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  • 特開-血糖値上昇抑制剤及び整腸剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060064
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】血糖値上昇抑制剤及び整腸剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/8998 20060101AFI20240423BHJP
   A61P 1/10 20060101ALI20240423BHJP
   A61P 1/12 20060101ALI20240423BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240423BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 127/00 20060101ALN20240423BHJP
   A61K 135/00 20060101ALN20240423BHJP
   A61K 125/00 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
A61K36/8998
A61P1/10
A61P1/12
A61P1/04
A61P3/10
A61K36/9068
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/16
A61K127:00
A61K135:00
A61K125:00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039546
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2022134579の分割
【原出願日】2015-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】森川 琢海
(72)【発明者】
【氏名】山下 繭香
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 仁人
(57)【要約】
【課題】 血糖値上昇抑制作用が飛躍的に向上した血糖値上昇抑制剤、及び整腸作用が飛躍的に向上した整腸剤を提供すること。
【解決手段】 大麦処理物と、ホップ、クワ、クロレラ、ケール、長命草、甘藷、ターミナリア、ウコン、ショウガ、大豆、サラシア、ギムネマ、グァバ、及び杜仲からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材の処理物と、を含むことを特徴とする血糖値上昇抑制剤及び整腸剤である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麦処理物と、ショウガ科の植物素材を含有することを特徴とする整腸用組成物。
【請求項2】
大麦処理物と、ショウガ科の植物素材を含有することを特徴とする抗肥満組成物。
【請求項3】
大麦処理物と、ショウガ科の植物素材を含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血糖値上昇抑制剤及び整腸剤に係り、詳しくは、大麦処理物及び特定の植物素材処理物を有効成分とする血糖値上昇抑制剤及び整腸剤に関する。
【背景技術】
【0002】
大麦処理物の機能を追求したものとしては、例えば、大麦若葉を含有するコラーゲン吸収促進剤(特許文献1参照)や、大麦若葉を有効成分として含有するSOD(スーパ-オキサイドディスムターゼ)の遺伝子発現促進剤(特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-255512号公報
【特許文献2】特開2015-140338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、大麦処理物を配合した血糖値上昇抑制作用の飛躍的に向上した血糖値上昇抑制剤や、整腸作用の飛躍的に向上した整腸剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
食物繊維は、食後に上がる血糖値の急激な上昇を抑えるのに有効であると考えられている。本発明者らは、食物繊維が豊富な植物素材に着目し、まず、植物素材の主材料として、大麦若葉、稲若葉、小麦若葉、キャベツを選択し、ホップ葉との組み合わせの作用効果について血糖値上昇値抑制作用について調査したところ、大麦若葉を用いた場合に最もよい効果が示された。
【0006】
そこで、本発明者らは、この大麦若葉と他の植物素材の組合せに関する血糖値上昇抑制作用について鋭意調査・研究したところ、大麦処理物に特定の植物素材を組み合わせることにより、血糖値上昇抑制作用を飛躍的に向上させることができることを見いだした。すなわち、血糖値上昇抑制作用がほとんどないか、その作用があっても、その植物素材を、大麦処理物と組み合わせることにより、大麦処理物単独の場合に比して、その血糖値上昇抑制作用を飛躍的に向上させることができることを見いだした。また、同時に、整腸作用がほとんどないか、その作用が小さい植物素材を、大麦処理物と組み合わせることにより、大麦処理物単独の場合に比して、整腸作用を飛躍的に向上させることができることを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明は、大麦処理物と、ターミナリア、ホップ、クワ、クロレラ、ケール、長命草、甘藷、ウコン、ショウガ、大豆、サラシア、ギムネマ、グァバ、及び杜仲からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材の処理物と、を含むことを特徴とする血糖値上昇抑制剤に関する。
【0008】
また、本発明は、大麦処理物と、ターミナリア、ホップ、クワ、クロレラ、ケール、長命草、甘藷、ウコン、ショウガ、大豆、サラシア、ギムネマ、グァバ、及び杜仲からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材の処理物と、を含むことを特徴とする整腸剤に関する。
【0009】
また、本発明は、大麦処理物を有効成分とし、さらに、ターミナリア、ホップ、クワ、クロレラ、ケール、長命草、甘藷、ウコン、ショウガ、大豆、サラシア、ギムネマ、グァバ、及び杜仲からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材の処理物を有効成分とすることを特徴とする血糖値上昇抑制剤に関する。
【0010】
また、本発明は、大麦処理物を有効成分とし、ターミナリア、ホップ、クワ、クロレラ、ケール、長命草、甘藷、ウコン、ショウガ、大豆、サラシア、ギムネマ、グァバ、及び杜仲からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材の処理物を有効成分とすることを特徴とする整腸剤に関する。
【0011】
血糖値上昇抑制剤及び整腸剤の形態としては、錠剤、顆粒剤、粉末剤又はカプセル剤であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の血糖値上昇抑制剤によれば、大麦処理物単独の場合に比して、血糖値上昇抑制作用を飛躍的に向上させることができる。また、本発明の整腸剤によれば、大麦処理物単独の場合に比して、整腸作用を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の血糖値上昇抑制剤を適用した雄性KK-Ayマウスの血糖値の測定結果(変化値)を示す図である。
図2】本発明の整腸剤を適用した雄性KK-Ayマウスの24時間の糞便個数の測定結果を示す図である。
図3】本発明の剤を適用した雄性KK-Ayマウスの体重の測定結果(変化値)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、大麦処理物と、ターミナリア、ホップ、クワ、クロレラ、ケール、長命草、甘藷、ウコン、ショウガ、大豆、サラシア、ギムネマ、グァバ、及び杜仲からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材(以下、副素材ということがある)の処理物と、を含むことを特徴とする。副素材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0015】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤に用いられる大麦処理物及び植物素材処理物としては、葉、茎、根、花、実、幹、枝等、植物のいずれの部位であってもよく、植物素材の粉砕物、搾汁、抽出物等の植物素材処理物を用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥した粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、必要に応じて加温してもよい。抽出溶媒としては、例えば、水、エタノール、含水エタノール等の水溶性溶媒を用いることができる。これらの大麦処理物及び副素材処理物は、市販されているものを使用することができる。
【0016】
[大麦処理物]
大麦としては、二条大麦、六条大麦等を用いることができる。本発明において用いる部位としては、茎、葉が好ましく、若葉が特に好ましい。
【0017】
[副素材]
(ターミナリア)
ターミナリアとしては、例えば、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia catappa、Terminalia tomentosa、Terminalia citrina、Terminalia phellocarpa、Terminalia copelandii、Terminalia brassi、Terminalia ivorensis、Terminalia superba、Terminalia arjuna、Terminalia chebula等を挙げることができ、これらの中でも、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia chebulaが好ましい。本発明において用いる部位としては、種子を除く果実が好ましく、種子を除く果実の果皮又は果肉が最も好ましい。
(ホップ)
ホップは、アサ科の蔓性多年草である。本発明において用いる部位としては、蔓、葉が好ましい。
【0018】
(クワ)
クワは、クワ科クワ属に属する植物である。本発明で用いる部位としては、茎、葉が好ましく、葉が特に好ましい。
(クロレラ)
クロレラは、クロレラ属の淡水性単細胞緑藻類である。本発明で用いるクロレラとしては、常法により培養して得たクロレラの全藻を用いることができ、この培養液又はクロレラ全藻の濃縮物や乾燥粉末等を使用することができる。
【0019】
(ケール)
ケールは、アブラナ科植物であり、本発明において用いる部位としては、葉、茎が好ましい。ケールの品種としては、特に制限されるものではなく、キッチンケール、ツリーケール、ブッシュケール、マローケール、コラード、緑葉カンラン等の様々な種類のケールを用いることができる。
(長命草)
長命草は、セリ科カワラボウフウ属に属するボタンボウフウとも呼ばれる多年草植物である。本発明において用いる部位としては、茎、葉が好ましい。
【0020】
(甘藷)
甘藷とは、ヒルガオ科に属する植物をいい、一般にサツマイモと呼ばれる。甘藷の品種は、特に限定されるものではなく、例えば、すいおう、ジョイホワイト、コガネセンガン、シロユタカ、サツマスターチ、アヤムラサキ等を挙げることができる。本発明において用いる部位としては、茎、葉が好ましく、若葉が特に好ましい。
(ウコン)
ウコンは、ショウガ科ウコン属の多年草で、古くから染料、香料などとして利用されている。ウコンの種類としては、例えば、春ウコン(キョウオウ)、秋ウコン、紫ウコン(ガジュツ)等を挙げることができ、秋ウコンが特に好ましい。本発明において用いる部位としては、根茎が好ましい。
【0021】
(ショウガ)
ショウガは、ショウガ科ショウガ属の植物であり、例えば、三州生姜、黄生姜、金時生姜、谷中生姜を挙げることができる。本発明において用いる部位としては、根茎が好ましい。
(大豆)
大豆は、マメ科ダイズ属の一年草であり、例えば、黒豆、赤豆、青大豆、白大豆、黒埼茶豆等を挙げることができる。本発明において用いる部位としては、種子が好ましい。また、大豆は、加工品であってもよく、きな粉が特に好ましい。
【0022】
(サラシア)
サラシアは、主としてスリランカやインドや東南アジア地域に自生するニシキギ科サラシア属の植物であり、例えば、Salacia reticulata、Salacia oblonga、Salacia fimbrisepala、Salacia mamba、Salacia miegei、Salacia chinensis等を挙げることができ、Salacia reticulataが特に好ましい。本発明において用いる部位としては、根が好ましい。
【0023】
(ギムネマ)
ギムネマは、インドやスリランカを減産とするキョウチクトウ科に属する蔓性植物であり、例えば、Gymnema sylvestre(ギムネマシルベスタ)を挙げることができる。本発明において用いる部位としては、茎、葉が好ましい。
(グァバ)
グァバは、フトモモ科バンジロウ属の植物であり、例えば、Psidium guajava L.を挙げることができる。本発明において用いる部位としては、茎、葉が好ましい。
【0024】
(杜仲)
杜仲は、中国原産の落葉高木であり、本発明において用いる部位としては、茎、葉が好ましく、落葉する前に摘採した杜仲葉が特に好ましい。
【0025】
[その他の素材]
(プルラン)
プルランは、α-1,4結合による3個のグルコースからなるマルトトリオースが、α-1,6結合の繰り返しで鎖状に結合した水溶性の多糖類である。このプルランは、単独で大麦処理物に配合した場合、上記副素材と同様の効果を奏する。プルランは、大麦処理物に対して単独で、又は上記副素材と共に配合することができる。プルランの原料としては、トウモロコシ、バレイショやサツマイモ等を由来とするデンプンを発酵させたものを用いることができる。発酵には、糸状菌を用いることができ、糸状菌としては、例えば、Aureobasidium pullulansを挙げることができる。
【0026】
大麦処理物及び植物処理物の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.02:1~100:1の範囲であることが好ましく、0.05:1~50:1の範囲であることがより好ましく、0.1:1~40:1の範囲であることがさらに好ましく、0.5:1~30:1の範囲であることが特に好ましい。大麦処理物及び植物処理物の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0027】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤における大麦処理物及び植物処理物(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよいが、例えば、本発明の医薬品としての血糖値上昇抑制剤においては、乾燥質量換算で、有効成分が全体の0.01~100質量%含まれていることが好ましく、0.1~85質量%含まれていることがより好ましく、0.5~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0028】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、経口剤として用いることができ、その摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、500mg/日以上となるように摂取することが好ましく、1000mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、1500mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0029】
また、特に本発明の血糖値上昇抑制剤においては、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、食物繊維量としての1日当たりの摂取量が、600mg/日以上となるように摂取することが好ましく、1200g/日以上となるように摂取することがより好ましく、1800g/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。本発明の血糖値上昇抑制剤は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0030】
また、特に本発明の整腸剤においては、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、食物繊維量としての1日当たりの摂取量が、650mg/日以上となるように摂取することが好ましく、1300g/日以上となるように摂取することがより好ましく、1950mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。本発明の整腸剤は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0031】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、大麦処理物及び所定の植物処理物を含有し、血糖値上昇抑制又は整腸に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血糖値上昇抑制及び/又は整腸の機能がある旨を表示した医薬品が本発明の範囲に含まれる。
【0032】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、必要に応じて、経口用として許容される賦形剤等を添加して、公知の製剤方法によって製造することができる。賦形剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、二酸化珪素、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、麦芽糖、還元麦芽糖、還元パラチノース、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを挙げることができる。
【0033】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤の形態としては、例えば、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、液剤の形態が特に好ましい。
【0034】
また、本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、必要に応じて、大麦処理物及び所定の植物処理物以外の成分を配合してもよい。大麦処理物及び所定の植物処理物以外の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;カルシウム、マグネシウム、リン、鉄等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【実施例0035】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
8~19週齢の雄性KK-Ayマウス(2型糖尿病を自然発症し、肥満や高血糖を発現するモデルマウス)を馴化期間あるいは休止期間を設けた後、血糖値および体重値が均一となるように群分けした。各試験群に、表1に示す試験飼料を4日間自由摂取させた。
【0036】
【表1】
【0037】
大麦については、若葉の乾燥粉砕末を用いた。
ホップについては、葉及び蔓の乾燥粉砕末を用いた。
クワについては、茎及び葉の乾燥粉砕末を用いた。
クロレラについては、市販のクロレラマイクロパウダーを用いた。
ケールについては、葉の乾燥粉砕末を用いた。
長命草については、茎及び葉の乾燥粉砕末を用いた。
甘藷については、若葉の乾燥粉砕末を用いた。
ターミナリアについては、ターミナリアベリリカの果実及び果皮の水抽出物の乾燥粉砕末を用いた。
ウコンについては、秋ウコンの根茎の乾燥粉砕末を用いた。
ショウガについては、根茎の乾燥粉砕末を用いた。
大豆については、市販のきな粉を用いた。
サラシアについては、サラシアレティキュラーの根の含水エタノール抽出物の乾燥粉末を用いた。
ギムネマについては、ギムネマシルベスタの葉の含水エタノール抽出物の乾燥粉末を用いた。
グァバについては、葉から含水エタノール抽出されたグァバポリフェノール濃縮物(粉末)を用いた。
杜仲については、葉の熱水抽出物の乾燥粉末を用いた。
【0038】
各試験群に対して、血糖値測定試験、整腸効果確認試験及び体重測定試験を行った。具体的には、以下のとおりである。
【0039】
(血糖値測定試験)
群分け時(試験0日目)及び試験3日目に、約1時間の絶食後、尾静脈より採血を行い、血糖値(mg/dL)を測定した。測定には、小型血糖値測定器(グルテストエース;株式会社三和化学研究所)を用いた。
【0040】
図1に、血糖値の測定結果(変化値)を示す。標準飼料のみのコントロールや、標準飼料に大麦又は各副素材を単独で配合した飼料の血糖値に対して、大麦及び副素材を配合した本発明の実施例においては、いずれの場合も血糖値の低下がみられ、大麦及び各副素材の相乗効果が確認された。
【0041】
(整腸効果確認試験)
試験4日目に、測定前24時間分の糞便を回収し、24時間分の糞便の個数を測定した。
【0042】
図2に、糞便個数の測定結果を示す。標準飼料のみのコントロールや、標準飼料に大麦又は各副素材を単独で配合した飼料の糞便個数に比して、大麦及び副素材を配合した本発明の実施例においては、糞便の個数が明らかに増加しており、大麦及び各副素材の相乗的な整腸効果が確認された。
【0043】
(体重測定試験)
群分け時(試験0日目)及び試験4日目に電子天秤にて体重を測定した。
【0044】
図3に、体重の測定結果(変化値)を示す。標準飼料のみのコントロールや、標準飼料に大麦や各副素材を単独で配合した飼料の体重増加の割合に比して、大麦及び副素材を配合した本発明の実施例においては、いずれの場合も体重増加の割合が小さく、大麦及び各副素材の相乗効果が確認された。
【0045】
[参考例]
上記副素材に代えて、プルランを用いて実施例1と同様に試験を行った。その結果、血糖値測定においては、プルラン単独を配合した飼料では変化量が+210mg/dL程度であったものが、大麦及びプルラン配合飼料では、-145mg/dL程度と大幅に低下しており、大麦及びプルランの相乗効果が確認された。また、整腸効果確認においては、プルラン単独を配合した飼料では61個であったものが、大麦及びプルラン配合飼料では、95個となり、大麦及びプルランの相乗効果が確認された。さらに、体重測定においては、プルラン単独を配合した飼料では変化量が+1.3g程度であったものが、大麦及びプルラン配合飼料では、+0.2g程度となり、大麦及びプルランの相乗効果が確認された。
【0046】
[実施例2](錠剤の製造)
下記に示す割合で各成分を混合し、打錠機によって打錠を行った。
【0047】
配合成分 組成(mg)
大麦若葉末 135
ホップ葉末 15
デキストリン 120
ビタミン剤 15
無水クエン酸 15
【0048】
本錠剤を1日当たり4~10粒程度摂取(1日当たりの有効成分の摂取量600~1500mg)することにより、血糖値上昇抑制効果及び/又は整腸効果を得られることが期待される。
【0049】
[実施例3](カプセル剤の製造)
クロレラパウダー1重量部に対し15重量部の大麦若葉末を混合し、常法に従い顆粒剤とし、その顆粒剤300mgをカプセルに充填しカプセル剤を調製した。
【0050】
本カプセルを1日当たり6粒摂取(1日当たりの有効成分の摂取量1800mg)することにより、血糖値上昇抑制効果及び/又は整腸効果を得られることが期待される。
【0051】
[実施例4](顆粒剤の製造)
ショウガ末1重量部に対し15重量部の大麦処理物を混合し、常法に従い顆粒剤とし、その顆粒剤1.8gをアルミスティックに包装した。
【0052】
本顆粒剤を1日当たり3袋摂取(1日当たりの有効成分の摂取量5400mg)することにより、血糖値上昇抑制効果及び/又は整腸効果を得られることが期待される。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の血糖値上昇抑制剤及び整腸剤は、血中の血糖値上昇を抑制する効果又は整腸効果を有し、経口剤として用いることができることから、産業上の有用性は高い。
図1
図2
図3