(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060173
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】サニタリーボックス
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20240424BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20240424BHJP
B65F 1/14 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A47K17/00
B65F1/00 E
B65F1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167354
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000133928
【氏名又は名称】株式会社テラモト
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】井上 歌詠
【テーマコード(参考)】
2D037
3E023
【Fターム(参考)】
2D037EB00
2D037EB02
3E023AA03
3E023LA05
3E023MC02
(57)【要約】
【課題】便利で使い勝手の良いサニタリーボックスを提供する。
【解決手段】サニタリーボックスA1は、底壁部11と、底壁部11の周縁から上方に延びる第1筒部12,21と、第1筒部21の上端から上方に延びる第2筒部22,32と、第2筒部32の上端に配置された天井壁部31と、底壁部11、第1筒部12,21で囲まれた第1空間S1と、第2筒部22,32、天井壁部31で囲まれた第2空間S2とを区画する中間壁部23と、を備える。第1筒部21は鉛直方向zと直交する第1方向の一方側に位置する第1前壁部211を含み、第2筒部22は前記第1方向の一方側に位置する第2前壁部221を含む。第1前壁部211は、第1空間S1へ廃棄物を投入するための投入用開口214を有し、第2前壁部221は、前記第1方向に見て中間壁部23に接し、且つ第2空間S2に収納される生理用品Gを取出すための取出し用開口224を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部と、
前記底壁部の周縁から上方に延びる第1筒部と、
前記第1筒部の上端から上方に延びる第2筒部と、
前記第2筒部の上端に配置された天井壁部と、
前記底壁部および前記第1筒部で囲まれた第1空間と、前記第2筒部および前記天井壁部で囲まれた第2空間とを区画する中間壁部と、を備え、
前記第1筒部は、鉛直方向と直交する第1方向の一方側に位置する第1前壁部を含み、
前記第2筒部は、前記第1方向の一方側に位置する第2前壁部を含み、
前記第1前壁部は、前記第1空間へ廃棄物を投入するための投入用開口を有し、
前記第2前壁部は、前記第1方向に見て前記中間壁部に接し、且つ前記第2空間に収納される生理用品を取出すための取出し用開口を有する、サニタリーボックス。
【請求項2】
前記第2空間に配置され、当該第2空間を前記鉛直方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向において複数に区画する少なくとも1つの縦壁部をさらに備える、請求項1に記載のサニタリーボックス。
【請求項3】
前記取出し用開口は、前記第1方向に見て、前記少なくとも1つの前記縦壁部により仕切られ、且つ前記第2方向に並ぶ複数の個別開口領域を有し、
前記複数の個別開口領域の各々の上縁は、前記第2方向の両端よりも前記第2方向の中央が高い位置にある、請求項2に記載のサニタリーボックス。
【請求項4】
前記底壁部および前記第1筒部を少なくとも含んで構成された下部収容体と、
前記下部収容体に着脱可能に取り付けられ、前記中間壁部、および前記第2筒部を少なくとも含んで構成された上部収容体と、
前記上部収容体に着脱可能に取り付けられ、前記天井壁部を少なくとも含んで構成された蓋体と、を備える、請求項1ないし3のいずれかに記載のサニタリーボックス。
【請求項5】
前記上部収容体は、前記中間壁部から下方に延び、且つ前記第1筒部の一部分を構成する上部収容体側第1筒部を有し、
前記下部収容体は、前記上部収容体側第1筒部と嵌め合わせ可能であり、前記第1筒部の一部分を構成する下部収容体側第1筒部を有する、請求項4に記載のサニタリーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に女性用トイレに設置されるサニタリーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、女性用トイレにサニタリーボックスが設置され、当該サニタリーボックスは、使用済みの生理用品(たとえば生理用ナプキン等)を廃棄するのに用いられる。サニタリーボックスは、一般的に、箱状容器に投入口が設けられた構成であり、当該投入口から廃棄物を箱状容器内に投入できるようになっている(たとえば、特許文献1を参照)。サニタリーボックスの使用時には、箱状容器内に廃棄物収集用のごみ袋を装着しておく。箱状容器には、ごみ袋を装着し、あるいは廃棄物が収集されたごみ袋を取出すための開閉構造が設けられている。
【0003】
しかしながら、上記従来のサニタリーボックスにおいては、使用済み生理用品等の収集は出来る一方、交換用の生理用品の持ち合わせが無い場合などは不便であり、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、便利で使い勝手の良いサニタリーボックスを提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供されるサニタリーボックスは、底壁部と、前記底壁部の周縁から上方に延びる第1筒部と、前記第1筒部の上端から上方に延びる第2筒部と、前記第2筒部の上端に配置された天井壁部と、前記底壁部および前記第1筒部で囲まれた第1空間と、前記第2筒部および前記天井壁部で囲まれた第2空間とを区画する中間壁部と、を備え、前記第1筒部は、鉛直方向と直交する第1方向の一方側に位置する第1前壁部を含み、前記第2筒部は、前記第1方向の一方側に位置する第2前壁部を含み、前記第1前壁部は、前記第1空間へ廃棄物を投入するための投入用開口を有し、前記第2前壁部は、前記第1方向に見て前記中間壁部に接し、且つ前記第2空間に収納される生理用品を取出すための取出し用開口を有する。
【0008】
好ましい実施の形態においては、前記第2空間に配置され、当該第2空間を前記鉛直方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向において複数に区画する少なくとも1つの縦壁部をさらに備える。
【0009】
好ましい実施の形態においては、前記取出し用開口は、前記第1方向に見て、前記少なくとも1つの前記縦壁部により仕切られ、且つ前記第2方向に並ぶ複数の個別開口領域を有し、前記複数の個別開口領域の各々の上縁は、前記第2方向の両端よりも前記第2方向の中央が高い位置にある。
【0010】
好ましい実施の形態においては、前記底壁部および前記第1筒部を少なくとも含んで構成された下部収容体と、前記下部収容体に着脱可能に取り付けられ、前記中間壁部、および前記第2筒部を少なくとも含んで構成された上部収容体と、前記上部収容体に着脱可能に取り付けられ、前記天井壁部を少なくとも含んで構成された蓋体と、を備える。
【0011】
好ましい実施の形態においては、前記上部収容体は、前記中間壁部から下方に延び、且つ前記第1筒部の一部分を構成する上部収容体側第1筒部を有し、前記下部収容体は、前記上部収容体側第1筒部と嵌め合わせ可能であり、前記第1筒部の一部分を構成する下部収容体側第1筒部を有する。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るサニタリーボックの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すサニタリーボックスの正面図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】
図2のIV-IV線に沿う部分断面図である。
【
図6】
図1に示すサニタリーボックの分解斜視図である。
【
図7】
図1に示すサニタリーボックスの作用を説明するための
図4と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。以下の説明における「第1」、「第2」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
図1~
図6は、本発明に係るサニタリーボックスの一例を示す。本実施形態のサニタリーボックスA1は、下部収容体1、上部収容体2および蓋体3を備えている。サニタリーボックスA1は、たとえば女性用トイレに設置して使用されるものでる。
【0016】
なお、サニタリーボックスA1の説明において、
図1における図中上下方向は、本発明の「鉛直方向」の一例であり、「鉛直方向z」と呼ぶ。
図3において鉛直方向zに対して直交する水平方向(図中左右方向)は、本発明の「第1方向」の一例であり、「第1方向x」と呼ぶ。鉛直方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向は、本発明の「第2方向」の一例であり、「第2方向y」と呼ぶ。また、サニタリーボックスA1の説明においては、便宜上、
図1において図中上側を「鉛直方向一方側z1」と呼び、図中下側を「鉛直方向他方側z2」と呼ぶ。
図1、
図3等において、第1方向xの一方側(
図3における図中左側)を「第1方向一方側x1」と呼び、第1方向xの他方側(
図3における図中右側)を「第1方向他方側x2」と呼ぶ。
図1、
図2等において、第2方向yの一方側(
図2における図中右側)を「第2方向一方側y1」と呼び、第2方向yの他方側(
図2における図中左側)を「第2方向他方側y2」と呼ぶ。なお、本発明に係るサニタリーボックスA1の説明において、「ある面Aが方向B(の一方側または他方側)を向く」とは、面Aの方向Bに対する角度が90°である場合に限定されず、面Aが方向Bに対して傾いている場合を含む。
【0017】
図1~
図3、
図5、
図6に示すように、下部収容体1は、たとえばトイレの床面等に載置される部分であり、サニタリーボックスA1において鉛直方向一方側z1に位置する。下部収容体1は、底壁部11および下部収容体側第1筒部12を含む。底壁部11は、平板状とされており、鉛直方向zを向いている。下部収容体側第1筒部12は、底壁部11の周縁から上方(鉛直方向一方側z1)に延びている。
図3、
図5、
図6から理解されるように、下部収容体側第1筒部12は、横断面が第2方向yを長手方向とする略長矩形状の筒状であり、鉛直方向zに略沿って延びている。下部収容体側第1筒部12は、前壁部121、後壁部122および一対の側壁部123を有する、前壁部121および後壁部122は、第1方向xにおいて離隔し、各々が第1方向xを向く。前壁部121は第1方向一方側x1に位置し、後壁部122は第1方向他方側x2に位置する。一対の側壁部123は、第2方向yにおいて離隔し、各々が第2方向yを向く。一対の側壁部123は、第2方向一方側y1および第2方向他方側y2に位置する。一対の側壁部123の各々において、鉛直方向一方側z1寄りの外面には、第2方向yの外方に突出する係止突起123aが設けられている。下部収容体側第1筒部12は、本発明の「第1筒部」の一部分を構成する。上記構成の下部収容体1は、有底筒状であり、上端が開口している。下部収容体1の内部には、たとえば廃棄物収集用のごみ袋が装着される。
【0018】
図1~
図6に示すように、上部収容体2は、上部収容体側第1筒部21、上部収容体側第2筒部22、中間壁部23、縦壁部24および傾斜ガイド部25を含む。
図3、
図5、
図6から理解されるように、上部収容体側第1筒部21は、横断面が第2方向yを長手方向とする略長矩形状の筒状であり、鉛直方向zに略沿って延びている。上部収容体側第1筒部21は、第1前壁部211、後壁部212および一対の側壁部213を有する、第1前壁部211および後壁部212は、第1方向xにおいて離隔し、各々が第1方向xを向く。第1前壁部211は第1方向一方側x1に位置し、後壁部212は、第1方向他方側x2に位置する。一対の側壁部213は、第2方向yにおいて離隔し、各々が第2方向yを向く。一対の側壁部213は、第2方向一方側y1および第2方向他方側y2に位置する。
【0019】
図3、
図5に表れているように、上部収容体側第1筒部21は、下部収容体1の下部収容体側第1筒部12と嵌め合わせ可能である。図示した例では、上部収容体側第1筒部21は、下部収容体側第1筒部12の上部に外嵌されており、上部収容体側第1筒部21の下端が係止突起123aに係止されることで、下部収容体側第1筒部12に対する上部収容体側第1筒部21の嵌め合い深さが一定寸法となる。この上部収容体側第1筒部21は、本発明の「第1筒部」の一部分を構成する。
【0020】
図3、
図5、
図6から理解されるように、上部収容体側第2筒部22は、横断面が第2方向yを長手方向とする略長矩形状の筒状であり、鉛直方向zに略沿って延びている。上部収容体側第2筒部22は、上部収容体側第1筒部21の上端につながっている。上部収容体側第2筒部22は、第2前壁部221、後壁部222および一対の側壁部223を有する。第2前壁部221および後壁部222は、第1方向xにおいて離隔し、各々が第1方向xを向く。第2前壁部221は第1方向一方側x1に位置し、後壁部222は、第1方向他方側x2に位置する。一対の側壁部223は、第2方向yにおいて離隔し、各々が第2方向yを向く。一対の側壁部223は、第2方向一方側y1および第2方向他方側y2に位置する。上部収容体側第2筒部22は、本発明の「第2筒部」の一部分を構成する。
【0021】
中間壁部23は、
図2、
図3に表れているように、鉛直方向zにおいて上部収容体側第1筒部21および上部収容体側第2筒部22の境界部に位置する。中間壁部23は、底壁部11、下部収容体側第1筒部12(第1筒部)および上部収容体側第1筒部21(第1筒部)で囲まれた第1空間S1と、上部収容体側第2筒部22(第2筒部)および蓋体3で囲まれた第2空間S2と、を区画する。図示した例では、中間壁部23は、上部収容体側第1筒部21および上部収容体側第2筒部22の境界部を塞いでいる。
【0022】
なお、図示した例と異なり、中間壁部23は、上部収容体側第1筒部21および上部収容体側第2筒部22の境界部を塞いでいなくてもよく、種々の形状を採用し得る。中間壁部23は、後述の生理用品Gを落下すること無く支持できればよく、たとえば第1空間S1と第2空間S2とに通じる開口が適所に設けられてもよい。また、中間壁部23は、たとえば格子状などの空隙が多い構成としてもよい。
【0023】
図1~
図3、
図5、
図6に示すように、上部収容体側第1筒部21(第1前壁部211)は、投入用開口214を有する。投入用開口214は、第1方向xに見て、第2方向yを長手方向とする略長矩形状である。サニタリーボックスA1内部の第1空間S1に通じており、当該第1空間S1に廃棄物を投入することが可能とされている。
図1、
図3、
図5に示すように、図示した例では、上部収容体側第1筒部21(第1前壁部211)は、ガイド片215を有する。ガイド片215は、投入用開口214の下端から第1空間S1に進入しており、第1方向他方側x2に向かうにつれて鉛直方向他方側z2に位置する傾斜板である。
【0024】
図1~
図6に示すように、上部収容体側第2筒部22(第2前壁部221)は、取出し用開口224を有する。取出し用開口224は、第1方向xに見て第2方向yに延びており、適宜湾曲した形状とされている。取出し用開口224は、第2前壁部221の下端部に形成されており、
図2、
図3から理解されるように、第1方向xに見て中間壁部23に接している。
図5から理解されるように、取出し用開口224は、第2空間S2において中間壁部23に支持された生理用品Gを取出すことが可能とされている。取出し用開口224の詳細については後述する。
【0025】
図2~
図6に示すように、縦壁部24は、第2空間S2に配置されており、本実施形態では、第2方向yにおいて一対の側壁部223の間の中央に配置されている。縦壁部24は、鉛直方向zおよび第1方向xがなす面内に沿って延びており、当該縦壁部24を挟んで第2空間S2を第2方向yにおいて複数(本実施形態では2つ)に区画している。
図5に示すように、縦壁部24によって複数に区画された各領域において、中間壁部23の上に生理用ナプキンなどの生理用品G(図面中において生理用品Gを想像線で表す)を積層して収納することが可能である。
【0026】
図3、
図4に示すように、図示した例では、縦壁部24は、第1方向xにおいて互いに離隔する前方縦壁241および後方縦壁242を含む。前方縦壁241は、第2前壁部221および中間壁部23につながり、後方縦壁242は、後壁部222および中間壁部23につながる。なお、縦壁部24は、図示した例と異なり、第2前壁部221および後壁部222の双方につながるように第1方向xに一連に延びるように構成してもよい。また、縦壁部24は、第2前壁部221および後壁部222のいずれにもつながらず、中間壁部23の第1方向xの中間から鉛直方向zに延びるように構成してもよい。
【0027】
取出し用開口224は、第2空間S2に収納された生理用品Gを取出すために設けられている。取出し用開口224は、第2空間S2に
図2、
図5に示すように、第1方向xに見て、縦壁部24により仕切られた複数(本実施形態では2つ)の個別開口領域225を有する。各個別開口領域225の下縁は、中間壁部23の上面に沿っている。その一方、各個別開口領域225の上縁225aは、なめらかに湾曲しており、第2方向yの位置に応じて鉛直方向zの位置が適宜異ならせられている。具体的には、各個別開口領域225の上縁225aは、第2方向yの両端よりも第2方向yの中央が高い位置(鉛直方向一方側z1寄りの位置)にある。
図5に表れているように、各個別開口領域225の両端および中央における高さ方向(鉛直方向z)の寸法は、1つの生理用品Gの高さ方向寸法よりも大きく、且つ積層された2つの生理用品Gの高さ方向寸法よりも小さく設定される。
【0028】
傾斜ガイド部25は、
図2、
図3等に示すように、中間壁部23の第1方向一方側x1端および第1前壁部211の双方につながっている。傾斜ガイド部25は、第1方向一方側x1に向かうにつれて鉛直方向他方側z2に位置するように傾斜している。
【0029】
図1~
図6に示すように、本実施形態において、蓋体3は、天井壁部31および蓋体側第2筒部32を含む。
図3、
図5、
図6から理解されるように、蓋体側第2筒部32は、横断面が第2方向yを長手方向とする略長矩形状の筒状である。天井壁部31は、蓋体側第2筒部32の上端につながる。図示した例では、天井壁部31は、蓋体側第2筒部32の上端を塞いでいる。なお、図示した例と異なり、天井壁部31は、蓋体側第2筒部32の上端を塞いでいなくてもよく、たとえば開口が適所に設けられた構成でもよい。
【0030】
図3~
図5に示すように、蓋体側第2筒部32は、上部収容体2の上部収容体側第2筒部22と嵌め合わせ可能である。図示した例では、蓋体側第2筒部32は、上部収容体側第2筒部22の上端部に外嵌されている。この蓋体側第2筒部32は、本発明の「第2筒部」の一部分を構成する。
【0031】
下部収容体1および蓋体3の各々は、たとえば所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されている。上部収容体2は、第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に位置する2つの部材が互いに連結された構成である。上部収容体2を構成する当該2つの部材の各々は、たとえば所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されている。
【0032】
上部収容体2の上部収容体側第1筒部21は、上述のように、下部収容体1の下部収容体側第1筒部12と嵌め合わせ可能である。これにより、上部収容体2は、下部収容体1に着脱可能に取り付けられる。また、蓋体3の蓋体側第2筒部32は、上述のように、上部収容体2の上部収容体側第2筒部22と嵌め合わせ可能である。これにより、蓋体3は、上部収容体2に着脱可能に取り付けられる。
【0033】
次に、サニタリーボックスA1の作用について説明する。
【0034】
サニタリーボックスA1は、たとえば女性用トイレに設置して使用される。本実施形態のサニタリーボックスA1は、底壁部11と、底壁部11の周縁から上方に延びる下部収容体側第1筒部12(第1筒部)および上部収容体側第1筒部21(第1筒部)と、上部収容体側第2筒部22(第2筒部)および蓋体側第2筒部32(第2筒部)と、天井壁部31と、中間壁部23と、を備える。上部収容体側第2筒部22および蓋体側第2筒部32は、上部収容体側第1筒部21の上端から上方に延びており、天井壁部31は、蓋体側第2筒部32の上端に配置される。中間壁部23は、底壁部11、下部収容体側第1筒部12および上部収容体側第1筒部21で囲まれた第1空間S1と、上部収容体側第2筒部22、蓋体側第2筒部32および天井壁部31で囲まれた第2空間S2を区画している。上部収容体側第1筒部21において第1方向一方側x1に位置する第1前壁部211は、第1空間S1へ廃棄物を投入するための投入用開口214を有する。上部収容体側第2筒部22において第1方向一方側x1に位置する第2前壁部221は、取出し用開口224を有する。取出し用開口224は、第1方向xに見て中間壁部23に接しており、第2空間S2に収納される生理用品Gを取出し可能である。
【0035】
このような構成によれば、第2空間S2における中間壁部23の上に生理用品Gを収納しておくことで、投入用開口214を通じて第1空間S1に廃棄物(使用済みの生理用品など)を収集するとともに、第2空間S2に収納された生理用品Gを取出し用開口224を通じて取出すことができる。これにより、交換用の生理用品の持ち合わせが無い場合においても、その場で新しい生理用品Gを取出し用開口224から取出して利用することができるので、便利で使い勝手が良い。
【0036】
サニタリーボックスA1は、第2空間S2に配置された縦壁部24を備える。縦壁部24は、第2方向yにおいて第2空間S2を複数に区画している。このような構成によれば、縦壁部24によって区画された複数の領域の各々において、中間壁部23の上に複数の生理用品Gを積層して収納することが可能である(
図5参照)。したがって、第2空間S2に収納可能な生理用品Gの数量を効率よく増やすことができる。そして、中間壁部23の上に積層された複数の生理用品Gは、取出し用開口224から取出して1つずつ使用することができる。
【0037】
取出し用開口224は、第1方向xに見て、縦壁部24により仕切られた複数の個別開口領域225を有する。複数の個別開口領域225の各々上縁225aは、第2方向yの両端よりも第2方向yの中央が高い位置にある。このような構成によれば、たとえば
図7から理解されるように、生理用品Gを取出す際に、個別開口領域225の第2方向yにおおける中央から指Fを入れて生理用品Gを摘むことで、取出し用開口224を通じて第1方向一方側x1(図中の矢印N1)に生理用品Gをスムーズに取出すことができる。ここで、上述のように、各個別開口領域225の両端および中央における高さ方向(鉛直方向z)の寸法は、1つの生理用品Gの高さ方向寸法よりも大きく、積層された2つの生理用品Gの高さ方向寸法よりも小さく設定される。これにより、生理用品Gを取出す際、個別開口領域225(取出し用開口224)を通じて2つ以上の生理用品Gが出てくることはなく、積層された複数の生理用品Gのうち、個別開口領域225に臨む最も下にある1つの生理用品Gだけを取出すことができる。その後、取出した生理用品Gの上に積層されていた残りの生理用品Gが鉛直方向他方側z2(図中の矢印N2)に落下して中間壁部23上に支持され、順次、個別開口領域225(取出し用開口224)から生理用品Gを1つずつ取出すことが可能である。
【0038】
サニタリーボックスA1は、傾斜ガイド部25を備える。傾斜ガイド部25は、中間壁部23の第1方向一方側x1端および第1前壁部211の双方につながり、第1方向一方側x1に向かうにつれて鉛直方向他方側z2に位置するように傾斜している。このような傾斜ガイド部25を具備することにより、取出し用開口224を通じて生理用品Gを取出す際、
図7に表れているように、傾斜ガイド部25に沿って指Fを入れて生理用品Gを摘むことができるので、生理用品Gが取出し易くなる。
【0039】
サニタリーボックスA1は、ガイド片215を備える。ガイド片215は、投入用開口214の下端から第1空間S1に進入しており、第1方向他方側x2に向かうにつれて鉛直方向他方側z2に位置するように傾斜している。このようなガイド片215を具備することにより、廃棄物を投入用開口214から投入しやすくなる。また、ガイド片215が設けられることにより、投入用開口214を通じて第1空間S1に収集された廃棄物は、外から見えにくくなる。さらに、第1空間S1に収集された廃棄物の臭気が投入用開口214側に上がってくることを抑制できる。
【0040】
サニタリーボックスA1は、下部収容体1、上部収容体2および蓋体3を備える。下部収容体1は、底壁部11および下部収容体側第1筒部12(第1筒部)を少なくとも含んで構成される。上部収容体2は、中間壁部23および上部収容体側第2筒部22(第2筒部)を少なくとも含んで構成されており、下部収容体1に着脱可能に取り付けられる。蓋体3は、天井壁部31を少なくとも含んで構成されており、上部収容体2に着脱可能に取り付けられる。 このような構成によれば、第1空間S1に収集された廃棄物を回収する際、上部収容体2を下部収容体1から取り外すことで、第1空間S1に収集された廃棄物を容易に回収することができる。また、蓋体3を上部収容体2から取り外すことで、第2空間S2に生理用品Gを容易に補充することができる。このようなサニタリーボックスA1は、メンテナンスが容易であり、使い勝手が良い。
【0041】
上記実施形態においては、上部収容体2は、上部収容体側第1筒部21を有する。上部収容体側第1筒部21は、中間壁部23から下方に延びており、下部収容体1の下部収容体側第1筒部12と嵌め合わせ可能である。このような構成によれば、上部収容体2を下部収容体1に取り付けた際、下部収容体側第1筒部12に上部収容体側第1筒部21が嵌め合わされており、下部収容体1に対する上部収容体2の取り付け状態が安定する。
【0042】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係るサニタリーボックスの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0043】
上記実施形態では、下部収容体1が下部収容体側第1筒部12(第1筒部)を含むとともに、上部収容体2が上部収容体側第1筒部21(第1筒部)を含む構成とされていたが、本発明に係るサニタリーボックスの構成はこれに限定されない。たとえば下部収容体1のみが第1筒部(12)を含み、上部収容体2が第1筒部(21)を含まない構成としてもよい。この場合、上部収容体2は、第2筒部(22)および当該第2筒部の下端に配置された中間壁部(23)を含み、下部収容体1の第1筒部(12)の上端に上部収容体2の第2筒部(22)の下端が取り付けられる。
【符号の説明】
【0044】
A1 :サニタリーボックス
1 :下部収容体
11 :底壁部
12 :下部収容体側第1筒部(第1筒部)
121 :前壁部
122 :後壁部
123 :側壁部
123a:係止突起
2 :上部収容体
21 :上部収容体側第1筒部(第1筒部)
211 :第1前壁部
212 :後壁部
213 :側壁部
214 :投入用開口
215 :ガイド片
22 :上部収容体側第2筒部(第2筒部)
221 :第2前壁部
222 :後壁部
223 :側壁部
224 :取出し用開口
225 :個別開口領域
225a:上縁(個別開口領域の上縁)
23 :中間壁部
24 :縦壁部
241 :前方縦壁
242 :後方縦壁
25 :傾斜ガイド部
3 :蓋体
31 :天井壁部
32 :蓋体側第2筒部(第2筒部)
F :指
G :生理用品
N1,N2:矢印
S1 :第1空間
S2 :第2空間
x :第1方向
x1 :第1方向一方側
x2 :第1方向他方側
y :第2方向
y1 :第2方向一方側
y2 :第2方向他方側
z :鉛直方向
z1 :鉛直方向一方側
z2 :鉛直方向他方側