(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006003
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】監視装置、監視システム、監視方法及び監視プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240110BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240110BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240110BHJP
G06Q 50/22 20240101ALI20240110BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G08B21/02
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106530
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 智
(72)【発明者】
【氏名】モシニャガ ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩二
(72)【発明者】
【氏名】堀 輝
(72)【発明者】
【氏名】掛田 遥
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA52
5C086CA06
5C086CA25
5C086CB27
5C086DA08
5C086EA40
5C086EA45
5C087BB20
5C087DD03
5C087DD24
5C087DD29
5C087DD30
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF25
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG65
5C087GG70
5C087GG83
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】少なくとも2つの異なる指標に基づいて監視対象者ごとに危険度を判定して登録しておくことで、徘徊などの問題行動を正確に検出して行動監視を行うことを可能とする監視装置等を提供する。
【解決手段】監視対象者が所有する発信器2が発信する信号に基づいて、監視対象者の位置及び移動状態を演算する移動状態演算部62と、演算された監視対象者の位置及び移動状態から、問題を生じさせる可能性がある警戒対象者であるかどうかを判定する警戒対象判定部63と、警戒対象者が検出された場合にアラートを出力する出力制御部66と、少なくとも2つの異なる指標に基づいて、監視対象者ごとに危険度を判定して登録する危険度登録部64とを備え、警戒対象判定部63が、危険度登録部64に所定の危険度以上で登録された監視対象者について、警戒対象者であるかどうかを判定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象者が所有する発信器が発信する信号に基づいて、前記監視対象者の位置及び移動状態を演算する移動状態演算手段と、
演算された前記監視対象者の位置及び移動状態から、問題を生じさせる可能性がある警戒対象者であるかどうかを判定する警戒対象判定手段と、
前記警戒対象者であると判定された場合にアラートを出力する出力制御手段と、
少なくとも2つの異なる指標に基づいて、前記監視対象者ごとに危険度を判定して登録する危険度登録手段とを備え、
前記警戒対象判定手段が、前記危険度登録手段に所定の危険度以上で登録された監視対象者について、前記警戒対象者であるかどうかを判定することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の監視装置において、
前記2つの異なる指標が、看護観察の程度に基づく第1の指標と、認知機能障害の程度、自殺リスク及び他害リスクのいずれかに基づく第2の指標であることを特徴とする監視装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の監視装置において、
前記警戒対象判定手段が、前記危険度に応じて設定される安全領域以外の制限領域に侵入したことが検出された場合に当該監視対象者を警戒対象者と判定することを特徴とする監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載の監視装置において、
前記危険度登録手段に登録されている前記危険度の情報に応じて前記安全領域を設定する安全領域設定手段を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の監視装置において、
前記移動状態演算手段が演算した前記監視対象者の位置及び移動状態に基づいて、前記危険度登録手段に登録されている危険度の情報を更新する危険度更新手段を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の監視装置において、
前記監視対象者が、介護者及び当該介護者に介護される被介護者であり、
前記監視対象者の状態に関する情報を取得する状態取得手段と、
取得した前記介護者の状態及び/又は前記被介護者の状態に応じて前記危険度登録手段に登録されている危険度の情報を更新する危険度更新手段とを備えることを特徴とする監視装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の監視装置において、
前記移動状態演算手段が、前記発信器が発信する信号の強度に応じて前記監視対象者の移動状態を演算することを特徴とする監視装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の監視装置と、
前記発信器が発信する信号を受信する受信器とを備え、
前記移動状態演算手段が、前記受信器の位置情報と前記発信器が発信する信号の強度に応じて前記監視対象者の移動状態を演算することを特徴とする監視システム。
【請求項9】
コンピュータが、
監視対象者が所有する発信器が発信する信号に基づいて、前記監視対象者の位置及び移動状態を演算する移動状態演算ステップと、
少なくとも2つの異なる指標に基づいて、前記監視対象者ごとに危険度を判定して登録する危険度登録手段に所定の危険度以上で登録された監視対象者について、前記移動状態演算ステップで演算された前記監視対象者の位置及び移動状態から、問題を生じさせる可能性がある警戒対象者であるかどうかを判定する警戒対象判定ステップと、
前記警戒対象者が検出された場合にアラートを出力する出力制御ステップとを実行することを特徴とする監視方法。
【請求項10】
監視対象者が所有する発信器が発信する信号に基づいて、前記監視対象者の位置及び移動状態を演算する移動状態演算手段、
演算された前記監視対象者の位置及び移動状態から、問題を生じさせる可能性がある警戒対象者であるかどうかを判定する警戒対象判定手段、
前記警戒対象者が検出された場合にアラートを出力する出力制御手段、
少なくとも2つの異なる指標に基づいて、前記監視対象者ごとに危険度を判定して登録する危険度登録手段としてコンピュータを機能させ、
前記警戒対象判定手段が、前記危険度登録手段に所定の危険度以上で登録された監視対象者について、前記警戒対象者であるかどうかを判定することを特徴とする監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象者の位置及び移動状態と危険度とに基づいて警戒対象者を特定して監視する監視装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば認知症者の介護で問題となるのは、脳機能が低下することで中核症状と呼ばれる認知機能障害を引き起こし、そこに環境やその時の心理状態が絡み合うことでBPSD(幻覚、妄想、興奮、不穏、徘徊、焦燥、社会的に不適切な言動、性的逸脱行動、暴言、抑うつなど)をきたす。BPSDの中でも特に社会問題となっているのが徘徊に伴う行方不明である。認知症者の徘徊に伴う死亡リスク(Risk Of Death:ROD)は、認知症の認知機能障害の重症度に依存し、例えばADL(Activities of Daily Living)や精神症状の程度といった心理的尺度を通じて評価することができる。
【0003】
上記のような問題を踏まえて、監視対象者に携帯させた発信機の情報から徘徊状態を監視する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に示す技術は、徘徊監視装置は、所定の信号を発信し、監視対象者に携帯させる小型発信機と、施設内の適所に配置され、上記小型発信機が発する信号を受信して受信信号を生成する複数の受信機と、上記複数の受信機のうちの少なくとも2つの受信機が上記小型発信機からの信号を受信することにより生成した受信信号がそれぞれ入力される制御部と、を備え、上記制御部は、上記各受信機からの受信信号の比較に基づき、所定の制御信号を発するものである。
【0004】
また、通信状態から検出対象の位置を特定する技術として、例えば特許文献2に示す技術が開示されている。特許文献2に示す技術は、複数の中継機で形成される無線リンクにより送信装置が存在する範囲を特定するものであり、受信感度の情報を用いて送信装置が存在する範囲を特定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-285520号公報
【特許文献2】特開2009-219039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、予め行動が制限される監視対象者を登録することで、その監視対象者の行動に対して警告等を行うものであるが、徘徊などの危険度は上述したように複雑な精神症状や心理状態などと関連しており、予め登録された情報だけでは正確な危険度に基づいて行動監視を行うことは非常に難しい。そのため、必要がない場合であっても警告がなされたり、本当に必要な場面で警告がなされないなど処理の品質に問題が生じる可能性がある。このような課題は、特許文献2の技術を用いた場合であっても解決するのは困難である。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、少なくとも2つの異なる指標に基づいて監視対象者ごとに危険度を判定して登録しておくことで、徘徊などの問題行動を正確に検出して行動監視を行うことを可能とする監視装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る監視装置は、監視対象者が所有する発信器が発信する信号に基づいて、前記監視対象者の位置及び移動状態を演算する移動状態演算手段と、演算された前記監視対象者の位置及び移動状態から、問題を生じさせる可能性がある警戒対象者であるかどうかを判定する警戒対象判定手段と、前記警戒対象者が検出された場合にアラートを出力する出力制御手段と、少なくとも2つの異なる指標に基づいて、前記監視対象者ごとに危険度を判定して登録する危険度登録手段とを備え、前記警戒対象判定手段が、前記危険度登録手段に所定の危険度以上で登録された監視対象者について、前記警戒対象者であるかどうかを判定するものである。
【0009】
このように、本発明に係る監視装置においては、少なくとも2つの異なる指標に基づいて監視対象者の危険度が判定されて登録され、当該危険度に応じて監視対象者の中でも特に警戒が必要な監視対象者や、一見すると警戒が必要なさそうな監視対象者でも心理的に警戒が必要な監視対象者を特定して、それらの危険度に応じた正確な行動監視を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る監視装置を用いた監視システムのシステム構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る監視システムにおける受信器の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る監視システムにおける受信器の通信部が発出するデータパケットの構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る監視システムにおける発信器の信号を受信器が受信した場合の距離と信号強度の関係を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る監視装置の装置構成を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る監視装置の処理構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】生活の自由度に所定のリスクを関連付けた場合のリスク分類を示す図である。
【
図8】
図7のリスク分類に具体的なリスクを関連付けてカットオフポイントを設定した場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る監視装置について、
図1ないし
図8を用いて説明する。本実施形態に係る監視装置は、監視対象者の位置及び移動状態をセンサで取得し、取得した情報に基づいて警戒する必要がある監視対象者を警戒対象者として特定するものである。このとき、警戒する必要があるかどうかの判定が、少なくとも2つの異なる指標に基づいて登録された監視対象者ごとの危険度の情報により行われる。
【0012】
図1は、本実施形態に係る監視装置を用いた監視システムのシステム構成図である。監視システム1は、監視対象となる監視対象者がそれぞれに所有する発信器2と、発信器2からの信号を受信する受信器3と、受信器3で生成され当該受信器3から送信された情報をインターネットなどの通信網を介して受信して監視処理を行う監視装置4とを備える。また、必要に応じて、監視装置4からの遠隔操作で制御するドアロックのアクチュエーターなどの制御対象5と、監視対象者の健康状態やドア付近の人の動きや距離をセンシングするためのセンサーデバイス6とを備える。
【0013】
発信器2は、監視対象者の手首、衣服又は靴などに取り付けられた能動的な無線周波数(RF:Radio Frequency)ビーコンであり、一定の周波数で固有の識別子(タグ)に関するパルスのシーケンスを繰り返し送信する。この発信器2は監視対象者ごとにそれぞれ用意されており、固有の識別子と監視対象者とを対応付けて管理することで、監視対象者ごとの個別の監視が可能となる。
【0014】
受信器3は、監視対象者の監視範囲内の任意の位置に1つ以上設置されている。設置位置は予め決められた固定の位置でも良いし、変動する任意の位置でも良いが、ここでは固定の位置に設置されるものとし、その設置位置は後述する監視装置のデータベースに予め登録されている。
【0015】
ここで受信器3の詳細な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る監視システムにおける受信器の構成を示す機能ブロック図である。
図2において、受信器3は、発信器2のRF信号を受信するアンテナ31と、発信器2や他のRFIDリーダー32とは異なる固有のIDを有し、同じ周波数で送信されるタグを捕捉するためのRFIDリーダー32と、受信したRF信号の強度の測定、発信器2のタグの識別及び情報をデジタル的に一次処理する制御部33と、制御部33で処理されたデータをデータパケット(
図3において詳細を後述する)にまとめてインターネット等の通信網に発出する通信部34とを備える。また、必要に応じて、制御部33は、監視装置4から送信された制御対象5を制御するための制御信号を当該制御対象5に対して送信すると共に、センサーデバイス6でセンシングされた情報を受信してデータパケットに組み込む処理も行う。
【0016】
図3は、通信部34が発出するデータパケットの構成の一例を示す図である。データパケット7は、当該データパケット自体のIDを示すパケットID71と、受信器3のRFID識別子72と、捕捉した発信器2の識別子であるビーコンタグ73と、発信器2の信号強度74とを有しており、一又は複数のセンサーデバイス6が登録されている場合は、各センサーデバイス6ごとにセンサ情報75(A1~An)をペイロードとして追加する。
【0017】
信号強度74のデータは、発信器2が発信している信号強度又は電波振幅値である。
図4は、発信器2の信号を受信器3が受信した場合の距離と信号強度の関係を示す図である。
図4(A)がアナログの発信信号で、
図4(B)がデジタル信号に変換したものである。
図4から明らかなように、発信器2から発信された信号は、受信器3までの距離に対応した信号強度で当該受信器3に受信される。すなわち、信号強度に基づいて受信器3と発信器2とのある程度の距離を求めることが可能である。
【0018】
センサ情報75のデータは、センサーデバイス6でセンシングされた情報であり、例えば血圧、体温、脈拍等の監視対象者の生体情報であったり、ドアなどの近傍における人の動きや距離を測定するセンサーデバイス6の情報である。これらのセンサ情報75は、データパケット7のペイロードとして追加可能であるため、センサーデバイス6の設置数が増えるごとにセンサ情報75のパケット情報が付加される。なお、センサーデバイス6の種類、設置場所、個数等は、監視対象者の住居、居室、施設等の事情に合わせて任意に調整可能である。
【0019】
受信器3の通信部34で発出されたデータパケット7の情報は、インターネットを通じて監視装置4で受信される。
図5は、監視装置4の装置構成を示す図である。監視装置4は、受信器3から送信されたデータパケット7を受信し、各データパケット7にタイムスタンプを付加してCPU42の処理のためにキューに入れる処理を行うサーバー41と、受け取ったデータパケット7の各データに基づいて、後述するような監視処理を実行するCPU42と、監視対象者に関する情報や警戒対象者を判定するための判定基準など、監視処理に必要な情報を格納するデータベース44と、CPU42で演算した結果をスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末や制御対象5、その他コンピューティングデバイス等に送信するインターフェース43とを備える。なお、
図5における装置構成はあくまで一例であり、これらの機能を満たす構成であれば任意の装置構成にすることが可能である。
【0020】
図5の装置構成による監視装置4の処理について具体的に説明する。
図6は、本実施形態に係る監視装置の処理構成を示す機能ブロック図である。監視装置4は、受信器3から発出されるデータパケット7を取得する発信情報取得部61と、取得したデータパケット7の情報に基づいて監視対象者の位置及び移動状態を演算する移動状態演算部62と、監視対象者ごとに予め危険度が登録された危険度登録部64や、危険度に応じて移動可能な安全領域などが登録された安全領域登録部65等の情報に基づいて、監視対象者のうち警戒が必要な警戒対象者を特定する警戒対象判定部63と、特定された警戒対象者について、当該警戒対象者本人、監視者、介護者などが所有する携帯端末装置等に警告を出力する出力制御部66とを備える。
【0021】
また、必要に応じて、危険度登録部64に登録されている危険度の情報に基づいて、安全領域登録部65に登録する安全領域の範囲を設定する安全領域設定部67と、収集された監視対象者の位置及び移動状態の情報に基づいて、危険度登録部64の危険度を更新する危険度更新部68とを備える。
【0022】
発信情報取得部61は、サーバー41で受信したデータパケット7をデコードし、
図3で示した各情報を取り出す。移動状態演算部62は、取得したRFID識別子72の情報からデータパケット7が送信された受信器3の場所(居室、家等)の座標を特定する。また、ビーコンタグ73の情報から監視対象者を特定する。これらの処理は、予め対応付けられたデータベース(
図6には図示しない)の情報に基づいて行われる。
【0023】
移動状態演算部62は、更に電波強度74の情報から受信器3と発信器2との距離を算出すると共に、その移動状態(特定された受信器3に近づく方向に移動している又は遠ざかる方向に移動している等)を演算する。これにより、監視対象者の位置及び移動状態を遠隔で把握することが可能となる。また、必要に応じてセンサ情報75の情報を用いることで、監視対象者からドアまでの正確な距離や、居室内の中でもベッドの上にいるのかそうでないのかといった、より細かい監視対象者の位置及び移動状態を演算することも可能となっている。
【0024】
警戒対象判定部63は、危険度登録部64及び安全領域登録部65の情報に基づいて、監視対象者のうち警戒が必要な警戒対象者を特定する。ここで、危険度登録部64に登録される情報について詳細を説明する。本実施形態においては、主に徘徊に関わる危険度について説明するものであるが、それに関連して自殺リスク、他害リスク、身体機能に関するリスク等も考慮することが可能である。危険度登録部64には、監視対象者ごとの危険度が登録されるが、複数の指標に基づいて数段階の評価がなされる。
【0025】
第1の指標として、例えば看護度の分類が用いられる。看護度の分類とは、厚生省看護制度検討員会で定められた分類であり、下記の表に示す通り「(1)看護観察の程度」、「(2)生活の自由度」を段階的に分類しているものである。
【0026】
【0027】
全ての監視対象者について、警戒対象判定部63の処理を行うと必要以上に処理に負荷が掛かってしまう可能性があるため、警戒対象であるかどうかを判定する対象者を「(1)看護観察の程度」を用いて抽出する。ここでは、「A:常時(ほとんどつききりで)観察を必要とする」及び「B:断続的(おおむね1~2時間後毎)に観察を必要とする」を上記判定処理の対象者として抽出するものとする。すなわち、「C:継続した観察は必要ない(Bより長く間隔をあけた観察でよい)」の監視対象者については、そもそも警戒の必要がないものとして上記判定処理の対象者から除外する。
【0028】
「(1)看護観察の程度」から上記判定処理の対象者となった監視対象者については、
図7に示すようなリスク分類による評価がなされる。
図7は、生活の自由度に所定のリスクを関連付けた場合のリスク分類を示す図である。すなわち、単にリスクのみを考慮するのではなく、生活の自由度とリスクとを関連付けることでより正確なリスク回避を行うためのものである。「I:常に寝たまま」の場合は徘徊や移動が困難であることからリスクはない。「II:ベッドで身体を起こせる(自力で身体を起こせる)」の場合はリスク低、「III:病室内歩行ができる」の場合はリスク中、「IV:日常生活はほとんど不自由がない」の場合はリスク高がそれぞれの生活の自由度に対応して設定されている。
【0029】
本実施形態においては、さらに
図7の分類に対して異なる指標で求められるカットオフポイントが設定される。すなわち、看護度の分類について、さらに別の観点での分類による危険度の算出が可能となる。具体例をいくつか説明する。
【0030】
第1の例は、認知症による徘徊リスクである。認知症に関する指標として、例えばHDS-R(長谷川式認知症)スケールやMMSE(ミニメンタルステート検査)があり、前者であれば20点以下で認知症疑い、後者であれば26点以下で認知症疑いがあり点数が低いほどその疑いが強いとされる。すなわち、
図8(A)に示すように、HDS-Rスケールを用いる場合には、
図7におけるカットオフポイントを20点に設定し、MMSEを用いる場合には、
図7におけるカットオフポイントを26点に設定する。
【0031】
第2の例は、病院や施設などから離院した後の自殺リスクである。自殺のアセスメントとして、例えばSAD PERSONSスケールがある。SAD PERSONSスケールでは、0~4点が自殺低リスク、5~6点が中等度リスク、7~10点が高度リスクとなっており、中等度以上(5点以上)では必要に応じて入院を考慮し、高度(7点以上)では入院適応を考慮としている。そのため、
図8(B)に示すように、SAD PERSONSスケールを用いる場合には、
図7におけるカットオフポイントを5点に設定する。
【0032】
第3の例は、病院や施設などから離院した後の他害(暴力)のリスクである。暴力の短期予想に関する指標として、例えばBVC(Broset Violence Checklist)がある。6つの項目について、新たに出現した場合や通常よりも激しい状態になった場合には1点、新たな出現がない場合や通常と同程度の状態である場合は0点とし、1点以上になることで24時間以内に78%の確率で暴力が起こるとしている。そのため、
図8(C)に示すように、BVCを用いる場合には、
図7におけるカットオフポイントを1点に設定する。さらに、この場合は、監視対象者ごとに時間設定(BVCを行ってから24時間以内)を行って登録されることとなる。
【0033】
上記はあくまで一例であるが、このような様々な評価基準に基づいた危険度が監視対象者ごとに危険度登録部64に登録されている。なお、
図7及び
図8において、危険度の段階が生活の自由度に合わせて4段階で設定されているが、それ以上又はそれ以下の段階で設定されていてもよい。例えば、より細かい生活レベルに合わせて10段階の危険度を設定するといった登録も可能である。また、複数の指標で総合的に判断できるようにしてもよい。例えばHDS-RスケールとSAD PERSONSスケールとの組み合わせた新たな採点基準を設け(どちらを重視するかにより係数決定)、その新たな採点基準に応じてカットオフポイントを設定するようにしてもよい。
【0034】
警戒対象者判定部63は、移動状態演算部62で演算された監視対象者について、危険度登録部64から看護観察の程度の情報を抽出し、警戒対象者の候補になるかどうかを判定する。監視対象者がC「継続した観察は必要ない(Bより長く間隔をあけた観察でよい)」であれば特に処理を行わない。監視対象者がA「常時(ほとんどつききりで)観察を必要とする」又はB「断続的(おおむね1~2時間後毎)に観察を必要とする」であれば、当該監視対象者の危険度を抽出する。
【0035】
警戒対象者判定部63は、抽出された危険度の情報に基づいて、安全領域登録部65から安全領域の情報を抽出する。安全領域登録部65には、危険度登録部64の危険度に応じた安全領域の範囲が登録されている。例えば、危険度登録部64においてリスクなしの場合は全ての領域が安全領域として設定され、リスク低の場合は敷地内、リスク中の場合は建物内、リスク高の場合は居室内といったような設定がなされる。
【0036】
なお、危険度登録部64には、上述したように複数の指標に基づいた危険度が登録されているため、それぞれの指標ごとに安全領域の設定がなされることが望ましい。例えば徘徊のリスクに関しては、敷地を取り囲む高い塀が設置されているような病院や施設であれば、リスクが高い場合であっても敷地内は安全領域とすることができる。また、例えば自殺リスクに関しては、建物内であっても上層階は飛び降りなどの危険性があるため安全領域とすることができない。このように、監視対象者が在中する環境やリスクの種類に応じて安全領域がそれぞれに設定されて登録される。これらの安全領域の設定・登録は、監視者からの入力に基づいて安全領域設定部67により行われる。
【0037】
警戒対象判定部63は、移動状態演算部62で位置及び移動状態が特定された監視対象者について、危険度に応じて抽出された安全領域の範囲内に居るかどうかを判定する。監視対象者が安全領域の範囲外であれば、警戒が必要な警戒対象者として特定する。警戒対象者が特定されると、出力制御部66が、警戒対象者本人、監視者、又は介護者等が所有する端末装置に対してインターネットを介してアラートを通知する。なお、このアラートの通知は、危険度に応じてその通知範囲を可変にしてもよい。例えば、リスク低の警戒対象者であれば建物内の介護スタッフ等にのみ通知し、リスク高の警戒対象者であれば警備員室の警備員も含めて通知するといった通知範囲の設定が可能である。
【0038】
また、出力制御部66は、アラートの通知以外にドアロックのアクチュエータを制御するための制御信号を送信する場合もある。すなわち、警戒対象者として特定された監視対象者の位置から安全領域の外に出るためのドアを特定し、それらのドアに対してアクチュエーターを制御することで強制的にドアロックを行う。この場合、安全領域の外に出た後に警戒対象者として特定され、当該特定後にドアロックをしても意味がないため、安全領域の境界線を少なくともドアの内側に設定しておき、監視対象者がドアの外に出る前に警戒対象者として特定できるようにする。
【0039】
なお、危険度登録部64の登録内容については、常時更新できる状態であることが望ましい。危険度の更新は危険度更新部68が行うが、監視者からの入力に基づいて行われてもよい。例えば、上述したようなHDS-RスケールやMMSEを行った場合は、その都度これらの結果を入力して危険度の更新を行う。これ以外に、移動状態演算部62が演算を行った結果に基づいて危険度の更新が行われるようにしてもよい。例えば、監視対象者ごとに移動の履歴を蓄積しておき、ある監視対象者が決まった時間に決まったルートしか移動しないような特徴がある場合は、その監視対象者については、決まった時間帯に関して危険度をリスクなしに更新するといった処理が可能である。また、HDS-RスケールやMMSEの結果はリスクが高い場合であっても、普段の移動履歴と移動範囲から徘徊の可能性が少ないと判断される場合(例えば不自由なく移動できる状態であっても、普段から建物内の移動しか行わないような監視対象者)は、危険度を低く更新するといった処理が可能である。すなわち、決まった指標に基づいた危険度をベースとし、必要に応じて各監視対象者ごとの移動状態から、より適正な危険度を算出して更新することで、無駄な処理を省きつつ警戒対象者を正確に特定することが可能となる。
【0040】
このように、本実施形態に係る監視装置においては、少なくとも2つの異なる指標に基づいて監視対象者の危険度が判定されて登録されることで、監視対象者の中でも特に警戒が必要な監視対象者や、一見すると警戒が必要なさそうな監視対象者でも心理的に警戒が必要な監視対象者を特定して、それらの危険度に応じた正確な行動監視を行うことができる。特に、第1の指標である看護観察の程度に対して、認知機能障害の程度、自殺リスク及び他害リスクのいずれかの第2の指標を組み合わせた危険度を監視対象者ごとに登録することで、これらの状態に適合したリスク管理が可能となる。
【0041】
また、危険度に応じて設定される安全領域以外の領域に侵入したことが検出された場合に、当該監視対象者を警戒対象者と判定するため、各監視対象者が安全領域を出た場合に直ちに対処することが可能になる。
【0042】
さらに、危険度の情報に応じて安全領域を設定するため、監視対象者の状態に応じて適正な安全領域の設定が可能となり、監視対象者の快適性をできるだけ確保しつつ十分な監視体制で対応することができる。
【0043】
さらにまた、監視対象者の位置及び移動状態に基づいて危険度の情報を更新するため、各監視対象者ごとの移動状態の特徴に応じて、適正な危険度を設定することが可能となる。
【0044】
さらにまた、発信器が発信する信号の強度に応じて監視対象者の移動状態を演算するため、単に受信器が発信器の信号を受信しただけではなく(受信器が受信可能な範囲内に発信器があるというだけではなく)、その距離を求めることができるため、監視対象者の位置を正確に算出することができる。
【0045】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る監視装置について以下に説明する。前記第1の実施形態においては、監視対象者の位置及び移動状態を演算することで、徘徊などの監視処理を行う構成としたが、本実施形態においては、監視対象者を介護者と当該介護者に介護される被介護者とし、介護される側と介護する側の双方の位置及び移動状態を取得して総合的に監視処理を行うことで、介護者の状態も考慮した危険度の更新や安全領域の範囲の更新を行うものである。なお、本実施形態において前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0046】
前記第1の実施形態において説明したように、被介護者の危険度は個々の事情や環境により異なるため、その都度適正な危険度に更新されることが望ましい。これと同様に、監視システム全体の相対的な危険度も常時変化することが考えられる。具体的には、例えば夜間の時間帯などスタッフの数が減る場合には監視の目が行き届きづらいため、監視システム全体としての相対的な危険度が上がることが考えられる。つまり、本実施形態においては、その時の人員配置に応じて、危険度登録部64の危険度の更新や安全領域登録部65の安全領域の範囲の更新を行う。
【0047】
本実施形態においては、発信器2が、介護者の手首、衣服又は靴などにも取り付けられており、固有の識別子と介護者とを対応付けて管理することで、移動状態演算部62が、介護者ごとの位置及び移動状態も演算可能になっている。危険度更新部68は、演算された介護者の位置及び移動状態から現在の人員配置の程度を演算する。十分な人数(予め設定された閾値以上)の人員配置であれば危険度の更新を行わないが、人数が不足している(予め設定された閾値未満)の人員配置であれば危険度登録部64に登録されている危険度を全体的に上昇させる。
【0048】
なお、危険度更新部68が危険度登録部64の危険度を更新することで、結果的に安全領域の判定基準も更新されることとなるが、危険度更新部68が安全領域登録部65の安全領域の範囲を直接更新するようにしてもよい。すなわち、人員配置が十分ではないと判断される場合は、安全領域の範囲を狭めるように安全領域登録部65を更新するようにしてもよい。
【0049】
人員配置以外にも監視システム全体の危険度が変動する要因がある。例えば介護者の疲労が蓄積されて集中力が低下しているような場合である。このような場合は、介護者側に監視の油断や緊急性判断の低下が生じる可能性があるため、監視システム全体として相対的な危険度が上昇していると言える。
【0050】
本実施形態においては、発信器2と共に、介護者の活動量や運動量(例えば消費カロリーやMETs)を測定可能な機器や、睡眠状態を測定可能な機器(例えば、腕時計型のスマートウォッチ)を介護者が所持し、それらの情報を監視装置4が取得する。監視装置4の危険度更新部68は、取得した介護者の活動量、運動量及び/又は睡眠状態に基づいて、危険度登録部64の危険度を更新する。具体的には、一日の活動量や運動量(単位時間あたりの活動量や運動量でもよいし、活動や運動の継続時間でもよい)が所定の閾値を超えた場合や、勤務時間中の睡眠(居眠り)が検出された場合に、危険度登録部64の危険度を上昇させて更新を行う。なお、上記と同様に安全領域登録部65の安全領域の範囲を狭める更新を行ってもよい。
【0051】
さらにこれ以外にも、監視システム全体の危険度が上がる要因として、突発的に業務量が増大する場合が挙げられる。例えば、被介護者の状態が急変した場合や食事の配膳時などは、突発的に業務が煩雑となるため、各被介護者への監視の目が行き届きにくくなる可能性がある。被介護者の中には、敢えてこのようなタイミングを図って離院や自殺を企図するケースもある。この場合も上記と同様に、介護者の活動量や運動量を測定し、例えば全介護者のMETsの平均値が所定の閾値を超えた場合に突発的に業務量が増大したと判定し、危険度登録部64の危険度を更新する。なお、上記と同様に安全領域登録部65の安全領域の範囲を狭める更新を行ってもよい。
【0052】
このように、本実施形態に係る監視装置においては、介護者及び被介護者の位置及び移動状態を取得すると共に、介護者の活動量、運動量、睡眠状態等の情報を取得し、これらの情報に基づいて危険度の情報を更新するため、各個人の危険度の管理だけではなく監視システム全体としての危険度も常時適正な値となり、安全な監視システムを実現することができる。
【0053】
(本発明のその他の実施形態)
その他の実施形態について以下に説明する。本実施形態に係る監視装置は、前記第1の実施形態や第2の実施形態において説明した機能に加えて、他の機能を有する構成となっている。なお、本実施形態において前記各実施形態と重複する説明は省略する。
【0054】
本実施形態に係る監視装置4は、警戒対象判定部63が監視対象者の位置及び移動状態に応じて危険度の軽重を調整して警戒対象者の有無を判定する。監視対象者(第2の実施形態においては被介護者)の危険度は、これまで説明したように指標や環境の違いで変動する。ここでは、抽出された監視対象者の危険度に対して、監視対象者の位置及び移動状態から推測される当該監視対象者の状態に応じた係数を乗算した上で、警戒対象判定部63の処理が行われる。
【0055】
一例として、監視対象者の位置がトイレの個室内で、且つ所定時間以上移動しないような場合に、所定の係数(>1)を乗算することで危険度に重み付けを行う。すなわち、トイレの個室に長時間籠っている場合は、何かしらの異常が発生したと推定することができるため、登録されている危険度よりも高い危険度で警戒対象者の判定処理を行う。同様に、日常生活に不自由がない監視対象者が、朝になってもベッド上から移動しないような場合も重み付けをした判定処理が行われる。
【0056】
他の例として、被介護者の周囲に介護者が居るかどうかによって危険度に重み付けを行ってもよい。例えば被介護者の周囲5m以内に介護者が検出されないような場合は、被介護者が介護者による監視下にない状況であると推定できるため、当該被介護者の危険度に所定の係数(>1)を乗算することで危険度に重み付けを行う。
【0057】
これ以外にも、例えば被介護者に加速度センサを所持させることで、被介護者の細かい動き(移動方向、速さ等)を取得し、その動きの質に応じて危険度に重み付けを行ってもよい。例えば、普段から動きの初速が速い(突然勢いよく動き始める)者や動き出すとなかなか止まらない者など、普段の動きに特徴がある者は危険度に重み付けを行う。
【0058】
このように、監視対象者の位置及び移動状態に応じて危険度の軽重を調整することで、より正確に警戒対象者を特定することが可能となる。
【0059】
他の実施形態として、監視システムの対象エリアについて、受信器3が受信する電波強度を予めマッピングしておくことで、対象エリア内での発信器2の位置をある程度正確に演算することが可能となる。例えば、廊下にある発信器2の電波を居室内の受信器3が受信する場合に、ドアが開いている状態と閉じている状態とではその電波強度は異なる。また、発信器2と受信器3との距離は近いもののフロアが異なるような場合は、電波強度が強くても距離は離れていると判断しなければならない。そのため、様々なケースを想定した電波強度マップを予め作成してデータベースに登録し、受信器3から取得した電波強度マップとマッチングを行うことで発信器2の位置を演算するようにしてもよい。
【0060】
なお、徘徊リスクに関する評価情報としては、上述した以外にも、NPI(Neuropsychiatric Inventory)、徘徊のリスク要因(男性、年齢が若い、MMSE<13でADLが保たれている、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、著しい視空間的な見当識障害を伴う認知症、興奮状態、精神症状、物質関連障害と人格タイプなど)等の評価結果が含まれてもよい。
【0061】
また、自殺リスクに関する評価情報として、上述した以外にも、SABCS(The Suicidal Affect-Behavior-Cognition Scale)、SSIS(Saitama Suicide Intervention Scale)等の評価結果が含まれてもよい。
【0062】
さらに、他害リスクに関する評価情報としては、上述した以外にも、DASA(Dynamic Appraisal of Situational Aggression)評価表、VRAG(Violence Risk Appraisal Guide)評価表等の評価結果が含まれてもよい。
【0063】
さらにまた、病院や施設等における徘徊や離院に伴って、自殺、自傷他害、事故等が高まる評価情報として、自殺企図歴・未遂歴、アルコール摂取、物質乱用、抑うつ状態、希死念慮、幻覚妄想状態、自我障害、ベンゾジアゼピン系薬剤、精神運動興奮状態、緊張病症候群、意識障害(せん妄)等の評価結果が含まれてもよい。
【0064】
さらにまた、身体機能に関する評価情報としては、上述した看護度(生活の自由度)以外にも、ADL評価表、IADL(Instrumental Activities of Daily Living)評価表等の評価結果が含まれてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 監視システム
2 発信器
3 受信器
4 監視装置
5 制御対象
6 センサーデバイス
7 データパケット
31 アンテナ
32 RFIDリーダー
33 制御部
34 通信部
41 サーバー
42 CPU
43 インターフェース
44 データベース
61 発信情報取得部
62 移動状態演算部
63 警戒対象判定部
64 危険度登録部
65 安全領域登録部
66 出力制御部
67 安全領域設定部
68 危険度更新部
71 パケットID
72 RFID識別子
73 ビーコンタグ
74 信号強度
75 センサ情報