(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006009
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20240110BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106538
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】505390657
【氏名又は名称】トランコム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520200399
【氏名又は名称】Chinoh.Ai株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】514323213
【氏名又は名称】株式会社APT
(71)【出願人】
【識別番号】593042993
【氏名又は名称】株式会社ジャロック
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】口脇 安夫
(72)【発明者】
【氏名】市田 勝也
(72)【発明者】
【氏名】中島 成浩
(72)【発明者】
【氏名】浅海 和宏
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE02
3F022FF02
3F022JJ13
3F022JJ20
3F022LL07
3F022LL19
3F022LL31
3F022MM01
3F022MM05
(57)【要約】
【課題】フロアにて保管される物品のロケーションを柔軟に設定できるようにする。
【解決手段】自動倉庫システムは、ラックとリフタとを備える。ラックは、フロア領域の上側に設けられ、複数のパレットの保管部が並んで配置される。リフタは、ラックでは、有軌道式の無人搬送台車により、リフタにより搬送されたパレットが各保管部に搬入されると共に、各保管部に保管されているパレットがリフタへと搬出される。フロア領域は、無人搬送車の制御装置により、行列状に並ぶ複数のパレット領域が仮想的に設定されており、各パレット領域には、予め定められた物品が載置されたパレットが保管される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管するための自動倉庫システムであって、
フロアにおける前記物品が載置された複数のパレットが保管される領域であるフロア領域の上側に設けられる部位であって、前記パレットを保管するための複数の保管部が並んで配置される部位である少なくとも1つのラックと、
前記パレットを前記ラックに搬送すると共に、前記ラックに保管されている前記パレットを前記フロアに搬送するよう構成される少なくとも1つのリフタと、を備え、
前記ラックは、有軌道式の無人搬送台車により、前記リフタにより当該ラックに搬送された前記パレットがそれぞれの前記保管部に搬入されると共に、それぞれの前記保管部に保管されている前記パレットが、前記リフタへと搬出されるよう構成されており、
前記フロア領域では、無人搬送車を制御する制御装置により、行列状に並ぶ複数のパレット領域が仮想的に設定されており、ぞれそれの前記パレット領域には、予め定められた前記物品が載置された前記パレットが保管され、
前記無人搬送車により、前記リフタにより搬送された前記パレットが前記パレット領域に搬入されると共に、それぞれの前記パレット領域に保管されている前記パレットが、出庫を行うためピッキングエリアへと搬出される
自動倉庫システム。
【請求項2】
請求項1に記載された自動倉庫システムであって、
前記パレット領域は、縦方向と、前記縦方向に直交する横方向とに並び、
前記フロア領域には、前記無人搬送車が走行する通路が、前記縦方向又は前記横方向に延びるように設けられており、
前記縦方向又は前記横方向に延びる列を形成する複数の前記パレット領域を、ユニットとし、前記物品の種類に対し、1又は複数の前記ユニットが対応付けられており、前記ユニットに含まれるそれぞれの前記パレット領域には、該ユニットに対応する前記種類の前記物品が載置された前記パレットが保管され、
少なくとも1つの前記通路の両側には、複数の前記パレット領域が配置されており、
前記ユニットの両端に位置する前記パレット領域は、それぞれ、前記通路に隣接する
自動倉庫システム。
【請求項3】
請求項2に記載された自動倉庫システムであって、
前記パレット領域に前記パレットが保管されていない状態を、空き状態とし、
前記パレット領域に前記パレットが保管されている状態を、占有状態とし、
前記物品の前記種類に対応する1又は複数の前記ユニットにおいて、該ユニットに含まれるそれぞれの前記パレット領域には異なる優先順位が設定されており、それぞれの前記ユニットは、第1端から第2端に向かうに従い、前記パレット領域の前記優先順位が1段階ずつ低くなり、
前記無人搬送車は、
前記物品の前記種類に対応する前記ユニットに含まれる前記占有状態の前記パレット領域のうち、前記優先順位が最も高い前記パレット領域に保管されている前記パレットを、前記ピッキングエリアに搬出し、
前記優先順位が1~A番目(Aは1以上の整数)の前記パレット領域が前記空き状態であり、前記優先順位がA+1~A+B番目(Bは1以上の整数)の前記パレット領域が前記占有状態である前記ユニットに保管されているB個の前記パレットを、該ユニットにおける前記優先順位が1~B番目の前記パレット領域に移動させ、
前記物品の前記種類に対応する前記ユニットに含まれる前記空き状態の前記パレット領域のうち、最も前記優先順位が高い前記パレット領域に、前記リフタにより前記ラックから搬送された前記パレットを搬入する
自動倉庫システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載された自動倉庫システムであって、
前記保管部は、縦方向と、前記縦方向に直交する横方向とに並び、
前記ラックでは、前記無人搬送台車が走行する通路が、前記縦方向又は前記横方向に延びるように設けられており、
前記縦方向又は前記横方向に延びる列を形成する複数の前記保管部を、ユニットとし、前記物品の種類に対し、1又は複数の前記ユニットが対応付けられており、前記ユニットに含まれるそれぞれの前記保管部には、該ユニットに対応する前記種類の前記物品が載置された前記パレットが保管され、
少なくとも1つの前記通路の両側には、複数の前記保管部が配置されており、
前記ユニットの両端に位置する前記パレット領域は、それぞれ、前記通路に隣接する
自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品を保管する自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、フロアに設けられたフロアラックと、フロアラックの上方に配置された上側ラックを備える自動倉庫システムが知られている。該自動倉庫システムの上側ラックは、ドーリー式の搬送台車によりパレットの搬入及び搬出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の自動倉庫システムでは、フロアラックに設けられたフロア保管部に、パレットを保管する構成となっている。このため、保管される物品の物流特性や種類や数等に応じて、フロアにおける物品のロケーションを自由に定めることができなかった。
【0005】
本開示の一態様においては、フロアにて保管される物品のロケーションを柔軟に設定できるのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、物品を保管するための自動倉庫システムであって、少なくとも1つのラックと、少なくとも1つのリフタと、を備える。ラックは、フロアにおける物品が載置された複数のパレットが保管される領域であるフロア領域の上側に設けられる部位であって、パレットを保管するための複数の保管部が並んで配置される部位である。リフタは、パレットをラックに搬送すると共に、ラックに保管されているパレットをフロアに搬送するよう構成される。ラックは、有軌道式の無人搬送台車により、リフタにより当該ラックに搬送されたパレットがそれぞれの保管部に搬入されると共に、それぞれの保管部に保管されているパレットが、リフタへと搬出されるよう構成されている。フロア領域では、無人搬送車を制御する制御装置により、行列状に並ぶ複数のパレット領域が仮想的に設定されており、ぞれそれのパレット領域には、予め定められた物品が載置されたパレットが保管される。無人搬送車により、リフタにより搬送されたパレットがパレット領域に搬入されると共に、それぞれのパレット領域に保管されているパレットが、出庫を行うためピッキングエリアへと搬出される。
【0007】
上記構成によれば、フロア領域では、無人搬送車の制御装置により複数のパレット領域が仮想的に設定される。このため、フロアにて保管される物品のロケーションを柔軟に設定できる。
【0008】
本開示の一態様では、パレット領域は、縦方向と、縦方向に直交する横方向とに並びてもよい。フロア領域には、無人搬送車が走行する通路が、縦方向又は横方向に延びるように設けられていてもよい。縦方向又は横方向に延びる列を形成する複数のパレット領域を、ユニットとし、物品の種類に対し、1又は複数のユニットが対応付けられており、ユニットに含まれるそれぞれのパレット領域には、該ユニットに対応する種類の物品が載置されたパレットが保管されてもよい。少なくとも1つの通路の両側には、複数のパレット領域が配置されていてもよい。ユニットの両端に位置するパレット領域は、それぞれ、通路に隣接してもよい。
【0009】
上記構成によれば、無人搬送車は、ユニットの両端から該ユニットに保管されているパレットに到達できる。このため、ユニットへのパレットの搬入及び搬出を円滑に行うことができる。
【0010】
本開示の一態様では、パレット領域にパレットが保管されていない状態を、空き状態としてもよい。パレット領域にパレットが保管されている状態を、占有状態としてもよい。物品の種類に対応する1又は複数のユニットにおいて、該ユニットに含まれるそれぞれのパレット領域には異なる優先順位が設定されており、それぞれのユニットは、第1端から第2端に向かうに従い、パレット領域の優先順位が1段階ずつ低くなってもよい。無人搬送車は、物品の種類に対応するユニットに含まれる占有状態のパレット領域のうち、優先順位が最も高いパレット領域に保管されているパレットを、ピッキングエリアに搬出してもよい。また、無人搬送車は、優先順位が1~A番目(Aは1以上の整数)のパレット領域が空き状態であり、優先順位がA+1~A+B番目(Bは1以上の整数)のパレット領域が占有状態であるユニットに保管されているB個のパレットを、該ユニットにおける優先順位が1~B番目のパレット領域に移動させてもよい。また、無人搬送車は、物品の種類に対応するユニットに含まれる空き状態のパレット領域のうち、最も優先順位が高いパレット領域に、リフタによりラックから搬送されたパレットを搬入してもよい。
【0011】
上記構成によれば、先入れ先出しによる物品の出庫を、円滑に行うことができる。なお、先入れ先出しとは、物品を出庫する際、先に自動倉庫システムに入庫された物品から順番に出庫することを意味する。
【0012】
本開示の一態様では、保管部は、縦方向と、縦方向に直交する横方向とに並んでもよい。ラックでは、無人搬送台車が走行する通路が、縦方向又は横方向に延びるように設けられていてもよい。縦方向又は横方向に延びる列を形成する複数の保管部を、ユニットとし、物品の種類に対し、1又は複数のユニットが対応付けられており、ユニットに含まれるそれぞれの保管部には、該ユニットに対応する種類の物品が載置されたパレットが保管されてもよい。少なくとも1つの通路の両側には、複数の保管部が配置されていてもよい。ユニットの両端に位置するパレット領域は、それぞれ、通路に隣接してもよい。
【0013】
上記構成によれば、無人搬送車は、ユニットの両端から該ユニットに保管されているパレットに到達できる。このため、ユニットへのパレットの搬入及び搬出を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】自動倉庫システムを側方から見た説明図である。
【
図2】変形例の自動倉庫システムを側方から見た説明図である。
【
図4】フロア領域のユニットを側方から見た説明図である。
【
図6】物品の種類に対応して設けられた1つのフロア領域のユニットにおける、パレットの荷繰り及び補充の説明図である。
【
図7】物品の種類に対応して設けられた複数のフロア領域のユニットにおける、パレットの荷繰り及び補充の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0016】
[1.概要]
本実施形態の自動倉庫システム1は、1種類又は複数種類の物品8を保管する倉庫を構成する(
図1~3、5参照)。自動倉庫システム1は、1つのラック3と、第1及び第2リフタ5、6と、制御装置7とを備える。
【0017】
ラック3は、倉庫のフロアに設けられたフロア領域2の上側に重なるように設けられる。なお、自動倉庫システム1は、2以上のラック3を有していてもよく、このような場合には、フロア領域2と各ラック3とは、上下方向に積層するように設けられる。
【0018】
自動倉庫システム1では、物品8はパレット4に載置された状態で保管され、フロア領域2とラック3とには、物品8が載置された複数の共通のパレット4が保管される。なお、パレット4は、例えば、倉庫への入庫又は出庫等の際に一般的に用いられる標準的な構成のものであっても良い。
【0019】
フロア領域2には、縦方向と、縦方向に直交する横方向とに行列状に並ぶ複数のパレット領域20が設けられている(
図3参照)。そして、制御装置7により制御される少なくとも1つの無人搬送車24(換言すれば、AGV)により、各パレット領域20に対し、自動的に、物品8が載置されたパレット4の搬入及び搬出が行われる(
図4参照)。
【0020】
一方、ラック3では、少なくとも1つの有軌道式の無人搬送台車33(換言すれば、ドーリー式の搬送台車)により、自動的に、物品8が載置されたパレット4の搬入及び搬出が行われる(
図5参照)。
【0021】
また、制御装置7は、少なくとも1つのPC等を有し、各無人搬送車24、各無人搬送台車33、第1並びに第2リフタ5、6、及び、第1コンベア50等を制御するよう構成される。
【0022】
[2.フロア領域]
フロア領域2に設けられる複数のパレット領域20は、制御装置7により仮想的に設定されている(
図1~4参照)。つまり、各パレット領域20は、柱や壁等により物理的に仕切られるのではなく、制御装置7により各パレット領域20の位置が決定される。但し、パレット領域20の間には、例えばラック3を下方から支持する目的で、柱や壁等が設けられていても良い。なお、本実施形態では、一例として、フロア領域2には、縦方向に延びる壁部25が設けられており、壁部25により3列毎にパレット領域20が仕切られている。
【0023】
複数のパレット領域20はフロアの床面に設けられ、1つの物品8が載置された1つのパレット4が、パレット領域20を形成するフロアの床面に載置された状態でパレット領域20に保管される。つまり、各パレット領域20では、1の物品8のみが保管される。
【0024】
そして、無人搬送車24にはフォークリフト機構が設けられており、フォークリフト機構により、無人搬送車24により搬送されているパレット4がパレット領域20に載置される。また、フォークリフト機構により、パレット領域20に載置されているパレット4が、無人搬送車24に配置される。以後、パレット領域20にパレット4が保管されている状態を、占有状態と記載し、パレット領域20にパレット4が保管されていない状態を、空き状態と記載する。
【0025】
フロア領域2には、無人搬送車24が走行する通路23A~23Dが、縦方向又は横方向に延びるように設けられる(
図3参照)。また、フロア領域2は、一例として、通路23A~23Dにより4つのブロック22に分割されており、各ブロック22には、縦方向及び横方向に行列状に並ぶ複数のパレット領域20が配置される。
【0026】
本実施形態では、一例として、縦方向に延びる1本の第1通路23Aと、横方向に延びる3本の第2~第4通路23B~23Dが設けられる。第1通路23Aは、フロア領域2における横方向の中央に位置し、その両側にブロック22が位置する。また、第2通路23Bは、フロア領域2における縦方向の中央に位置し、その両側にはブロック22が位置する。また、第3及び第4通路23C、23Dは、フロア領域2の縦方向の両端に位置し、これらの通路の間にブロック22が位置する。また、第1通路23Aの両端は、それぞれ、第3及び第4通路23C、23Dに接続する。また、第1通路23Aは、フロア領域2の中央で第2通路23Bと交差する。つまり、第1及び第2通路23A、23Bは、複数のパレット領域20が配置された領域を、一端から他端まで横切るように設けられる。
【0027】
また、一例として、第1及び第4通路23A、23Dは、2台の無人搬送車24が並んで走行可能な幅を有しており、第2及び第3通路23B、23Cは、1台の無人搬送車24が走行可能な幅を有している。
【0028】
無論、通路23A~23Dの位置及び幅は、上述したものに限らず、適宜定められ得る。具体的には、例えば、第1及び第2通路23A、23Bの一端は、他の通路に接続せず、複数のパレット領域20が配置された領域内に位置していても良い。
【0029】
また、フロア領域2における物品8の保管場所は、ユニット21単位で定められる。ユニット21とは、各ブロック22にて縦方向に延びる列をなす複数のパレット領域20を意味する(
図3、4参照)。なお、横方向に延びる列をなす複数のパレット領域20により、ユニット21を形成しても良い。また、各ユニット21に含まれるパレット領域20の数は、同数でも良いし、異なっていても良い。
【0030】
各ユニット21の第1端に位置する第1パレット領域20Aと、第2端に位置する第2パレット領域20Bとは、第1~第4通路23A~23Dのいずれかに隣接する。本実施形態では、一例として、各ユニット21の第1パレット領域20Aは、第3又は第4通路23C、23Dに隣接し、第2パレット領域20Bは、第2通路23Bに隣接する。
【0031】
[3.ラック]
ラック3は、一例としてメザニンラックとして構成されており、その床面に、複数の保管部30と、各保管部30を区切る区画部32とが設けられている(
図1、5参照)。
【0032】
各保管部30は、一例として、正方形状の区画エリアに設けられる。
区画部32は、各保管部30の境界を区切る部位である。本実施形態では、一例として、区画部32は、各区画エリアの四隅に設けられた4つの柱により、各保管部30の境界を区切る。区画部32は、複数の保管部30が、縦方向及び横方向に直線状に並び、且つ、行列状に配置されるように、各保管部30を区切る。
【0033】
この他にも、区画部32を設けることなく、各保管部30の間に所定の間隔を開けるか、又は、各保管部30が隣接した状態で、各保管部30を設けても良い(
図2参照)。また、この場合、ラック3に天井を設けず、各保管部30の上部を開放された状態としても良い。これにより、ラック3の部品点数やラック3の設置時の手間が低下するため、ラック3のコストを抑制できる。また、区画部32を省くことで、保管部30の数を増加させることができる。
【0034】
また、各保管部30には、パレット4を搬送するための有軌道式の無人搬送台車33を移動させるためのレール(図示無し)が設けられている。各保管部30のレールの向きは、縦方向又は横方向に延びた状態となっており、制御装置7からの指示に応じてレールの向きが縦方向又は横方向に設定される。そして、無人搬送台車33は、該レールにより、縦方向又は横方向に並ぶ複数の保管部30に沿って移動可能となる。つまり、無人搬送台車33は、該レールに沿って移動することで、ラック3に設けられたいずれの保管部30にも到達できる。
【0035】
また、各保管部30は、1つのパレット4を保管するよう構成されている。すなわち、各保管部30には、レールの上方に位置し、且つ、区画エリアの縁に位置し、当該保管部30にて保管されるパレット4が載置されるよう構成された枠部31が設けられる。
【0036】
パレット4を搬送している無人搬送台車33は、パレット4を保管している保管部30には進入できない。しかし、パレット4を搬送してない無人搬送台車33は、パレット4を保管している保管部30に進入できる。そして、各保管部30は、無人搬送台車33によりパレット4の搬入及び搬出が行われる。
【0037】
具体的には、保管部30へのパレット4の搬入時には、一例として、パレット4を搬送している無人搬送台車33は、保管部30にて停止し、パレット4が載置されている支持部を下方に変位させる。これにより、パレット4が保管部30の枠部31に支持された状態となり、パレット4が該保管部30に保管される。
【0038】
一方、保管部30からのパレット4の搬出時には、一例として、パレット4を搬送していない無人搬送台車33は、保管部30にて停止し、支持部を上方に変位させる。これにより、保管部30の枠部31に載置されていたパレット4が支持部に載置された状態となり、該状態の無人搬送台車33が保管部30の外部に移動することで、パレット4が搬出される。以後、保管部30にパレット4が保管されている状態を、占有状態と記載し、保管部30にパレット4が保管されていない状態を、空き状態と記載する。
【0039】
[4.パレットの保管]
ラック3における保管部30の一部は、無人搬送台車33が走行する通路として用いられ、通路以外の保管部30にパレット4が保管される(
図5参照)。ラック3には、縦方向又は横方向に延びる第1~第4通路34A~34Dを含む複数の通路が設けられる。これらの通路は、一列に並ぶ複数の保管部30により構成されており、ラック3を4つのブロック36に分割する。そして、各ブロック36には、縦方向及び横方向に行列状に並ぶ複数の保管部30が配置され、各ブロック36の保管部30にパレット4が保管される。
【0040】
一例として、ラック3においても、フロア領域2の第1~第4通路23A~23Dと同様にして、第1通路34Aは縦方向に延び、第2~第4通路34B~34Dは横方向に延びる。第1及び第2通路34A、34Bは、複数の保管部30が配置された領域を、一端から他端まで横切るように設けられ、その両側にブロック36が位置する。
【0041】
無論、通路34A~34Dの位置は、上述したものに限らず、適宜定められ得る。具体的には、例えば、第1及び第2通路34A、34Bの一端は、他の通路に接続せず、複数の保管部30が配置された領域内に位置していても良い。
【0042】
また、フロア領域2と同様、ラック3における物品8の保管場所は、ユニット35単位で定められる。ユニット35とは、各ブロック36にて縦方向に延びる列をなす複数の保管部30を意味する。なお、横方向に延びる列をなす複数の保管部30により、ユニット35を形成しても良い。また、各ユニット35に含まれる保管部30の数は、同数でも良いし、異なっていても良い。
【0043】
各ユニット35の第1端に位置する第1保管部30Aと、第2端に位置する第2保管部30Bとは、第1~第4通路34A~34Dのいずれかに隣接する。本実施形態では、一例として、各ユニット35の第1保管部30Aは、第3又は第4通路34C、34Dに隣接し、各ユニット35の第2保管部30Bは、第2通路34Bに隣接する。
【0044】
[5.第1及び第2リフタ]
第1リフタ5は、ラック3に物品8を搬入するため、物品8が載置されたパレット4を配置可能なケージを上下に昇降させる(
図1~3、5参照)。
【0045】
具体的には、第1リフタ5のケージは、自動倉庫システム1のフロアとラック3とで停止可能となっている。そして、ラック3で停止しているケージは、ラック3を移動する無人搬送台車33が進入可能である。また、ケージ内の無人搬送台車33は、ラック3の保管部30へと進入可能となっている。また、フロアに設けられた第1コンベア50により、フロアで停止しているケージの内部にパレット4が搬入される。
【0046】
そして、ラック3に物品8を搬入する場合には、例えば、まず、パレット4を搬送していない無人搬送台車33が第1リフタ5のケージに進入し、該ケージがフロアまで下降する。その後、第1コンベア50により物品8が載置されたパレット4がケージ内に搬入されると、該パレット4がケージ内の無人搬送台車33に載置される。そして、ケージがラック3まで上昇すると共に、ケージ内の無人搬送台車33がラック3に進入し、いずれかの保管部30にパレット4を搬入する。
【0047】
一方、第2リフタ6は、ラック3で保管されている物品8をフロアへと搬出するため、物品8が載置されたパレット4を配置可能なケージを上下に昇降させる。
具体的には、第1リフタ5と同様、第2リフタ6のケージはフロアとラック3とで停止可能となっており、無人搬送台車33は、ラック3で停止しているケージに進入可能であると共に、ケージ内からラック3への移動が可能である。また、フロアに設けられた第2コンベア60により、フロアで停止しているケージの内部からパレット4が搬出される。
【0048】
そして、ラック3から物品8を搬出する場合には、例えば、まず、無人搬送台車33が保管部30からパレット4を搬出して第2リフタ6のケージに進入し、該ケージがフロアまで下降する。その後、無人搬送台車33は、搬送しているパレット4を第2コンベア60に移動させ、該パレット4は、第2コンベア60により所定の位置まで搬送される。
【0049】
なお、本実施形態の自動倉庫システム1では、一例として、2機の第1リフタ5と1機の第2リフタ6とが設けられている。しかし、第1及び第2リフタ5、6の数は、適宜定められる。
【0050】
また、本実施形態では、第1及び第2リフタ5、6は、物品8が載置されたパレット4と共に無人搬送台車33を搬送するよう構成されている。しかし、第1及び第2リフタ5、6が物品8を搬送する態様は、これに限定されない。具体的には、例えば、第1及び第2リフタ5、6は、無人搬送台車33を搬送することなくパレット4を搬送するよう構成されていても良い。
【0051】
すなわち、ラック3に物品8を搬入する場合には、まず、フロアにて、第1コンベア50により、物品8が載置されたパレット4が、第1リフタ5のケージ内に搬入されても良い。そして、ケージがパレット4を搬送しながらラック3まで上昇すると共に、無人搬送台車33がケージからパレット4を搬出し、いずれかの保管部30にパレット4を搬入しても良い。
【0052】
一方、ラック3から物品8を搬出する場合には、まず、ラック3にて、無人搬送台車33により、物品8が載置されたパレット4が、第2リフタ6のケージ内に搬入されても良い。そして、ケージがパレット4を搬送しながらフロアまで下降すると共に、第2コンベア60により、物品8が載置されたパレット4がケージ外に搬出されても良い。
【0053】
[6.物品の保管について]
自動倉庫システム1では、物品8の出庫及び入庫は、物品8が載置されたパレット4単位で行われる(
図1、2参照)。なお、パレット4に載置された物品8とは、一つのまとまりとなっているM個(Mは2以上の整数)物品であっても良いし、単一の物品であっても良い。また、一つのまとまりとなっているM個の物品は、パッケージ化されていても良い。
【0054】
制御装置7は、各無人搬送車24、各無人搬送台車33、第1並びに第2リフタ5、6、及び、第1並びに第2コンベア50、60等を制御し、物品8が載置されたパレット4を搬送することで、物品8の入庫及び出庫を行う。また、制御装置7は、自動倉庫システム1に保管されている物品8を管理データベースに登録して管理する。
【0055】
また、フロア領域2とラック3とには、それぞれ、同一種類の物品8が保管されており、原則として、新たに入庫した物品8はラック3に保管されると共に、フロア領域2に保管されている物品8が出庫される。そして、ラック3に保管されている物品8が、フロア領域2に補充される。
【0056】
また、保管される物品8の各種類は、フロア領域2における1つ又は複数のユニット21に対応していると共に、ラック3における1つ又は複数のユニット35に対応している。そして、各ユニット21、35には、当該ユニットに対応する種類の物品8が載置されたパレット4が保管される。
【0057】
また、自動倉庫システム1では、当該自動倉庫システム1に先に入庫された物品8(換言すれば、より早期に製造された物品8)から順に出庫される(以後、先入れ先出しとも記載)。先入れ先出しが可能となるよう、フロア領域2及びラック3では、各ユニット21、35におけるパレット4の荷繰りが行われる。
【0058】
すなわち、物品8の種類に対応する1又は複数のユニット21に含まれる各パレット領域20には、異なる優先順位が設定されており、第1端から第2端に向かうに従いパレット領域20の優先順位が1段階ずつ低くなる(
図6、7参照)。このため、各ユニット21では、第1パレット領域20Aが最も優先順位が高く、第2パレット領域20Bが最も優先順位が低い。
【0059】
したがって、一例として、物品8の種類に第1~第3ユニット21が対応しており、仮に各ユニット21を構成するパレット領域20の数がN個であるとする(Nは2以上の整数)。この場合、第1~第3ユニット21のN個のパレット領域20の優先順位は、それぞれ、1~N番目、N+1~2N番目、2N+1~3N番目となる。
【0060】
また、ラック3のユニット35においても、フロア領域2のユニット21と同様、ユニット35を構成する各保管部30には異なる優先順位が設定されており、第1端から第2端に向かうに従い保管部30の優先順位が1段階ずつ低くなる。このため、各ユニット35では、第1保管部30Aが最も優先順位が高く、第2保管部30Bが最も優先順位が低い。
【0061】
そして、フロア領域2及びラック3における物品8の種類に対応するユニット21、35では、入庫時期がより早い物品8が載置されたパレット4は、優先順位のより高いパレット領域20又は保管部30に保管される。無論、同時期に入庫した物品8(換言すれば、同一ロットの物品8)が、優先順位が連続する(換言すれば、隣接する)パレット領域20又は保管部30に保管される場合もある。
【0062】
[7.出庫について]
制御装置7は、注文等に応じて、予め定められた時間帯である営業時間に、フロア領域2に保管されている物品8を出庫する(
図3参照)。物品8の出庫の際には、先入れ先出しを行うため、該物品8の種類に対応するフロア領域2のユニット21における占有状態のパレット領域20のうち、最も優先順位の高いパレット領域20に保管されているパレット4から順番に搬出される。
【0063】
無人搬送車24は、該ユニット21における、最も優先順位の高い占有状態のパレット領域20まで移動すると共に、該パレット領域20からパレット4を搬出し、該パレット4をピッキングエリアまで搬送する。ピッキングエリアでは、該パレット4に載置されている物品8が出庫され、制御装置7は、物品8の出庫に応じて管理データベースを更新する。したがって、各ユニット21では、出庫のためパレット4が搬出される度に、第1端側のパレット領域20から順に空き状態となる。
【0064】
[8.入庫について]
自動倉庫システム1に入庫される物品8は、原則としてラック3に保管される(
図5参照)。入庫する物品8が倉庫に到着すると、まず、物品8は、検品及びラベリングと、制御装置7の管理データベースへの登録とが行われ、その後、各物品8はパレット4に載置される。作業者は、物品8が載置されたパレット4を第1コンベア50に配置する。そして、制御装置7は、第1コンベア50、第1リフタ5、及び、無人搬送台車33を制御し、パレット4をラック3に搬送する。
【0065】
物品8の入庫の際においても、先入れ先出しを行うため、該物品8の種類に対応するユニット35における空き状態の保管部30のうち、最も優先順位の高い保管部30から順番にパレット4が搬入される。このため、該物品8が載置されたパレット4を搬送する無人搬送台車33は、該物品8の種類に対応するユニット35における、最も優先順位の高い空き状態の保管部30まで移動し、該保管部30にパレット4を搬入する。
【0066】
なお、該ユニット35における最も優先順位の高い保管部30が空き状態であり、且つ、最も優先順位の低い保管部30が占有状態である場合には、該ユニット35に対し荷繰り(詳細は後述する)を行った後、該ユニット35にパレット4が搬入されても良い。
【0067】
また、同一ロットのX個(Xは2以上の整数)の物品8が同時に入庫する場合がある。このような場合には、該物品8の種類に対応するユニット35の空き状態の保管部30における最も高い優先順位をY(Yは1以上の整数)とすると、優先順位がY~Y+X-1番目であるX個の保管部30に、同一ロットのパレット4が保管される。
【0068】
[9.荷繰り及び補充について]
制御装置7は、営業時間とは異なる時間帯である営業時間外に、(1)フロア領域2に保管されているパレット4(換言すれば、物品8)の荷繰りを行うと共に、(2)ラック3に保管されているパレット4をフロア領域2に補充する(
図6、7参照)。また、制御装置7は、(3)ラック3に保管されているパレット4についても荷繰りを行う。
【0069】
なお、以下の説明におけるA~Fは、1以上の整数を意味する。また、以下の説明では、優先順位が1~A番目のパレット領域20、優先順位がA+1~A+Bのパレット領域20等といった説明がある。これらの説明は、A又はBが1である場合には、優先順位が1番目又はA+1番目である1のパレット領域20を意味する。
【0070】
また、フロア領域2及びラック3での荷繰りや、ラック3からフロア領域2へのパレット4の補充は、営業時間に行われても良い。
[(1)フロア領域での荷繰り]
同一の物品8の種類に対応する1又は複数のユニット21が、優先順位が1~A番目である1又は複数のパレット領域20が空き状態であり、且つ、A+1~A+B番目のパレット領域20が占有状態であるとする(
図6、7参照)。この場合、該ユニット21は荷繰りの対象となり得る。
【0071】
荷繰りの際、無人搬送車24は、優先順位がA+1~A+B番目のパレット領域20に保管されているB個のパレット4を、1~B番目のパレット領域20に移動する。この時、B個のパレット4の順番が維持される。つまり、荷繰りにより、B個のパレット4が保管されるパレット領域20の優先順位は、それぞれ、A段階繰り上がる。なお、荷繰りの際、無人搬送車24は、荷繰りの対象となるユニット21に保管されているパレット4の全部又は一部を、一時的に通路23に退避させても良い。
【0072】
[(2)フロア領域への補充]
B個のパレット4の荷繰りが終了したユニット21は、該ユニット21に含まれるパレット領域20の総数がCであるとすると、優先順位がB+1~C番目のパレット領域20が空き状態となっている(
図6、7参照)。これらのパレット領域20には、該ユニット21と同一種類の物品8が保管されているラック3のユニット35から、パレット4が補充される。
【0073】
該ユニット35に保管されているパレット4の数がC-B個以上の場合、C-B個のパレット4が該ユニット21に補充され、該パレット4の数がC-B個未満の場合、該ユニット35に保管されている全てのパレット4が補充される。以後、該ユニット35から補充されるパレット4の数を、D個と記載する。
【0074】
補充の際、無人搬送台車33は、該ユニット35における優先順位が1~D番目の保管部30に保管されているパレット4を搬出する。該パレット4は、無人搬送台車33及び第2リフタ6によりフロアまで搬送され、その後、無人搬送車24は、該ユニット21における優先順位がB+1~B+D番目のパレット領域20に該パレット4を搬入する。
【0075】
D=C-Bである場合、該ユニット21における優先順位がB+1~C番目のパレット領域20は、全て占有状態となる。しかし、D<C-Bの場合、ユニット21における優先順位がB+1~B+D番目のパレット領域20は占有状態となるが、B+D+1~C番目の保管部30は空き状態となる。
【0076】
また、補充の際、搬送されるパレット4の順番は維持される。つまり、ラック3のユニット35において、優先順位が1~D番目の保管部30に保管されていたパレット4は、それぞれ、優先順位がB+1~B+D番目のパレット領域20に保管される。
【0077】
[(3)ラックでの荷繰り]
補充によりD個のパレット4が搬出されたラック3のユニット35では、優先順位が1~D番目の保管部30が空き状態となり、優先順位がD+1~E番目の保管部30が占有状態となる。なお、EはD+1以上の整数であることを念のため付言しておく。該ユニット35に対しても、フロア領域2のユニット21と同様にして荷繰りが行われる。
【0078】
荷繰りの際、無人搬送台車33は、優先順位がD+1~E番目の保管部30に保管されているF個のパレット4を、優先順位が1~F番目の保管部30に移動する。この時、F個のパレット4の順番が維持される。つまり、荷繰りにより、F個のパレット4が保管される保管部30の優先順位は、それぞれ、D段階繰り上がる。
【0079】
[10.端数パレットについて]
パレット4に載置される物品8が、一つのまとまりであるM個の物品である場合、該物品8は、原則として、一つのまとまりとして出庫されるが、例えば、顧客の要望等に応じて、M個未満の物品として出庫される場合がある。このような場合に備え、一部のパレット4には、まとまりが解除された状態で物品が載置されている。このようなパレット4を、端数パレット4と記載する。
【0080】
フロア領域2には、端数パレット4が保管される端数パレット領域20Cが設けられる(
図3参照)。端数パレット領域20Cは、各ブロック22とは別の位置に設けられる。本実施形態では、一例として、複数の端数パレット領域20Cが、第1及び第2リフタ5、6の付近に、列を形成した状態で配置される。
【0081】
また、ラック3においても、端数パレット4が保管される端数保管部30Cが設けられる(
図5参照)。端数保管部30Cは、各ブロック36とは別の位置に設けられる。本実施形態では、一例として、複数の端数保管部30Cが、第1及び第2リフタ5、6の付近に、列を形成した状態で配置される。
【0082】
[11.効果]
(1)上記実施形態によれば、フロア領域2では、無人搬送車24の制御装置7により、複数のパレット領域20が仮想的に設定される。このため、自動倉庫システム1に保管される物品8の物流特性や種類や数等に応じて、フロア領域2にて保管される各種類の物品8の配置場所(換言すれば、ロケーション)を柔軟に設定できる。
【0083】
また、各パレット領域20では、物品8が積層されない状態で保管(以後、平置き)されている。このため、積層された他の物品8からの荷重により物品8に損傷が生じるのを抑制でき、また、例えば、地震や、湿度の上昇による段ボール等の梱包材の強度低下等が生じた場合であっても、物品8の荷崩れが生じない。したがって、物品8をフィルム等で保護する必要性が低くなる。
【0084】
また、各パレット領域20への物品8の搬入時及び搬出時の作業負荷が低減する。また、ネステナーラック等を用いて物品8をパレット領域20に保管する必要が無くなるため、コストを抑制できる。
【0085】
また、フロア領域2に物品8を平置きしつつも、フロア領域2の上方にラック3が設けられ、フロア領域2とラック3とにより物品8を保管する。このため、単に倉庫のフロアに物品を平置きする場合に比べ、物品8の保管効率が向上する。
【0086】
(2)また、フロア領域2では、無人搬送車24は、ユニット21の両端から該ユニット21に保管されているパレット4に到達できる。また、ラック3においても、無人搬送台車33は、ユニット35の両端から該ユニット35に保管されているパレット4に到達できる。このため、ユニット21、35へのパレット4の搬入及び搬出を円滑に行うことができ、荷繰りや、パレット4の補充や、物品8の入庫や出庫等の際の作業負荷が低減する。
【0087】
(3)また、フロア領域2では、ユニット21の荷繰りが行われると共に、荷繰りが行われたユニット21に対し、先に入庫された物品8が載置されたパレット4が補充される。また、ラック3においても、ユニット35の荷繰りが行われる。このため、先入れ先出しによる物品8の出庫を、円滑に行うことができる。
【0088】
また、パレット領域20及び保管部30を無駄無く使用しつつ、先入れ先出しを実現できる。また、無人搬送車24及び無人搬送台車33により荷繰りや補充が自動で行われるため、作業効率が向上する。
【0089】
(4)また、フロア領域2では、ユニット21が設けられるブロック22とは別の位置に、端数パレット領域20Cが設けられる。また、ラック3においても、ユニット35が設けられるブロック36とは別の位置に、端数保管部30Cが設けられる。このため、ユニット21、35へのパレット4の搬入及び搬出を、スムーズに行うことができる。
【0090】
[12.他の実施形態]
(1)上記実施形態では、ラック3への物品8の搬入に用いられる第1リフタ5と、ラック3からの物品8の搬出に用いられる第2リフタ6とが設けられている。しかしながら、ラック3への物品8の搬入及び搬出を、共通のリフタにより行うようにしても良い。つまり、第1及び第2リフタ5、6は、同一のリフタとして構成されていても良い。
【0091】
(2)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…自動倉庫システム、2…フロア領域、20…パレット領域、21…ユニット、23A~23D…第1~第4通路、24…無人搬送車、3…ラック、30…保管部、34A~34D…第1~第4通路、35…無人搬送台車、4…パレット、5…第1リフタ、50…第1コンベア、6…第2リフタ、60…第2コンベア、7…制御装置、8…物品。