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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060233
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】操作入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20240424BHJP
   G06F 3/0362 20130101ALI20240424BHJP
【FI】
G06F3/02 400
G06F3/0362
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167476
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 華▲ライ▼
【テーマコード(参考)】
5B020
5B087
【Fターム(参考)】
5B020DD03
5B087AA04
5B087BC13
(57)【要約】
【課題】操作時の摩擦による雑音発生や部品劣化が抑制された操作入力装置を得る。
【解決手段】一実施形態に係る操作入力装置1は、ユーザの操作によって駆動される操作部20と、操作部20と非接触に設けられ、第1方向に向けて操作部20に付勢力を付与する付勢部40と、付勢部40よる付勢力を操作部20に伝達する伝達部30と、付勢部40を第1方向又は第1方向と逆方向の第2方向に移動させて、操作部20に付与される付勢力を変化させる駆動部50と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作によって駆動される操作部と、
前記操作部と非接触に設けられ、第1方向に向けて前記操作部に付勢力を付与する付勢部と、
前記付勢部よる付勢力を前記操作部に伝達する伝達部と、
前記付勢部を前記第1方向又は前記第1方向と逆方向の第2方向に移動させて、前記操作部に付与される付勢力を変化させる駆動部と、を備える、操作入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作入力装置において、
前記伝達部は、前記操作部に設けられた第1磁石と、前記付勢部に設けられた第2磁石と、を有し、
前記第1磁石と前記第2磁石とは、同一極が互いに対向して配置される、操作入力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作入力装置において、
前記付勢部は、前記第2磁石に対して前記第2方向側に設けられる弾性部材と、前記弾性部材を収容する収容部とを有し、
前記駆動部は、前記弾性部材の変形度合いを変化させる、操作入力装置。
【請求項4】
請求項3に記載の操作入力装置において、
前記収容部は、前記第1方向に延びるラックを有し、
前記駆動部は、前記ラックを介して前記収容部を前記第1方向又は前記第2方向に移動させることにより、前記弾性部材の変形度合いを変化させる、操作入力装置。
【請求項5】
請求項2に記載の操作入力装置において、
前記伝達部は、前記第2磁石の前記第1方向の移動を所定の範囲内に規制する規制部材を有する、操作入力装置。
【請求項6】
請求項1に記載の操作入力装置において、
前記伝達部は、前記付勢部に設けられる筒部と、前記操作部に設けられ、前記筒部内で前記第1方向又は第2方向に移動可能なプランジャと、を有し、
前記筒部と前記プランジャとによって囲まれる空間には気体が封入され、
前記駆動部は、前記筒部と前記プランジャとによって囲まれる空間の内圧を変化させる、操作入力装置。
【請求項7】
請求項6に記載の操作入力装置において、
前記付勢部は、前記第1方向に延びるラックを有し、
前記駆動部は、前記ラックを介して前記付勢部を前記第1方向又は前記第2方向に移動させることにより、前記筒部を前記第1方向又は前記第2方向に移動させる、操作入力装置。
【請求項8】
請求項6に記載の操作入力装置において、
前記操作部の前記第1方向の移動を所定の範囲内に規制する規制部材を備える、操作入力装置。
【請求項9】
請求項1から8までの何れか一項に記載の操作入力装置において、
前記駆動部は、モータを有する、操作入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによる操作方向とは反対方向の力を操作ボタンに加えることにより触力覚を提示する操作入力装置が知られている。このような操作入力装置では、溝が形成されたガイド部材等を有するアクチュエータにより操作ボタンを操作方向とは反対方向に沿って移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-99864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ガイド部材等と操作ボタンとの間の摩擦により、操作ボタンの移動時に雑音が発生したり、摩擦による部品の劣化により装置の寿命が短くなる等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る操作入力装置は、ユーザの操作によって駆動される操作部と、前記操作部と非接触に設けられ、第1方向に向けて前記操作部に付勢力を付与する付勢部と、前記付勢部よる付勢力を前記操作部に伝達する伝達部と、前記付勢部を前記第1方向又は前記第1方向と逆方向の第2方向に移動させて、前記操作部に付与される付勢力を変化させる駆動部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、操作時の摩擦による雑音発生や部品劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の操作入力装置の外観図である。
図2】第1の実施形態の操作入力装置の断面図である。
図3】第2の実施形態の操作入力装置の外観図である。
図4】第2の実施形態の操作入力装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態を説明するために参照する全ての図面において、同一又は実質的に同一の構成には同一の符号を用いる。また、既に説明した構成については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係る操作入力装置1の外観図である。図2は、図1に示される操作入力装置1のA-A線における断面図である。操作入力装置1は、例えば、ゲーム機の操作や、ゲーム機とは異なる情報処理装置の操作を行う際に、ユーザにより利用される。
【0010】
以下の説明においては、図1の紙面の上側を上方、下側を下方と呼び、紙面手前側を前方、奥側を後方と呼ぶ。上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。また、上下方向のうち上方向を第1方向と呼び、第1方向とは逆方向の下方向を第2方向と呼ぶこともある。
【0011】
<操作入力装置1の概要>
操作入力装置1は、ハウジング10、操作部20、伝達部30、付勢部40、駆動部50等を備えている。ハウジング10は、内部に伝達部30、付勢部40等を収容する。ハウジング10の上部右側には操作部20が配置される。ハウジング10の上部左側には駆動部50が有するモータ51が配置される。
【0012】
<操作部20>
操作部20はトリガ形状を有し、ユーザによる操作が行われる操作部材である。操作部20の一方側(左側)には前後方向に延びるシャフト21が設けられ、操作部20は、シャフト21を介してハウジング10に取り付けられる。操作部20の他方側(右側)がユーザによって下方(第2方向)に向けて押下する操作が行われると、シャフト21を軸として、図1の矢印A1の向きに回転する。ユーザによる押下操作が終了すると、シャフト21を軸として、図1の矢印A2の向きに回転する。すなわち、操作部20は、ユーザによる操作に応じて駆動する。
【0013】
操作部20の左側の端部には突出部22が形成される。ユーザによる押下操作が行われていないときには、突出部22の下面はハウジング10に形成されたストッパ11と当接する。これにより、ユーザによる操作が行われていない時に、操作部20が矢印A2の向きに過度に回転することが規制される。
【0014】
<伝達部30>
伝達部30は、操作部20の下部と、後述する付勢部40の上部との間に設けられる。伝達部30は、第1磁石31と、第2磁石32と、取付部材33とを有する。第1磁石31は、操作部20の下面側に設けられる。第2磁石32は、後述する付勢部40の上部に配置される取付部材33の上面に取り付けられる。第1磁石31の下面側と第2磁石32の上面側とは同一極である。すなわち、第1磁石31と第2磁石32とは、同一極が上下方向にて対向した状態で配置される。これにより、第1磁石31と第2磁石32との間には反力が生じるため、第1磁石31と第2磁石32とは、上下方向に離間して配置される。
【0015】
取付部材33は、本体部330と、本体部330の後面に設けられ後方に突出する突部331とを有する。本体部330の上面には、第2磁石32が設けられる。突部331は、後述する付勢部40の収容部43内に収容された弾性部材41の上部に配置される。突部331には穴が形成され、この穴を介して後述する付勢部40のガイドシャフト45が挿入されている。これにより、突部331を有する取付部材33がガイドシャフト45に案内されて上下方向に移動することができる。すなわち、取付部材33のガイドシャフト45に沿った移動に伴って、取付部材33に設けられた第2磁石32は、上下方向に移動することができる。
【0016】
<付勢部40>
付勢部40は、操作部20に対して下方(第2方向側)に伝達部30を介して設けられる。上述したように、操作部20の下面に取り付けられた第1磁石31と、付勢部40の上部に配置される第2磁石32とは上下方向にて離間して配置されているため、付勢部40は操作部20と非接触の状態で設けられる。付勢部40は、弾性部材41と、弾性部材41が収容される収容部43とを有する。
【0017】
弾性部材41は、例えばばねであり、収容部43の内部に収容される。収容部43は、上下方向を長辺とする長方形状の背面板43aと、背面板43aから各辺に連接する側壁板43b,43c,43d,43eとを備えている。背面板43a及び側壁板43b,43c,43d,43eは一体成形されており、側壁板43bは背面板43aの一方(左方)の長辺に連接し、側壁板43cは背面板43aの他方(右方)の長辺に連接している。また、側壁板43dは背面板43aの上方側の短辺に連接し、側壁板43eは背面板43aの下方側の短辺に連接している。収容部43の左方側の側壁板43bには、複数の歯が上下方向に沿って配列されたラック44が形成される。
【0018】
側壁板43d,43eには穴が形成され、この穴を介して上下方向に延びるガイドシャフト45が収容部43内に挿入される。このガイドシャフト45の外周に弾性部材41が巻き付けられて配置されている。すなわち、弾性部材41は上下方向に沿って配置され、取付部材33に対して上方(第1方向)に向けた付勢力を付与する。
【0019】
上述した伝達部30の突部331は、収容部43内に収容された弾性部材41の上部と収容部43の側壁板43dとの間に挿入される。すなわち、弾性部材41は、取付部材33に設けられた第2磁石32に対して下方(第2方向側)に設けられる。突部331は、弾性部材41の弾性力により、上方の収容部43の側壁板43dに向かう付勢力が付与される。このため、取付部材33及び取付部材33上に設けられた第2磁石32は、弾性部材41によって上方(第1方向)に付勢される。ただし、突部331の上面と側壁板43dとが当接することにより、取付部材33及び第2磁石32がそれ以上上方へ移動することが規制される。すなわち、突部331は、弾性部材41の弾性力を受けて第1方向に付勢された第2磁石32の操作部20に向けた移動を所定の範囲内に規制する規制部材として機能する。
【0020】
<駆動部50>
駆動部50は、モータ51と、モータ51の駆動力を付勢部40へ伝達するウォーム52,第1ギヤ53,第2ギヤ54及び第3ギヤ55と、を有する。第1ギヤ53,第2ギヤ54,第3ギヤ55は、それぞれ前後方向に延びるシャフト53a,54a,55aを軸として回転可能にハウジング10に設けられている。
【0021】
モータ51は、例えばステッピングモータやサーボモータである。モータ51は、電源部(不図示)からの電力の供給を受けると、図1に示される上下方向に沿った回転軸線AX1を回転中心として回転駆動し、回転軸56を回転駆動させる。回転軸56の下端部近傍にはウォーム52が設けられ、ウォーム52は第1ギヤ53と歯合する。第1ギヤ53は第2ギヤ54と歯合し、第2ギヤ54は第3ギヤ55と歯合する。これにより、回転軸56の回転駆動によりウォーム52が回転すると、第1ギヤ53及び第2ギヤ54を介して第3ギヤ55が回転駆動する。尚、ギヤの個数は上記の3個に限定されるものではなく、1個でもよいし、4個以上であってもよい。
【0022】
第3ギヤ55は、上述した収容部43に形成されたラック44と歯合する。このため、モータ51の回転駆動に伴って第3ギヤ55が回転駆動すると、第3ギヤ55と歯合するラック44により、収容部43が第1方向又は第2方向(上下方向)に移動する。
【0023】
<操作入力装置1の動作>
上記の構成を備える操作入力装置1の動作について説明する。
【0024】
ユーザにより操作部20が押下操作されると、操作部20は、シャフト21を回転軸として矢印A1の向きに回転駆動する。この操作部20の駆動により、第1磁石31が下方(第2方向側)に向けて移動する。第1磁石31が下方へ移動すると、第1磁石31と第2磁石32との間に作用する反力により、第2磁石32及び第2磁石32が設けられた取付部材33は、弾性部材41による付勢力に抗して、ガイドシャフト45に案内されて下方に移動する。このとき、取付部材33に設けられた突部331により弾性部材41には下方への力が作用するため、弾性部材41は収容部43の内部で圧縮変形する。
【0025】
弾性部材41の圧縮変形により、弾性部材41による弾性力が増加し、取付部材33を上方(第1方向)へ向けて付勢する付勢力が増加する。これにより、伝達部30の第2磁石32及び第1磁石31を介して操作部20及びユーザに伝達される上方へ向かう力(操作反力)が増加する。
【0026】
ユーザによる操作に応じて操作部20が回転駆動をすると、操作部20の位置変化が位置検出センサ(不図示)によって検出され、検出信号が制御部(不図示)へ出力される。制御部は電源部にモータ51への電力供給を行わせ、モータ51を回転駆動させる。上述したように、モータ51の回転力は、ウォーム52,第1ギヤ53、第2ギヤ54,第3ギヤ55を介して、収容部43のラック44に伝達される。収容部43は、第3ギヤ55の回転に応じて、ラック44が延びる上下方向に移動する。収容部43の移動方向は、モータ51の回転方向に応じて変わる。例えば、モータ51が正回転のときには収容部43が上方に移動し、モータ51が逆回転のときには収容部43が下方に移動するように構成することができる。
【0027】
ユーザが操作部20を押下操作しているときに収容部43が上方に移動すると、収容部43の下方の側壁板43eと突部331との間の距離が短くなり、弾性部材41の圧縮変形の度合いが大きくなる。このため、弾性部材41の弾性力によって取付部材33に対して上方に作用する付勢力が増大する。増大した付勢力は、伝達部30の第2磁石32及び第1磁石31を介して操作部20に伝達される。この結果、ユーザが操作部20から受ける力が増加するため、ユーザは例えば固いものを押しているような操作感覚を得ることができる。
【0028】
ユーザが操作部20を押下操作しているときに収容部43が下方に移動すると、収容部43が上方に移動する場合と比較して、収容部43の側壁板43eと突部331との間の距離が大きくなり、弾性部材41の圧縮変形の度合いが小さくなる。このため、収容部43が上方に移動する場合と比較して、弾性部材41の弾性力によって取付部材33に対して上方に作用する付勢力が小さい。この付勢力は、伝達部30の第2磁石32及び第1磁石31を介して操作部20に伝達される。この結果、ユーザが操作部20から受ける力が小さいため、ユーザは例えば柔らかいものを押しているような操作感覚を得ることができる。
【0029】
また、モータ51の回転方向が正回転と逆回転とを繰り返す場合には、収容部43の上方への移動と下方への移動が繰り返される。このため、操作部20からユーザが受ける力が変化するため、ユーザは振動しているような操作感覚を得ることができる。
【0030】
ユーザによる押下操作が終了すると、弾性部材41の弾性力によって付勢された取付部材33が上方に向けて移動する。すなわち、取付部材33に設けられた第2磁石32がガイドシャフト45に案内されて上方(第1方向側)に向けて移動する。第2磁石32が上方に向けて移動すると、第1磁石31と第2磁石32との間に作用する反力により、第1磁石31は上方に移動する。これにより、第1磁石31が設けられた操作部20は、上方に向かう力を受ける。この結果、操作部20は、シャフト21を回転軸として矢印A2の向きに回転駆動する。操作部20の左側の端部に形成された突出部22の下面がハウジング10に形成されたストッパ11と当接することにより、操作部20は矢印A2の向きの回転駆動を停止する。
【0031】
尚、上述したように、取付部材33の突部331の上面と収容部43の側壁板43dとが当接することにより、取付部材33及び第2磁石32がそれ以上上方へ移動することが規制される。また、ユーザによる押下操作が終了し、位置検出センサからの検出信号が出力されなくなると、モータ51への電力供給も停止される。
【0032】
以上で説明した第1の実施形態によれば、以下の作用効果の少なくとも1つが得られる。
【0033】
(1)付勢部40は、ユーザによる操作に応じて駆動される操作部20とは非接触の状態で設けられる。付勢部40は第1方向に向けて操作部20に付勢力を付与する。伝達部30は、付勢部40よる付勢力を操作部20に伝達する。これにより、操作部20の駆動時に、操作部20と付勢部40とは摩擦による影響が抑制されて動作できる。この結果、操作部20の操作による雑音の発生が抑えられると共に、摩擦による部品劣化が抑制され、装置の寿命を長くすることができる。操作部20と付勢部40とが非接触の構造を有するため、従来の技術のように操作部と付勢部とを接触させる構造と比較して、ギヤや支持部等の接触構造を構成する部材が不要となり、装置内の省スペース化を実現できる。また、ユーザが行う操作により操作部20に対して大きすぎる力が付与された場合であっても、操作部20と付勢部40とが非接触構造を有することから緩衝保護が可能となり、装置内部の部品の損傷を抑制できる。また、駆動部50は、付勢部40を第1方向又は第2方向に移動させて、操作部20に付与する付勢力を変化させる。これにより、操作部20に対して下方から作用する力の大きさが変わるので、ユーザは、操作部20に作用する力の大きさに応じて異なる操作感覚を得ることができ、興趣性の向上に寄与する。
【0034】
(2)伝達部30は、操作部20に設けられた第1磁石31と、付勢部40に設けられた第2磁石32と、を有する。第1磁石31と第2磁石32とは、同一極が互いに対向して配置される。この結果、第1磁石31と第2磁石32との間に生じる反力により、操作部20と付勢部40とが非接触の状態であっても付勢部40によって操作部20を付勢することができる。
【0035】
(3)付勢部40は、第2磁石32に対して第2方向側(下方側)に設けられる弾性部材41と、弾性部材41を収容する収容部43とを有する。駆動部50は、弾性部材41の変形度合いを変化させる。これにより、弾性部材41の弾性力を変化させて、操作部20に作用する付勢力を変化させることができる。
【0036】
(4)駆動部50は、収容部43に上下方向に延びるラック44を介して収容部43を上方又は下方に移動させることにより、弾性部材41の変形度合いを変化させる。これにより、簡単な構成により、弾性部材41の弾性力を変化させて、操作部20に作用する付勢力を変化させることができる。
【0037】
(5)伝達部30は、第2磁石32の第1方向の移動を所定の位置に規制する規制部材である突部331を有する。これにより、第2磁石32が弾性部材41の弾性力により上方に向けて移動し過ぎ、操作部20に下方から不要な力が作用することが抑制される。
【0038】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、第2の実施形態の操作入力装置について説明する。尚、以下の説明においては、第1の実施形態の操作入力装置1と同一又は実質的に同一の構成には同一の符号を用い、繰り返しの説明を行わない。以下、詳細に説明する。
【0039】
図3は、第2の実施形態の操作入力装置1Aの外観図である。図4は、図3に示される操作入力装置1AのB-B線における断面図である。第2の実施形態の操作入力装置1Aは、第1の実施形態の操作入力装置1が備える操作部20、伝達部30及び付勢部40に代えて、操作部20A、伝達部30A及び付勢部40Aを備える。
【0040】
<操作部20A>
操作部20Aは、上下方向に移動する押しボタン構造を有する。操作部20Aは、上下方向に延びる柱状の形状を有する。操作部20Aの下方端部には後方に向けて突出する突出部23が形成される。突出部23には穴が形成され、付勢部40Aのガイドシャフト45が挿入される。このため、操作部20Aは、ユーザの下方に向けた押下操作に応じて、ガイドシャフト45に案内されて下方に移動する。
【0041】
<伝達部30A>
伝達部30Aは、後述する付勢部40Aの前方の面に取り付けられ、筒部35と、プランジャ36とを有する。筒部35は、上方側に開口が形成された筒形状を有し、後方側の外壁には、後方へ向けて突出する突出部350が形成されている。この突出部350が後述する付勢部40Aの本体部46の前方の壁面に形成された穴に挿入されることにより、筒部35が付勢部40Aに取り付けられる。突出部350には穴が形成され、この穴にガイドシャフト45が挿入される。これにより、筒部35は、付勢部40Aの上下方向(第1方向又は第2方向)の移動と連動して、上下方向(第1方向又は第2方向)に移動する。
【0042】
プランジャ36は、筒部35の内部で上下方向(第1方向又は第2方向)に往復移動可能に設けられる。プランジャ36は、上下方向に延びるロッド361と、ロッド361の下方端に形成されたフランジ362とを有する。ロッド361の上端は操作部20Aの下面に取り付けられる。フランジ362は、筒部35の内径に応じた直径を有し、筒部35の内壁面に対して摺動可能に設けられている。このため、操作部20Aがユーザにより下方に向けて押下操作されると、プランジャ36は、操作部20Aの下方への移動と連動して、筒部35に対して下方に向けて移動する。
【0043】
筒部35と、筒部35に挿入されたプランジャ36のフランジ362とにより囲まれる内部空間Sには、圧縮空気やガス等の気体が封入される。この内部空間Sの内圧により、プランジャ36には上方に向けた力が作用する。ユーザによる操作部20Aへの操作が行われず、プランジャ36に下方に向かう力が作用しない場合には、プランジャ36は、内部空間Sの内圧によって、筒部35に対して上方に向けて移動する。
【0044】
尚、プランジャ36と操作部20Aとは別部材であってもよいし、一体形成されてもよい。また、プランジャ36のフランジ362の縁部、すなわち筒部35との摺動面には、ゴム等の部材を設け内部空間Sの気密が得られるようにするとよい。もしくは、フランジ362の全体をゴム等により形成して内部空間Sの気密を得てもよい。
【0045】
<付勢部40A>
付勢部40Aは、第1の実施形態の付勢部40とは異なり、弾性部材41を有していない。また、付勢部40Aは、第1の実施形態の収容部43に代えて、上下方向を長辺とする柱状の本体部46を備える。本体部46には、上下方向に延びるガイドシャフト45が挿入される。本体部46は、ガイドシャフト45に沿って上下方向に移動可能に設けられている。具体的には、本体部46の左方の側壁面には、第1の実施形態と同様のラック44が形成され、駆動部50と歯合している。本体部46の前方の側壁面には、上述したように伝達部30Aの筒部35が取り付けられている。これにより、駆動部50による本体部46のガイドシャフト45に沿った上下方向に連動して、筒部35がガイドシャフト45に沿って上下方向に移動する。換言すると、駆動部50は、ラック44を介して付勢部40Aを第1方向又は第2方向(上下方向)に移動させることにより、伝達部30Aを第1方向又は第2方向(上下方向)に移動させる。
【0046】
<操作入力装置1の動作>
第2の実施形態の操作入力装置1Aの動作について説明する。
【0047】
ユーザにより操作部20Aが押下操作されると、操作部20Aは、ガイドシャフト45に案内されて下方へ向けて移動する。この操作部20Aの移動に伴い、操作部20Aの下面に取り付けられたプランジャ36も下方へ移動する。
【0048】
プランジャ36の下方への移動に伴い、内部空間Sに封入された気体が圧縮されるため、内部空間Sの内圧が上昇する。これにより、プランジャ36を介して操作部20Aに伝達される上方へ向かう力(操作反力)が増加することとなる。
【0049】
ユーザによる操作に応じて操作部20Aが下方へ向けて移動し、操作部20の位置変化したことが位置検出センサ(不図示)によって検出された場合、第1の実施形態のときと同様に、モータ51への電力供給が行われる。モータ51の回転力は、第1の実施形態の場合と同様にして付勢部40Aの本体部46に伝達され、本体部46が上下方向に移動する。この本体部46の上下方向に沿った移動に伴って、本体部46に設けられた筒部35も上下方向に移動する。この結果、駆動部50によって、内部空間Sの内圧が変化される。
【0050】
ユーザが操作部20Aを押下操作しているときに本体部46が上方に移動すると、筒部35がプランジャ36に対して上方に移動する。これにより、本体部46の移動前と比較して、本体部46に設けられた筒部35の下面とプランジャ36のフランジ362の下面との間の距離が短くなる。すなわち、内部空間Sの容積が減少する。このため、本体部46が移動する前と比較して、内部空間S内の気体がより圧縮され、内部空間Sの内圧がより上昇する。内部空間Sの圧力上昇により、プランジャ36を介して操作部20Aに伝達される上方へ向かう力(操作反力)が増加する。この結果、ユーザが操作部20Aから受ける力が増加するため、ユーザは例えば固いものを押しているような操作感覚を得ることができる。
【0051】
ユーザが操作部20Aを押下操作しているときに本体部46が下方に移動すると、筒部35がプランジャ36に対して下方に移動する。これにより、本体部46が上方に移動する場合と比較して、本体部46に設けられた筒部35の下面とプランジャ36のフランジ362の下面との間の距離が大きくなる。すなわち、本体部46が上方に移動する場合よりも、内部空間Sの容積の減少が小さい。このため、本体部46が上方に移動する場合と比較して、内部空間Sの気体圧縮は小さくなり、内部空間Sの内圧の上昇も小さくなる。すなわち、本体部46が上方に移動する場合よりも、内部空間Sの内圧上昇に伴って、プランジャ36を介して操作部20Aに伝達される上方へ向かう力(操作反力)が小さい。この結果、ユーザが操作部20Aから受ける力が小さいため、ユーザは例えば柔らかいものを押しているような操作感覚を得ることができる。
【0052】
また、第2の実施形態の操作入力装置1Aでも、モータ51の回転方向が正回転と逆回転とを繰り返す場合には、本体部46の上方への移動と下方への移動が繰り返される。このため、操作部20Aからユーザに伝わる力が変化するため、ユーザは振動しているような操作感覚を得ることができる。
【0053】
ユーザによる押下操作が終了し、操作部20Aに下方に向かう力が作用しなくなると、内部空間Sの内圧によってプランジャ36が上方に向けて移動する。これにより、プランジャ36の上方に設けられた操作部20Aも上方に向けて移動する。操作部20Aが上方に向けた移動によって突出部23の上面がハウジング10の上部壁面10aと当接すると、操作部20Aの上方への移動が停止する。すなわち、突出部23は、その上面がハウジング10の上部壁面10aと当接することにより操作部20Aの第1方向の移動を所定の範囲内に規制する規制部材である。また、ユーザによる押下操作が終了し、位置検出センサからの検出信号が出力されなくなると、モータ51への電力供給も停止される。
【0054】
以上で説明した第2の実施形態によれば、第1の実施形態により得られた(1)の作用効果に加えて、以下の作用効果のうちの少なくとも1つが得られる。
【0055】
(6)伝達部30Aは、付勢部40Aに設けられる筒部35と、筒部35内で第1方向又は第2方向(上下方向)に移動可能なプランジャ36とを有する。この結果、筒部35とプランジャ36とによって囲まれた内部空間Sの内圧により、操作部20Aと付勢部40Aとが非接触の状態であっても付勢部40Aによって操作部20Aを付勢することができる。
【0056】
(7)駆動部50は、付勢部40Aの本体部46に形成された上下方向に沿って形成されたラック44を介して付勢部40Aを第1方向又は第2方向(上下方向)に移動させることにより、付勢部40Aに設けられた伝達部30Aの筒部35を第1方向又は第2方向に移動させる。これにより、簡単な構成により、内部空間Sの内圧を変化させて、操作部20に作用する付勢力を変化させることができる。
【0057】
(8)操作部20Aの第1方向の移動を所定の範囲内に規制する規制部材である突出部23が設けられる。これにより、操作部20Aが上方に向けて移動し過ぎることが抑制され、操作入力装置1Aが破損する等の不具合の発生を抑えることができる。
【0058】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0059】
第1の実施形態の操作部20はトリガ形状を有し、ユーザの操作に応じてシャフト21を軸として回転駆動するものとして説明したが、この例に限定されない。第1の実施形態の操作部20が、第2の実施形態の操作部20Aと同様に押しボタン構造であってもよい。
【0060】
尚、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0061】
(1)操作入力装置は、ユーザの操作によって駆動される操作部と、前記操作部と非接触に設けられ、第1方向に向けて前記操作部に付勢力を付与する付勢部と、前記付勢部よる付勢力を前記操作部に伝達する伝達部と、前記付勢部を前記第1方向又は前記第1方向と逆方向の第2方向に移動させて、前記操作部に付与される付勢力を変化させる駆動部と、を備える。
【0062】
(2)前記伝達部は、前記操作部に設けられた第1磁石と、前記付勢部に設けられた第2磁石と、を有し、前記第1磁石と前記第2磁石とは、同一極が互いに対向して配置される、(1)に記載の操作入力装置。
【0063】
(3)前記付勢部は、前記第2磁石に対して前記第2方向側に設けられる弾性部材と、前記弾性部材を収容する収容部とを有し、前記駆動部は、前記弾性部材の変形度合いを変化させる、(2)に記載の操作入力装置。
【0064】
(4)前記収容部は、前記第1方向に延びるラックを有し、前記駆動部は、前記ラックを介して前記収容部を前記第1方向又は前記第2方向に移動させることにより、前記弾性部材の変形度合いを変化させる、(3)に記載の操作入力装置。
【0065】
(5)前記伝達部は、前記第2磁石の前記第1方向の移動を所定の範囲内に規制する規制部材を有する、(2)から(4)までの何れかに記載の操作入力装置。
【0066】
(6)前記伝達部は、前記付勢部に設けられる筒部と、前記操作部に設けられ、前記筒部内で前記第1方向又は第2方向に移動可能なプランジャと、を有し、前記筒部と前記プランジャとによって囲まれる空間には気体が封入され、前記駆動部は、前記筒部と前記プランジャとによって囲まれる空間の内圧を変化させる、(1)に記載の操作入力装置。
【0067】
(7)前記付勢部は、前記第1方向に延びるラックを有し、前記駆動部は、前記ラックを介して前記付勢部を前記第1方向又は前記第2方向に移動させることにより、前記筒部を前記第1方向又は前記第2方向に移動させる、(6)に記載の操作入力装置。
【0068】
(8)前記操作部の前記第1方向の移動を所定の範囲内に規制する規制部材を備える、(6)または(7)に記載の操作入力装置。
【0069】
(9)前記駆動部は、モータを有する、(1)から(8)までの何れかに記載の操作入力装置。
【符号の説明】
【0070】
1,1A 操作入力装置、10 ハウジング、11 ストッパ、20,20A 操作部、22 突出部、23 突出部、30,30A 伝達部、31 第1磁石、32 第2磁石、33 取付部材、35 筒部、36 プランジャ、40,40A 付勢部、41 弾性部材、43 収容部、44 ラック、45 ガイドシャフト、46 本体部、50 駆動部、51 モータ、330 本体部、331 突部、350 突出部、361 ロッド、362 フランジ
図1
図2
図3
図4