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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006017
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】温度制御装置及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20240110BHJP
   F25B 9/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B9/00 301
F25B1/00 396C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106548
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇
(72)【発明者】
【氏名】関 篤史
(72)【発明者】
【氏名】高山 蹊男
(72)【発明者】
【氏名】森宗 歩
(57)【要約】
【課題】良好な環境性能を確保しつつ、耐久性を向上できるとともに装置サイズの大型化を抑制できる温度制御装置の提供。
【解決手段】一実施の形態に係る温度制御装置は、圧縮機11と、第1熱交換器12と、膨張機14と、第2熱交換器15とを含み、自然冷媒を循環させる冷凍サイクル装置10と、第1熱交換器12を通過する自然冷媒と熱交換して第1熱交換器12から流出する第1流体を受け入れて通流させる第1側下流流路部を含む第1流体通路20と、第2熱交換器15を通過する自然冷媒と熱交換して第2熱交換器15から流出する第2流体を受け入れて通流させる第2側下流流路部を含む第2流体通路30と、前記第1側下流流路部から流出する第1流体を受け入れて通流させることが可能であるとともに、前記第2側下流流路部から流出する第2流体を受け入れて通流させることが可能である伝熱部材40と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、第1熱交換器と、膨張機と、第2熱交換器とを含み、前記圧縮機から流出する自然冷媒が前記第1熱交換器、前記膨張機及び前記第2熱交換器をこの順で通過した後、前記圧縮機に循環し、前記圧縮機と前記膨張機とが共通の駆動軸で連結される冷凍サイクル装置と、
前記第1熱交換器に第1流体を流入させる第1側上流流路部と、前記第1熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第1熱交換器から流出する前記第1流体を受け入れて通流させる第1側下流流路部と、を含む第1流体通路と、
前記第2熱交換器に第2流体を流入させる第2側上流流路部と、前記第2熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第2熱交換器から流出する前記第2流体を受け入れて通流させる第2側下流流路部と、を含む第2流体通路と、
前記第1側下流流路部から流出する前記第1流体を受け入れて通流させた後、前記第1側上流流路部に流出させることが可能であるとともに、前記第2側下流流路部から流出する前記第2流体を受け入れて通流させた後、前記第2側上流流路部に流出させることが可能な伝熱部材と、を備え、
前記伝熱部材を介して温度制御対象を温度制御する、温度制御装置。
【請求項2】
前記第1側下流流路部と前記第1側上流流路部とを接続する第1バイパス流路と、
前記第1側下流流路部から前記伝熱部材へ通流する前記第1流体の流量と、前記第1バイパス流路を通流する前記第1流体の流量との割合を調節する第1弁機構と、
前記第2側下流流路部と前記第2側上流流路部とを接続する第2バイパス流路と、
前記第2側下流流路部から前記伝熱部材へ通流する前記第2流体の流量と、前記第2バイパス流路を通流する前記第2流体の流量との割合を調節する第2弁機構と、を更に備える、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記伝熱部材に前記第1流体を通流させる際、前記第2弁機構は、前記伝熱部材における前記第2流体の通流を遮断し、前記第2バイパス流路における前記第2流体の通流を許容し、
前記伝熱部材に前記第2流体を通流させる際、前記第1弁機構は、前記伝熱部材における前記第1流体の通流を遮断し、前記第1バイパス流路における前記第1流体の通流を許容する、請求項2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記伝熱部材には、前記第1側下流流路部から流出する前記第1流体を受け入れて通流させた後、前記第1側上流流路部に流出させる複数の第1伝熱流路部が形成され、複数の前記第1伝熱流路部は、前記第1側下流流路部から分岐するように並列に位置する、請求項1乃至3のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項5】
前記伝熱部材には、前記第2側下流流路部から流出する前記第2流体を受け入れて通流させた後、前記第2側上流流路部に流出させる複数の第2伝熱流路部が形成され、複数の前記第2伝熱流路部は、前記第2側下流流路部から分岐するように並列に位置する、請求項4に記載の温度制御装置。
【請求項6】
各前記第1伝熱流路部は、蛇行状、渦巻き状、螺旋状、又は流路面積を拡大させる形状の第1側インタフェース部分を含み、
各前記第2伝熱流路部は、蛇行状、渦巻き状、螺旋状、又は流路面積を拡大させる形状の第2側インタフェース部分を含み、
前記伝熱部材には、複数の温度制御部分が設けられ、
複数の前記第1側インタフェース部分のいずれかと複数の前記第2側インタフェース部分のいずれかとが互いに近接して温調源を形成し、前記温調源上の前記伝熱部材の表面に前記温度制御部分が設けられる、請求項5に記載の温度制御装置。
【請求項7】
圧縮機と、第1熱交換器と、膨張機と、第2熱交換器とを含み、前記圧縮機から流出する自然冷媒が前記第1熱交換器、前記膨張機及び前記第2熱交換器をこの順で通過した後、前記圧縮機に循環し、前記圧縮機と前記膨張機とが共通の駆動軸で連結される冷凍サイクル装置と、
前記第1熱交換器に第1流体を流入させる第1側上流流路部と、前記第1熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第1熱交換器から流出する前記第1流体を受け入れて通流させる第1側下流流路部と、を含む第1流体通路と、
前記第2熱交換器に第2流体を流入させる第2側上流流路部と、前記第2熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第2熱交換器から流出する前記第2流体を受け入れて通流させる第2側下流流路部と、を含む第2流体通路と、
前記第1側下流流路部から流出する前記第1流体を受け入れて通流させた後、前記第1側上流流路部に流出させることが可能であるとともに、前記第2側下流流路部から流出する前記第2流体を受け入れて通流させた後、前記第2側上流流路部に流出させることが可能な伝熱部材と、を備え、
保持部材に保持された検査対象物又は前記伝熱部材に保持された検査対象物を前記伝熱部材によって温度制御する、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、温度制御装置及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境保護の観点から自然冷媒を用いる冷凍サイクル装置が注目されている。自然冷媒は、オゾン層破壊係数及び地球温暖化係数が一般的なフロン系の冷媒に対して極めて低い。そのため、自然冷媒は、環境保護の観点で極めて有用である。
【0003】
自然冷媒としては、例えば、アンモニア、二酸化炭素、空気、酸素、窒素等が挙げられる。このうちの空気、酸素、窒素は、沸点が極めて低いため、超低温帯での冷却を可能とする。
【0004】
自然冷媒を用いる冷凍サイクル装置としては、空気を用いる空気冷凍サイクル装置が従来から知られている(例えば、特許文献1)。このような空気冷凍サイクル装置は大型冷凍庫等で既に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6946113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LSIやIC等の半導体装置の動作試験を行う際、ハンドラ装置と呼ばれる装置が用いられることがある。一般にハンドラ装置は、半導体装置を冷却及び加熱することが可能であり、これにより、冷却又は加熱された半導体装置の動作試験を可能とする。
【0007】
従来の一般的なハンドラ装置は、半導体装置を冷却する手段として、ペルチェ素子又はフロン系の冷媒を循環させる冷凍装置を用いていた。
【0008】
しかしながら、ペルチェ素子は、望まれる温度条件によっては耐久性が十分でない場合がある。また、フロン系の冷媒は環境保護の観点で使用を制限されつつある。
【0009】
また、フロン系の冷媒を循環させる冷凍装置をハンドラ装置で用いる場合、通常、冷凍装置の蒸発器によってブラインを冷却し、冷却したブラインを介して半導体装置を冷却する。そして、このようなハンドラ装置において半導体装置を加熱する場合には、半導体装置の冷却に使用したブラインをヒータによって加熱し、加熱したブラインで半導体装置を加熱する場合がある。しかしながら、冷却されたブラインを加熱して所望の温度まで上昇させる場合、ブラインが所望の温度に到達するまでの時間が長くなる。一方で、冷却用のハンドラ装置とは別に加熱用のハンドラ装置を用いてもよいが、冷却用のハンドラ装置と別の加熱用のハンドラ装置との間での半導体装置の入替に手間がかかる。また、使用機器の占有サイズ及びコストが大きくなり得る。
【0010】
そこで、本発明の課題は、自然冷媒を用いる冷凍サイクル装置を用いることで良好な環境性能を確保しつつ、耐久性を向上できるとともに装置サイズの大型化を抑制できる温度制御装置及び検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施の形態に係る温度制御装置は、圧縮機と、第1熱交換器と、膨張機と、第2熱交換器とを含み、前記圧縮機から流出する自然冷媒が前記第1熱交換器、前記膨張機及び前記第2熱交換器をこの順で通過した後、前記圧縮機に循環し、前記圧縮機と前記膨張機とが共通の駆動軸で連結される冷凍サイクル装置と、前記第1熱交換器に第1流体を流入させる第1側上流流路部と、前記第1熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第1熱交換器から流出する前記第1流体を受け入れて通流させる第1側下流流路部と、を含む第1流体通路と、前記第2熱交換器に第2流体を流入させる第2側上流流路部と、前記第2熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第2熱交換器から流出する前記第2流体を受け入れて通流させる第2側下流流路部と、を含む第2流体通路と、前記第1側下流流路部から流出する前記第1流体を受け入れて通流させた後、前記第1側上流流路部に流出させることが可能であるとともに、前記第2側下流流路部から流出する前記第2流体を受け入れて通流させた後、前記第2側上流流路部に流出させることが可能な伝熱部材と、を備え、前記伝熱部材を介して温度制御対象を温度制御する。
【0012】
一実施の形態に係る温度制御装置は、前記第1側下流流路部と前記第1側上流流路部とを接続する第1バイパス流路と、前記第1側下流流路部から前記伝熱部材へ通流する前記第1流体の流量と、前記第1バイパス流路を通流する前記第1流体の流量との割合を調節する第1弁機構と、前記第2側下流流路部と前記第2側上流流路部とを接続する第2バイパス流路と、前記第2側下流流路部から前記伝熱部材へ通流する前記第2流体の流量と、前記第2バイパス流路を通流する前記第2流体の流量との割合を調節する第2弁機構と、を更に備えてもよい。
【0013】
前記伝熱部材に前記第1流体を通流させる際、前記第2弁機構は、前記伝熱部材における前記第2流体の通流を遮断し、前記第2バイパス流路における前記第2流体の通流を許容し、前記伝熱部材に前記第2流体を通流させる際、前記第1弁機構は、前記伝熱部材における前記第1流体の通流を遮断し、前記第1バイパス流路における前記第1流体の通流を許容してもよい。
【0014】
前記伝熱部材には、前記第1側下流流路部から流出する前記第1流体を受け入れて通流させた後、前記第1側上流流路部に流出させる複数の第1伝熱流路部が形成され、複数の前記第1伝熱流路部は、前記第1側下流流路部から分岐するように並列に位置してもよい。
【0015】
前記伝熱部材には、前記第2側下流流路部から流出する前記第2流体を受け入れて通流させた後、前記第2側上流流路部に流出させる複数の第2伝熱流路部が形成され、複数の前記第2伝熱流路部は、前記第2側下流流路部から分岐するように並列に位置してもよい。
【0016】
各前記第1伝熱流路部は、蛇行状、渦巻き状、螺旋状、又は流路面積を拡大させる形状の第1側インタフェース部分を含み、各前記第2伝熱流路部は、蛇行状、渦巻き状、螺旋状、又は流路面積を拡大させる形状の第2側インタフェース部分を含み、前記伝熱部材には、複数の温度制御部分が設けられ、複数の前記第1側インタフェース部分のいずれかと複数の前記第2側インタフェース部分のいずれかとが互いに近接して温調源を形成し、前記温調源上の前記伝熱部材の表面に前記温度制御部分が設けられてもよい。
【0017】
また、一実施の形態に係る検査装置は、圧縮機と、第1熱交換器と、膨張機と、第2熱交換器とを含み、前記圧縮機から流出する自然冷媒が前記第1熱交換器、前記膨張機及び前記第2熱交換器をこの順で通過した後、前記圧縮機に循環し、前記圧縮機と前記膨張機とが共通の駆動軸で連結される冷凍サイクル装置と、前記第1熱交換器に第1流体を流入させる第1側上流流路部と、前記第1熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第1熱交換器から流出する前記第1流体を受け入れて通流させる第1側下流流路部と、を含む第1流体通路と、前記第2熱交換器に第2流体を流入させる第2側上流流路部と、前記第2熱交換器を通過する前記自然冷媒と熱交換して前記第2熱交換器から流出する前記第2流体を受け入れて通流させる第2側下流流路部と、を含む第2流体通路と、前記第1側下流流路部から流出する前記第1流体を受け入れて通流させた後、前記第1側上流流路部に流出させることが可能であるとともに、前記第2側下流流路部から流出する前記第2流体を受け入れて通流させた後、前記第2側上流流路部に流出させることが可能な伝熱部材と、を備え、保持部材に保持された検査対象物又は前記伝熱部材に保持された検査対象物を前記伝熱部材によって温度制御する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、良好な環境性能を確保しつつ、耐久性を向上できるとともに装置サイズの大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施の形態に係る検査装置を概略的に示す図である。
図2図1の検査装置を構成する伝熱部材及び保持部材を示す図である。
図3図1に示す検査装置で検査対象物を温度制御する様子を示す図である。
図4】第2の実施の形態に係る検査装置を構成する伝熱部材を示す図である。
図5】第3の実施の形態に係る検査装置を構成する伝熱部材を示す図である。
図6】第4の実施の形態に係る検査装置を構成する伝熱部材及び保持部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の各実施の形態を説明する。
【0021】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる検査装置T1の概略図である。図1に示す検査装置T1は、自然冷媒を循環させる冷凍サイクル装置10と、第1流体を通流させる第1流体通路20と、第2流体を通流させる第2流体通路30と、第1流体通路20及び第2流体通路30に接続される伝熱部材40と、保持部材50と、コントローラ100とを備える。ここで、冷凍サイクル装置10、第1流体通路20、第2流体通路30及び伝熱部材40は、温度制御装置1を構成している。
【0022】
検査装置T1は、保持部材50に保持された検査対象物60を伝熱部材40によって冷却又は加熱し、温度制御を行う。本実施の形態では検査対象物60が一例としてLSI、IC等の電子部品である。検査装置T1は検査対象物60を高温域又は低温域に温度制御した状態で検査対象物60の動作試験を行うことができる。すなわち、本実施の形態に係る検査装置T1はハンドラ装置を含む検査装置である。ただし、検査対象物60は特に限られず、本発明に係る検査装置は、検査対象としてウェハを検査するプローバを含む検査装置でもよい。また、本発明に係る検査装置は、テスタ等の各種検査装置も構成し得る。
【0023】
冷凍サイクル装置10は、本実施の形態では自然冷媒としての空気を循環させる。すなわち、冷凍サイクル装置10は、空気冷媒サイクル装置である。
【0024】
冷凍サイクル装置10は、圧縮機11と、第1熱交換器12と、回収熱交換器13と、膨張機14と、第2熱交換器15とを含む。冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、第1熱交換器12、回収熱交換器13、膨張機14及び第2熱交換器15を空気がこの順で循環するように冷媒循環路16で接続する。空気は、圧縮機11で圧縮された後、第1熱交換器12及び回収熱交換器13で段階的に冷却され、その後、膨張機14に流入する。その後、空気は膨張機14で膨張させられて、膨張機14から流出する。
【0025】
冷凍サイクル装置10は、膨張機14で膨張させた空気を例えば-10℃~-110℃までの範囲で降温させて第2熱交換器15に流入させることが可能となっている。第2熱交換器15は、第2流体通路30に接続されている。ここで、第2熱交換器15は、流入した低温の空気で第2流体通路30が通流させる第2流体を冷却することが可能となっている。そして、空気は、第2熱交換器15を通過した後、圧縮機11に循環する。
【0026】
第2熱交換器15から流出した空気は、詳しくは、圧縮機11に循環する前に、回収熱交換器13で第1熱交換器12を流出した空気と熱交換する。これにより、膨張機14に流入する前の空気が、第1熱交換器12及び回収熱交換器13で段階的に冷却される。一方で、第2熱交換器15から流出した空気は、回収熱交換器13で昇温された後、圧縮機11に流入する。
【0027】
圧縮機11は、流入した空気を圧縮した後、第1熱交換器12に送る。圧縮機11は、圧縮した空気を例えば80℃以上に昇温させて第1熱交換器12に流入させることが可能となっている。第1熱交換器12は、第1流体通路20に接続されている。ここで、第1熱交換器12は、圧縮機11から流出した高温の空気と第1流体とを熱交換させる。これにより、第1熱交換器12は空気を冷却できる。また、第1流体を、第1熱交換器12に流入した高温の空気によって加熱できる。
【0028】
また、圧縮機11と膨張機14とは、共通のモータ17の駆動軸17Aで連結されている。これにより、駆動軸17Aの回転によって圧縮機11と膨張機14とが連動して回転する。
【0029】
なお、本実施の形態では冷凍サイクル装置10が空気冷媒サイクル装置であるが、その他の形式の装置でもよい。冷凍サイクル装置10は、自然冷媒として、窒素などを用いる冷凍サイクル装置でもよい。
【0030】
第1流体通路20は、第1側上流流路部21と、第1側下流流路部22とを含む。第1熱交換器12は、図示しない第1流体が流入する流入口と、第1流体を流出させる流出口とを含む。第1側上流流路部21の下流端開口は第1熱交換器12の流入口に接続され、第1側下流流路部22の上流端開口は第1熱交換器12の流出口に接続されている。また、第1流体通路20は、第1側上流流路部21の上流端開口を伝熱部材40に形成される流路部(後述の第1伝熱流路部41)の下流端開口に接続し、第1側下流流路部22の下流端開口を伝熱部材40に形成される上記流路部の上流端開口に接続する。これにより、第1流体通路20は伝熱部材40と協働して閉じ回路を形成し、伝熱部材40を介して第1流体を循環させる。
【0031】
第1流体通路20が伝熱部材40を介して第1流体を循環させる場合、第1側上流流路部21は、伝熱部材40から流出した第1流体を通流させて第1熱交換器12に流入させる。第1側下流流路部22は、第1熱交換器12で自然冷媒と熱交換した第1流体を受け入れて通流させる。第1側下流流路部22には、第1側ポンプ22Aが設けられる。第1側ポンプ22Aは、第1流体を通流させるための駆動力を発生させる。なお、第1側ポンプ22Aの設置位置は特に限られず、例えば第1側上流流路部21に第1側ポンプ22Aが設けられてもよい。
【0032】
また、本実施の形態では、第1側上流流路部21と第1側下流流路部22とを接続する第1バイパス流路24と、第1側下流流路部22から伝熱部材40へ通流する第1流体の流量と、第1バイパス流路24を通流する第1流体の流量との割合を調節する第1弁機構26と、が設けられている。
【0033】
第1バイパス流路24は、詳しくは、第1側下流流路部22における第1側ポンプ22Aの下流側の部分に接続されている。より詳しくは、本実施の形態における第1弁機構26は、第1側三方弁27を含んで構成される。第1側三方弁27は、第1側第1ポート271と、第1側第2ポート272と、第1側第3ポート273とを含む。そして、第1側第1ポート271から第1側第2ポート272に至る流路は、第1側上流流路部21の一部を構成している。そして、第1バイパス流路24は、その上流端開口を第1側第3ポート273に接続し、その下流端開口を第1側下流流路部22に接続している。
【0034】
第1側三方弁27は、第1側第1ポート271で受け入れられて第1側第2ポート272から流出する第1流体の流量と、第1側第1ポート271で受け入れられて第1側第3ポート273から流出する第1流体の流量との割合を調節できる。これにより、第1側下流流路部22から伝熱部材40へ通流する第1流体の流量と、第1バイパス流路24を通流する第1流体の流量との割合を調節できる。
【0035】
第1側三方弁27が第1側第1ポート271と第1側第2ポート272とを接続し、第1側第1ポート271と第1側第3ポート273とを遮断した場合には、第1熱交換器12から流出した第1流体は、伝熱部材40を介して第1熱交換器12に戻る。第1側三方弁27が第1側第1ポート271と第1側第2ポート272とを遮断し、第1側第1ポート271と第1側第3ポート273とを接続した場合には、第1熱交換器12から流出した第1流体は、伝熱部材40を通過せず、第1バイパス流路24を通って第1熱交換器12に戻る。ここで、第1側上流流路部21における第1バイパス流路24の接続位置の上流側には第1側逆止弁28が設けられる。第1側逆止弁28は、第1バイパス流路24から第1側上流流路部21に流入した第1流体が逆流して伝熱部材40に流入することを制限する。なお、第1弁機構26は第1側三方弁27を含んで構成されるが、2つ以上の二方弁を組み合わせた構成でもよい。
【0036】
第1流体は、一例として水である。ただし、第1流体は特に限られるものではなく、例えばブラインでもよい。ブラインはエーテル系液体でもよいし、フッ素系液体でもよい。また、第1流体はシリコーンオイルでもよい。また、第1流体は空気、窒素、アルゴン等の気体でもよい。
【0037】
第2流体通路30は、第2側上流流路部31と、第2側下流流路部32とを含む。第2熱交換器15は、図示しない第2流体が流入する流入口と、第2流体を流出させる流出口とを含む。第2側上流流路部31の下流端開口は第2熱交換器15の流入口に接続され、第2側下流流路部32の上流端開口は第2熱交換器15の流出口に接続されている。また、第2流体通路30は、第2側上流流路部31の上流端開口を伝熱部材40に形成される流路部(後述の第2伝熱流路部42)の下流端開口に接続し、第2側下流流路部32の下流端開口を伝熱部材40に形成される上記流路部の上流端開口に接続する。これにより、第2流体通路30は伝熱部材40と協働して閉じ回路を形成し、伝熱部材40を介して第2流体を循環させる。
【0038】
第2流体通路30が伝熱部材40を介して第2流体を循環させる場合、第2側上流流路部31は、伝熱部材40から流出した第2流体を通流させて第2熱交換器15に流入させる。第2側下流流路部32は、第2熱交換器15で自然冷媒と熱交換した第2流体を受け入れて通流させる。第2側下流流路部32には、第2側ポンプ32Aが設けられる。第2側ポンプ32Aは、第2流体を通流させるための駆動力を発生させる。なお、第2側ポンプ32Aの設置位置は特に限られず、例えば第2側上流流路部31に第2側ポンプ32Aが設けられてもよい。
【0039】
また、本実施の形態では、第2側上流流路部31と第2側下流流路部32とを接続する第2バイパス流路34と、第2側下流流路部32から伝熱部材40へ通流する第2流体の流量と、第2バイパス流路34を通流する第2流体の流量との割合を調節する第2弁機構36と、が設けられている。
【0040】
第2バイパス流路34は、詳しくは、第2側下流流路部32における第2側ポンプ32Aの下流側の部分に接続されている。より詳しくは、本実施の形態における第2弁機構36は、第2側三方弁37を含んで構成される。第2側三方弁37は、第2側第1ポート371と、第2側第2ポート372と、第2側第3ポート373とを含む。そして、第2側第1ポート371から第2側第2ポート372に至る流路は、第2側下流流路部32の一部を構成している。そして、第2バイパス流路34は、その上流端開口を第2側第3ポート373に接続し、その下流端開口を第2側下流流路部32に接続している。
【0041】
第2側三方弁37は、第2側第1ポート371で受け入れられて第2側第2ポート372から流出する第1流体の流量と、第2側第1ポート371で受け入れられて第2側第3ポート373から流出する第2流体の流量との割合を調節できる。これにより、第2側下流流路部32から伝熱部材40へ通流する第2流体の流量と、第2バイパス流路34を通流する第2流体の流量との割合を調節できる。
【0042】
第2側三方弁37が第2側第1ポート371と第2側第2ポート372とを接続し、第2側第1ポート371と第2側第3ポート373とを遮断した場合には、第2熱交換器15から流出した第2流体は、伝熱部材40を介して第2熱交換器15に戻る。第2側三方弁37が第2側第1ポート371と第2側第2ポート372とを遮断し、第2側第1ポート371と第2側第3ポート373とを接続した場合には、第2熱交換器15から流出した第2流体は、伝熱部材40を通過せず、第2バイパス流路34を通って第2熱交換器15に戻る。ここで、第2側上流流路部31における第2バイパス流路34の接続位置の上流側には第2側逆止弁38が設けられる。第2側逆止弁38は、第2バイパス流路34から第2側上流流路部31に流入した第2流体が逆流して伝熱部材40に流入することを制限する。なお、第2弁機構36は第2側三方弁37を含んで構成されるが、2つ以上の二方弁を組み合わせた構成でもよい。
【0043】
本実施の形態では、基本的に、伝熱部材40に第1流体を通流させる際、第2弁機構36は、伝熱部材40における第2流体の通流を遮断し、第2バイパス流路34における第2流体の通流を許容する。一方で、伝熱部材40に第2流体を通流させる際、第1弁機構26は、伝熱部材40における第1流体の通流を遮断し、第1バイパス流路24における第1流体の通流を許容する。ただし、このような弁機構26,36の動作は特に限られず、伝熱部材40に同時に第1流体及び第2流体が流入してもよい。なお、弁機構26,36は、コントローラ100によって制御される。
【0044】
第2流体は、一例としてブラインである。ブラインはエーテル系液体でもよいし、フッ素系液体でもよい。ただし、第2流体は特に限られるものではなく、シリコーンオイルや、水でもよい。また、第2流体は空気、窒素、アルゴン等の気体でもよい。
【0045】
伝熱部材40は、第1側下流流路部22から流出する第1流体を受け入れて通流させた後、第1側上流流路部21に流出させることが可能であるとともに、第2側下流流路部32から流出する第2流体を受け入れて通流させた後、第2側上流流路部31に流出させることが可能である。詳しくは、伝熱部材40には、第1伝熱流路部41と、第2伝熱流路部42とが形成される。そして、第1伝熱流路部41の上流端開口は、第1側下流流路部22の下流端開口に接続され、第1伝熱流路部41の下流端開口は、第1側上流流路部21の上流端開口に接続される。また、第2伝熱流路部42の上流端開口は、第2側下流流路部32の下流端開口に接続され、第2伝熱流路部42の下流端開口は、第2側上流流路部31の上流端開口に接続される。
【0046】
本実施の形態における伝熱部材40には、複数の第1伝熱流路部41及び複数の第2伝熱流路部42が形成されている。複数の第1伝熱流路部41は、第1側下流流路部22から分岐するように並列に位置する。複数の第2伝熱流路部42は、第2側下流流路部32から分岐するように並列に位置する。詳しくは、各第1伝熱流路部41の上流端開口は、伝熱部材40に形成される第1共通分配流路部41Aを介して第1側下流流路部22の下流端開口に接続される。各第1伝熱流路部41の下流端開口は、伝熱部材40に形成される第1合流配流路部41Bを介して第1側上流流路部21の上流端開口に接続される。同様に、各第2伝熱流路部42の上流端開口は、伝熱部材40に形成される第2共通分配流路部42Aを介して第2側下流流路部32の下流端開口に接続される。各第2伝熱流路部42の下流端開口は、伝熱部材40に形成される第2合流配流路部42Bを介して第2側上流流路部31の上流端開口に接続される。
【0047】
なお、伝熱部材40に形成される流路構成は上述の態様に限られない。例えば、第1共通分配流路部41A及び第1合流配流路部41Bが形成されず、各第1伝熱流路部41が直接的に第1側上流流路部21及び第1側下流流路部22に接続されてもよい。また、第1伝熱流路部41及び第2伝熱流路部42はそれぞれ、単一の流路でもよい。
【0048】
図2は、伝熱部材40及び保持部材50を示している。図1及び図2に示すように、本実施の形態における伝熱部材40は板状である。そして、本実施の形態では、伝熱部材40の一方の主面に凸状に隆起した複数の温度制御部分44が設けられている。複数の温度制御部分44は規則的に配置され、図示の例では一列に並ぶ。温度制御部分44はマトリクス状や、千鳥配列にて配置されてもよい。検査装置T1は、温度制御部分44のそれぞれを検査対象物60に接触させることが可能となっている。これにより、複数の検査対象物60を、それぞれ別の温度制御部分44で温度制御できる。温度制御部分44は隆起しているが、周囲の部分と面一でもよいし、凹んでいてもよい。
【0049】
ここで、本実施の形態では、各第1伝熱流路部41が蛇行状の第1側インタフェース部分46を含む。各第2伝熱流路部42は、蛇行状の第2側インタフェース部分48を含む。そして、複数の第1側インタフェース部分46のいずれかと複数の第2側インタフェース部分48のいずれかとが互いに近接して温調源40Sを形成する。そして、各温調源40S上の伝熱部材40の表面に上記の温度制御部分44が設けられる。温調源40Sは、温度制御部分44の内部に位置する。
【0050】
伝熱部材40は、第1流体通路20からの第1流体及び/又は第2流体通路30からの第2流体によって冷却又は加熱される。そして、互いに近接するペアである第1側インタフェース部分46及び第2側インタフェース部分48が温調源40Sを構成し、この温調源40Sによって伝熱部材40の表面に設けられた温度制御部分44が効率的に冷却又は加熱される。すなわち、第1側インタフェース部分46及び第2側インタフェース部分48では伝熱部材40における所定面積当たりの流体接触時間が長く確保される。これにより、効率的な熱伝達又は吸熱が可能となる。
【0051】
第1側インタフェース部分46及び第2側インタフェース部分48は、伝熱部材40における所定面積当たりの流体接触時間を長く確保できる形状であればよく、例えば渦巻き状、螺旋状、又は流路面積を拡大させる形状等でもよい。伝熱部材40の熱伝導率は高いことが好ましく、伝熱部材40は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属で形成されることが好ましい。
【0052】
なお、本実施の形態では伝熱部材40に第1伝熱流路部41及び第2伝熱流路部42が形成される。ただし、これに代えて、伝熱部材40に、第1流体通路20の一部及び第2流体通路30の一部を収容する空間が形成されてもよい。この場合、伝熱部材40は、第1流体通路20の一部を介して第1流体により温度制御され、第2流体通路30の一部を介して第2流体により温度制御される。
【0053】
保持部材50は、図2に示すように検査対象物60の表面を露出させつつ収容する凹状の複数の収容部51を有する。複数の収容部51の配置パターンは、伝熱部材40における温度制御部分44の配置パターンと同じである。
【0054】
本実施の形態では、検査装置T1が、図3に示すように伝熱部材40の温度制御部分44と保持部材50に保持された検査対象物60とが接触するように、伝熱部材40と保持部材50との相対距離を調整することが可能となっている。伝熱部材40及び保持部材50は、いずれか一方のみが移動可能に構成されてもよいし、両方が移動可能に構成されてもよい。なお、図示しないが、保持部材50には電子部品である検査対象物60に導通するコンタクトピンが設けられている。
【0055】
図1に戻り、コントローラ100は、第1弁機構26及び第2弁機構36を制御できる。具体的には、コントローラ100は、伝熱部材40に第1流体を通流させる際、第1弁機構26が、伝熱部材40における第1流体の通流を許容し、第1バイパス流路24における第1流体の通流を遮断するように、第1弁機構26を制御する。また、この際、コントローラ100は、第2弁機構36が、伝熱部材40における第2流体の通流を遮断し、第2バイパス流路34における第2流体の通流を許容するように第2弁機構36を制御する。一方で、伝熱部材40に第2流体を通流させる際には、コントローラ100は、上述と逆の状態に第1弁機構26及び第2弁機構36を制御する。また、コントローラ100は、伝熱部材40と保持部材50との相対距離を調節でき、モータ17の回転数も調節できる。
【0056】
コントローラ100は、例えばCPU、ROMなどを含むコンピュータで構成されてもよく、この場合、ROMに格納されたプログラムに従い、各種処理を行う。また、コントローラ100は、その他のプロセッサや電気回路(例えばFPGA(Field Programmable Gate Alley)など)で構成されてもよい。
【0057】
以上に説明した本実施の形態に係る検査装置T1は、自然冷媒を用いる冷凍サイクル装置10を用いることで良好な環境性能を確保できる。また、伝熱部材40は、冷凍サイクル装置10によって冷却又は加熱された第1流体及び/又は第2流体によって冷却又は加熱される。そして、伝熱部材40は検査対象物60を温度制御する機械的な構成であるため、良好な耐久性を確保できる。そして、検査装置T1は、単一の冷凍サイクル装置10によって伝熱部材40を冷却も加熱もできる。そのため、装置サイズの大型化を抑制できる。
【0058】
また、本実施の形態では、伝熱部材40に第1流体を通流させる際、第2弁機構36は、伝熱部材40における第2流体の通流を遮断し、第2バイパス流路34における第2流体の通流を許容する。伝熱部材40に第2流体を通流させる際、第1弁機構26は、伝熱部材40における第1流体の通流を遮断し、第1バイパス流路24における第1流体の通流を許容する。これにより、低温での温度制御と高温での温度制御との切り替え時間を抑制できる。
【0059】
また、伝熱部材40において複数の第1伝熱流路部41は、第1側下流流路部22から分岐するように並列に位置する。複数の第2伝熱流路部42は、第2側下流流路部32から分岐するように並列に位置する。これにより、複数の検査対象物60を効率的に温度制御できる。特に自然冷媒の冷凍サイクル装置10は一般に大きい冷凍能力及び加熱能力を確保できる。そのため、本実施の形態によれば、複数の検査対象物60を均一的に十分に冷却又は加熱できることで、信頼性の高い検査を効率的に行うことができる。
【0060】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る検査装置T2について図4を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうちの第1の実施の形態と同様のものには同一の符号を付す。以下では、第1の実施の形態との相違点のみを説明する。
【0061】
第2の実施の形態では伝熱部材40が検査対象物60を保持している。伝熱部材40には、検査対象物60を収容する凹状の複数の収容部兼温度制御部分44’が形成されている。収容部兼温度制御部分44’の周囲の伝熱部材40の内部には、第1伝熱流路部41の第1側インタフェース部分46と第2伝熱流路部42の第2側インタフェース部分48とが位置している。
【0062】
収容部兼温度制御部分44’は、底面に載せたマウント部材49を介して検査対象物60を保持している。マウント部材49は、収容部兼温度制御部分44’の底面及び側面と接する。そして、第1伝熱流路部41の第1側インタフェース部分46と第2伝熱流路部42の第2側インタフェース部分48は、マウント部材49を介して検査対象物60を温度制御するように構成される。また、マウント部材49には、検査対象物60に導通するコンタクトピンが通されている。本実施の形態に係る検査装置T2はハンドラ装置を含む検査装置として構成されてもよいし、プローバを含む検査装置として構成されてもよいし、テスタ等として構成されてもよい。
【0063】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る検査装置T3について図5を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうちの第1及び第2の実施の形態と同様のものには同一の符号を付す。以下では、第1及び第2の実施の形態との相違点のみを説明する。
【0064】
第3の実施の形態では保持部材50が検査対象物60を収容する収容部51を有する。そして、収容部51の周囲における保持部材50の内部に空気又は液体を通流させる流体ジャケット52が形成される。流体ジャケット52は、収容部51で外部に開口し、空気又は液体を収容部51に流入させることができる。本実施の形態では、収容部51がマウント部材49を保持し、マウント部材49と収容部51の底面との間に空間が形成される。そして、当該空間に流体ジャケット52からの空気又は液体が収容部51に流入する。これにより、流体ジャケット52からの空気又は液体がマウント部材49を介して検査対象物60を冷却又は加熱する。
【0065】
一方で、伝熱部材40は、流体ジャケット52を通流する空気又は液体を温度制御する流体ジャケット52上で保持部材50に接している。伝熱部材40は、第1伝熱流路部41及び/又は第2伝熱流路部42により流体ジャケット52を通流する空気又は液体を冷却又は加熱する。本実施の形態に係る検査装置T3はハンドラ装置を含む検査装置として構成されてもよいし、プローバを含む検査装置として構成されてもよいし、テスタ等として構成されてもよい。
【0066】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係る検査装置T4について図6を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第3の実施の形態と同様のものには同一の符号を付す。以下では、第1乃至第3の実施の形態との相違点のみを説明する。
【0067】
第3の実施の形態では、伝熱部材40が保持部材50に接し、保持部材50の保持された検査対象物60を保持部材50を介して温度制御する。伝熱部材40の構成は、第1の実施の形態と同様である。そして、検査装置T4は、検査対象物60に接触されるプローブ70を保持した可動プローブ台71を備えている。
【0068】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限られるものではなく、上述の実施の形態には種々の変更を加えることができる。例えば上述の実施の形態では、第1流体通路20及び第2流体通路30が共通の伝熱部材40に接続されている。これに代えて、互いに分離した第1伝熱部材と第2伝熱部材とが用いられてもよい。この場合、第1伝熱部材は、第1流体通路20の第1側下流流路部22から流出する第1流体を受け入れて通流させた後、第1側上流流路部21に流出させる。第2伝熱部材は、第2流体通路30の第2側下流流路部32から流出する第2流体を受け入れて通流させた後、第2側上流流路部31に流出させる。この場合、温度制御対象は、第1伝熱部材又は第2伝熱部材を介して温度制御される。
【符号の説明】
【0069】
T1, T2,T3,T4…検査装置
1…温度制御装置
10…冷凍サイクル装置
11…圧縮機
12…第1熱交換器
14…膨張機
15…第2熱交換器
16…冷媒循環路
17…モータ
17A…駆動軸
20…第1流体通路
21…第1側上流流路部
22…第1側下流流路部
24…第1バイパス流路
26…第1弁機構
27…第1側三方弁
28…第1側逆止弁
30…第2流体通路
31…第2側上流流路部
32…第2側下流流路部
34…第2バイパス流路
36…第2弁機構
37…第2側三方弁
38…第2側逆止弁
40…伝熱部材
40S…温調源
41…第1伝熱流路部
42…第2伝熱流路部
44…温度制御部分
46…第1側インタフェース部分
48…第2側インタフェース部分
50…保持部材
60…検査対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6