(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059785
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】第二高調波発生(SHG)光学的検査システムの設計
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025066
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2020564135の分割
【原出願日】2019-05-14
(31)【優先権主張番号】62/671,611
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/671,616
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226850
【氏名又は名称】フェムトメトリクス, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ミン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体製造および計測用の確立した技術として、第二高調波発生(SHG)を採用する際の障害を克服することが求められている。
【解決手段】SHGは、積層半導体構造の表面などを調べるために使用できる。SHGに基づく試料調査システムは、一度でSHG信号の異なる偏光成分を同時に収集し、異なる種類の情報を提供する可能性がある。SHG撮像システム10000により、試料4120の広範囲にわたるSHG画像またはSHG信号の分布マップを提供できる。そのようなSHG撮像システムには、複数のビームおよび複数の検出器を採用し、試料の一領域にわたるSHG信号を補足するものがある。SHG撮像システムには、結像光学系10114を採用して、試料を検出器配列10116に画像化しSHG画像を形成するものがある。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二高調波発生を使用して試料を特性評価するためのシステムであって、
試料を支持するように構成された試料ホルダーと、
前記試料からの第二高調波発生(SHG)信号を生成するため光ビームを前記試料に向けるように構成された光源と、
前記光源から受けた前記光ビームを用いて二次元配列ビームを生成するように構成された配列ビーム生成器と、
前記配列ビーム生成器と前記試料との間の光路に配置され、前記配列ビーム生成器から受ける前記二次元配列ビームを前記試料にわたってスキャンするように構成されたスキャナと、
前記試料からのSHG信号を受けて信号を生成するように構成された、少なくとも一つの検出器配列を備える光学的検出システムと、
前記二次元配列ビームを前記試料に集束させて前記試料からの前記SHG信号を受けるように構成された対物レンズと、
前記少なくとも一つの検出器配列から前記信号を受けるように構成された処理電子機器と、を備える試料評価システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの検出器配列は、二次元配列を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの検出器配列は、CCD配列を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの検出器配列は、時間依存積分装置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記対物レンズは、さらに、前記試料を前記少なくとも一つの検出器配列上に画像化するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記対物レンズは、結像レンズを含み、前記少なくとも一つの検出器配列は、前記結像レンズに対する前記試料の共役像面に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記対物レンズは、前記光源からの光を前記試料上に集束させるように構成された集束レンズを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源および前記少なくとも一つの検出器配列に関して前記試料を並進させるように構成された並進ステージをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記並進ステージは、x-y並進ステージを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された、少なくとも一つの偏光ビームスプリッタをさらに備え、前記少なくとも一つの偏光ビームスプリッタは、光を第1および第2の偏光成分に分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第2の検出器配列に向けるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1および第2の偏光成分は、それぞれs偏光およびp偏光である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記スキャナは、一つもしくは複数の鏡または反射面を備えている請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記スキャナは、前記配列ビーム生成器と前記対物レンズとの間の光路にある請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記配列ビーム生成器は、音響光学変調器を含む請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願への相互参照)
本出願は、35 USC §119(e)の優先権の利益に基づいて、2018年5月
15日出願の米国仮特許出願第62/671616号「第二高調波発生(SHG)撮像に
基づく光学的検査システムの設計」および2018年5月15日出願の米国仮出願第62
/671611号「ハイブリッド偏光光第二高調波発生のためのシステム設計」の全体を
参照により援用する。
【0002】
本出願の対象は、第二高調波発生(SHG)に基づくウエハ検査、半導体計測学、物質
特性評価、表面特性評価および/または界面分析のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
非線形光学において、光ビーム入力は、それらの入力の和、差、または高調波周波数と
して出力される。第二高調波発生(SHG)は、光がある角度で入射光源の光ビームの二
倍の周波数でもって物質から放出される非線形効果である。このプロセスは、入射放射の
エネルギーEの二つの光子を組み合わせて、エネルギー2Eの単一の光子を生成する(つ
まり、周波数が2倍(2ω)または波長が半分の光を生成する)ものと見なすことができ
る。
【0004】
SHG技術を使用した科学的研究の調査は、T.F.ハインツ等著、「半導体表面から
の光第二高調波発生」、レーザ研究の進歩III(A.C.タム、J.L.コール、W.
C.スチュワレー編、米国物理学会、ニューヨーク、1988)所収、p.452によっ
て提供された。そこに見られるように、SHGプロセスは、対称中心を示す物質(つまり
、反転または中心対称物質)のバルク内では発生しない。これらの物質の場合、SHGプ
ロセスは、バルク物質の反転対称性が破られている表面および/または界面でのみ認識で
きる。そのため、SHGプロセスは、表面および界面の特性に対して独自の感度を提供す
る。
【0005】
同様の理解について、SHG効果が、ハインツ等の米国特許第5294289号明細書
に記載されている。ダウナー等の米国特許第5557409号、ハントの米国特許第67
95175号、第6781686号、第6788405号、第6819844号、第68
82414号、および第7304305号、トーク等の第6856159号、アレス等の
第7158284号明細書のそれぞれは、また、採用する可能性のある他の手法または「
ツール」について説明する。しかし、これらの特許の教示によっても、半導体製造および
計測用の確立した技術として、SHGを採用する際の主な障害のいくつかは克服されない
ように思える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5294289号明細書
【特許文献2】米国特許第5557409号明細書
【特許文献3】米国特許第6795175号明細書
【特許文献4】米国特許第6781686号明細書
【特許文献5】米国特許第6788405号明細書
【特許文献6】米国特許第6819844号明細書
【特許文献7】米国特許第6882414号明細書
【特許文献8】米国特許第7304305号明細書
【特許文献9】米国特許第6856159号明細書
【特許文献10】米国特許第7158284号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】T.F.ハインツ等著、「半導体表面からの光第二高調波発生」、レーザ研究の進歩III(A.C.タム、J.L.コール、W.C.スチュワレー編、米国物理学会、ニューヨーク、1988)所収、p.452
【発明の概要】
【0008】
(第I部)
半導体基板層内の電子が、和の周波数発生(SFG)のための異なる電力特性を有する
各ポンプ光源およびプローブ光源によって種々に励起されるSHG計測ツールについて記
載する(例えば、通常はSHG)。そのような手法について、積層半導体装置テンプレー
トにおける異種界面に電位差を誘導して「ポンプ」として動作する「追加の」集積光源(
例えば、紫外線フラッシュランプまたはレーザ)を、「プローブ」光源として動作する短
パルスまたは超短パルスレーザ(例えば、フェムト秒固体レーザ)とともに備える、計測
特性評価ツールを提供する。効用は、単一のレーザSHG、もしくは二重または複数のレ
ーザSFGシステムからはっきり区別されるように、異なる目的のための二つの異なる源
を一斉にまたは互いに連動させて(後述する、様々な時間オフセットおよび/または可変
ポンプエネルギー方法を介して)使用することから生じる。
【0009】
一方法では、ポンプについて、いくつかの物質の総特性評価時間を低減することを可能
にする前励起または予備励起光源として使用する。そのような多くの実装では、時間依存
電場を、プローブ/プローブレーザによって一次生成していない。この方法の一変形では
、ポンプにより、ウエハ全体をUVで照らし、次いでプローブレーザを使って、そのウエ
ハ全体もしくは一部について一点当たり最小プローブ時間を費やしながらラスターするか
、またはそうでなければスキャンする(例えば、ハードウェアがレーザを動かせる速度で
スキャンする)。この点に関する選択肢には、ウエハ移動により、(スキャン)列に沿っ
たステップで、行ごとにスキャンを行うことが含まれる。別の手法では、ウエハを半径に
沿って回転させスキャンすることもできる。
【0010】
別の変形例では、ポンプは、物質界面の試料位置における高速な充電を引き起こし、続
いて、高速遮断および/または光学遅延方法に関係するプローブによる充電界面の減衰の
観測を行う。その方法については、2014年4月17日出願の米国仮出願第61/98
0860号明細書「ウエハ計測技術」の第II節「電荷減衰測定のシステムおよび方法」
に詳述されている。それらとは関係なく、様々な実施形態において、予備励起するための
ポンプ使用の意図は、例えば、界面に影響を与えるのに十分な量の電荷キャリアを誘電体
中に注入することである。
【0011】
別の方法では、ポンプレーザは、既にプローブレーザによって試料位置で生成されたS
HG信号に影響を及ぼす後励起または励起後光源として使用される。さらに別の方法では
、プローブのポンプ前およびポンプ後のレーザエネルギー適用によって生成されたSHG
信号の比較/コントラストを使用する。試料をプローブし、ポンプする前にSHG応答を
測定し、次にポンプ光源からの放射を適用し、その後、再プローブすることにより、ポン
プ前後のSHG応答の差を使用して、誘電体物質のトラップ密度などのさらなる物質特性
を決定できる。
【0012】
本明細書で論じた、様々な方法において、タイミング差(すなわち、プローブレーザ使
用に対してポンプ源が予備および/または励起後かによる)を使用して、物質界面につい
てのさらなる情報を表す調査曲線を集めることができる。
【0013】
様々な方法において、ポンプおよびプローブ光源は同時に使用され、それらの組み合わ
せは、注入キャリアエネルギーしきい値を決定するためのSHG信号を提供するために使
用される。具体的には、プローブレーザでプローブしている間、調整可能なポンプレーザ
の周波数を上昇させる。特定の周波数で、SHG信号は変曲点(または不連続の領域)を
示す。変曲点(または不連続の領域)でのポンプレーザ周波数に対応する値は、注入キャ
リアエネルギーしきい値に関連付けることができる。
【0014】
対象のポンプおよびプローブシステムの種々の実施形態によって、特定のハードウェア
に基づく利点の可能性も提供する。ポンプがフラッシュランプの例では、極めて妥当なコ
スト削減を、二レーザシステムに対して達成することができる。フラッシュランプまたは
第2のレーザを提供するかどうかにかかわらず、本明細書で企図するポンプおよびプロー
ブの組み合わせにより、また、調査すべき基板への光学的損傷のリスクを低減することが
できる。平均電力しきい値を超える強すぎる照射は、誘電体および基板さえも劣化させる
からである。基板に光学的損傷を引き起こす平均電力しきい値は、実験的な較正調査によ
って決定できる。
【0015】
対象のハードウェアに関連して後者の可能性を理解するため、いくつかの背景を提供す
る。すなわち、ポンプおよびプローブエネルギーにより、単独で、そのようなハードウエ
ハを用いてSHG信号を生成することができる。ポンプおよびプローブ源は、SHG信号
を生成するために連動して動作する必要はなく、ポンプは、一般に、埋め込まれた界面S
HGを適切に駆動するためのピーク電力を持っていないので、関連する物質特性は、主に
、プローブによって生成されるSHG信号強度により対象の方法から導出される。時間依
存のSHG強度曲線は、例えば誘電体および基板間などの界面全体の電荷キャリアの分布
に基づいて変化する。例えば、誘電体および半導体基板間の界面全体のキャリアの注入に
要する時間は、試料上に向けられた平均電力に依存する。いくつかの実装形態では、プロ
ーブだけで、誘電体および基板間の界面全体のキャリアの注入を可能にできる。そのよう
な実装では、ピーク電力から平均電力を切り離すことができないので、物質の光学的損傷
しきい値を超えることなく、誘電体および基板間の界面全体のキャリアの注入が可能な目
標平均電力に達する時間は、ポンプおよびプローブの組み合わせを使用する実装時よりも
大きい可能性がある。平均電力は高いがピーク電力は低い光源を、プローブ前の誘電体お
よび基板間の界面全体のキャリアを注入するポンプとして使用することにより、平均電力
を増加するための時間が、平均電力での高いピーク電力が誘発する可能性のある潜在的な
損傷の複雑化なく、節約できる。
【0016】
したがって、対象のプローブは、ポンプに比べて、通常、低い平均電力を有する、より
高いピーク電力源である。別の言い方をすれば、プローブレーザは、通常、相対的に非常
に弱い。一態様では、これにより、基板界面に存在する固有電場への擾乱を最小限に抑え
て、初期の時間非依存信号を生成することができる。
【0017】
より高い平均電力だが、低いピーク電力のポンプにより、電荷キャリアを物質の界面ま
たは界面全体のエネルギーレベルにまでジャンプさせることにより、電場(E)を誘導す
る。相対的に高い平均電力源をポンプとして使用し、かつ利用可能なすべての電子に少な
くとも誘電体にジャンプするのに十分なエネルギーを与えることによって、界面を高速に
「充電する」ことにより、高いピーク電力(高SHG変換レートを提供する)だが、低い
平均電力(パルス持続時間が短く、そのようなパルスの数が限られているため)のプロー
ブレーザで表面を高速に調査し、時間非依存のSHG信号データを提供できる状況が作ら
れる。
【0018】
したがって、本明細書で記載する様々な実施形態において、プローブレーザにより電子
をより高いエネルギーレベルまたは界面を横切って移動させるために必要な時間の減少が
達成でき、それにより定常SHG信号および/または電荷キャリア時間動態測定をより迅
速に評価できるようになる。この手法によりまた、SHGプローブの効果について、それ
自体が基板界面の電場に与える影響から分離できる。また、SHGプロセスの時間依存性
を高速化または無視できるようになるだけでなく、プローブビームから取得した信号の少
なくとも一部の時間非依存のSHGデータをより高速に取得できるようになる。同様に、
別の観点では、界面(例えば、半導体および誘電体間の界面)へのキャリア注入のエネル
ギーしきい値のより速いかつ/またはより正確な決定、ならびにラインツール環境におい
てより速いスループットが可能になる。状況がどうであれ、提供される利用可能な時間短
縮により、半導体業界のあらゆる種類のインライン計測ツールでの高スループットテスト
を有利に促進できる。一例として、10nmのSilicon on Insulato
rの25nm 埋め込み酸化物層を含む装置(10nmの装置層/25nmのBOX S
OI)に関して、SHG技術の既存アプリケーションを使用した時間依存曲線を作成する
と、1点ごとに6~12以上秒を要する。本明細書に記載するような予備励起を使用する
と、時間依存性を1秒未満で生成することができ、物質およびポンプ/プローブ電力を同
一にできる。この進歩により、ライン上で利用可能な時間/ウエハが与えられた場合、ウ
エハ上で10倍以上の表面積がカバー可能になるか、または10%の時間で同等の信頼性
が可能になる。そして、この種の数値は、物質、層の厚さ、具体的なポンプ/プローブの
電力および波長によって異なるものの、啓発的である。
【0019】
本発明の実施形態は、本明細書に記載した手法に関連した方法、その方法を実行するた
めのハードウェア、そのハードウェアおよび製品(プロダクト・バイ・プロセスを含む)
を組み込んだ生産システムを、それぞれ含む。
【0020】
(第II部)
現在まで、SHGベースの計測ツールの採用は限られてきた。この事実は、既存のシス
テムが検出された界面特性を区別できないことに起因すると考えられる。言い換えれば、
既存のSHG技術では、界面の電気的に活性な異常の位置および存在を決定する手段は提
供されるが、それらの方法は相対的な測定に依拠し、電気的に活性な異常の種類(例えば
、結合欠損に対する銅などの吸着された汚染物質)を解析し、かつ/または検出された汚
染物質を定量化することは実際には不可能である。
【0021】
しかしながら、本対象のシステムおよび方法により、このような活性のために必要な決
定を行うための定量的情報を捕捉することが種々可能となる。これらのシステムおよび方
法では、ウエハ試料を光学的な電磁放射(特定の場所をパルスレーザもしくはフラッシュ
ランプまたは他の電磁エネルギー源もしくは光源あるいは他の手段)で充電した後、複数
の測定を行い、減衰期間を制御する異種界面に関連する過渡的な電場減衰を監視する。
【0022】
複数の点で生成し、特性評価した減衰曲線データを用いて、試料位置における異常また
は問題の分光パラメータについて、欠陥の種類または汚染物質の識別および/もしくは定
量化が可能となるように決定することができる。全てにおいて、減衰依存データを収集し
、電荷キャリア寿命、トラップエネルギーおよび/またはトラップ電荷密度を決定するこ
とにより、欠陥および汚染物質を相互に識別もしくは解析し、汚染物質が検出された場合
に種の識別、および/または検出された場合の汚染物質の定量化ができるシステムを提供
するために使用される。
【0023】
このような活性について、選択した方法で位置ごとに、通常、ウエハ全体もしくは他の
物質試料またはその領域のスキャンを繰り返して、決定する。そのような決定を可能にす
るために必要なコンピュータ処理は、「リアルタイム」に(すなわち、結果の出力に実質
的な遅延がないスキャン中に)または後処理を介して、生じる可能性がある。しかしなが
ら、様々な実施形態において、後述するような方法について対象データを取得する正確な
システム・タイミングを提供するため、制御ソフトウェアは遅れなく実行可能である。
【0024】
必要に応じて、試料物質の充電についてSHG信号生成に関連して監視する。その場合
、この信号を介して得られた情報は、物質分析および決定に使用することができる。
【0025】
いずれの場合においても、システムの実施形態に、102秒からピコ秒(10-12秒
)の範囲で動作する高速シャッターの超短パルスレーザを含む可能性がある。このような
システムは、複数の短い遮断間隔を導入した後、薄膜物質の表面および埋め込み界面から
の試料位置でのSHG信号生成を監視するために使用できる。これらの間隔は、対象の電
場減衰を監視するようにタイミングを合わせることができる。
【0026】
本システムはまた、光回線遅延を含む可能性がある。遅延線は、特に分散補償および偏
光制御光学系と組み合わせた場合、ファイバに基づく装置である可能性がある。あるいは
、遅延線はミラーに基づき、マクドナルドの米国特許第6147799号、ビショップ等
の第6356377号、またはウー等の第6751374号明細書の実施例に相似する可
能性がある。いずれの場合にも、遅延は、物質のレーザ調査をピコ秒(10-12秒)~
フェムト秒(10-15秒)、おそらくはアト秒(10-18秒)の範囲で行うためのシ
ステムで使用される。このような調査は、単一の減衰曲線に沿った複数の電荷減衰依存の
データ点を検出するのに役立つ場合がある。
【0027】
本対象の方法は、連続する充電イベントの後に取得した減衰データ点についてSHG信
号を測定することを含む方法を含む。SHG信号を取得するための条件は、各充電イベン
トで異なる可能性がある。さらに、連続する充電イベント間の時間間隔は異なる場合があ
る。この方法では、複数のデータ点(少なくとも二つ、通常は三つ以上)を相関させて、
単一の複合減衰曲線として表すことができる。別の方法では、破壊が最小限の(すなわち
、SHG信号を生成するために使用される放射が物質を有意には充電しない)SHG信号
調査イベントが単一の充電イベント後に使用される。
【0028】
さらに別の過渡的な電荷減衰を決定するための方法は、試料物質(より正確に、光放射
により充電されたその構造)からの放電電流を測定することを含む。この信号の時間依存
性(動力学)は、SHG計測を採用した場合と同じように扱うことができる。さらに、上
記のように、そのような計測は、一つの減衰間隔、および/または充電に続く所与のレベ
ルへの複数のそれらにわたる期間で行われ得る。いずれにせよ、そのような使用のための
特定電極のハードウェアについて以下に詳述する。
【0029】
充電または充電レベルに関しては、電荷動態を標準の線形時間または対数時間スケール
に対して観測したとき、見かけの飽和点でもよい。上記について、対象の方法論は、必要
に応じて、重要な情報をもたらす可能性がある充電速度を観測、記録、および分析する。
【0030】
連続する充電/調査イベントについて、試料の初期充電状態を測定し飽和レベルが初期
充電状態から遠くない場合、システムは、さらなるまたは後続の特性評価を省略してよい
。この状況において「遠くない」と見なすことが可能な場合として、対象のツールを使用
していつ一定時間サンプリングするかを学習することによって決定される、初期充電状態
に対する電荷増加が約1%~約10%である場合を意味する可能性がある。
【0031】
換言すれば、いわゆる「飽和」とは、相対的な用語である。線形時間スケールを使用す
ると、物質は非常にすばやく飽和状態になる。しかし、充電に関連するSHG信号強度を
10~100秒の対数スケールで観測した場合、飽和の後半部分は異なる時定数で生じ、
相対的により緩やかまたは時間を要することが観測できる。したがって、本明細書で提供
する方法論の実施例は、飽和までの充電について論じているが、遅延および他のタイミン
グは、見かけの飽和に関して生じると見なすことができる。達するのに不必要に時間を要
する100%の飽和のための完全な量の時間を待機するのでなく、装置は、完全に飽和す
るまでにかかる時間に関係なく、見かけの飽和に到達する、または重要なパラメータを抽
出できる時間まで遅延させる可能性がある。
【0032】
また、飽和に向かう(例えば、SHG監視に関連して)充電の量または程度を監視する
場合に、本対象の方法およびシステムは、意味のある減衰曲線情報を生成しながら、飽和
未満(上記で説明したように)の充電および/または再充電レベルで動作できることを理
解するべきである。しかし、そのような測定でなく、近似飽和が既知のパラメータのとき
(例えば、所定の物質を対象ツールで経験することにより)、飽和充電を目標レベルとし
て使用する。
【0033】
また、テストする試料の両端のDCバイアスを導入することにより、物質の分析を補助
できる。DCバイアスを使用すると、光誘導電圧が影響を与える前に、界面での初期電荷
分布が積極的に変化する。そうするためには、テストする試料を、試料上面プローブを使
用して試料の両端にDCバイアスを印加するための接地として使用し得る導電性チャック
の上に据え付ける可能性がある。さらに、表面プローブを使用することなく、同様の誘導
電圧バイアスを導入する他の手段について、2014年4月17日出願の米国仮出願第6
1/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第IV節「電場バイアスSHG技術」に
詳述されている。
【0034】
また、対象のシステムは、電荷減衰決定用遮断型分析に含まれる一次レーザに加えて二
次光源を使用する可能性がある。そのような光源の一式を、2014年4月17日出願の
米国仮出願第61/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第I節「ポンプおよびプ
ローブ型SHG計測」に詳述されるように、放射ポンプ/プローブの組み合わせとして使
用する可能性がある。
【0035】
すべての本発明の実施形態は、本明細書に記載した手法に関連する方法のそれぞれを単
独で、または参照する同時係属中の特許出願からの要素部品もしくは特徴、その方法を実
行するためのハードウェア、そのハードウェアおよび製品(プロダクト・バイ・プロセス
を含む)を組み込んだ生産システムと組み合わせて含む。
【0036】
(第III部)
様々なバイアス場(例えば、磁場バイアス、DCバイアス、ならびに/または容量結合
および/もしくは変化する磁場を伴う、AC場だけで誘導した電圧バイアス)のSHGに
基づくシステムおよびそれらの使用方法について説明する。これらについて順番に扱う。
それらは、独立して、および/または組み合わせたシステムで使用することができる。本
明細書に記載した様々な実施形態は、上記の手法に関連した方法のそれぞれ、上記方法を
実行するハードウェア、そのハードウェアおよび製品(プロダクト・バイ・プロセスを含
む)を組み込む生産システムを含む。
【0037】
(磁場バイアス)
静的または変化する磁場を試料に印加すると、物質の二次の光学感受率テンソルの変化
を引き起こすであろう。したがって、磁場を使用して、試料からのSHG信号を最適値ま
で増加させることができる。さらに、以下でさらに説明するように、変化する磁場を使用
してバイアスを誘導することができる。
【0038】
(DC接触プローブを除くための誘導電圧バイアス)
積層半導体物質のSHG応答を特性評価するためのシステムおよび方法が記載について
記載する。当該物質は、システム内の接触バイアスプローブを使用せずに、その界面全体
にわたる別個の電場を受け、当該電場は、プローブレーザのパルスおよび/または検出器
の開閉を、試料に印加する所定振幅の可変もしくはパルス状ACバイアスに同期させ、調
査すべき表面に対応のまたは配位された誘導電圧場を生成できる。
【0039】
対象ハードウェアは、SHG装置(例えば、2014年4月17日出願の米国仮出願第
61/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第II節「電荷減衰測定のシステムお
よび方法」に詳述するもの)を、試料の「装置」面に、またはそれに沿って非接触で電圧
を誘導する手段(例えば、誘導するように構成された部品)とともに含む。そのような手
段または部品は、プローブを備えた裏面接触か、または導電チャックを介してのいずれか
であり、裏面接触プローブまたはそのようなチャックと通信もする電力源に接続した容量
結合プローブを伴う。あるいは、その多層界面に外部電圧場を誘導する目的のため、試料
に変化する磁場を印加することによってである。
【0040】
可変波形(必要に応じてAC)電源が生成する過渡電場によって(上記の手法のいずれ
かを介して)、多層半導体物質の界面全体の電場を誘導する。電圧および物質界面電場の
関係は、伝達関数またはその他の方法でモデル化できる。これには、さまざまな(容量性
またはその他の)外的影響を考慮することも含まれる。この関数の出力について、特定の
振幅および周波数のAC(または他の)電流を与えることにより、界面の電場振幅値がほ
ぼ瞬時的に一定となるテスト点のSHG特性評価のため、レーザシャッタおよび/または
光子カウンタを同時にトリガするタイミング合図として使用する可能性がある。このよう
に、システムにより、接触電気プローブを介して上面(すなわち、基板の装置層)に印加
する一定の(DC)電圧を模擬することができる。
【0041】
試料の裏面にACを直接適用すると、システムは、「中性」または接地状態のチャック
、ならびに平衡電位のバルクおよび装置層から始まる。次に、バルクまたは多層半導体物
質の基板層とガルバニック接触するチャックに交流バイアスを印加する。装置層は、埋め
込みの酸化物層によってバルクから分離され、導体に直接接続しないため、装置およびバ
ルク層間に電位場または電圧が生成(すなわち、誘導)される。
【0042】
あるいは、試料の上面に接触することなくその近傍(約1~約2mm以内)に存在する
容量結合プローブを使用する可能性がある。この点において好ましい手法では、ウエハ全
体を覆う(しかし、接触しない)大きさのプレートであって、当該プレートは、入射レー
ザが試料に向かって通過し、かつ試料から出力するSHGビームが通過するための小さい
穴を備え、空中停止している可能性がある。
【0043】
いくつかの実装では、非接触電極を、MEMS技術を用いて実現することができる。例
えば、一実装では、Siウエハの両面を酸化することができる。次に、スパイラルまたは
グリッド状の電極を、ウエハの一つまたは複数の場所に堆積させることによって配置する
ことができる。酸化物物質は、これらの場所でウエハの裏側から取り除くことができる。
電極に印加された電磁場は、そのような実装において、近接場誘導結合を介してウエハを
誘導的にバイアスすることができる。外部電流によって生成された磁場を使用して、堆積
された電極に電流を誘導することにより、ウエハ全体に電流を生成することができる。非
接触プローブを実装する他の方法も使用できる。
【0044】
いずれの場合においても、SHG法を、試料を調査するために使用し、例えば、201
4年4月17日出願の米国仮出願第61/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第
I節「ポンプおよびプローブ型SHG計測」の部分に詳述がある。同一のことは、以下に
論じる他の実施形態に関しても当てはまる。
【0045】
とにかく、対象の実施形態では、界面の両端間の電圧の関数としてSHGを監視するこ
とが望ましいので、SHG信号を電力源と同期させるであろう。この同期は、SHG信号
生成およびSHG信号処理ソフトウェアに使用するレーザ、レーザ単独、またはSHG信
号処理ソフトウェアのみを、電圧変化とともに時間的に制御することによって達成できる
。チャックの電圧も制御できる。
【0046】
この同期の利点は、DCバイアスのSHG測定値と同様の電圧バイアスのSHG測定値
を、ウエハの表面に接触電圧バイアスプローブを使用することなく取得できることである
。DCバイアスを印加する代わりに、システムはSHG測定および/または生成と同期し
たACバイアスを使用して、電圧サイクルの別々の点でSHGデータを収集する。ACバ
イアスは、近接場誘導結合を使用して、または試料の容量性結合を介して印加できる。こ
れらのバイアス技術で収集したSHGデータは、DCバイアスのSHGと同一の物質特性
情報を生成する。
【0047】
ノイズを低減または最小化し、界面の両端の電圧の関数として統計学的に適切な指標を
得るために、以下に詳述するように、複数の光子計数ウィンドウが望ましい可能性がある
。
【0048】
(界面リークを特性評価するための誘導電圧バイアス)
積層(例えば、半導体)物質の層間の界面リーク電流および/またはキャリア注入エネ
ルギーについて、SHGおよび上記のような積層半導体物質に印加する電圧変化(例えば
、交流の、可変および/もしくはパルス状電圧または電流信号、あるいは試料の装置層内
に電圧変化を誘導するように磁場を変化させる装置)を利用して特性評価するシステムお
よび方法を説明する。
【0049】
交流の、可変および/もしくはパルス状電圧を積層の半導体/誘電体構造物質に印加し
ながら、あるいは印加直後に、当該積層半導体物質に向けられたパルスレーザによって生
成される光パルスからのSHG応答を測定することによって、層間の界面リーク電流およ
び/またはキャリア注入エネルギーを特性評価することができる。いくつかの実施形態で
は、誘導電圧の減衰時定数の関数として界面からのSHG信号の時間発展を測定すること
ができる。これにより、界面全体の電荷キャリアの移動度に関する情報が得られる。
【0050】
(キャリア注入エネルギーしきい値を特性評価するための誘導電圧バイアス)
積層半導体物質における、誘電体への光誘導電荷キャリア注入のエネルギーしきい値を
決定するため、波長可変レーザ励起の使用に代わる、試料の装置層での変動電場と関係す
るSHG測定について、そのシステムおよび方法を説明する。より具体的には、誘電体へ
の光誘導電荷キャリア注入に必要なエネルギーしきい値を測定するために、前述の物質を
実質的に単色の入射光子ビームに曝露してSHGを生成させ、次に曝露された積層半導体
物質の界面両端の電圧を増分的に変化させ、SHG応答が大幅な屈曲もしくは不連続性を
示すか、または以前の測定値からの勾配が突然変化するまで、各増分電圧変化でSHG信
号数を測定することができる。この勾配の変化は、最大もしくは最小(例えば、極大もし
くは極小)、または尖点、あるいは階段関数などの可能性がある。これらすべてのプロセ
スによる正味の電荷変化の伝達は、第三高調波注入電流、強電場による誘電体への「順方
向」リーク電流、および「逆方向」放電リーク電流の寄与の積分として説明できる。方程
式の形式では、以下となる。
【数1】
この曲線形状の運動学的特徴(時間に関する屈曲モーメントおよび飽和モーメント)によ
り、キャリア注入エネルギーしきい値を決定するための情報が提供されよう。
【0051】
すべての本発明の実施形態は、本明細書に記載した手法に関連する方法のそれぞれを単
独で、または参照する同時係属中の特許出願からの要素部品もしくは特徴、その方法を実
行するためのハードウェア、そのハードウェアおよび製品(プロダクト・バイ・プロセス
を含む)を組み込んだ生産システムと組み合わせて含む。
【0052】
本明細書に開示したシステム、方法および装置は、それぞれがいくつかの革新的な態様
を有し、それら単一のものは、いずれも、本明細書に開示した望ましい属性に対して単独
で原因を有するわけではない。様々なシステムおよび方法の実施例について以下に説明す
る。
【0053】
(複数の偏光の効率的収集)
(実施例1)
第二高調波発生を使用して試料を特性評価するためのシステムであって、
試料を支持するように構成された試料ホルダーと、
第二高調波発生を生成するため前記試料に光ビームを向けるように構成された、少なく
とも一つの光源と、
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように構成された、第1および第2の検出器
を備える光学的検出システムと、
前記試料からの第二高調波発生光を受けるため、前記試料および前記光学的検出システ
ム間の光路に配置され、第1および第2の偏光成分を分離し前記第1および第2の検出器
にそれぞれ向ける、少なくとも一つの偏光ビームスプリッタと、
前記第1および第2の検出器から前記受けた第1および第2の偏光成分に基づく信号を
受けるように構成された電子機器と、を含む。
(実施例2)
前記第1および第2の偏光成分は、直交偏光状態を含む、実施例1に記載のシステムで
ある。
(実施例3)
前記第1および第2の偏光成分は、異なる偏光方向を向いた直線偏光の光を含む、実施
例1または2に記載のシステムである。
(実施例4)
前記第1および第2の偏光成分は、それぞれsおよびp偏光である、実施例1~3のい
ずれか1項に記載のシステムである。
(実施例5)
前記少なくとも一つの偏光ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタキューブを含む
、実施例1~4のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例6)
前記光源および前記試料間の光路に配置され、偏光された光を前記試料に向ける、少な
くとも一つの偏光子をさらに含む、実施例1~5のいずれか1項に記載のシステムである
。
(実施例7)
前記光源および前記試料間の前記光路に配置された前記少なくとも一つの偏光子は、直
線偏光子を含む、実施例6に記載のシステムである。
(実施例8)
前記光源および前記試料間に配置され、前記光源からの光を前記試料上に集束させる、
少なくとも一つの集束レンズをさらに備える、実施例1~7のいずれか1項に記載のシス
テムである。
(実施例9)
前記試料および前記偏光ビームスプリッタ間に配置され、前記試料からの第二高調波発
生光を平行化する、少なくとも一つのコリメートレンズをさらに含む、実施例1~8のい
ずれか1項に記載のシステムである。
(実施例10)
前記試料ホルダーは、並進ステージを含む、実施例1~9のいずれか1項に記載のシス
テムである。
【0054】
(SHG撮像)
(実施例1)
第二高調波発生を使用して試料を特性評価するためのシステムであって、
試料を支持するように構成された試料ホルダーと、
第二高調波発生を生成するため光ビームを前記試料に向けるように構成された、少なく
とも一つの光源と、
前記光源および前記試料間の光路に配置され、前記光源からの前記光を複数のビームに
分離し前記試料上の複数の位置に一度に入射させて、前記複数のビームは複数の第二高調
波発生信号を生成するように構成された、少なくとも一つのビームスプリッタと、
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように構成され、前記ビームスプリッタから
の前記複数のビームが生成するSHG信号のそれぞれを各個に向けるように構成された、
複数の検出器を備える光学的検出システムと、
前記複数の検出器から信号を受けるように構成された処理電子機器と、を備える。
(実施例2)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つのビームを受け、前記ビームを複数の
ビームに分割するように構成された回折ビームスプリッタを含む、実施例1に記載のシス
テムである。
(実施例3)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つのビームを受け、前記ビームを複数の
ビームに分割するように構成された音響光学変調器を含む、実施例1~2のいずれか1項
に記載のシステムである。
(実施例4)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、入力ビームを前記試料に向けられる少なく
とも三つの出力ビームに分離するように構成される、実施例1~3のいずれか1項に記載
のシステムである。
(実施例5)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、入力ビームを前記試料に向けられる少なく
とも五つの出力ビームに分離するように構成される、実施例1~4のいずれか1項に記載
のシステムである。
(実施例6)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、入力ビームを前記試料に向けられる少なく
とも十個の出力ビームに分離するように構成される、実施例1~5のいずれか1項に記載
のシステムである。
(実施例7)
前記複数の検出器は、三つの検出器を含む、実施例1~6のいずれか1項に記載のシス
テムである。
(実施例8)
前記複数の検出器は、五つの検出器を含む、実施例1~7のいずれか1項に記載のシス
テムである。
(実施例9)
前記複数の検出器は、十個の検出器を含む、実施例1~8のいずれか1項に記載のシス
テムである。
(実施例10)
前記ビームスプリッタおよび前記試料間の光路に少なくとも一つの二色性反射器をさら
に備え、前記試料から前記SHG信号を受け、前記複数の検出器の各個に前記SHG信号
を向ける、実施例1~9のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例11)
前記試料ホルダーは、並進ステージを含む、実施例1~10のいずれか1項に記載のシ
ステムである。
(実施例12)
前記複数のビームをスキャンするように構成されたビームスキャンシステムをさらに含
む、実施例1~11のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例13)
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された少なくとも一つの偏光ビー
ムスプリッタをさらに備え、前記少なくとも一つの偏光ビームスプリッタは、光を第1お
よび第2の偏光成分に分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第2
の検出器に向けるように構成された、実施例1~12のいずれか1項に記載のシステムで
ある。
(実施例14)
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された複数の偏光ビームスプリッ
タをさらに備え、前記複数の偏光ビームスプリッタは、光を第1および第2の偏光成分に
分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第2の検出器に向けるよう
に構成された、実施例1~13のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例15)
前記第1および第2の偏光成分は、それぞれsおよびp偏光である、実施例13または
14に記載のシステムである。
(実施例16)
第二高調波発生を使用して試料を特性評価するためのシステムであって、
試料を支持するように構成された試料ホルダーと、
第二高調波発生を生成するため光ビームを前記試料に向けるように構成された、少なく
とも一つの光源と、
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように構成された、少なくとも一つの検出器
配列を備える光学的検出システムと、
前記試料からの第二高調波発生光を前記検出器配列上に投影するように構成された投影
光学系と、
前記検出器配列から信号を受けるように構成された処理電子機器と、を備える。
(実施例17)
前記少なくとも一つの検出器配列は、二次元配列を含む、実施例16に記載のシステム
である。
(実施例18)
前記少なくとも一つの検出器配列は、CCD配列を含む、実施例16~17のいずれか
1項に記載のシステムである。
(実施例19)
前記少なくとも一つの検出器配列は、時間依存積分装置を含む、実施例16~18のい
ずれか1項に記載のシステムである。
(実施例20)
前記投影光学系は、前記試料を前記検出器配列上に画像化するように構成される、実施
例16~19のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例21)
前記投影光学系は、少なくとも一つの結像レンズを含み、前記少なくとも一つの検出器
配列は、前記試料の共役像面に配置される、実施例16~20のいずれか1項に記載のシ
ステムである。
(実施例22)
前記光源からの光を前記試料上に集束させるように構成された、少なくとも一つの集束
レンズをさらに備える、実施例16~21のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例23)
前記光源および前記検出器配列に関して前記試料を並進させるように構成された、少な
くとも一つの並進ステージをさらに備える、実施例16~22のいずれか1項に記載のシ
ステムである。
(実施例24)
前記少なくとも一つの並進ステージは、x-y並進ステージを含む、実施例23に記載
のシステムである。
(実施例25)
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された、少なくとも一つの偏光ビ
ームスプリッタをさらに備え、前記少なくとも一つの偏光ビームスプリッタは、光を第1
および第2の偏光成分に分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第
2の検出器配列に向けるように構成された、実施例16~24のいずれか1項に記載のシ
ステムである。
(実施例26)
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された、少なくとも一つの偏光ビ
ームスプリッタをさらに備え、前記複数の偏光ビームスプリッタは、光を第1および第2
の偏光成分に分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第2の検出器
に向けるように構成されている、実施例1~25のいずれか1項に記載のシステムである
。
(実施例27)
前記第1および第2の偏光成分は、それぞれs偏光およびp偏光である、実施例25ま
たは26に記載のシステムである。
(実施例28)
第二高調波発生を使用して試料を特性評価するためのシステムであって、
試料を支持するように構成された試料ホルダーと、
第二高調波発生を生成するため光ビームを前記試料に向けるように構成された、少なく
とも一つの光源と、
前記光源および前記試料間の光路に配置され、前記光源からの前記光を複数のビームに
分離し前記試料上の複数の位置に一度に入射させて、前記複数のビームは複数の第二高調
波発生信号を生成するように構成された、少なくとも一つのビームスプリッタと、
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように構成され、前記少なくとも一つのビー
ムスプリッタからの前記複数のビームが生成するSHG信号のそれぞれを、それぞれの領
域に向けるように構成された、少なくとも一つの検出器配列を備える光学的検出システム
と、
前記複数の検出器から信号を受けるように構成された処理電子機器と、を備える。
(実施例29)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つのビームを受け、前記ビームを複数の
ビームに分割するように構成された回折ビームスプリッタを含む、実施例28に記載のシ
ステムである。
(実施例30)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つのビームを受け、前記ビームを複数の
ビームに分割するように構成された音響光学変調器を含む、実施例28~29のいずれか
1項に記載のシステムである。
(実施例31)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つの入力ビームを前記試料に向けられる
少なくとも三つの出力ビームに分離するように構成される、実施例28~30のいずれか
1項に記載のシステムである。
(実施例32)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つの入力ビームを前記試料に向けられる
少なくとも五つの出力ビームに分離するように構成される、実施例28~31のいずれか
1項に記載のシステムである。
(実施例33)
前記少なくとも一つのビームスプリッタは、一つの入力ビームを前記試料に向けられる
少なくとも十個の出力ビームに分離するように構成される、実施例28~32のいずれか
1項に記載のシステムである。
(実施例34)
前記少なくとも一つの検出器配列は、複数の画素を含む、実施例28~33のいずれか
1項に記載のシステムである。
(実施例35)
前記少なくとも一つの検出器配列の前記領域は、一つまたは複数の画素を含む、実施例
28~34のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例36)
前記少なくとも一つの検出器配列は、CCD検出器配列を含む、実施例28~35のい
ずれか1項に記載のシステムである。
(実施例37)
前記ビームスプリッタおよび前記試料間の光路に少なくとも一つの二色性反射器をさら
に備え、前記試料から前記SHG信号を受け、前記少なくとも一つの検出器配列のそれぞ
れの領域に前記SHG信号を向ける、実施例28~36のいずれか1項に記載のシステム
である。
(実施例38)
前記試料ホルダーは、少なくとも一つの並進ステージを含む、実施例28~37のいず
れか1項に記載のシステムである。
(実施例39)
前記複数のビームをスキャンするように構成されたビームスキャンシステムをさらに含
む、実施例28~38のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例40)
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された少なくとも一つの偏光ビー
ムスプリッタをさらに備え、前記少なくとも一つの偏光ビームスプリッタは、光を第1お
よび第2の偏光成分に分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第2
の検出器配列に向けるように構成された、実施例28~39のいずれか1項に記載のシス
テムである。
(実施例41)
前記試料からの第二高調波発生光を受けるように配置された複数の偏光ビームスプリッ
タをさらに備え、前記複数の偏光ビームスプリッタは、光を第1および第2の偏光成分に
分離し、前記第1および第2の偏光成分をそれぞれ第1および第2の検出器に向けるよう
に構成されている、実施例28~40のいずれか1項に記載のシステムである。
(実施例42)
前記第1および第2の偏光成分は、それぞれsおよびp偏光である、実施例40または
41に記載のシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図によって、異なる本発明の変形例について種々の実施形態の態様を図式的に説明する
。
【
図1A】
図1Aは、本明細書のSHG計測システムの実施形態の図である。
【
図1B】
図1Bは、そのようなSHGシステムで使用するためのチャックの斜視図である。
【
図1C】
図1Cは、本明細書の別のSHG計測システムの実施形態の図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、特性SHG信号を生成するためのポンプ/プローブシステムの使用例を示す図である。
【
図3】
図3Aおよび3Bは、特性SHG信号を生成するためのポンプ/プローブシステムの使用例を示す図である。
【
図4】
図4は、注入キャリアエネルギーしきい値を決定するためのプローブ/ポンプシステムの使用を示す図である。
【
図5】
図5は、図に表した信号を生成する方法を詳細化したフローチャートである。
【
図8A】
図8Aは、このような機能を提供する方法を表現する図である。
【
図8B】
図8Bは、このような機能を提供する方法を表現する図である。
【
図9】
図9は、システム機能を図表出力で表現する図である。
【
図10】
図10は、SHG調査に関連する方法の実施形態をプロットした図である。
【
図11】
図11は、SHG調査に関連する方法の実施形態をプロットした図である。
【
図13】
図13は、過渡電場減衰を観測するための電流に基づく調査方法をプロットした図である。
【
図14】
図14Aおよび14Bは、
図13の方法で使用することができるハードウェア構成を示す図である。
【
図15】
図15Aおよび15Bは、本明細書中で使用することができるSHGシステム部品の概略図である。
【
図17A】
図17Aは、本明細書の第2のチャック構成について一部を切り取った斜視図である。
【
図17B】
図17Bは、本明細書の第2のチャック構成について一部を切り取った上面図である。
【
図18】
図18Aおよび18Bは、DCバイアスプローブを除くため、試料に印加した交流電圧および表れた交流電圧に関する図である。
【
図19】
図19Aおよび19Bは、リーク電流をテストするため、試料に印加した交流電圧および現われた交流電圧に関する図である。
【
図20】
図20は、試料から収集したSHG光の偏光と同様に、試料に向けられる光の偏光を制御するために使用され得るSHGシステムの概略図の一例を示す。
【
図21】
図21は、SHG信号の第1および第2の偏光(例えば、sおよびp偏光成分)を同時に個別に収集し得るように、偏光ビームスプリッタを含むSHGシステムの概略図の一例を示す。
【
図22A】
図22Aは、レーザビームを複数のビームに分割し、それぞれが複数のSHG信号を生成し、それぞれ複数の検出器に向けることができるように構成されたビームスプリッタを含む、SHG撮像システムの概略図の一例を示す。
【
図22B】
図22Bは、レーザビームを複数のビームに分割し、それぞれが複数のSHG信号を生成し、それぞれ複数の検出器に向けることができるように構成されたビームスプリッタを含む、SHG撮像システムの概略図の別の一例を示す。
【
図23】
図23は、複数のSHG信号からの光を試料上の複数の位置から検出器配列上に投影するように構成された検出器配列および光学系を備えるSHGシステムの概略図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(第I部)
図1は、対象の方法に関連して使用できるようなシステム100の図である。他の適切
なシステムの変形例について、2014年4月17日出願の米国仮出願第61/9808
60号明細書「ウエハ計測技術」の第II節「電荷減衰測定のシステムおよび方法」に、
例えば、中間の光学、光学遅延線を含めることおよび任意の電極機能などに関して提示が
ある。
【0057】
図示のように、システム100には、真空チャック30により保持された試料ウエハ2
0に電磁放射の調査ビーム12を向ける一次またはプローブレーザ10が含まれる。
図1
Bに示すように、チャック30は、xおよびyステージ、ならびに必要に応じて、レーザ
が向けられる場所に対してウエハ全体の試料位置22を位置決めするための回転ステージ
をも含むか、またはそれらのステージ上に設定される。xyステージにより、他のハード
ウェアを動かすことなく、複数のウエハ表面位置または場所22をスキャンすることが可
能になる。回転ステージにより、必要に応じて、特性評価する物質のひずみ、関連する欠
陥または懸念領域など、結晶構造のSHGに対する影響を評価することが可能になる。さ
らなる任意の特徴、態様および/またはチャック30の用途について、2014年4月1
7日出願の米国仮出願第61/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第IV節「電
場バイアスSHG技術」に提示がある。試料位置22は、一つまたは複数の層を含むこと
ができる。試料位置22は、少なくとも二つの層を含む複合基板を含むことができる。試
料位置22は、二つの異なる物質間(例えば、二つの異なる半導体物質間、不純物が異な
る二つの半導体物質間、半導体および酸化物間、半導体および誘電体物質間、半導体およ
び金属、または酸化物および金属間)の界面を含むことができる。
【0058】
システム100を使用したとき、検出器40に向け反射された放射ビーム14は、SH
G信号を含むであろう。検出器は、光電子増倍管、CCDカメラ、アバランシェ検出器、
フォトダイオード検出器、ストリークカメラ、およびシリコン検出器のいずれであっても
よい。システム100はまた、一つまたは複数のシャッター型装置50を含み得る。使用
するシャッターハードウェアの種類は、レーザ放射を遮断する、投棄する、または他の方
法で試料位置から離れる方向に向ける時間枠に依存する。ポッケルスセルまたはカーセル
などの電子光学遮断装置を使用して、非常に短い遮断期間(つまり、作動時間が10-9
~10-12秒程度の)を得ることができる。
【0059】
より長い遮断時間間隔(例えば、約10-5秒以上)のためには、機械的シャッターま
たはフライホイールのチョッパー型装置を用いる可能性がある。しかし、電子光学遮断装
置を使用すると、以下の方法に従って、より広範囲の物質をテストできる。非常に短い時
間間隔、通常、ピコ秒からマイクロ秒程度で離散的に開閉することができる光子計数シス
テム44を使用して、時間依存信号の計数を解決することができる。より高速な時間枠の
場合、上記のように光学遅延線を組み込むことができる。
【0060】
システム100は、ポンプ光源とも呼ばれる追加の電磁放射源60を含むことができる
。様々な実施形態において、放射源60は、指向性ビーム62を放出するものとして示さ
れるレーザ、または発散もしくは光学的にコリメートされたパルス64を放出するUVフ
ラッシュランプであり得る。レーザ源の場合、そのビーム62は、ビーム12と同一直線
上であり得る(例えば、追加のミラーまたはプリズムなどによって向きを変える)。光源
60の出力波長は、約80nmから約1000nmのどこであってもよい。この範囲のよ
り短い波長(例えば、約450nm未満)を使用すると、より長い波長よりも少ない光子
を使用して、かつ/またはより低いピーク強度で電荷励起を駆動することが可能である。
【0061】
フラッシュランプの場合、1フラッシュ当りのエネルギー、またはフラッシュ時の電力
レベルは、基板物質に依存する可能性がある。1フラッシュ当りの総エネルギー1J~1
0kJを生成するフラッシュランプが、完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(F
D-SOI)に適切であろう。ただし、パルスまたは定常的なUV光源も使用可能であろ
う。ポンプの特性および用途における重要な要素は、電荷キャリアを調査対象の物質の誘
電体中に注入することである。適切なフラッシュランプのメーカーには、米国Hellm
a社、および浜松フォトニクス株式会社が含まれる。
【0062】
レーザを光源60として使用する場合、ナノ秒、ピコ秒、またはフェムト秒、あるいは
より高速のパルスレーザ源のいずれであってもよい。連続固体レーザの可能性さえある。
様々な実施形態では、ポンプ源は波長を調整可能である。調整可能なレーザに関して市販
されている選択肢には、スペクトラ・フィジックス社のVelocity、およびVor
tex Tunable Laserがある。さらに、調整可能な固体ソリューションを
、LOTIS社のLT-22xxシリーズの固体レーザから入手できる。
【0063】
レーザまたはフラッシュランプのいずれとして提供するにしても、ポンプ源60は、比
較的高い平均電力を有するように選択し得る。これは、約10mW~約10Wが可能であ
るが、より通常は、約100mW~約4Wと調査物質に依存し(繰り返しになるが、考慮
すべきことは、電荷キャリアを物質の界面(例えば、誘電体界面)中に注入するような、
電荷キャリア移動度の誘導を保証することである)、物質固有の値であり得る。ポンプ源
60の平均電力は、物質の光学的損傷のしきい値以下であるように選択される。例えば、
ポンプ源60は、調査物質がシリコンを含む場合、シリコンの光学的損傷しきい値を超え
ないように、平均光電力が1~2Wを有するように選択することができる。
【0064】
プローブレーザ10は、ナノ秒、ピコ秒、またはフェムト秒、あるいはより高速のパル
スレーザ源のいずれであってもよい。必要なピーク電力、波長、信頼性を有する、現在市
販のレーザの二つの選択肢は、ドープファイバーおよびチタンサファイア装置である。コ
ヒレント社のVITESSEおよびスペクトラ・フィジックス社のMAI TAIレーザ
が好適なチタンサファイアの例である。フェムトレーザーズ社およびその他のメーカーも
、他の適切なチタンサファイア装置を製造する。適切なドープファイバーレーザを、IM
RA、OneFive、およびToptica Photonicsが製造する。基板物
質およびポンプ種によっては、浜松など多くのメーカーのピコ秒、および/または、ナノ
秒レーザも、選択肢になる可能性がある。レーザ10は、約100nm~約2000nm
の波長範囲において約10kW~1GWのピーク電力で動作するが、電力供給は平均で1
50mW未満となる可能性がある。
【0065】
その他種々の任意の、いわゆる「中間」光学部品を、システム100で使用することが
できる。例えば、システムは、レーザ10および/または光源60から直接に反射された
放射と同軸のSHG信号を選択的に通過させる二色性反射もしくは屈折フィルタ70を含
む可能性がある。あるいは、プリズムを使用して、より弱いSHG信号を、何桁も強い反
射一次ビームから区別することができる。しかし、プリズムを使用する手法は誤整列に非
常に敏感であることが判明しているため、上記の二色性システムが好ましい場合がある。
他の選択肢には、回折格子またはペリクルビームスプリッタの使用が含まれる。集束およ
び平行/円柱構造光学系のための光束80を設けてもよい。あるいは、フィルタホイール
90、偏光子92、および/またはズームレンズ94の装置もしくはアセンブリを、シス
テムで使用することができる。また、角度(または円弧型)回転調整(検出器に対応する
調整を伴うもの)およびインライン光学用部品が望ましい場合もある。
【0066】
図1Cに示す実装では、レーザ10からのビーム12を、ビームスプリッタ74によっ
て二つの光路に分割することができる。ビームスプリッタ74は、二つの光路間に不均等
にビーム12を分割し得る。例えば、ビーム12のエネルギーの70%を、第1の光路に
沿って(例えば、ビーム16として)向けることができ、ビーム12のエネルギーの30
%を、第2の光路に沿って(例えば、ビーム18として)向けることができる。別の例と
して、ビーム12のエネルギーの60%を第1の光路に沿って向けることができ、ビーム
12のエネルギーの40%を第2の光路に沿って向けることができる。さらに別の例とし
て、ビーム12のエネルギーの80%を第1の光路に沿って向けることができ、ビーム1
2のエネルギーの20%を第2の光路に沿って向けることができる。このように、分割を
不均等(例えば、70~30%、80~20%、60~40%もしくはその間の任意の範
囲、例えば、60~90%を一の経路にかつ40~10%を別の経路に、また、これらの
範囲外でも同様)とし、ポンプビームに電力の大半を、プローブビームにその残りを送信
し得る。例えば、分割は、ポンプおよびプローブのそれぞれに対して、60~70%対4
0~30%、70~80%対30~20%、80~90%対20~10%、または90~
99.999%対10~0.001%であり得る。異なる実施形態では、例えば、プロー
ブビームは0.001%~49.99%とし、一方、ポンプビームは50.001%~9
9.999%とし得る。二つのビームの合計は、100%またはそれに近い値にし得る。
分割は、特性評価する特定の物質システムによって決まる場合もある。
図1Cに示す例で
は、ビーム12のビームエネルギーの5%は、第1の光路に沿って向けられ、ビーム12
のビームエネルギーの95%は、第2の光路に沿って向けられる。
【0067】
ビームスプリッタ74は、誘電体ミラー、スプリッタキューブ、金属被覆ミラー、ペリ
クルミラーまたは導波路スプリッタを含むことができる。ビーム12が光パルスを含む場
合の実装では、ビームスプリッタ74は、光パルスを広げないように二つの光路間にビー
ム12を分割する、無視できる程度の分散の光学部品を含むことができる。
図1Cに示さ
れるように、各ビームは、様々なミラー要素72を使用して方向転換または照準を合わせ
ることができる。
【0068】
検出器40および/または光子計数システム44からの出力は、電子装置48に入力す
ることができる。電子装置48は、計算装置、コンピュータ、タブレット、マイクロコン
トローラまたはFPGAとすることができる。電子装置48は、プロセッサ、処理用電子
機器、制御用電子機器、処理/制御用電子機器、または一つもしくは複数のソフトウェア
モジュールを実行するように構成され得る電子機器を含む。オペレーティングシステムを
実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メ
ールプログラム、または他の任意のソフトウェアアプリケーションを含む一つまたは複数
のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。電子装置48は、本明
細書で論じる方法を、例えば、RAM、ROM、EEPROM、等のような機械可読非一
時的記憶媒体に含まれる命令を実行することにより、実装できる。電子装置48は、ユー
ザと対話するための表示装置および/またはグラフィックユーザインタフェースを含むこ
とができる。電子装置48は、ネットワークインタフェースを介して一つまたは複数の装
置と通信することができる。ネットワークインタフェースは、例えば、有線イーサネット
、ブルートゥース(登録商標)、または無線接続などの通信が可能な送信機、受信機、お
よび/もしくはトランシーバを含むことができる。
【0069】
他の選択肢に関しては、SHG信号は、それを生成する反射ビームと比較して弱いので
、SHG計数の信号対ノイズ比を改善することが望ましい。光子計数システム44の光子
計数ゲート時間が、本明細書に記載の遮断および/または遅延プロセスのために減少する
につれて、改善がさらに重要になる。使用する可能性のあるノイズを低減する一つの方法
は、光子計数器を積極的に冷却することである。これは、液体窒素やヘリウムなどの極低
温流体、またはペルチェ装置を使用した固体冷却を使用して行うことができる。その他の
改善分野には、シャッタースピードに関連するマルクスバンク回路(MBC)の使用が含
まれる可能性がある。さらに、システム100は、生産ライン環境内のインラインに組み
込むことができる。システム100に先行するまたは後続の生産ライン要素には、エピタ
キシャル成長システム、リソグラフィおよび/または堆積(CVD、PVD、スパッタリ
ング、等)システムのいずれも含まれ得る。
【0070】
さて、
図2A/2Bおよび3A/3Bは、対象のポンプ/プローブシステムをそれらの
方法で使用して得られる可能性があるSHG曲線の種類の例を示す概略図である。
図2A
および2Bでは、そのような信号を得るための時間スケールは、ミリ秒(10
-3秒)の
程度である。したがって、これらは「高速」プロセスである。以下でさらに説明するよう
に、既存の手法と比較して、時間的に数桁の改善が得られる可能性がある。例えば、SH
Gプローブ前に、テスト物質全面をUV放射に露光可能なフラッシュランプにより、各点
での持続的な測定が必要なくなる可能性があるので、全体的なスキャン時間が劇的に低減
する。
【0071】
具体的に、
図2AのSHG信号200は、初期強度202で測定されている。この信号
は、プローブ源放射を表面位置に適用することにより生成される。ポンプ源放射を(オン
したままのプローブ放射に)与えられた時間差(O1)後に追加すると、信号強度が時間
依存曲線204に沿ってより低いレベル206に降下する。逆に、
図2BのSHG信号2
00’は、プローブ放射のみにより生成されたより低いレベル212にあって、時間差(
O2)後にポンプ放射を適用すると、時間依存曲線214に沿ってより高い平坦部216
まで増加する。信号200および200’は、また、曲線の開始および終了時に時間に依
存しない成分または部分を含む。
【0072】
図2Aおよび2Bの両観測結果は、対象システムの基板物質および異なるレーザ電力(
例えば、この場合、ポンプ電力)に応じて、作製され得る。様々な実施形態において、電
荷分離は、光子からの励起後に互いに分離する電子および正孔を含む。レーザの光子によ
ってSiO
2伝導帯にシリコン価電子帯から注入された電子は、酸化物の表面上部に主に
捕捉される。正孔の大部分は、Si/SiO
2界面近傍のシリコン価電子帯の近くに凝集
する。入射する放射または内部光電子放出からの励起による電荷キャリアのこの分離は、
対象システム内に存在する電場に寄与し、これにより、測定されるSHGが変化する。テ
スト位置での気体状酸素の存在、問題の試料の組成および構造などのさまざまな要因によ
って、
図2Aまたは2Bのような観測のいずれがなされるかが決まる。
【0073】
実際に、信号200および200’の組み合わせが観測される例がある。それらの例で
は、信号強度が最初にピークから降下し、底に達し、再度漸近線まで上昇する。一般に、
SHG強度曲線は、非線形感受率テンソルによって決定され、当該テンソルは、分子配向
、原子組成、電子構造、および外部場の影響を受ける。界面を横切って移動する電荷キャ
リアは、SHG信号が発生する界面下位層の構造および電場の電荷状態を変化させる。界
面全体の電荷キャリアのタイプ(正または負)、および界面全体の電場の初期状態に応じ
て、異なる時間依存曲線が観測される。検出されたSHG信号の強度は、スポットサイズ
、平均レーザ電力、ピークレーザ電力などのさまざまな要因に依存し、システム100は
、約400計数/秒~約7百万計数/秒の範囲の強度を有するSHG信号を検出するよう
に構成することができる。本明細書に記載のポンプ/プローブシステムは、界面を横切っ
て移動する電荷キャリアが飽和レベルに到達するのに必要な時間を短縮することができる
。様々な実施形態において、界面を横切って移動する電荷キャリアが飽和レベルに到達す
るのに必要な時間は、本明細書に記載のポンプ/プローブシステムにおいて1m秒~10
00秒とすることができる。界面を含む領域の電荷キャリア密度が飽和を下回ったとき、
および界面を含む領域の電荷キャリア密度が飽和レベルに達したときに、SHG信号の時
間発展を取得することが有利である可能性があるため、システムは、ポンプ放射をオン/
オフした後、約1μ秒以内にSHG信号測定値を取得するように構成することができる。
例えば、システムは、ポンプ放射(またはプローブ放射)をオン/オフした後10秒以内
に、ポンプ放射をオン/オフした後約6秒以内に、ポンプ放射をオン/オフした後約1秒
以内に、ポンプ放射をオフ/オンした後約100m秒以内に、もしくはポンプ放射をオフ
/オンした後約1m秒以内に、ポンプ放射をオフ/オンした後約1μ秒以内に、ポンプ放
射をオフ/オンした後約1n秒以内に、またはこれらの値のいずれかによって形成される
任意の範囲(例えば、1n秒より大きい、1μ秒よりも大きい、1m秒より大きい、期間
等)内に、ならびにそれらの範囲外でも同様に、SHG信号測定値を取得するように構成
することができる。これらの値および範囲は、単一の点からデータを得るために適用され
るが、適切な結像光学系を用いることにより、これをウエハの実質的な領域のウエハ全体
まで拡大し、かつ一度に含むようにすることができる。上記の括弧で示すように、これら
の値および範囲を、プローブ放射にも適用する。充電時間およびSHG信号の取得に必要
な時間を短縮することで、界面のテストを高速化できるため、テストおよび/または製造
生産ラインのスループットを向上させることができる。
【0074】
比較のため、
図3Aおよび3Bは、既存のSHG技術のように、基板を調査するため放
射源(この場合、高い平均電力および高いピーク電力レーザ)を一つのみ使用したときの
、対応する物質についてのSHG信号曲線300および300’の概略図である。
図3A
および3BのSHG信号曲線300および300’を生成するための時間スケールは、数
十から数百(10
2)秒の程度である。
【0075】
そのような時間にわたって、これらの信号(
図2Aおよび2Bのような信号)は、初期
の302および/または時間依存信号の後に特性評価できる下寄りおよび上寄りの平坦部
306、316を含む。このように、類似(または同一)の分析を信号200/200’
、および300/300’で実行することが可能であるが、主な違いは、対象のシステム
(すなわち、より低いピーク電力フェムト秒プローブレーザを、物質の予備励起用のより
高い平均電力ポンプと組み合わせて使用するもの)では、必要な信号情報を取得する際の
時間的効率を大幅に向上できることである。さらに、対象の手法により、フィルタホイー
ルまたは他の方法を使用せずに、時間に依存しないSHG測定値をより簡単に決定する方
法を提供できる。
【0076】
いずれの場合においても、
図4は、注入キャリアエネルギーしきい値を決定する方法を
示す。この場合、ポンプは、波長可変レーザを含む。これによって、ポンプから試料に入
射してから経時的に光子の出力周波数(従って、E=hνによるエネルギー)を高めるこ
とができる。観測されるSHG活性を、信号400として示す。ポンプレーザをいわゆる
適用または使用し、プローブレーザの適用により生成された初期SHG信号レベル402
について、信号が突然の変化(すなわち、404での変曲、不連続、最大、最小、階段関
数、尖端、または勾配の急激な変化)をするまで観測する。この時点での周波数が、エネ
ルギーしきい値に対応すると見なされる。様々な実装において、エネルギーしきい値は、
一つの半導体物質の価電子帯から他の半導体物質の伝導帯に、例えば、二つの半導体物質
、または半導体物質および誘電体物質(例えば、SiおよびSiO
2、SiおよびSi
3
N
4、SiおよびTa
2O
5、SiおよびBaTiO
3、SiおよびBaZrO
3、Si
およびZrO
2、SiおよびHfO
2、SiおよびLa
2O
3、SiおよびAl
2O
3、
SiおよびY
2O
3、SiおよびZrSiO
4)など二つの物質間の界面を横切って電子
を輸送するのに必要なエネルギーである。システム100は、約1.0eV~約6.0e
Vの範囲のエネルギーしきい値を測定するように構成することができる。本明細書に記載
のシステムおよび方法は、例えば、二つの異なる半導体間、半導体および金属間、半導体
および誘電体間などのような様々な界面のエネルギーしきい値を決定するように構成する
ことができる。
【0077】
図5は、SHGを用いて半導体装置を特性評価する方法の実装について説明するフロー
チャートである。様々なプロセスフロー経路を示す。そのような方法は全て、502の所
望の場所に試料を位置決めすることから開始する可能性がある(例えば、通常は、ウエハ
20が固定された後のチャック30を配置することによる)。プログレッシブ位置決め(
すなわち、再位置決め)は、さらに説明するように、任意のSHG検出イベント520の
後に発生する可能性があり、試料の領域内の複数の表面位置もしくはすべての表面位置、
または試料のすべての表面位置をスキャンするためである。あるいは、そのような動作を
、検出したSHG信号に関して540で所与の決定をした後に起こし得る(「戻る」選択
をいずれも点線で示す)。別の決定に関するさらなる詳細について、上記で参照した本出
願の他の部分を参照して理解することができよう。いずれの場合も、試料の位置決めまた
は再位置決めに続いて、特定のフロー経路を選択する(または、別のフロー経路を同一の
表面位置で連続して実行して、異なるデータを生成することもできる)。
【0078】
一つのプロセスフロー経路(実線部分)に従うと、504でプローブ源放射を、特定場
所の試料表面に適用する。次に、506でポンプ源放射を適用する。この実施例では、ポ
ンプ放射について、放射波長を減少させることによって(必要に応じて)光子エネルギー
を線形に増加させるさまざまな方法で適用する。得られたSHGを520で検出する。5
42で信号解析(
図4の例に基づく)により、キャリア注入エネルギーしきい値を決定で
きる。様々な実装では、ポンプ放射のエネルギーは、半導体界面のエネルギーしきい値に
対応し得る。したがって、ポンプ放射のエネルギーは、約1.0eV~約6.0eVとし
得る。例えば、SiおよびSiO
2界面全体のエネルギーしきい値を決定するため、ポン
プ放射のエネルギーしきい値を約4.1eV~約5.7eVで変化させ得る。ポンプ放射
のエネルギーの変化は、放射の周波数(または波長)を変化させることによって達成する
ことができる。例えば、約3.2eVのエネルギーしきい値の期待値を有する試料を調査
するために、ポンプ放射の波長を約443nm~約365nmで変化させることができる
。さまざまな実装では、ポンプ放射の光子が2倍のエネルギーを有する電子を生成できる
ため(例えば、一つの電子が二つの光子を吸収する場合)、ポンプ放射のエネルギーは半
導体界面のエネルギーしきい値を下回る可能性がある。このような実装では、充電時間を
長くして、解像度および強度を向上させた観測が可能になる。充電時間の増加は、また、
試料位置をテストするために必要な時間を増加させ、スループットを減少させ得る。
【0079】
別のプロセスフロー経路(破線部分)に従うと、508でポンプ放射を基板に適用する
。そのような適用は、直接調査する表面のみ(例えば、レーザによる)か、またはウエハ
の表面全体(例えば、フラッシュランプを使用する)に向けることができる。次に、51
0で、調査対象の試料の部分をプローブ源の放射に曝露する。得られたSHGを520で
検出する。本方法のポンプ-プローブ-検出の態様について、その後、潜在的に502で
試料の再位置決め後、繰り返す可能性がある。しかし、図示のように、動作ボックス50
8を省略することができ、上記の例のように、基板全体を最初に放射に曝露する場合、再
度のポンプを逐次スキャンプロセスから回避させ、または省略してよい。いずれの場合に
おいても、544でSHGに基づく種々の信号解析を行い、本出願の他の箇所で説明する
ように、ブロック542のエネルギーしきい値の決定以外の決定もできる。
【0080】
別のプロセスフロー経路(一点鎖線部分)に従うと、504および510のプローブ放
射を適用直後520のSHG信号データ収集をしながら508のポンプ放射の前後に50
4および510のプローブ調査を実行する。再び、本方法を再帰的に実行し、基板または
その一領域の全ての部分のような複数の位置をサンプルし、フローチャート要素502に
戻り、再位置決め後、プローブ-検出-ポンプ-プローブ-検出の方法もしくはその一部
を繰り返すことができる。
【0081】
特に、SHG信号分析の方法または方法の一部(一般的にボックス540および542
に包含される)を、瞬時またはほぼ瞬時出力において行うようなリアルタイムに行うこと
ができる。そうすることで、収集データによって決定される任意の分光学的特性を、マシ
ン上か、または遠隔の統合ソフトウェアのいずれかによるソフトウェアパッケージによっ
て計算することができる。あるいは、SHG信号分析を、SHGデータの一部またはすべ
てを検出または収集後、後処理で処理し得る。
【0082】
本明細書で説明するシステムおよび方法について、試料(例えば、半導体ウエハまたは
その一部)を特性評価するために使用できる。例えば、本明細書に記載のシステムおよび
方法を使用して、上記のように試料中の欠陥または汚染物質を検出できる。本明細書に記
載のシステムおよび方法について、半導体ウエハの製造または生産中に試料を特性評価す
るように構成できる。したがって、システムおよび方法を、半導体製造施設の半導体製造
ラインに沿って使用できる。本明細書に記載のシステムおよび方法を、半導体製造/生産
ラインと統合できる。本明細書に記載のシステムおよび方法について、自動化されたウエ
ハ処理機能を備えた半導体製造ラインに統合できる。例えば、システムには、フロントオ
ープニングユニファイドポッド(FOUP)などのウエハカセットを受け入れる機器フロ
ントエンドモジュール(EFEM)を取り付けることができる。これらのカセットのそれ
ぞれを、人間のオペレーターによって、またはカセットを製造/生産ラインに沿ってプロ
セスからプロセスに移動させる自動カセット処理ロボットによって、それらの機械に配送
できる。
【0083】
様々な実施形態では、システムについて、カセットを一度EFEM上に取り付けると、
FOUPが開き、そしてロボットアームがFOUPから個々のウエハを選択しシステムに
含まれる自動的に作動するドアを通って移動させ、遮光プロセスボックス、およびバイア
ス可能な真空チャックに入れるように構成できる。チャックは、試料をその上に置くこと
ができるように、ロボットアームと補完し適合するように設計することができる。この過
程のある時点で、ウエハをスキャナにかざして、固有のレーザ刻印を特定できる。
【0084】
したがって、半導体製造/組み立てラインに統合されるように構成されたシステムは、
FOUPまたは他の種類のカセットからの自動ウエハ操作能力、上記のようなEFEMへ
の統合、ロボット操作と互換性を持つ方法で設計されたチャック、ロボットの棒/アーム
の動作が可能なように開閉する自動遮光ドア、およびウエハのロード/アンロードおよび
ウエハ識別のためEFEMに信号を出すソフトウェアを有することができる。
【0085】
(第II部)
図6Aは、対象の方法に関して使用し得る第1のシステム2100を示す。別のシステ
ム2100’および2100’’を
図6Bおよび6Cに示す。各システムには、真空チャ
ック2030により保持された試料ウエハ2020に電磁放射の一次ビーム2012を向
ける一次レーザ2010が含まれる。チャック2030は、xおよびyステージ、ならび
に必要に応じて、レーザが向けられる場所に対してウエハ全体の試料位置2022を位置
決めするための回転ステージをも含むか、またはそれらのステージ上に設定される。検出
器2040に向け反射された放射ビーム2014は、SHG信号を含むであろう。検出器
は、光電子増倍管、CCDカメラ、アバランシェ検出器、フォトダイオード検出器、スト
リークカメラ、およびシリコン検出器のいずれであってもよい。試料位置2022は、一
つまたは複数の層を含むことができる。試料位置2022は、少なくとも二つの層を含む
複合基板を含むことができる。試料位置2022は、二つの異なる物質間(例えば、二つ
の異なる半導体物質間、不純物が異なる二つの半導体物質間、半導体および酸化物間、半
導体および誘電体物質間、半導体および金属、または酸化物および金属間)の界面を含む
ことができる。
【0086】
また、各実施形態の共通点は、一つまたは複数のシャッター型装置2050を含むこと
である。これらを、以下の方法に関連して説明するように使用する。使用するシャッター
ハードウェアの種類は、レーザ放射を遮断する、投棄する、または他の方法で試料位置か
ら離れる方向に向ける時間枠に依存するであろう。
【0087】
ポッケルスセルまたはカーセルなどの電子光学遮断装置を使用して、非常に短い遮断期
間(つまり、切り替え時間が10-9~10-12秒程度の)を得ることができる。より
長い遮断時間間隔(例えば、約10-5秒以上)のためには、機械的シャッターまたはフ
ライホイールのチョッパー型装置を用いる可能性がある。
【0088】
しかし、電子光学遮断装置を使用すると、以下の方法に従って、より広範囲の物質をテ
ストできるであろう。非常に短い時間間隔、通常、ピコ秒からマイクロ秒程度で離散的に
開閉することができる光子計数システム2044を使用して、時間依存信号の計数を解決
することができる。
【0089】
ハードウェアについて、前述の方法をより高速な時間枠に押し込むよう企図している。
すなわち、
図6Cに示すように、システムには、遅延線ハードウェア2060を含めるこ
とができる。対応する数の時間遅延調査イベントのための複数の時間設定遅延線間のビー
ム分割および切り替え(またはシャッターのオン/オフ)が可能である。ただし、可変遅
延線は、ポンプのパルス後すぐ(多くの方法では、わずか10
-12秒の遅延しか必要な
い場合もあるけれども)から数十ナノ秒の時間枠まで、複数の過渡電荷減衰調査イベント
に対して単一のソリューションを提供するため、好ましい可能性がある。より遅いキロヘ
ルツの繰り返しレーザを使用する場合、望ましい遅延時間は、マイクロ秒領域に入る可能
性さえある。そして、そのようなハードウェアは、対象の方法(方法およびそのようなハ
ードウェアの両方とも、これまで知られていなかったと信じられている)を実行するのに
独自に適するが、他の用途にも使用する可能性がある。
【0090】
図6Cに示す実装では、レーザ2010からのビーム2012を、ビームスプリッタ2
070によって二つの光路に分割することができる。ビームスプリッタ2070は、二つ
の光路間に不均等にビーム2012を分割し得る。例えば、ビーム2012のエネルギー
の70%を、第1の光路に沿って(例えば、ビーム2016として)向けることができ、
ビーム2012のエネルギーの30%を、第2の光路に沿って(例えば、ビーム2018
として)向けることができる。別の例として、ビーム2012のエネルギーの60%を第
1の光路に沿って向けることができ、ビーム2012のエネルギーの40%を第2の光路
に沿って向けることができる。さらに別の例として、ビーム2012のエネルギーの80
%を第1の光路に沿って向けることができ、ビーム2012のエネルギーの20%を第2
の光路に沿って向けることができる。ビームスプリッタ2070は、誘電体ミラー、スプ
リッタキューブ、金属被覆ミラー、ペリクルミラーまたは導波路スプリッタを含むことが
できる。ビーム2012が光パルスを含む場合の実装では、ビームスプリッタ2070は
、光パルスを広げないように二つの光路間にビーム2012を分割する、無視できる程度
の分散の光学部品を含むことができる。
図6Cに二重矢印で示すように、一次ビーム20
12からビームスプリッタ2070によって取り出された調査ビーム2016の経路は、
「ポンプ」ビーム2018に対する到着タイミングを相対的に変更するため延長または短
縮することができ、各ビームは、様々なミラー要素2072を使用して方向転換または照
準を合わせることが示されている。別の手法(上記)では、光学遅延成分および/または
他の光学経路に光ファイバを使用する(例えば、米国特許第6819844号明細書に提
示があり、そのような説明の全体を参照により本明細書に援用する)。
【0091】
検出器2040および/または光子計数システム2044からの出力は、電子装置20
48に入力することができる(例えば、
図6Aおよび6Bを参照のこと)。電子装置20
48は、計算装置、コンピュータ、タブレット、マイクロコントローラまたはFPGAと
することができる。電子装置2048は、プロセッサ、処理電子機器、制御電子機器、処
理/制御電子機器、または一つもしくは複数のソフトウェアモジュールを実行するように
構成され得る電子機器を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロ
セッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他の
任意のソフトウェアアプリケーションを含む一つまたは複数のソフトウェアアプリケーシ
ョンを実行するように構成され得る。電子装置2048は、本明細書で論じる方法を、例
えば、RAM、ROM、EEPROM、等のような機械可読非一時的記憶媒体に含まれる
命令を実行することにより、実装できる。電子装置48は、ユーザと対話するための表示
装置および/またはグラフィックユーザインタフェースを含むことができる。電子装置2
048は、ネットワークインタフェースを介して一つまたは複数の装置と通信することが
できる。ネットワークインタフェースは、有線または無線接続などの通信が可能な送信機
、受信機、および/もしくはトランシーバを含むことができる。
【0092】
システム2100’’の別の潜在的な態様は、初期ビームスプリッタが動作する方法に
関する。すなわち、分割を不均等(例えば、70~30%、80~20%、60~40%
もしくはその間の任意の範囲、例えば、60~90%を一の経路にかつ40~10%を別
の経路に、また、これらの範囲外でも同様)とし、ポンプビームに電力の大半を、プロー
ブビームにその残りを送信し得る。例えば、分割は、ポンプおよびプローブのそれぞれに
対して、60~70%対40~30%、70~80%対30~20%、80~90%対2
0~10%、または90~99.999%対10~0.001%であり得る。異なる実施
形態では、例えば、プローブビームは0.001%~49.99%とし、一方、ポンプビ
ームは50.001%~99.999%とし得る。二つのビームの合計は、100%また
はそれに近い値にし得る。分割は、特性評価する特定の物質システムによって決まる場合
もある。そのようにする価値は(少なくとも部分的には)、以下に説明するように、物質
の充電に続くSHG調査に関与する電力を望ましくは低減または最小化する、
図10およ
び11に示すような方法を容易にするのを補助し得ることである。さらに別の側面として
、ポンプビームおよびプローブビームを異なる角度で採り入れることである。このような
手法により、ポンプおよびプローブのSHG応答を別々に測定することが容易になる。そ
のような場合、二つの検出器を、各反射ビーム経路に対して一つ使用すると有利な場合が
ある。
【0093】
示した実施形態は、様々な他の任意の光学系によって、区別される。例えば、実施例2
100および2100’は、レーザ2010から直接に反射された放射と同軸のSHG信
号を選択的に通過させる二色性反射もしくは屈折フィルタ2080を含むことを示す。あ
るいは、プリズムを使用して、より弱いSHG信号を、何桁もより強い反射一次ビームか
ら区別する可能性がある。しかし、プリズムを使用する手法は誤整列に非常に敏感である
ことが判明しているため、上記の二色性システムが好ましい場合がある。他の選択肢には
、回折格子またはペリクルビームスプリッタの使用が含まれる。システム2100に示す
ように、集束および平行/円柱構造光学系のための光束2082を設けてもよい。システ
ム2100’に示すように、フィルタホイール2084、ズームレンズ2086、および
/または偏光子2088をシステムで使用してもよい。また、システム2100’に示す
ように、角度(または円弧型)回転調整(検出器に対応する調整を伴うもの)およびイン
ライン光学用部品が望ましい場合もある。また、追加の放射源2090(指向性ビーム2
092を放出する図示のレーザであれ、発散するもしくは光学的に平行な、または集束し
たパルス2094を放出するUVフラッシュランプであれ)をシステムに組み込んで、2
014年4月17日出願の米国仮出願第61/980860号明細書「ウエハ計測技術」
の第I節「ポンプおよびプローブ型SHG計測」に関連し上記で参照したような特徴、お
よび/または以下の方法における初期充電/飽和を提供してもよい。
【0094】
これらのシステムでは、レーザ2010は、約700nm~約2000nmの波長範囲
で約10kW~1GWのピーク電力を有するものの、平均で約100mW未満の電力を供
給し得る。様々な実施形態では、10mW~10Wの平均電力で十分であろう。追加の光
源2090(別のレーザであれ、またはフラッシュランプであれ)は、約80nm~約8
00nmの波長範囲で約10mW~10Wの平均電力を供給して動作し得る。しかし、上
記の範囲外の値も可能である。
【0095】
他のシステムの選択肢に関しては、SHG信号は、それを生成する反射ビームと比較し
て弱いので、SHG計数の信号対ノイズ比を改善することが望ましい。光子計数ゲート時
間が、本明細書に記載の遮断および/または遅延プロセスのために減少するにつれて、改
善がさらに有用になる。使用する可能性のあるノイズを低減する一つの方法は、検出器を
積極的に冷却することである。冷却により、熱ノイズのためランダムに発生する光子の誤
検出を低減できる。これは、液体窒素やヘリウムなどの極低温流体、またはペルチェ装置
を使用した固体冷却を使用して行うことができる。その他の改善分野には、シャッタース
ピードに関連するマルクスバンク回路(MBC)の使用が含まれる可能性がある。
【0096】
これらの改善を、
図6A~6Cの任意のシステムに適用し得る。同様に、システム21
00および2100’に関連する上記の機能のいずれかまたは全てを、システム2100
’’に組み込んでよい。実際、すべてのシステム間で機能または部品を組み合わせること
を企図している。
【0097】
対象の方法を実行するこのようなシステムを用い、これまで不可能だった種々の決定を
、レーザ遮断および/または遅延に関する技術を利用して行うことができる。
図7は、そ
のような可能性を表すプロセスマップまたは決定ツリー2200を示す。すなわち、いわ
ゆる検出される問題2210について、欠陥(結合ボイド、もしくは転位、結晶起源粒子
(COP)等の拡張欠陥)、および汚染物質(例えば点欠陥への銅もしくは他の金属の混
入またはそれらのクラスター形態)間の解析ができる。欠陥に関して、欠陥の種類222
2および/または欠陥の定量化2224(例えば、密度または程度)の決定が可能である
。汚染物質に関して、汚染物質の種または種類2232および/または汚染物質の定量化
2234の決定が可能である。欠陥および汚染物質間のそのような解析および種の識別に
ついて、電荷キャリアの寿命、トラップエネルギー、トラップ捕獲断面積および/または
トラップ密度を決定し、次にこれらをルックアップテーブルもしくはデータベースの値と
比較することに関係して実行し得る。基本的に、これらのテーブルまたはデータベースに
は、対象の方法によって特性評価されるような物質の性質のリストが含まれ、次に、指定
した性質を、特定の欠陥または汚染物質に対応するテーブルもしくはデータベースの入力
と照合する。
【0098】
トラップ捕獲断面積およびトラップ密度を、必要に応じて、検出した充電速度に関連し
て、観測し得る。電荷キャリアの寿命およびトラップエネルギーの決定についてI.Lu
ndstromの業績に基づく次式が、指針を提供する。
【数2】
ここで、τは、トラップ放電のトンネル機構のためのトンネル時定数、Φ
rはトラップエ
ネルギーを表し、E
OXは界面での電場の強さを示し、残りの式の変数および状況は、I
.Lundstrom著、JAP、v.43、n.12、p.5045,1972、に記
載があり、その主題の全体を参照により援用する。
【0099】
いずれの場合でも、調査対象試料から得た減衰曲線データを使用して、物理モデルおよ
び関連する数学を利用することにより、トラップエネルギーおよび電荷キャリア寿命のパ
ラメータを決定できる。
図8Aおよび8Bに示されているような曲線2300、2300
’の代表的な組を、上記の式から計算することができる(
図8Bは、
図8Aのデータの一
部を強調表示または拡大したものである)。
【0100】
これらの曲線は、時定数(縦軸)および誘電体厚(横軸)との関係を、異なるトラップ
または障壁エネルギーについて示す。縦軸は、ナノ秒(1E-9秒)まで小さくなる超高
速時間スケールを含む。横軸は、トンネル距離(または誘電体厚、本例では両方の用語は
概して同等)である。異なる曲線は、定常障壁エネルギーの線である。例えば、
図8Bで
は、リストにある障壁エネルギー0.7eVのエネルギー深さのトラップに捕捉された電
子は、誘電体の厚さが40オングストローム(Å)の場合、約1E-5秒のデトラップ時
定数を示す。
【0101】
ポアソン/輸送ソルバを用いたさらなるモデル化を行うことができ、MOSのような構
造およびより新奇な装置のトラップ密度を電荷キャリア寿命および公知のトラップエネル
ギーを使用して決定できる。具体的には、フェムト秒の光パルスによる光注入電流により
、誘電体伝導帯に到達する電荷キャリアのバーストを誘導する。この電流の平均値は、そ
の領域のキャリア濃度および寿命に関連づけることができる。界面全体の電場は、SHG
がこれらの現象を測定するための代理になる。
【0102】
図8Aのプロットにおいて、20Åの酸化物は、約3eVのエネルギーを有するトラッ
プに対して1m秒の放電時定数を有することが観測できる(破線を参照)。対象のシステ
ムでの使用例に当該プロットを関連付けるため、レーザ励起を遮断後、20Åの酸化物を
調査すると仮定する。
図8Bに示すように(強調表示の箱を参照)、結果は1μ秒から約
1m秒までの観測可能な電流となり、その後すべての電流は消滅する。
【0103】
本出願で論じる減衰曲線は、異なるエネルギーおよび異なる緩和/再結合時定数を有す
るトラップからの複数プロセス(例えば、電荷緩和、電荷再結合、等)の結果物であり得
る。それにもかかわらず、様々な実施形態では、減衰曲線を、一般的に、指数関数f(t
)=Aexp(-λt)+Bと表せる。ここで、Aは減衰振幅、Bは基準オフセット定数
、およびλは減衰定数である。この一般的な指数関数を使用して、実験的に得られた減衰
データ曲線から「減衰の程度」を概算することができる。様々な実施形態において、半減
期t1/2、平均寿命τ、および減衰定数λを使用して、減衰曲線(実験的またはシミュ
レーションによって得られる)の減衰の程度を特性評価することが可能である。例えば、
パラメータA、B、およびλは、以下で説明するように、実験的に取得した減衰データ点
から取得できる。平均寿命τは、その後、定性的に部分または完全崩壊と呼ぶものについ
て基準を設定する方法としての放射性崩壊の理論を利用して、A、B、およびλから計算
することができる。例えば、いくつかの実施形態では、τを、式(t1/2)/(ln(
2))で与えることができる。
【0104】
様々な実装において、充電状態は、平均寿命τの3倍の期間後に完全に減衰したと考え
ることができ、それは完全飽和から~95%の減衰に対応する。部分減衰は、特平均寿命
τのある特定の倍数が経過した後の信号で表すことができる。
【0105】
動作において、システムは、少なくとも部分的には、対象の方法に基づいて、ウエハの
一部(例えば、ダイサイズ部分)またはウエハ全体の、一点ごとに、パラメータ(例えば
、キャリア寿命、トラップエネルギー、トラップ断面積、電荷キャリア密度、トラップ電
荷密度、キャリア注入エネルギーしきい値、電荷キャリア寿命、電荷蓄積時間、等)を決
定する。ウエハ全体(物質、表面積、および必要なスキャン密度に応じて)を、多くの場
合、約10分未満でスキャンでき、これらのパラメータをスキャンした各点に対して決定
できる。様々な実施形態で、ウエハの一つの場所を、約100m秒~約3秒の時間間隔で
スキャンすることができる。例えば、ウエハの一つの場所を約950m秒でスキャンでき
る。
【0106】
決定したパラメータの空間的分布を含む行列データについて、各パラメータの定量的検
査、フィードバック、および報告の手段として、個々に色分けされたヒートマップまたは
等高線マップにプロットすることができる。
図9は、そのようなマップ2400を示す。
それは、欠陥2402が描写される可能性がある方法を示す。
図7のさらに洗練した対象
事項について、いずれの表示も可能である。定量的なデータが一度得られれば、そのよう
な出力を提供することは、単なるプロットプログラム/スクリプトのコードを変更するだ
けの問題である。
【0107】
そのような情報および/または他の情報について、以下の処理をして、コンピュータモ
ニタもしくは専用システム・ディスプレイに表示することができ、および/または、後の
分析で参照または使用するためにデジタルメディア上に記録することができる。加えて、
各ウエハの空間分布について、層の厚さのばらつきを補正するために、偏光解析データを
参照し相互相関させ、かつ、例えば、全反射X線蛍光(TXRF)、飛行時間二次イオン
質量分析(TOF-SIMS)などで得た独立した汚染特性データと相互較正させること
ができる。次に、これらの初期または修正された空間分布を、仕様の範囲内であることが
わかっているウエハの空間分布と比較して、問題の試料にさらなるテストが必要な欠陥ま
たは問題のある特徴があるかどうかを判断できる。しかしながら、一般に、低コストのS
HG、および本明細書の他の方法であってTXRF等のような遅くて高価な直接法を用い
てまたはそれに対して較正されたものを使用することが望ましい。
【0108】
人間の決定は、当初、どんなウエハを許容しまたは不満足とするかの基準を決定する際
に、ツールが正しく較正されウエハに自律的にフラグを立てることができるようになるま
で、使用する可能性がある(例えば、生成されたヒートマップ2400検査において)。
工場内の十分に特性評価したプロセスの場合、人間の決定が唯一必要となるのは、フラグ
の立ったウエハの特性に基づいて、歩留まりに関するシステム的な問題の根本原因を特定
するためであろう。
【0109】
どのように実装しても、
図10は、本明細書の第1の方法の実施形態を説明するプロッ
ト2500を提供し、このような決定を行う際に使用することができる。この方法は、以
下で説明および図示する他の方法と同様に、調査レーザを一定期間開閉する複数のシャッ
ター遮断イベントを用いてSHG応答を特性評価することに依拠する。
【0110】
この第1の例では、調査すべき試料の部分を飽和する(通常は、レーザにより)まで充
電する。この例では、ポンプビームおよびプローブビームとして生成するために単一の光
源を使用するが、他の実施形態では、別々のポンプおよびプローブ光源を使用することが
できる。その間、SHG信号を監視することができる。飽和レベルは、物質の特性評価お
よび/または充電に関連するSHG信号強度(Ich)の漸近的挙動の観測によって知る
ことができる。飽和に達すると(またはその後)、レーザ(ポンプビーム)からの電磁放
射を、試料部分から遮断する。レーザ(プローブビーム)を、選択した期間(tbl1)
開閉する。開閉が停止した後、表面を露光するレーザ(プローブビーム)を使用してSH
G強度測定(Idch1)を行い、最初の放電点での電荷の減衰を観測する。再び、物質
部分を一定期間(tch)にわたって飽和状態に充電(ポンプビームを使用)した後、第
2の遮断イベントを第1の遮断イベントとは異なる時間(tbl2)発生させ、複合減衰
曲線に沿った別の点を特定する。レーザ(プローブビーム)の遮断を解除すると、SHG
信号強度(Idch2)を再度測定する。この減少した信号は、第2の開閉イベントまた
は遮断間隔での電荷の減衰を示す。レーザ(ポンプビーム)によって再び飽和状態に充電
すると、第3の異なる時間の遮断イベント(tbl3)が続き、その後SHG調査および
信号強度測定(Idch3)を行うことによって、SHG強度に関連した電荷減衰の第3
の測定を行う。
【0111】
上記の例では、試料を飽和レベルに充電するが、他の例では、試料を飽和以下の充電レ
ベルに充電してよい。上記の例では、三つの遮断時間tbl1、tbl2、およびtbl
3は異なるが、他の例では、三つの遮断時間tbl1、tbl2、およびtbl3を同じ
にしてよい。様々な例において、試料を最初にある充電レベルまで充電でき、SHG強度
測定値(Idch1)、(Idch2)および(Idch3)を、最初の充電イベント後
の異なる時間間隔で取得できる。
【0112】
上記を参照すると、この三点(Idch1、Idch2およびIdch3に対応する)
を、複合電荷減衰曲線を構築するために使用できる。それを、本明細書では、その構成要
素が複数の関連する事象に由来するという意味で、「複合」曲線と呼ぶ。そして、さらに
繰り返して(異なる開閉時間を使用してより多くの減衰曲線データ点を生成する可能性、
または確実性を確認するため、および/もしくは選択された点の測定から誤差を取り除く
ため同一関係のタイミングを使用する可能性がある)行い、四つまたはより多くの遮断後
検出というサイクルを使用する可能性があるが、そのようなサイクルをわずか二回のみ使
用する可能性があることに注意する必要がある。減衰関連データの一点は、意味のある減
衰曲線の特性評価を提供しないが、曲線をモデル化または外挿して特定の線を定義する二
点は、有用性を提供し、指数関数減衰フィッティングのための三つ以上の点は、より良い
精度で近似値を生成する。別の言い方をすれば、任意の簡単な減衰運動は(例えば、分散
型輸送物理学で延長されなければ)次のような一般式を有する。Measurable(
t)=M0*EXP(-t/tau)。そこで、二つの未知パラメータM0およびtau
を求めるために、単純な運動学を仮定すると、少なくとも2点が必要である。分散(すな
わち、非線形)運動では、n点を測定しその近似の次数に適したモデルを適用する場合、
(n-1)次の補正パラメータを抽出するためできるだけ多くの点を測定することが望ま
しい。また、その測定値の組について、特定の種類の欠陥に割り当てるtauに関し実に
実用的かつ正確となるように、さまざまな電場(E)に対して測定する。
【0113】
上記方法では、いくつかの時点で測定値を得ることにより、パラメータ対時間(例えば
、界面リーク電流または占有トラップ密度対時間)の運動曲線を提供することができる。
時定数(τ)を、パラメータ対時間の運動曲線から抽出できる。時定数は、特定の種類の
欠陥の時定数特性に起因する可能性がある。
【0114】
いずれの場合においても、減衰に依存するデータ取得の前に、調査(またはプローブ)
レーザで物質を飽和させながらSHGデータ取得を行ってもよい。しかし、充電は必ずし
も飽和状態になるとは限らない(例えば、上記の注意のように)。充電レーザの遮断前に
必要な測定をしないだろう。さらに、充電は必ずしも調査/プローブレーザを用いて行う
とも限らない(例えば、任意選択の、上記引用したポンプ/プローブレーザ方法論を参照
のこと)。
【0115】
それとは関係なく、一つの試料位置での対象テスト後、試料物質を、通常、同一の(ま
たは類似の)テストのため別の部分に場所を移動、または一定移動する。このようにして
、試料物質の複数の部分またはすべての部分であっても、上記のようにウエハ全体をスキ
ャンする際に調査および定量化することができる。
【0116】
図11およびプロット2600は、スキャンにより電荷減衰関連データを取得するため
の代替(または補完手法)例を示す。この方法では、最初に飽和状態に充電した後、複数
の遮断時間間隔(t
bl1、t
bl2、t
bl3)にわたる連続(または少なくとも半連
続)放電について、異なるSHG強度(I
dch1、I
dch2、I
dch3)を測定す
る調査またはプローブレーザからのレーザパルスによって調査する。調査/プローブレー
ザからのレーザパルスの強度および/または周波数を、調査/プローブレーザの平均電力
について遮断時間間隔間に妥当なSHG信号を得つつ物質の再充電を回避するため低減す
る、ように選択する。そうするため、わずかに1~3個のレーザパルスを適用することも
あり得る。そのように(数および/または電力において)低減するので、調査またはプロ
ーブレーザパルスから惹起される物質励起は、無視するか、または較正および/もしくは
モデル化時の配慮により考慮することができる。
【0117】
様々な実施形態では、別個のポンプ源を、充電のために使用することができる。しかし
、いくつかの実施形態では、プローブビームを使用して試料を充電することができる。
【0118】
いずれの場合においても、パルス間の遅延について、同一もしくは予想される過渡電荷
減衰プロファイルまたは他の実用的な理由を考慮して調整できる。同様に、遅延を「開閉
」または「遮断」の点から説明したが、
図6Cに関連して上記で論じたように、遅延につ
いて、一つまたは複数の光学遅延線を使用して生成し得ることを理解すべきである。さら
に、
図10に関連して論じた遮断/開閉についても同じことが当てはまり得る。
【0119】
また、上記のように、
図11について、遮断回数もしくは遅延時間またはイベントに種
々の変更を加えて実施することができる。また、SHG信号を、飽和までの充電している
間に測定する場合としない場合がある。いずれの場合でも、
図11の方法を、最終的な開
閉期間でSHG信号が0になるように(図示の通り)実施することができる。これを確認
するには、同じ位置で充電強度(I
ch)を測定するモードでこの方法を繰り返すか、ま
たは単に、飽和状態まで(再)充電する際にSHG信号を観測する。
【0120】
図12A~12Eは、対象ハードウェアを使用して減衰に関連するデータ点を得る方法
に関して有益である。
図12Aでは、一連のレーザパルス2702であって、その中間ま
たは交互のパルスが、所謂「パルスピッキング」手法の遮断ハードウェア(例えば、上述
したような)によって遮断された
図2700を示す。与えられた時間間隔にわたって、個
々のパルスを通過させ(実線で示す)、他のパルスを遮断する(破線で示す)ことが可能
である。
【0121】
図12Bは、SHG調査のための遮断技術の分解能について、プローブレーザの繰り返
し(REP)により制限することができる方法を示す
図2710を提供する。具体的に、
減衰曲線2712のような減衰曲線を呈するとき、
図12Aと同一時間スケールで動作す
るように示したレーザパルスを使用して、パルスを交互に遮断することで時間遅延プロフ
ァイルを分解することが可能である。ただし、より短い曲線2714は、このような状況
下で分解または観測することができない。そのため、光学遅延段を使用すると、さらに有
効である。
【0122】
次に、
図12Cの
図2720は、試料の充電に関連する基準時に対する遮断および遅延
導入により、レーザの繰り返し速度に対する曲線の減衰時間に関して、有用な重複領域を
提供できる方法を(グラフィカルおよびテキストで)示す。また、遅延段のみにより減衰
曲線の調査が可能な短い時間範囲、ならびにポンプおよび/またはプローブビームの遮断
のみが実用的なより長い時間範囲がいかに存在するか、についても示す。
【0123】
図12Dおよび12Eは、さらに、遮断/遅延を組み合わせた装置の効用を示す。
図2
730は、個々のレーザパルス2702によって生成されるSHG信号の例を示す。遅延
段のみを使用すると、そのような各パルス間の範囲(X)のみについて、光学遅延を変化
させることによって調査し得る。対照的に、範囲(Y)にわたる追加の使用を、遅延段、
およびチョッパー、シャッター、もしくは変調器などの遮断またはシャッター手段を組み
合わせたシステムで達成し得る。
図2740に示すように、このようなシステムにより、
1~数パルス時間の範囲の減衰曲線(および関連する時定数)を測定できる。
【0124】
図13は、本明細書の第3の方法の実施形態を示す
図2800を提供する。この実施形
態は、
図11と、以下の点を除いて類似する。つまり、その放電電流(J
dch1、J
d
ch2、J
dch3)について、物質をレーザで充電(必要に応じてそのSHG強度(I
ch)信号を監視もしくは捕捉する)または他の電磁放射源で充電してから試料へのレー
ザ適用を遮断もしくは他の方法で停止することによって、放電を可能にした後の時間間隔
(例えば、基本的に、線形時間に対するログ時間スケールに従う、t
i=t
0、2t
0、
3t
0、7t
0、10t
0、20t
0、30t
0、70t
0、ここで、t
0は、約10
-
6秒または10
-3秒のスケールパラメータであって、測定が開始された時刻)に測定す
ることを除いて、類似する。この手法により、基板内のe-hプラズマが減衰した後、放
電電流が見られ始める瞬間によって、基板内の移動キャリア寿命を推定できるため、ウエ
ハの重要な物理的パラメータが得られる。そして、キャリア寿命を決定した後、電流の放
電について、放電された電荷をSHG計測から得たのと同じ方法で、その時間依存性(つ
まり、電荷減衰に関する運動学)を解釈できる。
【0125】
様々な実施形態を使用して、ある範囲の値の(減衰などの)時定数を測定することがで
きる。例えば、時定数は、0.1フェムト(f)秒~1f秒、1f秒~10f秒、10f
秒~100f秒、100f秒~1ピコ(p)秒、1p秒~10p秒、10p秒~100p
秒、100p秒~1ナノ(n)秒、1n秒~10n秒、10n秒~100n秒、100n
秒~1マイクロ(μ)秒、1μ秒~100μ秒、100μ秒~1ミリ(m)秒、1m秒~
100m秒、100m秒~1秒、1秒~10秒、もしくは10秒~100秒の間、または
それ以上もしくはそれ以下の範囲となり得る。同様に、例えば、プローブおよびポンプ(
またはポンプおよびプローブ)間の時間遅延(Δ)は、例えば、0.1f秒~1f秒、1
f秒~10f秒、10f秒~100f秒、100f秒~1ピコ(p)秒、1p秒~10p
秒、10p秒~100p秒、100p秒~1ナノ(n)秒、1n秒~10n秒、10n秒
~100n秒、100n秒~1マイクロ(μ)秒、1μ秒~100μ秒、100μ秒~1
ミリ(m)秒、1m秒~100m秒、100m秒~1秒、1秒~10秒、もしくは10秒
~100秒の間となり得る。これらの範囲外の値もあり得る。
【0126】
様々な物理的手法を使って、
図13の方法の実行に最適なシステムを提供できる。特に
、当該方法を上記のように変形する可能性がある。そのような手法の二つについて、
図1
4Aおよび14Bに示す。
【0127】
システム2900および2900’は、ゲート電極2910および2920を使用し、
それぞれは可視光領域で透明な導電性物質からなる。そのような電極は、検査対象ウエハ
2020に接触する可能性があるが、それらは最小距離だけ離れる可能性もあり、必ず接
触するというわけではない。さまざまな実装において、誘電体の電場を、静電容量-電圧
曲線(CV曲線)のAC測定を使用して電極-誘電体-基板構造パラメータを抽出するこ
とによって推定できる。CV曲線測定は、対象のツールに物質試料を接続し、市販の標準
CV測定装置を使用して実行できる(例えば、電圧印加により、誘電体に約0.1MV/
cm~約5MV/cmの電場を提供できる)。ウエハを、電気的基板接点が提供される導
電チャック2030上に保持すればよい。ゲート電極の別の代替構造として、10~30
Åの厚さのガラス上の極薄のAu膜またはAl膜があり、薄い半透明の金属層による一部
の光子の吸収により感度が低下する可能性がある。
【0128】
しかし、電極2910および2920は、吸収の問題を呈さない(もっとも、較正によ
って解決できるかさもなければシステム内で考慮し得る、屈折に基づく考察は生じるかも
知れないが)。これらの電極は、電気的接点2932に接続されたZnO、SnOなどの
物質で作られた透明な導体ゲート層2930を含み得る。反射防止上層コート2934を
構造に含んでよい。ゲート層2930を、図示のように、厚さ(Dgc)の誘電体(Si
O2)で作られた透明キャリア2936上に設置し得る。様々な実施形態では、透明キャ
リアは、非接触電極用のゲートとして使用する絶縁体を含み、当該非接触電極は、201
4年4月17日出願の米国仮出願第61/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第
IV節「電場バイアスSHG技術」に記載されたものと同様の電気的測定を行うために、
例えば、容量結合を使用することができる。ウエハを入射レーザ放射から充電すると、そ
の一つまたは複数の界面の両端にかかる電場が変化し、ウエハの層は、平板コンデンサと
同様に、電極内のプレートと容量結合することになる。電極の充電には、電流として測定
される電荷キャリアの移動が伴う。
【0129】
Dgcについて、非侵襲的手法を用いて、半導体基板上のCV曲線を測定することによ
って較正し、印加電圧が既知の場合、電場(E)の計算に使用するであろう。ゲートおよ
び試料間の間隙距離が無視できる場合は、エアギャップの可能性がある。あるいは、電極
は、エアギャップまたは誘電体によって分離されるのではなく、試料と直接接触する可能
性もある。したがって、通常のCVまたはIV測定を、様々な実施形態で実行し得る。
【0130】
あるいは水およびSiO2間の屈折率が接近しているので、間隙を脱イオン水で充填す
ると、悪影響(または少なくとも対処することができないもの)がなく、境界層の反射を
低減するのに有用な場合がある。脱イオン(またはクリーンルーム級の)水は、電気的に
敏感で化学的に純粋な基板ウエハの周囲の清浄度を維持できる。脱イオン水は、実際、通
常の水よりも導電性が低い。
【0131】
図14Bに、キャリアまたはゲートホルダー2938の構成に差を有する関連の構造を
示す。ここでは、それをリングとして構成し、MEMS技術を使用して、中央をエッチン
グし電極の周囲に物質を突出するように残すことによって、最適に形成する。しかし、い
ずれにせよ、レーザおよびSHG放射が通過する必要がある大きな空き区域のため、同区
域を上記のようにDI水で満たすことが特に望ましい場合がある。
【0132】
それとは関係なく、電極2910、2920の全体構造において、各実施形態は、通常
、使用中の物質の励起放射線に対して静止しているであろう。使用の前後に、電極構造を
、ロボットアームまたは運搬装置(図示せず)によって収納し得る。
【0133】
上記の通り、様々な実施形態の電極について、電流の測定などの電気的測定を実行する
ためウエハに直接接触する。しかしながら、例えば、試料と容量的に結合した電極を使用
するなど、電流を測定する非接触の方法も使用できる。
【0134】
本明細書で説明するシステムおよび方法について、試料(例えば、半導体ウエハまたは
その一部)を特性評価するために使用できる。例えば、本明細書に記載のシステムおよび
方法を使用して、上記のように試料中の欠陥または汚染物質を検出できる。本明細書に記
載のシステムおよび方法について、半導体ウエハの製造または生産中に試料を特性評価す
るように構成できる。したがって、システムおよび方法を、半導体製造施設の半導体製造
ラインに沿って使用できる。本明細書に記載のシステムおよび方法を、半導体製造/生産
ラインと統合できる。本明細書に記載のシステムおよび方法について、自動化されたウエ
ハ処理機能を備えた半導体製造ラインに統合できる。例えば、システムには、フロントオ
ープニングユニファイドポッド(FOUP)などのウエハカセットを受け入れる機器フロ
ントエンドモジュール(EFEM)を取り付けることができる。これらのカセットのそれ
ぞれを、人間のオペレーターによって、またはカセットを製造/生産ラインに沿ってプロ
セスからプロセスに移動する自動カセット処理ロボットによって、それらの機械に配送で
きる。
【0135】
様々な実施形態では、システムについて、カセットを一度EFEM上に取り付けると、
FOUPが開き、そしてロボットアームがFOUPから個々のウエハを選択しシステムに
含まれる自動的に作動するドアを通って移動させ、遮光プロセスボックス、およびバイア
ス可能な真空チャックに入れるように構成できる。チャックは、試料をその上に置くこと
ができるように、ロボットアームと補完し適合するように設計することができる。この過
程のある時点で、ウエハをスキャナにかざして、固有のレーザ刻印を特定できる。
【0136】
したがって、半導体製造/組み立てラインに統合されるように構成されたシステムは、
FOUPまたは他の種類のカセットからの自動ウエハ操作能力、上記のようなEFEMへ
の統合、ロボット操作と互換性を持つ方法で設計されたチャック、ロボットの棒/アーム
の動作が可能なように開閉する自動遮光ドア、およびウエハのロード/アンロードおよび
ウエハ識別のためEFEMに信号を出すソフトウェアを有することができる。
【0137】
(第III部)
図15Aおよび15Bは、対象のシステムおよび方法で使用するために適したハードウ
ェアを示す。これについては、2014年4月17日出願の米国仮出願第61/9808
60号明細書「ウエハ計測技術」の第I節「ポンプおよびプローブ型SHG計測」に詳述
がある。他のシステムおよび方法の選択肢には、2014年4月17日出願の米国仮出願
第61/980860号明細書「ウエハ計測技術」の第II節「電荷減衰測定のシステム
および方法」に詳述があるように、例えば、中間光学系、光学遅延線および必要に応じた
電極機能に関するものが含まれる。
【0138】
図示のように、システム3000には、真空チャック3030により保持された試料ウ
エハ3020に電磁放射の調査ビーム3012を向ける一次またはプローブレーザ301
0が含まれる。
図15Bに示すように、チャック3030は、xおよびyステージ、なら
びに必要に応じて、レーザが向けられる場所に対してウエハ全体の試料位置3022を位
置決めするための回転ステージをも含むか、またはそれらのステージ上に設定される。x
yステージにより、他のハードウェアを動かすことなく、複数のウエハ表面位置または場
所3022をスキャンすることが可能になる。回転ステージにより、必要に応じて、特性
評価する物質のひずみ、関連する欠陥または懸念領域など、結晶構造のSHGに対する影
響を評価することが可能になる。さらなる任意の特徴、態様および/またはチャック30
30の用途について、本出願の他の場所に提示している。試料位置3022は、一つまた
は複数の層を含むことができる。試料位置3022は、少なくとも二つの層を含む複合基
板を含むことができる。試料位置3022は、二つの異なる物質間(例えば、二つの異な
る半導体物質間、不純物が異なる二つの半導体物質間、半導体および酸化物間、半導体お
よび誘電体物質間、半導体および金属、または酸化物および金属間)の界面を含むことが
できる。
【0139】
システム3000を使用したとき、検出器3040に向け反射された放射ビーム301
4は、SHG信号を含むであろう。検出器3040は、光電子増倍管、CCDカメラ、ア
バランシェ検出器、フォトダイオード検出器、ストリークカメラ、およびシリコン検出器
のいずれであってもよい。システム3000はまた、一つまたは複数のシャッター型装置
3050を含み得る。使用するシャッターハードウェアの種類は、レーザ放射を遮断する
、投棄する、または他の方法で試料位置から離れる方向に向ける時間枠に依存する。ポッ
ケルスセルまたはカーセルなどの電子光学遮断装置を使用して、非常に短い遮断期間(つ
まり、作動時間が10-9~10-12秒程度の)を得ることができる。
【0140】
より長い遮断時間間隔(例えば、約10-5秒以上)のためには、機械的シャッターま
たはフライホイールのチョッパー型装置を用いる可能性がある。しかし、電子光学遮断装
置を使用すると、以下の方法に従って、より広範囲の物質をテストできるであろう。非常
に短い時間間隔、通常、ピコ秒からマイクロ秒程度で離散的に開閉することができる光子
計数システム3044を使用して、時間依存信号の計数を解決することができる。より高
速な時間枠の場合、上記のように光学遅延線を組み込むことができる。
【0141】
システム3000には、ポンプ光源とも呼ばれる追加の電磁放射源3060を含めるこ
とができる。様々な実施形態において、放射源3060は、指向性ビーム3062を放出
するものとして示されるレーザ、または発散もしくは光学的にコリメートされたパルス3
064を放出するUVフラッシュランプであり得る。レーザ源の場合、そのビーム306
2は、ビーム3012と同一直線上であり得る(例えば、追加のミラーまたはプリズムな
どによって向きを変える)。光源3060の出力波長は、約80nmから約1000nm
のどこであってもよい。この範囲のより短い波長(例えば、約450nm未満)を使用す
ると、より長い波長よりも少ない光子を使用して、かつ/またはより低いピーク強度で電
荷励起を駆動することが可能である。
【0142】
フラッシュランプの場合、1フラッシュ当りのエネルギー、またはフラッシュ時の電力
レベルは、基板物質に依存する可能性がある。1フラッシュ当りの総エネルギー1J~1
0kJを生成するフラッシュランプが、完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(F
D-SOI)に適切であろう。ただし、パルスまたは定常的なUV光源も使用可能であろ
う。ポンプの特性および用途における重要な要素は、電荷キャリアを調査対象の物質の誘
電体中に注入することである。適切なフラッシュランプのメーカーには、米国Hellm
a社、および浜松フォトニクス株式会社が含まれる。
【0143】
レーザを光源3060として使用する場合、ナノ秒、ピコ秒、またはフェムト秒、ある
いはより高速のパルスレーザ源のいずれであってもよい。連続固体レーザの可能性さえあ
る。様々な実施形態では、ポンプ源は波長を調整可能である。調整可能なレーザに関して
市販されている選択には、スペクトラ・フィジックス社のVelocity、およびVo
rtex Tunable Laserがある。さらに、調整可能な固体ソリューション
を、LOTIS社のLT-22xxシリーズの固体レーザから入手できる。
【0144】
レーザまたはフラッシュランプのいずれとして提供するにしても、ポンプ源3060は
、比較的高い平均電力を有するように選択し得る。これは、約10mW~約10Wが可能
であるが、より通常は、約100mW~約4Wと調査物質に依存し(繰り返しになるが、
考慮すべきことは、電荷キャリアを物質の界面(例えば、誘電体界面)中に注入するよう
な、電荷キャリア移動度の誘導を保証することである)、物質固有の値であり得る。ポン
プ源3060の平均電力は、物質の光学的損傷のしきい値以下であるように選択される。
例えば、ポンプ源3060は、調査物質がシリコンを含む場合、シリコンの光学的損傷し
きい値を超えないように、平均光電力が1~2Wを有するように選択することができる。
【0145】
プローブレーザ3010は、ナノ秒、ピコ秒、またはフェムト秒、あるいはより高速の
パルスレーザ源のいずれであってもよい。必要なピーク電力、波長、信頼性を有する、現
在市販のレーザの二つの選択肢は、ドープファイバーおよびチタンサファイア装置である
。コヒレント社のVITESSEおよびスペクトラ・フィジックス社のMAI TAIレ
ーザが好適なチタンサファイアの例である。フェムトレーザーズ社およびその他のメーカ
ーも、他の適切なチタンサファイア装置を製造する。適切なドープファイバーレーザを、
IMRA、OneFive、およびToptica Photonicsが製造する。基
板物質およびポンプ種によっては、浜松など多くのメーカーのピコ秒、および/または、
ナノ秒レーザも、選択肢になる可能性がある。レーザ3010では、約100nm~約2
000nmの波長範囲において約10kW~1GWのピーク電力で動作するが、電力供給
は平均で150mW未満となる可能性がある。
【0146】
その他種々の任意の、いわゆる「中間」光学部品を、システム3000で使用すること
ができる。例えば、システムは、レーザ3010および/または光源3060から直接に
反射された放射と同軸のSHG信号を選択的に通過させる二色性反射もしくは屈折フィル
タ3070を含む可能性がある。あるいは、プリズムを使用して、より弱いSHG信号を
、何桁も強い反射一次ビームから区別することができる。しかし、プリズムを使用する手
法は誤整列に非常に敏感であることが判明しているため、上記の二色性システムが好まし
い場合がある。他の選択肢には、回折格子またはペリクルビームスプリッタの使用が含ま
れる。集束および平行/円柱構造光学系のための光束3080を設けてもよい。あるいは
、フィルタホイール3090、偏光子3092、および/またはズームレンズ3094の
装置もしくはアセンブリを、システムで使用することができる。また、角度(または円弧
型)回転調整(検出器に対応する調整を伴うもの)およびインライン光学用部品が望まし
い場合もある。
【0147】
検出器3040および/または光子計数システム3044からの出力は、電子装置30
48に入力することができる。電子装置3048は、計算装置、コンピュータ、タブレッ
ト、マイクロコントローラまたはFPGAとすることができる。電子装置3048は、プ
ロセッサ、処理用電子機器、制御用電子機器、処理/制御用電子機器、または一つもしく
は複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る電子機器を含む。オペレ
ーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプ
リケーション、電子メールプログラム、または他の任意のソフトウェアアプリケーション
を含む一つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
電子装置3048は、本明細書で論じる方法を、例えば、RAM、ROM、EEPROM
、等のような機械可読非一時的記憶媒体に含まれる命令を実行することにより、実装でき
る。電子装置3048は、ユーザと対話するための表示装置および/またはグラフィック
ユーザインタフェースを含むことができる。電子装置3048は、ネットワークインタフ
ェースを介して一つまたは複数の装置と通信することができる。ネットワークインタフェ
ースは、例えば、有線イーサネット、ブルートゥース(登録商標)、または無線接続など
の通信が可能な送信機、受信機、および/もしくはトランシーバを含むことができる。
【0148】
他の選択肢に関しては、SHG信号は、それを生成する反射ビームと比較して弱いので
、SHG計数の信号対ノイズ比を改善することが望ましい。光子計数システム3044の
光子計数ゲート時間が、本明細書に記載の遮断および/または遅延プロセスのために減少
するにつれて、改善がさらに重要になる。使用する可能性のあるノイズを低減する一つの
方法は、光子計数器を積極的に冷却することである。これは、液体窒素やヘリウムなどの
極低温流体、またはペルチェ装置を使用した固体冷却を使用して行うことができる。その
他の改善分野には、シャッタースピードに関連するマルクスバンク回路(MBC)の使用
が含まれる可能性がある。さらに、システム3000は、生産ライン環境内のインライン
に組み込むことができる。システム3000に先行するまたは後続の生産ライン要素には
、エピタキシャル成長システム、リソグラフィおよび/または堆積(CVD、PVD、ス
パッタリング、等)システムのいずれも含まれ得る。
【0149】
いずれの場合においても、
図16Aおよび16Bによって、対象のSHGシステムで使
用する可能性がある目的特化のチャックハードウェアの第1の組の図を提供する。チャッ
ク3030は、ウエハ3020を真空または他の手段によって保持する。チャック303
0は導電性であり、電源に接続される。必要に応じて、容量結合プローブ3100も、電
源3120に接続される。電源はコンピュータ制御であるか、または少なくともその出力
は、上記に要約したタイミングの理由でコンピュータによって調整される。プローブ31
00も、同様に制御および/または監視することができる。それは、電源3120に接続
された容量性回路の一部であるという意味で制御されるであろう。それは、電圧計によっ
てチャック3030と共に監視されて、電圧が意図されたように誘導されていることを確
認することができる。
【0150】
プローブ3100は、穴3102またはポート(例えば、直径0.2mm)をそのリン
グ内に含むので、光ビーム3012、3014(調査ビームおよび反射SHGビーム)が
遮断されずに通過でき、かつ光学部品に対して相対的に固定されるので、装置表面をスキ
ャンするときに、光学素子と一緒に移動するか、または留まり、(再)配置した試料位置
3022の中心に留まる。その結合(正の「+」電荷を持つことを示す)は、試料装置の
表面の近く(例えば、約1mm~約2mm以内)に配置されるが、接触はしない。カンチ
レバーアームまたはその他の方法で支持される。プローブ3100は、
図16Bに示すよ
うに、リング3104として提供してもよいし、またはより大きな円盤もしくは平板を含
んでもよい。
【0151】
図16Bの断面図に示す例では、ウエハ3020または装置表面(シリコンを含む)は
、シリコンバルク層からSiO
2によって分離されている。したがって、上記で説明した
ように、装置表面への誘導バイアスが必要である。そうでなければ、導電性チャック30
30と接触する、下のシリコンから(少なくとも実質的に)電気的に絶縁されるか、また
は分離されるからである。
【0152】
図17A~17Cは、電源3120に接続した電気コイル3130を含む電磁チャック
3030の詳細を示す。使用中、ウエハ3020を、チャック3030の上に置き、固定
する。交流電流(AC)をコイル3130に印加すると、これによりウエハを通る交流磁
場を発生する。交流磁場は、その装置表面を含むウエハ3020全体に電位を誘導する。
そして、この電場により、上記のSHG調査のさまざまなモードが可能になるので、その
一部について、以下で詳しく説明する。あるいは、DC電流をチャック3130と平行に
配向されるコイル3130に印加し、上記した他の効果のためチャック全体に一定の磁場
を作り出すこともできる。
【0153】
図18Aは、基板バルク層に時間の経過とともに印加したAC電圧(V)プロファイル
(正弦波)の一例を示す。
図18Bは、装置および装置がその上に製造されている基板バ
ルク層間の誘導電圧(V
i)の仮想的な応答を示す。様々な実施形態では、基板は、シリ
コンウエハまたは半導体物質の一部を含むことができる。
図19Aは、基板バルク層に時
間の経過とともに印加したAC電圧(V
O)プロファイル(方形波)の一例を示す。
図1
9Bは、装置およびバルク層間の誘導電圧(V
i)の仮想的な応答を示す。なお、
図18
Aまたは19Aのいずれにおいても、電圧入力は図と異なる可能性があり、潜在的に、階
段、ランプ、正弦波、または他の形で印加する可能性があることに留意されたい。
【0154】
図18Aおよび18Bに関して、より具体的には、ノイズを最小化し、界面の両端の電
圧の関数として統計的に妥当なSHG強度を取得するために、複数の光子計数ウィンドウ
が望ましい可能性がある。このような目的のために、例として、点A
1およびA
2につい
て、バルクおよび装置層間の電圧が電圧Aとして両点で同一になるようにタイミング調整
する。これは、例えば、点B
1およびB
2の電圧B、点C
1およびC
2の電圧C、につい
ても同様である。例えば、電圧Aを使用して、SHGを記録し、点A
1における計数値を
、点A
2での計数値および点A
3、A
4、A
n...での計数値と、所望の測定時間に応
じて任意の長い系列で加算し得る。次に、この期間に測定された計数値の総数を、1秒あ
たりの平均計数値を見つける方法として、この「ゲート」が及ぶ時間で除算する。これに
より、SHG強度をバルク-装置電圧の関数としてプロットできる。同一方法を使用して
、点B
1およびB
2、ならびにB
3、B
4、B
n...での電圧Bに対する測定値を、所
望の測定時間に応じて任意の長い系列で取得できる。次に、この期間に測定された計数値
の総数を、1秒あたりの平均計数値を見つける方法として、この「ゲート」が及ぶ時間で
除算する。これにより、SHG強度をバルク-装置電圧の関数としてプロットできる。同
様に、この方法を使用して、点C
1およびC
2、ならびにC
3、C
4、C
n...での電
圧Cに対する測定値を、所望の測定時間に応じて任意の長い系列で取得できる。次に、こ
の期間に測定された計数値の総数を、1秒あたりの平均計数値を見つける方法として、こ
の「ゲート」が及ぶ時間で除算する。これにより、SHG強度をバルク-装置電圧の関数
としてプロットできる。バイアス電圧の関数としてのSHG強度の利用に関するさらなる
詳細について、DCバイアス文献に見出すことができる。例えば、「第二高調波発生に測
定した照射SOIウエハにおける電荷トラップ」、IEEE Transactions
on Nuclear Science、Vol.51、No.6、2004年12月
所収、および「電場誘導第二高調波発生を利用したシリコン集積回路の光プローブ」、A
pplied Physics Letters、88、114107、2006年所収
、等があり、各出版物について、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0155】
図19Aおよび19Bに関して、より具体的には、これらの図は、シリコン・オン・イ
ンシュレータ(SOI)装置を調査する一例を示す。この例では、導電性チャックは「中
立の」基底状態で始まり、バルク層および装置層は平衡電位にある。時点「A」で、チャ
ックに印加される電圧を急激に変化させると、当該電圧が試料の導電性バルク層に印加さ
れる。試料の装置層は、薄い埋め込み酸化膜層によってバルクから分離されて導電体と直
接接続していないため、電位電場または電圧が装置およびバルク層間に誘導されるであろ
う。時刻「A」および「B」の間、チャックに印加する電圧は変化しない。バルク層およ
び装置層間の誘電体は完全ではないため、誘導された電位が層間のリーク電流を駆動し、
バルク層および装置層間の電位を自然な状態に戻す。次に、電場のこのスパイクおよび減
衰について、SHGを介して監視することによって、リーク電流に関する洞察を提供する
。時刻「B」で、チャックに印加した電圧を接地電位に戻すと、界面の両端の電圧が逆転
する。
【0156】
本明細書で説明するシステムおよび方法について、試料(例えば、半導体ウエハまたは
その一部)を特性評価するために使用できる。例えば、本明細書に記載のシステムおよび
方法を使用して、上記のように試料中の欠陥または汚染物質を検出できる。本明細書に記
載のシステムおよび方法について、半導体ウエハの製造または生産中に試料を特性評価す
るように構成できる。したがって、システムおよび方法を、半導体製造施設の半導体製造
ラインに沿って使用できる。本明細書に記載のシステムおよび方法を、半導体製造/生産
ラインと統合できる。本明細書に記載のシステムおよび方法について、自動化されたウエ
ハ処理機能を備えた半導体製造ラインに統合できる。例えば、システムには、フロントオ
ープニングユニファイドポッド(FOUP)などのウエハカセットを受け入れる機器フロ
ントエンドモジュール(EFEM)を取り付けることができる。これらのカセットのそれ
ぞれを、人間のオペレーターによって、またはカセットを製造/生産ラインに沿ってプロ
セスからプロセスに移動する自動カセット処理ロボットによって、それらの機械に配送で
きる。
【0157】
様々な実施形態では、システムについて、カセットを一度EFEM上に取り付けると、
FOUPが開き、そしてロボットアームがFOUPから個々のウエハを選択しシステムに
含まれる自動的に作動するドアを通って移動させ、遮光プロセスボックス、およびバイア
ス可能な真空チャックに入れるように構成できる。チャックは、試料をその上に置くこと
ができるように、ロボットアームと補完し適合するように設計することができる。この過
程のある時点で、ウエハをスキャナにかざして、固有のレーザ刻印を特定できる。
【0158】
したがって、半導体製造/組み立てラインに統合されるように構成されたシステムは、
FOUPまたは他の種類のカセットからの自動ウエハ操作能力、上記のようなEFEMへ
の統合、ロボット操作と互換性を持つ方法で設計されたチャック、ロボットの棒/アーム
の動作が可能なように開閉する自動遮光ドア、およびウエハのロード/アンロードおよび
ウエハ識別のためEFEMに信号を出すソフトウェアを有することができる。
【0159】
(複数の偏光の効率的収集)
第二高調波発生信号の異なる偏光成分は、異なる物質特性に関する情報を提供すること
ができる。例えば、シリコンと同一の対称性を有するシリコンベースの材料または結晶で
は、p偏光の第二高調波発生信号は、電気的特性に敏感であり得る。これに対して、s偏
光の第二高調波発生信号は、歪みまたは結晶関連情報を提供することができる。したがっ
て、どの偏光成分または偏光成分を収集するかを制御することができるシステムは、試料
の特定の特性に関するデータを分離しかつ収集する際に有用であり得る。したがって、第
二高調波発生信号の異なる偏光成分を収集するためのシステムの様々な実装について、本
明細書で説明する。
【0160】
図20は、特定の偏光の第二高調波発生信号を収集することができるシステムを示す。
特に、
図20は、ウエハのような試料を調査するために使用する可能性がある構成要素の
概略図の一例を示す。図示のように、ウエハ4120を調査するためのシステム4000
には、光源4110、偏光光学系(例えば、偏光子)4112、集束光学系(例えば、集
束レンズ)4114、回転ステージ4116、並進ステージ4118、収集光学系(例え
ば、コリメート光学系)4124、偏光光学系(例えば、偏光フィルタ光学系または偏光
子)4122、分光フィルタ4126、および検出器4130が含まれ得る、図示の構成
では、光源4110、偏光光学系(例えば、偏光子)4112、集束光学系(例えば、集
束レンズ)4114は、光を試料(例えば、ウエハ)に向けるための第1の光路にあり、
収集光学系(例えば、コリメート光学系)4124、偏光光学系(例えば、偏光フィルタ
光学系または偏光器)4122、分光フィルタ4126、および検出器4130は、試料
から反射された光のための第2の光路にある。
【0161】
システム4000を使用したとき、光源4110から入力光4132を発することがで
き、光源4110は、レーザ光源または他の電磁放射源を含むことができる。例えば、光
源4110は、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒のようなパルスレーザ、または連続レーザの
ようなレーザであってもよい。様々な実施形態では、レーザは固体レーザを含む。他の例
では、光源4110は、発散又は光学的にコリメートされた光を発するランプとすること
ができる。光源4110は、任意の波長を有する光4132を発することができる。例え
ば、光源4110は、80nm~1000nmのスペクトルを含む波長を有する光(41
32)を発することができる。
【0162】
システム4000は、偏光を試料に向けることができる。いくつかの実施形態では、光
源4110は、直線偏光のような偏光を出力することができる。いくつかの実施形態では
、システムは、偏光光学系4112を用いて入力光4132を偏光させることができる。
偏光光学系4112は、例えば、入力光4132の偏光状態を変更する偏光子を含むこと
ができる。いくつかの実施形態では、偏光光学系4112は、入力光4132の偏光状態
を変更するための任意の適切な種類の偏光子を含むことができる。例えば、偏光光学系は
、入力光4132を直線偏光させることができる吸収型偏光子を含むことができる。いく
つかの実施形態では、偏光光学系4112は、偏光状態を変化させるように構成された偏
光制御光学系を備えることができ、例えば、直線偏光の向きを(例えば、垂直偏光から水
平偏光へ)変更する。いくつかの実施形態では、例えば、偏光光学系4112は、試料に
入射する光に対して、特定の角度θ1を有する直線偏光を提供する。例えば、偏光光学系
4112は、入力光4132の直線偏光の向きθ1を、ウエハ4120、ウエハ4120
のある領域、またはウエハ4120上のあるパターンに対して変更することができる。例
えば、偏光光学系4112は、ウエハ4120上のあるパターンに対してs偏光を生成す
ることができる。様々な実施形態では、1つ以上のハードウェアプロセッサは、入力光4
132の偏光状態を変更するために、偏光光学系4112を制御することができる。
【0163】
システム4000は、入力光4132を集束光学系4114で集束させる場合がある。
集束光学系4114には、入力光4132をウエハ4120上の領域4136に集束させ
るための任意の適切な集束光学系が含まれ得る。例えば、集束光学系4114には、入力
光4132をウエハ4120の領域4136に向けて集束できる一つまたは複数のレンズ
が含まれ得る。
【0164】
システムには、また、試料から反射された光を収集する収集光学系が含まれ得る。収集
光学系には、例えば、試料からSHG光を受けるように配置された一つまたは複数のレン
ズまたはミラーが含まれ得る。
【0165】
ある実装では、収集光学系4124は、試料からのSHG光を収集するコリメート光学
系を含む。コリメート光学系4124には、ウエハ4120から受信した出力光4134
をコリメートするための任意の適切なコリメート光学系が含まれ得る。例えば、コリメー
ト光学系4124には、一つまたは複数のコリメートレンズなどの一つまたは複数のコリ
メータが含まれ得る。このような一つまたは複数のコリメートレンズを、例えば、それが
焦点距離fを有する場合、焦点距離fに対応する距離だけ試料から離した位置に配置し得
る。他の構成も可能である。
【0166】
上記のように、異なる物質特性に関する情報は、第二高調波生成信号の異なる偏光成分
に含まれ得るので、システム4000は、検出のため、SHG信号の異なる偏光を選択す
るように構成され得る。システム4000は、例えば、特定の偏光状態を有するなどの特
定の偏光特性を備えた光を、検出器4130に、偏光光学系4122を用いて、向けるこ
とができる。偏光光学系4122は、例えば、出力光4134の特定の偏光状態を選択し
て通過させるように構成された偏光フィルタまたは偏光子を備える。偏光光学系4122
は、任意の適切な種類の偏光子を含むことができる。例えば、偏光光学系4122は、特
定の向きの直線偏光を選択的に透過させることができる吸収型偏光子を含むことができる
。例えば、1つまたは複数のハードウェアプロセッサを含むことができる制御電子機器は
、出力光4134から選択する偏光状態を変更するために、偏光光学系4122を制御す
ることができる。例えば、偏光子は、特定の偏光角θ2を有する直線偏光を選択するよう
に回転するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御電子機器は、例
えば、偏光子4122を回転させることによって、選択する、例えば選択的に透過させる
直線偏光の角度を変更するように構成することができる。制御電子機器は、例えば、第1
の状態では試料からのp偏光SHGと比較してs偏光SHG光を検出器に到達させるため
、試料からのs偏光SHG光を選択的に許容し、第2の状態では試料からのs偏光SHG
と比較してp偏光SHG光を検出器に到達させるため試料からのp偏光SHG光を選択的
に許容するように、偏光光学系4122を制御することができる。例えば、制御電子機器
は、偏光光学系4122について、例えば、試料からのs偏光SHG光を透過させるため
に、第1の状態では、試料からのs偏光SHG光は検出器に入射し、試料からの無視でき
ない量のp偏光SHG光は検出器に入射しないように制御することができる。同様に、制
御電子機器は、偏光光学系4122について、例えば、試料からのp偏光SHG光を透過
させるために、第2の状態では、試料からのp偏光SHG光は検出器に入射し、試料から
の無視できない量のs偏光SHG光は検出器に入射しないように制御することができる。
【0167】
システム4000は、他の任意の光学要素を含んでよい。例えば、システム4000に
は、特定の波長の光を選択するための分光フィルタ4126が含まれ得る。例えば、フィ
ルタ4126は、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはローパスフィルタであ
ってよい。フィルタ4126は、例えば、特定の波長または波長範囲を有する光を選択的
に透過してよい。
【0168】
上記のように、システム4000には、検出器4130が含まれ得る。検出器は、光電
子増倍管、アバランシェ検出器、フォトダイオード検出器、ストリークカメラ、およびシ
リコン検出器のいずれであってもよい。検出器4130は、SHG信号を含む可能性があ
る出力光4134を検出してよい。
【0169】
ウエハ4120について、ある実施形態ではチャックを含む可能性がある試料ステージ
4140を使用して所定の位置に保持する場合がある。試料ステージまたはチャック41
40には、ある設計では、ウエハ4120を配置してウエハの面内で移動させることがで
きる並進ステージ4118および/または回転ステージ4116が含まれてよい。例えば
、回転ステージ4116により、ウエハ領域4136に対して軸4128を中心にウエハ
4120を回転できる場合がある。並進ステージにより、ウエハ4120のxおよびy位
置を変更できる場合がある。回転ステージ4116および並進ステージ4118について
、例えば、一つ以上のハードウェアプロセッサを含む可能性がある制御電子機器によって
制御する場合がある。
【0170】
上記のように、このシステムは、第1の偏光、例えばs偏光を有するSHG信号を検出
して、試料に関する第1の種類の情報を取得し、第2の偏光、例えばp偏光を有するSH
G信号を検出して、試料に関する第2の種類の情報を取得することができる。偏光制御器
は、例えば、最初に第1の偏光成分を収集し、その後に第2の偏光成分を収集するように
、またはその逆に設定することができる。本明細書に記載した他の実施形態は、複数の偏
光成分、例えば、第1の偏光(例えば、s偏光の光)および第2の偏光(例えば、p偏光
の光)からの光を、それぞれ同時に、第1および第2の検出器に向けるように構成される
。
【0171】
図21は、
図20で説明したようなシステムの一例を示す。該システムには、偏光光学
系4122に代わる偏光ビームスプリッタ5122、偏光ビームスプリッタからの光を受
け取るように配置された単一の検出器4130に代わる第1および第2の検出器5130
A、5130Bが含まれる。偏光ビームスプリッタは、光を受け、光を第1および第2の
偏光成分に分割するように構成される。
図21に示すシステムでは、ビームスプリッタは
、試料から第二高調波発生光を受け、光を第1および第2の(例えば、直交する)偏光成
分(例えば、s偏光およびp偏光の光)に分割するように配置される。偏光ビームスプリ
ッタは、第1および第2の偏光成分を、個別の第1および第2の経路に沿って、それぞれ
、第1および第2の検出器に向ける。これにより、第二高調波発生信号の第1及び第2の
偏光成分に関するデータを同時に収集することができる。
【0172】
いくつかの実施態様では、試料をスキャンすることができ、または光源4110から試
料上に向けられたビーム4132をスキャンして、試料の異なる部分についてのSHG信
号を取得し、試料もしくはその一部のSHG画像を生成することができる。以下に説明す
るように、他の手法を用いて試料からの第二高調波発生光から画像を形成することができ
る。有利には、
図21に示すシステムでは、SHG信号の第1の偏光および第2の偏光を
別々に収集し、同時に測定することができる。例えば、pおよびs偏光成分のような直交
偏光を、試料の一回のスキャンから同時に収集することができる。したがって、両方の偏
光状態を有する信号を同時に収集して物質を評価する場合、スループットを、例えば2倍
に向上させることができる。上記のように、シリコンベースの物質またはシリコンと同一
の対称性を有する結晶については、p偏光SHG信号成分は、界面電気特性などの電気特
性に関する情報を提供することができ、s偏光SHG信号成分は、歪みまたは結晶関連情
報を提供することができる。本明細書でのシステム開示を使用して、このような情報を同
時に収集することができ、それによって、スループットおよび/または処理速度を向上さ
せながら、二つの偏光成分によるより網羅的な物質特性評価を提供することができる。信
号の正規化もまた、複数の偏光成分に提供し得る。
【0173】
偏光ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタキューブ、表面上に偏光選択反射コー
ティングを有するプレートまたは他の光学素子を含むことができる。他の種類の偏光子も
使用することができる。システム内の他の構成要素は、
図20に示したものと同じであっ
てもよい。同様に、
図20または本開示を通して他の場所で説明した動作の様々な特徴お
よび動作モードを、
図21に示したシステムに適用することができるが、広い範囲の変形
も可能である。例えば、第1および第2の偏光成分を受ける第1および第2の検出器51
30A、5130Bを有する代わりに、検出器配列(例えば、CCD検出器配列)が、第
1および第2の偏光成分を受けることもできる。例えば、検出器配列は、複数の画素を含
むことができる。検出器配列の異なる領域、例えば、検出器配列の第1および第2の領域
は、第1および第2の偏光成分をそれぞれ受け取ることができる。検出器配列の一つの領
域は、検出器配列の一つまたは複数の画素を含むことができる。さらに他の変形も可能で
ある。
【0174】
(SHG撮像)
上記したように、第二高調波発生によって、重大な界面電気特性について敏感な非破壊
的検出を提供できる。しかしながら、様々な点ベースの測定/サンプリング手法は、大面
積カバレッジおよび高い分解能を有する大きな領域の空間的プロファイリングについてス
ループットが減少する。したがって、本明細書に開示した様々な実施形態では、SHG撮
像ベースの検査システムのための設計を提供する。これらの撮像システムは、試料のより
大きな領域にわたるSHG画像またはSHG信号の分布マップを提供することができ、ま
た、高い分解能を提供することができる。これらの撮像システムにより、高い分解能で第
二高調波発生の既存の適用可能性を、および向上したスループットでより大きな領域にわ
たるランダムな分布の欠陥/問題のカバレッジを拡張することができる。場合によっては
、このようなSHG撮像システムは、複数のビームを生成するための一つまたは複数のビ
ームスプリッタ、および試料の一領域にわたる複数のSHG信号を捕捉するための複数の
検出器を使用して、SHG画像を形成することができる。また、スキャン技術を使用する
こともできる。場合によっては、SHG撮像システムは、結像光学系を用いて、試料もし
くは試料の一領域を画像化する、および/または試料の一領域に関連するSHG信号を検
出器配列上に投影してSHG画像を形成してもよい。そのようなシステムの例を以下に説
明する。
【0175】
例えば、
図22Aは、一つのレーザビーム7126を複数のビーム7122A、712
2B、7122Cに分割又は分離するように構成されたSHG撮像システム8000を示
す。いくつかの実施形態では、この複数のビーム7122A、7122B、7122Cを
試料4120の一領域にわたってスキャンして、試料またはその一部のSHG画像を提供
することができる。
【0176】
本明細書に記載の他のSHGシステムと同様に、
図22に示すシステム8000には、
試料ステージ4140上に支持される試料4120に向けられ、試料4120から第二高
調波発生を生成できる光7126を出力するように構成された光源(例えば、レーザ光源
)7108が含まれる。本明細書に記載された他のシステムと同様に、試料ステージ41
40は、x-y並進ステージ4118のような並進ステージ、および/または回転ステー
ジ4116を含むことができる。
【0177】
図22Aに示すシステム8000は、ビームを一つのビームで受け、複数のビームに分
割又は分離するように構成されたビームスプリッタ7110をさらに含む。このようなビ
ームスプリッタ7110は、マルチスポットビーム発生器またはアレイビーム発生器とも
呼ばれる。複数のビームは、ビームの線形配列又はビームの二次元配列であってもよい。
ビームスプリッタ7110は、一つのビームからの光を複数のビームに回折するように構
成された回折格子または回折光学素子のような回折ビームスプリッタを備えることができ
る。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ7110は、音響光学変調器を備えるこ
とができる。音響光学変調器は、例えば、複数の出力ビームを生成するように、一つの入
力ビームからの光を回折するように構成することができる。
図22Aに示すシステム80
00では、ビームスプリッタ7110は、レーザ光源7110から出力されたビーム71
26を受け、複数のビーム7122A、7122B、7122Cを生成する。三つのビー
ムを示すが、より多くの又はより少ないビームをビームスプリッタによって生成してもよ
い。ビーム7122A、7122B、7122Cの数(およびビームによって照射され得
る試料上の対応する点または位置、ならびに得られるSHG信号の数)は、例えば、3、
5、10、15、20、25、30より大きくてもよく、またはこれらの任意の値の間の
任意の範囲であってもよい。試料4120上で、より多くの、又はより少ないビーム71
22A、7122B、7122C、照射スポットもしくは位置、及び/あるいはSHG信
号も可能である。
【0178】
システム8000は、ビームスプリッタ7110によって生成された複数のビーム71
22A、7122B、7122Cを受けるように構成されたスキャナ7112をさらに含
む。スキャナ7112は、例えば、1つまたは複数のミラーもしくは反射表面を備えるこ
とができ、受けた光の方向を傾け、回転させ、かつ/または変化させ、異なる方向に再度
向ける。他の種類のスキャナまたはビームスキャナを使用してもよい。様々な実施形態で
は、スキャナ7112は、試料4120の1つまたは複数の領域にわたってビーム712
2A、7122B、7122Cをスキャンするように構成することができる。
【0179】
システム8000は、ビームスプリッタ7110および試料間に配置された対物レンズ
7116をさらに含み、対物レンズ7116は、複数のビーム7122A、7122B、
7122Cを受け、その後、
図22Aに示すビーム7120A、7120B、7120C
として試料4120上に進ませる。いくつかの実施形態では、対物レンズ7116は、試
料4120上に複数のビーム7120A、7120B、7120Cを集束させる。
図22
Aに示すシステムでは、スキャナ7112は、ビームスプリッタ7110および対物レン
ズ7116間の光路にあるので、対物レンズに入射する複数のビーム7122A、712
2B、7122Cは、スキャンされる。同様に、試料4120上に入射する複数のビーム
7120A、7120B、7120Cも、対物レンズ7116が作用した(例えば集束さ
せた)後、試料の少なくとも一部分にわたってスキャンされる。
図22Aに示すようない
くつかの実施では、対物レンズ7116は、試料4120に対してより垂直な経路に沿っ
て、複数のビーム7120A、7120B、7120Cを試料に向けることもできる。
【0180】
試料4120上に入射した複数のビーム7120A、7120B、7120Cは、複数
のそれぞれのSHG信号を生成する。これらの別々のSHG信号は、対物レンズ7116
の方向に戻ってくる。
図22Aに示すようないくつかの実施では、複数のSHG信号は、
試料4120に対して実質的に垂直な経路に沿って対物レンズ7116に向かう。
【0181】
図22Aに示すシステム8000は、二色性ミラーまたは反射器7114をさらに含む
。この二色性ミラー7114は、複数のビーム7122A、7122B、7122C(お
よび7120A、7120B、7120C)によって生成された別々のSHG信号を受け
るように配置されてもよい。二色性ミラー7114は、対物レンズ7116およびスキャ
ナから受けたSHG信号が二色性ミラーに入射するように、ビームスプリッタ7110お
よびスキャナ7112間に配置することができる。二色性ミラー7114は、SHG信号
の波長を有する光を反射するように構成することができる。したがって、複数のSHG信
号は、二色性ミラー7114によって反射される。
【0182】
二色性ミラー7114は、複数のビーム7122A、7122B、7122Cを光源7
108およびビームスプリッタ7110から透過させるように構成してもよい。例えば、
二色性ミラー7114は、複数のビーム7122A、7122B、7122Cに対応する
光の波長(例えば、基本周波数)を透過させるように構成してもよい。これにより、レー
ザ光源7108および試料4120間の光路に二色性ミラー7114を挿入することによ
り、レーザ光源およびビームスプリッタ7110からの複数のビーム7122A、712
2B、7122Cを透過させて試料4120に入射させることができるが、複数のビーム
7122A、7122B、7122C(および7120A、7120B、7120C)に
よって生成された複数のSHG信号のそれぞれは、二色性ミラー7114から反射される
のに適した波長を有することができる。
【0183】
図22Aに示すシステム8000は、複数のSHG信号を受けるように配置された複数
の検出器8130A、8130B、8130C(例えば、光電子増倍管またはPMT)を
さらに含む。特に、図示のシステム8000では、二色性ミラー7114は、複数のSH
G信号を複数の検出器8130A、8130B、8130Cに光路8128A、8128
B、8128Cに沿って反射させるように構成される。これらの光路8128A、812
8B、8128Cを、
図22Aに模式的に湾曲するものとして示すが、これらの経路は、
例えば、直線的かつ互いに接近するように異なっていてもよい。経路8128A、812
8B、8128Cは、ミラーのような光学素子によっても変化し、あるいは、光ファイバ
またはファイバデバイスまたは集積光学もしくは導波路デバイスのような他の光学部品を
含むことができる。上記のように、二色性ミラー7114は、SHG信号が二色性ミラー
から反射されるように、SHG信号の光の波長を反射するように構成することができる。
また、複数の検出器8130A、8130B、8130Cを、二色性ミラー7114に対
して光路内に配置して、それぞれのSHG信号を受けるようにしてもよい。
【0184】
図22Aに示すシステム8000には、三つの光学的検出器8130A、8130B、
8130Cを示すが、より多くのまたはより少ない光学的検出器を用いてもよい。光学的
検出器8130A、8130B、8130Cの数(および対応するSHG信号の数)は、
例えば、3、5、10、15、20、25、30、またはこれらの任意の値の間の任意の
範囲であってもよい。より多くのまたはより少ない、光学的検出器8130A、8130
B、8130Cおよび/もしくはSHG信号も可能である。以下に説明するように、いく
つかの実施形態では、一検出器配列(または一つ以上の検出器配列)を検出器8130A
、8130B、8130Cとして使用することができる。
【0185】
このようなシステム8000は、複数の検出器8130A、8130B、8130Cを
用いて複数の点または位置のSHGデータを有利に提供することができ、それによってス
ループットを向上させることができる。さらに、複数の位置をスキャンして、試料の一部
にわたってSHG信号を得ることができる。例えば、複数のビーム7122A、7122
B、7122Cは、第1の方向、例えばx(またはy)方向に延在することができる。こ
れらのビーム7122A、7122B、7122Cを、第2の(おそらく直交する)方向
、例えば、y(またはx)方向にスキャンし、試料4120の一領域にわたるSHG信号
レベルをサンプリングすることができる。さらに、又はあるいは、試料4120を、試料
全体の調査領域のさらなるスキャンを提供するため、光源7108および対物レンズ71
16に対して移動できる。いくつかの実施形態では、例えば、スキャナ7112は、一方
向次元、例えばxに複数のビーム7122A、7122B、7122Cをスキャンし、試
料ステージ4140は、別の方向または次元、例えば、yに試料をスキャンする、あるい
はその逆も同様である。このようにして、試料4120上の一領域にわたるSHG画像ま
たはSHG信号分布マップを得ることができる。複数の検出器8130A、8130B、
8130Cを有することにより、データ収集の効率または速度を有利に高めることができ
る。
【0186】
したがって、
図22Aに示すようなシステムを有する様々な実施形態では、レーザ光源
からの光(およびSHG信号)は、複数のビームに分割される。複数のビームは、別個の
領域上を平行にスキャンすることができる。入射光の異なるビームによって生成されたS
HG信号は、異なるチャネル(例えば、光電子増倍管またはPMTチャネル)によって検
出され得る。配列または複数のPMT検出器からのデータの組み合わせから最終画像を生
成することができる。したがって、マルチビームスキャン装置を、複数のチャネルからの
信号を同時に収集しながら使用することによって、高速スキャン速度を達成することがで
きる。
【0187】
したがって、様々な実施形態では、レーザビームまたはウエハのいずれか(あるいは両
方)の高速スキャンを使用して、試料の一領域または複数の領域にわたって、SHG信号
の二次元撮像を形成することができる。異なる位置(例えば、x、y位置)からのSHG
信号の点対点のマッピングを生成することができ、これにより、SHG信号に関連する物
理パラメータ(例えば、電荷密度、歪み、界面状態など)の空間的分布を提供することが
できる。
【0188】
広範囲の変形が可能であり、例えば、一つの光源、一つのビームスプリッタ、一つのス
キャナ、一つの二色性ミラーおよび一つの対物レンズの代わりに、これらの任意の構成要
素の一つ以上がシステム8000に含まれてもよく、また、これらの構成要素は異なった
配置であってもよい。例えば、
図22Bに示すように、対物レンズから受けたSHG信号
が二色性ミラーに入射するように、対物レンズ7116およびスキャナ7112間に二色
性ミラー7114を配置してもよい。さらに、光ファイバまたは集積光学部品(例えば、
導波路ベースの構成要素)を、SHG調査システム8000に使用することができ、また
、複数の検出器8130A、8130B、8130Cの代わりに1つ以上の検出器配列(
例えば、CCD配列)を使用することができる。例えば、検出器配列の異なる領域は、試
料4120に入射するそれぞれのビーム7122A、7122B、7122Cによって生
成された異なるSHG信号を収集することができる。いくつかの実施形態では、入射ビー
ム7122A、7122B、7122Cのうちの特定の一つについてのSHG信号は、検
出器配列上のそれぞれの領域にまたがる積分によって得ることができる。さらに、本明細
書中に開示した構成要素、特徴、および/または方法あるいは技術のいずれも使用するこ
とができる。例えば、一つ以上の偏光ビームスプリッタを使用して、s偏光成分およびp
偏光成分のような第1および第2の偏光状態の光を同時に収集することができる。例えば
、
図21および関連する説明を参照されたい。
【0189】
図23は、試料4120の一領域のSHG画像を生成するための別のシステム1000
0を示す。このSHG撮像システム10000は、試料4120もしくはその一領域を画
像化し、かつ/または試料の一領域に関連するSHG信号を検出器配列10116に投影
してSHG画像を形成するために、結像光学系10114を用いる。
【0190】
本明細書に記載された他のSHGシステムと同様に、
図23に示すシステム10000
は、試料ステージ4140上に支持される試料4120から第二高調波発生を生成するた
め試料4120に向けることができる光を出力するように構成された光源(例えば、レー
ザ光源)10110を含む。本明細書に記載された他のシステムと同様に、試料ステージ
4140は、x-y並進ステージのような並進ステージおよび/または回転ステージ41
16を含むことができる。
【0191】
図23に示すシステム10000は、さらに、任意選択の集束光学系10112を含み
、光源10110からの光を試料4120上の一つの位置に集束させる。集束光学系は、
例えば、いくつかの実施形態では、一つまたは複数のレンズもしくはミラーを含むことが
できる。
【0192】
図23に示すシステム10000は、また、試料4120からの第二高調波発生光のよ
うな光を収集するように構成された投影光学系10112を含む。投影光学系10112
は、例えば、いくつかの実施形態では、一つまたは複数のレンズもしくはミラーを含むこ
とができる。
【0193】
図23に示すシステム10000は、試料4120から第2高調波発生光を受けるよう
に配置された検出器配列10116を含む。検出器配列または画素化検出器10116は
、複数の検出器または画素を含む。検出器配列の画素によって生成された電気信号を処理
して、画素によって受信した光信号の強度レベルの画像またはマップを形成することがで
きる。検出器配列10116は、例えば、いくつかの実施形態では、電荷結合検出器(C
CD)配列を備えることができるが、他の種類の検出器配列を使用することも可能である
。検出器配列10116は、ある実施形態では、時間依存積分に基づく装置を備えること
もできる。時間にわたる積分信号は、信号測定値の増加を提供することができる。
【0194】
いくつかの実施形態では、投影光学系10114は、光強度を有する一つまたは複数の
光学素子のような結像光学系を含む。結像光学系10114は、例えば、一つもしくは複
数のレンズ、一つもしくは複数のミラー又はそれらの組み合わせのようなものを含むこと
ができる。いくつか実施形態では、例えば、検出器配列10116は、試料の共役平面(
例えば、像平面)に配置される(対応する対象面にあってもよい)。したがって、いくつ
かの実施形態では、試料4120(または、試料上の異なる位置から放射するSHG光に
よって形成された像)は、検出器配列10116上に結像する。SHG光は、試料をレー
ザ光で照射することによって生成され、入射レーザビームによって照射された試料上の一
領域または点領域にわたって延在することができる。
【0195】
したがって、様々な実施形態では、試料4120上の異なる位置からのSHG信号は、
検出器配列10116上の異なる位置にマッピングされる。したがって、試料4120上
の異なる位置に入射するレーザ光源10110からの光によって異なる位置のSHG信号
を生成することができ、したがって、検出器配列10116は、試料4120上の異なる
位置のSHG信号を測定し、試料上のSHG信号の分布の画像またはマップを生成するこ
とができる。
【0196】
いくつかの実施態様では、試料のより広い領域にわたる画像化を提供するために、試料
をレーザ光源および投影光学系に対して平行移動する。同様に、レーザおよび投影光学系
(および検出器)を試料に対して平行移動させて、試料のより広い領域にわたる画像化を
提供することができる。さらに、時間積分を用いて、測定された信号レベルを増加させる
こともできる。
【0197】
したがって、様々な実施形態では、レーザビームは静止したままであり、試料(例えば
、ウエハ)を並進させ、その間SHG信号を画素化検出器に投影する。時間依存積分を、
測定する信号レベルを増加させるために、いくつかの実施において採用し得る。検出器か
らの異なる画素要素は、検出器配列上の対応する画素と対になったウエハ表面上の空間的
位置からの局所的なSHG信号を記録することができる。
【0198】
広範囲の変形が可能であり、例えば、一つの光源10110、一つの検出器配列101
16、一組の集束光学系10112、または一組の投影光学系10114の代わりに、こ
れらの任意の構成要素の一つ以上がシステム8000に含まれてもよい。さらに、本明細
書中に開示した構成要素、特徴、および/または方法あるいは技術のいずれも使用するこ
とができる。例えば、一つ以上の偏光ビームスプリッタを使用して、s偏光成分およびp
偏光成分のような第1および第2の偏光状態の光を同時に収集することができる。例えば
、
図21および関連する説明を参照されたい。
【0199】
(変形例)
本発明の実施形態について、特徴の選択に関する詳細とともに、以上に記載した。他の
詳細に関しては、これらについて、上記で参照した特許および刊行物に関連して理解し得
るだけでなく、一般に、当業者によって知られているか、または評価されている。本発明
の方法に基づく態様に関しても、一般的または論理的に使用する追加の動作について、同
じことが当てはまる可能性がある。製造および使用方法を含む、そのような方法に関して
、これらについて、論理的に可能なイベントの任意の順序、ならびに列挙したイベントの
任意の順序で実行できる。さらに、値の範囲を提供する場合、全ての介在値、つまり、そ
の範囲の上限および下限間、ならびに当該記載範囲の他の任意の記載または介在値は、本
発明に含まれることが理解されよう。また、記載する本発明の変形例の任意の選択可能な
特徴について、本明細書に記載した一つもしくは複数の任意の特徴と独立に、または組み
合わせて、明らかにし主張することを企図している。
【0200】
本明細書で使用するように、項目リスト「の少なくとも一つ」を指す句は、単一の項目
を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b、またはcの少な
くとも一つ」は、a、b、c、ab、ac、bc、およびabcを含むことを意図する。
【0201】
本発明の実施形態について、必要に応じて種々の特徴を組み込んだ、いくつかの実施例
を参照して説明したが、これらはそれぞれ、そのような変形例に関して意図するように記
載され、または示されたものに限定されない。記載したそのような発明の任意の実施形態
に変更を加えてよく、同等物(本明細書に記載されているか、または簡潔にするために含
まれていないかを問わず)を、本明細書の真の精神および範囲から逸脱することなく置き
換えることができる。この明細書で別々の実装の状況で記載した特定の特徴を、また、単
一の実装として組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の状況で記載した
様々な機能を、また、複数の実装で別々に、または任意の適切な部分的組み合わせで実装
することもできる。さらに、特徴について、特定の組み合わせで作用するものとして上記
に記載し、最初にそのように主張しても、主張した一つの組み合わせからの一つまたは複
数の特徴を、場合によっては当該組み合わせから切り出すことができ、当該主張した組み
合わせを、部分的組み合わせまたはその変形に向けることができる。
【0202】
記載した様々な処理例について、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)
、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)
または他のプログラマブル論理装置、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハ
ードウェア部品、または本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意
の組み合わせを用いて実現し、または実行してよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセ
ッサであってよいが、代替として、前述のプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コン
トローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってよく、ユーザインタフ
ェースと通信し、ユーザによって入力されたコマンドを受信するユーザインタフェースポ
ート、プロセッサの制御下およびユーザインタフェースポートを介した通信で動作するプ
ログラムを含む電気的情報を格納する、少なくとも一つのメモリ(例えば、ハードドライ
ブまたは他の同等の記憶装置、およびランダムアクセスメモリ)、VGA、DVI、HD
MI(登録商標)、DisplayPortなどの任意の種類のビデオ出力形式を介して
出力を生成するビデオ出力を有するコンピュータシステムの一部であり得る。
【0203】
プロセッサについて、また、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPおよびマイクロプ
ロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する一つもしくは
複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のこのような構成として実現してよい。また
、これらの装置を使用して、本明細書に記載した装置の値を選択してよい。
【0204】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された方法またはアルゴリズムの工程を
、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、また
はこれらの組み合わせで、具体化し得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセス
メモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的にプログ
ラム可能なROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPR
OM)、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能なディスク、CD-ROM、または当
該技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体に存在できる。記憶媒体の一例では
、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるよ
うに、プロセッサに結合する。代替として、記憶媒体を、プロセッサと一体してもよい。
プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在してもよい。ASICは、ユーザ端末内に
存在できる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素
として存在できる。
【0205】
一つまたは複数の実施形態の例では、説明した機能を、ハードウェア、ソフトウェア、
ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実施し得る。ソフトウェアで実施す
る場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶され、送信され、または一つまたは複数
の命令、コード他の情報のような分析/計算データを結果として出力する。コンピュータ
可読媒体には、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任
意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体および通信媒体の両方が含まれる。記憶媒体を、
コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体とできる。限定ではなく、例
として、そのようなコンピュータ可読媒体には、RAM、ROM、EEPROM、CD-
ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装
置、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶
するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる任意の
他の媒体が含まれ得る。メモリ記憶装置は、また、回転磁気ハードディスクドライブ、光
ディスクドライブ、もしくはフラッシュメモリベースの記憶装置ドライブ、または他のそ
のような固体、磁気または光学記憶装置であってもよい。
【0206】
また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェア
が、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)
、または赤外線、無線、およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、
サーバー、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバー
ケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のような無線
技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(Disk)およびディ
スク(Disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジ
タル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスクを含み
、ディスク(Disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(Disc)は、デ
ータをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内
に含まれるべきである。
【0207】
本明細書で説明した動作は、ウェブサイト上またはウェブサイト経由で実行することが
できる。ウェブサイトは、サーバーコンピュータ上で動作し、もしくは、例えば、クライ
アントコンピュータにダウンロードすることによってローカルに動作し、またはサーバー
ファームを介して動作することができる。ウェブサイトは、携帯電話もしくはPDAを経
由して、または任意の他のクライアント上でアクセスすることができる。ウェブサイトは
、MHTMLまたはXMLのような任意の形式のHTMLコードを使用することができ、
さらに、カスケード式スタイルシート(CSS)または他の形式のような任意の形式を介
して使用することができる。
【0208】
また、本発明者らは、「手段」という語を使用する特許請求の範囲のみが、35USC
112、第6段落の下で解釈されるべきであることを意図している。さらに、明細書から
の制限は、特許請求の範囲に明示的に含まれない限り、いずれの特許請求の範囲にも、含
まれることを意図するものではない。本明細書に記載されたコンピュータは、汎用のいず
れのコンピュータ、またはワークステーションなどの特定の目的のコンピュータであって
もよい。プログラムは、C、もしくはJAVA(登録商標)、BREW、または任意の他
のプログラミング言語で書くことができる。プログラムは、記憶媒体、例えば、磁気もし
くは光学のもの、例えば、コンピュータハードドライブ、メモリスティックもしくはSD
メディアなどの取り外し可能なディスクもしくは媒体、または他の取り外し可能な媒体上
に常駐する場合がある。プログラムはまた、ネットワーク上で実行されてもよく、例えば
、サーバーまたは他のマシンがローカルマシンに信号を送信することにより、ローカルマ
シンに本明細書に記載した動作の実行をさせてもよい。
【0209】
また、本明細書に提供される任意の実施形態に関して記載された全ての特徴、要素、構
成要素、機能、動作および工程について、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合
わせ可能であり、かつ置換可能であることを意図していることにも留意されたい。特定の
特徴、要素、構成要素、機能、または工程について、一実施形態に関してのみ記載してい
る場合、その特徴、要素、構成要素、機能、または工程を、特に明記しない限り、本明細
書に記載されたあらゆる他の実施形態と一緒に使用し得ることが理解されるべきである。
したがって、この段落は、特定の例において、以下の説明により、そのような組み合わせ
または置換が可能であることを明記していない場合であっても、いつでも、異なる実施形
態からの特徴、要素、構成要素、機能、および動作もしくは工程を組み合わせる、または
、ある実施形態からの機能、要素、構成要素、機能、および動作もしくは工程を他の実施
形態のものと置換する、請求項を導入するための先行的な基礎および書面による支持とし
て機能する。すべての可能な組合せおよび置換の列挙を表現することは、特に、各組み合
わせおよび置換の許容度について当業者によって容易に認識することができることを考慮
すると、過度の負担になることが明らかに認められるからである。
【0210】
いくつかの例では、エンティティは、他のエンティティに結合されるものとして本明細
書で説明する。「相互嵌合」、「結合」または「接続」(あるいはこれらの形態のいずれ
か)という用語について、本明細書では交換可能に使用する場合があり、二つのエンティ
ティの直接結合(無視できない、いかなる、例えば、寄生するエンティティが介在しない
)および二つのエンティティの間接的な結合(無視できない、一つまたは複数の、寄生す
るエンティティが介在する)を包括することを理解されたい。エンティティが互いに直接
結合されるものとして示されている、または介在するエンティティを記載することなく互
いに結合されるように記載されている場合、これらのエンティティは、文脈がそうでない
ことを明確に指示しない限り、互いに間接的に結合され得ることを理解されたい。
【0211】
単数の項目を参照することは、複数の同じ項目が存在する可能性を含む。より具体的に
は、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「一つの(
a、an)」、「前記(said)」および「前述の(the)」は、特に明記しない限
り、複数の指示対象を含む。換言すれば、その冠詞を使用することにより、以下の特許請
求の範囲と同様に、上記の説明において対象の「少なくとも一つ」が可能となる。
【0212】
さらに、請求項について、任意の選択的な要素(例えば、本明細書の「通常」、「でき
る」、「可能である」、または「可能性がある」、「場合がある」、「してよい」などを
用いた記載により指定した要素)を除外して作成してもよいことに留意されたい。したが
って、この記述について、請求項の列挙に関連して「単独で」、「唯一」などのような排
他的な用語の使用、または他の「否定的な」請求項制限言語の使用をするための先行的な
基礎として機能するように意図している。このような排他的な用語を使用することなく、
特許請求の範囲における「含む」という用語は、所与の数の要素が請求項に列挙されてい
るかどうか、または機能の追加が特許請求の範囲に記載された要素の性質を変換するもの
と見なされ得るかどうかに関係なく、任意の追加の要素が包含されることを許容する。さ
らに、特許請求の範囲における任意のそのような用語「含む」について、排他型言語「か
ら成る」に補正できることを企図している。また、本明細書で具体的に定義する場合を除
いて、本明細書で使用する全ての技術的および科学的用語は、請求項の妥当性を維持しな
がら、可能な限り当業者に広く一般に理解される意味として与えられるべきである。
【0213】
実施形態について、様々な変更および代替形態が可能であるが、その具体例を、図面に
示し、本明細書で詳細に説明している。しかし、これらの実施形態は、開示した特定の形
態に限定されるものではなく、むしろ、本開示の精神に含まれる全ての変更、均等物およ
び代替物を網羅するものであることを理解されたい。さらに、本発明の実施形態の任意の
特徴、機能、動作、工程、または要素について、特許請求の範囲内に記載しても、特許請
求の範囲に追加してもよく、発明の範囲内にない特徴、機能、工程、または要素によって
請求項の本発明の範囲を規定する否定的制限(上述したように、または他のものであって
もよい)も同様である。したがって、本発明の変形例または発明の実施形態の幅は、提供
した実施例に限定されるものではなく、以下の請求項の範囲によってのみ限定される。し
たがって、本発明者らは以下の通り、請求する。