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特開2024-59968スイッチ回路、BMS、スイッチ制御方法、電池システム及び電気設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059968
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】スイッチ回路、BMS、スイッチ制御方法、電池システム及び電気設備
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024033085
(22)【出願日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】202310206298.0
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524084780
【氏名又は名称】厦門新能達科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Ampack Technology Limited
【住所又は居所原語表記】413-29, No. 942, Second Tonglong Road, Industrial Zone, Torch Hi-Tech Industrial Development Zone (Xiangan), Xiamen City, Fujian Province, 361000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李松林
(72)【発明者】
【氏名】柳奇凡
(72)【発明者】
【氏名】蘇志高
(72)【発明者】
【氏名】杜暁佳
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電池管理システムのスイッチ回路を提供する。
【解決手段】スイッチ回路は、電源と、第1スイッチK1と、隔離駆動モジュールと、第2スイッチK2とを含み、第1スイッチK1の第1端が電源に接続され、第1スイッチK1の第2端が隔離駆動モジュールの入力端に接続され、電源が第1スイッチK1により隔離駆動モジュールに給電し、第2スイッチK2の制御端が隔離駆動モジュールの出力端に接続され、第2スイッチK2が隔離駆動モジュールの出力信号に応答してオン・オフする。第1スイッチK1が第1条件でトリガされることに応答して、第2スイッチK2はオンし、第1条件は電池システムに対して電源オンすることを指示するためのものであり、及び/又は、第1スイッチK1が第2条件でトリガされることに応答して、第2スイッチK2はオフし、第2条件は電池システムに対して電源オフすることを指示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、第1スイッチと、隔離駆動モジュールと、第2スイッチとを含むスイッチ回路であって、
前記第1スイッチの第1端が前記電源に電気的接続され、
前記第1スイッチの第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続され、前記電源が前記第1スイッチにより前記隔離駆動モジュールに給電するように構成され、
前記第2スイッチの制御端が前記隔離駆動モジュールの出力端に電気的接続され、前記第2スイッチが前記隔離駆動モジュールの出力信号に応答してオン・オフするように構成され、
前記第1スイッチが第1条件でトリガされることに応答して、前記第2スイッチはオンし、前記第1条件は電池システムに対して電源オンすることを指示するためのものであり、及び/又は、
前記第1スイッチが第2条件でトリガされることに応答して、前記第2スイッチはオフし、前記第2条件は電池システムに対して電源オフすることを指示するためのものである、スイッチ回路。
【請求項2】
前記スイッチ回路は、第1一方向導通装置をさらに含み、
前記の第1一方向導通装置の第1端が前記第1スイッチの第2端に電気的接続され、前記第1一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される、
請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項3】
前記第2スイッチの第1端が電源モジュールの入力端に電気的接続するように構成され、前記第2スイッチの第2端は電池の正極に電気的接続するように構成される、
請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項4】
前記スイッチ回路は、第1電圧変換装置をさらに含み、
前記第1電圧変換装置の入力端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、前記第1電圧変換装置の出力端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続され、
前記第1電圧変換装置が前記電源モジュールの出力電圧を降圧するように構成される、
請求項3に記載のスイッチ回路。
【請求項5】
前記スイッチ回路は、電圧安定化デバイスをさらに含み、
前記電圧安定化デバイスが前記第1電圧変換装置の出力端と前記隔離駆動モジュールの入力端との間に電気的接続される、
請求項4に記載のスイッチ回路。
【請求項6】
前記スイッチ回路は、第1ラッチをさらに含み、
前記第1ラッチの入力端がマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成され、前記第1ラッチの出力端が前記電圧安定化デバイスのイネーブルピンに電気的接続される、
請求項5に記載のスイッチ回路。
【請求項7】
前記スイッチ回路は、第2一方向導通装置をさらに含み、
前記第2一方向導通装置の第1端が前記電圧安定化デバイスの出力端に電気的接続され、前記第2一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される、
請求項4に記載のスイッチ回路。
【請求項8】
前記スイッチ回路は、第2電圧変換装置をさらに含み、
前記第2電圧変換装置の入力端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、前記第2電圧変換装置の出力端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続され、
前記第2電圧変換装置が前記電源モジュールの出力電圧を降圧するように構成される、
請求項4に記載のスイッチ回路。
【請求項9】
前記スイッチ回路は、第3スイッチをさらに含み、
前記第3スイッチの第1端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、前記第3スイッチの第2端が前記第2電圧変換装置の入力端に電気的接続される、
請求項8に記載のスイッチ回路。
【請求項10】
前記スイッチ回路は、第2ラッチをさらに含み、
前記第2ラッチの入力端がマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成され、前記第2ラッチの出力端が前記第3スイッチのイネーブルピンに電気的接続される、
請求項9に記載のスイッチ回路。
【請求項11】
前記スイッチ回路は、第3一方向導通装置をさらに含み、
前記第3一方向導通装置の第1端が前記第2電圧変換装置の出力端に電気的接続され、前記第3一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される、
請求項8に記載のスイッチ回路。
【請求項12】
前記スイッチ回路は、電源接続端子と、第3電圧変換装置と、第1隔離電源とをさらに含み、
前記電源接続端子が前記外部電源に電気的接続するように構成され、
前記第3電圧変換装置の入力端が前記電源接続端子に電気的接続され、
前記第1隔離電源の入力端が前記第3電圧変換装置の出力端に電気的接続され、前記第1隔離電源の出力端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される、
請求項3に記載のスイッチ回路。
【請求項13】
前記スイッチ回路は、第4一方向導通装置をさらに含み、
前記第4一方向導通装置の第1端が前記第1隔離電源の出力端に電気的接続され、前記第4一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される、
請求項12に記載のスイッチ回路。
【請求項14】
前記スイッチ回路は、充電モジュールをさらに含み、
前記充電モジュールの入力端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続され、前記充電モジュールの出力端が前記電源に電気的接続される、
請求項3に記載のスイッチ回路。
【請求項15】
前記スイッチ回路は、限流抵抗をさらに含み、
前記限流抵抗が前記電池と前記電源モジュールとの間に直列的接続されているように構成される、
請求項3に記載のスイッチ回路。
【請求項16】
前記スイッチ回路は、ヒューズをさらに含み、
前記ヒューズが前記電池システムの充電経路及び/又は放電経路に配置される、
請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項17】
前記電源は、スーパーキャパシタ及び/又はボタン電池を含む、
請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項18】
前記第1スイッチはタクトスイッチであり、前記第2スイッチは、電界効果トランジスター、絶縁ゲート型バイポーラトランジスター、リレー、フォトカプラ、トランジスターのいずれかである、
請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項19】
前記隔離駆動モジュールは、第2隔離電源及び隔離駆動チップを含み、
前記隔離駆動モジュールの入力端は、前記第2隔離電源の入力端及び前記隔離駆動チップの入力端を含み、前記隔離駆動モジュールの出力端は、前記隔離駆動チップの出力端を含み、
前記第2隔離電源の出力端が前記隔離駆動チップの給電端に電気的接続される、
請求項3に記載のスイッチ回路。
【請求項20】
前記第2隔離電源のアース端、前記隔離駆動チップのアース端はともに前記第2スイッチの第1端に電気的接続される、
請求項19に記載のスイッチ回路。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載のスイッチ回路を含む、
電池管理システム。
【請求項22】
前記電池管理システムはマイクロ制御ユニットをさらに含み、前記スイッチ回路は請求項6または10に記載のスイッチ回路であり、
前記マイクロ制御ユニットの電源ピンが前記第1電圧変換装置の出力端に電気的接続され、
前記マイクロ制御ユニットがさらに前記第1ラッチの入力端に電気的接続され、及び/又は
前記マイクロ制御ユニットがさらに前記第2ラッチの入力端に電気的接続される、
請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項23】
請求項21または22に記載の電池管理システムに適用されるスイッチ制御方法であって、
前記第1スイッチが第1条件でトリガされることに応答して、前記電源は前記隔離駆動モジュールに給電することを含み、
前記第2スイッチは前記隔離駆動モジュールの出力信号に応答してオンする、
スイッチ制御方法。
【請求項24】
前記電池管理システムは請求項22に記載の電池管理システムであり、前記方法は、
前記第2スイッチがオンになることに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第1ラッチに第1制御信号を出力することをさらに含み、
前記第1制御信号は、前記第1電圧変換装置が前記電圧安定化デバイスを介して前記隔離駆動モジュールに給電するように、前記第1ラッチに前記電圧安定化デバイスへのイネーブル信号の出力を指示するためのものである、
請求項23に記載のスイッチ制御方法。
【請求項25】
前記方法は、
前記第2スイッチがオンになることに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第2ラッチに第2制御信号を出力することをさらに含み、
前記第2制御信号は、前記第3スイッチがオンになって前記第2電圧変換装置が前記隔離駆動モジュールに給電するように、前記第2ラッチに前記第3スイッチへのイネーブル信号の出力を指示するためのものである、
請求項24に記載のスイッチ制御方法。
【請求項26】
前記方法は、
前記第1スイッチが第2条件でトリガされことに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第1ラッチに第3制御信号を出力することをさらに含み、
前記第3制御信号は、前記第1ラッチに前記電圧安定化デバイスへのイネーブル信号の出力を停止することを指示するためのものである、
請求項24または25に記載のスイッチ制御方法。
【請求項27】
前記方法は、
前記第1スイッチが第2条件でトリガされることに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第2ラッチに第4制御信号を出力することをさらに含み、
前記第4制御信号は、前記第2ラッチにイネーブル信号の出力を停止して前記第3スイッチをオフにすることを指示するためのものである、
請求項24または25に記載のスイッチ制御方法。
【請求項28】
電池と、電源モジュールと、請求項21または22に記載の電池管理システムとを含み、
前記電池と前記電源モジュールとは前記第2スイッチによって電気的接続され、
前記第2スイッチがオンになることに応答して、前記電池は、前記電源モジュールを介して前記電池管理システムに給電する、
電池システム。
【請求項29】
負荷と、請求項28に記載の電池システムとを含み、
前記電池システムは前記負荷に給電する、
電気設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池技術分野に関し、具体的には、スイッチ回路、電池管理システム、スイッチ制御方法、電池システム及び電気設備に関する。
【背景技術】
【0002】
電池システムによって給電可能な電気設備において、例えば高圧エネルギー貯蔵システムにおいて、通常、システム管理を行うための電池管理システムがある。関連技術において、制御の便宜上、高圧エネルギー貯蔵システムにおいては、通常、遮断器またはブレーカー等のコントロールによって電池システムの電源オン・オフを実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
安全性を配慮して、遮断器またはブレーカーに対して、通常、専門なメンテナンス担当者のみによる手動操作が許容され、一般のユーザによる操作が許容されない。これによって、そのメンテナンスコストが高くなり、制御に不便である。これに対して、本願実施例はスイッチ回路、電池管理システム、スイッチ制御方法、電池システム及び電気設備を提供し、当該スイッチ回路を電池管理システムに配置することによって、上記課題を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願実施例は、電源と、第1スイッチと、隔離駆動モジュールと、第2スイッチとを含むスイッチ回路であって、前記第1スイッチの第1端が前記電源に電気的接続され、前記第1スイッチの第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続され、前記電源が前記第1スイッチにより前記隔離駆動モジュールに給電するように構成され、前記第2スイッチの制御端が前記隔離駆動モジュールの出力端に電気的接続され、前記第2スイッチが前記隔離駆動モジュールの出力信号に応答してオン・オフするように構成され、前記第1スイッチが第1条件でトリガされることに応答して、前記第2スイッチはオンし、前記第1条件は電池システムに対して電源オンすることを指示するためのものであり、及び/又は、前記第1スイッチが第2条件でトリガされることに応答して、前記第2スイッチはオフし、前記第2条件は電池システムに対して電源オフすることを指示するためのものである、スイッチ回路である。
【0005】
上記スイッチ回路に基づいて、第1スイッチK1に対する制御により第2スイッチに対するオン・オフ制御を実現し、電池システムの電源オン及び電源オフを実現できる。第1スイッチと第2スイッチとの間は隔離駆動モジュールによって隔離されるため、上記スイッチ回路が高圧電気設備に適用される際に、第2スイッチのみを高電圧の電池に接続すればよく、電池の高圧が第1スイッチに与える影響を低減することができる。これによって、第1スイッチとして、一般のスイッチデバイス(例えばタクトスイッチ)を採用できる。遮断器またはブレーカーに比べ、一般のユーザも操作可能であり、メンテナンスコストを削減し、制御の利便性を向上することができる。
【0006】
さらに、前記スイッチ回路は、第1一方向導通装置をさらに含み、前記の第1一方向導通装置の第1端が前記第1スイッチの第2端に電気的接続され、前記第1一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0007】
第1一方向導通装置を設置することにより、電流が第1スイッチと隔離駆動モジュールとの間に逆流することを効果的に防止し、スイッチ回路の安全性が向上できる。
【0008】
さらに、前記第2スイッチの第1端が電源モジュールの入力端に電気的接続するように構成され、前記第2スイッチの第2端は電池の正極に電気的接続するように構成される。
【0009】
第2スイッチの第1端が電源モジュールの入力端に電気的接続するように構成され、第2スイッチの第2端は電池の正極に電気的接続するように構成され、第2スイッチがオンする際に、電源モジュールは電池が出力した電圧をスイッチ回路の給電電圧に変換することができ、第2スイッチのオンが継続できるよう電気エネルギーを提供できる。
【0010】
さらに、前記スイッチ回路は、第1電圧変換装置をさらに含み、前記第1電圧変換装置の入力端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、前記第1電圧変換装置の出力端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続され、前記第1電圧変換装置が前記電源モジュールの出力電圧を降圧するように構成される。
【0011】
第1電圧変換装置により、電源モジュールを介して出力した電圧を隔離駆動モジュールに入力可能な電圧に変換できることで、第1スイッチをオフした後、第2スイッチを駆動してオンさせて、電池システムを電源オン状態に維持させる。
【0012】
さらに、前記スイッチ回路は、電圧安定化デバイスをさらに含み、前記電圧安定化デバイスが前記第1電圧変換装置の出力端と前記隔離駆動モジュールの入力端との間に電気的接続される。
【0013】
電圧安定化デバイスを設置することにより、隔離駆動モジュールに入力された電圧を安定させることにより、電圧ジッタによる第2スイッチのオフミスのリスクを低減できる。
【0014】
さらに、前記スイッチ回路は、第1ラッチをさらに含み、前記第1ラッチの入力端がマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成され、前記第1ラッチの出力端が前記電圧安定化デバイスのイネーブルピンに電気的接続される。
【0015】
第1ラッチを設置することで電圧安定化デバイスを動作させ続け、これにより、電池システムを電源オン状態に維持できる。第1スイッチが第2条件でトリガされた後、マイクロ制御ユニットは、イネーブル信号を出力しなくなるように第1ラッチを制御して、電圧安定化デバイスが動作を停止し、第1電圧変換装置が隔離駆動モジュールに給電しなくなり、第2スイッチに対するオフ制御を実現できる。
【0016】
また、遮断器またはブレーカーによる電力遮断は強制的な電力遮断に該当する。電力遮断の際に、電池管理システムが強制的に電力遮断されることに起因して、電池管理システムにおける実行中のデータの記録に間に合わないことで、実行データが失われる。しかし、本願実施例において、第2スイッチはマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減できる。
【0017】
さらに、前記スイッチ回路は、第2一方向導通装置をさらに含み、前記第2一方向導通装置の第1端が前記電圧安定化デバイスの出力端に電気的接続され、前記第2一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0018】
第2一方向導通装置を設置することにより、電流が電圧安定化デバイスと隔離駆動モジュールとの間に逆流することを効果的に防止し、スイッチ回路の安全性が向上できる。
【0019】
さらに、前記スイッチ回路は、第2電圧変換装置をさらに含み、前記第2電圧変換装置の入力端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、前記第2電圧変換装置の出力端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続され、前記第2電圧変換装置が前記電源モジュールの出力電圧を降圧するように構成される。
【0020】
第2電圧変換装置を設置し、第2電圧変換装置の入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、第2電圧変換装置の出力端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続されて、隔離駆動モジュールに給電する冗長回路を形成することで、いずれかの隔離駆動モジュールに給電する給電回路が故障する際にも、他の給電回路が通常通りに動作でき、スイッチ回路の信頼性が向上した。
【0021】
さらに、前記スイッチ回路は、第3スイッチをさらに含み、前記第3スイッチの第1端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、前記第3スイッチの第2端が前記第2電圧変換装置の入力端に電気的接続される。
【0022】
第3スイッチによって、冗長回路のオン・オフの制御を実現でき、スイッチ回路の制御性を高めることができる。
【0023】
さらに、前記スイッチ回路は、第2ラッチをさらに含み、前記第2ラッチの入力端がマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成され、前記第2ラッチの出力端が前記第3スイッチのイネーブルピンに電気的接続される。
【0024】
第2ラッチを設置することで第3スイッチをオンさせ続け、これにより、電池システムを電源オン状態に維持できる。第1スイッチが第2条件でトリガされた後、マイクロ制御ユニットは、第2ラッチを制御することでイネーブル信号の出力を停止し、第3スイッチをオフして、第2電圧変換装置は隔離駆動モジュールに給電しない。また、本願実施例において、第2スイッチはマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減できる。
【0025】
さらに、前記スイッチ回路は、第3一方向導通装置をさらに含み、前記第3一方向導通装置の第1端が前記第2電圧変換装置の出力端に電気的接続され、前記第3一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0026】
上記実現構造に基づいて、第3一方向導通装置を設置することにより、電流が第2電圧変換装置と隔離駆動モジュールとの間に逆流することを効果的に防止し、スイッチ回路の安全性が向上できる。
【0027】
さらに、前記スイッチ回路は、電源接続端子と、第3電圧変換装置と、第1隔離電源とをさらに含み、前記電源接続端子が前記外部電源に電気的接続するように構成され、前記第3電圧変換装置の入力端が前記電源接続端子に電気的接続され、前記第1隔離電源の入力端が前記第3電圧変換装置の出力端に電気的接続され、前記第1隔離電源の出力端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0028】
電源接続端子と第3電圧変換装置が外部電源にアクセスできることによって、第2スイッチに対するオン制御を実現する。同時に、第1隔離電源により、外部電源とスイッチ回路における各電子デバイスとの間の隔離を実現し、適合しない外部電源にアクセスすることに起因してスイッチ回路が焼損されるリスクを回避する。
【0029】
さらに、前記スイッチ回路は、第4一方向導通装置をさらに含み、前記第4一方向導通装置の第1端が前記第1隔離電源の出力端に電気的接続され、前記第4一方向導通装置の第2端が前記隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0030】
第4一方向導通装置を設置することにより、電流が第1隔離電源及び隔離駆動モジュールとの間に逆流することを効果的に防止し、スイッチ回路の安全性が向上できる。
【0031】
さらに、前記スイッチ回路は、充電モジュールをさらに含み、前記充電モジュールの入力端が前記電源モジュールの出力端に電気的接続され、前記充電モジュールの出力端が前記電源に電気的接続される。
【0032】
充電モジュールを設置することにより、第2スイッチがオンした後、電源に充電可能であることで、第1スイッチにより第2スイッチをオンするように制御し続ける。
【0033】
さらに、前記スイッチ回路は、限流抵抗をさらに含み、前記限流抵抗が前記電池と前記電源モジュールとの間に直列的接続されているように構成される。
【0034】
限流抵抗を設置することにより、電池が電源モジュールに接続された後、過大電流を生じてデバイスを焼損する確率を低減でき、スイッチ回路の安全性が向上できる。
【0035】
さらに、前記スイッチ回路は、ヒューズをさらに含み、前記ヒューズが前記電池システムの充電経路及び/又は放電経路に配置される。
【0036】
電池システムの充電経路及び/又は放電経路にヒューズを構成することで、電池システムが焼損されるリスクを低減し、電池システムの安全性が向上できる。
【0037】
さらに、前記電源は、スーパーキャパシタ及び/又はボタン電池を含む。
【0038】
さらに、前記第1スイッチはタクトスイッチであり、前記第2スイッチはFET(Field Effect Transistor、電界効果トランジスター)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラトランジスター)、リレー、フォトカプラ、トランジスターからのいずれかである。
【0039】
第1スイッチとしてタクトスイッチを使用することで、ユーザが便利に第1スイッチのオン・オフ操作を行うことができ、ユーザによる操作の利便性が向上できる。そして、第2スイッチとしてFET、IGBT、リレー、フォトカプラ、トランジスターからのいずれかを採用することで、第2スイッチが隔離駆動モジュールの出力に基づいてオン・オフ操作を実現でき、簡単な構造、低いコストを実現でき、工業応用における普及に有利である。
【0040】
さらに、前記隔離駆動モジュールは、第2隔離電源及び隔離駆動チップを含み、前記隔離駆動モジュールの入力端は、前記第2隔離電源の入力端及び前記隔離駆動チップの入力端を含み、前記隔離駆動モジュールの出力端は、前記隔離駆動チップの出力端を含み、前記第2隔離電源の出力端が前記隔離駆動チップの給電端に電気的接続される。
【0041】
第2隔離電源及び隔離駆動チップはいずれも回路隔離の機能を有するため、スイッチ回路における隔離駆動モジュール入力端の側に位置する電子素子と電池とを隔離できる。これにより、本願実施例のスイッチ回路を高圧エネルギー貯蔵システム等の高電圧のシナリオに適用しても、隔離駆動モジュール入力端の側に位置する電子素子が破損されるリスクを低減し、スイッチ回路の安全性が向上できる。同時に、第2隔離電源を設置することにより、隔離駆動チップに対する給電を実現でき、隔離駆動チップが通常通りに動作することができる。
【0042】
さらに、前記第2隔離電源のアース端、前記隔離駆動チップのアース端はともに前記第2スイッチの第1端に電気的接続される。
【0043】
本願実施例は、前述したいずれかのスイッチ回路を含む、BMS(Battery Management System、電池管理システム)を提供する。
【0044】
可能な一実施形態において、前記電池管理システムはマイクロ制御ユニットをさらに含み、前記スイッチ回路は請求項6または10に記載のスイッチ回路であり、前記マイクロ制御ユニットの電源ピンが前記第1電圧変換装置の出力端に電気的接続され、前記マイクロ制御ユニットがさらに前記第1ラッチの入力端に電気的接続され、及び/又は前記マイクロ制御ユニットがさらに前記第2ラッチの入力端に電気的接続される。
【0045】
マイクロ制御ユニットにより第1ラッチ及び/又は第2ラッチを制御できることで、第2スイッチを継続的にオン・オフすることを制御する。また、本願実施例において、第2スイッチはマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減できる。
【0046】
本願実施例は、前述したいずれかの電池管理システムに適用するスイッチ制御方法を提供する。前記方法は、前記第1スイッチが第1条件でトリガされることに応答して、前記電源は前記隔離駆動モジュールに給電することを含み、前記第2スイッチは前記隔離駆動モジュールの出力信号に応答してオンする。
【0047】
さらに、前記電池管理システムは上記可能な実施形態における電池管理システムであり、前記方法は、前記第2スイッチがオンになることに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第1ラッチに第1制御信号を出力することをさらに含み、前記第1制御信号は、前記第1電圧変換装置が前記電圧安定化デバイスを介して前記隔離駆動モジュールに給電するように、前記第1ラッチに前記電圧安定化デバイスへのイネーブル信号の出力を指示するためのものである。
【0048】
マイクロ制御ユニットは第1ラッチを制御することにより、電圧安定化デバイスを動作させ続け、これにより、電池システムを電源オン状態に維持させ、制御方式が簡単で確実であり、工業応用における普及と使用に有利である。
【0049】
さらに、前記スイッチ制御方法は、前記第2スイッチがオンになることに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第2ラッチに第2制御信号を出力することをさらに含み、前記第2制御信号は、前記第3スイッチがオンになって前記第2電圧変換装置が前記隔離駆動モジュールに給電するように、前記第2ラッチに前記第3スイッチへのイネーブル信号の出力を指示するためのものである。
【0050】
第3スイッチをオンさせ続け、これにより、電池システムを電源オン状態に維持でき、制御方式が簡単で確実であり、工業応用における普及と使用に有利である。また、第2スイッチはマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減できる。
【0051】
さらに、前記スイッチ制御方法は、前記第1スイッチが第2条件でトリガされことに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第1ラッチに第3制御信号を出力することをさらに含み、前記第3制御信号は、前記第1ラッチに前記電圧安定化デバイスへのイネーブル信号の出力を停止することを指示するためのものである。
【0052】
マイクロ制御ユニットが第1ラッチに第3制御信号を出力することで、第1ラッチを制御して電圧安定化デバイスを動作させなくなり、第1電圧変換装置が隔離駆動モジュールに給電しなくなり、制御方式が簡単で確実であり、工業応用における普及と使用に有利である。
【0053】
さらに、前記スイッチ制御方法は、前記第1スイッチが第2条件でトリガされることに応答して、前記マイクロ制御ユニットは、前記第2ラッチに第4制御信号を出力することをさらに含み、前記第4制御信号は、前記第2ラッチにイネーブル信号の出力を停止して前記第3スイッチをオフにすることを指示するためのものである。
【0054】
マイクロ制御ユニットが第2ラッチに第4制御信号を送信することで、第2ラッチを制御して第3スイッチをオンにさせなくなり、第2電圧変換装置が隔離駆動モジュールに給電しなくなり、制御方式が簡単で確実であり、工業応用における普及と使用に有利である。また、第2スイッチはマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減できる。
【0055】
本願実施例は、電池と、電源モジュールと、請求項21または22に記載の電池管理システムとを含み、前記電池と前記電源モジュールとは前記第2スイッチによって電気的接続され、前記第2スイッチがオンになることに応答して、前記電池は、前記電源モジュールを介して前記電池管理システムに給電する、電池システムを提供する。
【0056】
本願実施例は、負荷と、上記した電池システムとを含み、前記電池システムは前記負荷に給電する、電気設備をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
より分かりやすく本出願実施例の形態を説明するため、以下は本出願実施例に必要となる図面について簡単に説明する、以下の図面は本願のいくつかの実施例を示すことに過ぎず、範囲に対する限定とみなすべきではないことを理解されたい。
図1図1は本願実施例に提供されるスイッチ回路の基本的構成模式図である。
図2図2は本願実施例に提供されるより具体的なスイッチ回路の構成模式図である。
図3図3は本願実施例に提供される他のより具体的なスイッチ回路の構成模式図である。
図4図4は本願実施例に提供されるスイッチ回路と電池及び電源モジュールとの接続構成模式図である。
図5図5は本願実施例が図4の上で提供する電圧安定化デバイスを具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図6図6は本願実施例が図5の上で提供する第1ラッチを具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図7図7は本願実施例に提供される冗長回路を具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図8図8は本願実施例が図7の上で提供する第3スイッチを具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図9図9は本願実施例が図8の上で提供する第2ラッチを具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図10図10は本願実施例に提供される外部電源により電源オン可能なスイッチ回路の構成模式図である。
図11図11は本願実施例に提供される充電モジュールを具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図12図12は本願実施例に提供される限流抵抗を具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図13図13は本願実施例に提供されるヒューズを具備するスイッチ回路の構成模式図である。
図14図14は本願実施例に提供されるスイッチ制御方法のフロー模式図である。
図15図15は本願実施例に提供される具体的電池システムの構成模式図。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下は図面を参照しながら本願の技術案の実施例について詳しく説明する。無論、説明される実施例は単に本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。以下の実施例は例示として、より明らかに本願の技術案を説明するためのものであって、これにより本願の保護範囲を制限できない。当業者には、矛盾しない限り、以下の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせてよいと理解される。
【0059】
本願実施例の説明において、用語「及び/又は」は関連対象を表す関連関係に過ぎず、3つの関係があると表してよく、例えば、A及び/又はBは、Aが単独に存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独に存在する、という3つの状況を表してよい。なお、本明細書において、符号「/」は、通常、前後の関連対象が「または」の関係であることを表す。特別に明確な具体的限定されていない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0060】
本願実施例の説明において、特別に明確な規定及び限定がない限り、技術的用語「電気的接続」とは直接的な電気的接続であってよく、中間媒体を介する間接的な電気的接続であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本願実施例における上記用語の具体的な意味を理解してよい。
【0061】
現在の電池システムは、通常、遮断器またはブレーカー等のコントロールによって電源オン・オフの管理を実現する。しかし、事故を回避するため、遮断器またはブレーカーに対して、専門なメンテナンス担当者による手動操作が必要であり、一般のユーザによる操作が許容されない。これによって、メンテナンスコストが高くなり、制御に不便である。また、遮断器またはブレーカーによる電力遮断は強制的な電力遮断に該当する。電力遮断の際に、電池システムにおける電池管理システムが強制的に電力遮断されることに起因して、電池管理システムにおける実行中のデータの記録に間に合わないことで、実行データが失われる。
【0062】
このため、本願実施例はスイッチ回路、電池管理システム、スイッチ制御方法、電池システム及び電気設備を提供し、上記課題の少なくとも一部を改善する。具体的には、本願実施例に提出されるスイッチ回路において、第1スイッチにより電源と隔離駆動モジュールとを導通にする。電源は、隔離駆動モジュールが動作状態にするように、隔離駆動モジュールに給電する。第2スイッチのオンを制御する電圧が隔離駆動モジュールによって出力され、第2スイッチに対するオン制御を実現する。これによって、第1スイッチを制御することにより電池システムの電源オン・オフを実現できる。第1スイッチと第2スイッチとの間はモジュールによって隔離されるため、第2スイッチが電池に接続される場合、電池の電圧が第1スイッチに与える影響を低減できる。そのため、第1スイッチとして、一般のスイッチデバイス(例えばタクトスイッチ)を採用できる。遮断器またはブレーカーに比べ、一般のユーザも操作可能であり、メンテナンスコストを削減し、制御の利便性を向上することができる。本願のいくつかの実施例において、さらに、マイクロ制御ユニットにより第2スイッチに対するオフ制御を実現するため、電力遮断の際に電池管理システムにおける実行中のデータが記録に間に合わないことで、実行データが失われる課題を改善できる。
【0063】
図1は、本願実施例に提供されるスイッチ回路の基本的構成模式図であり、電源、第1スイッチK1、隔離駆動モジュール及び第2スイッチK2を含む。
【0064】
本願のいくつかの実施例において、電源は、スイッチ回路の内部に設置され、電気エネルギーを提供可能なデバイスであって、スーパーキャパシタ、ボタン電池等デバイスからの1つまたは複数を含んでよいが、これらに制限されない。本願実施例において、電源の数は1つであってよく、複数であってもよい。複数の電源がある場合、電源の種類は同じでもよく、異なってもよい。且つ各電源の間は第1スイッチK1の第1端とアースとの間に並列的接続されることができる。例えば図2に示すように、電源は、並列的接続されるスーパーキャパシタとボタン電池を含む。
【0065】
続いて、図1に示すように、第1スイッチK1の第1端が電源に電気的接続され、第1スイッチK1の第2端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。第1スイッチK1がオンする際に、電源は隔離駆動モジュールに給電できる。
【0066】
本願実施例において、第1スイッチK1はボタン式のものであってもよく、第1スイッチK1が押されると、第1スイッチK1をオンすることができる。第1スイッチK1は、押すための外力が解除された後、第1スイッチK1が跳ね返り、オフ状態に復帰する特性をさらに有することができる。例示的に、ユーザによる操作を容易にするため、第1スイッチK1として、タクトスイッチ(ボタンスイッチとも称される)を採用できるが、これに制限されない。
【0067】
本願実施例において、第2スイッチK2の制御端が隔離駆動モジュールの出力端に電気的接続され、第2スイッチK2が隔離駆動モジュールの出力信号に応答して、オン・オフを実行するように構成される。
【0068】
本願実施例において、第2スイッチK2はFET、IGBT、リレー、フォトカプラ、トランジスターのいずれかにより実現されてよいが、これに制限されない。ここで、FETは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、金属-酸化物半導体電界効果トランジスター)、光MOS、窒化ガリウムFET等であってよいが、これらに限定されない。
【0069】
本願実施例において、図3に示すように、隔離駆動モジュールは第2隔離電源及び隔離駆動チップを含んでよい。第2隔離電源の入力端及び隔離駆動チップの入力端はともに隔離駆動モジュールの入力端を構成し、それぞれ第1スイッチK1の第2端に電気的接続される。第2隔離電源の出力端が隔離駆動チップの給電端VDDに電気的接続され、隔離駆動チップにその動作を駆動できる電圧を提供する。隔離駆動チップの出力端Voutは、隔離駆動モジュール全体の出力端として第2スイッチK2の制御端に電気的接続され、第2スイッチK2に対するオン・オフ制御を実現する。
【0070】
本願実施例において、第2隔離電源のアース端、隔離駆動チップのアース端VSSはいずれも第2スイッチK2の第1端に電気的接続される。
【0071】
本願実施例において、第2隔離電源は第2駆動IC(駆動を提供するための回路またはチップ)及び第2変圧器B2を含んでよい。第2変圧器B2に電圧閾値より大きい駆動電圧を提供するように、第2駆動ICが第2変圧器B2の一次側に電気的接続される。電圧閾値は回路のニーズによって設置されてよく、例えば3.3ボルトまたは5ボルトであってよい。隔離駆動チップにその動作を駆動できる電圧を提供するように、第2変圧器B2の二次側の出力端が隔離駆動チップの給電端VDDに電気的接続される。第2変圧器B2の二次側のアース端が第2スイッチK2の第1端に電気的接続される。
【0072】
本願実施例において、隔離駆動チップ(隔離チップ、隔離駆動とも称される)とは、隔離能力及び駆動能力を具備するチップであって、デジタルアイソレータと駆動チップとの組み合わせにより得られる。
【0073】
本願実施例において、第1スイッチK1が第1条件でトリガされてオンすることに応答して、第2スイッチK2がオンし、第1条件は電源オンにするように電池システムを指示する、及び/又は、第1スイッチK1が第2条件でトリガされることに応答して、第2スイッチK2がオフし、第2条件は電源オフにするように電池システムを指示する。
【0074】
本願実施例において、第1条件は、電池システムを電源オンするように、前記第1スイッチK1に対してオンすることを指示するためのものである。第1条件は、第1スイッチK1のオンをトリガするように、第1スイッチK1を押すことであり、または、第1スイッチK1のオンをトリガするように、第1スイッチK1を押して第1期間で継続することであるが、これらに制限されない。第1期間は、第2スイッチK2をオンする時間以上であり、例えば3から5秒に設定されてよい。
【0075】
本願実施例において、第2条件は、電池システムを電源オフするように、前記第1スイッチK1に対してオフすることを指示するためのものである。第2条件は、第1スイッチのオフをトリガするように、まず、第1スイッチK1を押し、そして外力を解除し、第1スイッチK1がバウンドしてオフ状態になり、第1スイッチK1を再度押して第2期間で継続し、そして外力を解除し、第1スイッチK1が再度にバウンドしてオフ状態になることであるが、これに限らない。第2期間はニーズによって設定されてよく、例えば2秒に設定される。本願の他のいくつかの実施例において、第2条件は、第1スイッチK1を押して第2期間で継続することであってもよく、第1期間と第2期間とは異なる時間に設定される。
【0076】
このように、第1スイッチK1に対する制御により第2スイッチK2に対するオン・オフ制御を実現し、電池システムの電源オン及び電源オフを実現する。且つ、第1スイッチK1と第2スイッチK2との間は隔離駆動モジュールによって隔離されるため、上記スイッチ回路が高圧エネルギー貯蔵システムに適用される際に、第2スイッチのみを高電圧の電池に接続すればよく、電池の電圧が第1スイッチK1に与える影響を低減することができる。これによって、第1スイッチとして、一般のスイッチデバイス(例えばタクトスイッチ)を採用できる。遮断器またはブレーカーに比べ、一般のユーザも操作可能であり、メンテナンスコストを削減し、制御の利便性を向上することができる。
【0077】
好ましくは、図3に示すように、スイッチ回路は第1一方向導通装置DZ1をさらに含んでよい。第1一方向導通装置DZ1の第1端が第1スイッチK1の第2端に電気的接続され、第1一方向導通装置DZ1の第2端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。これによって、第1スイッチK1と隔離駆動モジュールとの間に電流逆流が発生するリスクを低減する。好ましくは、第1一方向導通装置DZ1としてダイオードを採用できるが、これに限らない。
【0078】
本願実施例において、図4に示すように、第2スイッチK2の第1端が電源モジュールの入力端に電気的接続するように構成されてよく、第2スイッチK2の第2端が電池の正極に電気的接続するように構成されてよい。このように、第2スイッチK2がオンする際に、電源モジュールは電池が出力した電圧をスイッチ回路の給電電圧に変換可能であることで、第2スイッチK2のオンが継続できるよう電気エネルギーを提供できる。
【0079】
電源モジュールとは、交流または直流電力を必要の交流または直流電力に変換する設備である。本願のいくつかの具体的実施形態において、電源モジュールは独立したデバイスであってよく、スイッチ回路は電源モジュールと独立したプリント基板に構成され、電源モジュールが電気的接続装置(ハーネス、コネクタ、バスバー等)によりプリント基板に電気的接続されてよい。
【0080】
好ましくは、本願実施例のいくつかの実施形態において、第2スイッチK2は複数(未図示)であってよく、複数の第2スイッチK2は電池の正極B+と電源モジュールとの間にアクセスするように並列的に構成される。例示的に、各第2スイッチK2の第1端はいずれも電源モジュールの入力端に電気的接続するように構成され、各第2スイッチK2の第2端はいずれも電池の正極B+に電気的接続するように構成され、各第2スイッチK2の制御端はいずれも隔離駆動モジュールの出力端に電気的接続される。このように、複数の第2スイッチK2が並列的接続されることにより、電池システムの主回路における電流を分担することで、第2スイッチK2が破損されるリスクを低減できる。
【0081】
本願実施例において、図4に示すように、スイッチ回路は第1電圧変換装置H1をさらに含んでよい。第1電圧変換装置H1の入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、第1電圧変換装置H1の出力端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。第1電圧変換装置H1は電源モジュールの出力電圧を降圧するように構成される。第1電圧変換装置H1は降圧回路により実現されてよいが、これに制限されない。
【0082】
第1電圧変換装置H1により、電源モジュールを介して出力した電圧を隔離駆動モジュールに入力可能な電圧に変換できることで、第1スイッチK1をオフした後、第2スイッチK2を駆動してオンさせる。これによって、電池システムを電源オン状態に維持させる。
【0083】
本願のいくつかの可能な実施例において、図5に示すように、スイッチ回路は電圧安定化デバイスH4をさらに含んでよい。電圧安定化デバイスH4は第1電圧変換装置H1の出力端と隔離駆動モジュールの入力端との間に電気的接続される。好ましくは、電圧安定化デバイスH4としてリニアレギュレータを採用できるが、これらに限定されず、例えばLDO(Low Dropout Regulator、低ドロップアウトリニアレギュレータ)であることで、隔離駆動モジュールに入力された電圧を安定させて、電圧ジッタによる第2スイッチのオフミスのリスクを低減できる。電圧安定化デバイスH4は、第1電圧変換装置H1が出力した電圧に対して更なる変換を行うデバイスまたは回路として構成されて、隔離駆動モジュールのニーズを満たす安定した(電圧変動が小さい)電圧を出力してよい。
【0084】
好ましくは、図5に示すように、スイッチ回路は第2一方向導通装置DZ2をさらに含んでよい。第2一方向導通装置DZ2の第1端が電圧安定化デバイスH4の出力端に電気的接続され、第2一方向導通装置DZ2の第2端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続されることで、電圧安定化デバイスH4と隔離駆動モジュールとの間に電流逆流が発生するリスクを低減する。好ましくは、第2一方向導通装置DZ2としてダイオードを採用できるが、これに限らない。
【0085】
本願のいくつかの可能な実施例において、図6に示すように、スイッチ回路は第1ラッチをさらに含んでよい。第1ラッチの入力端がマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成され、第1ラッチの出力端が電圧安定化デバイスH4のイネーブルピンに電気的接続される。
【0086】
本願のいくつかの実施例において、マイクロ制御ユニットはBMSの一部であってよく、MCU(Microcontroller Unit)、ワンチップマイコン、マイクロプロセッサー等を採用できるが、これらに限定されない。
【0087】
本願実施例において、第1ラッチを設置することで電圧安定化デバイスH4を動作させ続け、これにより、電池システムを電源オン状態に維持できる。第1スイッチK1が第2条件でトリガされた後、マイクロ制御ユニットは、イネーブル信号を出力しなくなるように第1ラッチを制御して、電圧安定化デバイスH4が動作を停止し、第1電圧変換装置H1が隔離駆動モジュールに給電しなくなり、第2スイッチK2に対するオフ制御を実現できる。第2スイッチK2はマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減する。
【0088】
本願のいくつかの他の実施例において、第1スイッチK1の出力端はさらにマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成されてよい。マイクロ制御ユニットは電源オン状態にあり、第1スイッチK1が第2条件でトリガされオフした信号を受信すると、マイコンはイネーブル信号を出力しなくなるように第1ラッチを制御してよい。
【0089】
本願のいくつかの可能な実施例において、図7に示すように、スイッチ回路は第1電圧変換装置H1を含む上で、第2電圧変換装置H2をさらに含んでよい。第2電圧変換装置H2の入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、第2電圧変換装置H2の出力端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。第2電圧変換装置H2は電源モジュールの出力電圧を降圧するように構成される。第2電圧変換装置H2は降圧回路により実現されてよいが、これに制限されない。
【0090】
第2電圧変換装置H2を設置し、第2電圧変換装置H2の入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、第2電圧変換装置H2の出力端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続されることで、他の隔離駆動モジュールに給電する冗長回路を形成する。これにより、いずれかの隔離駆動モジュールに給電する給電回路が故障される際に、他の給電回路が通常通りに動作でき、さらにスイッチ回路の信頼性が向上した。
【0091】
好ましくは、図7に示すように、スイッチ回路は第3一方向導通装置DZ3をさらに含んでよい。第3一方向導通装置DZ3の第1端が第2電圧変換装置H2の出力端に電気的接続され、第3一方向導通装置DZ3の第2端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続されることで、第2電圧変換装置H2と隔離駆動モジュールとの間に電流逆流が発生するリスクを低減する。好ましくは、第3一方向導通装置DZ3としてダイオードを採用できるが、これに限らない。
【0092】
本願のいくつかの可能な実施例において、図8に示すように、スイッチ回路は第3スイッチK3をさらに含んでよい。第3スイッチK3の第1端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、第3スイッチK3の第2端が第2電圧変換装置H2の入力端に電気的接続される。第3スイッチK3によって、冗長性給電回路をオンするかの制御を実現でき、スイッチ回路に制御性をより持たせる。
【0093】
好ましくは、本願実施例において、第3スイッチK3はeFuse(ワンタイムプログラマブルメモリ)により実現されてよいが、これに制限されない。例えば、第3スイッチK3として、例えばFET、IGBT、フォトカプラ等を採用できる。
【0094】
本願のいくつかの可能な実施例において、図9に示すように、スイッチ回路は第2ラッチをさらに含んでよい。第2ラッチの入力端がマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成され、第2ラッチの出力端が第3スイッチK3のイネーブルピンに電気的接続される。第2ラッチを設置することで第3スイッチK3をオンさせ続け、これにより、電池システムを電源オン状態に維持できる。第1スイッチK1が第2条件でトリガされた後、マイクロ制御ユニットは、イネーブル信号を出力しなくなるように第2ラッチを制御することで、第3スイッチK3をオフする。これにより、第2電圧変換装置H2は隔離駆動モジュールに給電しなくなる。本願実施例において、第2スイッチK2はマイクロ制御ユニットの制御に基づいてオフするため、マイクロ制御ユニットは、オフする前にデータの保存を行い、データが失われるリスクを低減できる。
【0095】
本願のいくつかの他の実施例において、第1スイッチK1の出力端はさらにマイクロ制御ユニットに電気的接続するように構成されてよい。マイクロ制御ユニットは電源オン状態にあり、第1スイッチK1が第2条件でトリガされてオフした信号を受信すると、マイコンはイネーブル信号を出力しなくなるように第2ラッチを制御してよい。
【0096】
本願のいくつかの可能な実施例において、図10に示すように、スイッチ回路は電源接続端子S、第3電圧変換装置H3及び第1隔離電源をさらに含んでよい。電源接続端子Sが外部電源に電気的接続するように構成される。第3電圧変換装置H3の入力端が電源接続端子Sに電気的接続される。第1隔離電源の入力端が第3電圧変換装置H3の出力端に電気的接続され、第1隔離電源の出力端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0097】
上記回路によって、外部電源にアクセスする手段により第2スイッチK2をオンしてよい。同時に、第1隔離電源により、外部電源とスイッチ回路における各電子デバイスとの間の隔離を実現し、適合しない外部電源にアクセスすることに起因してスイッチ回路が焼損されるリスクを回避できる。
【0098】
第1隔離電源の実現構造は第2隔離電源の実現構造に類似する。第1隔離電源は第1駆動IC(駆動を提供するための回路またはチップ)及び第1変圧器B1を含んでよい。第1変圧器B1に電圧閾値より大きい駆動電圧を提供するように、第1駆動ICは第1変圧器B1の一次側に電気的接続される。電圧閾値は3.3ボルトまたは5ボルトであってよいが、これに制限されない。隔離駆動モジュールに隔離駆動モジュールのニーズを満たす電圧を出力するように、第1変圧器B1の二次側の出力端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される。
【0099】
いわゆる外部電源とは、スイッチ回路に対して、スイッチ回路の外に位置する電源である、とさらに理解される。
【0100】
好ましくは、図10に示すように、スイッチ回路は第4一方向導通装置DZ4をさらに含んでよい。第4一方向導通装置DZ4の第1端が第1隔離電源の出力端に電気的接続され、第4一方向導通装置DZ4の第2端が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続されることで、第1隔離電源と隔離駆動モジュールとの間に電流逆流が発生するリスクを低減する。好ましくは、第4一方向導通装置DZ4としてダイオードを採用できるが、これに限らない。
【0101】
本願のいくつかの可能な実施例において、図11に示すように、スイッチ回路は充電モジュールchargerをさらに含んでよい。充電モジュールchargerの入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成され、充電モジュールchargerの出力端が電源に電気的接続される。充電モジュールchargerを設置することにより、第2スイッチK2をオンした後、電源に充電可能であることで、第1スイッチK1により第2スイッチK2をオンするように制御し続ける。
【0102】
例示的な実施形態において、充電モジュールchargerの入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成される具体的形態は、充電モジュールchargerの入力端が第1電圧変換装置H1、第2電圧変換装置H2、第3電圧変換装置H3からの少なくとも1つの出力端に電気的接続されることである。これによって、充電モジュールchargerが第1電圧変換装置H1、第2電圧変換装置H2、第3電圧変換装置H3からの少なくとも1つにより電源モジュールの出力端に電気的接続されて、電源の充電ニーズを満たす電圧を取得できる。
【0103】
他の例示的な実施形態において、充電モジュールchargerの入力端が電源モジュールの出力端に電気的接続するように構成される具体的形態は、充電モジュールchargerの入力端が第4電圧変換装置の出力端に電気的接続されることである。これによって、充電モジュールchargerが第4電圧変換装置により電源モジュールの出力端に電気的接続されて、電源の充電ニーズを満たす電圧を取得できる。第4電圧変換装置は第1電圧変換装置H1、第2電圧変換装置H2、第3電圧変換装置H3から独立した電圧変換装置である。
【0104】
本願のいくつかの可能な実施例において、図12に示すように、スイッチ回路は限流抵抗Rをさらに含んでよい。限流抵抗Rは電池と電源モジュールとの間に直列的接続されているように構成される。限流抵抗Rの設置により、電池が電源モジュールに接続された後、過大な電流を生じて電子デバイス(例えば第2スイッチK2を焼損する)を焼損する場合の確率を低減でき、スイッチ回路の安全性を向上する。
【0105】
本願のいくつかの可能な実施例において、スイッチ回路はヒューズDをさらに含んでよい。ヒューズDが電池システムの充電経路及び/又は放電経路に配置されることによって、電池システムが焼損されるリスクを低減し、電池システムの安全性を向上する。例示的に、図13に示すように、ヒューズDは電池正極と第2スイッチK2との間に配置されてよい。
【0106】
好ましくは、図13に示すように、スイッチ回路は第5一方向導通装置DZ5をさらに含んでよい。第5一方向導通装置DZ5の第1端が第2スイッチK2の第1端に電気的接続され、第5一方向導通装置DZ5の第2端が電源モジュールの入力端に電気的接続されることで、第2スイッチK2と電源モジュールとの間に電流逆流が発生するリスクを低減する。好ましくは、第5一方向導通装置DZ5としてダイオードを採用できるが、これに限らない。
【0107】
同じ発明思想に基づき、本願実施例は、本願実施例に提供されるスイッチ回路を含む、BMSをさらに提供する。
【0108】
BMSにはマイクロ制御ユニットをさらに具備してよい。スイッチ回路は第1電圧変換装置、第1ラッチ及び/又は第2ラッチを含む場合、マイクロ制御ユニットの電源ピンは第1電圧変換装置H1の出力端に電気的接続されてよい。マイクロ制御ユニットはさらに第1ラッチの入力端に電気的接続されてよい、及び/又はマイクロ制御ユニットはさらに第2ラッチの入力端に電気的接続されてよい。
【0109】
同じ発明思想に基づき、本願実施例は、前述したBMSに適用されるスイッチ制御方法をさらに提供する。図14に示すように、方法は以下のステップを含む。
【0110】
S1401:第1スイッチK1が第1条件でトリガされることに応答して、電源は隔離駆動モジュールに給電をする。ここで、第2スイッチK2は隔離駆動モジュールの出力信号に応答してオンする。
【0111】
本願実施例において、マイクロ制御ユニットの電源ピンが第1電圧変換装置H1の出力端に電気的接続され、マイクロ制御ユニットが第1ラッチの入力端に電気的接続される場合、スイッチ制御方法は、第2スイッチK2のオンに応答して、マイクロ制御ユニットが第1ラッチに第1制御信号を出力することをさらに含み、第1制御信号は、第1電圧変換装置H1が電圧安定化デバイスH4を介して隔離駆動モジュールに給電するように、第1ラッチに電圧安定化デバイスH4へのイネーブル信号の出力を指示するためのものである。
【0112】
マイクロ制御ユニットは通常その自体に電源を具備しないため、第2スイッチK2がオンしないと、マイクロ制御ユニットが電源オフ状態にある。第2スイッチK2がオンした後、電池は電源モジュールによりマイクロ制御ユニットに給電して、マイクロ制御ユニットを電源オンさせ、さらにマイクロ制御ユニットに第1制御信号を第1ラッチに出力させる。
【0113】
ラッチにおけるデータは変化しないように維持できるため、マイクロ制御ユニットが第1ラッチに第1制御信号を出力した後、第1ラッチは、第1電圧変換装置H1が電圧安定化デバイスH4により隔離駆動モジュールに給電し続けるように、電圧安定化デバイスH4にイネーブル信号を出力し続けて、第1スイッチK1がオフした後にも、第2スイッチK2のオンが継続できる。
【0114】
本願実施例において、マイクロ制御ユニットはさらに第1スイッチK1の出力端に電気的接続される。マイクロ制御ユニットが電源オン状態にある場合、第1スイッチK1が第2条件でトリガされオフする信号がモニタされると、マイクロ制御ユニットは第1ラッチに第3制御信号を出力し、第3制御信号は、第1ラッチに電圧安定化デバイスH4へのイネーブル信号の出力を停止することを指示するためのものである。
【0115】
スイッチ回路に第2ラッチがないと、マイクロ制御ユニットが第1ラッチに第3制御信号を出力した後、電圧安定化デバイスH4が動作を停止することで、隔離駆動モジュールは入力電圧がなく、第2スイッチK2の制御端にオンするように制御する信号を出力しなくなり、第2スイッチK2がオフする。
【0116】
マイクロ制御ユニットが第2ラッチの入力端に電気的接続される場合、スイッチ制御方法は、第2スイッチK2のオンに応答して、マイクロ制御ユニットが第2ラッチに第2制御信号を出力することをさらに含み、第2制御信号は、第3スイッチK3がオンになって第2電圧変換装置H2が隔離駆動モジュールに給電するように、第2ラッチに第3スイッチK3へのイネーブル信号の出力を指示するためのものである。
【0117】
ラッチにおけるデータは変化しないように維持できるため、マイクロ制御ユニットが第2ラッチに第2制御信号を出力した後、第2ラッチは、第2電圧変換装置H2が隔離駆動モジュールに給電し続けるように、第3スイッチK3にイネーブル信号を出力し続けて、第1スイッチK1がオフした後、第2スイッチK2のオンが継続できる。
【0118】
また、マイクロ制御ユニットがさらに第2ラッチの入力端に電気的接続される場合、スイッチ制御方法は、第1スイッチK1が第2条件でトリガされてオンすることに応答して、マイクロ制御ユニットが第2ラッチに第4制御信号を出力することをさらに含む。ここで、第4制御信号は、第2ラッチにイネーブル信号の出力を停止して第3スイッチK3をオフにすることを指示するためのものである。
【0119】
マイクロ制御ユニットは電圧安定化デバイスH4が動作を停止するように制御し、第3スイッチK3がオフした後、隔離駆動モジュールは入力電圧を受けなくなり、第2スイッチK2の制御端にオンするように制御する信号を出力しなくなり、第2スイッチK2をオフする。
【0120】
BMSにはより多くの部品を具備してよく、例えばBMSには、電池の情報(電圧、温度等)採取するために、データ採取チップ(例えばAFE(Analog Front End、アナログフロントエンド)チップ等)を含んでよい。
【0121】
同じ発明思想に基づき、本願実施例は、電池、電源モジュール及び前述したBMSを含む、電池システムを提供する。ここで、電池と電源モジュールとの間は第2スイッチK2によって電気的接続され、第2スイッチK2がオンすることに応答して、電池が電源モジュールにより電池管理システムに給電してよい。
【0122】
本願実施例に記載の電池は、複数の電池セルにより構成され、複数の電池セル間は直接的接続、並列的接続或いは直並列的接続されてよく、直並列的接続とは、複数の電池セルに直接的接続及び並列的接続を有する。電池については、複数の電池セルが直接的接続、並列的接続或いは直並列的接続されて電池セットを構成した後、複数の電池セットが直接的接続、並列的接続或いは直並列的接続されて一体化されて、電池を形成してよいと、理解される。電池には例えば複数の電池セル間の電気的接続等を実現するバス部品等の、他の構造を含んでよい。本願実施例において、電池セルは、リチウムイ導通電池、ナトリウムイ導通電池、マグネシウムイ導通電池、或いは固体電池等を含む二次電池であってよいが、これらに限らない。本願実施例において、電池セルはセルであってよく、セルを含む電池実体であってもよいが、これに制限されない。
【0123】
本願実施例において、電池システムは、高圧エネルギー貯蔵システム、車両給電システム、電池パック等であってよいが、これらに限定されない。いわゆる高圧エネルギー貯蔵システムとは、電池の出力電圧が60Vより大きいシステムである。
【0124】
以下、本願実施例の技術案を分かり易くために、図15に示す回路を例として、本願実施例の技術案を例示的に説明する。ここで、電源としては並列的接続されるスーパーキャパシタ及びボタン電池を採用でき、電源モジュールとしては24V/12VのDC/DC(直流から直流に変換する)電源モジュールを採用でき、第1スイッチK1としてはタクトスイッチを採用でき、第2スイッチK2としてはNMOS管を採用でき、第1電圧変換装置H1としては24V/12Vから5.5Vに変換する電圧変換回路を採用でき、第2電圧変換装置H2としては24V/12Vから5Vに変換する電圧変換回路を採用でき、電圧安定化デバイスH4としてはLDOを採用でき、第3スイッチK3としてはeFuseを採用でき、第3電圧変換装置H3としては12Vから5Vに変換する電圧変換回路を採用でき、第1一方向導通装置DZ1から第5一方向導通装置DZ5はいずれもダイオードを採用できる。回路構造は図15に示される。第1スイッチK1は、押すための外力が解除された後、第1スイッチK1が跳ね返り、オフ状態に復帰する特性を有する。ユーザによる操作を容易にするように、第1スイッチK1が電池システムの外部パネルに設置される。
【0125】
電池システムを電源オンにする際に、ユーザが第1スイッチK1を押して一定時間(例えば3から5秒)で継続する。この場合、スーパーキャパシタ及びボタン電池は隔離駆動モジュールに電圧を出力し、隔離駆動モジュールの出力端が第2スイッチK2のゲートに電圧を出力して、第2スイッチK2をオンする。電池はヒューズD、第2スイッチK2、限流抵抗Rによって電源モジュールに給電する。電源モジュールは電池電圧を24Vまたは12Vの低電圧に変換した後、第1変換装置により電圧を5.5Vにさらに低下し、MCUをウェイクアップするようにMCUに出力し、または、5.5V電圧を電圧変換回路または装置により5Vまたは3.3Vに降圧し、MCU(未図示)をウェイクアップするようにMCUに出力し、第1変換装置は5.5V電圧をLDOに出力する。第1ラッチがLDOにイネーブル信号を出力し続けるように、MCUが第1ラッチに第1制御信号を出力し、LDOを動作させる。これによって、隔離駆動モジュールに給電し続け、外力を解除して第1スイッチK1がオフした後にも、隔離駆動モジュールが第2スイッチK2のゲートに対する給電が継続でき、第2スイッチK2のオンが継続できる。一方、eFuseが電源モジュールから出力された電圧を第2変換装置に転送し続けるように、MCUが第2ラッチに第2制御信号を出力する。第2変換装置により電圧を5Vに低下して隔離駆動モジュールに出力する。これによって、外力を解除して第1スイッチK1がオフした後にも、隔離駆動モジュールが第2スイッチK2のゲートに対する給電が継続でき、第2スイッチK2のオンが継続できる。同時に、電源モジュールから出力された電圧は、さらに、充電モジュールchargerによりスーパーキャパシタ及びボタン電池に充電する。
【0126】
また、ユーザは電源接続端子Sにより外部電源にアクセスすることで、外部電源により電池システムを電源オンにしてよい。電源接続端子Sが外部電源にアクセスした後、第3電圧変換装置H3は外部電源の電圧を5V電圧に変換し、第1隔離電源により隔離駆動モジュールに出力してよい。この場合、隔離駆動モジュールの出力端が第2スイッチK2のゲートに電圧を出力して、第2スイッチK2をオンする。電池はヒューズD、第2スイッチK2、限流抵抗Rによって電源モジュールに給電する。電源モジュールは電池電圧を24Vまたは12Vの低電圧に変換した後、第1変換装置により電圧を5.5Vにさらに低下し、MCUをウェイクアップするようにMCUに出力し、または、5.5V電圧を電圧変換回路または装置により5Vまたは3.3Vに降圧し、MCU(未図示)をウェイクアップするようにMCUに出力し、第1変換装置は5.5V電圧をLDOに出力する。第1ラッチがLDOにイネーブル信号を出力し続けるように、MCUが第1ラッチに第1制御信号を出力し、LDOを動作させる。これによって、隔離駆動モジュールに給電し続け、外力を解除して第1スイッチK1がオフした後にも、隔離駆動モジュールが第2スイッチK2のゲートに対する給電が継続でき、第2スイッチK2のオンが継続できる。一方、eFuseが電源モジュールから出力された電圧を第2変換装置に転送し続けるように、MCUが第2ラッチに第2制御信号を出力する。第2変換装置により電圧を5Vに低下して隔離駆動モジュールに出力する。これによって、外力を解除して第1スイッチK1がオフした後にも、隔離駆動モジュールが第2スイッチK2のゲートに対する給電が継続でき、第2スイッチK2のオンが継続できる。同時に、電源モジュールから出力された電圧は、さらに、充電モジュールchargerによりスーパーキャパシタ及びボタン電池に充電する。
【0127】
電池システムを電源オフにする際に、ユーザが第1スイッチK1を押して一定時間(例えば3秒)で継続する。この場合、MCUは第1スイッチK1の出力端から出力した一定時間で続く電圧信号を検出した後、第1ラッチがLDOへのイネーブル信号の出力を停止するように、MCUが第1ラッチに第3制御信号を出力する。この後、LDOが動作を停止し、第1電圧変換装置H1は隔離駆動モジュールに給電できなくなる。一方、第2ラッチがeFuseへのイネーブル信号の出力を停止するように、MCUは第2ラッチに第4制御信号を出力する。この後、eFuseは電源モジュールから出力された電圧を第2変換装置H2に転送しなくなり、隔離駆動モジュールは電気エネルギーを取得できなくなる。また、外力を解除して、第1スイッチK1がオフする。第1電圧変換装置H1が隔離駆動モジュールに給電できなく、第2変換装置H2が隔離駆動モジュールに給電できなくなり、且つ、第1スイッチK1がオフする場合、隔離駆動モジュールは電気エネルギー源がなく、第2スイッチK2のゲートへの給電を停止し、第2スイッチK2がオフして、電池システムの電源オフを完成する。
【0128】
以上、第1スイッチK1は、押すための外力が解除された後、自動的に跳ね返ることで、第1スイッチK1のオフを実現する技術案は、本願実施例の一例に過ぎず、この他は具体的なニーズに応じて、異なる第1スイッチK1をオフする操作を設定してよい。
【0129】
本願実施例に提供される技術案により、ユーザは第1スイッチK1を操作することにより、電池システムの電源オン・オフの制御を実現し、操作の要求が低く、メンテナンスコストを低下し、制御の利便性を向上してよい。同時に、マイクロ制御ユニットによって電池システムの電源オフを実現するため、電池システムの電源オフを行う前に、マイクロ制御ユニットは実行データを保存することができ、これにより、データが失われるリスクを低減できる。
【0130】
本願実施例において、スイッチ回路が隔離駆動モジュールの入力端に電気的接続される各電子デバイス、例えば第1スイッチ、第1電圧変換装置、第2電圧変換装置、第3電圧変換装置、電圧安定化デバイス、第1ラッチ、第2ラッチ、電源、充電モジュール、第3スイッチ等は、一枚又は複数枚の回路基板に構成されてよく、隔離駆動モジュール、第2スイッチ、ヒューズD及び限流抵抗Rは、他の一枚又は複数枚の回路基板に構成されてよく、回路基板上にも隔離を実現し、さらに電池システムの安全性を向上する。
【0131】
同じ発明思想に基づき、本願実施例は、負荷及び本願実施例に提供される電池システムを含み、電池システムは負荷に給電する、電気設備をさらに提供する。
【0132】
本願実施例に提供させる電気設備は、電気列車、電気自動車、汽船、電気二輪車(例えば電気スクータ、電気自転車等)、電気バイク、電気三輪車等を含むが、これらに限定されない。
【0133】
以上説明した実施例は模式的なものであって、本願の実施例に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではなく、当業者にとって、本願は各種の変更と変化を有することができる。本出願の主旨と原則の範囲内で行われた変更、同等の交換、改良などは、本願の保護範囲に含まれる。
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