(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059890
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】端末デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
H04L27/26 113
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024028688
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2021520208の分割
【原出願日】2018-10-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示の実施の形態は、サイドリンク通信のための方法、デバイス及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【解決手段】方法は、第1端末デバイスと第2端末デバイスとの間のV2X(vehicle-to-everything)通信における時分割多重化(TDM)用のリソースセットの構成を決定する。リソースセットは、時間領域における複数のシンボルに対応する。構成は、V2X通信用の制御情報に基づいて決定される自動利得制御(AGC)信号が複数のシンボルの初期シンボルで送信されることを特定する。方法はまた、上記構成によるV2X通信を実行する。その結果、PSCCH及びPSSCHがTDMされる場合に、AGCは正確に実施される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスであって、
サイドリンク通信のためリソースセットの構成を決定する手段と、
前記構成に基づいて、他の端末デバイスとの前記サイドリンク通信を実行する手段と、を含み、
前記リソースセットは、時間領域における複数のシンボルに対応し、前記複数のシンボルは、自動利得制御(AGC)信号が送信される初期シンボルを含み、前記初期シンボルの一部のリソースエレメントは、前記初期シンボルの直後のシンボルの物理サイドリンクチャネル(PSCCH)のリソースエレメントと、同一である、
端末デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施の形態は、一般的に、電気通信分野に関し、特に、サイドリンク通信のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス・ツー・デバイス(Device to Device:D2D)通信は、数年にわたって開発され、V2X(vehicle-to-everything、車車間/路車間)通信を含むように拡張されている。例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)規格のRelease 14などの現在の電気通信規格では、D2D作業の拡張はV2X通信のサポートで構成されている。V2X通信は、車両と、歩行者、インフラ、又はネットワークとの間の直接通信の任意の組み合わせを含み、これにより、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2N(Vehicle-to-Network)の4つの異なるタイプに分けられることができる。V2V通信は、車両間の通信を含み、V2P通信は、車両と個人が携帯するデバイス(例えば、歩行者、サイクリスト、運転手、又は乗客が携帯する携帯型ユーザー端末)との間の通信を含み、V2I通信は、車両と、交通インフラ事業者である路側機(roadside unit:RSU)などのV2Xアプリケーションをサポートするインフラとの間の通信を含み、V2N通信は、車両とネットワーク端末などのネットワークインフラとの間の通信を含む。
【0003】
加えて、新しい無線(New Radio:NR)V2X技術は、隊列走行、拡張センサ、高度な運転、リモート運転の4つのユースケースグループに分類できる高度なV2Xサービスをサポートする。
【発明の概要】
【0004】
概して、本開示の例示的な実施の形態は、サイドリンク通信のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0005】
第1態様において、本開示の実施の形態は、第1端末デバイスで実施される方法を提供する。この方法において、制御チャネルとデータチャネルとの間のV2X通信における時分割多重化(Time Division Multiplexing:TDM)用のリソースセットの構成は決定される。前記リソースセットは、時間領域における複数のシンボルに対応する。前記構成は、自動利得制御(Automatic Gain Control:AGC)信号が複数のシンボルの初期シンボルで送信されることを特定する。前記AGC信号は、前記V2X通信用の制御情報に基づいて決定される。この方法において、前記構成による前記V2X通信は、第2端末デバイスとの間で実行される。
【0006】
第2態様において、本開示の実施の形態は端末デバイスを提供する。端末デバイスは、プロセッサ、及び前記プロセッサに接続され、かつ、命令を記憶しているメモリを備える。前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記端末デバイスに第1態様による方法を実行させる。
【0007】
第3態様において、本開示の実施の形態は、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに第1態様による方法を実行させる。
【0008】
本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面を参照しながら本開示のいくつかの実施の形態をより詳細に説明することを通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになる。
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態を実施することができる通信ネットワークの概略図である。
【0011】
【
図2】本開示のいくつかの実施の形態による物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel:PSSCH)及び物理サイドリンク共有チャネル(physical sidelink shared channel:PSCCH)のTDMによるサブチャネルの概略的な構成を示す。
【0012】
【
図3】本開示のいくつかの実施の形態によるSCORESETの構成を示す。
【0013】
【
図4】本開示のいくつかの実施の形態によるSCORESETの構成を示す。
【0014】
【
図5】本開示のいくつかの実施の形態によるSCORESETの構成を示す。
【0015】
【
図6】本開示のいくつかの実施の形態によるPSSCH及びPSCCHの周波数分割多重化を示す概略図である。
【0016】
【
図7】本開示のいくつかの実施の形態によるサイドリンク通信のための方法のフローチャートを示す。
【0017】
【
図8】本開示の実施の形態の実施に適したデバイスの簡略化のブロック図である。
【0018】
図面全体を通して、同じ又は類似の符号は、同じ又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施の形態を参照して説明される。これらの実施の形態は、例示の目的で記載されるにすぎず、本開示の範囲に関する限定を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実施されることができる。
【0020】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末デバイスが通信できるセル又はカバレッジを提供し、又はホストすることができるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、新しい無線アクセスのNodeB(gNB)、次世代NodeB(gNB)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低パワーノードなどが挙げられるが、これらに限定されない。説明の目的のために、以下、ネットワークデバイスの例としてeNBを参照していくつかの実施の形態を説明する。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザー機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽記憶及び再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングなどを可能にするインターネット機器が挙げられるが、それらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読まれる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と読まれる。「一実施の形態」及び「実施の形態」という用語は、「少なくとも一実施の形態」と読まれる。「別の実施の形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施の形態」と読まれる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指す。明示的及び暗黙的なその他の定義は、以下に含まれる。
【0024】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして見なされる。このような説明は、多くの使用される機能的選択肢から選択を行うことができるのを指し、このような選択は他の選択に比べてより良く、小さく、高く、又はより好ましい必要はないことを意図している。
【0025】
図1は、本開示の実施の形態を実施することができる例示的な通信環境100を示す。環境100において、車両110-1~110-3及びパーソナルモバイルデバイス110-4は端末デバイス(総合的または個別に端末デバイス110と呼ばれる)であり、お互いに通信することができる。環境において、セルラーネットワークデバイス120も配置され、そのカバレッジ101において当該セルラーネットワークにアクセスするそれらの端末デバイスにサービスを提供する。端末デバイス及びそれらの間のリンクは、単に説明のために示されると理解すべきである。V2X通信において、他にもさまざまな形態でいろいろな端末デバイスやネットワークデバイスが存在する可能性がある。
【0026】
当該ネットワークデバイス120は、端末デバイス110との相対位置(又は、端末デバイス110の絶対位置)によって、
図1に示すカバレッジ102(ゾーン102とも呼ばれる)などの異なるゾーンを分割してもよい。いくつかの端末デバイス(例えば、端末デバイス110-1、1110-2及び110-4)はゾーン102内に配置され、いくつかの端末デバイス(例えば、端末デバイス110-3)はゾーン102の外側に配置されてもよい。異なるゾーンに配置される端末デバイスも、お互いに通信可能であってもよい。
【0027】
環境100は、車両および他の任意のデバイス(ネットワークデバイス120)が互いに通信することができるV2X通信のシナリオを示す。上記のように、V2X通信は、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2N(Vehicle-to-Network)を含む4つのタイプに分けられることができる。端末デバイス110間の通信(即ち、V2V、V2P、V2I通信)は、Uuインターフェース及び直接リンク(又はサイドリンク)の両方を介して実行されることができ、一方、ネットワークデバイス120が関与する通信(即ち、V2N通信)は、Uuインターフェースのみを介して実行されることができる。サイドリンクベースのV2X通信の場合、情報は、ブロードキャストの方式でTX端末デバイスから1つ以上のRX端末デバイスに送信される。
【0028】
通信技術に応じて、ネットワーク100は、CDMA(Code Division Multiple Acces)ネットワーク、TDMA(Time Division Multiple Address)ネットワーク、FDMA(Frequency Division Multiple Access)ネットワーク、OFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)ネットワーク、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)ネットワーク又はそのほかのネットワークである。ネットワーク100による通信は、NR(New Radio Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Evolution、LTE-A(LTE-Advanced)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)(登録商標)、CDMA(Code Division Multiple Acces)、cdma2000、及びモバイル通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile Communications:GSM)などを含む任意の適切な規格に準拠して適用することができるが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されることができる。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含が、これらに限定されない。本明細書に記載の技術は、上記の無線ネットワーク及び無線技術、並びに他の無線ネットワーク及び無線技術に使用されることができる。明確にするために、以下、LTEについて技術的形態を説明し、LTEの専門用語は、以下の説明に多く使用される。
【0029】
V2X通信において、サイドリンクは、例えば、UE間のProSe直接通信のために使用される。PSSCH及びPSCCHは、サイドリンクの2つの物理チャネルとして3GPPにおいて定義される。時間領域の基本(最小)のリソース単位はスロット(又は、サブフレーム)である。一方、時間領域のスロットには、複数のシンボルが存在してもよい。サブフレームは、PSSCH及びPSCCHを使用して周波数領域で柔軟に多重化(又は、FDM)されてもよい。
【0030】
現在、LTE-V2Xでは、PSCCH及びPSSCHはFDMされ、サブフレーム内の最初のシンボル(即ち、初期シンボル)からマッピングされる。このようなサブフレームが受信UEによって受信されると、AGC設定には最初のシンボルを使用することができる。他の可能なソリューションは、PSCCH及びPSSCHがNR-V2XにおいてTDMされ、しかし、スロットの異なるシンボルの受信電力が異なることがあるため、LTEサイドリンクとしての最初のシンボルのAGCは正確でない可能性がある。しかし、正確なAGCがないと、受信機で受信される信号が変化してしまい、これにより受信機のパフォーマンスに影響が生じる。その結果、PSCCH及びPSSCHがTDMされた際に、AGCが正確に実行されることができるように、リソースセットの構成(configuration)を提供するソリューションを見つける必要がある。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施の形態によるPSSCH及びPSCCHのTDMによるサブチャネル200の概略的な構成を示す。
図2に示されるように、当該サブチャネル200は、時間領域のスロット204を占有する。サブチャネル200は、同じスロット204において複数の隣接するリソースブロック202(Resource Block:RB)を含む。当該例において、時間スロット204は複数のシンボルを含んでもよい。いくつかの実施の形態において、シンボルはOFDM又はSC-FDMAシンボルであり得る。14個のシンボルのうち、
図2に示す初期シンボル206であるシンボル0は、AGCに使用される可能性がある。即ち、AGC信号は、AGC設定のための初期シンボル206で運ばれる。
【0032】
本開示の実施の形態によれば、端末デバイス110は、制御チャネルとデータチャネルとの間の、例えば、PSCCHとPSSCHとの間のV2X通信において上記のようにリソースセットの構成を決定してもよい。AGC信号はV2X通信の制御情報に基づいて決定される。V2X通信は、このような構成に基づいて実行されることができる。
【0033】
サブチャネルは、例えば、サブチャネルごとにPSCCH用の1つ又は複数のサイドリンク制御時間周波数リソースセット208(sidelink control time-frequency resource set:SCORESET)で構成(configure)され得る。いくつかの他の実施の形態において、PSCCH用の1つ又は複数のSCORESETは、リソースプールごと、帯域幅ごと、帯域幅部分ごとなどに構成されてもよく、ここで限定されない。その原理は同じであるため、ここでこの構造について繰り返し説明しない。
【0034】
いくつかの実施の形態において、1つのSCORESET208が構成され、又は事前に構成される場合に、SCORESET208の帯域幅は、常に、リソースプール、帯域幅、帯域幅部分、又はサブチャネルと等しくてもよい。いくつかのさらなる実施の形態において、複数のSCORESET(不図示)が構成される場合に、各SCORESET208の継続期間及び初期シンボル206は同じであり、異なるSCORESET208の帯域幅は互いに重複しない。
【0035】
1つのSCORESET208は、常に、スロット内の1つのPSSCH時間周波数リソースセットに関連付けられ、複数のSCORESETは、単一のPSSCH時間周波数リソースセットに関連付けられ得る。
【0036】
本実施の形態において、
図2に示されるように、サブチャネル200は、上記したSCORESET208が関連付けられるPSSCHリソースセット210で構成される。サブチャネル200における最後のシンボルである終了シンボル212は、PSSCHリソースセット210の一部であるように構成される。いくつかの実施の形態において、終了シンボル212は、
図2に示すPSSCHリソースセット210の一部に限定されず、他の種類の情報を運んでもよく、または無効(void)である。
【0037】
いくつかの他の実施の形態において、SCORESETの1つのシンボルはPSSCHで送信される制御情報及びPSCCH(不図示)で送信される他のデータの両方を送信してもよい。
【0038】
さらに、いくつかの実施の形態において、各SCORESETにおいて1つのサポート可能なアグリゲーションレベルのみが(事前に)構成される場合に、異なるSCORESETのサポート可能なアグリゲーションレベルが異なり、複数のアグリゲーションレベルが各SCORESETにてサポートされる場合に、UEは、基地局の命令又はサイドリンクチャネルのステータスに従って、アグリゲーションレベルを選択してもよい。
【0039】
いくつかの実施の形態において、PSSCHの送信電力及びPSCCHの送信電力は、さまざまな形態で構成され得る。
【0040】
いくつかの実施の形態において、端末デバイスが同じシンボル上ではないPSCCH及びPSSCHを使用してデータを送信する場合に、当該端末デバイスは、あるシンボル上のPSCCHの送信電力がもう1つのシンボル上の関連するPSSCH送信電力に比例するように構成してもよい。従って、スロット204にわたって端末デバイスによって送信される送信電力はAGCのレンジを超えて変化することはなく、これにより、正確なAGCが得られる。一例において、PSCCHの送信電力は、常に、関連するPSSCHの電力と同様である。
【0041】
いくつかの他の実施の形態において、端末デバイスが同じシンボル上のPSCCH及びPSSCHを使用してデータを送信する場合に、当該端末デバイスは、時間スロット204におけるすべてのシンボルに亘る最大送信電力と最小送信電力との間の差がX dBmよりも小さくなることを確実にするように構成してもよい。その結果、このような構成は端末デバイスによって送信される。一例において、Xは0.01 dBmであるが、それに限定されない。Xは、要求及び実際のニーズに応じた任意の値であってもよい。Xの値は、事前に構成又は特定されてもよい。
【0042】
又は、端末デバイスが単一のシンボルにおけるPSCCH及びPSSCHの両方で送信を実行する場合に、当該端末デバイスは、PSCCHが送信のために使用されるシンボルでの送信電力が、PSSCHが送信のために使用されるシンボルでの送信電力と同じであることを確実にするように構成してもよい。即ち、PSCCH及びPSSCHの両方が使用されるシンボルでの合計送信電力は、例えば、PSSCHのみが使用されるシンボルの送信電力と同じである。その結果、このような構成は端末デバイスによって送信される。
【0043】
一実施の形態において、PSCCHの送信電力は、同じシンボルにPSSCHが存在する場合、該PSSCHの送信電力よりも高い場合がある。
【0044】
本開示の実施の形態によれば、PSSCHとPSCCHとのTDMが使用される場合に、AGC設定を構成する様々な方法が存在する。
図3~
図5は、それぞれ、構成に関する3つの異なるスキームを示す。例示の目的で、これらのスキームを説明したが、限定を示唆するのではないと理解すべきである。構成を決定する他の適切な方法があり得る。
【0045】
第1スキームとして、
図3の(A)及び
図3の(B)は、本開示のいくつかの実施の形態によるSCORESETの構成を別々に示す。当該構成は端末デバイス、例えば、
図1に示す端末デバイス110によって決定されてもよい。例示のために説明したが、限定するものではないと理解すべきである。いくつかの代替の実施の形態において、当該構成は、ネットワークデバイス、例えば、
図1に示すネットワークデバイス120、又は、他の適切なデバイスやコントローラによって決定されてもよい。
【0046】
図3の(A)及び
図3の(B)に示されるように、周波数領域では、1つの物理リソースブロック(physical resource block:PRB)302は、複数のサブキャリアを含み得る。当該PRB302は、周波数領域における最小リソース単位である。
【0047】
いくつかの実施の形態において、
図3の(A)に示されるように、SCORESET208には、3つのPRB302がある。いくつかの実施の形態において、PSCCHには、PDCCHのような物理層構造が使用され、SCORESET208は、複数のリソースエレメントグループ304(resource element group:REG)を含む。一例において、REGは、1つのOFDMシンボルにおける1つのリソースブロックに等しい。いくつかの他の実施の形態において、PSCCHには、PUSCHのような物理層構造が使用される。PSCCHに使用される物理層構造は、要求や適用されるシナリオに基づいて他のものにすることもできるが、ここで限定されない。
【0048】
この実施の形態では、1つのPRB302には3つのリソースエレメントグループ304があり、合計で12個のリソースエレメントグループ304がある。ここでの例は、説明の目的で使用されることに過ぎない。実際の実装の際に、特定の要求及びニーズに応じて、PRB及びREGの数は異なることがある。
【0049】
図3の(A)はPSCCHをSCORESET208へマッピングする方法も示す。
図3の(A)に示されるように、SCORESET208は、スロット内の2番目のシンボル(シンボル1)から開始し、PSCCHはSCORESET内にマッピングされる。加えて、最初のシンボルで送信されるAGC信号は、SCORESETの1つのシンボルのレプリケーションである。即ち、AGC信号は、最初のシンボルの後にSCORESET内のシンボルで送信される制御情報の一部である。
図3の(A)に示す当該特定の例において、シンボル0でのAGC信号の値は、シンボル1で送信される制御情報の値に等しい。
図3の(B)に示す当該特定の例では、シンボル0でのAGC信号の値は、シンボル2で送信される制御情報の値に等しい。
【0050】
いくつかの実施の形態において、最初のシンボルの後のシンボルで送信される制御情報の一部のレプリケーションは、UEによって構成され、かつ、AGC信号として構成される。さらに、当該制御情報の一部、即ち、当該AGC信号は、構成に基づいて、初期シンボルで第1端末デバイスから第2端末デバイスへ送信される。その結果、第2端末デバイスは、
図3の(A)に示す構成を受信した。
【0051】
又は、
図4に示されるように、送信されるAGC信号の値は制御情報の一部である。この一部は、初期シンボルの後の1つ以上のシンボル、例えば、シンボル1及びシンボル2で送信される制御情報の残りの部分と異なる。さらに、この制御情報の一部は、構成に基づいて、端末デバイスの間、例えば、端末デバイス110-1、110-2、110-3...間で、初期のシンボルで送信される。
【0052】
いくつかの実施の形態において、この一部は、上記のように、端末デバイスによって決定され、かつAGC信号として構成される。
【0053】
いくつかの実施の形態において、当該構成は、上記のように、ローカルで構成されてもよい。又は、当該構成は、他の端末デバイスや第1及び第2端末デバイスを管理するネットワークデバイスから受信されることもできる。
【0054】
いくつかの実施の形態において、初期シンボル206上の送信電力は、SCORESET208のシンボル上の送信電力と同じである。
【0055】
第2スキームとして、
図4は、本開示のいくつかの実施の形態によるSCORESETの構成を示す。
【0056】
いくつかの実施の形態において、
図4に示されるように、PSCCHには、PDCCHのような物理層構造が使用され、SCORESET208は、複数のREG304を含む。いくつかの他の実施の形態において、PSCCHには、PUSCHのような物理層構造が使用される。又は、PSCCHに使用される物理層構造は、要求やシナリオに基づいて他のものにすることもできるが、ここで限定されない。
【0057】
図4は、PSCCHをSCORESET208へマッピングする方法も示す。
図4に示されるように、SCORESET208は、スロット内の最初のシンボル(シンボル0)から開始し、PSCCHはSCORESET内にマッピングされる。
【0058】
いくつかの実施の形態において、PSCCHの送信電力は、関連するPSSCHの送信電力と同じである。
【0059】
第3スキームとして、
図5は、本開示のいくつかの実施の形態によるSCORESETの構成を示す。
【0060】
本実施の形態において、
図5に示されるように、PSCCHには、PDCCHのような物理層構造が使用され、SCORESET208は、複数のREG304を含む。いくつかの他の実施の形態において、PSCCHには、PUSCHのような物理層構造が使用される。又は、PSCCHに使用される物理層構造は、要求やシナリオに基づいて他のものにすることもできるが、ここで限定されない。
【0061】
図5は、PSCCHをSCORESET208へマッピングする方法も示す。
図5に示されるように、SCORESET208は、スロット内の2番目のシンボル(シンボル1)から開始し、PSCCHはSCORESET内にマッピングされる。加えて、参照信号シーケンス502(reference signal sequence:RSS)は、
図5に示す最初のシンボル、即ち、シンボル0で送信される。本実施の形態において、当該RSS502は、NR-V2Xのユニキャスト/グループキャストにおけるCSI測定及び経路損失測定を含むチャネル推定に使用される。当該RSS502は、広帯域参照信号(wideband reference signal)で実装されてもよい。
【0062】
第1に、RSS502のシーケンスは、疑似雑音(pseudo noise:PN)シーケンス、Zadoff-Chu(ZC)シーケンスやコンピュータ生成シーケンス(computer generated sequence:CGS)であってもよい。
【0063】
第2に、RSS502は、コーム型(Comb)で送信されてもよい。コームの数は、リソースプールごと、帯域幅ごと、帯域幅部分ごと、またはサブチャネルごとに構成または事前構成されてもよい。
【0064】
いくつかの実施の形態において、RSS502は、異なるサイクリックシフト値で送信されてもよい。許可されるサイクリックシフト値は、リソースプールごと、帯域幅ごと、帯域幅部分ごと、又はサブチャネルごとに構成または事前構成されてもよい。いくつかの実施の形態において、1つのRSS502は、RSS502によって使用される{コームオフセット、サイクリックシフト値}のペアによって識別され得る。
【0065】
いくつかの実施の形態において、UEによって使用されるRSS502のコームオフセット及びサイクリックシフトは、基地局によって指定され、又は、PSCCHリソースと一対一で関連付けられ、又は、PSSCHリソースと一対一で関連付けられてもよい。RSS502のコームオフセット及びサイクリックシフトは、送信モードにも関連してもよい。送信モードは、UEのブロードキャスト、グループキャスト、またはユニキャストであり得るが、これらに限定されない。
【0066】
一例において、許可された{コームオフセット、サイクリックシフト値}のペアのうちの1ペアのみは、リソースプールごと、帯域幅ごと、帯域幅部分ごと、又はサブチャネルごとにブロードキャスト用に構成または事前構成される。
【0067】
別の例において、ユニキャスト及び/又はグループキャストに対応する許可された{コームオフセット、サイクリックシフト値}のペアは、ブロードキャストに対応するものと異なる。送信モードがユニキャスト又はグループキャストである場合に、RSS502の初期化のためのコームオフセット、サイクリックシフト、又はスクランブリングIDの少なくとも1つは、ユニキャスト又はグループキャストの宛先ID及び/又はソースIDから導出される。従って、受信機は、受信した信号がどの端末デバイスからのものであるかを区別できる。
【0068】
いくつかの実施の形態において、送信モードは、より高い層(例えば、メディアアクセス制御(media access control:MAC)層又はアプリケーション層)によってUEの物理層へ示されてもよい。
【0069】
いくつかの実施の形態において、RSS502の送信電力は、関連するPSCCH又はPSSCHの送信電力に比例する。例えば、RSS502の送信電力は、関連するPSCCH又は関連するPSSCHと同じである。
【0070】
一実施の形態において、上記した
図3~5に示す3つのスキームは、それぞれ、異なるリソースプール、異なる帯域幅、異なる帯域幅部分、又は異なるサブチャネルに対して構成されることができる。
図4に示す第2スキームがリソースプール、帯域幅、帯域幅部分、又はサブチャネルに対して構成される場合に、受信UEの観点から、受信UEは、最初のシンボルをデコードすると期待される。又は、受信UEは、リソースプール、帯域幅、帯域幅部分、又はサブチャネルで最初のシンボルをデコードするように構成され、又は事前に構成される場合に、最初のシンボルをデコードすると期待され、それ以外の場合に、UEは、最初のシンボルをデコードすると期待されない。
【0071】
上記したすべてのスキームにおいて、UEは、スロットの最初のシンボルの先頭からPSCCH又はRSS502を送信する。
【0072】
いくつかの実施の形態において、PSSCHの場合、レートマッチングはPSCCHでの送信に使用されるリソース、及び参照信号の送信に使用されるリソースにのみ適用され、UEは、スロットの最後のシンボルでPSSCHを送信する必要がある。
【0073】
Tx/Rxの切り替えのシナリオでは、端末デバイスにおける送信及び受信の動作が切り換えられる。受信端末デバイスの観点から、受信の前に、端末デバイスは、送信を実行し、送信中のV2X通信用の複数のシンボルの終了シンボルにはデータがある。このようなシナリオにおいて、終了シンボルにおける停止位置が決定されてもよい。加えて、端末デバイスが終了シンボルの直後に別のスロットで送信を実行する場合に、端末デバイスが停止位置から終了シンボルの最後まで送信されたデータを受信する必要がないように構成されることができる。
【0074】
いくつかの実施の形態において、上記決定された構成に基づいて、端末デバイスは、終了シンボルで送信されたデータが停止位置まで受信されるように、決定された構成を取得する。即ち、UEが終了シンボルの直後に別のスロットで送信を実行しようとする場合、端末デバイスは、スロットの終了シンボル212全体を受信する権限がない。
【0075】
いくつかの他の実施の形態において、Tx/Rxの切り替えのシナリオでは、受信端末デバイスの観点から、端末デバイスは、初期シンボルの直前に別のスロットで送信を実行する。そのようなシナリオでは、初期シンボルにおける開始位置が決定されてもよい。さらに、端末デバイスが初期シンボルの直前に別のスロットで送信を実行した場合に、端末デバイスが初期シンボルの先頭から開始位置まで送信されたAGC信号を受信する必要がないように構成されることができる。
【0076】
いくつかの実施の形態において、上記決定された構成に基づいて、端末デバイスは、初期シンボルの開始位置からAGC信号の受信を開始するように、決定された構成を取得してもよい。即ち、UEが前のスロットで送信を実行している場合、端末デバイスは、スロットの初期シンボル全体を受信する権限がいない。
【0077】
一実施の形態において、UEは、スロットの初期シンボルの最後のyμsのみを受信すると期待される。例えば、yの値が特定される。他の一例において、yの値は、UEがAGC設定に必要な時間であり得る。
【0078】
図6は、本開示のいくつかの実施の形態によるPSSCH及びPSCCHの周波数分割多重化(frequency division multiplexing:FDM)を示す概略図である。
【0079】
図6に示されるように、本開示のいくつかの実施の形態によれば、SCORESET602内のPSCCHとPSSCHリソースセット604内のPSSCHとのFDM多重化を提供する。加えて、サイドリンク上のAGC及びTx/Rxの切り替えも提供する。
【0080】
サブチャネル600は、同じスロット204内の複数の隣接するリソースブロック202(RB)を含む。サブチャネル600は、例えばサブチャネルごとにPSCCH用の1つ又は複数のSCORESET602で構成されてもよい。又は、PSCCH用の1つ又は複数のSCORESET602はリソースプールごと、帯域幅ごと、帯域幅部分ごとなどに構成されてもよいが、ここで限定されない。その原理は同じであるため、ここで、その構造について繰り返し説明しない。
【0081】
いくつかの実施の形態において、1つのSCORESET602が構成又は事前に構成される場合、SCORESET602の帯域幅は、常に、リソースプール、帯域幅、帯域幅部分、又はサブチャネルに等しくてもよい。いくつかの他の実施の形態において、複数のSCORESET602(不図示)が構成される場合に、各SCORESET602の継続時間及び初期シンボル206は同じであり、異なるSCORESET602の帯域幅は、互いに重複しない。
【0082】
いくつかの実施の形態において、1つのSCORESET602は、常に、スロット内の1つのPSSCH時間周波数リソースセットに関連付けられ、複数のSCORESETは、単一のPSSCH時間周波数リソースセットに関連付けられ得る。
【0083】
いくつかの実施の形態において、1つのサポート可能なアグリゲーションレベルのみが各SCORESET602内に(事前に)構成される場合に、異なるSCORESET602のサポート可能なアグリゲーションレベルが異なり、複数のアグリゲーションレベルが各SCORESET602にサポートされる場合に、UEは、基地局の命令又はサイドリンクチャネルのステータスに従って、アグリゲーションレベルを選択してもよい。
【0084】
いくつかの実施の形態において、UEは、スロットの最後のシンボルでPSSCHを送信する。
【0085】
Tx/Rxの切り替えをサポートするために、受信UEの観点から、いくつかの実施の形態において、UEが終了シンボルの直後に別のスロットで送信を実行しようとする場合に、UEは、スロットの終了シンボル606全体を受信する権限がない。同様の理由で、いくつかの他の実施の形態において、UEが前のスロットで送信を実行している場合に、UEは、スロットの初期シンボル608全体を受信する権限がない。一実施の形態において、UEは、スロットの初期シンボル608の最後のyμsのみを受信すると期待される。例えば、yの値が特定される。他の一例において、yの値は、UEがAGC設定に必要な時間であり得る。
【0086】
図7は、本開示のいくつかの実施の形態によるサイドリンク通信のための方法700のフローチャートを示す。当該方法700は、
図1に示す端末デバイス110によって実行されることができる。
【0087】
図7に示されるように、ブロック710では、制御チャネルとデータチャネルとの間のV2X通信におけるTDM用のリソースセットの構成が決定される。当該リソースセットは、時間領域における複数のシンボルに対応する。当該構成は、AGC信号が複数のシンボルの初期シンボルで送信されることを特定する。当該AGC信号は、第2端末デバイスとのV2X通信の制御情報に基づいて決定される。
【0088】
ブロック720では、当該構成に基づくV2X通信が決定される(当該構成に基づいてV2X通信を実行する)。
【0089】
いくつかの実施の形態において、構成を決定することは、初期シンボルの後のシンボルで送信される制御情報の一部のレプリケーションをAGC信号として構成することを含む。
【0090】
いくつかの実施の形態において、構成を決定することは、制御情報の一部をAGC信号として構成することを含み、当該一部は、初期シンボルの後の1つ以上のシンボルで送信される制御情報の残りの部分と異なる。
【0091】
いくつかの実施の形態において、リソースセットの構成を決定することは、第2端末デバイス又は第1及び第2端末デバイスを管理するネットワークデバイスから構成を受信することを含む。
【0092】
いくつかの実施の形態において、構成を決定することは、V2X通信用のデータが複数のシンボルの終了シンボルで送信されるように構成することを含む。いくつかのさらなる実施の形態において、構成を決定することは、さらに、終了シンボルにおける停止位置を決定することと、端末デバイスが終了シンボルの直後に別のスロットで送信を実行する場合、端末デバイスが停止位置から終了シンボルの最後までデータを受信する必要がないように構成することと、を含む。
【0093】
いくつかの実施の形態において、構成を決定することは、初期シンボルにおける開始位置を決定することと、端末デバイスが初期シンボルの直前に別のスロットで送信を実行した場合、端末デバイスが初期シンボルの先頭から開始位置までAGC信号を受信する必要がないように構成することと、を含む。
【0094】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、AGC信号が構成に基づいて初期シンボルの後のシンボルで送信される制御情報の一部のレプリケーションであることを特定する構成に応答して、レプリケーションをAGC信号として、初期シンボルで第1端末デバイスから第2端末デバイスへ送信する。
【0095】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、AGC信号が初期シンボルの後の1つ以上のシンボルで送信される制御情報の残りの部分と異なる制御情報の一部であることを特定する構成に応答して、制御情報の一部を初期シンボルで第1端末デバイスから第2端末デバイスへ送信することを含む。
【0096】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、第1端末デバイスで、第2端末デバイスから初期シンボル内のAGC信号であって、初期シンボルの後のシンボルで送信される制御情報の一部のレプリケーションであるAGC信号を受信すること、又は、第1端末デバイスで、第2端末デバイスから初期シンボル内のAGC信号であって、初期シンボルの後の1つ以上のシンボルで送信される制御情報の残りの部分と異なる制御情報の一部であるAGC信号を受信することを、含む。
【0097】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、端末デバイスが複数のシンボルの終了シンボルの停止位置から当該終了シンボルの最後までV2X通信用のデータを受信する必要がないことを特定する構成に応答して、構成から終了シンボルにおける停止位置を取得することと、第1端末デバイスが終了シンボルの直後に別のスロットで送信を実行することに応答して、停止位置まで終了シンボルで送信されるデータを受信することと、を含む。
【0098】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、端末デバイスが初期シンボルの先頭から開始位置までAGC信号を受信する必要がないことを特定する構成に応答して、構成から、初期シンボルにおける開始位置を取得することと、第1端末デバイスが初期シンボルの直前に別のスロットで送信を実行したことに応答して、初期シンボルにおける開始位置からAGC信号の受信を開始することと、を含む。
【0099】
いくつかの実施の形態において、構成を決定することは、端末デバイスが制御情報及び制御情報に関連付けられるデータの両方を同じシンボルで送信しないと、制御情報の第1送信電力がデータの第2送信電力に比例するように構成することを含む。
【0100】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、第1端末デバイスが制御情報及び制御情報に関連付けられるデータの両方を同じシンボルで送信しないことに応答して、第1送信電力で制御情報を送信するとともに、第1送信電力に比例する第2送信電力でデータを送信することを含む。
【0101】
いくつかの実施の形態において、構成を決定することは、端末デバイスが制御情報及び制御情報に関連付けられるデータの両方を同じシンボルで送信する場合、複数のシンボルでの送信電力の最大送信電力と最小送信電力との差が閾値の差未満であるように、又は、制御情報を送信するシンボルの送信電力がデータのみを送信するシンボルの送信電力と同じであるように、構成することを含む。
【0102】
いくつかの実施の形態において、V2X通信を実行することは、以下のステップを含む。
【0103】
いくつかの実施の形態において、第1端末デバイスが制御情報及び制御情報に関連付けられるデータの両方を同じシンボルで送信することに応答して、複数のシンボルでの送信電力の最大送信電力と最小送信電力との差が閾値の差未満であるように、制御情報及びデータを送信すること、又は、制御情報を送信するシンボルの送信電力がデータのみを送信するシンボルの送信電力と同じであるように制御情報及びデータを送信すること、を含む。
【0104】
図8は、本開示の実施の形態の実施に適したデバイス800の簡略化のブロック図である。デバイス800は、
図1に示す端末デバイス110のさらなる例示的な実施の形態と見なされることができる。従って、デバイス800は、端末デバイス110の少なくとも一部で実施され或いはその少なくとも一部として実施されることができる。
【0105】
図示するように、デバイス800は、プロセッサ810と、プロセッサ810に接続されたメモリ820と、プロセッサ810に接続された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)840と、TX/RX840に接続された通信インターフェースとを含む。メモリ820は、プログラム830の少なくとも一部を格納する。TX/RX840は、双方向通信するためのものである。TX/RX840は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本明細書で言及されるアクセスノードは、いくつかがあってもよい。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信用のX2インターフェース、MME(Mobility Management Entity)/S-GW(Serving Gateway)とeNBとの間の通信用のS1インターフェース、eNBとリレーノード(RN:Relay Node)との間の通信用のUnインターフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表す。
【0106】
プログラム830は、関連するプロセッサ810によって実行されると、
図2から
図7を参照して本明細書で検討されるように、デバイス800に本開示の実施の形態に従って動作させることを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本開示の実施の形態は、デバイス800のプロセッサ810により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実施され得る。プロセッサ810は、本開示の様々な実施の形態を実施するように設定され得る。さらに、プロセッサ810とメモリ820との組み合わせは、本開示の様々な実施の形態を実施することに適した処理手段850を形成してもよい。
【0107】
メモリ820は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実施されてもよい。デバイス800には1つのメモリ820のみが示されているが、デバイス800には物理的に別個であるいくつかのメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ810は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、及び、マルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。デバイス800は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0108】
一般的に、本開示の様々な実施の形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施され得る。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスによって実行されるファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施の形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されているが、本明細書で説明されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組み合わせに実施されてもよい。
【0109】
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図2~
図8のいずれかを参照して上記で説明したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行される、コンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、構成要素、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施の形態で必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割することができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスで実行できる。分散型デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートのストレージメディアの両方に配置できる。
【0110】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせでコーディングされることができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることによって、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行されたり、その一部がマシン上で実行されたり、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されたり、一部がマシン上で実行され、かつ一部がリモートマシン上で実行されたり、又は完全にリモートマシン又はサーバー上で実行されたりすることができる。
【0111】
上記のプログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムを含むか、又は格納する任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体上で具現化され得る。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であり得る。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、あるいは前述の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例には、1つ以上のワイヤによる電気的な接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前述の任意の適切な組み合わせが含まれる。
【0112】
さらに、操作は特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような操作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又はすべての描かれた操作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、上記説明にはいくつかの特定の実装の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲の制限としてではなく、特定の実施の形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施の形態の文脈で記載されている特定の特徴は、単一の実施の形態に組み合わせて実施されることもできる。逆に、単一の実施の形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施の形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されることもできる。
【0113】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明したが、添付の請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴及び動作は、請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスであって、
サイドリンク通信のためリソースセットの構成を決定する手段と、
前記構成に基づいて、他の端末デバイスとの前記サイドリンク通信を実行する手段と、を含み、
前記リソースセットは、時間領域における複数のシンボルに対応し、前記複数のシンボルは、自動利得制御(AGC)信号が送信される初期シンボルを含み、前記初期シンボルの一部のリソースエレメントは、前記初期シンボルの直後のシンボルの物理サイドリンクチャネル(PSCCH)のリソースエレメントと、同一である、
端末デバイス。
【請求項2】
前記初期シンボルの直後のシンボルで送信される制御情報の一部の複製がAGC信号として構成される、請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項3】
端末デバイスで実施される方法であって、
サイドリンク通信のためリソースセットの構成を決定することと、
前記構成に基づいて、他の端末デバイスとの前記サイドリンク通信を実行することと、を含み、
前記リソースセットは、時間領域における複数のシンボルに対応し、前記複数のシンボルは、自動利得制御(AGC)信号が送信される初期シンボルを含み、前記初期シンボルの一部のリソースエレメントは、前記初期シンボルの直後のシンボルの物理サイドリンクチャネル(PSCCH)のリソースエレメントと、同一である、
方法。
【請求項4】
前記初期シンボルの直後のシンボルで送信される制御情報の一部の複製がAGC信号として構成される、請求項3に記載の方法。