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特開2024-60123情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060123
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240424BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167258
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】飯野 藤樹
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 英明
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 徳三
(72)【発明者】
【氏名】金親 克裕
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】農地に適用する適用物を効率的に選定することができる情報処理方法、情報処理システム及びプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、受付ステップと、選定ステップと、を備える。受付ステップでは、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付ける。選定ステップでは、受付ステップで受け付けた第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、ユーザの農地に適用する適用物を第2の情報として選定する。ここで、参照情報は、少なくとも、土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含む。適用物は、肥料、農薬、バイオスティミュラント及び土壌改良材からなる群から選択される1種以上である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
受付ステップと、選定ステップと、を備え、
前記受付ステップでは、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び前記農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付け、
前記選定ステップでは、前記受付ステップで受け付けた前記第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、前記ユーザの前記農地に適用する適用物を第2の情報として選定し、
ここで、前記参照情報は、少なくとも、前記土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、前記農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含み、
前記適用物は、肥料、農薬、バイオスティミュラント及び土壌改良材からなる群から選択される1種以上である、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに表示制御ステップを備え、
前記表示制御ステップでは、前記選定ステップで選定した前記第2の情報を、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記ユーザが所有する端末の画面には、第1のオブジェクトが表示され、
前記第1のオブジェクトは、操作することで前記適用物を購入することが可能な購入画面への遷移をする、情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに表示制御ステップを備え、
前記表示制御ステップでは、前記第1の情報の少なくとも一部を、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記表示制御ステップでは、前記農地の土壌の分析結果に関する情報を、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに収穫物受付ステップと、特典付与ステップと、を備え、
前記収穫物受付ステップでは、前記ユーザの前記農地で収穫された作物に関する情報を第3の情報として受け付け、
前記特典付与ステップでは、前記第3の情報を受け付けたことを条件として、前記ユーザに対しての特典を付与する、情報処理方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記参照情報は、少なくとも、前記土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、前記農地に対して適用する適用物と、が関連付けられて学習された学習済みモデルである、情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法において、
前記学習済みモデルは、さらに、前記ユーザの前記農地で収穫された作物に関する情報が関連付けられて学習されたものである、情報処理方法。
【請求項9】
少なくとも1つの装置により構成される情報処理システムであって、
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【請求項10】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、安定的に農作物を得るための技術が開発されてきている。たとえば、特許文献1には、有機農法や自然農法による農作物の栽培に適した土壌かを診断可能な土壌診断方法が開示されている。この特許文献1に開示された方法においては、所定の手法によって算出される循環活性指標と、土壌における土壌バクテリア数と、を用いて土壌診断を行うという特徴がある。
【0003】
また、特許文献2には、作物の栽培履歴を管理するための栽培履歴明細チェック処理方法が開示されている。この方法における明細項目では、使用した肥料や農薬を登録する仕組みを有しており、これによって所定の指針に沿っているか否かの判断を行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/107121号パンフレット
【特許文献2】特開2018-190058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
農業分野においては依然として作物の収量を上げる要請がある反面、熟練した農家の数も限られるという実情もある。本発明者らが検討したところ、とくに農業経験の浅い農家は、適切な肥料や農薬等を選定しづらい場面も多く、従来の技術ではこのような問題を解決することができなかった。
【0006】
本発明では上記事情に鑑み、農地に適用する適用物を効率的に選定することができる情報処理方法等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、受付ステップと、選定ステップと、を備える。受付ステップでは、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付ける。選定ステップでは、受付ステップで受け付けた第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、ユーザの農地に適用する適用物を第2の情報として選定する。ここで、参照情報は、少なくとも、土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含む。適用物は、肥料、農薬、バイオスティミュラント及び土壌改良材からなる群から選択される1種以上である。
【0008】
上記態様によれば、農地に適用する適用物を効率的に選定することができる情報処理方法等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
図2】第1のユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】第2のユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図6】本実施形態にかかる情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7】第1のユーザ端末2の画面(表示部24)に表示される、メニュー画面の一例である。
図8】第1のユーザ端末2の画面(表示部24)に表示される、第2の情報に関する表示画面である。
図9】第1のユーザ端末2の画面(表示部24)に表示される、農地の土壌の分析結果に関する表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
すなわち、本実施形態にかかる情報処理方法は、以下に示すものである。
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
受付ステップと、選定ステップと、を備え、
前記受付ステップでは、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び前記農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付け、
前記選定ステップでは、前記受付ステップで受け付けた前記第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、前記ユーザの前記農地に適用する適用物を第2の情報として選定し、
ここで、前記参照情報は、少なくとも前記土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、前記農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含み、
前記適用物は、肥料、農薬、バイオスティミュラント及び土壌改良材からなる群から選択される1種以上である、情報処理方法。
【0012】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0013】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0016】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は第1のユーザ端末2と、サーバ3と、第2のユーザ端末4とを備え、これらがネットワーク5を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。換言すれば、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置により構成される情報処理システムであってもよい。また、情報処理システム1は、典型的には、情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。
【0017】
1.2 第1のユーザ端末2
第1のユーザ端末2は、典型的には農家であるユーザ(「第1のユーザ」とも称する。)の所有する端末である。例えば、第1のユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。なお、図1において第1のユーザ端末2はスマートフォン単体(2-1,2-2,・・・2-n)の集合体として記載しているが、本明細書においては端末単体を第1のユーザ端末2と表記することもある。
【0018】
図2は、第1のユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
第1のユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25と、音声出力部26とを有し、これらの構成要素が第1のユーザ端末2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。通信部21、記憶部22及び制御部23の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0019】
表示部24は、例えば、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部24は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、第1のユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部24は、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0020】
入力部25は、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部25は、表示部24と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部25がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス20を介して制御部23に転送され、制御部23が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0021】
音声出力部26は、例えば、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。音声出力部26は、ユーザが認識可能な音声を出力する。音声出力部26は、無指向性スピーカであってもよいし、指向性スピーカであってもよいし、これらの両方を有していてもよい。ここでは、音声出力部26は、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0022】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0023】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、第1のユーザ端末2や第2のユーザ端末4とネットワーク5を介して種々の情報を通信する。
【0024】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0025】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
1.4 第2のユーザ端末4
第2のユーザ端末4は、典型的には第1のユーザの農地の診断を行う事業者(「第2のユーザ」とも称する。)の所有する端末である。図4は、第2のユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
第2のユーザ端末4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44と、入力部45と、音声出力部46とを有し、これらの構成要素が第2のユーザ端末4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。通信部41、記憶部42、制御部43、表示部44、入力部45および音声出力部46の詳細は、前述の、第1のユーザ端末2における通信部21、記憶部22、制御部23、表示部24、入力部25および音声出力部26と略同様のため省略する。
【0027】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0028】
図5は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の情報処理方法は、情報処理システム1によって実行されるものであるが、具体的には、情報処理システム1の一例であるサーバ3は、受付部331と、選定部332とを備えるものである。なお、図5にはサーバ3に備えられた機能として、表示制御部333と、収穫物受付部334と、特典付与部335と、決済実行部336と、記憶管理部337と、を備えた態様を示している。
【0029】
受付部331は、受付ステップを実行可能に構成される。この受付ステップでは、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付ける。これについては後にさらに詳述する。
【0030】
選定部332は、選定ステップを実行可能に構成される。この選定ステップでは、受付ステップで受け付けた第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、ユーザの農地に適用する適用物を第2の情報として選定する。ここで、参照情報は、少なくとも土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含む。これについては後にさらに詳述する。
【0031】
表示制御部333は、表示制御ステップを実行可能に構成される。この表示制御ステップでは、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものでもよいし、例えば各種端末に画面、画像、アイコン、テキスト等の視覚情報を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。なお、本実施形態の情報処理システム1においては、表示制御部333は、選定ステップで選定した第2の情報を、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させる。また、本実施形態の情報処理システム1においては、表示制御部333は、第1の情報の少なくとも一部を、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させる。これらの表示内容の詳細については追って説明する。
【0032】
収穫物受付部334は、収穫物受付ステップを実行可能に構成される。この収穫物受付ステップでは、ユーザの農地で収穫された作物に関する情報を第3の情報として受け付ける。この第3の情報の詳細については、追って説明することとする。
【0033】
特典付与部335は、特典付与ステップを実行可能に構成される。この特典付与ステップでは、第3の情報を受け付けたことを条件として、ユーザに対しての特典を付与する。この特典の詳細については、追って説明することとする。
【0034】
決済実行部336は、決済実行ステップを実行可能に構成される。この決済実行ステップでは、第2のユーザの実施した事項の対価を、第1のユーザから、第2のユーザに支払う処理を実行する。
【0035】
記憶管理部337は、記憶管理ステップを実行可能に構成される。この記憶管理ステップでは、本実施形態の情報処理システム1に係る種々の情報について記憶管理するように構成される。典型的には、記憶管理部337は、受け付けた第1の情報や、選定した第2の情報等の各種情報を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32が例示されるが、その他、第1のユーザ端末2に備えられる記憶部22、第2のユーザ端末4に備えられる記憶部42であってもよい。すなわち、この記憶管理部337の機能によれば、情報処理に関する種々の情報は、第1のユーザに加え、第2のユーザにも閲覧可能に構成することもできる。なお、この記憶領域は必ずしも情報処理システム1のシステム内である必要はなく、記憶管理部337は、種々の情報を外部記憶装置等に記憶するように管理することもできる。
【0036】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の実行する情報処理方法の各ステップについてアクティビティ図を用いて説明する。
【0037】
図6は、本実施形態にかかる情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6に示すように、本実施形態の情報処理方法においては、まず受付部331が、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付ける(アクティビティA101)。
【0038】
この第1の情報を受け付ける受付ステップの少なくとも一部は、典型的には第1のユーザの端末操作を介して行われる態様が例示される。図7は第1のユーザ端末2の画面(表示部24)に表示される、メニュー画面の一例である。
【0039】
上述の情報処理システム1を運用するにあたって、例示的には、第1のユーザ端末2に、所定のアプリケーション(アプリ)がインストールされることとなる。図7に示すメニュー画面は、当該アプリを起動させた際に表示されるメニュー画面であり、農業を営む農家の興味を引く各種コンテンツのメニューが表示される。この表示画面において、各種ボタン(ボタンBT1~ボタンBT6)をタップ操作等で押下することにより、所定のコンテンツを行う画面に遷移することができる。
【0040】
ボタンBT1で示される内容は「土壌・作物診断」であり、これは本実施形態の情報処理方法に関連し、前述の第1の情報を受け付け、第2の情報を選定する情報処理を実行するものである。詳細については追って述べることとする。
ボタンBT2で示される内容は「産直取引」であり、農家と一般消費者との間、または農家同士での収穫物の取引を行うことができるサービスである。
ボタンBT3で示される内容は「農業資材取引」であり、農家と農業資材を取り扱う業者との間、または農家同士で農業資材の売買を行うことができるサービスである。ここで農業資材は、肥料、農薬及びバイオスティミュラントといった農地に対しての適用物を包含してもよく、また、この適用物に加え若しくは適用物に代えて除草具や斧、鋸のような農具が包含されてもよく、払刈機や芝刈機のような農業機械が包含されてもよい。
ボタンBT4で示される内容は「農家間コミュニティ」であり、農業を営む農家同士でのコミュニケーションを行うことができるサービスである。
ボタンBT5で示される内容は「天気予報」であり、所定の地域についての天気の予報を確認できるサービスである。
ボタンBT6で示される内容は「収穫物投稿」であり、農家の収穫した作物についてサーバ3に投稿することができるサービスである。一実施形態としては、この投稿によって、所定の特典を受けることも可能である。この内容については追って説明することとする。
【0041】
前述のアクティビティA101に話を戻す。図7のメニュー画面に接したユーザはボタンBT1を押下することで収穫物診断を行う画面に遷移することができる。この遷移した画面に対する操作等を介してサーバ3の受付部331は第1の情報を受け付けることができる。
【0042】
本実施形態の一態様において、受付部331は、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報を受け付ける。
この農地の土壌の分析結果に関する情報の受け付けは、典型的には、第1のユーザ端末2および第2のユーザ端末4のいずれかの端末の操作を介して行われる。より典型的には、農家であるユーザ(第1のユーザ)が、農地の診断を行う事業者(第2のユーザ)に対して自身の農地の土壌を送付し、農地の診断を行う事業者(第2のユーザ)が、受領した土壌の分析を行い、その結果を第2のユーザ端末4を介して受付部331に入力する(受付部331に受け付けさせる)ことでこのアクティビティは行われる。
【0043】
農地の土壌の分析の項目は1又は2以上の項目であってもよく、例示的には、化学性分析、物理性分析、微生物分析等がこの分析の項目となる。
化学性分析としては、例示的には、土壌に含ませる成分(肥料成分等を含む)を分析することが含まれる。
物理性分析としては、例示的には、土壌の最大保水量や硬度等、特定の物性値を分析することが含まれる。
微生物分析としては、例示的には、土壌に存在する微生物種や土壌における微生物活性等、土壌の微生物に関する指標を分析することが含まれる。
【0044】
より具体的に、前述の土壌の分析の項目としては、土壌のpH、電気伝導率、腐値、陽イオン交換容量、塩基飽和度、リン酸吸収係数のほか、各種成分量及び成分量比等が挙げられる。なお、この成分としては、交換性カルシウム(CaO)、交換性マグネシウム(MgO)、交換性カリウム(KO)、可給態リン酸、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、鉄、マンガン、亜鉛、銅等が挙げられる。
なお、この土壌の分析は、1つの農地に対して1又は2以上の区域の土壌を分析するものであってもよい。すなわち、農地に対してn個の試験区を設定し、試験区1、試験区2・・・試験区nのそれぞれについて分析を行うものであってもよい。
【0045】
また、本実施形態の一態様において、受付部331は、ユーザの、農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報を受け付ける。
この農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の受け付けは、典型的には、第1のユーザ端末2および第2のユーザ端末4のいずれかの端末の操作を介して行われる。より典型的には、農家であるユーザ(第1のユーザ)が、自身の農地で所有している装置等を用いて、栽培中の作物の観察結果を得、それを第1のユーザ端末2を介して受付部331に入力する(受付部331に受け付けさせる)ことで、このアクティビティは行われる。
【0046】
農地で栽培中の作物の観察に係る項目は1又は2以上の項目であってもよく、例示的には、栽培環境の気象に関するデータ、植物動態に関するデータがこの項目に含まれる。
栽培環境の気象に関するデータとしては、例示的には、日照に関するデータ、降雨量に関するデータ、気温に関するデータ等が含まれる。
この気象に関するデータについては、前述の土壌の分析と同様に、1つの農地に対して1又は2以上の区域についてデータを取得してもよい。
植物動態に関するデータとしては、植物の成長度合いを示す物理量(植物の重さ、長さ等)、SPAD(Soil & Plant Analyzer Development)等を用いて分析される植物中に含まれる特定成分の量等が含まれる。なお、SPADで分析される対象としては、葉緑素の量等が挙げられる。
この植物動態に関するデータについては、1つの農地に対して1又は2以上の植物個体についてデータを取得してもよい。なお、2以上の植物個体についてデータを取得する場合、それぞれが同種の植物であっても異なる植物であってもよい。
なお、本アクティビティA101では、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報と、ユーザの、農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報と、の双方の情報を受け付けてもよい。
【0047】
上述のようにして第1の情報を受け付けた後、サーバ3の選定部332は、受付部331が受け付けた第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、ユーザの農地に適用する適用物を第2の情報として選定する(アクティビティA102)。ここで、参照情報は、少なくとも土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含む。
【0048】
ここで、選定される適用物は、肥料、農薬、バイオスティミュラント及び土壌改良材からなる群から選択される1種以上である。なお、これら適用物は、市場で流通する製品を包含するものである。各適用物の詳細については以下の通りである。
【0049】
本実施形態において、「肥料」とは、土壌(農地)に施す栄養物質であり、これによって土壌の生産力を維持・増進し、農作物の生長を促進し得るものである。通常、肥料の3大要素は、窒素、リン酸、カリ(カリウム)であるが、さらに、マグネシウム、カルシウム、硫黄、炭素、酸素及び水素を合わせた9元素のほか、マンガン、亜鉛、鉄、ホウ素等の微量成分が包含されうる。また、肥料は、有機肥料であっても、化学肥料であってもよい。
本実施形態において、「農薬」とは、農地へ適用される各種薬剤等を指す。この「農薬」は、例えば、殺虫剤、殺菌剤、防かび剤、除草剤、殺鼠剤、忌避剤、誘引剤、植物生長調節剤、補助剤、展着剤等が包含され、典型的には農薬取締法の対象となるものをいう。
本実施形態において、「バイオスティミュラント」とは、「生物刺激剤」や「植物活力剤」とも称されるものであり、農地に適用することで、より良い生理状態を農作物にもたらす物質や微生物、またはこれらの混合物である。
本実施形態において、「土壌改良材」とは、農地の土壌の理化学性を改良するために投入される資材であり、植物性堆肥、動物性堆肥、石灰資材等がこれに包含される。植物性堆肥は、落ち葉や草、樹皮やもみ殻等、植物性の材料を発酵させて作製される堆肥であり、腐葉土やバーク堆肥等を包含する。動物性堆肥は、牛や鶏、豚のふんを発酵させて作製される堆肥である。石灰資材は、主に土壌の酸度(pH)を調整する際に用いられるアルカリ性の資材である。その他、土壌改良材には、パーライト、バーミキュライト、ピートモス等が包含される。
【0050】
本アクティビティA102において、選定部332は予め設定された参照情報に基づいて、第2の情報を選定する。この参照情報は、少なくとも、土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報であり、典型的には両者の関係性をモデル化したものである。このモデルとしては、例えば両者の関係を示す関数、ルックアップテーブルであってもよく、両者の関係を学習させた学習済モデルであってもよい。
【0051】
このような両者の関係性については、公知の解析手法に基づき解析することができる。典型的には、回帰分析法(線形モデル、一般化線形モデル、一般化線形混合モデル、リッジ回帰、ラッソ回帰、エラスティックネット、サポートベクター回帰、射影追跡回帰等)、時系列分析(VARモデル、SVARモデル、ARIMAXモデル、SARIMAXモデル、状態空間モデル等)、決定木(決定木、回帰木、ランダムフォレスト、XGBoost等)、ニューラルネットワーク(単純パーセプトロン、多層パーセプトロン、DNN、CNN、RNN、LSTM等)、ベイズ(ナイーブベイズ等)、クラスタリング(k-means、k-means++等)、アンサンブル学習(Boosting、Adaboost等)等を用いて解析し、所望のモデルを得ることができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、より効率的に選定プロセスを実行するため、参照情報は、少なくとも、土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、農地に対して適用する適用物と、が関連付けられて学習された学習済みモデルであることが好ましい。
もちろん、上述の参照情報は、土壌及び/又は栽培中の作物の状態、農地に対して適用する適用物以外の情報が関連付けられたものであってもよい。典型的には、この参照情報(学習済みモデル)は、栽培する農作物の種類(品種)や、農地の存在する標高や緯度経度等の地理的情報や、生産者自身(年齢、事業継続年数等)に関する情報等がさらに関連付けられたものであってもよく、ユーザの農地で収穫された作物に関する情報が関連付けられたものであってもよい。
【0053】
このようにして選定された第2の情報については以下の処理がなされる。すなわち、サーバ3の表示制御部333が、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させる(アクティビティA103)。
【0054】
図8は、第1のユーザ端末2の画面(表示部24)に表示される、第2の情報に関する表示画面である。この図8における表示画面のように、第1のユーザ端末2の画面には、ユーザの農地に適した適用物(図8の場合、肥料と農薬)が表示される。
また、この表示画面には、この適用物に紐づいた情報として、メーカー(生産者)や、使用量等が表示されてもよい。その他、この図には示されていないが、複数の適用物(肥料や、農薬、バイオスティミュラント、土壌改良材)の組み合わせ(配合)に関する情報がこの表示画面に示されてもよい。
なお、受付部331が受け付けた第1の情報に関し、前述のように1つの農地に対して1又は2以上の区域の土壌を分析した場合や、1つの農地に対して1又は2以上の植物個体についてデータを取得した場合においては、分析した区域ごと若しくは作物個体に紐付く区域ごとに上述の適用物に関する情報を表示させてもよい。
【0055】
また、図8に示されるように、ユーザが所有する端末の画面には、第1のオブジェクト(ボタンBT7、ボタンBT8)が表示されてもよい。この第1のオブジェクト(ボタンBT7、ボタンBT8)は、操作することで適用物を購入することが可能な購入画面への遷移をするものである。
ここでの購入画面は、いわゆる農業資材の販売サイトの画面が相当する。すなわち、図8に示される表示画面に接したユーザは、自身に提示された適用物について、即座に購入を行う操作を実施することができる。
【0056】
また、図8に示されるように、ユーザが所有する端末の画面には、第2のオブジェクト(ボタンBT9)が表示されてもよい。この第2のオブジェクト(ボタンBT9)は、操作することで農地の土壌の分析結果に関する情報を確認することが可能な画面への遷移をするものである。
【0057】
図9は、第1のユーザ端末2の画面(表示部24)に表示される、農地の土壌の分析結果に関する表示画面である。すなわち、前述の通り、表示制御部333は、第1の情報の少なくとも一部を、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させるように構成することができる。典型的には、表示制御部333は、農地の土壌の分析結果に関する情報を、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させるように構成することができ、例示的には図9に示されるような画面を第1のユーザ端末2に表示させることができる。
【0058】
具体的に、図9においては表T1において、各試験地における分析値について一覧性を有して表示させている。なお、この表T1においては、土壌について、地力増進基本方針の目標値(目標値)も合わせて表示させている。また、チャートCH1においては、各試験地における分析値をレーダーチャートとして示している。このように、本実施形態の表示制御部333は、第1のユーザが視覚的にイメージしやすい形式で農地の土壌の分析結果を表示することも可能である。
なお、表示方法はこれには限られず、各試験地についてのパラメータを棒グラフで示す態様や、試験区No.1を基準とし、他の試験地の結果をレーダーチャートとして示す態様、各試験地をマップとともに位置関係を表示させ、分析項目に従った評価を上記位置関係に紐付くヒートマップとして表示させる態様等であってもよい。
【0059】
なお、上述の農地の土壌の分析結果は、必ずしも図8に示されるボタンBT9の押下を介した画面遷移で表示されるものでなくてもよい。たとえば、前述の第2の情報を表示させる画面と同じ画面で表示させるものであってもよいし、メニュー画面から別途農地の土壌の分析結果を表示させる画面に遷移するボタンを設けるように構成されてもよい。
また、ユーザに視認可能に表示される第1の情報は、農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報であってもよい。
【0060】
また、このような第2の情報の選定、第2の情報の表示が済んだ後、サーバ3の決済実行部336は、第2のユーザの実施した事項の対価を、第1のユーザから、第2のユーザに支払う処理を実行する(アクティビティA104)。
さらに、本情報処理の一連の処理に関する情報、典型的には、受け付けた第1の情報や、選定した第2の情報等の各種情報をサーバ3の記憶管理部337が、所定の記憶領域に記憶させる(アクティビティA105)。
これにより、一連の処理が完了する。
【0061】
なお、本実施形態の情報処理方法においては、第2の情報を選定した後(典型的には、第2の情報を第1のユーザに把握可能に表示させた後)、サーバ3の収穫物受付部334が、ユーザの農地で収穫された作物に関する情報を、第3の情報として受け付けてもよい(アクティビティA106)。
【0062】
すなわち、第1のユーザが自身の農地で作物を得た際に、収穫物受付部334がこの作物に関する情報を第3の情報として受け付けることができる。この収穫物受付部334による第3の情報の受け付けは、典型的には、第1のユーザ端末2および第2のユーザ端末4のいずれかの端末の操作を介して行われる。より典型的には、農家であるユーザ(第1のユーザ)が、自身の農地で所有している装置等を用いて、収穫された作物に関する情報を得、それを第1のユーザ端末2を介して収穫物受付部334に入力する(収穫物受付部334に受け付けさせる)ことで、このアクティビティは行われる。典型的には、この受け付けを行うに際し、前述の図7のボタンBT6として表示されるボタンを押下し所定の画面に遷移させ、第1のユーザによる第3の情報の入力を促してもよい。
【0063】
この第3の情報に係る作物に関する情報は、収穫物に関する種々の情報であってもよいが、典型的には、収穫物の量や、収穫物の外観、収穫物の分析値等が包含される。
収穫物の外観は、たとえば第1のユーザが所有する撮像装置(カメラ)で撮像された画像情報等であってもよい。
収穫物の分析値は、収穫物の糖度や酸度、有効成分量等といった、所定の成分の分析値等が例示される。この分析は公知の分析器具を用いて行われればよい。
【0064】
また、サーバ3の収穫物受付部334が前述した第3の情報を受け付けた後、特典付与部335がこの第3の情報を受け付けたことを条件として、ユーザに対しての特典を付与するように構成されてもよい(アクティビティA107)。
【0065】
すなわち、前述したように、選定ステップで用いられる参照情報(学習済みモデル)は、ユーザの農地で収穫された作物に関する情報が関連付けられたものであってもよい。換言すれば、収穫物受付部334が第3の情報を受け付けることで、当該参照情報のデータ量及び/又はデータの質を向上させる結果を与え得る。このことから、第1のユーザに対して所定の特典付与が行われるように構成されてもよい。
【0066】
この特典付与部335が付与する特典は、とくに制限されるものではなく、物品や金銭、電子財であってもよい。
物品としては、キーホルダーやクリアファイルのような雑貨や日用品の他、農家が自身の農地で用いることができる農業資材等が例示される。
電子財としては、クーポンやポイント等が例示される。
また、この特典は第2のユーザに対して決済を行う際の対価の一部であってもよい。換言すれば、この第3の情報を受け付けることによって、第1のユーザが第2のユーザに対して支払われる対価を低廉なものとするように構成されてもよい。
【0067】
この決済が実行された後、各種のデータが格納されるのは、前述の通りである。
【0068】
以上に示したように、本実施形態の情報処理方法によれば、所定の参照情報に基づいて、第2の情報が選定される。このことから、農地に適用する適用物を効率的に選定することができる。
【0069】
4.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0070】
以上の実施形態では、情報処理システム1の構成として説明したが、コンピュータに情報処理方法の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0071】
以上の実施形態では、選定した第2の情報を、第1のユーザ端末2の画面に表示する態様を示したが、選定した第2の情報については、別途、紙等に印刷し、第1のユーザに送付するよう構成することもできる。すなわち、本実施形態のアプリをインストールする際に、第1のユーザの住所情報を受け付け、この住所情報に基づき、所定の印刷物を送付するようにして、選定した第2の情報を第1のユーザに把握可能とするようにしてもよい。
【0072】
以上の実施形態では、第1の情報に含まれ得る土壌の分析結果を、第1のユーザ端末2の画面に表示する態様を示したが、第2のユーザが第1のユーザの農地の土壌分析を行った結果を、紙等に印刷し、第1のユーザに送付するよう構成することもできる。この印刷物に表示される内容は概ね図9に示される内容の通りである。
【0073】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶や制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、受講履歴に関する情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0074】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0075】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、受付ステップと、選定ステップと、を備え、前記受付ステップでは、ユーザの、農地の土壌の分析結果に関する情報及び前記農地で栽培中の作物の観察結果に関する情報の少なくとも一つを第1の情報として受け付け、前記選定ステップでは、前記受付ステップで受け付けた前記第1の情報と、予め設定された参照情報と、に基づいて、前記ユーザの前記農地に適用する適用物を第2の情報として選定し、ここで、前記参照情報は、少なくとも、前記土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、前記農地に対して適用する適用物と、が関連付けられた情報を含み、前記適用物は、肥料、農薬、バイオスティミュラント及び土壌改良材からなる群から選択される1種以上である、情報処理方法。
【0076】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、さらに表示制御ステップを備え、前記表示制御ステップでは、前記選定ステップで選定した前記第2の情報を、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【0077】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記ユーザが所有する端末の画面には、第1のオブジェクトが表示され、前記第1のオブジェクトは、操作することで前記適用物を購入することが可能な購入画面への遷移をする、情報処理方法。
【0078】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の情報処理方法において、さらに表示制御ステップを備え、前記表示制御ステップでは、前記第1の情報の少なくとも一部を、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【0079】
(5)上記(4)に記載の情報処理方法において、前記表示制御ステップでは、前記農地の土壌の分析結果に関する情報を、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【0080】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の情報処理方法において、さらに収穫物受付ステップと、特典付与ステップと、を備え、前記収穫物受付ステップでは、前記ユーザの前記農地で収穫された作物に関する情報を第3の情報として受け付け、前記特典付与ステップでは、前記第3の情報を受け付けたことを条件として、前記ユーザに対しての特典を付与する、情報処理方法。
【0081】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の情報処理方法において、前記参照情報は、少なくとも、前記土壌及び/又は栽培中の作物の状態と、前記農地に対して適用する適用物と、が関連付けられて学習された学習済みモデルである、情報処理方法。
【0082】
(8)上記(7)に記載の情報処理方法において、前記学習済みモデルは、さらに、前記ユーザの前記農地で収穫された作物に関する情報が関連付けられて学習されたものである、情報処理方法。
【0083】
(9)少なくとも1つの装置により構成される情報処理システムであって、上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0084】
(10)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0085】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 :情報処理システム
2 :第1のユーザ端末
3 :サーバ
4 :第2のユーザ端末
5 :ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :表示部
25 :入力部
26 :音声出力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :制御部
44 :表示部
45 :入力部
46 :音声出力部
331 :受付部
332 :選定部
333 :表示制御部
334 :収穫物受付部
335 :特典付与部
336 :決済実行部
337 :記憶管理部
BT1~BT9 :ボタン
CH1 :チャート
T1 :表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9