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特開2024-59812鏡像異性体的に濃縮された、または純粋なブプロピオンの剤形および方法
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  • 特開-鏡像異性体的に濃縮された、または純粋なブプロピオンの剤形および方法 図1
  • 特開-鏡像異性体的に濃縮された、または純粋なブプロピオンの剤形および方法 図2
  • 特開-鏡像異性体的に濃縮された、または純粋なブプロピオンの剤形および方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059812
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】鏡像異性体的に濃縮された、または純粋なブプロピオンの剤形および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/137 20060101AFI20240423BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61K31/137
A61P25/24
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025971
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2022517743の分割
【原出願日】2020-08-18
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/052210
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/971,174
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/978,626
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/992,060
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/830,637
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/907,691
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517279805
【氏名又は名称】アクスサム セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】タビュトー、ヘリオット
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブプロピオンの剤形、およびそれらの剤形を使用する方法を提供する。
【解決手段】本開示は、鏡像異性体的に過剰の(S)-ブプロピオン、鏡像異性体的に濃縮された(S)-ブプロピオン、または鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンなどの鏡像異性体的に濃縮された、または純粋な剤形を含む剤形およびこれらの剤形を使用する方法に関する。これらの剤形は、同じ状況で投与されるであろうラセミブプロピオンの量と比較して、より少ない量でヒトに投与され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年2月6日に出願された米国仮出願第62/971,174号、2020年2月19日に出願された第62/978,626号、および2020年3月19日に出願された第62,992,060号の利益を主張し、本願はまた、2020年3月26日に出願された第16/830,637号の一部継続出願でもあり、本出願はまた、2019年9月20日に出願された国際特許出願PCT/US2019/052210号の一部継続であり、本出願はまた、2020年6月22日に出願された第16/907,691号の一部継続であり、これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ブプロピオンは、ラセミ混合物として、ヒトへの使用が承認されている。ブプロピオンおよびその代謝産物は、人体内で急速にラセミ化すると多くの人に信じられていた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載されるのは、鏡像体過剰の(S)-ブプロピオン、鏡像異性体的に濃縮された(S)-ブプロピオン、または鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形、およびそれらの剤形を使用する方法である。これらの剤形は、同じ状況で投与されるラセミブプロピオンの量と比較して少ない量でヒトに投与することができる。
【0004】
いくつかの実施形態は、第1の量のラセミブプロピオンを含有する参照剤形を第1の投与頻度で経口投与することでもたらされる薬物動態プロファイルを必要とするヒトの患者を選択すること、および前記第1の投与頻度で前記参照剤形を投与することで得られるものと同じ薬物動態プロファイルを得るために、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な第2の量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形を前記第1の投与頻度で経口投与すること、を含み、前記第1の投薬頻度は、1日1回または1日2回であり、前記第2の量は、前記第1の量の約20-70%、約40-60%、約45-55%、または約50%である、ヒトの血漿にブプロピオンを供給する方法を含む。例えば、150mgのラセミブプロピオンを含有する剤形を経口投与することで、特定の薬物動態プロファイルを得ることが可能であり、かつ前記第2の量が前記第1の量の40-60%である場合、前記第2の量は60-90mgである。したがって、この状況では、150mgのラセミブプロピオンを1日1回投与することで得られるものと同じ薬物動態プロファイルを得るために、60-90mgの(S)-ブプロピオンを1日1回投与し、または、150mgのラセミブプロピオンを1日2回投与することで得られるものと同じ薬物動態プロファイルを得るために60-90mgの(S)-ブプロピオンを1日2回投与する。
【0005】
本開示の目的のために、鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形が、ラセミブプロピオンを含有する剤形と生物学的に同等であるとFDAによって認められる場合、その2つの剤形は同じ薬物動態プロファイルを有する。
【0006】
いくつかの実施形態は、第1の量のラセミブプロピオンを含有する参照剤形を第1の投与頻度で経口投与することで治療可能な状態が有るヒトの患者を選択すること、および前記参照剤形を前記第1の投与頻度で投与することで得られるものと同じ治療効果を得るために、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な第2の量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形を前記第1の投与頻度で経口投与すること、を含み、前記第1の投薬頻度は、1日1回または1日2回であり、前記第2の量は、前記第1の量の約20-70%、約40-60%、約45-55%、または約50%である、ラセミブプロピオンで治療可能な状態を治療する方法を含む。例えば、150mgのラセミブプロピオンを含有する剤形を経口投与することで状態が治療可能であり、前記第2の量が前記第1の量の40-60%である場合、前記第2の量は60-90mgである。したがって、この状況では、150mgのラセミブプロピオンを1日1回投与することで得られるものと同じ治療効果が得られるように、状態を治療するために60-90mgの(S)-ブプロピオンを1日1回投与し、150mgのラセミブプロピオンを1日2回投与することで得られるものと同じ治療効果が得られるように、状態を治療するために60-90mgの(S)-ブプロピオンを1日2回投与する。
【0007】
いくつかの実施形態は、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を1日1回または2回、ヒトに経口投与することを含む、ヒトを治療する方法を含む。
【0008】
いくつかの実施形態は、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含む、ヒトの状態を治療するための剤形を含み、前記剤形は、前記ヒトに1日1回または2回経口投与される。
【0009】
いくつかの実施形態は、ヒトの状態を治療するための薬剤の製造における、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンの使用を含み、前記薬剤は、ヒトに1日1回または2回経口投与される。
【0010】
いくつかの実施形態は、剤形およびラベルを含むキットを含み、前記剤形は、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含み、前記ラベルは、前記剤形が、ヒトの状態を治療するために、前記ヒトに1日1回または2回経口投与されることを提示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】S-ブプロピオンおよびラセミブプロピオン錠剤を投与した後の健康なボランティアにおけるブプロピオンおよびヒドロキシブプロピオンのAUC0-12値。
図2】(S)-ブプロピオンまたは(R)-ブプロピオン錠剤を投与した後のブプロピオンおよびヒドロキシブプロピオンの平均血漿レベル。
図3】(S)-ブプロピオンまたは(R)-ブプロピオン錠剤を投与した後のR,R-ヒドロキシブプロピオンのCmax
【発明を実施するための形態】
【0012】
ヒトに投与される(S)-ブプロピオンは、鏡像異性体的に純粋であり得るか、または鏡像異性体的に濃縮され得る。例えば、(S)-ブプロピオンは、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.9%、または少なくとも99.99%鏡像異性体的に純粋、最大(またはほぼ)100%鏡像異性体的に純粋であり得る。99.99%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンは、99.99%(S)-ブプロピオンと0.001%(R)-ブプロピオンを含有する。便宜上、上記のいずれも「(S)-ブプロピオン」と呼ばれることがある。(S)-ブプロピオンおよび/または(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのレベルの増加が治療上有益、または(S)-ブプロピオンおよび/または(R,R)-ヒドロキシブプロピオンによる治療を必要とするヒトを治療するためである場合、このタイプの剤形は、状態の治療に役立ち得る。
【0013】
(S)-ブプロピオンの経口投与は、約2倍のラセミブプロピオンの投与と生物学的に同等または薬物動態学的に同等であることが発見された。例えば、(S)-ブプロピオンの75mg用量は、ラセミブプロピオンの約150mg用量と生物学的に同等である。
【0014】
(S)-ブプロピオンは、単独で、または、他の薬剤と組み合わせて投与され得る。ただし、一部の治療法では、(S)-ブプロピオンまたは(R,R)-ヒドロキシブプロピオンでは、他の薬剤の使用が望ましくない場合がある。例えば、(S)-ブプロピオンまたは(R,R)-ヒドロキシブプロピオンは、状態を治療するために必要な唯一の化合物である可能性があり、追加の薬剤は有意な利益をもたらさない可能性があり、また、追加の薬剤を加えることは、それらが提供し得るいかなる潜在的な利益をも上回る有害事象のリスクを容認できないほど増加させる可能性がある。したがって、いくつかの剤形は、他の薬剤を実質的に含まず、いくつかの治療は、他の薬物の同時投与なしに(S)-ブプロピオンの投与を含む。例えば、剤形は、(S)-ブプロピオンの重量と比較して10重量%未満、5重量%未満、2.5重量%未満、1重量%未満、または0.1重量%未満の他の任意の活性医薬剤を含むことができ、または他の薬物を含まないことができる。
【0015】
上記の剤形および方法は、(S)-ブプロピオンまたは(R,R)-ヒドロキシブプロピオン、エリスロヒドロキシブプロピオン、またはスレオヒドロキシブプロピオンなどの、その代謝物、の治療上有効な血漿レベルを提供するため、または(S)-ブプロピオンまたはその代謝物の、望ましいまたは増強された血漿レベルまたは薬物動態特性を提供するために、ヒトなどの哺乳動物を治療するための方法に組み込むことができる。
【0016】
例えば、その剤形および方法は、神経学的障害、中枢神経系障害、精神障害、神経精神障害、または関連する状態を治療するために使用され得る。
【0017】
文言「治療すること」または「治療」は、ヒトまたは他の動物の疾患の診断、治癒、軽減、治療または予防、またはヒトまたは他の動物の体の構造または機能に影響を与えるあらゆる活動を含む。
【0018】
(S)-ブプロピオンの経口投与などによる投与は、1日に1回または2回以上、または連続する複数日間などの数日間の1日に1回または2回以上で起こり得る。例えば、(S)-ブプロピオンは、1、2、3、4、5、6、7、8、9-13、14、15-20、21、22-27、28、29、30、31、32-34、35、36-41、42、43-48、49、50-55、56、57-59、32-59、60、61-89、90、またはそれ以上の連続する日の1日に1回または2回投与されてもよい。(S)-ブプロピオンを含有する剤形の経口投与の前および/または後に患者を絶食させることができる。
【0019】
発作または他の有害事象のリスクを低減するために、より低い開始一日用量の(S)-ブプロピオンで開始し、その後、より高い目標一日用量に用量を増加させることが有用でありうる。「一日用量」は、1日に与えられるブプロピオンの総量を指す(例えば、朝に投与される75mgおよび夕方に投与される75mgの用量は、150mgの一日用量である)。例えば、より低い開始一日用量は、1日に与えられる、より低い総量のブプロピオンであり、より高い目標一日用量は、1日に与えられる、より高い総量のブプロピオンである。これを達成するための1つの方法は、より低用量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形を単独で、または他の薬剤と組み合わせて、1日1回または2回、1、2、3、4、5、6、7、またはそれより多い日数、投与し、続いて、より低用量で用いられた投与頻度と同じ投与頻度で、より高用量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形で治療することである。例えば、より低用量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形は、1日目、2日目、および3日目に1日1回投与し、次に、より高用量の(S)-ブプロピオンを4日目から1日1回投与し、そして2、3、4、5、6、7、8、9-13、14、15-20、21、22-27、28、29、30、31、32-34、35、36-41、42、43-48、49、50-55、56、57-59、32-59、60、61-89、90、またはそれより多い連続日数などの長期間、または治療期間の残りの間、1日1回を継続することができる。あるいは、より低用量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1、2、および3日目に1日2回投与し、次に、より高用量の(S)-ブプロピオンを4日目から1日2回投与し、そして2、3、4、5、6、7、8、9-13、14、15-20、21、22-27、28、29、30、31、32-34、35、36-41、42、43-48、49、50-55、56、57-59、32-59、60、61-89、90、またはそれより多い連続日数などの長期間、または治療期間の残りの間、1日2回を継続することができる。
【0020】
これ、例えばより低い開始一日用量から目標の、より高い用量へ増加すること、を達成する別の方法は、(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、単独または他の薬剤と組み合わせて、1日1回、1、2、3、4、5、6、7、またはそれより多い日数で投与し、その後、1日2回の治療することによる。例えば、(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1、2、および3日目に1日1回投与し、次に、4日目から1日2回投与し、そして、2、3、4、5、6、7、8、9-13、14、15-20、21、22-27、28、29、30、31、32-34、35、36-41、42、43-48、49、50-55、56、57-59、32-59、60、61-89、90、またはそれより多い連続日数などの長期間、または治療期間の残りの間、1日2回継続することができる。(S)-ブプロピオンは、以下に示される構造を有する。
【化1】
【0021】
特に明記しない限り、(S)-ブプロピオンなど、本明細書における化合物への構造、名前、またはその他の手段による言及は、薬学的に許容される塩、多形、結晶、溶媒和物、水和物などの代替固形、互変異性体、同位体濃縮化合物(例:重水素濃縮ブプロピオン)、または、本明細書に記載される化合物に、その化合物が本明細書に記載のように使用された条件下で、急速に変わりうる任意の化学種、を含む。
【0022】
少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%鏡像異性体的に純粋なブプロピオンなどの(S)-ブプロピオンを含有する剤形として、任意の適量の(S)-ブプロピオンを使用することができる。いくつかの実施形態では、剤形は、少なくとも少なくとも約10mg、少なくとも約20mg、少なくとも約30mg、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、約1-50mg、約50-150mg、約50-100mg、約100-150mg、約150-200mg、約100-200mg、約1-10mg、約10-20mg、約20-30mg、約30-40mg、約40-50mg、約50-60mg、約60-70mg、約70-80mg、約80-90mg、約90-100mg、約100-110mg、約100-120mg、約120-150mg、約1-30mg、約20-50mg、約50-80mg、約80-120mg、約100-150mg、約150-180mg、約180-200mg、約70-95mg、約50-70mg、約60-80mg、約60-90mg、約70-80mg、約70-74mg、約72-76mg、約74-76mg、約74-78mg、約70-90mg、約30-60mg、約40-75mg、約50-90mg、約60-105mg、約60-120mg、約70-120mg、約80-135mg、約80-150mg、約100-180mg、約120-210mg、約140-240mg、約160-270mg、約70mg、約75mg、約80mg、約100mgの(S)-ブプロピオン、またはこれらの値のいずれかによって境界を示される範囲内の任意の量を含有する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られる(S)-ブプロピオンの量の範囲も企図され、その得られた範囲が、剤形中の(S)-ブプロピオンの量として、1つ以上の次の値:約60mg、約75mg、または約90mg、を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性がある考えられる値である。上で列挙された量の(S)-ブプロピオンを含有している剤形は、1日1回、2回または3回、1日用量(すなわち上で列挙された任意の用量の量または任意の用量の範囲の1、2または3回、例えば100-200mgの1日用量を50-100mgで2回、または150-300mgの1日用量を50-100mgで3回)として投与されうる。上記の用量の範囲または端点のいずれかを組み合わせること、およびその結果に1、2、または3を掛けること、によって得られる任意の1日用量も企図され、その得られた範囲が、1つ以上の次の値:約120mg、約150mg、または約180mg、を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、平均的サイズの大人にとって潜在的にいくらかより利益があると考えられている値である。1日1回または2回投与される約1-50mgまたは約1-70mgなどの、より低い用量は、子供の治療にいくらか、より有用でありうる。1日2回または3回投与される約100mgを越える量などの、より高い用量は、より大きな成人の治療にいくらか、より有用でありうる。
【0023】
(S)-ブプロピオンの1日用量は、特定量のラセミブプロピオンを投与したことで生じる特定の薬物動態パラメータ(ブプロピオン、(S)-ブプロピオン、ヒドロキシブプロピオン、(R,R)-ヒドロキシブプロピオン、(S,S)-ヒドロキシブプロピオン、スレオヒドロキシブプロピオン、エリスロヒドロキシブプロピオン、またはラセミブプロピオンの別の代謝物、またはそれらの組み合わせの、Cmax、AUC(例えばAUC0-12、AUC0-24、またはAUC0-inf)および/または別の薬物動態パラメータ)を標的にすることを意図されうる。例えば、(S)-ブプロピオンの1日用量は、約100-500mg、約150-200mg、約200-250mg、約250-300mg、約300-350mg、約350-400mg、約400-450mg、または約450-500mgのラセミブプロピオンの1日用量から生じる薬物動態パラメータを標的にして投与することができる。その薬物動態パラメータを達成するために、例えば、投与される(S)-ブプロピオンの1日用量は、ラセミブプロピオンの1日用量の約20-70%、約40-60%、約45-55%、または約50%であり得る。
【0024】
(S)-ブプロピオンは意外なことに血中に存在するブプロピオンおよびブプロピオン代謝物の主要な供給源であるため、ヒトに投与される(S)-ブプロピオンの量は、同じ状態を同じ効果で治療するために投与されるラセミ体のブプロピオン(または(R)-ブプロピオン)の量よりもかなり少なくできる。例えば、状態を治療するために投与されるラセミブプロピオンの量が150mgである場合、同様の効果を達成するために、その量の5-50%または20-70%、すなわち30-105mgなどの、より少ない量の(S)-ブプロピオンが投与される。いくつかの実施形態において、投与される(S)-ブプロピオンの量は、同じ状態の同じヒトを治療するために投与されるであろうラセミブプロピオンの量の約5-70%、約5-50%、約20-70%、約5-10%、約10-20%、約20-30%、約30-40%、約40-50%、約50-60%、約60-70%、約20-50%、約40-70%、約40-60%、約40-45%、または約45-55%であるように選択される。
【0025】
いくつかの固体組成物は、重量で少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、約10-30%、約30-50%、約50-80%、約80-95%、約10-50%、約30-70%、または約50-90%の(S)-ブプロピオンを含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、剤形は、(S)-ブプロピオン以外の任意の活性医薬成分または薬物を含まないか、または実質的に含まなくてもよい。例えば、剤形は、(S)-ブプロピオンの重量と比較して、10重量%未満、5重量%未満、1重量%、または0.1重量%未満の他の医薬品有効成分を含み得る。
【0027】
(S)-ブプロピオンの投与は、ヒトに同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形を投与することによって得られる(R)-ブプロピオンの血漿レベルと比較して、(S)-ブプロピオンの血漿レベルを、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.3倍、少なくとも約1.4倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.6倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約1.8倍、少なくとも約1.9倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、約5-20倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約10-15倍、約10-25倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約60-70倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍増加させるのに有用であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、この方法は、同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形をヒトに投与することによって得られる(R)-ブプロピオンのAUC0-12と比較して、(S)-ブプロピオンの、代表値AUC0-12、平均値AUC0-12、中央値AUC0-12、または個人のAUC0-12などのAUC0-12を少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.3倍、少なくとも約1.4倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.6倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約1.8倍、少なくとも約1.9倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約8倍、、少なくとも約10倍、約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約10-15倍、約10-25倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約60-70倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍増加させるのに効果的である。
【0029】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約300ng・hr/mL、少なくとも約400ng・hr/mL、少なくとも約500ng・hr/mL、少なくとも約600ng・hr/mL、少なくとも約700ng・hr/mL、少なくとも約750ng・hr/mL、少なくとも約800ng・hr/mL、少なくとも約850ng・hr/mL、少なくとも約900ng・hr/mL、少なくとも約950ng・hr/mL、少なくとも約1,000ng・hr/mL、少なくとも約1,100ng・hr/mL、最大約1,200ng・hr/mL、最大約1,300ng・hr/mL、最大約1,400ng・hr/mL、最大約1,500ng・hr/mL、最大約1,600ng・hr/mL、最大約1,700ng・hr/mL、最大約1,800ng・hr/mL、約300-400ng・hr/mL、約400-500ng・hr/mL、約500-600ng・hr/mL、約600-700ng・hr/mL、約700-800ng・hr/mL、約800-900ng・hr/mL、約900-1,000ng・hr/mL、約1,000-1,100ng・hr/mL、約1,100-1,200ng・hr/mL、約1,200-1,300ng・hr/mL、約1,300-1,400ng・hr/mL、約1,400-1,500ng・hr/mL、約1,500-1,600ng・hr/mL、約1,600-1,700ng・hr/mL、約1,700-1,800ng・hr/mL、約300-600ng・hr/mL、約600-900ng・hr/mL、約900-1,200ng・hr/mL、約1,200-1,500ng・hr/mL、約1,500-1,800ng・hr/mL、約300-800ng・hr/mL、約800-1,300ng・hr/mL、約1,300-1,800ng・hr/mL、または約300-1,800ng・hr/mLである(S)-ブプロピオンの、代表値AUC0-12、平均値AUC0-12、中央値AUC0-12、または個人のAUC0-12などのAUC0-12を達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるAUC0-12の範囲も企図され、その得られた範囲がAUC0-12として次の値:350ng・hr/mL、400ng・hr/mL、750ng・hr/mL、または900ng・hr/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0030】
いくつかの実施形態では、この方法は、同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形をヒトに投与する場合と比較して、(S)-ブプロピオンの、代表値Cmax、平均値Cmax、中央値Cmax、または個人のCmaxなどのCmaxを、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.3倍、少なくとも約1.4倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.6倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約1.8倍、少なくとも約1.9倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約8倍、約5-20倍、少なくとも約10倍、約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約10-15倍、約10-25倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍増加させるのに効果的である。
【0031】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約60ng/mL、少なくとも約70ng/mL、少なくとも約80ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約95ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約105ng/mL、少なくとも約110ng/mL、少なくとも約115ng/mL、少なくとも約120ng/mL、少なくとも約125ng/mL、最大約130ng/mL、最大約140ng/mL、最大約150ng/mL、最大約160ng/mL、最大約170ng/mL、最大約180ng/mL、最大約190ng/mL、最大約200ng/mL、最大約210ng/mL、最大約220ng/mL、約30-40ng/mL、約40-50ng/mL、約50-60ng/mL、約60-70ng/mL、約70-80ng/mL、約80-90ng/mL、約90-100ng/mL、約100-110ng/mL、約110-120ng/mL、約120-130ng/mL、約130-140ng/mL、約140-150ng/mL、約150-160ng/mL、約160-170ng/mL、約170-180ng/mL、約180-190ng/mL、約190-200ng/mL、約200-210ng/mL、約210-220ng/mL、約50-70ng/mL、約70-90ng/mL、約30-60ng/mL、約60-90ng/mL、約90-120ng/mL、約120-160ng/mL、約160-220ng/mL、約30-90ng/mL、約90-150ng/mL、約150-220ng/mL、約30-110ng/mL、約110-220ng/mL、または約30-220ng/mLである(S)-ブプロピオンの、代表値Cmax、平均値Cmax、中央値Cmax、または個人のCmaxなどのCmaxを達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせて得られたCmaxの範囲も企図され、その得られた範囲が、Cmaxとして1つ以上の次の値:45ng/mL、90ng/mL、125ng/mL、150ng/mL、または180ng/mL、を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形をヒトに投与するのに比較して、(S)-ブプロピオンの、代表値Cmin、平均値Cmin、中央値Cmin、または個人のCminなどのCminを、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.3倍、少なくとも約1.4倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.6倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約1.8倍、少なくとも約1.9倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約8倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約10-15倍、約10-25倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍増加させるのに効果的である。
【0033】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、少なくとも約40ng/mL、約20-60ng/mL、約20-25ng/mL、約25-30ng/mL、約30-35ng/mL、約35-40ng/mL、約30-40ng/mL、約40-45ng/mL、約45-50ng/mL、約30-50ng/mL、約40-50ng/mL、or約50-60ng/mLである(S)-ブプロピオンのCmin、代表値Cmin、平均値Cmin、中央値Cmin、または個人のCminなどのCminを達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせて得られたCminの範囲も企図され、その得られる範囲が、Cminとして1つ以上の次の値:20ng/mL、30ng/mL、40ng/mL、または50ng/mL、含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0034】
(S)-ブプロピオンを投与することは、ヒトに同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形を投与することと比較して、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの血漿レベルを少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約5-10倍、約5-25倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍、増加させるのに有用でありうる。
【0035】
(S)-ブプロピオンを投与することは、同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形をヒトに投与する場合と比較して、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの、代表値AUC0-12、平均値AUC0-12、中央値AUC0-12、または個人のAUC0-12などのAUC0-12を、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約5倍、約6倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約5-10倍、約5-25倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍、増加させるのに有用でありうる。
【0036】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約1,000ng・hr/mL、少なくとも約3,000ng・hr/mL、少なくとも約4,000ng・hr/mL,少なくとも約6,000ng・hr/mL,少なくとも約7,000ng・hr/mL,少なくとも約7,500ng・hr/mL,少なくとも約8,000ng・hr/mL,少なくとも約8,500ng・hr/mL,少なくとも約9,000ng・hr/mL,少なくとも約9,500ng・hr/mL,少なくとも約10,000ng・hr/mL,少なくとも約12,000ng・hr/mL,少なくとも約13,000ng・hr/mL、約4,000-6,000ng・hr/mL、約6,000-8,000ng・hr/mL、約8,000-10,000ng・hr/mL、約10,000-12,000ng・hr/mL、約12,000-14,000ng・hr/mL、約14,000-16,000ng・hr/mL、約16,000-18,000ng・hr/mL,約18,000-20,000ng・hr/mL、約20,000-22,000ng・hr/mL、約22,000-24,000ng・hr/mL、約4,000-10,000ng・hr/mL、約10,000-16,000ng・hr/mL、約16,000-24,000ng・hr/mL、約4,000-24,000ng・hr/mL、最大約14,000ng・hr/mL、最大約16,000ng・hr/mL、最大約18,000ng・hr/mL、最大約20,000ng・hr/mL、最大約22,000ng・hr/mL、最大約24,000ng・hr/mL、または最大約30,000ng・hr/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの、代表値AUC0-12、平均値AUC0-12、中央値AUC0-12、または個人のAUC0-12などのAUCO-12を達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるAUC0-12の範囲も企図され、その得られた範囲がAUC0-12として次の値:4,000ng・hr/mL、5,000ng/mL、10,000ng・hr/mL、16,000ng・hr/mL、または22,000ng・hr/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0037】
(S)-ブプロピオンを投与することは、同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形をヒトに投与する場合と比較して、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの、代表値Cmax、平均値Cmax、中央値Cmax、または個人のCmax、などのCmaxを、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.3倍、少なくとも約1.4倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.6倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約1.8倍、少なくとも約1.9倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、約6倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約5-10倍、約10-20倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍、増加させるのに有用でありうる。
【0038】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200少なくとも約300ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約700ng/mL、少なくとも約800ng/mL、少なくとも約900ng/mL、少なくとも約1,000ng/mL、少なくとも約1,100ng/mL、少なくとも約1,200ng/mL、少なくとも約1,300ng/mL、最大約1,400ng/mL、最大約1,500ng/mL、最大約1,600ng/mL、最大約1,700ng/mL、最大約1,800ng/mL、最大約1,900ng/mL、最大約2,000ng/mL、最大約2,100ng/mL、最大約2,200ng/mL、最大約2,300ng/mL、約300-400ng/mL、約400-500ng/mL、約500-600ng/mL、約600-700ng/mL、約700-800ng/mL、約800-900ng/mL、約900-1,000ng/mL、約1,000-1,100ng/mL、約1,100-1,200ng/mL、約1,200-1,300ng/mL、約1,300-1,400ng/mL、約1,400-1,500ng/mL、約1,500-1,600ng/mL、約1,600-1,700ng/mL、約1,700-1,800ng/mL、約1,800-1,900ng/mL、約1,900-2,000ng/mL、約2,000-2,100ng/mL、約2,100-2,200ng/mL、約2,200-2,300ng/mL、約300-800ng/mL、約800-1,300ng/mL、約1,300-2,300ng/mL、または約300-2,300ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの、代表値Cmax、平均値Cmax、中央値Cmax、または個人のCmaxなどのCmaxを達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるAUC0-12の範囲も企図され、その得られた範囲がCmaxとして次の値:400ng/mL、950ng/mL、1,500ng/mL、または2,100ng/mL、の1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0039】
(S)-ブプロピオンを投与することは、同量の(R)-ブプロピオンを含有する剤形をヒトに投与する場合と比較して、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの、代表値Cmin、平均値Cmin、中央値Cmin、または個人のCminなどのCminを、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.3倍、少なくとも約1.4倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.6倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約1.8倍、少なくとも約1.9倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはそれより多く、約1-5倍、約5-10倍、約5-20倍、約20-30倍、約30-40倍、約40-50倍、約50-60倍、約60-70倍、約70-80倍、約80-90倍、約90-100倍、約100-110倍、約110-120倍、約120-130倍、約130-140倍、約140-150倍、約150-160倍、約160-170倍、約170-180倍、約180-190倍、または約190-200倍、増加させるのに有用でありうる。
【0040】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約700ng/mL、少なくとも約800ng/mL、少なくとも約900ng/mL、少なくとも約1,000ng/mL、少なくとも約1,100ng/mL、少なくとも約1,200ng/mL、最大約1,300ng/mL、最大約1,400ng/mL、最大約1,500ng/mL、最大約1,600ng/mL、最大約1,700ng/mL、最大約1,800ng/mL、最大約1,900ng/mL、最大約2,000ng/mL、最大約2,100ng/mL、最大約2,200ng/mL、最大約2,300ng/mL、約200-300ng/mL、約300-400ng/mL、約400-500ng/mL、約500-600ng/mL、約600-700ng/mL、約700-800ng/mL、約800-900ng/mL、約900-1,000ng/mL、約1,000-1,100ng/mL、約1,100-1,200ng/mL、約1,200-1,300ng/mL、約1,300-1,400ng/mL、約1,400-1,500ng/mL、約1,500-1,600ng/mL、約300-700ng/mL、約700-1,100ng/mL、または約1,100-1,600ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの、代表値Cmin、平均値Cmin、中央値Cmin、または個人のCminなどのCminを達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるCminの範囲も企図され、その得られた範囲がCminとして次の値:350ng/mL、600ng/mL、700ng/mL、1,000ng/mL、または1,400ng/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0041】
(S)-ブプロピオンをヒトに投与することは、ヒトの血漿中に存在する(R,R)-ヒドロキシブプロピオンおよび(S,S)-ヒドロキシブプロピオンの総量の少なくとも90%、95%、97%、97.2%、97.4%、97.6%、97.8%、または98%の(R,R)-ヒドロキシブプロピオンになりうる。
【0042】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約500ng・hr/mL、少なくとも約600ng・hr/mL、少なくとも約800ng・hr/mL、少なくとも約1,000ng・hr/mL、少なくとも約1,200ng・hr/mL、最大約1,400ng・hr/mL、最大約1,600ng・hr/mL、最大約1,800ng・hr/mL、最大約2,000ng・hr/mL、最大約2,200ng・hr/mL、最大約2,400ng・hr/mL、最大約2,600ng・hr/mL、最大約2,800ng・hr/mL、最大約3,000ng・hr/mL、約500-600ng・hr/mL、約600-800ng・hr/mL、約800-1,000ng・hr/mL、約1,000-1,200ng・hr/mL、約1,200-1,400ng・hr/mL、約1,400-1,600ng・hr/mL、約1,600-1,800ng・hr/mL、約1,800-2,000ng・hr/mL、約2,000-2,200ng・hr/mL、約2,200-2,400ng・hr/mL、約2,400-2,600ng・hr/mL、約2,600-2,800ng・hr/mL、約2,800-3,000ng・hr/mL、約500-1,000ng・hr/mL、約1,000-1,500ng・hr/mL、約1,500-2,000ng・hr/mL、約2,000-2,500ng・hr/mL、約2,500-3,000ng・hr/mL、約500-1,500ng・hr/mL、約1,500-3,000ng・hr/mL、約2,000-3,000ng・hr/mL、または約500-3,000ng・hr/mL、であるエリスロヒドロキシブプロピオンの、代表値AUC0-12、平均値AUC0-12、中央値AUC0-12、または個人のAUC0-12などのAUC0-12を達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるAUC0-12の範囲も企図され、その得られた範囲がAUC0-12として次の値:500ng・hr/mL、1,300ng・hr/mL、1,800ng・hr/mL、または2,600ng・hr/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0043】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約40ng/mL、少なくとも約60ng/mL、少なくとも約80ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約120ng/mL、少なくとも約140ng/mL、最大約160ng/mL、最大約180ng/mL、最大約200ng/mL、最大約220ng/mL、最大約240ng/mL、最大約260ng/mL、最大約280ng/mL、約40-60ng/mL、約60-80ng/mL、約80-100ng/mL、約100-120ng/mL、約120-140ng/mL、約140-160ng/mL、約160-180ng/mL、約180-200ng/mL、約200-220ng/mL、約220-240ng/mL、約240-260ng/mL、約260-280ng/mL、約280-300ng/mL、約40-100ng/mL、約100-150ng/mL、約150-200ng/mL、約200-250ng/mL、約250-280ng/mL、約40-120ng/mL、約120-200ng/mL、約200-280ng/mL、または約40-280ng/mL、であるエリスロヒドロキシブプロピオンの、代表値Cmax、平均値Cmax、中央値Cmax、または個人のCmaxなどのCmaxを達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるCmaxの範囲も企図され、その得られた範囲がCmaxとして次の値:60ng/mL、120ng/mL、200ng/mL、または240ng/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0044】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約2,000ng・hr/mL、少なくとも約3,000ng・hr/mL、少なくとも約4,000ng・hr/mL、少なくとも約5,000ng・hr/mL、少なくとも約6,000ng・hr/mL、少なくとも約7,000ng・hr/mL、最大約8,000ng・hr/mL、最大約9,000ng・hr/mL、最大約10,000ng・hr/mL、最大約11,000ng・hr/mL、最大約12,000ng・hr/mL、最大約13,000ng・hr/mL、最大約14,000ng・hr/mL、最大約15,000ng・hr/mL、約2,000-15,000ng・hr/mL、約2,000-3,000ng・hr/mL、約3,000-4,000ng・hr/mL、約4,000-5,000ng・hr/mL、約5,000-6,000ng・hr/mL、約6,000-7,000ng・hr/mL、約7,000-8,000ng・hr/mL、約8,000-9,000ng・hr/mL、約9,000-10,000ng・hr/mL、約10,000-11,000ng・hr/mL、約11,000-12,000ng・hr/mL、約12,000-13,000ng・hr/mL、約13,000-14,000ng・hr/mL、約14,000-15,000ng・hr/mL、約2,000-6,000ng・hr/mL、約6,000-10,000ng・hr/mL、約10,000-15,000ng・hr/mL、約2,000-9,000ng・hr/mL、または約9,000-15,000ng・hr/mL、であるスレオヒドロキシブプロピオンの、代表値AUC0-12、平均値AUC0-12、中央値AUC0-12、または個人のAUC0-12などのAUC0-12を達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるAUC0-12の範囲も企図され、その得られた範囲がAUC0-12として次の値:3,000ng・hr/mL、6,000ng・hr/mL、8,000ng・hr/mL、または12,000ng・hr/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0045】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約450ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約700ng/mL、最大約800ng/mL、最大約900ng/mL、最大約1,000ng/mL、最大約1,100ng/mL、最大約1,200ng/mL、最大約1,300ng/mL、最大約1,400ng/mL、約200-300ng/mL、約300-400ng/mL、約400-500ng/mL、約500-600ng/mL、約600-700ng/mL、約700-800ng/mL、約800-900ng/mL、約900-1000ng/mL、約1,000-1,100ng/mL、約1,100-1,200ng/mL、約1,200-1,300ng/mL、約1,300-1,400ng/mL、約200-500ng/mL、約500-800ng/mL、約800-1,100ng/mL、約1,100-1,400ng/mL、約200-800ng/mL、約800-1400ng/mL、または約200-1,400ng/mL、であるスレオヒドロキシブプロピオンの、代表値Cmax、平均値Cmax、中央値Cmax、または個人のCmaxなどのCmaxを達成する。上記の範囲または端点のいずれかを組み合わせることによって得られるCmaxの範囲も企図され、その得られた範囲がCmaxとして次の値:300ng/mL、600ng/mL、900ng/mL、または1,200ng/mLの1つ以上を含むか、近い場合は特に企図される。これらは、潜在的に特定の有用性があると考えられる値である。
【0046】
特に明記しない限り、構造、名前、またはその他の手段による、(S)-ブプロピオンなど、本明細書における化合物への言及は、薬学的に許容される塩、多形、結晶、溶媒和物、水和物などの代替固形物、互変異性体、重水素修飾化合物、または、本明細書に記載される化合物に、その化合物が本明細書に記載のように使用された条件下で、急速に変わりうる任意の化学種、を含む。
【0047】
(S)-ブプロピオンは、例えば、レミントンの薬学、2005(Remington’s Pharmaceutical Sciences,2005)に記載されているように、単独で、または別の薬物と組み合わせて、選択された投与経路および標準的な製薬慣行に基づいて選択された医薬担体と組み合わせることができる。有効成分と担体の相対的な比率は、例えば、化合物の溶解性と化学的性質、選択された投与経路、および標準的な製薬慣行によって決定され得る。
【0048】
(S)-ブプロピオン薬は、選択された投与経路、例えば経口または非経口、に合わせた様々な形態で、ヒト患者に投与することができる。この観点における非経口投与には、以下の経路:静脈内、筋肉内、皮下、眼内、滑液嚢内、経皮を含む経上皮、点眼、舌下、および口腔内、ならびに眼、皮膚、眼球、直腸、鼻を含む局所など、による投与が含まれる。
【0049】
(S)-ブプロピオンは、例えば、不活性希釈剤または食用担体を用いて、経口投与用に製剤化することができ、または、ハードまたはソフトシェルのゼラチンカプセルに封入するか、錠剤に圧縮するか、または、食事の食品に直接組み込むことができる。経口治療投与には、活性化合物は、賦形剤と一緒に組み込まれ、摂取可能な錠剤、口腔内錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形態で使用され得る。
【0050】
(S)-ブプロピオンを含有する錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどは、以下:トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、ゼラチンなどのバインダ、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、スクロース、ラクトース、またはサッカリンなどの甘味料、または、ペパーミント、ウィンターグリーンのオイル、チェリーフレーバーなどのフレーバー剤、の1つまたは複数を含むことができる。剤形がカプセルである場合、上記の種類の材料に加えて、液体キャリアを含み得る。コーティングとして様々な他の材料が存在し得、例えば、錠剤、ピル、またはカプセルは、セラック、砂糖、またはその両方でコーティングされ得る。シロップまたはエリキシルは、活性化合物、甘味料としてのスクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、およびチェリーまたはオレンジフレーバーなどのフレーバーを含有し得る。剤形または医薬組成物中の材料は、薬学的に純粋であり、使用される量において実質的に無毒であることが望まれうる。
【0051】
いくつかの組成物または剤形は、液体であり得るか、または液体中に分散された固相を含み得る。
【0052】
(S)-ブプロピオンは、非経口または腹腔内投与のために製剤化され得る。遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物の内側に分散され、またはそれら中に分散された油を有することができる。通常の保管および使用条件下では、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐ防腐剤を含有しうる。
【0053】
いくつかの実施形態は、(S)-ブプロピオンの徐放を提供する形態で(S)-ブプロピオンを含有する錠剤の投与を含む。(S)-ブプロピオンを含有する徐放剤形は、約2-4時間、4-6時間、または6-8時間のTmaxを有しうる。ブプロピオンの徐放を達成する方法は多く存在するが、いくつかの実施形態では、(S)-ブプロピオンまたは(R)-ブプロピオンは、アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーまたはそれらのエステル、例えばメチルメタクリレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミン共重合体、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、グリシジルメタクリレート共重合体、アクリル酸および/またはメタクリル酸の四級化アミノアルキルエステルまたはアミノアルキルアミド、例えば、β-メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、β-アクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、およびトリメチルアミノメチルメタクリルアミドメトサルフェート、メチル-ビニルピリジニウム塩などの四級化ビニル置換窒素複素環、四級化アミノカルボン酸のビニルエステル、スチリルトリアルキルアンモニウム塩、ベンジルジメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド、ジエチルメチルアンモニウムエチル-アクリレート、ジエチルメチルアンモニウムエチルメタクリレートメトサルフェート、N-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド、N-トリメチルアンモニウム-2,2-ジメチルプロピル-1-メタクリレートクロリド、カルボキシアルキルセルロース(例、カルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、などの徐放性ポリマーと組み合わされる。いくつかの実施形態において、徐放性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。たとえば、(S)-ブプロピオンの粒子を微結晶性セルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(たとえば、METHOCEL)とブレンドして、ブレンドされた粉末の混合物を形成することができる。
【0054】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するための(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療することができる神経障害または中枢神経系障害の例には、これらに限定されないが、情動障害、精神障害、脳機能障害、運動障害、認知症、運動ニューロン疾患、神経変性疾患、発作性障害、および頭痛が含まれる。
【0055】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる情動障害には、これらに限定されないが、うつ病、大うつ病、治療抵抗性うつ病および治療抵抗性双極性うつ病、気分循環性障害を含む双極性障害、季節性情動障害、気分障害、慢性うつ病(気分変調)、精神的鬱病、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、状況的うつ病、非定型うつ病、躁病、不安障害、注意欠陥障害(ADD)、多動性障害を伴う注意欠陥障害(ADDH)、および注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、双極性障害および躁病状態、強迫性障害、過食症、肥満または体重増加、発作性睡眠、慢性疲労症候群、月経前症候群、薬物依存症または乱用、ニコチン依存症、精神性機能障害、情動調節障害、および情緒不安定が含まれる。
【0056】
うつ病は、抑うつ症状によって現れることがある。これらの症状には、気分の変化、激しい悲しみ、絶望、精神的鈍化、集中力喪失、悲観的な心配、興奮、不安、過敏性、罪悪感、怒り、無価値感、無謀な行動、自殺願望や自殺未遂、および/または卑下などの心理的変化が含まれうる。うつ病の身体的症状には、不眠症、食欲不振、食欲不振、体重低下、体重増加、活力および性欲の低下、倦怠感、落ち着きのなさ、痛み、苦痛、頭痛、けいれん、消化器系の問題、および/またはホルモンの概日リズム異常が含まれうる。
【0057】
一部の患者は、抗うつ薬などの薬物療法で治療した後でも、治療に対して不十分または無反応でありうる。治療抵抗性うつ病(TRD)、または治療不応性うつ病は、一般的に、少なくとも2つの抗うつ薬による治療に失敗した患者に関連する状態である。TRDの診断の一部は、適切な用量および適切な治療単位の後、患者が抗うつ薬による治療に対して不十分な反応を示したことによりなされる。TRDは、薬物/アルコール乱用または摂食障害などの、他の医学的または心理的病気の併存症、またはTRDが誤診されたために、治療することがより困難になりうる。一部のTRD患者は、1、2、3、またはそれより多くの適切な抗うつ薬治療試験に対して不十分な反応を示したか、または1、2、3、またはそれより多くの従来の抗うつ薬治療に失敗したか、または不十分な反応を示したことがある。いくつかの実施形態では、治療抵抗性うつ病の治療を受けている患者は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くの抗うつ薬療法による治療に失敗している。
【0058】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって改善され得る治療効果の尺度には、これらに限定されないが、以下が含まれる:モンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、生活の質の楽しみと満足度に関する短文式質問票、機能障害ツールの範囲、シーハン障害尺度、副作用の患者評価目録(PRISE)、コロンビア-自殺重症度評価尺度(C-SSRS)、うつ病の症状の迅速目録、自己報告(QID(S)-SR)、臨床全般的印象(CGI)尺度、マサチューセッツ総合病院の認知および身体機能に関する質問票(CPFQ)、17項目のうつ病のハミルトン評価尺度(HAM-D17)、マサチューセッツ総合病院の抗うつ治療反応質問票(MGH ATRQ)、16項目の抑うつ症状の迅速目録-自己報告(QID(S)-SR16)、シーハン障害尺度(SDS)、病気の重症度の臨床的全般的印象(CGI-S)、臨床的全般的変化の印象(CGI-C)、ユーロQOL 5次元5レベル(EQ-5D-5L)、患者の変化の全般的印象(PGIC)、7項目の総合的不安障害(GAD-7)、臨床的全般的印象-改善(CGI-I)。シーハン障害尺度(SDS)。うつ病の症状の16項目のクイックインベントリ-自己報告(QID(S)-SR16)、ハミルトン不安尺度(HAM-A)、マサチューセッツ総合病院の認知および身体機能に関する質問票(CPFQ)、CPFQ-認知下位尺度(4から7項目)、簡易精神症状評価尺度(BPRS)等、数字記号置換試験テスト(DSST)、レイ聴覚言語学習タスク(RAVLT)、痕跡作成テスト(TMT)、ストループ色命名テスト(STROOP)、単純反応時間(SRT)、選択反応時間(CRT)など。
【0059】
本明細書に記載の治療から恩恵を受けうる患者には、約18歳未満、約0-5歳、約5-10歳、約10-12歳、または約12-18歳の患者などの小児患者、約18-65歳、約18-30歳、約30-50歳、および約50-65歳の患者などの成人患者、および65歳超、約65-75歳、約75-90歳、または90歳超の患者などの老年患者が含まれる。
【0060】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によるTRDの治療は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、最大約100%の抑うつ症状の軽減、またはこれらの値のいずれかによって制限される範囲内の他の軽減率をもたらしうる。
【0061】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療することができる精神障害には、これらに限定されないが、恐怖症、全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害、広場恐怖症、強迫性障害、および心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの不安神経症、躁病、躁うつ病、軽躁病、単極うつ病、うつ病、ストレス障害、運動性障害、人格障害精神病、統合失調症、妄想性障害、統合失調感情障害、統合失調症傾向、攻撃性、アルツハイマー病における攻撃性、興奮、アルツハイマー病における興奮が含まれる。
【0062】
アルツハイマー病に関連する興奮は、病気が進行するにつれて起こる。興奮は、不適切な言語的、感情的、および/または身体的な行動として現れうる。不適切な行動には、これらに限定されないが、支離滅裂な片言、不適切な感情的反応、注意の要求、威嚇、興奮性、欲求不満、悲鳴を上げる、反復的な質問、気分変動、罵倒、暴言、肉体的なほとばしり、精神的苦痛、落ち着きのなさ、切り刻み、睡眠障害、妄想、幻覚、ゆったりとした歩行、徘徊、探索、物色、反復的な身体の動き、買いだめ、シャドウイング、殴打、引っ掻き、噛みつき、戦闘性、多動性、および/または蹴り、が含まれうる。
【0063】
いくつかの実施形態では、(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によるアルツハイマー病に関連する興奮の治療は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、および/または最大約100%の興奮関連症状の軽減をもたらしうる。
【0064】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって改善されうる興奮の治療効果の尺度には、これらに限定されないが、神経精神医学的目録-臨床医(NPI-C)評価尺度の全体的および全ての領域、神経精神医学的目録-臨床医(NPI-C)評価尺度興奮領域、コーエン-マンスフィールド興奮目録(CMAI)、認知症のうつ病のためのコーネル尺度(CSDD)、神経精神医学的目録(NPI興奮/攻撃性領域)、併用薬(併用薬を使用する頻度)、アルツハイマー病共同研究-日常生活動作目録(ADC(S)-ADL)、NPI-C無気力症領域を含む、神経精神医学的目録(NPI)の個々の領域とNPIの合計スコア(範囲0-144)、NPI興奮/攻撃性介護者の苦痛、修正されたアルツハイマー病共同研究-変化興奮の臨床的全体的印象(mADC(S)-CGIC興奮)、患者の変化の全体的印象(PGIC)(介護者によって評価)、認知症の生活の質(DEMQOL)、生活の質-アルツハイマー病の測定(QoL-AD)、ザリット負担尺度、認知症における資源利用(RUD)、アルツハイマー病評価尺度-認知下位尺度(ADA(S)-Cog)、ミニ-精神状態検査(MMSE)、介護者の緊張指数(CSI)、神経精神医学的目録の個々の領域(NPI)、総神経精神医学的目録(NPI)スコア、神経精神医学的目録(NPIの興奮/攻撃性領域)、神経精神医学的目録(NPI領域の介護者の苦痛)などが含まれる。
【0065】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療されうる薬物依存乱用には、これらに限定されないが、薬物依存、コカイン中毒、精神刺激薬(クラック、コカイン、スピード、覚醒剤など)、ニコチン、アルコール、オピオイド、不安薬および催眠薬、大麻(マリファナ)、アンフェタミン、幻覚剤、フェンサイクリジン、揮発性溶剤、および揮発性亜硝酸化合物が含まれる。ニコチン依存には、紙巻きタバコ、葉巻タバコおよび/またはパイプタバコ、電子タバコの喫煙、および噛みタバコへの依存などの全ての既知の形態のニコチン依存が含まれる。
【0066】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療されうる脳機能障害には、これらに限定されないが、老人性痴呆、アルツハイマー型認知症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群、てんかん、意識障害、昏睡、注意力低下、言語障害、声のけいれん、パーキンソン病、レノックス-ガストー症候群、自閉症、多動性症候群、および統合失調症などの知的欠陥を伴う障害が含まれる。脳機能障害には、これらに限定されないが、症状に意識障害、老人性痴呆、昏睡、注意力低下、および言語障害が含まれる場合、脳卒中、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症、脳静脈血栓症、頭部外傷などを含む脳血管疾患によって引き起こされる障害も含まれる。
【0067】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる運動障害には、これらに限定されないが、静座不能、無動症、協同運動、アテトーシス、運動失調、バリスムス、片側バリスムス、動作緩慢、脳性麻痺、舞踏病、ハンチントン病、リウマチ性舞踏病、シデナム舞踏病、ジスキネジア、遅発性ジスキネジア、ジストニア、眼瞼けいれん、痙性斜頸、ドーパミン反応性ジストニア、パーキンソン病、下肢静止不能症候群(RLS)、震え、本態性震え、およびトゥレット症候群、およびウィルソン病が含まれる。
【0068】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる認知症には、これらに限定されないが、パーキンソン病、血管性認知症、レビー小体型認知症、混合型認知症、前頭側頭型認知症、クロイツフェルト-ヤコブ病、正常圧水頭症、ハンチントン病、ウェルニッケ-コルサコフ症候群、およびピック病が含まれる。
【0069】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる運動ニューロン疾患には、これらに限定されないが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、進行性球麻痺、原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮症、ポリオ後症候群(PPS)、脊髄筋萎縮症(SMA)、脊髄運動萎縮、テイ-サックス病、サンドホフ病、および遺伝性痙性対麻痺が含まれる。
【0070】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる神経変性疾患には、これらに限定されないが、アルツハイマー病、プリオン関連疾患、小脳性運動失調症、脊髄小脳失調症(SCA)、脊髄筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症、フリードリヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルーゲーリック病)、多発性硬化症(MS)、多系統萎縮症、シャイ-ドレーガー症候群、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、ウィルソン病、メンケス病、副腎白質ジストロフィー、皮質下梗塞および白質脳症を伴う脳常染色体優性動脈症(CADASIL)、筋ジストロフィー、シャルコー-マリー-トゥース病(CMT)、家族性痙性対麻痺、神経線維腫症、オリーブ橋小脳萎縮または変性、線条体黒質変性、ギラン-バレー症候群、および痙性対麻痺が含まれる。
【0071】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる発作性障害には、これらに限定されないが、てんかん発作、非てんかん発作、てんかん、熱性発作、部分発作(単純部分てんかん、ジャクソン発作、複雑部分発作、および持続性部分てんかんを含むが、これらに限定されない)、全身発作(全身強直間代発作、欠神発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、若年ミオクロニック発作、および点頭てんかんを含むがこれらに限定されない)、およびてんかん重積症が含まれる。
【0072】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる頭痛の種類には、これらに限定されないが、片頭痛、緊張性頭痛、および群発性頭痛が含まれる。
【0073】
(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどの、それの代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療できる他の神経障害には、これらに限定されないが、レット症候群、自閉症、耳鳴り、意識障害の乱れ、性機能障害、難治性の咳、ナルコレプシー、脱力発作、制御不能な喉頭筋痙攣による発声障害(外転筋痙攣性発声障害、内転筋痙攣性発声障害、筋緊張性嗄声、および声の震えを含むが、これらに限定されない)、糖尿病性神経障害、メトトレキサート神経毒性などの化学療法誘発性神経毒性、失禁(腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、および便失禁を含むが、これらに限定されない)、および勃起不全が含まれる。
【0074】
いくつかの実施形態では、(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するための(S)-ブプロピオンを投与することを含む)は、疼痛、関節痛、鎌状赤血球症に伴う疼痛、情動調節障害、うつ病(治療抵抗性うつ病を含む)、記憶および認知に関連する障害、統合失調症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、発作、咳(慢性咳を含む)などを治療するのに有用であり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、難治性うつ病は、(S)-ブプロピオンを投与すること((R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するための(S)-ブプロピオンを投与することを含む)によって治療され得る。
【0076】
(S)-ブプロピオンはまた、筋骨格痛、神経因性疼痛、がん関連の疼痛、急性痛、侵害受容性痛、炎症性痛、関節炎痛、複合性局所疼痛症候群などを含むがこれらに限定されないあらゆるタイプの疼痛を((S)-ブプロピオンの直接作用によって、または(R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するための(S)-ブプロピオンの投与によって)、治療または緩和するために使用され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、(S)-ブプロピオンは、神経因性疼痛を緩和するため、(その直接作用を目的として、または(R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために)投与されうる。
【0078】
神経障害性疼痛の例には、糖尿病性末梢神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、単神経根障害、幻肢痛、中枢性疼痛などが含まれる。神経障害性疼痛の他の原因には、癌関連疼痛、腰椎神経根圧迫、脊髄損傷、脳卒中後の疼痛、中枢性多発性硬化症の疼痛、HIV関連神経障害、および放射線療法または化学療法に関連する神経障害などが含まれる。
【0079】
いくつかの実施形態では、(S)-ブプロピオンは、線維筋痛症を緩和するため(その直接作用を目的として、または(R,R)-ヒドロキシブプロピオンなどのその代謝物の1つの治療的血漿レベルを達成するために)投与され得る。
【0080】
本明細書に記載の方法によって回避または低減され得るブプロピオンに関連する有害事象には、中枢神経系有害事象、胃腸事象、またはこれらの化合物のいずれかに関連する別の種類の有害事象が含まれる。中枢神経系(CNS)の有害事象には、これらに限定されないが、神経質、めまい、不眠、立ちくらみ、震え、幻覚、痙攣、中枢神経系うつ病、恐怖、不安、頭痛、過敏性または興奮の増加、耳鳴り、眠気、めまい、鎮静、眠気、錯乱、見当識障害、倦怠感、協調運動失調、疲労、陶酔感、緊張感、不眠症、睡眠障害、痙攣発作、興奮、緊張状態、ヒステリー、幻覚、妄想、偏執症、頭痛および/または片頭痛、および注視発症、斜頸、過興奮、筋緊張亢進、運動失調、および/または舌の突出などの錐体外路症状が含まれる。
【0081】
胃腸の有害事象には、これらに限定されないが、吐き気、嘔吐、腹痛、嚥下障害、消化不良、下痢、腹部膨満、鼓腸、出血性消化性潰瘍、軟便、便秘、胃痛(stomach pain)、胸焼け、ガス、食欲減少、胃の膨満感、消化不良、腫脹、過酸性、腔乾燥症、胃腸障害、および胃痛(gastric pain)が含まれる。
【0082】
本明細書に記載の方法によって低減または回避され得る他の有害事象には、回転および運動の知覚異常、興奮、腕の脱力、膨満感、目のかすみ、目の灼熱感、耳鳴り、バイタルサインの変化(心拍数、呼吸数、体温、血圧を含むがこれらに限定されない)、冷感、便秘、集中力低下、不眠、入眠困難、排尿困難、排便困難、耳の不快感、目の不快感、胃の不快感、めまい、唇の乾燥、口腔乾燥、喉の乾燥、月経困難症、疲労、熱っぽい感覚、頭が重い感覚、いつもより興奮している感覚、いつもより疲れた感覚、疲れた感覚、手の震え、握力低下、頭痛、胸焼け、ほてり、血圧の上昇、皮膚の過敏性の増加、頭と顔の皮膚感受性の増加、不随意筋収縮、全身の不随意筋収縮、膝痛、足の衰弱、立ちくらみ、軟便、食欲減少、腰痛、月経異常、金属味、通常より唾液が多い、粘膜の乾燥、鼻詰まり、吐き気、鼻水、目の軽い圧迫感、ストレッチまたはあくびをするときの震え、皮膚の過敏症、腕、顔、および/または頭の皮膚の過敏症、睡眠障害、軟便、胃痛、胃の不快感、手および/または足の発汗、喉の炎症、喉の痛み、耳鳴り、震え、および/または虚弱が含まれる。これらの副作用はいずれも、医薬規制用語集(MedRA)に記載されている対応する、同等の、またはその他の関連する用語に従って参照またはグループ化される場合がある。
【0083】
以下の実施形態が企図される:
実施形態1.
(R)-ブプロピオンおよび(S)-ブプロピオンを血漿に供給する方法であって、
第1の量のラセミブプロピオンを含有する参照剤形を第1の投薬頻度で経口投与することでもたらされる薬物動態プロファイルを必要とするヒトを選択すること、および
前記第1の投与頻度で参照剤形を投与することで得られるものと同じ薬物動態プロファイルを得るために、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な第2の量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形を前記第1の投与頻度で経口投与すること、を含み、
前記第1の投薬頻度は、1日1回または1日2回であり、
前記第2の量は、第1の量の約40%から約60%である、方法。
【0084】
実施形態2.
ラセミブプロピオンで治療可能な状態を治療する方法であって、
第1の量のラセミブプロピオンを含有する参照剤形を第1の投与頻度で経口投与することによって治療可能な状態が有るヒト患者を選択すること、および
第1の投与頻度で参照投与形態を投与することによって達成されるのと同じ治療効果を得るために、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な第2の量の(S)-ブプロピオンを含有する剤形を第1の投与頻度で経口投与すること、を含み、
第1の投薬頻度は、1日1回または1日2回であり、
第2の量は、第1の量の約40%から約60%である、方法。
【0085】
実施形態3.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンで治療可能な状態が有り、投与される(S)-ブプロピオンの量は、同じ前記ヒトの同じ前記状態を治療するために投与されるであろうラセミブプロピオンの量の約20重量%から約70重量%であるように選択される、方法。
【0086】
実施形態4.
(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの治療上有効な血漿レベルを提供する方法であって、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンによる治療を必要とするヒトに、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を1日1回または2回経口投与することを含み、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンは、前記ヒトの前記血漿中に存在する(R,R)-ヒドロキシブプロピオンおよび(S,S)-ヒドロキシブプロピオンの総量の少なくとも97%であり、前記方法は、前記ヒトにおいて少なくとも約500ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0087】
実施形態5.
ヒトを治療する方法であって、前記ヒトに対して少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記(S)-ブプロピオンは、前記ヒトを治療するために使用される唯一の活性剤である、方法。
【0088】
実施形態6.
ヒトを治療する方法であって、約50mgから約100mgの、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としている、方法。
【0089】
実施形態7.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記方法は、少なくとも約60ng/mLの(S)-ブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0090】
実施形態8.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンは、前記ヒトの血漿中に存在する(R,R)-ヒドロキシブプロピオンおよび(S,S)-ヒドロキシブプロピオンの総量の少なくとも97%である、方法。
【0091】
実施形態9.
治療上有効な血漿レベルの(R,R)-ヒドロキシブプロピオンを提供する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンによる治療を必要とするヒトに1日1回または2回経口投与することを含み、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンは、前記ヒトの血漿中に存在する(R,R)-ヒドロキシブプロピオンおよび(S,S)-ヒドロキシブプロピオンの総量の少なくとも97%である、方法。
【0092】
実施形態10.
治療上有効な血漿レベルの(R,R)-ヒドロキシブプロピオンを提供する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンによる治療を必要とするヒトに1日1回または2回経口投与することを含み、前記方法は、前記ヒトにおいて少なくとも約500ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0093】
実施形態11.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約70ng/mLの(S)-ブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0094】
実施形態12.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約600ng・h/mLの(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、方法。
【0095】
実施形態13.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約800ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0096】
実施形態14.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約8,000ng・h/mLの(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのAUC0-12を達成する、方法。
【0097】
実施形態15.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約90ng/mLのエリスロヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0098】
実施形態16.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約1,000ng・h/mLであるエリスロヒドロキシブプロピオンのAUC0-12を達成する、方法。
【0099】
実施形態17.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは(S)-ブプロピオンによる治療を必要としており、前記方法は、少なくとも約450ng/mLのスレオヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、方法。
【0100】
実施形態18.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、(S)-ブプロピオンによる治療を必要としている前記ヒトに経口投与することを含み、前記方法は、少なくとも約5,000ng・h/mLであるスレオヒドロキシブプロピオンのAUC0-12を達成する、方法。
【0101】
実施形態19.
前記ヒトは、(S)-ブプロピオンによる治療を必要としている、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18の方法。
【0102】
実施形態20.
前記方法は、少なくとも約60ng/mLの(S)-ブプロピオンのCmaxを達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19の方法。
【0103】
実施形態21.
前記方法は、(S)-ブプロピオンのCmaxを、同量の(R)-ブプロピオンを前記ヒトに投与した結果生じる(R)-ブプロピオンのCmaxと比較して少なくとも5倍増加させるのに効果的である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の方法。
【0104】
実施形態22.
前記方法は、前記ヒトにおいて少なくとも約500ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21の方法。
【0105】
実施形態23.
前記方法は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCminを、同量の(R)-ブプロピオンを前記ヒトに投与した結果生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCminと比較して少なくとも5倍増加させるのに効果的である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の方法。
【0106】
実施形態24.
前記剤形は1日1回投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23の方法。
【0107】
実施形態25.
前記剤形は1日2回投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24の方法。
【0108】
実施形態26.
(R,R)-ヒドロキシブプロピオンは、前記ヒトの血漿中に存在する(R,R)-ヒドロキシブプロピオンおよび(S,S)-ヒドロキシブプロピオンの総量の少なくとも97%である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25の方法。
【0109】
実施形態27.
(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの治療上有効な血漿レベルを提供するのに効果的である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26の方法。
【0110】
実施形態28.
(S)-ブプロピオンの治療上有効な血漿レベルを提供するのに効果的である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27の方法。
【0111】
実施形態29.
前記ヒトは(R,R)-ヒドロキシブプロピオンによる治療を必要としている、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28の方法。
【0112】
実施形態30.
前記方法は、前記ヒトにおいて少なくとも約500ng/mLである(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29の方法。
【0113】
実施形態31.
前記剤形は少なくとも8日間連続して投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の方法。
【0114】
実施形態32.
前記剤形は少なくとも連続して14日間投与される、実施形態31の方法。
【0115】
実施形態33.
前記剤形は少なくとも21日間連続して投与される、実施形態31の方法。
【0116】
実施形態34.
前記剤形は約60mgから約90mgの(S)-ブプロピオンを含有する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、または33の方法。
【0117】
実施形態35.
前記剤形は合計で少なくとも8日間連続して1日1回または1日2回投与されるように、前記剤形は連続して1から3日間1日1回投与され、次に、前記剤形は少なくとも次の4から7日間連続して1日2回投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34の方法。
【0118】
実施形態36.
前記剤形は1日1回または1日2回、合計で少なくとも8日間連続して投与されるように、前記剤形は1から7日間連続して1日1回投与され、次に、前記剤形は少なくとも次の7日間連続して1日2回投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35の方法。
【0119】
実施形態37.
前記剤形は約70mgから約80mgの(S)-ブプロピオンを含有する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36の方法。
【0120】
実施形態38.
前記方法は、少なくとも約70ng/mLである前記ヒトにおける(S)-ブプロピオンのCmaxを達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、または37の方法。
【0121】
実施形態39.
前記方法は、少なくとも約400ng・hr/mLである前記ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、または38の方法。
【0122】
実施形態40.
前記方法は、約500ng・hr/mLから約900ng・hr/mLである、前記ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、実施形態39の方法。
【0123】
実施形態41.
前記剤形は、(S)-ブプロピオンの徐放を提供する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の方法。
【0124】
実施形態42.
前記剤形は、約70mgから約80mgの(S)-ブプロピオンを含有する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、または41の方法。
【0125】
実施形態43.
前記方法は、少なくとも約600ng/mLである、ヒトにおける(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのCmaxを達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、または42の方法。
【0126】
実施形態44.
前記方法は、少なくとも約7000ng・hr/mLである、ヒトにおける(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのAUC0-12を達成する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の方法。
【0127】
実施形態45.
前記方法は、少なくとも約8000ng・hr/mLである、ヒトにおける(R,R)-ヒドロキシブプロピオンのAUC0-12を達成する、実施形態44の方法。
【0128】
実施形態46.
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を、1日1回または2回、前記ヒトに経口投与する、方法。
【0129】
実施形態47.
ヒトの状態を治療するための剤形であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含み、前記剤形は、前記ヒトに1日1回または2回経口投与される、剤形。
【0130】
実施形態48.
ヒトの状態を治療するための薬剤の製造における、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンの使用であって、前記薬剤は、前記ヒトに1日1回または2回経口投与される、使用。
【0131】
実施形態49.
剤形およびラベルを含み、前記剤形は、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含み、前記ラベルは、前記剤形が、ヒトの状態を治療するために1日1回または2回、前記ヒトに経口投与されることを提示する、キット。
【0132】
実施形態50.
前記状態は神経学的障害または中枢神経系障害である、実施形態46、47、48、または49の方法、剤形、使用、またはキット。
【0133】
実施形態51.
前記ヒトは前記状態が有るために選択される、実施形態50の方法、剤形、使用、またはキット。
【0134】
実施形態52.
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約150mgから約200mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約60mgから約120mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0135】
実施形態53.
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約200mgから約250mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約80mgから約150mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0136】
実施形態54.
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約250mgから約300mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約100mgから約180mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0137】
実施形態55.
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約300mgから約350mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約120mgから約210mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0138】
実施形態56.
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約350mgから約400mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約140mgから約240mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0139】
実施形態57.
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約400mgから約450mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は160mgから約270mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0140】
実施形態58.
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約150mgから約200mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約60mgから約120mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0141】
実施形態59.
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約200mgから約250mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約80mgから約150mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0142】
実施形態60.
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約250mgから約300mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約100mgから約180mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0143】
実施形態61.
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約300mgから約350mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約120mgから約210mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0144】
実施形態62.
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約350mgから約400mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約140mgから約240mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0145】
実施形態63.
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約400mgから約450mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約160mgから約270mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0146】
実施形態64.
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約150mgから約200mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約60mgから約120mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0147】
実施形態65.
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約200mgから約250mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約80mgから約150mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0148】
実施形態66.
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約250mgから約300mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約100mgから約180mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0149】
実施形態67.
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約300mgから約350mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約120mgから約210mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0150】
実施形態68.
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約350mgから約400mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約140mgから約240mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0151】
実施形態69.
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUCを達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCは、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUCと同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約400mgから約450mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUCを達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約160mgから約270mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、実施形態51の方法、剤形、使用、またはキット。
【0152】
実施形態70.
前記AUCはAUC0-12である、実施形態52-69のいずれか1つの方法、剤形、使用、またはキット。
【0153】
実施形態71.
前記AUCはAUC0-24である、実施形態52-69のいずれか1つの方法、剤形、使用、またはキット。
【0154】
実施形態72.
前記(S)-ブプロピオンは1日1回投与される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0155】
実施形態73.
前記(S)-ブプロピオンは1日2回投与され、1日2回の投与量の合計が1日用量である、実施形態46-71のいずれか1つの方法。
【0156】
実施形態74.
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも8日間連続して投与される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0157】
実施形態75.
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも14日間連続して投与される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0158】
実施形態76.
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも21日間連続して投与される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0159】
実施形態77.
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも28日間連続して投与される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0160】
実施形態78.
前記(S)-ブプロピオンは、(S)-ブプロピオンの徐放を提供する剤形で投与される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0161】
実施形態79.
前記剤形は、約2時間から約4時間である、(S)-ブプロピオンのTmaxを有するように製剤化される、実施形態78の方法。
【0162】
実施形態80.
前記方法は、少なくとも約300ng・hr/mLである、ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0163】
実施形態81.
前記方法は、少なくとも約400ng・hr/mLである、ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0164】
実施形態82.
前記方法は、約500ng・hr/mLから約900ng・hr/mLである、ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0165】
実施形態83.
前記方法は、約60ng/mLから約140ng/mLである、前記ヒトにおける(S)-ブプロピオンのCmaxを達成する、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0166】
実施例1
第1部
15人の健康な成人対象に、150mgの徐放性ラセミブプロピオンを絶食条件下で1日2回7日間投与した。錠剤投与を、1日目から3日目までの1日1回から、その後の1日2回に増やし、7日目朝に最後の投与を行った。ブプロピオンおよびその代謝物の血漿濃度を、7日目に、投与してから3-4時間後に測定した。キラル生物分析法を用いて、ブプロピオンおよびその主要代謝物の鏡像異性体濃度を測定した。AUCまたはCmaxに210/150を掛けることにより、結果を210mgに標準化した。
【0167】
第2部
健康な成人対象に、105mgのS-ブプロピオンまたは105mgのR-ブプロピオン徐放性錠剤(1群あたり10対象)のいずれかを、絶食条件下で1日2回8日間投与した。錠剤投与を、1日目から3日目までの1日1回から、その後の1日2回に増やし、8日目朝に最後の投与を行った。1日目および8日目に、ブプロピオンおよびその代謝物の血漿濃度を、完全な薬物動態評価のため測定した。キラル生物分析法を用いて、ブプロピオンおよびその主要活性代謝物ヒドロキシブプロピオンの鏡像異性体濃度を測定した。
【0168】
表1に、第2部の105mgのS-ブプロピオンを含有する錠剤の値を示す。75mgのR-および75mgのS-ブプロピオンを含有するラセミブプロピオン錠剤の値を、第1部から取得し、前記の105mgのS-ブプロピオン錠剤と比較を可能にするために105/150を掛けることによって105mgのR-および105mgのS-ブプロピオンに標準化した。S-ブプロピオンおよびラセミブプロピオン錠剤の両方とも、健康なボランティアに投与された徐放性製剤であった。ブプロピオンとヒドロキシブプロピオンのAUC0-12値も図1に示す。
【0169】
【表1】
【0170】
第3部
ブプロピオンの純粋なS-およびR-鏡像異性体の安全性および忍容性を調べるために、薬物動態学的サンプリングを用いて、無作為化、二重盲検、複数回投与、プラセボ対照、並行群間試験を実施した。この試験では、健康な成人被験者に、105mgのS-ブプロピオン、105mgのR-ブプロピオン徐放性錠剤、またはプラセボ(1群あたり15人の被験者)を、絶食条件下で1日2回7日間投与した。錠剤投与を、1日目から3日目までの1日1回から、その後の1日2回に増やし、7日目朝に最後の投与を行った。ブプロピオンおよびその代謝物の血漿濃度を、7日目の投与の3-4時間後に測定した。キラル生物分析法を用いて、ブプロピオンおよびその主要な活性代謝物ヒドロキシブプロピオンの鏡像異性体の濃度を測定した。ブプロピオンおよびヒドロキシブプロピオンについて測定された平均血漿濃度を表2および図2に示す。図3に示されるように、105mgのS-ブプロピオンを投与した結果のR,R-ヒドロキシブプロピオンのCmaxは1,268.5ng/mLであり、105mgの-ブプロピオンを投与した結果のR,R-ヒドロキシブプロピオンのCmaxは135.1ng/mLであった。
【0171】
【表2】
【0172】
上記の(S)-ブプロピオンを含む剤形のTmaxは2時間から4時間の間であった。
【0173】
特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される、成分の量、量などの特性、AUC値などを表す全ての数字は、すべての場合において、示されている正確な値および用語「約」で変更された値の両方を示すものとして理解されるべきである。従って、反対に示されない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、および均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らし、および通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0174】
本発明を説明する文脈中で(特に以下の特許請求の範囲の文脈中で)使用される用語「a」、「an」、「the」および同様の指示対象は、別段の指示がないまたは文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈されるべきである。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、特許請求の範囲に制限を課さない。本明細書のいかなる文言も、本発明の実施に不可欠な、請求項に記載されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0175】
本明細書に開示される代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループの要素は、個別に、またはグループの他の要素または本明細書に見られる他の要素との任意の組み合わせで、参照されおよび請求され得る。便宜上および/または特許性の理由で、グループの1つまたは複数の要素がグループに含まれるか、またはグループから削除され得ることが予想される。そのような包含または削除が発生した場合、明細書は、変更されたグループを含み、従って、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュグループの明細書を満足すると見なされる。
【0176】
本発明を実施するために発明者が知っている最良の様式を含む、特定の実施形態が本明細書に記載されている。もちろん、これらの記載された実施形態の変形は、前述の説明を読むことで、当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形例を使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施することを意図している。従って、請求項には、適用法で許可されているように、請求項に記載されている主題のすべての修正および同等物が含まれます。さらに、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせが企図される。
【0177】
最後に、本明細書に開示される実施形態は、特許請求の範囲の原理の例示であることが理解されるべきである。使用され得る他の改良は、特許請求の範囲内である。これらは、限定ではないが例として、本明細書の教示に従って代替の実施形態を利用することができる。したがって、特許請求の範囲は、正確に示され、説明されている実施形態に限定されない。
【0178】
(付記)
(付記1)
ヒトを治療する方法であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含有する剤形を1日1回または2回、前記ヒトに経口投与することを含む、方法。
【0179】
(付記2)
ヒトの状態を治療するための剤形であって、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含み、前記剤形は、前記ヒトに1日1回または2回経口投与される、剤形。
【0180】
(付記3)
ヒトの状態を治療するための薬剤の製造における、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンの使用であって、前記薬剤は、前記ヒトに1日1回または2回経口投与される、使用。
【0181】
(付記4)
剤形およびラベルを含み、前記剤形は、少なくとも95%鏡像異性体的に純粋な(S)-ブプロピオンを含み、前記ラベルは、前記剤形が、ヒトの状態を治療するために1日1回または2回、前記ヒトに経口投与されることを提示する、キット。
【0182】
(付記5)
前記状態は神経学的障害または中枢神経系障害である、付記1、2、3または4に記載の方法、剤形、使用、またはキット。
【0183】
(付記6)
前記ヒトは前記状態が有るために選択される、付記5に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0184】
(付記7)
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約150mgから約200mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約60mgから約120mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0185】
(付記8)
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約200mgから約250mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約80mgから約150mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0186】
(付記9)
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約250mgから約300mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約100mgから約180mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0187】
(付記10)
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約300mgから約350mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約120mgから約210mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0188】
(付記11)
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約350mgから約400mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約140mgから約240mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0189】
(付記12)
前記状態は、ブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約400mgから約450mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約160mgから約270mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0190】
(付記13)
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約150mgから約200mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約60mgから約120mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0191】
(付記14)
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約200mgから約250mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約80mgから約150mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0192】
(付記15)
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約250mgから約300mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約100mgから約180mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0193】
(付記16)
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約300mgから約350mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約120mgから約210mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0194】
(付記17)
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約350mgから約400mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約140mgから約240mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0195】
(付記18)
前記状態は、ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じるヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約400mgから約450mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約160mgから約270mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0196】
(付記19)
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約150mgから約200mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約60mgから約120mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0197】
(付記20)
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約200mgから約250mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約80mgから約150mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0198】
(付記21)
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約250mgから約300mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約100mgから約180mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0199】
(付記22)
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約300mgから約350mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約120mgから約210mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0200】
(付記23)
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約350mgから約400mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約140mgから約240mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0201】
(付記24)
前記状態は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの第1のAUC0-24を達成することによって治療され、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24は、ラセミブプロピオンの1日用量を投与した結果として生じる(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの参照AUC0-24と同じであり、ラセミブプロピオンの前記1日用量は、約400mgから約450mgであり、(S)-ブプロピオンの1日用量は、(R,R)-ヒドロキシブプロピオンの前記第1のAUC0-24を達成するために前記ヒトに投与され、前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は約160mgから約270mgであり、前記(S)-ブプロピオンは少なくとも95%鏡像異性体的に純粋でありかつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量と共に他のブプロピオンは投与されず、かつ前記(S)-ブプロピオンの前記1日用量は、ラセミブプロピオンの前記1日用量の約40%から約60%である、付記6に記載の方法、剤形、使用またはキット。
【0202】
(付記25)
前記(S)-ブプロピオンは1日1回投与される、付記1から24のいずれか一つに記載の方法。
【0203】
(付記26)
前記(S)-ブプロピオンが1日2回用量で投与され、前記1日2回用量の合計が前記1日用量である、付記1から24のいずれか一つに記載の方法。
【0204】
(付記27)
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも8日間連続して投与される、付記1から26のいずれか一つに記載の方法。
【0205】
(付記28)
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも14日間連続して投与される、付記1から27のいずれか一つに記載の方法。
【0206】
(付記29)
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも21日間連続して投与される、付記1から28のいずれか一つに記載の方法。
【0207】
(付記30)
前記(S)-ブプロピオンは少なくとも28日間連続して投与される、付記1から29のいずれか一つに記載の方法。
【0208】
(付記31)
前記(S)-ブプロピオンは(S)-ブプロピオンの徐放をもたらす剤形で投与される、付記1から30のいずれか一つに記載の方法。
【0209】
(付記32)
前記剤形は、約2時間から約4時間である(S)-ブプロピオンのTmaxを有するように製剤化される、付記31に記載の方法。
【0210】
(付記33)
前記方法は、少なくとも約300ng・hr/mLである、ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、付記1から32のいずれか一つに記載の方法。
【0211】
(付記34)
前記方法は、少なくとも約400ng・hr/mLである、ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、付記1から33のいずれか一つに記載の方法。
【0212】
(付記35)
前記方法は、約500ng・hr/mLから約900ng・hr/mLである、ヒトにおける(S)-ブプロピオンのAUC0-12を達成する、付記1から34のいずれか一つに記載の方法。
【0213】
(付記36)
前記方法は、約60ng/mLから約140ng/mLであるヒトにおける(S)-ブプロピオンのCmaxを達成する、付記1から35のいずれか一つに記載の方法。
図1
図2
図3