(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006002
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】テント
(51)【国際特許分類】
E04H 15/32 20060101AFI20240110BHJP
E04H 15/42 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
E04H15/32 Z
E04H15/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106527
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】柴田 茂樹
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA08
2E141BB05
2E141CC05
2E141DD25
2E141EE03
2E141EE04
2E141EE22
2E141EE32
2E141GG03
2E141GG06
2E141GG08
2E141GG10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明はブラシ等を用いることなくテント内に進入した砂等を容易に排出することが可能なテントを提供する。
【解決手段】テントは、グランドシートを有したテント本体100と、テント本体100に挿入されるフレーム200a、とを具備する。テント本体100は、右側面シートの下側位置に形成された砂排出口120と、テント本体100に設けられており且つグランドシート上の砂を砂排出口120に案内して排出するための案内部材130と、砂排出口120を開閉する線ファスナー140とを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランドシートを有したテント本体を備え、前記テント本体の側面、正面及び/又は背面の下側位置に砂排出口が形成されたテント。
【請求項2】
請求項1記載のテントにおいて、前記砂排出口は、前記テント本体のフライシートの下縁から離れた上方位置に配置されているテント。
【請求項3】
請求項1又は2記載のテントにおいて、前記テント本体に設けられており且つ前記グランドシート上の砂を前記砂排出口に案内して排出するための案内部材を更に備えたテント。
【請求項4】
請求項3記載のテントにおいて、前記案内部材は、後端部位が前記グランドシートの表面上に固定された長尺状シート部材であって、折り返されることにより先端部位が前記砂排出口から外に取り出し可能になっている一方、前記グランドシートの表面上に重ね合わせて配置可能になっているテント。
【請求項5】
請求項1又は2記載のテントにおいて、前記砂排出口を開閉する開閉手段を更に備えたテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアウトドア等に広く使用されるテントに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ドーム状のテント本体がフレームによって展開状態で支持された構造のドーム型テントが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例による場合、テント内に進入した砂の排出について考慮がなされておらず、テント内に進入した砂を排出することが難しい。
【0005】
本発明はテント内に進入した砂等を容易に排出することが可能なテントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るテントは、グランドシートを有したテント本体を備え、前記テント本体の側面、正面及び/又は背面の下側位置に砂排出口が形成されている。
【0007】
上記構成のテントによる場合、砂排出口が設けられているので、砂排出口から容易に排出することが可能になる。
【0008】
上記形態に係るテントは、前記砂排出口に関し、前記テント本体のフライシートの下縁から離れた上方位置に配置されていることが好ましい。
【0009】
上記構成のテントによる場合、砂排出口が地面より高い位置にあることから、砂等が砂排出口から進入することが少ない。
【0010】
上記形態に係るテントは、前記テント本体に設けられており且つ前記グランドシート上の砂を前記砂排出口に案内して排出するための案内部材を更に備えることが好ましい。
【0011】
上記構成のテントによる場合、案内部材を更に備えていることから、グランドシート上の砂が円滑に案内・排出され、この点で使い勝手が一層良好になる。特に、砂排出口が地面より高い位置にあるときであってもテント本体の砂排出口の下側部分が砂排出上の障害にならない。
【0012】
上記形態に係るテントは、前記案内部材に関し、後端部位が前記グランドシートの表面上に固定された長尺状シート部材であって、折り返されることにより先端部位が前記砂排出口から外に取り出し可能になっている一方、前記グランドシートの表面上に重ね合わせて配置可能になっているものを用いることが好ましい。
【0013】
上記構成のテントによる場合、案内部材の先端部位を砂排出口から外に取り出した状態で、案内部材の中央部位を部分的に持ち上げる等すると、案内部材に乗せられた砂を効果的に排出可能になる。また、案内部材をグランドシートの表面上に重ね合わせて展開すると案内部材が邪魔にならないことから、これらの点で使い勝手が一層良好になる。しかも構成がシンプルであることから、テント自体の高性能化と低コスト化とを図ることが可能になる。なお、案内部材は、長尺状シート部材に限定されず、砂排出口を挿通しており且つ砂を砂排出口に案内して排出する構成を有していればよい。
【0014】
本発明に係るテントは、前記砂排出口を開閉する開閉手段を更に備えた構成にすることがた好ましい
【0015】
上記構成のテントによる場合、開閉手段を更に備えた構成になっていることから、砂排出口を閉状態にすると、砂排出口を通じて砂が進入することがなくなり、この点で使い勝手が更に良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係るテントの正面図である。
【
図4】前記テントの正面側及び右側面側からの斜視図である。
【
図5】前記テントのグランドシートの部分斜視図であって、テント本体の出入り口を開け且つ案内部材が展開した状態を示す図である。
【
図6】前記テントの出入口を開けた状態のグランドシートの部分斜視図であって、テント本体の出入り口を開け且つ案内部材の先端部位が砂排出口から引き出された状態を示す図である。
【
図7】前記テントの正面側及び右側面側からの部分斜視図であって、案内部材の先端部位が砂排出口から引き出された状態を示す図である。
【
図8】前記テントの部分断面参考図であっで、案内部材が展開した状態を示す図である。
【
図9】前記テントの部分断面参考図であっで、案内部材の先端部位が砂排出口から引き出された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るテントの実施形態を
図1乃至
図9を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係るテントAは、組み立て型のドームテントであって、グランドシート160及びフライシート150を有したテント本体100を具備する。
【0019】
テント本体100は、例えば、ポリエステル、ナイロン、コットン又はポリコットン等からなるシートであって、テント本体100のドーム状のフライシート150と、テント本体100の内底面に位置する円形又は多角形状のグランドシート160とが一体的に作成されたものである。グランドシート160の円環状又は多角環状の外周縁が、フライシート150の円環状又は多角環状の下縁に接続されている。フライシート150は、フライシート150の下端部であって、グランドシート160の外周縁から上側に立ち上がった円環状又は多角環状の立ち上がり部151(
図8、9参照)を有している。立ち上がり部151は下縁を有する。フライシート150の外面には、4つのスリーブ101及び4つのフック102が設けられている。グランドシート160の4つの角部には、4つの係止部103が設けられている。
【0020】
4つのスリーブ101は、テント本体100と同様の素材で構成されたシートからなる可撓性を有する筒体であって、フライシート150の頂部を中心として、放射状(平面視X字状)に延びている。4つのフック102は、フライシート150の4つのスリーブ101に対して下側に一つずつ配置されている。4つの係止部103はピン等の金属部品である。
【0021】
テント本体100は、フライシート150の右側面シートの下側位置に形成された砂排出口120と、テント本体100に設けられており且つグランドシート160上の砂αを砂排出口120に案内して排出するための案内部材130と、砂排出口120を開閉する開閉手段としての線ファスナー140とを更に備える。
【0022】
砂排出口120は、フライシート150の下縁の一部(右側面の最下端)から数センチ上の高さ位置に形成され且つフライシート150の下縁の一部と略平行に延びた開口であって、案内部材130の先端側を出し入れするに適した開口寸法にされている。その開口縁部には両開き型の線ファスナー140が取り付けられている。砂排出口120は、テント本体100のフライシート150の下縁から離れた上方位置に配置されている。砂排出口120の高さ位置はテント外の砂α等が進入し難い程度にされている。
【0023】
案内部材130は、後端部位131(
図8、9参照)がグランドシート160の表面上に固定された長尺状シート部材であって、中央部位132(
図8、9参照)が曲げられることにより先端部位133(
図8、9参照)が砂排出口120から外に取り出し可能になっている一方、案内部材130がグランドシート160の表面上に重ね合わせて配置可能になっている。具体的には、案内部材130は、グランドシート160と同一素材及び同一色からなる長方形のシート部材であって、砂排出口120に対向し且つグランドシート160の外周縁の一部と平行になるように、後端部位131を折り返してグランドシート160の表面上に固着されている。案内部材130がグランドシート160の表面上に重ね合わせて配置された状態で、先端部位133が後端部位131よりも砂排出口120から遠く離れて配置される。案内部材130は、先端部位133が砂排出口120に向くように折り返され、先端部位133が砂排出口120から外に取り出されるようになっている。案内部材130の長さは、その先端部位133が砂排出口120から外に取り出された状態で地面に着く程度にされているが、これに限定されるものではない。
【0024】
フライシート150の正面、背面には半円弧状の出入口104、105が各々形成されており、フライシート150の右側面、左側面には半円弧状のサイドウインド106、107が各々形成されている。テント本体100の砂排出口120、出入口104、105及びサイドウインド106、107等を含む全ての開口の高さ位置は、立ち上がり部151よりも上側に位置し且つフライシート150の下縁よりも上側に位置する。
【0025】
フライシート150の正面には、出入口104を閉じるための円弧状の扉111が一体的に形成されており、その縁部には、出入口104を開閉するための線ファスナー108が取り付けられている。一方、フライシート150の背面には、出入口105を閉じるための円弧状の扉112が一体的に形成されており、その開口縁部には、出入口105を開閉するための線ファスナー108が取り付けられている。
【0026】
フライシート150の右側面には、サイドウインド106を閉じるための半円状の扉113が一体的に形成されており、その開口縁部には、サイドウインド106を開閉するための線ファスナー108が取り付けられている。一方、フライシート150の左側面には、サイドウインド107を閉じるための半円状の扉114が一体的に形成されており、その開口縁部には、サイドウインド107を開閉するための線ファスナー108が取り付けられている。
【0027】
テントAは、フレーム200a、200b、200cを更に具備する。フレーム200a及び200bは、複数のパーツが長手方向に継ぎ手接続されてなる組立パイプである。フレーム200aが、テント本体100の4つのスリーブ101のうちの二つに挿入され、4つのフック102のうちの二つが引っ掛けられ且つフレーム200aの両端に、4つの係止部103のうちの対角に位置する二つの係止部103が挿入されて保持されると共に、フレーム200bが、テント本体100の4つのスリーブ101のうちの残りの二つに挿入され、4つのフック102のうちの残りの二つが引っ掛けられ且つフレーム200aの両端に、4つの係止部103のうちの別の対角に位置する二つの係止部103が挿入されて保持されることによって、テント本体100を全体としてドーム状(展開状態)に保持する。フレーム200cは、複数のパーツが長手方向に継ぎ手接続されてなる略U字状の組立パイプであって、サンシェード部170(
図2参照)の外縁部に設けられたスリーブに挿入され且つ両端が、テント本体100のフライシート150に設けられた止め孔に差し込まれることによって、テント本体100の扉111の上側位置でサンシェード部170の庇形状が保持される。
【0028】
次に、上記のように構成されたテントAの使用方法について説明する。持ち運びのために折り畳まれたテント本体100を広げ、テント本体100にフレーム200a、200b、200cを通す。このようにして野外にてテントAを組み立てる。ただ、テントAを出入りする際、出入口104等から砂α等が進入することがある。このような砂αをテント外に排出するときには次のようにして行う。
【0029】
まず、線ファスナー140を引いて砂排出口120を開状態にし、案内部材130の中央部位132を持ち上げるとともに砂排出口120の方向に曲げ、その先端部位133を砂排出口120から外に取り出す(
図6、7参照)。このような準備が完了すると、グランドシート160上の砂αを案内部材130の後端部位131の近傍に集める。そして、砂αを案内部材130の後端部位131から案内部材130の先端部位133側へ案内部材130に沿って移動させる。この過程で、砂αが、砂排出口120からテント本体100外に排出される(
図9参照)。又は、グランドシート160を部分的に持ち上げ、これにより同シート160上の砂αを集めて移動させ、案内部材130の面上に乗せる。この状態で案内部材130を部分的に持ち上げ、これにより案内部材130の面上に乗った砂αを先端側に移動させ、砂排出口120の外に出す。案内部材130のうちテント外の部分は下り傾斜になっていることから、案内部材130に案内されるとともに地面に自然と流れ落ちる。
【0030】
このようにしてグランドシート160上の砂αがテントA外に排出されると、案内部材130の先端部位133等を砂排出口120から抜き、その後、案内部材130を上記とは反対の方向に曲げてグランドシート160の表面上に重ね合わせる(
図5、8参照)。そして、線ファスナー140を逆方向に引いて砂排出口120を閉状態にする。
【0031】
上記のように構成されたテントAによる場合、グランドシート160上の砂αを容易に排出することが可能になる。また、砂排出口120を有することから、砂α等の排出を目的として出入口104等を開ける必要がなくなった。また、砂排出口120には線ファスナー140が取り付けられていることから、砂排出口120が閉状態であるときには、砂排出口120を通じて砂α等が進入しない。また、砂排出口120が開状態であるときも砂排出口120を通じて砂α等が進入し難い。なぜなら、砂排出口120は出入口104等に比べて開口面積が小さいことに加えて、地面より高い位置に配置されているからである。
【0032】
更に、テント本体100内に新たに設けられた案内部材130がシート状であり、グランドシート160の表面に重ね合わせ可能であることから、案内部材130が邪魔になることもなく、従来に比べて使い勝手が良好になった。また、案内部材130等の構成がシンプルであり。大きな設計変更を要しない。それ故、テント自体の高性能化と低コスト化との双方を図ることが可能になった。
【0033】
なお、本発明に係るテントは、上記実施形態に限定されず、ツールームテント、トンネル型テント、ロッジ型テント、ワンポールテント、Vポールテント、ワンタッチテント又はエアーテント等にも上記形態と同様に適用可能である。また、テント本体に関しては、形状等が限定されず、フライシートが、グランドシートと別体になっているものを用いてもよい。別体のグランドシートが環状の立ち上がり部を有していてもよい。テント本体の立ち上がり部は省略可能である。砂排出口については、開口形状、高さ位置及び数等が限定されず、テント本体の正面及び/又は背面等に形成したり、テント本体のフライシートの下縁(グランドシートと略同じ高さ位置)に接した位置に形成したりしてもかまわない。フレームは省略可能である。例えば、前述のエアーテントは、フレームの代わりに、テント本体にエアーチューブが設けられており、このエアーチューブに空気が充填されることによって、テント本体が展開されるようになっている。ワンポールテント又はVポールテントの場合、フレームに代えて、フライシートの頂部とグランドシートとの間に介在するI字状又はV字状のテントポールが設けられていればよい。テント本体の出入口、サイドウインド又はその他の開口が、砂排出口を兼ねていてもよい。案内部材については、グランドシート上の砂を砂排出口を通じて排出するに適した部材である限り、その構成が問われない。案内部材は、砂排出口を挿通しており且つ砂を砂排出口に案内して排出する構成することが可能である。例えば、案内部材は、リード等を介してテント本体の内側面に取り付けられたシート、又はグランドシートとは別体である断面凹状等の樹脂成形品等であってもよい。案内部材自体は省略可能である。開閉手段については、砂排出口を開閉可能である限り、どのようなものを用いても良く、テント外の砂が砂排出口から進入し難いときには、開閉手段自体を省略した形態とすることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
A テント
100:テント本体
160:グランドシート
150:フライシート
120:砂排出口
130:案内部材
140:線ファスナー(開閉手段)