(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060105
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】カップ部を有する衣類
(51)【国際特許分類】
A41C 3/12 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A41C3/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043654
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2021554060の分割
【原出願日】2020-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2019197572
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】立入 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】坂本 晶子
(72)【発明者】
【氏名】福井 彩華
(72)【発明者】
【氏名】山脇 真里
(57)【要約】
【課題】 前屈に伴ってバストが移動しても、バストをカップ部に収める。
【解決手段】 ブラジャー1は、各カップ部2の肌側に配設される一対のサポート部5を備える。サポート部5がカップ部2に前中心側で接続する前中心側接続部51と、サポート部5がカップ部2の下辺21の脇側に接続する脇側接続部52と、サポート部5がカップ部2と肩ストラップ部4との接続部に接続する上側接続部53が形成される。サポート部5の中央部分は、カップ部2と遊離可能に形成される。サポート部5の下辺55は、カップトップTからカップ部2の下端21aまでカップ部2のカーブに沿う仮想線VLにおいて、カップトップTから30%ないし60%の位置に配設される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バストを被覆する一対のカップ部と、
前記一対のカップ部を、背側で接続するバック部と、
前記一対のカップ部の上側で接続するとともに、背側で前記バック部に接続する一対の肩ストラップ部と、
各カップ部の肌側に配設される一対のサポート部を備え、
前記サポート部が前記カップ部に前中心側で接続する前中心側接続部と、前記サポート部が前記カップ部の下辺の脇側に接続する脇側接続部と、前記サポート部が前記カップ部と前記肩ストラップ部との接続部に接続する上側接続部が形成され、
前記サポート部の中央部分は、前記カップ部と遊離可能に形成され、
前記サポート部の下辺は、カップトップから前記カップ部の下端まで前記カップ部のカーブに沿う仮想線において、前記カップトップから30%ないし60%の位置に配設される
ことを特徴とするカップ部を有する衣類。
【請求項2】
前記サポート部の下辺における前記前中心側接続部の脇側の接続端と前記脇側接続部の前中心側の接続端の長さは、前記仮想線における前記サポート部の下辺と前記カップ部の下端までの長さよりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項3】
カップ部の下端から、前記サポート部の下辺における前記脇側接続部の前中心側の接続端までの長さは、前記カップ部の下端から、前記サポート部の下辺における前記前中心側接続部の脇側の接続端までの長さよりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項4】
前記カップ部の上辺において、前記カップ部の前中心側の端部と、前記カップトップを通る垂直線の前記カップ部の上辺との交点との間に、前記サポート部の前中心側接続部のカップ部の上辺との脇側の接続端が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項5】
前記サポート部の前中心側接続部のカップ部の上辺との脇側の接続端は、前記カップ部の前中心側の端部から前記カップトップを通る垂直線の前記カップ部の上辺との交点の前記カップ部の上辺における長さに対して、前記カップ部の前中心側の端部から30%から70%の位置に形成される
ことを特徴とする請求項4に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項6】
前記サポート部の前記脇側接続部と前記上側接続部の間は、前中心側に凹状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項7】
前記脇側接続部の前記カップ部の下辺上の中心は、前記カップ部の下端から脇側の端部の前記カップ部の下辺上の長さの半分の位置より、カップ部の脇側の端部寄りに形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項8】
前記サポート部の前記前中心側接続部と前記上側接続部の間は、平置きで前記カップ部から浮くように形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項9】
前記サポート部は、
前記カップ部を有する衣類を着用した着用者の立位時において、伸張してバストに密着し、
前記着用者が前屈姿勢を取る際、前記サポート部は、前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、前記サポート部がバストを伴って元に戻り、バストが前記カップ部から離れるのを防ぐ
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ部を有する衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ブラジャーなどのカップ部を有する衣類は、バストを支え、バストの形状を整形すると共に、形が崩れることを防ぐ。またブラジャーは、これら以外にも、様々な機能を実現する場合もある。
【0003】
例えば、左右のカップを繋ぐ連結部に、正面略U字形状の線状芯材を内装するブラジャーがある(特許文献1参照)。特許文献1は、前屈みになるなどして身体の動きが複雑に加わった場合、線状芯材は、左右のカップを中央へ引き付けて左右のカップが開くのを確実に防止する。特許文献1は、左右のカップが前後左右の何れかに動いたり変形したりすることを、確実に防止して、ブラジャーの安定性を高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のブラジャーは、カップが着用者から離れることを未然に防ぐものであるので、想定外の動き等によりカップがバストから離れてしまうと、カップからバストがはみ出てしまい、着崩れてしまう場合がある。このように、前屈(お辞儀等で上半身を前に倒す動作)に伴ってバストが移動した場合でも着崩れを防ぐことができなかった。
【0006】
従って本発明の目的は、前屈に伴ってバストが移動しても、バストをカップ部に収めることが可能なカップ部を有する衣類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、バストを被覆する一対のカップ部と、一対のカップ部を、背側で接続するバック部と、一対のカップ部の上側で接続するとともに、背側でバック部に接続する一対の肩ストラップ部と、各カップ部の肌側に配設される一対のサポート部を備えるカップ部を有する衣類である。サポート部がカップ部に前中心側で接続する前中心側接続部と、サポート部がカップ部の下辺の脇側に接続する脇側接続部と、サポート部がカップ部と肩ストラップ部との接続部に接続する上側接続部が形成される。サポート部の中央部分は、カップ部と遊離可能に形成される。サポート部の下辺は、カップトップからカップ部の下端までカップ部のカーブに沿う仮想線において、カップトップから30%ないし60%の位置に配設される。
【0008】
サポート部の下辺における前中心側接続部の脇側の接続端と脇側接続部の前中心側の接続端の長さは、仮想線におけるサポート部の下辺とカップ部の下端までの長さよりも長いことが好ましい。
【0009】
カップ部の下端から、サポート部の下辺における脇側接続部の前中心側の接続端までの長さは、カップ部の下端から、サポート部の下辺における前中心側接続部の脇側の接続端までの長さよりも長いことが好ましい。
【0010】
カップ部の上辺において、カップ部の前中心側の端部と、カップトップを通る垂直線のカップ部の上辺との交点との間に、サポート部の前中心側接続部のカップ部の上辺との脇側の接続端が設けられることが好ましい。
【0011】
サポート部の前中心側接続部のカップ部の上辺との脇側の接続端は、カップ部の前中心側の端部からカップトップを通る垂直線のカップ部の上辺との交点のカップ部の上辺における長さに対して、カップ部の前中心側の端部から30%から70%の位置に形成されることが好ましい。
【0012】
サポート部の脇側接続部と上側接続部の間は、前中心側に凹状に形成されることが好ましい。
【0013】
脇側接続部のカップ部の下辺上の中心は、カップ部の下端から脇側の端部のカップ部の下辺上の長さの半分の位置より、カップ部の脇側の端部寄りに形成されることが好ましい。
【0014】
サポート部の前中心側接続部と上側接続部の間は、平置きでカップ部から浮くように形成されることが好ましい。
【0015】
サポート部は、ブラジャーを着用した着用者の立位時において、伸張してバストに密着し、着用者が前屈姿勢を取る際、サポート部は、前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、サポート部がバストを伴って元に戻り、バストがカップ部から離れるのを防ぐことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前屈に伴ってバストが移動しても、バストをカップ部に収めることが可能なカップ部を有する衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るブラジャーを着用した状態の斜視図である。
【
図2】
図2(a)は、左のカップ部の肌側の、前中心側を説明する図であって、
図2(b)は、左のカップ部の肌側の、脇側を説明する図である。
【
図3】
図3は、ブラジャーの着用者が前屈時のサポート部の動き(前半)を説明する図である。
【
図4】
図4は、ブラジャーの着用者が前屈時のサポート部の動き(後半)を説明する図である。
【
図5】
図5(a)は、一般的なサポート部が、バストを引きつける力の方向を説明する図であって、
図5(b)は、本発明の実施の形態に係るサポート部が、バストを引きつける力の方向を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。本発明の実施の形態において上下左右等の方向は、特別な説明がない限り、ブラジャー1を着用者が着用した状態を基準に説明する。また本発明の実施の形態において、前屈は、お辞儀等で上半身を前に倒す動作である。
【0019】
(実施の形態)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るブラジャー1を説明する。ブラジャー1は、カップ部を有する衣類の一例である。なお本発明の実施の形態において、「立位時」は、上半身が垂直である場合を意味し、椅子に座った状態であっても良い。
【0020】
ブラジャー1は、一対のカップ部2、一対のバック部3、一対の肩ストラップ部、一対のサポート部5および土台部6を備える。一対のカップ部2、一対のバック部3、一対の肩ストラップ部、一対のサポート部5および土台部6は、左右対称に形成される。
【0021】
一対のカップ部2は、バストを被覆する。一対のカップ部2は、左右のバストを立体的に被覆し、側面視および上面視において釣鐘形状を有する。カップ部2は、複数の生地を縫い合わせて、立体的に形成される。カップ部2の肌側に、バストアップを実現するパッドを挿入する挿入口が設けられても良い。本発明の実施の形態においてブラジャー1は、3/4カップの場合を説明するが、フルカップなど他のカップ形状であっても良い。また他の実施例においてカップ部2は、樹脂発泡体、不織布等によるによるモールド成形カップが用いられても良い。
【0022】
一対のバック部3は、一対のカップ部2を、背側で接続する。バック部3は、着用者の背面に配設され、着用者の前側に配設されるカップ部2とともに、着用者の胴の周方向に巻き付く。またバック部3は、伸縮性によりカップ部2を引いてカップ部2とバストを密着させ、着用者に安定して配設することを可能にする。
【0023】
一対のバック部3は、一対のバック部3を、背側で接続する部材となるバック接続部31を有する。バック接続部31は例えば、雌ホックと雄ホックである。雌ホックに雄ホックを係止することにより、一対のバック部3を着脱可能に接続することができる。本発明の実施の形態において、背側でバック部3を接続する場合を説明するが、これに限られない。他の実施例においてブラジャーは、一対のカップ部の間に接続部を設けるフロントホックブラであっても良い。またスポーツブラのように、ブラジャーは、カップ部2およびバック部3が一体に形成され、頭部から被って着用しても良い。
【0024】
一対の肩ストラップ部4は、それぞれ、一対のカップ部2の上側で接続するとともに、肩の稜線を超えて、背側でバック部3に接続する。肩ストラップ部4は、肩の稜線からカップ部2を引き上げることにより、バスト位置を高く維持し、バストの造形性を実現する。肩ストラップ部4は、エイト鐶等により長さ調節可能に形成されても良い。
【0025】
土台部6は、着用者のバージスラインの下方に設けられ、一対のカップ部2と一対のバック部3に接続する。土台部6とカップ部2の境界に、ワイヤーを収納する収納部61が形成される。なお、本発明の実施の形態において、ワイヤー入りのブラジャー1を説明するが、ノンワイヤーのブラジャーであっても良い。また本発明の実施の形態において、バック部3がカップ部2に直接接続する場合を説明するが、バック部3が土台部6を介してカップ部2に接続しても良い。
【0026】
サポート部5は、各カップ部2の肌側に配設される。サポート部5は、カップ部2のカップトップ位置近辺から下方側に設けられる。
【0027】
サポート部5は、ブラジャー1を着用した着用者が前屈姿勢となる際、バストがカップ部2からはみ出るのを回避し、バストがカップ部2に収まるように、バストをサポートする。本発明の実施の形態においてサポート部5は、なめらかな一枚布で形成される場合を説明するが、これに限らない。例えば、サポート部は、複数の布を縫い合わせて立体形状に形成されても良い。
【0028】
発明者らの知見によると、立位時のバストは、外側かつ下側に流れやすい傾向がある一方、前屈時には、姿勢の変化に伴って前正中線側に寄る傾向がある。また前屈時のバストは、重力に従って、身体の中心軸から離れる方向(上半身から顔方向)に、移動する傾向がある。このように前屈時に、バストが前正中線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動することにより、バストがカップからはみ出る。その後立位時に戻ったとしても、一度カップからはみ出たバストが元の位置に戻ることは難しく、着崩れが生じてしまう。
【0029】
そこで本発明の実施の形態に係るブラジャー1において、サポート部5は、着用者の立位時において、伸長してバストに密着する。着用者が前屈姿勢を取る際、サポート部5は、立位時にバストに密着した状態のまま、前屈に伴うバストの移動に追随してバストとともに移動する。その後サポート部5が安定位置(立位時の元の位置)に戻ろうとする力により、バストを元の位置に戻す。これによりバストがカップ部2からあふれ出るのを回避し、前屈に伴う着崩れを回避することができる。
【0030】
図2を参照して、サポート部5を説明する。
図2(a)は、左のカップ部2の肌側の、前中心側を説明する図である。
図2(b)は、左のカップ部2の肌側の、脇側を説明する図である。
【0031】
サポート部5は、前中心側接続部51、脇側接続部52および上側接続部53で、カップ部2に接続する。前中心側接続部51は、カップ部2に前中心側で接続する。脇側接続部52は、カップ部2の下辺の脇側に接続する。上側接続部53は、カップ部2の上辺の脇側に接続し、カップ部2と肩ストラップ部4との接続部に接続する。
【0032】
サポート部5の中央部分は、カップ部2と遊離可能に形成される。サポート部5の中央部分は、サポート部5の前中心側接続部51、脇側接続部52および上側接続部53のいずれからも離れた部分である。サポート部5は、端がカップ部2に接続され、中央部分がカップ部に接続せず、カップ部2と離れて形成される。
【0033】
サポート部5の端部がカップ部2および肩ストラップ部4に接続するとともに、中央部分がカップ部2と遊離可能に形成されることにより、サポート部5は、カップ部2とは非同期に作用することが可能になる。例えばサポート部5は、カップ部2よりも、よりバストに密着することが可能になる。また前屈によりバストが移動する場合でもサポート部5は、バストに密着してバストの移動に追随することができ、その後、サポート部5が元の位置に戻ろうとする力で、サポート部5とともにバストを元の位置に戻すことができる。
【0034】
本発明の実施の形態においてブラジャー1に、下側開口部H1、脇側開口部H2および上側開口部H3が形成される。各開口部は、カップ部2に対して、サポート部5が内側に凹んだ切りかけである。下側開口部H1は、脇側開口部H2および上側開口部に比べて、大きく形成される。
【0035】
図3および
図4を参照して、ブラジャー1を着用した着用者が前屈した際のサポート部5の動きを説明する。
図3および
図4は、左側のバスト、サポート部5およびブラジャー1を示したものである。
図3(b)および
図4(b)の破線は、
図3(a)における下辺55、脇辺56および上辺57位置を示す。
図3および
図4においてバストBは、着用者の身体から盛り上がるバストの輪郭を示す。なお、
図3および
図4に示すブラジャー1およびバストBは、説明のために模式的に示したものであり、前屈姿勢に伴うバストの変形等まで表現するものではない。
【0036】
図3(a)は、立位時の状態を示す。サポート部5は、前中心側接続部51、脇側接続部52でカップ部2に接続するとともに、上側接続部53で肩ストラップ部4に接続する。サポート部5の各接続部が支点となり、中央部分がバストに密着する。サポート部5の形状は、特定の場所に力がかかった状態ではなく、安定して配設される状態である。
【0037】
図3(b)は、前屈開始時の状態を示す。着用者が前屈を開始すると、サポート部5は、バストに密着した状態のまま、前屈に伴うバストの移動に追随してバストとともに移動する。バストは、上述するように、左右中心線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動する。従って、サポート部5の下辺55aおよび上辺57aは、
図3(a)と比べて上方向に移動し、脇辺56aは、前中心側に移動する。これに伴い、下側開口部H1および脇側開口部H2は広くなり、上側開口部H3は狭くなる。
【0038】
図3(b)に示す状態において、サポート部5が元に戻ろうとする力は働いておらず、サポート部5は、バストの動きに追随する。
【0039】
図4(a)は、
図3(b)に比べてさらに前屈が深い状態である。
図4(a)の状態ではバストの移動量が大きくなり、バストの移動に追随するサポート部5の移動も大きくなる。またサポート部5は、カップ部2等に接続する一方、中央部分がバストに追随して移動するので、サポート部5に変形が生じる。
図4(a)は、
図3(b)に比べて、サポート部5の下辺55bおよび上辺57bは、より上方向に移動し、脇辺56bは、より前中心側に移動する。これに伴い、下側開口部H1および脇側開口部H2は、より広くなり、上側開口部H3は、より狭くなる。
【0040】
図4(a)の状態となると、サポート部5の変形が大きくなり、もとの位置に戻ろうとする力が働く。サポート部5の下辺55bおよび脇辺56bが、
図3(a)の下辺55および脇辺56の位置に戻ろうとする。またサポート部5は、バストに密着するので、サポート部5が元の位置に戻ろうとする力に伴って、バストも元の位置に戻ろうとする。これにより、バストは、前屈により移動するものの、サポート部5に押さえられるので、カップ部2からあふれることなく、カップ部2内に収まり続ける。
【0041】
図4(b)は、前屈から立位時に戻るときの状態を示す。前屈時に左右中心線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動したバストは、脇側かつ下方(上半身から腹方向)に移動し始める。サポート部5が元に戻ろうとする力と、姿勢回復に伴ってバストが戻る力とが相まって、サポート部5およびバストが元の位置に戻る。
【0042】
図3(b)および
図4(a)の各状態において、サポート部5はバストに密着して、バストがカップ部2からあふれ出ることはない。また、サポート部5は、バストの移動に伴って移動するものの、サポート部5の元に戻る力によって、バストも元の状態に戻ることができる。このようなサポート部5が配設されたブラジャー1は、前屈に伴ってバストが移動しても、バストをカップ部2に収めることができ、着崩れを防ぐことができる。
【0043】
サポート部5は、ブラジャー1を着用した着用者の立位時において、伸張してバストに密着する。着用者が前屈姿勢を取る際、サポート部5は、前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、サポート部5がバストを伴って元に戻り、バストがカップ部2から離れるのを防ぐ。
【0044】
サポート部5は前中心側接続部51、脇側接続部52および上側接続部53でカップ部2に接続し、サポート部5の中央部分は、カップ部2と遊離可能に形成されることにより、サポート部5は、カップ部2と非同期に作用することができる。これにより、サポート部5は、バストをサポートして、前屈姿勢に伴って移動するが、移動により元の位置に戻る力が生じる。元の位置に戻る力により、バストと密着するサポート部5は、バストを伴って元の位置に戻ることができる。
【0045】
サポート部5が伸縮性を有する素材で形成される場合、サポート部5の伸縮性により、さらに、サポート部5が元に戻る力が発揮されても良い。サポート部5は、バストをサポートして前屈姿勢に伴って移動する際、サポート部5は、伸長し、ある程度伸長すると、サポート部5は、収縮する。この収縮する力は、サポート部5が、元の安定した位置に戻る力となる。収縮する力によって生じた元の安定した位置に戻る力と、サポート部5の変形により生じた元の安定した位置に戻る力とが相まって、バストと密着するサポート部5は、バストを伴って元の安定した位置に戻ることができる。
【0046】
本発明の実施の形態においてサポート部5は、前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、サポート部5が元に戻る力を発揮する。サポート部5は、バストに密着するので、サポート部5が元に戻る力を発揮すると、バストを伴って、サポート部5が元の位置に戻る。これによりサポート部5は、バストを着用者に引きつけ、バストがカップ部2からあふれないように、カップ部2に収めることができる。
【0047】
図5は、バストを引きつける力の方向を説明する図である。
図5において、中心軸Cは、着用者の体幹の軸である。また
図5において二点鎖線は、仮想線であって、矢印は、サポート部がバストにかける力の方向を示す。
【0048】
図5(a)は、一般的なサポート部の動きを説明する図である。一般的なサポート部の下辺は、本発明の実施の形態に係るサポート部5の下辺よりも、カップ部の下辺寄りに設けられる。このような一般的なサポート部は、下辺の距離が短いので移動しにくい。このようなサポート部は、前屈に伴うバストの移動に追従しづらいので、バストを押さえる力が働くタイミングが、本発明の実施の形態にかかるサポート部5よりも早い。
図5(a)に示すように、サポート部の力の方向は、中心軸Cに対して、垂直よりも浅い角度となる。従って、一部の力は、中心軸C方向以外の方向に逃げて、中心軸C方向の力は減る。
【0049】
図5(b)は、本発明の実施の形態にかかるサポート部5の動きを説明する図である。
図5(b)において、破線は、立位時のサポート部5の位置を示し、太線は、前屈時のサポート部5の位置を示す。サポート部5の下辺は、一般的なサポート部の下辺よりも長く形成されるので、移動しやすく、サポート部5は、前屈に伴って、破線の位置から太線の位置に移動する。前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、サポート部5が元に戻る力を発揮する。
図5(b)に示すように力の方向は、中心軸Cに対して、ほぼ垂直の角度となる。
図5(b)に示す力の方向は、
図5(a)に示す力の方向と比べて、中心軸Cに対してより垂直に近い。サポート部5が、バストの移動に追随して移動すると、サポート部5は、上方向(上半身の顔側)に移動する。これにより、サポート部5が元に戻る力を、中心軸C方向に発揮することができる。従って、本発明の実施の形態に係るサポート部5は、前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、サポート部5が元に戻る力を発揮するので、
図5(a)に示す例と比べて効率的にバストを着用者に引き寄せることができる。
【0050】
図6を参照して、サポート部5の形状を説明する。
図6は、ブラジャー1の着用状態のカップ部2とサポート部5とを模式的に示す図である。なお、
図6においてカップトップTは、釣鐘形状を有するカップ部2の先端となる部分である。
【0051】
図6においてサポート部5の端部は、カップ部2と端部と重なる部分に接続するのに対し、下辺55、脇辺56および上辺57は、カップ部2と遊離可能に形成される。またサポート部5の中央部分は、カップ部2と遊離可能に形成される。また着用時においてサポート部5は、カップトップに重なるように形成される。バストの先端部分をサポート部5が密着することができるので、バストを効率的に押さえることができる。
【0052】
図6において、カップトップTから、カップ部2のカーブに沿うカップ部2の下端21aまでの仮想線VLの長さを100%とする。サポート部5の下辺55は、カップトップTからカップ部2の下端21aまでカップ部2のカーブに沿う仮想線VLにおいて、カップトップTから30%ないし60%の位置に配設される。仮想線VLの長さをL1とし、仮想線VLにおける、カップトップTからサポート部5の下辺55と仮想線VLとの交点55kまでの長さをL2とする。L2が、L1の30%ないし60%の位置になるように、サポート部5は形成される。なお下端21aは、カップ部2の下辺21において、最も下方に位置する点である。
【0053】
サポート部5は、カップ部2の上下方向の中央よりやや下方寄りに配設され、かつ、カップ部2の下辺21とサポート部5の下辺55とで形成される下側開口部H1は、他の開口部よりも大きく形成される。これにより、サポート部5の下辺55は動きやすく、前屈時にサポート部5が、バストに追随して移動しやすくなる。
【0054】
例えばサポート部5の下辺55が、カップトップTから60%より大きい位置で、カップ部2の下辺21により近い位置に配設される場合、前屈時、サポート部5はバストに追随しづらいので、
図5(a)の一般的なサポート部と同様に、中心軸方向に向かうサポート部の力が減少してしまい、バストを中心軸方向に引き寄せにくくなる。またサポート部5の下辺55が30%より小さく、カップトップにより近い位置に配設される場合、前屈時、サポート部5がバストに追随する距離が過剰に長くなり、
図5(b)の矢印の始点がさらに上方向(上半身から顔方向)に移動する。この場合も、中心軸方向に向かうサポート部の力が減少してしまい、バストを中心軸方向に引き寄せにくくなる。
【0055】
サポート部5の下辺55を、仮想線VLにおいてカップトップTから30%ないし60%の長さの位置に配設することにより、バストに密着しつつ、バストに追随して移動することが可能となる。
【0056】
サポート部5の下辺55における前中心側接続部51の脇側の接続端51aと脇側接続部52の前中心側の接続端52aの長さは、仮想線VLにおけるサポート部5の下辺55とカップ部2の下端21aまでの長さよりも長い。なお、接続端51aおよび52aとを結ぶ線および仮想線VLは、カップ部2のカーブに沿った線である。下側開口部H1は、略楕円形状に形成され、接続端51aおよび52aとを結ぶ線が長軸方向となり、仮想線VLとサポート部5の下辺の交点55kとカップ部2の下端21aを結ぶ線が短軸方向となる。
【0057】
図5等を参照して説明したように、前屈時にバストは、前正中線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動する。バストの移動方向に対して略垂直方向に、下側開口部H1の長軸を設けることにより、サポート部5の下辺55は、バストの移動方向に移動しやすくなる。
【0058】
カップ部2の下端21aから、サポート部5の下辺55における脇側接続部52の前中心側の接続端52aまでの長さは、カップ部2の下端21aから、サポート部5の下辺55における前中心側接続部の脇側の接続端51aまでの長さよりも長くなるように形成される。サポート部5の下側開口部H1は、カップ部2の下端を通る垂直線に対して、脇側部分がより広くなるように形成される。上述したように前屈時にバストは、前正中線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動するので、脇側がより大きく開口するように形成することにより、サポート部5は、バストの移動に追随しやすくなる。
【0059】
カップ部2の上辺22において、カップ部2の前中心側の端部22aと、カップトップTを通る垂直線のカップ部2の上辺57との交点22kとの間に、サポート部5の前中心側接続部51のカップ部2の上辺との脇側の接続端51bが設けられる。
【0060】
サポート部5の前中心側接続部51の上辺51cにおいて、カップ部2と接続するように形成される。上述するように前屈時にバストは、前正中線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動するので、カップ部2と接続する前中心側接続部51の上辺51cは、移動したバストを受け止めることが可能になる。
【0061】
より具体的には、サポート部5の前中心側接続部51のカップ部2の上辺との脇側の接続端51bは、カップ部2の前中心側の端部22aからカップトップTを通る垂直線のカップ部2の上辺22との交点22kのカップ部の上辺22における長さに対して、カップ部2の前中心側の端部22aから30%から70%の位置に形成される。
【0062】
カップ部2の前中心側の端部22aから、カップトップTを通る垂直線のカップ部2の上辺57との交点22kとの、カップ部2の上辺22上の長さをL3とする。サポート部5の前中心側接続部51の上辺51cのカップ部2の上辺22上の長さ、換言すると、カップ部2の前中心側の端部22aから前中心側接続部51の脇側の接続端51bまでのカップ部2の上辺22上の長さをL4とする。この場合、L3の長さを100とすると、L4の長さは、30%から70%程度になる。
【0063】
カップ部2の上辺22と接続する、前中心側接続部51の脇側の接続端51bが、交点22kに近づくと、前屈に伴うバストの移動が、サポート部5によってせき止められてしまい、バストの移動量が少なくなり、サポート部5の移動量も少なくなる。その結果、
図5(a)のような状態で、バストを元に戻すことになり、効率が悪い。また、前屈時にサポート部5がバストを押す力が強くなるので、バストの食い込みが生じてしまう場合もある。
【0064】
カップ部2の上辺22と接続する、前中心側接続部51の脇側の接続端51bが、カップ部2の前中心側の端部22aに近づくと、前屈時に移動するバストを押さえることができず、バストがカップ部2からあふれてしまう。
【0065】
そこで、L3の長さを100とした場合にL4の長さを30%から70%程度になるように、サポート部5の上辺における前中心側接続部51の脇側の接続端51bが形成される。これにより、サポート部5がバストを戻す力の範囲で、バストの移動を許容することが可能になる。
【0066】
サポート部5の脇側接続部52と上側接続部53の間は、前中心側に凹状に形成される。サポート部5の脇辺56とカップ部2の脇辺との間に、脇側開口部H2が形成される。前屈時にバストは、前正中線側かつ上方向(上半身から顔方向)に移動するので、前屈時にサポート部5の下辺55が追随して移動した際、脇辺56もバストに追随して移動しやすくなる。
【0067】
サポート部5の下辺55は、中央がカップトップT方向に凸になるアーチ形状を有する。これにより、サポート部5の下辺55は、バストの丸みに沿いやすくなり、サポート部5がバストに追随しやすくなる。
【0068】
サポート部5の上辺57は、中央がカップトップT方向に凸になるアーチ形状を有する。これにより、サポート部5の上辺57は、バストの丸みに沿いやすくなり、移動するバストを効率的に押さえることができる。
【0069】
サポート部5の下辺55および上辺57の各中央が、カップトップT方向に向かって凸になるアーチ形状を有することにより、前屈にともなってバストが移動する際、
図3(b)および
図4(a)に示すように、サポート部5の中央部分は、狭く形成されやすくなる。これにより、サポート部5の中央部分が、バストの移動に追随して移動しやすくなる。
【0070】
脇側接続部52は、カップ部2の下辺21上の脇側に形成される。具体的には、脇側接続部52のカップ部2の下辺21上の中心52bは、カップ部2の下端21aから脇側の端部23aのカップ部2の下辺21上の長さの半分の位置より、カップ部2の脇側の端部23a寄りに形成される。カップ部2の下端21aから脇側の端部23aまでの、カップ部2の下辺21上の長さをL5とする。カップ部2の下端21aから脇側接続部52のカップ部2の下辺21上の中心52bまでの、カップ部2の下辺21上の長さをL6とする。この場合、L6は、L5の半分より長い。
【0071】
脇側接続部52は、カップ部2の下端21aよりも端部23aに近い位置に形成される。脇側接続部52が、カップ部2の下端21aよりも端部23aに近い位置に形成されることにより、サポート部5の下辺55を長く、また下側開口部H1を脇側に大きく形成することができるので、前屈時にバストに追随しやすくなる。
【0072】
サポート部5の前中心側接続部51と上側接続部53の間は、平置きでカップ部2から浮くように形成される。サポート部5の上辺57は、前中心側接続部51と上側接続部53の間に形成される。上辺57が、カップ部2から浮くように形成されることは、上辺57が、カップ部2のカーブよりも曲率が小さいことを意味する。これによりブラジャー1の着用時においてサポート部5の上辺57は、バストにフィットして、バストに密着することができるので、前屈に伴うバストに追随しやすくなる。また、サポート部5の上辺の浮きは、立位時にバストを押さえつける程度の大きな浮きではなく、立位時にバストに沿う程度にフィットし、前屈時にバストへの適度な追随を許容する程度の浮きである。
【0073】
上側接続部53が、肩ストラップ部4に接続することにより、肩ストラップ部4の引き上げ力により、サポート部5を持ち上げることが可能になる。
【0074】
このような本発明の実施の形態に係るブラジャー1は、立位時にバストに密着するサポート部5を備える。サポート部5は、前屈時にバストの動きに追随して動いた後、元の位置に戻ろうとする力により、バストを伴って元の位置に戻り、前屈時にバストがカップ部2からあふれ出ることを防ぐ。
【0075】
このように本発明の実施の形態に係るブラジャー1は、前屈に伴ってバストが移動しても、バストをカップ部2に収めることができるので、着崩れを防ぐことができる。より具体的には、ブラジャー1は、前屈に伴ってバストが移動しても、立位時に戻った際に、バストを、前屈前の位置に、収めることが可能になる。
【0076】
(素材データ)
サポート部5は、例えば、パワーネット等の経編生地、ベア天竺等の緯編生地等の素材で形成される。
【0077】
サポート部5は、伸びが大きい方向(
図6に示す矢印D方向)において、伸び率が、160%から230%程度で、伸びが大きい方向に垂直な方向の伸び率が、90%から190%程度の素材が好ましい。サポート部5は、伸びが大きい方向の伸長回復力が、30cNから130cN程度で、伸びが大きい方向に垂直な方向の伸長回復力が、70cNから150cN程度の素材が好ましい。
【0078】
本発明の実施の形態において、伸び率および伸長回復力は、160mm×25mmの試験片を、上部つかみ25mm、下部つかみ35mmおよびつかみ間隔100mmで、定速伸長形引張試験機に取り付けて、測定される。伸長回復力が最も高い方向および伸長回復力が最も高い方向に垂直な方向がそれぞれ長手方向(16mm側)になるように裁断された、複数の試験片が用いられる。
【0079】
伸び率は、試験片を定速伸長形引張試験機に取り付け、試験片を左右方向および上下方向にそれぞれ荷重14.7Nをかけて測定されたものである。伸長回復力は、試験片を定速伸長形引張試験機に取り付け、300mm/分程度の速度で伸長回復を複数回繰り返し、30%伸長した際の伸長力(cN)と、30%に回復した際の回復力(cN)の平均により算出される。
【0080】
(変形例)
上述した本発明の実施の形態において、着用時においてサポート部5がカップトップに重なるように形成される場合を説明したがこれに限らない。サポート部5がバストのボリュームを支えることが可能であれば、サポート部5とカップトップの位置関係は問わず、着用時または非着用時において、サポート部5がカップトップに重ならないように形成されても良い。
【0081】
例えば、サポート部5は、立位時において、バストトップ(乳頭)の半分以上を覆うように形成される。サポート部5の上辺57は、立位時において、乳頭の中心よりも上方に形成される。これによりサポート部5は、バストの先端をサポートして、バストの移動に密着して追随することができる。
【0082】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0083】
例えば、本発明の実施の形態において、カップ部を有する衣類は、ブラジャーの場合を説明したが、カップ部を有するキャミソール等の下着であっても良い。またカップ部を有する衣類は、水着、レオタード、ボディスーツなどであっても良い。
【0084】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 ブラジャー
2 カップ部
3 バック部
4 肩ストラップ部
5 サポート部
6 土台部
21 カップ部の下辺
21a カップ部の下端
22 カップ部の上辺
22a 前中心側の端部
22k 交点
23a 脇側の端部
31 バック接続部
51 前中心側接続部
51a、51b 脇側の接続端
52 脇側接続部
52a 前中心側の接続端
52b 中心
53 上側接続部
55 サポート部の下辺
55k 交点
56 サポート部の脇辺
57 サポート部の上辺
61 収納部
B バスト
C 中心軸
H1 下側開口部
H2 脇側開口部
H3 上側開口部
T カップトップ
VL 仮想線
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バストを被覆する一対のカップ部と、
前記一対のカップ部を、背側で接続するバック部と、
前記一対のカップ部の上側で接続するとともに、背側で前記バック部に接続する一対の肩ストラップ部と、
各カップ部の肌側に配設される一対のサポート部を備え、
前記サポート部が前記カップ部の前中心側の端部に接続する前中心側接続部と、前記サポート部が前記カップ部の下辺の脇側に接続する脇側接続部と、前記サポート部が前記カップ部と前記肩ストラップ部との接続部に接続する上側接続部が形成され、
前記サポート部の中央部分は、前記カップ部と遊離可能に形成される
ことを特徴とするカップ部を有する衣類。
【請求項2】
前記カップ部の上辺において、前記カップ部の前中心側の端部と、前記カップトップを通る垂直線の前記カップ部の上辺との交点との間に、前記サポート部の前中心側接続部のカップ部の上辺との脇側の接続端が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項3】
前記サポート部の前中心側接続部のカップ部の上辺との脇側の接続端は、前記カップ部の前中心側の端部から前記カップトップを通る垂直線の前記カップ部の上辺との交点の前記カップ部の上辺における長さに対して、前記カップ部の前中心側の端部から30%から70%の位置に形成される
ことを特徴とする請求項2に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項4】
前記サポート部は、
前記カップ部を有する衣類を着用した着用者の立位時において、伸張してバストに密着し、
前記着用者が前屈姿勢を取る際、前記サポート部は、前屈に伴うバストの移動に追随して移動した後、前記サポート部がバストを伴って元に戻り、バストが前記カップ部から離れるのを防ぐ
ことを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。