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特開2024-59851フィルターレンズ、及びデジタルカメラ用フィルターレンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059851
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】フィルターレンズ、及びデジタルカメラ用フィルターレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/28 20060101AFI20240423BHJP
   G02B 1/18 20150101ALI20240423BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G02B5/28
G02B1/18
G02B3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027366
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2022160991の分割
【原出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】515063828
【氏名又は名称】株式会社コゾフィルタース
(74)【代理人】
【識別番号】100063185
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 擴
(72)【発明者】
【氏名】石川 晃
(72)【発明者】
【氏名】山崎 久美男
(72)【発明者】
【氏名】山中 敏昭
(72)【発明者】
【氏名】田口 貴宏
(57)【要約】
【課題】様々な撮影条件の中で撮影者がイメージした色味の画像が得られるよう、各光域の反射率を制御したコーティングを施したフィルターレンズ、及びデジタルカメラ用フィルターレンズを効率よく安価に提供する。
【解決手段】本発明のフィルターレンズ10は、フィルターレンズ基材1と、フィルターレンズ基材の表面にコーティングされた光学多層膜2,2とから構成されている。光学多層膜は、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とを含むものであって、400nm~700nmの可視光域において、所望の選択波長域の反射率を高くする条件にてフィルターレンズ基材にコーティングする。これにより、選択した波長域の透過率が制御されて色味が変わり、相対的に選択した波長域以外の色味が強調されて際立った画像を提供することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターレンズ基材と、前記フィルターレンズ基材の一面側と他面側にコーティングされた光学多層膜から構成され、
前記光学多層膜は、高屈折率材料の層と低屈折率材料の層を交互に配置した2層以上からなり、400nm~450nmの紫色光域、450nm~500nmの青色光域、500nm~550nmの緑色光域、550nm~600nmの黄色光域、600nm~650nmの橙色光域、650nm~700nmの赤色光域より選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を高くするものであることを特徴とするフィルターレンズ。
【請求項2】
前記光学多層膜は、前記高屈折率材料としてチタン酸化物(TixOy、x=1~3,y=1~5)、ジルコニウム酸化物(ZrxOy、x=1~3,y=1~5)、タンタル酸化物(TaxOy、x=1~3,y=1~5)、ニオブ酸化物(NbxOy、x=1~3,y=1~5)、ハフニウム酸化物(HfxOy、x=1~3,y=1~5)のひとつ、あるいは複数を用いた層と、前記低屈折率材料としてケイ素酸化物(SixOy、x=1~3,y=1~5)、マグネシウムフッ化物(MgxFy、x=1~3,y=1~5)のひとつ、あるいは複数を用いた層を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルターレンズ。
【請求項3】
前記光学多層膜は、前記高屈折率材料として五酸化三チタン(Ti3O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)のひとつ、あるいは複数を用いた層と、前記低屈折率材料として二酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)のひとつあるいは複数を用いた層を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルターレンズ。
【請求項4】
前記光学多層膜の表面に、撥水性及び/又は撥油性を有する層が更に設けられていることを特徴とする請求項1~3に記載のフィルターレンズ。
【請求項5】
光軸方向から見て円形に成形されたフィルターレンズ基材の一面側と他面側に光学多層膜がコーティングされているフィルターレンズと、
前記フィルターレンズを支持するフィルター枠と、
前記フィルターレンズを前記フィルター枠に固定する押さえ環と、
から構成され、
前記光学多層膜は、高屈折率材料の層と低屈折率材料の層を交互に配置した2層以上からなり、400nm~450nmの紫色光域、450nm~500nmの青色光域、500nm~550nmの緑色光域、550nm~600nmの黄色光域、600nm~650nmの橙色光域、650nm~700nmの赤色光域より選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を高くするものである、
ことを特徴とするデジタルカメラ用フィルターレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、所望の色味を際立たせることができるフィルターレンズと、このフィルターレンズをデジタル一眼レフカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用することを可能とするデジタルカメラ用フィルターレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル一眼レフカメラ(以下、単に「デジタルカメラ」と称する。)が一般層にも購入し易い価格帯で発売されたことに起因して、大勢のユーザーが増えている。また、デジタルカメラにおいて、光学信号である画像を電気信号に変換する撮影素子(光学センサ)が高感度になり、微細な光信号までを正確にとらえられるようになってきている。そのため、ユーザーにおいても、たくさんの素晴らしい作品や写真撮影を可能とするものとなり、それらのユーザーは、各種交換レンズや各種フィルターの特性や機能を知識として保有し、これらの交換レンズや各種フィルターを日常的に選択して使用し始めている。
【0003】
ところで、デジタルカメラのレンズは、何枚かのレンズを組み合わせて一つのレンズを構成しており、該レンズに反射防止コーティング加工をしないと、レンズ表面で5%くらいの光が反射してしまう。また、強い光がレンズ内に入ってくると、それぞれのレンズの表面で反射した光がレンズの内部で複雑に反射しながらフレアを生み出す。フレアの中でも光源とは異なった場所にできる光の輪や玉はゴーストと呼ばれたりしている。
【0004】
そこで、所望の色味効果や趣のある画像を提供するために、様々なフィルターレンズが提案されている。
例えば、フレアやゴーストを抑えるデジタルカメラレンズに関する発明が、特開2005-301172号(以下、「特許文献1」と称する。)にて開示されている。この特許文献1では、フレアやゴーストは画像劣化の原因となっているため、低反射コーティングやレンズ外周部に墨塗りすることでフレアやゴーストを低減させている。
【0005】
また、フレアやゴーストを利用してソフトな画像を提供するフィルターレンズに関する発明が、特開2013-114011号(以下、「特許文献2」と称する。)にて開示されている。この特許文献2では、フレアを利用することで得られるソフトな画像が求められているため、表面に凹凸を設けた素材をフィルター用基板で挟み込んだ構成のレンズフィルターとすることで、フレアを発生させてソフトな画像を提供している。
【0006】
また、バランスの取れた色味となるよう可視光域の透過率を調節したフィルターに関する発明が、特開2000-305128号(以下、「特許文献3」と称する。)にて開示されている。例えば、撮影者のイメージに沿って、あえて色味を加えた画像が好まれたりするため、この特許文献3では、夕方の太陽が沈んだ情景を背景として建物や自然物を撮影した場合、実際の画像と撮影者が感じていたイメージとのギャップを解消するために、所望の彩色領域の透過率を調節したカメラ用フィルターを提供している。具体的に、特許文献3は、青色の透過率や赤色の透過率を上げたフィルターで対応すると、緑色の風景が灰色がかったり、白色系の部分が赤系や青系にずれた画像になってしまうことを解消するため、400nm~500nmの青色光域、500nm~600nmの緑色光域、600~700nmの赤色領域の透過率を調節している。
【0007】
さらに、ブルーライトや紫外線をカットするコーティングに関する発明が、特許第6311426号(以下、「特許文献4」と称する。)にて開示されている。この特許文献4では、280nm~380nmの波長域における反射率を50%~86%以下、380nm~500nmの波長域における反射率を15%~26%以下とするコーティングで、青色光線及び紫外線をカットする光学製品、眼鏡レンズを提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-301172号公報
【特許文献2】特開2013-114011号公報
【特許文献3】特開2000-305128号公報
【特許文献4】特許第6311426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、様々な撮影条件の中で撮影者がイメージした色味の画像が得られるよう、各光域の反射率を制御したコーティングを施したフィルターレンズ、及びデジタルカメラ用フィルターレンズを効率よく安価に提供することを目的とする。
【0010】
そこで、本発明者らは、フィルターの反射防止や光線カット等で光学製品に施されるコーティングに着目し、所定の可視光域において反射率を制御したコーティングを施すことで種々の色味効果のある画像を提供できること、また、フレアやゴーストに対しても、それらを利用した趣のある画像を提供できることがわかり、本発明を創作するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るフィルターレンズは、フィルターレンズ基材の表面に、400nm~700nmの可視光域において、選択波長域の反射率を制御する条件で、光学多層膜をフィルターレンズ基材の表面にコーティングすることで、撮影者がイメージしている通りの色味が際立った画像を提供できるとするものである。
【0012】
すなわち、本発明に係るフィルターレンズは、フィルターレンズ基材と、このフィルターレンズ基材の一面側と他面側にコーティングされた光学多層膜とから構成され、光学多層膜は、400nm~450nmの紫色光域、450nm~500nmの青色光域、500nm~550nmの緑色光域、550nm~600nmの黄色光域、600nm~650nmの橙色光域、650nm~700nmの赤色光域より選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を制御することを特徴とするものである。
【0013】
詳しくは、上述したフィルターレンズにおいて、光学多層膜は、400nm~450nmの紫色光域、450nm~500nmの青色光域、500nm~550nmの緑色光域、550nm~600nmの黄色光域、600nm~650nmの橙色光域、650nm~700nmの赤色光域より選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を高くするものである。
【0014】
また、本発明に係るフィルターレンズは、上述したフィルターレンズにおいて、光学多層膜は、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とを含むことを特徴とする。つまり、本発明に係るフィルターレンズは、フィルターレンズ基材の表面に、低屈折率材料の層と高屈折率材料の層を交互に配置し、少なくとも1以上の低屈折率材料の層と、少なくとも1以上の高屈折率材料の層が組み合わされた2層以上からなる光学多層膜をコーティングしてなるものである。
【0015】
具体的に、本発明に係るフィルターレンズは、上述したフィルターレンズにおいて、光学多層膜は、反射色が色度座標X≦0.25、色度座標Y≦0.25なる条件にて、高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層とが順に成膜された2層からなる、所定の波長域における反射率を高くするものである。つまり、光学多層膜は、フィルターレンズ基板の側から順に高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層とが成膜された2層以上からなり、反射色が色度座標X≦0.25、色度座標Y≦0.25なる条件にて成膜されている。
【0016】
また、本発明に係るフィルターレンズは、上述したフィルターレンズにおいて、光学多層膜は、反射色が色度座標0.30≦X≦0.35、色度座標0.25≦Y≦0.30なる条件にて、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層とが順に成膜された3層からなる、所定の波長域における反射率を高くするものでもある。つまり、光学多層膜は、フィルターレンズ基板の側から順に、低屈折率材料の層、高屈折率材料の層、低屈折率材料の層が成膜された3層以上からなり、反射色が色度座標0.30≦X≦0.35、色度座標0.25≦Y≦0.30なる条件にて成膜されている。
【0017】
また、本発明に係るフィルターレンズは、上述したフィルターレンズにおいて、反射色が色度座標0.40≦X≦0.50、色度座標0.35≦Y≦0.45なる条件にて、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とが交互に複数成膜された4層以上からなる、所定の波長域における反射率を高くするものでもある。つまり、光学多層膜は、フィルターレンズ基材の側から順に、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とが交互に複数成膜された、もしくは高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層とが交互に複数成膜された4層以上からなり、反射色が、色度座標0.40≦X≦0.50、色度座標0.35≦Y≦0.45なる条件にて成膜されている。
【0018】
また、本発明に係るフィルターレンズは、上述したフィルターレンズにおいて、光学多層膜の表面に、撥水性及び/又は撥油性を有する層がさらに設けられて(成膜されて)いるものでもある。
【0019】
また、本発明に係るデジタルカメラ用フィルターレンズは、光軸方向から見て円形に成形されたフィルターレンズ基材の一面側と他面側に、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とを含む光学多層膜がコーティングされているフィルターレンズと、前記フィルターレンズを支持するフィルター枠と、前記フィルターレンズを前記フィルター枠に固定する押さえ環と、から構成されていることを特徴とする。
【0020】
つまり、本発明に係るデジタルカメラ用フィルターレンズは、上述した何れか1のフィルターレンズであって、フィルターレンズ基材が光軸方向から見て円形に成形されたフィルターレンズと、前記フィルターレンズを支持するフィルター枠と、前記フィルターレンズを前記フィルター枠に固定する押さえ環と、から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフィルターレンズは、フィルターレンズ基材と、このフィルターレンズ基材の一面側と他面側にコーティングされた光学多層膜とから構成され、光学多層膜は、400nm~450nmの紫色光域、450nm~500nmの青色光域、500nm~550nmの緑色光域、550nm~600nmの黄色光域、600nm~650nmの橙色光域、650nm~700nmの赤色光域より選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を制御する、詳しくは、所定の波長域における反射率を高くするものとなっている。ゆえに、光学多層膜を構成する各層の材料や、成膜順、膜厚、及び層の数を任意に設計することで、所定の波長域の光の透過率が制御されて色目が変わり、所定の波長域以外の色味が際立った画像を提供することができる。しかも、フィルターレンズ基材の一面側と他面側に光学多層膜をコーティングする構成であるので、フィルターレンズ基材を着色する構成に比して、小ロットでの製造が可能であり、多品種少量生産することが可能となる。
【0022】
また、このフィルターレンズを用いたデジタルカメラ用フィルターレンズとすることで、様々な色味の実現が可能となり、様々な撮影条件の中、撮影者がイメージした色味の画像が提供できるデジタルカメラ用フィルターレンズを効率よく安価に提供することができる。しかも、フレアやゴーストに対しても、それらを利用した趣のある画像の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係るフィルターレンズの構造を説明する側面図である。
図2】本発明に係るフィルターレンズを使用した製品例を示すデジタルカメラ用フィルターレンズの部品構成図である。
図3図2に示すデジタルカメラ用フィルターレンズを組み立てた状態の断面図である。
図4】本発明の実施例1におけるフィルターレンズを使用したデジタルカメラ用フィルターレンズの(A)色目とXY色度図を示す説明図、(B)反射率曲線を示す説明図である。
図5】(A)本発明の実施例1におけるフィルターレンズを使用したデジタルカメラ用フィルターレンズの透過率曲線を示す説明図、(B)同実施例1のデジタルカメラ用フィルターレンズを使用して撮影した写真の色目とXY色度図を示す説明図である。
図6】本発明の実施例2におけるフィルターレンズを使用したデジタルカメラ用フィルターレンズの(A)色目とXY色度図を示す説明図、(B)反射率曲線を示す説明図である。
図7】(A)本発明の実施例2におけるフィルターレンズを使用したデジタルカメラ用フィルターレンズの透過率曲線を示す説明図、(B)同実施例2のデジタルカメラ用フィルターレンズを使用して撮影した写真の色目とXY色度図を示す説明図である。
図8】本発明の実施例3におけるフィルターレンズを使用したデジタルカメラ用フィルターレンズの(A)色目とXY色度図を示す説明図、(B)反射率曲線を示す説明図である。
図9】(A)本発明の実施例3におけるフィルターレンズを使用したデジタルカメラ用フィルターレンズの透過率曲線を示す説明図、(B)同実施例3のデジタルカメラ用フィルターレンズを使用して撮影した写真の色目とXY色度図を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るフィルターレンズ、及びこのフィルターレンズをデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用するデジタルカメラ用フィルターレンズの実施の形態の一例について、図面に基づき説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態におけるフィルターレンズ10は、フィルターレンズ基材1と、フィルターレンズ基材1の表面にコーティングされた光学多層膜2,2とから構成されている。
図1は、本実施の形態に係るフィルターレンズ10の構造を示したものである。
【0026】
フィルターレンズ基材1は、ガラスやプラスチックからなる透明な薄厚シート体である。このフィルターレンズ基材1は、デジタルカメラ用フィルターレンズとして用いる場合、光軸方向から見て円形であるものとする。
【0027】
光学多層膜2は、所定の可視光域において反射率を制御するためのフィルター材であって、フィルターレンズ基材1の表面にコーティングされている。つまり、光学多層膜2は、フィルターレンズ基材1における厚さ方向の一面側と他面側、具体的には、入射光側と、デジタルカメラの鏡筒側とにそれぞれコーティングされている。
【0028】
この光学多層膜2は、400nm~450nmの紫色光域、450nm~500nmの青色光域、500nm~550nmの緑色光域、550nm~600nmの黄色光域、600nm~650nmの橙色光域、650nm~700nmの赤色光域より選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を制御する条件にて、フィルターレンズ基材1の表面にコーティングされるものである。
【0029】
つまり、光学多層膜2は、400nm~700nmの可視光域において、選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を高くする条件にて、フィルターレンズ基材1の表面にコーティングされるものとなる。
【0030】
このように400nm~700nmの可視光域において、選択した何れか1又は2以上の波長域における反射率を高くするように制御することで、選択した波長域の透過率が制御されて色味が変わり、相対的に選択した波長域以外の色味が強調されたり抑制されたりして変わるものとなる。具体的には、選択した波長域の透過率が下がるため、選択した波長域の色味が薄くなり、相対的に選択した波長域以外の色味が強調された画像となるので、フィルターレンズ基材に着色することなく、選択した波長域以外の色味が際立った画像を提供することができる。
【0031】
光学多層膜2は、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とを含むものであり、少なくとも2層から構成されている。ここで、「含む」とは、有することを意味し、その数を特定(限定)するものではない。つまり、少なくとも一以上の低屈折率材料の層と、一以上の高屈折率材料の層とを有する光学多層膜2とすることを意味し、それぞれの層が一つだけ有する光学多層膜2とすることを意味するものではない。ゆえに、所望の色味が際立った画像を得るために、光学多層膜を構成する各層の成膜順や数、膜厚等を適宜設計するものとなる。
【0032】
また、低屈折率材料として望ましいのは、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)であり、高屈折率材料として望ましいのは、例えば、五酸化三チタン(Ti3O5)である。これらは屈折率に大きな差があり、組み合わせることで所望の波長域における反射率を高くすることができる。
なお、低屈折材料や高屈折材料として、二フッ化マグネシウム(MgF2)、三酸化二アルミニウム(Al2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、五酸化二タンタル(Ta2O5)、二酸化ハフニウム(HfO2)、五酸化二ニオブ(Nb2O3)又はこれらの組合せ等を用いることができる。
【0033】
例えば、光学多層膜2は、フィルターレンズ基材1の側から順に、高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層が成膜された2層からなるものとすることができる。つまり、屈折率に差があるものを組み合わせものとする。
これにより、例えば、400nm~450nm付近の紫色光域の反射率を、反射色が色度座標X≦0.25、同Y≦0.25なる条件にて光学多層膜2を成膜することで、400nm~450nm付近の紫色光域の透過率が低くなって紫色が薄くなるので、相対的に赤系の色味が強調され、650nm付近の橙色がかった赤色(オレンジ系)の色味が際立った画像を提供することができる。
【0034】
また、光学多層膜2は、例えば、フィルターレンズ基材1の側から順に、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層が成膜された3層からなるものとすることもできる。つまり、屈折率に差があるものを交互に組み合わせものとする。
これにより、例えば、450nm~500nm付近の青色光域の反射率を、反射色が色度座標0.30≦X≦0.35、同0.25≦Y≦0.30なる条件にて光学多層膜2を成膜することで、450nm~500nm付近の青色光域の透過率が低くなって青色が薄くなり、かつ650nm~700nm付近の赤色光域の反射率を高くすることで、650nm~700nm付近の赤色光域の透過率が低くなって赤色が薄くなるので、相対的に紫系及び黄緑系の色味が強調され、550nm付近の緑色の色味が際立った画像を提供することができる。
【0035】
さらに、光学多層膜2は、例えば、フィルターレンズ基材1の側から順に、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層と、低屈折率材料の層が成膜された5層からなるものとすることもできる。つまり、屈折率に差があるものを交互に繰り返し組み合わせものとする。
これにより、例えば、600nm~650nm付近の橙色光域の反射率を、反射色が色度座標0.40≦X≦0.50、同0.35≦Y≦0.45なる条件にて光学多層膜2を成膜することで、600nm~650nm付近の橙色光域の透過率が低くなって橙色が薄くなり、かつ650nm~700nm付近の赤色光域の反射率を高くすることで、650nm~700nm付近の橙色光域の透過率が低くなって赤色が薄くなるので、相対的に青系の色味が強調され、480nm付近の青色の色味が際立った画像を提供することができる。
【0036】
なお、色度座標の数値に範囲の幅があるのは、特定の数値に成膜することは困難なためである。つまり、所定の数値座標の範囲に含まれることとなるように光学多層膜を成膜すれば、所定の波長域の光の透過率が制御されて色目が変わって、所定の波長域以外の色味が際立ち、所望の画像を得ることができるものとなる。ゆえに、目的とする所望の画像を得ることに応じて色度座標の数値を設定し、この数値座標の範囲に含まれることとなるように、光学多層膜を構成する各層の材料や、成膜順、膜厚、及び層の数を適宜設計するものである。
【0037】
上述した光学多層膜2のコーティングには、例えば、真空中で金属酸化物等の成膜材料を加熱して溶融・蒸発させ、基材の表面に蒸発した成膜材料を付着・堆積させて薄膜を形成する真空蒸着法等の物理蒸着法を用いることができる。
【0038】
また、光学多層膜2の表面には、撥水性及び/又は撥油性を有する層がさらに設けられていてもよい。すなわち、光学多層膜2の表面には、指紋汚れや油脂汚れ、その他の汚れが付着することを防止(抑制)する撥水撥油性と共に、傷付きを防止する摩耗耐久性を備える被膜層が設けられたものとなっていると望ましい。
この被膜層としては、撥水撥油性を示す有機フッ素化合物を用いたフッ素系撥水撥油剤、例えば、ペルフルオロオクタンスルホン酸(C8HF17O3S)などを用いることができ、光学多層膜2と同様に、真空蒸着法等によって光学多層膜2の表面に成膜する。
【0039】
本実施の形態に係るフィルターレンズ10は、デジタルカメラレンズ鏡筒に着脱自在に取付けることが可能なデジタルカメラ用フィルターレンズ20に使用することができる。
図2は、本実施の形態のフィルターレンズ10を使用した製品例であるデジタルカメラ用フィルターレンズ20を説明する部品構成を示し、図3は、図2に示すデジタルカメラ用フィルターレンズ20を組み立てた状態の断面図を示すものである。
【0040】
図2において、符号11は、このフィルターレンズ10を支持し、デジタルカメラ鏡筒に取り付ける機能を有するフィルター枠を示し、符号12は、このフィルターレンズ10をフィルター枠11に固定するための押さえ環を示している。また、フィルター枠11には、押さえ環12及び他のアタッチメント装着用の雌ネジ13と、デジタルカメラレンズ鏡筒に着脱自在に取付けるための雄ネジ14が刻設されている。
【0041】
本実施の形態におけるフィルターレンズ10は、図2において一点鎖線矢印に示すように、フィルター枠11の内部にフィルターレンズ10を挿入し、さらに、押さえ環12と、フィルター枠11の前面に刻設された雌ネジ13との嵌着により固定することで、デジタルカメラ用フィルターレンズ20とすることができる。そして、このデジタルカメラ用フィルターレンズ20は、フィルター枠11の後面に刻設された雄ネジ14により、デジタルカメラレンズ鏡筒に着脱自在に取付けられる。
【0042】
以上のように、本実施の形態では、光学多層膜2のコーティングで、選択波長域の反射率を調節する方式であるため、波長域の選択によって、様々な色味の実現が可能となる。また、フレアやゴーストに対しても、それらを利用した趣のある画像の実現が可能となる。ゆえに、様々な撮影条件の中、撮影者がイメージした色味の画像が提供できる。しかも、本実施の形態によるフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20を効率よく安価に提供できるものである。
【0043】
すなわち、本実施の形態における光学多層膜2は、400nm~450nm付近の紫色光域、450nm~500nm付近の青色光域、500nm~550nm付近の緑色光域、550nm~600nm付近の黄色光域、600nm~650nm付近の橙色光域、650nm~700nm付近の赤色光域から選択した波長域の反射率を制御された条件にてコーティングする。これにより、該選択した波長域の光の透過率が制御されて色目が変わり、相対的に該選択した波長域以外の色味が強調されたり抑制されたりして変わるので、フィルターレンズ基材に着色することなく該選択した波長域、及び該選択した波長域以外の色味が際立った画像が提供できる。
【0044】
光学多層膜2は、特に、400nm~450nm付近の紫色光域、450nm~500nm付近の青色光域、500nm~550nm付近の緑色光域、550nm~600nm付近の黄色光域、600nm~650nm付近の橙色光域、650nm~700nm付近の赤色光域から選択した波長域の反射率を高くする条件にてコーティングする。そうすると、選択した波長域の光の透過率が下がるため、選択した波長域の色味が薄くなり、相対的に選択した波長域以外の色味が強調された画像となる。ゆえに、フィルターレンズ基材に着色することなく、選択した波長域以外の色味が際立った画像が提供できるデジタルカメラ用フィルターレンズとすることができる。
【0045】
このように、本実施の形態におけるフィルターレンズ10の光学多層膜2は、選択波長域の反射率を調節する方式であるため、波長域の選択によって、様々な色味の実現が可能となる。また、このフィルターレンズ10を用いることで、フレアやゴーストに対しても、それらを利用した趣のある画像の実現が可能となり、様々な撮影条件の中、撮影者がイメージした色味の画像が提供できるデジタルカメラ用フィルターレンズ20を効率よく安価に提供することができるものとなる。
【実施例0046】
次に、本発明に係るフィルターレンズ10の効果を確認するため、所定の可視光域において反射率を制御するフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20を準備し、その色度座標の測定と、反射率及び透過率の測定を行った。なお、実施例においてフィルターレンズ基板1の表面に蒸着する試料としては、高屈折率材料として五酸化三チタン(Ti3O5)、低屈折率材料として二酸化ケイ素(SiO2)をそれぞれ用い、光学多層膜2を成膜した。
【0047】
[実施例1]
実施例1は、橙色がかった赤色(オレンジ系)の色味が際立った画像を得ることを目的として、400nm付近の反射率が50%付近となるよう、400nm~450nm付近の紫色光域の反射率を上げる条件としたフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20である。
実施例1として、フィルターレンズ基板1の表面(両面)に、五酸化三チタン(Ti3O5)の層、二酸化ケイ素(SiO2)の層を順に成膜した2層からなる光学多層膜2,2をそれぞれコーティングしたフィルターレンズ10を準備した。このフィルターレンズ10における光学多層膜2は、図4(A)において黒塗り三角印で示すように、色度座標X=0.174、Y=0.173と青系の反射色が高くなる条件にてコーティングされたものとなっている。また、このフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20の反射率は、図4(B)に示されるように、400nmで50%付近となり、デジタルカメラ用フィルターレンズ20は、青系の色目となっている。
【0048】
なお、光学多層膜2を構成する各層(すなわち、五酸化三チタン(Ti3O5)の層と、二酸化ケイ素(SiO2)の層)の膜厚は、際立たせることを目的とする色味に応じて任意に取り決めるものである。これは、後述する各実施例においても同様であり、成膜順や層の数と共に、所望の効果が得られるように適宜設計される。
【0049】
このデジタルカメラ用フィルターレンズ20を使用して撮影すると、図5(A)に示されるように、600nm以下の透過率、特に400nm~450nmの透過率が著しく低くなることで紫色が薄くなり、相対的に赤系の色味が強調されるものとなる。そして、このデジタルカメラ用フィルターレンズ20を用いて撮影した画像は、図5(B)において黒塗り丸印で示されるように、色度座標X=0.342、Y=0.361とオレンジ系の色目が際立ったものとなり、夕暮れ時の空の色やオレンジ色がかった風景がより強調された写真とすることができた。
また、逆光状態で撮影した場合、フレアやゴーストと相まって橙色から赤色のグラデーションが綺麗な画像となり、青色のゴーストを発生させることができた。
【0050】
このように実施例1では、400nm~450nm付近の透過率が低くなって紫色が薄くなり、相対的に赤系の色味が強調され、650nm付近の橙色がかった赤色(オレンジ系)の色味が際立った画像を提供することができる。
【0051】
[実施例2]
実施例2は、緑色の色味が際立った画像を得ることを目的として、475nm付近の反射率が30%弱となるよう、450nm~500nm付近の青色光域の反射率を上げると共に、670nm付近の反射率が30%強となるよう、650nm~700nm付近の赤色光域の反射率を上げる条件としたフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20である。
実施例2として、フィルターレンズ基板1の表面(両面)に、二酸化ケイ素(SiO2)の層、五酸化三チタン(Ti3O5)の層、さらに、二酸化ケイ素(SiO2)の層を順に成膜した3層からなる光学多層膜2,2をそれぞれコーティングしたフィルターレンズ10を準備した。このフィルターレンズ10における光学多層膜2は、図6(A)において黒塗り三角印で示すように、色度座標X=0.327、Y=0.280とマゼンタ(ピンク)系の反射色が高くなる条件にてコーティングされたものとなっている。また、このフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20の反射率は、図6(B)に示されるように、475nm付近で30%弱、670nm付近で34%強となり、デジタルカメラ用フィルターレンズ20は、マゼンタ(ピンク)系の色目となる。
【0052】
このデジタルカメラ用フィルターレンズ20を使用して撮影すると、図7(A)に示されるように、475nm付近及び670nm付近の透過率が低くなることで青色や赤色が薄くなり、相対的に紫系及び黄緑系の色味が強調されたものとなる。そして、このデジタルカメラ用フィルターレンズ20を用いて撮影した画像は、図7(B)において黒塗り丸印で示されるように、色度座標X=0.309、Y=0.342と緑系の色目が際立ったものとなり、緑色をより瑞々しく、空をより青く、全体的に青みがかった空気感に変える写真とすることができた。
また、逆光状態で撮影した場合、フレアやゴーストと相まって青色から橙色のグラデーションが綺麗な画像となり、紫色がかった白色のゴーストを発生させることができた。
【0053】
このように実施例2では、450nm~500nm付近の透過率が低くなり青色が薄くなり、かつ650nm~700nm付近の透過率が低くなり赤色が薄くなるので、相対的に紫系及び黄緑系の色味が強調され、550nm付近の緑色の色味が際立った画像を提供することができる。
【0054】
[実施例3]
実施例3は、青色の色味が際立った画像を得ることを目的として、600nm~700nm付近の反射率が25%付近となるよう、600nm~650nm付近の橙色光域及び650nm~700nm付近の赤色光域の反射率を上げる条件としたフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20である。
実施例3として、フィルターレンズ基板1の表面(両面)に、二酸化ケイ素(SiO2)の層、五酸化三チタン(Ti3O5)の層、二酸化ケイ素(SiO2)の層、五酸化三チタン(Ti3O5)の層、二酸化ケイ素(SiO2)の層を順に成膜した5層からなる光学多層膜2,2をそれぞれコーティングしたフィルターレンズ10を準備した。このフィルターレンズ10における光学多層膜2は、図8(A)において黒塗り三角印で示すように、色度座標X=0.461、Y=0.394とオレンジ系の反射色が高くなる条件にてコーティングされたものとなっている。また、このフィルターレンズ10を使用したデジタルカメラ用フィルターレンズ20の反射率は、図8(B)に示されるように、650nmで25%付近となり、デジタルカメラ用フィルターレンズ20は、橙色系の色目となる。
【0055】
このデジタルカメラ用フィルターレンズ20を使用して撮影すると、図9(A)に示されるように、500nm以上の透過率、特に600nm~700nmの透過率が著しく低くなることで赤色が薄くなり、相対的に青系の色味が強調されたものとなる。そして、このデジタルカメラ用フィルターレンズ20を用いて撮影した画像は、図9(B)において黒塗り丸印で示されるように、色度座標X=0.291、Y=0.321と青系の色目が際立ったものとなり、青空の映える屋外でのクリアな色目や、夕暮れ時のシネマチックな雰囲気の写真とすることができた。
また、逆光状態で撮影した場合、ハイライトの急激な白飛びが抑えられ、橙色のゴーストを発生させることができた。
【0056】
このように実施例3では、600~650nm付近の透過率が低くなり橙色が薄くなり、かつ650nm~700nm付近の透過率が低くなり赤色が薄くなるので、相対的に青系の色味が強調され、480nm付近の青色の色味が際立った画像を提供することができる。
【0057】
以上のように本発明は、低屈折率材料の層と、高屈折率材料の層とを含む光学多層膜2をフィルターレンズ基材1の表面にコーティングすることで、選択波長域の反射率を調節する方式であるため、波長域の選択によって様々な色味の実現が可能となる。
また、フレアやゴーストに対しても、それらを利用した趣のある画像の実現が可能となり、様々な撮影条件の中、撮影者がイメージした色味の画像が提供できるデジタルカメラ用フィルターレンズ20を効率よく安価に提供できるものである。
【0058】
なお、上述した実施例では、光学多層膜2が、2層、3層、及び5層であるフィルターレンズ10を用いたデジタルカメラ用フィルターレンズ20だけを例示しているが、本発明はこれに限定されず、4層や6層以上の光学多層膜2を設けたフィルターレンズ10、及びこのフィルターレンズ10を用いたデジタルカメラ用フィルターレンズ20とすることも含むものである。
【符号の説明】
【0059】
1 フィルターレンズ基材
2 光学多層膜
10 フィルターレンズ
11 フィルター枠
12 押さえ環
13 雌ネジ
14 雄ネジ
20 デジタルカメラ用フィルターレンズ
図1
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