(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060231
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240424BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167472
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】522389689
【氏名又は名称】株式会社インユニ
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】植木 匠
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC23
5L050CC23
(57)【要約】
【課題】注文を行った利用者が商品の準備の進捗状況を把握する。
【解決手段】通信端末100-1~100-nは、外部からの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて、注文情報を入力し、入力した注文情報を情報提供装置200へ送信し、情報提供装置200は、通信端末100-1~100-nから送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行い、商品の準備の進捗状況を判定し、判定した進捗状況を示す進捗情報を通信端末100-1~100-nへ送信し、通信端末100-1~100-nは、情報提供装置200から送信されてきた進捗情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と、情報提供装置とを有し、
前記通信端末は、
当該通信端末の外部からの操作を受け付け、該受け付けた操作に基づいて、注文情報を入力する入力部と、
前記入力部が入力した前記注文情報を前記情報提供装置へ送信する第1の通信部と、
前記情報提供装置から送信されてきた進捗情報を出力する出力部とを有し、
前記情報提供装置は、
前記第1の通信部から送信されてきた前記注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備部と、
前記準備部における準備の進捗状況を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記進捗状況を示す前記進捗情報を所定の通信装置へ送信する第2の通信部とを有する情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記第2の通信部は、前記進捗情報を前記通信端末へ送信する情報提供システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供システムにおいて、
複数の前記通信端末を有し、
前記複数の通信端末それぞれは、該複数の通信端末それぞれを識別可能に端末識別情報が付与され、
前記第1の通信部は、当該通信端末に付与された前記端末識別情報を前記注文情報と共に前記情報提供装置へ送信し、
前記判定部は、前記端末識別情報ごとに前記準備の進捗状況を判定し、
前記第2の通信部は、前記判定部が前記端末識別情報ごとに判定した準備の進捗状況を示す前記進捗情報を、該端末識別情報が付与された前記通信端末へ送信する情報提供システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記判定部は、前記準備の開始を判定し、
前記第2の通信部は、前記判定部が前記準備の開始を判定したときに、前記準備を開始した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記判定部は、前記準備の終了を判定し、
前記第2の通信部は、前記判定部が前記準備の終了を判定したときに、前記準備を終了した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供システム。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載の情報提供システムにおいて、
前記入力部は、前記受け付けた操作に基づいて、前記進捗情報を要求する要求情報を入力し、
前記第1の通信部は、前記入力部が入力した前記要求情報を前記情報提供装置へ送信し、
前記判定部は、前記第1の通信部から前記要求情報が送信されてきたとき、前記準備の進捗状況を判定する情報提供システム。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記判定部は、前記準備の進捗状況として、該準備の現在の工程を判定し、
前記第2の通信部は、前記判定部が判定した工程を示す工程情報を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報提供システムにおいて、
前記第2の通信部は、前記準備の各工程が開始されるごとに、該工程が開始された旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供システム。
【請求項9】
請求項7に記載の情報提供システムにおいて、
前記第2の通信部は、前記準備の各工程が終了するごとに、該工程が終了した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供システム。
【請求項10】
通信端末から送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備部と、
前記準備部における準備の進捗状況を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する通信部とを有する情報提供装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報提供装置において、
前記通信部は、前記進捗情報を前記通信端末へ送信する情報提供装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報提供装置において、
前記準備部は、複数の前記通信端末それぞれから送信されてきた複数の注文情報それぞれに基づいて、商品の準備を行い、
前記判定部は、前記注文情報と共に送信されてきた、前記複数の通信端末それぞれを識別可能に付与された端末識別情報ごとに前記準備の進捗状況を判定し、
前記通信部は、前記判定部が前記端末識別情報ごとに判定した準備の進捗状況を示す前記進捗情報を、該端末識別情報が付与された前記通信端末へ送信する情報提供装置。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項に記載の情報提供装置において、
前記判定部は、前記準備の開始を判定し、
前記通信部は、前記判定部が前記準備の開始を判定したときに、前記準備を開始した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供装置。
【請求項14】
請求項10から12のいずれか1項に記載の情報提供装置おいて、
前記判定部は、前記準備の終了を判定し、
前記通信部は、前記判定部が前記準備の終了を判定したときに、前記準備を終了した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供装置。
【請求項15】
通信端末から送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備処理と、
前記準備の進捗状況を判定する判定処理と、
前記判定した前記進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する送信処理とを行う情報提供方法。
【請求項16】
請求項15に記載の情報提供方法において、
前記送信処理は、前記進捗情報を前記通信端末へ送信する情報提供方法。
【請求項17】
請求項16に記載の情報提供方法において、
前記準備処理は、複数の前記通信端末それぞれから送信されてきた複数の注文情報それぞれに基づいて、商品の準備を行い、
前記判定処理は、前記注文情報と共に送信されてきた、前記複数の通信端末それぞれを識別可能に付与された端末識別情報ごとに前記準備の進捗状況を判定し、
前記送信処理は、前記端末識別情報ごとに判定した準備の進捗状況を示す前記進捗情報を、該端末識別情報が付与された前記通信端末へ送信する情報提供方法。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか1項に記載の情報提供方法において、
前記判定処理は、前記準備の開始を判定し、
前記送信処理は、前記準備の開始を判定したときに、前記準備を開始した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供方法。
【請求項19】
請求項15から17のいずれか1項に記載の情報提供方法おいて、
前記判定処理は、前記準備の終了を判定し、
前記送信処理は、前記準備の終了を判定したときに、前記準備を終了した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信する情報提供方法。
【請求項20】
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備手順と、
前記準備の進捗状況を判定する判定手順と、
前記判定した前記進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する送信手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のプログラムにおいて、
前記送信手順は、前記進捗情報を前記通信端末へ送信するプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のプログラムにおいて、
前記準備手順は、複数の前記通信端末それぞれから送信されてきた複数の注文情報それぞれに基づいて、商品の準備を行い、
前記判定手順は、前記注文情報と共に送信されてきた、前記複数の通信端末それぞれを識別可能に付与された端末識別情報ごとに前記準備の進捗状況を判定し、
前記送信手順は、前記端末識別情報ごとに判定した準備の進捗状況を示す前記進捗情報を、該端末識別情報が付与された前記通信端末へ送信するプログラム。
【請求項23】
請求項20から22のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記判定手順は、前記準備の開始を判定し、
前記送信手順は、前記準備の開始を判定したときに、前記準備を開始した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信するプログラム。
【請求項24】
請求項20から22のいずれか1項に記載のプログラムおいて、
前記判定手順は、前記準備の終了を判定し、
前記送信手順は、前記準備の終了を判定したときに、前記準備を終了した旨を示す通知を前記進捗情報として前記通信装置へ送信するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にホテル等の施設では、利用客が利用している部屋からホテル側(例えば、フロント等)に飲食物を電話や通信端末等を用いて注文し、注文した飲食物を部屋まで届けてもらえる、いわゆるルームサービスが提供されている。また、近年では、与えられたレシピ(調理方法)に基づいて調理を行う調理ロボットが市場に出てきている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術においては、注文を行った利用者が商品の準備の進捗状況を把握することができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、注文を行った利用者が商品の準備の進捗状況を把握することができる情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報提供システムは、
通信端末と、情報提供装置とを有し、
前記通信端末は、
当該通信端末の外部からの操作を受け付け、該受け付けた操作に基づいて、注文情報を入力する入力部と、
前記入力部が入力した前記注文情報を前記情報提供装置へ送信する第1の通信部と、
前記情報提供装置から送信されてきた進捗情報を出力する出力部とを有し、
前記情報提供装置は、
前記第1の通信部から送信されてきた前記注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備部と、
前記準備部における準備の進捗状況を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記進捗状況を示す前記進捗情報を所定の通信装置へ送信する第2の通信部とを有する。
【0007】
また、本発明の情報提供装置は、
通信端末から送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備部と、
前記準備部における準備の進捗状況を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する通信部とを有する。
【0008】
また、本発明の情報提供方法は、
通信端末から送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備処理と、
前記準備の進捗状況を判定する判定処理と、
前記判定した前記進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する送信処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた注文情報に基づいて、商品の準備を行う準備手順と、
前記準備の進捗状況を判定する判定手順と、
前記判定した前記進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する送信手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、注文を行った利用者が商品の準備の進捗状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の情報提供システムの第1の実施の形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した通信端末に具備された構成要素の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示した情報提供装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
【
図4】
図3に示したデータベースに記憶された注文情報とレシピ情報との対応付けの一例を示す図である。
【
図5】
図3に示したデータベースに記憶された動作情報と工程情報との対応付けの一例を示す図である。
【
図6】
図1に示した情報提供システムにおける情報提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】ステップS6にて出力部が表示した進捗情報の表示態様の一例を示す図である。
【
図8】
図1に示した情報提供システムにおける情報提供方法の他の例を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】ステップS17にて出力部が表示した進捗情報の表示態様の一例を示す図である。
【
図10】本発明の情報提供システムの第2の実施の形態を示す図である。
【
図11】
図10に示した情報提供装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
【
図12】
図10に示した情報提供システムにおける情報提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明の情報提供システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における情報提供システムは
図1に示すように、通信端末100-1~100-n(nは自然数)と、情報提供装置200とが通信ネットワーク300を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク300は、一般的なインターネットでも良いし、企業等の内部に閉じられたイントラネットでも良い。通信端末100-1~100-nは、商品の提供を希望する利用者(例えば、宿泊ホテルの部屋から食事等のルームサービスを注文する利用客等)が操作する通信装置である。通信端末100-1~100-nは、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末でも良いし、部屋に備え付けの通信端末でも良い。通信端末100-1~100-nそれぞれには、通信端末100-1~100-nそれぞれを識別するための端末識別情報があらかじめ付与されている。情報提供装置200は、所定の位置に設置されている装置である。情報提供装置200は、例えば、宿泊ホテルの料理や飲料を準備するレストランの厨房等に設置されている。情報提供装置200は、本情報提供システムを運用する者が管理する装置である。
【0014】
図2は、
図1に示した通信端末100-1に具備された構成要素の一例を示す図である。
図1に示した通信端末100-1は
図2に示すように、入力部110と、通信部120と、出力部130とを有する。なお、
図2には、
図1に示した通信端末100-1に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。また、
図1に示した通信端末100-2~100-nが具備する構成要素も
図2に示したものと同じである。
【0015】
入力部110は、通信端末100-1の外部からの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて、注文情報を通信端末100-1に入力する。入力部110は、注文情報だけではなく、外部から受け付けた操作に基づいた情報を入力する。入力部110は、タッチパネルや操作キー等の情報を入力するための手段である。入力部110は、出力部130から出力された情報に従って行われる利用者からの操作を受け付けても良い。例えば、入力部110が出力部130を兼ねるタッチパネルである場合、入力部110は出力部130が表示した情報に従って利用者が行った操作を受け付ける。この場合、出力部130は、利用者が注文情報等の情報の入力を促す表示を行っても良い。入力部110は、入力された注文情報等の情報を通信部120へ出力する。注文情報は、注文した商品を識別するために商品ごとに固有にあらかじめ付与された商品識別情報(例えば、コード情報)である。ここで商品とは、レストラン等で提供される料理や飲料である。
【0016】
通信部120は、通信端末100-1を識別するための端末識別情報と、入力部110が入力した注文情報等の情報とを情報提供装置200へ送信する第1の通信部である。通信部120は、入力部110が入力した注文情報等の情報を情報提供装置200へ送信する際、当該注文情報とともに通信端末100-1を識別するための端末識別情報を送信する。通信端末100-1の端末識別情報は、情報提供装置200が通信端末100-1を他の通信端末と識別できるものであり、通信端末100-1固有に付与されたものである。つまり、この端末識別情報は、情報提供装置200が端末識別情報を受信した場合、受信した端末識別情報がどの通信端末から送信されてきたものなのかを識別することができる情報である。通信端末100-1の端末識別情報は、情報提供装置200が通信端末100-1に対して情報を送信する際に宛先情報としても用いることができる情報が好ましい。例えば、通信端末100-1の端末識別情報は、通信端末100-1にあらかじめ付与されている電子メールアドレスでも良いし、本情報提供システムを利用する利用者専用に割り当てられている利用者ID等の識別情報でも良い。通信部120は、情報提供装置200から送信されてきた情報を受信し、出力部130へ出力する。通信部120が通信ネットワーク300を介して情報提供装置200との間で通信を行う通信規格は、これらが互いに通信できるものであれば良く、特に規定しない。
【0017】
出力部130は、情報提供装置200から送信されてきて、通信部120が受信した情報を出力する。出力部130における情報の出力方法は、ディスプレイへの表示でも良いし、音声の出力、情報の印刷、他の装置への送信等でも良い。
【0018】
図3は、
図1に示した情報提供装置200に具備された構成要素の一例を示す図である。
図1に示した情報提供装置200は
図3に示すように、通信部210と、準備部220と、判定部230と、データベース240とを有する。なお、
図3には、
図1に示した情報提供装置200に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0019】
データベース240は、注文情報に応じたレシピ情報をあらかじめ記憶する。また、データベース240は、準備部220が行う動作に応じた工程を示す工程情報をあらかじめ記憶する。
【0020】
図4は、
図3に示したデータベース240に記憶された注文情報とレシピ情報との対応付けの一例を示す図である。
図3に示したデータベース240には
図4に示すように、注文情報とレシピ情報とが対応付けられて記憶されている。注文情報は、上述した通りの商品識別情報である。レシピ情報は、注文情報が示す商品を提供するために必要な材料(例えば、食材の種類や量等)、食器、調理方法(作り方)、飲料である場合、複数の原料の混合率、盛付方法等を示す情報である。準備部220が商品を準備するロボットを制御する場合、当該ロボットへ出力する制御信号(駆動信号)の手順がレシピ情報に含まれていても良い。
【0021】
図5は、
図3に示したデータベース240に記憶された動作情報と工程情報との対応付けの一例を示す図である。
図3に示したデータベース240には
図5に示すように、動作情報と工程情報とが対応付けられて記憶されている。この対応付けは、
図4に示したレシピ情報ごとに記憶されている。動作情報は、レシピ情報に従って準備部220が行う処理(動作)の内容を示す情報である。例えば、動作情報は、決められた数の食器を準備することや、決められた食材を準備すること等を示す情報である。また、準備部220が商品を準備するロボットを制御する場合、動作情報は当該ロボットへ出力する制御信号(駆動信号)の信号内容でも良い。この場合、動作情報は当該ロボットのアーム等を制御する(駆動させる)ための信号を示す情報となる。工程情報は、動作情報が示す動作をあらかじめ決められた段階(手順)に分割した工程を示す情報である。
図5に示した例では、動作情報が、材料準備工程と、調理工程と、盛付工程とに分けられた工程情報と対応付けられて記憶されている。
【0022】
準備部220は、通信端末100-1~100-nそれぞれから送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する。準備部220は、通信端末100-1~100-nそれぞれから注文情報とともに送信されてきた端末識別情報ごとに商品を準備することは言うまでもない。商品の準備とは、例えば、情報提供装置200が商品を準備するロボットを制御する装置である場合、準備部220がそのロボットに対して注文情報に応じた商品を準備する(例えば、商品が酒類である場合、注文情報に応じた材料および配合率で当該酒類を作成する)ための指示信号(駆動信号)を出力することを指す。また、情報提供装置200自体が商品を準備する装置である場合、商品の準備とは、準備部220に具備された駆動機構が注文情報に応じた商品を準備することを指す。このとき、準備部220は、通信端末100-1~100-nそれぞれから送信されてきた注文情報と対応付けられたレシピ情報をデータベース240から読み出し、読み出したレシピ情報に従って商品の準備を行う。
【0023】
判定部230は、準備部220における商品の準備の進捗状況を判定する。判定部230は、端末識別情報ごとに準備部220における商品の準備の進捗状況を判定する。このとき、判定部230は、準備部220が行っている動作が、データベース240に記憶されている工程情報のいずれに該当するのかを判定し、当該動作の進捗状況を判定する。また、判定部230は、準備部220が行っている動作に基づいて、データベース240に記憶されている工程情報が示す工程が開始されたこと、または終了したことを進捗状況として判定する。
【0024】
通信部210は、通信端末100-1~100-nそれぞれから送信されてきた注文情報および端末識別情報を受信し、準備部220へ出力する第2の通信部である。通信部210は、判定部230が判定した進捗状況を示す進捗情報を所定の通信装置へ送信する。ここで、所定の通信装置は、注文情報を送信した通信端末100-1~100-nや、商品を消費する利用者が操作する通信端末、商品を配送する装置、商品を管理する装置等で良い。以下の説明について同じである。通信部210は、判定部230が端末識別情報ごとに判定した準備の進捗状況を示す進捗情報を、その端末識別情報が付与された通信端末100-1~100-nへ送信する。このとき、通信部210は、端末識別情報を用いて進捗情報を送信する。
【0025】
以下に、
図1に示した情報提供システムにおける情報提供方法について説明する。
図6は、
図1に示した情報提供システムにおける情報提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図1に示した通信端末100-1から注文情報が送信された場合を例に挙げて説明する。また、情報提供装置200が、商品の準備を開始したことを示す進捗状況を通知する場合を例に挙げて説明する。また、出力部130が進捗情報を表示する場合を例に挙げて説明する。
【0026】
まず、通信端末100-1の入力部110が、利用者から注文の操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて注文情報を通信端末100-1に入力すると(ステップS1)、入力された注文情報と通信端末100-1の端末識別情報とを通信部120が情報提供装置200へ送信する(ステップS2)。通信部120から送信されてきた注文情報と端末識別情報とを通信部210が受信すると、準備部220は通信部210が受信した端末識別情報ごとに注文情報と対応付けられたレシピ情報をデータベース240から読み出す(ステップS3)。続いて、準備部220は、データベース240から読み出したレシピ情報に応じた動作情報が示す内容に従って商品の準備を開始する(ステップS4)。すると、判定部230は、準備部220の動作に基づいた工程情報をデータベース240から読み出し、準備部220が準備を開始したことを判定する。
【0027】
続いて、通信部210は、準備部220が商品の準備を開始した旨を示す通知を進捗情報として通信端末100-1へ送信する(ステップS5)。通信部210から送信されてきた進捗情報を通信部120が受信すると、出力部130は通信部120が受信した進捗情報を表示する(ステップS6)。
【0028】
図7は、ステップS6にて出力部130が表示した進捗情報の表示態様の一例を示す図である。
図7に示すように、出力部130には注文した商品の準備を開始した旨を示す通知が表示される。この表示は、通信端末100-1を操作した利用者が、注文した商品の準備が開始されたことを認識できるもので良く、注文した商品名等、注文に関する情報も表示されても良い。
【0029】
図8は、
図1に示した情報提供システムにおける情報提供方法の他の例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図1に示した通信端末100-1から注文情報が送信された場合を例に挙げて説明する。また、情報提供装置200が、商品の準備を終了したことを示す進捗状況を通知する場合を例に挙げて説明する。また、出力部130が進捗情報を表示する場合を例に挙げて説明する。
【0030】
まず、通信端末100-1の入力部110が、利用者から注文の操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて注文情報を通信端末100-1に入力すると(ステップS11)、入力された注文情報と通信端末100-1の端末識別情報とを通信部120が情報提供装置200へ送信する(ステップS12)。通信部120から送信されてきた注文情報と端末識別情報とを通信部210が受信すると、準備部220は通信部210が受信した端末識別情報ごとに注文情報と対応付けられたレシピ情報をデータベース240から読み出す(ステップS13)。続いて、準備部220は、データベース240から読み出したレシピ情報に応じた動作情報が示す内容に従って商品の準備を開始する(ステップS14)。
【0031】
判定部230は準備部220の動作に基づいた工程情報をデータベース240から読み出し、その後、準備部220が商品の準備(動作)を終了すると(ステップS15)、判定部230は商品の準備(動作)についてすべての工程を終了したことを判定する。この判定は、例えば、準備部220が商品の準備を行い、データベース240に記憶されているすべての工程が終了した際に、判定部230に対して所定の終了通知を行い、当該終了通知がなされたかどうかを判定部230が判定するものでも良い。
【0032】
続いて、通信部210は、準備部220が商品の準備が終了した旨を示す通知を進捗情報として通信端末100-1へ送信する(ステップS16)。通信部210から送信されてきた進捗情報を通信部120が受信すると、出力部130は通信部120が受信した進捗情報を表示する(ステップS17)。
【0033】
図9は、ステップS17にて出力部130が表示した進捗情報の表示態様の一例を示す図である。
図9に示すように、出力部130には注文した商品の準備を終了した旨を示す通知が表示される。この表示は、通信端末100-1を操作した利用者が、注文した商品の準備が終了したことを認識できるもので良く、注文した商品名等、注文に関する情報も表示されても良い。
【0034】
このように本形態においては、商品の提供を希望する利用者が通信端末を操作して当該通信端末が商品の注文情報を受け付けると、離れた場所に位置する、商品を準備する装置へ注文情報を送信する。注文情報を受信した装置は、注文情報に応じた商品の準備を行い、準備の開始または終了を通信端末へ通知する。これにより、例えば、利用者は宿泊ホテルの部屋からレストラン等へ注文した商品の準備の開始または終了を部屋に居ながら知ることができる。この場合、部屋に居ながら商品の準備の終了を知ることができれば、当該商品が部屋に届けられるタイミングで様々な準備を行うことができる。または、レストラン等で商品の提供を受ける場合は、適当なタイミングでレストランへ向かうことができる。つまり、注文を行った利用者が商品の準備の進捗状況を把握することができ、それにより、必要な行動を適当なタイミングで起こすことができる。
(第2の実施の形態)
【0035】
図10は、本発明の情報提供システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態における情報提供システムは
図10に示すように、通信端末100-1~100-nと、情報提供装置201とが通信ネットワーク300を介して互いに通信可能に接続されている。通信端末100-1~100-nおよび通信ネットワーク300のそれぞれは、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じもので良い。情報提供装置201は、所定の位置に設置されている装置である。情報提供装置201は、例えば、宿泊ホテルの料理や飲料を準備するレストランの厨房等に設置されている。情報提供装置201は、本情報提供システムを運用する者が管理する装置である。
【0036】
図11は、
図10に示した情報提供装置201に具備された構成要素の一例を示す図である。
図10に示した情報提供装置201は
図11に示すように、通信部210と、準備部220と、判定部231と、データベース240とを有する。通信部210、準備部220およびデータベース240のそれぞれは、第1の実施の形態と同じもので良い。なお、
図11には、
図10に示した情報提供装置201に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0037】
判定部231は、準備部220における商品の準備の進捗状況を判定する。判定部231は、端末識別情報ごとに準備部220における商品の準備の進捗状況を判定する。このとき、判定部230は、準備部220が行っている動作が、データベース240に記憶されている工程情報のいずれに該当するのかを判定し、当該動作の進捗状況を判定する。本形態において、判定部231における判定のタイミングは、通信端末100-1~100-nから進捗情報を要求するための要求情報が送信されてきたタイミングである。進捗情報は、商品の準備の進捗状況を示す情報であり、データベース240に記憶されている工程情報を用いた情報でも良い。要求情報は、通信端末100-1~100-nと情報提供装置201との間で、通信端末100-1~100-nから情報提供装置201へ進捗情報を要求するための情報であることが認識できるものであれば良い。
【0038】
以下に、
図10に示した情報提供システムにおける情報提供方法について説明する。
図12は、
図10に示した情報提供システムにおける情報提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図10に示した通信端末100-1から注文情報および要求情報が送信された場合を例に挙げて説明する。また、出力部130が進捗情報を表示する場合を例に挙げて説明する。
【0039】
まず、通信端末100-1の入力部110が、利用者から注文の操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて注文情報を通信端末100-1に入力すると(ステップS21)、入力された注文情報と通信端末100-1の端末識別情報とを通信部120が情報提供装置201へ送信する(ステップS22)。通信部120から送信されてきた注文情報と端末識別情報とを通信部210が受信すると、準備部220は通信部210が受信した端末識別情報ごとに注文情報と対応付けられたレシピ情報をデータベース240から読み出す(ステップS23)。続いて、準備部220は、データベース240から読み出したレシピ情報に応じた動作情報が示す内容に従って商品の準備を開始する(ステップS24)。
【0040】
その後、通信端末100-1の入力部110が、利用者から進捗情報を要求するための操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて要求情報を通信端末100-1に入力すると(ステップS25)、入力された要求情報と通信端末100-1の端末識別情報とを通信部120が情報提供装置201へ送信する(ステップS26)。すると、判定部231は、現在の準備部220の動作状況に基づいて、データベース240に当該動作状況が示す動作情報と対応付けられている工程情報を用いて進捗状況を判定する(ステップS27)。例えば、判定部231は、準備部220が現在行っている動作の内容を準備部220から取得し、取得した動作内容を示す動作情報と対応付けられている工程情報をデータベース240から読み出す。そして、判定部231は、読み出した工程情報が示す工程を進捗状況として判定しても良い。
【0041】
続いて、通信部210は、判定部231が判定した進捗状況を進捗情報として通信端末100-1へ送信する(ステップS28)。通信部210から送信されてきた進捗情報を通信部120が受信すると、出力部130は通信部120が受信した進捗情報を表示する(ステップS29)。
【0042】
このように本形態においては、商品の提供を希望する利用者が通信端末を操作して当該通信端末が商品の注文情報を受け付けると、離れた場所に位置する、商品を準備する装置へ注文情報を送信する。注文情報を受信した装置は、注文情報に応じた商品の準備を行う。その後、その利用者が通信端末を操作して当該通信端末が進捗情報を要求するための操作を受け付けると、要求情報が商品を準備する装置へ送信され、現在の進捗状況が判定されて通信端末へ通知される。これにより、例えば、利用者は宿泊ホテルの部屋からレストラン等へ注文した商品の準備の進捗状況を部屋に居ながら知ることができる。この場合、部屋に居ながら商品の準備の進捗状況を知ることができれば、当該商品が部屋に届けられるタイミングを見計らって様々な準備を行うことができる。または、レストラン等で商品の提供を受ける場合は、適当なタイミングを見計らってレストランへ向かうことができる。つまり、注文を行った利用者が商品の準備の進捗状況を把握することができ、それにより、必要な行動を適当なタイミングで起こすことができる。
(他の実施の形態)
【0043】
また、準備部220が各工程の動作を開始するごとに、判定部230が現在の商品の準備の工程を進捗状況として判定しても良い。工程が開始されたことを判定部230が判定した旨を通信部210が通信端末100-1~100-nへ送信しても良い。また、準備部220が各工程の動作を終了するごとに、判定部230が現在の商品の準備の工程を進捗状況として判定しても良い。工程が終了したことを判定部230が判定した旨を通信部210が通信端末100-1~100-nへ送信しても良い。
【0044】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。また、各実施の形態を組み合わせたものであっても良い。
【0045】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を、情報提供装置200,201それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報提供装置200,201それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。情報提供装置200,201それぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカードなどの移設可能な記録媒体の他、情報提供装置200,201それぞれに内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、情報提供装置200,201それぞれに設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0046】
100-1~100-n 通信端末
110 入力部
120,210 通信部
130 出力部
200,201 情報提供装置
220 準備部
230,231 判定部
240 データベース
300 通信ネットワーク