(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060014
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】消耗品データ管理
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240423BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20240423BHJP
G16H 40/00 20180101ALI20240423BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G06Q10/087
G01N35/00 Z
G01N35/00 F
G16H40/00
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024035188
(22)【出願日】2024-03-07
(62)【分割の表示】P 2022015852の分割
【原出願日】2011-07-26
(31)【優先権主張番号】61/462,024
(32)【優先日】2011-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/400,441
(32)【優先日】2010-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505243216
【氏名又は名称】メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】シンリー・コング
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】カール・スティーヴンズ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ヴォック
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・エヌ・ウォールスターダー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生物学的アッセイにおいて使用されるアッセイ消耗品と消耗品データを関連付けるための方法、デバイス及びシステムを提供する。
【解決手段】消耗品データ(CD)作製システム102において、方法は、供給業者(ベンダ)が、消耗品又は消耗品のロット101について消耗品データを生成し、その情報をその消耗品又は消耗品のロットに関連付けられた消耗品識別子103に格納する工程(i)と、CDデータベースを生成する工程(ii)と、消耗品データをCDデータベースに保存する工程(iii)と、全ての消耗品データのマスターリポジトリを含むCDデータベースをCDサーバ104に送信する工程(iv)と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムであって、該アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムは:(a)ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体;及び(b)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで該消耗品データ及びローカル消耗品データは、
(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに
(ii)該消耗品を使用するアッセイの実行において該システムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上のステップ
を含んでなり、
該システムは、該リポジトリの更新情報を受信するように構成されており、該更新情報は、追加の消耗品データ、並びに:
(x)アッセイの実行中、及び/若しくは実行後に生成されるデータを分析するために該システムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、
(y)アッセイシステムメンテナンス情報、
(z)システム-消耗品販売促進情報、
(xx)システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又は
(yy)それらの組み合わせ
を含んでなる少なくとも1つの消耗品データ型を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項2】
ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェースをさら含んでなり、そして該システムが該インターフェースを介して更新情報を受信する、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項3】
前記インターフェースが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項2に記載のアッセイシステム。
【請求項4】
前記システムが、コンパクトディスク、メモリカード/スティック、フラッシュドライブ、又はウェブデータストレージサービスを含んでなるリモート記憶媒体から前記更新情報を受信するように構成される、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項5】
前記リモートコンピュータシステムが消耗品ベンダコンピュータシステムである、請求項2に記載のアッセイシステム。
【請求項6】
前記アッセイ消耗品が前記アッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含んでなる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項7】
前記試験サイトが複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、該ドメインの少なくとも2つは異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる、請求項6に記載のアッセイシステム。
【請求項8】
前記試験サイトが前記アッセイ消耗品におけるウェル及び/又はチャンバーである、請求項6に記載のアッセイシステム。
【請求項9】
前記アッセイ消耗品が複数のウェルを含んでなり、そして該消耗品がプレート上部、プレート底部、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気接続、乾燥アッセイ試薬及び/若しくは液体アッセイ試薬、又はそれらの組み合わせを含んでなる少なくとも1つの要素をさらに含む、請求項8に記載のアッセイシステム。
【請求項10】
前記アッセイ消耗品がフローセルを含む、請求項6に記載のアッセイシステム。
【請求項11】
前記アッセイ消耗品がカートリッジであり、そして該消耗品が、1つ若しくはそれ以上の流体構成要素、1つ若しくはそれ以上の検出構成要素、1つ若しくはそれ以上のアッセイセル、アッセイを行うための試薬、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気接続、乾燥アッセイ試薬及び/若しくは液体アッセイ試薬、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの要素をさらに含んでなる、請求項10に記載のアッセイシステム。
【請求項12】
前記カートリッジは、複数の別個のアッセイドメインを含む少なくとも1つのアッセイセルを含んでなり、該ドメインの少なくとも2つは、異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる、請求項11に記載のアッセイシステム。
【請求項13】
前記アッセイ消耗品が、1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を受け入れるように適合された容器である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項14】
前記消耗品データが、(i)前記アッセイ消耗品、(ii)該消耗品内の1つ若しくはそれ以上の試験サイト、(iii)該消耗品に使用されているか、若しくは使用されることになる試薬及び/若しくはサンプル、又は(iv)それらの組み合わせを含む少なくとも1つの要素を識別するために使用される情報を含んでなる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項15】
前記消耗品データが、前記消耗品内の第一の試験サイトを該消耗品内の異なる試験サイトと区別するために使用される、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項16】
前記消耗品データが、ロット識別情報、ロット固有分析パラメーター、製造プロセス情報、原材料情報、有効期限、較正データ、閾値情報、アッセイ消耗品の1つ若しくはそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/若しくはサンプルの位置、製品安全データシート(MSDS)情報、又はその組み合わせを含んでなる消耗品情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項17】
前記消耗品データが、アッセイ消耗品の前記少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置、該サンプルについて該アッセイ消耗品で得られたアッセイ結果、該アッセイ消耗品においてアッセイされているサンプル及び/若しくはアッセイされることになるサンプルのアイデンティティ、又はそれらの組み合わせを含んでなるサンプル情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項18】
前記消耗品データが管理の連鎖情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項19】
前記管理の連鎖情報が、前記サンプルの管理、移送、分析、又はそれらの組み合わせに関する情報を含む、請求項18に記載のアッセイシステム。
【請求項20】
前記管理の連鎖情報が、前記アッセイ消耗品の管理、移送、製造、又はそれらの組み合わせに関するものである、請求項18に記載のアッセイシステム。
【請求項21】
前記管理の連鎖情報が、顧客識別、前記アッセイについての時間及び日付のスタンプ、該アッセイ中の前記アッセイシステムの位置、該アッセイ中の該アッセイシステムの較正及びQC状況、該アッセイの実行前及び実行後の前記アッセイ消耗品についての管理及び/若しくは位置情報;前記サンプルについてのアッセイ結果、又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項18に記載のアッセイシステム。
【請求項22】
前記管理の連鎖情報が、前記アッセイ消耗品の製造中の1つ若しくはそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員若しくは処理パラメーター;該アッセイ消耗品の製造後及び/若しくは製造中の工程間の該アッセイ消耗品についての保管、位置及び/又は貯蔵条件;又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項18に記載のアッセイシステム。
【請求項23】
前記消耗品データが、消耗品の種類及び構造、前記アッセイ消耗品と共に含められるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ、該アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ、又はそれらの組み合わせを含んでなる消耗品/試験サイト情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項24】
前記消耗品データが、アッセイ中に前記読み取り機により適用すべきアッセイパラメーター、該アッセイ中に読み取り機により適用すべきステップの順序、該アッセイ中に使用すべき若しくは添加すべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/若しくは量、該アッセイ中に読み取り機により適用すべきかつ/若しくは測定すべき光の種類若しくは波長、該アッセイ中に読み取り機により適用すべき温度、該アッセイについてのインキュベーション時間、該アッセイ中に収集された生データに対して読み取り機により適用すべき統計若しくは分析方法、又はそれらの組み合わせを含んでなるアッセイプロセス情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項25】
前記アッセイが多段階アッセイであり、そして前記アッセイプロセス情報が、該多段階アッセイの1つ又は複数のステップに関するものである、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項26】
前記消耗品/試験サイト情報が、前記消耗品の1つ若しくはそれ以上の試験サイトで読み取り機により予め行われたアッセイに関する情報;該消耗品内の1つ若しくはそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り機若しくはその構成要素により行うべきアッセイに関する情報;又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項23に記載のアッセイシステム。
【請求項27】
前記消耗品データが、アッセイ消耗品認証に関する情報;前記システムにおける該アッセイ消耗品の適切な配置及び/若しくは配向に関する情報;該アッセイ消耗品及び/若しくはその試験サイトにおける欠陥に関する情報;又はそれらの組み合わせを含んでなる消耗品セキュリティー情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項28】
前記消耗品データが、1つ若しくはそれ以上のセンサー;アッセイ消耗品をシステム中に、及びシステムから輸送するための機構;アッセイ消耗品を該システム中の該1つ若しくはそれ以上のセンサー及び/若しくは電気的、機械的若しくは流体のインターフェースと整列させ、かつ方向を合わせるための機構;アッセイ消耗品を追跡及び/若しくは識別するための機構、電子機器若しくはソフトウェア;1つ若しくはそれ以上の消耗品を貯蔵、積み重ね、移動及び/若しくは分配するための機構;又はそれらの組み合わせを含んでなる該アッセイシステムの少なくとも1つの構成要素の操作を調整するために、該システムにより使用される、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項29】
アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを使用する方法であって、該アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムは:(a)ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体;及び(b)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで該消耗品データ及びローカル消耗品データは、
(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに
(ii)該消耗品を使用するアッセイの実行において該システムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上のステップ
を含んでなり、
該システムは、該リポジトリの更新情報を受信するように構成されており、該更新情報は、追加の消耗品データ、並びに(x)アッセイの実行中、及び/若しくは実行後に生成されるデータを分析するために該システムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、(y)アッセイシステムメンテナンス情報、(z)システム-消耗品販売促進情報、(xx)システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又は(yy)それらの組み合わせを含んでなる少なくとも1つの消耗品データ型を含んでなり、
(a)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るステップ;
(b)該システムによる該アッセイの実行前、実行中及び/又は実行後に、該システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を、該消耗品データに基づいて調整するステップ;
(c)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいてアッセイを実行するステップ;並びに
(d)該リポジトリの更新情報を受信するステップ
を含んでなる、上記方法。
【請求項30】
前記システムが、コンパクトディスク、メモリカード/スティック、フラッシュドライブ、又はウェブデータストレージサービスを含んでなるリモート記憶媒体から更新情報を受信するように構成されており、そして該リモート記憶媒体を介して前記リポジトリを更新するステップをさらに含んでなる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アッセイシステムが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなるインターフェースを含んでなり、そして前記リモートコンピュータシステムから該インターフェースを介して前記リポジトリに更新情報を受信するステップをさらに含んでなる、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記インターフェースが、ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されており、そして該ベンダコンピュータシステムから前記リポジトリの更新情報を受信するステップを含んでなる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記消耗品データがアッセイシステムメンテナンス情報をさらに含んでなり、そして該メンテナンス情報に基づいて前記アッセイシステムの1つ又はそれ以上の構成要素を調整するステップをさらに含んでなる、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記消耗品データがシステム及び/又は消耗品の技術サポート情報をさらに含んでなり、そして該システム及び/又は消耗品の技術サポート情報に基づいて前記アッセイの1つ又はそれ以上のステップを調整するステップをさらに含んでなる、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
システム/消耗品ベンダによるアッセイシステムの使用を可能にする方法であって、該アッセイシステムは、アッセイ消耗品識別子を含んでなるアッセイ消耗品をアッセイの実行において使用するように構成されており、そして該アッセイシステムは、(a)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体;及び(b)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで該システム/消耗品ベンダは、消耗品データを含んでなるマスター消耗品データリポジトリを維持し;
該消耗品データの該システムにおける使用を可能にするために、消耗品データを該マスター消耗品データリポジトリから顧客に提供するステップを含んでなる、上記方法。
【請求項36】
前記提供するステップが、前記消耗品データをリモート記憶媒体を介して送信することを含んでなる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記リモート記憶媒体が、コンパクトディスク、メモリカード/スティック、フラッシュドライブ、又はウェブデータストレージサービスを含んでなり、そして前記リポジトリを該リモート記憶媒体を介して更新するステップをさらに含んでなる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記アッセイシステムが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなるインターフェースを含んでなり、そして該インターフェースにベンダコンピュータシステムから更新情報を送信するステップをさらに含んでなる、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記更新情報が前記インターフェースに自動的に送信される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムであって、該アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムは:(a)ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェース、(b)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体、並びに(c)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで該消耗品データは、
(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに
(ii)該消耗品を使用するアッセイの実行において該システムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上のステップ
を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項41】
前記システムが、システム-消耗品使用情報を、前記インターフェースを介してベンダコンピュータシステムに送信するように構成されている、請求項40に記載のアッセイシステム。
【請求項42】
前記システムが、販売促進情報を、前記インターフェースを介してベンダコンピュータシステムから受信するように構成されている、請求項40に記載のアッセイシステム。
【請求項43】
前記ベンダコンピュータシステムが、消耗品製造業者のコンピューターシステムである、請求項42に記載のアッセイシステム。
【請求項44】
前記インターフェースが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項42に記載のアッセイシステム。
【請求項45】
アッセイシステムにおけるアッセイ消耗品の使用を追跡する方法であって、該アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムは、(a)ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェース、(b)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体、並びに(c)該消耗品識別子から情報を読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで該消耗品データ及びローカル消耗品データは、
(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに
(ii)該消耗品を使用するアッセイの実行において該システムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上のステップ
を含んでなり、
以下の:
(a)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るステップ;
(b)該消耗品データを使用する該システムのアッセイの実行において該アッセイ消耗品を使用するように該アッセイシステムを構成するステップ;
(c)該アッセイ消耗品を使用する該アッセイシステムにおいてアッセイを実行するステップ;
(d)システム-消耗品使用情報を該記憶媒体に格納するステップ;及び
(e)システム-消耗品使用情報を該インターフェースを介して該ベンダコンピュータシステムへ送信するステップ
を含んでなる、上記方法。
【請求項46】
前記ベンダコンピュータシステムが消耗品製造コンピュータシステムである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記インターフェースを介して追加の消耗品データを受信するステップ(f)をさらに含んでなり、該追加の消耗品データが、アッセイシステムメンテナンス情報、システム-消耗品販売促進情報、システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
アッセイシステムへの顧客のアクセスをシステムベンダにより制御する方法であって、該システムはシステム識別子を含んでなり、以下の:
(a)該システム識別子を顧客から受信するステップ[ここで該システム識別子はベンダコンピュータシステムへ送信される];
(b)該システム識別子を該ベンダにより識別するステップ;並びに
(c)
(i)前記装置及び/若しくは該装置において使用される消耗品へのフルアクセスを可能にする操作;
(ii)該装置及び/若しくは該装置において使用される消耗品への部分的アクセスを可能にする操作;又は
(iii)該装置及び/若しくは該装置において使用される消耗品へのアクセスを拒否する操作
から選択される1つ又はそれ以上の操作を行うステップ
を含んでなる、上記方法。
【請求項49】
前記システムが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなるリモートインターフェースをさらに含んでなり、そして前記受信するステップ(a)が、前記システム識別子を該リモートインターフェースを介して受信することを含んでなる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ベンダが、前記システム識別子を前記ベンダコンピュータシステムから前記インターフェースを介して受信する、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記可能にするステップ(c)(i)が、前記ベンダから前記顧客にフルアクセスコードを送信し、それにより前記システムへのフルアクセスを可能にすることをさらに含んでなる、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記可能にするステップ(c)(ii)が、前記ベンダから前記顧客に部分的アクセスコードを送信し、それにより前記システムへの部分的アクセスを可能にすることをさらに含んでなる、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記部分的アクセスコードが、デモンストレーションモードでの前記システムの使用を可能にする、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記ベンダがシステム製造業者である、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記ベンダがシステム販売業者である、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記アッセイシステムが、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されており、そして前記ベンダが消耗品製造業者である、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
前記アッセイシステムが、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されており、そして前記ベンダが消耗品販売業者である、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
消耗品データ及び消耗品についての消耗品データを生成し、維持する方法であって:
(a)アッセイの実行において使用される消耗品を製造するステップ;
(b)該消耗品と関連付けられた消耗品データを含んでなるデータベースを生成するステップ[ここで該データベースは、該消耗品について該消耗品データを関連付けるために使用される情報を含んでなる];及び
(c)該データベースをサーバ上で維持するステップ、
を含んでなる、上記方法。
【請求項59】
前記サーバが、マスター消耗品データディレクトリ、マスターシステム識別子ディレクトリ、顧客データディレクトリ、又はそれらの組み合わせを含んでなるディレクトリを含むマスターリポジトリを含んでなる、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記マスターリポジトリが、マスター消耗品データディレクトリ、及びマスターシステム識別子ディレクトリ、顧客データディレクトリ、又はそれらの組み合わせを含んでなる1つ又はそれ以上の補足ベンダディレクトリに対するインターフェースを含んでなる、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法であって:
(a)該消耗品と関連付けられた消耗品データについて該顧客からクエリーを受信するステップ;及び
(b)該消耗品についての消耗品データを、電子メール添付ファイル、コンパクトディスク、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、ウェブデータストレージサービス、又はそれらの組み合わせを含んでなる媒体により送信するステップ、
を含んでなる、上記方法。
【請求項62】
消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法であって、
(a)該消耗品と関連付けられた消耗品データについて、直接的インターフェースを介して顧客システムからクエリーを受信するステップ[ここで該直接的インターフェースは、該顧客システムとベンダサーバとの間のインターネット接続を含んでなる];及び
(b)該消耗品についての消耗品データを、該インターフェースを介して該顧客システムへ送信するステップ、
を含んでなる、上記方法。
【請求項63】
アッセイシステムに機能的に接続されたコンピュータシステムで実行したときアッセイシステム上でアッセイを実行する方法を該アッセイシステムに行わせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、ここで該アッセイシステムは、該アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されており、そして該アッセイシステムは:(a)ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体;及び(b)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり;該方法は、以下の:
(a)該アッセイ消耗品と関連付けられた消耗品識別子から消耗品データを読み取るステップ[ここで該消耗品データ及びローカル消耗品データは:(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)該消耗品を使用する該アッセイの実行において該システムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上のステップを含んでなる];
(b)該アッセイの実行前、実行中、及び/又は実行後に、該システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を該消耗品データに基づいて調整するステップ;
(c)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいて該アッセイを実行するステップ;並びに
(d)該リポジトリの更新情報を受信するステップ[該更新情報は、追加の消耗品データ、並びに(x)アッセイの実行中及び/若しくは実行後に生成されたデータを分析するために該システムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、(y)アッセイシステムメンテナンス情報、(z)システム-消耗品販売促進情報、(xx)システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又は(yy)それらの組み合わせを含んでなる少なくとも1つの消耗品データ型を含んでなる]
を含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項64】
前記システムが、コンパクトディスク、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、又はウェブデータストレージサービスを含んでなるリモート記憶媒体から更新情報を受信するように構成されており、そして前記方法が、該リポジトリを該リモート記憶媒体を介して更新するステップをさらに含んでなる、請求項63に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項65】
前記アッセイシステムが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなるインターフェースを含んでなり、そして前記方法が、該インターフェースを介して前記リモートコンピュータシステムから前記リポジトリに更新情報を受信するステップをさらに含んでなる、請求項64に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項66】
前記インターフェースが、ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されており、そして前記方法が、該ベンダコンピュータシステムから前記リポジトリの更新情報を受信するステップを含んでなる、請求項65に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項67】
前記消耗品データがアッセイシステムメンテナンス情報をさらに含んでなり、そして前記方法が、前記アッセイシステムの1つ又はそれ以上の構成要素を該メンテナンス情報に基づいて調整するステップをさらに含んでなる、請求項63に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項68】
前記消耗品データがシステム及び/又は消耗品の技術サポート情報をさらに含んでなり、そして前記方法が、前記アッセイの1つ又はそれ以上のステップを、前記システム及び/又は消耗品の技術サポート情報に基づいて調整するステップをさらに含んでなる、請求項63に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項69】
コンピュータシステムで実行したとき、システム/消耗品ベンダによるアッセイシステムの使用を可能にする方法をコンピュータシステムに行わせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、該アッセイシステムは、該コンピュータシステムに機能的に接続されており、かつアッセイ消耗品識別子を含んでなるアッセイ消耗品をアッセイの実行において使用するよう構成されており、そして該アッセイシステムは、(a)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体;及び(b)該消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで該システム/消耗品ベンダは、消耗品データを含んでなるマスター消耗品データリポジトリを維持し;
該方法は、該システムにおける該消耗品の使用を可能にするために該マスター消耗品データリポジトリから消耗品データを受信するステップを含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項70】
前記受信するステップが、前記消耗品データをリモート記憶媒体を介して受信することを含んでなる、請求項69に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項71】
前記リモート記憶媒体が、コンパクトディスク、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、又はウェブデータストレージサービスを含んでなり、そして前記方法が、前記リポジトリを該リモート記憶媒体を介して更新するステップをさらに含んでなる、請求項70に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項72】
前記アッセイシステムが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなるインターフェースを含んでなり、そして前記方法が、ベンダコンピュータシステムから該インターフェースに更新情報を受信するステップをさらに含んでなる、請求項69に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項73】
前記更新情報が前記インターフェースに自動的に送信される、請求項72に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項74】
コンピュータシステムにより実行したとき、該コンピュータシステムに機能的に接続されたアッセイシステムにおけるアッセイ消耗品の使用を追跡する方法をコンピュータシステムに行わせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、該アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムは:(a)ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェース、(b)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体、並びに(c)該消耗品識別子から情報を読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、
該方法は、以下の:
(a)消耗品データを該消耗品識別子から読み取るステップ[ここで該消耗品データ及びローカル消耗品データは、(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)該消耗品を使用したアッセイの実行において該システムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上のステップを含んでなる];
(b)該消耗品データを使用して、該システムのアッセイの実行において該アッセイ消耗品を使用するように該アッセイシステムを構成するステップ;
(c)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいてアッセイを実行するステップ;
(d)システム-消耗品使用情報を該記憶媒体に格納するステップ;並びに
(e)システム-消耗品使用情報を該ベンダコンピュータシステムに該インターフェースを介して送信するステップ
を含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項75】
前記ベンダコンピュータシステムが消耗品製造コンピュータシステムである、請求項74に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項76】
追加の消耗品データを前記インターフェースを介して受信するステップ(f)をさらに含んでなり、該追加の消耗品データは、アッセイシステムメンテナンス情報、システム-消耗品販売促進情報、システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又はそれらの組み合わせを含んでなる、請求項74に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項77】
コンピュータシステムにより実行したとき、アッセイシステムへの顧客のアクセスをシステムベンダにより制御する方法をコンピュータシステムに行なわせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、ここで該システムはシステム識別子を含んでなり、該方法は、以下の:
(a)該システム識別子を顧客から受信するステップ[ここで該システム識別子はベンダコンピュータシステムへ送信される];
(b)該システム識別子を該ベンダにより識別するステップ;並びに
(c)
(i)該装置及び/若しくは該装置において使用される消耗品へのフルアクセスを可能にする操作;
(ii)該装置及び/若しくは該装置において使用される消耗品への部分的アクセスを可能にする操作;又は
(iii)該装置及び/若しくは該装置において使用される消耗品へのアクセスを拒否する操作、
から選択される1つ又はそれ以上の操作を行うステップ、
を含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項78】
前記システムが、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含んでなるリモートインターフェースをさらに含んでなり、そして前記受信するステップ(a)が、前記システム識別子を該リモートインターフェースを介して受信することを含んでなる、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項79】
前記ベンダが、前記ベンダコンピュータシステムから前記インターフェースを介して前記システム識別子を受信する、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項80】
前記可能にするステップ(c)(i)が、前記ベンダから前記顧客にフルアクセスコードを送信し、それにより前記システムへのフルアクセスを可能にすることをさらに含んでなる、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項81】
前記可能にするステップ(c)(ii)が、前記ベンダから前記顧客に部分的アクセスコードを送信し、それにより前記システムへの部分的アクセスを可能にすることをさらに含んでなる、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項82】
前記部分的アクセスコードが、デモンストレーションモードでの前記システムの使用を可能にする、請求項81に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項83】
前記ベンダがシステム製造業者である、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項84】
前記ベンダがシステム販売業者である、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項85】
前記アッセイシステムが、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成され、そして前記ベンダが消耗品製造業者である、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項86】
前記アッセイシステムが、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成され、そして前記ベンダが消耗品販売業者である、請求項77に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項87】
コンピュータシステムにより実行したとき、消耗品データ及び消耗品についての消耗品データを生成し、維持する方法をコンピュータシステムに行なわせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、該方法は、
(a)該消耗品と関連付けられた消耗品データを含んでなるデータベースを生成するステップ[ここで該データベースは、該消耗品データを該消耗品と関連付けるために使用される情報を含んでなる];及び
(b)該データベースをサーバ上で維持するステップ、
を含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項88】
前記サーバが、マスター消耗品データディレクトリ、マスターシステム識別子ディレクトリ、顧客データディレクトリ、又はそれらの組み合わせを含んでなるディレクトリを含むマスターリポジトリを含んでなる、請求項87に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項89】
前記マスターリポジトリが、マスター消耗品データディレクトリ、及びマスターシステム識別子ディレクトリ、顧客データディレクトリ、又はそれらの組み合わせを含んでなる1つ又はそれ以上の補足ベンダディレクトリに対するインターフェースを含んでなる、請求項88に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項90】
コンピュータシステムにより実行したとき、消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法をコンピュータシステムに行なわせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、該方法は:
(a)該消耗品と関連付けられた消耗品データについて該顧客からクエリーを受信するステップ;及び
(b)電子メール添付ファイル、コンパクトディスク、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、ウェブデータストレージサービス、又はそれらの組み合わせを含んでなる媒体により該消耗品についての消耗品データを送信するステップ、
を含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項91】
コンピュータシステムにより実行したとき、消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法をコンピュータシステムに行なわせる、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体であって、該方法は:
(a)該消耗品と関連付けられた消耗品データについて直接的インターフェースを介して顧客システムからクエリーを受信するステップ[ここで該直接的インターフェースは、該顧客システムとベンダサーバとの間のインターネット接続を含んでなる];及び
(b)該消耗品についての消耗品データを該インターフェースを介して該顧客システムへ送信するステップ、
を含んでなる、上記コンピュータで読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第61/400,441号(2010年7月27日出願)及び同第61/462,024号(2011年1月27日出願)の利益を主張する。これらの出願のそれぞれの内容全体が参照により本明細書に加入される。
【0002】
発明の分野
本教示は、生物学的アッセイにおいて使用されるアッセイ消耗品と消耗品データを関連付けるための方法、デバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
アッセイを実行するための多数の方法及びシステムが開発されている。これらの方法及びシステムは、医療診断、獣医の検査、食物及び飲料の検査、環境モニタリング、製造品質管理、創薬及び基本的な科学的研究を含む種々の適用において必要なものである。生物学的アッセイにおいて使用される試薬及び他の消耗品の製造及び使用の間、試薬及び消耗品は典型的にはそれらを追跡するために製造者によりコード化されてラベルを付けられる。さらに、いずれか所定のアッセイの分析結果を理解するために無数の分析パラメーターを追跡しなければならず、しばしば製造者、顧客又はその両方により供給される種々の並行追跡システムからの入力を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
本発明は、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、このアッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そしてこのアッセイシステムは:(a)ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体;及び(b)消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで消耗品データ及びローカル消耗品データは、(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)消耗品を使用したアッセイの実行においてシステムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程を含んでなり、システムは、リポジトリの更新情報を受信するように構成されており、更新情報は、追加の消耗品データ、並びに:
(x)アッセイの実行中、及び/若しくは実行後に生成されるデータを分析するためにシステムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、
(y)アッセイシステムメンテナンス情報、
(z)システム-消耗品販売促進情報、
(xx)システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又は
(yy)それらの組み合わせ
を含んでなる少なくとも1つの消耗品データ型を含んでなる。
【0005】
一実施態様において、本発明のアッセイシステムは、ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェースを含む。
【0006】
本発明はまた、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを使用する方法を提供し、アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そしてこのアッセイシステムは:(a)ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体;及び(b)消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで消耗品データ及びローカル消耗品データは、(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)消耗品を使用したアッセイの実行においてシステムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程を含んでなり、システムは、リポジトリの更新情報を受信するように構成されており、この更新情報は、追加の消耗品データ、並びに(x)アッセイの実行中、及び/若しくは実行後に生成されるデータを分析するためにシステムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、(y)アッセイシステムメンテナンス情報、(z)システム-消耗品販売促進情報、(xx)システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又は(yy)それらの組み合わせを含んでなる少なくとも1つの消耗品データ型を含んでなり、
この方法は、以下の:
(a)消耗品識別子から消耗品データを読み取る工程;
(b)システムによるアッセイの実行前、実行中及び/又は実行後に、システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を消耗品データに基づいて調整する工程;
(c)アッセイ消耗品を使用してアッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;並びに
(d)リポジトリの更新情報を受信する工程
を含んでなる。
【0007】
さらに、システム/消耗品ベンダによるアッセイシステムの使用を可能にする方法も考慮され、このアッセイシステムは、アッセイ消耗品識別子を含んでなるアッセイ消耗品をアッセイの実行において使用するように構成されており、そしてアッセイシステムは、(a)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体;及び(b)消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここでシステム/消耗品ベンダは、消耗品データを含んでなるマスター消耗品データリポジトリを維持し;
この方法は、消耗品データのシステムにおける使用を可能にするために、消耗品データをマスター消耗品データリポジトリから顧客に提供する工程を含んでなる。
【0008】
なおさらに、本発明は、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを包含し、このアッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そしてこのアッセイシステムは:(a)ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェース、(b)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体、並びに(c)消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここでこの消耗品データは、
(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに
(ii)消耗品を使用するアッセイの実行においてシステムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程
を含んでなる。
【0009】
本発明の別の実施態様は、アッセイシステムにおけるアッセイ消耗品の使用を追跡する方法であり、このアッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そしてこのアッセイシステムは、(a)ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェース、(b)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体、並びに(c)消耗品識別子から情報を読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここで消耗品データ及びローカル消耗品データは、(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)消耗品を使用したアッセイの実行においてシステムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程を含んでなり、この方法は、以下の:
(a)消耗品識別子から消耗品データを読み取る工程;
(b)消耗品データを使用して、システムにおけるアッセイの実行におけるアッセイ消耗品の使用のためにアッセイシステムを構成する工程;
(c)アッセイ消耗品を使用してアッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;
(d)システム-消耗品使用情報を記憶媒体に格納する工程;及び
(e)システム-消耗品使用情報をインターフェースを介してベンダコンピュータシステムへ送信する工程
を含んでなる。
【0010】
アッセイシステムへの顧客のアクセスをシステムベンダにより制御する方法もまた包含され、ここでシステムはシステム識別子を含んでなり、この方法は以下の工程:
(a)システム識別子を顧客から受信する工程[ここでシステム識別子はベンダコンピュータシステムへ送信される];
(b)システム識別子を該ベンダにより識別する工程;並びに
(c)
(i)装置及び/若しくは装置において使用される消耗品へのフルアクセスを可能にすること;
(ii)装置及び/若しくは装置において使用される消耗品への部分的アクセスを可能にすること;又は
(iii)装置及び/若しくは装置において使用される消耗品へのアクセスを拒否すること
から選択される1つ又はそれ以上の操作を行う工程
を含んでなる。
【0011】
本発明のさらなる実施態様は、消耗品データ及び消耗品についての消耗品データを生成及び維持する方法であり、この方法は:
(a)アッセイの実行において使用される消耗品を製造すること;
(b)消耗品に関連する消耗品データを含んでなるデータベースを生成すること[ここでデータベースは、消耗品について消耗品データを関連付けるために使用される情報を含んでなる];及び
(c)データベースをサーバ上で維持すること
を含んでなる。
【0012】
さらに、本発明は、消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法を包含し、この方法は:
(a)消耗品に関連する消耗品データについて顧客からクエリーを受信すること;及び
(b)消耗品についての消耗品データを、電子メール添付ファイル、コンパクトディスク、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、ウェブデータストレージサービス、又はそれらの組み合わせを含んでなる媒体により送信すること
を含んでなる。
【0013】
なおさらに、本発明は、消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法を提供し、この方法は、
(a)消耗品に関連する消耗品データについて、直接的インターフェースを介して顧客システムからクエリーを受信すること[ここで直接的インターフェースは、顧客システムとベンダサーバとの間のインターネット接続を含んでなる];及び
(b)消耗品についての消耗品データを、インターフェースを介して顧客システムへ送信すること
を含んでなる。
【0014】
コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体もまた考慮され、このコンピュータプログラムは、アッセイシステムに機能的に接続されたコンピュータシステムにより実行された場合に、アッセイシステムにおいてアッセイを実行する方法をアッセイシステムに行うようにさせ、ここでこのアッセイシステムは、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されており、そしてこのアッセイシステムは:(a)ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体;及び(b)消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり;この方法は、以下の:
(a)アッセイ消耗品に関連する消耗品識別子から消耗品データを読み取る工程[ここで消耗品データ及びローカル消耗品データは:(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)消耗品を使用するアッセイの実行においてシステムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程を含んでなる];
(b)アッセイの実行前、実行中、及び/又は実行後に、システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を消耗品データに基づいて調整する工程;
(c)アッセイ消耗品を使用してアッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;並びに
(d)リポジトリの更新情報を受信する工程[更新情報は、追加の消耗品データ、並びに(x)アッセイの実行中及び/若しくは実行後に生成されたデータを分析するためにシステムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、(y)アッセイシステムメンテナンス情報、(z)システム-消耗品販売促進情報、(xx)システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報、又は(yy)それらの組み合わせを含んでなる少なくとも1つの消耗品データ型を含んでなる]
を含んでなる。
【0015】
さらなる実施態様において、本発明は、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体を提供し、このコンピュータプログラムは、コンピュータシステムにより実行された場合に、システム/消耗品ベンダによるアッセイシステムの使用を可能にする方法をコンピュータシステムに行うようにさせ、アッセイシステムは、コンピュータシステムに機能的に接続されており、かつアッセイ消耗品識別子を含んでなるアッセイ消耗品をアッセイの実行において使用するよう構成されており、そしてアッセイシステムは、(a)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体;及び(b)消耗品識別子から消耗品データを読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、ここでシステム/消耗品ベンダは、消耗品データを含んでなるマスター消耗品データリポジトリを維持し;この方法は、システムにおける消耗品の使用を可能にするためにマスター消耗品データリポジトリから消耗品データを受信する工程を含んでなる。
【0016】
特定の実施態様において、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体が提供され、このコンピュータプログラムは、コンピュータシステムにより実行された場合に、コンピュータシステムに機能的に接続されたアッセイシステムにおけるアッセイ消耗品の使用を追跡する方法をコンピュータシステムに行うようにさせ、アッセイ消耗品はアッセイ消耗品識別子を含んでなり、そしてアッセイシステムは:(a)ベンダコンピュータシステムへ、かつ/又はベンダコンピュータシステムから、消耗品データを送信及び/又は受信するように構成されたインターフェース、(b)ローカル消耗品データを含んでなる記憶媒体、並びに(c)消耗品識別子から情報を読み取るように適合された読み取り機を含んでなり、この方法は、以下の:
(a)消耗品データを消耗品識別子から読み取る工程[ここで消耗品データ及びローカル消耗品データは、(i)消耗品識別及び/又は構成情報、並びに(ii)消耗品を使用したアッセイの実行においてシステムにより適用され得るアッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程を含んでなる];
(b)消耗品データを使用して、システムにおけるアッセイの実行におけるアッセイ消耗品の使用のためにアッセイシステムを構成する工程;
(c)アッセイ消耗品を使用してアッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;
(d)システム-消耗品使用情報を記憶媒体に格納する工程;並びに
(e)システム-消耗品使用情報をベンダコンピュータシステムにインターフェースを介して送信する工程
を含んでなる。
【0017】
さらに、本発明は、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体を包含し、このコンピュータプログラムは、コンピュータシステムにより実行された場合に、アッセイシステムへの顧客のアクセスをシステムベンダにより制御する方法をコンピュータシステムに行うようにさせ、ここでシステムはシステム識別子を含んでなり、この方法は、以下の:
(a)システム識別子を顧客から受信する工程[ここでシステム識別子はベンダコンピュータシステムへ送信される];
(b)システム識別子をベンダにより識別する工程;並びに
(c)
(i)装置及び/若しくは装置において使用される消耗品へのフルアクセスを可能にすること;
(ii)装置及び/若しくは装置において使用される消耗品への部分的アクセスを可能にすること;又は
(iii)装置及び/若しくは装置において使用される消耗品へのアクセスを拒否すること
から選択される1つ又はそれ以上の操作を行う工程
を含んでなる。
【0018】
なおさらに、本発明は、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体を包含し、このコンピュータプログラムは、コンピュータシステムにより実行された場合に、消耗品データ及び消耗品についての消耗品データを生成及び維持する方法をコンピュータシステムに行うようにさせ、この方法は、
(a)消耗品に関連する消耗品データを含んでなるデータベースを生成すること[ここでデータベースは、消耗品データを消耗品と関連付けるために使用される情報を含んでなる];及び
(b)データベースをサーバ上で維持すること
を含んでなる。
【0019】
コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体もまた考慮され、このコンピュータプログラムは、コンピュータシステムにより実行された場合に、消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法をコンピュータシステムに行うようにさせ、この方法は:
(a)消耗品に関連する消耗品データについて顧客からクエリーを受信すること;及び
(b)電子メール添付ファイル、コンパクトディスク、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、ウェブデータストレージサービス、又はそれらの組み合わせを含んでなる媒体により消耗品についての消耗品データを送信すること
を含んでなる。
【0020】
さらに、本発明は、コンピュータプログラムが格納されている、コンピュータで読み取り可能な媒体を包含し、このコンピュータプログラムは、コンピュータシステムにより実行された場合に、消耗品についての消耗品データを顧客に提供する方法をコンピュータシステムに行うようにさせ、この方法は:
(a)消耗品に関連する消耗品データについて直接的インターフェースを介して顧客システムからクエリーを受信すること[ここで直接的インターフェースは、顧客システムとベンダサーバとの間のインターネット接続を含んでなる];及び
(b)消耗品についての消耗品データをインターフェースを介して顧客システムへ送信すること
を含んでなる。
【0021】
好ましい実施態様において、アッセイ消耗品はアッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含んでなり、そして好ましくは、この試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、これらのドメインのうち少なくとも2つは、異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる。試験サイトはアッセイ消耗品におけるウェル及び/又はチャンバーであってもよい。1つの特定の実施態様において、アッセイ消耗品は複数のウェルを含んでなり、そして消耗品は、プレート上部、プレート底部、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気接続、乾燥アッセイ試薬及び/若しくは液体アッセイ試薬、又はそれらの組み合わせを含んでなる少なくとも1つの要素をさらに含む。あるいは、又はさらに、アッセイ消耗品はフローセルを含んでなり、そして消耗品は、1つ若しくはそれ以上の流体構成要素、1つ若しくはそれ以上の検出構成要素、1つ若しくはそれ以上のアッセイセル、アッセイを行うための試薬、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気接続、乾燥アッセイ試薬及び/若しくは液体アッセイ試薬、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの要素をさらに含んでなるカートリッジであり得る。この実施態様において、カートリッジは、複数の別個のアッセイドメインを含む少なくとも1つのアッセイセルを含んでなり、これらのドメインの少なくとも2つは、異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる。なおさらに、アッセイ消耗品は1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を収容するように適合された容器であり得る。
【0022】
本発明は、アッセイシステムにおける消耗品に関連した消耗品データを送信、受信、及び利用するように構成された、システム、方法、及びコンピュータで読み取り可能な媒体を提供する。一実施態様において、消耗品データは、(i)アッセイ消耗品、(ii)消耗品内の1つ若しくはそれ以上の試験サイト、(iii)消耗品に使用されているか、若しくは使用されることになる試薬及び/若しくはサンプル、又は(iv)それらの組み合わせを含む少なくとも1つの要素を識別するために使用される情報を含んでなる。なおさらに、消耗品データは消耗品内の第一の試験サイトを、消耗品内の異なる試験サイトと区別するために使用される。
【0023】
さらに、消耗品データは、ロット識別情報、ロット固有分析パラメーター、製造プロセス情報、原材料情報、有効期限、較正データ、閾値情報、アッセイ消耗品の1つ若しくはそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/若しくはサンプルの位置、製品安全データシート(MSDS)情報、又はその組み合わせを含んでなる消耗品情報であり得る。
【0024】
なおさらに、消耗品データは、アッセイ消耗品の少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置、サンプルについてアッセイ消耗品で得られたアッセイ結果、アッセイ消耗品においてアッセイされているサンプル及び/若しくはアッセイされることになるサンプルのアイデンティティ、又はそれらの組み合わせを含んでなるサンプル情報を含む。さらに、消耗品データはまた、サンプルの管理、移送、分析、又はそれらの組み合わせに関する情報を含むがこれらに限定されない管理の連鎖情報(chain of custody information)を含む。さらに、管理の連鎖情報は、顧客識別、アッセイについての時間及び日付のスタンプ、アッセイ中のアッセイシステムの位置、アッセイ中のアッセイシステムの較正及びQC状況、アッセイの実行前及び実行後のアッセイ消耗品についての管理及び/若しくは位置情報、サンプルについてのアッセイ結果;アッセイ消耗品の製造中の1つ若しくはそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員若しくは処理パラメーター;アッセイ消耗品の製造後及び/若しくは製造中の工程間のアッセイ消耗品についての保管、位置及び/又は貯蔵条件;又はそれらの組み合わせも含む。
【0025】
なおさらに、消耗品データは、消耗品の型及び構造、アッセイ消耗品と共に含められるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ、アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ、又はそれらの組み合わせを含んでなる消耗品/試験サイト情報を含む。
【0026】
アッセイ中に読み取り機により適用されるべきアッセイパラメーター、アッセイ中に読み取り機により適用されるべき工程の順序、アッセイ中に使用されるべき若しくは添加されるべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/若しくは量、アッセイ中に読み取り機により適用されるべきかつ/若しくは測定されるべき光の種類若しくは波長、アッセイ中に読み取り機により適用されるべき温度、アッセイについてのインキュベーション時間、アッセイ中に収集された生データに対して読み取り機により適用されるべき統計若しくは分析方法、又はそれらの組み合わせを含んでなるアッセイプロセス情報を含む消耗品データも考慮される。特定の実施態様において、システムで実行されるアッセイは多段階アッセイであり、そしてアッセイプロセス情報は、多段階アッセイの1つ又は複数の工程に関するものである。従って、消耗品/試験サイト情報は、消耗品の1つ若しくはそれ以上の試験サイトで読み取り機により予め行われたアッセイに関する情報;消耗品内の1つ若しくはそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り機若しくはその構成要素により行われるべきアッセイに関する情報;又はそれらの組み合わせを含んでなる。
【0027】
さらに、消耗品データはまた、アッセイ消耗品認証に関する情報;システムにおけるアッセイ消耗品の適切な配置及び/若しくは配向に関する情報;アッセイ消耗品及び/若しくはその試験サイトにおける欠陥に関する情報;又はそれらの組み合わせを含んでなる消耗品セキュリティー情報を含む。
【0028】
消耗品データは、1つ若しくはそれ以上のセンサー;アッセイ消耗品をシステム中に、かつシステムから輸送するための機構;アッセイ消耗品をシステム中の1つ若しくはそれ以上のセンサー及び/若しくは電気的、機械的若しくは流体のインターフェースと整列させ、かつ方向を合わせるための機構;アッセイ消耗品を追跡及び/若しくは識別するための機構、電子機器若しくはソフトウェア;1つ若しくはそれ以上の消耗品を貯蔵、積み重ね、移動及び/若しくは分配するための機構;又はそれらの組み合わせを含んでなるアッセイシステムの少なくとも1つの構成要素の操作を調整するために、システムにより使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】消耗品データ及び消耗品製造業者による消耗品データの生成及び保存を示す。
【
図2】消耗品データについてのクエリーに応じた顧客への消耗品データの分配を示す。
【
図3】アッセイシステムにおける消耗品の許可された使用を確認するための消耗品データの使用を示す。
【
図4】CDサーバ上のマスターリポジトリ、その内容、及び/又はさらなるベンダディレクトリとのインターフェースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
様々な実施態様の詳細な説明
本明細書において別の定義がなければ、本発明に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈により別に要求されていなければ、単数形の用語は複数を含むものとし、かつ複数形は単数形を含むものとする。冠詞「a」及び「an」は本明細書において、その冠詞の文法上の目的語の1つ又は1つより多く(すなわち少なくとも1つ)を指す。例として、「要素(an element)」は1つの要素又は1つより多い要素を意味する。
【0031】
本発明において使用されるアッセイ消耗品及びシステムは様々なデバイス及び構成を含む。一実施態様において、本発明において使用されるアッセイシステムは、アッセイ消耗品を使用して生物学的アッセイを実行できるアッセイ読み取り機を含む。アッセイ消耗品は識別子(あるいは明細書の全体を通して識別子、消耗品識別子、又はアッセイ消耗品識別子と呼ばれる)を含んでなり、そしてアッセイシステム、読み取り機又はその構成要素は、識別子と相互作用する識別子コントローラーを含んでなる。本明細書の以下に記載されるように、識別子はアッセイ消耗品に関する情報を含み、この情報には、限定されないが、消耗品が使用前にどのように製造され扱われたか、そして消耗品がアッセイシステムにおいてどのように使用されるか(集合的に「消耗品データ」と呼ばれる)が含まれ得る(cancan)。従って、本アッセイシステムはアッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されており、そしてアッセイシステムは(i)アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;並びに場合により、(ii)アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;及び/又は(iii)アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むことに適合された読み取り機を含む。
【0032】
特定の実施態様において、本発明はアッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、ここでこのアッセイ消耗品は本明細書に記載されるようなアッセイ消耗品識別子を含み、そしてこのアッセイシステムは、(a)消耗品データリポジトリを含んでなる記憶媒体;及び(b)消耗品識別子から情報を読み取るように適合された読み取り機を含む。一実施態様において、システムは、ローカル消耗品データを含んでなる消耗品データリポジトリを含む記憶媒体を含んでなる。アッセイシステムに保存されたローカル消耗品データは、消耗品識別及び/又は構成情報、並びに消耗品を使用したアッセイの実行においてシステムにより適用され得る(cancan)アッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程を含む。例えば、アッセイ消耗品識別子は、特定の消耗品を識別するために使用され得る情報、例えば所定のロットの消耗品についてのロット固有情報及び/又は個々の消耗品に固有の情報を含み、そしてアッセイシステムに保存された対応するローカル消耗品データは、システムと関連した消耗品を、例えば所定のロットのメンバーとして、又はロット内の個々の消耗品として識別するために使用される情報を含み、そしてこれには、消耗品が識別されれば、その消耗品を使用してアッセイプロトコルを行うためにシステムにより使用される情報も含まれる。なおさらに、消耗品データ(及び/又はローカル消耗品データ)は、その消耗品、システム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報又はそれらの組み合わせを使用して生成されたデータを分析するためにシステムにより適用され得る1つ又はそれ以上の分析ツールを含み得る。さらに、システムはまた、リモート記憶媒体から消耗品データリポジトリに更新情報を受信するよう構成され得、ここでこれらの更新情報は追加の消耗品データを含み、これには、限定されないが、追加の消耗品識別及び/又は構成情報、アッセイプロトコル情報、並びに以下のうちの1つ又はそれ以上が含まれる:(x)アッセイの実行中及び/又は実行後に生成されたデータを分析するためにシステムにより適用され得る1つ又はそれ以上の分析ツール、(y)アッセイシステムメンテナンス情報、(z)システム-消耗品販売促進情報、並びに(xx)システム及び/又は消耗品の技術サポート情報。
【0033】
システムにおける識別子/消耗品データの使用が
図1~4において説明される。
図1は、消耗品データが、製造業者、販売業者、又は供給業者(本明細書では「ベンダ」と呼ばれる)によりどのように生成され、保存され、そして使用されるかを示す。最初に、ベンダは消耗品及び/又は一組の消耗品若しくは消耗品のロット(101)を生成し、そしてその消耗品又は消耗品のロットについて、消耗品データ(CD)作製システム(102)を使用して消耗品データを生成し、そして消耗品又は消耗品のロットと関連付けられた消耗品識別子(103)に格納する(工程i)。消耗品データは、個々の消耗品及び/又は消耗品のロットの製造及び/若しくは分配前、製造及び/若しくは分配中、及び/又は製造及び/若しくは分配後に、消耗品ベンダにより生成される。CD作製システムは、その消耗品又はロットについてのCD情報のデータベース、すなわちCDデータベースを作成し、これに消耗品データが保存される。CDデータベースは、全ての消耗品データのマスターリポジトリを含むCDサーバ(104)に送信される。さらに、CD作製システムは、所定の消耗品識別子をマスターリポジトリ中の消耗品データと関連付けるために使用される情報を格納する。CD作製システム及び/又はCDサーバは、リモートコンピュータシステム、すなわちアッセイシステム及び/又は顧客若しくは顧客から離れているコンピュータシステム、例えばベンダにより維持されるサイトに位置する。従って、
図1に示されるように、ベンダは消耗品又はロット(a)について消耗品データを生成し、そしてその情報をその消耗品又はロットに関連付けられた消耗品識別子(b)に格納する。CDシステムはまた、(工程ii)CDデータベースを生成し;(工程iii)消耗品データをCDデータベースに保存し;そして(工程iv)CDデータベースをCDサーバ(c)(これは全ての消耗品データのマスターリポジトリを含む)に送信する。
【0034】
図2は、消耗品データを、顧客又は顧客の指定されたユーザー(本明細書では集合的に「顧客」と呼ぶ)に分配する1つの方法を説明する。顧客から注文を受け取った際、又は消耗品若しくはロットが製造された場合に(工程i)、ベンダはCDデータベースを生成し、保存し、そしてCDサーバ(201)に送信する(工程ii)。CDデータベースは、注文達成情報、すなわち所定の顧客についての注文の全ての構成要素が顧客に供給されたことをシステムが確認できるようにする、所定の顧客についての注文の構成要素の要約を含み得る。顧客は、消耗品識別子(203)を含む消耗品(202)を受け取り、そしてアッセイの実行に備えて消耗品をアッセイ(204)と接触させ(工程iii)、システムはアッセイ消耗品識別子(203)に保存された情報を読み取り、そしてその情報は消耗品(202)を識別するためにシステムにより使用される(工程iv)。システムは、記憶媒体に保存された消耗品データが所定の消耗品を使用したアッセイの実行のために使用され得ることを確認するために、ローカル記憶媒体(
図2では「ローカルCD」と呼ばれる)においてシステムにローカルで保存された消耗品データを見直す。記憶媒体がその消耗品又はロットについての消耗品データを含む場合、それらの消耗品はシステムで使用され得る(工程v)。記憶媒体がその特定の消耗品又は消耗品のロットについての消耗品データを含まない場合、システムは顧客にその消耗品データについて問い合わせすることができ、そして顧客は、必要な消耗品データを、例えば電子メール、コンパクトディスケット、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブ、ウェブデータストレージサービスなどを介して受信するためにベンダと連絡を取ることができる(工程vi)。ベンダは消耗品データのバイナリファイル(限定されないが、暗号化されたXMLファイルを含む)を顧客に、例えば電子メール添付ファイルとして顧客の電子メールアカウントに送信し、顧客はそのファイル添付物をアッセイシステムにロードし、そしてシステムソフトウェアは消耗品データをローカルシステムの消耗品データリポジトリに格納する。次いで、消耗品/消耗品のロットを機器において使用することができる(工程vii)。
【0035】
代替の実施態様において、CDサーバは直接的インターフェースを介してシステムに接続され得、この直接的インターフェースは消耗品データを、それがローカルでシステム上で入手可能でない場合にCDサーバから自動的に入手することができる。この実施態様において、
図2に示され、かつ上で記載されるように、ベンダは消耗品注文及び/又は消耗品のロットについてCDデータベースを生成し、保存し、そしてCDサーバに送信する。その後、顧客は消耗品、注文及び/又はロットを受信し、そしてシステムに消耗品識別子を接触させてシステムが消耗品又はロットを識別できるようにする。システムソフトウェアはその消耗品識別子と関連付けられた消耗品データについてシステムの消耗品データリポジトリに問い合わせし、そしてその消耗品データがローカルでシステム上にて入手可能な場合、ソフトウェアは必要ならば消耗品データに基づいてシステムを調整する。消耗品データがシステム消耗品データリポジトリに存在しない場合、システムは(i)顧客に手動で消耗品データをベンダから入手するように指示するか、又は(ii)自動的に、CDサーバとの直接的インターフェースを介して消耗品データをCDサーバから入手し、そしてその情報をローカルでシステム消耗品データリポジトリに格納する。消耗品データがローカルでシステム上で入手可能になれば、ソフトウェアは必要ならば消耗品データに基づいてシステムを調整し、そしてアッセイを実行する。消耗品データがローカルでシステム上で入手可能になれば、消耗品又はロットは、アッセイを実行し、そしてアッセイ結果を顧客に提示するためにシステムにおいて使用され得る。特定の実施態様において、システムソフトウェアは消耗品データに基づいて顧客への出力を調整する。
【0036】
さらに、CDサーバは新しい消耗品のロット/消耗品の型について定期的に消耗品データを顧客のアッセイシステムへ、例えば電子メール、CD、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブを介して、かつ/又はシステムとCDサーバとの間のリモートインターフェースを介して送信し得る。記憶媒体は、消耗品データを含む消耗品データリポジトリを含んでなり、そしてアッセイシステムは、リモート記憶媒体から、例えば電子メール、CD、メモリーカード/スティック、フラッシュドライブを介して、かつ/又はリモートインターフェースを介してリポジトリに更新情報を受信するように構成される。
【0037】
図3は、システムソフトウェアによる消耗品データの照合及びその手順の結果を示す。最初に、顧客は消耗品識別子(302)を備えた消耗品(301)をシステム(303)に挿入し(又は別の方法では消耗品識別子をシステム上のコントローラーと接触させる)、そしてシステムソフトウェアは、消耗品識別子(302)を介して消耗品を識別する。システムはその識別子を、システムリポジトリにローカルで保存された消耗品データと関連付けようと試みる。消耗品データが確認され、かつ有効である場合、システムは消耗品を処理してその処理工程の結果を顧客に提示する。しかし消耗品データが無効であるか又は確認できないものである場合、消耗品はシステムに処理されるが、その分析結果は提示されないか、またはそうでなければ消耗品データがシステムソフトウェアにより確認されるまで顧客に利用可能にならない。
【0038】
さらに本発明は、アッセイシステム及び/又はアッセイ消耗品への顧客のアクセスをベンダにより制御する方法を提供し、このシステムはシステム識別子を含んでなり、そしてこの方法は、システム識別子を顧客から受信すること[ここでシステム識別子はベンダコンピュータシステムへ送信される];システム識別子をベンダにより識別すること;並びに
(i)装置及び/若しくは装置において使用されるアッセイ消耗品へのフルアクセスを可能にすること;
(ii)装置及び/若しくは装置において使用されるアッセイ消耗品への部分的アクセスを可能にすること;又は
(iii)装置及び/若しくは装置において使用されるアッセイ消耗品へのアクセスを拒否すること
を含んでなる操作を行うことを含む。
【0039】
システム識別子は、アッセイシステムを一意的に識別する情報、例えばシリアル番号又はアッセイシステムを識別するためにベンダにより生成及び使用される他の識別コードを含む。システム識別子は、製造過程中に若しくは製造過程後に、かつ/又は顧客への発送若しくは移送のための準備をしているときにベンダにより生成される。
【0040】
一実施態様において、フルアクセス又は部分的アクセスのいずれかのアクセスを可能にする工程は、ベンダから顧客にアクセスコードを送信し、それによりシステムへのアクセスを可能にする工程を含む。このアクセスコードは、システムにおける様々な機能を使用可能にするフルアクセスコードでも部分的アクセスコードでもよい。一実施態様において、アクセスコードは、システムがデモンストレーションモードで作動することを可能にする部分的アクセスコードである。部分的アクセスコードは期間限定であり得る。あるいは、アクセスコードは、システムを完全に操作可能にすることを可能にするフルアクセスコードであり得る。
【0041】
図4に示されるように、CDサーバ(401)は、(i)消耗品データ;(ii)システムデータ;及び(iii)顧客データの1つ又はそれ以上のディレクトリを含んでなるマスターリポジトリ(402)を含む。さらに、またあるいは、ディレクトリ(i)~(iii)に含まれるか又はそれ以上(contained in or more)のデータは、CDサーバと1つ又はそれ以上の補足ベンダディレクトリとの間のインターフェースによりマスターリポジトリに供給され得る。一実施態様において、マスターリポジトリは、(i)マスター顧客データディレクトリ(403);(ii)マスターシステム識別子ディレクトリ(404);及び(iii)マスター顧客データディレクトリ(405)を含んでなる。好ましい実施態様において、顧客データは、インターフェースを介してCDサーバへ、顧客データを保持している補足ベンダ-顧客ディレクトリに供給される。顧客データは、1つ又はそれ以上の補足ベンダ-顧客ディレクトリに保存され得、これらはそれぞれインターフェースを介してCDサーバに接続されている。マスターCDデータベースは複数のCDディレクトリを含んでなり、これらはそれぞれ消耗品又は消耗品のロットに対して生成される。マスターシステム識別子ディレクトリは、ベンダにより製造及び/又は分配された各システムに固有のシステム識別子を含む。そしてCDサーバと連動したマスター顧客ディレクトリ及び/又は補足ベンダ-顧客ディレクトリは、ベンダの各顧客に関する情報、例えば顧客及びその顧客における個人の顧客についての連絡先、課金情報、価格設定情報、配送情報、注文履歴などを含む。
【0042】
特定の実施態様において、システムが製造され、かつ/又は配送の準備をされる場合、ベンダはそのシステムのシステム識別子を生成する。システム識別子は、マスターシステム識別子ディレクトリに保存されるか、又は補足ベンダディレクトリとのCDサーバへのインターフェースを介して利用可能である。システムが顧客により注文される場合、注文情報、例えば購入注文、関連する見積もり、価格設定、販売又は賃貸の諸条件、関連するサービスの合意など、並びに顧客情報は、CDサーバと連動したマスター顧客ディレクトリ及び/又は1つ若しくはそれ以上の補足ベンダ-顧客ディレクトリに保存される。これに関連して、そのシステムに固有のシステム識別子は、マスターリポジトリにおいてそのシステムを購入した顧客と関連付けられ、さらにその顧客による関連した購入に関する情報にも関連付けられる。そのシステムの顧客への配送情報もまた顧客ディレクトリ(単数又は複数)において利用可能であり、そしてシステムが顧客に配送されれば、配送確認を受信し、そのコピーもまた顧客ディレクトリに保存される。顧客はシステムを受け取り、そして好ましい実施態様において、設置及びそのシステムでの研修が完了すれば、必要ならば、システムソフトウェアは、システムとCDサーバとの間のリモートインターフェースを介してCDサーバに接続し、それら2つの間の相互作用を可能にする。システムは、そのシステムの設置、及び研修が首尾よく完了したことを確認するために最初にCDサーバに接続し、そしてCDサーバはその確認を記録する。あるいは、リモート接続がシステム上で使用可能でない場合、システムが設置され、そして研修が完了すれば、顧客は確認コード、システムログイン、及び/又は電子メールアドレスをシステムから受け取り、そして顧客は確認コード、システムログイン及び/又は電子メールを介してCDサーバにログインでき、それにより顧客にCDサーバへのログインを提供し、これによりシステムとCDサーバとの間の直接的接続なしに分離したベンダ-顧客のインターフェースがもたらされる。この分離したベンダ-顧客のインターフェースは、パスワードを介して顧客がアクセス可能なベンダが提供するウェブサイト上のポータルであり得、かつ/又は顧客及びCDサーバは顧客とCDサーバとの間で電子メールを送信及び受信するように構成された電子メール交換サーバを介して通信することができる(集合的に顧客とCDサーバとの間の「間接的インターフェース」と呼ぶ)。従って、ベンダは直接的システム-CDインターフェース(「直接的インターフェース」と呼ぶ)を介して、かつ/又は間接的インターフェースを介して顧客と通信することができる。上記のように、次いで顧客は消耗品を購入することができ、システムは消耗品識別子を読み取り、そして消耗品データがローカルで保存されることを確認し、必要ならば、CDサーバから消耗品データを直接的又は間接的に受信し、次いでシステムはその消耗品又はロットを使用することが可能になる。
【0043】
顧客及びベンダが直接的又は間接的インターフェースを介して通信する手段を有するようになれば、顧客及びベンダは様々な方法で交流することができ、そしてベンダは顧客により購入及び/又は使用されたシステム及び消耗品についての顧客に固有の使用情報を追跡する能力を有するので、当事者間の通信はより有意義で生産的なものであり得る。例えば、顧客は直接的又は間接的インターフェースを介して、ベンダの製品を閲覧及び/又は購入することができ、顧客支援を受けることができ、サービスコール(service call)の予定を入れることなどができる。ベンダは消耗品識別子/CDサーバを介して顧客の活動及び購入を非常に密接に追跡することができるので、ベンダはその情報に基づいて顧客とのその交流を調整することができる。例えば、ベンダは顧客の注文履歴を承知しているので、ベンダは顧客が過去に購入/使用した製品に関連する製品について顧客に販売促進資料を送ることができる。同様に、ベンダは顧客のシステムに関連する情報を追跡することができるので、ベンダは顧客に、予防的なメンテナンスの助言及びリマインダー、顧客に固有の必要性に基づいた一般的又は具体的な顧客研修及びセミナー(そしてその顧客について消耗品データを追跡することにより知らせられる)、並びにシステムサービスに関する情報、保証修理、サービス契約情報及びリマインダーなどを送ることができる。
【0044】
一実施態様において、ベンダはアッセイ顧客による消耗品の使用を追跡し、そしてアッセイシステムに保存された消耗品データはシステム-消耗品使用情報を含む。消耗品使用の追跡を容易にするために、アッセイシステムは、システム-消耗品使用情報を直接的又は間接的にCDサーバに送信するように構成される。直接的インターフェースがシステムとCDサーバとの間で使用可能である場合、システム-消耗品使用情報は自動的に送信され得る。しかし、直接的インターフェースが使用可能でない場合、システム-消耗品使用情報は顧客からCDサーバに間接的に提供され得る。この実施態様において、システムはシステム-消耗品使用情報を間接的インターフェースを介してベンダに提供するように定期的に顧客に指示する。ベンダは消耗品の使用を追跡するために顧客消耗品情報のディレクトリを維持し得、そしてそのディレクトリからの情報は、以前の消耗品及び/又はシステムの使用に基づいて顧客に関連し得る消耗品データを、直接的又は間接的インターフェースを介して送信するために使用される。直接的インターフェースが使用可能である場合、アッセイシステムは、個々の顧客の以前の消耗品及び/又はシステムの使用に関連するアッセイシステムメンテナンス及び/又は販売促進情報をベンダコンピュータシステムから受信するように構成され得る。
【0045】
ベンダはまた、例えば、システム及び/若しくはシステム構成要素の利用、サービス履歴、システムトラブルシューティング情報、システムで実行された診断の結果、管理図(control charting)、定期メンテナンススケジュール、システム及び/若しくはその構成要素に関する保証情報、又はそれらの組み合わせをモニタリングして、システムメンテナンス情報を追跡し、かつ/又は顧客に伝えることができる。システムソフトウェアは、システムの様々な構成要素をモニタリングし、そして自動的に又は指示された場合に、リモートコンピュータシステム及び/又はサービス技術者にモニタリングレポートを送信するようにプログラムされ得る。直接的インターフェースが使用可能でない場合、システムはモニタリングレポートをCDサーバに間接的インターフェースを介して送るように顧客に指示することができる。さらに、又はあるいは、このようなシステムモニタリングレポートは、現場で又はリモートからシステムを維持し、かつ/又はシステムにサービス提供する仕事を担当しているサービス技術者によりアクセスされ得る。直接的インターフェースが使用可能である特定の実施態様において、CDサーバはシステム構成要素の利用及び/又は保証情報をモニタリングし、そして標準的なシステム構成要素の寿命及び/又は保証期間に基づいて、サービス技術者による定期的なシステム/構成要素のメンテナンス及び/又はアップグレードの予定を決める。さらに、CDサーバは所定のアッセイシステムについてのサービス履歴のログを保持し得、そしてサービス技術者によるサービスコールの予定を決定し得る(これは直接的又は間接的インターフェースのどちらを使用して行われてもよい)。リモートコンピュータシステムはまた、個々のアッセイシステムソフトウェアアップグレードを直接的又は間接的インターフェースを介して送信することができる。
【0046】
さらに、以下のシステム構成要素及び/又は行動の1つ又はそれ以上は、システムソフトウェアによりモニタリングされ得、これらとしては、限定されないが、通常の利用中に予期されるモーターの位置、それぞれの予期されるモーター位置についての位置誤差、モーター位置決め誤差の場合にシステムによりとられた修正行動及び/又は試みられた修正行動、並びにエラー頻度;構成要素の利用量、例えば構成要素がシステムにおいて作動中であったおよその時間が挙げられ、そして好ましい実施態様において、システムはまた、通常使用条件下でのその構成要素の相対的寿命;ロック機構の試行、再試行、及び失敗;バーコード読み取り機の試行、再試行及び失敗;システム中の1つ又はそれ以上の構成要素のおよその温度、エラー警告、データベース性能及び容量、機器のハードディスク容量、ソフトウェア及びファームウェアのバージョン及びパッチ、顧客のログイン/ログアウト、システム起動及びシャットダウンなどを追跡する。アッセイ消耗品を使用した電気化学発光測定を実行するように設計されたシステムを含む特に好ましい実施態様において、システムソフトウェアはまた、カメラが作動中であった時間及びおおよその温度、システム内のラッチの使用周期、バーコード読み取り機の試行、再試行、及び失敗、消耗品のロック及びアンロック事象、ECL波形電圧及び統合電流、画像処理分析精度及び失敗、消耗品の型、キット、所有者、バーコード、及びシステムにおける各消耗品のタイムスタンプ、又はそれらの組み合わせをモニタリングするようにプログラムされ得る。なおさらに、システムソフトウェアはまた、システムにおいて実行された実験を、例えばいつ、誰により、そしてどの型の消耗品(単数又は複数)がその実験で使用されたかをモニタリングすることもできる。このようなシステム-使用モニタリング情報は、ベンダがそのシステムでの適切なサポート、サービス、及び/又はメンテナンスの予定を決定することを可能にするために、直接的及び/又は間接的インターフェースを介してCDサーバに送信され得る。
【0047】
別の実施態様において、アッセイシステムの使用を追跡することにより、ベンダは使用及び/又は購入の援助を提供することができる。例えば、ベンダは消耗品の使用及び購入の履歴を追跡することができ、そして所定のロット又は消耗品についての消耗品データに基づいて、ベンダは所定のロット又は消耗品の期限切れのデータをモニタリングし、そしてロット又は消耗品について近づいている有効期限を顧客に通知することができる。アッセイシステム/消耗品型の使用を追跡することにより、ベンダが消耗品の使用の相対的なスケジュール/頻度を追跡し、そして顧客の消耗品の蓄えを補充する必要があるということを顧客に通知することも可能になる。直接的インターフェースが使用可能である場合、システムはまた、消耗品を注文/再注文するように構成され得、そしてシステムはさらに、ベンダから消耗品の注文を追跡及び確認するように構成され得る。直接的インターフェースが使用可能でない場合、システムは消耗品の使用及び在庫をモニタリングし得、そして顧客に1つ又はそれ以上の消耗品の蓄えを補充するように顧客に指示し得る。(これに関連して、システムは消耗品識別子を介してロットサイズ情報を受信し、そして消耗品利用量をモニタリングすることにより、所定のロットにおける利用可能な消耗品の蓄えが最少レベルまで減少した場合に、顧客を指示することができる。)さらに、消耗品の使用を追跡することにより、顧客の注文/消耗品使用履歴に基づいて、特定のカスタムの消耗品型のためのカスタムのアッセイデザインサービスに関する情報を顧客に送ることができる。直接的又は間接的なインターフェースはまた、研修モジュール、コンサルティングサービス、及び/又は顧客の体験を容易にするための生の顧客サービス支援機能(すなわちライブチャット(live-chatting))を顧客に提供することもできる(集合的にシステム及び/又は消耗品の技術サポート情報と呼ぶ)。
【0048】
別の実施態様において、消耗品/システムの使用を追跡することにより、ベンダが顧客に販売促進資料を送信することが可能となり、例えば、所定の最終顧客(end-customer)により歴史的に使用された消耗品の新しい型又はロットの場合に、ベンダコンピュータシステムは、それらの新しい製品に関する消耗品データを顧客に送信する。このような販売促進資料はまた、その顧客の以前の利用に基づいて顧客が興味を持つかもしれない新しいアッセイシステムに関連するものであり得る。リモートコンピュータシステムはまた、所定の顧客により使用される1つ又はそれ以上の消耗品/システムに関連し得る文献参考資料を顧客に送信し得る。
【0049】
これらの消耗品データ及び消耗品データの他の具体的な例は、本明細書において以下でより詳細に記載される。
【0050】
アッセイシステム、消耗品、及び使用方法
本発明により考慮されるアッセイシステムは、当該分野で公知のいずれかの種類の診断方法又は分析方法を実行するために使用される。このような分析方法としては、限定されないが、臨床的化学アッセイ(例えば、pH、イオン、ガス及び代謝物の測定)、血液学的測定、核酸増幅アッセイ(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びリガーゼ連鎖反応アッセイ)、イムノアッセイ(例えば、直接、サンドイッチ、及び/又は競合イムノアッセイ、並びに血清学的アッセイ)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、及び核酸ハイブリダイゼーションアッセイが挙げられる。このような分析方法において使用されるかもしれないいずれの生物学的試薬も上記システムにおいて使用され得、これらとしては、限定されないが、核酸、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA、プライマー、プローブ、抗体又はそのフラグメント、抗原、小分子、例えば薬物又はプロドラッグ、ストレプトアビジン、アビジン、及びビオチンが挙げられる。
【0051】
これらのシステムはポータブルであってもよく、例えば単独又は1つ若しくはそれ以上のさらなる構成要素、アッセイデバイス若しくはシステムと組み合わせて、手で持って操作できかつ/又は固定された実験室若しくは現場環境内で操作され得る。これらのシステムは、限定されないが、医学的、臨床的、法医学的、薬学的、環境、獣医学的、生物学的、化学的、農業、廃棄物管理、有害化学品、薬物の試験を含む、現場作業から実験室環境までの様々な適用において、広範な種々の産業において、及び防衛上の適用において、例えば生物兵器剤の検出のために使用され得る。本発明において使用されるアッセイシステム及び消耗品は、光学的、電気機械的、電波、電磁気的、比色分析、蛍光分析、化学発光、電気化学発光、放射化学的、核磁気共鳴、酵素的、蛍光、粒子計数及び細胞計数ベースの検出を含むがこれらに限定されないいずれかの適切な方法により目的の被検体を検出し得る。
【0052】
アッセイ消耗品は、アッセイ過程のうち1つ又はそれ以上の工程が実行されるデバイスを含み、このようなデバイスは、アッセイ測定が実行される1つ又はそれ以上の試験サイトを含んでいてもよい。一実施態様において、アッセイ消耗品はアッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含む。試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含んでいてもよく、ドメインのうち少なくとも2つは異なる被検体を測定するための試薬を含む。なおさらに、消耗品は複数の個々のアッセイのための複数の試験サイトを含んでいてもよい。あるいはアッセイ消耗品は、試薬を提供する構成要素又はアッセイを実行するためにシステムにより使用される他のアッセイ構成要素であり得る。例えば、アッセイ消耗品はアッセイ試薬を保持するための1つ又はそれ以上の区画を有する容器であり得る。アッセイ消耗品(又はその中の試験サイト)は単回使用であってもよく、又は再使用可能であってもよい。アッセイ消耗品は、1回の試験又は複数回の試験を(連続して、又は並行して)実行するように構成され得る。
【0053】
本明細書で使用される試験サイト(test site)は、サンプルを保持し、接触し、かつ/又は調べる、消耗品の領域を指す。試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含んでいてもよく、少なくとも2つのこのようなドメインは異なる被検体を測定するための試薬を含む。消耗品は、別個の体積(アリコート)の同じサンプル及び/又は別個の体積の異なるサンプルを保持し、接触し、又はそうでなければ調べることができる多数の試験サイトを含み得る。アッセイ消耗品のセクターは、その消耗品の2つ又はそれ以上の試験サイトの集団を指す。各試験サイトは、ある体積のサンプルの単回の測定又は複数回の測定(例えば、多重化アッセイ形式での多数の異なる被検体の測定)を実行するために使用され得る。適用の具体的な要件に依存して、多数の試験サイトを有する消耗品は、その試験サイトの全てを並行して使用するように、その試験サイトを異なる時点で(例えば、新しいサンプルがアッセイシステムに送達されるときに使用していない試験サイトを使用するように割り当てる)使用するように構成され得、又は両方の操作様式の組み合わせが可能にされ得る。
【0054】
アッセイ消耗品は診断適用において有用ないずれかの構造であり得、そしてその構造はデバイスにより使用される特定のアッセイ形式又は検出方法に左右され得る。本発明での使用に適したアッセイ消耗品の例としては、限定されないが、試験管、キュベット、フローセル、アッセイカートリッジ及びカセット(これはアッセイ処理のための一体化された流体工学(fluidics)を含み得る)、マルチウェルプレート、スライド、アッセイチップ、ラテラルフローデバイス(例えばストリップ試験)、フロースルーデバイス(例えばドットブロット)、ピペットチップ、生物学的試薬のための固相支持体などが挙げられる。特定の実施態様において、アッセイ消耗品中の試験サイトは、アッセイ消耗品中の区画、例えばウェル、チャンバー、チャネル、フローセルなどによって規定される。アッセイ消耗品及び/又は試験サイトは、1つ又はそれ以上の特定の検出方法論にしたがってアッセイの測定を行うために使用される1つ又はそれ以上の構成要素を含み得る。消耗品の機能及びアッセイシステムにより使用される検出様式に依存して、このような構成要素の例としては、限定されないが、ラテラルフローマトリックス、ろ過マトリックス、光の窓、センサー(例えば電気化学的センサー及び光学センサー)、結合反応のための固相支持体(例えば、コートスライド、チップ、ビーズ、ピン、コーティングされたろ過マトリックス又はラテラルフローマトリックス、チューブなど)、試薬(乾燥又は液体形態)、電極、被検体選択膜などが挙げられ得る。
【0055】
一実施態様において、アッセイ消耗品は、アッセイ媒体として従来のラテラルフロー試験ストリップ、例えばイムノアッセイ試験ストリップを組み込んだデバイスであってもよい。この例では、デバイスは識別子を含むように成形されるか、又はデバイス及び/若しくはアッセイ媒体の構造に変更を加えることなく識別子がデバイスに取り付けられる。一実施態様において、デバイスはアッセイを行う前、行っている間、及び行った後に分析のために分析システム、すなわちアッセイシステム内に配置され、アッセイシステム内にあるか、アッセイシステムに取り付けられているか又はアッセイシステムに関連付けられている識別子コントローラーは、識別子に含まれるデータを読み取り、そしてそのデータをアッセイにおいて、又はシステムによりアッセイが完了された後に使用する。
【0056】
別の実施態様において、アッセイ消耗品及び付随するアッセイシステム又は読み取り機は、多重アッセイを行うことができる。多重アッセイは、多数の測定が単一のサンプルに対して、例えばサンプルを多数の試験サイトにわたって分配することにより、及び/又は多重測定を個々の試験サイトの多量のサンプルに対して行うことにより行われるアッセイの種類である。多重測定には、限定されないが、(i)ある被検体についての測定の複数回の反復;(ii)特定の被検体の複数回の測定(すなわち、同じ被検体についての多数の同一でない測定、例えば、形式又は使用されるアッセイ試薬のアイデンティティが異なる測定);及び/又は(iii)多数の異なる被検体の測定が含まれ得る。1つの特定の実施態様において、アッセイ消耗品は、1つ又はそれ以上の試験サイトにおいて2つの異なる被検体についての少なくとも2つのアッセイを含む多重測定を行うように構成される。
【0057】
本発明は、試験サイトにおいて多重測定を行うための特定のアプローチに限定されず、多重測定を行うために開発された多数の技術のいずれかを使用し得る。本発明とともに使用され得る多重測定としては、限定されないが、(i)多数のセンサーの使用を含む多重測定;(ii)表面上の位置に基づいて区別可能な表面(例えばアレイ)上の個別のアッセイドメインを使用する多重測定;(iii)粒子特性、例えばサイズ、形状、色などに基づいて区別可能な粒子に被覆された試薬の使用を含む多重測定;(iv)光学特性(例えば吸光度又は発光スペクトル)に基づいて区別可能なアッセイシグナルを生じる多重測定、(v)アッセイシグナルの時間的特性(例えば、時間、頻度又はシグナルの位相)に基づく多重測定、及び/又は(vi)いくつかの他のアッセイ特徴に基づく多重測定が挙げられる。従って、多重化アッセイ結果の解釈は、多重化情報、例えば各試験サイトにおいて、及び試験サイト内で行われるアッセイのアイデンティティ、試験サイトにおいて行われるアッセイを区別するために使用され、かつ/又は特定のアッセイアイデンティティを対応するアッセイシグナルと結び付けるために使用されるアッセイ特徴(特定のセンサーのアイデンティティ、位置、及びアッセイドメインのアイデンティティなど)の使用を含み得る。
【0058】
一実施態様において、アッセイ試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、そして各ドメインは、異なる被検体を測定するための1つ又はそれ以上の試薬を含んでなる。各アッセイドメインの位置、アイデンティティ、及び構成を含む多重化情報は、各ドメインにおいて生成されたアッセイシグナルを識別し、そしてそれを対応する被検体の存在又は量の決定に関連付ける(シグナル閾値及び/又は較正パラメーターのようなさらなる消耗品データの適用を含み得る過程)ために使用される。このような多重化情報は、消耗品データとして提供され得、かつ/又は消耗品識別子に保存され得る。
【0059】
試験サイトは、複数の多重化測定を行うように構成されていてもよい(例えば、各ドメインが異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる複数の別個のアッセイドメインを含み得る)。一実施態様において、アッセイ消耗品は複数の試験サイトを含み得る。消耗品における1つ若しくはそれ以上の試験サイト、アッセイドメイン、及び/又は1つ若しくはそれ以上のセクターの正確な構成に関する情報は、アッセイ消耗品識別子に保存され、かつ/又は消耗品データとして提供される情報に含まれていてもよい。この情報は、試験サイト、アッセイドメイン、及び/又は1つ若しくはそれ以上のセクターの位置及びアイデンティティ、さらには試験サイト、アッセイドメイン、及び/又はセクター内の個々の測定の数、アイデンティティ及び差別化特徴を含む多重化情報(上記のとおり)(例えば、各試験サイト内のアッセイドメインの具体的な位置、アイデンティティ、及び/又はアッセイ試薬)を含み得る。さらに、アッセイ消耗品中の試験サイト、アッセイドメイン、及び/又はセクターの使用はまた、アッセイシステムにおける消耗品の使用を追跡するために識別子に記録され得る。識別子及び/又は消耗品データはまた、アッセイ消耗品又はアッセイ消耗品の試験サイト、アッセイドメイン、及び/若しくはセクターについて使用しようとするアッセイ形式及び特定の処理工程に関する情報を含み得る。識別子及び/又は消耗品データはまた、アッセイが実行されて所定の試験サイト、アッセイドメイン及び/又はセクターにおけるアッセイの出力を分析し、そして場合により試験サイト、アッセイドメイン、及び/又はセクターにおける多重アッセイからの出力を合わせた結果を提供する時点でシステムにより適用されるべき分析方法に関する情報も含み得る。
【0060】
試験サイトは、消耗品の形状及び/又はその消耗品を用いて実行されるアッセイの種類に依存していずれかの適切な構成で構成され得る。一実施態様において、試験サイトはアッセイ消耗品におけるウェル及び/又はチャンバーとして構成される。例えば、本発明のアッセイ消耗品はマルチウェルプレート(例えば、24ウェル、96ウェル、384ウェル、又は1536ウェルのプレート)であり得、そしてプレートのウェルは、複数(例えば、2又はそれ以上、4又はそれ以上、7又はそれ以上、25又はそれ以上、64又はそれ以上、100又はそれ以上など)の別個のアッセイドメインをさらに含んでいてもよい。電極誘導発光測定(例えば、電気化学発光測定)を使用してアッセイ測定を実行することを可能にするように適合されたマルチドメインマルチウェルプレートが米国出願第10/238,391号(表題「Methods and Reader for Conducting Multiple Measurements on a Sample」、2002年9月10日出願、参照により本明細書に加入される)に記載されている。アッセイ消耗品中のドメイン、試験サイト及び/又はセクターの正確な構成、さらには各ドメイン、試験サイト及び/又はセクター並びにそのドメイン/試験サイト/セクターに結合された試薬の具体的なアイデンティティは、アッセイ消耗品識別子に保存された情報に含まれ得、かつ/又は消耗品データとして提供され得る。さらに、アッセイ消耗品における所定のドメイン、試験サイト、及び/又はセクターの使用もまた、アッセイシステムにおける消耗品の使用を追跡するために識別子に記録され得る。
【0061】
アッセイ消耗品は、多数の多様なアッセイにおいて使用することができ、この多様性により、関連した消耗品の様々な適切な構成がもたらされる。1つのアッセイ形式において、同じ被検体を試験サイト内の異なるアッセイドメインで測定し、これらの異なるアッセイドメインは、被検体の異なる特性又は活性を測定するために設計されている。アッセイ消耗品、試験サイト及び/又はアッセイドメインにおいて使用され得るアッセイ形式に関する情報もまたアッセイ消耗品識別子に保存され得、かつ/又は消耗品データとして提供され得る。識別子及び/又は消耗品データは、アッセイを実行して所定の試験サイト及び/又はドメインにおけるアッセイの出力を分析し、そしてその出力を別の試験サイト及び/又はドメインにおけるアッセイと比較する時点でシステムにより適用されるべき分析方法に関する方法も含み得る。
【0062】
多重アッセイ消耗品及び読み取り機の一例はU.S.2004/0022677(その開示は参照によりその全体が本明細書に加入される)に記載されている。このようなアッセイ消耗品は、1つ又はそれ以上のアッセイ測定を同時に又は連続して実行するための、1つ又はそれ以上、及び一実施態様では複数の試験サイト及び/又はアッセイドメインを含む。例えば、試験サイトはウェル及び/又はチャンバーとして構成され得る。これらの試験サイト及び/又はアッセイドメインは、試験サイト及び/又はアッセイドメインにおいて材料からの発光を誘導するための1つ又はそれ以上の電極を含んでなる。アッセイ消耗品は、消耗品の例えば試験サイト、例えばウェル又はチャンバーに液体又は乾燥形態のアッセイ試薬をさらに含み得る。
【0063】
試験サイト及びアッセイドメインに加えて、アッセイ消耗品又はマルチウェルアッセイプレートは、いくつかのさらなる要素、例えばプレート上部、プレート底部、ウェル、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気接続、及びアッセイ試薬を含み得る。プレートのウェルは、プレート上部における穴若しくは開口部により規定されても、又はプレートの表面上のくぼみ若しくは凹みとして規定されてもよい。プレートは任意のパターン又は構成で配置された任意のサイズ又は形状の任意の数のウェルを有し得、そして様々な異なる材料から構成され得る。本発明で使用され得る消耗品の例となる実施態様には、プレート及びウェルの数、サイズ、形状及び構成についての業界標準の形式が含まれ、例えば2次元アレイで構成されたウェルを有する96ウェル、384ウェル、及び1536ウェルのプレートである。他の形式としては、シングルウェルプレート、2ウェルプレート、6ウェルプレート、24ウェルプレート、及び6144ウェルプレートが挙げられ得る。マルチウェルアッセイプレートは1回使用されても複数回使用されてもよく、そしてプレートが使い捨てである適用によく適している。適切なアッセイプレートについての種々の構成が本発明において使用され得、これらとしては、限定されないが、米国出願第2004/0022677号の
図11A、12A、13A、13B、14A、15及び16A(これらはそれぞれ参照により本明細書に加入される)に示されるものが挙げられる。上述のように、アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト、ドメイン、及び/又はセクターの具体的な構成及びアイデンティティは、アッセイ消耗品識別子に保存される情報に含まれ得、かつ/又は消耗品データとして提供され得る。
【0064】
この実施態様において、アッセイ消耗品は、アッセイ消耗品(例えばマルチウェルアッセイプレート)において、又はアッセイ消耗品上で実行されるアッセイにおいて、発光、例えば電極誘導発光又は電気化学発光を誘導して測定するために使用され得る読み取り機(例えば電極)において使用され得る。付随するアッセイシステムはまた、例えば電極において電流及び/又は電圧を誘導及び/又は測定することもできる。アッセイシステムは、例えば、1つ又はそれ以上の光検出器;光遮断筐体;アッセイプレートを読み取り機中に、及び読み取り機から(及び特に、光遮断筐体中に、及び光遮断筐体から)輸送するための機構;アッセイプレートを光検出器と、かつ/又は電気接触と整列させ、かつ配向を合わせるための機構;プレートを追跡及び識別するためのさらなる機構(例えばバーコードリーダー);プレート、発光を誘導するための1つ又はそれ以上の電気エネルギー源、並びに適切なデバイス、電子機器及び/又はソフトウェアへの電気接続を生成する機構を組み込んでいてもよい。アッセイ読み取り機はまた、1つ又はそれ以上のマルチウェルアッセイプレートを貯蔵、積み重ね、移動及び/又は分配するための機構(例えば、プレートスタッカー及び/又はコンベヤー)を含み得る。アッセイシステムは、プレートの複数のセクター若しくは領域(すなわち、プレート内の複数の隣接するアッセイドメインの集団)から連続して、かつ/又はプレート全体から実質的に同時に、若しくは同時に、光を測定することによりマルチウェルアッセイプレートからの光を測定するように構成され得る。アッセイシステムはまた、システム内の特定の機能を制御するため、並びにデータの保存、分析及び提示において補助するためのさらなるマイクロプロセッサ及びコンピューターを組み込んでいてもよい。適切なアッセイシステムのための様々な構成が本発明において使用され得、これらとしては、限定されないが、米国出願第2004/0022677号の
図17~23に示されるもの(これらはそれぞれ参照により本明細書に加入される)が挙げられる。
【0065】
アッセイシステムにおけるさらなるマイクロプロセッサ及びコンピューターはまた、データ及びコマンドを識別子へ/識別子から種々のマイクロプロセッサ/コントローラーへとシステムを通じて転送することによりアッセイ消耗品識別子マイクロプロセッサ又はコントローラーと相互作用してアッセイシステム内で上に列挙される構成要素の種々の操作を行い得る。
【0066】
システムは、識別子に保存され、かつ/又は直接的若しくは間接的インターフェースを介して消耗品データとして保存若しくは提供される消耗品データに基づいてアッセイを開始する前にアッセイパラメーターを調整し得る。その後システムは、消耗品への適切な電気的、流体及び/又は光学的接続を生成し(消耗品及びシステム上の電気的、流体、及び/又は光学的なコネクタを利用する)、そして消耗品を使用してアッセイを実行する。消耗品をシステムに挿入する前に消耗品中にサンプルが導入され得る。あるいは、システムに消耗品が挿入された後にシステムの構成要素によりサンプルが導入される。アッセイはまた、消耗品に1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を加えることを含んでいてもよく、そしてそれらの種々のアッセイ試薬を加えるための指示が識別子に保存され得、かつ/又は消耗品データとして提供され得、そしてシステムはアッセイ消耗品識別子に保存され、かつ/又は消耗品データとして提供される指示に従ってアッセイの前又はアッセイ中に消耗品にそれらの試薬を加える。
【0067】
あるいは、アッセイ消耗品はカートリッジであり、そして消耗品は1つ若しくはそれ以上の流体構成要素、1つ若しくはそれ以上の検出構成要素、1つ若しくはそれ以上のアッセイセル、アッセイを行うための試薬、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気接続、乾燥アッセイ試薬及び/若しくは液体アッセイ試薬、又はそれらの組み合わせから選択される要素をさらに含んでなる。カートリッジは、複数の別個のアッセイ試験サイト及び/又はドメインを含んでなる少なくとも1つのアッセイセルをさらに含んでいてもよく、これらの試験サイト及び/又はドメインはそれぞれ異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる。
【0068】
本発明において使用され得るアッセイ消耗品カートリッジの例は、米国出願第2004/0189311号(その開示は参照によりその全体が本明細書により加入される)に記載される。そこに記載されるアッセイ消耗品は、1つ若しくはそれ以上の流体構成要素(例えば、区画、ウェル、チャンバー、流体導管、流体ポート/ベント、弁など)及び/又は1つ若しくはそれ以上の検出構成要素(例えば電極、電極接触、センサー(例えば電気化学的センサー、流体センサー、質量センサー、光学センサー、容量センサー、インピーダンスセンサー、光導波路など)、検出窓(例えば吸光度、光散乱、光屈折、光反射、蛍光、リン光、化学発光、電気化学発光などの測定のような、カートリッジにおけるサンプルに対する光学的測定を可能にするように構成される窓)など)を組み込んだアッセイカートリッジである。このような消耗品はまた、結合試薬、検出可能な標識、サンプル処理試薬、洗浄液、緩衝液などのようなアッセイを行うための試薬を含んでいてもよい。これらの試薬は、液体形態、固形形態で存在していても、かつ/又はカートリッジに存在する固相支持体の表面上に固定化されていてもよい。この実施態様において、消耗品はアッセイを行うために必要な全ての構成要素を含む。さらに、アッセイ消耗品は、消耗品を受け入れてその消耗品に対して特定の操作、例えば流体の移動の制御、動力供給、カートリッジに対する物理的測定の実行などを行うように適合された消耗品読み取り機と関連して使用される。
【0069】
より詳細には、このようなアッセイ消耗品カートリッジは、複数のアッセイ測定を行うための1つ又はそれ以上のアッセイドメイン(例えば、アッセイ反応が起こり、そして/又は電気化学発光若しくは電極誘導発光シグナルのようなアッセイ依存性シグナルが誘導される、アッセイ試験サイト表面上の個別の位置)を含んでいてもよい1つ又はそれ以上のアッセイ試験サイト(例えば、ウェル、区画、チャンバー、導管、フローセルなど)を有する。この実施態様において、アッセイドメインは、電気化学発光又は電極誘導発光の測定に基づいたアッセイの実行を可能にするようにアッセイ電極(一実施態様において、アッセイ電極のアレイ、例えばアッセイ電極の1次元アレイ)上で支持される。アッセイドメインは、場合により電極上に付着された誘電体層により規定される。さらに、アッセイ消耗品は、「ポイント・オブ・ケア(point of care)」の臨床的測定における使用にそれらを適するようにする1つ又はそれ以上の特性、例えば小さいサイズ、低費用、廃棄可能性、多重検出、使いやすさなどを有し得る。
【0070】
アッセイ消耗品カートリッジは、アッセイ測定を行うために必要な電子的構成要素及び/又はアクティブな機械的構成要素、例えば1つ又はそれ以上の電気的エネルギー源、電流計、電位差計、光検出器、温度モニター又はコントローラー、ポンプ、弁などを含み得る。あるいは、電子的構成要素及び/又はアクティブな機械的構成要素のうちいくつか又は全てが別個のアッセイ読み取り機内に配置される。読み取り機はまた、消耗品を使用してアッセイを行うために適切な、アッセイ消耗品への電気的、流体及び/又は光学的な接続を有するだろう。このような配置を使用して、読み取り機(より高価で複雑な構成要素を保持する)は再使用可能であるがアッセイ消耗品を低費用で使い捨てであるように設計することができる。
【0071】
一実施態様において、カートリッジベースの生化学的検出システムは、光学的検出器を含むシステムハウジングを含み得、ここでこのシステムハウジングは、処理のためにアッセイ消耗品及び/又は光学的検出器を受け入れて位置決めするように適合され構成される。システムはさらに、以下の1つ又はそれ以上を含み得る支持サブシステムを含み得る:アッセイ試薬/アッセイ消耗品及び/又は廃棄物を貯蔵するための貯蔵サブシステム;サンプルの取り扱いのためのサンプル取得/前処理/貯蔵サブシステム;試薬、サンプル、廃棄物などを取り扱うため、及び流体入り口ラインを介して検出チャンバーに流体を供給するための流体取り扱いサブシステム;カートリッジの電気接触を電気的に接触させて、電気エネルギーを電極に供給するための電気的サブシステム;並びにシステム及びサブシステムの操作を制御及び連係させるため、及び光学的検出シグナルを取得、処理及び格納するためのコントロールサブシステム。アッセイ消耗品識別子に保存され、かつ/又は消耗品データとして提供される情報は、アッセイ消耗品を使用するアッセイの実行前及び/又は実行中に1つ又はそれ以上のアッセイシステム構成要素を制御又は調整するために使用される情報を含み得る。
【0072】
なおさらに、アッセイ消耗品は1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を保持する容器であってもよく、これには、限定されないが、アッセイの実行においてアッセイシステムにより使用される1つ又はそれ以上の緩衝液、希釈剤、及び/又は試薬が含まれる。アッセイ消耗品識別子は容器に取り付けられていてもよく、かつ/又は容器のパッケージングに取り付けられていてもよい。
【0073】
アッセイ消耗品識別子
一実施態様において、アッセイ消耗品識別子は消耗品、その履歴及び/又はその使用に関する情報を格納するためのメモリを含んでなる。一実施態様において、メモリは不揮発性メモリである。不揮発性メモリは保存された情報を電力がなくても保持することができるコンピューターメモリである。消耗品識別子において使用され得る不揮発性メモリの例としては、限定されないが、電子不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ及びフラッシュメモリ)、磁気メモリ(例えば、ハードディスク、フレキシブルディスクドライブ、及び磁気テープ)、光学メモリ(光ディスクドライブ)及びこれらのアプローチの混合(例えば光磁気メモリ)が挙げられる。
【0074】
一実施態様において、アッセイ消耗品識別子は、紫外光に露光することにより消去することができるプログラマブルリードオンリーメモリの一種であるEPROM(消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)を含んでなる。一旦消去されると、それは新しいデータ又は改変されたデータで再プログラミングすることができる。別の実施態様において、アッセイ消耗品識別子は、電気的に消去することができ、そしてUV光に露光させることなく再プログラミングすることができる不揮発性電子メモリのクラスであるEEPROM(電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)を含んでなる。EEPROMは1回より多く書き込み又はプログラムすることができ、そして選択的にプログラムすることができる(顧客は他のセルのプログラミングを消去することなく特定のセルの値を変更することができる)。従って、チップのプログラミングの残りを変更又は再インストールする必要なしに、データのセクションを消去及び置換することができる。
【0075】
別の実施態様において、アッセイ消耗品識別子は、大きなブロックで消去及びプログラムされるEEPROMの特定の種類であるフラッシュメモリを含んでなる。フラッシュメモリは技術的にはEEPROMの一種であるが、用語「EEPROM」は一般的には具体的に小さいブロックで、典型的には何バイトかで消去可能な非フラッシュ(non-flash)EEPROMを指すために使用される。消去サイクルは遅いので、フラッシュメモリの消去で使用される大きなブロックサイズは、大量のデータを書き込む場合に従来のEEPROMに勝る大幅なスピードの利点をもたらす。
【0076】
別の実施態様において、アッセイ消耗品識別子はスマートカード、チップカード、又は集積回路カード(ICC)(集合的に「ICCs」と呼ばれる)を含んでなる。これらはデータを処理及び格納することができる集積回路を埋め込んだ小さなカードである。ICCsの2つの広義のカテゴリーがある;i)不揮発性メモリ保存構成要素及び場合によりいくつかの特定のセキュリティロジックを含むが、マイクロプロセッサは含まない「メモリーカード」、並びにIi)不揮発性メモリ構成要素とマイクロプロセッサ構成要素を合わせてICCへ又はICCから読み取られる情報の処理を可能にした「マイクロプロセッサカード」。ICC電子部品は、典型的にはPVC又はABSのようなプラスチックから作製されているカード上に支持されている。カードは偽造を避けるための埋め込まれたホログラムを含み得る。接触型ICCsは導電性接触パッドを有する。読み取り機に挿入された場合、ICC上の接触パッドは読み取り機の電気的コネクタと接触し、読み取り機とICCとの間の情報の転送が可能となり、例えば、読み取り機がICC上の情報を読み取り、消去又は書き込みすることが可能となる。
【0077】
情報を転送する別の方法はRFID、すなわち無線識別(radio frequency identification)を介するものであり、これはバーコード識別と理論が似ている。RFIDでは、電磁スペクトルのRF部分における電磁結合又は静電結合がシグナルを伝送するために使用される。RFIDシステムはアンテナ及びトランシーバー(これらが無線を読み取ってその情報を処理デバイスに転送する)、並びにトランスポンダー、又はタグ(これはRF回路及び伝送しようとする情報を含む集積回路である)から構成される。
【0078】
識別はバーコードを読み取ることによっても達成することができる。RFIDとバーコード技術との間の重要な差異の1つは、バーコーディングが依存している見通し環境(line-of-sight)読み取りの必要がRFIDにはないことである。また、RFIDスキャニングはバーコードスキャニングよりも遠い距離で行うことができる。高周波RFIDシステム(850MHz~950MHz及び2.4GHz~2.5GHz)は90フィートより大きい伝送距離を提供するが、2.4GHz域における波長は水(人体)により吸収され、従って限界を有する。
【0079】
一実施態様において、本発明において使用される不揮発性メモリは、EEPROM、フラッシュメモリ、ICC又はそれらの組み合わせを含んでなる。一実施態様において、不揮発性メモリはEEPROMである。代替の実施態様において、不揮発性メモリはRFIDである。
【0080】
さらなる代替の実施態様において、2つ又はそれ以上の不揮発性メモリ構成要素を本発明において使用してもよい。例えば、第一の識別子を含む第一のアッセイ消耗品をアッセイシステムにおいて使用し得、そしてさらなる識別子を含むさらなるアッセイ消耗品もアッセイシステムにおいて使用し得る。各識別子は同じか又は異なる種類のメモリを含んでいてよい。しかし、それぞれの異なる形態のメモリについて、別々の識別子コントローラーが存在するだろう。そして特定の消耗品データが1つの識別子に保存され得、そして他の消耗品データは同じか又は異なる種類のさらなる識別子に保存され得る。例えば、システムにおいて使用される1つのアッセイ消耗品は識別子としてEEPROM又はRFIDを含み得、一方でシステムは例えばバーコードを識別子として含んでなるさらなるアッセイ消耗品を使用してもよい。アッセイシステムは第一の識別子、すなわちEEPROM又はRFIDとインターフェースで接続することができる識別子コントローラーを含み、そしてシステムはバーコードとインターフェースで接続するさらなるコントローラーをさらに含むだろう。
【0081】
本発明のアッセイシステムは、不揮発性メモリ及びアッセイシステムの他の構成要素の操作を制御する識別子コントローラーを含む。識別子コントローラーは場合により通信インターフェースで不揮発性メモリと接続したマイクロコントローラーを含み、これは従来のインターフェースアーキテクチャ及びI2C、2ラインシリアルバスプロトコルのようなプロトコルを組み込んでいてもよい。マイクロコントローラーは不揮発性メモリをアドレス指定し、そしてメモリに対して書き込み、読み取り及び消去の操作を行う。
【0082】
消耗品識別子は消耗品上に位置していてもよいし、別個の構成要素であってもよい。いずれの場合も、システムは各消耗品に対して固有の識別子を有するよう設計され得る。あるいはシステムは、1つの別個の消耗品識別子が複数の消耗品に関連する情報を保持するために使用されるように構成され得る。一例では、消耗品の各パッケージは、パッケージ中の複数の消耗品に関する情報を保持する、パッケージに備え付けられた(あるいは、パッケージ中に供給される)パッケージ固有識別子を有する。場合により、各消耗品はまた消耗品に取り付けられたさらなる特有の消耗品固有識別子を有する。この消耗品固有識別子は、主に消耗品を一意的に識別して、それをパッケージ固有識別子上の情報と関連付けるために使用される。この実施態様において、ロット情報内容及び/又はバーコードのような編集可能でない識別子が使用され得る。
【0083】
アッセイシステムの様々な構成要素は、単一ユニットに一緒に収納されても、別々に収納されてもよい。例えば、アッセイシステムは別々のユニットとしてアッセイ読み取り機及び識別子コントローラーを含み得る。アッセイシステムは、アッセイ読み取り機と識別子コントローラーとの間に直接、またあるいはアッセイシステムのさらなる構成要素を通じて間接的に通信(有線通信でも無線通信でもよい)を提供する。代替の実施態様において、識別子コントローラーはアッセイ読み取り機内に収納される。このような実施態様において、アッセイ読み取り機は、アッセイの実行中の読み取り機への消耗品の挿入により消耗品識別子と識別子コントローラーとの間の通信も可能となるように(例えば、消耗品が挿入されるポートが消耗品を処理し、かつ/又は読み取る構成要素を含み、そしてまた消耗品識別子と通信するための電気的接触又は無線送信機のような構成要素を含む)構成され得る。一例では、消耗品がアッセイシステム中にロードされるときに、コントローラーと識別子(例えば不揮発性メモリ)との間に電気的接触が生成される。その結果、コントローラーは識別子に対して消耗品データを読み取り、消去及び/又は書き込みすることができる。あるいは、アッセイ読み取り機は、カートリッジを処理/読み取りするため、及び消耗品識別子と通信するための別々のポートを有し得る。利用者は、コントローラーが識別子と電気的接触を生じてコントローラーが不揮発性メモリに対して消耗品データを読み取り、消去及び/又は書き込みすることを可能にするように、アッセイ消耗品又はパッケージをコントローラーポートに、又はコントローラーポートの近くに配置する。
【0084】
一実施態様において、識別子はRFIDタグ、バーコード、EPROM、及びEEPROMを含んでなる不揮発性メモリを含む。なおさらに、識別子はフラッシュメモリ及びICCを含んでなるEEPROMを含んでいてもよい。
【0085】
本開示の方法論は、1つ若しくはそれ以上のプロセッサで提供され得、かつ/又は1つ若しくはそれ以上のプロセッサに実装され得、そして例えば、ウェブベースの、かつ/又はクラウドのコンピュータフレームワークを介しても提供されてもよい。
【0086】
コンピュータで読み取り可能な媒体には、コンピュータ又は機械により読み取ることができ、かつ実行することができるコンピュータコード又は指示を格納することができる有形デバイスが含まれ得る。コンピュータで読み取り可能な媒体の例としては、限定されないが、ハードディスク、ディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、光学式記憶装置のような記憶装置、及び他の記録又は記憶媒体が挙げられ得る。
【0087】
消耗品データ
識別子は、例えば製造過程の間に、又は消耗品の配送の準備をするときにプログラムされる。識別子は、アッセイシステム、読み取り機又はアッセイシステムの構成要素の操作を制御するために、アッセイ又は多段階アッセイの工程の前、その間、又はその後に使用され得る消耗品データを用いてプログラムされ得る。さらに、又はあるいは、所定の消耗品の使用に必要な情報の一部又は全てが消耗品データとして提供され得る。用語「消耗品データ」は、特定のアッセイ若しくはアッセイ工程、アッセイ消耗品、消耗品ドメイン、生物学的試薬若しくはサンプルを一意的に識別するため、又は特定のアッセイ、アッセイ工程、アッセイ消耗品、消耗品ドメイン、生物学的試薬若しくはサンプルを他のアッセイ消耗品、消耗品ドメイン、生物学的試薬若しくはサンプルと区別するために使用されるいずれかの情報を含み得る。消耗品データは、消耗品情報、サンプル情報、管理の連鎖情報、消耗品/試験サイト情報、アッセイプロセス情報、消耗品セキュリティー情報、又はそれらの組み合わせを含み得る。消耗品データはさらに、アッセイの実行中、及び/若しくは実行後に生成されるデータを分析するためにシステムにより適用され得る1つ若しくはそれ以上の分析ツール、アッセイシステムメンテナンス情報、システム-消耗品販売促進情報、並びに/又はシステム及び/若しくは消耗品の技術サポート情報に関連する情報を含み得る。
【0088】
消耗品データの型はそれぞれ以下により詳細に記載され、当然のことながら、それぞれの型の消耗品データが消耗品識別子に保存され得、かつ/又は消耗品データとして提供され得る。
【0089】
消耗品識別及び構成情報
消耗品データは消耗品識別及び構成情報を含み得、これには、限定されないが、ロット識別情報、ロット固有分析パラメーター、製造プロセス情報、原材料情報、有効期限、製品安全データシート(MSDS)情報、製品挿入情報(すなわち、アッセイ消耗品に添付されるであろう製品挿入物に含まれるか又は記載され得るいずれかの情報、例えばアッセイの種類、アッセイがどのように行われるか、アッセイ消耗品、アッセイ試薬、又はその両方の使用についての説明など)、アッセイ消耗品において、又はアッセイ若しくは多段階アッセイの工程において使用される1つ又はそれ以上の試薬についての閾値及び/又は較正データ、並びにアッセイ消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/又はサンプルの位置が含まれる。
【0090】
消耗品データはまた、ロット識別情報、すなわちアッセイ消耗品の特定のロットを識別するために使用される情報を含んでいてもよく、これはロット固有分析パラメーターとは異なるものであり、例えばそのロットからの消耗品を用いてアッセイを実行するため、又はそのロットからの消耗品から生じたアッセイ結果を分析するためにシステムにより使用され得る所定のロットに特有のその情報を含む。一実施態様において、アッセイ消耗品がマルチウェルアッセイプレート又はカートリッジである場合、ロット固有分析パラメーターは、限定されないが以下を含んでいてもよい:(i)情報を解釈するために使用されるスキーマを決定するリビジョンレベル;(ii)消耗品の型;(iii)製造日;(iv)ロット番号;(v)有効期限;(vi)化学的交差反応性を説明するためのクロストーク補正マトリックス;(vii)消耗品において実行しようとするアッセイ及び各内部ネガティブコントロールについての閾値;(viii)各内部ポジティブコントロールの範囲;(ix)カートリッジにおいて実行しようとする各アッセイについてのポジティブコントロールサンプルの範囲;(x)データのインテグリティを確実にするためのソフトウェアチェックサム;(xi)ウェル内(又は試験サイト内)コントロール許容範囲;(xii)アッセイ名及び/又は識別子;(xiii)読み取り機及び消耗品の操作を検証するために使用されるネガティブ及びポジティブ品質コントロール材料を含む、アッセイ品質コントロールに関する情報;(xiv)主較正曲線(master calibration curve)のような較正情報;並びに(xv)アッセイリキャリブレータの数及び名称及び/又はアッセイキャリブレータ許容範囲。
【0091】
消耗品データは、サンプル情報、例えばアッセイ消耗品の少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置、サンプルについてアッセイ消耗品で得られたアッセイ結果、並びにアッセイ消耗品においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになるサンプルのアイデンティティを含んでいてもよい。
【0092】
消耗品データはまた、流通過程管理に関連するもの、例えばサンプル及び/又はアッセイ消耗品の管理、移送及び/又は分析に関する情報であってもよい。管理の連鎖情報は、顧客識別、サンプル識別、アッセイについてのタイムスタンプ及び日付のスタンプ、アッセイの研究所におけるアッセイシステムの位置、アッセイ中のアッセイシステムの較正及びQC(品質コントロール)状況、アッセイの実行前及び実行後のアッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報、所定のサンプルについてのアッセイ結果、さらにはアッセイがシステムにより処理される前、間又は後に顧客が作成した自由なテキストコメント入力から選択され得る。なおさらに、管理の連鎖情報は、アッセイ消耗品の製造中の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター、アッセイ消耗品の製造後、及び/又は製造中の工程間のアッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件を含んでいてもよい。
【0093】
消耗品データはまた、消耗品/試験サイト情報、例えば消耗品の型及び構造、アッセイ消耗品内に含まれるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ(例えば、構造、組成、配列、濃度及び/又は起源)、並びにアッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティを含んでいてもよい。消耗品データは、消耗品内の第一の試験サイトを消耗品内の異なる試験サイトと区別するために使用され得る。なおさらに、消耗品データは、アッセイ消耗品の少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置;サンプルについてアッセイ消耗品で得られたアッセイ結果;アッセイ消耗品においてアッセイされているサンプル及び/若しくはアッセイされることになるサンプルのアイデンティティ;又はそれらの組み合わせを含んでなるサンプル情報を含み得る。さらに、消耗品データは、消耗品の型及び構造;アッセイ消耗品とともに含まれるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;又はそれらの組み合わせを含んでなる消耗品/試験サイト情報である。
【0094】
さらなる実施態様において、消耗品/試験サイト情報は、消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り機により以前に行われたアッセイに関する情報、及び消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り機により行おうとするアッセイに関する情報を含み得る。従って、アッセイがシステムにより行われれば、コントローラーを使用して、アッセイの結果を識別子に書き込むことができる。このような情報としては、限定されないが、アッセイ中にシステムにより収集された生データ若しくは分析されたデータ(ここで分析されたデータは、収集後に統計的分析にかけられたデータであり、そして生データはそのような統計的分析にかけられていないデータである)、所定のアッセイ中に使用されたアッセイ消耗品内の試験サイト及び/若しくはドメインのリスト、アッセイ消耗品若しくはアッセイ消耗品内の試験サイト及び/若しくはドメインで行われるべき事象のスケジュール、アッセイにかけられていないアッセイデバイスの試験サイト及び/若しくはドメインのリスト、所定のアッセイ若しくはアッセイ工程中に生じたアッセイエラー若しくはシステムエラー、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0095】
なおさらに、消耗品データは、例えば正しいアッセイ消耗品がシステムで使用されていることを確認するためのセキュリティー機構として使用され得る(本明細書では「消耗品セキュリティー情報」と呼ぶ)。消耗品データは、その消耗品が指定されたベンダにより製造されたということを証明するためのデジタル署名を含んでいてもよい。一実施態様において、不適切なアッセイ消耗品がシステムに存在する場合(例えば偽造の消耗品又は別の点でアッセイシステムと不適合性である消耗品)、コントローラーはシステム、読み取り機又はその構成要素を無効にする。さらに、またあるいは、消耗品データは、システムにおけるアッセイ消耗品の適切な配置、例えばアッセイ消耗品又はその一部のアッセイシステムにおける適切な配向を検出するために使用され得、その結果コントローラーはアッセイ消耗品が正しい配向で配置されるまでシステム、読み取り機又はその構成要素を無効にするだろう。なおさらに、消耗品データはまた、アッセイ消耗品又はアッセイ試験サイト及び/若しくはドメインにおける欠陥を検出するために使用され得、そしてコントローラーはそれに従ってシステム、読み取り機又はその構成要素を無効にするだろう。例えば、アッセイ消耗品又はドメインにおける欠陥の性質に依存して、コントローラーはアッセイ消耗品のその全体での使用を拒否しても、アッセイ消耗品における試験サイト及び/若しくはドメイン、又は一組の試験サイト及び/若しくはドメインの使用を拒否するように読み取り機に指示してもよい。一実施態様において、読み取り機はアッセイ消耗品並びに/又はその中の試験サイト及び/若しくはドメインで診断的分析を行って、それらにおける欠陥を識別し得、そしてコントローラーはその診断的分析の結果を消耗品の識別子に書き込む。消耗品が異なる読み取り機で後で使用される場合、この診断的分析の結果はコントローラーにより読み取られ、それに従ってその消耗品又はその消耗品における試験サイト及び/又はドメインの使用を調整するために読み取り機により使用される。さらなる実施態様において、アッセイ消耗品はその製造中又は製造後に品質コントロール過程にかけられてもよく、そしてその品質コントロール分析の結果がアッセイ読み取り機でアッセイ消耗品の顧客により後の使用及び/又は検証のために識別子に書き込まれ得る。
【0096】
消耗品データはまた、消耗品又はその試験サイト及び/若しくはドメイン又は生物学的試薬についての承認情報、例えば顧客が特定の消耗品又は生物学的試薬を特定のアッセイにおいて使用することが許可されている回数、及び存在する場合はその使用の際の制限、例えばその顧客の許可が研究目的のみであるかどうかを含めて、特定の顧客が特定の消耗品又は生物学的試薬を使用する有効な許可を有しているかどうかに関する情報を含み得る。このような情報はまた、特定の消耗品又は生物学的試薬がリコールを受けたかどうか、又は他の点で使用に不適切になっていないか若しくは無許可になっていないかどうかに関する検証情報を含み得る。リコール情報及び任意の最終リコールチェックの日付及び/又はタイムスタンプは識別子に書き込むことができ、かつ/又は消耗品データとして提供され得る。
【0097】
消耗品データは、例えばそれが由来する元のサンプルの識別又は元のサンプルから取り出された世代の数を含む、アッセイ消耗品、試験サイト及び/又はドメインにおいて使用される生物学的試薬の起源に関する情報をさらに含み得る。例えば、アッセイにおいて使用されるアッセイ試薬が抗体である場合、消耗品データはその抗体が由来するハイブリドーマの識別、例えばそのハイブリドーマについてのATCC受入番号を含み得る。
【0098】
種々の実施態様によれば、上記の消耗品中で、又は消耗品と共に提供される生物学的サンプル又は試薬は、生物学的試薬に対して機能するように設計されたシステムとは別に使用許諾され得る。種々の実施態様において、アッセイシステム、読み取り機又はその構成要素は、生物学的試薬、消耗品又はシステムの顧客、製造業者及び/若しくは使用許諾者により又はそれらを代表して操作されるコンピューターシステムと公開及び/又は非公開のネットワーク上でシステムが通信することを可能にするネットワークに接続される。種々の実施態様において、使用許諾されたシステムのみでの特定の生物学的分析のための、使用許諾された生物学的試薬、消耗品、又はシステムの使用に対して限定された使用許諾が与えられ得る。従って、システムは、例えば特定の顧客が有効な使用許諾を有する場合、特定の消耗品に関連付けられている識別子に含まれ、かつ又は消耗品データとして提供されるデジタル署名に基づいて、生物学的試薬、消耗品又はシステムを証明し得る。種々の実施態様において、識別子及び/又は消耗品データはまた、生物学的試薬を同じ証明での使用のために補充することができないように1回きりの使用を提供するように使用され得る。
【0099】
特定の実施態様において、生物学的試薬、消耗品又はシステムの顧客、製造業者及び/若しくは使用許諾者により、又はそれらを代表して操作される公開又は非公開のデータネットワークへのアクセスを有するシステム、読み取り機又はその構成要素により識別子が読み取られる場合、特定の消耗品データはアッセイシステムと通信され得、そしてアッセイシステム上の識別子/コントローラーを介してローカルで読み取り、書き込み又は消去され得る。例えば、リコール及び/又は使用許諾情報は、直接的及び/又は間接的インターフェースを介して利用可能な消耗品データの部分集合であり得るが、一方でさらなる消耗品データ、例えばロット固有情報、有効期限、較正データ、消耗品固有情報、アッセイドメイン情報、アッセイ結果情報、消耗品セキュリティー情報、又はそれらの組み合わせは、ローカルで識別子に保存され得、そうでなければアッセイシステムでネットワーク接続を介して利用可能ではない。一実施態様において、リコール、使用許諾及び/又は消耗品セキュリティー情報はアッセイシステムでネットワーク接続を介して利用可能であり得、かつ/又は消耗品データとして記憶媒体に保存され得、そして残りの消耗品データはローカルで識別子に保存される。アッセイシステム又は読み取り機はシステムハードウエア、システムファームウエア、システムデータ収集及び制御ソフトウェア、並びに方法又は消耗品データを含む。種々の実施態様において、システムハードウエアは、電子制御及びデータ処理回路、例えばマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラー、メモリ、及び不揮発性記憶装置を含む。種々の実施態様において、システムハードウエアはまた、ロボット及びサンプルポンプのような生物学的試薬を操作するための物理的デバイスを含む。種々の実施態様において、システムファームウエアはシステムハードウエアと関連して基本的な操作を行うための下位コンピューターで読み取り可能な命令を含む。種々の実施態様において、システムファームウエアはシステムハードウエアにおいてマイクロプロセッサでの操作を開始するためのマイクロプロセッサ命令を含む。
【0100】
システムデータ収集及び制御ソフトウェアは、システムファームウエアと相互作用してより詳細な操作(例えば特定の生物学的分析に関する可視発光情報を取得するために電荷結合素子(CCD)を操作すること)のためにシステムハードウエアを制御する上位ソフトウェアである。種々の実施態様において、データ収集及び制御ソフトウェアは、例えば以下の状態:(i)待機;(ii)実行;(iii)一時停止;及び(iv)エラーをもたらすソフトウェア実行型状態機械を含む。種々の実施態様において、状態機械が待機状態にある場合、それは汎用工作機械から命令を受けて特定のデータ収集又はシステム制御操作を行うことができる。種々の実施態様において、汎用コンピュータはTCP/IPソケット接続をシステムに対して開き、システムが待機状態であるかどうかを決定し、次いで命令及び/又はパラメーターの送信を開始する。種々の実施態様において、暗号化されたTCP/IP接続が例えばSSHプロトコルを使用して確立される。命 令及び/又はパラメーターは、生物学的システムの動作を規定する、ASCIIエンコードされたヒトが読み取り可能な消耗品及び/又は方法の情報の形態であり得る。種々の実施態様において、消耗品及び/又は方法はASCIIテキストファイルの形態で保存される。種々の実施態様において、汎用コンピュータはFTPプロトコルを使用してASCIIテキストファイルをシステムに転送する。種々の他の実施態様において、方法及び/又は消耗品情報は識別子に保存され、そして識別子から読み取られる。方法及び/又は消耗品情報はASCIIテキストファイルの形態で識別子に保存され得るが、その情報は本教示から逸脱することなく他のデータ形式で表すことができるということが理解される。
【0101】
種々の実施態様によれば、消耗品、マクロ及び/又は方法の情報は、特定のデータ収集及びシステム制御操作を行うためにシステムデータ収集及び制御ソフトウェアにより使用され得るパラメーターを含む。種々の実施態様において、方法及び/又は消耗品情報は、システムにより行われるべき操作の順序、又はデータ収集若しくは制御ソフトウェアと関連する使用のための制御パラメーターを含む。
【0102】
(ii) アッセイプロセス情報
さらに、消耗品データは、アッセイ中にシステム又は読み取り機により適用されるべき個々のアッセイパラメーターに関するアッセイプロセス情報を含み得る。例えば、このような消耗品データは、所定のアッセイの工程の順序、アッセイ中又はアッセイの特定の工程中に使用されるべき又は加えられるべきアッセイ試薬(例えば、そのアッセイにおいて使用されるべき緩衝液、希釈剤、及び/又は検定物質)のアイデンティティ、濃度及び/又は量を含み得る。消耗品データはまた、アッセイ又は多段階アッセイの特定の工程中にシステム又は読み取り機により適用されるべき、かつ/又は測定されるべき光の種類又は波長;アッセイ中にシステム又は読み取り機により適用されるべき温度;アッセイのためのインキュベーション時間;及びアッセイ中に収集された生データに対してシステム又は読み取り機により適用されるべき統計的又は他の分析方法を含み得る。
【0103】
一実施態様において、アッセイプロトコルの1つ又はそれ以上の工程は、個々の消耗品又は消耗品のロットに対して調整され得る。プロトコルの1つ又はそれ以上の工程は、ロットごとに異なっていてもよく、かつ/又は所定のロット内の個々の消耗品ごとに異なっていてもよく、そしてシステムに保存された消耗品データは、アッセイプロトコルのそれらの工程を調整する指示を含む。この種の消耗品データは、システムによるアッセイの実行前、実行中及び/又は実行後に、システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整するためにシステムにより使用され得る。さらに、この種の消耗品データは、使用者の裁量でシステム使用者により調整され得る。例えば、アッセイプロトコルにおける希釈工程は、ロット間又は消耗品間の差異を計上するように調整され得る。加えられる希釈剤の量及び/又は希釈剤の性質は、このような差異に基づいて変更され得る。同様に、アッセイの実行中に加えられ得る所定の試薬の量、アッセイの1つ又はそれ以上の工程についてのインキュベーション時間及び/又は温度もまた、ロット間又は消耗品間の差異に依存し得る。これらはそれぞれ、システムの記憶媒体に保存され得る消耗品データの非限定的な例である。
【0104】
さらに、消耗品データは、アッセイシステムの構成要素、例えば1つ若しくはそれ以上の光検出器、光遮断筐体を直接若しくは間接的に制御する情報;アッセイ消耗品を読み取り機中に、及び読み取り機から輸送するための機構;アッセイ消耗品を読み取り機における1つ若しくはそれ以上の光検出器及び/若しくは電気接触と整列させ、かつ配向を合わせるための機構;アッセイ消耗品を追跡及び/若しくは識別するためのさらなる機構及び/若しくはデータ記憶媒体;発光を誘導するための1つ若しくはそれ以上の電気エネルギー源;1つ若しくはそれ以上の消耗品を貯蔵、積み重ね、移動及び/若しくは分配するための機構;消耗品からの光をアッセイ中に連続して、実質的に同時に、若しくは同時に、消耗品の複数の試験サイトから測定するための機構;又はそれらの組み合わせを含んでなる。
【0105】
消耗品データはまた、アッセイ中に読み取り機により適用されるべきアッセイパラメーター;アッセイ中に読み取り機により適用されるべき工程の順序;アッセイ中に使用されるべき若しくは添加されるべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/若しくは量;アッセイ中に読み取り機により適用されるべきかつ/若しくは測定されるべき光の種類若しくは波長;アッセイ中に読み取り機により適用されるべき温度;アッセイについてのインキュベーション時間;アッセイ中に収集された生データに対して読み取り機により適用されるべき統計若しくは分析方法;又はそれらの組み合わせを含んでなるアッセイプロセス情報を含み得る(このようなアッセイプロセス情報は使用者により場合により調整され得る)。特定の一実施態様において、消耗品を用いて実行されるアッセイは多段階アッセイであり、そしてアッセイプロセス情報は多段階アッセイの工程(単数又は複数)に関するものである。この実施態様において、消耗品/試験サイト情報は、消耗品の1つ若しくはそれ以上の試験サイトで読み取り機により以前に行われたアッセイに関する情報;消耗品内の1つ若しくはそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り機若しくはその構成要素により行われるべきアッセイに関する情報;又はそれらの組み合わせを含んでなる。
【0106】
個々の操作が消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター若しくは生物学的試薬若しくはサンプルで行われるとき、例えば消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター若しくは生物学的試薬の製造中に、又はアッセイ若しくは工程が消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター若しくは生物学的試薬若しくはサンプルで行われつつある間に、消耗品データはその消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター若しくは生物学的試薬若しくはサンプルに関する情報をさらに含み得る。例えば、アッセイ消耗品が複数のアッセイ試験サイト、ドメイン及び/又はセクターを含む場合、アッセイシステムはアッセイ消耗品の単一の試験サイト、ドメイン及び/又はセクターでアッセイ又は多段階アッセイの工程を行ってもよい。一旦そのアッセイ又はアッセイ工程がアッセイシステムにより完了されれば、コントローラーはアッセイの結果、例えばアッセイ又はアッセイ工程中に生成された生データ又は分析されたデータを識別子に記録して、かつ/又はコントローラーはアッセイ消耗品のどの試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターがアッセイ若しくはアッセイ工程の間に使用されたか、並びに/又はアッセイ消耗品のどの試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターがまだ使用されていないかを記録する。アッセイ消耗品は、後の使用のため、並びに顧客がアッセイ消耗品の別の試験サイト、ドメイン、及び/若しくはセクターを使用する準備ができている場合に貯蔵されてもよく、コントローラーは、どの試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターが使用されたか、まだ使用されていないかを識別するためにアッセイ消耗品の識別子に格納されている消耗品データ、並びに/又はそれらのアッセイの結果を読み取る。その後コントローラーは、アッセイシステム、読み取り機又はその構成要素に、未使用の試験サイト、ドメイン及び/又はセクターでアッセイ又はアッセイ工程を実行するように指示し得る。
【0107】
さらに、所定のアッセイプロトコルは特定の型の一組の消耗品を必要とするかもしれない。従って、顧客が特定のアッセイプロトコルにおける使用のために特定の型のアッセイ消耗品、例えばマルチウェルアッセイプレートを入力した場合、システムにおいてそのアッセイプロトコルを行うために1つ又はそれ以上のさらなるアッセイ消耗品が必要とされるかもしれず、例えば1つ又はそれ以上の試薬がマルチウェルアッセイプレートでの使用に必要とされるかもしれない。必要な消耗品の各々がアッセイプロトコルについての消耗品要件に関する情報を有する消耗品識別子を含んでいてもよい。必要な消耗品の1つがアッセイシステムに投入され、そして識別子コントローラーがその消耗品についての消耗品識別子と相互作用する場合、システムはシステムに存在する構成要素の目録を作り、そして結果を、消耗品識別子に保存され、かつ/又は記憶媒体に保存され、かつ/又は消耗品データとして提供される消耗品要件と比較する。いずれかの必要な消耗品が存在しないか又は不十分な供給量で存在する場合、システムは必要な消耗品識別子に格納されている情報に基づいてそのアッセイプロトコルのために追加の必要な消耗品を投入するよう顧客に指示する。2つ又はそれ以上のアッセイ消耗品がシステムにおいて使用される場合、機器は各消耗品と関連付けられている識別子に保存された消耗品要件に基づいて第一のアッセイ消耗品及び任意の関連した消耗品を正確に識別する。システムはアッセイ消耗品及び関連した消耗品が、サンプルを処理する前にシステムにロードされていることを確認する。対応する関連消耗品を伴わずに第一のアッセイ消耗品のみがシステムにロードされた場合、機器が所定の時間内にシステム内に関連消耗品を確認しなければ、システムは顧客に関連消耗品をロードするよう指示する。不適合アッセイ消耗品が機器にロードされた場合、システムは顧客に通知する。アッセイ消耗品の利用可能な適合するセット(例えばマルチウェルアッセイプレートと特定のアッセイのための所定の試薬)がない場合、システムはサンプルを処理しない。システムはアッセイの開始前にアッセイ消耗品の期限切れを調べて、そして顧客に警告を出して期限切れの消耗品の使用を防止する。消耗品がサンプル吸引の前に期限切れになっていた場合、システムはそのサンプルを処理しない。部分的に使用されるアッセイ消耗品が異なる機器に設置された場合、消耗品の使用は次の利用可能な未使用ウェルで自動的に開始される。
【0108】
識別子はまた、所定のアッセイ消耗品がアッセイシステム中に存在する時間を追跡するために使用され得る。従って、アッセイ消耗品がアッセイシステム中に挿入されるか又はアッセイシステムと接触される場合、アッセイシステムにおいてタイマーが起動され、そして開始時間が識別子に記録される。消耗品又は消耗品内の試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターでアッセイがシステムにより開始されるときに、識別子に時間も記録される。機器、システム又はその構成要素が(例えば電源を切ったことにより)シャットダウンした場合、タイマーは止まり、そしてその時間が識別子に記録される。従って、タイマーが止まったときはいつでも、積算設置時間(onboard time)が識別子に記録される。
【0109】
(iii) 分析ツール
別の実施態様において、消耗品データは、アッセイの実行中及び/又は実行後に生成されるデータを分析するためにシステムに適用され得る1つ又はそれ以上の分析ツールをさらに含む。さらに、このような分析ツールは、顧客及び/又はシステムがアッセイの実行後にシステムソフトウェアにより特定の出力(例えば消耗品データに基づく分析結果に合わせたデータレポート又は形式)を生成するようにする指示を含み得る。あるいは、又はさらに、分析ツールは、システムによりそのデータに適用され得る1つ又はそれ以上の統計アルゴリズムをさらに含み得る。例えば、消耗品データは、所定の消耗品の使用により生じたデータを分析するために使用され得る2つ又はそれ以上の統計アルゴリズムの選択を含み得、そして顧客は所望のデータ分析のために適切なアルゴリズムを場合により選択することができる。消耗品データはまた、顧客の必要性のために適切なアルゴリズムを選択するために顧客により使用され得る情報、例えばアルゴリズム選択に関する技術注記又は文献参照を含み得る。
【0110】
分析ツールは、消耗品のロットごとに、かつ/又は所定のロット内の個々の消耗品ごとに異なっていてもよい。この実施態様において、消耗品データは、アッセイの実行中に、かつ/又はアッセイが完了した後に、システムソフトウェアにより適用される分析処理ツールを調整するためにシステムにより使用され、そしてその結果が生成され、かつ/又は表示される。このような分析処理ツールとしては、限定されないが、アッセイプロトコル(これもまた消耗品の差異に基づいて変更され得る)の1つ又はそれ以上の工程に適用され得るアッセイ閾値及び/又は較正曲線が挙げられる。特定の実施態様において、所定の消耗品の型及び/又は所望の使用のために、消耗品データは、システムにおいて所定の消耗品を使用するか又は一組の消耗品を用いた1つ若しくはそれ以上のアッセイ又はその工程の実行の予定を決めるプロジェクト管理ツールを含み得る。なおさらに、このような分析処理ツールは、使用者の裁量でシステム使用者により場合により調整され得る。分析ツールは、システムと顧客との間の直接的又は間接的インターフェースを介して顧客に送信され得る。
【0111】
(iv) アッセイシステムメンテナンス情報
消耗品データは顧客へのシステムメンテナンス情報をさらに含んでいてもよく、これらとしては、限定されないが、システムモニタリングレポート、システム構成要素使用量、サービス履歴、システムトラブルシューティング情報、システムで実行された診断の結果、管理図、定期メンテナンススケジュール、システム及び/若しくはその構成要素に関する保証情報、又はそれらの組み合わせが挙げられる。システムソフトウェアは、システムの様々な構成要素をモニタリングするようにプログラムされ得、そして自動的に又は指示された場合に、リモートモニタリングシステム及び/又はサービス技術者にモニタリングレポートを送信する。直接的インターフェースが使用可能でない場合、システムはモニタリングレポートをCDサーバに間接インターフェースを介して送信するように顧客に指示することができる。さらに、又はあるいは、このようなシステムモニタリングレポートは、現場で又はリモートからシステムを維持し、かつ/又はシステムにサービス提供する仕事を担当しているサービス技術者によりアクセスされ得る。この実施態様において、サービス技術者は、機器のサービス又は補助に関して顧客と直接的又は間接的インターフェースを介して通信し得る。直接的インターフェースが使用可能な特定の実施態様において、CDサーバはシステム構成要素使用量及び/又は保証情報をモニタリングし、そして標準的なシステム構成要素の寿命及び/又は保証期間に基づいて、サービス技術者による定期的なシステム/構成要素メンテナンス及び/又はアップグレードの予定を決定する。しかしシステムは、システム上のこのような情報を自動的にモニタリングするようにプログラムされ得、そしてサービス技術者がシステムの状態を評価し、そしてシステムサービス又はメンテナンスが必要かどうかを決定することができるように、直接的インターフェースが使用可能でない場合は間接的インターフェースを介してこのようなモニタリング活動の出力をCDサーバに送信するよう顧客に定期的に指示することができる。さらにCDサーバは、所定のアッセイシステムについてのサービス履歴のログを保持し得、そしてサービス技術者によるサービスコールの予定を決定し得る(これは直接的又は間接的インターフェースのいずれを使用して行ってもよい)。リモートコンピュータシステムはまた、個々のアッセイシステムソフトウェアアップグレードを直接的又は間接的インターフェースを介して送信することができる。
【0112】
(v) システム-消耗品販売促進情報
別の実施態様において、消耗品データは、例えば消耗品の新しい型又はロットが利用可能になった場合に(特に所定の顧客に歴史的に使用された製品)、販売促進資料を含む。このような販売促進資料はまた、新しいアッセイシステム、現在のシステムに対する修正、及び/又は現在のシステムに対する任意の付属品若しくは改善、特に顧客が所有するか若しくは操作するシステムに具体的に関連する修正、付属品若しくは改善、並びに/又はその顧客の以前の使用に基づいて顧客が興味を持つかもしれない修正、付属品、若しくは改善に関するものであり得る。この種の消耗品データはまた、文献参照、カタログ、製品挿入物、技術及び応用注記、技術的表現、会議情報、並びに販売促進セミナー、特に所定の顧客により使用される1つ又はそれ以上の消耗品/システムに関連し得るものも含み得る。このような販売促進情報は、顧客とベンダとの間の直接的又は間接的インターフェースを介して顧客に提供され得る。
【0113】
(vi) 技術サポート情報
消耗品データはまた、消耗品又はシステムの使用において顧客を補助し得る技術サポート情報、例えば製品挿入物及びデータシート情報、その消耗品と共に使用されることを意図された関連製品に関する情報、使用に関する指示、研修資料、チュートリアル、推奨される使用及び/又は保存情報、データ分析テンプレート、テンプレートレポート、較正曲線、ロット固有QCデータ、検証された定量限界、並びにトラブルシューティング方法及び/又はアルゴリズムを含む。1つ又はそれ以上のさらなる消耗品(例えば試薬)を含むか又はそれらと共に提供される消耗品については、消耗品データは、試薬のカタログ番号、試薬ロット固有情報、試薬の製造日、試薬の有効期限、使用についての指示、研修資料、チュートリアル、推奨される使用及び/又は保存なども含み得る。技術サポート情報は、技術サポート担当者との直接的又は間接的インターフェースを介してフィードバック又は補助を受けとること、例えば、顧客研修モジュール、コンサルティングサービス、及び/又は顧客の体験を容易にするための生の顧客サービス支援機能(すなわちライブチャット)も含み得る。当然のことながら、技術サポート情報は、消耗品、システム、又はその両方に関連するものであり得る。
【0114】
特定の実施態様において、表1は、消耗品識別子に保存され得、かつ/又はCDサーバとシステムとの間で直接的若しくは間接的インターフェースを介して交換され得る消耗品データのリストを含む。
【0115】
【0116】
本発明は、本明細書に記載される特定の実施態様による範囲に限定されない。実際に、本明細書中に記載されるものに加えて本発明の様々な改変が、前述の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなるだろう。このような改変は特許請求の範囲内にあることを意図される。米国出願第12/844,345号(2010年7月27日出願)を含む様々な刊行物が本明細書に引用され、それらの開示はそれら全体が参照により加入される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイシステムへの顧客のアクセスを制御する方法であって、前記方法は、
(a)システム識別子を受信するステップと、
(b)前記システム識別子を識別するステップと、
(c)
(i)前記アッセイシステム及び/又は前記アッセイシステムにおいて使用される消耗品へのフルアクセスを可能にすることと、
(ii)前記アッセイシステム及び/又は前記アッセイシステムにおいて使用される消耗品への部分的アクセスを可能にすることと、
(iii)前記アッセイシステム及び/又は前記アッセイシステムにおいて使用される消耗品へのアクセスを拒否することと、
から選択される1つ又は複数の操作を行うために前記システム識別子から取得した情報を利用するステップと、
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記システムは、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含むリモートインターフェースをさらに含み、前記受信するステップ(a)は、前記システム識別子を前記リモートインターフェースを介して受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可能にするステップ(c)(i)は、顧客にフルアクセスコードを送信し、それにより前記システムへのフルアクセスを可能にすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記可能にするステップ(c)(ii)は、顧客に部分的アクセスコードを送信し、それにより前記システムへの部分的アクセスを可能にすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記部分的アクセスコードは、デモンストレーションモードでの前記システムの使用を可能にするように適合される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アッセイシステムは、アッセイの実行において前記消耗品を使用するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アッセイ消耗品についての消耗品データを提供する方法であって、
(a)前記アッセイ消耗品と関連付けられた消耗品データについて、直接的インターフェースを介して顧客システムからクエリーを受信することであって、前記直接的インターフェースは、前記顧客システムとのインターネット接続を含む、受信することと、
(b)前記アッセイ消耗品についての消耗品データを、前記インターフェースを介して前記顧客システムへ送信することと、
を含む、方法。
【請求項8】
コンピュータシステムにより実行したときにアッセイシステムへの顧客のアクセスを制御する方法を前記コンピュータシステムに行なわせるコンピュータプログラムが格納されている非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
(a)前記コンピュータシステムのシステム識別子を受信するステップと、
(b)前記システム識別子を識別するステップと、
(c)
(i)前記アッセイシステム及び/又は前記アッセイシステムにおいて使用される消耗品へのフルアクセスを可能にすることと、
(ii)前記アッセイシステム及び/又は前記アッセイシステムにおいて使用される消耗品への部分的アクセスを可能にすることと、
(iii)前記アッセイシステム及び/又は前記アッセイシステムにおいて使用される消耗品へのアクセスを拒否することと、
から選択される1つ又は複数の操作を行うために前記システム識別子から取得した情報を利用するステップと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記システムは、直接的インターフェース、間接的インターフェース、又はそれらの組み合わせを含むリモートインターフェースをさらに含み、前記受信するステップ(a)は、前記システム識別子を前記リモートインターフェースを介して受信することを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記可能にするステップ(c)(i)は、顧客にフルアクセスコードを送信し、それにより前記アッセイシステムへのフルアクセスを可能にすることをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項11】
前記可能にするステップ(c)(ii)は、顧客に部分的アクセスコードを送信し、それにより前記アッセイシステムへの部分的アクセスを可能にすることをさらに含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記部分的アクセスコードは、デモンストレーションモードでの前記アッセイシステムの使用を可能にするように適合される、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記アッセイシステムは、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成される、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
コンピュータシステムにより実行したときに消耗品についての消耗品データを生成し、維持する方法を前記コンピュータシステムに行なわせるコンピュータプログラムが格納されている非一時的コンピュータ可読媒体であって、
(a)前記消耗品と関連付けられた消耗品データを含むデータベースを生成することであって、前記データベースは、前記消耗品データを前記消耗品と関連付けるために適合される情報を含む、生成することと、
(b)前記データベースをサーバ上で維持することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記サーバは、マスター消耗品データディレクトリ、マスターシステム識別子ディレクトリ、顧客データディレクトリ、又はそれらの組み合わせを含むディレクトリを含むマスターリポジトリを含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記マスターリポジトリは、マスターシステム識別子ディレクトリ、顧客データディレクトリ、又はそれらの組み合わせを含む1つ又は複数の補足ベンダディレクトリに対するインターフェースを含む、請求項15に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項17】
コンピュータシステムにより実行したときにアッセイ消耗品についての消耗品データを提供する方法を前記コンピュータシステムに行なわせるコンピュータプログラムが格納されている非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
(a)前記アッセイ消耗品と関連付けられた消耗品データについて、直接的インターフェースを介して顧客システムからクエリーを受信することであって、前記直接的インターフェースは、前記顧客システムとのインターネット接続を含む、受信することと、
(b)前記アッセイ消耗品についての消耗品データを前記インターフェースを介して前記顧客システムへ送信することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】