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▶ インスティテュート フォー マスキュロスケレタル サイエンス アンド エジュケイション,リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060082
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】対角挿入軸を有するインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041435
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2022086976の分割
【原出願日】2019-01-31
(31)【優先権主張番号】15/884,845
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517373240
【氏名又は名称】インスティテュート フォー マスキュロスケレタル サイエンス アンド エジュケイション,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタウファー,ミーガン,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,クリストファー,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マクシェイン,3世,エドワード,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ナイアハイ,ジョセフ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ,ショーン,エス.
(57)【要約】
【課題】脊椎に挿入するためのインプラントにおいて、前側方椎体間固定術OLIFを用いたインプラントの挿入を可能にする。
【解決手段】インプラントは、周辺構造で構成される本体部と、本体部に取り付けられる複数の骨接触要素と、横軸1402と前後軸1400とに対して対角線にある対角挿入軸1404とを備えて構成される。周辺構造は第1外側部分1156と第2外側部分1158と前方部分1152と後方部分1154とで構成され、第1外側部分1156と前方部分1152は第1角部分1160で接続され、第2外側部分1158と後方部分1154は第2角部分1164で接続され、第2外側部分1158と前方部分1152は第3角部分1162で接続され、第1外側部分1156と後方部分1154は第4角部分1166で接続されている。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺構造で構成された本体部と、前記本体部に取り付けられている複数の骨接触要素と、を含むインプラントであって、
前記本体部は、挿入デバイスの一部分を受容するための開口を含み、
前記周辺構造は、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成され、
前記第1外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第1角部分で接続され、前記第2外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第2角部分で接続されており、
前記開口は中心軸を有し、前記周辺構造の前記第1角部分に配置され、
前記インプラントの本体部は少なくとも2本の支持ビームをさらに含み、前記2本の支持ビームのうち第1の支持ビームは前記開口の中心軸に沿って延び、第2の支持ビームは
前記第1の支持ビームに実質的に平行に延び、
前記複数の骨接触要素のうち少なくとも1つは前記インプラントの本体部の第1の部分から前記インプラントの本体部の第2の部分への間隙を橋渡しして延びている、インプラント。
【請求項2】
前記開口の中心軸は前記第1角部分と前記第2角部分との間に方向付けられた方向に延びている、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記インプラントの横軸は前記周辺構造の第1外側側部から第2外側側部に延びており、前記開口の前記中心軸は前記横軸に対して斜めに方向付けられている、請求項1または請求項2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記本体部の第1の部分が前記第1の支持ビームを含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記本体部の第2の部分が前記第2の支持ビームを含む、請求項4に記載のインプラント。
【請求項6】
周辺構造、第1の支持ビームおよび第2の支持ビームで構成される本体部と、
前記本体部に取り付けられている複数の骨接触要素と、
を含むインプラントであって、
前記周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成され、
前記第1外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第1角部分で接続され、前記第2外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第2角部分で接続されており、
前記第1の支持ビームは前記周辺構造の前記第1角部分に取り付けられている第1端部を有し、かつ前記第1の支持ビームは前記周辺構造の前記第2角部分に取り付けられている第2端部を有し、
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、前記第2の支持ビームと前記周辺構造との間隙を橋渡しし、
それぞれの前記支持ビームには、前記複数の骨接触要素のうち少なくとも1つの骨接触要素の端部が接続している、インプラント。
【請求項7】
前記第1の支持ビームと前記第2の支持ビームとは平行に配置されている、請求項6に記載のインプラント。
【請求項8】
前記第2の支持ビームと前記周辺構造との間隙を橋渡しする前記骨接触要素は直線状でない、請求項6に記載のインプラント。
【請求項9】
前記本体部は、挿入デバイスの一部分を受容するための開口を含む、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項10】
前記開口は前記第1角部分に配置されている、請求項9に記載のインプラント。
【請求項11】
前記開口は中心軸を有し、前記開口の前記中心軸は前記第1の支持ビームに揃えられている、請求項10に記載のインプラント。
【請求項12】
前記インプラントの前後軸が前記周辺構造の前記後方部分から前記前方部分に延びており、前記第1の支持ビームは前記前後軸に対して斜めに方向付けられている、請求項6に記載のインプラント。
【請求項13】
周辺構造で構成される本体部と、
前記本体部に取り付けられている複数の骨接触要素と、
を含むインプラントであって、
前記周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成され、
前記第1外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第1角部分でつながれ、前記第2外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第2角部分でつながれ、
前記第2外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第3角部分でつながれ、前記第1外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第4角部分でつながれており、
前記第1角部分と前記第2角部分の間を軸が延びており、
前記インプラントの本体部は、前記軸に基本的に平行に延びる少なくとも1本の支持ビームをさらに含み、
前記骨接触要素の少なくとも1つは直線状でなく、かつ前記本体部の第1の部分から前記本体部の第2の部分への間隙を橋渡しして延びている、インプラント。
【請求項14】
前記インプラントは挿入デバイスの一部分を受容するための開口を含む、請求項13に
記載のインプラント。
【請求項15】
前記開口は前記第1角部分に配置されている、請求項14に記載のインプラント。
【請求項16】
前記直線状でない少なくとも1つの骨接触要素は前記すくなくとも1本の支持ビーム(第1の支持ビームという)から延びている、請求項13に記載のインプラント。
【請求項17】
前記直線状でない少なくとも1つの骨接触要素は前記第1の支持ビームから前記周辺構造に延びている、請求項16に記載のインプラント。
【請求項18】
前記第1の支持ビームに基本的に平行な少なくとも1本の第2の支持ビームをさらに含む、請求項16に記載のインプラント。
【請求項19】
前記直線状でない少なくとも1つの骨接触要素は、前記第1の支持ビームから前記第2の支持ビームに延びている前記請求項18に記載のインプラント。
【請求項20】
前記直線状でない少なくとも1つの骨接触要素は弓状の構造を有する、請求項13に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、患者における骨の成長を支持するインプラントに関する。
【0002】
種々の異なるインプラントが体内で使用される。ある領域を安定させ、骨の内部成長を促すように体内で使用されるインプラントは、安定性(すなわち、圧力下での経時的な最小限の変形)および骨の内部成長のための空間の双方を提供する。
【背景技術】
【0003】
脊椎固定術または脊椎癒着術としても知られている脊椎固定は、変性円板疾患、脊椎すべり症(椎骨のすべり)、脊柱管狭窄症、脊柱側弯症、骨折、感染または腫瘍等の、種々の病態の治療に使用される外科的な治療法である。脊椎固定処置の目的は、不安定さ、ひいては痛みを低減することである。
【0004】
脊椎固定に備えて、椎間板のほとんどが除去される。インプラント、すなわち脊椎固定ケージは、脊椎のアライメントおよび椎間板の高さを維持するため、椎骨間に配置される。癒合(すなわち、骨橋)は、椎骨の終板間で生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0110626号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0042697号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0256351号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2016/0324656号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2018/0256352号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2018/0256353号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2018/0256361号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2018/0296347号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2018/0296350号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の一つの態様では、インプラントは、周辺構造で構成される本体部を含み、本体部は、挿入デバイスの一部分を受容するための開口をさらに含む。インプラントは、本体部に取り付けられている複数の骨接触要素も含む。周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成される。第1外側部分と前方部分は、周辺構造の第1角部分(first corner portion)で接続され、第2外側部分と後方部分は、周辺構造の第2角部分(second corner portion)で接続されている。開口は、周辺構造の第
1角部分に配置されている。
【0007】
別の態様では、インプラントは、周辺構造と支持ビームとで構成される本体部を含む。インプラントは、本体部に取り付けられている複数の骨接触要素も含む。周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成される。第1側方部分と前方部分は、周辺構造の第1角部分でつながれ、第2外側部分と後方部分は、周辺構造の第2角部分でつながれている。支持ビームは、周辺構造の第1角部分に取り付けられている第1端部を有し、支持ビームは、周辺構造の第2角部分に取り付けられている第2端部を有する。
【0008】
別の態様では、インプラントは、周辺構造で構成される本体部と、本体部に取り付けら
れている複数の骨接触要素とを含む。周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成される。第1外側部分と前方部分は、周辺構造の第1角部分でつながれ、第2外側部分と後方部分は、周辺構造の第2角部分でつながれている。第2外側部分と前方部分は、周辺構造の第3角部分でつながれ、第1外側部分と後方部分は、周辺構造の第4角部分でつながれている。複数の骨接触要素は、デバイスの上側側部で湾曲面を呈し、湾曲面は、第3角部分から第4角部分にかけて湾曲している。
【0009】
本実施の形態の他のシステム、方法、特徴および利点は、当業者には、以下の図面および発明の詳細な説明を考察すれば、明らかであろう、または明らかになるであろう。このようなすべての追加のシステム、方法、特徴および利点は、本明細書および本概要に含まれること、実施の形態の範囲に含まれること、ならびに以下の特許請求の範囲により保護されることが意図される。
【0010】
本実施の形態は、以下の図面および説明を参照するとよりよく理解することができる。図面内の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、むしろ実施の形態の原理を説明するにあたり強調を施している。また、図面において、同様な符号は、種々の図を通して、対応する部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】インプラントの実施の形態を示す模式的な等角図である。
図2】インプラントの実施の形態を示す模式的な等角図である。
図3】インプラントの実施の形態を示す模式的な等角図である。
図4】インプラントの本体部を示す模式的な上面図である。
図5図4のインプラントの本体部の模式的な等角図である。
図6】インプラントの実施の形態を示す模式的な前面図である。
図7】インプラントの実施の形態を示す模式的な後面図である。
図8】例示的ないくつかの模式的な断面を含む弓状骨接触要素の模式図である。
図9】例示的な弓状骨接触要素とインプラントの本体部の部分との間の取り付け領域の拡大模式図を含むインプラントの模式図である。
図10図1のインプラントの模式上面図である。
図11】インプラントの別の実施の形態を示す模式的な上面図である。
図12】インプラントの別の実施の形態を示す模式的な等角図である。
図13図12のインプラントの模式的な上面図である。
図14】粗面化表面を含むインプラントの実施の形態を示す模式的な等角図である。
図15】例示的な粗面化表面領域の模式図である。
図16】例示的な前側方椎体間固定術を受けている患者を描いた模式図である。
図17】例示的な脊椎の一部分を示す模式図である。
図18】例示的なインプラントの実施の形態を示す模式的な等角図である。
図19図16のインプラントの実施の形態を示す模式図である。
図20図16のインプラントの実施の形態を示す模式図であり、ねじ切り空洞が見える状態である。
図21図16のインプラントの実施の形態を示す模式図である。
図22】インプラントの上側側部の凸状幾何学形状を示す湾曲面を備える、図18のインプラントの模式図である。
図23】上側側部および下側側部の凸状幾何学形状を示す、図18のインプラントの模式図である。
図24】いくつかの骨接触要素のいくつかの拡大模式図を含む、図18のインプラントの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に説明される発明の実施の形態は、脊椎で使用するためのインプラントに関する。実施の形態は、本体部と、1つ以上の弓状骨接触要素とを備えるインプラントを含む。
【0013】
以下に説明するさまざまな手段に加えて、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により本明細書に援用される、McShane IIIらの「Implant with Protected Fusion Zones(被保護癒合ゾーンを備えるインプラント)」と題された、2018年4月26日公開の特許文献1に開示された本体部/支持構造、フレーム、プレート、コイルまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1007)。
【0014】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により本明細書に援用される、McShane,IIIらの「Implant with Arched Bone Contacting Elements(弓状骨接触要素を備えるインプラント)」と題された、2017年2月16日公開の特許文献2に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1009)。
【0015】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により「リング(Ring)出願」として本明細書に援用されて参照される、McShane IIIらの「Implant with Structural Members Arranged Around a Ring(リング周囲に配置された構造部材を備えるインプラント)」と題された、2018年9月13日公開の特許文献3に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1012)。
【0016】
また、任意の実施の形態は、その全体が参照により本明細書に援用される、Morrisらの「Coiled Implants and Systems and Methods of Use Thereof(コイル状インプラントおよびシステムならびにその使用方法)」と題された、2016年11月10日公開の特許文献4に開示された本体部/支持構造、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい。便宜上、Morrisの出願は、本願全体を通して「コイル状インプラント出願」として参照される(代理人整理番号138-1024)。
【0017】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により本明細書に援用される、Nyahayらの「Implant with Bone Contacting Elements Having Helical and Undulating Planar Geometries(らせん状起伏平面幾何学形状を有する骨接触要素を備えるインプラント)」と題された、2018年9月13日公開の特許文献5に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1037)。
【0018】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により本明細書に援用される、Nyahayらの「Corpectomy Implant(椎体部分切除術インプラント)」と題された、2018年9月13日公開の特許文献6に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1042)。
【0019】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により
本明細書に援用される、Bishopらの「Implant with Supported Helical Members(支持らせん部材を備えるインプラント)」と題された、2018年9月13日公開の特許文献7に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1043)。
【0020】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により本明細書に援用される、Hamzeyらの「Implant with Curved Bone Contacting Elements(湾曲骨接触要素を備えるインプラント)」と題された、2018年10月18日公開の特許文献8に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1059)。
【0021】
また、本明細書に開示された実施の形態のうちの任意のものは、その全体が参照により本明細書に援用される、Hamzeyらの「Implant with Multi-Layer Bone Interfacing Lattice(多層骨インタフェース格子を備えるインプラント)」と題された、2018年10月18日公開の特許文献9に開示された本体部/支持構造、要素、フレーム、プレートまたは他の構造のうちの任意のものを利用してもよい(代理人整理番号138-1067)。
【0022】
<インプラントの概要>
図1図3は、インプラント100の実施の形態の等角図を示す。インプラント100はまた、ケージまたは固定デバイスと称されてもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント100は、人体の一部内に埋め込まれるように構成されている。いくつかの実施の形態では、インプラント100は、脊椎への埋め込みのために構成されていてもよい。いくつかの実施の形態において、インプラント100は、椎骨間に支持を提供するために、および/または、椎骨間の癒合を容易にするために隣接する椎骨の間に挿入される脊椎固定インプラントまたは脊椎固定デバイスであってもよい。
【0023】
いくつかの実施の形態では、インプラント100は、本体部102を含んでいる。本体部102は、大略的にインプラント100のためのフレームまたは骨格を提供してもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント100は、複数の弓状骨接触要素104も含んでもよい。複数の弓状骨接触要素104は、本体部102に取り付けられていても、および/または本体部102と連続的に形成(もしくは「一体的に形成」)されていてもよい。
【0024】
本明細書において用いられる場合、各弓状骨接触要素は、インプラントの領域またはエリアにまたがる特徴的部材または要素を含む。いくつかの実施の形態では、これらの要素は、格子内の要素または他の3Dメッシュ構造と同様に、重なっていてもまたは交差していてもよい。他の実施の形態では、要素は重なっていなくてもまたは交差してなくてもよい。いくつかの実施の形態では、要素の長さがその幅およびその厚さよりも大きい要素を使用してもよい。たとえば、要素が略円形の断面形状を有する実施の形態では、要素は、その直径よりも大きい長さを有する。
【0025】
図1図3に見られる実施の形態では、各弓状骨接触要素は、要素の少なくとも一部に沿って略丸いまたは円形の断面形状を有する(すなわち、要素が中実管の幾何学形状を有する)ことがわかる。しかし、他の実施の形態では、要素は、さまざまな多角形断面形状、ならびに任意の他の規則的なおよび/または不規則な断面形状を含む任意の他の断面形状を有することができるであろうが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合において、たとえば、弓状骨接触要素の断面形状は、その長さに沿って変化することがで
きるであろう(たとえば、直径または形状は、その長さに沿って変化することができるであろう)。
【0026】
明確にするために、発明の詳細な説明および特許請求の範囲において方向を示す種々の形容詞に言及する。本明細書において用いられる場合、「前方」という用語は、インプラントを体内に置いたときに人体の前面の方に向けられることが意図される、インプラントの側部または部分を指す。同様に、「後方」という用語は、埋め込み後に人体の背面の方に向けられることが意図される、インプラントの側部または部分を指す。また、「上側」という用語は、体の上部(例えば頭)の方に向けられることが意図されるインプラントの側部または部分を指すのに対し、「下側」は、体の底部の方に向けられることが意図されるインプラントの側部または部分を指す。本明細書において、インプラントの「外側」側部または部分にも言及し、これは、埋め込み後に体の外側方向に面する側部または部分である。
【0027】
図1図3では、インプラント100は、前方側部110および後方側部112で構成されていると理解される。インプラント100は、インプラント100の両側において後方側部112と前方側部110との間に延びている、第1外側側部114および第2外側側部116も含んでもよい。さらに、インプラント100は、上側側部130および下側側部140も含んでもよい。
【0028】
方向または軸への言及は、体に対してそれが意図される向きではなく、インプラント自体に対するものを指す。たとえば、「遠位」という用語は、インプラントの中心から遠くの方に位置付けられる部分を指すのに対し、「近位」という用語は、インプラントの中心の近くの方に位置付けられる部分を指す。本明細書において用いられる場合、「インプラントの中心」とは、質量の中心、および/または中心面、および/または中心に位置付けられる別の基準面、とすることができるであろう。
【0029】
インプラントはまた、さまざまな軸に関連付けられていてもよい。図1を参照すると、インプラント100は、第1外側側部114と第2外側側部116との間にインプラント100に沿って延びている横軸120に関連付けられていてもよい。さらに、インプラント100は、後方側部112と前方側部110との間に延びている前後軸122に関連付けられていてもよい。また、インプラント100は、インプラント100の厚さ寸法に沿って延び、横軸120および前後軸122の両方に対して略垂直である垂直軸124に関連付けられていてもよい。
【0030】
インプラントは、種々の基準面または基準表面にも関連付けられていてもよい。本明細書において用いられる場合、「正中面」という用語は、インプラントを右側半体および左側半体に分ける、または2つの外側半体に分ける、インプラントの前方側部から後方側部に通る垂直面を指す。本明細書において用いられる場合、「横断面」という用語は、インプラントを上側半体および下側半体に分ける、インプラントの中心に位置付けられる水平面を指す。本明細書において用いられる場合、「冠状面」という用語は、インプラントを前方半体および後方半体に分ける、インプラントの中心に位置付けられる垂直面を指す。いくつかの実施の形態では、インプラントは、横断面等の2つの平面を中心に対称である。
【0031】
<周辺構造>
いくつかの実施の形態では、本体部は、周辺構造と周辺構造から延びている1つ以上の支持ビームとを含んでもよい。周辺構造は、任意の数のプレート、壁または同様の構造で構成されていてもよい。いくつかの実施の形態では、周辺構造はリングを含むことができるであろう。換言すれば、いくつかの実施の形態では、周辺構造は、周辺リング構造とす
ることができるであろう。
【0032】
図1図3に見られるように、本体部102はさらに、周辺構造150からなっていてもよい。周辺構造150は、リング状幾何学形状を有するように示されている。
【0033】
図4は、一切の弓状骨接触要素なしに単独で示される本体部102の模式的な等角図であり、図5は、任意の弓状骨接触要素から分離した本体部102の模式的な上面図である。
【0034】
図4図5を参照すると、周辺構造150はさらに、前方側部152、後方側部154、第1外側側部156および第2外側側部158で構成されていてもよい。
【0035】
図1図2に見られるように、この実施例では、周辺構造150は、前方側部152が第1外側側部156に接続され、第1外側側部156が後方側部154に接続され、後方側部154が第2外側側部158に接続され、第2外側側部158が前方側部152に接続されるように連続した構造である。すなわち、前方側部152、第1外側側部156、後方側部154および第2外側側部158はともに、連続的または途切れのないリングを形成する。
【0036】
図6はインプラント100の模式的な前面図である一方、図7はインプラント100の模式的な後面図である。
【0037】
図4図7を参照すると、前方側部152はさらに、第1前方部分160および第2前方部分162から構成されている。第1外側側部156は、前方側部152の第1前方部分160から後方側部154に延びている。同様に、第2外側側部158は、前方側部152の第2前方部分162から後方側部154に延びている。
【0038】
第1前方部分160は、(図6でもっともよくわかる)遠位面164、上側面166および下側面168から構成される。第1前方部分160は、第1外側面170と、第1外側面170に対向する(図示されていない)第2外側面と、も含む。さらに、第1前方部分160は、以下に説明するように、第2支持ビーム254と接合された近位面174を含む。
【0039】
第2前方部分162は、(図6でもっともよくわかる)遠位面184、上側面186および下側面(図示せず)を含む。第2前方部分162は、第1外側面190も含む(図5を参照)。さらに、第2前方部分162は、以下に説明するように、第3支持ビーム256と接合された近位面194を含む。また、第2前方部分162は、第1前方部分160に隣接して配置されている。いくつかの実施の形態において、第1前方部分160および第2前方部分162は、一緒に接合されている。
【0040】
第1外側側部156および第2外側側部158の各々は、近位面と接合された遠位面を含む。いくつかの場合では、近位面は凸状であってもよい。たとえば、第1外側側部156は、遠位面210および近位面212を含み、近位面212は凸状であり、インプラント100の上側側部および下側側部に沿って遠位面210に直接接合されている。
【0041】
インプラント100の後方側部154は、上側面200および下側面202を含む(図7を参照)。後方側部154は、遠位面204および近位面206も含む。図5に見られるように、後方側部154におけるインプラント100の幾何学形状は、第1外側側部156および第2外側側部158に向かって先細になっている。
【0042】
いくつかの実施の形態では、周辺構造の異なる部分の垂直高さまたは厚さは、変化することができるであろう。インプラント100の前面模式図を示す図6に示される実施の形態において、第1前方部分160は、第1高さ300を有するように示されている一方、第2前方部分162は、第2高さ302を有するように示されている。ここでは、第1高さ300は、第2高さ302よりも大きいように示されている。いくつかの実施の形態では、中央に位置する第1前方部分160から隣接する第2前方部分162への高さのこの先細化は、周辺構造150の前方側部152に凸形状を与えて、埋め込み時に、隣接する椎体間によりよくフィットするのに役立つ。
【0043】
また、図7に見られるように、後方側部154に沿う周辺構造150の高さは、第3高さ304として示されている。実施例では、第3高さ304は、第1高さ300よりも小さい。さらに、いくつかの場合には、第3高さ304は、第2高さ302よりもわずかに小さくてもよい。
【0044】
いくつかの実施の形態では、インプラントの後方側部と前方側部との間の高さまたは垂直方向厚さの変動により、インプラントが下側面と上側面との間に過前弯の角度を有することを可能にしてもよい。他の実施の形態では、垂直方向厚さの変動は、異なる場所におけるデバイスの相対的剛性を制御するために使用されてもよい。
【0045】
いくつかの実施の形態では、周辺構造150の厚さは、前方側部152または後方側部154のいずれかに沿った厚さよりも、第1外側側部156および第2外側側部158の両方に沿って、より小さくてもよい。実施例では、第1外側側部156および第2外側側部158は、同様の第4高さ306を有する。ここで、第4高さ306は、第1高さ300、第2高さ302および第3高さ304よりも小さい。前方側部および後方側部に比べて低減された外側側部についての高さまたは垂直方向厚さを用いることにより、インプラント100の上側面および下側面を横切る滑らかな垂直プロファイルを維持しながら、外側側部に弓状骨接触要素を取り付けることができる(図7を参照)。
【0046】
<支持ビーム>
いくつかの実施の形態では、本体部は、周辺構造を補強するために作用する1つ以上の支持ビーム(または支持構造)を備えてもよい。いくつかの実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、周辺構造の内部に沿って配置することができるであろう。たとえば、いくつかの実施の形態において、1つ以上の支持ビームは、内側に面する支持構造の表面上の第1位置から、内側(または近位)に面する支持構造の表面上の第2位置へと延びることができるであろう。換言すれば、いくつかの実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、周辺構造によって境界付けられた内部領域にまたがってもよい。
【0047】
図4図5に見られるように、本体部102は複数の支持ビーム250を含む。これらは、第1支持ビーム252、第2支持ビーム254および第3支持ビーム256を含む。
【0048】
図4図5に示した実施の形態では、これらの支持ビームの各々は、内側に面する周辺構造150の表面260上の第1位置から、内側に面する周辺構造150の表面上の第2位置へと延びている。ここで、内側に面する周辺構造150の表面260が、周辺構造150のさまざまな側の近位面(たとえば、近位面174、近位面194、近位面212等)から構成されていることが理解されるであろう。
【0049】
図4図5を参照すると、第1支持ビーム252は、内側に面する表面260の第1前方位置271に取り付けられた第1端部270、および、内側に面する表面260の第2前方位置273に取り付けられた第2端部272を含む。同様に、第2支持ビーム254および第3支持ビーム256の各々は、内側に面する表面260に沿って異なる位置に取
り付けられた対向する端部を含む。この構成により、複数の支持ビーム250は、周辺構造150によって境界付けられた内部領域290(または中央領域)にまたがることがわかる。
【0050】
複数の支持ビーム250は、周辺構造150に対してインプラント100内において中央に配置されるものと見なしてもよい。本明細書において用いられる場合、「中央位置」とは、インプラントの幾何学的中心または質量中心である正確な位置を指すものではなく、むしろ、周辺構造の内側に(たとえば、内部領域290内に)配置された大略的なエリアまたは領域を指す。したがって、以下の説明および特許請求の範囲において、支持ビームを中央ビームと称してもよい。
【0051】
異なる実施の形態では、支持ビームの数を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、単一の支持ビームを使用することができるであろう。他の実施の形態においては、2つ以上の支持ビームを使用することができるであろう。図4図5に示される実施例においては、3つの支持ビームが使用されている。
【0052】
異なる実施の形態では、1つ以上のビームの向きを変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、2つ以上の支持ビームを平行に方向付けることができるであろう。他の実施の形態では、2つ以上の支持ビームを互いに斜角に配置することができるであろう。実施例では、第1支持ビーム252、第2支持ビーム254および第3支持ビーム256は、互いに平行に配置されてもよい。また、実施例では、複数の支持ビーム250を、後方‐前方方向に(すなわち、前後軸122に沿って)方向付けてもよい。もちろん、他の実施の形態では、複数の支持ビーム250を任意の他の方向に方向付けることができるであろう。
【0053】
異なる実施の形態では、隣接する支持ビーム間の間隔または分離を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、隣接する支持ビーム間の間隔を、インプラントの横幅に比べて小さくすることができるであろう。たとえば、間隔を、インプラントの幅の0%~10%の範囲とすることができるであろう。他の実施の形態では、隣接する支持ビーム間の間隔を、インプラントの幅に対して大きくすることができるであろう。たとえば、間隔を、インプラントの幅の10%~95%の範囲とすることができるであろう(たとえば、インプラントの両方の外側側部に隣接して位置する2つのビームを、インプラントの幅の95%だけ離間させることができるであろう)。隣接ビーム間(またはビームと周辺構造の部分との間)の間隔は、一定であってもよく、またはインプラントを横切って変化してもよい。
【0054】
支持ビーム間の相対的間隔を、1つ以上の支持ビームの厚さ、使用される支持ビームの数、インプラントについての所望の強度対重量比、および他の要因を含む、多くの要因に応じて選択してもよいことが理解されるであろう。さらに、弓状骨接触要素は隣接支持ビーム間(または支持ビームと周辺構造との間)に延びているので、隣接支持ビーム間の間隔を、1つ以上の弓状骨接触要素の寸法に応じて決定してもよい。
【0055】
図4に示す実施の形態では、第1支持ビーム252は、間隔292だけ第1外側側部156から離間されている。第1支持ビーム252および第2支持ビーム254は、間隔294だけ互いに離間されている。第2支持ビーム254および第3支持ビーム256は、間隔296だけ互いに離間されている。第3支持ビーム256は、間隔298だけ第2外側側部158から離間されている。実施例では、間隔292、間隔294、間隔296および間隔298の各々は、大略的にインプラント100の幅199の15%~30%の範囲の値を有する。もちろん、隣接構成要素間の間隔を、たとえば前後軸122に沿って変えることができるので、それぞれの間隔が平均または近似の間隔であることが理解される
であろう。
【0056】
異なる実施の形態において、1つ以上の支持ビームの幾何学形状を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、湾曲幾何学形状を有することができるであろう。他の実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、実質的に直線状の幾何学形状を有することができるであろう。
【0057】
図4図5に示す実施の形態では、複数の支持ビーム250のそれぞれが、実質的に直線状の幾何学形状を有する。また、各支持ビームの断面幾何学形状は、実質的に丸みを帯びている。しかし、他の実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、長方形、多角形、規則的形状および/または不規則形状を含むがこれらに限定されない、任意の他の断面形状を有することができるであろう。断面形状は、支持ビームの長さにわたって、たとえば丸い断面形状(たとえば円形または楕円形)から、多角形断面形状(たとえば長方形)へと変化することもできるであろう。
【0058】
異なる実施の形態において、1つ以上の支持ビームの厚さは変化することができるであろう。大略的に、支持ビームの厚さ(または直径)は、インプラントの幅(または長さ)の1%~95%の範囲で変化することができるであろう。実施例では、第1支持ビーム252、第2支持ビーム254および第3支持ビーム256は、図4に見られるように、インプラント100の幅199の約2%~15%の範囲の直径を有する。より具体的には、第2支持ビーム254は、第1支持ビーム252の直径253よりも大きく、かつ第3支持ビーム256の直径257よりも大きい直径255を有する。
【0059】
いくつかの場合に、第2支持ビーム254は、最大直径を有してもよい。衝撃力が、第1内部部分160でインプラント100に結合されたデバイスによってインプラント100の中心(第2支持ビーム254が位置する場所)に加えられるので、第2支持ビーム254についてのこのより大きい直径は、インプラント100の中心を補強することを助けてもよい。
【0060】
少なくともいくつかの実施の形態では、インプラントの本体部内の支持ビームが同一平面上にあってもよい。
【0061】
図4図5において、第1支持ビーム252、第2支持ビーム254および第3支持ビーム256は、インプラント100の同様の平面に存在することがわかる。支持ビームの同一平面配置は、上側側部および下側側部の間のインプラント100についての略対称配置を提供するのに役立ってもよい。
【0062】
一般に、インプラントの本体部の1つ以上の部分の幾何学形状を、実施の形態によって変えることができるであろう。たとえば、本体部の部分は、インプラントを貫いて骨成長を促進する可能性がある、および/または重量を減らす可能性がある、1つ以上の窓、スロットおよび/または開口を含むことができる。
【0063】
<締結手段>
いくつかの実施の形態は、1つ以上の留め具受容手段を含むことができる。いくつかの実施の形態は、挿入デバイスまたは埋め込みデバイスに係合する1つ以上の取り付け開口を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、インプラントは、1つ以上のねじ切り空洞を含むことができる。いくつかの実施の形態では、ねじ切り空洞を、埋め込みツールまたはデバイス上の対応するねじ山チップと嵌合するように構成することができる。他の実施の形態では、ねじ切り空洞は、複数のインプラントおよび/または複数の構成要素を使用する埋め込みシステム内の別のデバイスまたは構成要素にインプラントを締結するための
留め具を受容することができる。
【0064】
図6からもっともよくわかるように、インプラント100は、第1前方部分160に配置された第1ねじ切り空洞(threaded cavity)360を含む。インプラント100は、第
2前方部分162に配置された第2ねじ切り空洞362も含む。いくつかの実施の形態では、第1ねじ切り空洞360は、埋め込みツール(図示せず)のねじ切り先端を受容してもよい。このようなツールを、隣接する椎体間でインプラント100をねじ込むために使用することができるであろう。
【0065】
任意選択的に、いくつかの場合では、インプラント100はまた、埋め込みツールとインプラント100との間の位置合わせを容易にする、くぼみの対(くぼみ365およびくぼみ367)を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、第2ねじ切り空洞362は、インプラント100を、より広範な埋め込みシステムの別個の構成要素(図示せず)に締結するために使用することができるであろう。たとえば、いくつかの実施の形態は、第2ねじ切り空洞362内に固定された留め具を使用してインプラント100に締結される、別個のプレートを組み込むことができるであろう。このようなプレートは、インプラントとともに使用することができる、追加の固定部材(たとえばねじ)を含むことができるであろう。
【0066】
<弓状骨接触要素>
いくつかの実施の形態において、弓状骨接触要素は、第1端部、中間部および第2端部を含んでもよい。いくつかの実施の形態において、中間部は、弓状幾何学形状を有していてもよい。そのような場合には、弓状幾何学形状を有する中間部を「弓状部分」と称する。いくつかの実施の形態では、第1端部および/または第2端部は、フレア状幾何学形状を有することができるであろう。このような場合には、フレア状幾何学形状を有する端部を、弓状骨接触要素の「フレア状脚部」と称する。
【0067】
図8は、要素のさまざまな場所におけるいくつかの拡大模式断面図を含む、分離して見られる例示的弓状骨接触要素の模式図である。
【0068】
図8を参照すると、弓状骨接触要素400は、第1フレア状脚部402と称される第1端部を含む。弓状骨接触要素400は、弓状部分404も含む。さらに、弓状骨接触要素400は、第2フレア状脚部406と称される第2端部も含む。
【0069】
いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素は、埋め込み後に椎体に係合させるための手段を含むことができる。いくつかの実施の形態では、1つ以上の弓状骨接触要素は、椎骨終板に直接接触するように構成された少なくとも1つの遠位面領域を含むことができる。いくつかの場合では、遠位面領域は、平坦表面領域とすることができるであろう。他の場合には、遠位面領域は、凸面領域とすることができるであろう。さらに他の場合では、遠位面領域は、凹面領域とすることができるであろう。より一般的には、遠位面領域は、弓状部分の隣接表面領域とは異なる曲率を有することができるであろう。また、遠位面領域についての特定の曲率は、対向する椎骨終板の局所幾何学形状に適合するように選択することができるであろう。
【0070】
実施例として、図8において、弓状骨接触要素400は、弓状部分404内に配置された遠位面領域490を含むことがわかる。いくつかの実施の形態では、遠位面領域490は、弓状部分404の隣接領域の曲率よりも小さい凸状曲率を有してもよい。同様に、図7からもっともよくわかるように、インプラント100の残りの弓状骨接触要素はまた、弓状部分404の隣接する表面領域よりも小さい曲率を有する遠位骨接触領域で構成されている(すなわち、これらの遠位面領域は、弓状部分404の残りの領域よりも平坦であ
ってもよいが、完全に平坦でなくてもよい)。ともに、これらの遠位骨接触領域は、椎体に係合することができる部分的に滑らかな表面を提供する。
【0071】
さらに、いくつかの実施の形態において、平坦(または凸状)骨接触領域の集まりは、骨との最小接触面を形成し、それにより、より多くの量の移植片材料または骨成長促進材料が骨と直接接触して配置されることが可能となる。具体的には、上側面および下側面に沿って開放領域内に配置されているものを含む、弓状骨接触要素との間に配置されている骨成長促進材料を、骨に直接接触させてもよい。
【0072】
参照の目的のために、弓状骨接触要素400は、湾曲中心軸401を有するものとして特徴付けられてもよい。本明細書において用いられる場合、要素の湾曲中心軸は、要素の長さに沿って延びている軸であり、その長さに沿った各位置における要素の略中心に配置されている。
【0073】
以下に説明され、図8に示される断面が、湾曲中心軸401に垂直な平面に沿ったものであることが理解されるであろう。
【0074】
図8に見られるように、弓状部分404は弓状幾何学形状を有する。弓状部分404は、丸みを帯びた断面形状を有することもわかる。より具体的には、いくつかの場合では、弓状部分404は、略円形(またはほぼ円形)の断面形状を有している。いくつかの実施の形態において、弓状部分404の直径および断面形状は、弓状部分404の長さの大部分に沿って(すなわち、湾曲中心軸401に沿って)比較的一定のままである。しかし、弓状部分404の断面形状が、たとえば平坦骨接触領域490に沿って変化することができることが理解されるであろう。参照のために、基準面471での弓状部分404の断面は、図8に示されている。もちろん、他の実施の形態では、弓状部分404は、任意の他の断面形状を有することができる。
【0075】
各フレア状脚部で、弓状骨接触要素400の断面形状が変化してもよい。たとえば、図8に見られるように、第1フレア状脚部402の断面形状は、(基準面472での)弓状部分404に隣接する位置における第1断面形状410を有する。第1フレア状脚部402は、第2断面形状412および第3断面形状414も有する。ここで、第3断面形状414は、(基準面474での)弓状部分404からもっとも遠い位置でのものであり、第2断面形状412は、(基準面473での)第1フレア状脚部402に沿った中間位置でのものである。
【0076】
図8に示すように、第1フレア状脚部402の断面形状は、略円形の断面形状(すなわち、第1断面形状410)から略楕円形の断面形状(すなわち、第3断面形状414)へと変化する。たとえば、第1フレア状脚部402の第1断面形状410は、第1軸430および第2軸432の両方に沿って同様の直径420を有している。しかし、第2断面形状412は、第2軸432に沿うその小径424よりも大きい、第1軸430に沿う大径422を有している。さらに、第3断面形状414は、第1軸430に沿う大径426および第2軸432に沿う小径428も有しており、大径426は大径422よりも大きく、小径428は小径424よりも大きい。したがって、第1フレア状脚部402の断面サイズは、また、その形状が略円形から略楕円形へと変化するにつれて大きくなる。
【0077】
上述した構成により、弓状骨接触要素400の断面積は弓状部分404で最小となる可能性がある。また、弓状部分404から第1フレア状脚部402へと湾曲中心軸401に沿って移動すると、第1フレア状脚部402の最遠端部で最大に達する(同様に、第2フレア状脚部406の最遠端部で最大に達する)まで、断面積が増加する。
【0078】
断面積のこの増加は、身体へのその取り付けにおける各弓状骨接触要素についてのより広いベースを提供し、したがって弓状骨接触要素と本体部との間の取り付け強度を向上させることができる。また、断面形状の変化は、サイズの増加が基礎構造(たとえば、支持ビームまたは周辺構造の断面)と平行な方向に主に向けられることを可能にする。
【0079】
たとえば、図9に見られるように、第1フレア状脚部402は、第1フレア状脚部402が取り付けられる周辺セグメント482の中心軸480と平行な最長寸法を有している。ここで、周辺セグメント482は、インプラント499のセグメントである。また、第1フレア状脚部402は、周辺セグメント482の幅方向軸484と平行な最小寸法を有している。したがって、弓状骨接触要素400と周辺セグメント482との間の取り付け表面積は、第1フレア状脚部402が幅方向軸484の方向に周辺セグメント482を超えて延びることを防止しながら増加する。
【0080】
第1フレア状脚部402の幾何学形状が詳細に説明されているが、第2フレア状脚部406が第1フレア状脚部402と同様の幾何学形状を有してもよいことが理解されるであろう。同様に、インプラント100の残りの弓状骨接触要素のフレア状脚部も、第1フレア状脚部402と同様の幾何学形状を有してもよい。
【0081】
図8の弓状骨接触要素の部分について示された(円形および楕円形の)特定の断面幾何学形状は、弓状骨接触要素についての幾何学形状における可能なバリエーションの模式図であることが意図されるのみである。いくつかの実施の形態では、フレア状脚部は、1つの軸に沿ってサイズが増加して細長くなりつつも、より不規則な幾何学形状を有することができる可能性があり、実質的に楕円形の断面形状を有しない。また、断面形状を、フレア状脚部の両端における任意の2つの形状の間で変えることができるであろう。断面形状は例示的に、(円形および楕円形を含む)丸みを帯びた(円形および楕円形を含む)、長方形の、多角形の、規則的な、不規則な、ならびに任意の他の形状を含むが、これらに限定されない。
【0082】
実施の形態は、任意の数の弓状骨接触要素を含むことができるであろう。いくつかの実施の形態は、単一の弓状骨接触要素を含んでもよい。さらに他の実施の形態は、2~50個の範囲の任意の数の弓状骨接触要素を含むことができる。さらに別の実施の形態では、インプラントは、50個超の要素を含むことができる。
【0083】
図1図3に示される実施例においては、インプラント100は、上側側部130上の9個の要素と下側側部140上の9個の要素とを含む18個の弓状骨接触要素を含む。使用される弓状骨接触要素の数は、インプラントサイズ、所望インプラント強度、骨移植片または他の骨成長促進材料についての所望容量、および、可能性のある他の要因を含む要因に応じて変えることができる。
【0084】
異なる実施の形態では、インプラントの弓状骨接触要素の配置を変えることができる。いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素を、周辺構造の任意の部分に、インプラントの任意のビームに、および他の弓状骨接触要素に取り付けることができる。いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素は、インプラントの幅全体を横切って延びることができる。他の実施の形態において、弓状骨接触要素は、インプラントの幅の一部を横切って延びているのみでもよい。
【0085】
インプラントの強度を高めるために、いくつかの実施の形態では、隣接するビーム間またはビームと周辺構造の隣接部分との間に延びているのみである弓状骨接触要素を使用してもよい。
【0086】
図10は、インプラント100の模式的な上面図である。図10を参照すると、複数の弓状骨接触要素104は、弓状骨接触要素の上側セット502と弓状骨接触要素の下側セット504(図7で見える)とを含む。上側セット502はさらに、弓状骨接触要素の第1グループ510(または単に第1グループ510)、弓状骨接触要素の第2グループ512(または単に第2グループ512)、弓状骨接触要素の第3グループ514(または単に第3グループ514)および弓状骨接触要素の第4グループ516(または単に第4グループ516)で構成されている。
【0087】
図10の実施の形態では、弓状骨接触要素の各グループは、同じ2つのビームの間または同じビームと周辺構造150の同じ側との間に延びている2つ以上の要素を含む。
【0088】
図10に見られるように、第1グループ510は、第1弓状骨接触要素521、第2弓状骨接触要素522および第3弓状骨接触要素523を含む。これらの要素の各々は、周辺構造150の第1外側側部156と第1支持ビーム252との間に延びている。たとえば、第1弓状骨接触要素521は、第1外側側部156に取り付けられたフレア状脚部531と第1支持ビーム252に取り付けられたフレア状脚部532とを有している。同様に、第2弓状骨接触要素522および第3弓状骨接触要素523のそれぞれは、第1外側側部156に取り付けられた1つのフレア状脚部と第1支持ビーム252に取り付けられた別のフレア状脚部とを有している。
【0089】
第2グループ512は、第4弓状骨接触要素524と第5弓状骨接触要素525とを含む。これらの要素の各々は、第1支持ビーム252と第2支持ビーム254との間に延びている。たとえば、第4弓状骨接触要素524は第1支持ビーム252に取り付けられたフレア状脚部541と第2支持ビーム254に取り付けられた別のフレア状脚部542とを有している。同様に、第5弓状骨接触要素525は、第1支持ビーム252に取り付けられたフレア状脚部と第2支持ビーム254に取り付けられた別のフレア状脚部とを有している。
【0090】
第3グループ514は、第6弓状骨接触要素526と第7弓状骨接触要素527とを含む。これらの要素の各々は、第2支持ビーム254と第3支持ビーム256との間に延びている。たとえば、第6弓状骨接触要素526は、第2支持ビーム254に取り付けられたフレア状脚部551と第3支持ビーム256に取り付けられた別のフレア状脚部552とを有している。同様に、第7弓状骨接触要素527は、第2支持ビーム254に取り付けられたフレア状脚部と第3支持ビーム256に取り付けられた別のフレア状脚部とを有している。
【0091】
第4グループ516は、第8弓状骨接触要素528と第9弓状骨接触要素529とを含む。これらの要素の各々は、第3支持ビーム256と周辺構造150の第2外側側部158との間に延びている。たとえば、第8弓状骨接触要素528は、第3支持ビーム256に取り付けられたフレア状脚部561と第2外側側部158に取り付けられた別のフレア状脚部562とを有している。同様に、第9弓状骨接触要素529は、第3支持ビーム256に取り付けられたフレア状脚部と第2外側側部158に取り付けられた別のフレア状脚部とを有している。
【0092】
いくつかの場合では、隣接する弓状骨接触要素のいくつかの部分は、接触していることができるかまたは部分的に重なりあうことができるであろう。たとえば、いくつかの実施の形態は、接触しているか、または部分的に重なりあっているフレア状脚部を有することができるであろう。
【0093】
例えば図10では、フレア状脚部532はフレア状脚部541に隣接して配置され、フ
レア状脚部541と部分的に接触している。しかし、それぞれの弓状骨接触要素がインプラント100の本体部の部分にその端部において取り付けられることが理解されるであろう。
【0094】
2つ以上の弓状骨接触要素の端部が互いに接触してもよいが、各要素の弓状部分は、隣接する要素から分離されたままである。換言すれば、異なる弓状骨接触要素の弓状部分間に交点は存在しない。具体的には、いくつかの実施の形態では、各弓状骨接触要素の弓状部分は、交差していなくてもよく、または相互から分離されていてもよい。また、弓状骨接触要素が椎骨に接触する領域にまたはその付近に、弓状骨接触要素の交差が存在しない。したがって、交差しておらず、かつ対向する椎骨面に接触するように配置されている複数の弓状骨接触要素104をインプラント100が提供することがわかるであろう。
【0095】
いくつかの実施の形態は、たとえば、構造が3D印刷プロセスを用いて製造される場合、構造が製造時に自己支持できるようにする手段を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素の配置を、製造時の(たとえば3D印刷プロセス中の)自己支持を容易にするように選択してもよい。いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素を本体部または本体部の軸に対して傾斜した向きに配置することができる。いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素は、要素の個々のV字構成からさらに構成されているヘリンボーン状パターンに配置されてもよい。このような構成は、インプラントが自己支持構造を用いて印刷されることを可能にするであろう。
【0096】
1つ以上の弓状骨接触要素には、インプラントの1つ以上の軸に対して角度を付けてもよい。
【0097】
図10を参照すると、たとえば、第2弓状骨接触要素522は、横軸120に対して(また前後軸122に対しても)斜めの角度で方向付けされている。また、第4弓状骨接触要素524は、横軸120に対して(また前後軸122に対しても)斜めの角度で方向付けされている。また、第2骨接触要素522および第4骨接触要素524は、横軸122から異なる角度で方向付けされている。
【0098】
図10に示されるように、残りの弓状骨接触要素も、インプラント100の横軸120に対して斜めの角度で方向付けされていてもよい。したがって、弓状骨接触要素はインプラント100上で平行に配置されていないことがわかるであろう。
【0099】
いくつかの実施の形態において、少なくとも2つの弓状骨接触要素を、インプラントの本体部にV字構成またはパターンで配置してもよい。たとえば、第2弓状骨接触要素522および第4弓状骨接触要素524は、第1V字構成600で配置されている。さらに、第6弓状骨接触要素526および第8弓状骨接触要素528は、第2V字構成602で配置されている。また、第3弓状骨接触要素523および第5弓状骨接触要素525は、第3V字構成604で配置されている。最後に、第7弓状骨接触要素527および第9弓状骨接触要素529は、第4V字構成606で配置されている。本実施の形態は、上側側部に4つのV字構成(すなわち、弓状骨接触要素の上側セット502)および下側側部に別の4つのV字構成を含むが、他の実施の形態は、上側側部または下側側部に任意の他の数のV字構成を含むことができるであろう。
【0100】
異なる実施の形態では、V字構成の位置決めおよび向きを変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、V字構成のすべてを同様の方向に方向付けてもよい。他の実施の形態では、2つ以上のV字構成を異なる方向に方向付けることができるであろう。また、いくつかの場合では、2つ以上のV字構成を行および/または列に配置することができるであろう。
【0101】
図10に示す実施の形態において、各V字構成は、前後軸122に対応する共通の方向を有している。具体的には、V字の先端が前後軸122に沿って後方側部154に向かう方向を指すように各構成が配置されている。また、第1V字構成600および第2V字構成602は、それらが横軸120に沿って異なる位置を有するように第1行で互いに隣接して配置されている。同様に、第3V字構成604および第4V字構成606は、第2行で互いに隣接して配置されている。また、第1V字構成600および第3V字構成604は、それらが前後軸122に沿って異なる位置を有するように第1列で互いに隣接して配置されている。同様に、第2V字構成602および第4V字構成606は、第2列で互いに隣接して配置されている。
【0102】
図10に見られるように、ともに考慮した場合は、4つのV字構成は、本体部102に大きなヘリンボーンパターン620を形成する。
【0103】
それぞれのV字構成は、単一の支持ビームを中心としてもよい。たとえば、第1V字構成600および第2V字構成は、第1支持ビーム252を中心としてもよい。また、第3V字構成および第4V字構成は、第3支持ビーム256を中心としてもよい。
【0104】
それぞれのV字構成は、本体部102の外側側部から中心支持ビーム(たとえば第2支持ビーム254)に延びていてもよい。たとえば、第1V字構成600は、第1外側側部156から第2支持ビーム254に延びている。また、第2V字構成602は、第2支持ビーム254から第2外側側部158に延びている。
【0105】
いくつかの場合には、弓状骨接触要素をヘリンボーンパターンに方向付けることがある、インプラントのより容易な挿入を促進してもよい。具体的には、横方向から離れるよう弓状骨接触要素を傾けることによって、要素が埋め込み方向(すなわち、後方方向)に沿って小さな表面積を提示する可能性があり、これは、潜在的に挿入作業を容易にすることができるであろう。
【0106】
弓状骨接触要素の配置はまた、所望の総開放容量を達成するように設計されてもよい。本明細書において用いられる場合、総容量は、弓状骨接触要素間の任意の開口、本体部内の任意の開口、または弓状骨接触要素と本体部との間の開口を合わせた容量である。この開放構成は、インプラントにおけるまたはインプラントによる骨成長を促進する可能性がある。開放スペースの部分またはすべてには、任意選択的に、骨成長を促進するために、インプラントの挿入前または挿入後に、骨移植片または骨成長促進材料が充填される。
【0107】
任意の特定のインプラント内の開放スペース(単に開放スペース容量とも称される)の総容量は、インプラントの全体的寸法ならびに弓状骨接触要素を含むインプラント内の個々の構成要素のサイズおよび寸法に依存している。開放スペース容量は、インプラントの容量の約20%~80%の範囲であってもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント100は、インプラントの総容量の25%~80%である開放スペース容量を有してもよい。さらなる実施の形態では、インプラント100は、インプラント総容量の50%~70%である開放スペース容量を有してもよい。
【0108】
いくつかの実施の形態では、インプラントは、1つ以上の対称性で構成することができる。いくつかの場合では、インプラントは、1つ以上の基準面について鏡面対称性を有してもよい。他の場合には、インプラントは、1つ以上の基準面について並進対称性を有してもよい。さらに他の場合では、インプラントは、鏡面対称性および並進対称性の両方を有することができるであろう。
【0109】
図1および図2を参照すると、インプラント100は少なくとも1つの鏡面対称性を含んでいる。参照の目的のために、インプラント100を、上側半体と下側半体とに分割してもよい。ここで、インプラント100の「上側半体」は、横断面の上に配置された、本体部102の部分と複数の弓状骨接触要素104とを含む。同様に、インプラント100の「下側半体」は、横断面の下に配置された、本体部102の部分と複数の弓状骨接触要素104とを含む。
【0110】
(本実施の形態では本体部102と大略的に一致する)横断面に関して、インプラント100の上側半体が、インプラント100の下側半体と鏡像関係であることがわかるであろう。これは、本体部の幾何学形状だけでなく、各弓状骨接触要素の形状、大きさおよび向きも含む。この鏡面対称性は、いくつかの実施の形態では近似のみであってもよいことが理解されるであろう。インプラント100の対称的構成、たとえばインプラント100の上側半体と下側半体との間の鏡面対称性は、垂直方向、または脊椎の長さに沿った方向における負荷のバランスをとることを助けてもよい。
【0111】
<追加の実施の形態>
異なる実施の形態では、インプラントの寸法を変えることができる。変えることができるであろう寸法例として、長さ、幅および厚さが挙げられる。また、いくつかの場合には、1つ以上の弓状骨接触要素の直径を、実施の形態によって変えることができるであろう。
【0112】
図11は、インプラント700の別の実施の形態の模式図である。インプラント700は、上述の図1図10に示すインプラント100と多くの点で同様としてもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント700は、インプラント100よりも大きな幅および長さ(したがって、より大きな全体的フットプリント)を有してもよい。より大きなサイズに対応するために、インプラント700は、上側側部710上の追加の弓状骨接触要素702、および下側側部上の対応する要素(図示せず)を含んでもよい。
【0113】
図11に見られるように、弓状骨接触要素702は、支持ビーム720からインプラント700の外側側部722に延びている。この追加の弓状骨接触要素により、外側側部724の弓状骨接触要素のグループ730は、外側側部722の弓状骨接触要素のグループ732と同じ数(すなわち、3つ)の要素を有することがわかる。弓状骨接触要素のこの構成は、したがって、インプラント700の中心軸740について鏡面対称性を有することがわかる。
【0114】
図12図13は、インプラント800の別の実施の形態の模式図を示す。インプラント800は、上述の図1図11に示すインプラント100およびインプラント700と多くの点で同様としてもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント800は、インプラント700よりも大きな幅および長さ(したがって、より大きな全体的フットプリント)を有してもよい。
【0115】
いくつかの実施の形態は、単一の支持ビームに両端で取り付けられた1つ以上の弓状骨接触要素を含むことができる。いくつかの実施の形態は、周辺構造の単一セグメントに取り付けられた1つ以上の弓状骨接触要素を含むことができる。
【0116】
図12図13を参照すると、インプラント800は、本体部802に取り付けられた複数の弓状骨接触要素804から構成されている。本体部802はさらに、周辺構造806、第1支持ビーム810、第2支持ビーム812および第3支持ビーム814で構成されている。
【0117】
ここで図13を参照すると、複数の弓状骨接触要素804は、弓状骨接触要素の第1グループ820(または第1グループ820)、弓状骨接触要素の第2グループ822(または第2グループ822)、弓状骨接触要素の第3グループ824(または第3グループ824)、弓状骨接触要素の第4グループ826(または第4グループ826)、弓状骨接触要素の第5グループ828(または第5グループ828)、弓状骨接触要素の第6グループ830(または第6グループ830)、弓状骨接触要素の第7グループ832(または第7グループ832)、および弓状骨接触要素の第8グループ834(または第8グループ834)からさらに構成されている。
【0118】
第2グループ822は、第1支持ビーム810に周辺構造806の第1外側側部811から延びている弓状骨接触要素を含む。第4グループ826は、第2支持ビーム812に第1支持ビーム810から延びている弓状骨接触要素を含む。第5グループ828は、第3支持ビーム814に第2支持ビーム812から延びている弓状骨接触要素を含む。第7グループ832は、周辺構造806の第2外側側部813に第3支持ビーム814から延びている弓状骨接触要素を含む。また、第2グループ822、第4グループ826、第5グループ828および第7グループ832の弓状骨接触要素は大略的に、インプラント100の弓状骨接触要素の配置と同様に、ヘリンボーン状パターンに編成されたV字構成で配置されている。
【0119】
インプラント800はインプラント100およびインプラント700と比較して増大したフットプリントを有するので、追加の弓状骨接触要素を、インプラント800の上側側部および下側側部により大きい(部分的)接触面を提供するために含んでもよい。
【0120】
図12図13に示す実施の形態では、これらの追加の弓状骨接触要素の一部は、本体部802の外側側部ならびに第1支持ビーム810、第2支持ビーム812および第3支持ビーム814に沿って追加される。
【0121】
第1グループ820は、弓状骨接触要素901および弓状骨接触要素902を含み、これらは両方とも周辺構造806の第1外側側部811に各端部で接続されている。具体的には、たとえば、弓状骨接触要素901は、第1外側側部811に取り付けられた第1フレア状脚部911および第1外側側部811に取り付けられた第2フレア状脚部912を含む。
【0122】
さらに、第3グループ824は、それぞれが第1支持ビーム810に両方の端部で取り付けられた3つの弓状骨接触要素を含む。たとえば、弓状骨接触要素903は、第1支持ビーム810に取り付けられた第1フレア状脚部921および第1支持ビーム810に取り付けられた第2フレア状脚部922を含む。同様に、第6グループ830は、3つの弓状骨接触要素を含む。これらの要素の各々は、いずれも第3支持ビーム814に取り付けられた、2つのフレア状脚部を含む。さらに、第8グループ834は、2つの弓状骨接触要素を含む。これらの要素の各々は、いずれも周辺構造806の第2外側側部813に取り付けられた、2つのフレア状脚部を含む。
【0123】
<表面テクスチャ加工>
実施の形態は、インプラントの1つ以上の表面をテクスチャ加工するための手段を含むことができる。このようなテクスチャ加工は、インプラントの表面への骨成長および/または癒合を増加または別様に促進することができる。いくつかの実施の形態では、弓状骨接触要素および/または本体部のセクションがテクスチャ加工されてもよい。
【0124】
いくつかの実施の形態では、インプラントの1つ以上の領域の表面構造を、粗面化してもよいし、または、該表面構造に凹凸を設けてもよい。一般に、この粗面化構造は、イン
プラント表面上への、酸エッチング、ビードまたはグリットブラスト、チタンによるスパッタコーティング、チタンまたはコバルトクロムのビーズ焼結、および他の方法の使用を通じて達成されてもよい。いくつかの実施の形態では、粗さは、インプラントの1つ以上の領域の表面上に隆起したパターンを3D印刷することによって作成することができる。いくつかの実施の形態では、得られた粗面は、さまざまなサイズの細孔を有してもよい。いくつかの実施の形態では、細孔サイズは、約0.2mm~0.8mmの範囲とすることができるであろう。1つの実施の形態では、細孔サイズは、約0.5mmとすることができるであろう。もちろん、他の実施の形態では、0.2mm未満および/または0.8mm超の細孔サイズを含む表面粗さが可能である。
【0125】
テクスチャ加工された表面を使用する実施の形態が、図14に見られる代替実施の形態およびインプラント900の等角図に示されている。
【0126】
図14に見られるように、インプラント900は滑らかな周辺表面902を含む。しかし、インプラント900の残りの表面は粗面化されている。これらは上側面904の可視部分を含み、これはさらに周辺構造950の上側面および複数の弓状骨接触要素952の表面で構成される。
【0127】
説明の目的のために、粗面化表面は点描を用いて模式的に示されている。これらの粗面化または多孔質表面は、インプラントの表面に沿った骨成長の改善に役立ってもよい。特定の実施例として、弓状骨接触要素960は、隣接椎骨に直接接触するように意図されている遠位表面領域964を含む要素全体を通って延びている(図15の拡大模式図にも見られる)粗面化表面領域962を有することがわかる。
【0128】
図に示された実施の形態のうちの任意のものが、1つ以上の粗面化表面を含むことができることが理解されるであろう。たとえば、いくつかの実施の形態では、インプラント100、インプラント700またはインプラント900は、1つ以上の粗面化表面を含むことができるであろう。また、粗面化表面を、選択的にインプラントのいくつかの部分に選択的に適用し、他の部分には適用しないようにすることができるであろう。
【0129】
<骨成長促進材料>
いくつかの実施の形態では、骨成長は、インプラントの一部内またはインプラントの周囲に骨成長促進材料を適用することによって促進することができる。本明細書で用いられる場合、「骨成長促進材料」(またはBGPM)とは、骨の成長を助ける任意の材料である。骨成長促進材料は、リンカー分子またはバインダの使用により表面に凍結乾燥されるかまたは金属に付着される手段を含んでもよい。
【0130】
骨成長促進材料の例は、BMP-1、BMP-2、BMP-4、BMP-6およびBMP-7等の骨形成タンパク質(BMP)を含む、任意の材料である。これらは、幹細胞を骨形成細胞に変換するホルモンである。別の例には、rhBMP-2、rhBMP-4およびrhBMP-7等のリコンビナントヒトBMP(rhBMP)が挙げられる。さらに別の例には、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、コラーゲン、BMP模倣ペプチド、およびRGDペプチドが挙げられる。一般に、これらの化学物質の組み合わせも使用してもよい。これらの化学物質は、スポンジ、基質またはゲルを使用して塗布することができる。
【0131】
また、いくつかの骨成長促進材料は、プラズマスプレーまたは電気化学的手法を使用して埋め込み型プロテーゼに塗布してもよい。これらの材料の例には、限定ではないが、ヒドロキシアパタイト、βリン酸三カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、および他の化学物質が挙げられる。
【0132】
骨成長促進材料は、骨移植片または骨移植片代用品を含むことができるか、またはこれらと組み合わせて使用してもよい。種々の材料が、(患者の体の腸骨稜から摘出された)自家移植片、同種移植片、脱灰骨基質、および種々の合成材料を含む骨移植片または骨移植片代用品として働いてもよい。
【0133】
いくつかの実施の形態は、自家移植片を使用してもよい。自家移植片は、脊椎固定に、新たな骨が成長するためのカルシウムコラーゲン足場を提供する(骨伝導能)。さらに、自家移植片は、骨成長細胞、間葉系幹細胞および骨を再生する骨芽細胞を含む。最後に、自家移植片は、患者における新たな骨成長を促進させるために、骨形態形成タンパク質(BMP)を含む骨成長タンパク質を含む。
【0134】
骨移植片代用品は、リン酸カルシウムまたはヒドロキシアパタイト、幹細胞と他の種類の骨移植片代用品のうちの1つとを組み合わせる幹細胞含有生成物、および、Medtronic, Inc.のINFUSE(登録商標)(rhBMP-2含有骨移植片)等の成長因子含有基質を含む合成材料を含んでもよい。
【0135】
ここに挙げる手段は、考えられる骨成長促進材料、骨移植片または骨移植片代用品の網羅的なリストであることを意図しているわけではないことは理解されるべきである。
【0136】
いくつかの実施の形態では、BGPMは、インプラントの1つまたは複数の外面に塗布してもよい。他の実施の形態では、BGPMは、インプラント内の内部容量に塗布してもよい。さらに他の実施の形態では、BGPMは、外面と、インプラント内の内側と、の両方に塗布してもよい。
【0137】
<製造および材料>
インプラントの種々の構成要素は、特定の用途および/または医師による選択に応じて、金属(たとえば、チタンまたは他の金属)、セラミック、および/またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、人体に埋め込むのに好適な生体適合性材料から製造されてもよい。
【0138】
一般に、インプラントは、十分な強度を有する任意の適切な生体適合性の非分解性材料から形成することができる。典型的な材料は、これらに限定されないが、チタン、生体適合性チタン合金(たとえば、γチタンアルミナイド、Ti6-Al4-V ELI(ASTM F 136)またはTi6-Al4-V(ASTM F 1108およびASTM
F 1472))、および、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの不活性の生体適合性ポリマー(たとえばPEEK-OPTIMA(登録商標)、Invibio Inc)を含む。任意選択的に、インプラントは、画像化中の可視化を容易にするためにX線不透過性マーカーを含む。
【0139】
異なる実施の形態では、インプラントを作製するプロセスは変えることができる。いくつかの実施の形態では、インプラント全体は、射出成形、鋳造または射出成形、インサート成形、共押出、引き抜き成型、トランスファー成形、オーバーモールド、圧縮成形、三次元(3D)プリンティング、浸漬被覆、スプレー被覆、粉末被覆、多孔性被覆、中実の原材料からの粉砕、およびそれらの組み合わせによって製造して組み立ててもよい。また、実施の形態は、「コイル状インプラント出願」に開示された特徴、部品、アセンブリ、プロセスおよび/または方法のうちの任意のものを利用することができる。
【0140】
実施の形態(たとえば、インプラント100、インプラント700およびインプラント900)の設計は、改良された、および/または加速された骨癒合の提供を助けてもよい
。具体的には、インプラントの1つの埋め込み後に、まず、弓状骨接触要素の1つ以上の遠位面、または頂点で骨癒合が起こってもよい。これらの遠位面から下に、各弓状骨接触要素の弓状部分に沿って骨成長が続いてもよく、したがって、インプラントの内部に向かって成長するように向けられてもよい。このように、インプラントの上側側部および下側側部の遠位面で開始される新たな骨成長は、インプラントの中心に向けられてもよく、最終的に合流して、1つの椎体から、インプラントを通って隣接する椎体まで延びる新たな骨成長の連続セクションを形成してもよい。さらに、この結果として、骨接触要素が主にインプラントの表面に配置され、内側に延びない構造の上で椎体間の癒合プロセスが加速されることになってもよい。
【0141】
<前側方椎体間固定術のためのインプラント>
図16図24は、インプラントおよび使用方法の別の実施の形態の様々な模式図を示す。いくつかの実施の形態において、インプラントは、前側方椎体間固定術(OLIF:oblique lateral interbody fusion)外科的処置を用いて挿入してもよく、この場合、椎間板間隙は、側部から脊椎にアプローチすることによって癒合される。
【0142】
図16は、横向きに寝ている患者1000の模式図を示しており、インプラントは、体内への挿入用の位置にある。OLIFアプローチでは、切開1002(これは、場合によっては3~5インチの長さにしてもよい)を腹部の側部に作ってもよい。
【0143】
図17は、複数の椎骨1012を含む脊椎1010のある領域の模式図を示す。OLIF外科的処置を理解するために、脊椎処置のいくつかのバリエーションを示す。これらの処置は、図17に、脊椎にアプローチする方向で模式的に示している。
【0144】
これには、前方経路腰椎椎体間固定術(ALIF:anterior lumber interbody fusion)アプローチ1020、直接側方椎体間固定術(DLIF:direct lateral interbody fusion)アプローチ1022およびOLIFアプローチ1024が含まれる。ALIFアプローチ1020では、腹部の正面に外科的切開を行い、脊椎に対して前後方向に沿ってインプラントを挿入する。DLIFアプローチ1022では、腹部の側部に外科的切開を行って、脊椎に対して外側方向にインプラントを挿入する。OLIFアプローチ1024は、いくつかの点で、DLIFアプローチ1022と同様であるかもしれない。しかし、DLIFアプローチ1022と対照的に、OLIFアプローチ1024では、インプラントを斜角から挿入するので、直接側方アプローチでは骨盤の骨によってわかりにくい可能性のある、一番下の腰椎への直接のアクセスを可能にする。
【0145】
図18図19は、それぞれ、OLIFインプラント1100、また単にインプラント1100とも称される実施の形態の等角図および側面図を示す。インプラント1100はまた、ケージまたは固定デバイスと称されてもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント1100は、人体の一部内に埋め込まれるように構成されている。いくつかの実施の形態では、インプラント1100は、脊椎への埋め込みのために構成されていてもよい。いくつかの実施の形態において、インプラント1100は、椎骨間に支持を提供するために、および/または、椎骨間の癒合を容易にするために隣接する椎骨の間に挿入される、脊椎固定インプラントまたは脊椎固定デバイスであってもよい。
【0146】
いくつかの実施の形態では、インプラント1100は、本体部1102を含んでもよい。本体部1102は、大略的にインプラント1100のためのフレームまたは骨格を提供してもよい。いくつかの実施の形態では、インプラント1100は、複数の弓状骨接触要素1104も含んでもよい。複数の骨接触要素1104は、本体部1102に取り付けら
れていても、および/または本体部1102と連続的に形成(または「一体的に形成」)されていてもよい。
【0147】
図18図19では、インプラント1100は、前方側部および後方側部で構成されていると理解される。インプラント1100は、インプラント1100の両側において後方側部と前方側部との間に延びている、第1外側側部および第2外側側部も含んでもよい。さらに、インプラント1100は、上側側部1130および下側側部1140も含んでもよい(図19を参照)。
【0148】
明確にするために、考察は主に、インプラント1100の上側側部1130を中心にする。しかし、いくつかの場合では、インプラント1100が、インプラント1100を上側側部1130と下側側部1140とに分割する横断面に対して対称形であることは理解されるであろう。このような場合、下側側部1140は、上側側部1130について述べるものと同一の手段を含んでもよい。
【0149】
いくつかの実施の形態では、本体部は、周辺構造と周辺構造から延びている1つ以上の支持ビームとを含んでもよい。周辺構造は、任意の数のプレート、壁または同様の構造で構成されていてもよい。いくつかの実施の形態では、周辺構造はリングを含むことができるであろう。換言すれば、いくつかの実施の形態では、周辺構造は、周辺リング構造とすることができるであろう。
【0150】
図18図19に見られるように、本体部1102はさらに、周辺構造1150からなっていてもよい。周辺構造1150は、リング状幾何学形状を有するように示されている。
【0151】
図18を参照すると、周辺構造1150はさらに、前方側部1152、後方側部1154、第1外側側部1156および第2外側側部1158で構成されていてもよい。
【0152】
図18に見られるように、この実施例では、周辺構造1150は、前方側部1152が第1外側側部1156に接続されている。また、第1外側側部1156が後方側部1154に接続されている。また、後方側部1154が第2外側側部1158に接続されている。そして、第2外側側部1158が前方側部1152に接続されるように連続した構造である。すなわち、前方側部1152、第1外側側部1156、後方側部1154および第2外側側部1158はともに、連続的または途切れのないリングを形成する。
【0153】
周辺構造1150は、4つの角部分によって特徴付けられてもよい。これらは、第1角部分1160、第3角部分1162、第2角部分1164および第4角部分1166を含む。第1角部分1160は、前方側部1152と第1外側側部1156との交点に配置されていてもよい。第3角部分1162は、前方側部1152と第2外側側部1158との交点に配置されていてもよい。第2角部分1164は、後方側部1154と第2外側側部1158との交点に配置されていてもよい。そして、第4角部分1166は、後方側部1154と第1外側側部1156との交点に配置されていてもよい。
【0154】
図18の実施例において、第1角部分1160および第2角部分1164は、第3角部分1162および第4角部分1166と比べて厚みが増されている。さらに、より詳細に以下で述べるように、留め具および/または挿入ツール受容手段を、第1角部分1160に配置してもよい。これらの手段は、斜角に沿ったインプラント1100の容易な挿入を助けてもよい。
【0155】
いくつかの実施の形態では、本体部は、周辺構造を補強するために作用する1つ以上の
支持ビーム(または支持構造)を備えてもよい。いくつかの実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、周辺構造の内部に沿って配置することができるであろう。たとえば、いくつかの実施の形態において、1つ以上の支持ビームは、内側に面する支持構造の表面上の第1位置から、内側(または近位)に面する支持構造の表面上の第2位置へと延びることができるであろう。換言すれば、いくつかの実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、周辺構造によって境界付けられた内部領域にまたがってもよい。
【0156】
図18に見られるように、本体部1102は複数の支持ビーム1250を含む。これらは、第1支持ビーム1252、第2支持ビーム1254および第3支持ビーム1256を含む。
【0157】
図18に示した実施の形態では、これらの支持ビームの各々は、内側に面する周辺構造1150の表面上の第1位置から、内側に面する周辺構造1150の表面上の第2位置へと延びている。
【0158】
図18を参照すると、第1支持ビーム1252は、周辺構造1150の第1位置に取り付けられた第1端部1270、および、周辺構造1150の第2位置に取り付けられた第2端部1272を含む。同様に、第2支持ビーム1254および第3支持ビーム1256の各々は、周辺構造1150に沿って異なる位置に取り付けられた対向する端部を含む。この構成により、複数の支持ビーム1250は、周辺構造1150によって境界付けられた、インプラント1100の内部領域(または中央領域)にまたがることがわかる。
【0159】
複数の支持ビーム1250は、周辺構造1150に対してインプラント1100内において中央に配置されるものと見なしてもよい。本明細書において用いられる場合、「中央位置」とは、インプラントの幾何学的中心または質量中心である正確な位置を指すものではなく、むしろ、周辺構造の内側に(たとえば、内部領域内に)配置された大略的なエリアまたは領域を指す。したがって、以下の説明および特許請求の範囲において、支持ビームを中央ビームと称してもよい。
【0160】
異なる実施の形態では、支持ビームの数を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、単一の支持ビームを使用することができるであろう。他の実施の形態においては、2つ以上の支持ビームを使用することができるであろう。
【0161】
図18に示される実施例においては、3つの支持ビームが使用されている。
【0162】
異なる実施の形態において、1つ以上の支持ビームの幾何学形状を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、湾曲幾何学形状を有することができるであろう。他の実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、実質的に直線状の幾何学形状を有することができるであろう。図18に示す実施の形態では、複数の支持ビーム1250のそれぞれが、実質的に直線状の幾何学形状を有する。また、各支持ビームの断面幾何学形状は、実質的に丸みを帯びている。しかし、他の実施の形態では、1つ以上の支持ビームは、長方形、多角形、規則的形状および/または不規則形状を含むがこれらに限定されない、任意の他の断面形状を有することができるであろう。
【0163】
異なる実施の形態において、1つ以上の支持ビームの厚さは変化することができるであろう。大略的に、支持ビームの厚さ(または直径)は、インプラントの幅(または長さ)の1%~95%の範囲で変化することができるであろう。
【0164】
少なくともいくつかの実施の形態では、インプラントの本体部内の支持ビームが同一平面上にあってもよい。図18において、第1支持ビーム1252、第2支持1254およ
び第3支持ビーム1256は、インプラント1100の同様の平面に存在することがわかる。支持ビームの同一平面配置は、上側側部および下側側部の間のインプラント1100についての略対称配置を提供するのに役立ってもよい。
【0165】
一般に、インプラントの本体部の1つ以上の部分の幾何学形状を、実施の形態によって変えることができるであろう。たとえば、本体部の部分は、インプラントを貫いて骨成長を促進する可能性がある、および/または重量を減らす可能性がある、1つ以上の窓、スロットおよび/または開口を含むことができる。
【0166】
いくつかの実施の形態は、1つ以上の留め具受容手段を含むことができる。いくつかの実施の形態では、インプラントは、1つ以上のねじ切り空洞を含むことができる。いくつかの実施の形態では、ねじ切り空洞を、埋め込みツールまたはデバイス上の対応するねじ山チップと嵌合するように構成することができる。他の実施の形態では、ねじ切り空洞は、複数のインプラントおよび/または複数の構成要素を使用する埋め込みシステム内の別のデバイスまたは構成要素にインプラントを締結するための留め具を受容することができる。
【0167】
図20でもっともよくわかるように、インプラント1100は、第1角部分1160に配置されている受容部分1352を含む。受容部分1352は、ねじ切り空洞1350をさらに含む。いくつかの実施の形態において、ねじ切り空洞1350は、埋め込みツール(図示せず)のねじ切り先端を受容してもよい。このようなツールは、隣接する椎体間にインプラント1100をねじ込むために使用することができるであろう。任意選択的に、いくつかの場合では、インプラント1100は、埋め込みツールとインプラント1100との間の位置合わせを容易にしてもよい、くぼみの対(くぼみ1365およびくぼみ1367)も含んでもよい。いくつかの実施の形態において、ねじ切り空洞1350は、インプラント1100を、より広範な埋め込みシステムの別個の構成要素(図示せず)に締結するために使用することができるであろう。
【0168】
いくつかの実施の形態において、骨接触要素は、第1端部、中間部および第2端部を含んでもよい。いくつかの実施の形態において、中間部は、湾曲幾何学形状を有していてもよい。いくつかの実施の形態では、第1端部および/または第2端部は、フレア状幾何学形状を有することができるであろう。このような場合には、フレア状幾何学形状を有する端部を、骨接触要素の「フレア状脚部」と称してもよい。
【0169】
異なる実施の形態において、骨接触要素の幾何学形状を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態において、骨接触要素は、渦巻またはらせん状の幾何学形状を有することができるであろう。他の実施の形態において、骨接触要素は、他の湾曲幾何学形状を有することができるであろう。骨接触要素の幾何学形状の例を図21に図示する。
【0170】
図21に見られるように、インプラント1100はさらに、第1端部1491と、第2端部1492と、中間部1490とで構成される骨接触要素を含む。骨接触要素1489の曲率は、骨接触要素1489の長さに沿って延びている曲線1494によって表されている。
【0171】
図21から、曲線1494は、直線または平面ではなく、むしろ、第1端部1491から第2端部1492まで湾曲していることがわかるであろう。いくつかの場合では、曲線1494は、ややらせん状であってもよい。同様に、いくつかの実施の形態において、残りの骨接触要素が、同様に湾曲幾何学形状を有していてもよい。
【0172】
図18図19に見られるように、インプラント1100は、複数の骨接触要素110
4を含む。各骨接触要素は、図8図10に示される、骨接触要素についての上述の特徴のいずれを含んでもよい。いくつかの実施の形態において、骨接触要素1104は、種々の列またはセットにまとめてもよい。
【0173】
図18に見られるように、これらは、第1セット1302、第2セット1304、第3セット1306および第4セット1308を含んでもよい。この場合、第1セット1302は、周辺構造1150から第1支持ビーム1252まで延びている2つの要素を含む。同様に、第2セット1304は、第1支持ビーム1252から第2支持ビーム1254まで延びている3つの要素を含む。さらに、第3セット1306は、第2支持ビーム1254から第3支持ビーム1256まで延びている3つの要素を含む。最後に、第4セット1308は、第3支持ビーム1256から周辺構造1150まで延びている2つの要素を含む。
【0174】
いくつかの実施の形態において、各グループ内の骨接触要素は、いくつかの特性を共有してもよい。たとえば、図18の実施例では、各グループの骨接触要素は、同様な向きを有していてもよい。いくつかの場合では、各グループの骨接触要素は、特に他のグループの要素のサイズに対して、ほぼ同様なサイズ(たとえば、高さおよび/または長さ)を有していてもよい。他の実施の形態において、グループ内の弓状骨接触要素は、異なる向きおよび/またはサイズを有することができるであろう。
【0175】
いくつかの実施の形態において、骨接触要素は、埋め込み後に椎体に係合するための手段を含むことができる。いくつかの実施の形態において、1つ以上の骨接触要素は、少なくとも1つの骨接触領域を含むことができる。前述したように、骨接触領域は、曲率が周囲のエリアと比べて異なる骨接触部材の表面の領域であってもよい。具体的には、骨接触領域内の表面は、埋め込み時に椎骨終板とのよりよい適合状態を提供するために、凸状、凹状および/またはほぼ平坦にすることができるであろう。
【0176】
図18図19では、複数の骨接触要素1104は、骨接触領域1340を含むように示されている。あわせて、これらの骨接触領域は、椎体に係合することのできる、部分的に滑らかな表面を提供する。
【0177】
実施の形態は、任意の数の骨接触要素を含むことができるであろう。いくつかの実施の形態は、単一の骨接触要素を含んでもよい。さらに他の実施の形態は、2~50個の範囲の任意の数の骨接触要素を含むことができるであろう。さらに別の実施の形態では、インプラントは、50個超の要素を含むことができるであろう。
【0178】
図18に示される実施例においては、インプラント1100は、上側側部1130上の10個の要素と下側側部1140上の10個の要素とを含む20個の骨接触要素を含む。具体的には、第1セット1302が2個の要素を含み、第2セット1304が3個の要素を含み、第3セット1306が3個の要素を含み、第4セット1308が2個の要素を含む。使用される骨接触要素の数は、インプラントサイズ、所望インプラント強度、骨移植片または他の骨成長促進材料についての所望容量、および、可能性のある他の要因を含む要因に応じて変えることができる。
【0179】
異なる実施の形態では、インプラントの骨接触要素の配置を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、骨接触要素を、周辺構造の任意の部分に、インプラントの任意のビームに、および他の骨接触要素に取り付けることができるであろう。いくつかの実施の形態では、骨接触要素は、インプラントの幅全体を横切って延びることができるであろう。他の実施の形態において、骨接触要素は、インプラントの幅の一部を横切って延びているのみでもよい。
【0180】
いくつかの実施の形態において、対の骨接触要素を、上述し図10図13に図示するパターンの1つなど、集合的にヘリンボーンパターンを形成するV字構成に配列することができるであろう。あるいは、他の実施の形態において、骨接触要素を、任意の他のパターンまたは構成に配列することができるであろう。
【0181】
実施の形態は、インプラントの斜め側方挿入を容易にする手段を含むことができる。いくつかの実施の形態において、インプラントの1つ以上の特徴を挿入軸に揃えてもよい。
【0182】
図21は、インプラント1100の実施の形態の模式図である。図21を参照すると、インプラント1100は、多軸によって特徴付けられていてもよい。インプラント1100は、前方側部1152から後方側部1154まで延びている前後軸1400に関連付けられていてもよい。さらに、インプラント1100は、第1外側側部1156から第2外側側部1158まで延びている横軸1402に関連付けられていてもよい。
【0183】
インプラント1100はさらに、前後軸1400と横軸1402とに対して斜角に向いている追加軸に関連付けられていてもよい。
【0184】
図21に見られるように、インプラント1100は、挿入軸1404とも称される第1対角軸を含んでもよい。挿入軸1404は、第1角部分1160と第2角部分1164との間に延びていてもよい。いくつかの場合では、挿入軸1404は、支持ビーム1250のうちの1つまたは複数と平行に走行していてもよい。インプラント1100は、第2対角軸1406も含んでもよく、これは、第3角部分1162から第4角部分1166まで延びている。
【0185】
図21に見られるように、受容部分1352は、挿入軸1404に関連付けられていてもよい。より具体的には、ねじ切り空洞1350は、挿入軸1404と平行な中心軸1351(図20を参照)を有してもよい。この構成は、挿入後にインプラント1100が前後および外側方向に対して正確に方向付けられることを確実にしながら、脊椎に対して斜角にインプラント1100を挿入することができることを確実にする。
【0186】
異なる実施の形態では、1つ以上のビームの向きを変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、2つ以上の支持ビームを平行に方向付けることができるであろう。他の実施の形態では、2つ以上の支持ビームを互いに斜角に配置することができるであろう。実施例では、第1支持ビーム1252、第2支持ビーム1254および第3支持ビーム1256は、互いに平行に配置されてもよい。また、実施例では、複数の支持ビーム1250を、挿入軸1404に沿って方向付けてもよい。もちろん、他の実施の形態では、複数の支持ビーム1250を任意の他の方向に方向付けることができるであろう。
【0187】
異なる実施の形態では、隣接する支持ビーム間の間隔または分離を変えることができるであろう。いくつかの実施の形態では、隣接する支持ビーム間の間隔を、インプラントの横幅に比べて小さくすることができるであろう。たとえば、間隔を、インプラントの幅の0%~10%の範囲とすることができるであろう。他の実施の形態では、隣接する支持ビーム間の間隔を、インプラントの幅に対して大きくすることができるであろう。たとえば、間隔を、インプラントの幅の10%~95%の範囲とすることができるであろう(たとえば、インプラントの両方の外側側部に隣接して位置する2つのビームを、インプラントの幅の95%だけ離間させることができるであろう)。隣接ビーム間(またはビームと周辺構造の部分との間)の間隔は、一定であってもよく、またはインプラントを横切って変化してもよい。
【0188】
支持ビーム間の相対的間隔を、1つ以上の支持ビームの厚さ、使用される支持ビームの数、インプラントについての所望の強度対重量比、および他の要因を含む、多くの要因に応じて選択してもよいことが理解されるであろう。さらに、骨接触要素は隣接支持ビーム間(または支持ビームと周辺構造との間)に延びているので、隣接支持ビーム間の間隔を、1つ以上の骨接触要素の寸法に応じて決定してもよい。
【0189】
図21に図示する実施の形態において、支持ビーム1252、支持ビーム1254および支持ビーム1256の各々は、挿入軸1404に平行に方向付けられている。このことは、挿入方向に沿ったインプラント1100の強度の改善を助けるであろう。なぜならこれは、OLIF外科的処置の間に荷重がかかる方向であるからである。
【0190】
いくつかの実施の形態において、骨接触要素の幾何学形状は、1つ以上の軸に揃えるように構成してもよい。
【0191】
たとえば、図21に図示する実施の形態では、骨接触要素1489の端部は、かかる端部が取り付けられている支持ビーム(または他の構造)にほぼ沿って方向付けてもよい。具体的には、第1端部1491は、支持ビーム1252にほぼ沿って方向付けられ、第2端部1492は、支持ビーム1254にほぼ沿って方向付けられている(すなわち、第1および第2の端部は、挿入軸1404に揃えられている)。対照的に、中間部1490は、前後軸1400に平行な方向にほぼ沿って方向付けられてもよい。また、いくつかの骨接触要素が、前後軸1400に沿って配列されている中間部を有するのに対し、他の骨接触要素は、第2対角軸1406に平行な方向に配列されている中間部を有する。この構成で、骨接触要素は、挿入軸1404、前後軸1400および第2対角軸1406に関連付けられている方向を含め、インプラントの複数の方向に沿って強度を提供してもよい。
【0192】
実施の形態は、隣接する椎体の終板との良好な適合状態を確保するための手段を含むことができる。インプラント1100の上側面に略一致する湾曲面1500を描いている図22でもっともよくわかるように、骨接触要素1104は、挿入軸1404と第2対角軸1406との両方に沿って湾曲している略凸状な上側面および下側面を呈するように構成してもよい。
【0193】
図22に見られるように、湾曲面1500は、第3角部分1162から下に第4角部分1166まで略湾曲している。いくつかの場合では、湾曲面1500はまた、第1角部分1160から第2角部分1164までやや湾曲していてもよい。
【0194】
この略凸状表面は、隣接する椎骨終板の対応する凹状幾何学形状に適合するように構成してもよい。同様に、いくつかの場合では、インプラント1100の上側側面には、隣接する椎骨終板の対応する凹状幾何学要素に適合するぴったり合った凸状面が備えられてもよい。
【0195】
第2角部分1164を正面に見たところ(すなわち、挿入軸1404に沿って正面に見たところ)を示す図23に見られるように、この曲率は、上側側部1130に沿った凸状曲線1510と下側側部1140に沿った別の凸状曲線1512とによって特徴付けられてもよい。
【0196】
いくつかの実施の形態において、この凸状幾何学形状は、第3角部分1162と第4角部分1166との間の骨接触要素の長さを変えることによって(また、それにより高さを変えることによって)達成してもよい。
【0197】
4つの隣接する骨接触要素の模式図を図示する図24に見られるように、要素の高さは
、その長さに比例してもよい。たとえば、第1骨接触要素1520は、第1高さ1530および第1全長1531を有する。第2骨接触要素1522は、第2高さ1532および第2全長1533を含む。第3骨接触要素1524は、第3高さ1534および第3全長1535を有する。第4骨接触要素1526は、第4高さ1536および第4全長1537を有する。また、高さは大略的に、第1高さ1530から第3高さ1534まで増し、第4高さ1536まで再びやや減ることがわかるかもしれない。同様に、各要素の全長は、それに対応するように変わり、第1全長1531から第3全長1533までは増し、第4全長1537まで再びやや減る。
【0198】
図1から図13の実施の形態で上述して示した手段のいずれを備えてインプラント1100を構成してもよいことは理解されるであろう。このような手段は、テクスチャ加工された表面、材料構造および骨成長促進材料の使用を含めてもよい。このように、いくつかの実施の形態において、インプラント1100は、テクスチャ加工された表面を備えて構成してもよい。他の実施の形態では、インプラント1100には、脊椎への挿入前に、骨成長促進材料を充填してもよい。
【0199】
種々の実施の形態を説明してきたが、この説明は、制限的ではなく例示的なものであり、当業者には、実施の形態の範囲内にあるさらに多くの実施の形態および実施態様が可能であることは明らかであろう。考えられる多くの特徴の組み合わせを添付の図面に示し、本発明の詳細な説明で述べているが、開示された特徴の、他の多くの組み合わせが可能である。任意の実施の形態の任意の特徴は、特に制限されていない限り、任意の他の実施の形態の任意の他の特徴もしくは要素と組み合わせて、またはその代わりに使用してもよい。そのため、本開示において図示および/または説明される特徴のいずれも、任意の適切な組み合わせで一緒に実施してもよいことは理解されるであろう。したがって、実施の形態は、添付の特許請求の範囲およびその均等物に鑑みる以外で制限されてはならない。また、添付の特許請求の範囲内で、種々の修正および変更を行ってもよい。
【0200】
<関連出願>
本願は、2016年2月29日に出願された米国仮出願第62/301,546号、2015年9月11日に出願された米国仮出願第62/217,542号および2015年4月29日に出願された米国仮出願第62/154,599号に対する優先権を主張する、Morrisらの「Coiled Implants and Systems and Methods Thereof(コイル状インプラントならびにそのシステムおよび方法)」と題された、2018年3月20日公開の米国特許公開第2016/0324656号に対する優先権を主張する、McShane IIIの「Implant with Arched Bone Contacting Elements(弓状骨接触要素を備えるインプラント)」と題された、2017年2月16日公開の米国特許公開第2017/0042697号の一部継続出願である。上記出願の各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺構造で構成された本体部と、前記本体部に取り付けられている複数の骨接触要素と
、を含むインプラントであって、
前記本体部は、挿入デバイスの一部を受容するための開口を含み、
前記周辺構造は、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成さ
れ、
前記第1外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第1角部分で接続され、前記第2
外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第2角部分で接続されており、
前記開口は中心軸を有し、前記周辺構造の前記第1角部分に配置され、
前記インプラントの本体部は支持ビームをさらに含み、前記支持ビームは前記開口の中心軸に沿って延び、
前記複数の骨接触要素のうち少なくとも1つは前記インプラントの本体部の第1の部分
から前記インプラントの本体部の第2の部分への間隙を橋渡しして延びている、インプラ
ント。
【請求項2】
前記開口の中心軸は前記第1角部分と前記第2角部分との間の方向に延びている、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記インプラントの横軸が前記周辺構造の第1外側側部から第2外側側部に延びており
、前記開口の前記中心軸は前記横軸に対して斜めに方向付けられている、請求項1または
請求項2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記本体部の第1の部分は、前記支持ビームを含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記本体部の第2の部分は、前記周辺構造を含む、請求項4に記載のインプラント。
【請求項6】
周辺構造で構成される本体部と、前記本体部に取り付けられている複数の骨接触要素と、
を含むインプラントであって、
前記周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで
構成され、
前記第1外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第1角部分で接続され、前記第2
外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第2角部分で接続されており、
前記第2外側部分と前記前方部分は前記周辺構造の第3角部分で接続され、前記第1外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第4角部分で接続されており、
前記第1角部分と前記第2角部分の間を軸が通っており、
前記本体部は、前記軸と基本的に平行な少なくとも1本の支持ビームをさらに含み、
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、前記本体部の第1の部分と前記本体部の第2の部分との間隙を橋渡ししている、インプラント。
【請求項7】
挿入デバイスの一部を受容するための開口を含む、請求項6に記載のインプラント。
【請求項8】
前記開口は前記第1角部分に配置されている、請求項7に記載のインプラント。
【請求項9】
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、前記少なくとも1本の支持ビーム(以下、第1の支持ビームという)から延びている、請求項6に記載のインプラント。
【請求項10】
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、前記第1の支持ビームから前記周辺構造にかけて延びている、請求項9に記載のインプラント。
【請求項11】
前記第1の支持ビームと基本的に平行な少なくとも第2の支持ビームをさらに含む、請求項9に記載のインプラント。
【請求項12】
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、前記第1の支持ビームから前記第2の支持ビームにかけて延びている、請求項11に記載のインプラント。
【請求項13】
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、弓状の形状をしている、請求項6に記載のインプラント。
【請求項14】
周辺構造と第1の支持ビームとを含む本体部と、前記本体部に取り付けられている複数の骨接触要素と、を含むインプラントであって、
前記周辺構造はさらに、第1外側部分と、第2外側部分と、前方部分と、後方部分とで構成され、
前記第1外側部分と前記前方部分は、前記周辺構造の第1角部分でつながれ、前記第2
外側部分と前記後方部分は、前記周辺構造の第2角部分でつながれ、
前記第1の支持ビームの第1の端部が前記周辺構造の第1角部分に接続され、前記第1の支持ビームの第2の端部が前記周辺構造の第2角部分に接続され、
前記複数の骨接触要素の少なくとも1つは、前記第1の支持ビームと前記周辺構造との間を橋渡しして延びている、インプラント。
【請求項15】
第2の支持ビームをさらに含み、前記第1の支持ビームと前記第2の支持ビームとは平行に設置されている、請求項14に記載のインプラント。
【請求項16】
第3の支持ビームをさらに含み、前記第3の支持ビームは前記第1の支持ビームおよび前記第2の支持ビームと平行に設置されている、請求項15に記載のインプラント。
【請求項17】
前記本体部は、挿入デバイスの一部を受容するための開口を含む、請求項14に記載のインプラント。
【請求項18】
前記開口は前記第1角部分に配置されている、請求項17に記載のインプラント。
【請求項19】
前記開口は中心軸を有し、前記中心軸は前記第1の支持ビームと整列されている、請求項18に記載のインプラント。
【請求項20】
インプラントの前後に延びる前後軸が、前記周辺構造の後方部分から前方部分にかけて延び、前記第1の支持ビームは前記前後軸に対して斜めの角度を向いている、請求項6に記載のインプラント。