(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059912
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】デジタル個別化医療のためのプラットフォームおよびシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20240423BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024030031
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2021172257の分割
【原出願日】2016-12-16
(31)【優先権主張番号】62/269,638
(32)【優先日】2015-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.MATLAB
3.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】518048514
【氏名又は名称】コグノア, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブレント ボーガン
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥルハリム アッバース
(72)【発明者】
【氏名】デニス ウォール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デジタル個別化医療のためのプラットフォームおよびシステムを提供する。
【解決手段】方法は、診断モジュールは対象を評価して、診断テストを対象に適用することによって診断を決定し、対象から新しいデータを受信し、モデルを記憶するように構成されているローカルメモリおよび/またはリモートサーバから以前に保存された評価モデルをロードし、新しいデータを評価モデルに当てはめ、更新された評価モデルを生成し、更新された評価モデルを治療モジュールに提供し、以前に推奨された治療の結果としてどのような進行があったかを決定し、評価モデル、もしあれば以前の治療の成功の程度、および対象および類似の評価を有する他の対象とのそれらの治療の以前の使用に基づく候補治療の集合体に割り当てられたスコアに基づき新しい治療を推奨し、新しい治療の進行を、治療の期間を延長すべきかどうかを決定するために監視する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願図面に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2015年12月18日に出願された“PLATFORM AND SYSTEM FOR DIGITAL PERSONALIZED MEDICINE”と題する米国仮特許出願番号第62/269,638号(代理人書類番号46173-703.101)に基づく優先権を主張しており、その全体の開示は、参考として本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
患者のデジタル診断および処置のための従来の方法および装置は、少なくともいくつかの点で理想的とは言えない。デジタルデータは、多くの方法で患者から取得され得るが、このデジタルデータと患者処置との統合は、理想的とは言えない。例えば、ただ単に患者の活動を記録し、所定の処置計画に従って活動を示唆することは、患者に最良の処置を提供しないかも知れない。
【0003】
機械学習を使用するデジタル診断が提案されているけれども、デジタル診断と患者処置との統合は、理想的とは言えない場合がある。例えば、患者を診断するために使用される分類器(classifier)は、処置を診断と最も効果的に合わせるか、または処置を監視するのに理想的に適していると言えない場合がある。
【0004】
発達障害を患っている人々などの人々の認知機能を診断し、処置するための従来の方法および装置は、少なくともいくつかの点で理想的とは言えない場合がある。残念なことに、診断および処置を行い、対象に認知症、アルツハイマー病、または発達障害などの認知機能の低下のリスクがあるかどうかを決定するために、理想的とは言えないほどの時間、エネルギー、および費用が必要とされることがある。従来のアプローチによって理想的とは言えない形で処置される認知および発達障害の例は、例えば、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症を含む。従来のアプローチによって理想的とは言えない形で処置される気分および精神病障害の例は、鬱病、不安神経症、ADHD、強迫性障害、ならびに薬物乱用および摂食障害などの物質性障害を含む。いくつかの神経変性疾患の診断および処置に対する従来のアプローチは、多くの事例において理想的とは言えないことがあり、そのような神経変性疾患の例は、例えば、加齢に関係した認知機能低下、認知機能障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および筋萎縮性側索硬化症(「ALS」)を含む。保健医療制度は、より低いコストで介護を提供することを求める圧力が高まってきており、対象を発達障害のリスクがあると臨床的に診断または識別するための従来の方法および装置では、保健医療制度に対する理想的と言える以上の費用および負担の増大を招く結果となり得る。さらに、少なくとも一部の対象は、理想的に生じるやいなや処置されるということはなく、したがって、保健医療制度に対する負担は、これらの対象に必要な追加の介護とともに増大する。
【0005】
対象の認知障害の識別および処置は、精度と効率の両方に関する困難な技術的問題を引き起こし得る。そのような障害を識別し処置するための多くの従来の方法は、しばしば時間がかかり、リソース集約的であり、対象が対象の地理的位置に応じて数および利用可能性において制限され得る、資格のある臨床医の管理の下で多数の質問に答えるか、または広範な観察を受けることを必要とする。それに加えて、行動、神経学的または精神衛生障害を識別し、処置するための多くの従来の方法は、そのような方法を使用して査定されるべき対象が捕捉し分類することが困難であり得る広い範囲の変動を提示するので、理想的と言えない精度および一貫性を有する。そのような技術的問題への技術的解決手段があれば望ましく、技術的解決手段は、診断および処置に対する精度と効率の両方を改善することができる。理想的には、そのような技術的解決手段は、行動、神経学的または精神衛生障害などの認知機能の属性を識別し、処置するための方法を実施するのに必要とされる時間およびリソースを低減し、対象の識別転帰(identification outcome)の精度および一貫性を改善する。
【0006】
さらに、質問による従来の長いテストが、対象を発達障害に対するリスクがあると診断するか、または識別するために親などの介護者に対して実施され得るが、これらのテストはとても長く、手間がかかることがある。例えば、これらのテストの少なくとも一部は100を超える質問を有しており、複数のそのような長いテストが実施されることもあり、医療サービス提供者および介護者に対する負担をさらに増す。対象の臨床的観察などの追加のデータが必要になることがあり、臨床的訪問は、保健医療制度に対する時間および負担をさらに増やし得る。その結果、対象が査定される必要があると識別されてから、発達遅滞のリスクがあると臨床的に識別されるか、または発達遅滞を患っていると診断されるまでの間の時間は、数ヶ月、事例によっては1年を超える可能性がある。
【0007】
また、高度な、正常な、および減退した認知機能を持つ対象に対して認知機能を促進するために診断方法および処置が施され得る場合にそれは有用であろう。
【0008】
上記に照らして、患者に対するデジタル治療法(digital therapeutics)の改善が必要である。理想的には、そのようなデジタル治療法は、患者に対するカスタマイズされた処置計画を提供し、カスタマイズされた処置計画に応じて更新された診断データを受信して、進行を決定し、処置計画をしかるべく更新することになる。リスクのある対象を診断し、処置し、識別する改善された方法および装置も必要である。理想的には、そのような方法および装置は、質問の数を減らし、時間を短縮して患者を監視し、処置有効性を監視し、適合させるために使用され得る、臨床的に許容される感度および特異度を臨床または非臨床環境においてもたらす。理想的には、そのような方法および装置は、対象の発達進行を決定し、発達進行を促進するための処置を提示するためにも使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で説明されているデジタル個別化医療システム(digital personalized medicine system)および方法は、患者に対するデジタル診断およびデジタル治療法を実現する。デジタル個別化医療システムでは、デジタルデータを使用して、個別化されるか、またはより適切な治療的介入および改善された診断を通知する仕方で患者の症状を評価するか、または診断する。
【0010】
一態様において、デジタル個別化医療システムは、プロセッサおよび関連するソフトウェアを有するデジタルデバイスを含み、このプロセッサおよび関連するソフトウェアはデータを使用して患者を評価し、診断し、治療的介入の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するインタラクション(interaction)およびフィードバックデータを取り込み、機械学習、人工知能、および統計モデルのうちの少なくとも1つを含む、データ分析を実行して、ユーザデータおよびユーザプロファイルを評価し、治療的介入の有効性をさらに個別化するか、改善するか、または評価するように構成される。
【0011】
いくつかの事例において、システムは、デジタル診断およびデジタル治療法を使用するように構成される。デジタル診断およびデジタル治療法は、情報をデジタル方式で収集し、提供されたデータを処理し、分析して個人の医学的、心理学的、または生理学的状態を改善するためのシステムまたは方法を含むことができる。デジタル治療システムは、ソフトウェアベースの学習を適用して、ユーザデータを分析し、システムによって提供される診断および治療的介入を監視し、改善することができる。
【0012】
システム内のデジタル診断データは、患者、または介護者、または評価される個人と無関係の当事者から収集されたデータおよびメタデータを含むことができる。いくつかの事例において、収集されたデータは、行動を監視することを含むことができ、観察、判断、または評価は、個人以外の当事者によって行われ得る。さらなる事例において、評価は、成人が評価を実行することを含むか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することができる。データおよびメタデータは、携帯電話、ビデオキャプチャ、オーディオキャプチャ、活動モニタ、またはウェアラブルデジタルモニタなどの、1つまたは複数のデジタルデバイスを介した能動的または受動的のいずれかのデジタル形式であってよい。
【0013】
デジタル診断では、患者の状態を評価するか、または診断するための機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールからの分析結果とともに、デジタル診断の外で取り込まれた補完的診断データを含み得る、システムによって収集された患者に関するデータを使用する。デジタル診断は、機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールによって分析され得るデータおよびメタデータを介して直接的にまたは間接的に患者の状態もしくは遂行能力の変化の評価も提供し、それによりシステムにフィードバックを提供し診断および潜在的治療的介入を改善するか、または精緻化することができる。
【0014】
治療的介入からのデジタル診断および対応する応答、またはその欠如からのデータ評価および機械学習は、患者に対する新規な診断ならびに患者および介護者の両方に対する新規な治療レジメンの識別をもたらし得る。
【0015】
システムによって収集され利用されるデータのタイプは、例えば、患者および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームを含むことができる。そのようなデータは、例えば、推奨された活動を実行するときの、患者または介護者とシステムとのインタラクションからのメタデータも含み得る。特定のメタデータの例は、ユーザの行動、プロファイル、活動、ソフトウェアシステムとのインタラクション、ゲームとのインタラクション、使用頻度、セッション時間、選択されたオプションもしくは特徴、ならびにコンテンツおよび活動選好の態様を取り込むシステムのデバイスまたはモバイルアプリとのユーザのインタラクションからのデータを含む。データは、活動モニタ、ゲーム、またはインタラクティブコンテンツなどの様々なサードパーティデバイスからのデータおよびメタデータも含み得る。
【0016】
デジタル治療法は、システムによって患者もしくは介護者に提供されるインストラクション(instruction)、フィードバック、活動、またはインタラクションを含み得る。例は、システムソフトウェアおよび/またはサードパーティデバイスによる示唆された行動、活動、ゲーム、またはインタラクティブセッションを含む。
【0017】
さらなる態様において、本明細書で開示されているデジタル治療法の方法および装置は、より少ない質問をし、時間を短縮し、臨床環境において臨床的に許容される感度および特異度とともに、対象を、臨床または非臨床現場において複数の行動、神経学的または精神衛生障害のうちの1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害を有するリスクがあると診断し、処置し、さらに処置推奨を提供することができる。これは、例えば、不正な診断に基づき対象が処置を開始したときに役立ち得る。プロセッサは、最も予測的な次の質問または最も有益な次の症状もしくは観察を識別するようにインストラクションで構成されてよく、したがって、人はリスクがあると診断されるかもしくは識別され、より少ない質問もしくは観察で処置され得る。最も予測的な次の質問もしくは最も有益な次の症状もしくは観察を複数の回答に応答して識別することは、感度および特異度を高め、より少ない質問で処置を提供する利点を有する。いくつかの事例において、次のより関連性の高い症状に関する情報を予測するか、または収集するために追加のプロセッサが用意され得る。本明細書で開示されている方法および装置は、単一のテストを使用して複数の関係する障害について対象を査定し、処置し、対象を、単一のテストを使用して複数の障害のうちの1つまたは複数のリスクがあると診断するか、または決定するように構成され得る。提示される質問または使用される症状もしくは測定の数を減らすことは、対象が処置され得る複数の可能な障害を呈示する場合に特に有用であり得る。単一のテストだけを使用して複数の可能な障害について対象を査定することは、査定手順の長さおよびコストを大幅に低減し、処置を改善することができる。本明細書で開示されている方法および装置は、重なる症状を有し得る複数の可能な障害のうちの単一の障害を有することについてリスクがある対象を診断し、処置することができる。
【0018】
デジタル治療法処置に使用される最も予測的な次の質問、最も有益な次の症状または観察は、多くの仕方で決定され得るが、多くの事例において、最も予測的な次の質問、症状、または観察は、処置を査定し、対象の閉ループ評価を行うための前の最も予測的な次の質問、症状、または観察を含み得る先行する質問または観察に対する複数の回答への応答として決定される。最も予測的な次の質問、症状、または観察は、統計的に決定されるものとしてよく、可能な最も予測的な次の質問、症状、または観察のセットは、最も予測的な次の質問、症状、または観察を決定するために査定され得る。多くの事例において、可能な最も予測的な次の質問の各々に対する観察または回答は、質問または観察の関連度に関係し、質問または観察の関連度は、質問または観察に対する各可能な回答の組み合わされた特徴重要度に応答して決定され得る。処置が開始された後、質問、症状が繰り返されるか、または異なる質問、症状、もしくは観察が、進行をより正確に監視し、デジタル処置に対する変更を示唆するために使用され得る。次の質問、症状、または観察の関連度は、質問の異なる回答選択肢または観察に対する潜在的オプションのうちの最終的な評価のありそうな分散にも依存し得る。例えば、回答選択肢がその行の下の最終的な評価に著しい影響を及ぼすおそれのある質問は、回答選択肢が1つの特定の状態に対する重大度の差を弁別することにのみ役立ち得るか、またはさもなければあまり必然的でない質問よりも関連性を有するとみなされ得る。
【0019】
本開示の態様は、個別化治療処置計画(personal therapeutic treatment plan)により対象を処置するためのデジタル治療システムを実現する。例示的なシステムは、診断モジュールおよび治療モジュールに対するソフトウェアインストラクションを含む1つまたは複数のプロセッサを含み得る。診断モジュールは、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力し得る。診断モジュールは、対象に対する診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングのうちの1つまたは複数を含み得る。治療モジュールは、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力し得る。治療モジュールは、対象の個別化治療処置計画を決定し、出力するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングのうちの1つまたは複数を含み得る。診断モジュールは、対象の治療に応答して対象から更新された対象データを受信し、対象から更新された診断データを生成するように構成され得る。治療モジュールは、更新された診断データを受信し、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含み、治療モジュールは、対象集団の少なくとも一部の上で訓練された治療機械学習分類器を含む。診断モジュールおよび治療モジュールは、診断モジュールが処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供するように配置され得る。治療分類器は、対象が一員でない集団を含むデータセット上で訓練されたインストラクションを含み得る。対象は、集団の一員でない人を含んでいてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、少なくとも10,000人の人々の対象集団の複数のプロファイル上で訓練された診断分類器および対象集団の複数のプロファイル上で訓練された治療プロファイルを含む。
【0022】
本開示の態様は、デジタル個別化処置システムも提供する。例示的なシステムは、(i)データを使用して対象を評価し、診断するソフトウェアおよびデジタルデバイスと、(ii)治療的介入の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するインタラクションおよびフィードバックデータを取り込むソフトウェアおよびデジタルデバイスと、(iii)ユーザデータおよびユーザプロファイルを評価し、治療的介入の有効性をさらに個別化するか、改善するか、または評価する機械学習、AI、および統計モデルを含む、データ分析機能とを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、システムは、システムがそのユーザデータを使用して診断および治療的介入を監視し改善することを可能にするソフトウェアベースの学習機能を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、システム内のデジタル診断は、携帯電話、ビデオキャプチャ、オーディオキャプチャ、活動モニタ、またはウェアラブルデジタルモニタなどの、異なるデジタルデバイスを介した能動的または受動的のデジタル形式のうちの1つまたは複数での、対象または介護者から収集されたデータおよびメタデータを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、デジタル診断では、対象の状態を評価するか、または診断するための機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールからの分析結果とともに、デジタル診断の外で取り込まれた補完的診断データがある場合またはない場合に、システムによって収集された対象に関するデータを使用する。
【0026】
いくつかの実施形態において、デジタル診断は、機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールによって分析され得るデータおよびメタデータを介して直接的にまたは間接的に対象の状態もしくは遂行能力の変化の評価をさらに可能にし、それによりシステムにフィードバックを提供し診断および潜在的治療的介入を改善するか、または精緻化する。
【0027】
いくつかの実施形態において、治療的介入からのデジタル診断および対応する応答、またはその欠如からのデータ評価および機械学習は、対象に対する新規な診断ならびに患者および介護者の両方に対する新規な治療レジメンを識別するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態において、システムによって収集され利用されるデータのタイプは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームを含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、メタデータは、ユーザの行動、プロファイル、活動、ソフトウェアシステムとのインタラクション、ゲームとのインタラクション、使用頻度、セッション時間、選択されたオプションもしくは特徴、コンテンツもしくは活動選好のうちの1つまたは複数のプロファイルを取り込むシステムのデバイスまたはモバイルアプリとのユーザのインタラクションからのデータを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、データは、活動モニタ、ゲーム、またはインタラクティブコンテンツなどの様々なサードパーティデバイスからのデータおよびメタデータを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、デジタル治療法は、モバイルデバイスにより対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、システムは、システムソフトウェアおよび/またはサードパーティデバイスによる示唆された行動、活動、ゲーム、またはインタラクティブセッションを提供するためインストラクションを含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、システムは、認知または行動発達、神経変性状態、気分障害を含む、認知および行動障害または状態のうちの1つまたは複数を診断し、処置するためのインストラクションを含む。
【0034】
本開示の態様は、対象を診断し、処置するためのシステムも実現する。例示的なシステムは、対象データを受信し、対象の診断データを出力するための診断モジュールと、診断データを受信し、対象に対する治療処置を出力するための治療モジュールとを含むものとしてよく、診断モジュールおよび治療モジュールは、診断データに応答して処置を更新するためにフィードバックループを含むように配置される。
【0035】
本開示の態様は、デジタル個別化処置を送達するためのモバイルデバイスも実現する。例示的なモバイルデバイスは、ディスプレイと、ユーザとデバイスとのインタラクションに応答してユーザプロファイルを生成し、ユーザプロファイルに応答してユーザへの治療インストラクションを受信し表示し、処置に応答してユーザプロファイルを更新し、更新されたユーザプロファイルをリモートサーバに伝送し、サーバから更新された治療インストラクションを受信し、治療更新済みインストラクションをユーザに対して表示するようにインストラクションで構成されているプロセッサとを含み得る。
【0036】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により対象を処置するためのデジタル治療システムも実現する。例示的なシステムは、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールとのためのインストラクションを含むプロセッサを含み得る。個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、診断データおよび個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステム、または治療送達システムを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象のフィードバックデータに応答して対象から更新された対象データを受信し、更新された診断データを生成するように構成される。治療モジュールは、更新された診断データを受信し、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成され得る。更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される。
【0040】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む。治療モジュールは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含む。治療モジュールは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器を含み得る。診断モジュールは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供するように構成され得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。行動、神経学的または精神衛生障害は、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0046】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により対象を処置する方法も提供する。例示的な方法は、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み得る。個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、方法は、診断データおよび個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含み得る。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステム、または治療送達システムを含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象のフィードバックデータに応答して対象から更新された対象データを受信することと、更新された診断データを生成することとをさらに含み、治療プロセスは、更新された診断データを受信することと、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとをさらに含む。更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信され得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される。治療プロセスは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行される。治療プロセスは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され得る。診断プロセスは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供することをさらに含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択され得る。診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行され得る。診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供することを可能にし得る。
【0054】
本開示の別の態様は、個別化治療処置計画により対象を処置するための治療システムを実現する。例示的なシステムは、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールとのためのソフトウェアインストラクションを含むプロセッサを含み得る。診断モジュールは、対象の治療に応答して対象から更新された対象データを受信し、対象から更新された診断データを生成するように構成され得る。治療モジュールは、更新された診断データを受信し、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される。
【0056】
いくつかの実施形態において、個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む。デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含み得る。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、診断データおよび個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステム、または治療送達システムを含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む。治療モジュールは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含む。治療モジュールは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器を含み得る。診断モジュールは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供するように構成され得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0063】
いくつかの実施形態において、対象は、行動、神経、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択され得る。
【0064】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により対象を処置する方法も提供する。例示的な方法は、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み得る。診断プロセスは、対象の治療に応答して対象から更新された対象データを受信することと、対象から更新された診断データを生成することとを含み得る。治療プロセスは、更新された診断データを受信することと、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとを含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される。
【0066】
いくつかの実施形態において、個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む。デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含み得る。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、方法は、診断データおよび個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含む。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステム、または治療送達システムを含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される。治療プロセスは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行され得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行される。治療プロセスは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され得る。診断プロセスは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供することを含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される。
【0072】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供することを可能にする。
【0073】
いくつかの実施形態において、対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。
【0074】
いくつかの実施形態において、リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される。
【0075】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により対象を処置するための治療システムも実現する。例示的なシステムは、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールとのためのソフトウェアインストラクションを含むプロセッサを含み得る。診断モジュールは、診断データを、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、複数の回答は対象の発達進行に関係する対象の臨床的特性に対応し、複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)複数の回答に基づき対象の発達進行を決定することと、(3)対象の発達進行の決定に応答して、複数の残っている尋ねられていない質問のうちの最も予測的な次の質問を識別することとによって生成するように構成され得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、前処理モジュールと、訓練モジュールと、予測モジュールとを含む。データ処理モジュールは、データベースまたはユーザから訓練データを抽出し、変換を適用して訓練データを標準化し、標準化された訓練データを訓練モジュールに受け渡すものとしてよい。訓練モジュールは、標準化された訓練データに基づき評価モデルを構築し得る。予測モジュールは、対象の予測された分類を生成し得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、訓練モジュールは、機械学習アルゴリズムを利用して、評価モデルを構築し、訓練する。
【0078】
いくつかの実施形態において、予測モジュールは、新しいデータを評価モデルに当てはめることによって対象の予測された分類を生成するように構成され、新しいデータは前処理モジュールによって標準化される。予測モジュールは、新しいデータの当てはめが閾値を超える信頼区間の範囲内で特定の障害の予測を生成するかどうかをチェックするものとしてよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、予測モジュールは、質問推奨モジュールを含む。質問推奨モジュールは、評価の長さを短縮するために、複数の尋ねられた質問への複数の回答に基づき、対象に尋ねるべき最も予測的な次の質問を識別するか、選択するか、または推奨するように構成され得る。質問推奨モジュールは、対象に提示されるべき次の質問として推奨する候補質問を選択し得る。質問推奨モジュールは、候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度を査定し得る。質問推奨モジュールは、候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度に基づき、候補質問から最も予測的な次の質問を選択し得る。候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度は、予想特徴重要度決定アルゴリズムにより決定され得る。評価モデルは、ランダムフォレスト分類器を含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む。デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含み得る。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、診断データおよび個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含み得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象のフィードバックデータに応答して対象から更新された対象データを受信し、更新された診断データを生成するように構成される。治療モジュールは、更新された診断データを受信し、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成され得る。更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信され得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含む。治療モジュールは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含む。治療モジュールは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器を含み得る。診断モジュールは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供するように構成され得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択され得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0088】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0089】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により対象を処置する方法を提供する。例示的なシステムは、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み得る。診断プロセスは、診断データを、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、複数の回答は対象の発達進行に関係する対象の臨床的特性に対応し、複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)複数の回答に基づき対象の発達進行を決定することと、(3)対象の発達進行の決定に応答して、複数の残っている尋ねられていない質問のうちの最も予測的な次の質問を識別することとによって生成することを含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、前処理プロセスと、訓練プロセスと、予測プロセスとを含む。データ処理プロセスは、データベースまたはユーザから訓練データを抽出し、1つまたは複数の変換を適用して訓練データを標準化し、標準化された訓練データを訓練プロセスに受け渡すものとしてよい。訓練プロセスは、標準化された訓練データに基づき評価モデルを構築し得る。予測プロセスは、対象の予測された分類を生成し得る。
【0091】
いくつかの実施形態において、訓練プロセスは、機械学習アルゴリズムを利用して、評価モデルを構築し、訓練する。
【0092】
いくつかの実施形態において、予測プロセスは、新しいデータを評価モデルに当てはめることによって対象の予測された分類を生成し、新しいデータは前処理プロセスによって標準化される。予測プロセスは、新しいデータの当てはめが閾値を超える信頼区間の範囲内で1つまたは複数の特定の障害の予測を生成するかどうかをチェックするものとしてよい。
【0093】
いくつかの実施形態において、予測プロセスは、質問推奨プロセスを含む。質問推奨プロセスは、評価の長さを短縮するために、複数の尋ねられた質問への複数の回答に基づき、対象に尋ねるべき最も予測的な次の質問を識別するか、選択するか、または推奨し得る。質問推奨プロセスは、対象に提示されるべき次の質問として推奨する1つまたは複数の候補質問を選択し得る。質問推奨プロセスは、候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度を査定し得る。質問推奨プロセスは、候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度に基づき、候補質問から1つまたは複数の最も予測的な次の質問を選択し得る。候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度は、予想特徴重要度決定アルゴリズムにより決定され得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、評価プロセスは、ランダムフォレスト分類器を含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む。デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、方法は、診断データおよび個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含み得る。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象のフィードバックデータに応答して対象から更新された対象データを受信することと、更新された診断データを生成することとを含み得る。治療プロセスは、更新された診断データを受信することと、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとを含み得る。更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信され得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される。治療プロセスは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行され得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行される。治療プロセスは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され得る。診断プロセスは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供することを含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択され得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される。
【0103】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供することを可能にする。
【0104】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経学的または精神衛生障害のうちの行動、神経学的または精神衛生障害を有する対象を処置するための治療システムを実現する。例示的なシステムは、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールとのためのソフトウェアインストラクションを含むプロセッサを含み得る。診断モジュールは、診断データを、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、複数の回答は2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経、もしくは精神衛生障害に関係する対象の臨床的特性に対応し、複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)複数の回答に基づき、対象が2つまたはそれより多くの行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っているかどうかを決定することと、(3)対象が2つまたはそれより多くの関係する行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っていると決定したことに応答して、複数の残っている尋ねられていない質問のうちの最も予測的な次の質問を識別することとによって、生成するように構成され得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、第1の発達障害を最もよく予測する質問は、第1の発達障害のより高いリスクを対象が有すると決定したことに応答して最も予測的な次の質問として識別される。
【0106】
いくつかの実施形態において、第2の発達障害を最もよく予測する質問は、第2の発達障害のより高いリスクを対象が有すると決定したことに応答して最も予測的な次の質問として識別される。
【0107】
いくつかの実施形態において、システムは、評価モデルが記憶されるメモリをさらに含む。評価モデルは、2つまたはそれより多くの行動、神経学的または精神衛生障害の複数の臨床的特性と臨床的診断との間の統計的相関関係を含み得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、評価モデルに応答して対象が第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを有するかどうかを決定するようにインストラクションでさらに構成される。
【0109】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、質問および最も予測的な次の質問を表示するようにインストラクションで構成される。
【0110】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、対象の複数の臨床的特性に対応する複数の回答に応答して最も予測的な次の質問を識別するためのインストラクションを含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、各残りの質問の推定される予測的有用性に応答して最も予測的な次の質問を識別するようにインストラクションで構成される。
【0112】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の発達障害を最もよく予測する最も予測的な次の質問を識別するように十分な統計量で構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の発達障害のより高いリスクを最もよく予測する最も予測的な次の質問を識別するように複数の臨床的に評価された対象集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計量で構成される。
【0113】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、2つまたはそれよりも多い行動、神経学的または精神衛生障害の各々に関して最も予測的な次の質問の推定される予測的有用性に応答して最も予測的な次の質問を識別するようにインストラクションで構成される。
【0114】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、対象が信頼区間が少なくとも85%からなる群から選択され、感度および特異度が少なくとも85%である、発達障害のリスクを有すると決定するように構成される。
【0115】
いくつかの実施形態において、個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む。デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含み得る。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、診断データおよび個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象のフィードバックデータに応答して対象から更新された対象データを受信し、更新された診断データを生成するように構成される。治療モジュールは、更新された診断データを受信し、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成され得る。更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信され得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含む。治療モジュールは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含む。治療モジュールは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器を含み得る。診断モジュールは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供するように構成され得る。
【0120】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、対象は、行動、神経、および精神衛生障害のリスクを有する。行動、神経学的または精神衛生障害は、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0122】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0123】
いくつかの実施形態において、診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供するように構成される。
【0124】
本開示の態様は、個別化治療処置計画により2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経学的または精神衛生障害のうちの行動、神経学的または精神衛生障害を有する対象を処置する方法も提供する。例示的な方法は、対象からデータを受信し、対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、診断データを受信し、対象に対する個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み得る。診断データは、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、複数の回答は2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経、もしくは精神衛生障害に関係する対象の臨床的特性に対応し、複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)複数の回答に基づき、対象が2つまたはそれより多くの行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っているかどうかを決定することと、(3)対象が2つまたはそれより多くの関係する行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っていると決定したことに応答して、複数の残っている尋ねられていない質問のうちの最も予測的な次の質問を識別することとによって、生成され得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、第1の発達障害を最もよく予測する質問は、第1の発達障害のより高いリスクを対象が有すると決定したことに応答して最も予測的な次の質問として識別される。
【0126】
いくつかの実施形態において、第2の発達障害を最もよく予測する質問は、第2の発達障害のより高いリスクを対象が有すると決定したことに応答して最も予測的な次の質問として識別される。
【0127】
いくつかの実施形態において、方法は、プロセスを記憶する評価モデルをさらに含み得る。評価モデルは、2つまたはそれより多くの行動、神経学的または精神衛生障害の複数の臨床的特性と臨床的診断との間の統計的相関関係を含み得る。
【0128】
いくつかの実施形態において、方法は、評価モデルに応答して対象が第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを有するかどうかを決定することをさらに含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、方法は、質問および最も予測的な次の質問を表示することをさらに含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、方法は、対象の複数の臨床的特性に対応する複数の回答に応答して最も予測的な次の質問を識別することをさらに含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、方法は、各残りの質問の推定される予測的有用性に応答して最も予測的な次の質問を識別することをさらに含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、第1の発達障害を最もよく予測する最も予測的な次の質問を識別する十分な統計量を提供することを含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、第1の発達障害のより高いリスクを最もよく予測する最も予測的な次の質問を識別するように複数の臨床的に評価された対象集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計量を提供することを含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、2つまたはそれよりも多い行動、神経学的または精神衛生障害の各々に関して最も予測的な次の質問の推定される予測的有用性に応答して最も予測的な次の質問を識別することを含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象が信頼区間が少なくとも85%からなる群から選択され、感度および特異度が少なくとも85%である、発達障害のリスクを有すると決定することを含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む。デジタル治療法は、対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む。デジタル治療法は、モバイルデバイスで実現され得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、方法は、診断データおよび個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含む。サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含み得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象のフィードバックデータに応答して対象から更新された対象データを受信することと、更新された診断データを生成することとを含む。治療プロセスは、更新された診断データを受信することと、診断データおよび更新された診断データに応答して対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとを含み得る。更新された対象データは、個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信され得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される。
【0140】
いくつかの実施形態において、治療プロセスは、対象の個別化治療処置計画を決定するために対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される。
【0141】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行される。治療プロセスは、対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され得る。診断プロセスは、個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを治療モジュールに提供することを含み得る。
【0142】
いくつかの実施形態において、対象からのデータは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する。リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択され得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される。
【0145】
いくつかの実施形態において、診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または対象の評価のためのデータを提供することを可能にする。
【0146】
本開示の態様は、実行されたときにプロセッサに、対象の治療に応答して更新された対象データを受信することと、更新された対象データに応答して対象に対する更新された個別化治療計画を出力することとを行わせるインストラクションで構成される有形の媒体も実現し得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、診断モジュールおよび治療モジュールは、各々、対象を含まない集団上で訓練された分類器を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、複数のプロセッサを含む。
文献の引用
【0149】
本明細書において言及されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれの個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により組み込まれることが特に、また個別に指示されている場合と同じ範囲にわたって参照により本明細書に組み込まれる。
【0150】
本発明の新規な特徴は、付属の請求項において具体的に述べられる。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用されている例示的な実施形態について述べている次の詳細な説明と、添付図面を参照することによってよりよく理解される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
個別化治療処置計画により対象を処置するためのデジタル治療システムであって、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力するための診断モジュールであって、前記対象に対する前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングのうちの1つまたは複数を含む、診断モジュールと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールであって、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定し、出力するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングのうちの1つまたは複数を含む治療モジュールとに対するソフトウェアインストラクションを含む1つまたは複数のプロセッサを含み、
前記診断モジュールは、前記対象の前記治療に応答して前記対象から更新された対象データを受信し、前記対象から更新された診断データを生成するように構成され、前記治療モジュールは、前記更新された診断データを受信し、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成される、デジタル治療システム。
(項目2)
前記診断モジュールは、前記対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含み、前記治療モジュールは、前記対象集団の少なくとも前記一部の上で訓練された治療機械学習分類器を含み、前記診断モジュールおよび前記治療モジュールは、前記診断モジュールが前記処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供するように配置される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記治療分類器は、前記対象が一員でない集団を含むデータセット上で訓練されたインストラクションを含み、前記対象は、前記集団の一員でない人を含む項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記診断モジュールは、少なくとも10,000人の人々の対象集団の複数のプロファイル上で訓練された診断分類器および前記対象集団の前記複数のプロファイル上で訓練された治療プロファイルを含む、項目1に記載のシステム。
(項目5)
デジタル個別化処置システムであって、
(i)データを使用して対象を評価し、診断するソフトウェアおよびデジタルデバイスと、
(ii)治療的介入の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するインタラクションおよびフィードバックデータを取り込むソフトウェアおよびデジタルデバイスと、
(iii)ユーザデータおよびユーザプロファイルを評価し、前記治療的介入の有効性をさらに個別化するか、改善するか、または評価する機械学習、AI、および統計モデルを含むデータ分析機能と、を含む、デジタル個別化処置システム。
(項目6)
前記システムは、前記システムがそのユーザデータを使用してその診断および治療的介入を監視し改善することを可能にするソフトウェアベースの学習機能を含む、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記システム内のデジタル診断は、携帯電話、ビデオキャプチャ、オーディオキャプチャ、活動モニタ、またはウェアラブルデジタルモニタなどの異なるデジタルデバイスを介した1つまたは複数の能動的または受動的なデジタル形式の、前記対象または介護者から収集されたデータおよびメタデータを含む、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記デジタル診断では、前記対象の状態を評価するか、または診断するための機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールからの分析結果とともに、前記デジタル診断の外で取り込まれた補完的診断データありまたはなしで、前記システムによって収集された前記対象に関する前記データを使用する項目5に記載のシステム。
(項目9)
前記デジタル診断は、機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールによって分析され得るデータおよびメタデータを介して直接的または間接的に対象の状態もしくは成績の変化の評価をさらに可能にし、前記システムにフィードバックを提供し前記診断および潜在的治療的介入を改善するか、または精緻化する、項目5に記載のシステム。
(項目10)
前記治療的介入からの前記デジタル診断および対応する応答、またはその欠如からの前記データ評価および機械学習は、対象に対する新規な診断ならびに患者および介護者の両方に対する新規な治療レジメンを識別するように構成される、項目5に記載のシステム。
(項目11)
前記システムによって収集され利用されるデータのタイプは、対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームを含む、項目5に記載のシステム。
(項目12)
メタデータは、ユーザの行動、プロファイル、活動、前記ソフトウェアシステムとのインタラクション、ゲームとのインタラクション、使用頻度、セッション時間、選択されたオプションもしくは特徴、コンテンツもしくは活動選好のうちの1つまたは複数のプロファイルを取り込む前記システムのデバイスまたはモバイルアプリとのユーザのインタラクションからのデータを含む項目5に記載のシステム。
(項目13)
データは、活動モニタ、ゲーム、またはインタラクティブコンテンツなどの様々なサードパーティデバイスからのデータおよびメタデータを含む、項目5に記載のシステム。
(項目14)
デジタル治療法は、モバイルデバイスにより前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目5に記載のシステム。
(項目15)
前記システムは、システムソフトウェアおよび/またはサードパーティデバイスによる示唆された行動、活動、ゲーム、またはインタラクティブセッションを提供するためのインストラクションを含む、項目5に記載のシステム。
(項目16)
前記システムは、気分障害を含む、認知または行動発達、神経変性状態、認知および行動障害または状態のうちの1つまたは複数を診断し、処置するためのインストラクションを含む、項目5に記載のシステム。
(項目17)
対象を診断し、処置するためのシステムであって、装置は、
対象データを受信し、前記対象の診断データを出力するための診断モジュールと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する治療処置を出力するための治療モジュールであって、前記診断モジュールおよび前記治療モジュールは、診断データに応答して前記処置を更新するためにフィードバックループを含むように配置される治療モジュールと、を含む、システム。
(項目18)
デジタル個別化処置を送達するためのモバイルデバイスであって、
ディスプレイと、
プロセッサであって、
前記デバイスとのユーザインタラクションに応答してユーザプロファイルを生成し、
前記ユーザプロファイルに応答して治療インストラクションを受信して前記ユーザに表示し、
処置に応答して前記ユーザプロファイルを更新し、前記更新されたユーザプロファイルをリモートサーバに伝送し、
更新された治療インストラクションを前記サーバから受信し、
治療更新インストラクションを前記ユーザに表示する
ためのインストラクションにより構成されているプロセッサと、を含む、モバイルデバイス。
(項目19)
個別化治療処置計画により対象を処置するためのデジタル治療システムであって、前記システムは、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールであって、前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、治療モジュールとに対するインストラクションを含む、プロセッサを含むデジタル治療システム。
(項目20)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される、項目19に記載のシステム。
(項目23)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムまたは治療送達システムを含む、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記診断モジュールは、前記対象のフィードバックデータに応答して前記対象から更新された対象データを受信し、更新された診断データを生成するように構成され、前記治療モジュールは、前記更新された診断データを受信し、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成される、項目19に記載のシステム。
(項目25)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目24に記載のシステム。
(項目26)
前記診断モジュールは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む、項目19に記載のシステム。
(項目27)
前記治療モジュールは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含み、前記治療モジュールは、前記対象集団の少なくとも一部の上で訓練された治療機械学習分類器を含み、前記診断モジュールは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供するように構成される、項目19に記載のシステム。
(項目29)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目19に記載のシステム。
(項目30)
前記対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目19に記載のシステム。
(項目31)
前記行動、神経学的または精神衛生障害は、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される、項目19に記載のシステム。
(項目33)
前記診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供するように構成される、項目19に記載のシステム。
(項目34)
個別化治療処置計画により対象を処置する方法であって、前記方法は、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力する治療プロセスであって、前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、治療プロセスとを含む方法。
(項目35)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含む、項目34に記載の方法。
(項目38)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムまたは治療送達システムを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記診断プロセスは、前記対象のフィードバックデータに応答して前記対象から更新された対象データを受信することと、更新された診断データを生成することとをさらに含み、治療プロセスは、前記更新された診断データを受信することと、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとをさらに含む、項目34に記載の方法。
(項目40)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記診断プロセスは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目34に記載の方法。
(項目42)
前記治療プロセスは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行され、前記治療プロセスは、前記対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され、前記診断プロセスは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供することをさらに含む、項目34に記載の方法。
(項目44)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目34に記載の方法。
(項目45)
前記対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目34に記載の方法。
(項目46)
前記リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される、項目45に記載の方法。
(項目48)
前記診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供することを可能にする、項目45に記載の方法。
(項目49)
個別化治療処置計画により対象を処置するための治療システムであって、前記システムは、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールとに対するソフトウェアインストラクションを含むプロセッサを含み、
前記診断モジュールは、前記対象の治療に応答して前記対象から更新された対象データを受信し、前記対象から更新された診断データを生成するように構成され、前記治療モジュールは、前記更新された診断データを受信し、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成される治療システム。
(項目50)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目49に記載のシステム。
(項目51)
前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、項目49に記載のシステム。
(項目52)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目51に記載のシステム。
(項目53)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目52に記載のシステム。
(項目54)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される、項目49に記載のシステム。
(項目55)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムまたは治療送達システムを含む、項目54に記載のシステム。
(項目56)
前記診断モジュールは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む、項目49に記載のシステム。
(項目57)
前記治療モジュールは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングを含む、項目56に記載のシステム。
(項目58)
前記診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含み、前記治療モジュールは、前記対象集団の少なくとも一部の上で訓練された治療機械学習分類器を含み、前記診断モジュールは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供するように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目59)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目49に記載のシステム。
(項目60)
前記診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目61)
前記診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供するように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目62)
前記対象は、行動、神経、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目49に記載のシステム。
(項目63)
前記リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目62に記載のシステム。
(項目64)
個別化治療処置計画により対象を処置する方法であって、前記方法は、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み、
前記診断プロセスは、前記対象の治療に応答して前記対象から更新された対象データを受信することと、前記対象から更新された診断データを生成することとを含み、前記治療プロセスは、前記更新された診断データを受信することと、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとを含む方法。
(項目65)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、項目64に記載の方法。
(項目67)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含む、項目64に記載の方法。
(項目70)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムまたは治療送達システムを含む、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記診断プロセスは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目64に記載の方法。
(項目72)
前記治療プロセスは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行され、前記治療プロセスは、前記対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され、前記診断プロセスは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供することを含む、項目64に記載の方法。
(項目74)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目64に記載の方法。
(項目75)
前記診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される、項目64に記載の方法。
(項目76)
前記診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供することを可能にする、項目64に記載の方法。
(項目77)
前記対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目64に記載の方法。
(項目78)
前記リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目64に記載の方法。
(項目79)
個別化治療処置計画により対象を処置するための治療システムであって、前記システムは、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールと
に対するソフトウェアインストラクションを含むプロセッサを含み、
前記診断モジュールは、前記診断データを、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、前記複数の回答は前記対象の発達進行に関係する前記対象の臨床的特性に対応し、前記複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)前記複数の回答に基づき前記対象の前記発達進行を決定することと、(3)前記対象の前記発達進行の決定に応答して、前記複数の残っている尋ねられていない質問のうちの前記最も予測的な次の質問を識別することとによって生成するように構成される治療システム。
(項目80)
前記診断モジュールは、前処理モジュールと、訓練モジュールと、予測モジュールとを含み、前記データ処理モジュールは、データベースまたはユーザから訓練データを抽出し、変換を適用して前記訓練データを標準化し、前記標準化された訓練データを前記訓練モジュールに受け渡し、前記訓練モジュールは、前記標準化された訓練データに基づき評価モデルを構築し、前記予測モジュールは、前記対象の予測された分類を生成する、項目79に記載のシステム。
(項目81)
前記訓練モジュールは、機械学習アルゴリズムを利用して、前記評価モデルを構築し、訓練する、項目80に記載のシステム。
(項目82)
前記予測モジュールは、新しいデータを前記評価モデルに当てはめることによって前記対象の前記予測された分類を生成するように構成され、前記新しいデータは前記前処理モジュールによって標準化される、項目80に記載のシステム。
(項目83)
前記予測モジュールは、前記新しいデータの前記当てはめが閾値を超える信頼区間の範囲内で特定の障害の予測を生成するかどうかをチェックする、項目82に記載のシステム。
(項目84)
前記予測モジュールは、質問推奨モジュールを含み、前記質問推奨モジュールは、評価の長さを短縮するために、前記複数の尋ねられた質問への前記複数の回答に基づき、前記対象に尋ねるべき前記最も予測的な次の質問を識別するか、選択するか、または推奨するように構成される、項目80に記載のシステム。
(項目85)
前記質問推奨モジュールは、前記対象に提示されるべき前記次の質問として推奨する候補質問を選択する、項目84に記載のシステム。
(項目86)
前記質問推奨モジュールは、前記候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度を査定する、項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記質問推奨モジュールは、前記候補質問のうちの各1つの前記予想特徴重要度に基づき、前記候補質問から最も予測的な次の質問を選択する、項目86に記載のシステム。
(項目88)
前記候補質問のうちの各1つの前記予想特徴重要度は、予想特徴重要度決定アルゴリズムにより決定される、項目86に記載のシステム。
(項目89)
前記評価モデルは、ランダムフォレスト分類器を含む、項目80に記載のシステム。
(項目90)
前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、項目79に記載のシステム。
(項目91)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目90に記載のシステム。
(項目92)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目91に記載のシステム。
(項目93)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される、項目79に記載のシステム。
(項目94)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含む、項目93に記載のシステム。
(項目95)
前記診断モジュールは、前記対象のフィードバックデータに応答して前記対象から更新された対象データを受信し、更新された診断データを生成するように構成され、前記治療モジュールは、前記更新された診断データを受信し、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成される、項目79に記載のシステム。
(項目96)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目95に記載のシステム。
(項目97)
前記診断モジュールは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含む、項目79に記載のシステム。
(項目98)
前記治療モジュールは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含む、項目97に記載のシステム。
(項目99)
前記診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含み、前記治療モジュールは、前記対象集団の少なくとも一部の上で訓練された治療機械学習分類器を含み、前記診断モジュールは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供するように構成される、項目79に記載のシステム。
(項目100)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目79に記載のシステム。
(項目101)
前記対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目79に記載のシステム。
(項目102)
前記リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目101に記載のシステム。
(項目103)
前記診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される、項目79に記載のシステム。
(項目104)
前記診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供するように構成される、項目79に記載のシステム。
(項目105)
個別化治療処置計画により対象を処置する方法であって、前記方法は、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み、
前記診断プロセスは、前記診断データを、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、前記複数の回答は前記対象の発達進行に関係する前記対象の臨床的特性に対応し、前記複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)前記複数の回答に基づき前記対象の前記発達進行を決定することと、(3)前記対象の前記発達進行の決定に応答して、前記複数の残っている尋ねられていない質問のうちの前記最も予測的な次の質問を識別することとによって生成することを含む方法。
(項目106)
前記診断プロセスは、前処理プロセスと、訓練プロセスと、予測プロセスとを含み、前記データ処理プロセスは、データベースまたはユーザから訓練データを抽出し、1つまたは複数の変換を適用して前記訓練データを標準化し、前記標準化された訓練データを前記訓練プロセスに受け渡し、前記訓練プロセスは、前記標準化された訓練データに基づき評価モデルを構築し、前記予測プロセスは、前記対象の予測された分類を生成する、項目105に記載の方法。
(項目107)
前記訓練プロセスは、機械学習アルゴリズムを利用して、前記評価モデルを構築し、訓練する、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記予測プロセスは、新しいデータを前記評価モデルに当てはめることによって前記対象の前記予測された分類を生成し、前記新しいデータは前記前処理プロセスによって標準化される、項目106に記載の方法。
(項目109)
前記予測プロセスは、前記新しいデータの前記当てはめが閾値を超える信頼区間の範囲内で1つまたは複数の特定の障害の予測を生成するかどうかをチェックする、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記予測プロセスは、質問推奨プロセスを含み、前記質問推奨プロセスは、評価の長さを短縮するために、前記複数の尋ねられた質問への前記複数の回答に基づき、前記対象に尋ねるべき前記最も予測的な次の質問を識別するか、選択するか、または推奨する、項目106に記載の方法。
(項目111)
前記質問推奨プロセスは、前記対象に提示されるべき前記次の質問として推奨する1つまたは複数の候補質問を選択する、項目110に記載の方法。
(項目112)
前記質問推奨プロセスは、前記候補質問のうちの各1つの予想特徴重要度を査定する、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記質問推奨プロセスは、前記候補質問のうちの各1つの前記予想特徴重要度に基づき、前記候補質問から1つまたは複数の最も予測的な次の質問を選択する、項目112に記載の方法。
(項目114)
前記候補質問のうちの各1つの前記予想特徴重要度は、予想特徴重要度決定アルゴリズムにより決定される、項目112に記載の方法。
(項目115)
前記評価プロセスは、ランダムフォレスト分類器を含む、項目106に記載の方法。
(項目116)
前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、項目105に記載の方法。
(項目117)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目116に記載の方法。
(項目118)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目120)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含む、項目119に記載の方法。
(項目121)
前記診断プロセスは、前記対象のフィードバックデータに応答して前記対象から更新された対象データを受信することと、更新された診断データを生成することとを含み、前記治療プロセスは、前記更新された診断データを受信することと、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとを含む、項目105に記載の方法。
(項目122)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目121に記載の方法。
(項目123)
前記診断プロセスは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目105に記載の方法。
(項目124)
前記治療プロセスは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目123に記載の方法。
(項目125)
前記診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行され、前記治療プロセスは、前記対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され、前記診断プロセスは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供することを含む、項目105に記載の方法。
(項目126)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目105に記載の方法。
(項目127)
前記対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目105に記載の方法。
(項目128)
前記リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目127に記載の方法。
(項目129)
前記診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される、項目105に記載の方法。
(項目130)
前記診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供することを可能にする、項目105に記載の方法。
(項目131)
個別化治療処置計画により2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経学的または精神衛生障害のうちの行動、神経学的または精神衛生障害を有する対象を処置するための治療システムであって、前記システムは、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力するための診断モジュールと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力するための治療モジュールと
に対するソフトウェアインストラクションを含むプロセッサを含み、
前記診断モジュールは、前記診断データを、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、前記複数の回答は2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経、もしくは精神衛生障害に関係する前記対象の臨床的特性に対応し、前記複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)前記複数の回答に基づき、前記対象が前記2つまたはそれよりも多くの行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っているかどうかを決定することと、(3)前記対象が前記2つまたはそれよりも多くの関係する行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っていると決定したことに応答して、前記複数の残っている尋ねられていない質問のうちの前記最も予測的な次の質問を識別することとによって、生成するように構成される治療システム。
(項目132)
前記第1の発達障害を最もよく予測する質問は、前記第1の発達障害のより高いリスクを前記対象が有すると決定したことに応答して前記最も予測的な次の質問として識別される、項目131に記載のシステム。
(項目133)
前記第2の発達障害を最もよく予測する質問は、前記第2の発達障害のより高いリスクを前記対象が有すると決定したことに応答して前記最も予測的な次の質問として識別される、項目131に記載のシステム。
(項目134)
評価モデルが記憶されているメモリをさらに含み、前記評価モデルは前記2つまたはそれよりも多くの行動、神経学的または精神衛生障害の複数の臨床的特性と臨床診断との間の統計的相関関係を含む、項目131に記載のシステム。
(項目135)
前記プロセッサは、前記評価モデルに応答して前記対象が前記第1の発達障害または前記第2の発達障害のより高いリスクを有するかどうかを決定するようにインストラクションでさらに構成される、項目131に記載のシステム。
(項目136)
前記プロセッサは、前記質問および前記最も予測的な次の質問を表示するようにインストラクションで構成される、項目131に記載のシステム。
(項目137)
前記プロセッサは、前記対象の前記複数の臨床的特性に対応する前記複数の回答に応答して前記最も予測的な次の質問を識別するためのインストラクションを含む、項目131に記載のシステム。
(項目138)
前記プロセッサは、各残りの質問の推定される予測的有用性に応答して前記最も予測的な次の質問を識別するようにインストラクションで構成される、項目131に記載のシステム。
(項目139)
前記プロセッサは、前記第1の発達障害を最もよく予測する前記最も予測的な次の質問を識別するように十分な統計量で構成される、項目131に記載のシステム。
(項目140)
前記プロセッサは、前記第1の発達障害のより高いリスクを最もよく予測する前記最も予測的な次の質問を識別するように複数の臨床的に評価された対象集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計量で構成される、項目131に記載のシステム。
(項目141)
前記プロセッサは、前記2つまたはそれよりも多い行動、神経学的または精神衛生障害の各々に関して前記最も予測的な次の質問の推定される予測的有用性に応答して前記最も予測的な次の質問を識別するようにインストラクションで構成される、項目131に記載のシステム。
(項目142)
前記プロセッサは、前記対象が信頼区間が少なくとも85%からなる群から選択され、感度および特異度が少なくとも85%である、前記発達障害のリスクを有すると決定するように構成される、項目131に記載のシステム。
(項目143)
前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、項目131に記載のシステム。
(項目144)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目143に記載のシステム。
(項目145)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目144に記載のシステム。
(項目146)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画は、サードパーティシステムに提供される、項目131に記載のシステム。
(項目147)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含む、項目146に記載のシステム。
(項目148)
前記診断モジュールは、前記対象のフィードバックデータに応答して前記対象から更新された対象データを受信し、更新された診断データを生成するように構成され、前記治療モジュールは、前記更新された診断データを受信し、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力するように構成される、項目131に記載のシステム。
(項目149)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目148に記載のシステム。
(項目150)
前記診断モジュールは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含む、項目131に記載のシステム。
(項目151)
前記治療モジュールは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、または統計モデリングからなる群から選択されたインストラクションを含む、項目150に記載のシステム。
(項目152)
前記診断モジュールは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器を含み、前記治療モジュールは、前記対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器を含み、前記診断モジュールは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供するように構成される、項目131に記載のシステム。
(項目153)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目131に記載のシステム。
(項目154)
前記対象は、行動、神経学的または精神衛生障害のリスクを有する、項目131に記載のシステム。
(項目155)
行動、神経学的または精神衛生障害は、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症のうちの少なくとも1つを含む、項目154に記載のシステム。
(項目156)
前記診断モジュールは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供するように構成される、項目131に記載のシステム。
(項目157)
前記診断モジュールは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供するように構成される、項目125に記載のシステム。
(項目158)
個別化治療処置計画により2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経学的または精神衛生障害のうちの行動、神経学的または精神衛生障害を有する対象を処置する方法であって、前記方法は、
前記対象からデータを受信し、前記対象に対する診断データを出力する診断プロセスと、
前記診断データを受信し、前記対象に対する前記個別化治療処置計画を出力する治療プロセスとを含み、
前記診断データは、(1)複数の質問のうちで複数の尋ねられた質問への複数の回答を受信し、前記複数の回答は2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経、もしくは精神衛生障害に関係する前記対象の臨床的特性に対応し、前記複数の質問の複数の残っている尋ねられていない質問は最も予測的な次の質問を含むことと、(2)前記複数の回答に基づき、前記対象が前記2つまたはそれよりも多くの行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っているかどうかを決定することと、(3)前記対象が前記2つまたはそれよりも多くの関係する行動、神経学的または精神衛生障害の第1の発達障害または第2の発達障害のより高いリスクを負っていると決定したことに応答して、前記複数の残っている尋ねられていない質問のうちの前記最も予測的な次の質問を識別することとによって生成される方法。
(項目159)
前記第1の発達障害を最もよく予測する質問は、前記第1の発達障害のより高いリスクを前記対象が有すると決定したことに応答して前記最も予測的な次の質問として識別される、項目158に記載の方法。
(項目160)
前記第2の発達障害を最もよく予測する質問は、前記第2の発達障害のより高いリスクを前記対象が有すると決定したことに応答して前記最も予測的な次の質問として識別される、項目158に記載の方法。
(項目161)
評価モデル記憶プロセスをさらに含み、前記評価モデルは前記2つまたはそれよりも多くの行動、神経学的または精神衛生障害の複数の臨床的特性と臨床診断との間の統計的相関関係を含む、項目158に記載の方法。
(項目162)
前記評価モデルに応答して前記対象が前記第1の発達障害または前記第2の発達障害のより高いリスクを有するかどうかを決定することをさらに含む、項目158に記載の方法。
(項目163)
前記質問および前記最も予測的な次の質問を表示することをさらに含む、項目158に記載の方法。
(項目164)
前記対象の前記複数の臨床的特性に対応する前記複数の回答に応答して前記最も予測的な次の質問を識別することをさらに含む、項目158に記載の方法。
(項目165)
各残りの質問の推定される予測的有用性に応答して前記最も予測的な次の質問を識別することをさらに含む、項目158に記載の方法。
(項目166)
前記診断プロセスは、前記第1の発達障害を最もよく予測する前記最も予測的な次の質問を識別する十分な統計量を提供することを含む、項目158に記載の方法。
(項目167)
前記診断プロセスは、前記第1の発達障害のより高いリスクを最もよく予測する前記最も予測的な次の質問を識別するように複数の臨床的に評価された対象集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計量を提供することを含む、項目158に記載の方法。
(項目168)
前記診断プロセスは、前記2つまたはそれよりも多い行動、神経学的または精神衛生障害の各々に関して前記最も予測的な次の質問の推定される予測的有用性に応答して前記最も予測的な次の質問を識別することを含む、項目158に記載の方法。
(項目169)
前記診断プロセスは、前記対象が信頼区間が少なくとも85%からなる群から選択され、感度および特異度が少なくとも85%である、前記発達障害のリスクを有すると決定することを含む、項目158に記載の方法。
(項目170)
前記個別化治療処置計画は、デジタル治療法を含む、項目158に記載の方法。
(項目171)
前記デジタル治療法は、前記対象もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションを含む、項目170に記載の方法。
(項目172)
前記デジタル治療法は、モバイルデバイスとともに提供される、項目171に記載の方法。
(項目173)
前記診断データおよび前記個別化治療処置計画をサードパーティシステムに提供することをさらに含む、項目158に記載の方法。
(項目174)
前記サードパーティシステムは、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムを含む、項目173に記載の方法。
(項目175)
前記診断プロセスは、前記対象のフィードバックデータに応答して前記対象から更新された対象データを受信することと、更新された診断データを生成することとを含み、前記治療プロセスは、前記更新された診断データを受信することと、前記診断データおよび前記更新された診断データに応答して前記対象に対する更新された個別化処置計画を出力することとを含む、項目158に記載の方法。
(項目176)
前記更新された対象データは、前記個別化治療処置計画の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するフィードバックデータに応答して受信される、項目173に記載の方法。
(項目177)
前記診断プロセスは、前記診断データを決定するために対象集団に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目158に記載の方法。
(項目178)
前記治療プロセスは、前記対象の前記個別化治療処置計画を決定するために前記対象集団の少なくとも一部に基づく機械学習、分類器、人工知能、および統計モデリングからなる群から選択されたプロセスによって実行される、項目158に記載の方法。
(項目179)
前記診断プロセスは、対象集団上で訓練された診断機械学習分類器によって実行され、前記治療プロセスは、前記対象集団の少なくとも一部上で訓練された治療機械学習分類器によって実行され、前記診断プロセスは、前記個別化治療処置計画の実行に基づきフィードバックを前記治療モジュールに提供することを含む、項目158に記載の方法。
(項目180)
前記対象からの前記データは、前記対象および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびに前記システムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームのうちの少なくとも1つを含む、項目158に記載の方法。
(項目181)
前記対象は、行動障害、神経障害、および精神衛生障害からなる群から選択されたリスクを有する、項目158に記載の方法。
(項目182)
前記リスクは、自閉症、自閉症スペクトラム、注意力欠如障害、鬱病、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、注意欠陥過活動性障害、ならびに発話および学習不能症からなる群から選択される、項目181に記載の方法。
(項目183)
前記診断プロセスは、成人が評価を実行するか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することによって実行される、項目158に記載の方法。
(項目184)
前記診断プロセスは、介護者または家族の一員が評価を実行するか、または前記対象の評価のためのデータを提供することを可能にする、項目158に記載の方法。
(項目185)
有形の媒体であって、実行されたときにプロセッサに、
対象の治療に応答して更新された対象データを受信することと、
前記更新された対象データに応答して前記対象に対する更新された個別化治療計画を出力することとを行わせるインストラクションで構成される有形の媒体。
(項目186)
前記診断モジュールおよび前記治療モジュールは、各々、前記対象を含まない集団上で訓練された分類器を含む、先行する、項目のいずれか一項に記載の方法、装置、または有形の媒体。
(項目187)
前記プロセッサは、複数のプロセッサを含む、先行する、項目のいずれか一項に記載の方法、装置、または有形の媒体。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【
図1A】
図1Aは、デジタル個別化医療プラットフォームのための例示的なシステム図である。
【0152】
【
図1B】
図1Bは、例示的な診断モジュールの詳細な図である。
【0153】
【0154】
【
図2】
図2は、デジタル個別化医療プラットフォームにおいて提供されるべき診断および治療のための例示的な方法を示す図である。
【0155】
【
図3】
図3は、自閉症関係の発達遅滞の取り扱いを示す例示的なフロー図である。
【
図4】
図4は、複数のソースからの情報を統合するように構成されている、診断モジュールおよび治療モジュールを含むデジタル個別化医療システムに対するデータ処理フローの全体図である。
【0156】
【
図5-1】
図5Aおよび
図5Bは、本明細書で説明されているような診断および治療のための方法を使用して診断され、処置され得るいくつかの例示的な発達障害を示す図である。
【
図5-2】
図5Aおよび
図5Bは、本明細書で説明されているような診断および治療のための方法を使用して診断され、処置され得るいくつかの例示的な発達障害を示す図である。
【0157】
【
図6】
図6は、本明細書で説明されているような診断テストを提供するための例示的なデータ処理モジュールの概略図である。
【0158】
【
図7】
図7は、ランダムフォレスト分類器に基づく例示的な評価モデルの一部分を示す概略図である。
【0159】
【
図8】
図8は、本明細書で説明されているような予測モジュールの例示的な動作フローの図である。
【0160】
【
図9】
図9は、本明細書で説明されているような特徴推奨モジュールの例示的な動作フローの図である。
【0161】
【
図10】
図10は、本明細書で説明されている特徴推奨モジュールによって実行されるような予想特徴重要度決定アルゴリズムの例示的な動作フローの図である。
【0162】
【
図11】
図11は、本明細書で説明されているような診断テストを実施する方法を示す図である。
【0163】
【
図12】
図12は、本明細書で説明されている方法および装置とともに組み込むのに適している例示的なコンピュータシステムを示す図である。
【0164】
【
図13】
図13は、フィードバックループを含み、テスト回数が減らされた、デジタル個別化医療プラットフォームのための例示的なシステム図である。
【0165】
【
図14】
図14は、本明細書で説明されているような例示的な評価モデルに対する感度対フォールアウトをマップする受信者操作特性(ROC)曲線を示す図である。
【0166】
【
図15】
図15は、本明細書で説明されているような特徴推奨モジュールに対する性能測定基準を例示する散布図である。
【発明を実施するための形態】
【0167】
発明の詳細な説明
一態様において、デジタル個別化医療システムは、プロセッサおよび関連するソフトウェアを有するデジタルデバイスを含み、プロセッサおよび関連するソフトウェアはデータを受信して患者を評価し、診断し、治療的介入の結果生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別するインタラクションおよびフィードバックデータを取り込み、機械学習、人工知能、および統計モデルのうちの少なくとも1つを含む、データ分析を実行して、ユーザデータおよびユーザプロファイルを評価し、治療的介入の有効性をさらに個別化するか、改善するか、または評価するように構成される。
【0168】
いくつかの事例において、システムは、デジタル診断およびデジタル治療法を使用するように構成される。デジタル診断およびデジタル治療法は、デジタル情報を収集することと、提供されたデータを処理し、分析して個人の医学的、心理学的、または生理学的状態を改善することとを含むシステムまたは方法を含むことができる。デジタル治療システムは、ソフトウェアベースの学習を適用して、ユーザデータを分析し、システムによって提供される診断および治療的介入を監視し、改善することができる。
【0169】
システム内のデジタル診断は、患者、または介護者、または評価される個人と無関係の当事者から収集されたデータおよびメタデータをから構成され得る。いくつかの事例において、収集されたデータは、行動を監視することを含むことができ、観察、判断、または評価は、個人以外の当事者によって行われ得る。さらなる事例において、評価は、成人が評価を実行することを含むか、または子供もしくは未成年者の評価のためのデータを提供することができる。
【0170】
データソースは、携帯電話、ビデオキャプチャ、オーディオキャプチャ、活動モニタ、またはウェアラブルデジタルモニタなどの、1つまたは複数のデジタルデバイスを介したデジタル形式の能動的または受動的のいずれかのソースであってよい。能動的データ収集の例は、眼球の運動を追跡し、身体または付属肢の運動を記録し、睡眠パターンを監視し、発話パターンを記録するためのデバイス、システム、または方法を含む。いくつかの事例において、能動的ソースは、発話パターン、語彙/構文パターン(例えば、語彙のサイズ、代名詞の正しい/間違った使用、正しい/間違った屈折および活用、能動/受動態などの文法構造の使用、および文の流れ)、高次の言語パターン(例えば、一貫性、理解、会話参加、および好奇心)などのオーディオフィードデータソース、タッチスクリーンデータソース(例えば、微細運動機能、器用さ、ポインティングの正確さおよび頻度、スワイプ運動の正確さおよび頻度、ならびに焦点/注意範囲)、および活動中の対象の顔のビデオ記録(例えば、凝視対サッカードの質/量、画面上の眼球焦点ヒートマップ、焦点/注意範囲、顔の表情の変動性、および感情刺激に対する応答の質)を含むことができる。受動的データ収集は、モバイルアプリケーション、センサを埋め込んだ玩具、または記録ユニットから導出された記録もしくは測定を使用してユーザからデータを収集するためのデバイス、システム、または方法を含むことができる。いくつかの事例において、受動的ソースは、スマート玩具に埋め込まれたセンサ(例えば、微細運動機能、粗大運動機能、焦点/注意範囲、および問題解決技術)およびウェアラブルデバイス(例えば、活動のレベル、休息の量/質)を含むことができる。
【0171】
診断および処置で使用されるデータは、複数のソースに由来するものであってよく、ユーザがインタラクティブにやり取りするモバイルデバイスなど1つのデバイス、または対象のマイクロバイオームサンプリングおよび遺伝子サンプリングなどの他のソースから集められた受動的および能動的データ収集の組合せを含み得る。
【0172】
本明細書で開示されている方法および装置は、認知および発達障害、気分および精神病、ならびに神経変性疾患の診断およびデジタル治療処置に適している。認知および発達障害の例は、発話および学習障害、知能指数(「IQ」)、非言語的IQおよび言語的IQ、ならびに本明細書で説明されているような他の障害を含む。子供および成人に影響を及ぼし得る、気分および精神病障害の例は、行動障害、気分障害、鬱病、注意欠陥過活動性障害(「ADHD」)、強迫性障害(「OCD」)、統合失調症、ならびに摂食障害および薬物乱用などの物質性障害を含む。神経変性疾患の例は、加齢に関係した認知機能低下、アルツハイマー病および老齢に進行する認知機能障害、パーキンソン病およびハンチントン舞踏病、ならびに筋萎縮性側索硬化症(「ALS」)を含む。本明細書で開示されている方法および装置は、子供をデジタル診断し、治療し、対象が成人になるまで処置を継続することができ、個別化されたプロファイルに基づき生涯処置を提供することができる。
【0173】
本明細書で説明されているようなデジタル診断および処置は、生物学的または化学的治療処置と結合された行動的介入に適している。本明細書で説明されているようにユーザインタラクションデータを集めることによって、行動的介入データの医薬品処置と生物学的処置との組合せに対するフィードバック有効治療がもたらされ得る。
【0174】
本明細書で説明されているようなモバイルデバイスは、転帰を改善し、ユーザ入力への依存を減らすために、フィードバックループの一部として使用され得る対象のデータを収集するためのセンサを含み得る。モバイルデバイスは、治療の後に対象のデータを収集するために本明細書で説明されているような受動的または能動的センサを含み得る。iPad(登録商標)またはiPhone(登録商標)または類似のデバイスなどの、同じモバイルデバイスまたは第2のモバイルデバイスは、ユーザとインタラクティブにやり取りして定期的に、例えば、毎日、毎時間などの間隔で改善処置において何を行うべきかをユーザに教えるソフトウェアアプリケーションを含み得る。ユーザモバイルデバイスは、治療進行に応じて通知をユーザに送信するように構成され得る。モバイルデバイスは、対象に送達される治療薬の送達量を監視するように構成されている薬物送達デバイスを含み得る。
【0175】
本明細書で開示されている方法および装置は、例えば、親と子の両方の処置に適している。親および子は両方とも、本明細書で説明されているように別々の処置を受けてもよい。例えば、親の神経学的状態が監視され処置され、子の発達進行が監視され処置され得る。
【0176】
対象のデータを取得するために使用されるモバイルデバイスは、多くの仕方で構成されるものとしてよく、例えば、複数のデバイスを組み合わせ得る。睡眠パターンが、例えば、自閉症に関係していることがあり、本明細書で説明されているように睡眠データが診断および治療モジュールへの入力として取得され使用され得る。モバイルデバイスは、子供に対する睡眠監視のためのモバイルウェアラブルを含むものとしてよく、これは診断および処置のための入力として用意され、本明細書で説明されているようにフィードバックループのコンポーネントを含み得る。
【0177】
多くのタイプのセンサ、バイオセンサ、およびデータが、対象のデータを集め、対象の診断および治療に入力するために使用され得る。例えば、実施形態に関係する研究は、マイクロバイオームデータが自閉症の診断および治療に役立ち得ることを示唆している。マイクロバイオームデータは、当業者に公知の多くの仕方で収集されるものとしてよく、糞便サンプル、洗腸、または対象の腸管のフローラの他のサンプルから選択されたデータを含み得る。遺伝データは、診断および治療モジュールへの入力としても取得され得る。遺伝データは、特異的マーカーの配列決定および識別の、対象の完全ゲノム配列決定を含み得る。
【0178】
本明細書で開示されているような診断および治療モジュールは、遺伝データ、フローラデータ、睡眠センサ、足首着用可能睡眠センサ、睡眠を監視するためのブーティ(booty to monitor sleep)、および対象の視線追跡からなる群から取得されるデータなどの、複数のソースからデータを受信することができる。視線追跡は、注視の方向および持続時間を決定するために多くの仕方で実行され得る。追跡は、注視の方向および持続時間について眼鏡、ヘルメット、他のセンサで行われ得る。データは、ゲーム、ビデオゲーム、対象の取り込まれたビデオの任意の組合せで取得されてよく、これらは対象の顔の表情および注視を決定するために使用できる。このデータは、最初に対象を診断し、対象の処置を決定し、対象の処置を修正し、処置の後に対象を監視するために、処置の前、処置の最中、および処置の後に、本明細書で説明されているように、取得され、治療モジュールおよび診断モジュールに提供され得る。
【0179】
視覚的注視、注視時の持続時間、および顔の表情の情報は、当技術分野の従来技術の1つに公知の方法および装置で取得され、診断および治療モジュール内への入力として取得され得る。データは、ダウンロードされ得る、ソフトウェアインストラクションを含むアプリで取得され得る。例えば、顔の処理は、Gloaraiら、「Autism and
the development of face processing」、Clinical Neuroscience Research 6巻(2006年)145~160頁で説明されている。デューク大学の自閉症研究グループは、autismandbeyond.researchkit.duke.eduのウェブページで説明されているようにモバイルデバイス上にダウンロードされたソフトウェアアプリで自閉症およびそれを超える調査研究を実施していた。そのようなデバイスからのデータは、本開示による組合せに特に適している。顔認識データおよび注視データは、本明細書で説明されているように診断および治療モジュールに入力され得る。
【0180】
本明細書で開示されているような分類器は、このデータと組み合わせて改善された治療および処置を実現するのに特に適している。データは、本明細書で説明されているように、層別にわけられ、フィードバックループとともに使用され得る。例えば、フィードバックデータは、薬物療法と併用して、応答差を決定し、応答者と無応答者とを識別することができる。代替的に、または組み合わせて、フィードバックデータは行動療法などの非薬物療法と組み合わされ得る。
【0181】
遺伝学に関して、最近の研究は、一部の人々が自閉症になりやすい遺伝子を有している可能性のあることを示唆している。対象の遺伝的構成物は、対象を環境に影響されやすくすることがあり、その結果、症状が出現し、症状の重症度に影響を及ぼし得る。環境影響は、例えば、毒素、ウイルス、または他の物質からの損傷を含み得る。特定の理論に縛られることなく、これは結果として遺伝子発現調節を変える機構をもたらし得る。遺伝子発現の変化は、胃腸(「GI」)内フローラの変化に関係することがあり、フローラのこれらの変化は、自閉症に関係する症状に影響を及ぼし得る。代替的に、または組み合わせて、腸内マイクロバイオームへの損傷は、結果として、対象のマイクロバイオームの変化を引き起こし、その結果、対象は理想的とは言えないホメオスタシスを有することになり、これは自閉症に関係する関連症状に影響を及ぼし得る。発明者らは、Sarkis K.
Mazmanianらによって実施されたB.fragilisによる予備研究が、この微生物の変化が自閉症および自閉症の発症に関係し得ることを示唆していることを指摘しておく。(Melinda Wenner Moyerによる「Gut Bacteria May Play a Role in Autism」、Scientific
American、2014年9月1日も参照)
【0182】
デジタル診断では、患者の状態を評価するか、または診断するための機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールからの分析結果とともに、デジタル診断の外で取り込まれた補完的診断データを含み得る、システムによって収集された患者に関するデータを使用する。デジタル診断はまた、機械学習、人工知能、および統計モデリングなどのツールによって分析され得るデータおよびメタデータを介して直接的にまたは間接的に患者の状態もしくは遂行能力の変化の評価も提供し、それによりシステムにフィードバックを提供し診断および潜在的治療的介入を改善するか、または精緻化することができる。
【0183】
治療的介入からのデジタル診断および対応する応答、またはその欠如からのデータ評価および機械学習は、患者に対する新規な診断ならびに患者および介護者の両方に対する新規な治療レジメンの識別をもたらし得る。
【0184】
システムによって収集され利用されるデータのタイプは、例えば、患者および介護者ビデオ、オーディオ、質問または活動への応答、ならびにシステムの活動、ゲーム、またはソフトウェア特徴とのユーザインタラクションからの能動的または受動的データストリームを含むことができる。そのようなデータは、例えば、推奨された活動を実行するときの、患者または介護者とシステムとのインタラクションからのメタデータも含み得る。特定のメタデータの例は、ユーザの行動、プロファイル、活動、ソフトウェアシステムとのインタラクション、ゲームとのインタラクション、使用頻度、セッション時間、選択されたオプションもしくは特徴、ならびにコンテンツおよび活動選好の態様を取り込むシステムのデバイスまたはモバイルアプリとユーザとのインタラクションからのデータを含む。データは、活動モニタ、ゲーム、またはインタラクティブコンテンツなどの様々なサードパーティデバイスからのデータおよびメタデータも含み得る。
【0185】
本明細書で説明されているようなデジタル治療法は、システムによって患者もしくは介護者に提供されるインストラクション、フィードバック、活動、またはインタラクションからなるものとしてよい。例は、示唆された行動、活動、ゲーム、またはシステムソフトウェアおよび/またはサードパーティデバイス(例えば、当技術分野の従来技術の1つによって理解されているようなモノのインターネット「IoT」対応治療デバイス)とのインタラクティブセッションを含む。
【0186】
図1Aは、行動、神経学的または精神衛生障害に関係する診断および治療を行うためのデジタル個別化医療プラットフォーム100に対するシステム図を示している。例えば、プラットフォーム100は、発達遅滞に関連付けられている小児認知および行動状態の診断および処置を行うことができる。ユーザデジタルデバイス110-例えば、スマートフォン、活動モニタ、またはウェアラブルデジタルモニタなどのモバイルデバイス-は、患者に関係するデータおよびメタデータを記録する。データは、患者のデバイスとのインタラクションに基づき、さらには介護者およびヘルスケア専門家とのインタラクションに基づき収集され得る。データは、テストを実施すること、発話および/またはビデオを記録すること、ならびに診断質問に対する応答を記録することなどによって、能動的に収集され得る。データは、また、尋ねられた質問および診断された発達障害に関係する調査された話題を記録するなど、患者および介護者のオンライン行動を監視することなどによって受動的に収集され得る。
【0187】
デジタルデバイス110は、コンピュータネットワーク120に接続され、これにより、接続されているコンピュータとデータを共有し、接続されているコンピュータからデータを受信することができる。特に、デバイスは、コンピュータネットワーク120上でデジタルデバイス110と通信するように構成されているサーバを含む、個別化医療システム130と通信することができる。個別化医療システム130は、患者の発達状態の初期および増分的診断を提供するための診断モジュール132、さらには診断モジュール132の診断に応答して個別化治療推奨を行うための治療モジュール134を含む。
【0188】
診断モジュール132および134の各々は、処置過程においてユーザデジタルデバイス110と通信する。診断モジュールは、診断テストをデジタルデバイス110に提供し、診断フィードバックをデジタルデバイス110から受信し、フィードバックを使用して患者の診断を決定する。初期診断は、テストと質問の包括的セットに基づくものとしてよく、例えば、その一方でより小さいデータサンプルを使用して増分的更新が診断に対して行われ得る。例えば、診断モジュールは、介護者に尋ねられる質問および語彙もしくは口頭コミュニケーションテストなどの患者に対して実施されるテストに基づき自閉症関係の発話遅滞を診断し得る。診断は、発話能力の遅れの月数または年数を指示し得る。後でテストが実施され、質問がなされてこの診断を更新し、例えば、遅れの程度が小さいか、または大きいことを示し得る。
【0189】
診断モジュールは、その診断をデジタルデバイス110に、さらには治療モジュール134に伝達し、これは診断を使用して診断された症状を処置するために実行されるべき治療を示唆する。治療モジュール134は、所与の時間枠で推奨された治療を実行するために患者および介護者に対するインストラクションを含む、その推奨された治療をデジタルデバイス110に送信する。所与の時間枠で治療を実行した後、介護者または患者は、推奨された治療の完了を指示することができ、デジタルデバイス110から治療モジュール134にレポートが送信され得る。次いで、治療モジュール134は、最新回の治療が終了したこと、および新しい診断が必要であることを診断モジュール132に指示し得る。次いで、診断モジュール132は、新しい診断テストおよび質問をデジタルデバイス110に提供し、さらには学習セッションの記録または治療もしくは診断された状態に関係する介護者もしくは患者の履歴を閲覧するなど、治療の一環として提供されるデータの入力を治療モジュールから取り出すことができる。次いで、診断モジュール132は、プロセスを繰り返し、治療の次のステップを行うために更新された診断を提供する。
【0190】
診断および治療に関係する情報も、個別化医療システム130からヘルスケア専門家のコンピュータシステムなどのサードパーティシステム140に提供され得る。ヘルスケア専門家または他の第三者は、患者が予想されるスケジュールに遅れているか、または予測されているのよりも速く改善しているかを含む、治療スケジュールからの著しい逸脱を警告され得る。次いで、この提供された情報に基づき第三者によって適切なさらなる措置が講じられ得る。
【0191】
図1Bは、診断モジュール132の詳細な図を例示している。診断モジュール132は、対象に対して実施するテストおよび対応するインストラクションを生成するテスト実施モジュール142を含む。診断モジュール132は、例えば、テスト結果、介護者フィードバック、システムとの患者および介護者のインタラクションからのメタデータ、ならびにシステムとのビデオ、オーディオ、およびゲーミングのインタラクションなどの、対象データが受信される対象データ受信モジュール144も含む。対象評価モジュール146は、対象データ受信モジュール144からのデータ、さらには対象および類似の対象の過去の診断に基づき対象の診断を生成する。機械学習モジュール148は、診断への各入力の相対感度を評価して、どのタイプの測定が患者の診断に関する大部分の情報をもたらすかを決定する。これらの結果は、テスト実施モジュール142によって、診断を最も効率よく通知するテストを提供するために、ならびに対象評価モジュール146によって、重みを診断データに付けて診断精度および一貫性を改善するために使用され得る。各処置済み患者に関係する診断データは、例えば、データベースに記憶され、パターンマッチングおよび機械学習のための診断データのライブラリを形成する。多数の対象プロファイル、例えば、10,000またはそれよりも多くの対象プロファイルがそのようなデータベースに同時に記憶され得る。
【0192】
図1Cは、治療モジュール134の詳細な図を例示している。治療モジュール134は、その有効性に基づき治療にスコアを付ける治療評価モジュール152を含む。以前に示唆された治療は、治療の前および後の両方において診断モジュールによって提供される診断に基づき査定され、改善の程度が決定される。この改善の程度は、治療の有効性にスコアを付けるために使用される。治療は、診断の特定のクラスと相関する有効性を有するものとしてよく、例えば、1つのタイプの診断では対象に対して有効であるが、第2のタイプの診断では対象に対して無効であると考えられ得る。診断モジュール132からの対象の診断を治療のリストと比較する治療マッチングモジュール154も実現され、それにより、治療評価モジュール152によって決定された治療のセットが対象の診断に類似する診断を処理することに関して最も有効であると決定する。次いで、治療推奨モジュール156は、治療マッチングモジュール154によって有望であると識別された治療のうちの1つまたは複数を含む推奨された治療を生成し、推奨された治療の実施に対するインストラクションとともにその推奨を対象に送信する。次いで、治療追跡モジュール158は、推奨された治療の進行を追跡し、いつ新しい診断が診断モジュール132によって実行されるべきであるか、またはいつ所与の治療が継続され、進行がさらに監視されるべきかを決定する。処置された各患者に関係する治療データは、例えば、データベースに記憶され、パターンマッチングおよび機械学習のための治療データのライブラリを形成する。多数の対象プロファイル、例えば、10,000またはそれよりも多くの対象プロファイルがそのようなデータベースに同時に記憶され得る。治療データは、診断モジュール132の診断データとの相関関係が求められ、それにより、有効な治療と診断とのマッチングを行うことができる。
【0193】
治療は、デジタル治療を含み得る。デジタル治療は、患者または介護者によって実行され得る単一のまたは多数の治療活動もしくは治療的介入を含み得る。デジタル治療は、センサ、コンピュータ、医療デバイス、および治療送達システムなどのサードパーティデバイスとの規定されたインタラクションを含むことができる。デジタル治療は、FDA承認医療強調表示、診断コードのセット、単一の診断コードをサポートすることができる。
【0194】
図2は、デジタル個別化医療プラットフォームにおいて提供されるべき診断および治療のための方法200を例示している。デジタル個別化医療プラットフォームは、診断および推奨された治療を行うために、1人または複数の介護者を伴う患者を含んでいてもよい、対象と通信する。
【0195】
ステップ210において、診断モジュールは対象を評価して、例えば、診断テストを対象に適用することによって診断を決定する。診断テストは、対象に対する複数の特徴および対応する特徴値を決定することに向けられ得る。例えば、テストは、対象に提示される複数の質問、対象の観察、または対象に割り当てられる課題を含み得る。テストは、患者実行対特定の行動および/またはマイルストーンの、介護者からのフィードバック、患者および介護者のシステムとのインタラクションからのメタデータ、およびシステムとの、または患者および介護者の行動および実行に関するデータを提供するサードパーティツールとの、ビデオ、オーディオ、およびゲーミングのインタラクションなどの、対象の間接的テストも含み得る。初期テストについては、より包括的なテストレジメンが、正確な初期診断の生成を目指して実行され得る。進行を追跡するように以前の診断を更新するために使用される後のテストは、より包括的でないテストを伴うものとしてよく、例えば、行動追跡および治療関係記録およびメタデータなどの間接的テストにより依存し得る。
【0196】
ステップ212において、診断モジュールは、対象から新しいデータを受信する。新しいデータは、特定の対象に対する特徴および対応する特徴値の配列を含むことができる。本明細書で説明されているように、特徴は、対象に提示される複数の質問、対象の観察、または対象に割り当てられる課題を含み得る。特徴値は、尋ねられた質問に対する対象の回答または対象の応答などの、対象の特性に対応する対象からの入力データを含み得る。特徴値は、上で説明されているような記録されたフィードバック、メタデータ、およびシステムインタラクションデータも含み得る。
【0197】
ステップ214において、診断モジュールは、モデルを記憶するように構成されているローカルメモリおよび/またはリモートサーバから以前に保存された評価モデルをロードすることができる。代替的に、患者に対して評価モデルが存在していない場合、例えば1つまたは複数の初期診断指示に基づき既定のモデルがロードされ得る。
【0198】
ステップ216において、新しいデータが評価モデルに当てはめられ、更新された評価モデルを生成する。この評価モデルは、以前に未処置であった対象に対する初期診断、または以前に処置された対象に対する更新された診断を含み得る。更新された診断は、記憶、注意および共同注意、認知、行動応答、情動応答、言語使用、言語技能、特定の行動の頻度、睡眠、社会性、非言語的コミュニケーション、および発達のマイルストーンなどの、状態の1つまたは複数の態様における進行の測定を含むことができる。進行および現在の診断を決定するためのデータの分析は、語彙および発話分析に対する質問スコアリングおよび音声認識などの自動化された分析を含むことができる。分析は、ビデオ、オーディオ、およびテキストデータをレビューする分析による人間スコアリングも含むことができる。
【0199】
ステップ218において、更新された評価モデルが治療モジュールに提供され、そこで、以前に推奨された治療の結果としてどのような進行があったかを決定する。治療モジュールは、評価モデルにおける進行の程度に基づき治療にスコアを付け、より大きい進行はより高いスコアに対応し、成功する治療をもたらし、類似の治療が将来の類似の評価で対象に推奨される可能性が高くなる。したがって、利用可能な治療のセットは、対象の診断と相関するように、有効性の新しい評価を反映するように更新される。
【0200】
ステップ220において、評価モデル、もしあれば以前の治療の成功の程度、および対象および類似の評価を有する他の対象とのそれらの治療の以前の使用に基づく候補治療の集合体に割り当てられたスコアに基づき、新しい治療が推奨される。推奨された治療は、それを送達するための特定の時間の長さのインストラクションとともに、実施のために対象に送信される。例えば、治療は、1週間の間毎日患者とともに実行されるべき言語ドリルを含むものとしてよく、各ドリルは介護者または患者によって使用されるモバイルデバイス内のオーディオファイルに記録される。
【0201】
ステップ222において、新しい治療の進行は、治療の期間を延長すべきかどうかを決定するために監視される。この監視は、ステップ210に戻ることによって実行され得る、定期的再診断を含み得る。代替的に、基本的マイルストーンは、完全な再診断なしで記録されるものとしてよく、進行は、治療モジュールによって生成される予測された進行スケジュールと比較され得る。例えば、治療が最初に不成功であった場合、治療モジュールは、再診断し新しい治療を示唆するか、または医療専門家による介入を示唆する前に1回またはそれよりも多くの回数繰り返すことを示唆し得る。
【0202】
図3は、疑わしい、または確認された発話および言語発達遅滞の取り扱いを示すフロー
図300である。
【0203】
ステップ302において、初期評価は、診断モジュール132によって決定される。初期評価では、本明細書で開示されているように、発話および言語使用などの、1つまたは複数の領域における患者の実行を評価し、多数の軸に沿って発達遅滞の程度およびタイプを評価することができる。評価は、対象を複数の全体的な進行の追跡のうちの1つにさらに置くことができ、例えば、対象は、言語的にまたは非言語的に評価され得る。
【0204】
対象が、ステップ310のように、非言語的であると決定された場合、選択を行う、課題に注意を払う、または名前もしくは他の言葉に応答するなど、1つまたは複数の非言語的治療312が治療モジュール134によって推奨され得る。進行に役立ち得る有用なデバイスおよび製品のさらなる示唆もなされてよく、すべての示唆は、対象の診断および進行レポートによって指示されるように対象のニーズに合わせて修正され得る。
【0205】
推奨された治療を適用している間に、診断が予測された速度で診断が改善しているかどうかを決定するためにステップ314において進行が監視される。
【0206】
ステップ314において改善が測定された場合、システムは、対象が、ステップ316において、まだ非言語的であるかどうかを決定し、もしそうならば、システムはステップ310に戻り、新しい推奨された治療312を生成し、さらなる改善をもたらす。
【0207】
ステップ314において改善が測定されない場合、システムは、治療が所定の回数だけ繰り返されることを推奨することができる。システムは、試みてよりよい結果を得るように治療の変化を試みることも推奨し得る。そのような繰り返しおよび変化ができない場合、システムは、発達を阻害する問題をより直接的に解消するためにステップ318においてセラピスト訪問を推奨することができる。
【0208】
対象がステップ320において指示されているように言語的であると決定された後、言語的治療322が治療モジュール134によって生成され得る。例えば、言語的治療322は、言語ドリル、発声練習、および表情豊かな要求またはコミュニケーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。進行に役立ち得る有用なデバイスおよび製品のさらなる示唆もなされてよく、すべての示唆は、対象の診断および進行レポートによって指示されるように対象のニーズに合わせて修正され得る。
【0209】
非言語的追跡の場合のように、言語的治療に応答した進行は、ステップ324において継続的に監視され、診断が予測された速度で改善したかどうかを決定する。
【0210】
ステップ324において改善が測定された場合、システムはステップ326において進行に関する報告を行い、新しい推奨された治療322を生成し、さらなる改善をもたらす。
【0211】
ステップ324において改善が検出されない場合、システムは、治療が所定の回数だけ繰り返されることを推奨することができる。システムは、試みてよりよい結果を得るように治療の変化を試みることも推奨し得る。そのような繰り返しおよび変化ができない場合、システムは、発達を阻害する問題をより直接的に解消するためにステップ328においてセラピスト訪問を推奨することができる。
【0212】
非言語的および言語的治療に対するステップは、対象の継続的学習および進行を刺激するのに、また言語的技能および能力の喪失を通じての退行を防止するか、または遅らせるのに、必要な限りいつまでも繰り返されてよい。
図3に例示されている特定の治療計画は、小児発話および言語発達遅滞に向けられているが、成人患者に対する計画を含めて、発達または認知問題のある他の対象に対して類似の計画が生成され得る。例えば、神経変性状態および/または加齢に関係する認知衰退は、そのような状態に適するように選択された処置を使用して、類似の診断および治療スケジュールにより処置され得る。本明細書において開示されている方法およびシステムによって成人もしくは小児患者において処置され得るさらなる状態は、鬱病、OCD、および統合失調症などの気分障害、認知機能障害および衰退、睡眠障害、常習行為、摂食障害、および行動に関係する体重管理問題を含む。
【0213】
図4は、複数のソースからの情報を統合するように構成されている、診断モジュールおよび治療モジュールを含むデジタル個別化医療システムに対するデータ処理フローの全体図である。データは、受動的データソース(501)を含むことができ、受動的データは、粒度の細かい情報を提供するように構成されてよく、より自然な状態で長い期間にわたって取られたデータセットを含むことができる。受動的データソースは、例えば、ウェアラブルデバイスから収集されたデータ、ビデオフィード(例えば、ビデオ対応玩具、モバイルデバイスから収集されたビデオフィード)から収集されたデータ、ビデオ映像からの視線追跡データ、3軸センサまたはジャイロスコープ(例えば、患者が例えば家で、または医療現場の外の通常の状態の下で、インタラクティブにやり取りし得る玩具もしくは他のデバイスに埋め込まれているセンサ)から集められた情報に基づく対象の器用さに関する情報、対象の発話パターン、運動、接触応答時間、韻律、字句解析、顔の表情、および対象によって表現される他の特性のうちの任意の単一のものまたは組合せを測定するスマートデバイスを含み得る。受動的データは、ユーザの1つまたは複数の運動に関するデータを含むことができ、訓練されていない個人に対して容易に検出可能であるか、検出可能であり得ない微妙な情報を含むことができる。いくつかの事例において、受動的データは、より包括的であり得る情報を提供することができる。
【0214】
受動的に収集されたデータは、様々な環境から連続的に収集されたデータを含むことができる。受動的に収集されたデータは、対象のより完全なイメージを描き出し、評価の質を改善することができる。例えば、いくつかの事例において、受動的に収集されたデータは、医療現場の内側と外側の両方において収集されたデータを含むことができる。医療現場において取られた受動的に収集されたデータは、医療現場の外側から取られた受動的に収集されたデータと異なることがある。したがって、連続的に収集された受動的データは、対象の一般行動およびマンネリズムのより完全なイメージを含むことができ、したがって、医療実践者が他の方法ではアクセスできないデータまたは情報を含むことができる。例えば、医療現場で査定を受ける対象は、医療環境に対する対象の応答を表す症状、ジェスチャー、または特徴を呈示するものとしてよく、したがって、より馴染みのある状態の下での医療環境の外側における対象の行動の完全で正確なイメージを描き出せないことがある。医療環境内の評価から導出された1つまたは複数の特徴(例えば、診断モジュールによって評価された特徴)の相対的重要度は、臨床現場から導出される、または臨床現場の外で評価される1つまたは複数の特徴の相対的重要度と異なり得る。
【0215】
データは、診断テスト、診断質問、またはアンケート(505)を通じて収集された情報を含むことができる。いくつかの事例において、診断テスト(505)からのデータは、二次的な観察者(例えば、親、保護者、または分析されている対象でない個人)から収集されたデータを含むことができる。データは、能動的データソース(510)、例えば、眼球運動を追跡する、または発話パターンを測定するかもしくは分析するように構成されているデバイスから収集されたデータを含むことができる。
【0216】
図4に例示されているように、データ入力は、例えば、分類器、アルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)、または統計モデルを使用して対象がテストされた障害(例えば、自閉症スペクトラム障害)を有している可能性が高い(520)か、またはテストされた障害を有している可能性が低い(525)かの診断を行うデータ分析(515)を含むことができる診断モジュールに供給され得る。対象が障害を有している可能性が高い事例(520)において、二次的な当事者(例えば、医療実践者、親、保護者、または他の個人は、情報表示を提示され得る。情報表示は、対象によって表示される症状および平均集団によって表示される症状の共分散を示すグラフとして表示され得る障害の症状を提示することができる。特定の診断に関連付けられている特性のリストが、信頼値、相関係数、または対象の実行と平均集団または類似の疾患を有するものたちからなる集団との間の関係を表示するための他の手段で表示され得る。
【0217】
デジタル個別化医療システムが、ユーザが診断可能な状態(例えば、自閉症スペクトラム障害)を有する可能性が高いと予測した場合、治療モジュールは、行動的介入、規定された活動もしくは訓練、特定の持続時間または特定の時刻もしくは事例における医療デバイスもしくは他の治療機能による介入を含むことができる行動的処置(530)を提供することができる。対象が治療を受けるときに、データ(例えば、受動的データおよび診断質問データ)は収集され続け、それによりフォローアップ評価を実行し、例えば、治療がうまくいっているかどうかを決定することができる。収集されたデータは、データ分析(540)(例えば、機械学習、統計モデリング、分類タスク、予測アルゴリズム)を受け、所与の対象の持続可能性に関する決定を行うことができる。ベースラインに対する(例えば、年齢をマッチさせたコホートに対する)対象の進行を示すために、成長曲線表示が使用され得る。個人の実行または進行度が測定され、それにより、成長曲線上の履歴的なおよび予測された実行として提示され得る治療モジュールによって予測される行動的治療が示唆された対象に対するコンプライアンスを追跡し得る。個別の対象の実行を評価するための手順は、適切な行動的処置が識別されるまで繰り返されるか、または反復され得る(535)。
【0218】
図1~
図4を参照しつつ説明されているデジタル治療処置の方法および装置は、
図5Aから
図14を参照しつつ本明細書で説明されているより少ない質問で対象を査定するための方法および装置との組合せに特に適している。例えば、本明細書で説明されているような診断モジュール132のコンポーネントは、本明細書で説明されているような最も関連性の高い質問を含む質問の縮小セットで対象を評価するように構成され、その後、治療モジュール134で査定され、本明細書で説明されているような処置を監視するために最も関連性の高い質問を含む質問のその後のセットで対象を評価することができる。
【0219】
図5Aおよび
図5Bは、本明細書で説明されているような診断および治療のための方法を使用して診断され、処置され得るいくつかの例示的な行動、神経学的または精神衛生障害を示す。診断テストは、2つまたはそれよりも多い関係する行動、神経学的または精神衛生障害などの、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害を有することに対する対象のリスクを査定するように構成され得る。行動、神経学的または精神衛生障害は、対象の症状または特徴において少なくとも一部の重なりを有し得る。そのような行動、神経学的または精神衛生障害は、広汎性発達障害(PDD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、社会的コミュニケーション障害、制限された反復行動、関心、および活動(RRB)、自閉症(「古典的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS、「非定型自閉症」)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、発話および言語発達遅滞、強迫性障害(OCD)、知的能力障害、学習不能症、または「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM)」の任意の版で定義されている障害などの、他の関連する発達障害を含み得る。診断テストは、複数の障害の各々を有することに対する対象のリスクを決定するように構成され得る。診断テストは、対象を複数の障害のうちの第1の障害または第2の障害のより大きいリスクを有するとして決定するように構成され得る。診断テストは、対象を併存疾患を伴う第1の障害または第2の障害のリスクを有するとして決定するように構成され得る。診断テストは、対象が正常な発達を有するか、または手順がスクリーニングを行うように構成されている障害のどれかを有することの低いリスクを有すると予測するように構成され得る。診断テストは、障害に対する異なる重症度評価を区別する高い感度および特異度を有するようにさらに構成されるものとしてよく、例えば、手順は、DSMの第5版(DSM-V)で定義されているようにレベル1 ASD、レベル2 ASD、またはレベル3 ASDを有することに対する対象のリスクを予測するように構成され得る。
【0220】
多くの行動、神経学的または精神衛生障害は、類似のまたは重なる症状を有することがあり、そのため、対象の発達障害の評価を複雑にし得る。本明細書で説明されている診断テストは、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害に関連し得る対象の複数の特徴を査定するように構成され得る。手順は、対象の特徴と1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害の臨床診断との間の統計的関係を学習するように臨床的に検証されたデータの大きなセットを使用して訓練されている評価モデルを含むことができる。したがって、対象が診断テストに参加するときに、各査定された特徴に対する対象の特徴値(例えば、質問に対する対象の回答)は、評価モデルと突き合わせて問い合わせが行われ、それにより、対象の特徴値と1つまたは複数のスクリーニングされた行動、神経学的または精神衛生障害との、もしあれば統計的相関関係を識別することができる。対象によって提供される特徴値と、それらの値と評価モデルによって決定されるような1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害に対する予測されたリスクとの間の関係とに基づき、診断テストは、対象における査定されるべき次の特徴の選択を動的に調整することができる。査定されるべき次の特徴の選択は、対象をスクリーニングされている複数の障害のうちの特定の障害に対するリスクを有するものとして決定することに基づき、次の最も予測的な特徴の識別を含み得る。例えば、対象が診断テストの最初の5個の質問に回答した後、評価モデルが、対象の自閉症のリスクが低いこと、およびADHDのリスクが比較的高いことを予測した場合、診断テストは、対象の次に査定されるべきADHDとのより高い関連度を有する特徴を選択し得る(例えば、回答がADHDの臨床診断との比較的高い相関関係を有する質問が対象に次に提示され得る)。したがって、本明細書で説明されている診断テストは、特定の対象のリスクプロファイルに動的に合わせて修正され、高い粒度レベルを有する対象の障害の査定を可能にし得る。
【0221】
図6は、複数の行動、神経学的または精神衛生障害もしくは状態のうちの1つまたは複数を含み得る、本明細書で説明されているような認知機能について対象をスクリーニングするための評価手順を提供するための例示的なデータ処理モジュール600の概略図である。評価手順は、認知機能に関係する対象の複数の特徴もしくは特性を査定することができ、各特徴は、対象が、例えば、手順によってスクリーニング可能な複数の行動、神経学的または精神衛生障害のうちの少なくとも1つを有する確率に関係し得る。評価手順は、コンピューティングデバイスによって提供されるユーザインターフェースにより対象または対象の介護者に対して実施され得る。いくつかの例において、評価手順は対象に実施するのに、60分未満、45分、30分、20分、10分またはそれ未満を要し得る。いくつかの例において、データ処理モジュール600は、本明細書で説明されているような診断モジュールの少なくとも一部であってよい。データ処理モジュール600は、一般的に、前処理モジュール605と、訓練モジュール610と、予測モジュール620とを含む。データ処理モジュールは、データベースから訓練データ650を抽出するか、またはユーザインターフェース630により新しいデータ655を取り込むことができる。処理モジュールは、1つまたは複数の変換を適用して、訓練モジュールまたは予測モジュールに対して訓練データもしくは新しいデータを標準化することができる。処理済み訓練データは訓練モジュールに受け渡され、訓練データに基づき評価モデル660を構築することができる。訓練モジュールは、任意の適切な検証アルゴリズム(例えば、層化K分割交差検証)を使用して訓練済み評価モデルを検証するように構成されている、検証モジュール615をさらに含み得る。前処理された新しいデータは、訓練モジュールで構築された評価モデルに新しいデータを当てはめることによって対象の発達障害の予測670を出力し得る、予測モジュールに受け渡され得る。予測モジュールは、対象に対する以前に提供された特徴値に基づき、対象において査定されるべき次の特徴を選択するか、または推奨するように構成されている特徴推奨モジュール625をさらに含み得る。
【0222】
評価モデルを構築するために訓練モジュールによって使用される、訓練データ650は、複数の対象からの複数のデータセットを含むことができ、各対象のデータセットは特徴および対応する特徴値の配列と、対象の発達障害または状態の分類を含む。本明細書で説明されているように、特徴は、対象に尋ねられる質問、対象の観察、または対象との構造化されたインタラクションのうちの1つまたは複数を介して対象において査定されてよい。特徴値は、例えば、質問への回答、ビデオ画像に基づく特徴付けなどの対象の観察、または対象の、構造化されたインタラクションへの応答のうちの1つまたは複数を含み得る。各特徴は、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害もしくは状態の識別に関連するものとしてよく、各対応する特徴値は、特定の対象における特徴の存在の程度を指示し得る。例えば、特徴は、対象が想像またはごっこ遊びに関わることができることであってよく、特定の対象に対する特徴値は、0、1、2、3、または8のいずれかのスコアであってよく、各スコアは、対象における特徴の存在の程度(例えば、0=様々なごっこ遊び、1=何らかのごっこ遊び、2=ときおりふりをするまたは非常に繰り返しの多いごっこ遊び、3=ごっこ遊びなし、8=該当なし)に対応する。特徴は、患者などの対象または介護者に提示される質問を用いて対象において査定されてよく、質問への回答は、特徴値を含む。代替的に、または組み合わせて、特徴は、例えば特定の行動に関わっている対象のビデオで、対象において観察されるものとしてよく、特徴値は、観察を通じて識別され得る。特徴および対応する特徴値の配列に加えて、訓練データ中の各対象のデータセットも、対象の分類を含む。例えば、分類は、自閉症、自閉症スペクトラム障害(ASD)、または非スペクトラムであってよい。好ましくは、分類は、生成された評価モデルの予測精度を改善するために、免許を受けた臨床心理学者などの有資格者によって割り当てられる、臨床診断を含む。訓練データは、自閉症診断面接改訂版(ADI-R)データおよび/または自閉症遺伝リソース交換(AGRE)から利用可能な自閉症診断観察検査(ADOS)データなどの大規模データリポジトリから利用可能なデータセット、またはデータの他の任意の好適なリポジトリ(例えば、Boston Autism Consortium (AC)、Simons Foundation、National Database for Autism Researchなど)から利用可能なデータセットを含み得る。代替的に、または組み合わせて、訓練データは、ユーザから(例えば、ウェブサイト、モバイルアプリケーションなどを介して)クラウドソーシングされ得る、大型自己報告データセットを含み得る。
【0223】
前処理モジュール605は、例えば、1つまたは複数の変換を抽出された訓練データに適用して、データをクリーニングし正規化するように構成され得る。前処理モジュールは、スプリアスメタデータを含むか、またはごく少数の観察を含む特徴を破棄するように構成され得る。前処理モジュールは、特徴値の符号化を標準化するようにさらに構成され得る。異なるデータセットは、データセットのソースに応じて、異なる仕方で符号化された同じ特徴値を有することが多い。例えば、「900」、「900.0」、「904」、「904.0」、「-1」、「-1.0」、「None」、「NaN」は、すべて、「欠損」特徴値に対して符号化し得る。前処理モジュールは、同じ特徴値について符号化変形体を認識し、所与の特徴値に対する一様な符号化を有するようにデータセットを標準化するように構成され得る。前処理モジュールは、したがって、訓練および予測モジュールに対する入力データ中の不規則値を低減し、それによって、訓練および予測モジュールのロバスト性を改善することができる。
【0224】
データを標準化することに加えて、前処理モジュールは、いくつかの特徴値を異なるデータ表現に再符号化するようにも構成され得る。いくつかの事例において、データセット内の特徴値の元のデータ表現は、評価モデルの構築にとって理想的とは言えない。例えば、対応する特徴値が1から9までの整数として符号化されるカテゴリ特徴について、各整数値は、他の値と無関係である異なる意味内容を有し得る。例えば、「1」の値および「9」の値は両方とも、特定の分類と高い相関関係にあり得るが、「5」の値はそうではない。特徴値が整数それ自体として符号化される、特徴値の元のデータ表現は、各値の固有の意味内容を取り込むことができないことがあるが、それは値が線形モデルで表されているからである(例えば、「5」の回答であれば、特徴が孤立していると考えられるときに対象を「1」と「9」との間にまともに置くが、そのような解釈は、前述の場合には正しくなく、「1」および「9」は所与の分類と高い相関関係にあるが、「5」はそうではない)。各特徴値の意味内容が評価モデルの構築において取り込まれることを確実にするために、前処理モジュールは、例えば、「ワンホット」方式で、カテゴリ特徴に対応する特徴値などの、いくつかの特徴値を再符号化するインストラクションを含み得る。「ワンホット」表現において、特徴値は、0または1の値を有するビットの配列として表現されるものとしてよく、ビットの個数は特徴に対する可能な値の個数に対応する。対象に対する特徴値のみが、「1」として表現され、他のすべての値は「0」として表現され得る。例えば、対象が可能な回答が1から9の整数を含む質問に「4」を回答した場合、元のデータ表現は、[4]であってよく、ワンホット表現は、[0 0 0 1 0 0 0 0
0]となり得る。特徴値のそのようなワンホット表現は、そのような表現が必要になる場合において、他の可能な値と無関係にすべての値が考慮されることを可能にし得る。したがって各特徴に対して最も適したデータ表現を使用して訓練データを再符号化することによって、前処理モジュールは、訓練データを使用して構築された評価モデルの精度を改善することができる。
【0225】
前処理モジュールは、任意の欠損データ値に帰属するようにさらに構成されてよく、それにより、下流のモジュールは、データを正しく処理することができる。例えば、訓練モジュールに提供された訓練データセットが、質問のうちの1つに対する回答を欠損したデータを含む場合、前処理モジュールは欠損値を提供することができ、それにより、データセットは訓練モジュールによって正しく処理され得る。同様に、予測モジュールに提供された新しいデータセットが、1つまたは複数の特徴値を欠損している(例えば、問い合わせされているデータセットが尋ねられるべき一連の質問における第1の質問への回答のみを含む)場合、処理モジュールは欠損値を提供し、予測モジュールによるデータセットの正しい処理を可能にし得る。カテゴリ特徴値を有する特徴(例えば、対象における特定の行動の表示の範囲)について、欠損値は、そのようなものとして特に指定された適切なデータ表現として提供され得る。例えば、カテゴリ特徴が、本明細書で説明されているようにワンホット表現で符号化される場合、前処理モジュールは、欠損カテゴリ特徴値を「0」ビットの配列として符号化し得る。連続的特徴値(例えば、対象の年齢)を有する特徴について、可能な値のすべての平均値が、欠損値(例えば、4歳)の代わりに用意され得る。
【0226】
訓練モジュール610は、例えば、診断テストにおいて使用されるべき評価モデルを構築し、訓練するために機械学習アルゴリズムまたは他のアルゴリズムを利用することができる。評価モデルは、訓練データに基づき、所与の特徴値と診断テストによってスクリーニングされるべき特定の発達障害との間のもしあれば統計的関係を取り込むように構築され得る。評価モデルは、例えば、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害の複数の臨床的特性と臨床的診断との間の統計的相関関係を含み得る。所与の特徴値は、診断テストで査定されるべき複数の行動、神経学的または精神衛生障害の各々を分類するための異なる予測的有用性を有するものとしてよい。例えば、対象が想像またはごっこ遊びに関わることができることを含む特徴の前述の例において、「3」または「様々なごっこ遊びがない」の特徴値は、自閉症を分類するために高い予測的有用性を有し得るが、同じ特徴値は、ADHDを分類するために低い予測的有用性を有し得る。したがって、各特徴値について、診断テストでスクリーニングされるべき複数の行動、神経学的または精神衛生障害の各々を予測するための特定の特徴値の確率を記述する確率分布が抽出され得る。機械学習アルゴリズムは、訓練データからこれらの統計的関係を抽出し、1つまたは複数の特徴値を含むデータセットがモデルに当てはめられるときに発達障害の正確な予測を行うことができる評価モデルを構築するために使用され得る。
【0227】
1つまたは複数の機械学習アルゴリズムは、両方とも特徴の間のインタラクションを推測する利点を有し得る、ステップ毎の後ろ向き特徴選択および/またはグラフィカルモデルをデプロイするサポートベクターマシンなどの評価モデルを構築するために使用され得る。例えば、交互決定木(ADTree)、決定株、関数木(FT)、ロジスティックモデル木(LMT)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、線形分類器、または当技術分野で公知の任意の機械学習アルゴリズムもしくは統計的アルゴリズムなどの機械学習アルゴリズムまたは他の統計的アルゴリズが使用され得る。アンサンブル法を生成するために、1つまたは複数のアルゴリズムが一緒に使用されてよく、アンサンブル方法は、バイアスおよび/または分散を低減するためにブースティング(AdaBoost、LPBoost、TotalBoost、BrownBoost、MadaBoost、LogitBoostなど)などの機械学習アンサンブルメタアルゴリズムを使用して最適化され得る。評価モデルが訓練データから導出された後、モデルは、1つまたは複数の行動、神経、もしくは精神衛生障害を有することについて対象のリスクを評価するための予測ツールとして使用され得る。例えば、R、Weka、Python、および/またはMatlabなどの、当技術分野で公知の多くのプログラミング言語およびプラットフォームのうちの1つまたは複数を使用して機械学習分析が実行され得る。
【0228】
一般的に、出力予測が個別の木の予測された分類のモードである複数の決定木を含む、ランダムフォレスト分類器は、訓練データへの過剰当てはめを低減する際に役立ち得る。決定木のアンサンブルは、各分割または決定ノードにおいて特徴のランダムサブセットを使用して構築され得る。ジニ基準は、最良のパーティションを選択するために使用されてよく、最低の計算されたジニ不純度指数を有する決定ノードが選択される。予測時間に、決定木のすべてにわたって「票決」を行うことができ、過半数票(または予測された分類のモード)は、予測された分類として出力され得る。
【0229】
図7は、ランダムフォレスト分類器に基づく例示的な評価モデル660の一部分を示す概略図である。評価モジュールは、決定木765aおよび765bなどの、複数の個別の決定木765を含むことができ、その各々は訓練データにおいて特徴のランダムサブセットを独立して使用して生成され得る。各決定木は、
図7に示されている決定ノード766および767などの1つまたは複数の決定ノードを含むものとしてよく、各決定ノードは、述語条件を指定する。例えば、決定ノード766は、個人の所与のデータセットについて、ADI-R質問#86(異常が最初に明白になったときの年齢)への回答が4またはそれ未満であるという条件を叙述する。決定ノード767は、所与のデータセットについて、ADI-R質問#52(示すことと方向注意)への回答が8またはそれ未満であるという条件を叙述する。各決定ノードにおいて、決定木は、決定ノードに付けられている述語条件が真であるかどうかに基づき分割され、それにより予測ノード(例えば、766a、766b、767a、767b)に至るものとしてよい。各予測ノードは、評価モデルによって査定される分類または条件のうちの1つまたは複数に対する「票」を表す出力値(
図7における「値」)を含むことができる。例えば、
図7に示されている予測ノードにおいて、出力値は、自閉症を有する、または非スペクトラムであると分類されている個人に対する票を含む。予測ノードは、下流の1つまたは複数の追加の決定ノード(
図7に図示せず)に至ることができ、各決定ノードは対応する出力値を有する対応する予測ノードに関連付けられている決定木における追加の分割をもたらす。ジニ不純度は、各決定木内でどの分割が構築され得るかに基づき情報を与える特徴を見つけるための基準として使用され得る。
【0230】
評価モデルにおいて問い合わせられているデータセットが「葉」、またはさらなる下流の分割のない最終的な予測ノードに到達するときに、葉の出力値は、特定の決定木に対する票として出力され得る。ランダムフォレストモデルは、複数の決定木を含んでいるので、フォレスト内のすべての木にわたる最終票の合計が求められ、最終票と、対象の対応する分類とをもたらし得る。
図7には2つの決定木しか示されていないが、モデルは、任意の数の決定木を含み得る。各個別の決定木の分散を小さくすることによって、訓練データへの評価モデルの過剰当てはめを低減するのに多数の決定木が役立ち得る。例えば、評価モデルは、少なくとも約10個の決定木、例えば、少なくとも約100個またはそれよりも多い個別の決定木を含み得る。
【0231】
本明細書で説明されているような評価モデルの導出にも、線形分類器のアンサンブルが適しているものとしてよい。各線形分類器は、「切片項」なしで、確率的勾配降下法により個別に訓練され得る。切片項がないことで、分類器が欠損特徴値から有意性を導出することを妨げ得る。例えば、前記質問に対応する特徴値が対象のデータセット内の「0」ビットの配列として表されるように対象が質問に回答しなかった場合、切片項なしで訓練された線形分類器は、有意性を「0」ビットの配列に帰すことをしない。それによりその結果得られる評価モデルは、対象によって回答された特徴または質問の選択とモデルによって決定されるような対象の最終的分類との間の相関関係を確立することを回避し得る。そのようなアルゴリズムは、特徴または質問ではなく、対象が提供する特徴値または回答のみが対象の最終的分類に分けられることを確実にするのに役立ち得る。
【0232】
訓練モジュールは、特徴選択を含み得る。1つまたは複数の特徴選択アルゴリズム(サポートベクターマシン、畳み込みニューラルネットなど)は、いくつかの行動、神経学的または精神衛生障害を患っている、または患っていない個人を区別することができる特徴を選択するために使用され得る。特徴の異なるセットは、異なる障害の識別に対して関連性があるとして選択され得る。ステップ毎の後ろ向きアルゴリズムが他のアルゴリズムとともに使用され得る。特徴選択手順は、最適な数の特徴の決定を含み得る。
【0233】
訓練モジュールは、導出された評価モデルの成績を査定するように構成され得る。例えば、データを分類する際のモデルの精度、感度、および特異度が査定され得る。この査定は、好適な機械学習アルゴリズムまたはそのパラメータを選択する際のガイドラインとして使用できる。訓練モジュールは、したがって、導出された評価モデルを更新し、および/または精緻化して、感度(真陽性率)に対して特異度(真陰性率)を最大化することができる。そのような最大化は、クラス不均衡またはサンプルバイアスが訓練データ中に存在するときに特に役立ち得る。
【0234】
少なくともいくつかの事例において、利用可能な訓練データは、特定の発達障害を患っていると診断された個人に向けて偏りを生じ得る。そのような事例において、訓練データは、そのサンプルバイアスを反映する評価モデルを形成し、それにより、モデルは、そうでないと強く主張されない限り、対象が特定の発達障害に対するリスクを有していると仮定する。そのような特定のサンプルバイアスを組み込んだ評価モデルは、新しい、または未分類のデータの予測を生成する際に理想的とは言えない成績を有し得るが、それは新しいデータが、訓練データ中に存在しているものと類似のサンプルバイアスを含み得ない対象集団から引き出され得るからである。偏りのある訓練データを使用して評価モデルを構築する際にサンプルバイアスを低減するために、評価モデルを訓練する際にサンプル加重が施され得る。サンプル加重は、モデル訓練プロセスにおいてサンプルの特定のセットに比較的大きい有意水準を付けることを含むことができる。例えば、モデル訓練において、訓練データが、自閉症を患っていると診断された個人へ偏っている場合、より高い有意性は、自閉症を患っていると診断されていない個人からのデータに起因し得る(例えば、自閉症を患っていると診断された個人からのデータよりも最大50倍高い有意性)。そのようなサンプル加重技術は、訓練データ中に存在するサンプルバイアスを実質的に均衡させ、それによって、現実世界でデータを分類する際にバイアスが低減され、精度が改善される評価モデルを形成することができる。訓練データサンプルバイアスが評価モデルの生成に入り込むことをさらに低減するために、訓練プロセスにおいてブースティング技術が実装されてよい。ブースティングは反復プロセスを含み、訓練の1回の反復後に、各サンプルデータ点の加重が更新される。例えば、反復の後に誤分類されたサンプルは、より高い有意性で更新され得る。次いで、訓練プロセスは、訓練データに対する更新された加重で繰り返され得る。
【0235】
訓練モジュールは、訓練データを使用して構築された評価モデルを検証するように構成されている検証モジュール615をさらに含み得る。例えば、検証モジュールは、層化K分割交差検証を実装するように構成されてよく、kは、交差検証のために訓練データが分割されるパーティションの数を表す。例えば、kは、訓練データに評価モデルは過剰当てはめするリスクに応じて、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10、または場合によってはそれよりも高い値など、1より大きい整数であってよい。
【0236】
訓練モジュールは、訓練済み評価モデルをローカルメモリおよび/またはリモートサーバに保存し、モデルは、訓練モジュールによる修正のため、または予測モジュール620による予測の生成のために取り出され得る。
【0237】
図8は、本明細書で説明されているような予測モジュール620の方法の例示的な動作フロー800である。予測モジュール620は、新しいデータを訓練モジュールにおいて構築された評価モデルに当てはめることによって、所与の対象の予測された分類(例えば、発達障害)を生成するように構成され得る。ステップ805において、予測モジュールは、データを標準化するために前処理モジュールによって、例えば、本明細書で説明されているように、スプリアスメタデータを削除すること、特徴値の一様な符号化を適用すること、異なるデータ表現を使用して選択特徴を再符号化すること、および/または欠損データ点を代入することによって、処理されている可能性のある新しいデータを受信することができる。新しいデータは、特定の対象に対する特徴および対応する特徴値の配列を含むことができる。本明細書において説明されているように、特徴は、対象に提示される複数の質問、対象の観察、または対象に割り当てられる課題を含み得る。特徴値は、尋ねられた質問に対する対象の回答または対象の応答などの、対象の特性に対応する対象からの入力データを含み得る。予測モジュールに提供される新しいデータは、データに関連付けられている公知の分類または診断を有することも有しないこともあり、どちらにしても、予測モジュールは、対象に対する予測された分類を生成する際に事前に割り当てられた分類情報を使用し得ない。新しいデータは、複数の行動、神経学的または精神衛生障害のうちの1つまたは複数を有するリスクについて診断されるか、または評価されるべき対象に対する以前に収集された完全なデータセットを含み得る。代替的に、または組み合わせて、新しいデータは、例えば本明細書でさらに詳しく説明されているようなユーザインターフェースにより、対象または対象の介護者からリアルタイムで収集されたデータを含むものとしてよく、それにより、対象によって提供される各新しい特徴値が評価モデルと突き合わせて順次問い合わされるとともに完全なデータセットがリアルタイムでデータを書き込まれ得る。
【0238】
ステップ810において、予測モジュールは、モデルを記憶するように構成されているローカルメモリおよび/またはリモートサーバから、訓練モジュールによって構築された、以前に保存された評価モデルをロードすることができる。ステップ815において、新しいデータが評価モデルに当てはめられ、対象の予測された分類を生成する。ステップ820において、モジュールは、データの当てはめで、閾値を超える信頼区間内、例えば、90%またはそれよりも高い信頼区間内、例えば、95%またはそれよりも高い信頼区間内で1つまたは複数の特定の障害(例えば、自閉症、ADHDなど)の予測を生成することができるかどうかをチェックすることができる。もしそうならば、ステップ825において示されているように、予測モジュールは、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害を対象の診断として、または対象がリスクを有している障害として出力することができる。予測モジュールは、対象が任意選択でリスク順に複数の障害を提示する設定された閾値を超えるリスクを有すると決定される複数の行動、神経学的または精神衛生障害を出力し得る。予測モジュールは、対象が最大のリスクを有すると決定された1つの発達障害を出力し得る。予測モジュールは、対象に併存疾患のリスクがあると決定された2つまたはそれよりも多くの発達障害を出力し得る。予測モジュールは、評価モデルにおいて1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害の各々に対する決定されたリスクを出力し得る。予測モジュールがデータを指定された閾値での、または指定された閾値を超える信頼区間内で特定の発達障害に当てはめることができない場合、予測モジュールは、ステップ830において、問い合わせできる追加の特徴があるかどうかを決定し得る。新しいデータが以前に収集された完全なデータセットを含み、対象が任意の追加の特徴値について問い合わせされ得ない場合、ステップ840において示されているように、「診断なし」が予測された分類として出力され得る。新しいデータが予測プロセスにおいて対象または介護者からリアルタイムで収集されたデータを含み、それによりデータセットが予測モジュールに提供される各新しい入力データ値で更新され、各更新されたデータセットが評価モデルに当てはめられる場合、予測モジュールは、対象に追加の特徴値を問い合わせることができるものとしてよい。予測モジュールが評価モジュールに含まれるすべての特徴に対するデータをすでに取得している場合、予測モジュールは、ステップ840において示されているように、「診断なし」を対象の予測された分類として出力し得る。ステップ835において示されているように、対象にまだ提示されていない特徴がある場合、予測モジュールは、例えば追加の質問を対象に提示することによって対象から追加の入力データ値を取得し得る。次いで、追加の入力データを含む更新されたデータセットは、評価モデルに再び当てはめられ(ステップ815)、ループは、予測モジュールが出力を生成することができるまで継続し得る。
【0239】
図9は、非限定的な例を用いて本明細書で説明されているような特徴推奨モジュール625の例示的な動作フロー900である。予測モジュールは、対象に対する以前に提供された特徴値に基づき、対象において査定されるべき次の最も予測的なまたは関連性の高い特徴を識別するか、選択するか、または推奨するように構成されている特徴推奨モジュール625を含み得る。例えば、特徴推奨モジュールは、質問推奨モジュールであってよく、モジュールは、以前に提示された質問への回答に基づき、対象または介護者に提示されるべき最も予測的な次の質問を選択することができる。特徴推奨モジュールは、特定の対象の発達障害を分類するうえで最高の予測的有用性を有する1つまたは複数の次の質問もしくは特徴を推奨するように構成され得る。したがって、特徴推奨モジュールは、対象に合わせて評価手順を動的に修正し、予測モジュールが評価の長さが短縮され、感度および精度が改善された予測を生成することを可能にするのに役立ち得る。さらに、特徴推奨モジュールは、対象によって以前に提供された特徴値に基づき、特定の対象が患っている可能性が最も高い1つまたは複数の特定の行動、神経学的または精神衛生障害を予測するうえで最も関連性が高い対象に提示されるべき特徴を選択することによって、予測モジュールによって生成された最終的予測の特異性を改善するのに役立ち得る。
【0240】
ステップ905において、特徴推奨モジュールは、入力として、評価手順で対象からすでに取得されているデータを受信することができる。入力された対象データは、対象によって提供された特徴および対応する特徴値の配列を含むことができる。ステップ910において、特徴推奨モジュールは、対象、介護者、または医師のうちの1人または複数に提示されるべき次の特徴として推奨するための「候補特徴」として考えられるべき1つまたは複数の特徴を選択することができる。すでに提示されている特徴は、考えられるべき候補特徴の群から除外され得る。任意選択で、特定の基準を満たす追加の特徴も、本明細書でさらに詳しく説明されているように、候補特徴の群から除外され得る。
【0241】
ステップ915において、特徴推奨モジュールは、各候補特徴の「予想特徴重要度」を査定することができる。候補特徴は、その「予想特徴重要度」、または特定の対象に対する特定の発達障害を予測する際の各候補特徴の推定される有用性について査定され得る。特徴推奨モジュールは、(1)特定の発達障害を予測する際の特定の特徴値の重要度または関連度、および(2)対象が特定の特徴値を提供し得る確率に基づくアルゴリズムを利用するものとしてよい。例えば、ADOS質問B5に対する「3」の回答が、自閉症の分類と高い相関関係にある場合、この回答は、自閉症を予測するために高い有用性を有する特徴値と考えられ得る。目下の対象も前記質問B5に「3」と回答する高い確率を有する場合、特徴推奨モジュールは、この質問が高い予想特徴重要度を有すると決定し得る。特徴の予想特徴重要度を決定するために使用され得るアルゴリズムは、例えば、
図10を参照してさらに詳しく説明される。
【0242】
ステップ920において、特徴推奨モジュールは、ステップ915において決定されるような特徴の予想特徴重要度に基づき、対象に対して次に提示されるべき1つまたは複数の候補特徴を選択することができる。例えば、各候補特徴の予想特徴重要度は、スコアまたは実数として表されてよく、これは次いで他の候補特徴と比較してランク付けされ得る。所望のランク、例えば、上位10、上位5、上位3、上位2、または最高ランクを有する候補特徴は、対象に対して次に提示されるものに対する特徴として選択され得る。
【0243】
図10は、本明細書で説明されている特徴推奨モジュール625によって実行されるような予想特徴重要度決定アルゴリズム627を決定する方法の例示的な動作フロー1000である。
【0244】
ステップ1005において、このアルゴリズムは、特定の発達障害を予測する際の特定の特徴値の重要度または関連度を決定することができる。特定の発達障害を予測する際の特定の特徴値の重要度または関連度は、訓練データを使用して構築された評価モデルから導出され得る。そのような「特徴値重要度」は、所与の特徴値の役割が、存在しているにせよ存在していないにせよ、対象の最終的分類を決定する際にどのように関連しているかの尺度として概念化され得る。例えば、評価モデルがランダムフォレスト分類器を含む場合、特定の特徴値の重要度は、その特徴がランダムフォレスト分類器の枝内のどこに位置するかに応じて変わり得る。一般的に、決定木内の特徴の平均的位置が比較的高い場合、特徴は、比較的高い特徴重要度を有し得る。特徴値の重要度は、特定の評価モデルが与えられた場合に、特徴推奨モジュールまたは訓練モジュールのいずれかによって効率よく計算されるものとしてよく、訓練モジュールは、計算された統計量を特徴推奨モジュールに受け渡し得る。代替的に、特定の特徴値の重要度は、前記特徴値が対象によって提供された場合に結果として生じる実際の予測信頼度に応じて変わり得る。所与の候補特徴に対する各可能な特徴値について、特徴推奨モジュールは、対象の以前に提供された特徴値および現在仮定されている特徴値に基づき、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害を予測するための実際の予測信頼度を計算するように構成され得る。
【0245】
各特徴値は、評価手順がスクリーニングするように設計されている各発達障害に対して異なる重要度を有するものとしてよい。したがって、各特徴値の重要度は、特徴値が査定される複数の行動、神経学的または精神衛生障害の各々について正確な予測を生み出す確率を記述する確率分布として表され得る。
【0246】
ステップ1010において、特徴推奨モジュールは、対象が各特徴値を提供する確率を決定することができる。対象が特定の特徴値を提供し得る確率は、適切な統計モデルを使用して計算され得る。例えば、次のような式の値を求めるために、大きな確率的グラフィカルモデルが使用され得る。
prob(E=1|A=1,B=2,C=1)
ここで、A、B、およびCは、予測モジュールにおける異なる特徴または質問を表し、整数1および2は、特徴に対する異なる可能な特徴値(または質問に対する可能な回答)を表す。次いで、対象が特定の特徴値を提供する確率は、次のような式で、ベイズの規則を使用して計算され得る。
prob(E=1|A=1,B=2,C=1)=prob(E=1,A=1,B=2,C=1)/prob(A=1,B=2,C=1)
そのような式は、計算時間および必要な処理リソースの両方に関して計算コストが高くなることがある。代替的に、またはベイズの規則を明示的に使用して確率を計算することと組み合わせて、ロジスティック回帰または他の統計的推定量が使用されてよく、確率は、機械学習アルゴリズムから導出されるパラメータを使用して推定される。例えば、次の式は、対象が特定の特徴値を提供し得る確率を推定するために使用され得る。
prob(E=1|A=1,B=2,C=1)≒sigmoid(a1*A+a2*B+a3*C+a4)
a1、a2、a3、およびa4は、この式を最大限正しくしようと試みる最適化アルゴリズムを使用して学習される、訓練された評価モデルから決定された定数係数であり、sigmoidは、この式が確率に変えられることを可能にする非線形関数である。そのようなアルゴリズムは素早く訓練することができ、その結果得られる式は、例えば、評価手順の実施時に、アプリケーションで素早く計算され得る。4つの係数が参照されているけれども、当業者であれば理解するように係数は役立つ数だけ使用され得る。
【0247】
ステップ1015において、各特徴値の予想重要度は、ステップ1005および1010において計算された測定基準の組合せに基づき決定され得る。これら2つの係数に基づき、特徴推奨モジュールは、特定の発達障害を予測する際に特定の特徴値の予想される有用性を決定することができる。本明細書では乗算を介して予想重要度の決定が参照されるけれども、予想重要度は、例えば、ルックアップテーブル、論理、または除算を用いるなど、多くの仕方で係数およびパラメータを組み合わせることによって決定され得る。
【0248】
ステップ1020において、ステップ1005~1015は、各候補特徴について可能なすべての特徴に対して繰り返され得る。例えば、特定の質問が4つの可能な回答を有している場合、4つの可能な回答の各々の予想重要度が決定される。
【0249】
ステップ1025において、各候補特徴の全予想重要度、または予想特徴重要度が決定され得る。各特徴の予想特徴重要度は、ステップ1020において決定されるように、特徴に対する可能なすべての特徴値の特徴値重要度を総和することによって決定され得る。こうして所与の特徴に対する可能なすべての特徴値にわたって予想される有用度を総和することによって、特徴推奨モジュールは、前の回答に応答して特定の発達障害を予測するための特徴の全予想特徴重要度を決定することができる。
【0250】
ステップ1030において、ステップ1005~1025は、特徴推奨モジュールによって考慮されているすべての候補特徴について繰り返され得る。候補特徴は、質問などの可能な特徴のサブセットを含み得る。したがって、すべての候補特徴に対する予想特徴重要度スコアが生成され得、候補特徴は、最高予想特徴重要度から最低予想特徴重要度の順にランク付けされ得る。
【0251】
任意選択で、ステップ1005および1010において決定された2つの要素に加えて、各特徴値の重要度を決定する際に第3の要素も考慮され得る。対象の以前に提供された特徴値に基づき、対象が複数の行動、神経学的または精神衛生障害のうちの1つまたは複数を有する確率が決定され得る。そのような確率は、評価モデルに記憶されている確率分布に基づき決定されるものとしてよく、これは対象によって提供された特徴値に基づき対象が複数のスクリーニングされた行動、神経学的または精神衛生障害の各々を有する確率を指示する。対象に提示されるべき次の特徴を選択する際に、アルゴリズムは目下の対象が有する可能性が最も高い1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害を予測することに最も重要なまたは最も高い関連性を有する特徴値に大きい重みを付けるように構成され得る。例えば、対象の以前に提供された特徴値が、対象が知的能力障害もしくは発話および言語発達遅滞のいずれかを有する確率が査定される他の行動、神経学的または精神衛生障害のどれかを有する確率よりも高いことを指示している場合、特徴推奨モジュールは、評価がスクリーニングするように設計されている自閉症、ADHD、または他の発達障害を予測するための高い重要度を有する特徴ではなく知的能力障害または発話および言語発達遅滞のいずれかを予測するための高い重要度を有する特徴値を優先し得る。したがって、特徴推奨モジュールは、予測モジュールが目下の対象に合わせて予測プロセスを修正することを可能にすることができ、対象の潜在的発達障害との関連性を有し、より高い粒度および信頼度を有する最終的分類をもたらすより多くの特徴を提示する。
【0252】
上記のステップは、予想特徴重要度決定アルゴリズム627の例示的な動作フロー1000を示しているけれども、当業者であれば本明細書で説明されている教示に基づき多くの変更形態を理解するであろう。これらのステップは、異なる順序で完了させてよい。ステップは、加えられるか、または削除されてもよい。これらのステップのうちのいくつかは、他のステップのサブステップを含み得る。これらのステップの多くは、ユーザが望む回数だけ繰り返され得る。
【0253】
次に、特徴推奨モジュールの例示的な実装形態が説明される。対象Xは、評価手順において質問(特徴)A、B、およびCへの回答(特徴値)を提供している。
対象X={‘A’:1,‘B’:2,‘C’:1}
特徴推奨モジュールは、最終的分類または診断に到達できる予測的信頼度を最大まで高めるために質問Dまたは質問Eが次に提示されるべきかどうかを決定することができる。対象Xの前の質問が与えられた場合、特徴推奨モジュールは、次のように、対象Xが質問DおよびEの各々に各可能な回答を提供する確率を決定する。
prob(E=1|A=1,B=2,C=1)=0.1
prob(E=2|A=1,B=2,C=1)=0.9
prob(D=1|A=1,B=2,C=1)=0.7
prob(D=2|A=1,B=2,C=1)=0.3
質問DおよびEの各々への各可能な回答の特徴重要度は、説明されているように評価モデルに基づき計算され得る。代替的に、質問DおよびEの各々への各可能な回答の特徴重要度は、対象が特定の回答を出したとした場合に結果として生じるであろう実際の予測信頼度として計算され得る。各回答の重要度は、適切な数値尺度の値の範囲を使用して表され得る。例えば、以下のとおりである。
重要度(E=1)=1
重要度(E=2)=3
重要度(D=1)=2
重要度(D=2)=4
計算された確率および特徴値重要度に基づき、特徴推奨モジュールは、次のように各質問の予想特徴重要度を計算することができる。予想[重要度(E)]=(prob(E=1|A=1,B=2,C=1)*重要度(E=1)
+(prob(E=2|A=1,B=2,C=1)*重要度(E=2)
= 0.1*1 + 0.9*3
= 2.8
予想[重要度(D)]=(prob(D=1|A=1,B=2,C=1)*重要度(D=1)
+(prob(D=2|A=1,B=2,C=1)*重要度(D=2)
=0.7*2+0.3*4
=2.6
したがって、質問Eへの回答からの予想特徴重要度(関連度とも称される)は、質問Dが一般的にその回答に対してより高い特徴重要度を有しているとしても、質問Dの特徴重要度よりも高いと決定される。したがって、特徴推奨モジュールは、対象Xに提示されるべき次の質問として質問Eを選択することができる。
【0254】
対象に提示されるべき次善の特徴を選択するときに、特徴推奨モジュール625は、候補特徴が対象にすでに提示されていた特徴との高い共分散を有している場合に、1つまたは複数の候補特徴を考慮から除外するようにさらに構成され得る。異なる特徴の共分散は、訓練データに基づき決定されてよく、訓練モジュールによって構築された評価モデルに記憶され得る。候補特徴が、すでに提示されている特徴との高い共分散を有している場合、候補特徴は、比較的わずかな追加の予測的有用性を加えるものとしてよく、したがって、評価手順の効率を最適化するために将来対象に提示することから省かれてよい。
【0255】
予測モジュール620は、ユーザインターフェース630により評価手順に参加している人(例えば、対象または対象の介護者)とインタラクティブにやり取りするものとしてよい。ユーザインターフェースは、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなどの、ユーザが予測モジュールにアクセスすることを可能にし得るコンピューティングデバイスのディスプレイなどの、ユーザインターフェースを与えられ得る。コンピューティングデバイスは、例えばモバイルアプリケーションの形態のユーザインターフェースを提供するためのインストラクションを含むプロセッサを含み得る。ユーザインターフェースは、予測モジュールからユーザにインストラクションを表示し、および/またはコンピューティングデバイスによって提供されている入力方法を用いてユーザから入力を受け取るように構成され得る。したがって、ユーザは、ユーザインターフェースにより予測モジュールとインタラクティブにやり取りすることによって、例えば、予測モジュールによって提示される質問(特徴)に応答して回答(特徴値)を提供することによって、本明細書で説明されているような評価手順に参加することができる。ユーザインターフェースは、評価手順をリアルタイムで実施するように構成されてよく、それにより、ユーザは一度に1つの質問に回答し、予測モジュールは特徴推奨モジュールによって行われる推奨に基づき尋ねる次善の質問を選択することができる。代替的に、または組み合わせて、ユーザインターフェースは、例えばユーザが特徴のセットに対応する特徴値の完全なセットをアップロードすることを可能にすることによって、ユーザから新しいデータの完全なセットを受け取るように構成され得る。
【0256】
本明細書で説明されているように、1つまたは複数の行動、神経学的または精神衛生障害を識別することに関連性のある目的の特徴は、多くの仕方で対象において査定され得る。例えば、対象または介護者または医師は、目的の特徴が対象に存在している程度を評価するように設計されている一連の質問を尋ねられるものとしてよい。次いで、提供される回答は、対象の対応する特徴値を表すことができる。ユーザインターフェースは、本明細書で説明されているような候補質問のセットから動的に選択され得る、一連の質問を対象(または対象に代わって評価手順に参加する人)に対して提示するように構成され得る。そのような質問回答ベースの評価手順は、全体として機械で実施されてよく、したがって、対象の発達障害の非常に素早い予測をもたらし得る。
【0257】
代替的に、または組み合わせて、対象における目的の特徴は、例えば、対象のビデオを用いた対象の行動の観察により査定され得る。ユーザインターフェースは、対象または対象の介護者が対象の1つまたは複数のビデオを記録またはアップロードすることを可能にするように構成され得る。ビデオ映像は、その後有資格者によって分析され、目的の特徴について対象の特徴値を決定するものとしてよい。代替的に、または組み合わせて、特徴値を決定するためのビデオ分析は、機械によって実行されてよい。例えば、ビデオ分析は、物体(例えば、対象、対象の空間位置、顔、目、口、手、手足、指、つま先、足など)を検出し、続いてそれらの物体の移動を追跡することを含み得る。ビデオ分析では、対象の性別および/または対象の話し言葉の熟練度を推論し得る。ビデオ分析では、顔を全体として、または鼻、目、唇、および口などの顔の特定の目立つ部位を識別して、顔の表情を推論し、時間を追ってこれらの表情を追跡するものとしてよい。ビデオ分析では、目、手足、指、つま先、手、足を検出し、時間を追ってその移動を追跡して行動を推論するものとしてよい。いくつかの事例において、分析は、行動、例えば、子供が騒音または騒がしい音楽に狼狽すること、自傷行動をとること、別の人の振る舞いをまねることなどの意図をさらに推論し得る。ビデオファイルに記録された音および/または声も分析され得る。分析では、対象の行動の文脈を推論し得る。音/声分析では、対象のフィーリングを推論し得る。人間および/または機械によって実行される、対象のビデオの分析は、目的の特徴に対する特徴値を生成することができ、次いでこれは予測モジュールに入力できるように適切に符号化され得る。次いで、対象の発達障害の予測は、訓練データを使用して構築された評価モデルに対象の特徴値を当てはめることに基づき生成され得る。
【0258】
代替的に、または組み合わせて、対象の目的の特徴は、対象との構造化されたインタラクションを通じて査定され得る。例えば、対象は、コンピュータゲームなどのゲームをすることを求められてよく、ゲームに関する対象の成績は、対象の1つまたは複数の特徴を査定するために使用され得る。対象は、1つまたは複数の刺激(例えば、ディスプレイを介して対象に提示される視覚的刺激)を与えられてよく、刺激に対する対象の応答は、対象の特徴を査定するために使用され得る。対象は、特定の課題を実行することを求められてよく(例えば、対象は自分の指でシャボン玉をはじけさすことを求められ得る)、要求に対する対象の応答または対象が要求された課題を遂行する能力は、対象の特徴に合わせて査定するために使用され得る。
【0259】
本明細書で説明されている方法および装置は、次に最も予測的なまたは関連性の高い質問を決定するように様々な仕方で構成され得る。本明細書で説明されているようなソフトウェアインストラクションの少なくとも一部は、ユーザインターフェースを提供し、質問を提示し、質問に対する回答を受け取るためにローカルデバイス上でローカル実行するように構成され得る。ローカルデバイスは、最も予測的な次の質問についてリモートサーバに問い合わせるようにアプリケーションプログラムインターフェース(API)のソフトウェアインストラクションで構成され得る。APIは、例えば、本明細書で説明されているような特徴重要度に基づき識別された質問を返すことができる。代替的に、または組み合わせて、ローカルプロセッサは、前の回答に応答して最も予測的な次の質問を決定するようにインストラクションにより構成され得る。例えば、予測モジュール620は、リモートサーバのソフトウェアインストラクション、またはローカルプロセッサのソフトウェアインストラクション、およびこれらの組合せを含み得る。代替的に、または組み合わせて、特徴推奨モジュール625は、例えば、最も予測的な次の質問を決定するように構成されている、リモートサーバのソフトウェアインストラクション、またはローカルプロセッサのソフトウェアインストラクション、およびこれらの組合せを含み得る。本明細書で説明されている特徴推奨モジュール625によって実行されるような予想特徴重要度決定アルゴリズム627を決定する方法の例示的な動作フロー1000は、例えば、本明細書で説明されているように1つまたは複数のプロセッサにより実行され得る。
【0260】
図11は、本明細書で説明されているような評価手順を実施する方法1100を例示している。方法1100は、コンピューティングデバイス上に搭載されているユーザインターフェースにより実行されてよく、コンピューティングデバイスはディスプレイとディスプレイ上に提示されるインストラクションに応答してユーザ入力を受け取るためのユーザインターフェースとを含む。評価手順に参加するユーザは、対象自体であるか、または対象の介護者などの、対象に代わって手順に参加する別の人であってよい。ステップ1105において、N番目の特徴に関係するN番目の質問が、ディスプレイによりユーザに提示され得る。ステップ1110において、対応するN番目の特徴値を含む対象の回答が受信され得る。ステップ1115において、目下の対象のデータセットは、対象に対して提供されているN番目の特徴値を含むように更新され得る。ステップ1120において、更新されたデータセットは、評価モデルに当てはめられ、予測された分類を生成することができる。ステップ1120は、本明細書で説明されているように、予測モジュールによって実行され得る。ステップ1125において、データを当てはめることで、特定の発達障害(例えば、自閉症、ADHDなど)の十分な信頼度(例えば、少なくとも90%の信頼区間内)の予測を生成することができるかどうかを決定するためにチェックが実行され得る。もしそうならば、ステップ1130に示されているように、予測された発達障害は、ユーザに対して表示され得る。そうでないならば、ステップ1135において、問い合わせできる追加の特徴があるかどうかを決定するためにチェックが実行され得る。はい、であれば、ステップ1140において示されているように、特徴推奨モジュールは、ユーザに提示されるべき次の特徴を選択するものとしてよく、ステップ1105~1125は、最終的な予測(例えば、特定の発達障害または「診断なし」)が対象に対して表示され得るまで繰り返されてよい。対象に追加の特徴が提示され得ない場合、ステップ1145において示されているように、「診断なし」が対象に対して表示され得る。
【0261】
上記のステップは、評価手順を実施する例示的な方法1100を示しているけれども、当業者であれば本明細書で説明されている教示に基づき多くの変更形態を理解するであろう。これらのステップは、異なる順序で完了させてよい。ステップは、加えられるか、または削除されてもよい。これらのステップのうちのいくつかは、他のステップのサブステップを含み得る。これらのステップの多くは、ユーザが望む回数だけ繰り返され得る。
【0262】
本開示は、開示の方法を実装するようにプログラムされているコンピュータ制御システムを実現する。
図12は、本明細書で説明されている方法および装置とともに組み込むのに適しているコンピュータシステム1201を示す。コンピュータシステム1201は、例えば、質問と回答、応答、統計的分析などの、本開示の情報の様々な態様を処理することができる。コンピュータシステム1201は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに関してリモートに配置されているコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスとすることができる。
【0263】
コンピュータシステム1201は、中央演算処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」とも称される)1205を含み、これはシングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理用に複数のプロセッサであってよい。コンピュータシステム1201は、メモリまたはメモリロケーション1210(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置ユニット1215(例えば、ハードディスク)、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース1220(例えば、ネットワークアダプタ)、およびキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス1225も含む。メモリ1210、記憶装置ユニット1215、インターフェース1220、および周辺デバイス1225は、マザーボードなどの、通信バス(実線)を通してCPU1205と通信する。記憶装置ユニット1215は、データを記憶するためのデータ記憶装置ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム1201は、通信インターフェース1220の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1230に動作可能に結合され得る。ネットワーク1230は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであってよい。ネットワーク1230は、いくつかの場合において、遠隔通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク1230は、クラウドコンピューティングなどの、分散コンピューティングを可能にし得る、1つまたは複数のコンピュータサーバを含み得る。ネットワーク1230は、いくつかの場合においてコンピュータシステム1201の助けを借りて、コンピュータシステム1201に結合されているデバイスがクライアントまたはサーバとして動作することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装し得る。
【0264】
CPU1205は、プログラムまたはソフトウェアで具現化され得る、機械可読インストラクションのシーケンスを実行することができる。インストラクションは、メモリ1210などの、メモリロケーション内に記憶されてよい。これらのインストラクションはCPU1205に向けられるものとしてよく、その後、本開示の方法を実装するようにCPU1205をプログラムするか、または他の何らかの方法で構成することができる。CPU1205によって実行されるオペレーションの例は、フェッチ、復号、実行、および書き戻しを含むことができる。
【0265】
CPU1205は、集積回路などの、回路の一部であってよい。システム1201の1つまたは複数の他のコンポーネントが回路内に含まれ得る。いくつかの場合において、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0266】
記憶装置ユニット1215は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどの、ファイルを記憶することができる。記憶装置ユニット1215は、ユーザデータ、例えば、ユーザ設定およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム1201は、いくつかの場合において、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム1201と通信するリモートサーバ上に配置されているような、コンピュータシステム1201の外部にある1つまたは複数の追加のデータ記憶装置ユニットを含むことができる。
【0267】
コンピュータシステム1201は、ネットワーク1230を通じて1つまたは複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム1201は、ユーザ(例えば、親)のリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムおよびモバイル通信デバイスの例は、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートもしくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、携帯情報端末、着用可能な医療デバイス(例えば、Fitbits)、または医療デバイスモニタ(例えば、発作監視モニタ)を含む。ユーザは、ネットワーク1230によりコンピュータシステム1201にアクセスすることができる。
【0268】
本明細書で説明されているような方法は、例えば、メモリ1210または電子記憶装置ユニット1215などの、コンピュータシステム1201の電子記憶装置ロケーション上に記憶されている機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装され得る。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用中に、コードはプロセッサ1205によって実行され得る。いくつかの場合において、コードは、記憶装置ユニット1215から取り出され、プロセッサ1205によってすぐにアクセスできるようにメモリ1210上に記憶され得る。いくつかの状況において、電子記憶装置ユニット1215は除外されてよく、機械実行可能インストラクションは、メモリ1210上に記憶される。
【0269】
コードは、プリコンパイルされ、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と使用するように構成され得るか、または実行時にコンパイルされ得る。コードは、プリコンパイルまたはコンパイルされたままの方式でコードを実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0270】
コンピュータシステム401などの、本明細書で提供されているシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具現化され得る。この技術の様々な態様は、典型的には機械可読媒体の一種で運ばれるか、または具現化される機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連するデータの形態をとる「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置ユニット上に記憶され得る。「記憶装置」タイプの媒体は、ソフトウェアプログラミングのために随時非一時的記憶装置を実現し得る、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同様のものなどの、コンピュータ、プロセッサもしくは同様のもの、または関連するそのモジュールの有形のメモリのどれかまたはすべてを含むことができる。ソフトウェアの全部または一部は、ときどき、インターネットまたは他の様々な遠隔通信ネットワークを通じて通信され得る。そのような通信は、例えば、一方のコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサに、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームにソフトウェアをロードすることを可能にし得る。そこで、ソフトウェア要素を収め得る別のタイプの媒体は、有線および光地上通信線ネットワークを通じて、および様々なエアリンク上で、ローカルデバイスの間の物理的インターフェース上で使用されるような、光波、電波、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンク、または同様のものなどの、そのような波を運ぶ物理的要素も、ソフトウェアを収めた媒体として考慮されてよい。本明細書で使用されているように、非一時的な有形の「記憶装置」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにインストラクションをプロセッサに提供することに参加する媒体を指す。
【0271】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの、機械可読媒体は、限定はしないが有形の記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されている、データベースなどを実装するために使用され得るような、コンピュータまたは同様のものの記憶装置デバイスのうちのどれかなどの、光または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形の伝送媒体は、コンピュータシステム内にバスを含む電線を含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバーを含む。搬送波伝送媒体は、無線周波(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような電気もしくは電磁信号、または音波もしくは光波の形態をとり得る。したがって、一般的な形態のコンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク(登録商標)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくはインストラクションをトランスポートする搬送波、そのような搬送波をトランスポートするケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る他の任意の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つまたは複数のインストラクションの1つまたは複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0272】
コンピュータシステム1201は、例えば、質問および回答、分析結果、推奨を提供するためにユーザインターフェース(UI)1240を含む電子ディスプレイ1235を含むか、またはそれと通信することができる。UIの例は、限定することなく、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0273】
本開示の方法およびシステムは、1つまたは複数のアルゴリズムを用いて、および本明細書で開示されているような1つまたは複数のプロセッサとともに与えられるインストラクションにより実装され得る。アルゴリズムは、中央演算処理装置1205による実行時にソフトウェアを用いて実装され得る。アルゴリズムは、例えば、ランダムフォレスト、グラフィカルモデル、サポートベクターマシン、または他のものであってよい。
【0274】
上記のステップは、例によるシステムの方法を示しているけれども、当業者であれば本明細書で説明されている教示に基づき多くの変更形態を理解するであろう。これらのステップは、異なる順序で完了させてよい。ステップは、加えられるか、または削除されてもよい。これらのステップのうちのいくつかは、サブステップを含み得る。これらのステップの多くは、プラットフォームに有利な限り繰り返され得る。
【0275】
本明細書で説明されているような例の各々は、1つまたは複数の他の例と組み合わされ得る。さらに、1つまたは複数の例の1つまたは複数のコンポーネントは、他の例と組み合わされ得る。
【0276】
図13は、フィードバックループを備え、テスト回数が減らされた、デジタル個別化医療プラットフォーム1300のための例示的なシステム図を示している。例えば、プラットフォーム1300は、発達遅滞に関連付けられている小児認知および行動状態の診断および処置を行うことができる。ユーザデジタルデバイス110、例えば、スマートフォン、活動モニタ、またはウェアラブルデジタルモニタなどのモバイルデバイスは、患者に関係するデータおよびメタデータを記録することができる。データは、上で説明されているように、患者のデバイスとのインタラクションに基づき、さらには介護者およびヘルスケア専門家とのインタラクションに基づき収集され得る。
【0277】
デジタルデバイス110は、通信ネットワーク120上で個別化医療システム130と通信することができる。個別化医療システム130は、患者の発達状態の初期および更新診断を提供するための診断モジュール132、ならびに診断モジュール132の診断に応答して個別化治療推奨を行うための治療モジュール134を含むことができる。
【0278】
いくつかの事例において、診断モジュール132は、本明細書で説明されているようなデータ処理モジュールを含むことができる。データ処理モジュールは、診断モジュール132がテスト質問の回数を減らして対象に対して評価を実行することを可能にし得る。データ処理モジュールは、本明細書で説明されているように前処理モジュールと、訓練モジュールと、予測モジュールとを含むことができる。データ処理モジュールは、データベースまたはユーザから訓練データを抽出し、1つまたは複数の変換を適用して訓練データを標準化し、標準化された訓練データを訓練モジュールに受け渡すものとしてよい。訓練モジュールは、標準化された訓練データに基づき、診断テストにおいて使用されるべき評価モデルを構築し、訓練するために機械学習アルゴリズムまたは他のアルゴリズムを利用することができる。評価モデルが訓練データから導出された後、モデルは、発達向上などの認知機能、または行動、神経、もしくは精神衛生障害などの1つまたは複数の障害についての対象のリスクを評価するための予測ツールとして使用され得る。訓練データは、対象患者が集団の一員でない集団上で作成されたデータを含み得る。予測モジュールは、新しいデータを訓練モジュールにおいて構築された評価モデルに当てはめることによって、所与の対象の認知機能の予測された分類(例えば、発達障害)を生成するように構成され得る。データ処理モジュールは、本明細書で説明されているように、複数の尋ねられた質問への複数の回答に基づき最も予測的な次の質問を識別し、それにより、人はリスクを有すると診断されるか、または識別され、より少ない質問で処置され得る。
【0279】
診断モジュール132から生成されるような診断テスト(例えば、テストおよび質問のセット)は、デジタルデバイス110を介して患者または介護者に提供され得る。診断テストに対する患者の回答は、診断モジュール132によって受信され得る。診断モジュール132は、患者の回答に基づき初期診断を生成することができる。例えば、診断モジュールは、介護者に尋ねられる質問および語彙もしくは口頭コミュニケーションテストなどの患者に対して実施されるテストに基づき自閉症関係の発話遅滞を診断し得る。
【0280】
診断モジュールは、その初期診断を治療モジュール134に伝達することができ、これは初期診断を使用して診断された症状を処置するために実行されるべき初期治療を示唆する。治療モジュール134は、所与の時間枠で推奨された治療を実行するために患者および介護者に対するインストラクションを含む、その推奨された治療をデジタルデバイス110に送信する。患者および介護者は、フィードバックを診断モジュール132に提供することができ、次いで、診断モジュール132は、新しい診断テストおよび質問をデジタルデバイス110に提供するようにデータ処理モジュールに指令することができる。次いで、診断モジュール132は、更新された診断を治療モジュール134に提供し、これは患者および介護者によって実行されるべき更新された治療を治療の次のステップとして示唆する。したがって、患者および介護者、診断モジュール、および治療モジュールの間にフィードバックループが形成されることができ、患者はより少ない質問で診断され得る。フィードバックは、治療的介入からの結果として生じる有効性、コンプライアンス、および応答の相対的レベルを識別し、是正的変更で処置を改善するようにできる。
【0281】
いくつかの事例において、治療モジュールは、異なる状態または状態の異なる重症度レベルを有するものとして対象を分類するために診断モジュールに依存し得る。任意選択で、治療モジュールは、オプションのリストから次善の治療または処置を決定するために独立した自予測モジュールまたは推奨モジュールを有することができる。この決定では、診断モジュールからの評価、さらには幾人かの患者が性別/年齢/人種/などのような人口統計によって細分される、いくつかの処置に応答する履歴的確率に関係する独立してコンパイルされた統計量を考慮することができる。治療モジュールは、単純な規則または高度な機械学習技術を使用して予測課題を実行することができる。機械学習の場合、独立したフィードバックループが生じ、患者治療転帰を治療モジュールにつなぎ戻す。
【0282】
いくつかの事例において、ヘルスケア専門家のコンピュータシステムなどのサードパーティシステムは、通信ネットワーク120に接続され得る。ヘルスケア専門家または他の第三者は、診断モジュールによって提供される診断および/または数を減らした質問に基づき治療モジュールによって示唆される治療からの逸脱が有意であることを警告され得る。次いで、第三者によって適切なさらなる措置が講じられ得る。例えば、サードパーティシステムは、治療モジュールによって示唆されている治療をレビューし、修正することができる。
【0283】
いくつかの事例において、患者は、治療に応答する応答プロファイルを有することができ、治療モジュールは、対象の初期応答に基づき応答プロファイルをカテゴリに分類するように構成され得る。例えば、対象は、処置がうまくいっていることを指示する応答プロファイルまたは処置が働いていないことを指示する応答プロファイルを有することが可能である。これらの初期応答プロファイルは、いくぶん直観に逆らっていることがある。例えば、症状の変動は、これらの変動がベースラインに関して症状の上昇および低下を含むことが可能であっても処置がうまくいっていることを示すインジケータであることが可能である。いくつかの処置について、症状に変化がある場合の時刻は遅れることがある。
【0284】
患者および介護者などユーザは、例えば、ソフトウェアインストラクションを含むアプリをダウンロードしてデジタルデバイス110上にインストールすることができる。アプリは、ユーザが診断テストのためにクラウドベースのサーバからインストラクションを受け取り、回答を診断テストにアップロードし、クラウドベースのサーバから処置を受け取り(例えば、ゲームまたはインタラクティブコンテンツ)、フィードバックを返し、新しいテストを定期的に受け取って処置がどのように進行しているかを決定し、更新された処置を受け取ることを可能にし得る。アプリは、対象がデジタル治療を受けるための第1のデバイスおよび介護者が治療の進行を監視するための第2のデバイスなど、複数のデジタルデバイス上にインストールされ得る。したがって、フィードバックループは、ユーザとクラウドベースのサーバ(例えば、個別化医療システム130)との間に作成され、治療の開始の後の対象の査定は、治療を調整して応答を改善するために使用される。
実験データ
【0285】
本明細書で説明されているようなデータ処理モジュールは、Python2.7、Anaconda Distribution上に構築された。評価モデルを構築し、訓練するために使用される訓練データは、自閉症遺伝リソース交換(AGRE)によって生成されるデータを含んでおり、これは家庭内の親および子供からADI-RおよびADOSデータを収集するために家庭内評価を実行した。ADI-Rは、合計93の質問を提示する親面接を含み、自閉症である、または自閉症でないという診断をもたらす。ADOSは、自閉症、ASDの診断をもたらすか、または自閉症の診断をもたらさない子供の半構造化された面接を含み、子供には、言語レベルに基づき4つの可能なモジュールのうちの1つを施され、各モジュールは約30の質問を含む。データは、評価から導出された子供の臨床診断を含んでおり、1人の子供が矛盾するADI-R対ADOS診断を有していた場合、免許を有する臨床心理学者が、問題になっている子供に対するデータセットについて合意診断を割り当てた。訓練データは、合計3,449個のデータ点を含み、3,315件の事例(自閉症またはASD)および134件の対照(非スペクトラム)があった。訓練データにおいて査定された特徴は3つの鍵領域、すなわち、言語、社会的コミュニケーション、および繰り返し行動を標的とした。
【0286】
本明細書で説明されているような評価モデルを構築するためにブーストされたランダムフォレスト分類器が使用された。訓練データで評価モデルを訓練する前に、訓練データが前処理され、それによりデータを標準化し、本明細書で説明されているようなワンホット表現でカテゴリ特徴を再符号化した。訓練データは、自閉症またはASDを患っている個人へ偏っていたので、サンプル加重が適用され、自閉症/ASDの個人からのデータと比較して最大50倍高い有意度を非スペクトラムの個人からのデータに帰した。評価モデルは、ブースティングで反復して訓練され、それにより各反復の後にデータ点の加重を更新して誤分類されたデータ点に帰せられる有意度を高め、更新された有意度で再訓練した。
【0287】
訓練されたモデルは、層化k分割交差検証を使用し、k=5として、検証された。交差検証は、約93~96%の精度をもたらし、精度は、二項分類課題(自閉症/非スペクトラム)においてモデルを使用して正しく分類された対象のパーセンテージとして定義される。訓練データは、サンプルバイアスを含んでいたので、モデルが一方のクラス(自閉症または非スペクトラム)を別のクラスと何回混同したかを決定するために混同行列が計算された。正しく分類された自閉症の個人のパーセンテージは、約95%であったが、正しく分類された非スペクトラムの個人のパーセンテージは、約76%であった。しかしながら、モデルは、一方のクラスを別のクラスに対してより正確に当てはめるように調整されてよく、その場合、各クラスに対する正しい分類のパーセンテージは変化し得ることに留意されたい。
図14は、本明細書で説明されているような例示的な評価モデルに対する感度対フォールアウトをマップする受信者操作特性(ROC)曲線を示す。自閉症の診断に対する真陽性率(感度)はy軸上にマップされ、これはx軸上にマップされている診断に対する偽陽性率(フォールアウト)に応じて変化する。「フォールド#0」、「フォールド#1」、「フォールド#2」のラベルを付けられた3つの曲線の各々は、交差検証手順の異なる「フォールド」に対応し、各フォールドについて、訓練データの一部は、データセットを「自閉症」として分類する必要がある予測信頼度閾値を変化させながら評価モデルに当てはめられた。望むとおり、または必要に応じて、モデルは、モデルのROC曲線に応じて、フォールアウトの一部の増加と引き換えに感度を高めるか、またはフォールアウトの減少と引き換えに感度を下げるように調整され得る。
【0288】
特徴推奨モジュールは、本明細書で説明されているように構成されており、各質問の予想特徴重要度は計算され、候補質問はアプリケーションプログラムインターフェース(API)によるサーバへの呼び出しにより計算された重要度順にランク付けされた。特徴推奨モジュールが情報質問を推奨することができることは、推奨された質問に回答することから得られる予測精度の増大と質問の推奨スコアとの相関関係を決定することによって査定された。相関関係測定基準を計算するために、次のステップが実行された。(1)交差検証のためにデータがいくつかのフォールドに分割された。(2)すでに回答されている質問が検証セットからランダムに削除された。(3)予想特徴重要度(質問推奨/スコア)が各質問について生成された。(4)ステップ2で削除された質問のうちの1つが明らかにされ、その後の予測精度における相対的改善が測定された。(5)相対的改善と予想特徴重要度との間の相関関係が計算された。計算されたピアソンの相関係数は、0.2から0.3の間にあり、予想特徴重要度スコアと相対的改善との間の相関の程度が中くらいであることを示していた。
図15は、各質問に対する予想特徴重要度(「予想情報伝達性スコア」)と相対的改善(「相対的分類改善」)との間の相関関係を示す散布図である。この散布図は、2つの変数の間の中程度の直線関係を示しており、特徴推奨モジュールが実際に予測精度を高める質問を推奨することができることを示している。
【0289】
作成された予測モジュールおよび特徴推奨モデルを使用して出力を生成するのに要する時間の長さが測定された。予測モジュールは、自閉症の個人のリスクの予測を行うのに約46msを要した。特徴推奨モジュールは、個人に対する質問推奨を生成するのに約41msを要した。これらの測定は、APIを通じたサーバへの呼び出しにより行われたけれども、計算は、例えば、ローカルで実行されてよい。
【0290】
図9~
図10に関して説明されているデータ処理モジュールの評価モデルは、対象を自閉症を有するか、または有しないものとして分類するように構築され訓練されたが、本明細書で説明されているように、対象を複数の行動、神経学的または精神衛生障害のうちの1つまたは複数を有するものとして分類することができる評価モデルを構築するために類似のアプローチが使用されてもよい。
【0291】
当業者であれば、追加のデータセットを生成して取得し、本明細書で開示されている方法および装置の感度および特異度および信頼区間を改善して、過度の実験を行うことなく改善された結果を得ることができる。これらの測定は、例示的なデータセットとともに実行されたけれども、方法および装置は、本明細書で説明されているように追加のデータセットにより構成されてよく、対象は、過度の実験を行うことなく臨床環境において80%の信頼区間でリスクを有すると識別された。臨床環境において80%またはそれよりも高い感度および特異度は、同様に、例えば、追加のデータセットを用いて、過度の実験を行うことなく、当業者によって本明細書において提示されている教示により取得され得る。
【0292】
追加のデータセットは、自閉症遺伝リソース交換(AGRE)、Boston Autism Consortium(AC)、Simons Foundation、National Database for Autism Research、および同様のものなどの、本明細書で説明されているような大きなアーカイブデータリポジトリから取得されるものとしてよい。代替的に、または組み合わせて、追加のデータセットは、様々なシミュレーションアルゴリズムを使用してアーカイブデータに基づき生成される、数学的にシミュレートされたデータを含み得る。代替的に、または組み合わせて、追加のデータセットはクラウドソーシングを介して取得されるものとしてよく、対象は、本明細書で説明されているような評価手順を自己実施し、その評価からデータを与える。自己実施された評価からのデータに加えて、対象は、有資格医師から取得された臨床診断も提供し、評価手順に対する比較の標準をもたらし得る。
【0293】
詳細な説明は、多くの詳細項目を含むけれども、これらは開示の範囲を制限すると解釈されるべきでなく、単に、本開示の異なる例および態様を例示すると解釈されるべきである。開示の範囲は上で詳しく説明されていない他の実施形態を含むことは理解されるであろう。当業者に明らかになる様々な他の修正、変更、および変化は、本明細書で説明されているような発明の精神および範囲から逸脱することなく本明細書で提示されている本開示の方法および装置の配置、動作、および詳細においてなされ得る。例えば、本明細書で開示されているような例の各々の1つまたは複数の態様、コンポーネント、または方法は、本明細書で説明されているように他のものと組み合わされてよく、そのような修正は、当業者には容易にわかるであろう。本明細書で開示されている方法の各々について、当業者は、本明細書で説明されている教示に基づき多くの変更形態を理解するであろう。これらのステップは、異なる順序で完了させてよい。ステップは、加えられるか、または削除されてもよい。これらのステップのうちのいくつかは、他のステップのサブステップを含み得る。ステップの多くは、望む回数だけ繰り返してよく、方法のステップは、互いに組み合わせてよい。
【0294】
本明細書では本発明の好ましい実施形態が図示され説明されているが、そのような実施形態は例のみを用いて提示されていることは当業者には明らかであろう。こうして、多数の変化、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者が思いつくであろう。本明細書で説明されている本発明の実施形態の様々な代替的形態は、本発明を実施するうえで採用され得ることは理解されるであろう。次の請求項は発明の範囲を定義すること、これらの請求項およびその等価物の範囲内にある方法および構造がそれによって対象となることが意図されている。
【外国語明細書】