(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060251
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
F01P 11/00 20060101AFI20240424BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20240424BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240424BHJP
B60K 11/02 20060101ALI20240424BHJP
B60L 3/00 20190101ALN20240424BHJP
B60L 1/00 20060101ALN20240424BHJP
【FI】
F01P11/00 C
H01L23/46 Z
H05K7/20 P
B60K11/02
B60L3/00 J
B60L1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167503
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】細川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】三浦 智之
【テーマコード(参考)】
3D038
5E322
5F136
5H125
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC22
3D038AC23
5E322AA07
5E322DA01
5E322DA02
5E322DA04
5E322EA10
5E322FA01
5F136CB06
5F136CB11
5F136CB13
5F136DA27
5F136DA41
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA09
5H125FF22
5H125FF23
5H125FF24
(57)【要約】
【課題】2系統の冷媒流路とリザーブタンクを備えた冷却システムにおいて、第1系統と第2系統の間で熱量の移動を抑える。
【解決手段】本明細書が開示する冷却システムは、第1系統流路、第2系統流路、リザーブタンクを備える。リザーブタンクは、第1室と、第1室と同じ高さか第1室よりも低い位置に配置されている第2室と、第1室よりも低い位置に配置されている第3室と第4室
と、中間室を備える。第1室には第1流入口が開口しており、第2室には第1流出口が開口しており、第3室には第2流入口が開口しており、第4室には第2流出口が開口している。第1室と第2室は連通しており、第3室と第4室は連通しており、第1室は中間室を介して第3室と連通している。第1系統流路が第1流入口と第1流出口に接続されており、第2系統流路が第2流入口と第2流出口に接続されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発熱体を冷却する第1系統流路と、
前記第1発熱体よりも温度の低い第2発熱体を冷却する第2系統流路と、
リザーブタンクと、
を備えている冷媒システムであって、
前記リザーブタンクは、
前記リザーブタンクの外壁に面している第1室と、
前記外壁に面しており、前記第1室と同じ高さか前記第1室よりも低い位置に配置されている第2室と、
前記外壁に面しており、前記第1室よりも低い位置に配置されている第3室と、
前記外壁に面しており、前記第1室よりも低い位置に配置されている第4室と、
少なくとも1つの中間室と、
前記外壁に設けられており、前記第1室に開口している第1流入口と、
前記外壁に設けられており、前記第2室に開口している第1流出口と、
前記外壁に設けられており、前記第3室に開口している第2流入口と、
前記外壁に設けられており、前記第4室に開口している第2流出口と、
を備えており、
前記第1室と前記第2室は連通しており、
前記第3室と前記第4室は連通しており、
前記第1室は、前記中間室を介して前記第3室と連通しており、
前記第1系統流路が前記第1流入口と前記第1流出口に接続されており、
前記第2系統流路が前記第2流入口と前記第2流出口に接続されている、
冷却システム。
【請求項2】
前記第1系統流路は、
前記第1流出口に接続している第1上流路と、
前記第1流入口に接続している第1下流路と、
を含んでおり、
前記第2系統流路は、
前記第2流出口に接続している第2上流路と、
前記第2流入口に接続している第2下流路と、
を含んでおり、
当該冷却システムは、さらに、
前記リザーブタンクから前記第1上流路へ冷媒を流す第1ポンプと、
前記リザーブタンクから前記第2上流路へ冷媒を流す第2ポンプと、
前記第1上流路を前記第1下流路に接続し、前記第2上流路を前記第2下流路に接続する第1状態と、前記第1上流路を前記第2下流路に接続し、前記第1下流路と前記第2上流路は閉鎖する第2状態とを切り替える切替弁と、
を備えている、請求項1に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、第1発熱体を冷却する第1系統流路と第2発熱体を冷却する第2系統流路を有する冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体の冷媒を用いる冷却装置はリザーブタンクを備える。特許文献1に開示のリザーブタンクには、外部から冷媒が流入する。冷媒は、リザーブタンク内で滞留した後にリザーブタンクの外部へ流出する。リザーブタンク内で冷媒が滞留している間に、冷媒から気泡が除去される。
【0003】
特許文献2、3に開示の冷却システムは、2系統の冷媒流路を有するとともに、2系統の冷媒流路が一つのリザーブタンクを共有する。特許文献2には、第1系統と第2系統の間で熱量の移動を抑えるリザーブタンクが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-081970号公報
【特許文献2】特開2022-134587号公報
【特許文献3】特開2021-160553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書は、2系統の冷媒流路とそれらに共通のリザーブタンクを備えた冷却システムにおいて、特許文献2の技術よりもさらに、第1系統流路と第2系統流路の間で熱量の移動を抑える技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する冷却システムは、第1系統流路、第2系統流路、リザーブタンクを備える。第1系統流路は第1発熱体を冷却する。第2系統流路は、第1発熱体よりも温度が低い第2発熱体を冷却する。
【0007】
リザーブタンクは、リザーブタンクの外壁に面している第1室/第2室/第3室/第4室を備える。第2室は、第1室と同じ高さか第1室よりも低い位置に配置されている。第3室と第4室は、第1室よりも低い位置に配置されている。リザーブタンクはさらに、少なくとも1つの中間室と、リザーブタンクの外壁に設けられている第1流入口、第1流出口、第2流入口、第2流出口を備える。第1流入口は第1室に開口しており、第1流出口は第2室に開口している。第2流入口は第3室に開口しており、第2流出口は第4室に開口している。第1室と第2室は連通しており、第3室と第4室は連通している。第1室は、中間室を介して第3室と連通している。
【0008】
第1系統流路が第1流入口と第1流出口に接続されており、第2系統流路が第2流入口と第2流出口に接続されている。第1系統流路を流れる冷媒は、温度が高い第1発熱体を冷却するので、第2系統流路を流れる冷媒よりも温度が高くなる。温度の高い冷媒が第1室に流れ込み、温度の低い冷媒は第3室に流れ込む。第1室は第3室よりも高い位置にあり、第1室と第3室は少なくとも1つの中間室を介して連通している。それゆえ、第1室の冷媒(温度が高い冷媒)は第3室へは移動し難く、第3室の冷媒(温度の低い冷媒)は第1室へ移動し難い。すなわち、第1系統と第2系統の間で熱量の移動が抑えられる。
【0009】
第1系統流路は、第1流出口に接続している第1上流路と、第1流入口に接続している第1下流路を含んでいてよい。第2系統流路は、第2流出口に接続している第2上流路と、第2流入口に接続している第2下流路を含んでいてよい。冷却システムは、さらに、リザーブタンクから第1上流路へ冷媒を流す第1ポンプと、リザーブタンクから第2上流路へ冷媒を流す第2ポンプと、切替弁を備えていてよい。切替弁は、第1上流路を第1下流路に接続し、第2上流路を第2下流路に接続する第1状態と、第1上流路を第2下流路に接続し、第1下流路と第2上流路は閉鎖する第2状態とを切り替えることが可能である。第1状態では、第1系統流路と第2系統流路の間で熱量の移動が少なく、第2状態では第1系統流路と第2系統流路が合体し、第3系統流路として利用することができる。
【0010】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例の冷却システムのブロック図である(第1状態)。
【
図2】実施例の冷却システムのブロック図である(第2状態)。
【
図3】実施例の冷却システムのリザーブタンクの断面図である。
【
図7】
図4のVII-VII線に沿った断面図である。
【
図8】
図5のVIII-VIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して実施例の冷却システム2を説明する。
図1に、冷却システム2のブロック図を示す。冷却システム2は、第1系統流路10、第2系統流路20、切替弁30、リザーブタンク100を備える。第1系統流路10は第1発熱体91を通過している。第1系統流路10を流れる冷媒が第1発熱体91を冷却する。第2系統流路20は第2発熱体92を通過している。第2系統流路20を流れる冷媒が第2発熱体92を冷却する。冷媒は液体であり、典型的には水である。
【0013】
冷却システム2は、電気自動車に搭載されており、第1発熱体91は走行用のモータやモータを駆動する交流電力を作る電力変換器である。第2発熱体92は、バッテリである。第1発熱体91の発熱量は、第2発熱体92の発熱量よりも大きい。それゆえ、第1系統流路10を通過した冷媒の温度は、第2系統流路20を通過した冷媒の温度よりも高くなる。
【0014】
第1系統流路10は、第1上流路11と第1下流路12を含んでいる。第1上流路11の一端(上流端)は、リザーブタンク100の第1流出口102に接続されており、他端(下流端)は切替弁30に接続されている。第1下流路12の一端(上流端)は切替弁30に接続されており、他端(下流端)はリザーブタンク100の第1流入口101に接続されている。第1系統流路10には第1ポンプ13が備えられている。第1ポンプ13は、リザーブタンク100から冷媒を吸い上げて第1上流路11へ流す。吸い上げられた冷媒は第1発熱体91、切替弁30、第1下流路12を通過してリザーブタンク100へ戻る。
【0015】
第2系統流路20は、第2上流路21と第2下流路22を含んでいる。第2上流路21の一端(上流端)は、リザーブタンク100の第2流出口104に接続されており、他端(下流端)は切替弁30に接続されている。第2下流路22の一端(上流端)は切替弁30に接続されており、他端(下流端)はリザーブタンク100の第2流入口103に接続されている。第2系統流路20には第2ポンプ23が備えられている。第2ポンプ23は、リザーブタンク100から冷媒を吸い上げて第2上流路21へ流す。吸い上げられた冷媒は第2発熱体92、切替弁30、第2下流路22を通過してリザーブタンク100へ戻る。
【0016】
なお、第1系統流路10と第2系統流路20には、ラジエータなどのデバイスが備えられているが、それらの図示と説明は省略する。
【0017】
切替弁30は第1状態と第2状態を切り替え可能である。
図1は、第1状態を示している。第1状態では、切替弁30は、第1上流路11を第1下流路12に接続し、第2上流路21を第2下流路22に接続する。第1状態では、第1系統流路10と第2系統流路20はリザーブタンク100を共有するが、それぞれが独立した冷却回路となる。
【0018】
図2に切替弁30が第2状態となったときの流路を示す。第2状態では、切替弁30は、第1上流路11を第2下流路22に接続し、第1下流路12と第2上流路21を閉鎖する。切替弁30が第2状態のときに第1ポンプ13を駆動すると、冷媒は、リザーブタンク100、第1上流路11、切替弁30、第2下流路22を通り、リザーブタンク100に戻る。第2状態では、第1系統流路10と第2系統流路20が融合し、第3系統流路となる。第3系統流路は、特定の条件のときに活用される。
【0019】
図3に、リザーブタンク100の断面図を示す。
図3の座標系において、+Z方向は鉛直上方に相当する。
【0020】
リザーブタンク100の内部空間は、外壁199に面している(接している)第1室111、第2室112、第3室113、第4室114と、複数の中間室131-139に分かれている。隣り合う室は隔壁で仕切られているが、いくつかの隔壁には連通孔140が設けられている。第2室112は、第1室111と同じ高さに配置されている。第3室113と第4室114は、第1室111よりも低い位置に配置されている。
【0021】
冷媒40の液面40aは、中間室132、133、134に位置する。液面40aよりも上には空気層があり、冷媒40に含まれる気泡は空気層へと移動し、冷媒40から分離される。すなわち、リザーブタンク100は、冷媒40に含まれる気泡を冷媒40から分離する役割を有する。
【0022】
外壁199には第1流入口101、第1流出口102、第2流入口103、第2流出口104が設けられている。第1流入口101は第1室111に開口している。第1流出口102は第2室112に開口している。第2流入口103は第3室113に開口している。第2流出口104は第4室114に開口している。また、先に述べたように、第1流入口101には第1下流路12が接続されており、第1流出口102には第1上流路11が接続されている。第2流入口103には第2下流路22が接続されており、第2流出口104には第2上流路21が接続されている。
【0023】
また、第1室111は、その隣の中間室135と連通しており、中間室135はその隣の第2室112と連通している。別言すれば、第1流入口101から第1流出口102まで水平方向で連通している。先に述べたように、切替弁30が第1状態のとき、リザーブタンク100の第1流出口102から出た冷媒は、第1系統流路10を通り、第1流入口101を経てリザーブタンク100へ戻る。
図3の太矢印線Aが、第1流入口101から第1流出口102へ向かう冷媒の流れを示している。太矢印線Aは、第1系統流路10を流れる冷媒のリザーブタンク100内での流れを示している。
【0024】
一方、第3室113は、その隣の第4室114と連通している。切替弁30が第1状態のとき、リザーブタンク100の第2流出口104から出た冷媒は、第2系統流路20を通り、第2流入口103を経てリザーブタンク100へ戻る。
図3の太矢印線Bが、第2流入口103から第2流出口104へ向かう冷媒の流れを示している。太矢印線Bは、第2系統流路20を流れる冷媒のリザーブタンク100内での流れを示している。
【0025】
第1室111と第3室113は直接には連通しておらず、中間室135、137と、第4室114を介して連通している。しかも、第1室111と第2室112は、第3室113と第4室114よりも高い位置に位置している。別言すれば、第1流入口101と第1流出口102は、第2流入口103と第2流出口104よりも高い位置に位置している。
【0026】
先に述べたように、第1系統流路10を通る冷媒が冷却する第1発熱体91は、第2系統流路20を通る冷媒が冷却する第2発熱体92よりも熱量が大きい。それゆえ、第1系統流路10を通過して第1室111へ戻ってきた冷媒の温度は、第2系統流路20を通過して第3室113へ戻ってきた冷媒の温度よりも高くなる。温度の高い冷媒は温度の低い冷媒よりも比重が小さくなる。それゆえ、高い位置に配置された第1室111の冷媒(温度の高い冷媒)は、低い位置に配置された第3室113へは流れ難く、第3室113の冷媒(温度の低い冷媒)は第1室111には流れ難い。第1系統と第2系統の間で熱量の移動が抑えられる。
【0027】
第1室111と第3室113が直接には連通しておらず、中間室135、137を介して連通していることも、第1系統と第2系統の間で熱量の移動が抑えられることに貢献する。
【0028】
さらにまた、第1流入口101から第1流出口102までを最短で結ぶ流路(すなわち太矢印線A)が、第2流入口103から第2流出口104までを最短で結ぶ流路(すなわち太矢印線B)よりも低い位置を通過している。この点も、第1系統と第2系統の間で移動する熱量が少なくなることに貢献する。
【0029】
切替弁30が第2状態のとき、リザーブタンク100内の冷媒は、第1流出口102、第1上流路11、第2下流路22、第2流入口103を経てリザーブタンク100へ戻る。
図3の破線矢印線Cが、このときのリザーブタンク100内での冷媒の流れを示している。
【0030】
(変形例)
図4-
図9を参照して変形例のリザーブタンク200の構造を説明する。
図4は、リザーブタンク200の側面図であり、
図5は、リザーブタンク200の平面図である。
図4-
図9でも、+Z方向が鉛直上方に相当する。
【0031】
リザーブタンク200の外壁299に、第1流入口201、第1流出口202、第2流入口203、第2流出口204が設けられている。なお、
図4、5では、第2流入口203が見えていないが、第2流入口203は、第2流出口204と同じ高さに配置されている。第1流出口202、第2流入口203、第2流出口204は、第1流入口201よりも低い位置に配置されている。
【0032】
図5のVI-VI線に沿った断面を
図6に示し、
図4のVII-VII線沿った断面を
図7に示す。
図6に示すように、リザーブタンク200の内側は、三層構造になっており、下層に、第2室212、第3室213、第4室214が配置されている。なお、第3室213は第4室214を兼ねている。
【0033】
上層には中間室232、233、234が配置されており、中間層には第1室211と中間室231が配置されている。第1流入口201は第1室211に開口しており、第1流出口202は第2室212に開口している。第2流入口203は第3室213に開口しており、第2流出口204は第4室214に開口している。
【0034】
第1流入口201、第1流出口202、第2流入口203、第2流出口204のうち、第1流入口201だけが、他の口(第1流出口202、第2流入口203、第2流出口204)よりも高い位置に配置されている。第1流出口202、第2流入口203、第2流出口204は、同じ高さ(下層)に配置されている。
【0035】
冷媒40の液面40aは、上層、すなわち、中間室232、233、234に位置する。冷媒40の中の気泡は、中間室232、233、234に放出される。
【0036】
第2流入口203には第2系統流路20の第2下流路22が接続されており、第2流出口204には第2上流路21が接続されている。第2ポンプ23(
図1参照)を駆動すると、リザーブタンク200から第2上流路21へ冷媒が吸い上げられる。冷媒は、第2上流路21から切替弁30と第2下流路22を通り、リザーブタンク200へ戻る。第2流入口203から入った冷媒は、第3室213(すなわち第4室214)を通過し、第2流出口204から出ていく。
図6、7の太矢印線Bが、第2流入口203から第2流出口204へ向かう冷媒の流れを示している。太矢印線Bは、第2系統流路20を流れる冷媒のリザーブタンク200内での流れを示している。第2系統流路20の冷媒は、リザーブタンク200の中では最下層を流れる。
【0037】
図5のVIII-VIII線に沿った断面を
図8に示し、
図4のIX-IX線沿った断面を
図9に示す。第1流入口201は第1室211に開口しており、第1室211には中間室231が隣接している。第1室211と中間室231の間の隔壁には連通孔240が設けられており、第1室211と中間室231は連通している。中間室231の下に第2室212が位置しており、中間室231と第2室212の間の隔壁にも連通孔240が設けられている。第1室211は、中間室231を介して第2室212と連通している。第2室212に第1流出口202が開口している。
【0038】
第1ポンプ13(
図1参照)を駆動すると、リザーブタンク200から第1上流路11へ冷媒が吸い上げられる。冷媒は、第1上流路11から切替弁30と第1下流路12を通り、リザーブタンク200へ戻る。第1流入口201から入った冷媒は、第1室211と中間室231と第2室212を通過し、第1流出口202から出ていく。
図8、9の太矢印線Aが、第1流入口201から第1流出口202へ向かう冷媒の流れを示している。太矢印線Aは、第1系統流路10を流れる冷媒のリザーブタンク200内での流れを示している。第1系統流路10の冷媒は、リザーブタンク200の中では中間層から最下層へと移動する。
【0039】
第1室211は第3室213よりも上に位置し、第1室211と第3室213を仕切る隔壁には連通孔が設けられていない。第2室212と第3室213の間の隔壁にも連通孔240が設けられている。第1室211と第3室213は、中間室231と第2室212を介して連通している。変形例のリザーブタンク200も、リザーブタンク100と同様に、第1系統と第2系統の間で熱量の移動が抑えられる。
【0040】
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。第2室は、第1室と同じ高さか第1室よりも低い位置に配置されていればよい。第3室と第4室は、第1室よりも低い位置に配置されている。第1室と第2室は連通している。第1室と第2室は隣り合っていてもよいし、少なくとも1つの中間室を介して連通していてもよい。第3室と第4室は連通している。第3室と第4室は隣り合っていてもよいし、少なくとも1つの中間室を介して連通していてもよい。第1室と第2室は、必ず少なくとも1つの中間室を介して連通する。
【0041】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0042】
2:冷却システム 10:第1系統流路 11:第1上流路 12:第1下流路 13:第1ポンプ 20:第2系統流路 21:第2上流路 22:第2下流路 23:第2ポンプ 30:切替弁 40:冷媒 40a:液面 91:第1発熱体 92:第2発熱体 100、200:リザーブタンク 101、201:第1流入口 102、202:第1流出口 103、203:第2流入口 104、204:第2流出口 111、211:第1室 112、212:第2室 113、213:第3室 114、214:第4室 131-139、231-234:中間室 140、240:連通孔 199、299:外壁