からE5-7は、7種の異なる典型的なフィルム材料を有し、30~34μmの、難燃剤を有する、50%充填された内層接着剤と、3~8μmの非充填外層接着剤とを有する。E5-1からE5-7のそれぞれは、燃焼性試験のFIGRA及びTHR基準を合格した。
なお、各実施形態に加えて以下の態様について付記する。
(付記1)
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
第2の接着剤層と
を含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚が、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、
前記難燃性の接着剤層の総厚が、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚の32%~85%である、フィルム構造体。
(付記2)
前記フィルム層が、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、エチレンメタクリレートコポリマー、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、シリコーン、及びポリオレフィンフィルムのうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記3)
前記フィルムが、グラフィックフィルムであり、インク層が前記フィルム層上に堆積されている、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記4)
前記フィルム層が、200ミクロン以下の厚さを有する、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記5)
前記フィルム層が、125~145ミクロンの範囲の厚さを有する、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記6)
前記第1の接着剤層が、前記フィルム層に隣接している、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記7)
第3の接着剤層を更に含み、前記第3の接着剤層が、難燃添加剤を有さず、前記第3の接着剤層が、前記フィルム層と前記第1の接着剤層との間に配置されている、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記8)
前記第1の接着剤層が、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記9)
前記第2の接着剤層が、アクリル接着剤を含む、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記10)
180剥離接着力試験下で、20N以上の剥離接着力を有する、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記11)
燃焼性試験下で、8MJ/m 以下の総放熱量を有する、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記12)
8KW/(m 2* s)以下の火災成長率(FIGRA)を有する、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記13)
前記難燃添加剤が、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO )難燃剤のうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記14)
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
第2の接着剤層と
を含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層の総厚が、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚の32%~85%であり、前記フィルムが、180剥離接着力試験下で、20N以上の剥離接着力を有する、フィルム構造体。
(付記15)
第3の接着剤層を更に含み、前記第3の接着剤層が、難燃添加剤を有さず、前記第3の接着剤層が、前記フィルム層と前記第1の接着剤層との間に配置されている、付記14に記載のフィルム構造体。
(付記16)
前記第1の接着剤層が、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない、付記14に記載のフィルム構造体。
(付記17)
前記難燃添加剤が、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO )難燃剤のうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のフィルム構造体。
(付記18)
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
第2の接着剤層と
を含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚が、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、前記フィルムが、燃焼性試験下で、8MJ/m 以下の総放熱量を有し、前記フィルム構造体が、8KW/(m 2* s)以下の火災成長率(FIGRA)を有する、フィルム構造体。
(付記19)
第3の接着剤層を更に含み、前記第3の接着剤層が、難燃添加剤を有さず、前記第3の接着剤層が、前記フィルム層と前記第1の接着剤層との間に配置されている、付記18に記載のフィルム構造体。
(付記20)
前記第1の接着剤層が、アクリル接着剤、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ロジン、及びエポキシ接着樹脂のうちの少なくとも1つを含み、これらの一般的な感圧接着樹脂に限定されない、付記18に記載のフィルム構造体。
(付記21)
前記難燃添加剤が、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(TTBP)、三酸化アンチモン(ATO)難燃剤、ポリリン酸アンモニウム(APP)難燃剤、アルミナ三水和物(ATH)難燃剤、及び三酸化アンチモン(SbO )難燃剤のうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のフィルム構造体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム層と、
少なくとも41重量%の難燃添加剤を有する第1の接着剤層と、
難燃添加剤を有さない第2の接着剤層と
この順で含む、低可燃性フィルム構造体であって、
前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚が、18.5~44.5ミクロンの範囲であり、
前記難燃性の接着剤層の総厚が、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層との総厚の32%~85%であり、
前記フィルム層が、200ミクロン以下の厚さを有する、フィルム構造体
【外国語明細書】