(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000602
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20231226BHJP
E03D 9/08 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
E03D9/00 A
E03D9/00 B
E03D9/08 L
E03D9/08 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099359
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】西江 良太
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038BC01
2D038CA01
2D038JA05
2D038JC15
2D038JF03
2D038JH00
2D038KA03
(57)【要約】
【課題】使い勝手の低下を抑制しつつ、複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できるトイレ装置を提供する。
【解決手段】作動時に作動音が発生する作動音発生機能部と、スピーカーから機能音を出力する音出力機能部と、前記作動音発生機能部への電力の供給を制御する作動音発生駆動部と、前記音出力機能部への電力の供給を制御する音出力駆動部と、が集積された集積回路と、前記集積回路を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記作動音発生機能部が作動していないとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を第1値にし、前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動時に作動音が発生する作動音発生機能部と、
スピーカーから機能音を出力する音出力機能部と、
前記作動音発生機能部への電力の供給を制御する作動音発生駆動部と、前記音出力機能部への電力の供給を制御する音出力駆動部と、が集積された集積回路と、
前記集積回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記作動音発生機能部が作動していないとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を第1値にし、
前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記作動音発生駆動部から前記作動音発生機能部への電力の供給量が閾値以上のとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第2値にし、
前記作動音発生駆動部から前記作動音発生機能部への電力の供給量が0を超え前記閾値未満のとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第2値よりも大きく前記第1値よりも小さい第3値にする、請求項1記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給を停止する、請求項1記載のトイレ装置。
【請求項4】
人体局部に向けて水を吐出するノズルをさらに備え、
前記作動音発生機能部は、前記ノズルからの水の吐出を制御する流量調整部を含み、
前記作動音発生駆動部は、前記流量調整部への電力の供給を制御する流量調整駆動部を含み、
前記流量調整部は、前記流量調整駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルからの水の吐出の制御を行う、請求項1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記作動音発生機能部は、吸引した空気を脱臭する脱臭ユニットを含み、
前記作動音発生駆動部は、前記脱臭ユニットへの電力の供給を制御する脱臭駆動部を含み、
前記脱臭ユニットは、前記脱臭駆動部からの電力の供給に基づいて、脱臭を行う、請求項1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記作動音発生機能部は、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニットを含み、
前記作動音発生駆動部は、前記局部乾燥ユニットへの電力の供給を制御する局部乾燥駆動部を含み、
前記局部乾燥ユニットは、前記局部乾燥駆動部からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う、請求項1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記作動音発生機能部は、人体局部に向けて水を吐出するノズルを進退させるノズルモータを含み、
前記作動音発生駆動部は、前記ノズルモータへの電力の供給を制御するノズルモータ駆動部を含み、
前記ノズルモータは、前記ノズルモータ駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルの進退を行う、請求項1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項8】
使用者の便座への着座を検知する着座検知センサと、
前記使用者が着座した状態で使用される着座使用機能部と、
前記使用者が着座した状態で前記使用者の後方に位置し、視覚的な情報を表示する表示機能部と、
前記着座使用機能部への電力の供給を制御する着座使用駆動部と、前記表示機能部への電力の供給を制御する表示駆動部と、が集積された集積回路と、
前記集積回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記着座使用機能部が作動していないとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給量を第1値にし、
前記着座使用機能部が作動しているとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記着座使用機能部が作動しているとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給を停止する、請求項8記載のトイレ装置。
【請求項10】
人体局部に向けて水を吐出するノズルをさらに備え、
前記着座使用機能部は、前記ノズルからの水の吐出を制御する流量調整部を含み、
前記着座使用駆動部は、前記流量調整部への電力の供給を制御する流量調整駆動部を含み、
前記流量調整部は、前記流量調整駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルからの水の吐出の制御を行う、請求項8または9に記載のトイレ装置。
【請求項11】
前記着座使用機能部は、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニットを含み、
前記着座使用駆動部は、前記局部乾燥ユニットへの電力の供給を制御する局部乾燥駆動部を含み、
前記局部乾燥ユニットは、前記局部乾燥駆動部からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う、請求項8または9に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トイレ装置は多機能化しており、それぞれの機能を作動させる駆動回路が設けられている。多機能化により設けられる駆動回路が増えると、トイレ装置の大型化やコストアップが生じることがある。これに対して、回路を集積回路(IC)として集約化する方法がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方で、駆動回路を集約化すると、集約化された複数の駆動回路を同時に駆動させた際に、駆動回路から発する熱が集約化されることで集積回路において高温が生じ、集積回路が故障したり、集積回路の端子部において半田クラックが生じたりするなどの不具合が生じるおそれがある。
【0004】
この問題を解決する手段として、集積回路のサイズを大きくしたり、集積回路の半田を接続する部分を大きくしたりすることが考えられる。しかし、このような手段では、トイレ装置の大型化やコストアップが生じるという問題がある。
【0005】
また、別の手段として、集積回路において高温が生じるのを抑制するために、集約化された駆動回路が同時に駆動することを禁止することが考えられる。しかし、トイレ装置の主要な機能(例えば、ノズルからの吐水機能、流量調整機能、脱臭機能など)は、同時に作動させる可能性があるため、これらの機能を作動させる駆動回路を集約化した集積回路において、駆動回路が同時に駆動することを禁止すると、使い勝手が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、使い勝手の低下を抑制しつつ、複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、作動時に作動音が発生する作動音発生機能部と、スピーカーから機能音を出力する音出力機能部と、前記作動音発生機能部への電力の供給を制御する作動音発生駆動部と、前記音出力機能部への電力の供給を制御する音出力駆動部と、が集積された集積回路と、前記集積回路を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記作動音発生機能部が作動していないとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を第1値にし、前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置である。
【0009】
作動音発生機能部が作動しているときには、作動音が発生しているため、音出力機能部から出力される機能音が聞こえにくい。そのため、作動音発生機能部が作動しているときには、機能音の音量を小さくしたり、機能音の出力を停止したりしても、使用者の使い勝手が低下しにくい。このトイレ装置によれば、作動音発生機能部が作動しているときには、作動音発生機能部が作動していないときよりも、音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給量を小さくすることで、作動音発生機能部が作動しているときの音出力駆動部における発熱を抑制できる。これにより、使い勝手の低下を抑制しつつ、音出力機能部と作動音発生機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記作動音発生駆動部から前記作動音発生機能部への電力の供給量が閾値以上のとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第2値にし、前記作動音発生駆動部から前記作動音発生機能部への電力の供給量が0を超え前記閾値未満のとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第2値よりも大きく前記第1値よりも小さい第3値にする、トイレ装置である。
【0011】
このトイレ装置によれば、作動音発生機能部が消費電力の小さいモードで作動しているときには、作動音発生機能部が消費電力の大きいモードで作動しているときよりも、音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給量を大きくすることで、作動音発生機能部のモードに合わせて、音出力駆動部における発熱をより適切に抑制できる。これにより、使い勝手の低下をより確実に抑制できる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給を停止する、トイレ装置である。
【0013】
このトイレ装置によれば、作動音発生機能部が作動しているときには、音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給を停止することで、作動音発生機能部が作動しているときの音出力駆動部における発熱をより確実に抑制できる。これにより、音出力機能部と作動音発生機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることをより確実に抑制できる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、人体局部に向けて水を吐出するノズルをさらに備え、前記作動音発生機能部は、前記ノズルからの水の吐出を制御する流量調整部を含み、前記作動音発生駆動部は、前記流量調整部への電力の供給を制御する流量調整駆動部を含み、前記流量調整部は、前記流量調整駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルからの水の吐出の制御を行う、トイレ装置である。
【0015】
作動音発生機能部が流量調整部を含む場合には、作動音発生機能部の作動時に水の吐出音や着水音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部が作動しているときに音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部が流量調整部を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部と作動音発生機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0016】
第5の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記作動音発生機能部は、吸引した空気を脱臭する脱臭ユニットを含み、前記作動音発生駆動部は、前記脱臭ユニットへの電力の供給を制御する脱臭駆動部を含み、前記脱臭ユニットは、前記脱臭駆動部からの電力の供給に基づいて、脱臭を行う、トイレ装置である。
【0017】
作動音発生機能部が脱臭ユニットを含む場合には、作動音発生機能部の作動時に脱臭ファンの駆動音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部が作動しているときに音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部が脱臭ユニットを含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部と作動音発生機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0018】
第6の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記作動音発生機能部は、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニットを含み、前記作動音発生駆動部は、前記局部乾燥ユニットへの電力の供給を制御する局部乾燥駆動部を含み、前記局部乾燥ユニットは、前記局部乾燥駆動部からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う、トイレ装置である。
【0019】
作動音発生機能部が局部乾燥ユニットを含む場合には、作動音発生機能部の作動時に乾燥ファンの駆動音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部が作動しているときに音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部が局部乾燥ユニットを含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部と作動音発生機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0020】
第7の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記作動音発生機能部は、人体局部に向けて水を吐出するノズルを進退させるノズルモータを含み、前記作動音発生駆動部は、前記ノズルモータへの電力の供給を制御するノズルモータ駆動部を含み、前記ノズルモータは、前記ノズルモータ駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルの進退を行う、トイレ装置である。
【0021】
作動音発生機能部がノズルモータを含む場合には、作動音発生機能部の作動時にノズルモータの駆動音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部が作動しているときに音出力駆動部から音出力機能部への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部がノズルモータを含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部と作動音発生機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0022】
第8の発明は、使用者の便座への着座を検知する着座検知センサと、前記使用者が着座した状態で使用される着座使用機能部と、前記使用者が着座した状態で前記使用者の後方に位置し、視覚的な情報を表示する表示機能部と、前記着座使用機能部への電力の供給を制御する着座使用駆動部と、前記表示機能部への電力の供給を制御する表示駆動部と、が集積された集積回路と、前記集積回路を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記着座使用機能部が作動していないとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給量を第1値にし、前記着座使用機能部が作動しているとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置である。
【0023】
着座使用機能部が作動しているときには、使用者が便座に着座しているため、使用者の後方に位置する表示機能部が使用者の視界に入りにくい。そのため、着座使用機能部が作動しているときには、表示機能部の明るさを暗くしたり、表示機能部の表示を停止したりしても、使用者の使い勝手が低下しにくい。このトイレ装置によれば、着座使用機能部が作動しているときには、着座使用機能部が作動していないときよりも、表示駆動部から表示機能部への電力の供給量を小さくすることで、着座使用機能部が作動しているときの表示駆動部における発熱を抑制できる。これにより、使い勝手の低下を抑制しつつ、表示機能部と着座使用機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0024】
第9の発明は、第8の発明において、前記制御部は、前記着座使用機能部が作動しているとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給を停止する、トイレ装置である。
【0025】
このトイレ装置によれば、着座使用機能部が作動しているときには、表示駆動部から表示機能部への電力の供給を停止することで、着座使用機能部が作動しているときの表示駆動部における発熱をより確実に抑制できる。これにより、表示機能部と着座使用機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることをより確実に抑制できる。
【0026】
第10の発明は、第8または第9の発明において、人体局部に向けて水を吐出するノズルをさらに備え、前記着座使用機能部は、前記ノズルからの水の吐出を制御する流量調整部を含み、前記着座使用駆動部は、前記流量調整部への電力の供給を制御する流量調整駆動部を含み、前記流量調整部は、前記流量調整駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルからの水の吐出の制御を行う、トイレ装置である。
【0027】
流量調整部は、通常、使用者が便座に着座している状態でのみ作動する。そのため、着座使用機能部が流量調整部を含む場合には、着座使用機能部が作動しているときに表示駆動部から表示機能部への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、着座使用機能部が流量調整部を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、表示機能部と着座使用機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【0028】
第11の発明は、第8または第9の発明において、前記着座使用機能部は、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニットを含み、前記着座使用駆動部は、前記局部乾燥ユニットへの電力の供給を制御する局部乾燥駆動部を含み、前記局部乾燥ユニットは、前記局部乾燥駆動部からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う、トイレ装置である。
【0029】
局部乾燥ユニットは、通常、使用者が便座に着座している状態でのみ作動する。そのため、着座使用機能部が局部乾燥ユニットを含む場合には、着座使用機能部が作動しているときに表示駆動部から表示機能部への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、着座使用機能部が局部乾燥ユニットを含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、表示機能部と着座使用機能部とを同時に作動させることで複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の態様によれば、使い勝手の低下を抑制しつつ、複数の駆動部が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できるトイレ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施形態に係るトイレ装置を表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るトイレ装置の動作の一例を表すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係るトイレ装置の動作の一例を表すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係るトイレ装置の動作の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ装置を表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ装置100は、腰掛大便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800の上に設置された状態で使用される。トイレ装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0033】
ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などの人体局部の洗浄を実現する局部洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング400には、使用者の便座200への着座を検知する着座検知センサ404が設けられている。
【0034】
着座検知センサ404が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの操作部500(
図2参照)を操作すると、ノズル473を便器800のボウル801内に進出させたり、ボウル801内から後退させたりすることができる。なお、
図1に表したトイレ装置100では、ノズル473がボウル801内に進出した状態を表している。
【0035】
ノズル473は、給水源から供給された水(洗浄水)を人体局部に向けて吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル473の先端部には、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bが設けられている。ノズル473は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口474aから水を噴射して、便座200に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル473は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口474bから水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、「水」という範囲には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含む場合がある。
【0036】
図2は、実施形態に係るトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
図2では、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図2に表したように、トイレ装置100は、電源回路401と、制御回路部30と、複数の機能部40と、を有する。これらは、ケーシング400の内部に設けられる。
【0037】
電源回路401は、コンセントプラグを介して、交流電源(例えばAC100V(実行値)の商用電源)と接続される。電源回路401は、交流電源から供給される交流電力を直流に変換し、制御回路部30の各部、及び各機能部40に供給する。電源回路401は、例えばAC/DCコンバータを含む。
【0038】
例えば、電源回路401には、過負荷保護部が設けられる。過負荷保護部は、電源回路401からトイレ装置内に供給される電流が所定値以上となると、電源回路401からトイレ装置内への通電を遮断する。このような過負荷保護部には、公知の過電流保護回路(例えば漏電ブレーカ)の構成を適用することができる。
【0039】
制御回路部30は、複数の機能部40を駆動し制御する回路である。後述する複数の駆動部50(
図3参照)や制御部405等を便宜上まとめて、制御回路部30として表している。後述するように制御回路部30に含まれる駆動部等は、その少なくとも一部が集積され一体に設けられていてもよいし、その一部が物理的に分散された複数の別体の回路として設けられていてもよい。制御回路部30の一例については、
図3等に関して後述する。
【0040】
機能部40としては、例えば、電磁弁431、温水ユニット440、除菌水ユニット450、流量調整部471、流路切替部472、ノズルモータ476、開閉機構420、脱臭ユニット480、便座暖房ユニット482、局部乾燥ユニット484、音出力機能部630、表示機能部640などが設けられる。
【0041】
トイレ装置100は、導水部20を有する。導水部20は、水道や貯水タンクなどの給水源10からノズル473に至る管路20a(給水流路)を有する。導水部20は、管路20aにより、給水源10から供給された水をノズル473に導く。管路20aは、例えば、電磁弁431、温水ユニット440、流量調整部471、流路切替部472などの各部と、これらの各部を接続する複数の配管と、によって形成される。
【0042】
給水源10の下流には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御回路部30(制御部405)からの指令に基づいて水の供給を制御する。換言すれば、電磁弁431は、管路20aを開閉する。電磁弁431を開状態にすることにより、給水源10から供給された水が、管路20aに流れる。
【0043】
電磁弁431は、例えば、ソレノイド・バルブと称される電磁弁である。電磁弁431は、閉状態から開状態への切替え時(駆動時)には、ソレノイドコイルへの通電によって、プランジャを移動させて流路の開状態に切替える。ソレノイドコイルへの通電を止めると、開状態から閉状態(停止時)に切り替わる。
【0044】
電磁弁431の下流には、温水ユニット440(加熱部)が設けられている。温水ユニット440は、温水ヒータを有し、温水ヒータへの通電によって給水源10から供給された水を加熱して例えば規定の温度まで昇温する。すなわち、温水ユニット440は、温水を生成する。
【0045】
温水ユニット440は、例えばセラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式(瞬間式)の熱交換器である。瞬間加熱式の熱交換器は、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式の熱交換器と比較すると、短い時間で水を規定の温度まで昇温させることができる。なお、温水ユニット440は、瞬間加熱式の熱交換器には限定されず、貯湯加熱式の熱交換器であってもよい。また、加熱部は、熱交換器に限ることなく、例えば、マイクロ波加熱を利用するものなど、他の加熱方式を用いたものでもよい。
【0046】
温水ユニット440は、制御回路部30と接続されている。制御部405は、例えば、使用者による操作部500の操作に応じて温水ユニット440を制御することにより、操作部500で設定された温度に水を昇温する。
【0047】
温水ユニット440の下流には、除菌水ユニット450が設けられている。除菌水ユニット450は、例えば、電極を有する電解槽ユニットである。除菌水ユニット450は、一対の電極間に電圧をかけて電極間に流れる水道水を電気分解することにより、水道水から次亜塩素酸を含む液(除菌水)を生成する。除菌水ユニット450は、制御回路部30に接続されている。除菌水ユニット450は、制御部405による制御に基づいて、除菌水(機能水)の生成を行う。
【0048】
除菌水ユニット450において生成される除菌水は、例えば、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液であってもよい。あるいは、除菌水ユニット450において生成される除菌水は、電解塩素やオゾンなどを含む溶液であってもよい。除菌水ユニット450において生成される機能水は、酸性水やアルカリ水であってもよい。
【0049】
除菌水ユニット450の下流には、流量調整部471が設けられている。流量調整部471は、ノズル473やノズル洗浄部465へ供給する水の流量(水勢)を調整する。これにより、流量調整部471は、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出を制御する。流量調整部471は、制御回路部30と接続されている。流量調整部471の動作は、制御部405によって制御される。例えば、流量調整部471は、調整弁と流量調整モータとを有する。流量調整部471は、制御部405からの指令に基づいて、流量調整モータによって調整弁を動かすことで、水路の幅を変化させて流量を調整する。流量調整モータには、例えばステッピングモータが用いられる。流量調整部471には、流量を調整するポンプが含まれる。
【0050】
流量調整部471の下流には、流路切替部472が設けられている。流路切替部472は、例えば、ノズル473に水を供給する状態と、ノズル洗浄部465に水を供給する状態と、を切り替える。流路切替部472は、例えば、ノズル473の各吐水口について、管路20aに連通させた状態と、管路20aに連通させない状態と、を切り替える。流路切替部472は、流量調整部471とともに1つのユニットとして設けられてもよい。
【0051】
流路切替部472の下流には、ノズル473と、ノズル洗浄部465と、が設けられている。流路切替部472がノズル473に水を供給する状態で、流量調整部471のポンプがオンになることで、ノズル473から水が吐出される。流路切替部472がノズル洗浄部465に水を供給する状態で、流量調整部471のポンプがオンになることで、ノズル洗浄部465から水が吐出される。ノズル洗浄部465は、水を吐出することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を洗浄する。
【0052】
ノズル473の周辺には、ノズル473を進退させるためのノズルモータ476が設けられている。ノズルモータ476は、制御回路部30と接続されている。ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル801内に進出したり、ボウル801内から後退したりする。つまり、ノズルモータ476は、制御部405からの指令に基づいてノズル473を進出及び後退させる。ノズルモータ476には、例えばステッピングモータが用いられる。
【0053】
トイレ装置100には、図示を省略した、調圧弁、逆止弁、バキュームブレーカ、圧力変調部、噴霧ノズルなどが適宜設けられてもよい。調圧弁及び逆止弁は、例えば、電磁弁431と温水ユニット440との間に設けられる。バキュームブレーカ及び圧力変調部は、例えば、除菌水ユニット450と流量調整部471との間に設けられる。圧力変調部は、管路20a内の水の圧力を変動させる。噴霧ノズルは、例えば、流路切替部472の下流に設けられる。噴霧ノズルは、洗浄水や機能水をミスト状にしてボウル801に噴霧する。
【0054】
トイレ装置100は、温度センサ492を有する。温度センサ492は、例えばサーミスタ(リミットサーミスタ)を有する。第2温度センサ492は、温水ユニット440の下流側に設けられ、ノズル473へ供給される水の温度を検知する。制御部405は、例えば、温度センサ492の測定結果に基づいて、下流側に供給される水の温度が所定温度以上であった場合、電磁弁431を駆動して下流側への給水を停止する。これにより、使用者の安全性をより向上させることができる。
【0055】
図2に表したように、トイレ装置100には、トイレ装置の使用者を検知する人体検知手段402が設けられている。この例では、人体検知手段402は、人体検知センサ403と、着座検知センサ404と、を有する。
【0056】
人体検知センサ403は、
図1に表したように、例えば、ケーシング400の上面に形成された凹設部409に埋め込まれるように設けられ、便座200から離れた位置にいる使用者(人体)を検知する。換言すれば、人体検知センサ403は、トイレ装置100の近傍にいる使用者を検知する。また、便蓋300の後部には透過窓310が設けられている。そのため、便蓋300が閉じた状態において、人体検知センサ403は、透過窓310を介して使用者の存在を検知することができる。人体検知センサ403には、例えば、赤外線を用いた測距センサ、焦電センサ、マイクロ波センサなどが用いられる。但し、人体検知センサ403は、これらに限ることなく、便座200から離れた位置にいる使用者を検知可能な任意のセンサでよい。
【0057】
着座検知センサ404は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した利用者を検知する。このような着座検知センサ404としては、例えば赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。なお、着座検知センサ404は、例えばマイクロ波センサ、焦電センサなどを用いてもよい。また、着座検知センサ404は、例えば、便座200の動きを検知する機械式のスイッチ、光学センサ、又は磁気センサなどでもよいし、着座にともなう静電容量の変化を検知する静電容量センサなどでもよいし、着座にともなう圧力の変化を検知する圧電センサなどでもよい。
【0058】
制御部405は、人体検知センサ403、着座検知センサ404、操作部500などからの信号に基づいて、電磁弁431、温水ユニット440、除菌水ユニット450、流量調整部471、流路切替部472、ノズルモータ476、開閉機構420、脱臭ユニット480、便座暖房ユニット482、局部乾燥ユニット484、音出力機能部630、表示機能部640などの動作を制御する。
【0059】
開閉機構420は、便座200及び/または便蓋300を開閉駆動する。開閉機構420は、例えば、モータなどによって構成され、制御回路部30と接続されている。制御部405は、人体検知センサ403、着座検知センサ404、操作部500などからの信号に基づいて、開閉機構420を制御し、便座200及び/または便蓋300を閉位置と開位置とに移動させる。
【0060】
脱臭ユニット480は、脱臭ファンを有し、脱臭ファンを動作させることで、ボウル801内の空気を吸引して、吸引した空気に含まれる大便臭などの臭気成分を低減させる。ケーシング400の側面には、脱臭ユニット480からの排気口407(
図1)が設けられる。脱臭ユニット480は、例えば活性炭を使った触媒を利用して脱臭する脱臭部材を有する。空気が脱臭部材に接触すると、空気に含まれるアンモニアなどの臭気成分が、脱臭部材に吸着される。これにより、空気に含まれる臭気成分を低減させることができる。但し、脱臭ユニット480は、上記に限らず、吸引した空気を脱臭可能な構成であればよい。脱臭ユニット480は、制御回路部30と接続されている。制御部405は、例えば着座検知センサ404や操作部500からの信号に基づいて、脱臭ファン(モータ)の駆動を制御する。
【0061】
便座暖房ユニット482は、便座200の着座面を温める便座ヒータを有する。便座ヒータは、例えば、電流を流すことによって発熱する電熱線である。便座ヒータは、例えば便座200の内部空間に設けられ、着座面を裏側(便座200の内側)から温める。便座暖房ユニット482は、制御回路部30と接続されている。
【0062】
局部乾燥ユニット484は、乾燥ファンを有し、乾燥ファンを動作させることで、人体局部に向けて送風することにより、人体局部を乾燥させる。局部乾燥ユニット484は、例えば、温風を送風するためのヒータを有していてもよい。局部乾燥ユニット484は、制御回路部30と接続されている。制御部405は、例えば着座検知センサ404や操作部500からの信号に基づいて、乾燥ファン(モータ)の駆動を制御する。
【0063】
音出力機能部630は、スピーカーを有し、スピーカーから機能音を出力する。機能音は、例えば、水流の擬音、音楽、及び音声の少なくともいずれかを含む。音出力機能部630は、例えば、スピーカーから水流の擬音を出力する擬音出力装置である。擬音出力装置は、例えば、使用者の排泄に伴う音などをかき消す目的で使用される。擬音出力装置を使用することで、公共施設のトイレなどで、排泄に伴う音などを他者に聞かれることを抑制できる。
【0064】
表示機能部640は、視覚的な情報を表示する。表示機能部640は、例えば、トイレ装置100の作動の状態についての情報を表示する。表示機能部640が表示する情報は、例えば、トイレ装置100の電源がオンになっているか否かについての情報、便座暖房ユニット482の便座ヒータがオンになっているか否かについての情報、節電モードなどのトイレ装置100の特定のモードがオンになっているか否かについての情報、及び脱臭ユニット480の脱臭ファンがオンになっているか否かについての情報などを含む。表示機能部640は、LED(発光ダイオード)の点灯、点滅、消灯、及び色の変化などによって、情報を表示する。表示機能部640は、例えば、文字や画像などが表示されるディスプレイであってもよい。
【0065】
図1に表したように、表示機能部640は、便蓋300を背にして使用者が便座200に着座した状態で、使用者の後方に位置する。表示機能部640は、例えば、便蓋300を背にして便座200に着座した使用者が前方を向いている状態で、使用者の顔の前面よりも後方に位置する。表示機能部640は、例えば、便座200が閉じた状態で、便座200の後端よりも後方に位置する。表示機能部640は、例えば、便座200をケーシング400に対して軸支するヒンジ部210よりも後方に位置する。表示機能部640は、例えば、ケーシング400の後部の上面に設けられる。使用者は、便座200に着座していない状態で、表示機能部640を見ることで、トイレ装置100の作動の状態についての情報を得ることができる。
【0066】
図3は、実施形態に係るトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
図3は、制御回路部30及び機能部40を含むトイレ装置100の電気系の構成の一部を説明する図である。
図3に表したように、制御回路部30は、変換回路70と、処理部72と、複数の駆動部50と、複数の過電流保護部60と、コンパレータ部74と、制御部405と、を含む。
【0067】
変換回路70は、電源回路401から供給された電力を制御部405や処理部72に対応した直流電力に変換する。変換回路70は、いわゆる降圧DC-DCコンバータである。変換回路70は、例えば、電源回路401から入力された24Vの電圧を、5Vに降圧して制御部405及び処理部72に出力する。制御部405及び処理部72は、変換回路70からの電力により動作する。
【0068】
複数の駆動部50のそれぞれは、複数の機能部40のそれぞれと接続され、各機能部40の駆動を制御する。具体的には、各駆動部50は、トランジスタなどの駆動素子を有し、スイッチとしての役割を有する駆動回路である。例えば、駆動部50は、機能部40とその電源とに接続される。駆動部50は、制御部405からの指令に基づいて、接続された機能部40への電力の供給を制御(例えばオンオフ)する。例えば、駆動部50は、機能部40に電力を供給し機能部40を駆動する状態(オン状態)と、機能部40への電力の供給を停止し機能部40を駆動しない状態(オフ状態)と、を切り替える。オン状態においては、機能部40とその電源とが通電し、機能部40はその電源からの電力によって動作する。オフ状態においては、駆動部50は例えば機能部40と電源との間の通電を遮断し、機能部40は動作を停止する。例えば、駆動部50は、機能部40に供給する電力量を多くして機能部40を消費電力の大きいモードで駆動する状態と、機能部40に供給する電力量を少なくして機能部40を消費電力の小さいモードで駆動する状態と、を切り替えてもよい。駆動部50は、複数のスイッチング素子(トランジスタ等)や抵抗を含んでもよく、ブリッジ回路(例えばHブリッジ回路)を含んでもよい。
【0069】
複数の駆動部50は、例えば、脱臭駆動部51、除菌水駆動部52、ノズルモータ駆動部53、流量調整駆動部54、電磁弁駆動部55、局部乾燥駆動部56、音出力駆動部57、及び表示駆動部58を含む。
【0070】
脱臭駆動部51は、脱臭ユニット480と接続され、制御部405からの信号に基づいて、脱臭ユニット480への電力の供給を制御する。より具体的には、脱臭駆動部51は、制御部405からの信号に基づいて、脱臭ユニット480の脱臭ファン(モータ)への電力の供給を制御する。これにより、脱臭駆動部51は、脱臭ユニット480の脱臭ファン(モータ)の駆動を制御する。
【0071】
除菌水駆動部52は、除菌水ユニット450と接続され、制御部405からの信号に基づいて、除菌水ユニット450への電力の供給を制御する。より具体的には、除菌水駆動部52は、制御部405からの信号に基づいて、除菌水ユニット450の電極への電力の供給を制御する。これにより、除菌水駆動部52は、除菌水ユニット450の駆動、すなわち電極への通電を制御する。
【0072】
ノズルモータ駆動部53は、ノズルモータ476と接続され、制御部405からの信号に基づいて、ノズルモータ476への電力の供給を制御する。これにより、ノズルモータ駆動部53は、ノズルモータ476の駆動、すなわちノズル473の進退を制御する。
【0073】
流量調整駆動部54は、流量調整部471と接続され、制御部405からの信号に基づいて、流量調整部471への電力の供給を制御する。より具体的には、流量調整駆動部54は、制御部405からの信号に基づいて、流量調整部471の流量調整モータやポンプへの電力の供給を制御する。これにより、流量調整駆動部54は、流量調整部471の流量調整モータやポンプの駆動を制御する。
【0074】
電磁弁駆動部55は、電磁弁431と接続され、制御部405またはコンパレータ部74からの信号に基づいて、電磁弁431への電力の供給を制御する。より具体的には、電磁弁駆動部55は、制御部405からの信号に基づいて、電磁弁431のソレノイドコイルへの電力の供給を制御する。これにより、電磁弁駆動部55は、電磁弁431の駆動、すなわちソレノイドコイルへの通電を制御する。
【0075】
局部乾燥駆動部56は、局部乾燥ユニット484と接続され、制御部405からの信号に基づいて、局部乾燥ユニット484への電力の供給を制御する。より具体的には、局部乾燥駆動部56は、局部乾燥ユニット484の乾燥ファン(モータ)への電力の供給を制御する。これにより、局部乾燥駆動部56は、局部乾燥ユニット484の乾燥ファン(モータ)の駆動を制御する。
【0076】
音出力駆動部57は、音出力機能部630と接続され、制御部405からの信号に基づいて、音出力機能部630への電力の供給を制御する。より具体的には、音出力駆動部57は、音出力機能部630のスピーカーへの電力の供給を制御する。これにより、音出力駆動部57は、音出力機能部630の駆動、すなわちスピーカーからの機能音の出力を制御する。
【0077】
表示駆動部58は、表示機能部640と接続され、制御部405からの信号に基づいて、表示機能部640への電力の供給を制御する。より具体的には、表示駆動部58は、表示機能部640のLEDへの電力の供給を制御する。これにより、表示駆動部58は、表示機能部640の駆動、すなわちLEDのオンオフを制御する。
【0078】
温度センサ492(リミットサーミスタ)は、コンパレータ部74及び制御部405と接続されている。温度センサ492の測定結果は、コンパレータ部74及び制御部405に出力される。制御部405は、温度センサ492からの出力に基づき、検知された水の温度が所定温度以上である場合、電磁弁駆動部55を制御して電磁弁431を閉状態とする。コンパレータ部74は、コンパレータを有し、温度センサ492からの出力と予め定められた閾値とを比較する。これにより、検知された水の温度が所定温度以上であるか否かを判定する。検知された水の温度が所定温度以上である場合、コンパレータ部74は、電磁弁駆動部55を制御して電磁弁431を閉状態とし、その状態を保持させる。仮にコンパレータ部74及び制御部405のどちらか一方に不具合が生じたとしても、他方からの信号に基づいて電磁弁431を閉状態とすることができる。これにより、より安全性を向上できる。
【0079】
制御部405は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを含む演算装置であり、マイコンなどの集積回路が用いられる。処理部72は、例えば論理回路を有する。処理部72は、制御部405、脱臭駆動部51、除菌水駆動部52、ノズルモータ駆動部53、流量調整駆動部54、局部乾燥駆動部56、音出力駆動部57、及び表示駆動部58と接続されている。処理部72を介して、制御部405と、処理部72に接続された駆動部50と、の間の通信が行われる。
【0080】
制御部405と処理部72との間の通信には、例えば、同期式のシリアル通信が用いられる。制御部405は、例えば処理部72にクロック信号やデータ信号を送信する。
【0081】
処理部72は、レジスタを有する。レジスタには、処理部72と接続された駆動部50の動作(機能部40の動作)を指示するコマンドが記憶されている。例えば、レジスタには、脱臭ファンのオン/オフや風量の増/減、ノズルの進出/後退、流量の増/減、乾燥ファンのオン/オフや風量の増/減、スピーカーのオン/オフや音量の増/減、LEDのオン/オフや明るさの増/減などのコマンドが記憶されている。
【0082】
制御部405は、コマンドの情報を含む信号を処理部72と送受信する。処理部72は、制御部405からの信号を論理演算し、そのコマンドに応じた駆動部50に、そのコマンドに応じた信号を送信する。これにより、制御部405は、処理部72を介して駆動部50を制御することで、機能部40の駆動を制御する。
【0083】
また、レジスタには、機能部40や駆動部50の状態(例えばオープン、ショート、過熱、過電流などの不具合)に対応したコマンドが記憶されている。これにより、処理部72は、制御部405へ機能部40や駆動部50の不具合を通知することができる。
【0084】
図3に表したように、制御回路部30は、集積回路32を含む。実施形態においては、複数の駆動部50のうちの少なくとも一部は、集積回路32に集積されている。この例では、変換回路70、処理部72、脱臭駆動部51、除菌水駆動部52、ノズルモータ駆動部53、流量調整駆動部54、局部乾燥駆動部56、音出力駆動部57、表示駆動部58、及びコンパレータ部74が、集積回路32として集約されている。集積回路32は、複数の回路を一体として1つのパッケージに集約化したICである。例えば、集積回路32は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、1つのICチップ(半導体チップ)である。複数の駆動部50等を、集約化することで回路面積を小さくすることができる。
【0085】
この例では、電磁弁駆動部55は、集積回路32に含まれていない。つまり、この例では、電磁弁駆動部55は、他の駆動部50を含むICに集約されていない。この例では、電磁弁駆動部55は、集積回路32とは別体として設けられている。
【0086】
なお、実施形態においては、処理部72は必ずしも設けられなくてもよい。例えば、制御部405は、処理部72を介さずに、各駆動部50や各過電流保護部60と通信を行う構成でもよい。
【0087】
このような集積回路によって駆動回路(駆動部)を集約化すると、集約化された複数の駆動回路を同時に駆動させた際に、駆動回路から発する熱が集約化されることで集積回路において高温が生じ、集積回路が故障したり、集積回路の端子部において半田クラックが生じたりするなどの不具合が生じるおそれがある。
【0088】
この問題を解決する手段として、集積回路のサイズを大きくしたり、集積回路の半田を接続する部分を大きくしたりすることが考えられる。しかし、このような手段では、トイレ装置の大型化やコストアップが生じるという問題がある。
【0089】
また、別の手段として、集積回路において高温が生じるのを抑制するために、集約化された駆動回路が同時に駆動することを禁止することが考えられる。しかし、トイレ装置の主要な機能(例えば、ノズルからの吐水機能、流量調整機能、脱臭機能など)は、同時に作動させる可能性があるため、これらの機能を作動させる駆動回路を集約化した集積回路において、駆動回路が同時に駆動することを禁止すると、使い勝手が低下するおそれがある。
【0090】
そこで、実施形態に係るトイレ装置100においては、以下のような制御を行う。
以下、実施形態に係るトイレ装置100における制御について、詳しく説明する。
【0091】
以下の説明では、駆動部50が集積回路32に集積された機能部40のうち、作動時に作動音が発生するものを、作動音発生機能部610と称する。また、作動音発生機能部610の駆動部50を、作動音発生駆動部660と称する。作動音発生駆動部660は、作動音発生機能部610への電力の供給を制御する。
【0092】
作動音発生機能部610は、例えば、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出を制御する流量調整部471を含む。この場合、作動音発生駆動部660は、流量調整部471への電力の供給を制御する流量調整駆動部54を含む。流量調整部471は、流量調整駆動部54からの電力の供給に基づいて、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出の制御を行う。
【0093】
作動音発生機能部610は、例えば、吸引した空気を脱臭する脱臭ユニット480を含む。この場合、作動音発生駆動部660は、脱臭ユニット480への電力の供給を制御する脱臭駆動部51を含む。脱臭ユニット480は、脱臭駆動部51からの電力の供給に基づいて、脱臭を行う。
【0094】
作動音発生機能部610は、例えば、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニット484を含む。この場合、作動音発生駆動部660は、局部乾燥ユニット484への電力の供給を制御する局部乾燥駆動部56を含む。局部乾燥ユニット484は、局部乾燥駆動部56からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う。
【0095】
作動音発生機能部610は、例えば、ノズル473を進退させるノズルモータ476を含む。この場合、作動音発生駆動部660は、ノズルモータ476への電力の供給を制御するノズルモータ駆動部53を含む。ノズルモータ476は、ノズルモータ駆動部53からの電力の供給に基づいて、ノズル473の進退を行う。
【0096】
作動音発生機能部610から発生する作動音は、作動音発生機能部610自体から発生する音であってもよいし、作動音発生機能部610が作動することで不随的に発生する音であってもよい。作動音は、例えば、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出時にノズル473やノズル洗浄部465から発せられる音、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出時に吐出された水が便器800、便器800内の水(封水)、ノズル473、またはケーシング400などに当たって生じる音、脱臭ユニット480の脱臭ファンの駆動音、局部乾燥ユニット484の乾燥ファンの駆動音、及びノズル473を進退させる際のノズルモータ476の駆動音などを含む。
【0097】
また、以下の説明では、駆動部50が集積回路32に集積された機能部40のうち、使用者が着座した状態で使用されるものを、着座使用機能部620と称する。また、着座使用機能部620の駆動部50を、着座使用駆動部670と称する。着座使用駆動部670は、着座使用機能部620への電力の供給を制御する。
【0098】
着座使用機能部620は、例えば、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出を制御する流量調整部471を含む。この場合、着座使用駆動部670は、流量調整部471への電力の供給を制御する流量調整駆動部54を含む。流量調整部471は、流量調整駆動部54からの電力の供給に基づいて、ノズル473やノズル洗浄部465からの水の吐出の制御を行う。
【0099】
着座使用機能部620は、例えば、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニット484を含む。この場合、着座使用駆動部670は、局部乾燥ユニット484への電力の供給を制御する局部乾燥駆動部56を含む。局部乾燥ユニット484は、局部乾燥駆動部56からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う。
【0100】
図4は、実施形態に係るトイレ装置の動作の一例を表すフローチャートである。
図4に表したように、制御部405は、音出力機能部630が作動中か否かを判定する(ステップS101)。音出力機能部630が作動中ではない場合(ステップS101:No)、制御部405は、ステップS101を繰り返す。
【0101】
音出力機能部630が作動中の場合(ステップS101:Yes)、制御部405は、作動音発生機能部610が作動中か否かを判定する(ステップS102)。作動音発生機能部610が作動していないとき(ステップS102:No)、制御部405は、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を第1値にする(ステップS103)。
【0102】
作動音発生機能部610が作動しているとき(ステップS102:Yes)、制御部405は、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を第1値よりも小さい第2値にする(ステップS104)。
【0103】
作動音発生機能部610が作動していないときには、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量は、例えば、0である。作動音発生機能部610が作動しているときには、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量は、例えば、0よりも大きい。
【0104】
作動音発生機能部610が作動しているときには、作動音が発生しているため、音出力機能部630から出力される機能音が聞こえにくい。そのため、作動音発生機能部610が作動しているときには、機能音の音量を小さくしたり、機能音の出力を停止したりしても、使用者の使い勝手が低下しにくい。実施形態によれば、作動音発生機能部610が作動しているときには、作動音発生機能部610が作動していないときよりも、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を小さくすることで、作動音発生機能部610が作動しているときの音出力駆動部57における発熱を抑制できる。これにより、使い勝手の低下を抑制しつつ、音出力機能部630と作動音発生機能部610とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0105】
第2値は、例えば、0よりも大きく第1値よりも小さい値であってもよいし、0であってもよい。つまり、制御部405は、作動音発生機能部610が作動しているときに、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給を継続してもよいし、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給を停止してもよい。
【0106】
作動音発生機能部610が作動しているときには、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給を停止することで、作動音発生機能部610が作動しているときの音出力駆動部57における発熱をより確実に抑制できる。これにより、音出力機能部630と作動音発生機能部610とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることをより確実に抑制できる。
【0107】
上述のように、作動音発生機能部610は、作動時に作動音が発生する機能部40である。作動音発生機能部610は、例えば、流量調整部471、脱臭ユニット480、局部乾燥ユニット484、及びノズルモータ476の少なくともいずれかを含む。
【0108】
作動音発生機能部610が流量調整部471を含む場合には、作動音発生機能部610の作動時に水の吐出音や着水音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部610が作動しているときに音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部610が流量調整部471を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部630と作動音発生機能部610とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0109】
作動音発生機能部610が脱臭ユニット480を含む場合には、作動音発生機能部610の作動時に脱臭ファンの駆動音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部610が作動しているときに音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部610が脱臭ユニットを含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部630と作動音発生機能部610とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0110】
作動音発生機能部610が局部乾燥ユニット484を含む場合には、作動音発生機能部610の作動時に乾燥ファンの駆動音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部610が作動しているときに音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部610が局部乾燥ユニット484を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部630と作動音発生機能部610とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0111】
作動音発生機能部610がノズルモータ476を含む場合には、作動音発生機能部610の作動時にノズルモータ476の駆動音などの作動音が発生するため、作動音発生機能部610が作動しているときに音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、作動音発生機能部610がノズルモータ476を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、音出力機能部630と作動音発生機能部610とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0112】
図5は、実施形態に係るトイレ装置の動作の一例を表すフローチャートである。
図5に表したように、制御部405は、音出力機能部630が作動中か否かを判定する(ステップS201)。音出力機能部630が作動中ではない場合(ステップS201:No)、制御部405は、ステップS201を繰り返す。
【0113】
音出力機能部630が作動中の場合(ステップS201:Yes)、制御部405は、作動音発生機能部610が作動中か否かを判定する(ステップS202)。作動音発生機能部610が作動していないとき(ステップS202:No)、制御部405は、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を第1値にする(ステップS203)。
【0114】
作動音発生機能部610が作動しているとき(ステップS202:Yes)、制御部405は、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS204)。作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量が閾値以上のとき(ステップS204:Yes)、制御部405は、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を第1値よりも小さい第2値にする(ステップS205)。第2値は、例えば、0よりも大きく第1値よりも小さい値であってもよいし、0であってもよい。
【0115】
作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量が0を超え(ステップS202:Yes)閾値未満のとき(ステップS204:No)、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を第2値よりも大きく第1値よりも小さい第3値にする(ステップS206)。
【0116】
作動音発生機能部610が作動していないときには、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量は、例えば、0である。作動音発生機能部610が作動しているときには、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量は、例えば、0よりも大きい。作動音発生機能部610が消費電力の大きい第1モードで作動しているときには、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量は、例えば、閾値よりも大きい。作動音発生機能部610が消費電力の小さい第2モードで作動しているときには、作動音発生駆動部660から作動音発生機能部610への電力の供給量は、例えば、0を超え閾値未満である。
【0117】
作動音発生機能部610が流量調整部471の場合、例えば、消費電力の大きい第1モードは、ノズル473やノズル洗浄部465からの吐出される水の勢いが第2モードよりも強いモードであり、消費電力の小さい第2モードは、ノズル473やノズル洗浄部465からの吐出される水の勢いが第1モードよりも弱いモードである。
【0118】
作動音発生機能部610が脱臭ユニット480の場合、例えば、消費電力の大きい第1モードは、脱臭ファンの単位時間あたりの回転数が第2モードよりも高いモードであり、消費電力の小さい第2モードは、脱臭ファンの単位時間あたりの回転数が第1モードよりも低いモードである。
【0119】
作動音発生機能部610が局部乾燥ユニット484の場合、例えば、消費電力の大きい第1モードは、乾燥ファンの単位時間あたりの回転数が第2モードよりも高いモードであり、消費電力の小さい第2モードは、乾燥ファンの単位時間あたりの回転数が第1モードよりも低いモードである。
【0120】
作動音発生機能部610がノズルモータ476の場合、例えば、消費電力の大きい第1モードは、ノズルモータ476の単位時間あたりの回転数が第2モードよりも高いモードであり、消費電力の小さい第2モードは、ノズルモータ476の単位時間あたりの回転数が第1モードよりも低いモードである。
【0121】
実施形態によれば、作動音発生機能部610が消費電力の小さいモードで作動しているときには、作動音発生機能部610が消費電力の大きいモードで作動しているときよりも、音出力駆動部57から音出力機能部630への電力の供給量を大きくすることで、作動音発生機能部610のモードに合わせて、音出力駆動部57における発熱をより適切に抑制できる。これにより、使い勝手の低下をより確実に抑制できる。
【0122】
図6は、実施形態に係るトイレ装置の動作の一例を表すフローチャートである。
図6に表したように、制御部405は、着座検知センサ404が使用者の便座200への着座を検知しているか否かを判定する(ステップS301)。着座を検知していない場合(ステップS301:No)、制御部405は、ステップS301を繰り返す。
【0123】
着座を検知している場合(ステップS301:Yes)、制御部405は、表示機能部640が作動中か否かを判定する(ステップS302)。表示機能部640が作動中ではない場合(ステップS302:No)、制御部405は、ステップS301に戻る。
【0124】
表示機能部640が作動中の場合(ステップS302:Yes)、制御部405は、着座使用機能部620が作動中か否かを判定する(ステップS303)。着座使用機能部620が作動していないとき(ステップS303:No)、制御部405は、表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給量を第1値にする(ステップS304)。
【0125】
着座使用機能部620が作動しているとき(ステップS303:Yes)、制御部405は、表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給量を第1値よりも小さい第2値にする(ステップS305)。
【0126】
着座使用機能部620が作動しているときには、使用者が便座200に着座しているため、使用者の後方に位置する表示機能部640が使用者の視界に入りにくい。そのため、着座使用機能部620が作動しているときには、表示機能部640の明るさを暗くしたり、表示機能部640の表示を停止したりしても、使用者の使い勝手が低下しにくい。実施形態によれば、着座使用機能部620が作動しているときには、着座使用機能部620が作動していないときよりも、表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給量を小さくすることで、着座使用機能部620が作動しているときの表示駆動部58における発熱を抑制できる。これにより、使い勝手の低下を抑制しつつ、表示機能部640と着座使用機能部620とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0127】
第2値は、例えば、0よりも大きく第1値よりも小さい値であってもよいし、0であってもよい。つまり、制御部405は、着座使用機能部620が作動しているときに、表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給を継続してもよいし、表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給を停止してもよい。
【0128】
着座使用機能部620が作動しているときには、表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給を停止することで、着座使用機能部620が作動しているときの表示駆動部58における発熱をより確実に抑制できる。これにより、表示機能部640と着座使用機能部620とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることをより確実に抑制できる。
【0129】
上述のように、着座使用機能部620は、使用者が便座200に着座している状態で使用される機能部40である。着座使用機能部620は、例えば、流量調整部471及び局部乾燥ユニット484の少なくともいずれかを含む。
【0130】
流量調整部471は、通常、使用者が便座200に着座している状態でのみ作動する。そのため、着座使用機能部620が流量調整部471を含む場合には、着座使用機能部620が作動しているときに表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、着座使用機能部620が流量調整部471を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、表示機能部640と着座使用機能部620とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0131】
局部乾燥ユニット484は、通常、使用者が便座200に着座している状態でのみ作動する。そのため、着座使用機能部620が局部乾燥ユニット484を含む場合には、着座使用機能部620が作動しているときに表示駆動部58から表示機能部640への電力の供給量を小さくしても、使い勝手が低下しにくい。つまり、着座使用機能部620が局部乾燥ユニット484を含む場合には、使い勝手の低下をより確実に抑制しつつ、表示機能部640と着座使用機能部620とを同時に作動させることで複数の駆動部50が集約化された集積回路32において高温が生じることを抑制できる。
【0132】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0133】
(構成1)
作動時に作動音が発生する作動音発生機能部と、
スピーカーから機能音を出力する音出力機能部と、
前記作動音発生機能部への電力の供給を制御する作動音発生駆動部と、前記音出力機能部への電力の供給を制御する音出力駆動部と、が集積された集積回路と、
前記集積回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記作動音発生機能部が作動していないとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を第1値にし、
前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置。
【0134】
(構成2)
前記制御部は、
前記作動音発生駆動部から前記作動音発生機能部への電力の供給量が閾値以上のとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第2値にし、
前記作動音発生駆動部から前記作動音発生機能部への電力の供給量が0を超え前記閾値未満のとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給量を前記第2値よりも大きく前記第1値よりも小さい第3値にする、構成1記載のトイレ装置。
【0135】
(構成3)
前記制御部は、前記作動音発生機能部が作動しているとき、前記音出力駆動部から前記音出力機能部への電力の供給を停止する、構成1記載のトイレ装置。
【0136】
(構成4)
人体局部に向けて水を吐出するノズルをさらに備え、
前記作動音発生機能部は、前記ノズルからの水の吐出を制御する流量調整部を含み、
前記作動音発生駆動部は、前記流量調整部への電力の供給を制御する流量調整駆動部を含み、
前記流量調整部は、前記流量調整駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルからの水の吐出の制御を行う、構成1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0137】
(構成5)
前記作動音発生機能部は、吸引した空気を脱臭する脱臭ユニットを含み、
前記作動音発生駆動部は、前記脱臭ユニットへの電力の供給を制御する脱臭駆動部を含み、
前記脱臭ユニットは、前記脱臭駆動部からの電力の供給に基づいて、脱臭を行う、構成1~4のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0138】
(構成6)
前記作動音発生機能部は、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニットを含み、
前記作動音発生駆動部は、前記局部乾燥ユニットへの電力の供給を制御する局部乾燥駆動部を含み、
前記局部乾燥ユニットは、前記局部乾燥駆動部からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う、構成1~5のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0139】
(構成7)
前記作動音発生機能部は、人体局部に向けて水を吐出するノズルを進退させるノズルモータを含み、
前記作動音発生駆動部は、前記ノズルモータへの電力の供給を制御するノズルモータ駆動部を含み、
前記ノズルモータは、前記ノズルモータ駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルの進退を行う、構成1~6のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0140】
(構成8)
使用者の便座への着座を検知する着座検知センサと、
前記使用者が着座した状態で使用される着座使用機能部と、
前記使用者が着座した状態で前記使用者の後方に位置し、視覚的な情報を表示する表示機能部と、
前記着座使用機能部への電力の供給を制御する着座使用駆動部と、前記表示機能部への電力の供給を制御する表示駆動部と、が集積された集積回路と、
前記集積回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記着座使用機能部が作動していないとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給量を第1値にし、
前記着座使用機能部が作動しているとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給量を前記第1値よりも小さい第2値にする、トイレ装置。
【0141】
(構成9)
前記制御部は、前記着座使用機能部が作動しているとき、前記表示駆動部から前記表示機能部への電力の供給を停止する、構成8記載のトイレ装置。
【0142】
(構成10)
人体局部に向けて水を吐出するノズルをさらに備え、
前記着座使用機能部は、前記ノズルからの水の吐出を制御する流量調整部を含み、
前記着座使用駆動部は、前記流量調整部への電力の供給を制御する流量調整駆動部を含み、
前記流量調整部は、前記流量調整駆動部からの電力の供給に基づいて、前記ノズルからの水の吐出の制御を行う、構成8または9に記載のトイレ装置。
【0143】
(構成11)
前記着座使用機能部は、送風により人体局部を乾燥させる局部乾燥ユニットを含み、
前記着座使用駆動部は、前記局部乾燥ユニットへの電力の供給を制御する局部乾燥駆動部を含み、
前記局部乾燥ユニットは、前記局部乾燥駆動部からの電力の供給に基づいて、乾燥を行う、構成8~10のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0144】
以上のように、実施形態によれば、使い勝手の低下を抑制しつつ、複数の駆動回路が集約化された集積回路において高温が生じることを抑制できるトイレ装置が提供される。
【0145】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0146】
10:給水源
20:導水部
20a:管路
30:制御回路部
32:集積回路
40:機能部
50:駆動部
51:脱臭駆動部
52:除菌水駆動部
53:ノズルモータ駆動部
54:流量調整駆動部
55:電磁弁駆動部
56:局部乾燥駆動部
57:音出力駆動部
58:表示駆動部
60:過電流保護部
70:変換回路
72:処理部
74:コンパレータ部
100:トイレ装置
200:便座
210:ヒンジ部
300:便蓋
310:透過窓
400:ケーシング
401:電源回路
402:人体検知手段
403:人体検知センサ
404:着座検知センサ
405:制御部
407:排気口
409:凹設部
420:開閉機構
431:電磁弁
440:温水ユニット
450:除菌水ユニット
465:ノズル洗浄部
471:流量調整部
472:流路切替部
473:ノズル
474a:ビデ洗浄吐水口
474b:洗浄吐水口
476:ノズルモータ
480:脱臭ユニット
482:便座暖房ユニット
484:局部乾燥ユニット
492:温度センサ
500:操作部
610:作動音発生機能部
620:着座使用機能部
630:音出力機能部
640:表示機能部
660:作動音発生駆動部
670:着座使用駆動部
800:便器
801:ボウル