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特開2024-60280無機フィラーを高充填化した熱伝導性有機無機コンポジット材料
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  • 特開-無機フィラーを高充填化した熱伝導性有機無機コンポジット材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060280
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】無機フィラーを高充填化した熱伝導性有機無機コンポジット材料
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20240424BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240424BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K3/013
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167567
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】591167430
【氏名又は名称】株式会社KRI
(72)【発明者】
【氏名】林 裕之
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AB011
4J002BE021
4J002BE061
4J002BG001
4J002CC031
4J002CC041
4J002CC161
4J002CC181
4J002CD001
4J002CM041
4J002CP031
4J002DA016
4J002DE076
4J002DE146
4J002DF016
4J002DJ046
4J002GM00
4J002GQ00
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、単に絶縁性無機フィラーの含有量を増加させての高熱伝導化ではなく、また表面処理やフィラー粒子の特殊処理を伴わず、あるいは加圧成形を伴わずに粒子間の接触頻度を上げて伝熱経路を形成し、高密度、高熱伝導率を両立させる手法を提供。
【解決手段】 本発明の有機無機放熱材料は、粒径が異なる2種類の板状、鱗片状、繊維状、棒状等の粒子ではない絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂で構成される有機無機放熱材であって、その配合量の体積比が絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の構成比であり、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が200~500μmであり、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が2~30μmであり、2種類の絶縁性粒状熱伝導無機フィラー混合体積比率が、大きい粒子:小さい粒子=5:1~1:1である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径が異なる2種類の絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂で構成される有機無機放熱材であって、その配合量の体積比が絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の構成比であり、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が200~500μmであり、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が2~30μmであり、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが立方晶窒化ホウ素で、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが六方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、合成ダイヤモンド、ナノダイヤモンド、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルクのいずれかであり、2種類の絶縁性粒状熱伝導無機フィラー混合体積比率が、大きい粒子:小さい粒子=5:1~1:1である有機無機放熱材料。
【請求項2】
前記マトリックス樹脂がフェノール樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂やセルロースナノファイバーのいずれである請求項1に記載の有機無機放熱材料。
【請求項3】
粒径が異なる2種類の絶縁性粒状無機フィラーと樹脂で構成される有機無機放熱材料の製造方法であって、粒径が大きい絶縁性粒状無機フィラーである立方晶窒化ホウ素と粒径が小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーである六方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、合成ダイヤモンド、ナノダイヤモンド、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルクのいずれか1種類の体積比率が5:1~1:1となるように配合する工程(工程1)と、前記工程1で配合した絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂を体積比で絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の配合比で混合・混練してする工程(工程2)と、前記工程2で得られた混練生成物を成型容器に鋳込み加熱・硬化する工程(工程3)を含む有機無機放熱材料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性無機フィラーの接触度合いが高く、熱等方性を兼ね備えた放熱材料として好適な有機無機コンポジット材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放熱用途の有機無機コンポジットは、樹脂と熱伝導率の高い無機物で構成されており、樹脂そのものの高熱伝導化や無機フィラーの形状、分散性、表面被覆、配向性やパーコレーションについて多くの研究がなされている。
そして、自動車の電動化に伴いバッテリー、モーターなどの熱対策、通信機器、電子機器、家電製品などは、利便性の観点からますます軽量化、薄型化が求められており、機器内に組み込まれる放熱材の高性能化が益々必要となっている。
【0003】
以上のような情勢に鑑み、樹脂と熱伝導率の高い無機物を含有させた有機無機コンポジット系放熱材料が種々開発されている(特許文献1、2等)。
【0004】
セラミックス焼結体であっても、有機無機コンポジットであっても、熱伝導率向上には伝熱経路を形成することが重要である。有機無機コンポジットが含有する無機フィラー量が30、40、50vol%と増加すると熱伝導率が増大するのは、単に無機フィラー量が増えたことによる効果よりも、無機フィラー同士の接触が増加して伝熱経路が多く形成された効果によるところが大きい。
【0005】
しかし、六方晶窒化ホウ素は構造異方性を有する板状結晶であるため高充填が難しい。例えば、フィラー粒子が理想球体であっても最大でも6~7割程度しか充填できない。板状結晶ではファセットが形成されるため充填度が下がる。その隙間を樹脂で充填されていればコンポジット自体の密度低下は回避できるものの、熱伝導性無機フィラー同士の接触度合いが低下するため、伝熱経路の確保が出来ない。
【0006】
実際のフィラーは多面体であるため粒子同士が点や面で接するが、理想球体で考えた場合、2球体の接点はその大きさ(半径)に関わらずただ1点である。粒径の小さな熱伝導性無機フィラーを使用すると、粒子間接点の数が増え、粒子間隙間を小さくすることは可能であるが、粒子自体の熱伝導率が小さくなるためコンポジットの高熱伝導化にはそぐわない。逆に粒径の大きな熱伝導性無機フィラーでは粒子自体の熱伝導率が小粒子フィラーよりも高いが、粒子間接点の数が少ないうえ、粒子間隙間が大きくなり、伝熱経路を多く形成することができない。
【0007】
上記欠点を補い、フィラー高充填化と伝熱経路確保を図るために、形状の異なる2種類以上のフィラーを配合した混合フィラーを充填することが提唱されている(特許文献3~5)。
特許文献3は、アスペクト比が異なる2種類の熱伝導性充填剤を用いた熱伝導性成型組成物が開示されている。
特許文献4は、繊維状熱伝導性無機フィラーと形状または大きさが異なる熱伝導性無機フィラーを含む熱伝導性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-159062号公報
【特許文献2】特開2016-79353号公報
【特許文献3】特表2002-535469号公報
【特許文献4】特開2022-059896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、単に絶縁性無機フィラーの含有量を増加させての高熱伝導化ではなく、また表面処理やフィラー粒子の特殊処理を伴わず、あるいは加圧成形を伴わずに粒子間の接触頻度を上げて伝熱経路を形成し、高密度、高熱伝導率を両立させる手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、粒径が異なる2種類以上の絶縁性粒状無機フィラーを充填することによって伝熱経路を確保する。すなわち、大きな粒子の接触点近傍を小さな粒子が埋めることで粒子間の接触頻度を上げる(図1)ことにある。これにより1種類の無機フィラーを同じ体積分率混ぜるよりも、高密度で高い熱伝導率を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
【0011】
〔1〕 粒径が異なる2種類の絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂で構成される有機無機放熱材であって、その配合量の体積比が絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の構成比であり、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が200~500μmであり、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が2~30μmであり、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが立方晶窒化ホウ素で、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが六方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、合成ダイヤモンド、ナノダイヤモンド、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルクのいずれかであり、2種類の絶縁性粒状熱伝導無機フィラー混合体積比率が、大きい粒子:小さい粒子=5:1~1:1である有機無機放熱材料。
〔2〕 前記マトリックス樹脂がフェノール樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂やセルロースナノファイバーのいずれである前記〔1〕に記載の有機無機放熱材料。
〔3〕 粒径が異なる2種類の絶縁性粒状無機フィラーと樹脂で構成される有機無機放熱材料の製造方法であって、粒径が大きい絶縁性粒状無機フィラーである立方晶窒化ホウ素と粒径が小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーである六方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、合成ダイヤモンド、ナノダイヤモンド、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルクのいずれか1種類の体積比率が5:1~1:1となるように配合する工程(工程1)と、前記工程1で配合した絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂を体積比で絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の配合比で混合・混練してする工程(工程2)と、前記工程2で得られた混練生成物を成型容器に鋳込み加熱・硬化する工程(工程3)を含む有機無機放熱材料の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従えば、加圧成形やフィラー表面処理を行うことなく、粒径の大きな無機フィラー粒子間を粒径の小さな無機フィラーで埋めることによって伝熱経路を確保し、高密度で高い熱伝導率を発現する有機無機コンポジットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例に関わる熱伝導性有機無機コンポジットのコンセプトを説明する概略図である。
図2】本発明の実施例で作製した軽量有機無機放熱材料の試料表面の二次電子像である。
図3】本発明の実施例及び比較例で作製したすべての有機無機放熱材料の配合比、実測密度および熱伝導率を示したグラフである。
図4】Bruggemanのモデル式より求めたフィラー体積分率と熱伝導率の関係を表したグラフである。(樹脂の熱伝導率を0.2W/m/Kに固定し、フィラーの熱伝導率を20,80、200W/m/Kで算出した。このモデル式ではフィラーの粒径は反映されないため、フィラー熱伝導率で区別をした。)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の熱伝導性有機無機コンポジットは、粒径が異なる2種類の絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂で構成される有機無機放熱材であって、その配合量の体積比が絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の構成比であり、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが立方晶窒化ホウ素で、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが六方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、合成ダイヤモンド、ナノダイヤモンド、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルクのいずれかであり、2種類の絶縁性粒状熱伝導無機フィラー混合体積比率が、大きい粒子:小さい粒子=5:1~1:1である有機無機放熱材料である。
【0015】
本発明に用いる大小の絶縁性粒状熱伝導無機フィラーはいずれも粒状粒子である。本発明の粒状粒子は、粒子の長径と短径の比が2以下である略球状、略正多面体状、塊状等の粒子であり、板状、鱗片状、繊維状、棒状等の粒子の長径と短径の比が2以上の粒子は含まない。
【0016】
本発明の熱伝導性有機無機コンポジットは、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂のいずれかと、絶縁性粒状熱伝導無機フィラーで構成される高密度と高熱伝導性を有する熱伝導性有機無機コンポジットであって、絶縁性粒状熱伝導無機フィラー同士の接触頻度が向上した伝熱経路を有しており、熱伝導率が5W/m/K以上、好ましくは、6W/m/K以上、より好ましくは、10W/m/K以上である。
【0017】
前記大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径は、200~500μmであり、好ましくは300~450μmである。また、前記小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径は、2~30μmであり、好ましくは3~20μmである。
【0018】
前記絶縁性粒状熱伝導無機フィラーは、配合量が多くなるほどマトリックス樹脂との混合あるいは混錬が難しく、有機溶媒を添加して混合あるいは混錬する必要がある。また、加圧成形、押出成形、射出成形、ロールプレス成形、ブレード成形、熱プレス成形など、加圧することによってフィラーを詰め込む必要がある。そのため十分に脱気しなければ気泡が残ることや、押し込むことによりフィラー粒子に欠陥や破損が生じてその熱物性を損ない、熱伝導性有機無機コンポジットの熱伝導率が期待するほど伸びない可能性がある。本発明では粒径の大きく異なるフィラー粒子を加えることによって、大きな粒子間の隙間を小さな粒子が埋め、絶縁性粒状熱伝導無機フィラー同士の接触頻度の向上により伝熱経路形成を実現できることに利点がある。
【0019】
本発明の有機無機放熱材の、絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの配合量は、体積比で絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の構成比であることが好ましい。
【0020】
コンポジット系の熱伝導率の予測モデル式としてBruggemanのモデル式が挙げられる。この式は、フィラー形状を球体と仮定し、フィラーがコンポジット中に占める体積分率に対する熱伝導率を求めることができる。Bruggemanのモデル式は以下に示す通りである。
1-V=(λ-λ)/(λ-λ)*(λ/λ1/3
ここで、Vはフィラーの体積、λはコンポジットの熱伝導率、λはフィラーの熱伝導率、λはマトリックス樹脂の熱伝導率である。
【0021】
前述のBruggemanのモデル式からは熱伝導性無機フィラー添加量が50vol%以下では高い熱伝導率を望むことが難しく、熱伝導性無機フィラーの熱伝導率の影響も小さい。熱伝導性無機フィラーを70vol%、80vol%と大量に加えると、熱伝導性無機フィラーの熱特性が支配的になるものの(図4)、分散や混錬を行うに必要な樹脂が圧倒的に不足するため溶媒を追加する必要があり、その後のプロセスで脱溶媒工程が加わることで工程が複雑になり、樹脂が少ない分コンポジットとしての強度低下を招くことが懸念されるため、熱伝導性無機フィラーの添加量は60vol%程度が有効な限界値と言える。
【0022】
本発明に用いる絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの大きさは、大きい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が200~500μm、好ましくは300~450μmであり、小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの粒径が2~30μm、好ましくは3~20μmである。また、2種類の絶縁性粒状熱伝導無機フィラー混合体積比率は、大きい粒子:小さい粒子=5:1~1:1が好ましい。
前記のような粒径の絶縁性粒状熱伝導無機フィラーを単独で加えるのではなく、前記の配合比に従って2種類の粒子を混ぜることにより、粒子間接点が増加して高い熱伝導率を有する有機無機放熱材料を得ることができる。
【0023】
前記樹脂を例示すると、熱硬化性の場合、フェノール樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂であり、熱可塑性の場合、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0024】
本発明の熱伝導性有機無機コンポジット材料は、鋳込み成型時の鋳型の形状を変えることにより、各種形状の放熱材、例えば薄板からバルク体まで成形可能である。また、本発明の熱伝導性有機無機コンポジット材料の厚さは、1mm以上、好ましくは2mm以上である。厚さの上限は、バルク材の用途の厚みに合わせて制限なく製造することができるが、通常は数十cm以下である。
【0025】
図1は、本発明の実施例に関わる熱伝導性有機無機コンポジットのコンセプトを説明する概略図である。図中○(大粒子)1つが●(小粒子)100個分に相当する。図は単一のフィラー4個を樹脂と混ぜたときに得られる接点よりも、○(大粒子)1個分を●(小粒子)100個に置き換えたときに得られる接点では、その数が増えることを表現している。前記絶縁性粒状熱伝導無機フィラーが、図1に示したコンセプトに従って、大きな粒子の隙間を小さな粒子が埋めることにより伝熱経路のネットワークを形成し、高熱伝導率化が図れている。
【0026】
図2は有機無機放熱材料のバルク体を法線方向から観察した2次電子像である。図中の上段がSEI像、下段がLEI像で、LEI像はより一層試料表面の凹凸が明瞭に確認される。図1のコンセプト通り、大きな粒子の隙間を小さな粒子が埋めているため、小さな粒子を含む試料表面は滑らかになっており、伝熱経路を形成していることが確認できる。
【0027】
次に、本発明の熱伝導性有機無機コンポジット材料の製造方法について説明する。
まず、粒径が異なる2種類の絶縁性粒状無機フィラーを体積比率で粒径が大きい絶縁性粒状無機フィラー:粒径が小さい絶縁性粒状熱伝導無機フィラー=5:1~1:1となるように均一に混合して配合する(工程1)。
次に、前記工程1で配合した絶縁性粒状無機フィラーとマトリックス樹脂を体積比で絶縁性粒状熱伝導無機フィラー:マトリックス樹脂=50:50~60:40の配合比で混合して混練する(工程2)。
前記工程2で得られた混練生成物を成型容器に鋳込み加熱・硬化する(工程3)。
【0028】
用いる樹脂は、熱硬化性の場合、フェノール樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂であり、熱可塑性の場合、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0029】
フィラーと樹脂とを混合する場合、樹脂の種類によって以下のような方法で混合することができる。樹脂を溶媒に溶かしてフィラーを添加して混合する(レゾール型フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂など)。液状の樹脂にてフィラーを添加して混合する(ユリア樹脂、メラミン樹脂など)。硬化剤を添加した原料のモノマーにフィラーを添加して混合する(ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)。樹脂とフィラーの混合は、フィラーと樹脂を十分に馴染ませるため、混練によるのが好ましい。
【0030】
得られた混合物(混練生成物)は、成型するために鋳型に流し込み、加熱することにより樹脂を硬化させて、鋳込み成型で各種形状の放熱材を製造することができる。
鋳込み成型に使用する鋳型は、150℃以上の熱処理に耐え、剥離可能であるならばテフロン(登録商標)製、シリコーン製、金属製のいずれであってもよい。
【0031】
前記のような製法により、大きい粒子絶縁性粒状熱伝導無機フィラーの隙間を小さい粒子絶縁性粒状熱伝導無機フィラーで埋めることにより、伝熱経路を形成することで高い熱伝導率を発現した有機無機放熱材料を作製することができる。
すなわち、本発明の有機無機放熱材料の製造方法は、異サイズの絶縁性粒状熱伝導無機フィラーを利用して、図1に示した概念図のように隙間なく粒子が埋まることで、図2のような内部組織を形成して、絶縁性粒状熱伝導無機フィラー1種で構成される有機無機放熱材料より高熱伝導率化した有機無機放熱材料とすることができていると推察される。
【実施例0032】
(放熱材の嵩密度の測定)
実施例及び比較例に示す作製した放熱材の嵩密度は、アルキメデス法により算出した。
(放熱材の熱伝導率)
実施例及び比較例に示す作製した放熱材の熱伝導率は、ネッチ・ジャパン製:LFA467を用いて熱拡散率の評価を行い、下記式(1)により求めた。
(熱伝導率)=(熱拡散率)×(比熱)×(密度) (1)
なお、式(1)の比熱は、物質固有の物性値であることから、混合則の計算式より求めた。
また、密度は実測の密度である。
【0033】
<実施例1>
立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)と六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)、エポキシ樹脂の体積比が50:10:40になるように、立方晶窒化ホウ素を3.48g、六方晶窒化ホウ素を0.45g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.90g/cm、熱伝導率は10.57W/m/Kであった。
【0034】
<実施例2>
立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)と六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)、エポキシ樹脂の体積比が40:20:40になるように、立方晶窒化ホウ素を2.78g、六方晶窒化ホウ素を0.90g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.81g/cm、熱伝導率は8.95W/m/Kであった。
【0035】
<実施例3>
立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)と六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)、エポキシ樹脂の体積比が30:30:40になるように、立方晶窒化ホウ素を2.09g、六方晶窒化ホウ素を1.36g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.83g/cm、熱伝導率は6.56W/m/Kであった。
【0036】
<実施例4>
立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)と窒化アルミニウム(古河電子株式会社:AlN-f05-A01グレード)、エポキシ樹脂の体積比が50:10:40になるように、立方晶窒化ホウ素を3.48g、窒化アルミニウムを0.65g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウムの混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウム混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は2.61g/cm、熱伝導率は11.65W/m/Kであった。
【0037】
<実施例5>
立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)と窒化アルミニウム(古河電子株式会社:AlN-f05-A01グレード)、エポキシ樹脂の体積比が40:20:40になるように、立方晶窒化ホウ素を2.78g、窒化アルミニウムを1.30g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウムの混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウム混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は2.68g/cm、熱伝導率は10.13W/m/Kであった。
【0038】
<実施例6>
立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)と窒化アルミニウム(古河電子株式会社:AlN-f05-A01グレード)、エポキシ樹脂の体積比が30:30:40になるように、立方晶窒化ホウ素を2.09g、窒化アルミニウムを1.96g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウムの混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウム混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は2.63g/cm、熱伝導率は7.67W/m/Kであった。
【0039】
<比較例1、比較例3>
立方晶窒化ホウ素とエポキシ樹脂が体積比で60:40となるように、立方晶窒化ホウ素(株式会社グローバルダイヤモンド:FBN-300)を4.18g、エポキシ樹脂を0.92gそれぞれ秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本理化株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素粉末を加えてよく馴染ませた。次に、立方晶窒化ホウ素粉末とエポキシ樹脂混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。
得られた放熱材の実測密度は1.97g/cm、熱伝導率は4.17W/m/Kであった。
【0040】
<比較例2、比較例5>
六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)、エポキシ樹脂の体積比が60:40になるように、立方晶窒化ホウ素を4.18g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、六方晶窒化ホウ素粉末とエポキシ樹脂混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.30g/cm、熱伝導率は2.90W/m/Kであった。
【0041】
<比較例4>
窒化アルミニウム(古河電子株式会社:AlN-f05-A01グレード)、エポキシ樹脂の体積比が60:40になるように、窒化アルミニウムを3.91g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに窒化アルミニウム粉末を加えてよく馴染ませた。次に、窒化アルミニウム粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は2.43g/cm、熱伝導率は3.47W/m/Kであった。
【0042】
<比較例6>
六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)と六方晶窒化ホウ素(昭和電工株式会社:UHP-2Sグレード)、エポキシ樹脂の体積比が50:10:40になるように、前者六方晶窒化ホウ素を2.26g、後者六方晶窒化ホウ素を0.45g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、六方晶窒化ホウ素とナノダイヤモンド混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.44g/cm、熱伝導率は4.15W/m/Kであった。
【0043】
<比較例7>
六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)と六方晶窒化ホウ素(昭和電工株式会社:UHP-2Sグレード)、エポキシ樹脂の体積比が40:20:40になるように、前者六方晶窒化ホウ素を1.81g、後者六方晶窒化ホウ素を0.90g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、六方晶窒化ホウ素とナノダイヤモンド混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.40g/cm、熱伝導率は3.73W/m/Kであった。
【0044】
<比較例8>
六方晶窒化ホウ素(デンカ株式会社:SGPSグレード)と六方晶窒化ホウ素(昭和電工株式会社:UHP-2Sグレード)、エポキシ樹脂の体積比が30:30:40になるように、前者六方晶窒化ホウ素を1.36g、後者六方晶窒化ホウ素を1.36g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、六方晶窒化ホウ素とナノダイヤモンド混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.58g/cm、熱伝導率は4.31W/m/Kであった。
【0045】
<比較例9>
六方晶窒化ホウ素(昭和電工株式会社:UHP-2Sグレード)とエポキシ樹脂の体積比が60:40になるように、六方晶窒化ホウ素を2.71g、エポキシ樹脂を0.92g秤量した。エポキシ樹脂は主剤(日本化薬株式会社:GAN)と硬化剤(新日本化薬株式会社:リカシッドMH-700G)を10:8の重量比で混合した総重量である。初めに、エポキシ樹脂主剤と硬化剤を混合し、それに立方晶窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素の混合粉末を加えてよく馴染ませた。次に、六方晶窒化ホウ素とナノダイヤモンド混合粉末とエポキシ樹脂の混合物を直径10mmφ、深さ2mmのシリコンゴム製錠剤成形型枠に充填した。その後乾燥機内で155℃、1時間の条件で硬化し、ペレット状の放熱材を得た。実測密度は1.25g/cm、熱伝導率は1.66W/m/Kであった。
【0046】
実施例、比較例の結果をフィラーの組合せと有機無機放熱材に占めるフィラーの体積比率、作製した放熱材の理論密度、実測密度、相対密度、熱伝導率についてまとめて表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
図2に本発明の実施例2及び比較例1、2で作製した有機無機放熱材料の表面観察像(2次電子像)を示す。大粒子が小粒子に置き換わると表面が滑らかになっているのが見て取れ、大粒子の隙間が埋まっているのが分かる。
【0049】
図3は本発明の実施例及び比較例で作製したすべての有機無機放熱材料のフィラー組成比に対する熱伝導率をプロットしたグラフである。大粒子と小粒子が共存している有機無機放熱材料(実施例)の熱伝導率は、大粒子のみまたは小粒子のみで構成された有機無機放熱材料(比較例)の熱伝導率を上回る結果であり、大粒子、小粒子の共存は、充填度が向上して空隙を減らし、単一粒子のみよりも多くの伝熱経路を形成したことが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の有機無機放熱材料は、電子機器や電気器具、二次電池、摺動部材に対し等方的に高い熱伝導率を有する放熱材料として好適である。また大小異サイズのフィラーを混ぜて有機無機放熱材料を作製する従来のアイディアおよび手法をより進化させ、最適な配合比を見出すことで高い熱伝導率が期待される無機粒子を高充填することで伝熱経路が確保され、1種のフィラーから作製される有機無機放熱材料よりも2倍以上高い熱伝導率を発現できる。

図1
図2
図3
図4