(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060149
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】安全弁構造および調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/08 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A47J27/08 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167311
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】馬場 康輔
(72)【発明者】
【氏名】樫山 裕貴
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA38
4B055CA69
4B055CB02
4B055CC30
4B055CC33
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が採用される場合に比べて、筐体に設けられたときにできる凸部付近におけるお手入れ性をできるだけ向上させることができる安全弁構造を提供することである。
【解決手段】本発明に係る安全弁構造SVは、筐体の内部空間および外部空間を連通する連通孔OSを閉塞可能に前記筐体に設けられる安全弁構造であって、弁体SMと、前記筐体の内圧が第1閾値以上になった時、前記弁体を前記連通孔に向けて付勢する力に反する力によって、前記弁体を移動させて前記連通孔を開放させ、前記内部空間および前記外部空間を連通させる付勢部材SPと、を備え、前記付勢部材の自然状態において、前記付勢部材の付勢方向における全高は、前記付勢部材の前記付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部空間および外部空間を連通する連通孔を閉塞可能に前記筐体に設けられる安全弁構造であって、
弁体と、
前記筐体の内圧が第1閾値以上になった時、前記弁体を前記連通孔に向けて付勢する力に反する力によって、前記弁体を移動させて前記連通孔を開放させ、前記内部空間および前記外部空間を連通させる付勢部材と、を備え、
前記付勢部材の自然状態において、前記付勢部材の付勢方向における全高は、前記付勢部材の前記付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい
安全弁構造。
【請求項2】
前記付勢部材は、円錐バネである
請求項1に記載の安全弁構造。
【請求項3】
前記筐体は、前記付勢部材を支持する付勢部材支持部を有し、
前記付勢部材は、前記筐体のうち前記連通孔が形成される壁部および前記付勢部材支持部の間に収容される
請求項1または2に記載の安全弁構造。
【請求項4】
前記筐体は、前記付勢部材支持部および前記壁部により形成される収容空間をさらに有し、
前記付勢部材支持部または前記壁部には、前記収容空間を外部に連通させる切り欠きが形成されている
請求項3に記載の安全弁構造。
【請求項5】
上方に開口する容器と、
前記容器の上側に配置されて前記容器の開口を覆う蓋体と、
前記容器および前記蓋体で囲まれる空間を外部に連通させ、前記蓋体に形成される連通孔と、
前記連通孔を閉塞可能に前記蓋体に設けられ、弁体、および、前記空間の内圧が第1閾値以上になった時、前記弁体を前記連通孔に向けて付勢する力に反する力によって、前記弁体を移動させて前記連通孔を開放させ、前記空間を外部に連通させる付勢部材を有する安全弁構造と、を備え、
前記付勢部材の自然状態において、前記付勢部材の付勢方向における全高は、前記付勢部材の前記付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい
調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全弁構造に関する。また、本発明は、その安全弁構造を備える調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「ジャー本体に開閉自在に蓋を取付け、上記蓋にジャー本体内に収納された鍋の内部と蒸気口とを連通する第1及び第2の2系統の蒸気通路を設け、上記第1蒸気通路に調圧弁装置を設けると共に、第2蒸気通路に安全弁装置を設けてなる炊飯ジャーにおいて、上記第2蒸気通路の出口に該出口を通過する蒸気により振動する発音手段を設けたことを特徴とする炊飯ジャーの警報装置」が提案されている(例えば、特開2000-014542号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような炊飯器などの調理器では、安全弁構造が筐体に設けられる。この安全弁構造は、弁体およびこの弁体を連通孔に向けて付勢する付勢部材から主に構成され、筐体の内圧が異常に高くなった場合に筐体の内圧を開放する役目を担う。そして、上述のような調理器では、付勢部材として、円柱螺旋形のコイルバネなどが単一で採用されることが多い。このような円柱螺旋形のコイルバネは、圧縮状態においても一定以上の高さとなる。このため、上述のような調理器では、筐体のうち安全弁構造が設けられる部分に比較的大きく盛り上がった凸部ができることになり、凸部付近におけるお手入れ性が悪くなっていた(例えば、凸部付近における拭き掃除が困難になっていた。)。
【0005】
本発明の課題は、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が採用される場合に比べて、筐体に設けられたときにできる凸部付近におけるお手入れ性をできるだけ向上させることができる安全弁構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る安全弁構造は、
筐体の内部空間および外部空間を連通する連通孔を閉塞可能に前記筐体に設けられる安全弁構造であって、
弁体と、
前記筐体の内圧が第1閾値以上になった時、前記弁体を前記連通孔に向けて付勢する力に反する力によって、前記弁体を移動させて前記連通孔を開放させ、前記内部空間および前記外部空間を連通させる付勢部材と、を備え、
前記付勢部材の自然状態において、前記付勢部材の付勢方向における全高は、前記付勢部材の前記付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい。
【0007】
上記構成によれば、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が採用される場合に比べて、筐体に設けられたときにできる凸部の盛り上がりをできるだけ小さくすることができる。このため、この安全弁構造では、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が採用される場合に比べて、凸部付近におけるお手入れ性をできるだけ向上させることができる。なお、付勢部材は、例えば、円錐バネ、板バネ、円柱螺旋形のコイルバネを多重配置したもの、磁石等であり、自然状態は、付勢部材に力が加えられていない状態を指す。
【0008】
本発明では、
前記付勢部材は、円錐バネであると好適である。
【0009】
上記構成によれば、付勢部材が例えば円柱螺旋形のコイルバネである場合に比べて、凸部の盛り上がりをより小さくすることができる。これは、円錐バネであれば、圧縮時においてコイル部分の素線同士ができるだけ接触しないように(言い換えれば、圧縮時においてコイル部分が平面視で渦巻き状になるように)設計することができ、圧縮時の全高をできるだけ低くすることが可能であるためである。このため、この安全弁構造では、付勢部材が例えば円柱螺旋形のコイルバネである場合に比べて、凸部付近におけるお手入れ性をより向上させることができる。
【0010】
本発明では、
前記筐体は、前記付勢部材を支持する付勢部材支持部を有し、
前記付勢部材は、前記筐体のうち前記連通孔が形成される壁部および前記付勢部材支持部の間に収容されると好適である。
【0011】
上記構成によれば、筐体のうち連通孔が形成される壁部および付勢部材支持部の間の長さを、付勢部材の自然状態における全高以下にすることで、付勢部材を自然状態または圧縮状態にすることができる。このため、この安全弁構造では、付勢部材の全高が全幅よりも小さくなる状態を維持することができる。
【0012】
本発明では、
前記筐体は、前記付勢部材支持部および前記壁部により形成される収容空間をさらに有し、
前記付勢部材支持部または前記壁部には、前記収容空間を外部に連通させる切り欠きが形成されていると好適である。
【0013】
上記構成によれば、水等の液体またはおねば等の粘性液体が収容空間にできるだけ溜まったままにならないようにすることができる。
【0014】
本発明に係る調理器は、
上方に開口する容器と、
前記容器の上側に配置されて前記容器の開口を覆う蓋体と、
前記容器および前記蓋体で囲まれる空間を外部に連通させ、前記蓋体に形成される連通孔と、
前記連通孔を閉塞可能に前記蓋体に設けられ、弁体、および、前記空間の内圧が第1閾値以上になった時、前記弁体を前記連通孔に向けて付勢する力に反する力によって、前記弁体を移動させて前記連通孔を開放させ、前記空間を外部に連通させる付勢部材を有する安全弁構造と、を備え、
前記付勢部材の自然状態において、前記付勢部材の付勢方向における全高は、前記付勢部材の前記付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい。
【0015】
上記構成によれば、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が安全弁構造に採用される場合に比べて、安全弁構造が蓋体に設けられたときにできる凸部の盛り上がりをできるだけ小さくすることができる。このため、この調理器では、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が安全弁構造に採用される場合に比べて、凸部付近におけるお手入れ性をできるだけ向上させることができる。なお、付勢部材は、例えば、円錐バネ、板バネ、円柱螺旋形のコイルバネを多重配置したもの、磁石等であり、自然状態は、付勢部材に力が加えられていない状態を指す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る炊飯器の斜視図である。なお、本図では、蓋体が閉じられた状態が示されている。
【
図2】本発明の実施の形態に係る蓋体の平面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る蓋体およびヒンジ部品の底面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る蓋体の内蓋の斜視図である。
【
図6】
図5の囲い部分Hの拡大図である。なお、本図では、圧力異常時開放弁が作動していない状態が示されている。
【
図7】
図5の囲い部分Hの拡大図である。なお、本図では、圧力異常時開放弁が作動している状態が示されている。
【
図8】本発明の実施の形態に係る蓋体の内蓋の平面図である。
【
図9】
図8のB-B断面図である。なお、本図では、圧力異常時開放弁が作動していない状態が示されている。
【
図10】
図8のC-C断面図である。なお、本図では、圧力異常時開放弁が作動していない状態が示されている。
【
図11】
図8のB-B断面図である。なお、本図では、圧力異常時開放弁が作動している状態が示され、圧力異常時開放弁付近が拡大されて示されている。
【
図12】
図8のC-C断面図である。なお、本図では、圧力異常時開放弁が作動している状態が示され、圧力異常時開放弁付近が拡大されて示されている。
【
図13】本発明の実施の形態に係る圧力異常時開放弁の弁本体の上方斜視図である。
【
図14】本発明の実施の形態に係る圧力異常時開放弁の弁本体の下方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の構造>
本発明の実施の形態に係る炊飯器100は、誘導加熱式の圧力炊飯器であって、
図1および
図2に示されるように、主に、本体110、内鍋(図示せず)、蓋体140およびヒンジ部品150等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0018】
1.本体
本体110は、
図1に示されるように、主に、筐体111、誘導加熱コイル(図示せず)、保温ヒータ(図示せず)、断熱材(図示せず)、フェライトコア(図示せず)、センターセンサ(図示せず)、送風ファンユニット(図示せず)、電源回路基板(図示せず)、自動巻取式電源コードユニット(図示せず)およびレバー機構119等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0019】
(1)筐体
筐体111は、
図1に示されるように、主に、収容体111a、肩部材111cおよび保護枠(図示せず)等から構成されており、断熱材、フェライトコア、誘導加熱コイル、保温ヒータ、センターセンサ、送風ファンユニット、電源回路基板および自動巻取式電源コードユニット等を収容している。以下、筐体111の各構成要素について詳述する。
【0020】
収容体111aは、
図1に示されるように、主に、側壁部111xおよび底壁部(図示せず)から形成されている。側壁部111xは、平面視において略角丸長方形を呈する角筒状の囲い壁部位である。底壁部は、底面視において略角丸長方形の角皿状部位であって、側壁部111xの下側に形成されている。なお、底壁部の後部には、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口が形成されており、底壁部の前部には、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口が形成されている。この吸気口の上側には、送風ファンユニットが配置されている。この送風ファンユニットが駆動されると、外部の空気が吸気口を通って筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が排気口から系外に排出される。
【0021】
肩部材111cは、平面視において略角丸長方形状を呈する枠体であって、
図1に示されるように、収容体111aの側壁部111xの上側に嵌合されており、収容体111aの上側の開口の縁部を覆っている。この肩部材111cには、内鍋を挿通させるための略円形の開口が形成されている。また、
図1に示されるように、この肩部材111cの前部にはレバー機構119が配設されている。なお、この肩部材111cの下側には保護枠が取り付けられている。
【0022】
保護枠は、内鍋の外周を保護すると共に肩部材111cの形状を保つ役目を担う部材である。なお、この保護枠の後部においてヒンジ部品150の一部が締結されている。また、保護枠の底壁の中央部には、センターセンサを通すための開口が形成されている。
【0023】
(2)誘導加熱コイル
誘導加熱コイルは、内鍋を誘導加熱するためのものであって、保護枠の底壁および側壁下端部の外側に配設されている。
【0024】
(3)保温ヒータ
保温ヒータは、炊飯後の炊きあがったご飯を保温するためのヒータであって、内鍋が保護枠に収容されている状態において内鍋の外側に配設されている。
【0025】
(4)断熱材
断熱材は、保護枠の外周および保温ヒータの外周に巻き付けられており、炊飯時において内鍋から生じる熱が保護枠の外側に流出するのを抑制する役割を担っている。
【0026】
(5)フェライトコア
フェライトコアは、誘導加熱コイルへの通電時に生じる磁束を外部に出さないようにするための部材であって、誘導加熱コイルの周囲に配置されている。
【0027】
(6)センターセンサ
センターセンサは、内鍋の底部の温度を検知すると共に内鍋の有無を検知するためセンサであって、保護枠の底壁の中央部に形成された開口を通って、上方に向かって突出している。なお、このセンターセンサは、コイルバネ等の付勢部材によって上方に付勢されている。すなわち、このセンターセンサは、上下方向に沿って出没自在な状態とされている。
【0028】
(7)送風ファンユニット
送風ファンユニットは、軸流ファンおよびヒートシンク等から構成されるものであって、上述の通り、筐体111の収容体111aの底壁部の吸気口の上側に、ファンの回転軸が略上下方向に沿うようにして配設されている。すなわち、この送風ファンユニット中の送付ファンが駆動されると、外部の空気が吸気口から吸い込まれて筐体111内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンクを通って電源回路基板などに供給されて、それらの部材等を冷却する。
【0029】
(8)電源回路基板
電源回路基板は、電源回路を構成する基板であって、AC電源、インバータ、スイッチング電源、いくつかの発熱部品等を実装している。なお、この電源回路基板は、筐体111の後側空間に収容されており、蓋体140の制御回路基板に通信接続されている。
【0030】
(9)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニットは、電源コードおよび自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、筐体111の後側空間に収容されている。電源コードは、差込プラグPL(
図1参照)および電気線(図示せず)から構成されている。差込プラグPLは、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0031】
(10)レバー機構
レバー機構119は、蓋体140の開閉を司る機構であって、主に、開レバー119a、ストッパー(図示せず)およびバネ部材(図示せず)等から構成されており、上述の通り、肩部材111cの前部に配設されている。開レバー119aは、蓋体140を開くための揺動型のレバーであって、
図1に示されるように、筐体111の収容体111aの前側上端において前方に突出するように配設されている。そして、この開レバー119aは、バネ部材を介してストッパーに押圧力を付与する。開レバー119aから押圧力を付与されたストッパーは、その回動軸を基点として回動する。使用者が開レバー119aを下方へ回動させると、本体110に対する蓋体140の係止が解除され、蓋体140が開く。
【0032】
ストッパーは、主に、回動軸、係止部および押圧力受け部から構成されており、本体110の収容体111aに回動(揺動)可能に設けられている。係止部は、先端部分が屈曲した形状を有しており、ストッパーの上端側に設けられている。そして、この係止部は、蓋体140が閉じられる際、蓋体140の爪部材NPの爪部を係止する。
【0033】
2.内鍋
内鍋は、上方に開口する椀状の鍋であって、肩部材111cの開口に挿通されると共に、保護枠に所定の隙間をもって収容される。なお、ここで、内鍋は、種々のアルミニウム合金およびステンレス合金の多層体(クラッド材)であって、誘導加熱コイルによって誘導加熱され得る。なお、内鍋は、土鍋や、土鍋粉末を含む塗料で金属鍋をコーティングした鍋であってもよく、内鍋の材質・構成としては特に限定されず種々のものが採用され得る。
【0034】
3.蓋体
蓋体140は、
図3および
図4に示されるように、主に、蓋補強部141、爪部材NP、外装体142、操作ボタン群143、情報表示パネルDI、圧力調整装置144、蒸気処理ユニット147、蒸気センサ(図示せず)、制御回路基板(図示せず)および内蓋146等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0035】
(1)蓋補強部
蓋補強部141は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等から形成されており、制御回路基板、爪部材NP、圧力調整装置144、蒸気処理ユニット147および蒸気センサ等の部品・部材を支持する役目を担っている(
図3参照)。また、
図3に示されるように、この蓋補強部141の後端にはヒンジ部品150の一部が締結されている。このヒンジ部品150により、本体110に対して蓋体140が開閉可能となる。また、
図3に示されるように、この蓋補強部141の下側に、内蓋146が着脱自在に配設されている。
【0036】
(2)爪部材
爪部材NPは、一対の爪部を有する部材であって、蓋補強部141の前端部に取り付けられている(
図4参照)。上述の通り、蓋体140が閉じられる際、この爪部材NPの爪部は、本体110のレバー機構119のストッパーの係止部によって係止される。
【0037】
(3)外装体
外装体142は、
図1~
図4に示されるように、上側外装体142aおよび下側外装体142bから構成される略直方体状の部材であって、蓋補強部141等を収容している。上側外装体142aは、下側が開口する略直方体状のカバー部材であって、
図3に示されるように、下側外装体142b等の上側を覆っている。なお、
図1~
図3に示されるように、上側外装体142aの天壁部の前端部には、操作ボタン群143の上面を露出させるための開口が形成され、上側外装部材141aの天壁部のうち操作ボタン群143を露出させる開口の直ぐ後ろには、情報表示パネルDIの上面を露出させるための開口が形成され、上側外装部材141aの天壁部の後部には、内鍋内で生じた蒸気を外部に排出するための蒸気口BOが形成されている。下側外装体142bは、
図3に示されるように、上側外装体142aの下側に配置されている。なお、下側外装体142bの前端部には貫通口が形成されており、この貫通口に爪部材NPの爪部が挿通される(
図4参照)。
【0038】
(4)操作ボタン群
操作ボタン群143は、例えば炊飯方法の選択ボタン等から成るものであって、炊飯器100の運転方法を使用者に選択させるためのものである。そして、この操作ボタン群143の上面は、上述の通り、外装体142の上側外装体142aに形成される開口によって露出している。
【0039】
(5)情報表示パネル
情報表示パネルDIは、
図1~
図3に示されるように操作ボタン群143の直ぐ後ろに配設されている。また、情報表示パネルDIの上面は、上述の通り外装体142の上側外装体142aに形成される開口によって露出しており、情報表示パネルDIは、炊飯メニュー情報、炊飯経過情報等の各種情報を表示する。
【0040】
(6)圧力調整装置
圧力調整装置144は、蓋体140が閉状態とされ圧力炊飯運転されている状態において、内蓋146の圧力調整口VOを閉塞して内鍋の内部の圧力を1気圧以上(例えば、1.03~1.3気圧など)に調整する。また、この圧力調整装置144は、圧力炊飯運転中、蓋体140が開状態とならないように本体110のレバー機構119の回動を規制する。なお、本実施の形態において、この圧力調整装置としては、特に限定されず、従前のものが採用されてもかまわない。
【0041】
(7)蒸気処理ユニット
蒸気処理ユニット147は、炊飯時に内鍋から上昇してくる蒸気や、貯まったおねばをトラップして内鍋に戻すものであって、上述の通り、蓋補強部141に支持されている。
【0042】
(8)蒸気センサ
蒸気センサは、内鍋内で発生した蒸気の温度を検知するための一般的な温度センサ(例えば、熱電対やサーミスタ等)である。蒸気センサは、上述の通り、蓋補強部141に支持されている。
【0043】
(9)制御回路基板
制御回路基板は、制御回路を構成する基板であって、マイクロコンピュータ等の電子部品を実装しており、操作ボタン群143、蒸気センサ等に通信接続されると共に、本体110の電源回路基板を介して本体110の誘導加熱コイル、保温ヒータ、センターセンサ、送風ファンユニット等に通信接続されている。なお、マイクロコンピュータにはメモリが搭載されており、メモリには炊飯工程を実行するための各種プログラムやデータ等が格納されている。
【0044】
(10)内蓋
内蓋146は、蓋体140が閉状態である時に、内鍋の上側に配置されて内鍋の開口を覆って密閉して内鍋と共に筐体を形成するための部材であって、蓋補強部141の下側に着脱自在に取り付けられている。内蓋146は、
図4、
図5、
図8~
図12に示されるように、主に、本体部CB、環状パッキンCP、内蓋カバーCV、圧力異常時開放弁SVおよびパッキンPK等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0045】
(10-1)本体部
本体部CBは、金属製部材であって、
図4、
図5、
図8~
図12に示されるように、基板部CB1、側壁部CB2およびフランジ部CB3から形成されている。基板部CB1は、
図4、
図5および
図8に示されるように、略円盤形状を呈している。なお、基板部CB1には弁口OS、圧力調整口および開口が形成されている(
図4、
図9~
図12参照)。なお、
図4、
図5および
図8に示されるように、基板部CB1の上側に内蓋カバーCVが取り付けられた場合に、この圧力調整口および内蓋カバーCVの圧力調整口が連通して圧力調整口VOが形成され、この開口および内蓋カバーCVの開口が連通して開口OTが形成される。弁口OSは、内鍋および内蓋146による筐体の内部空間および外部空間を連通させる役目を担っている。なお、弁口OSは、
図9および
図10に示されるように、通常時(すなわち、内鍋の内圧が閾値に達しておらず圧力異常時開放弁SVが作動していない状態)、圧力異常時開放弁SVの弁本体SMの閉塞部SQによって閉塞されている。圧力調整口VOは、上述の通り、圧力炊飯運転時において圧力調整装置144によって閉塞される。開口OTは、蒸気やおねばの通り道として機能し、圧力炊飯運転時にパッキンPKの閉塞部PK1によって閉塞される。側壁部CB2は、
図5、
図9~
図12に示されるように、基板部CB1の外端から上方に延びている。フランジ部CB3は、
図5、
図9~
図12に示されるように、側壁部CB2の上端から外方に延びている。
【0046】
(10-2)環状パッキン
環状パッキンCPは、
図3、
図9~
図12に示されるように、本体部CBの側壁部CB2の周囲に配置されると共に本体部CBのフランジ部CB3の下面に取り付けられている。環状パッキンCPは、蓋体140が閉状態とされている際に内鍋の内部空間を密閉する役目を担っている。
【0047】
(10-3)内蓋カバー
内蓋カバーCVは、本体部CBの基板部CB1の上面に取り付けられる部材である。なお、本体部CBの基板部CB1の上面に内蓋カバーCVが取り付けられると、
図9~
図12に示されるように、内蓋カバーCVおよび本体部CBの間に収容空間ASが形成される。ここで、収容空間ASの全高は、円錐バネSP(後述)の自然状態における全高以下である。また、内蓋カバーCVは、
図5~
図12に示されるように、基板部CV1、側壁部CV2および天壁部CV3から形成されている。基板部CV1は、
図5および
図8に示されるように、略円盤形状を呈している。なお、上述の通り、基板部CV1には、本体部CBの基板部CB1と共に圧力調整口VOを形成するための圧力調整口、および、本体部CBの基板部CB1と共に開口OTを形成するための開口が形成されている。また、
図6~
図8、
図10および
図12に示されるように、基板部CV1のうち側壁部CV2との境界部分の前部および後部には、切り欠きCV1aが形成されている。この切り欠きCV1aは、収容空間ASを外部に連通させるためのものである。側壁部CV2は、基板部CV1のうち平面透視における本体部CBの弁口OSの周囲部分に形成されている(
図9~
図12参照)。また、側壁部CV2は、
図5~
図7、
図9~
図12に示されるように、略切頭円錐形状を呈している。天壁部CV3は、
図5~
図7、
図9~
図12に示されるように、側壁部CV2の上端から内方に延びている。なお、
図6、
図7、
図9~
図12に示されるように、天壁部CV3には挿通口CV3aが形成されている。
図7、
図11および
図12に示されるように、内鍋の内圧が閾値以上になり圧力異常時開放弁SVが作動した場合に、圧力異常時開放弁SVの弁本体SMの基体部SOの内側壁部SO4の上端部分および天壁部SO5がこの挿通口CV3aから突き出る。また、天壁部CV3は、
図9~
図12に示されるように、圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPを支持する役目を担っている。また、天壁部CV3は、
図9および
図10に示されるように、本体部CBのフランジ部CB3よりも低い位置にある。
【0048】
(10-4)圧力異常時開放弁
圧力異常時開放弁SVは、内鍋の内圧が閾値以上(例えば、1.35気圧以上)になった場合に内蓋146を介して蓋体140にかかる力を開放するための安全弁であって、
図9~
図12に示されるように、主に、弁本体SMおよび円錐バネSP等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0049】
(10-4-1)弁本体
弁本体SMは、
図9および
図10に示されるように、内鍋の内圧が閾値に達していない状態において、円錐バネSPによって本体部CBの基板部CB1の弁口OSに向けて付勢されている。また、弁本体SMは、
図9および
図10に示されるように、内鍋の内圧が閾値に達していない状態では、収容空間ASに収容されている(なお、上述の通り、内鍋の内圧が閾値以上になった状態では、一部が、内蓋カバーCVの天壁部CV3の挿通口CV3aから突き出る。)。また、弁本体SMは、
図9~
図14に示されるように、主に、基体部SOおよび閉塞部SQ等から構成されている。
【0050】
基体部SOは、
図11~
図14に示されるように、底壁部SO1、外側壁部SO2、翼部SO3、内側壁部SO4、天壁部SO5およびリブSO6等から形成されている。底壁部SO1は、
図13および
図14に示されるように、略円環形状(すなわち、中央部に開口が形成された略円盤形状)を呈している。外側壁部SO2は、
図11~
図14に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部SO1の外端から上方に延びている。翼部SO3は、
図12~
図14に示されるように、外側壁部SO2の前端および後端から外方に延びている。内側壁部SO4は、
図11~
図13に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部SO1の内端から上方に延びている。
図11、
図12および
図14に示されるように、内側壁部SO4の内側には閉塞部SQが嵌め込まれる。天壁部SO5は、
図11~
図13に示されるように、略円盤形状を呈しており、内側壁部SO4の上端から内方に延びている。なお、天壁部SO5は、
図6、
図9および
図10に示されるように、内鍋の内圧が閾値に達していない状態において、内蓋カバーCVの天壁部CV3と共に平面を形成している。そして、天壁部SO5は、内鍋の内圧に関わらず本体部CBのフランジ部CB3よりも低い位置にある(
図9~
図12参照)。リブSO6は、
図11および
図12に示されるように、内側壁部SO4の内周面から内方に延びている。このリブSO6は、閉塞部SQの高さ位置を規定するためのものであって、内側壁部SO4の内側に閉塞部SQが嵌め込まれている状態において閉塞部SQの上側に位置する。なお、
図11~
図14に示されるように、基体部SOには、底壁部SO1の内端部および内側壁部SO4の下端部にかけて切り欠きSOaが6つ形成されている。
図7に示されるように、内鍋の内圧が閾値以上になり、円錐バネSPの付勢力の反対方向の力によって弁本体SMが上方に移動した場合に、この切り欠きSOaが露出する。そして、内鍋内の蒸気が、本体部CBの基板部CB1の弁口OSを通った後にこの切り欠きSOaを通ることで内鍋の外部に放出され、内鍋の内圧が開放される。
【0051】
閉塞部SQは、内鍋の内圧が閾値に達していない状態において本体部CBの基板部CB1の弁口OSを閉塞するためのものであって、弾性物質(例えば、ゴムやエラストマ等)から形成されている。なお、閉塞部SQは、略円柱形状を呈しており(
図9~
図12参照)、上述の通り、基体部SOのリブSO6の下側において基体部SOの内側壁部SO4の内側に嵌め込まれる。
【0052】
(10-4-2)円錐バネ
円錐バネSPは、上述の通り、内鍋の内圧が閾値に達していない状態において、本体部CBの基板部CB1の弁口OSに向けて弁本体SMを付勢している。そして、円錐バネSPは、内鍋の内圧が閾値に達した状態において、付勢方向の反対方向の力によって弁本体SMを上方に移動させて本体部CBの基板部CB1の弁口OSを開放させる。また、円錐バネSPは、
図9~
図12に示されるように、内鍋の内圧に関わらず、収容空間ASに完全に収容されている。このとき、円錐バネSPは自然状態または圧縮状態であり、
図9~
図12に示されるように、円錐バネSPのうちコイル径が大きい部分が上側に位置し、円錐バネSPのうちコイル径が小さい部分が下側に位置している。なお、円錐バネSPの自然状態とは、円錐バネSPに力が加えられておらず円錐バネSPが伸縮していない状態を指す。そして、本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、円錐バネSPは、自然状態において、付勢方向(すなわち上下方向)における全高が付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい。ここで、円錐バネSPは、自然状態において、全高/全幅が1/3以下になることが好ましい。なお、円錐バネSPの全高は、円錐バネSPが圧縮されるに従って小さくなっていき、円錐バネSPが完全に圧縮された時には円錐バネSPを形成する素線の直径(厚さ)と同じになる。言い換えれば、円錐バネSPは、完全に圧縮された時は、素線が平面上で渦巻形状を呈することになる。
【0053】
(10-5)パッキン
パッキンPKは、
図4、
図5および
図8に示されるように、圧力炊飯運転時に開口OTを閉塞して内鍋の内圧を高めるための部材であって、弾性物質(例えば、ゴムやエラストマ等)から形成されている。パッキンPKは、
図4、
図5および
図8に示されるように、閉塞部PK1、差込部PK2および脱落防止部PK3から形成されている。閉塞部PK1は、
図4に示されるように、底面視において角丸長方形状を呈している。なお、脱落防止部PK3が本体部CBの基板部CB1の上面に載置されている状態において(
図5参照)、閉塞部PK1の上面と本体部CBの基板部CB1の底面とは僅かに離間している。しかし、圧力炊飯運転時に内鍋内で発生した蒸気によってパッキンPKが持ち上げられることにより、閉塞部PK1の上面は、本体部CBの基板部CB1の底面に密着し、内蓋146の開口OTを閉塞する。差込部PK2は、閉塞部PK1の両端部から上方に向かって延びており、略円柱状を呈している。差込部PK2は、下側から上側に向かうように、開口OTの両隣に形成される差込開口に差し込まれる。脱落防止部PK3は、差込部PK2の高さ方向中央部に形成されており、略切頭円錐形状を呈している(
図5参照)。なお、差込開口に差込部PK2が差し込まれる際に、脱落防止部PK3も同様に差込開口に差し込まれる。そして、
図5に示されるように、脱落防止部PK3は、差込開口を通り抜けた後、本体部CBの基板部CB1の上面に載置される。なお、脱落防止部PK3の底部の直径は差込開口の直径より大きいが、パッキンPKは弾性物質から形成されているため、脱落防止部PK3は伸縮することで差込開口を通り抜けることができる。
【0054】
5.ヒンジ部品
ヒンジ部品150は、上述の通り、蓋体140が本体110に対して回動自在となるように蓋体140を本体110に取り付けている。なお、このヒンジ部品150は、ねじりバネ(図示せず)によって蓋体140を開方向に向かって付勢している。
【0055】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVは、内蓋146の本体部CBに形成される弁口OSに向けて弁本体SMを付勢する付勢部材として円錐バネSPを有する。そして、この炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPは、自然状態において、付勢方向における全高が付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい。また、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPは、完全に圧縮された状態では、円錐バネSPを形成する素線の直径と全高が同じになる。一方、円柱螺旋形のコイルバネでは、完全に圧縮された場合でも素線同士が接触して素線が積み重なった状態になるため、圧縮状態においても一定以上の高さとなる。このため、円錐バネSPは、円柱螺旋形のコイルバネとは異なり全高をできるだけ抑えることができる。したがって、この炊飯器100では、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が内蓋146の圧力異常時開放弁SVに採用される場合に比べて、内鍋および内蓋146による筐体に設けられたときにできる凸部の盛り上がりをできるだけ小さくすることができる。よって、この炊飯器100では、単一の円柱螺旋形のコイルバネ等の付勢部材が内蓋146の圧力異常時開放弁SVに採用される場合に比べて、凸部付近におけるお手入れ性をできるだけ向上させることができる。
【0056】
(2)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPは、内蓋146の内蓋カバーCVおよび本体部CBの間に形成される収容空間ASに収容される。そして、収容空間ASの全高は、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPの自然状態における全高以下である。このため、この炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPを常に自然状態または圧縮状態にすることができる。したがって、この炊飯器100では、圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPを完全に圧縮しない程度に圧縮した上で(言い換えれば、内鍋の内圧が閾値以上になった時に円錐バネSPがさらに圧縮する余地を残した上で)、圧力異常時開放弁SVの弁本体SMの閉塞部SQが本体部CBの弁口OSを閉塞する状態にすれば、凸部の盛り上がりをさらに小さくすることができる。
【0057】
(3)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、収容空間ASを外部に連通させる切り欠きCV1aが、内蓋146の内蓋カバーCVに形成されている。このため、この炊飯器100では、水等の液体またはおねば等の粘性液体が収容空間ASにできるだけ溜まったままにならないようにすることができる。
【0058】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVは、内蓋146の本体部CBに形成される弁口OSに向けて弁本体SMを付勢する付勢部材として円錐バネSPを有していた。しかし、内蓋146の圧力異常時開放弁SVは、円錐バネSPではなく、円錐バネSP以外の付勢部材(例えば、板バネ、円柱螺旋形のコイルバネを多重配置したもの、磁石等)を有していてもよい。円柱螺旋形のコイルバネを多重配置する場合、例えば、内蓋146の内蓋カバーCVの天壁部CV3の底面に沿って円周上に複数の円柱螺旋形のコイルバネを配置すること、円柱螺旋形のコイルバネの同心円状に他の円柱螺旋形のコイルバネを配置すること等が挙げられる。付勢部材が磁石である場合、内蓋146の本体部CBが金属製であるため、磁石は、内蓋146の本体部CBに付こうとする際に弁本体SMを付勢することになる。なお、円錐バネSP以外の付勢部材も円錐バネSPと同様に、自然状態において、付勢方向における全高が付勢方向と垂直な方向における全幅よりも小さい必要がある。
【0059】
(B)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPは、内蓋146の内蓋カバーCVおよび本体部CBの間に形成される収容空間ASに収容されていた。しかし、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPのうちコイル径が大きい部分の高さ位置を固定できれば、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの円錐バネSPは収容空間ASに収容されていなくてもよいし、収容空間ASが形成されなくてもよい。
【0060】
(C)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、収容空間ASを外部に連通させる切り欠きCV1aが、内蓋146の内蓋カバーCVに形成されていた。しかし、切り欠きCV1aが内蓋146の内蓋カバーCVに形成されなくてもよいし、切り欠きCV1a以外の構成によって収容空間ASを外部に連通させてもよい。
【0061】
(D)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の内蓋カバーCVが、内蓋146の本体部CBの基板部CB1の上面に取り付けられていた。しかし、内蓋146の内蓋カバーCVおよび本体部CBは一体成形されてもよい。
【0062】
(E)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の内蓋カバーCVの基板部CV1のうち側壁部CV2との境界部分に、切り欠きCV1aが2つ形成されていた。しかし、切り欠きCV1aの数は2つに限定されず、切り欠きCV1aが1つだけ形成されてもよいし、切り欠きCV1aが3つ以上形成されてもよい。また、内蓋146の内蓋カバーCVの側壁部CV2、天壁部CV3、または、内蓋146の本体部CBの基板部CB1に、収容空間ASを外部に連通させる切り欠きが形成されてもよい。
【0063】
(F)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋146の圧力異常時開放弁SVの弁本体SMの基体部SOに切り欠きSOaが6つ形成されていた。しかし、切り欠きSOaの数は6つに限定されず、切り欠きSOaが1~5つ形成されてもよいし、切り欠きSOaが7つ以上形成されてもよい。
【0064】
(G)
先の実施の形態では本発明が炊飯器100に適用されたが、本発明は他の圧力式の調理器や機器に適用されてもよい。
【0065】
なお、上記変形例は、単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 炊飯器(調理器)
111 筐体(容器)
140 蓋体
146 内蓋(蓋体)
AS 収容空間
CB1 基板部(連通孔が形成される壁部)
CV 内蓋カバー(付勢部材支持部)
CV1a 切り欠き
OS 弁口(連通孔)
SM 弁本体(弁体)
SP 円錐バネ(付勢部材)
SV 圧力異常時開放弁(安全弁構造)