(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059961
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】可搬性燃料ガス・システム、コンピュータ・インプリメンテッド方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20240423BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20240423BHJP
F17C 5/06 20060101ALI20240423BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240423BHJP
H01M 8/0438 20160101ALI20240423BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
F17C13/02 301Z
F17C5/06
H01M8/04 N
H01M8/0438
H01M8/04 H
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032748
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2023502925の分割
【原出願日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】63/051,240
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/163,215
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523014810
【氏名又は名称】ゼロ・エミッション・インダストリーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100107674
【弁理士】
【氏名又は名称】来栖 和則
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・プラット
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン・ナルベズ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ターリップ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃料ガスを燃料供給システムに供給するためにコンピュータにより実行する方法を提供する。
【解決手段】可搬性燃料ガス・システム100は、可搬性包囲体と、燃料ガス供給マニホールド158と、その燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にある圧力制御弁122であって、前記燃料ガス供給マニホールドは、当該圧力制御弁によって互いに分離される第1圧力ゾーンと第2圧力ゾーンとを有するものと、前記燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガス供給マニホールド内の燃料ガスのフローを制御するように作動することが可能である燃料ガス・シャットオフ・バルブ106,130,138a,180aとを含む。前記燃料ガス供給マニホールド、前記圧力制御弁および前記燃料ガス・シャットオフ・バルブは、前記可搬性包囲体内に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬性燃料ガス・システムであって、
可搬性包囲体と、
燃料ガス供給マニホールドと、
その燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にある圧力制御弁であって、前記燃料ガス供給マニホールドは、当該圧力制御弁によって互いに分離される第1圧力ゾーンと第2圧力ゾーンとを有するものと、
前記燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガス供給マニホールド内の燃料ガスのフローを制御するように作動することが可能である燃料ガス・シャットオフ・バルブと
を含み、
前記燃料ガス供給マニホールド、前記圧力制御弁および前記燃料ガス・シャットオフ・バルブは、前記可搬性包囲体内に配置される可搬性燃料ガス・システム。
【請求項2】
請求項1に記載の可搬性燃料ガス・システムであって、
前記第1圧力ゾーンは、第1燃料ガス圧力という高さを有するように構成され、
前記第2圧力ゾーンは、第2燃料ガス圧力という高さを有するように構成される可搬性燃料ガス・システム。
【請求項3】
請求項2に記載の可搬性燃料ガス・システムであって、
前記第1燃料ガス圧力は、前記第2燃料ガス圧力より高圧であるかまたは等圧である可搬性燃料ガス・システム。
【請求項4】
請求項1に記載の可搬性燃料ガス・システムであって、
前記燃料ガスは、水素を含む可搬性燃料ガス・システム。
【請求項5】
請求項1の可搬性燃料ガス・システムであって、さらに、第1燃料ガス・ベント・バルブであって、前記燃料ガスを前記第1圧力ゾーンから選択的にベントするように構成されたものを含む可搬性燃料ガス・システム。
【請求項6】
請求項5に記載の可搬性燃料ガス・システムであって、さらに、第2燃料ガス・ベント・バルブであって、前記第2圧力ゾーンに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガスを前記第2圧力ゾーンから選択的にベントするように構成されたものを含み、
その第2燃料ガス・ベント・バルブは、前記第1燃料ガス・ベント・バルブに対して少なくとも部分的に重複するかまたは独立する可搬性燃料ガス・システム。
【請求項7】
請求項1の可搬性燃料ガス・システムであって、
前記圧力制御弁は、等エンタルピー・スロットルを含む可搬性燃料ガス・システム。
【請求項8】
請求項1に記載の可搬性燃料ガス・システムであって、
前記第2圧力ゾーンは、燃料ガス貯蔵容器に対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガスを前記燃料ガス貯蔵容器に供給するように作動することが可能である可搬性燃料ガス・システム。
【請求項9】
請求項1に記載の可搬性燃料ガス・システムであって、
前記第2圧力ゾーンは、パイロット・システムに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガスを前記パイロット・システムに供給することが可能である可搬性燃料ガス・システム。
【請求項10】
可搬性燃料ガス・システムを用いて燃料ガスを貯蔵容器に供給するためにコンピュータによって実行されるコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記可搬性燃料ガス・システムは、
可搬性包囲体と、
燃料ガス供給マニホールドと、
その燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にある圧力制御弁であって、前記燃料ガス供給マニホールドは、第1圧力ゾーンと第2圧力ゾーンとであって当該圧力制御弁によって互いに分離されるものを有するものと、
前記燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガス供給マニホールド内の燃料ガスのフローを制御するように作動することが可能である燃料ガス・シャットオフ・バルブと、
不揮発性であるコンピュータ読み取り可能な記録媒体と
を含み、
そのコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、指令を含み、その指令は、プロセッサにより実行されると、そのプロセッサが、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給マニホールドおよび前記圧力制御弁を経由して前記貯蔵容器に流体的に供給するために前記燃料ガス・シャットオフ・バルブを選択的に作動させ、
前記燃料ガス供給マニホールド、前記圧力制御弁および前記燃料ガス・シャットオフ・バルブは、前記可搬性包囲体内に配置されるコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記第1圧力ゾーンは、第1燃料ガス圧力という高さを有するように構成され、
前記第2圧力ゾーンは、第2燃料ガス圧力という高さを有するように構成されるコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項12】
請求項11のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記第1燃料ガス圧力は、前記第2燃料ガス圧力より高圧であるかまたは等圧であるコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項13】
請求項10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記可搬性燃料ガス・システムは、さらに、第1燃料ガス・ベント・バルブであって、前記燃料ガスを前記第1圧力ゾーンから選択的にベントするように構成されたものを含むコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項14】
請求項13のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記可搬性燃料ガス・システムは、さらに、第2燃料ガス・ベント・バルブであって、前記第2圧力ゾーンに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガスを前記第2圧力ゾーンから選択的にベントするように構成されたものを含み、
その第2燃料ガス・ベント・バルブは、前記第1燃料ガス・ベント・バルブに対して少なくとも部分的に重複するかまたは独立するコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項15】
請求項10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記圧力制御弁は、等エンタルピー・スロットルを含むコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項16】
請求項10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記第2圧力ゾーンは、前記貯蔵容器に対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガスを前記貯蔵容器に供給するように作動することが可能であるコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項17】
請求項10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、
前記第2圧力ゾーンは、パイロット・システムに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガスを前記パイロット・システムに供給するように作動することが可能であるコンピュータ・インプリメンテッド方法。
【請求項18】
可搬性水素ガス配送システムであって、
可搬性包囲体を含み、
その可搬性包囲体は、
前記水素ガスを受給するように構成された燃料ガス供給マニホールドと、
その燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にある圧力制御弁と、
前記燃料ガス供給マニホールドに対して流体的連通状態にあるとともに前記燃料ガス供給マニホールド内の前記水素ガスのフローを制御するように作動することが可能である燃料ガス・シャットオフ・バルブと
を収容する可搬性水素ガス配送システム。
【請求項19】
請求項18に記載の可搬性水素ガス配送システムであって、
前記燃料ガス供給マニホールドは、
前記水素ガスの前記フローを第1圧力の高さで有するように構成された第1圧力ゾーンと、
前記水素ガスの前記フローを第2圧力の高さで有するように構成された第2圧力ゾーンと
を含み、
前記第1圧力ゾーンと前記第2圧力ゾーンとは、前記圧力制御弁によって互いに分離され、
前記第1圧力は、前記第2圧力より高圧であるかまたは等圧である可搬性水素ガス配送システム。
【請求項20】
請求項10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法を実施するためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、米国仮特許出願第63/163,215号であって、2021年3月19日に出願され、かつ、発明の名称が「気体(Gaseous)燃料供給システム(Fueling System、燃料充填システム、燃料補給システム、など)」であるものに付与された優先権と、米国仮特許出願第63/051,240号であって、2020年7月13日に出願され、かつ、発明の名称が「水素燃料電池(Fuel Cell、燃料セル)・ボート(boat)」であるものに付与された優先権とのそれぞれの利益を主張し、それら出願のすべては、引用により全体的に本書類に合体させられる。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、種々の用途についてロー・エミッション・パワー(low emission power、廃棄物の排出量が少ない動力、エネルギーまたはエネルギー源、低排出エネルギーまたはエネルギー源、など)またはゼロ・エミッション・パワー(zero emission power、廃棄物の排出量がほぼゼロである動力、エネルギーまたはエネルギー源、無排出エネルギーまたはエネルギー源、など)を提供することが可能である。燃料電池システムは、気体燃料(gaseous fuel、ガス状燃料)、例えば、水素、または、メタン、プロパン、天然ガスもしくはそれらと同様なものの如き炭化水素を、電気的エネルギー(electric power、電気、電力など)および廃棄物(exhaust products、排気生成物など)に変換するかもしれず、その廃棄物は、例えば、水蒸気であり、また、炭化水素系燃料を用いる場合には、二酸化炭素である。しかし、気体燃料は、圧縮性を有し、大気(the atmosphere、周囲環境など)中にエスケープされ(escape、漏れ、散逸され)得るため、気体燃料を、例えば、充填ステーション(filling station、充填所、給油所など)または燃料輸送機関(delivery vehicle、給油車、気体燃料を運搬するための車両など)から、燃料電池駆動型輸送機関(vehicle powered by a fuel cell、燃料電池を動力源とする輸送機関(輸送を目的とする移動体など)、燃料電池によって動力を与えられる輸送機関など)まで移送すること(transferring、転送すること、など)は、ガソリンの如き液体燃料をデリバリーすること(delivering、配給すること、送給すること、配送すること、配達すること、など)より複雑である。気体燃料を気体燃料駆動型輸送機関(vehicles powered by such fuels、同種の気体燃料を動力源とする輸送機関など)に移送するために改善された方法が要望される。
【発明の概要】
【0003】
燃料ガスを燃料供給システムに供給するコンピュータ・インプリメンテッド方法(computer-implemented method、コンピュータによって実行される方法、コンピュータを利用する方法など)が開示される。プロセッサが、複数の処理を実行するようにガス・フロー(gas flow、ガスの流れ)を許可する(allow、開放する、など)かまたは制限する(restrict、絞る、など)ように前記燃料供給システムにおける複数のバルブを制御するように構成され、前記複数の処理は、前記燃料供給システムをフィル前に不活性化する処理を含み、ここに、前記プロセッサは、前記複数のバルブを、パージガス供給源を選択的に前記燃料供給システムのうちの燃料ガス供給マニホールドに流体的に連通させることよってパージガスを前記燃料ガス供給マニホールドに供給させることと、その燃料ガス供給マニホールドを選択的にベント・マニホールドに流体的に連通させる選択的流体連通とを行うように制御し、前記複数の処理は、前記燃料供給システムについて漏出チェックを行う処理を含む。前記燃料供給システムについて漏出チェックを行う際、前記プロセッサは、前記複数のバルブを、燃料ガス供給源を選択的に前記燃料ガス供給マニホールドに流体的に連通させることによって前記燃料ガスを前記燃料ガス供給マニホールドに供給させるように制御する。この方法は、前記燃料供給システムのうちのパイロット・サブシステムを前記燃料ガスでチャージする(charge、前記燃料ガスを詰め込む、導入する、など)処理を有する。前記パイロット・サブシステムを前記燃料ガスでチャージする際、前記プロセッサは、前記複数のバルブを、前記燃料ガス供給マニホールドを選択的に前記パイロット・サブシステムに流体的に連通させるように制御する。この方法は、前記燃料供給システムを前記燃料ガスでフィルする(fill、充填する、充満させる、など)処理を有する。前記燃料供給システムを前記燃料ガスでフィルする際、前記プロセッサは、前記複数のバルブを、前記燃料ガス供給マニホールドを選択的に1または複数の燃料ガス貯蔵容器に流体的に連通させ、それにより、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給源から前記1または複数の燃料ガス貯蔵容器に、前記燃料供給システムを経由して流通させるように制御する。この方法は、前記燃料供給システムをフィル後に不活性化する処理を有する。前記燃料供給システムをフィル後に不活性化する際、前記プロセッサは、前記複数のバルブを、前記パージガス供給源を選択的に前記燃料ガス供給マニホールドに流体的に連通させるように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、燃料供給システムの一具体例を示す。
【0005】
【
図2】
図2は、
図1に示すシステムを制御するのに適切なコントローラの一例を示す。
【0006】
【
図3】
図3は、
図1に示すシステムを燃料ガスを受け入れることに備えて準備するのに適切な方法の一例を示す。
【0007】
【
図4】
図4は、
図1に示すシステムから空気および/または燃料ガスを除去するのに適切な方法を示す。
【0008】
【
図5】
図5は、
図1に示すシステムを燃料ガス漏出の有無についてチェックするのに適切な方法の一例を示す。
【0009】
【
図6】
図6は、
図1に示すシステムのうちのパイロット・サブシステムをチャージするのに適切な方法の一例を示す。
【0010】
【
図7】
図7は、
図1に示すシステムを用いて燃料ガス貯蔵容器を燃料ガスで充填するのに適切な方法の一例を示す。
【0011】
【
図8】
図8は、
図1に示すシステムから燃料ガスをパージするのに適切な方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本書類の開示事項は、燃料ガスを燃料供給源(a fuel supply、燃料源)から、前記燃料ガスにより動力を与えられる(powered by)輸送機関(vehicle、乗物、移動体、輸送を行う移動媒体、自ら動力源を有して自立的に移動する媒体、自立式移動媒体、ビークル、など)に移送するために燃料供給システム(fueling system、燃料充填システム、燃料補給システム、燃料注入システム、など)を使用する方法に関する。例示的な一具体例においては、本書類に開示されるいくつかの方法が、燃料を燃料ガス供給源からボート(boat、船舶など)における搭載型(onboard、船上の)燃料ガス貯蔵システムに移送するために使用されてもよい。本書類に開示されるいくつかの方法は、さらに、種々の燃料ガス供給源(fuel gas supplies、燃料ガス源)であって、チューブ・トレイラー(tube trailers、水素ガスなどの燃料ガスをチューブを用いて運搬するトラックなど)、地上設置型高圧ストレージ(ground-based pressurized storage)およびそれらと同様なものを含むものに使用されてもよい。本書類に開示されるいくつかの方法は、燃料を燃料ガス供給源から燃料ガス貯蔵ストレージ(storage、貯蔵所、貯蔵庫など)に移送するために使用されてもよい。いくつかの実施態様においては、本書類に開示されるいくつかの方法が、燃料を燃料ガス供給源(fuel gas supply)(例えば、圧力容器(pressurized vessel、高圧容器、高圧源容器)、コンプレッサ、エレクトロライザ(electrolyzer、電解装置、電解槽など)もしくはリフォーマ(reformer、改質器、改質反応器など)の如きガス・ジェネレータ(gas generator、ガス発生器)またはそれらと同様なもの)から輸送機関に移送するために使用されてもよい。いくつかの実施態様においては、本書類に開示されるいくつかの方法が、燃料を輸送機関から燃料ガス供給源(fuel gas supply)に移送するために使用されてもよい。
【0013】
多くの実施態様においては、前記燃料ガス貯蔵部(storage、貯蔵所、貯蔵器、ストレージなど)が、輸送機関(vehicle、ビークル)、例えば、ボート(boat、船舶など)、自動車、自動二輪車、航空機または他の輸送機関の如きものに関連付けられるかまたはそれに設置されてもよい。他のいくつかの具体例においては、前記燃料ガス貯蔵部が、静置型(stationary、静止型、設置型など)貯蔵設備、例えば、輸送機関用の燃料供給ステーションに関連付けられる如きものであってもよい。いくつかの具体例においては、静置型のパワー・システム(power system、動力システム、動力発生システム)および/またはガス設備(appliances、器具など)が、現場での(on-site、同じ場所で、定位置で、など)または一体型の(integral、組込み型の、など)燃料貯蔵部を有してもよい。多くの具体例においては、燃料供給システム(a fueling system、補給システム、充填システム、注入システム、など)が、燃料ガスを封じ込める(contain、収容する、など)のに適切な1または複数の導管(conduits、コンジット)を有してもよい。多くの具体例においては、前記燃料ガスが、大気圧(ambient pressure、雰囲気圧、周囲圧、環境圧など)より高圧に加圧される。前記いくつかの導管(conduits)は、1または複数の圧力ゾーン(pressure zones、圧力域)、例えば、高圧ゾーン、中圧ゾーンおよび低圧ゾーンであって、それぞれ互いに流体的に流通する状態にあるものに分配され(arranged into)てもよい。前記燃料供給システムは、減圧デバイスを前記複数のゾーンの間に有してもよい。例えば、前記燃料供給システムは、前記燃料ガスが前記高圧ゾーンから前記中圧ゾーンに流れる際にその燃料ガスの圧力を減圧するために、減圧弁を前記高圧ゾーンと前記中圧ゾーンとの間に有してもよい。同様に、前記燃料ガスが前記中圧ゾーンから前記低圧ゾーンに流れる際にその燃料ガスの圧力を減圧するために、減圧弁が前記中圧ゾーンと前記低圧ゾーンとの間に配置されてもよい。
【0014】
前記いくつかの圧力ゾーンのうちの1または複数が、燃料ガスを前記燃料ガス供給源からそれの燃料ガス供給マニホールド(the fuel gas supply manifold、燃料ガス供給マニホールド、燃料ガス供給源用のマニホールド、流体の流れを分けるときに使用される通路形成部材、分岐管、多岐管、など)を経由して(via、を介して)受給する(receive、受け入れる、受け取る)1または複数の燃料ガス貯蔵容器と流体的に連通する状態に(in fluid communication、流体的連通状態に)あってもよい。例えば、燃料ガス貯蔵容器(fuel gas storage vessel)が、燃料ガスを前記中圧ゾーンから受給してもよい。前記いくつかの圧力ゾーンのうちの1または複数が、燃料ガス・エンド・ユース・デバイス(fuel gas end use device、燃料ガスの最終的利用者向けの装置など)、例えば、燃料電池、モータ、エンジン、リフォーマ(reformer、改質器、改質反応器など)、バーナー(burner)またはそれらと同様なものと流体的に連通する状態にあってもよい。例えば、前記低圧ゾーンは、自身が前記エンド・ユース・デバイス(the end use device)に前記燃料ガスを適切な圧力およびフロー・ボリューム(flow volume、流れる流体の体積、体積流量など)で供給するように、燃料ガス・エンド・ユース・デバイス(fuel gas end use device)と流体的に連通する状態にあってもよい。いくつかの実施態様においては、燃料電池システムが、前記燃料供給システム(fueling system)内の燃料ガスを、ボートのための推進力付与システムにパワー(power、電力など)を提供する電気的エネルギーに変換してもよい。
【0015】
図1は、燃料供給システム100の一具体例であって本書類に開示されるいくつかの方法に使用されるものを示す。燃料供給システム100は、ガス供給源(gas supply、ガス源)102、例えば、1または複数の圧力容器(pressurized、高圧容器)に分離可能に(releasaably、離脱可能に、着脱可能に)流体的に接続されるように構成されてもよい。図示される前記具体例においては、ガス供給源102が、チューブ・トレイラーであって、例えば、燃料を輸送機関に燃料供給システム100を経由して供給するための場所(site)にデリバーされる(delivered、配給される、配達される、配送される、など)ようなものである。いくつかの具体例においては、ガス供給源102が、燃料ガス・ジェネレータ(generator、発生器)、例えば、リフォーマ(reformer、改質器、改質反応器など)またはエレクトロライザ(electrolyzer、電解装置、電解槽など)を有してもよい。いくつかの具体例においては、前記ガス供給源が、コンプレッサを有してもよい。燃料供給システム100は、種々のプロセス・デバイス(process devices、プロセスすなわち処理を実現するために使用されるデバイスなど)、例えば、いくつかのバルブ、いくつかのセンサ、いくつかのフィルタ、いくつかの導管およびそれらと同様なものであって後に詳述されるものを有してもよい。
【0016】
図2に示されるように、燃料供給システム100は、プロセシング(processing、処理)・エレメント、例えば、コントローラ200により制御されてもよく、そのコントローラ200は、例えば、プログラマブル・ロジック・コントローラ(programmable logic controller、コンピュータがプログラムを実行することによって制御を行うデバイスなど )(PLC)である。
図2は、コントローラ200のうちの上述の種々のデバイス(the various devices、上述のプロセシング・エレメントなど)についての簡略ブロック図を示している。図示されるように、コントローラ200は、1または複数のプロセシング・エレメント202と、任意選択的なディスプレイ204と、1または複数のメモリ・コンポーネント(memory components、メモリ部品)206と、ネットワーク・インターフェース208と、電源(power supply、パワー供給源、電源回路など)210と、任意選択的な入力/出力I/Oインターフェース212とを有してもよく、ここでは、それら種々のコンポーネントは、それぞれ、互いに直接的に接続される状態にあっても、互いに間接的に、例えば、1もしくは複数のシステム・バス、コンタクト・トレース(contact traces、電気的接続部、など)、電気配線(wiring)を介するか、またはワイヤレス・メカニズム(wireless mechanisms、ワイヤレス機構部、無線機構部など)を介して接続される状態にあってもよい。
【0017】
1または複数のプロセシング・エレメント202は、実質的に任意の電子デバイスであってもよく、その電子デバイスは、命令(instructions)を処理し(processing、実行し、プロセシングし)、受け取り、および/または送出することが可能である。例えば、プロセシング・エレメント202は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、グラフィックス・プロセシング・ユニットまたはそれらと同様なものであってもよい。さらに注目すべきことは、プロセシング・エレメント202は、1または複数のプロセシング・エレメントまたは1または複数のプロセシング・モジュールであって、それぞれ、互いに接続される状態にあってもなくてもよいものを有してもよいということである。例えば、第1のプロセシング・エレメントが、当該コンピューティング・デバイス(the computing device、前述のコントローラ200、など)のうちの第1のコンポーネント・セット(set of components、当該コンピューティング・デバイスを構成する複数のコンポーネントの一部より成る1つのセット、など)を制御してもよく、また、第2のプロセシング・エレメントが、当該コンピューティング・デバイス(the computing device、前述のコントローラ200、など)のうちの第2のコンポーネント・セット(set of components、前記複数のコンポーネントのうち別の一部より成る1つのセット、など)を制御してもよく、ここに、それら第1および第2のプロセシング・エレメントは、それぞれ、互いに接続される状態にあってもなくてもよい。それに関連して、前記いくつかのプロセシング・エレメントは、1または複数の命令(instructions、プログラミング命令、ステートメントなど)を局所的に(locally、一か所で)かつ互いに並行して、および/または、ネットワーク上で(across)、例えばいくつかのクラウド・コンピューティング・リソースを用いて実行するように構成される。
【0018】
ディスプレイ204は、任意選択的であるとともに、コントローラ200のうちのいくつかのデバイスのための入力/出力メカニズムを、例えば、視覚情報(例えば、イメージ、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、動画、通知およびそれらと同様なもの)をユーザに表示することなどを目的として提供し、また、具体的ないくつかの例においては、ディスプレイ204が、さらに、ユーザ入力(例えば、タッチ・スクリーンまたはそれと同様なものを介して)を受け取るために作用してもよい。前記ディスプレイは、LCDスクリーン、プラズマ・スクリーン、LEDスクリーン、有機LEDスクリーンまたはそれらと同様なものであってもよい。いくつかのディスプレイの種類および数は、いくつかのデバイスの種類(例えば、スマートフォン対デスクトップ・コンピュータ、対PLC)に応じて異なってもよい。
【0019】
いくつかのメモリ・コンポーネント206は、燃料供給システム100により利用されてもよい電子データ、例えば、オーディオ(audio、音声)・ファイル、ドキュメント(document、文書)・ファイル、プログラミング命令(programming instructions)およびそれらと同様なものを格納する(store、保存する)。いくつかのメモリ・コンポーネント206は、例えば、不揮発性ストレージ、磁気記録媒体、光学記録媒体、光磁気記録媒体、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(読み書き可能メモリ)、書き込み・消去可能メモリ、フラッシュ・メモリ、または1もしくは複数の種類のメモリ・コンポーネントの組合せであってもよい。前記いくつかのメモリ・コンポーネントは、任意選択的に、クラウド・ネットワークまたはこれと同様なものを介してそれぞれリンクされ(linked、相互に接続され、および/または他の前述のコンピューティング・デバイスに接続され、など)、その際、ネットワーク・インターフェース208を経由する。
【0020】
ネットワーク・インターフェース208は、データを前記ネットワークに対して送受信し、ひいては、そのデータを燃料供給システム100のうちの前述の種々のデバイスに対して送受信する。ネットワーク・インターフェース208は、データを燃料供給システム100のうちの前記複数のデバイスに直接的にまたは間接的に送出し(transmit)および送信し(send)てもよい。例えば、前記ネットワーキング/通信インターフェース(the networking/communication interface、前述のネットワーク・インターフェース208など)は、データを他のいくつかのコンピューティング・デバイス(computing devices)に対して、ネットワーク、例えば、RS-232、DH-485、CANBUS、MODBUS、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi、Wi-Max、Bluetooth(商標登録)、ジグビー(ZigBee)または他の適切な有線または無線ネットワークを経由して送受信してもよい。いくつかの実施態様においては、前記ネットワーク・インターフェースが、さらに、種々のモジュール、例えば、いくつかのリクエスト(requests、指令など)を前記ネットワーク上でインターフェースして(interface、仲介して)トランスレートする(translates、変換する)アプリケーション・プログラム・インターフェース(API)を有してもよい。
【0021】
コントローラ200は、電源210を有してもよい。その電源210は、電力(power)をコントローラ200のうちの種々のコンポーネントに供給し、さらに、任意選択的に、燃料供給システム100のうちの前述のいくつかのコンポーネントにも供給してもよい。電源210は、1または複数の充電可能なハードウェア資源、使い捨て可能なハードウェア資源、または、有線式電源(hardwire sources)、例えば、バッテリ、電源コード(power cord、電源ケーブル)、AC/DCインバータ、DC/DCコンバータ、燃料電池もしくはそれらと同様なものを有してもよい。さらに、電源210は、1または複数の種類のコネクタまたはコンポーネントであって、異なる複数の種類の電力を燃料供給システム100の種々のデバイスまたはコントローラ200に供給するものを有してもよい。いくつかの具体例においては、電源210が、コネクタ(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス)を有してもよく、そのコネクタは、パワー(power、電力、電気エネルギーなど)を前記コンピュータまたはそのコンピュータ内のバッテリに供給し、さらに、データを前記デバイス(the device、燃料供給システム100のうちのあるデバイスなど)に対して送受信し、ひいては、そのデータを他のいくつかのデバイス(other devices、燃料供給システム100のうちの他のいくつかのデバイスなど)に対して送受信する。
【0022】
前述の任意選択的な入出力インターフェース(I/O interface、I/Oインターフェース)212は、コントローラ200がユーザから入力を受け取ることと、ユーザに出力を提供することとを可能にする。例えば、I/Oインターフェース212は、静電容量方式タッチ・スクリーン、キーボード、マウス、スタイラスまたはそれらと同様なものを有してもよい。入出力インターフェース212を経由して情報交換する(interact、対話する、相互作用する)デバイスの種類は、要望に応じて異なってもよい。
【0023】
図1に戻ると、燃料供給システム100は、1または複数のブレークアウェイ・カップリング(breakaway coupling、緊急リリース・カップリング、緊急離脱装置、配管が予定外に離脱または切断されるとその場所で閉止または閉塞して流体漏れを自動的に防止する装置、ブレークアウェイ機能を有する接続具、コネクタ、継手、など)、例えば、ブレークアウェイ・カップリング104および/またはブレークアウェイ・カップリング114を有してもよい。ブレークアウェイ・カップリング104および/またはブレークアウェイ・カップリング114は、万一、導管が圧力下で(under pressure、高圧が作用している状態で)破裂するかまたは他の方法で誤って切断された(disconnect、接続解除された、分離された、離脱された)場合、当該導管内におけるガスの流れを停止させるのに適切なものであってもよい。
【0024】
燃料供給システム100は、1または複数のチェック・バルブ(check valves、逆止め弁、逆止弁)、例えば、燃料ガス・チェック・バルブ120、燃料ガス・チェック・バルブ134、パージガス(purge gas、残留ガスを追い出したり除去するためにその残留ガスを置換するために送り込まれる別のガス、浄化ガスなど)・チェック・バルブ112またはそれらと同様なものであるものを有してもよい。チェック・バルブは、自身内においてガスが一方向に流れることを許可するが自身内においてガスが逆向きに流れることを実質的に阻止するように作用するものであってもよい。
【0025】
燃料供給システム100は、1または複数のオン/オフ・バルブ(on/off valve、全閉位置と全開位置とに切り換わるバルブ、弁の開閉を行うバルブなど)すなわちシャットオフ・バルブ(shutoff valve、両方向流遮断位置と両方向自由流れ許可位置とに切り換わるバルブなど)を有してもよい。シャットオフ・バルブは、手動で操作されるものでもよく、または、多くの具体例においては、アクチュエータによって自動的に駆動されるものであってもよい。シャットオフ・バルブは、自身が開かれたとき自身内をガスが流れること許可し、また、自身が閉じられたときは、自身内をガスが流れることを実質的に阻止する。燃料供給システム100は、1または複数の手動操作型オン/オフ・シャットオフ・バルブ、例えば、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106、燃料ガス・シャットオフ・バルブ130、ブロック・バルブ(block valve、遮断バルブなど)138aおよび燃料ガス貯蔵遮断バルブ(fuel gas storage isolation valve、燃料ガス貯蔵アイソレーション・バルブ)180aを有してもよい。燃料供給システム100は、1または複数の自動駆動型シャットオフ・バルブ、例えば、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132a、パージガス・ベント・バルブ108a、パージガス供給バルブ110a、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146a、燃料貯蔵容器シャットオフ・バルブ176a、およびパージガス・シャットオフ・バルブ148aを有してもよい。
【0026】
上述のいくつかのシャットオフ・バルブは、それぞれのアクチュエータ、例えば、燃料ガス・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ132b、パージガス・ベント・バルブ・アクチュエータ108b、パージガス供給バルブ・アクチュエータ110b、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ146b、燃料貯蔵容器シャットオフ・バルブ・アクチュエータ176b、ブロック・バルブ・アクチュエータ138b、燃料ガス貯蔵遮断バルブ・アクチュエータ(fuel gas storage isolation valve actuator、燃料ガス貯蔵アイソレーション・バルブ・アクチュエータ)180bおよび/またはパージガス・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ148bを有してもよい。多くの具体例においては、上述のいくつかのアクチュエータが、流体圧式デバイス(例えば、空気、窒素またはそれらと同様なものの如きガスが圧縮されたガスによって駆動される)であって、作動状態において、各アクチュエータに対応するそれぞれのバルブを開かせるかまたは閉じさせるものであってもよい。他のいくつかの具体例においては、アクチュエータが、流体的に駆動されるか、電気的に駆動されるかまたはこれらと同様なものであってもよい。いずれのアクチュエータであれ、各アクチュエータによって駆動されるバルブの位置を示す位置インジケータを有するかまたはそれに関連付けられ(associated with、連携させられ、連動し)てもよい。いくつかの実施態様においては、位置インジケータが、リミット・スイッチ、近接スイッチまたはそれらと同様なものであって、コントローラ200のうちのプロセシング・エレメント(a processing element、前述のプロセシング・エレメント202など)と電気的に導通する状態に(in electrical communication、電気的導通状態に)あるとともに、前記バルブ位置(the valve position)を前記プロセシング・エレメントに示すように作用するものであってもよい。いくつかの実施態様においては、位置インジケータが、バルブ位置を燃料供給システム100のユーザに、例えば、フラグ(flag、状態表示、標識など)または他の視覚的インジケータであってバルブ位置を視覚的に示すものを用いることにより、示すものであってもよい。本書類に記載されているバルブは、いずれであれ、プロセシング・エレメントによって制御されるアクチュエータによって駆動される自動型バルブであってもよい。本書類に記載されている任意のバルブの位置は、位置インジケータによって示されてもよく、その位置インジケータは、アクチュエータ(an actuator、当該位置インジケータによってその作動位置を示されるバルブを駆動するアクチュエータ、燃料供給システム100に使用される任意のアクチュエータ、など)に関連付けられ(associated with、連携させられ、連動す)るものであってもよいし、または、前記アクチュエータから独立したデバイスであってもよい。
【0027】
燃料供給システム100は、1または複数の圧力制御弁(pressure control valves、調圧弁、レギュレータ、減圧弁、など)を有してもよい。圧力制御弁が、自身の上流または下流における燃料ガスの圧力を調圧する(regulate、レギュレートする、圧力を目標値または設定値(セットポイント)に対して誤差範囲内にあるように調整する、など)ように構成されてもよい。例えば、燃料供給システム100は、いくつかの圧力制御弁を、パージガス前方圧力(forward pressure)レギュレータ142、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122および/または燃料ガス・レギュレータ(第2ステージ)140という形態で有してもよい。それらレギュレータは、自身の出口、すなわち、自身の下流側における前記燃料ガスの圧力を調整する前方圧力(forward pressure)レギュレータであってもよい。いくつかの具体例においては、前記圧力制御弁が、自身の上流側すなわち入口における前記燃料ガスの圧力を調整する背圧(backpressure)レギュレータであってもよい。本書類に記載されている圧力制御弁は、いずれであっても、手動でまたは自動でセットされ(set、目標値が設定され)てもよい。例えば、圧力制御弁が、電流-圧力(I/P、電流/圧力変換型)コントローラ、電圧-圧力(V/P、電圧/圧力変換型)コントローラまたはそれらと同様なコントローラであって、プロセシング・エレメント(a processing element、前述のプロセシング・エレメント202など)から電気的な入力信号を受け取り、前記圧力制御弁の上流側または下流側の圧力を制御するものであってもよい。いくつかの実施態様においては、いくつかの圧力制御弁が、バイアス・スプリングまたはパイロット(pilot、自身または別のデバイスの作動状態を監視するための先行動作や水先案内、など)・レギュレータ(pilot regulator、別の本来のバルブを事前に制御するためのバルブ、先行弁、案内弁、など)を介するなどして手動でセットされ(set、目標値が設定され)るものであってもよい。
【0028】
燃料供給システム100は、1または複数の燃料ガス貯蔵容器(vessels、ベッセル)166を有してもよい。各燃料ガス貯蔵容器166は、前記燃料ガスを目標圧力(desired pressure)で収容する(contain、封じ込める)任意の適切な容器(container、コンテナ、収容体など)であってもよい。いくつかの実施態様においては、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166のうちの1または複数が、金属(通常、鋼またはアルミニウムであるが、他の金属および/または合金であってもよい)製の圧力容器(一般に、タイプIの容器と称される)。いくつかの実施態様においては、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166のうちの1または複数が、金属製圧力容器(例えば、アルミニウム製)がそれの外周を繊維強化複合材料(fiber reinforced composite)(例えば、ガラス繊維、アラミド繊維または炭素繊維が母材内に保持されたもの)によって包囲された(wrapped、巻き付けられた)もの(例えば、タイプIIの容器)であってもよい。いくつかの実施態様においては、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166のうちの1または複数が、金属製のライナー(liner、内張り、内容器)(例えば、アルミニウム製または鋼製)がそれの外周を繊維強化複合材料によって包囲されたもの(例えば、タイプIIIの容器)であってもよい。いくつかの実施態様においては、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166のうちの1または複数が、ポリマー製のライナ(例えば、熱可塑性)が繊維強化複合材料によって包囲されたもの(例えば、タイプIVの容器)であってもよい。種々の具体例においては、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166が、燃料ガスを、250バール(250-bar)、350バール(350-bar)、500バール(500-bar)または700バール(700-bar)という代表的な圧力(nominal pressure、概数化された圧力)の高さで収容するのに適切なものであってもよい。前記燃料ガスは、必要に応じ、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166に加えられるか、または、それから取り出されてもよい。いくつかの実施態様においては、前記いくつかの燃料ガス貯蔵容器166およびパイロット・サブシステム(subsystem、燃料供給システム100の一部を構成するシステム)が、任意選択的なものであってもよい。例えば、燃料供給システム100は、前記燃料ガスを、燃料ガス供給源102から燃料消費デバイス(a fuel consumption device)に、その燃料ガスを貯蔵することなく、供給するために使用されてもよい。
【0029】
いくつかの例においては、燃料ガス貯蔵容器166が、メタル・ハイドライド(metal hydride、金属水素化物、水素貯蔵金属、水素吸蔵金属など)の如き固体貯蔵媒体(solid state storage medium、固体という状態で貯蔵を行う媒体)を収容するのに適切なものであってもよい。固体貯蔵媒体は、水素の如き燃料ガスを可逆的に、不燃性である(non-flammable)とともに低圧である状態(例えば、約70-約100バール)で貯蔵するかもしれず、また、前述のいくつかの従来の圧力容器を超えるいくつかの具体的な利点を有するかもしれない。例えば、関係する圧力が上述のように概して低圧であることが原因で、固体貯蔵媒体を収容する容器の壁厚は、従来の圧力容器の壁厚より薄く、低コストであるかもしれない。さらに、固体貯蔵媒体を収容する容器は、形状に関し、従来の圧力容器であって、自身内に収容される高圧ガスによって自身の壁に付加される応力が原因で一般的に円筒状または球状であるものに対して相対的に、よりフレキシブルであるかまたは他のものへの適応性がより高いように製作されてもよい。水素の如き燃料ガスを収容可能ないくつかの例示的な固体貯蔵媒体は、不安定化されたハイドライド(destabilized hydraides)(例えば、LiBH4/MgF2(LiBH4およびMgF2の混合物、など)、陰イオン(anionic)材料(Mg(BH4)2)、アミド/イミド(amide/imide、アミドおよびイミドの混合物、など)材料(例えば、2LiNH2 + MgH2)、およびアラン(alane、水素化アルミニウム)を含有する。他の固体貯蔵材料が、L. Klebanoff & J. Keller, Final Report for the DOE Metal Hydride Center of Excellence (Sandia National Laboratories, SAND2012-0786, Feb. 2012)に記載されており、この記載は、目的の如何を問わず、引用によって本書類に合体させられる。
【0030】
燃料供給システム100は、前記燃料ガスの物理的特性、環境条件(ambiment conditions、当該燃料供給システム100を取り巻く環境の状態)および/または当該燃料供給システム100の前述の複数のコンポーネントの状態を検出する1または複数のセンサを有してもよい。いくつかのセンサが、圧力または温度の如き特性を検出してもよい。例えば、燃料供給システム100は、1または複数のトランスミッタ(transmitters、物理的特性を検出して送出するデバイス、トランスデューサ、センサなど)、例えば、燃料ガス供給圧力トランスミッタ116、燃料ガス第1ステージ圧力トランスミッタ136、燃料ガス供給圧力トランスミッタ118および/または貯蔵圧力トランスミッタ174を有してもよい。同様に、燃料供給システム100は、燃料ガス貯蔵温度トランスミッタ178の如き1または複数の温度トランスミッタを有してもよい。
【0031】
いくつかのセンサ(Sensors、トランスミッタ、トランスデューサ、など)が、検出された物理的特性を、コントローラ200または他の適切なコントロール・システムによって受け取られるのに適切な電気信号に変換してもよい。例えば、センサが、検出された物理的特性を、電流信号(例えば、4mAから20mAまでの範囲内の電流値を表す信号またはこれと同様なもの)または電圧信号(例えば、0Vから5Vまでの範囲内の電圧値、0Vから10Vまでの範囲内の電圧値またはこれらと同様なもの)の如きアナログ信号に変換してもよい。いくつかの具体例においては、センサが、検出された物理的特性を、RS-232、DH-485、CANBUS、MODBUS、Ethernet(登録商標)または他の適切な形態を有するデジタル信号の如きデジタル信号に変換してもよい。デジタル信号とアナログ信号とのうちのいずれかが有線または無線で送信されてもよい。
【0032】
燃料供給システム100は、1または複数のフィルタ、例えば、フィルタ124を有してもよい。フィルタは、燃料ガスが自身を通過することを許可するが、粒子状(particulate)物質または液状物質(matter)が通過することを阻止するかまたはそれら物質を捕捉する任意のデバイスであってもよい。燃料供給システム100は、必要に応じ、他のいくつかのフィルタを有してもよい。
【0033】
燃料供給システム100は、1または複数の圧力安全弁(safety valve、圧力容器の安全確保などのために弁体が自動的に開くデバイス、安全逃がし弁、など)を有してもよい。圧力安全弁は、燃料ガスの圧力がセットポイント圧力レベル(set point pressure level、設定圧力値、リリーフ圧、上限圧、など)を超えると、その燃料ガスが導管または容器からリリーフする(relieve、逃がす)任意のデバイスであってもよい。そのリリーフされた燃料ガスは、大気にベントされる(vented、放出される、排気される)。いくつかの具体例においては、圧力安全弁が、前記燃料ガスの圧力および温度がそれぞれのしきい値を超えると、その燃料ガスをリリースする(release、放出する、解放する)ものであってもよい。例えば、燃料供給システム100は、パージガス圧力安全弁150および/または燃料ガス圧力安全弁128を有してもよい。
【0034】
燃料供給システム100は、1または複数の温度圧力リリーフ・デバイス、例えば、温度圧力リリーフ・デバイス(temperature pressure relief device、圧力または温度がそれぞれの安全レベルを超えると自動的に流体を逃がす安全装置、過熱過圧防止安全装置、温度-圧力リリーフ・デバイス、流体の一部を戻り側に逃がしてその圧力を設定値に保持する圧力制御弁、温度と圧力との少なくとも一方に感応する温度/圧力感応リリーフ・デバイス、温度-圧力感応リリーフ・デバイスなど)188を有してもよい。温度圧力リリーフ・デバイス188は、燃料ガス貯蔵容器166の温度がしきい値を超えるときも同様に(also exceeds a threshold value、温度もしきい値を超えるとき)、その燃料ガス貯蔵容器166内における圧力の危険な上昇(an unsafe buildup of pressure、燃料ガス貯蔵容器166内の圧力のうち危険な上昇が行われた部分、など)をベントしてもよい。例えば、燃料ガス貯蔵容器166は、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃または約130℃という温度においてベントを行ってもよい。他のいくつかの例においては、燃料ガス貯蔵容器166が、それより高温または低温である温度においてベントを行ってもよい。この種の状況は、燃料ガス貯蔵容器166が、火に包まれるかまたは他の方法で火に曝され、それにより、燃料ガス貯蔵容器166内の前記燃料ガスの圧力が危険なレベルに上昇するかもしれないときに発生するかもしれない。
【0035】
温度圧力リリーフ・デバイス188は、パイロット・サブシステム182のうちのいくつかのデバイスによって制御されてもよい。いくつかの具体例においては、当該システム(the system、当該燃料供給システム100など)が、パイロット・サブシステム182を使用しない温度圧力リリーフ・デバイス188を有するときのような場合に、パイロット・サブシステム182が任意選択的なデバイスであってもよい。そのパイロット・サブシステム182は、燃料ガス貯蔵容器166の圧力に予想外の上昇が発生したときに温度圧力リリーフ・デバイス188を開かせることによって燃料ガス貯蔵容器166内の圧力を制御するいくつかのデバイスを有してもよい。そのパイロット・サブシステム182は、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aおよびパイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ146bであって、パイロット・サブシステム182が高圧燃料ガスによってチャージされる(charged、詰め込められる、装填される、充填される、など)ことを可能にするものを有してもよい。そのパイロット・サブシステム182に向かうガスのフローは、等エンタルピー・スロットル(isenthalpic throttle、流路に沿ってエンタルピーが一定であるような流動過程が起こる絞り)によって絞られ(restricted、絞られ、流れの断面積が減少させられ)てもよく、そのスロットルは、例えば、パイロット・ガス・スロットル184であり、これは、オリフィスであってもよい。導管が、シャトル・バルブ(shuttle valve、二以上の入口とそれらに共通の出口とを有し、出口は、入口圧力の作用によっていずれかの入口に自動的に接続されるバルブ、など)186を流体的に、パイロット・サブシステム182内のある位置であってパイロット・ガス・スロットル184の上流であるものに、例えばチェック・バルブ198を経由するなどして、接続してもよい。そのチェック・バルブ198は、燃料ガス貯蔵容器166がベントするときのあるイベント(event、事象)の実行中などにおいて、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aを通過する逆流を軽減するかまたは阻止するという利点を提供してもよい。パイロット・サブシステム182は、シャトル・バルブ186を有してもよい。そのシャトル・バルブ186および/または温度圧力リリーフ・デバイス188は、ガスを、パイロット・ゾーン・ベント・マニホールド154cであって、矢印190で示されるように、ガスをベント・マスト(vent mast、ベントされた流体を大気に放出するための通路、ベント管など)にベントするかもしれないものにベントしてもよい。
【0036】
燃料供給システム100の複数のコンポーネントは、前記燃料ガスと、燃料ガスを当該燃料供給システム100から排除する(clear、除去する)ために用いられてもよいパージガスとを収容する(contain、封じ込める)のに適切な1または複数の導管(conduit、コンジット)によって互いに接続されてもよい。多くの具体例においては、導管が、中空チューブであってもよい。その中空チューブは、パイプの剛性と同程度の剛性を有するものであってもよく、また、中空チューブは、ホースの如くフレキシブルなものであってもよい。導管は、適切な任意の材料によって製作されてもよい。多くの実施態様においては、いくつかの導管が、300系列ステンレス鋼(例えば、AISI 316/316L steel)によって形成されてもよい。多くの実施態様においては、前記燃料ガスの圧力が、250バール(250-bar)、350バール(350-bar)、500バール(500-bar)、750バール(750-bar)、900バール(900-bar)またはそれより高圧である代表的な圧力(nominal pressure、概数化された圧力)を有してもよい。燃料ガスの圧力は、いくつかの代表値に対して+/-約25%の範囲内で(about +/- 25%)変動してもよい。より高い圧力を収容するように適応的に構成された典型的な導管は、より低い圧力を収容するように適応的に構成された導管より厚い壁および/またはより小さい直径を有してもよい。
【0037】
燃料供給システム100は、燃料ガス供給導管152aによってガス供給源102に選択的に(selectively、都合の良いときに、必要に応じ、など)流体的に接続可能であるものであってもよい。多くの実施態様においては、燃料ガス供給導管152aがフレキシブルなホースであってもよい。フレキシブルなホースは、輸送機関(例えば、チューブ・トレイラー)に装着された(coupled to)ガス供給源102の位置変動を許容するという利点を有してもよく、それは、燃料供給システム100が、可動体としての(movable)輸送機関に搭載されるかまたはそれに関連付けられる場合(例えば、燃料供給システム100が、波によって水中で上下動するかもしれないか、または潮の干満によってドックに対して上下に浮遊するボート上に位置するかもしれない)である。
【0038】
燃料供給システム100は、1または複数の導管によって形成された燃料ガス供給マニホールド158を有してもよい。同様に、燃料供給システム100は、パージガス供給源144にも燃料ガス供給マニホールド158にも接続されたパージガス供給マニホールド156を有してもよい。パージガス供給源144は、燃料ガス供給源102に関連付けられ(associated with、連携させられ、連動し)てもよい(例えば、燃料ガス供給源102を有するトレイラー上に設けられてもよい)。いくつかの実施態様においては、パージガス供給源144が、燃料供給システム100に関連付けられ(associated with、連携させられ、連動し)てもよい。その燃料供給システム100は、1または複数のベント・マニホールド、例えば、パージガス・ベント・マニホールド154a、燃料ガス・ベント・マニホールド154bおよび/またはパイロット・ゾーン・ベント・マニホールド154cのようなものを有してもよい。それらベント・マニホールド154a、154bおよび154cは、矢印160,162および190で示すように、それぞれのベント・マストと流体的に連通する状態にあってもよい。いくつかの実施態様においては、それらベント・マニホールド154a、154bおよび154cが、共通のベント・マスト(a common vent mast、それらベント・マニホールド154a、154bおよび154cに共通の1つのベント・マストなど)と流体的に連通する状態にあってもよい。
【0039】
燃料供給システム100は、1または複数の圧力ゾーン、例えば、高圧ゾーン170、中圧ゾーン168および/または低圧ゾーン172のようなものを有してもよい。
図1に示す実施態様においては、高圧ゾーン170が、ブレークアウェイ・カップリング104と、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106と、燃料ガス供給導管152aと、ブレークアウェイ・カップリング114と、パージガス・チェック・バルブ112と、燃料ガス供給圧力トランスミッタ116と、燃料ガス・チェック・バルブ120と、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122とを有する。高圧ゾーン170は、フィルタ124の如きフィルタを有してもよい。いくつかの実施態様においては、前記燃料ガスが、ガス供給源102から、ブレークアウェイ・カップリング104を経由して、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106まで流れてもよい。その燃料ガスのフローは、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106によって制御されてもよい。その燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106は、手動または自動で駆動されてもよい。高圧ゾーン170(例えば、燃料ガス供給源102の圧力の高さを有する)および中圧ゾーン168(例えば、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)を経由して)を提供することは、いくつかの特定の利点を有するかもしれない。より効率的であるかもしれないことは、燃料ガスを低圧のもとで輸送する場合より高圧のもとで輸送する(transport)ことである。例えば、燃料ガスがチューブ・トレイラーによって供給されるとき、それのいくつかのチューブ内の圧力が高いほど、与えられた(given、一定の)積み荷(shipment、輸送物、搬送物、出荷物など)内に、燃料(例えば、前記トレイラーを牽引するトラクタのためのディーゼル)の費用についての非常に少ないコスト増分の割りにより多くの燃料を含めることが可能である。しかし、より高い輸送圧力(transport pressures、輸送時に燃料に作用する圧力など)は、燃料ガス貯蔵システムに適合しないかもしれない(すなわち、圧力容器または導管の圧力についての定格(rating)を超えるかもしれない)。低圧の定格(ratings)を有する容器は、一般に、高圧の定格を有する容器より安価であり、また、サイズまたは重量が重要な考慮事項ではない場所である燃料ガス貯蔵システム(例えば、静置型の燃料ガス貯蔵部(storage、貯蔵所、ストレージ))内に用いられるかもしれない。よって、前記燃料ガスの圧力を前記高圧ゾーンと前記中圧ゾーンとの間の位置において減圧することは、高圧での効率的なデリバリー(delivery、燃料ガスの配給、送給、配送、放出、配達など)を低コストで行うとともにより低圧で貯蔵を行うシステムを用いることを可能にするかもしれない。
【0040】
ガス供給源102がブレークアウェイ・カップリング104に接続され、かつ、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106が開かれているとき、燃料ガスが、ガス供給源102から燃料供給システム100に、燃料ガス供給導管152aを経由して流れる。その燃料ガス供給導管152aは、燃料供給システム100に、ブレークアウェイ・カップリング114を経由して接続されてもよい。前記燃料ガスは、燃料ガス・チェック・バルブ120を経由し、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122に向かって流れてもよい。燃料ガス・チェック・バルブ120を燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122の上流側に配置するという利点が、燃料ガス供給導管152aの突然のもしくは予定外の喪失または離脱が起こる場合に見られてもよく、ここに、前記燃料ガスは、燃料供給システム100から排出されて大気内に逆流することが阻止されることになる。一般に、燃料ガスを適切なシステム内に封じ込めることが望ましく、なぜなら、燃料ガスは、漏れると、発火または爆発することが可能であるからである。燃料ガス供給圧力トランスミッタ116は、それが高圧ゾーン170の圧力を検出可能であるように、燃料ガス供給マニホールド158内の任意の適切な位置に配置されてもよい。その燃料ガス供給マニホールド158は、燃料ガスを燃料ガス供給マニホールド158からパージする(purge、除去する、追い出す、など)ためにパージガスが本書類に開示されている方法に従って用いられるように、高圧ゾーン170をパージガス供給マニホールド156に流体的に接続する導管を有してもよい。
【0041】
高圧ゾーン170は、中圧ゾーン168に、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122の位置において接続されてもよい。その燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122は、前記燃料ガスの圧力を、高圧ゾーン170と中圧ゾーン168との間の位置において減圧してもよい。例えば、ガス供給源102は、前記燃料ガスを例えば500バール(500-bar)という高さの圧力で供給してもよい。燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122は、ガス供給源102によって供給されたときの前記燃料ガスの圧力を、500バール(500-bar)から、それより低い圧力、例えば、100バール(100-bar)、200バール(200-bar)、350バール(350-bar)、400バール(400-bar)またはこれらと同様なものに減圧してもよい。いくつかの例においては、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122が、当該燃料圧力を、メタル・ハイドライドの如き固体貯蔵システムに適合する圧力に減圧してもよい。例えば、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122は、当該圧力を約10-約40バールに減圧してもよい。
【0042】
燃料ガスが、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122から中圧ゾーン168内に流れてもよい。その燃料ガスは、粒子状物質または液体を捕捉しまたはそれらを自身から分離させるために燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122からフィルタ124に流れてもよい。前記燃料ガスは、フィルタ124から燃料ガス・シャットオフ・バルブ130に流れ、その後、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aに流れてもよい。燃料ガス・シャットオフ・バルブ130は、当該燃料フローを手動でシャットオフする(shut off、閉止する)ために用いられてもよい。いくつかの実施態様においては、バルブ130または132aのいずれかが任意選択的なものであってもよい。例えば、システムが、手動シャトル・バルブ130は有するが駆動型(actuated、自動型)バルブ132aは有しなくてもよいし、またはその逆であってもよい。燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aは、燃料ガス供給マニホールド158内の前記燃料ガスの流れを許可または停止させるために、それぞれ、燃料ガス・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ132bによって開かれるかまたは閉じられるものであってもよい。燃料ガス第1ステージ圧力トランスミッタ136は、中圧ゾーン168の圧力を検出可能であるように、燃料ガス供給マニホールド158内の適切な任意の位置に配置されてもよい。ブロック(block、遮断)・バルブ138aは、保守という目的などのために、燃料ガス第1ステージ圧力トランスミッタ136を中圧ゾーン168から遮断する(isolate、アイソレーションする)ために提供されてもよい。前記燃料ガスは、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aから燃料ガス・チェック・バルブ134に流れてもよい。その燃料ガス・チェック・バルブ134は、中圧ゾーン168のうち、当該燃料ガス・チェック・バルブ134の上流側のいくつかの部分への前記燃料ガスの逆流を阻止してもよい。中圧ゾーン168は、例えばバルブ189aを介するなどして、選択的にベント・マニホールド154aと流体的に連通する状態となるブランチ(branch、枝通路)を有してもよい。そのブランチは、燃料ガス・マニホールド158のうち、チェック・バルブ134の下流側または他の適切ないくつかの位置に配置されてもよい。バルブ189aは、アクチュエータ189bによって選択的に作動させられることが可能である(例えば、開くことが可能であるかまたは閉じることが可能である)ものであってもよい。前記ブランチは、燃料ガス貯蔵容器166および/または燃料供給システム100のうちの他のいくつかの部分をベントしおよび/または不活性化するために用いられてもよい。
【0043】
燃料ガス供給マニホールド158は、中圧ゾーン168内においてブランチ(branch、分岐管、枝通路、複数本の枝通路の集まりなど)またはT字管(tee、T字合流配管、T字状継手、枝通路を有する継手、足部を有する継手、T字状通路、など)194を有するかまたはそれに接続されてもよい。そのT字管194は、フレキシブルなホースとの接続により、燃料ガス供給マニホールド158と流体的に連通する状態にあってもよい。前記ブランチの1本のレッグ(leg、足部、枝通路など)が、低圧ゾーン172に燃料ガス・レギュレータ(第2ステージ)140を経由して流れ(flow)てもよい。シャトル・バルブ197が、そのレギュレータ140の上流側に提供されてもよい。そのシャトル・バルブ197は、レギュレータ140に対して前記燃料ガスのポジティブ・シャットオフ(positive shutoff、停滞や戻りがないように確実動作を行うシャットオフ、確動式シャットオフ)を提供するという利点を提供してもよい。低圧ゾーン172は、矢印164で示されるように、1または複数の燃料消費デバイス、例えば、1または複数の燃料電池、エンジンまたはこれらと同様なものに、流体的に連通する状態にあるとともに、それに燃料を流してもよい。燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122の場合と同様に、燃料ガス・レギュレータ(第2ステージ)140は、前記圧力を、中圧ゾーン168から、低圧ゾーン172での使用される低い圧力に減圧する前方圧力レギュレータであってもよい。例えば、燃料ガス・レギュレータ(第2ステージ)140は、前記燃料ガスの圧力を、350バール(350-bar)から、燃料電池の如きエンド・ユース・デバイスに適切な圧力に減圧するものであってもよい。例えば、燃料ガス・レギュレータ(第2ステージ)140は、前記燃料ガスの圧力を10バール(10-bar)に減圧するものであってもよい。いくつかの例においては、燃料ガス・レギュレータ(第2ステージ)140が、前記燃料ガスの圧力を、燃料ガス貯蔵容器166内の圧力、例えば、約900バール(900-bar)から、燃料を輸送機関に供給するのに適切な圧力、例えば、約500バール(500-bar)、約625バール(625-bar)、約700バール(700-bar)および/または約875バール(875-bar)に減圧してもよい。他のブランチ(The other branch、別の枝通路、別のレッグ、T字管194から延びる別の枝通路、など)が、例えば燃料ガス貯蔵遮断(storage isolation、貯蔵部遮断)バルブ180aを経由するなどして、前記燃料ガスをパイロット・サブシステム182および/または1もしくは複数の燃料ガス貯蔵容器166に供給する貯蔵容器供給ブランチ(branch、枝通路、レッグなど)187であってもよい。前記燃料ガスは、ブランチ187とパイロット・サブシステム182とに流体的に連通する状態にあるブランチ(branch、枝通路、レッグなど)193により、貯蔵容器供給ブランチ187からパイロット・サブシステム182に供給されるかもしれない。いくつかの具体例においては、燃料供給システム100が、任意選択的に、前記燃料ガスをパイロット・サブシステム182に供給するために、貯蔵容器供給ブランチ187とは別の(separate、から分離した、から独立した、など)パイロット供給ブランチ(branch、枝通路、レッグなど)191を有してもよい。そのパイロット供給ブランチ191は、シャットオフ・バルブ192によって選択的に閉じられることが可能であるものであってもよい。
図1に示す例においては、パイロット供給ブランチ191が、燃料ガス供給マニホールド158のうち、燃料ガス圧力安全弁128とシャットオフ・バルブ130との間の部分から延びている。他のいくつかの具体例においては、そのパイロット供給ブランチが、燃料ガス供給マニホールド158のうちの任意の適切な位置から延びるものであってもよい。別のパイロット供給ブランチ191を提供することは、例えば、パイロット・サブシステム182を燃料ガス貯蔵容器166より高い圧力の高さでフィルする(fill、充填する)という目的のために、貯蔵容器供給ブランチ187を用いることなくパイロット・サブシステム182をフィルすることを可能にするという利点を有するかもしれない。いくつかの例においては、燃料ガス貯蔵容器166が、前記マニホールド圧力(the manifold pressure、前述の燃料ガス供給マニホールド158の圧力、など)がタンク圧力(tank、前述の燃料ガス貯蔵容器166の圧力、など)より高圧となると、燃料ガスが前記容器(the vessel、圧力容器166、燃料ガス貯蔵容器166など)内に流入することを許可するチェック・バルブ(check valve、逆止め弁)を有してもよい。
【0044】
燃料ガスが、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aが、例えばパイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ146bによって開かれているようなときに、そのパイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aを通過するように流れてもよい。パイロット・サブシステム182は、前記燃料ガスの圧力(the fuel gas pressure、燃料ガス貯蔵容器166内の燃料ガスの圧力など)を保持し、シャットオフ・バルブ186を閉じたままにさせるものであってもよい。過大な温度が温度圧力リリーフ・デバイス188によって検出される(例えば、火災が検出される)場合、その温度圧力リリーフ・デバイス188は、例えばパイロット・ゾーン・ベント・マニホールド154cを経由するなどして、パイロット・サブシステム182内の前記燃料ガスをベントしてその圧力を減圧してもよい。パイロット・サブシステム182内の圧力が低下するとき、シャトル・バルブ186は、開かれて、前記燃料ガスを燃料ガス貯蔵容器166からベントしてもよい。シャトル・バルブ186および/または温度圧力リリーフ・デバイス188を通過する燃料ガスの流量(flow rate、フローレート、体積流量、質量流量など)は、火災中、前記パイロット・ゾーン内の圧力が維持されてもよく、かつ、前記燃料ガス貯蔵容器166がベントされてもよいように、パイロット・ガス・スロットル184を通過する流れより多いかもしれない。
【0045】
燃料供給システム100は、添加剤供給容器195を有してもよい。その添加剤は、固体、液体または気体であって、前記燃料ガスまたは前記パージガスに、それぞれのガス・ストリームに新規のまたは改善された特性を導入するために添加され得るものであってもよい。一例においては、前記添加剤が、着臭剤(ordorant、付臭剤)であってもよく、また、前記添加剤供給容器は、着臭剤供給容器195として用いられる。その着臭剤供給容器195は、例えばコントロール・バルブ196を経由することにより、燃料ガス・マニホールド158に選択的に流体的に連通する状態にあるものであってもよい。多くの燃料ガスに、特徴的な腐乱臭を有する着臭剤(例えば、メチルメルカプタン(methyl mercaptan))が添加される(doped、ドーピングされる)。この種のドーパント(dopants、添加剤)は、前記燃料ガスの漏れに対して近傍のユーザたちの注意を喚起するかもしれない。いくつかの燃料ガス、例えば、水素は、そのような着臭剤を用いずに配送されるかもしれない。例えば、水素を電気に変換する燃料電池システムは、メチルメルカプタン内に存在する硫黄の如き要素が低濃度であってもその要素によってダメージを受けるかもしれない。有利であるかもしれないことは、無害な着臭剤を前記燃料ガスに添加するということである。着臭剤についてのいくつかの例であって燃料電池システムの使用に適しているものは、アクリル酸エチル(ethyl acrylate)、アクリル酸メチル(methyl acrylate)、2-エチル-3-メチルピラジン(2-ethyl-3methylpyrazine)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(5-ethylidene-2-norbornene)、 アクリル酸エステル(acrylic acid esters)、アセトフェノン( acetophenone)、プロピオンアルデヒド(propionaldehyde)、n-ブチルアルデヒド(n-butyraldehyde)またはそれらのいくつかの混合物を含有する。
【0046】
着臭剤供給容器195は、着臭剤が芯(wick)から前記燃料ガス内に進入して消失する(evaporate into)ときのその芯を用いて、前記着臭剤を前記燃料ガスに供給するかもしれない。この着臭剤供給容器195は、着臭剤を前記燃料ガスに、その着臭剤が前記燃焼ガス内に、決められた滴下速度(rate of drops of a liquid)で供給されるドリップ方式システムを用いて供給するかもしれない。この着臭剤供給容器195は、前記着臭剤を前記燃料ガスに、前記着臭剤が圧縮されてバルブを通過して(例えば、コントロール・バルブ196を経由して)放出される注入(injection)式システムを用いて、供給するかもしれない。
【0047】
いくつかの具体例においては、燃料システム(the fuel system、前述の燃料供給システム)100が、当該システムの複数のコンポーネントをある包囲体内に詰め込むことなどにより、携行可能な(portable、持ち運び可能な、可搬性を有する)ものであってもよい。携行可能なシステム100の一具体例においては、当該システムが、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ104と、燃料ガス供給導管152aと、ブレークアウェイ・カップリング114と、燃料ガス供給マニホールド158と、燃料ガス・チェック・バルブ120と、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122と、燃料ガス圧力安全弁128と、シャットオフ・バルブ130と、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aと、燃料ガス・チェック・バルブ134と、ブロック・バルブ138aと、ブロック・バルブ・アクチュエータ138bと、パージガス前方圧力レギュレータ142と、パージガス・シャットオフ・バルブ148aと、アクチュエータ148bと、パージガス圧力安全弁150と、パージガス・ベント・バルブ108aと、パージガス供給バルブ110aと、圧力トランスミッタ118と、燃料ガス・ベント・バルブ126aと、シャットオフ・バルブ197と、T字管194と、任意選択的なものとして、レギュレータ140および/または燃料ガス貯蔵遮断バルブ180aおよびアクチュエータ180bであって前記燃料ガスが流れるものとを有してもよい。
【0048】
図3-
図8は、燃料供給システム100のような燃料供給システムを作動させるいくつかの方法を示している。
図3は、燃料供給システム100を燃料ガスを受け入れる(receive、受給する)ために準備する(preparing、用意する、前処理する)ためのセットアップ方法300の一例を示している。
図4は、フィリング(filling、燃料ガスの充填、燃料ガスの燃料ガス貯蔵容器166への充填)に先立ち、空気および/または燃料ガスの残余物(remnants)を燃料供給システム100からパージするための不活性化/高純度化(inerting/purifying、不活性化処理と高純度化処理との少なくとも一方を行う)方法400の一例を示している。
図5は、燃料供給システム100の完全性(integrity、完全無欠であること、正常であること)を確認する(verify)ための漏出(leak、リーク)チェック方法500の一例を示している。
図6は、パイロット・サブシステム182をチャージする(charge、充填する)ためのパイロット・サブシステム・チャージ方法600の一例を示している。
図7は、燃料ガスを燃料供給システム100のうち1または複数の燃料ガス貯蔵容器166にフィルする(fill、充填する)ためのフィル方法700の一例を示している。
図8は、燃料ガスの残余物を燃料供給システム100のうちの燃料ガス供給マニホールド158からパージする(purge、浄化する)ためのポスト・フィル(post fill、充填後)不活性化方法800の一例を示している。本書類に記載されているいくつかの方法のうちの複数の処理(operations)は、図示されているものとは異なる順序で実行されてもよく、また、いくつかの事例においては、複数の処理が、実質的に同時に実行されてもよい。いくつかの実施態様においては、前記複数の処理のうちのいくつかが、任意選択的なものであってもよいし、また、省略(omitted)されてもよい。
【0049】
図3に示されるように、セットアップ方法300は、処理302において開始されてもよく、そして、電気的パワー(electrical power、電力など)が燃料供給システム100に供給される。前記パワーは、任意の適切な電源、例えば、いずれも輸送機関に搭載されている燃料電池、発電機、バッテリ、エンジンまたは他の電源によって供給されてもよい。燃料供給システム100がボートに関連付けられる場合、ショア・パワー(shore power、陸上電源からの電力)が供給されてもよい。パワー(Power)、電力などが、プロセシング・エレメント、例えば、PLCにより、リレー(relay、継電器)または他の電力コントロール・デバイス(power control device、電力制御機器など)を介して自動的に供給されてもよい。
【0050】
セットアップ方法300は、処理304に移行し、そして、前記燃料ガス供給源が燃料供給システム100に接続される。燃料ガス供給導管152aは、燃料ガス供給源102と燃料供給システム100との間を接続してもよい。
【0051】
セットアップ方法300は、処理306に移行し、そして、燃料供給システム100のうちの前述の複数のバルブの状態(configuration)が確認されてもよい。例えば、燃料供給システム100の前述の複数のセンサ(sensors、前述のいくつかのトランスミッタなど)のうち任意のものは、選択的に燃料供給システム100から流体的に遮断されてもよい。例えば、ブロック・バルブ138aは、燃料ガス第1ステージ圧力トランスミッタ136と燃料ガス供給マニホールド158との間に位置してもよい。このブロック・バルブ138aは、アクチュエータ、例えば、ブロック・バルブ138aを開閉するように作用するブロック・バルブ・アクチュエータ138bを有してもよい。前記燃料ガス貯蔵遮断バルブ180aの位置は、例えば、燃料ガス貯蔵遮断バルブ・アクチュエータ180bに関連付けられる(associated with、連携する、連動する)位置インジケータを用いることにより、開いていることが確認され(verified as open、本当に開いていることが確認され、開位置であることが確認され)てもよい。パイロット・ゾーン・ベント・バルブ(pilot zone vent valve、シャトル・バルブ186など)および/または燃料抜きバルブ(defueling valve)であって燃料ガス貯蔵容器166に関連付けられるものの位置は、例えば、位置インジケータにより、閉じていることが確認され(verified as closed、本当に閉じていることが確認され、閉位置であることが確認され)てもよい。
【0052】
セットアップ方法300は、処理308に移行し、そして、パージガスがパージガス供給マニホールド156に供給される。例えば、パージガス源(purge gas source)、例えば、パージガス供給源144上のシャットオフ・バルブが開かれてもよい。パージガス前方圧力レギュレータ142の下流圧力は、約5-約15バールに調整されてもよい。パージガスは、空気、酸素および/または燃料ガスを燃料供給システム100から押し退ける(displace)ことが可能である任意の適切なガスであってもよい。多くの実施態様においては、前記パージガスが、窒素であってもよいが、他の適切な不燃性(non-flammable)ガスおよび/または非酸化性(non-oxidizing)ガス、例えば、アルゴン(argon)、キセノン(xenon)、クリプトン(krypton)、二酸化炭素(carbon dioxide)またはそれらと同様なものが使用されてもよい。
【0053】
図4は、空気、パージガスおよび/または燃料ガスを燃料供給システム100から除去するのに適切な不活性化/高純度化(purifying)方法400を示している。この不活性化/高純度化方法400は、例えばフィル方法700において燃料供給システム100をフィルする前に(before filling fueling system 100、プレ・フィルで、充填前に)、燃料供給システム100を不活性化または高純度化するのに適切なものであってもよい。燃料ガスの供給に先立って燃料供給システム100を不活性化することは、安全性という観点から重要である。燃料供給システム100の一部が、燃料供給システム100内に侵入してしまった空気を有する場合には、燃料供給システム100を最初に不活性化することなく燃料ガスを添加することは、燃料および空気より成る可燃性の混合物が形成される原因となるかもしれない。有利であるかもしれないことは、前記燃料ガスの汚染を防止するために、空気を燃料供給システム100から除去することである。燃料供給システム100を高純度化することは、例えば、当該システムの高純度化についての要求事項が厳格(例えば、99.99%という純度)である場合に、汚染物質、例えば、前記パージガスを除去するという利点を有するかもしれない。いくつかの例においては、この方法400が、燃料ガス供給マニホールド158を不活性化/高純度化するために使用されてもよい。いくつかの例においては、この方法400が、燃料ガス貯蔵容器166を不活性化/高純度化するために使用されてもよい。
【0054】
この方法400は、処理402に移行してもよく、そして、ガス(a gas、パージガスおよび/または燃料ガス)が燃料供給システム100に供給される。方法400は、パージガスを供給することにより行われる不活性化方法として使用されてもよい。この方法400は、燃料ガスを供給することにより行われる高純度化方法として使用されてもよい。不活性化方法として使用されるとき、この方法400は、処理402において開始されてもよく、そして、パージガス供給バルブ110aおよびパージガス・シャットオフ・バルブ148aは、それぞれ対応するパージガス供給アクチュエータ110bおよびパージガス・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ148bによって開かれ、それらはコントローラ200により制御される。そのコントローラ200は、パージガス供給マニホールド156および/または燃料ガス供給マニホールド158内の前記パージガスの圧力を監視してもよい。高純度化方法として使用されるとき、処理402は、燃料ガスを燃料供給システム100に供給するため、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ104を開かせることに移行してもよい。コントローラ200は、燃料ガス供給圧力トランスミッタ116により報告される圧力を監視する。当該方法は、前記ガスの圧力が安定化するまで、他の処理に移行せずに一時停止してもよい。圧力の安定度は、当該圧力の時間的変化レート(rate、変化速度、変化勾配、変化量、変化率など)によって測定されてもよい。例えば、前記圧力の変化量が、1分間当たり約50-約100ミリバール未満であるときである。コントローラ200は、当該システムが安定化するときの圧力の値を、例えば、この方法の実行中におけるその後の使用に備えてメモリ・コンポーネント206内に記録してもよい。
【0055】
不活性化/高純度化方法400は、処理404に移行し、そして、コントローラ200は、燃料供給システム100内の圧力を所定時間の間、保持する。多くの実施態様においては、前記圧力が、約10秒間保持されてもよいが、それより短い時間(例えば、1秒,5秒またはそれらと同様なもの)またはそれより長い時間(例えば、15秒,20秒,30秒,1分またはそれより長い時間)の間、圧力が保持されてもよい。
【0056】
不活性化/高純度化方法400は、処理406に移行し、そして、コントローラ200は、処理404におけるように燃料供給システム100内における圧力が保持される間、当該燃料供給システム100内の圧力を監視する。前記圧力がしきい値未満に低下すると、不活性化/高純度化方法400は、処理408に移行し、アラームを発出しおよび/または他の適切なアクションを取る。この処理408は、後に詳述される。前記しきい値は、処理402においてメモリ・コンポーネント206内に記録された圧力に対する相対的な変化量(a change、差分)として測定されてもよい。例えば、前記圧力が、前述の安定している圧力(the stable pressure、前記保持される圧力)から約350ミリバール(350-millbar)より大きい量で低下すると、不活性化/高純度化方法400は、処理408に移行する。他の適切ないくつかの圧力低下量、例えば、約30ミリバール(30-millibar)、約70ミリバール(70-millibar)、約700ミリバール(700-millibar)、約1.5バール(1.5-bar)、約3.4バール(3.4-bar)、約7バール(7-bar)またはそれらより高い圧力値が測定され、その結果、処理408によりアラームが発出されてもよい。いくつかの実施態様においては、前記圧力低下量が、処理402において測定された前記圧力の比率として測定されてもよい。例えば、前記圧力が、処理402において測定された圧力の約1%,約2%,約5%,約10%またはそれより多い量で低下する場合、アラームが発出されてもよい。いくつかの実施態様においては、不活性化/高純度化方法400が、燃料供給システム100内の圧力がある絶対値、例えば、約1バールから約10バールまでの範囲内の値未満に低下する場合に、処理408に移行する。例えば、不活性化/高純度化方法400は、燃料供給システム100内の圧力が、約5.5バール(5.5-bar)未満に低下する場合、処理408に移行してもよい。処理404において前記所定時間が経過し、かつ、燃料供給システム100内の圧力が前記しきい値未満に低下しなかった場合、不活性化/高純度化方法400は、処理410に移行する。
【0057】
処理410においては、コントローラ200が、燃料ガス供給マニホールド158、燃料ガス供給源102および/または燃料ガス貯蔵容器166をベントし(vent、換気し、放出し)てもよい。例えば、コントローラ200は、燃料ガス・ベント・バルブ・アクチュエータ126bによって燃料ガス・ベント・バルブ126aを開け、および/またはバルブ189aを開けてもよい。例えば、バルブ189aは、燃料ガス貯蔵容器166を燃料貯蔵容器シャットオフ・バルブ176aを経由してベントするために使用されてもよい。前記パージガスおよび/または燃料ガスは、燃料供給システム100から燃料ガス・ベント・マニホールド154bを経由して、矢印162によって示されるベント・マスト(vent mast)にエスケープし(escape、逃がし、放出し、散逸し)てもよい。
【0058】
処理410は、緊急事態のような場合に、燃料ガス供給源102および/または燃料ガス貯蔵容器166をベントすることなどを目的として、方法400から独立して用いられてもよい。例えば、燃料ガス供給源102は、バルブ126aを開けることによりベントされてもよい。燃料ガス貯蔵容器166は、バルブ189aを開けることによりベントされてもよい。この種のベント(venting、換気、放出)は、燃料ガス供給源102および/または燃料ガス貯蔵容器166を、例えばフレキシブル・ホース接続法(flexible hose connection、フレキシブル・ホースを用いて要素間を接続する構成、フレキシブル・ホース配管系)を用いることにより、それぞれの容器から離れた遠隔地において行うために使用されてもよい。不活性化/高純度化方法400は、燃料ガス供給源102および/または燃料ガス貯蔵容器166を不活性化するために使用されてもよい。この種のベント(venting、換気、放出)は、燃料ガス供給源102および/または燃料ガス貯蔵容器166のいずれかが危険である(compromised)場合に有利となるであろう。
【0059】
不活性化/高純度化方法400は、処理414および処理416に移行し、そして、コントローラ200は、例えば燃料ガス供給圧力トランスミッタ116(例えば、前記圧力を高圧ゾーン170において測定するため)および/または燃料ガス第1ステージ(first stage)圧力トランスミッタ136(例えば、前記圧力を中圧ゾーン168において測定するため)により、燃料供給システム100の圧力を監視する。処理416においては、コントローラ200が、燃料ガス供給マニホールド158が十分にベント(vent)されたか否かを判定するために、燃料ガス供給マニホールド158内の圧力をしきい値と比較する。コントローラ200は、高圧ゾーン170および/または中圧ゾーン168のいずれか一方かまたは両方を監視してもよい。前記圧力が前記しきい値未満でない場合、不活性化/高純度化方法400は、処理414に戻り、燃料ガス供給マニホールド158内の圧力の監視を継続してもよい。前記しきい値は、前記周囲圧力(ambient pressure)、例えば、約30ミリバール(30-millibar)、約70ミリバール(70-millibar)、約700ミリバール(700-millibar)、約1.5バール(1.5-bar)、約3.4バール(3.4-bar)、約7バール(7-bar)に近いものであってもよい。それらより低いかまたは高い他の適切な圧力が使用されてもよい。燃料ガス供給マニホールド158内の圧力が前記しきい値未満に低下したとき、不活性化/高純度化方法400は、処理418に移行する。
【0060】
処理418においては、不活性化/高純度化方法400が、カウンタ(counter、計数器など)をインクリメントし(increment、カウンタ値を1ずつ増加させ、カウンタ値を一定の値(増分)ずつ増加させ、など)てもよい。前記カウンタの値は、メモリ・コンポーネント206に保存されてもよい。前記カウンタは、不活性化/高純度化方法400が処理402-処理416を実行した回数(the number of times、サイクル数など)を表す整数値であってもよい。
【0061】
不活性化/高純度化方法400は、処理420に移行し、そして、不活性化/高純度化方法400は、前記カウンタをしきい値と比較する。前記カウンタが前記しきい値を超えない場合、不活性化/高純度化方法400は、処理402に戻ってもよい。前記カウンタがしきい値に一致するかまたはそれを超える場合、不活性化/高純度化方法400は、処理412に移行する。前記カウンタしきい値は、燃料供給システム100内の空気または他のコンタミナント(contaminants、不純物、汚染物質、混入物など)の濃度が満足できるレベル(satisfactory level)に低下したことを保証するために設定されるかまたは決定されてもよい。その回数しきい値(cycle threshold、サイクル数しきい値)は、燃料ガス貯蔵容器166内の前記燃料ガスの目標純度に基づくものであってもよい。例えば、前記回数しきい値は、燃料ガス源(fuel gas source、前述の燃料ガス供給源)102の容積(volume、体積)および圧力と、燃料ガス貯蔵容器166の容積(volume、体積)と、パージガス・レギュレータ142の圧力設定値と、燃料ガス貯蔵容器166内において目標純度(例えば、9.99%以上)を達成することになるパージ・サイクル回数とに基づくものであってもよい。
【0062】
多くの実施態様においては、前記カウンタしきい値が3であってもよい。他のいくつかのしきい値が必要に応じて使用されてもよく、例えば、前記カウンタしきい値は、1,2、4,5,6,7,8または9であってもよく、10という数字であってもよい。各サイクルが行われるごとに、コンタミナント(contaminants、不純物、汚染物質、混入物など)(例えば、空気)および/または残余燃料ガス(例えば、水素)の濃度が、前記パージガスの濃度に対して相対的に低下させられる。処理412においては、コントローラ200が、パージガス供給源144および/または燃料ガス供給源102を遮断してもよい。例えば、コントローラ200は、パージガス・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ148bによってパージガス・シャットオフ・バルブ148aを閉じるか、または燃料ガス・シャットオフ・バルブ104を閉じてもよい。パージガス・ベント・バルブ108aは、パージガス・ベント・バルブ・アクチュエータ108bにより、短時間の間(例えば、約2秒)開かれてその後閉じられてもよい。パージガス・ベント・バルブ108aは、バルブ110aが閉じられているときはいつでも開かれたままであってもよく、これは、例えば、例えばブロック・アンド・ブリード構成態様(block and bleed arrangement、遮断バルブおよび解放バルブを用いて流体を高信頼性で遮断する構成態様など)を構成する。この種の構成態様は、高圧燃料ガスを供給する間、チェック・バルブ112が故障してバルブ110aが逆流(backflow、マニホールド158からマニホールド156へのガスのフローなど)を止めることができない場合、燃料供給システム100の安全性を向上させるものであってもよい。燃料ガス・ベント・バルブ126a、パージガス・シャットオフ・バルブ148a、パージガス・ベント・バルブ108aおよびパージガス供給バルブ110aは、それらすべてが、コントローラ200により、それぞれ対応するアクチュエータによって閉じられてもよい。
【0063】
処理408においては、コントローラ200が、パージガス・シャットオフ・バルブ148aを閉じてもよく、また、そのコントローラ200は、燃料供給システム100をベントするために、パージガス・ベント・バルブ108aおよび燃料ガス・ベント・バルブ126aを開かせてもよい。コントローラ200は、燃料供給システム100内に漏出があることをユーザに通知するためにアラートまたはアラームを発出してもよい。前記アラームは、視覚的アラーム(visual alarm)、例えば、ディスプレイ204上における表示(an indication、表示部)、ビーコン(beacon、発信機、信号表示端末など)またはそれらと同様なものであってもよい。前記アラームは、それに加えるかまたはそれに代えて、聴覚的アラーム(auditory alarm)、例えば、ベル、ブザーまたはそれらと同様なものであってもよい。前記アラームは、さらに、電子メッセージ、例えば、ネットワーク・インターフェース208を経由してユーザに送信される電子メール、テキスト・メッセージまたは他の適切なメッセージであってもよい。不活性化/高純度化方法400は、処理408から処理412に移行する。
【0064】
いくつかの実施態様においては、方法400において、マニホールド158が真空源に接続されてもよく、そして、前記マニホールド内における前記ガスのうちの実質的な部分(substantial portion、かなりの部分、大半の部分、など)が当該マニホールドから除去され(removed)てもよい。この種のいくつかの実施態様においては、処理410において、ガスがマニホールド158に導入され(introduced)てもよい(例えば、パージガスまたは燃料ガス)。方法400は、例えば、処理406および416において適切な圧力しきい値を監視することや、当該方法(the method、方法400)を1回または複数回繰り返すことにより、本書類に記載されている方式とは異なる方式で実行されてもよい。
【0065】
いくつかの実施態様においては、不活性化/高純度化方法400が、固体貯蔵媒体、例えば、ハイドライド(hydride、水素化物、水素化合物など)を活性化する(activate)のに適切なものであってもよい。いくつかのハイドライドに関しては、製作中、酸化膜(an oxide layer、酸化層、酸化皮膜など)が前記メタル・ハイドライドのうちのいくつかの反応材料の上に形成される。しかしながら、前記ハイドライドは、前記酸化膜が除去されることになるまで、使用されることは不可能である。前記酸化膜を除去することは、例えば、約70バールの圧力および約80℃の温度で前記ハイドライドを水素に曝露させることにより、前記ハイドライドを還元環境(reducing environment)に曝露させることにより完了する。このプロセスは、しばしば、活性化(activation)と称される。ひとたび活性化されると、前記ハイドライドは、例えば、燃料ガス貯蔵容器166内において、水素貯蔵所(hydrogen storage)のために使用されることができる。例えば、処理402においては、不活性化/高純度化方法400が、空気を前記ハイドライドからパージするために、前述されたパージガスと共に使用されてもよい。不活性化/高純度化方法400は、不活性化後に、処理403において、前記燃料ガス(すなわち、水素)を供給するように適応的に構成されて使用されるものとしてもよい。処理404においては、水素の圧力および/またはフローレート(flow rate、流量)が、前記ハイドライド内における前記水素の吸収の開始のために(for、を知るために、を求めて)監視されてもよい。前記水素の圧力および/またはフロー・レート(flow rate、流量)は、前記ハイドライドの温度がしきい値を超えることを防止することなどを目的として、前記ハイドライドの温度に基づいて調整されてもよい。燃料ガス貯蔵容器166内の前記水素の圧力は、その圧力があるレベル(例えば、約70バール(70-bar))で安定化するまで増加されてもよい。燃料ガス貯蔵容器166は、前述のように、処理410,414,416および418におけるように、ベントされてもよい。燃料ガス貯蔵容器166は、処理420において前記カウンタしきい値が超過されるまで、ある回数(例えば、3,4またはそれらより多い回数)で水素チャージ・サイクル(hydrogen charge cycles、水素充填サイクル、燃料ガス貯蔵容器166を水素で充填するための反復動作)に曝露されてもよい。
【0066】
図5は、燃料供給システム100を漏出に関してチェックするのに適切である漏出チェック方法500の一例を示している。いくつかの実施態様においては、この漏出チェック方法500が、コンタミナント(contaminants、不純物、汚染物質、混入物など)が当該漏出チェック方法500により当該システムからパージされるように、不活性化/高純度化方法400の代わりに使用されてもよい。いくつかの実施態様においては、漏出チェック方法500が省略されてもよい。有利であるかもしれないことは、最初に前記パージガスを、処理404-408に関して記載されているように使用し、再度、前記燃料ガスを、この漏出チェック方法500において記載されるように使用することにより、燃料供給システム100について漏出チェックを行うということである。前記燃料ガスは、前記パージガスとは異なる漏出特性または拡散特性を有してもよく、また、前記燃料ガスを用いる漏出チェックは、前記パージガスを用いる漏出チェックでは発見されないかもしれない漏出を発見するかもしれない。例えば、前記パージガスが窒素であり、かつ、前記燃料ガスが水素である場合、水素は、フィッティング(fittings、嵌合部、接続部など)、シール(seals、密着接合部)、パイプ・カップリング(pipe couplings、管接続具など)、ねじ山(threads、螺合部)またはそれらと同様なものであってそれらを窒素は貫通して漏出しないかもしれないものを貫通して漏出するかもしれない。水素(H
2)は、窒素(N2)よりはるかに小さい分子であり、また、封じ込め部(containment)から窒素ではエスケープしないかもしれない方式でその封じ込め部からエスケープすることが可能である。さらに、前記燃料ガスは、前記パージガスの圧力よりはるかに高い圧力で供給されてもよい。例えば、パージガスは、約5-約15バールで供給されてもよいが、前記パージガスは、約700バール(700-bar)を上限値とする代表的な圧力(nominal pressure、概数化された圧力)の高さで供給されてもよい。より高圧なガスは、より低圧なガスより、燃料供給システム100から漏出する傾向が強い。
【0067】
漏出チェック方法500は、処理502において開始されてもよく、そして、燃料ガスが燃料供給システム100に供給される。前記燃料ガスは、ガス供給源102の圧力の高さで供給されてもよい。例えば、前記燃料ガスは、1バール(1-bar)、10バール(10-bar)、100バール(100-bar)、200バール(200-bar)、300バール(300-bar)、350バール(350-bar)、400バール(400-bar)、500バール(500-bar)、700バール(700-bar)またはそれらより高い圧力で供給されてもよい。コントローラ200は、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106を開かせてもよい。
【0068】
漏出チェック方法500は、処理504および処理506に移行する。処理504においては、コントローラ200が、燃料ガス供給マニホールド158内の前記燃料ガスの圧力を監視してもよい。例えば、コントローラ200は、燃料ガス供給圧力トランスミッタ116により報告された前記圧力を監視してもよい。漏出チェック方法500は、処理506に移行し、そして、コントローラ200は、燃料供給システム100内の圧力をしきい値と比較する。前記圧力が不安定である(例えば、前記しきい値より高い時間的変化レート(a time rate of change、時間的変化率)を示す)場合、漏出チェック方法500は、処理504に戻ってもよく、そして、コントローラ200は、前記燃料供給システム100の圧力を監視し続ける。圧力の安定度は、前記圧力の時間的変化レート、および/または、絶対圧力についてのある値の達成によって測定されてもよい。コントローラ200は、当該システムが安定化するときの圧力の値を、例えば、当該方法の実行中におけるその後の使用に備えてメモリ・コンポーネント206内に記録してもよい。例えば、前記圧力変化量が1分間当たり約1-約5バールというしきい値より少ない場合、漏出チェック方法500は、処理508に移行する。
【0069】
処理508においては、コントローラ200が、燃料ガス供給源102を遮断する。コントローラ200は、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106を閉じてもよい。
【0070】
漏出チェック方法500は、処理510に移行し、そして、コントローラ200は、燃料供給システム100内の圧力を監視しつつ、その圧力を所定時間の間、保持する。多くの実施態様においては、前記圧力は、約10秒間保持されてもよいが、圧力は、より短い時間(例えば、1秒,5秒またはそれらと同様な時間)またはより長い時間(例えば、15秒,20秒,30秒,1分またはより長い時間)保持されてもよい。
【0071】
漏出チェック方法500は、処理512に移行し、そして、コントローラ200は、燃料供給システム100内の圧力が処理510におけるように保持される状態で、その燃料供給システム100内の圧力を監視する。コントローラ200は、前記高圧ゾーンおよび/または中圧ゾーン168のうちのいずれかまたは両方を監視してもよい。前記圧力がしきい値未満に低下する場合、漏出チェック方法500は、処理514に移行し、アラームを発出することおよび/または他の適切なアクションを取る。この処理514は、後に詳述される。前記しきい値は、処理506においてメモリ・コンポーネント206内に記録された圧力に対する相対的な変化量として測定されてもよい。例えば、前記圧力が、前記安定している圧力より下方に、しきい値より大きい量で低下する場合、漏出チェック方法500は、処理514に移行する。例示的ないくつかのしきい値が、処理406に関して記載されたものと類似するものであってもよいが、簡潔さのため、反復されない。いくつかの実施態様においては、漏出チェック方法500が、燃料供給システム100内の圧力がある絶対値未満に低下する場合に、処理514に移行する。処理510において前記所定時間が経過し、かつ、燃料供給システム100内の圧力が未だ前記しきい値未満に低下しない場合、漏出チェック方法500は、矢印518で示されるように、パイロット・サブシステム・チャージ方法600に移行する。任意選択的に、例えば、パイロット・サブシステム182が使用されない場合、方法600はフィル方法700に移行してもよい。
【0072】
いくつかの実施態様においては、処理510および512が、前記燃料供給システムの圧力を、閉じられたバルブの下流側において監視し、さらに、その圧力がしきい値より上昇するか否かを判定してもよい。この種の圧力上昇は、前記バルブを通過する漏出を示してもよい。例えば、前記燃料ガスは、高圧ゾーン170内へ流入し、例えば燃料ガス・レギュレータ122により、低い圧力に減圧され、さらに、中圧ゾーン168に流入してもよい。燃料ガスのフローは、例えばアクチュエータ132bによって燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aを閉じることにより、停止させられてもよい。燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aの下流側の圧力は、例えば燃料ガス第1ステージ圧力トランスミッタ136によって監視されてもよい。燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aの閉状態において圧力トランスミッタ136により検出された前記燃料ガスの圧力の上昇は、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aに漏出が生じていることを示してもよい。この種の漏出が検出されるとき、アラームが発出されてもよい。
【0073】
処理514は、例えば、処理408について記載されているように、アラームを発出してもよい。処理514により発出されたアラームの複数の特性は、処理408により発出されたものとは異なってもよい。例えば、上述の複数の方法は、いくつかのアラームを、異なる複数のエラーメッセージ、視覚的インジケータ(visual indicators)、聴覚的インジケータ(audio indicators)またはそれらと同様なものと一緒に発出してもよい。処理514においてアラームを発出した後、漏出チェック方法500は、燃料供給システム100を前記パージガスで不活性化するために、矢印516で示されるように、ポスト・フィル不活性化方法800に移行する。当該システムを不活性化することは、燃料ガスが存在しない状態でシステム100の安全な修理を行うことを可能にするために有利である。
【0074】
図6は、パイロット・サブシステム・チャージ方法600の一例を示している。上述のように、パイロット・サブシステム182は、火災時、燃料ガス貯蔵容器166を安全にベントするために作用するものであってもよい。火災時、前記燃料ガスを燃料ガス貯蔵容器166からベントすることは、安全性に関して具体的ないくつかの利点を有するかもしれない。例えば、火災が検出されると、燃料ガス貯蔵容器166内の前記燃料ガスは、燃料ガス貯蔵容器166から離れて、前記火災の現場から離れたベント・スタック(vent stack、ガス放散塔、通風管)または他の遠隔地に向かうように方向付けされてもよい。このことは、一般に、前記燃料ガスを燃料ガス貯蔵容器166内に封じ込めるということよりも、万一、燃料ガス貯蔵容器166が破裂するかまたは漏れた場合にもし前記燃料ガスがエスケープすると、前記火災が燃料ガス貯蔵容器166を損傷させるとともにやがて爆発に至るというリスクに直面するということよりも望ましいことである。
【0075】
パイロット・サブシステム・チャージ方法600は、処理602において開始されてもよく、そして、コントローラ200は、パイロット・サブシステム182を燃料ガス供給マニホールド158に接続する。例えば、コントローラ200は、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ146bにより、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aを開いてもよい。パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aが開いているとき、前記燃料ガスは、前記バルブを通過して流れてもよく、また、パイロット・ガス・スロットル184により絞られてもよい(throttled)。
【0076】
パイロット・サブシステム・チャージ方法600は、処理604に移行し、そして、燃料ガスが燃料供給システム100に供給される。例えば、コントローラ200は、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106を開き、それにより、燃料ガスがガス供給源102から燃料供給システム100に流れることが可能になってもよい。燃料ガス・シャットオフ・バルブ132a、燃料ガス貯蔵遮断バルブ180a、およびパイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aは、コントローラ200により開かれ、それにより、前記燃料ガスがパイロット・サブシステム182に流れることが可能になってもよい。
【0077】
パイロット・サブシステム・チャージ方法600は、処理606および処理608に移行する。処理606においては、コントローラ200が、燃料ガス供給マニホールド158および/またはパイロット・サブシステム182内の前記燃料ガスの圧力を監視してもよい。コントローラ200は、高圧ゾーン170および/または中圧ゾーン168のいずれか一方またはそれら両方を監視してもよい。例えば、コントローラ200は、燃料ガス供給マニホールド158内の圧力を監視してもよく、その圧力は、燃料ガス供給圧力トランスミッタ116、燃料ガス第1ステージ圧力トランスミッタ136および/または貯蔵圧力トランスミッタ174により報告される。コントローラ200は、燃料ガス供給圧力トランスミッタ118により、パイロット・サブシステム182内の圧力を監視してもよい。
【0078】
パイロット・サブシステム・チャージ方法600は、処理608に移行し、そして、コントローラ200は、燃料ガス供給マニホールド158内の圧力をガス供給源102内の圧力と比較する。処理608においては、コントローラ200が、パイロット・サブシステム182内の圧力を、燃料ガス・レギュレータ、第1ステージ122(fuel gas regulator, first stage 122、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122)のセットポイント(set point、圧力設定値)と比較する。燃料ガス・レギュレータ、第1ステージ122(fuel gas regulator, first stage 122、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122)のセットポイントは、例えば、燃料ガス・レギュレータ、第1ステージ122(fuel gas regulator, first stage 122、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122)が自動的に圧力を制御するバルブ(例えば、およびI/P(I/P、電流/圧力変換型など))であるような場合に、コントローラ200により設定されてもよい。いくつかの実施態様においては、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122のセットポイントは、メモリ・コンポーネント206内に保存された所定値であってもよい。前記圧力(the pressure、それぞれの圧力、など)が、燃料ガス供給マニホールド158および/またはパイロット・サブシステム182のいずれかにおいて不安定である(例えば、前記しきい値より高い時間的変化レートを示す)場合、パイロット・サブシステム・チャージ方法600は、処理606に戻ってもよく、そして、コントローラ200は、燃料ガス供給マニホールド158およびパイロット・サブシステム182の圧力を監視し続ける。圧力の安定度は、前記圧力の時間的変化レート、ガス供給源102の圧力と燃料ガス供給マニホールド158の圧力との間の差、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122のセットポイントとパイロット・サブシステム182の圧力との間の差、および/または、絶対圧力についてのある値の達成によって測定されてもよい。コントローラ200は、当該システムが安定化するときの圧力の値を、例えばメモリ・コンポーネント206においてこの方法の実行中におけるその後の使用に備えて記録してもよい。例えば、ガス供給源102と燃料ガス供給マニホールド158の圧力との間の差、および/または、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122のセットポイントとパイロット・サブシステム182の圧力との間の差が約1バールより小さいとき、パイロット・サブシステム・チャージ方法600は処理610に移行する。
【0079】
処理610においては、コントローラ200が、パイロット・サブシステム182を遮断する。例えば、コントローラ200は、パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ・アクチュエータ146bによりパイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブ146aを閉じてもよい。
【0080】
図7は、フィル方法700の一例を示している。このフィル方法700は、処理702において開始されてもよく、そして、コントローラ200は、実行されるべきフィル方式(a fill type、充填方式)を受け取る。例えば、コントローラ200のうちのI/Oインターフェース212は、ユーザに対し、前記フィル(the fill、前記充填、今回の充填など)が、ファイナル・フィル圧力方式フィル(a final fill pressure type of fill、最終フィル圧力方式フィル、最終充填圧方式充填、温度を考慮せずに最終充填圧が所定値となるように充填を行う方式、など)または温度補償型フィル(temperature-compensated fill、温度補正充填、温度補正型充填、温度を考慮して最終充填圧が所定値となるように充填を行う方式、など)のいずれかを選択することを催促してもよい。いくつかの例においては、ユーザに対し、燃料ガス供給源102についての情報、例えば、容量(volume、容積、体積など)、圧力および/または燃料ガスの種類を入力することが催促されてもよい。ファイナル・フィル圧力方式フィルにおいては、前記1または複数の燃料ガス貯蔵容器166のための目標フィル圧力(target fill pressure)が受け取られ(received、ユーザから受け取られ、ユーザによって入力され、など)てもよい。温度補償型フィル(temperature-compensated fill)においては、コントローラ200が、前記1または複数の燃料ガス貯蔵容器166の温度を、例えば燃料ガス貯蔵温度トランスミッタ178により監視してもよい。当該システムは、さらに、パイロット・サブシステム182の圧力(the pilot subsystem 182 pressure、パイロット圧など)を(例えば、トランスミッタ118により)監視するとともに、それ(it、トランスミッタ118により測定された前記圧力、上述のパイロット圧、など)が前記目標圧力(the target pressure、前述の目標フィル圧力など)より低い場合には、前記セットポイント(the set point、燃料ガス・レギュレータ(第1ステージ)122のセットポイント、燃料ガス貯蔵容器166のリリーフ圧または上限圧など)を、トランスミッタ118により測定された前記圧力まで低下させてもよい。
【0081】
フィル方法700は、処理704に移行し、そして、コントローラ200は、フィル圧力セットポイント(the fill pressure set point、フィル圧力設定値、充填圧力設定値、燃料ガス貯蔵容器166の充填圧力の設定値、燃料ガス貯蔵容器166の充填終了時かつ低温時の設定圧力値、など)を決定する。ファイナル・フィル圧力方式フィルにおいては、前記フィル圧力セットポイントが、I/Oインターフェース212から受け取られ(received、ユーザから受け取られ、ユーザによって入力され、など)、および/または、メモリ・コンポーネント206から読み出されてもよい(retrieved、ユーザの入力値の記録値として、など)。温度補償型フィルにおいては、前記フィル圧力セットポイントが、燃料ガス貯蔵容器166内の1または複数の初期の圧力および/または初期の温度(例えば、貯蔵圧力トランスミッタ174および/または燃料ガス貯蔵温度トランスミッタ178により測定される)、ガス供給源102の圧力(pressure、実圧力など)、および/または所望フィル圧力(a desired fill pressure、上述の目標フィル圧力、適正フィル圧力、など)に基づいて決定されてもよい。いくつかの具体例においては、前記フィル圧力セットポイントが、周囲温度、例えば、前記圧力容器(the pressure vessel、前述の燃料ガス貯蔵容器166、高圧容器、など)の近傍の周囲温度に基づいて決定されてもよい。一例においては、前記フィル圧力セットポイントが、そのフィル圧力セットポイントを前記圧力容器(the pressure vessel、前述の燃料ガス貯蔵容器166、など)内の前記初期(当該フィリング工程(the filling process、前述のフィル方法700、など)の開始前(before beginning the filling process、フィル前))圧力および初期(initial、フィル前、など)周囲温度(ambient temperature、環境温度、外界温度など)に関連付ける式に基づいて決定されてもよい。この種の式の一例は、次の式1において示される。
(1) P2=a+b*T+c*P1+d*T*P1
ここに、P2は、前記フィル圧力セットポイントであり、
P1は、前記圧力容器内の前記初期圧力であり、
Tは、前記初期周囲温度であり、
a,b,cおよびdは、複数の定数である。
【0082】
一例においては、前記複数の定数が、a=3764.337,b=1.666,c=-0.152,d=0.00114 というものである。
【0083】
フィル方法700は、処理706に移行し、そして、前記燃料ガスが燃料ガス貯蔵容器166に供給される。例えば、コントローラ200は、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aを開いてもよい。
【0084】
フィル方法700は、処理714および処理708に実質的に同時に移行し、すなわち、処理714および処理708と、それらに後続する(follow)いくつかの処理とは、それぞれ、互いに並行して実行されるか、または、順序の如何を問わず、互いに直列にかつ高速に実行されてもよい。
【0085】
処理714においては、コントローラ200が、燃料ガス貯蔵容器166内の温度を燃料ガス貯蔵温度トランスミッタ178により監視する。フィル方法700は、処理716に移行し、そして、前記温度を第1しきい値と比較する。多くの実施態様においては、前記第1しきい値が約75℃であってもよい。フィル方法700は、処理720に移行してもよく、そして、燃料ガス貯蔵容器166の温度が第2しきい値と比較される。多くの実施態様においては、その第2しきい値が約85℃であってもよい。前記第1または前記第2しきい値のうちのいずれかが、燃料ガス貯蔵容器166の前記方式(the type、フィル方式、充填方式、フィル圧力セットポイント決定方式、目標フィル圧力決定方式、など)であって使用されるものに基づくものであってもよい。例えば、上述の約75℃および約85℃といういくつかのしきい値は、ポリマー製のライナーを有するタイプIVのタンクに適切なものであってもよく、一方、より高いいくつかのしきい値が、金属製のライナーを有するタイプIIIのタンク、または複合材料の包囲体を有しないとともに伝熱特性がタイプIIIまたはタイプIVのタンクより一般的に良好であるタイプIの金属製タンクに適切なものであってもよい。
【0086】
処理716において、前記温度が前記第1しきい値を超える場合、フィル方法700は、処理718に移行し、そして、コントローラ200は、処理408および/または処理514に関して前述されているようにアラームを発出してもよい。このフィル方法700は、処理714に戻って前記温度を監視し続けてもよい。
【0087】
処理720において、前記温度が前記第2しきい値を超える場合、フィル方法700は、処理722に移行してフィル方法700を中止してもよい。処理722においては、コントローラ200は、処理408、処理514および/または処理718に関して前述されているようにアラームを発出してもよい。処理722においては、コントローラ200が、追加的ないくつかのアクション、例えば、燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132a、燃料ガス貯蔵遮断バルブ180a、および/または燃料貯蔵容器シャットオフ・バルブ176aを閉じるというものを取ってもよい。コントローラ200は、前記温度が前記第1または前記第2しきい値のいずれか未満のレベル(a level below、未満値など)に戻るまで、フィル方法700の実行を再び可能にしない(not re-enable the execution、その実行の反復を禁止する、など)ものであってもよい。。
【0088】
処理708においては、コントローラ200が、燃料ガス貯蔵容器166内の圧力を圧力トランスミッタ、例えば、貯蔵圧力トランスミッタ174により監視する。フィル方法700は、処理710に移行し、そして、コントローラ200は、燃料ガス貯蔵容器166内の圧力を、処理704において決定された前記フィル・セットポイント(the fill set point、前述のフィル圧力セットポイント(the fill pressure set point)など)と比較する。燃料ガス貯蔵容器166の圧力が前記セットポイント(the set point、前述のフィル圧力セットポイントなど)に、任意選択的には、+/-約5%という常識的な不感帯(reasonable deadband)の範囲内で、到達するとき、フィル方法700は、処理712に移行して、前記燃料ガスを遮断する。2以上の数の燃料ガス貯蔵容器が使用されるとき、各容器は、センサ(例えば、圧力センサ(pressure sensor、上述の貯蔵圧力トランスミッタ)174)を装備されてもよい。この種の実施態様においては、異なる複数の燃料ガス貯蔵容器が不均等にフィルされ(fill、充満し)てもよく(例えば、それら容器間の初期圧力の相違、それら容器に到達する複数の導管間の圧力損失量の相違などを原因として)、さらに、上述の複数の燃料ガス貯蔵容器のうちのいずれかが前記セットポイント(the set point、前述のフィル圧力セットポイントなど)に到達するとき、フィル方法700は、処理712に移行し、それにより、いずれの貯蔵容器も前記セットポイント(the set point、前述のフィル圧力セットポイントなど)を超えないようになる。
【0089】
処理712においては、コントローラ200が、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132aを閉じてもよく、また、燃料ガス貯蔵遮断バルブ180a、燃料貯蔵容器シャットオフ・バルブ176aおよび/または燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106を閉じてもよい。
【0090】
図8は、例えばフィル方法700の実行後などに、燃料ガスを燃料供給システム100からパージするのに適切なポスト・フィル(post fill、充填後)不活性化方法800を示している。このポスト・フィル不活性化方法800は、燃料供給システム100をフィルした後、例えばフィル方法700の実行中に、燃料供給システム100を不活性化するのに適切なものであってもよい。このポスト・フィル不活性化方法800は、処理802において開始されてもよい。この処理802においては、ガス供給源102が燃料供給システム100から遮断される。例えば、コントローラ200は、燃料ガス・シャットオフ・バルブ132a、燃料ガス貯蔵遮断バルブ180a、燃料貯蔵容器シャットオフ・バルブ176aおよび/または燃料ガス供給シャットオフ・バルブ106を閉じてもよい。
【0091】
ポスト・フィル不活性化方法800は、処理804に移行してもよく、そして、コントローラ200は、燃料ガス供給マニホールド(the fuel gas supply manifold、燃料ガス用マニホールド、など)158をベントする。この処理804においては、コントローラ200が、例えば燃料ガス・ベント・バルブ・アクチュエータ126bによって燃料ガス・ベント・バルブ126aを開き、および/または、例えばアクチュエータ110bによってパージガス供給バルブ110aを開いてもよい。
【0092】
ポスト・フィル不活性化方法800は、処理806および処理808に移行してもよく、それら処理は、前述された処理414および処理416に実質的に類似してもよく、簡潔さのため、それについての更なる説明は省略される。
【0093】
ポスト・フィル不活性化方法800は、処理810に移行し、そして、前記パージガスが燃料供給システム100に供給される。処理810は、前述された処理402に実質的に類似してもよく、簡潔さのため、それについての更なる説明は省略される。
【0094】
ポスト・フィル不活性化方法800は、処理812および処理814に移行する。処理812においては、コントローラ200が、燃料ガス供給マニホールド158内の前記パージガスの圧力を監視してもよい。例えば、コントローラ200は、燃料ガス供給圧力トランスミッタ116により報告された前記圧力を監視してもよい。ポスト・フィル不活性化方法800は、処理814に移行し、そして、コントローラ200は、燃料ガス供給マニホールド158内の圧力をしきい値と比較する。その圧力が不安定である(例えば、前記しきい値を超える時間的変化レートを示す)場合、ポスト・フィル不活性化方法800は、処理812に戻り、そして、コントローラ200は、燃料ガス供給マニホールド158の圧力を監視し続ける。圧力の安定度は、前記圧力の時間的変化レートおよび/または絶対圧力についてのある値の達成(attainment of an absolute pressure value)により測定されてもよい。コントローラ200は、当該システムが安定化するときの圧力の値を、例えばポスト・フィル不活性化方法800の実行中におけるその後の使用に備えてメモリ・コンポーネント206内に記録してもよい。例えば、前記圧力変化量が1分間当たり約50-約100ミリバールというしきい値未満である場合、ポスト・フィル不活性化方法800は、処理816に移行し、そして、燃料ガス供給マニホールド158はベントされる。
【0095】
処理816は、前述された処理804と実質的に類似してもよく、簡潔さのために、それについての更なる説明は省略される。
【0096】
ポスト・フィル不活性化方法800は、処理818および処理820に移行してもよく、それら処理は、前述された処理414および処理416ならびに/または前述された処理806および処理808に実質的に類似しており、簡潔さのために、それについての更なる説明は省略される。燃料ガス供給マニホールド158内のガス組成物(gas composition)に関する差異が、処理806/処理808の実行と処理818/処理820の実行との間に発生してもよい。処理806/処理808においては、燃料ガス供給マニホールド158が、初めは燃料ガスを、高い圧力、例えば、方法700のうちの処理704において決定されたフィル圧力セットポイントであるものを有するものとして封じ込めているかもしれない。処理818/処理820においては、燃料ガス供給マニホールド158内のガス組成物が、残存する燃料ガスおよびパージガスの混合物であって低い圧力(例えば、5-15バール)を有するものであるかもしれない。
【0097】
ポスト・フィル不活性化方法800は、燃料ガス供給マニホールド158内の圧力が前記しきい値未満に低下する場合に、処理820に移行し、そして、コントローラ200は、処理822および処理824におけるカウンタをインクリメントする。処理822および処理824は、いずれも前述されている処理418および処理420と実質的に類似してもよく、簡潔さのために、それについての更なる説明は省略される。ポスト・フィル不活性化方法800は、残存燃料ガスを燃料ガス供給マニホールド158から十分にパージするために、処理810から処理824までの複数の処理を繰り返し反復してもよい。
【0098】
ポスト・フィル不活性化方法800は、燃料ガス供給マニホールド158内の燃料ガスの濃度をその燃料ガスが大気に漏れると可燃性を有するであろう限界値未満に(すなわち、可燃性下限界(lower flammability limit、爆発下限界)未満に)低下させるために十分な回数でパージ・サイクル(purge cycles、前述の、処理810から処理824までの複数の処理、など)が行わわれた後に、処理826に移行する。この処理826においては、処理816に関して前述されているように、燃料ガス供給マニホールド158がベントされる。前記燃料ガス・マニホールド(the fuel gas manifold、燃料ガス用マニホールド、上述の燃料ガス供給マニホールド158、など)をベントすることは、燃料ガス供給導管152aが、燃料ガスが低い圧力(望ましくは、大気圧に近い圧力)および最小濃度(望ましくは、前記可燃性下限界未満の濃度)を有する状態で切断される(disconnected、接続解除される)ことを可能とし、それにより、火災または爆発の危険性を軽減するという利点を有する。
【0099】
本書類中に含まれる特定のいくつかの具体例についての説明は、本質的に、単なる例示であり、開示されている事項の範囲を限定することもその事項の適用例または使用例の範囲を限定することも決して意図されていない。本発明についてのシステムおよび方法についてのいくつかの具体例についての詳細な説明であって本書類中に含まれるものにおいて、それらの一部を形成する何枚かの添付図面が参照され、それらは、前記説明されたシステムおよび方法が実施されるかもしれないいくつかの具体例に特化された例示的な図解として図示されている。それら具体例は、本書類中に開示されたシステムおよび方法を当業者が実施することを可能にするのに十分に詳細に記載されており、また、理解されるべきことは、他のいくつかの具体例が利用されてもよいということと、この開示事項の主旨および範囲から逸脱することなく、構造的な変更や論理的な変更を施してもよいということとである。さらに、明瞭化のため、いくつかの具体的な特徴についての詳細な説明は、この開示事項のいくつかの具体例についての説明を曖昧にしないことが当業者にとって自明であるときは、議論されることはない。したがって、本書類中に含まれる詳細な説明は、限定を行うという意味で採用されるべきではなく、また、この開示事項の範囲は、添付された複数の請求項によってのみ画定される。
【0100】
前述されたことから理解されることは、本発明の具体的ないくつかの具体例が本書類において例示のために記載されているとはいえ、種々の変形が本発明の主旨および範囲を逸脱することなく行われてもよいということである。
【0101】
本書類中に示されているいくつかの細部は、例示として、かつ、本発明についての前述の望ましいいくつかの具体例についての例示的な議論のみを目的として存在し、また、本発明についての種々の具体例についての原理および概念的側面についての最も有用にして容易に理解される説明であると信じるものを提供するという理由のもとに存在する。この点、試行されないことは、本発明を基本的に理解するのに必要なものを超える程度の詳細さで本発明の構造的な細部を示すこと、前記図面を考慮して前記説明が解釈されること、および/または本発明のいくつかの形態が実施において具体化される仕方が当業者に自明なものとなるいくつかの例を示すことである。
【0102】
本書類中において使用されるように、かつ、それを排除することを特記しない限り、「ある(a)」、「ある(an)」および「多数の(a number of)」という各用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1または複数」を意味すると解釈される。文脈がそれを排除することを要求しない限り、本書類中に単数として表現された用語は、複数性を含み、また、複数として表現された用語は、その単数性を含むべきである。
【0103】
文脈が明確にそれを排除することを要求しない限り、明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、「含む(comprise(有する)」、「含む(comprising(有する)」およびこれらと同様なものは、排他的または独占的な意味ではなく非排他的な意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない(including, but not limited to)」という意味で解釈されるべきである。単数または複数の数を用いる単語は、それぞれ、複数の数を用いる単語および単数の数を用いる単語も包含する。さらに、「本書類」、「前述の(above)」および「後述の(below)」という単語ならびにそれらに類似する意味を有する単語は、この出願書類中に用いられる場合、この出願書類の全体を意味し、この出願書類のうち特定の一部しか意味しないということはない。
【0104】
もちろん、理解されるべきことは、本書類中に記載されているいくつかの例、具体例または方法のうちのいずれも、他の1つないしは複数の例(examples)、具体例(embodiments)および/または方法(processes)と組み合わされてもよいし、または、本書類中に記載されているいくつかの例、具体例または方法は、本書類に開示されているシステム、装置および方法に従い、分離される(separated、複数の部分に分離される)か、および/または、互いに分離された複数のデバイス(devices、全体デバイス、完成品など)もしくはデバイス部分(device portions、部分デバイス、半完成品など)の中で、本書類に開示されているシステム、装置および方法に従い、実施されてもよいということである。
【0105】
最後に、上記の議論は、本書類中に記載されているシステムを単に例示的に説明することを意図されており、また、上記の議論は、添付された複数の請求項を、特定の具体例に限定するものとしても、複数の具体例より成る1つの群に限定するものとしても解釈されるべきではない。よって、本書類中に開示されているシステムは、典型的ないくつかの具体例を参照しつつ特に詳細に記載されているが、さらに理解されるべきことは、多数の変更および他の具体例が、当業者により、本書類中に開示されているシステムについてより拡張され、かつ、意図された主旨および範囲であって後続する複数の請求項に記載されているものから逸脱することなく、発案されてもよいということである。したがって、それら明細書および図面は、例示的な手法でされたものであると考慮されるべきであって、添付された複数の請求項の範囲を限定することを意図されていない。
【0106】
本発明によれば、下記のいくつかの態様が得られる。
(態様1)
燃料ガスを燃料供給システムに供給するためにコンピュータによって実行されるコンピュータ・インプリメンテッド方法であって、プロセッサが、複数の処理を実行するようにガスのフローを許可するかまたは制限するように前記燃料供給システムにおける複数のバルブを制御するように構成されており、
前記複数の処理は、
前記燃料供給システムをフィル前に不活性化するプレ・フィル不活性化処理であって、前記プロセッサが、前記複数のバルブを、パージガス供給源を選択的に前記燃料供給システムのうちの燃料ガス供給マニホールドに流体的に接続する選択的流体的接続によってパージガスを前記燃料ガス供給マニホールドに供給させることと、その燃料ガス供給マニホールドを選択的にベント・マニホールドに流体的に接続する選択的流体的接続とを行うように制御するものと、
前記燃料供給システムについて漏出チェックを行う漏出チェック処理であって、前記プロセッサが、前記複数のバルブを、燃料ガス供給源を選択的に前記燃料ガス供給マニホールドに流体的に接続する選択的流体的接続によって前記燃料ガスを前記燃料ガス供給マニホールドに供給させるように制御するものと、
前記燃料供給システムのうちのパイロット・サブシステムを前記燃料ガスでチャージするパイロット・サブシステム・チャージ処理であって、前記プロセッサが、前記複数のバルブを、前記燃料ガス供給マニホールドを選択的に前記パイロット・サブシステムに流体的に接続するように制御するものと、
前記燃料供給システムを前記燃料ガスでフィルする燃料供給システム・フィル処理であって、前記プロセッサが、前記複数のバルブを、前記燃料ガス供給マニホールドを選択的に1または複数の燃料ガス貯蔵容器に流体的に接続し、それにより、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給源から前記1または複数の燃料ガス貯蔵容器に前記燃料供給システムを経由して流通させるように制御するものと、
前記燃料供給システムをフィル後に不活性化するポスト・フィル不活性化処理であって、前記プロセッサが、前記複数のバルブを、前記パージガス供給源を選択的に前記燃料ガス供給マニホールドに流体的に接続する選択的流体的接続を行うように制御するものと
を含む方法。
(態様2)
前記プレ・フィル不活性化処理は、
前記燃料ガス供給マニホールド内の前記パージガスの第1圧力を、前記プロセッサと電気的に導通するセンサによって監視する工程と、
前記パージガスの前記第1圧力が第1しきい値未満に低下することに応答し、アラームを発出する工程と、
前記燃料供給システムを、前記燃料ガス供給マニホールドの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続によってベントする工程と、
前記センサにより、前記燃料ガス供給マニホールド内の前記パージガスの第2圧力を監視する工程と、
その第2圧力が第2しきい値未満に低下することに応答し、カウンタを前記プロセッサによってインクリメントする工程と
を含む態様1に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様3)
前記漏出チェック処理は、
前記燃料ガス供給マニホールド内の前記燃料ガスの第1圧力を、第1時点に、前記プロセッサと電気的に導通するセンサによって監視する工程と、
前記第1圧力がしきい値を下回る時間的変化レートを有することに応答し、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給マニホールドから遮断する工程と、
前記センサにより、前記燃料ガス供給マニホールド内の前記燃料ガスの第2圧力を、前記第1時点より遅い第2時点に監視する工程と、
前記燃料ガスの前記第2圧力が第2しきい値未満に低下することに応答し、アラームを発出する工程と
を含む態様1に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様4)
さらに、
前記燃料供給システムを、前記燃料ガス供給マニホールドの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続によってベントする工程を含む先行する複数の態様のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様5)
さらに、
前記燃料ガスの前記第2圧力が第2しきい値未満に低下することに応答し、前記燃料ガス供給マニホールドを不活性化する工程を含む先行する複数の態様のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様6)
前記燃料供給システムは、燃料ガス貯蔵容器を含み、
前記パイロット・サブシステムは、
前記燃料ガス供給源と流体的に連通している状態にあるパイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブと、
当該パイロット・サブシステム内の前記燃料ガスの圧力に応答し、前記燃料ガスを前記燃料ガス貯蔵容器内に封じ込めるように作用するシャトル・バルブと、
前記燃料ガス貯蔵容器内の前記燃料ガスの昇温の検出に応答し、当該パイロット・サブシステム内の前記燃料ガスの圧力のベントを行うように作用する温度-圧力リリーフ・デバイスと
を含み、
前記シャトル・バルブは、前記パイロット・サブシステム内の前記燃料ガスの前記圧力の前記ベントであって前記温度-圧力リリーフ・デバイスを用いて行われるものに応答し、前記燃料ガスを前記パ燃料ガス貯蔵容器からベントするように構成され、
前記パイロット・サブシステム・チャージ処理は、
前記プロセッサにより、前記パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブを開かせる工程と、
前記パイロット・サブシステム内の前記燃料ガスの第1圧力を、前記プロセッサと電気的に導通するセンサによって監視する工程と、
前記第1圧力がしきい値を下回る時間的変化レートを有することに応答し、前記プロセッサにより、前記パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブを閉じる工程と
を含む態様1に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様7)
前記パイロット・サブシステムは、さらに、パイロット・ガス・スロットルを、前記パイロット・サブシステム・シャットオフ・バルブと流体的に連通する状態にあり、かつ、当該パイロット・サブシステム内への前記燃料ガスのフローを絞るように作用することが可能であるものとして有する態様1-3または6のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様8)
前記燃料供給システムは、燃料ガス貯蔵容器を含み、
前記プロセッサは、前記複数のバルブを、前記燃料ガス貯蔵容器を選択的に前記燃料ガス供給マニホールドに流体的に接続する選択的流体的接続を行うように制御し、
前記燃料供給システム・フィル処理は、
前記プロセッサにより、フィル圧力セットポイントを決定するフィル圧力セットポイント決定工程と、
前記燃料ガス供給源の前記燃料ガス供給マニホールドへの選択的流体的接続により、前記燃料ガスを前記燃料ガス貯蔵容器に前記燃料ガス供給マニホールドを経由して供給する工程と、
前記燃料ガス貯蔵容器の温度を前記プロセッサと電気的に導通する状態にある温度センサによって監視する工程と、
前記温度の前記監視に応答し、アラームを発出する工程と、
前記燃料ガス貯蔵容器内の前記燃料ガスの圧力を前記プロセッサと電気的に導通する状態にある圧力センサによって監視する工程と、
前記燃料ガス貯蔵容器内の前記燃料ガスの前記圧力が前記フィル圧力セットポイントに到達することに応答し、前記プロセッサにより、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給マニホールドから遮断する工程と
を含む態様1に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様9)
前記フィル圧力セットポイント決定工程は、前記燃料ガス貯蔵容器内の前記燃料ガスの初期圧力または初期温度であって、それぞれ、前記圧力センサまたは前記温度センサによって測定されたものに基づいて行われる態様1-3,6または8のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様10)
前記フィル圧力セットポイントは、前記燃料ガス貯蔵容器内の初期圧力および初期周辺温度から決定される態様9に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様11)
前記ポスト・フィル不活性化処理は、
前記パージガス供給源の前記燃料ガス供給マニホールドへの選択的流体的接続によって前記燃料ガスを前記燃料ガス供給マニホールドから遮断する工程と、
前記燃料ガス供給マニホールドの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続によって前記燃料ガス供給マニホールドをベントする工程と、
前記燃料ガス供給マニホールド内の前記燃料ガスの第1圧力を前記プロセッサと電気的に導通する状態にあるセンサによって監視する工程と、
前記燃料ガスの前記第1圧力が第1圧力しきい値未満に低下することに応答し、前記パージガスを前記燃料ガス供給マニホールドに供給する工程と、
前記燃料ガス供給マニホールド内の前記パージガスの前記第1圧力を前記センサによって監視する工程と、
前記パージガスの前記第1圧力が変化レートしきい値を下回る時間的変化レートを有することに応答し、前記燃料ガス供給マニホールドの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続によって前記燃料ガス供給マニホールドをベントする工程と、
前記燃料ガス供給マニホールド内の前記パージガスの第2圧力を前記センサによって監視する工程と、
前記第2圧力が第2圧力しきい値未満に低下することに応答し、カウンタを前記プロセッサによってインクリメントする工程と
を含む態様1に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様12)
前記燃料ガス供給マニホールドは、第1圧力ゾーンおよび第2圧力ゾーンを含み、
前記第1圧力ゾーンは、前記第2圧力ゾーンの第2ゾーン圧力より高圧であるかまたはそれと等圧である第1ゾーン圧力の高さを有し、前記第1ゾーン圧力または前記第2ゾーン圧力の一方は、前記第1圧力ゾーンまたは前記第2圧力ゾーン内の前記燃料ガスの圧力をそれぞれ含む(one of the first zone pressure or the second zone pressure includes the pressure of the fuel gas in the first pressure zone or the second pressure zone, respectively、前記第1ゾーン圧力および前記第2ゾーン圧力は、それぞれ、前記第1圧力ゾーンおよび前記第2圧力ゾーン内の前記燃料ガスの圧力を含む、など)態様3に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様13)
前記センサは、
前記第1圧力ゾーンと流体的に連通する状態にある第1センサと、
前記第2圧力ゾーンと流体的に連通する状態にある第2センサと
を含み、
前記漏出チェック処理は、
前記第1または第2圧力の一方を前記第1センサによって監視する工程と、
前記第1または第2圧力の一方を前記第2センサによって監視する工程と
を含む態様10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様14)
前記センサは、
前記第1圧力ゾーンと流体的に連通する状態にある第1センサと、
前記第2圧力ゾーンと流体的に連通する状態にある第2センサと
を含み、
前記漏出チェック処理は、
前記燃料ガスを前記第1圧力ゾーンに流す工程と、
前記燃料ガスを前記第2圧力ゾーンに流す工程と、
前記燃料ガスが前記第2圧力ゾーンのうちのある部分に流れるフローを燃料ガス・シャットオフ・バルブによって停止させる工程と、
前記第2圧力ゾーンの前記部分内の前記燃料ガスの第3圧力を前記燃料ガス・シャットオフ・バルブの下流側において監視する工程と、
前記燃料ガスの前記第3圧力が第3しきい値を超えることに応答し、アラームを発出する工程と
を含む態様10に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様15)
前記燃料ガス供給マニホールドは、第1圧力ゾーンおよび第2圧力ゾーンを含み、
前記第1圧力ゾーン内の前記燃料ガスの第1ゾーン圧力は、前記第2圧力ゾーン内の前記燃料ガスの第2ゾーン圧力より高圧であるかまたは等圧であり、
前記燃料供給システム・フィル処理は、
前記燃料ガスを前記第1圧力ゾーンに前記第1ゾーン圧力の高さで供給する工程と、
前記第1圧力ゾーン内の前記燃料ガスの前記圧力を前記第1ゾーン圧力から前記第2ゾーン圧力に減圧する工程と、
前記燃料ガスを前記第2圧力ゾーンに前記第2ゾーン圧力の高さで供給する工程と、
前記燃料ガスを前記燃料ガス貯蔵容器に前記第2圧力ゾーンを経由し、かつ、前記第2ゾーン圧力の高さで供給する工程と
を含む態様1-3,6または8のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様16)
前記燃料ガス供給マニホールドは、第1圧力ゾーンおよび第2圧力ゾーンを含み、
前記第1圧力ゾーン内の前記燃料ガスの第1ゾーン圧力は、前記第2圧力ゾーン内の前記燃料ガスの第2ゾーン圧力より高圧であるかまたは等圧であり、
前記燃料ガス供給マニホールドの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続は、前記第1圧力ゾーンの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続と、前記第2圧力ゾーンの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続とを含み、
前記ポスト・フィル不活性化処理は、前記第1および第2圧力ゾーンのそれぞれの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続により、前記第1および第2圧力ゾーンのそれぞれを前記ベント・マニホールドにベントする工程を含む態様9に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様17)
前記燃料ガスは、水素である態様1-3,6,8または11のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様18)
前記燃料供給システムは、燃料ガス貯蔵容器を含む態様1-3,6,8または11のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様19)
前記燃料ガス貯蔵容器は、タイプI,タイプII,タイプIII,タイプIVまたは金属ハイドライドの容器のうちのいずれかである態様5に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様20)
前記燃料供給システムは、輸送機関に関連付けられる態様1-3,6,8または11のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様21)
前記輸送機関は、前記燃料ガスを電気的エネルギーに変換するように作用することが可能な燃料電池システムを含む態様18に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様22)
前記燃料電池システムは、前記輸送機関の推進力付与システムにパワーを供給する態様19に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様23)
前記燃料ガスは、燃料ガス源によって前記ボートに供給される態様18に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様24)
前記燃料ガス源は、燃料ガス供給導管によって前記燃料供給システムに選択的に接続されるように作用することが可能な高圧容器を含む態様21に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様25)
前記燃料ガス供給導管は、フレキシブルなホースを含む態様22に記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。
(態様26)
さらに、前記燃料供給システムを高純度化する高純度化処理を含み、
その高純度化処理は、
前記燃料ガス供給マニホールド内の前記燃料ガスの第1圧力を前記プロセッサと電気的に導通する状態にあるセンサによって監視する工程と、
前記燃料ガスの前記第1圧力が第1しきい値未満に低下することに応答し、アラームを発出する工程と、
前記燃料ガス供給マニホールドの前記ベント・マニホールドへの選択的流体的接続によって前記燃料供給システムをベントする工程と、
前記センサにより、前記燃料ガス供給マニホールド内の前記燃料ガスの第2圧力を監視する工程と、
その第2圧力が第2しきい値未満に低下することに応答し、カウンタを前記プロセッサによってインクリメントする工程と
を含む態様1-3,6,8または11のいずれかに記載のコンピュータ・インプリメンテッド方法。