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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059979
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】医薬品受取システム及びロッカー装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240423BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033637
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2019225723の分割
【原出願日】2019-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】藻川 俊二
(57)【要約】
【課題】受け渡しの対象者であるユーザへの物品の確実な受け渡しを可能にする。
【解決手段】医薬品受取システムは、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す情報を取得する取得手段と、医薬品が収納されている収納スペースを解錠する制御手段とを備え、制御手段が収納スペースを解錠する解錠条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す情報が取得手段により取得されることが含まれる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す情報を取得する取得手段と、
医薬品が収納されている収納スペースを解錠する制御手段と
を備え、
前記制御手段が前記収納スペースを解錠する解錠条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得されることが含まれる、
医薬品受取システム。
【請求項2】
第2取得手段を通じて取得された認証コードによりユーザを認証する認証手段を更に備え、
前記解錠条件として、前記認証手段による認証の成功が更に含まれる、
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項3】
医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得されたことを条件として、前記認証コードをユーザに通知する通知手段を更に備える、
請求項2記載の医薬品受取システム。
【請求項4】
医薬品の受け取りに際して支払うべき金額の決済処理を行う決済手段を更に備え、
前記解錠条件として、前記決済手段により決済処理が行われたことが更に含まれる、
請求項2記載の医薬品受取システム。
【請求項5】
前記決済手段はユーザ端末に設けられ、
前記決済処理が行われたことを条件として、前記認証コードをユーザに通知する第2通知手段を更に備える、
請求項4記載の医薬品受取システム。
【請求項6】
前記決済手段はユーザ端末に設けられ、
医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得され、かつ、前記決済処理が行われたこと、を条件として、前記認証コードをユーザに通知する第3通知手段を更に備える、
請求項4記載の医薬品受取システム。
【請求項7】
前記収納スペースとして複数の収納ボックスを備えたロッカー装置を更に備え、
前記決済手段は、前記ロッカー装置に設けられる、
請求項4記載の医薬品受取システム。
【請求項8】
前記収納スペースとして複数の収納ボックスを備えたロッカー装置を更に備え、
前記医薬品に関する説明は、前記ロッカー装置に設けられた表示部を通して行われる、
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項9】
医薬品に関する前記説明は、ユーザ端末の表示部を通して行われる、
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項10】
前記取得手段は、医薬品に関する前記説明の完了を示す情報が薬剤師の操作する端末を通じて入力されたことを条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたこと示す前記情報を取得する、
請求項8又は9記載の医薬品受取システム。
【請求項11】
前記取得手段は、医薬品に関する前記説明の完了を示す情報がユーザ端末を通じて入力されたことを条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報を取得する、
請求項8又は9記載の医薬品受取システム。
【請求項12】
前記収納スペースに収納される医薬品の調剤の完了又は前記医薬品の前記収納スペースへの収納の完了を示す情報を取得する第3取得手段を更に備え、
前記第3取得手段が前記完了を示す情報を取得したことを条件として、医薬品の受け取りに関する情報をユーザ端末に通知する
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項13】
ユーザが希望する受け取り場所に関する情報をユーザ端末より取得する第4取得手段を備える、
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項14】
前記第4取得手段は、ユーザが希望する受け取り日時に関する情報をユーザ端末より更に取得する、
請求項13記載の医薬品受取システム。
【請求項15】
前記第4取得手段は、前記収納スペースから医薬品を取り出すユーザに関する保険証のデータをユーザ端末より更に取得する
請求項14記載の医薬品受取システム。
【請求項16】
前記医薬品は電子処方箋に基づいて処方される処方薬である、
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項17】
前記収納スペースから前記処方薬が取り出されたことを示す情報を取得する第5取得手段と、
前記処方薬が取り出されたことを示す情報を前記第5取得手段が取得したことを条件として、前記電子処方箋の消し込みに関する処理を実行する消込手段とを更に備える、
請求項16記載の医薬品受取システム。
【請求項18】
前記収納スペースが解錠可能に制御される前に、医薬品に関する前記説明を受ける必要がある旨をユーザに通知する第4通知手段を更に備える、
請求項1記載の医薬品受取システム。
【請求項19】
施錠可能な複数の収納ボックスを備え、前記収納ボックスに医薬品が収納されるロッカー装置において、
医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す情報を取得する取得手段と、
医薬品が収納されている前記収納ボックスを解錠する制御手段と
を備え、
前記制御手段が前記収納ボックスを解錠する解錠条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得されることが含まれる、
ロッカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品受取システム及びロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子的な処方箋と電子商取引とを用いて薬を購入する場合に、その処方箋が対象とする患者と関係のない購入者に薬が販売されることを防ぐ目的で、ユーザを認証する認証情報と処方箋に含まれる患者の情報とが対応するか否かを確認し、確認の結果に従って、薬の販売処理の実行を制御する処方薬販売システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5801015号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザへの医薬品の確実な受け渡しを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す情報を取得する取得手段と、医薬品が収納されている収納スペースを解錠する制御手段とを備え、前記制御手段が前記収納スペースを解錠する解錠条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得されることが含まれる、医薬品受取システムである。
請求項2に記載の発明は、第2取得手段を通じて取得された認証コードによりユーザを認証する認証手段を更に備え、前記解錠条件として、前記認証手段による認証の成功が更に含まれる、請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項3に記載の発明は、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得されたことを条件として、前記認証コードをユーザに通知する通知手段を更に備える、請求項2記載の医薬品受取システムである。
請求項4に記載の発明は、医薬品の受け取りに際して支払うべき金額の決済処理を行う決済手段を更に備え、前記解錠条件として、前記決済手段により決済処理が行われたことが更に含まれる、請求項2記載の医薬品受取システムである。
請求項5に記載の発明は、前記決済手段はユーザ端末に設けられ、前記決済処理が行われたことを条件として、前記認証コードをユーザに通知する第2通知手段を更に備える、請求項4記載の医薬品受取システムである。
請求項6に記載の発明は、前記決済手段はユーザ端末に設けられ、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得され、かつ、前記決済処理が行われたこと、を条件として、前記認証コードをユーザに通知する第3通知手段を更に備える、請求項4記載の医薬品受取システムである。
請求項7に記載の発明は、前記収納スペースとして複数の収納ボックスを備えたロッカー装置を更に備え、前記決済手段は、前記ロッカー装置に設けられる、請求項4記載の医薬品受取システムである。
請求項8に記載の発明は、前記収納スペースとして複数の収納ボックスを備えたロッカー装置を更に備え、前記医薬品に関する説明は、前記ロッカー装置に設けられた表示部を通して行われる、請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項9に記載の発明は、医薬品に関する前記説明は、ユーザ端末の表示部を通して行われる、請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項10に記載の発明は、前記取得手段は、医薬品に関する前記説明の完了を示す情報が薬剤師の操作する端末を通じて入力されたことを条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたこと示す前記情報を取得する、請求項8又は9記載の医薬品受取システムである。
請求項11に記載の発明は、前記取得手段は、医薬品に関する前記説明の完了を示す情報がユーザ端末を通じて入力されたことを条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報を取得する、請求項8又は9記載の医薬品受取システムである。
請求項12に記載の発明は、前記収納スペースに収納される医薬品の調剤の完了又は前記医薬品の前記収納スペースへの収納の完了を示す情報を取得する第3取得手段を更に備え、前記第3取得手段が前記完了を示す情報を取得したことを条件として、医薬品の受け取りに関する情報をユーザ端末に通知する請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項13に記載の発明は、ユーザが希望する受け取り場所に関する情報をユーザ端末より取得する第4取得手段を備える、請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項14に記載の発明は、前記第4取得手段は、ユーザが希望する受け取り日時に関する情報をユーザ端末より更に取得する、請求項13記載の医薬品受取システムである。
請求項15に記載の発明は、前記第4取得手段は、前記収納スペースから医薬品を取り出すユーザに関する保険証のデータをユーザ端末より更に取得する請求項14記載の医薬品受取システムである。
請求項16に記載の発明は、前記医薬品は電子処方箋に基づいて処方される処方薬である、請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項17に記載の発明は、前記収納スペースから前記処方薬が取り出されたことを示す情報を取得する第5取得手段と、前記処方薬が取り出されたことを示す情報を前記第5取得手段が取得したことを条件として、前記電子処方箋の消し込みに関する処理を実行する消込手段とを更に備える、請求項16記載の医薬品受取システムである。
請求項18に記載の発明は、前記収納スペースが解錠可能に制御される前に、医薬品に関する前記説明を受ける必要がある旨をユーザに通知する第4通知手段を更に備える、請求項1記載の医薬品受取システムである。
請求項19に記載の発明は、施錠可能な複数の収納ボックスを備え、前記収納ボックスに医薬品が収納されるロッカー装置において、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す情報を取得する取得手段と、医薬品が収納されている前記収納ボックスを解錠する制御手段とを備え、前記制御手段が前記収納ボックスを解錠する解錠条件として、医薬品に関する説明がユーザに対して行われたことを示す前記情報が前記取得手段により取得されることが含まれる、ロッカー装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザへの医薬品の確実な受け渡しを可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1で使用する処方薬受取システムの概略構成を例示する図である。
図2】ロッカー装置の外観構成の一例を示す図である。
図3】集中管理ユニットの外観構成の一例を示す図である。
図4】集中管理ユニットの機能上の構成の一例を説明する図である。
図5】調剤薬局等に設置される管理サーバの機能上の構成の一例を説明する図である。
図6】処方薬の受取サービスを利用するユーザ本人が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置から処方薬を取り出す場合における処理の流れの一例を説明する図である。
図7】処方薬の受取サービスを利用するユーザ本人が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置から処方薬を取り出す場合における処理の流れの他の一例を説明する図である。
図8】処方薬の受取サービスを利用するユーザ本人が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置から処方薬を取り出す場合における処理の流れの他の一例を説明する図である。
図9】実施の形態2で使用する処方薬受取システムの概略構成を例示する図である。
図10】調剤薬局等に設置される管理サーバの機能上の構成の一例を説明する図である。
図11】ユーザ本人から処方薬の受け取りを依頼された第三者が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置から処方薬を取り出す場合における処理の流れの一例を説明する図である。
図12】実施の形態3で使用する医薬品販売システムの概略構成を例示する図である。
図13】購入情報入力端末の外観構成の一例を説明する図である。
図14】購入情報入力端末の機能上の構成の一例を説明する図である。
図15】第一類医薬品の受け取り時に必要になるチケットの一例を示す図である。
図16】薬局の営業時間外に購入した第一類医薬品をロッカー装置から取り出す場合における処理の流れの一例を説明する図である。
図17】営業時間外に券売機の表示操作部に表示される画面の変遷を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1で使用する処方薬受取システム1の概略構成を例示する図である。
図1に示す処方薬受取システム1は、調剤薬局が運用するロッカーシステム10と、調剤薬局の営業時間外における処方薬の受取サービス(以下「処方薬の受取サービス」ともいう)を利用するユーザが使用する端末20と、これらの間の通信を実現するインターネット30とで構成されている。
本実施の形態における処方薬は、処方箋に基づいて薬剤師が調剤する薬をいう。また、本実施の形態におけるロッカーシステム10は、物品受取システムの一例である。また、端末20は、ユーザ端末の一例である。
なお、端末20を含む処方薬受け取りシステム1が、物品受取システムの一例として用いられる場合もある。
【0009】
本実施の形態の場合、ロッカーシステム10は、調剤薬の受け渡しに使用されるロッカー装置100と、ロッカー装置100を用いる調剤薬の受け渡しを管理する管理サーバ200と、これらを接続するLAN(=Local Area Network)300とで構成されている。なお、LAN300は、不図示のルータ等を通じてインターネット30に接続されている。
図1の場合、端末20は、Aさんの端末である。このため、ロッカー装置100を構成する収納ボックス110の1つには、Aさんの処方薬が保管されている。ここでの処方薬は、受け渡しの対象である物品の一例である。
もっとも、収納ボックス110に保管する物品は、処方薬に限らない。換言すると、ロッカー装置100は、処方薬以外の物品の受け渡しに用いることも可能である。
【0010】
図1に示す処方薬受け渡しシステム1には、ユーザの端末20を1台だけ描いているが、これは説明上の都合によるものであり、現実には複数台の端末20が接続される。
また、図1では、端末20としてスマートフォンを想定しているが、端末20はスマートフォンに限定されない。例えば端末20は、携帯電話機、タブレット端末、ウェアラブル端末等の携帯型の端末でもよいし、デスクトップパソコン等の据え置き型の端末でもよい。
例えばスマートフォンは、液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチセンサとで構成されるタッチパネル、撮像カメラ、指紋センサ、GPSセンサ、CPU、半導体メモリ、電池等を有している。本実施の形態の場合、撮像カメラは、認証時にユーザの顔画像の取得に用いることが可能である。また、指紋センサは、認証時にユーザの指紋の取得に用いることが可能である。すなわち、撮像カメラや指紋センサは、取得手段の一例として用いられる。また、タッチパネルは表示手段の一例である。
【0011】
本実施の形態におけるロッカーシステム10は、調剤薬局や調剤薬局に隣接するドラッグストア(以下「調剤薬局等」という)の敷地内に設置される。
もっとも、ロッカー装置100と管理サーバ200は同じ敷地内に存在する必要はない。ロッカー装置100は、例えば駅の構内、コンビニエンスストアの店内や店頭、深夜まで営業する商業施設の店内や店頭に設置されていてもよい。
ロッカー装置100と管理サーバ200が異なる敷地に存在する場合、ロッカー装置100と管理サーバ200は、例えばインターネット30を介して接続される。なお、ロッカー装置100と管理サーバ200がインターネット30を介して接続される場合、ロッカー装置100と管理サーバ200の間の通信には暗号化通信が用いられる。例えばhttps(=hypertext transfer protocol secure)通信が用いられる。
【0012】
<ロッカー装置の構成>
図2は、ロッカー装置100の外観構成の一例を示す図である。図2に示すロッカー装置100は、32個の収納ボックス110と、収納ボックス110の施錠と解錠を管理する集中管理ユニット120とで構成されている。収納ボックス110は、収容スペースの一例である。
個々の収納ボックス110は、個室に区分けされた空間であり、処方薬その他の物品の収納に用いられる。なお、個々の収納ボックス110には、ロック機構110Aが設けられている。ロック機構110Aの動きは、集中管理ユニット120により管理される。
図2に示すロッカー装置100の場合、収納ボックス110の容積はいずれも同じである。もっとも、ロッカー装置100は、容積が異なる収納ボックス110を組み合わせてもよい。
【0013】
集中管理ユニット120は、コンピュータを内蔵する装置であり、処方薬を受け取るユーザにより操作される。
集中管理ユニット120は、個々のロック機構110Aと通信可能に接続されており、ロック機構110Aを施錠状態又は解錠状態に制御する。
集中管理ユニット120は、管理サーバ200(図1参照)と通信可能に接続されており、処方薬を受け取りに来たユーザが受け取りの条件を満たす場合、処方薬が保管されている収納ボックス110のロック機構110Aを解錠状態に制御する。ロック機構110Aが解錠状態に制御されると、ユーザは、収納ボックス110の扉を開いて処方薬を取り出すことができる。
【0014】
図3は、集中管理ユニット120の外観構成の一例を示す図である。
図3に示す集中管理ユニット120の前面には、表示操作部121と、スピーカ122と、コードリーダ123と、カードリーダ124と、プリンタ125と、紙幣処理部126Aと、硬貨投入口126Bと、硬貨返却口126Cと、認証情報リーダ127が配置されている。これらは、ユーザに対するインターフェースとして用いられる。
表示操作部121は、例えばタッチパネルで構成される。表示操作部121には、ユーザに求める操作の内容やユーザに提供する情報が表示される。また、表示操作部121は、ユーザによる操作の受け付けに用いられる。
スピーカ122は、ユーザに求める操作の内容やユーザに提供する情報の音声による出力に用いられる。
【0015】
コードリーダ123は、処方薬の受け取り用に発行される認証コードの読み取りや入力に用いられる。本実施の形態における認証コードは、収納ボックス110の解除キーとしての役割を果たす。認証コードは第2の識別情報の一例である。
例えば認証コードが図形パターンである場合、コードリーダ123は、端末20に表示された認証コードやレシート等の用紙に印刷された認証コードを撮像カメラにより読み取る。図形パターンには、例えばQR(=Quick Response)コード(登録商標)等の2次元コードやバーコード等の1次元コードがある。
【0016】
また例えば認証コードが、パスワードやPIN(=Personal Identification Number)コード等の文字列の場合、コードリーダ123は、ハードキーやソフトキーを用いた文字列の入力の受け付けに用いられる。もっとも、パスワードやPINコードも、撮像カメラで読み取る方式を採用することも可能である。コードリーダ123は、第2の取得手段の一例である。
【0017】
カードリーダ124は、電子マネーの情報を記録したカードやクレジットカードを用いた電子決済に用いられる。
プリンタ125は、決済の控えや処方薬の取出しを記録するレシート等の印刷に使用される。
紙幣処理部126A、硬貨投入口126B、硬貨返却口126Cは、現金による決済に用いられる。以下では、紙幣処理部126A、硬貨投入口126B、硬貨返却口126Cを総称して貨幣処理部126(図4参照)という。
認証情報リーダ127は、受取人の認証に使用する情報の読み取り等に用いられる。本実施の形態の場合、受取人の認証に使用する情報として、例えば生体情報、公的な身分証明書に記載された事項、調剤薬局等が発行した会員番号、調剤薬局等が処方薬の受取用に発行したQRコードを使用する。
【0018】
生体情報による認証には、顔画像を用いる認証、声紋を用いる認証、指紋を用いる認証、静脈を用いる認証等がある。また、認証に用いる公的な身分証明書には、免許証、健康保険証、住民基本台帳カード等がある。公的な身分証明書からの情報の読み取りには、撮像カメラを使用してもよいし、身分証明書に埋め込まれているICチップのデータを読み取ることが可能なICカードリーダを使用してもよい。また、調剤薬局等が発行した会員番号やQRコードの読み取りには、撮像カメラやQRコードリーダを使用する。
もっとも、調剤薬局等が発行した会員番号は、集中管理ユニット120に設けられるハードキーやソフトキーを用いた入力も可能である。
生体情報の読み取りに用いられる認証情報リーダ127は、取得手段の一例である。また、生体情報以外の認証情報の読み取りに用いられる認証情報リーダ127は、第2の取得手段の一例である。認証情報リーダ127で読み取られる生体情報以外の情報は、第2の識別情報の一例である。
なお、生体情報以外の認証情報の読み取りには、前述したコードリーダ123を兼用してもよい。
【0019】
図4は、集中管理ユニット120の機能上の構成の一例を説明する図である。
図4に示す集中管理ユニット120は、表示操作部121と、スピーカ122と、コードリーダ123と、カードリーダ124と、プリンタ125と、貨幣処理部126と、認証情報リーダ127と、通信部128と、記憶部129と、制御部130とを有している。
通信部128は、管理サーバ200(図1参照)との通信に用いられる。
記憶部129は、例えばハードディスク装置や不揮発性の半導体メモリで構成される。記憶部129には、収納ボックス110による物品の収納の管理に用いる情報(以下「収納管理データ」という)が記憶される。収納管理データには、例えば収納ボックス110を一意に識別する情報、収納ボックス110の扉に付されている番号、使用中か空き状態かを示す情報、使用中の場合には解錠に用いる認証コードが含まれる。
【0020】
制御部130は、ロッカー装置100の全体を制御するコンピュータであり、不図示のCPU(=Central Processing Unit)、ROM(=Read Only Memory)、RAM(=Random Access Memory)で構成される。制御部130は、プログラムの実行を通じて、収納管理部130A、説明ビデオ再生部130B、物品取出し管理部130C、物品預り処理部130D、ロック制御部130E、決済処理部130Fとして機能する。
収納管理部130Aは、収納ボックス110の状態を管理する機能部である。収納管理部130Aは、収納ボックス110の状態や管理に関する情報に変更が生じた場合、収納管理データ129Aを更新する。また、収納管理データ129Aに示された収納ボックス110の空き状況を管理サーバ200に送信する。収納ボックス110の状態には、「空」、「収納中」、「故障中」がある。
【0021】
説明ビデオ再生部130Bは、処方薬の受け取りに際して要求される処方薬に関する説明ビデオを再生するための機能部である。現在の法令では、処方薬の引き渡しには、薬剤師による説明が義務付けられる。本実施の形態では、調剤薬局の営業時間外における処方薬の受け渡しを実現するため、薬剤師による調剤薬局内での説明を代替する手段として、テレビ電話による薬剤師の説明、薬剤師が処方薬を説明するビデオ(以下「説明ビデオ」という)の再生等を想定する。
説明ビデオ再生部130Bは、説明ビデオの再生画像を集中管理ユニット120に設けられた表示操作部121に表示する。説明ビデオが表示される表示操作部121は表示手段の一例である。
もっとも、説明ビデオに代えて処方薬の説明書の画像を再生することも可能である。
【0022】
物品取出し管理部130Cは、処方薬等の収納ボックス110からの取り出しの可否を管理する機能部である。物品取出し管理部130Cは、例えば読み取った又は入力された認証コードが、ユーザの処方薬が収納されている収納ボックス110の解錠に求められる認証コードと一致するか否かの判定に用いられる。
なお、収納ボックス110に割り当てられている認証コードと、コードリーダ123を通じて読み取った又は入力された認証コードが一致する場合、物品取出し管理部130Cは、対応する収納ボックス110の解錠をロック制御部130Eに指示する。
【0023】
一方、収納ボックス110に割り当てられている認証コードと、コードリーダ123を通じて読み取った又は入力された認証コードが一致しない場合、物品取出し管理部130Cは、表示操作部121に認証コードが一致しない旨等を表示する。
また、ユーザが処方薬の取り出しに必要な認証情報の入力をロッカー装置100で行う場合、物品取出し管理部130Cは、入力された認証情報を、管理サーバ200(図1参照)に送信し、認証の結果を受け取る。
【0024】
物品預り処理部130Dは、処方薬等の物品の預りに伴う処理を実行する機能部である。本実施の形態の場合、物品預り処理部130Dは、空き状態の収納ボックス110への処方薬の収納を検知すると、処方薬が収納された収納ボックス110を一意に識別する情報や収納ボックス110の扉に付されている番号に、収納された処方薬に対応するユーザを識別する情報や解錠に用いる認証コード等を紐付け、収納管理データ129Aとして記憶部129に登録する。
ロック制御部130Eは、ロック機構110Aに対する施錠指示又は解錠指示の送信を通じ、収納ボックス110の施錠と解錠を制御する機能部である。
決済処理部130Fは、現金による決済や電子決済を実行する機能部である。
【0025】
<管理サーバの構成>
図5は、調剤薬局等に設置される管理サーバ200の機能上の構成の一例を説明する図である。
管理サーバ200は、ロッカー装置100(図1参照)との連携により、調剤薬局の営業時間外における処方薬の受取サービスを実現する装置である。
図5に示す管理サーバ200は、表示操作部201と、通信部202と、記憶部203と、制御部204とを有している。
表示操作部201は、調剤薬局の薬剤師その他の店員が操作に用いる入力デバイスとディスプレイで構成される。入力デバイスには、例えばキーボード、POS(=Point Of Sale)端末が用いられる。また、ディスプレイには、例えば液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイが用いられる。
【0026】
通信部202は、ロッカー装置100(図1参照)との通信に用いられる。
記憶部203は、例えばハードディスク装置や不揮発性の半導体メモリで構成される。記憶部203には、処方薬の受取サービスを利用するユーザの情報を記憶するデータベース(以下「ユーザDB」という)203Aと、ユーザから受け付けた処方箋の情報を記憶するデータベース(以下「処方箋DB」という)203Bと、処方薬の説明ビデオを記憶するデータベース(以下「説明ビデオDB」という)203Cと、ユーザが希望する受け取り場所や日時等を記憶するデータベース(以下「引取先DB」という)203Dと、処方薬の受取サービスを利用するユーザの認証に用いる情報を記憶するデータベース(以下「認証情報DB」という)203Eと、処方薬の支払いに関する情報を記憶するデータベース(以下「決済情報DB」という)203Fと、処方薬の受取サービスの進捗に関する情報を記憶するデータベース(以下「進捗DB」という)203Gが含まれる。
【0027】
ユーザDB203Aには、例えばユーザの氏名、性別、住所、調剤薬局等が発行した会員番号が記憶されている。
処方箋DB203Bには、例えば処方箋の受け付けにより発行された受付番号に関連付けて、処方薬の受取サービスを利用するユーザの氏名、処方箋の画像データ、処方する薬の情報が紐付けられた状態で記憶されている。
説明ビデオDB203Cには、例えば処方箋の受け付けにより発行された受付番号に関連付けて、薬剤師が録画した説明ビデオが紐付けられた状態で記憶されている。もっとも、説明ビデオは、処方箋単位で録画される必要はなく、処方薬単位で録画されていてもよい。この場合、説明ビデオは、処方箋に記載されている処方薬別に読み出される。
引取先DB203Dには、例えば処方箋の受け付けにより発行された受付番号に関連付けて、ユーザが希望する受け取り場所、ユーザが希望する受け取りの日時、ロッカー装置100(図1参照)を識別する情報、処方薬が収納された収納ボックス110(図3参照)を識別する情報、収納ボックス110の扉に付されている番号が記憶されている。
【0028】
認証情報DB203Eには、例えば処方薬の受取サービスを利用するユーザが事前に登録した認証用の情報が記憶される。ここでの認証用の情報は、受取人がユーザ本人であることの認証に使用される情報であり、例えば調剤薬局等が発行した会員番号、保険証の番号、保険証の画像データ、免許証の番号、免許証の画像データ、住民基本台帳カードの番号、住民基本台帳カードの画像データ、調剤薬局が処方薬の受け取り用に発行したQRコードその他の認証コード、ユーザの生体情報が含まれる。
ユーザの生体情報には、顔の画像データ、声紋の波形データ、指紋のパターンデータ、静脈のパターンデータが含まれる。
本実施の形態における認証情報DB203Eは、ユーザの生体情報を登録情報として記憶する記憶手段の一例である。また、認証情報DB203Eに記憶されている認証用の情報は、登録情報の一例である。また、顔の画像データは、顔情報の一例である。
【0029】
決済情報DB203Fには、例えば処方薬の受け取りに際して支払うべき金額、支払いの有無、支払い済みの場合には支払いの日時や支払いの方法等が記憶される。
進捗DB203Gには、例えば処方箋の受け付けにより発行された受付番号に関連付けて、受付時刻、処方薬の完了日時、調剤した薬剤師の氏名、処方薬が収納ボックス110に収納された日時、処方薬を収納ボックス110に収納した担当者の氏名、認証処理の完了の有無、処方薬に関する説明の完了の有無、決済処理の完了の有無、解錠手順の通知の完了の有無、処方薬の取り出しの有無が記憶される。
【0030】
制御部204は、ロッカー装置100の全体を制御するコンピュータであり、不図示のCPU、ROM、RAMで構成される。制御部204は、プログラムの実行を通じて、処方箋データ受取部204A、進捗管理部204B、処方完了通知部204C、受取人認証部204D、説明終了確認部204E、決済処理部204F、解錠手順通知部204G、取出し記録部204Hとして機能する。
【0031】
処方箋データ受取部204Aは、処方薬の受取サービスを利用するユーザが例えば端末20(図1参照)から送信した処方箋の画像データを受け付ける機能部である。処方箋データ受取部204Aは、処方箋の画像データを受け付けると受付番号を発行し、発行された受付番号に処方箋の画像データを紐付けて処方箋DB203Bに記憶する。処方薬の受取サービスの受付時には、ユーザの氏名、受け取りを希望する場所、受け取りを希望する日時の情報も受け付けられる。
もっとも、処方箋の画像データは、調剤薬局の店頭に設置されているスキャナで読み取ることも可能である。処方箋を調剤薬局の店頭で受け付ける場合には、ユーザの氏名、処方薬の受け取りを希望する場所や受け取りを希望する日時に関する情報も店頭の表示操作部201を通じて入力される。
【0032】
進捗管理部204Bは、処方薬の取出しが記録されていない受付番号についての進捗の状況を管理する機能部である。進捗管理部204Bは、他の機能部や集中管理ユニット120(図2参照)と連携し、進捗の変化を進捗DB203Gに記録する。
処方完了通知部204Cは、薬剤師による処方薬の調剤の完了をユーザに通知する機能部である。ユーザへの通知は、例えば処方薬がロッカー装置100(図2参照)への処方薬の収納の完了後に実行される。本実施の形態の場合、処方薬の完了の通知には、説明ビデオ、受け取り場所、支払い金額の通知、支払い方法等が含まれる。
【0033】
受取人認証部204Dは、受取人であるユーザ本人の認証を実行する機能部である。本実施の形態の場合、受取人認証部204Dは、成りすましによる不正を防止するため2段階の認証処理を実行する。
2段階の認証処理とは、認証に2種類以上の認証情報を組み合わせる認証をいう。例えば顔画像による認証と免許証の番号の照合による認証との組み合わせ、免許証の番号の照合による認証と静脈のパターンデータの照合による認証との組み合わせを用いる。なお、例示した組み合わせは一例であり、認証情報DB203Eに登録されている認証情報の任意の組み合わせを使用することが可能である。本実施の形態の場合、認証に使用する情報の組み合わせは、端末20(図1参照)で実行される本人認証アプリがユーザに指示する。
本実施の形態における受取人認証部204Dは、2種類の認証情報の認証がいずれも成功した場合に限り、ユーザ本人の認証が成功したとみなす。換言すると、いずれか一方でも認証に失敗すると、ユーザ本人の認証が失敗したものとみなされる。
もっとも、1種類の認証情報を用いる認証を排除するものではない。ここでの受取人認証部204Dは、認証手段の一例である。
【0034】
説明終了確認部204Eは、処方薬の受取サービスを利用するユーザが使用する端末20(図1参照)のディスプレイや集中管理ユニット120(図4参照)の表示操作部121(図4参照)に表示された説明ビデオの視聴の終了を確認する機能部である。
説明終了確認部204Eは、例えば説明ビデオの再生の終了後に表示される確認ボタンの操作が検知された場合、ユーザによる説明ビデオの閲覧が終了したことを確認する。
本実施の形態における処方薬受取システム1(図1参照)の場合、ユーザが薬剤師から説明を受けることが処方薬の取り出しの条件の1つであるためである。
なお、説明ビデオを表示する端末20は、受け渡しの対象である物品に関する情報を表示する表示手段の一例でもある。
【0035】
この他、説明ビデオの閲覧の終了は、例えば説明ビデオの再生の終了の検出によっても検出が可能である。
また、テレビ電話で薬剤師が処方薬の説明を行った場合には、薬剤師が表示操作部201を通じて説明の終了を入力する。
また、調剤薬局の店頭にて、薬剤師から処方薬の説明が済んでいる場合にも、表示操作部201を通じて説明の終了が入力される。
また、説明書が薬剤師から提供される場合には、説明書の再生の終了後に表示される確認ボタンの操作等を通じて説明ビデオの閲覧の終了が検出される。
【0036】
決済処理部204Fは、処方薬に対する支払いを決済情報DB203Fに登録する機能部である。決済処理は、調剤薬局の店頭に設置されているPOS端末等で行われる場合もあれば、ロッカー装置100(図2参照)の集中管理ユニット120(図2参照)に設けられているカードリーダ124(図4参照)や貨幣処理部126(図4参照)を通じて行われる場合もある。
また、決済処理は、ユーザから通知されたクレジットカードの番号等を決済機関に与えることによっても実行が可能である。本実施の形態の場合、決済処理の完了は、処方薬の受け取りに求められる条件の1つである。
【0037】
解錠手順通知部204Gは、処方薬が収納されている収納ボックス110(図2参照)を解錠するための手順をユーザに通知する機能部である。本実施の形態における解錠手順通知部204Gは、支払いの完了の確認後に、ユーザに通知を送信する。
本実施の形態の場合、解錠に必要となる認証コードが通知される。もっとも、認証コードに加え、例えば処方薬が収納されているロッカーシステム10(図1参照)が設置されている場所、処方薬が収納されている収納ボックス110の扉に付されている番号が通知に含まれてもよい。
取出し記録部204Hは、集中管理ユニット120(図4参照)の物品取出し管理部130C(図4参照)との連携により、処方薬の取出しを進捗DB203Gに記録する機能部である。
【0038】
<処方薬の受け取りの流れ>
以下では、本実施の形態における処方薬受取システム1(図1参照)を用いた処方薬の受け取りの流れの具体例を説明する。
本実施の形態の場合、受取人はユーザ本人である。
【0039】
<例1>
図6は、処方薬の受取サービスを利用するユーザ本人が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置100から処方薬を取り出す場合における処理の流れの一例を説明する図である。なお、図中の記号のSはステップを意味する。
まず、ユーザが、処方箋のデータ(以下「処方箋データ」という)を端末20から管理サーバ200に送信する(ステップ1)。医療機関から交付される処方箋が紙の場合、ユーザは、端末20の撮像カメラで処方箋を撮像し、撮像により得られた画像データを処方箋データとして管理サーバ200に送信する。なお、医療機関から交付される処方箋が電子データの場合(すなわち電子処方箋が交付される場合)、端末20は、交付された電子処方箋を管理サーバ200に送信する。
【0040】
処方箋データの受け付けに用いる画面上で、管理サーバ200は、ユーザが希望する受け取り場所や受け取りの日時等についても受け付ける。
また、ユーザが調剤薬局に来店していない場合、保険証の画像データ等も処方箋データとともに、管理サーバ200に通知される。後述する他の流れについても同様である。
管理サーバ200は、処方箋データを受け付けると(ステップ2)、端末20に対して処方箋データの受け付けを通知する。処方箋データを受け付けた管理サーバ200は、受付番号を発行し、その後の進捗を管理する。
【0041】
やがて薬剤師による処方薬の調剤が完了すると、管理サーバ200は、処方薬の調剤の完了を記録する(ステップ3)。処方薬の調剤の完了の記録に伴い、進捗DB203Gの情報が更新される。
この後、調剤薬局の従業員等により処方薬が収納ボックス110(図2参照)に収納されると、管理サーバ200は、処方薬の収納を記録する(ステップ4)。処方薬の収納の記録に伴い、進捗DB203Gの情報が更新される。
処方薬が収納されると、管理サーバ200は、ユーザの端末20に対し、処方薬の説明ビデオ、受け取り場所、支払い金額等を通知する(ステップ5)。前述したように、説明ビデオに代えて処方薬の説明書を通知してもよい。また、説明ビデオのデータファイルに代えて、ユーザ固有の説明ビデオが記憶されているネットワーク上のアドレスを通知してもよい。
【0042】
本実施の形態における端末20は、管理サーバ200から処方薬に関する説明ビデオ等を受信すると、本人認証アプリを起動する(ステップ6)。本人認証アプリは、処方薬の受取サービスを利用する端末20に予めインストールされている。
端末20は、本人認証アプリの実行を通じ、ユーザに対して生体情報の入力を要求する。ユーザは、端末20の表示画面に表示される案内に従い、例えば自身の顔画像を撮像する。顔画像は生体情報の一例である。取得された顔画像は、暗号化された通信を通じ、管理サーバ200に送信される。
なお、本実施の形態における本人認証アプリは、生体情報以外の認証情報の入力もユーザに要求する。例えば免許証の番号等の入力が要求される。端末20は、ユーザにより入力された免許証の番号等も管理サーバ200に送信する。免許証の番号等は、生体情報とは異なる第2の識別情報の一例である。
【0043】
顔画像等の生体情報等を受信した管理サーバ200は、本人認証の処理を実行する(ステップ7)。本人認証は、前述したように、端末20から受信した認証情報と、事前に登録されている認証情報との照合により実行される。
本人認証に成功すると、管理サーバ200は、端末20に対し、認証の成功を通知する。この通知により、説明ビデオの閲覧が可能になる。ここでの説明ビデオの閲覧は、ユーザによる物品に関する情報の確認の一例である。
認証の成功の通知を受けた端末20は、閲覧アプリを起動する(ステップ8)。続いて、端末20は、処方薬に関する説明ビデオの再生を開始する。
【0044】
ユーザによる説明ビデオの閲覧が完了すると、端末20は、管理サーバ200に対し、閲覧の完了を通知する(ステップ9)。前述したように、閲覧の完了は、例えば説明ビデオの閲覧の完了後に端末20に表示される確認ボタンに対するユーザの操作により通知される。
説明ビデオの閲覧の完了の通知を受けた管理サーバ200は、決済処理を開始する(ステップ10)。決済処理は、ユーザの希望する決済方法が用いられる。図6の場合には、クレジットカードの番号等が端末20から管理サーバ200に与えられる。
決済処理が完了すると、管理サーバ200は、ロッカー装置100に対し、決済が終了した収納ボックス110の番号を通知する。なお、管理サーバ200は、処方箋の受け付けにより発行された受付番号をロッカー装置100に通知してもよい。
【0045】
また、管理サーバ200は、端末20に対し、処方薬の受け取りに用いる認証コードを通知する(ステップ11)。この時点で認証コードが発生される場合、管理サーバ200は、発生された認証コードをロッカー装置100に通知する。
この後、ユーザは、受け取り場所に指定されたロッカー装置100に移動する。
ロッカー装置100は、ユーザから処方薬が収納されている収納ボックス110の番号を受け付ける(ステップ12)。ここでの番号は、収納ボックス110の扉に付されている番号である。もっとも、ユーザが行う操作は、処方薬の受け取り操作の指示だけでもよい。
【0046】
続いて、ロッカー装置100は、ユーザが入力する認証コードを確認する(ステップ13)。認証コードが正しい場合、ロッカー装置100は、該当する収納ボックス110を解錠する(ステップ14)。
その後、ロッカー装置100は、収納ボックス110から処方薬の取り出しを確認し、管理サーバ200に処方薬の取出しを通知する。なお、処方箋は、例えば処方薬が取り出された収納ボックス110やロッカー装置100の周辺に設置されている回収ボックスへの投函を通じて回収される。
なお、電子処方箋の場合、管理サーバ200は、ロッカー装置100からの処方薬の取り出しの通知を受信した後に、電子処方箋の消し込み処理を実行する。
【0047】
以上の手順により、ユーザは、調剤薬局の営業時間外でも、自身の処方薬を受け取ることができる。このため、調剤薬局へのユーザの満足度の向上が期待できる。
また、処方薬の受取サービスの活用により、調剤薬局は営業時間の延長を避けることができ、人件費の抑制等を通じて労働環境の改善や運用コストの削減を実現できる。
また、ロッカー装置100が設置されているドラッグストア等へのユーザの立ち寄り機会を作ることができる。結果的に、ロッカー装置100が設置されているドラッグストア等は、ユーザの「ついで買い」による売上アップを期待できる。
なお、本実施の形態における管理サーバ200は、説明ビデオの閲覧の完了の通知を受けた後に決済処理を開始しているが、決済処理を実行するタイミングはこれに限らない。例えば薬局が処方箋を受け付けた段階で、決済処理を実行してもよい。具体的には、ユーザが端末20から処方箋データを管理サーバ200に送信する際に、クレジットカードや電子マネーで決済してもよい。また、薬局の店舗で処方箋を受け付ける場合には、その場で決済処理を実行してもよい。これらの場合、処方薬に係る代金を確実に徴収することができる。
また、処方箋の原紙は、ロッカー装置100の近傍に回収ボックスを設けて回収してもよい。
ちなみに、電子処方箋が管理サーバ200に送信される場合には、管理サーバ200で電子処方箋の受け取りの確認に関する処理を実行してもよいし、処方薬の取り出し時に、電子処方箋に含まれるQRコード等の識別情報を読み込ませて受取の確認に関する処理を実行してもよい。このように処方箋の原紙の回収や電子処方箋の消込処理の実行により、処方薬の2重処方を防止できる。
【0048】
<例2>
図7は、処方薬の受取サービスを利用するユーザ本人が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置100から処方薬を取り出す場合における処理の流れの他の一例を説明する図である。図7には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
例1の場合には、決済処理の完了後に、収納ボックス110(図2参照)の解錠に必要な認証コードを発行してユーザに通知しているが、例2の場合には、ロッカー装置100に受け取りに来たユーザについて再度の本人認証を実行し、認証コードの通知を省略する。
すなわち、図7の場合には、処方薬の説明ビデオの閲覧が完了し、その後の決済処理も完了すると、受け取り場所であるロッカー装置100の表示操作部121(図4参照)に対して、処方薬が収納されている収納ボックス110の番号をユーザが入力する。収納ボックス110の番号は、ステップ5の通知の際に、ユーザに通知されている。
【0049】
ロッカー装置100は、収納ボックス110の番号を受け付けると(ステップ12)、本人認証の処理を実行する(ステップ21)。ステップ21で実行される本人認証の内容は、ステップ7で実行される本人認証の内容と同じでもよいし、異なっていてもよい。
本実施の形態の場合、ロッカー装置100は、生体情報である顔画像と指紋のパターンデータを用いて本人を認証する。顔画像を生体情報の一例とすると、指紋のパターンデータは第2の生体情報の一例である。
本実施の形態の場合、ロッカー装置100による本人認証の処理は、管理サーバ200との連携により実行される。例えば取得された顔画像と指紋の情報が管理サーバ200に送信され、受取人認証部204D(図5参照)で認証が実行される。なお、顔画像と指紋の情報は、取得された画像等そのものである必要はなく、取得された画像等から抽出された特徴データでもよい。送信されるデータは暗号化されている。
【0050】
認証の結果は、受取人認証部204Dからロッカー装置100に送信される。認証が成功した場合、ロッカー装置100は、該当する収納ボックス110を解錠する(ステップ14)。本実施の形態の場合、本人認証により受取人がユーザ本人であることを確認できるため、認証コードの入力を省略している。もっとも、認証コードの入力も追加で要求することも可能である。認証コードの入力も要求する場合には、決済処理の実行後に認証コードをユーザに通知する。
収納ボックス110から処方薬の取り出しが確認されると、ロッカー装置100は、管理サーバ200に対して処方薬の取出しを通知する。
なお、電子処方箋の場合、管理サーバ200は、ロッカー装置100からの処方薬の取り出しの通知を受信した後に、電子処方箋の消し込み処理を実行する。
以上の手順により、ユーザは、調剤薬局の営業時間外でも、自身の処方薬を受け取ることができる。
【0051】
<例3>
図8は、処方薬の受取サービスを利用するユーザ本人が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置100から処方薬を取り出す場合における処理の流れの他の一例を説明する図である。図8にも、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
前述した例1と例2の場合、ユーザは、端末20を用いて本人認証と説明ビデオの閲覧とを実行しているが、例3の場合、処方薬を受け取りに来たユーザがロッカー装置100において、本人認証と説明ビデオの閲覧等を実行する。
例3の場合、ステップ1~ステップ3の処理は、例1及び例2と同じである。
調剤薬局の従業員等による処方薬の収納が記録されると(ステップ4)、管理サーバ200は、端末20とロッカー装置100に対し、受け取り場所、支払い金額等を通知する(ステップ31)。
【0052】
通知を受け取ったユーザは、都合の良い時間に、受け取り場所であるロッカー装置100に移動し、表示操作部121(図4参照)を操作し、処方薬を受け取るための操作を行う。このとき、ロッカー装置100は、処方薬の受取操作を検知する(ステップ32)。
処方薬の受取操作を検知したロッカー装置100は、認証情報リーダ127(図4参照)を通じ、受取人の生体情報等を読み取る(ステップ33)。読み取られた生体情報等は、ロッカー装置100から管理サーバ200に送信される。生体情報等は暗号化された状態で管理サーバ200に送信される。
管理サーバ200は、本人認証の処理を実行する(ステップ7)。本人認証に成功した場合、管理サーバ200は、ロッカー装置100に対し、認証の成功を通知する。この通知により、ロッカー装置100における説明ビデオの再生が可能な状態になる。
【0053】
認証の成功の通知を受けたロッカー装置100は、説明ビデオ再生部130B(図4参照)を起動し、説明ビデオを再生する(ステップ34)。ロッカー装置100は、ユーザによる説明ビデオの閲覧の完了を検知すると(ステップ35)、決済処理に移行する(ステップ36)。決済処理は、ユーザの希望する決済方法が用いられる。本実施の形態におけるロッカー装置100は、電子決済も現金による決済も可能である。
決済処理が完了すると、ロッカー装置100は、管理サーバ200に対し、完了情報を通知する。例えば通知が終了した収納ボックス110の番号や処方箋の受け付けにより発行された受付番号が管理サーバ200に通知される。なお、ユーザによる説明ビデオの閲覧後に表示部に表示された「説明を理解した」等の表示をタッチされたことを受けて、閲覧の完了として検知するようにしてもよい。
【0054】
また、ロッカー装置100は、ユーザが入力する認証コードを確認する(ステップ37)。認証コードが正しい場合、ロッカー装置100は、対応する収納ボックス110(図2参照)を解錠する(ステップ38)。
その後、ロッカー装置100は、収納ボックス110から処方薬の取り出しを確認すると、管理サーバ200に対して処方薬の取出しを通知する。
以上の手順により、ユーザは、調剤薬局の営業時間外でも、自身の処方薬を受け取ることができる。
【0055】
<実施の形態2>
<システム構成>
図9は、実施の形態2で使用する処方薬受取システム1Aの概略構成を例示する図である。なお、図9には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
実施の形態1の場合、処方薬を引き取る受取人として処方箋が発行された本人を想定していたが、本実施の形態では、本人から依頼を受けた第三者を受取人として想定する。
このため、図9には、処方箋が発行されたAさんから受け取りを依頼されたBさんの端末20Aを追加している。ここでの端末20Aは、第2のユーザ端末の一例である。また、Bさんは第2のユーザの一例である。
本実施の形態で使用する管理サーバ200Aには、処方薬を代理で受け取るBさんから本人であるAさんに処方薬が受け渡されたことをシステム的に記録する機能が追加されている。なお、ロッカー装置100の構成は、実施の形態1と同様である。
【0056】
図10は、調剤薬局等に設置される管理サーバ200Aの機能上の構成の一例を説明する図である。図10には、図5との対応部分に対応する符号を付して示している。
ロッカー装置100(図9参照)との連携により、調剤薬局の営業時間外における処方薬の受取サービスを実現する装置である管理サーバ200Aは、表示操作部201と、通信部202と、記憶部203と、制御部204とを有している。
本実施の形態に特有の機能は、制御部204に設けられる本人受取記録部204Iである。本人受取記録部204Iは、処方薬を代理で受け取ったBさんから処方薬を受け取った旨の通知を本人の端末20から受信して記録する機能部である。管理サーバ200Aへのアクセスは、例えば処方箋に印刷等されているQRコード等の読み取りにより、又は、処方薬の受け取りの際に発行されるレシート等に印字されたQRコード等の読み取りにより、又は、処方薬に同梱されるレシート等に印字されたQRコード等の読み取りにより実行される。
なお、Aさんによる受け取りの記録であることを確認できれば、端末20からの通知であることを要しない。
【0057】
本実施の形態の場合、本人受取記録部204Iによる本人の受け取りの記録が存在しない場合、処方薬の受け取りを第三者に依頼するサービス(以下「処方薬の第三者受取サービス」という)の次回以降の利用が制限される。
さらに処方薬の第三者受取サービスが制限されると、処方薬を受け取った第三者だけでなく、任意の第三者への受け取りの依頼が制限されるようにしてもよい。
本実施の形態の場合、処方薬の第三者受取サービスが制限されても、本人による処方薬の受取サービスの利用は制限されないが、本人による処方薬の受取サービスの利用も制限される設定とすることは可能である。
【0058】
本実施の形態の場合、本人受取記録部204Iによる記録は、処方箋データ受取部204Aにより参照され、処方箋の受付時に処方薬の第三者受取サービスの利用が可能か否かの判定に使用される。
なお、処方薬の第三者受取サービスが制限される条件は、システムの運用者やシステムを利用する調剤薬局等が定められるようにしてもよい。
処方薬の第三者受取サービスが制限される条件には、例えば本人からの受け取りの未記録が1回でも存在する場合が考えられる。この場合、サービスの利用が制限される期限は無期限とすることも可能であるが、サービスの利用が制限される期間を、受け取りの未記録が発生したサービスの利用日時から例えば半年間等としてもよい。ここでの利用日時は、例えば処方箋を受け付けた日時としてもよいし、本人からの受け取りの記録の受付期間が満了した日時としてもよい。
この他、処方薬の第三者受取サービスが制限される条件には、予め定めた期間内における本人からの受け取りの未記録の回数が上限値を超えて検出された場合が考えられる。
【0059】
<処方薬の受け取りの流れ>
以下では、本実施の形態における処方薬受取システム1A(図9参照)を用いた処方薬の受け取りの流れの具体例を説明する。
本実施の形態における受取人は、ユーザ本人から依頼を受けた第三者である。
図11は、ユーザ本人から処方薬の受け取りを依頼された第三者が調剤薬局の営業時間外にロッカー装置100から処方薬を取り出す場合における処理の流れの一例を説明する図である。図11には、図6との対応部分に対応する符号を付して示す。
なお、処方薬の第三者受取サービスの利用の前提として、ユーザ本人が引き取りを依頼する第三者の認証に必要な情報は、管理サーバ200Aを構成する記憶部203の認証情報DB203E(図5参照)に事前に登録されている。
【0060】
本実施の形態の場合、ユーザは、端末20から管理サーバ200Aに対し、処方箋データと第三者による受取の希望を送信する(ステップ41)。この段階で、処方薬を代理で受け取る第三者を特定する情報も、端末20から管理サーバ200Aに送信される。
本実施の形態の場合も、管理サーバ200Aは、処方箋データを受け付けると(ステップ2)、端末20に対して処方箋データの受け付けを通知する。処方箋データを受け付けた管理サーバ200Aは、受付番号を発行し、その後の進捗を管理する。
次に、管理サーバ200Aは、決算処理を実行する(ステップ42)。図11の場合、決済処理には電子決済を想定する。もっとも、ユーザが調剤薬局に来店している場合には、現金による決済も可能である。
【0061】
決済処理が完了すると、端末20は、閲覧アプリを起動し(ステップ8)、処方薬に関する説明ビデオの再生を開始する。その後、ユーザによる説明ビデオの閲覧が完了すると、端末20は、管理サーバ200Aに閲覧の完了を通知する(ステップ9)。なお、ユーザによる説明ビデオの閲覧後に表示部に表示された「説明を理解した」等の表示をタッチされたことを受けて、閲覧の完了として検知するようにしてもよい。
本実施の形態の場合、ロッカー装置100を訪問するのは、ユーザから依頼を受けた第三者であるので、処方箋データを送信したユーザ本人に要求される処理は、処理手順の前半に実行される。
【0062】
やがて薬剤師による処方薬の調剤が完了すると、管理サーバ200Aは、処方薬の調剤の完了を記録する(ステップ3)。図11の場合、処方薬の調剤の完了の記録は閲覧完了の通知後に実行されているが、薬剤師による調剤とユーザによる説明ビデオの閲覧は本来独立に実行される。このため、ステップ9とステップ3の先後は任意である。
また、調剤薬局の従業員等により処方薬が収納ボックス110(図2参照)に収納されると、管理サーバ200Aは、処方薬の収納を記録する(ステップ4)。
【0063】
処方薬の受け取りが可能になると、管理サーバ200Aは、処方薬を代理で受け取る第三者の端末20Aに対し、受け取り場所、認証コード等を通知する(ステップ43)。なお、処方薬の引き取りに必要になる認証コードは、ユーザ本人の端末20に送信する仕組みを採用することも可能であるし、ユーザ本人の端末20と第三者の端末20Aの両方に送信する仕組みを採用してもよい。
なお、ユーザ本人にのみ受け取り場所や認証コードの情報が通知される場合には、ユーザ本人から第三者に対して受け取り場所や認証コードの情報が伝達される。
【0064】
処方薬を代理で受け取る第三者が、受け取り場所であるロッカー装置100に移動すると、表示操作部121(図4参照)を操作し、処方薬を受け取るための操作を行う。このとき、ロッカー装置100は、処方薬の受取操作を検知する(ステップ44)。
処方薬の受取操作を検知したロッカー装置100は、認証情報リーダ127(図4参照)を通じ、受取人の生体情報等を読み取る(ステップ45)。ここでの受取人は、ステップ41でユーザが指定した第三者である。従って、ロッカー装置100は、受取人の生体情報として、ユーザが指定した第三者の生体情報を読み取る。なお、複数の生体情報が要求される場合には、第三者の複数の生体情報が読み取られ、生体情報と生体情報以外の情報が要求される場合には、第三者の生体情報と生体情報以外の情報が読み取られる。
【0065】
読み取られた生体情報等は、ロッカー装置100から管理サーバ200Aに送信される。管理サーバ200Aは、受信した生体情報等と事前に登録されている第三者の生体情報とを照合する本人認証を実行する(ステップ7)。
本人認証に成功すると、管理サーバ200Aは、ロッカー装置100に対し、認証の成功を通知する。
本実施の形態の場合、認証の成功が通知されたロッカー装置100は、受取人が入力した認証コードを確認する(ステップ46)。
【0066】
受取人が入力した認証コードが正しい場合、ロッカー装置100は、対応する収納ボックス110を解錠する(ステップ47)。
その後、ロッカー装置100は、収納ボックス110から処方薬の取り出しを確認し、管理サーバ200Aに処方薬の取出しを通知する。
処方薬の取出しの通知を受信すると、管理サーバ200Aは、ユーザ本人からの処方薬の受け取りの記録の通知を待機する状態になる。
【0067】
第三者から処方薬を受け取ったユーザ本人は、端末20から管理サーバ200Aに対し、第三者から処方薬を受け取った旨を送信する(ステップ48)。本実施の形態の場合、管理サーバ200Aは、第三者から処方薬を受け取った旨の通知に用いられた端末20に固有の識別情報等との組み合わせにより、処方箋を受け取った第三者等による成りすましを排除する。成りすましを排除する観点では、ステップ48の処理でも、本人認証を要求してもよい。
この後、管理サーバ200Aは、本人の受け取りを記録する(ステップ49)。ここでの記録は、例えば進捗DB203G(図5参照)に記録される。
本人の受け取りが記録されることで、処方箋データの受信により開始した進捗の管理が終了する。
【0068】
以上の手順により、ユーザは、調剤薬局の営業時間外でも、第三者を通じて自身の処方薬を受け取ることができる。
なお、図11の場合、決済処理はユーザ本人が手続きしているが、処方薬を受け取る第三者がロッカー装置100で決済処理を行うことも可能である。その場合には、例えば受取人である第三者の認証が終了した段階で決済処理を実行すればよい。
なお、本実施の形態における管理サーバ200は、説明ビデオの閲覧の完了の通知を受けた後に決済処理を開始しているが、決済処理を実行するタイミングはこれに限らない。例えば薬局が処方箋を受け付けた段階で、決済処理を実行してもよい。具体的には、ユーザが端末20から処方箋データを管理サーバ200に送信する際に、クレジットカードや電子マネーで決済してもよい。また、薬局の店舗で処方箋を受け付ける場合には、その場で決済処理を実行してもよい。これらの場合、処方薬に係る代金を確実に徴収することができる。
また、処方箋の原紙は、ロッカー装置100の近傍に回収ボックスを設けて回収してもよい。
ちなみに、電子処方箋が管理サーバ200に送信される場合には、管理サーバ200で電子処方箋の受け取りの確認に関する処理を実行してもよいし、処方薬の取り出し時に、電子処方箋に含まれるQRコード等の識別情報を読み込ませて受取の確認に関する処理を実行してもよい。このように処方薬の原紙の回収や電子処方箋の消込処理の実行により、処方薬の2重処方を防止できる。
【0069】
<実施の形態3>
前述の実施の形態においては、営業時間外における受け取りの対象として処方薬を想定したが、本実施の形態では、購入に際して薬剤師の説明が義務付けられる第一類医薬品の時間外の販売を可能にするシステムについて説明する。
現在、第一類医薬品の購入希望者は、薬局が営業している時間内に薬局を訪問する必要がある。しかし、働き方の多様化により、薬局の営業時間内には薬局に立ち寄ることが困難な人もいる。なお、深夜まで営業する店舗もあるが、その営業時間に比して、薬剤師の常駐時間は限られ、薬局の営業時間は短く設定されている。
このため、現在の販売形態は、一部の購入希望者に不便を強いている。また、薬局側についても販売の機会を失っている。
そこで、本実施の形態では、薬局の営業時間外でも、第一類医薬品の販売を可能にするシステムを説明する。
【0070】
図12は、実施の形態3で使用する医薬品販売システム1Bの概略構成を例示する図である。図12には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12に示す医薬品販売システム1Bは、第一類医薬品を保管するロッカー装置100と、購入情報入力端末400と、薬剤師が操作する端末500と、これらの間の通信を実現するインターネット30とで構成されている。
本実施の形態における購入情報入力端末400は、第一類医薬品の販売専用ではなく、第二類医薬品や第三類医薬品の販売にも使用される。
【0071】
図12に示す医薬品販売システム1Bは、購入情報入力端末400とロッカー装置100とが別々に用意されるシステム構成の例である。もっとも、後述する機能の全てが、1台の装置内に集約されていてもよい。この種の装置には、自動販売機がある。
本実施の形態でも、実施の形態1及び2で使用したロッカー装置100を使用する。前述したように、ロッカー装置100には、決済機能や薬剤師から説明を受けるための機能も用意されているが、本実施の形態では、第一類医薬品の代金の支払いや薬剤師からの説明を、購入情報入力端末400経由で実行する。
このように、代金の支払いと薬剤師による説明を受ける端末を、ロッカー装置100とは別に用意する構成の場合には、購入情報入力端末400の代わりにスマートフォン等のユーザの端末20(図1参照)を代用することも可能である。
【0072】
薬剤師が操作する薬剤師端末500は、薬局の本部等に設けられている。薬剤師端末500は、薬局の営業時間外における第一類医薬品や処方薬の説明のために本部等に常駐している薬剤師により操作される。
図12に示す薬剤師端末500には、表示画面の上部にカメラ501が取り付けられている。また、薬剤師が装着するヘッドセット502は、ケーブルを通じて薬剤師端末500に接続されている。ヘッドセット502には、イヤホンとマイクが取り付けられている。
薬の内容の説明を行う薬剤師の音声と映像は、薬剤師端末500からインターネット30経由で購入情報入力端末400に送信される。一方、購入情報入力端末400を操作する購入希望者の音声と映像は、購入情報入力端末400からインターネット30経由で薬剤師が操作する端末500に送信される。
ここでの薬剤師端末500は、前述した実施の形態1及び2でも使用されている。
【0073】
図13は、購入情報入力端末400の外観構成の一例を説明する図である。図13に示す購入情報入力端末400は、縦長のボックス形状であり、その正面の上部には、表示操作部401が配置されている。
表示操作部401は、例えばタッチパネルで構成される。表示操作部401には、購入の対象である医薬品を選択するためのボタン、第一類医薬品の購入希望者に薬の内容を説明する薬剤師の映像、薬剤師の説明に対する確認を求めるチェック画面、決済のための画面等が表示される。勿論、表示操作部401は、購入希望者の操作の入力にも使用される。
図13に示す購入情報入力端末400の場合、表示操作部401に表示部と操作部が統合されているが、表示部と操作部は別々に設けることも可能である。
【0074】
表示操作部401の下部には、硬貨投入口402と、紙幣投入口403と、取消ボタン404と、レシートやチケットの取出口405と、紙幣出金口406と、硬貨返却口407と、カードリーダ408とが設けられている。
また、ボックス形状の購入情報入力端末400の上面には、第一類医薬品を購入する購入希望者を撮像するためのカメラ409が設置されている。図13の場合、カメラ409は、購入情報入力端末400の上面に設置されているが、操作表示部401の周辺に取り付けることも可能である。購入情報入力端末400は、例えば券売機のような形態であってもよい。
【0075】
図14は、購入情報入力端末400の機能上の構成の一例を説明する図である。
図14に示す購入情報入力端末400は、表示操作部401と、取消ボタン404と、スピーカ410と、カードリーダ408と、プリンタ411と、貨幣処理部412と、カメラ409と、通信部413と、記憶部414と、制御部415とを有している。
因みに、取消ボタン404は、入金の取消に用いられる。
スピーカ410は、第一類医薬品の説明を行う薬剤師の音声の出力等に用いられる。
カードリーダ408は、電子マネーの情報を記録したカードやクレジットカードを用いた電子決済に用いられる。本実施の形態におけるカードリーダ408は、スマートフォンを用いた決済にも対応する。
プリンタ411は、決済の控えであるレシートや購入した医薬品を取り出すためのQRコードを印刷したチケット等の印刷に使用される。プリンタ411で印刷されたレシートやチケット等は取出口405(図13参照)から排出される。
【0076】
貨幣処理部412は、硬貨投入口402と、紙幣投入口403と、紙幣出金口406と、硬貨返却口407の動きを管理する。
通信部413は、薬剤師が操作する薬剤師端末500(図12参照)との通信に用いられる。
記憶部414は、例えばハードディスク装置や不揮発性の半導体メモリで構成される。記憶部414には、決済処理に関するデータ等が記憶される。
制御部415は、購入情報入力端末400の全体を制御するコンピュータであり、不図示のCPU、ROM、RAMで構成される。制御部415は、プログラムの実行を通じて、時間外販売管理部415A、決済処理部415Bとして機能する。
【0077】
時間外販売管理部415Aは、薬局の営業時間外に起動する機能である。時間外販売管理部415Aは、薬局の営業時間外に、表示操作部401を通じて第一類医薬品の購入の申し込みを受け付けた場合、第一類医薬品を販売するための一連の処理を管理する。具体的には、薬剤師が操作する薬剤師端末500(図12参照)との間で通信を確立する処理、購入希望者に対して薬剤師の説明に対する確認を求める処理、決済処理への引き継ぎ等を実行する。
なお、時間外販売管理部415Aには、購入の対象である第一類医薬品のロッカー装置100(図12参照)における在庫を問い合わせる機能を設けてもよい。
決済処理部415Bは、現金による決済や電子決済を実行する。具体的には、決済が終了した場合、決済処理部415Bは、プリンタ411を通じて、レシートやチケットを出力させる。
【0078】
図15は、第一類医薬品の受け取り時に必要になるチケット600の一例を示す図である。
図15に示すチケット600の場合、最も上の行に販売店の名称が印字され、その下の行に発行日時602が印字されている。また、発行日時602の下の行には、購入された第一類医薬品に関する情報603が印字され、更に下の行には、購入した第一類医薬品が保管されているロッカー装置100(図12参照)で読み取られるQRコード604が印字されている。なお、受け取りに必要なコードは、バーコードや文字列でもよい。
これらの他、図15に示すチケット600には、第一類医薬品の受け取りに必要な操作を説明する文605が印字されている。
【0079】
以下では、図16及び図17を使用して、医薬品販売システム1Bで実行される処理動作の一例を説明する。
図16は、薬局の営業時間外に購入した第一類医薬品をロッカー装置100から取り出す場合における処理の流れの一例を説明する図である。なお、図中の記号のSはステップを意味する。
図17は、営業時間外に購入情報入力端末400(図13参照)の表示操作部401(図13参照)に表示される画面の変遷を説明する図である。
【0080】
本実施の形態の場合、購入情報入力端末400は、薬局の営業時間帯は動作を停止している。このため、購入情報入力端末400は、現在時刻が営業時間外か否かを判定している(ステップ51)。
ステップ51で否定結果が得られている間、購入情報入力端末400は、同判定を繰り返す。
ステップ51で肯定結果が得られると、購入情報入力端末400は、販売対象である医薬品の画像をボタン形式で表示操作部401に表示する(ステップ52)。
ここでの表示は、図17における画面700に対応する。画面700には、購入希望者に求める操作の内容701と、販売可能な医薬品の画像702が配置されている。図17の場合、医薬品の画像は6つである。勿論、表示される医薬品の画像702の数は一例である。また、販売可能な医薬品の数が画面700に表示可能な数より多い場合には、スクロールバーにより表示される医薬品の画像を変更できるようにする。また、表示される医薬品の画像の数を減らすために、症状別や医薬品の分類別に表示を切り替えてもよい。
【0081】
次に、購入情報入力端末400は、表示操作部401の画面上で医薬品が選択されたか否かを判定する(ステップ53)。
ステップ53で否定結果が得られている間、購入情報入力端末400は、購入希望者による医薬品の選択を待ち受ける。
ステップ53で肯定結果が得られると、購入情報入力端末400は、選択された医薬品が第一類医薬品か否かを判定する(ステップ54)。なお、第一類医薬品しか扱わない場合、ステップ54の処理はスキップ可能である。
ステップ54で否定結果が得られた場合、購入情報入力端末400は、ステップ59の決済処理に移行する。
ステップ54で肯定結果が得られると、購入情報入力端末400は、購入には薬剤師による説明が必要であることを通知し、購入の意思を確認する(ステップ55)。なお、購入の意思が確認された場合、購入情報入力端末400は、薬剤師の操作する端末を呼び出す処理に移行する。一方、購入の意思が確認されない場合、購入情報入力端末400は、画面700の表示に戻る。
【0082】
購入の意思の確認には、図17における画面710が用いられる。画面710には、選択された医薬品の購入には薬剤師の説明が必要であることの説明と、購入の意思の問い合わせを含む文711が表示される。また、画面710には、購入する場合に操作されるボタン712と、購入を中止する場合に操作されるボタン713とが表示される。
ボタン712の操作が検知された場合、表示操作部401の表示は画面720に切り替わる。画面720には、薬剤師の呼び出し中であることを示す文721が表示される。
接続の際には、購入の対象である第一類医薬品の名称などの情報も薬剤師側の薬剤師端末500に送信される。やがて、表示操作部401の表示は、担当の薬剤師の画面730に切り替わる。
【0083】
この後、購入情報入力端末400側の購入希望者と薬剤師端末500側の薬剤師との間で会話形式による医薬品の説明が行われる。医薬品の説明が終わると、又は、確認のタイミングで、薬剤師は、購入情報入力端末400側の購入希望者に対し、医薬品の説明に対する確認を求める。
この操作は、薬剤師端末500において監視されている。図16に示す薬剤師端末500は、購入情報入力端末400との通信が開始されると、薬剤師がチェック画面の表示を指示したか否かの判定を行う(ステップ56)。
ステップ56で否定結果が得られている間、薬剤師端末500は、同判定を繰り返す。
一方、ステップ56で肯定結果が得られると、薬剤師端末500は、購入情報入力端末400に対してチェック画面の表示を要求する(ステップ57)。
【0084】
薬剤師端末500から要求を受信した購入情報入力端末400は、表示操作部400にチェック画面740を表示する。図17に示すチェック画面740の場合、確認のために表示される事項741は3つである。各事項には、チェックボックスが設けられている。図17に示すチェック画面740はチェック前であるので、チェックボックスは空欄である。
この他、チェック画面740には、チェックボックスへのチェックの入力を求める説明742も表示される。
チェック画面740は、購入情報入力端末400側に用意されていてもよいし、説明の都度、薬剤師端末500から購入情報入力端末400に送信されてもよい。
購入情報入力端末400では、チェックボックスの全てにチェックが入れられたか否かが監視される。すなわち、購入情報入力端末400は、チェック完了か否かを判定する(ステップ58)。
【0085】
ステップ58で否定結果が得られている間、購入情報入力端末400は、同判定を繰り返す。
一方、ステップ58で肯定結果が得られた場合、購入情報入力端末400は、決済処理を実行する(ステップ59)。
決済処理が終了すると、購入情報入力端末400は、チケット等を印刷して取出口405(図13参照)に出力する(ステップ60)。
この後、購入者は、出力されたチケットをロッカー装置100に持参し、コードリーダ123(図4参照)に読み取らせる。すなわち、ロッカー装置100は、QRコードを読み取る(ステップ61)。このQRコードには、購入した第一類医薬品の名称等の情報が含まれている。
ロッカー装置100は、QRコードから読み取った第一類医薬品が収納されている収納ボックス110を解錠する(ステップ62)。
【0086】
購入者が、解錠された収納ボックス110から購入した第一類医薬品を取り出せば、一連の購入プロセスは終了する。
以上の手順により、購入希望者は、薬局の営業時間外でも第一類医薬品を都合の良い時間に購入することができる。このことは、購入希望者の利便性を高めるとともに、第一類医薬品の受け取りが可能なロッカー装置100を配置する店舗側にも集客上のメリットが期待される。また、薬局においても、営業時間を延長する必要がなく、人件費の削減と販売機会の増加を実現できる。
なお、前述した医薬品販売システム1Bは、第一類医薬品の購入者を認証する手順を含まないが、会員番号の入力や会員証の読み取りを組み合わせれば、本人の特定も可能になる。勿論、実施の形態1等のように本人を認証する手順を含めることも可能である。
また、本実施の形態では、薬局の営業時間外における運用について説明したが、必ずしも営業時間外に限らない。例えば、薬剤師が不在の場合であってもよい。この場合、現在時刻が営業時間外か否かを判定する代わりに薬剤師が不在か否かの判定を行う。この判定には薬剤師のシフト表を基に行ってもよいし、薬剤師や他の従業員により特定の操作を行うようにしてもよい。また、薬剤師が常駐している時間帯であってもよい。
また、本実施の形態では、プリンタ411でチケットを出力させるとしたが、これに限らない。例えば購入情報入力端末400とロッカー装置100がネットワーク接続され、購入希望者による代金の支払いが完了すると、それに相当するロッカーが自動的に解錠されるようにしてもよい。
さらに、購入情報入力端末400とロッカー装置100が一体となった自動販売機のような形態の場合には、購入希望者による代金の支払いが完了すると投出口から該当する医薬品が投出されるようになっていてもよい。
【0087】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0088】
例えば前述の実施の形態の場合には、ユーザ本人の認証処理や処方薬を代理で受け取る第三者の認証処理を管理サーバ200(図1参照)又は管理サーバ200A(図9参照)で実行しているが、これらの認証処理をロッカー装置100内で実行してもよい。なお、認証処理をロッカー装置100内で実行する場合には、認証に用いるユーザ本人や処方薬を代理で受け取る第三者に関する生体情報等を管理サーバ200等からロッカー装置100に事前に送信すればよい。本人等の認証が終了したロッカー装置100は、装置内から認証に用いた生体情報等を消去する。
【0089】
前述の実施の形態では、ロッカーシステム10(図1等参照)を調剤薬局が運用する場合について説明したが、管理サーバ200等は、クラウドネットワーク上に設けられ、調剤薬局等は、クラウドサービスの利用者であってもよい。また、ロッカー装置100の設置者も調剤薬局である必要はない。
【符号の説明】
【0090】
1、1A…処方薬受取システム、1B…医薬品販売システム、10…ロッカーシステム、20、20A…端末、30…インターネット、100…ロッカー装置、110…収納ボックス、120…集中管理ユニット、200、200A…管理サーバ、204A…処方箋データ受取部、204B…進捗管理部、204C…処方完了通知部、204D…受取人認証部、204E…説明終了確認部、204F…決済処理部、204G…解錠手順通知部、204H…取出し記録部、204I…本人受取記録部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17