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特開2024-60325ベルトコンベア、及びベルトコンベア用のローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060325
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】ベルトコンベア、及びベルトコンベア用のローラ
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/42 20060101AFI20240424BHJP
   B65G 39/10 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
B65G15/42 A
B65G39/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167631
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】504134759
【氏名又は名称】SKマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 純雄
【テーマコード(参考)】
3F024
3F033
【Fターム(参考)】
3F024DA02
3F033GA01
3F033GD09
(57)【要約】
【課題】ベルトコンベアのローラの強度を維持しながら、ベルトコンベアの高さ寸法を小さくする。
【解決手段】第1のローラと、第2のローラと、前記第1のローラと前記第2のローラとに掛けられたベルトであって、ベルト送り方向に延びる桟部を裏面に備えたベルトとを有し、前記第1のローラと前記第2のローラの少なくとも一方は、ローラ本体と、前記ローラ本体の外周面に装着され、第1の開口端を備えた第1の管と、前記第1の開口端から間隔がおかれた第2の開口端を有し、前記ローラの前記外周面に装着された第2の管とを有し、前記第1の開口端と前記第2の開口端により、前記桟部が嵌るガイド溝の少なくとも一部が画定された、ベルトコンベア。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のローラと、
第2のローラと、
前記第1のローラと前記第2のローラとに掛けられたベルトであって、ベルト送り方向に延びる桟部を裏面に備えたベルトとを有し、
前記第1のローラと前記第2のローラの少なくとも一方は、
ローラ本体と、
前記ローラ本体の外周面に装着され、第1の開口端を備えた第1の管と、
前記第1の開口端から間隔がおかれた第2の開口端を有し、前記ローラの前記外周面に装着された第2の管とを有し、
前記第1の開口端と前記第2の開口端により、前記桟部が嵌るガイド溝の少なくとも一部が画定された、
ベルトコンベア。
【請求項2】
請求項1に記載のベルトコンベアであって、
前記第1の管と前記第2の管の各々の材料は、金属、樹脂、セラミック、及びゴムのいずれかである、
ベルトコンベア。
【請求項3】
請求項1に記載のベルトコンベアであって、
前記ローラ本体は、当該ローラ本体を回転駆動させるモータを内蔵する、
ベルトコンベア。
【請求項4】
請求項1に記載のベルトコンベアであって、
前記第1のローラと前記第2のローラとの間に設けられ、前記ベルトの動きに追従して回転すると共に、前記ベルトを前記裏面から支持するフリーローラを複数有する、
ベルトコンベア。
【請求項5】
請求項1に記載のベルトコンベアであって、
前記ベルトは、ワークが搭載される上部走行部と、前記上部走行部とは逆方向に走行する下部走行部とを備え、
前記第1のローラと前記第2のローラとの間に設けられ、前記下部走行部における前記ベルトの表面に当接して、前記下部走行部と前記上部走行部との間隔を狭める方向に前記下部走行部を押圧する補助ローラを更に有する、
ベルトコンベア。
【請求項6】
請求項1に記載のベルトコンベアであって、
前記ローラ本体の前記外周面と前記第1の管の第1の外周面との間と、前記ローラ本体の前記外周面と前記第2の管の第2の外周面の間の少なくとも一方に、空洞が設けられた、
ベルトコンベア。
【請求項7】
ベルトコンベア用のローラであって、
ローラ本体と、
前記ローラ本体の外周面に装着され、第1の開口端を備えた第1の管と、
前記第1の開口端から間隔がおかれた第2の開口端を有し、前記ローラの前記外周面に装着された第2の管とを有し、
前記第1の開口端と前記第2の開口端により、ベルトの桟部が嵌るガイド溝の少なくとも一部が画定された、
ローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア、及びベルトコンベア用のローラに関する。
【背景技術】
【0002】
工場、店舗、及び病院等においては、ワークの搬送を自動で行う無人搬送車(AGV: Automatic Guided Vehicle)が使用されることがある。無人搬送車は、作業者の代わりに床の上を自動で走行して目的の場所にワークを搬送する自律型の台車であり、作業者の作業負担を軽減することができる。無人搬送車にワークを搭載する方法としては、例えばロボット又は人手で搭載する方法がある。更に、近年では、台車の上部にベルトコンベアが設けられた無人搬送車も実現されている(例えば特許文献1)。この無人搬送車では、ロボット及び人手に頼らずに、ベルトコンベアを利用して台車にワークを搭載することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-54832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人搬送車に設けるベルトコンベアには様々な制約がある。例えば、無人搬送車の高さを低く抑えるために、ベルトコンベアの高さ寸法はなるべく小さいのが好ましい。
【0005】
しかしながら、ベルトコンベアの高さ寸法を小さくするために、ベルトが掛けられたローラを小径化すると、ローラの強度が不足し、ローラが撓んでしまう。
【0006】
本願発明は、ベルトコンベアのローラの強度を維持しながら、ベルトコンベアの高さ寸法を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係るベルトコンベアは、第1のローラと、第2のローラと、前記第1のローラと前記第2のローラとに掛けられたベルトであって、ベルト送り方向に延びる桟部を裏面に備えたベルトとを有し、前記第1のローラと前記第2のローラの少なくとも一方は、ローラ本体と、前記ローラ本体の外周面に装着され、第1の開口端を備えた第1の管と、前記第1の開口端から間隔がおかれた第2の開口端を有し、前記ローラの前記外周面に装着された第2の管とを有し、前記第1の開口端と前記第2の開口端により、前記桟部が嵌るガイド溝の少なくとも一部が画定される。
【0009】
上記ベルトコンベアにおいて、前記第1の管と前記第2の管の各々の材料は、金属、樹脂、セラミック、及びゴムのいずれかでもよい。
【0010】
上記ベルトコンベアにおいて、前記ローラ本体は、当該ローラ本体を回転駆動させるモータを内蔵してもよい。
【0011】
上記ベルトコンベアにおいて、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に設けられ、前記ベルトの動きに追従して回転すると共に、前記ベルトを前記裏面から支持するフリーローラを複数有してもよい。
【0012】
上記ベルトコンベアにおいて、前記ベルトは、ワークが搭載される上部走行部と、前記上部走行部とは逆方向に走行する下部走行部とを備え、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に設けられ、前記下部走行部における前記ベルトの表面に当接して、前記下部走行部と前記上部走行部との間隔を狭める方向に前記下部走行部を押圧する補助ローラを更に有してもよい。
【0013】
上記ベルトコンベアにおいて、前記ローラ本体の前記外周面と前記第1の管の第1の外周面との間と、前記ローラ本体の前記外周面と前記第2の管の第2の外周面の間の少なくとも一方に、空洞が設けられてもよい。
【0014】
本発明の別の態様に係るベルトコンベア用のローラは、ローラ本体と、前記ローラ本体の外周面に装着され、第1の開口端を備えた第1の管と、前記第1の開口端から間隔がおかれた第2の開口端を有し、前記ローラの前記外周面に装着された第2の管とを有し、前記第1の開口端と前記第2の開口端により、ベルトの桟部が嵌るガイド溝の少なくとも一部が画定される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ベルトコンベアのローラの強度を維持しながら、ベルトコンベアの高さ寸法を小さくすることができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)は、本実施形態に係るベルトコンベアの一部断面上面図の一例であり、図1(b)は、図1(a)のZ方向から見たベルトコンベアの側面図の一例である。
図2図2(a)は、図1(a)のA-A線に沿った第1のローラの一部断面側面図の一例であり、図2(b)は、第1のローラの別の構成例を示す図である。
図3図3(a)は、モータの断面図の一例であり、図3(b)は、図3(a)のE方向から見たモータの正面図の一例である。
図4図4は、第2のローラの断面図の一例である。
図5図5(a)は、ベルトの上面図の一例であり、図5(b)は、図5(a)のF-F線に沿う断面図の一例である。
図6図6は、図1(a)のC-C線に沿ったベルトコンベアの一部断面側面図の一例である。
図7図7は、フリーローラに代えて支持部材を用いたベルトコンベアの側面図の一例である。
図8図8(a)は、変形例に係るベルトコンベアの側面図の一例であり、図8(b)は、図8(a)の方向Gから見たときのベルトコンベアの一部断面正面図の一例である。
図9図9(a)は、別の変形例に係る第1のローラの一部断面側面図の一例であり、図9(b)は、別の変形例に係る第2のローラの断面図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態(及び変形例)において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0019】
<本実施形態>
図1(a)は、本実施形態に係るベルトコンベアの一部断面上面図の一例である。このベルトコンベア1は、無人搬送車用のベルトコンベアであって、第1のローラ2、第2のローラ3、及びベルト4を備える。なお、図1ではベルト4を破線で表すことでベルトコンベア1の内部構造が分かるようにしている。また、ベルトコンベア1の使用用途は無人搬送車に限定されず、一般の工場内で薄型コンベアを要求される所にベルトコンベア1を使用してもよい。
【0020】
第1のローラ2は、モータが内蔵された駆動ローラであって、第1のブラケット11と第2のブラケット12により両端が支持される。なお、第1のブラケット11と第2のブラケット12は、第1のフレーム7と第2のフレーム8の各々に固定されたアングルブラケットである。第1のフレーム7と第2のフレーム8は、略平行に延びる金属板である。
【0021】
一方、第2のローラ3は、モータが内蔵されていない従動ローラであって、第3のブラケット13と第4のブラケット14によって回転可能な状態で支持される。第3のブラケット13と第4のブラケット14は、第1のフレーム7と第2のフレーム8の各々に固定されたアングルブラケットである。
【0022】
ベルト4は、第1のローラ2と第2のローラ3とに掛けられた無端ベルトである。ベルト4の材料は、例えば布、樹脂、及びゴム等の可撓性材料である。ベルト4の幅は、例えば20cm~60cmである。また、第1のローラ2と第2のローラ3との間隔は、例えば30cm~300cmである。
【0023】
このベルトコンベア1においては、駆動された第1のローラ2の回転運動に追従してベルト4がベルト送り方向Xに沿って送られると共に、そのベルト4の動きに追従して第2のローラ3が回転する。これにより、ベルト4の表面上に載置されたワークWが、ベルト送り方向Xに搬送されることになる。この例では、2kg~50kg程度の重量のワークWを搬送することができる。
【0024】
なお、ベルト4の裏面には後述のようにベルト送り方向Xに沿って延びるベルトの蛇行防止用の桟部が設けられるが、その桟部に嵌るガイド溝23が各ローラ2、3に設けられる。
【0025】
また、第1のフレーム7と第2のフレーム8の各々には、ベルト送り方向Xに直行する方向に延びる連結部材37が固定される。更に、その連結部材37には、ベルト送り方向Xに沿って延びる支持板18が二枚一組となって固定される。そして、一組の支持板18は、ベルト送り方向Xに沿って複数配列されたフリーローラ6を支持する。
【0026】
図1(b)は、図1(a)のZ方向から見たベルトコンベア1の側面図の一例である。図1(b)に示すように、支持板18は、複数のフリーローラ6を回転可能な状態で支持する。各フリーローラ6は、第1のローラ2と第2のローラ3との間に設けられており、ベルト送り方向Xに沿って移動するベルト4の動きに追従して回転すると共に、ベルト4をその裏面4b側から支持する。なお、裏面4bはフリーローラ6の上側と下側を走行するが、上側を走行する裏面4bがフリーローラ6で支持される。
【0027】
このようにフリーローラ6が回転することで、ワークWの自重でベルト4が撓むのを抑制しながらベルト4が受ける摩擦を低減することができ、第1のローラ2を回転駆動する際の消費電力を低減できる。一例として、本実施形態ではフリーローラ6の転がり摩擦係数μ1が0.05~0.1となる。一方、フリーローラ6の替わりにすべり板を用いた場合(図7で後述)、裏面4bと擦接するすべり板の摩擦係数μ2は0.2~0.3程度となるから、本実施形態ではμ2/μ1 = 2~6倍の重さのワークWを搬送することができる。
【0028】
特に、無人搬送車は二次電池で駆動するため、低消費電力化により二次電池の持ちを長くすることもできる。
【0029】
また、フリーローラ6はベルト4の移動に連動して回転するため、ベルト4とフリーローラ6とが擦接する部分はほとんどない。そのため、ワークWの搬送時に発塵がほとんど発生せず、周囲の環境をクリーンに維持できる。特に、ワークWが食品の場合には塵が食品に付着し難くなり、食品の衛生状態を良好に保つことができる。
【0030】
本実施形態では、無人搬送車にベルトコンベア1を搭載できるようにするために、ベルトコンベア1の高さ寸法Hをなるべく小さくする。一例として、高さ寸法Hは、6cm~13cmである。
【0031】
図2(a)は、図1(a)のA-A線に沿った第1のローラ2の一部断面側面図の一例である。第1のローラ2は、ローラ本体20、第1の管21、及び第2の管22を備える。
【0032】
ローラ本体20は、第1のフレーム7から第2のフレーム8に向かって延びる金属製の管であって、その内部にモータ25を収容する。なお、図2(a)では、図が煩雑になるのを防ぐために、モータ25については断面ではなく側面を図示している。モータ25は、第2のブラケット12に固定された固定軸30と、回転軸Kを中心にして回転する外筒とを有する。ローラ本体20は、その外筒に固定されており、回転軸Kを中心にして回転する。
【0033】
このようにローラ本体20の内部にモータ25を収容することで、モータ25の回転駆動力をローラ本体20に伝達するための複雑な機構が不要となり、ベルトコンベア1の小型化を実現することができる。
【0034】
また、ローラ本体20の固定軸30と反対側の端部には、ベアリング等の軸受け19が収容される。その軸受け19には、先端が第1のブラケット11に固定された軸部材19aが装着される。これにより、ローラ本体20は、軸受け19を介して第1のブラケット11に回転可能な状態で取り付けられる。
【0035】
第1の管21と第2の管22は、それぞれローラ本体20の外周面20aに装着された管である。例えば、各管21、22は、ローラ本体20に圧入することにより外周面20aに装着される。また、外周面20aと各管21、22とを接着することにより、外周面20aに各管21、22を装着してもよい。この例では、破線円内に示すように、第1の管21の第1の開口端21aから間隔をおいて第2の管22の第2の開口端22aを設ける。これにより、各開口端21a、22aと、これらの間から露出する外周面20aによりガイド溝23が画定される。一例として、各開口端21a、22aの端面を傾斜面とすることで、ベルト4の桟部の形状に合うようにガイド溝23をテーパ状にしてもよい。
【0036】
各管21、22の材料としては、例えば、金属、樹脂、及びセラミック等がある。このうち、金属としては、例えばアルミニウム、鉄、及びステンレスがある。これらの材料からなる管21、22を使用する場合は、前述のように接着剤や圧入により各管21、22をローラ本体20に装着でき、かつ各管21、22の外径は装着前に規格によって定まっている。そのため、ローラ本体20に装着後に、各管21、22を所定の外径にするための研磨を行う必要がなく、各ローラ2、3の製造コストを低廉化できる。
【0037】
更に、ゴムで各管21、22を形成してもよい。特に、金型で成形したパイプ状のゴムは、ローラ本体に圧入することで各管21、22の外径を決めることができるため、各管21、22を所定の外径にするための研磨加工が不要となり、各ローラ2、3の製造コストを低廉化することができる。
【0038】
また、この例のように各開口端21a、22aでガイド溝23を画定すると、切削によりガイド溝23を形成する必要がなくなり、切削でガイド溝23を形成する場合よりもガイド溝23の寸法精度が向上する。
【0039】
更に、このようにローラ本体20に各管21、22を装着してガイド溝23を形成することで、各管21、22によって第1のローラ2が補強される。そのため、ローラ本体20にガイド溝23を形成する場合と比較して第1のローラ2の強度が高まり、ベルト4の張力で第1のローラ2が撓むのを防止できる。
【0040】
なお、第1のローラ2の構成は図2(a)に示す構成に限定されない。図2(b)は、第1のローラ2の別の構成例を示す図であり、図1(a)のA-A線に沿った第1のローラ2の一部断面側面図に相当する。図2(a)と同様に、図2(b)においても、図が煩雑になるのを防ぐために、モータ25については断面ではなく側面を図示している。
【0041】
図2(b)の例では、各ブラケット11、12の間隔と同程度の長さの固定軸30を備えたモータ25を用い、その固定軸30を各ブラケット11、12の両方に固定する。このような構成としても、図2(a)の例と同様に、各管21、22で第1のローラ2を補強しつつ、各管21、22によってガイド溝23を形成することができる。
【0042】
図3(a)は、モータ25の断面図の一例であって、図2(a)のD-D線に沿う断面図に相当する。図3(a)に示すように、モータ25は、固定軸30、電磁石31、永久磁石32、及び外筒33を備える。
【0043】
固定軸30は、回転軸Kに沿って延びており、前述の第2のブラケット12(図2(a)参照)に固定される。電磁石31は、固定軸30の外周面に固定されており、リード線35から供給される直流電流によって励磁する。また、外筒33は、ベアリング等の軸受け26、27を介して固定軸30に取り付けられており、回転軸Kを中心にして回転可能である。一例として、外筒33は、金属製の円筒であって、その外周面がローラ本体20の内周面に装着される。なお、外筒33の外周面とローラ本体20の内周面の形状は、ローラ本体20に外筒33を収容できれば円筒に限定されない。
【0044】
また、外筒33の外周面は、金属用の接着剤でローラ本体20の内周面に固定されてもよいし、ネジ等によってローラ本体20に機械的に固定されてもよい。その外筒33の内面には、電磁石31から間隔をおいて永久磁石32が固定される。
【0045】
これによれば、リード線35に直流電流を供給することで、電磁石31と永久磁石32との間に作用する磁力によって外筒33が回転する。
【0046】
なお、第1のローラ2のトルクを増加させるために、外筒33に減速ギア(不図示)を接続してもよい。この場合、外筒33の外周面にローラ本体20の内周面を装着するのではなく、当該内周面に固定された出力プレート(不図示)を減速ギアの出力軸に接続すればよい。更に、この例のように固定軸30が第2のブラケット12に固定されたモータ25に代えて、外筒が第2のブラケット12に固定されたモータを採用し、そのモータの回転軸に減速ギア(不図示)を接続してもよい。その場合、モータの回転軸に減速ギア(不図示)を接続し、ローラ本体20の内周面に固定された出力プレート(不図示)を減速ギアの出力軸に接続して、第1のローラ2のトルクを増加させてもよい。
【0047】
また、この例のようにモータ25が直流モータの場合は、モータ25への供給電力は、無人搬送車に設けられた不図示の二次電池から供給される。そして、モータ25の回転は、無人搬送車に設けられた不図示のコントローラにより制御される。なお、直流モータに代えて交流モータをモータ25として用いてもよい。
【0048】
図3(b)は、図3(a)のE方向から見たモータ25の正面図の一例である。図3(b)に示すように、外筒33は正面視で円形である。
【0049】
図4は、第2のローラ3の断面図の一例であって、図1(a)のB-B線に沿う断面図である。
【0050】
第2のローラ3は、第1のローラ2と同様に、ローラ本体20、第1の管21、及び第2の管22を備える。ローラ本体20の一方の端部にはベアリング等の軸受け41が収容される。その軸受け41には、先端が第4のブラケット14に固定された軸部材41aが装着される。同様に、ローラ本体20の他方の端部にはベアリング等の軸受け42が収容される。その軸受け42には、先端が第3のブラケット13に固定された軸部材42aが装着される。これにより、第2のローラ3は、回転軸Kを中心にして回転可能となる。
【0051】
また、第1のローラ2と同様に、各管21、22は間隔をおいてローラ本体20に装着される。これにより、各管21、22で第2のローラ3の強度を高めつつ、各管21、22の開口端21a、22aとローラ本体20の外周面20aでガイド溝23を画定することができる。
【0052】
図5(a)は、ベルト4の上面図の一例である。図5(a)に示すように、ベルト4の裏面4bには、ベルト送り方向Xに沿って延びる桟部4aが設けられる。桟部4aは、各ローラ2、3のガイド溝23(図1参照)に嵌る突形状を有し、接着剤等によって裏面4bに接着される。これに代えて桟部4aをベルト4と一体成型してもよい。なお、ガイド溝23に桟部4aに嵌るのであれば、ガイド溝23の表面を金属や樹脂等の部材で被覆してもよい。
【0053】
図5(b)は、図5(a)のF-F線に沿う断面図の一例である。図5(b)に示すように、ベルト4は、ベルト送り方向Xに沿って走行する。このとき、上記のように桟部4aがガイド溝23(図1参照)に嵌ることで、ベルト4が蛇行するのを防止することができる。
【0054】
図6は、図1(a)のC-C線に沿ったベルトコンベア1の一部断面側面図の一例である。図6では、図が煩雑になるのを防ぐために、フリーローラ6については断面ではなく側面を示している。図6に示すように、前述の複数のフリーローラ6の各々は、二枚一組の支持板18によって回転可能な状態で支持される。更に、複数の支持板18の各々は、連結部材37を介して各フレーム8、7に固定される。
【0055】
フリーローラ6の材料としては、例えばプラスチック又はアルミニウムがある。フリーローラ6はベルト4をその裏面から支持するように機能するが、フリーローラに代えて以下のような支持部材を用いてもよい。
【0056】
図7は、フリーローラに代えて支持部材を用いたベルトコンベア1の側面図の一例である。図7に示すように、支持部材38は、第2のフレーム8に固定されており、ベルト4をその裏面4bの下方側から支持する。また、支持部材38は、送り方向Xに沿って走行するベルト4の裏面4bに擦接する擦接面38aを備える。
【0057】
このように支持部材38を設けることで、ベルトコンベア1の高さ寸法Hを小さく維持しながら、可撓性材料からなるベルト4がワークWの自重によって撓むのを防止でき、ワークWを安定して搬送することが可能となる。しかも、フリーローラ6が不要となるため、フリーローラ6のコストだけベルトコンベア1の低廉化を実現できる。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、図2(a)と図4に示したように、第1の管21と第2の管22の各々を間隔をおいてローラ本体20に装着する。これにより、各ローラ2、3を各管21、22で補強しつつ、桟部4aが嵌るガイド溝23を形成できる。更に、各ローラ2、3に各管21、22を装着しても、各ローラ2、3の半径は各管21、22の厚さ程度しか増加しない。これにより、各ローラ2、3の強度を維持しながらベルトコンベア1の高さ寸法Hを小さくすることができる。
【0059】
また、ベルト4の弛みを防止するために、以下のような変形例に係る構成を採用してもよい。
【0060】
図8(a)は、変形例に係るベルトコンベア1の側面図の一例であって、図1(a)のZ方向から見た側面図に相当する。また、図8(b)は、図8(a)の方向Gから見たときのベルトコンベア1の一部断面正面図の一例を示す図である。
【0061】
この変形例では、各ローラ2、3の軸方向と同じ方向に延びた軸棒52を設け、その軸棒52の両端を各フレーム7、8に固定する。第2のフレーム8に軸棒52を固定する方法は特に限定されず、図8(a)のようにストッパ51で第2のフレーム8に軸棒52を固定し得る。第1のフレーム7についても同様である。また、軸棒52は、第1のローラ2と第2のローラ3の間に設けられる。
【0062】
軸棒52は、例えば鉄やステンレス等の金属製の丸棒である。そして、軸棒52の外周面に補助ローラ53を装着する。なお、図8(b)においては、図が煩雑になるのを防ぐために、ベルト4と補助ローラ53についてはそれらの断面を示し、これ以外の要素については正面図を示している。補助ローラ53は、軸棒52の直径と同程度の内径を有する円筒であって、軸棒52を中心にして回転可能である。補助ローラ53の材料としては、例えばアルミニウム等の金属や樹脂等がある。
【0063】
この例では一つの軸棒52に補助ローラ53が複数装着される。なお、一つの軸棒52に補助ローラ53を一つのみ装着してもよい。また、この例では図8(a)のように軸棒52の本数を2本としたが、軸棒52を3本以上設けてもよいし、軸棒52を1本のみ設けてもよい。
【0064】
また、ベルト4は、上部走行部4xと下部走行部4yとを備える。上部走行部4xは、ワークWを搭載したベルト4がベルト送り方向Xに沿って走行する部分である。一方、下部走行部4yは、上部走行部4xと相対するベルト4の部分であって、ベルト送り方向Xとは逆方向の方向Yに沿ってベルト4が走行する部分である。
【0065】
補助ローラ53は、下部走行部4yにおけるベルト4の表面4cに当接し、上部走行部4xと下部走行部4yとの間隔Dを狭める方向に下部走行部4yを押圧する。これにより、ベルト4の張力が増大するためベルト4の弛みを防止できる。その結果、例えばベルト4が弛んで床面に接し、ベルト4が汚染されたりベルトが摩耗したりするのを防止できる。
【0066】
更に、各ローラ2、3の軽量化を図るため、次のような更に別の変形例に係る構造を採用してもよい。
【0067】
図9(a)は、別の変形例に係る第1のローラの一部断面側面図の一例であり、図9(b)は、別の変形例に係る第2のローラの断面図の一例である。なお、図9(a)では、図が煩雑になるのを防ぐために、モータ25については断面ではなく側面を図示している。
【0068】
図9(a)、(b)に示すように、この変形例では、ローラ本体20の外周面20aと第1の管21の第1の外周面21cとの間に第1の空洞21bを設ける。ここでは、第1の管21の両端を肉厚にしてローラ本体20に密着させつつ、第1の管21の中途部の厚さを薄くしてローラ本体20の外周面20aから離間させることにより、第1の管21の内周面とローラ本体20の外周面20aとで確定される第1の空洞21bを設ける。
【0069】
同様にして、ローラ本体20の外周面20aと第2の管22の第2の外周面22cとの間に第2の空洞22bを設ける。例えば、第2の管22の両端を肉厚にしてローラ本体20に密着させつつ、第2の管22の中途部の厚さを薄くしてローラ本体20の外周面20aから離間させることにより、第2の管22の内周面とローラ本体20の外周面20aとで確定される第2の空洞22bを設ける。
【0070】
なお、第1の空洞21bと第2の空洞22bの両方を設けるのではなく、これらの一方のみを設けてもよい。また、各空洞21b、22bの形状は図示の形状に限定されず、例えば肉厚部で区切ることにより複数の空洞を配置してもよい。更に、第1の管21の壁の内部に第1の空洞21bを設けたり、第2の管22の壁の内部に第2の空洞22bを設けたりしてもよい。
【0071】
このように空洞21b、22bを設けることで、各管21、22が軽量化されるため、各ローラ2、3も軽量化することができる。
【0072】
以上、本発明に係るベルトコンベアの実施形態について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0073】
例えば、本実施形態では第1のローラ2を駆動ローラ、第2のローラ3を従動ローラとしたが、第1のローラ2と第2のローラ3の両方を駆動ローラとしてもよい。また、第1のローラ2と第2のローラ3の両方を従動ローラとしてもよい。この場合、ベルト4を手で移動させることで各ローラ2、3を回してもよいし、各ローラ2、3の外に設けた駆動機構(例えばチェーンとモータを用いた駆動機構)で各ローラ2、3を回してもよい。
【0074】
更に、第1のローラ2と第2のローラ3のいずれか一方を一本の筒で構成し、その筒にガイド溝23を形成してもよい。
【0075】
また、第1のローラ2と第2のローラ3のいずれかと同じ構造を有するローラを設けることで、3個以上のローラでベルト4を搬送するようにしてもよい。
【0076】
本発明に係るベルトコンベアは、無人搬送車に限らず、ベルトコンベアが必要とされる様々な設備、装置、機器に使用できることは言うまでもない。また、第1のローラ及び第2のローラは、ベルトコンベア用の部品として提供できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
1…ベルトコンベア、2…第1のローラ、3…第2のローラ、4…ベルト、4a…桟部、4b…裏面、4c…表面、4x…上部走行部、4y…下部走行部、6…フリーローラ、7…第1のフレーム、8…第2のフレーム、11…第1のブラケット、12…第2のブラケット、13…第3のブラケット、14…第4のブラケット、18…支持板、19a…軸部材、20…ローラ本体、20a…外周面、21…第1の管、21a…第1の開口端、21b…第1の空洞、21c…第1の外周面、22…第2の管、22a…第2の開口端、22b…第2の空洞、22c…第2の外周面、23…ガイド溝、25…モータ、30…固定軸、30a…端部、31…電磁石、32…永久磁石、33…外筒、35…リード線、37…連結部材、38…支持部材、38a…擦接面、41a、42a…軸部材、51…ストッパ、52…軸棒、53…補助ローラ。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9