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  • 特開-カバー部材が取付けられた樋構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060078
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】カバー部材が取付けられた樋構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/064 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
E04D13/064 502G
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040938
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2019170415の分割
【原出願日】2019-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】000165505
【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】舩木 元旦
(57)【要約】
【課題】勾配等に関わらず、建築物の軒樋や内樋等にカバー部材が取り付けられて落ち葉等による樋詰まりを防止すると共に雨水の内樋等への導入を確実に行うことができるカバー部材が取付けられた樋構造を提供する。
【解決手段】 本発明のカバー部材1が取付けられた樋構造は、カバー部材1は、略平面状のカバー部11と、少なくとも一端に樋1への取付部12,13とを備え、カバー部11には、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部112と、該案内部112の水下端のみに形成される開口部113とを有し、案内部112の一部が水上端から水下端へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に配設された樋の開放上部を傾斜状にカバー部材が覆う樋構造であって、
前記カバー部材は、略平面状のカバー部と、少なくとも一端に前記樋への取付部とを備え、
前記カバー部は、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有し、前記案内部の一部が前記開口部に向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であることを特徴とするカバー部材が取付けられた樋構造。
【請求項2】
前記カバー部材の前記案内部及び前記開口部は、流れ方向及び幅方向に複数設けられ、流れ方向には、位相状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカバー部材が取付けられた樋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勾配等に関わらず、建築物の軒樋や内樋等に取り付けられて落ち葉等による樋詰まりを防止すると共に雨水の軒樋等への導入を確実に行うことができるカバー部材が取付けられた樋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋根には、雨水を流す流水路として各種の軒樋や内樋等の樋類が設けられているが、それらの樋類の中に雨水に混じって落ち葉等が混入して閉塞状態となってしまうことを防止するため、前記樋類の表面には落ち葉よけの蓋状構造を採用するか、或いは別途カバー材等を配設することが多い。
例えば特許文献1に記載の軒樋1や特許文献2に記載の雨樋4は、平坦状の装置であって、その蓋状部分25やその雨樋カバーは、ほぼ水平状に設置される部材であり、特許文献1には長孔状の通孔22が、特許文献2には正円状の穴1が形成されている。
しかし、これらの特許文献1,2に記載の通孔22や穴1では、雨水やゴミ等が入り難く、閉塞し易いという問題があった。
【0003】
そのため、本願出願人は、特許文献3に記載の構造を提案し、ごみの侵入し難さや円滑な裏面への排出を促すものとして、平面視が横長孔状で、略J字状の案内部分を備える構造を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-148014号公報
【特許文献2】特開2009-167776号公報
【特許文献3】特許第3914870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献3の構造に形成される構造では、勾配等によっては裏面へ流下した雨水が、樋に落下せずに落ち葉除けの裏面を伝わって落ち葉除けの先端まで伝わり、雨水が滞留したり、樋以外へ落下する恐れがあった。また、このような端部での滞留等は、金属製の樋や落ち葉除け自体の腐食(サビ)を招く恐れの高いものであった。さらに冬期においては、凍結による破損や氷柱の原因にもなり、危険性の高いものであった。
【0006】
そこで、本発明は、勾配等に関わらず、建築物の軒樋や内樋等に取り付けられて落ち葉等による樋詰まりを防止すると共に雨水の樋材への導入を確実に行うことができ、接触角や表面張力の影響もないカバー部材が取付けられた樋構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、建築物に配設された樋の開放上部を傾斜状にカバー部材が覆う樋構造であって、前記カバー部材は、略平面状のカバー部と、少なくとも一端に前記樋への取付部とを備え、前記カバー部には、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有し、前記案内部の一部が水上端から水下端へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であることを特徴とするカバー部材が取付けられた樋構造に関するものである。
【0008】
また、本発明は、前記樋構造において、案内部及び開口部は、流れ方向及び幅方向に複数設けられ、流れ方向には、位相状に配置されていることを特徴とするカバー部材が取付けられた樋構造をも提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカバー部材が取付けられた樋構造は、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを設けたので、雨水を確実に落下させて軒樋や内樋の内部に導入させることができ、落ち葉等による樋詰まりを防止することができる。しかも、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有し、案内部の一部が開口部へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であるため、当該カバー部材が配設された勾配に関わらず、ごみが侵入し難く、裏面側へ円滑に且つ確実に排水できる。そのため、金属製の樋やカバー部材自体の腐食(サビ)を招く恐れが低いものである。
【0010】
また、案内部及び開口部が、流れ方向及び幅方向に複数設けられ、流れ方向には、位相状に配置されている場合、表面側平坦状部を流れる雨水を確実に案内部に集めることができ、裏面側へ排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)本発明の第1実施例のカバー部材の施工例の一つを示す側断面図、(b)その案内部及び開口部から雨水が裏面側へ排出される状態を拡大して示す側断面図である。
図2】(a)第1実施例のカバー部材を示す平面部、(b)その側断面図、(c)その案内部及び開口部の拡大側断面図、(d)その案内部及び開口部の拡大正面図である。
図3】(a)別の施工例を示す側断面部、(b)カバー部材の表面側平坦状部を流れる雨水が、案内部及び開口部から裏面側へ排出される状態を拡大して示す側断面図である。
図4】(a)第2実施例のカバー部材の施工例の一つを示す側断面部、(b)その案内部及び開口部から雨水が裏面側へ排出される状態を拡大して示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のカバー部材が取付けられた樋構造は、カバー部材は、略平面状のカバー部と、少なくとも一端に取付部とを有し、前記カバー部には、表面側平坦状部から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部と、該案内部の水下端のみに形成される開口部とを有し、前記案内部の水上端から水下端へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であることを特徴とする。
【0013】
本発明のカバー材のカバー部は、軒樋や内樋等を覆う部位(上面部)に相当するものであって、該カバー部に形成する案内部は、表面側平坦状部から裏面側へ連続している面状部分であり、該案内部の水下端のみに形成される開口部を有するものである。そして、前記案内部の水上端から水下端へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であるため、この案内部から雨水は、確実に深さ方向へ導かれて落下する。
【0014】
前記案内部の水上端から水下端へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状である構成について説明を補足する。
前記「弧状」は、円や楕円の円弧を指すものである。そのため、この案内部全体が円弧状又は楕円弧状である。
このように案内部は、その水下端に形成される開口部に向かう傾斜曲面状が望ましく、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である。
【0015】
これらの案内部及び開口部は、流れ方向、幅方向にそれぞれ複数設けられ、流れ方向には、位相状に配置されていることが望ましい。
この場合、表面側平坦状部を流れる雨水を確実に案内部に集めることができ、裏面側へ排出させることができる。
【0016】
前述のように本発明のカバー部材には、少なくとも一端に取付部を設けるが、該取付部は、後述する図示実施例のようにカバー部の水上端や水下端にそれぞれ設けることが望ましい。
水下側に設ける取付部としては、図示するように軒樋等の軒先側の側面上端に係合するコ字状係合部を備えることが望ましい。この場合、その取付によって、軒樋の軒先側を引っ張り上げるように保持させる作用を果たすものとなる。
水上側に設ける取付部としては、図示するように外装下地に固定した軒先唐草等にビス止めすることが望ましい。この場合、その取付によって、前記軒樋の荷重等を軒先唐草から外装下地に負担させることができる。
【0017】
また、このカバー部材は、一面状、即ち側面視直線状でもよいし、二つの平面を連結した、即ち側面視く字状でもよく、後者の場合には、その表面側を谷状底部としてもよいし、該谷状底部に断面凹状の軒側排水溝を設けるようにしてもよい。
なお、側面視く字状に成形する場合としては、後述する図示実施例のようにカバー部を軒先に向かって下り傾斜状面に成形し、水下側取付部(コ字状係合部)の上面部を軒先に向かって上り傾斜状面に成形する態様があり、これらの境界が谷状底部となる。また該谷状底部に断面凹状の軒側排水溝が形成されるものとなる。
【0018】
このように長さ方向に連続する断面凹状の軒側排水溝が設けられ、しかも該軒側排水溝を谷状底部に形成している場合には、確実に雨水をこの軒側排水溝の表面側に捕集でき、仮に前記案内部等にて裏面側(軒樋)へ落下できなかった雨水があったとしても、確実に雨水を捕集して長さ方向へ排水させることができる。更に、前記開口部から落下せずにカバー部材の裏面を伝わって流下する雨水も、この軒側排水溝の裏面側にて、確実に捕集して裏面側(軒樋)へ落下させることができる。
【0019】
このような構成を有する案内部や開口部の成形加工は、特に限定するものではないが、例えば幅寸法のスリット加工と、それを下端とするプレス加工とを併用する(同時に行う)ことにより、所望の案内部及び開口部を形成できる。したがって、このカバー部材は、金属製、合成樹脂製、その他の素材にて作製されるが、前述の加工を行うことができるような素材であれば特に限定するものではなく、例えば横葺き外装材(屋根材)としても用いられる素材、代表的には概ね0.4~1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材を用いることができる。
【0020】
なお、左右方向に隣り合う案内部の間隔に、表面側へ隆起する分水リブを設けることにより、雨水がより確実に案内部へ案内されるようにしてもよい。
【実施例0021】
図1(a)は、本発明の第1実施例のカバー部材1を用いた施工例の一つを示すものであって、カバー部材1が軒樋2を覆うように傾斜状に取り付けられた状態を示している。
このカバー部材1は、略平面状のカバー部11と、少なくとも一端に取付部12,13とを有し、前記カバー部11には、表面側平坦状部111から裏面側へ連続する複数の案内部112と、該案内部112の水下側に形成される開口部113とを有し、前記案内部112の一部が開口部113へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であって、図示実施例では、案内部112を、全体が円弧(面)状に形成されている。
【0022】
これらの案内部112及び開口部113は、図2(a)に示すように流れ方向、幅方向にそれぞれ複数設けられ、流れ方向には、位相状に配置されている。
この場合、図1(b)に拡大して示すように表面側平坦状部111を流れる雨水(図中に白塗り部分で示している)を確実に案内部112に集めることができ、開口部113から裏面側へ排出させることができる。
【0023】
前記カバー部11の水下側に形成される水下側成形部12は、上面部分121が軒先(軒端)に向かって上り傾斜状面となるコ字状係合部であって、軒樋2の軒先側の側面22の上端221に係合するものである。
また、前記カバー部11の水上側に形成される水上側成形部13は、外装下地6に固定した軒先唐草5にビス止め(ビス1b)される部位であり、カバー部11を水上側に延在させた部位である。
【0024】
この第1実施例では、図2(a)に示すように案内部112及び開口部113が、流れ方向(図面では上から下へ)に四列、幅方向(図面では左右方向)に六~八列設けられ、流れ方向には位相状に配置されている。
また、この第1実施例では、カバー部11と水下側取付部12との境界に、長さ方向(横方向)に連続する断面凹状の軒側排水溝14が設けられている。そして、当該軒側排水溝14は、軒先側に向かって下り傾斜状のカバー部11と、水下側取付部12の上り傾斜状の上面部分121と、の境界に、図2(b)~(d)に示されるように谷状底部に形成されているので、確実に雨水をこの軒側排水溝14の表面側に捕集して長さ方向へ排水させることができる。
しかも万が一、前記開口部113から落下せずにカバー部材1の裏面を伝わって流下する雨水も、この軒側排水溝14の裏面側にて、確実に捕集して裏面側(軒樋)へ落下させることができる。
【0025】
前記カバー部材1がその上面を覆う軒樋2は、雨水等を排水する内部空間(排水部)を有する通し材であり、底面21と二つの側面22,23とからなる断面略溝状に形成され、軒先側の側面22が、三つの傾斜面と二つの水平面とで構成される段状に形成され、その上端221が、前記カバー材1のコ字状係合部(水下側成形部12)に包持状に係合される係合受部である。
また、建築物側の側面23は、下端に支持受部231が形成される略垂直状の縦面であって、縦方向に延在する壁材7Bの外側に固定された壁面外装材8に、前記支持受部231が支持されている。図中、2bはこの側面23を壁材7Bに固定する固定具であり、8bは、壁面外装材8と共にこの側面23を固定する固定具である。
【0026】
前記カバー部材1の水上側成形部13を固定する軒先唐草5は、外装下地6の軒先部分に係合状に取り付けられる取付部、カバー部材1の水上側成形部13を固定する被固定部、最も水下側の横葺き外装材3'の軒側成形部を保持する保持部、及びその裏面側に配設されるバックアップ材4の水下側端を係止する係止部を備えている構成であって、図示しない固定具等により、外装下地6に一体的に固定されているので、該軒先唐草5に固定される前記カバー部材1も強固に取り付けられるものとなる。
【0027】
前記横葺き外装材3は、代表的には概ね0.4~1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材を用いて成形されたものであって、その裏面側には裏貼り材3bが添装され、更に裏面側にはバックアップ材4が配設され、段状の外装面を構築している。
【0028】
また、この施工例における建築物は、傾斜方向に延在するH躯体7Aに、木毛セメント板等で形成される野地板6が敷設され、該野地板6の上面側に防水シート6bを介して前記バックアップ材4が配設され、更にその上面側に前記横葺き外装材3が取り付けられている。
【0029】
さらに、前記H躯体7Aの軒端には、垂直方向に延在する壁材7Bが配設され、該壁材7Bの外側には壁面外装材8が固定され、その縦面81の下端に形成したL字状の支持部82にて前記軒樋2の建築物側の側面23の下端(被係合部231)を支持している。なお、壁材7Bの下端には、図中、点線にて示す天井材9が配されている。
【0030】
このような構成を有する本発明の第1実施例のカバー部材1は、表面側平坦状部111から裏面側へ連続し、その平面視形状は、矩形状の左右の対向する上端角が円弧状に形成された横長状である複数の案内部112と、該案内部112の水下端のみに形成される開口部113とを設けたので、雨水を確実に落下させて軒樋2に導入させることができ、落ち葉等による樋詰まりを防止することができる。しかも、前記案内部112の水上端から水下端へ向かって裏面側に中心又は重心が位置する反り返り弧状であるため、当該カバー部材1が配設された勾配に関わらず、落ち葉等のごみが侵入し難く、裏面側へ円滑に且つ確実に排水できる。そのため、金属製の樋やカバー部材1自体の腐食(サビ)を招く恐れが低いものである。
【0031】
図3(a)に示す施工例は、前記第1実施例のカバー部材1を、より急勾配に配設した状態を示している。
この施工例は、前記図1(a)の施工例におけるカバー部材1の配設勾配より急勾配であるため、より円滑に雨水が流れることは説明するまでもなく、雨水を案内部112に沿って円滑に且つ速やかに裏面側へ排出させることができる。
なお、図中の大きな太矢印は、表面側平坦状部111から案内部112に導かれた雨水が裏面側へ排出される状態を示しているが、小さな太矢印は、カバー部11の裏面を伝って流下する雨水が、軒側排水溝14の裏面側にて捕集されて軒樋2へ落下する状態を示している。
【0032】
図4(a)は、第2実施例のカバー部材1"を用いた施工例の一つを示すものであり、カバー部材1"を除く軒樋2等の全ての部材については、前記図1(a)と全く同様であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
この第2実施例におけるカバー部材1"は、前記第1実施例のカバー部材1における全体が円弧(面)状である案内部112に代えて、直線状(面)と楕円(面)状とを組み合わせた案内部112"とした以外は、全く同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
この第2実施例での雨水の流れも、図1(b)と同様に図4(b)に示したが、カバー部材1"の配設勾配に関わらず、雨水を裏面側へ導く案内部112"自体が急勾配になるように形成されているため、裏面側へ円滑に且つ確実に排水することができる。そのため、金属製の樋やカバー部材自体の腐食(サビ)を招く恐れが低い。
【0035】
また、この第2実施例でも、前記第1実施例と同様に、カバー部11"と水下側取付部12との境界である谷状底部に、長さ方向(横方向)に連続する断面凹状の軒側排水溝14が設けられているため、確実に雨水をこの軒側排水溝14の表面側に捕集して長さ方向へ排水させることができる。しかも万が一、前記開口部113から落下せずにカバー部材1"の裏面を伝わって流下する雨水も、この軒側排水溝14の裏面側にて、確実に捕集して裏面側(軒樋)へ落下させることができる。
【符号の説明】
【0036】
1,1" カバー部材
11,11" カバー部
111 表面側平坦状部
112,112" 案内部
113 開口部
12 水下側取付部
121 上面部分
13 水上側取付部
14 軒側排水溝
2 軒樋
21 底面
22 (軒先側)側面
23 (建築物側)側面
3 横葺き外装材
4 バックアップ材
5 軒先唐草
6 外装下地(野地板)
7A H躯体
7B 壁材
図1
図2
図3
図4